JP2007503783A - 調整可能な電気チルトを持つ位相調整アレイアンテナシステム - Google Patents

調整可能な電気チルトを持つ位相調整アレイアンテナシステム Download PDF

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Abstract

本発明は、調整可能な電気チルトを持ち、アンテナ要素のアレイを備える位相調整アレイアンテナシステムを提供し、本システムは以下を含むことを特徴とする。
a)第一のRF信号と第二のRF信号との間に可変相対移相をもたらすための可変移相器、
b)前記相対移相された第一及び第二の信号を、コンポーネント信号に分けるための分割装置、及び
c)前記コンポーネント信号のベクトル結合を形成して、前記可変移相器によってもたらされた前記可変相対移相の変化に応じて、前記アレイの電気チルトの角度が調整可能であるように、他の駆動信号に対して適当な位相調整を持つ、個々の各アンテナ要素のためのそれぞれの駆動信号を提供するための信号結合ネットワーク。

Description

本発明は、調整可能な電気チルトを持つ位相調整アレイアンテナシステムに関するものである。それは、電気通信の多くの領域での使用に適しているが、一般的に移動電話ネットワークと呼ばれるセルラ移動無線ネットワークにおける特定の応用例が見出されている。特に、無制限にではないが、本発明のアンテナシステムを、GSMシステムのような第二世代(2G)移動電話ネットワーク、及びユニバーサル移動電話システム(UMTS)のような第三世代(3G)移動電話ネットワークで使用することができる。
セルラ移動無線ネットワークのオペレータは、一般的には、彼等自身の基地局を用い、その各々は、少なくとも1つのアンテナを持つ。セルラ移動無線ネットワークでは、アンテナは、基地局への通信を行うことができる有効範囲を定めることにおける主要な要素である。その有効範囲は、一般的には、多数の重なっているセルに分けられ、その各々はそれぞれのアンテナ及び基地局と関連付けられる、。セルはまた、一般的に、セクタにわけられて、通信の有効範囲を増大させる。
各セクタのアンテナは、そのセクタ内の全ての移動無線受信機との無線通信のために、基地局に接続される。基地局は、通常、ポイントツーポイント無線リンク、又は固定地上通信線のような他の通信手段によって相互接続され、セルの有効範囲エリアじゅうの移動無線受信機が、互いに、ならびにセルラ移動無線ネットワーク外の公共電話網と通信することを、可能にする。
位相調整アレイアンテナを使用するセルラ移動無線ネットワークは既知であり、そのようなアンテナは、ダイポール又はパッチのような、(通常、8又はそれ以上の)個別のアンテナ要素のアレイを備える。アンテナは、メインローブ及びサイドローブから成る輻射パターンを持つ。メインローブの中心は、アンテナの最大感度の方向、すなわち、そのメイン輻射ビームの方向である。アンテナ要素によって受信された信号が、アレイの端からの距離とともに線形に変化する遅延の分だけ遅延される場合には、アンテナのメイン輻射ビームが増大する遅延の方向に向けられるというのは、位相調整アレイアンテナの良く知られた特性である。ゼロ及び非ゼロの遅延の変動に対応するメイン輻射ビームの間の中心角、すなわち指向の角度は、アレイ間の距離に伴う遅延の変化の割合に依存する。
信号位相を変化させることにより、遅延を等価に実装することができ、従って、数式位相調整アレイとなる。それゆえ、異なるアンテナ要素に与えられた信号間の位相関係を調整することにより、アンテナパターンのメインビームを変えることができる。これは、ビームを指向させて、アンテナの有効範囲を変更することを可能にする。
セルラ移動無線ネットワーク内の位相調整アレイアンテナのオペレータは、彼等のアンテナの垂直輻射パターン、すなわち垂直面におけるパターンの断面を調整したいという要求を持つ。これは、アンテナの有効範囲を調整するために、「チルト」としてもまた知られる、アンテナのメインビームの垂直角を変えるのに必須である。例えば、セルラネットワーク構造、或いは、基地局又はアンテナの数の変化を補償するために、このような調整が必要とされ得る。チルトのアンテナ角の調整は、機械的及び電気的の両方で知られており、かつ、個別に或いは組み合わせて知られている。
アンテナ要素、又はそれらのハウジング(レーダドーム)を移動させることにより、チルトのアンテナ角を機械的に調整することができ、それは、「機械チルト」の角度を調整する、と呼ばれる。前で説明したように、物理的な移動なしに、各アンテナアレイ要素(或いは、要素群)に与えられる、又はそれらから受信される信号の時間遅延又は位相を変化させることにより、チルトのアンテナ角を電気的に調整することができ、これは、「電気チルト」の角度を調整する、と呼ばれる。
セルラ移動無線ネットワークにおいて使用される時、位相調整アレイアンテナの垂直輻射パターン(VRP)は、多数の重要な要件を持つ。
1. 高メインローブ(又は、照準)利得、
2. 異なるセル又はネットワーク内の基地局を使用する移動体に対する干渉を回避するのに充分低い、第一の上側サイドローブレベル
3. アンテナの非常に近辺における通信を可能にするのに充分高い、第一の下側サイドローブレベル
これらの要件は相互に矛盾する。例えば、照準利得が増大すると、サイドローブのレベルが増大するであろう。照準レベルを基準として、-18dBの第一の上側サイドローブレベルが、システム全体の性能における適当な妥協点を提供することがわかった。
機械チルトの角、又は電気チルトの角のいずれかを調整する効果は、照準が水平面の上又は下のいずれかを指すように、その照準の位置を変えることであり、これは、アンテナの有効範囲を変える。
セルラ無線基地局のアンテナの機械チルト、及び電気チルトの両方を変えることができることが望ましく、これらの形のチルトは、アンテナの地上有効範囲、及びまたその基地局の非常に近辺の他のアンテナへの様々な影響を持つので、これは、セル又はセクタ有効範囲の最適化における最大の柔軟性を可能にする。さらに、電気チルトの角度を、アンテナ組立品から離れて調整できる場合には、動作効率が改善される。アンテナの機械チルトの角度は、そのレーダドームの位置を変えることにより調整できるのに対して、その電気チルトの角度を変えることは、アンテナのコスト及び複雑さを増大させる更なる電子回路を必要とする。さらに、多数のオペレータ間で単一のアンテナを共有する場合には、各オペレータに対して、個別の電気チルトの角度を提供することが好ましい。
共有アンテナからの電気チルトの個別の角度の必要性は、これまで満たされず、システム性能の妥協という結果になっていた。電気チルトの角度を変えるために採用された手法の結果として、利得が減少した場合には、システム性能の更なる低下もまた起こり得る。
R.C.Johnson著, Antenna Engineers Handbook, 3rd Ed 1993, McGraw Hill, ISBN 0-07-032381-X, Ch 20, 図20-2は、位相調整アレイアンテナの電気チルトの角度をローカル、又はリモートで調整するための方法を開示する。この方法では、無線周波(RF)送信機の搬送信号が、アンテナへ送られ、アンテナの輻射素子へ配信される。アンテナ間の距離の関数として信号位相を調整して、アンテナの電気チルトの角度を変えることができるように、各アンテナ要素は、可変移相器を関連付けられる。チルトされない時の電力の配信は、サイドローブレベル及び照準利得をセットするように、適合される。チルト範囲全体にわたってサイドローブレベルが増大しないように、チルトの全ての角度について位相面を制御する時、チルトの角度の最適な制御が得られる。必要な場合には、サーボ機構を使って、移相器の位置を制御することにより、電気チルトの角度をリモートで調整することができる。
この従来技術の方法のアンテナは、多数の不利な点を持つ。各アンテナ要素について、可変移相器が必要とされる。必要とされるそのような移相器の数のため、アンテナのコストは高い。要素ごとではなく、アンテナ要素の群について、単一の共通遅延デバイス又は移相器を使用することにより、コストを下げることができるが、これは、サイドローブのレベルを増大させる。例えば、公開された国際特許出願第WO 03/036756号、及び日本の特許出願第JP20011211025 A号を参照せよ。
遅延デバイスの機械的結合を使用して、遅延を調整することができるが、これを正しく行うことは難しい。さらに、機械連結及び歯車は、遅延の最適でない分配という結果になる。アンテナが下方へチルトされる時、上側サイドローブのレベルが増大し、従って、他の基地局を使う移動体に対する干渉源となる可能性のあるものをもたらす。アンテナを多数のオペレータにより共有する場合には、オペレータは、異なる角度ではなく、電気チルトの共通の角度を持つことが好ましい。結局、異なる周波数でアップリンク及びダウンリンクを持つ通信システム(周波数分割二重システム)において、アンテナを使用する場合には、信号処理構成要素の周波数依存の特性のため、送信モードにおける電気チルトの角度は、受信モードにおける電気チルトの角度とは異なる。
国際特許出願第PCT/GB2002/004166号、及び第PCT/GB2002/004930号は、アンテナに接続された一対の信号供給間の位相の差異により、アンテナの電気チルトの角度をローカルで、又はリモートで調整することを説明する。
位相調整アレイアンテナシステムの代替の形を提供することが、本発明の目的である。
本発明は、調整可能な電気チルトを持ち、アンテナ要素のアレイを備える位相調整アレイアンテナシステムを提供し、本システムは以下を含むことを特徴とする。
a)第一と第二のRF信号間に可変相対移相をもたらすための可変移相器、
b)前記相対移相された第一及び第二の信号を、コンポーネント信号に分けるための分割装置、及び
c)前記コンポーネント信号のベクトル結合を形成して、前記可変移相器によってもたらされた前記可変相対移相の変化に応じて、前記アレイの電気チルトの角度が調整可能であるように、他の駆動信号に対して適切な位相調整を持つ、個々の各アンテナ要素のためのそれぞれの駆動信号を提供するための信号結合ネットワーク。
本発明は、従来技術のような、アンテナ要素又はアンテナ要素群ごとに一つの可変移相器というのではなく、たった一つの信号可変移相器を使用して、アレイ全体における電気チルトを調整することが可能である、という利点を提供する。一又はそれ以上の更なる移相器を使用する場合には、電気チルトの範囲の拡大を獲得することができる。
本アンテナシステムは、奇数個の数のアンテナを持つことができる。前記可変移相器は、第一の可変移相器とすることでき、本システムは、前記第一の可変移相器によって移相されたコンポーネント信号を移相するように配置された第二の可変移相器を含み、かつ、前記第二の可変移相器が、直接、或いは一又はそれ以上のスプリッタ/可変移相器の組み合わせを介してのいずれかで、前記信号結合及び移相ネットワークのための更なるコンポーネント信号出力を提供する。
前記可変移相器は、複数の可変移相器のうちの1つとすることができ、前記信号移相及び結合ネットワークは、そのうちの幾つかは全ての可変移相器を通り抜け、幾つかは全ての可変移相器を通り抜けないコンポーネント信号から、アンテナ要素駆動信号を生み出すように配置される。
前記分割装置は、コンポーネント信号を、前記信号移相及び結合ネットワークへの入力のための更なるコンポーネント信号に分けるように、配置することができる。信号移相及び結合ネットワークは、前記コンポーネント信号を移相し、及びベクトル結合するために、移相器及びハイブリッド結合器(ハイブリッド)を用いることができる。ハイブリッドは、180°ハイブリッドとすることができ、また、和及び差分ハイブリッドとして知られる。ハイブリッドは、各々が、円周が(n+1/2)λ、入力ポート及び出力ポートがλ/4だけ離れているリングハイブリッドとして構成することができ、ここで、nは整数、及びλは、各リングハイブリッドがその成分で構成されるRF信号の波長である。各ハイブリッドの入力及び出力ポートは、システムインピーダンスと整合する。
前記コンポーネント信号をベクトル結合するためのハイブリッドは、入力信号I1及びI2を、(I1+I2)及び(I1-I2)以外のベクトル和及び差分に変換するように、設計されるであろう。
前記分割装置、可変移相器、及び、前記信号移相及び結合ネットワークを、アンテナアレイと同じ場所に配置して、アンテナ組立品を形成することができ、前記組立品は、リモートの信号源からの単一RF入力電力フィーダを持つ。そのかわりに、前記分割装置は、第一、第二、及び第三のスプリッタを含むことができ、前記第一のスプリッタは、前記第二及び第三のスプリッタから離して、前記可変移相器とともに配置され、前記信号移相及び結合ネットワーク、及び前記アンテナアレイは、アンテナ組立品として同じ場所に配置され、かつ、前記組立品は、前記第一のスプリッタ及び可変移相器が配置されているリモートの信号源からの二重RF入力電力フィーダを持つ。
前記可変移相器は、送信チャネルにおいて接続される第一の可変移相器とすることができ、本システムは、受信チャネルにおいて接続される第二の可変移相器を含む。可変移相ではなく、固定移相を提供する同様な送信及び受信チャネルが、存在するであろう。次に、前記信号移相及び結合ネットワークは、送信チャネル内の信号に応じてアンテナ要素駆動信号を生み出し、受信モードで作動するアンテナ要素で生じた信号から受信チャネル信号を生み出すことにより、送信及び受信モードの両方において作動するように配置される。そのとき、電気チルトの角度は、各モードにおいて独立して調整可能である。
前記可変移相器は、それぞれのオペレータと関連付けられる複数の可変移相器のうちの1つとすることができ、かつ、本システムは、それぞれの可変移相器において、移相した後、信号を共通信号供給装置へルーティングするためのフィルタリング及び結合装置を含み、前記共通信号供給装置は分割装置、及び、電気チルトが独立して調整可能な状態で、両方のオペレータからの寄与を含む信号をアンテナに提供するための信号結合及び移相ネットワーク、に接続される。前記複数の可変移相器は、各オペレータと関連付けられる、それぞれの可変移相器のペアを備えることができ、かつ、本システムは、電気チルトが各モードにおいて独立して調整可能な状態で、送信及び受信モードで作動するように、順方向及び逆方向の両方の信号処理能力を持つ構成要素を有するであろう。
更なる側面として、本発明は、アンテナ要素のアレイを含む位相調整アレイアンテナシステムの電気チルトを調整する方法を提供し、本方法は、以下を含むことを特徴とする。
a)第一RF信号と第二RF信号との間に、可変相対移相をもたらし、
b)前記相対移相された第一及び第二信号をコンポーネント信号に分け、及び
c)前記コンポーネント信号をベクトル結合及び相対移相させて、前記可変相対移相の変化に応じて、前記アレイの電気チルトの角度が調整可能であるように、他の駆動信号に対して適当な位相調整を持つ、個々の各アンテナのための駆動信号を提供する。
前記アレイは、奇数の数のアンテナ要素を持つことができる。
本方法は、複数の可変移相器において移相を受ける少なくとも1つのコンポーネント信号を生成するステップ、を含むことができる。前記可変移相器は連動することができ、本方法は、そのうちの幾つかは全ての可変移相器を通り抜け、幾つかは全ての可変移相器を通り抜けないコンポーネント信号から、アンテナ要素駆動信号を生み出すステップ、を含む。
本方法は、コンポーネント信号を、前記信号移相及び結合ネットワークへの入力のための更なるコンポーネント信号に分けるステップ、を含むことができる。それは、前記コンポーネント信号を移相し、ベクトル結合するために、移相器及びハイブリッドを用いることができる。ハイブリッドは180°ハイブリッドとすることができる。それらは、円周が(n+1/2)λ、かつ入力及び出力ポートがλ/4だけ離れたリングハイブリッドとすることができ、ここで、nは整数であり、λは、その成分を使って各リングハイブリッドが構成されるRF信号の波長である。前記分割装置はまた、このようなリングハイブリッドを含むことができ、各ハイブリッドの1つのポートは、値がシステムインピーダンスに等しい抵抗器で終端されて、整合負荷を形成する。
前記コンポーネント信号をベクトル結合するためのハイブリッドは、入力信号I1及びI2を、(I1+I2)及び(I1-I2)以外のベクトル和及び差分に変換するように、設計することができる。
本方法は、前記アンテナアレイと同じ場所に配置されてアンテナ組立品を形成するネットワークにおいて、分割、可変移相、及びベクトル結合するための単一RF入力信号を、リモートの信号源から供給するステップ、を含むことができる。そのかわりに、本方法は、互いに対して可変位相を持つ2つのRF入力信号を、リモートの信号源からアンテナ組立品に供給し、前記アンテナアレイと同じ場所に配置されたネットワークにおいて、信号を分割、移相、及び結合するステップ、を含むこともできる。それは、送信及び受信の両方のモードでの動作のために、送信及び受信チャネルを用いることができ、送信チャネル内の信号に応じて、アンテナ要素駆動信号を生み出し、かつ、受信モードで作動するアンテナ要素で生じた信号から、受信チャネル信号を生み出す。
前記可変移相器は、それぞれのオペレータと関連付けられる複数の可変移相器のうちの一つとすることができ、かつ、前記方法は以下のステップを含む。
a)それぞれの可変移相器において移相した後、信号をフィルタリング及び結合し、それらを、前記分割装置、及び前記信号結合及び移相ネットワークに接続されている共通信号供給装置へ送り、
b)両方のオペレータからの寄与を含む信号を、前記アンテナに提供し、及び、
c)各オペレータと関連付けられる電気チルトを、独立して調整する。
前記複数の可変移相器は、各オペレータと関連付けられる可変移相器のそれぞれのペアを備えることができる。前記方法は、順方向及び逆方向の両方の信号処理能力を有する構成要素を用い、かつ、前記方法は、電気チルトが各モードにおいて独立して調整可能な状態で、送信及び受信モードで作動するステップ、を含むことができる。
本発明をより完全に理解することができるようにするために、ここで、その実施形態を、添付図面を参照して、例としてのみ、説明する。
(詳細な説明)
示された全ての例は、「整合」システムを形成するために、信号源インピーダンスがそれぞれの負荷インピーダンスと等しい接続点、を用いる。整合システムは、信号源から負荷へ送信される電力を最大化し、信号反射を避ける。信号線が抵抗器で終端されるとき(例えば、図6参照)、無反射終端を形成するために、その抵抗器の値はシステムインピーダンスに等しい。
図1を参照すると、個々のアンテナ要素(示されていない)の位相調整アレイであるアンテナ12の垂直輻射パターン(VRP)10a及び10bが、示されている。アンテナ12は、平面であり、中心14を持ち、かつ、図面の面において垂直方向に延びる。VRP 10a及び10bは、アンテナ12間の距離に伴う、アンテナ要素信号の遅延又は位相のゼロ及び非ゼロの変動に、それぞれ対応する。それらは、中心線或いは「照準」18a、18bを持つそれぞれのメインローブ16a、16b、第一の上側サイドローブ20a、20b、及び第一の下側サイドローブ22a、22bを持ち、ここで、18cは、非ゼロの等価物18bとの比較のため、遅延の変動がゼロの場合の照準方向を示している。例えば、サイドローブ20のように、添字a又はbなしで参照される時は、その要素の関連するペアのいずれも、区別なく参照される。VRP10bは、VRP10aに対して(示すように下向きに)チルトされ、すなわち、アンテナ12間の距離とともに遅延が変化する割合に依存した大きさを持つメインビーム中心線18bと18cとの間の角度、すなわち、チルト角が存在する。
VRPは、多数の条件を満たさなければならない。a)高照準利得、b)第一の上側サイドローブ20が、他のセルを使用する移動体に干渉をもたらすのを避けるのに充分な低いレベルでなければならない、及びc)第一の下側サイドローブ22が、アンテナの非常に近辺において通信が可能であるのに充分でなければならない。
それらの要件は、相互に矛盾している。例えば、照準利得を最大化することは、サイドローブ20、22を増大させるであろう。照準レベル(メインビーム16の長さ)に対して、
-18dBの第一の上側サイドローブレベルが、システム全体の性能における適当な妥協点を提供することがわかった。アンテナの有効口径の縮小により、照準利得は、チルト角の余弦に比例して減少する。チルトの角がどのくらい変化するかによって、照準利得の更なる低下が生じるであろう。
機械チルトの角度、又は電気チルトの角度のいずれかを調整することの効果は、照準が水平面の上又は下のいずれかを指すように、照準の位置を変え、それにより、アンテナの有効範囲を増大又は減少させることである。機械チルト、及び電気チルトの各々は、地上有効範囲の形状及び領域への別々の影響を持ち、また、非常に近辺、及び隣接するセルの両方における他のアンテナへも別々の影響を持つので、使用の最大柔軟性のため、セルラ無線基地局は、利用可能な機械チルト、及び電気チルトの両方を持つことが好ましい。アンテナから離れて、そのアンテナの電気チルトを調整できる場合には、また都合がよい。さらに、多数のオペレータ間で単一のアンテナを共有する場合には、各オペレータについて個々の電気チルト角を提供することが好ましい。
ここで図2を参照すると、電気チルトの角度が調整可能である、従来技術の位相調整アレイアンテナシステム30を示している。システム30は、無線周波(RF)送信機搬送信号のための入力32を含み、その入力は、電力配信ネットワーク34に接続されている。ネットワーク34は、移相器Phi.E0、Phi.E1L〜Phi.E[n]L、及びPhi.E1U〜Phi.E[n]Uを介して、それぞれ、位相調整アレイアンテナシステム30のそれぞれの輻射アンテナ要素E0、E1L〜E[n]L、及びE1U〜E[n]Uに接続される。ここで、添字U及びLは、それぞれ、上側及び下側を示しており、位相調整アレイサイズを定めるnは、2より大きい任意の正の整数であり、かつ、36のような点線は、如何なる所望のアレイサイズについても要求される通りに、関連要素を複製できること、を示している。
位相調整アレイアンテナシステム30は、以下のように作動する。RF送信機搬送信号が、入力32を介して、電力配信ネットワーク34へ供給される。ネットワーク34は、この信号を、移相器Phi.E0、Phi.E1L〜Phi.E[n]L及びPhi.E1U〜Phi.E[n]U間で分け(等しく分ける必要はない)、それら移相器は、受信した信号を移相し、その結果として生じる移相された信号を、それぞれの関連アンテナ要素E0、E1L〜E[n]L、E1U〜E[n]Uへ送る。各要素についての移相及び信号振幅は、適当な電気チルトの角度を選択するように、選択される。チルトの角度がゼロである時、サイドローブのレベル、及び照準利得を適切にセットするように、ネットワーク34による電力の分配が選択される。サイドローブのレベルがチルトの範囲全体にわたって著しく増大しないように、チルトの全ての角度について位相面を制御する時、チルトの角度の最適な制御が獲得される。必要な場合には、サーボ機構を使って、移相器Phi.E0、Phi.E1L〜Phi.E[n]L及びPhi.E1U〜Phi.E[n]Uを制御することにより、電気チルトの角度をリモートで調整することができ、それは、機械的に作動させることができる。
従来技術の位相調整アレイアンテナシステム30は、以下のような多数の不利な点を持つ。
a)各アンテナ要素について、或いは要素群ごとに、それぞれの移相器を必要とする。
b)必要な移相器の数のため、アンテナのコストが高い。
c)移相器を要素群に加えることによるコスト削減は、サイドローブのレベルを増大する。
d)遅延を正しくセットするような移相器の機械的結合は困難であり、かつ、最適ではない遅延方式という結果になる機械的連結及び歯車が使用される。
e)アンテナが下向きにチルトされる時、上側サイドローブのレベルが増大し、他のセルを使用する移動体に、干渉源となる可能性のあるものをもたらす。
f)アンテナを様々なオペレータにより共有する場合には、全てが、同じ角度の電気チルトを使用しなければならない。
g)異なる周波数のアップリンク及びダウンリンクを持つシステム(周波数分割二重システム)では、送信における電気チルトの角度が、受信における電気チルトの角度とは異なる。
ここで、図3を参照すると、調整可能な電気チルトの角度を持つ、本発明の位相調整アレイアンテナシステム40を示している。システム40は、この分野では「レベル」と呼ばれる、41のような点線のペア間に示される、5つの連続した機能領域401〜405を含む。それは、RF搬送送信信号のための入力42を持つ。入力42は、入力として、電力スプリッタ44に接続され、振幅V1A、V1Bを持つ2つの出力信号を提供し、これらは、それぞれ、可変移相器46、及び第一の固定移相器48への入力信号となる。移相器46及び48を、等価的に、時間遅延として考えることができる。それらの移相器は、それぞれの出力信号V2B及びV2Aを、2つの電力スプリッタ52及び54へ、それぞれ提供する。電力スプリッタ52及び54は、それぞれ、52a及び54aのようなn個の出力を持つ。ここで、nは、2又はそれ以上の数に等しい正の整数であり、点線の出力52b及び54bは、あらゆる場合において、如何なる所望の位相調整アレイサイズについても要求される通りに複製することのできる出力、を示している。
52a及び54aのような電力スプリッタの出力は、それぞれ、振幅Va1〜Va[n]及びVb1〜Vb[n](文字Vなしで示されている)を持つ出力信号を提供する。後でより詳細に説明するように、これらの出力信号のうちの幾つかは、他と等しい振幅を持ち、また、幾つかは、他と等しくない振幅を持つであろう。10個のアンテナ要素(n=5)を持つ(説明される)一実施形態では、Va1=Va2=Va3、Vb3=Vb4=Vb5 であり、Va4=Vb2 かつ Va5=Vb1 である。これらの出力信号は、移相及び結合レベル404へ送られ、このレベル404は、第二及び第三の固定移相器56及び58、及び、60で集合的に示されるベクトル結合ネットワークを含む。後に、レベル404をより詳細に説明する。レベル404は、それぞれの固定移相器641〜64nを介して、位相調整アレイ62の等間隔のアンテナ要素621〜62nに、駆動信号を提供する。ここで、前のように、nは、2に等しい、或いはそれより大きい任意の正の整数であるが、電力スプリッタ52及び54におけるnの値と等しく、かつ、位相調整アレイのサイズは2n個のアンテナ要素である。内部アンテナ要素622及び623は点線で示されていて、如何なる所望の位相調整アレイのサイズについても要求される通りに、それらを複製できることを示している。
位相調整アレイアンテナシステム40は、以下のように作動する。RF送信機搬送信号は、入力42を介して、電力スプリッタ44へ送られ(単一のフィーダ)、そこで、そのRF送信機搬送信号は、(この例では、等しい電力の)信号V1A、及びV1Bに分けられる。信号V1A及びV1Bは、それぞれ、可変移相器及び固定移相器46及び48へ送られる。可変移相器46は、オペレータ選択可能な移相、又は時間遅延を加え、ここで加えられた移相の度数が、アンテナ要素621等の、位相調整アレイ全体62の電気チルトの角度を制御する。固定移相器48は、必須ではないが、便利である。それは、可変移相器46によって付加可能な最大移相ΦMの半分となるように便宜的に選択された固定移相を加える。これは、V1Aが、V1Bに対して-ΦM/2〜+ΦM/2の範囲内で、位相について可変であることを可能にし、移相後のこれらの信号は、移相器46及び48からの出力後に呼ばれるV2B及びV2Aとなる。
電力スプリッタ52及び54の各々は、信号V2B或いはV2Aを、n個の出力信号Vb1〜Vb[n]或いはVa1〜Va[n]のそれぞれのセットに分け、ここで、各セットにおける各信号の電力Vb1等或いはVa1等は、そのセット内の他の信号の電力と必ずしも等しいわけではない。セットVa1等及びVb1等全体にわたる信号電力の変化は、アレイ62内のアンテナ要素621等の異なる数の場合、異なる。
出力信号のセットVb1〜Vb[n]のうちの一つは、第二の移相器56を介して、それぞれの固定アンテナ移相器643へ送られ、同様に、出力信号のセットVa1〜Va[n]のうちの一つは、第三の移相器58を介して、他のアンテナ移相器648へ送られる。第二及び第三の移相器56及び58は、埋め込み移相をもたらして、結合ネットワーク60によってもたらされた移相を補償する。セットVb1〜Vb[n]及びVa1〜Va[n]内の他の信号は、ネットワーク60において、2つ一組となって結合されて、移相器641等を介して、それぞれのアンテナ要素621等を駆動するためのベクトル加算合成信号を生み出す。固定移相器641等は、アレイ62全体にわたる要素の幾何学的配置によって、様々なアンテナ要素621等の間で異なる固定移相を課す。可変移相器46によって、信号V1AとV1Bとの間にゼロの位相差が課された時、これは、アレイ62の照準についてのゼロ基準方向(図1における18a及び18b)をセットする。アンテナ移相器641等は必須ではないが、それらを使用して、a)チルト処理によってもたらされた移相を正しく調和させ、b)チルト範囲全体にわたってサイドローブの抑制を最適化し、及びc)任意の固定角の電気チルトをもたらすことができるので、それらは好ましい。
アレイ60の電気チルトの角度は、一つの可変移相器である可変移相器46を使用することにより、単純に可変である。これは、あらゆるアンテナ要素又はアンテナ要素の部分群について一つある、複数の可変移相器を持つという従来技術の要件に匹敵する。可変移相器46によってもたらされた位相差が、固定移相48に対して正である時、アンテナは一方向にチルトし、その位相差が固定移相48に対して負である時、アンテナはその反対方向にチルトする。
多数のユーザが存在する場合には、各ユーザは、それぞれの位相調整アレイアンテナシステム40を持つであろう。そのかわりに、ユーザが共通アンテナを共有することが要求される場合には、個々の電気チルトの能力を保持しながら、各ユーザは、図3におけるレベル401及び402のそれぞれのセットを持つであろう。さらに、レベル403、404、及び405から成る結合ネットワークは、アンテナアレイ62へ送るために、スプリッタ44、及び移相器又は遅延46及び48の複数のセットから生じる信号を結合することが、求められる。公開された国際特許出願第WO 03/043127 A3号は、この方法での共有を説明しているが、それは、アンテナ要素の複数の部分群を持つアンテナを使用し、部分群内の各アンテナ要素は、要素駆動信号の同じ位相を有する。アンテナシステム40では、位相調整アレイの性能の改善のために必要とされるように、アンテナ要素621〜62nの全てが、要素駆動信号の異なる位相を持つ。
アンテナシステム40が、その電気チルト範囲全体にわたって維持される、良いサイドローブ抑制を有することを、示すことができる。アンテナシステム40は、同様なレベルの性能を提供する現代の設計よりも、低いコストで実装することができる。単一の可変遅延デバイスを使って、その電気チルトをリモートで調整することができ、これは、各オペレータに個別の電気チルトの角度を提供すると同時に、様々なオペレータがアンテナを共有することを可能にする。後で説明するように、送信及び受信のための様々な経路、及び移相器を含むように、アンテナシステム40を変更することにより、送信モードでの電気チルトの角度は、受信モードでの電気チルトの角度と同じ、又は異なる、のいずれかとすることができる。
ここで図4を参照すると、10個の要素621〜6210の位相調整アレイ62についての、本発明の実装の一部70を示している。前で説明したのと等価な部分は、同じ参照番号があたえられる。図4は、図3の部分403〜405に対応しており、スプリッタ52及び54は、位置が交換されて示されている。スプリッタ52及び54は、電力は等しいが、相対位相が可変である入力信号V2B及びV2Aを、それぞれ受信する。スプリッタ52及び54は、各々、それぞれの入力を5つの信号に分け、そのうちの3つは同じ振幅(A又はB)であり、他の2つは、その振幅の0.32及び0.73である(A又はBの0.32又は0.73)。
スプリッタ52及び54からの10個の信号のうちの8つは、4つのベクトル結合デバイス601〜604へ送られる。これらのデバイスの各々は、I1及びI2と示される2つの入力端子、及び、それぞれ和及び差分のためのS及びDと示される2つの出力端子を有する(Hの印のついた)180°ハイブリッドである。参照記号I1及びI2はまた、便宜上、それらの端子における信号を示すためにも使用されるであろう。端子表示で示されるように、入力信号I1及びI2の受信時、ハイブリッド601〜604の各々が、S及びDにおいて、そのそれぞれの入力信号のベクトル和及び差分である2つの出力信号を生み出す。以下の表1は、ハイブリッド601〜604で受信された入力信号の振幅、及び、即座に生成されたベクトルの形での出力信号を示しており、これは、どの場合においても、任意の値A及びBの観点で表現されている。
表1
Figure 2007503783
以下の表2は、スプリッタ52及び54、及びハイブリッド601〜604によって生成された出力信号を、アンテナ移相器(PS)641〜6410を介して受信するアンテナ要素を示している。
表2
Figure 2007503783
各スプリッタ52又は54からの一つの信号A又はBは、混成を介してアンテナ移相器643又は648に送られないが、そのかわり、移相器56又は58を介してΦの移相を加え、これは、ハイブリッド601〜604のうちの一つによって課された移相と等しく、かつそれを補償する。これは、「パディング」として知られる。固定移相器のペア56/643及び58/648は、それぞれ、単一移相として実装することができるであろう。図3及び4において、信号振幅V2A及びV2Bが異なるように、図3における入力スプリッタ44は、(任意で)等しくない電力分割を提供するであろう。さらに、(説明したように)和及び差分のベクトルI1+I2、及びI1-I2を提供するハイブリッド601〜604が、(任意で)スプリッタ52及び54の機能の全部又は一部を含むこともできる。すなわち、そのかわりに、入力I1及びI2を、例えば、xとyが異なる数値であるときのxI1+yI2という和のような、I1+I2及びI1-I2以外のベクトル和及び差分に変換するように、ハイブリッド601〜604を設計することができる。これは、全出力電力+ハイブリッド損失が、ハイブリッド601〜604へ入力された全電力に等しいままでなければならない、という制約を受ける。さらに、180°ハイブリッド601〜604ではなく、他の移相(例えば、60°、90°、又は120°)を与えるハイブリッドを使用することもできる。
ここで、また図5を参照すると、(それぞれ、A及びBと同じ位相を持つ)信号V2AとV2Bとの間の位相差が90°である時の、アンテナシステム70についてのベクトル図が示されており、この90°は、この例では、アンテナ要素全体にわたる位相面が最適化される角度である。図5の全てのベクトル和及び差分(すなわち、A及びB以外の全てのベクトル)は、実際には、表1及び2で示すように、2-1/2又は0.707倍されるはずであり、例えば、A+0.73Bは0.707(A+0.73B)となるはずである。しかし、この乗法定数は、単に換算係数にすぎないので、図面から割愛されて、複雑さを低減させる。
90°の位相差において、表1及び2のA及びBの値を特定することにより、アンテナシステム70は最適化される、すなわち、90°の位相差において、アンテナシステム70は、2つの電気チルトの角度で、アンテナ要素全体にわたって実質的に線形な位相面を持ち、及び、チルトの平均角において、等しい位相面を有する。80のような、821〜8210において終端する放射状の矢印は、位相調整アレイ駆動信号が、それぞれアンテナ要素621〜6210において出現する時の大きさ及び位相角を示している。84のような斜めの矢印は、動径ベクトルA又はBからの動径ベクトルオフセット(たとえば、0.73b又は0.32a)を示している。図面の中で、+0.73B及び+0.73Aと付された2つの矢印84a及び84bは、+0.32B及び+0.32Aと付された隣接する矢印84を含むものとして扱われ、従って、それぞれ、延びて、動径ベクトルA及びBに戻る。
86のような双方向の矢印は、隣接する動径ベクトル間の位相差を示しており、その位相差は、アンテナ要素の最も外側のペア621/622及び629/6210の信号間で22°であり、全ての他のペア622/623〜628/629の間で18°である。18°と22°との間の差は、位相調整アレイという状況において小さいものであり、従って、実用的な目的のため、隣接するアンテナ要素のペア62i/62i+1(i=1〜9)間の位相差は、実質的に一定であり、アレイ62全体にわたる位相変動は、実質的に、正常な位相調整アレイの動作に必要とされるような、アレイ内の位置の線形関数とする。
述べたように、図5は、信号AとB、或いはV2AとV2Bとの間の90°の位相差における状態を表している。ゼロの位相差はチルトの平均の角度に対応し、かつ、正及び負の位相差は、アンテナチルトの正及び負の角度に対応する。
ここで、図6を参照すると、この例では11個である奇数個のアンテナ要素を含む、本発明のアンテナシステム100の一部を示している。システム100は、少数のコンポーネントの付加を伴った例70と等価であり、以下に続く説明は、その相違の面に集中する。前で説明した部品と等価な部品は、同じ参照番号がふられる。システム100は、ハイブリッド601及び604の差分出力Dが移相器641〜6410には接続されいが、かわりに、それぞれ、二方向スプリッタ102及び104に接続されるという点で、前で説明したシステムとは異なる。これらのスプリッタは、ハイブリッド601〜604からの信号を、それぞれの振幅比c1/c2、及びd1/d2に分け、これらのうちのc1及びd1は、アンテナ要素621及び6210を駆動することにおいて使用するために、移相器641〜6410へ送られる。比の中のc2及びd2は、それぞれ、ハイブリッド601及び604と同じ形式の追加の第五のハイブリッド605のI1及びI2入力へ送られる。第五のハイブリッド605は、整合負荷106で終端される和出力S、及び、Φ-90°の移相器108、及びアンテナ移相器640を介して、中央に配置された追加のアンテナ要素620に接続される差分出力Dを持つ。図5では、すべてのアンテナ要素が、距離Lで等間隔に配置されており、すなわち、中央アンテナ要素620の導入は、中央アンテナ要素620が隣接する要素625及び626からL/2だけ間隔を空けて配置される、ということを意味する(これは、図面内に示される通りであるが、便宜上、その間隔は、実際の場合よりも大きく示されている)。しかしながら、このようなL/2の間隔は必須ではない。
アンテナアレイ62における、図6の変更の実効果は、要素621及び6210が、駆動信号をd1(B-0.73A)及びc1(A-0.73B)まで減らされ、追加の中央要素620が、駆動信号d2(B-0.73A)-c2(A-0.73B)を持つ、ということである。
アンテナシステム100は、下向きにチルトされる時、上向きにチルトされる時と比較して、非対称な垂直輻射パターンを持つ、ということを示すことができる。アンテナアレイ62が、電気的に上向き又は下向きのいずれかにチルトされる時、端のアンテナ要素621及び6210へ送られる信号電力の増大が存在する。理論的には、アレイ全体にわたる駆動信号の変動(振幅テーパ)が、アンテナチルトの範囲全体にわたって実質的に一定のままである時、サイドローブのレベルは、最適に制御されるであろう。チルトされた時の端のアンテナ要素621及び6210における電力の増大により、結果として生じるサイドローブへの影響をオフセットするために、以下のような多数の手法を使用することができる。
1.端のアンテナ要素621及び6210と直列に、減衰器を挿入することができる。
2. 更なる2つの要素をアンテナに追加して、端のアンテナ要素621及び6210を各々2つに分けることができる。
3.更なるハイブリッドを使用して、電力を、一部、端のアンテナ621及び6210からアンテナの中心に近い要素へ転送することができる。及び、
4.実際には図6に示すように、端のアンテナ要素621及び6210からの電力の一部を使って、中央要素620を駆動させることができる。
アンテナシステム100は、以下の利点を提供する。
1.アンテナアレイ62が電気的にチルトされた時、アンテナのサイドローブのレベルが下がる。
2.電気チルトが中間値を通り越したとき、中央要素620の搬送又は駆動信号の位相が180°変化し、さらに、下向きにチルトされた時、上側のサイドローブのレベルが下がる。
3.アンテナが下向きにチルトされた時、上側のサイドローブのレベルを下げることの効果は、そのアンテナシステム100に割り当てられたチャネル以外のチャネルを使用する移動体に対してもたらされる干渉を減らすことである。
ここで図7を参照すると、12個の要素1221〜12212の位相調整アレイ122について、本発明の実装120の一部を示している。第一及び第二のスプリッタ1241及び1242は、この場合、電力は等しいが、相対位相は可変であるベクトルA及びBで示される入力信号を、それぞれ受信する。スプリッタ1241及び1242は、それぞれ、3つの比a1/a2/a3、及びb1/b2/b3への分割を実装する。すなわち、信号a1A、a2A、及びa3Aが、スプリッタ1241から出力され、信号比b1B、b2B、及びb3Bが、スプリッタ1242から出力される。信号a1A及びb1Bは、それぞれ、第一及び第二のΦパディング移相器1281及び1282へ送られる。信号a2A及びb3Bは、前で説明した種類の第一の180°ハイブリッド1341のI1及びI2入力へ、送られる。信号b2B及びa3Aは、第二のハイブリッド1342のI1及びI2入力へ、送られる。混成1341及び1342は、差分出力Dが入力として第三及び第四のスプリッタ1243及び1244へ接続され、これは、それぞれ、比c1/c2、及びd1/d2への二方向分割を生み出す。ハイブリッド1341及び1342はまた、和出力Sが第三及び第四の混成1343及び1344のI1入力へ、それぞれ接続される。
第一及び第二の移相器1281及び1282からの出力信号は、第五及び第六のスプリッタ1245及び1246へ送られ、それぞれ、比e1/e2/e3及びf1/f2/f3への三方向分割を生み出す。第三のスプリッタ1243からの出力信号は、(比c1を)第五のハイブリッド1345のI1入力へ、及び(比c2を)第三のΦパディング移相器1283へ送る。第四のスプリッタ1244からの出力信号は、(比d1を)第六のハイブリッド1346のI1入力へ、及び(比d2を)第四のΦパディング移相器1284へ送る。第五のスプリッタ1245からの出力信号は、(比e1を)第五のハイブリッド1345のI2入力へ、(比e2を)第五のΦパディング移相器1285へ、及び(比e3を)第四のハイブリッド1344のI2入力へ送る。第六のスプリッタ1246からの出力信号は、(比f1を)第六のハイブリッド1346のI2入力、(比f2を)第六のΦパディング移動器1286へ、及び(比f3を)第三のハイブリッド1343のI2入力へ送る。以下の表3に示すように、アンテナ要素1221〜12212は、それぞれの固定移相器(PS)1361〜13612を介して、第三〜第六のハイブリッド1343〜1346、及び第三〜第六の移相器1283〜1286の出力から駆動信号を受信する。
表3
Figure 2007503783
全ての項a1〜f3が比であるので、全ての信号電力は、第一及び第二のスプリッタ1241及び1242へそれぞれ入力される信号ベクトルA及びBの比によって表される。
移相器1281〜1286は、ハイブリッド(例えば、1341)で生じる移相の補償を提供する。従って、一又はそれ以上のハイブリッドを通らない一又はそれ以上の信号成分は、2つの移相器(例えば1281)を横断し、アンテナ要素1223及び1229に到着する前に、360°の移相を受ける。さらに、一つのハイブリッドを通る信号又は信号成分は、一つの移相器(例えば1284)を横断し、アンテナ要素(例えば1222)に到達する前に、Φの相対移相を受ける。










表4
Figure 2007503783
表4はスプリッタ比を与える、すなわち、総和が1ワットとなるように正規化された電力から、振幅(電圧)を算出する。
ここで、また図8を参照すると、入力信号ベクトルAとBとの間の位相差が60°である時の、アンテナシステム120についてのベクトル図を示しており、この60°というのは、この例においてアンテナアレイ122の位相面が最適化される角度である。アンテナ要素参照番号1221〜12212、及び信号電力(例えば、a1e2A)を持つ動径ベクトルの実線の矢印によって、アンテナ要素駆動信号を、大きさ及び位相について示している。そのような信号の成分(例えば、a1e1A)は、鎖線又は点線のベクトルで示される。アンテナ要素1224及び1229のそれぞれにおける信号b1f2B及びa1e2Aは、入力信号ベクトルA及びBの一部分であり、それらと同じ位相を持ち、そのため、信号b1f2B及びa1e1Aは、各々30°としるされた2つの双方向矢印によって示すように、位相が60°離れている。この図面は、信号の大きさ及び位相に関する完全な情報を含んでおり、これ以上は説明しない。
ここで図9を参照すると、二重の可変遅延を用いる、n個の要素1521〜152nの位相調整アレイについて、本発明のアンテナシステム150を示しており、ここで、nは任意の正の整数である。第一のスプリッタ1541は、入力信号Vinを受信し、それを、その一方が他方の電力の2倍の電力を持つような2つの信号に分ける。これらの2つの信号のうち、電力の高い方の信号は、第一の可変移相器1561へ送られ、電力の低い方の信号は、第一の固定移相器1581へ送られる。この第一の固定移相器1581は、出力信号を、第二の固定移相器1582を介して第二のスプリッタ1542に提供し、この第二のスプリッタ1542は、それを、パスPで示されるバスによる出力のためのn個の信号部分a1〜anに分ける。第一の可変移相器1561は、出力信号を、第三のスプリッタ1543に提供し、この第三のスプリッタ1543は、それを、n個の信号部分b1〜bnに分ける。信号の部分b2〜bnは、第三の固定移相器1583、及びパスQで示されるバスを介して、出力される。信号部分b1は、第一の固定移相器1581へ与えられる信号と等しい電力を持ち、第二の可変移相器1562へ送られ、そこから第四のスプリッタ1544へ送られ、この第四のスプリッタ1544は、それを、パスRで示されるバスによる出力のためのn個の信号部分c1〜cnに分ける。パスP、Q、及びRで示されるバスは、それぞれ、Na、Nb、及びNcの個々の導線を持つ。
パスP、Q、及びR上の信号部分は、一般的には159で示される信号結合及び移相ネットワークへ送られる。ネットワーク159は、図3及び4を参照して説明したのと同様であり、さらには説明しない。それは、信号を結合及び移相して、位相調整アレイ152に応じて変化するアンテナ要素駆動信号を生み出す機能を持つ。2つの可変移相器1561及び1562の使用は必須ではないが、たった一つの可変移相器の使用と比べて、アンテナを電気的にチルトすることのできる角度の範囲を増大させる。より広い範囲のチルトが要求される場合には、可変移相器及びスプリッタの更なる組み合わせで、図9を拡張することができる。すなわち、b1を1562において可変に移相させ、1544において分割するのと全く同様に、c1を可変に移相させ、分割してd1〜dnを生み出し、d1を可変に移相させ、分割してe1〜enを生み出す等できる。
ここで図10を参照すると、連動二重可変遅延を用いる、10個の要素1721〜17210の位相調整アレイ172についての、本発明のアンテナシステム170を示している。それは、図9を参照して説明したシステム150の変形である。第一のスプリッタ1741は、入力信号Vinを受信し、それを、その一方が他方の電力の2倍の電力を持つ2つの信号に分ける。これらの2つの信号のうち、電力の高い方の信号は、第一の可変移相器1761へ送られ、電力の低い方の信号は、第一の-180°移相器1781へ送られる。第一の移相器1781へ送られた信号は、ベクトルAで示される。それは、第二のスプリッタ1742に出力信号を提供し、この第二のスプリッタ1742は、その出力信号を4つの信号a1A〜a4Aに分ける。
第一の可変移相器1761は、出力信号を、第三のスプリッタ1743に提供し、この第三のスプリッタ1743は、その出力信号を、ベクトルAと等しい大きさの2つの信号に分ける。これらの2つの信号のうちの一方はベクトルBで示され、第四のスプリッタ1744へ送られ、この第四のスプリッタ1744は、それを、3つの信号b1B〜b3Bに分ける。これらの2つの信号のうちの他方は、第二の可変移相器1762を介して、第五のスプリッタ1745へ送られ、そこではベクトルCとして表され、この第五のスプリッタ1745は、それを3つの信号c1C〜c3Cに分ける。
信号b1B及びc1Cは、それぞれ、アンテナ移相器1823及び1828を介して、アンテナ要素1723及び1728へ送られる。信号b2B、b3B、c2C、及びc3Cは、それぞれ、前で説明した種類の第一、第二、第三、及び第四の180°ハイブリッド1801、1802、1803、及び1804に、I1入力信号を提供する。これらのハイブリッドは、信号結合ネットワークを提供する。信号a1A〜a4Aは、それぞれ、これらのハイブリッドにI2入力信号を提供する。それぞれの固定移相器(PS)1821、1822、1824〜1827、1829、及び18210を介して、アンテナ要素1721、1722、1724〜1727、1729、及び17210は、以下の表4で示すような振幅を持つ駆動信号を、ハイブリッド1801〜1804の出力から受信し、それに、要素1723及び1728の等価物が付加されている。ここで、N/Aは不適を意味する。
表5
Figure 2007503783
スプリッタ比の値は以下の表6で与えられ、そこでは、前記のように、総計が1ワットとなるように正規化された電力から、電圧を算出した。



表6
Figure 2007503783
可変移相器1761及び1762は、ともに変化して、等しい移相を与えるように、矢印及び点線で示すように連動する。それらは、チルト制御機構186によって制御される。
アレイ172の上半分のみ(アンテナ要素1726〜17210)が、比c1等と関連付けられる信号寄与を、第五のスプリッタ1745から受信することが、図10からわかり、これらの寄与は、1761及び1762において、2つの可変移相を受けている。さらに、アレイ172の下半分のみ、すなわちアンテナ要素1721〜1725は、比b1等と関連付けられる信号寄与を、第四のスプリッタ1745から受信し、これらの寄与は、1761において、一つの可変移相を受けている。アレイ172の両半分とも(アンテナ要素1723及び1728以外)、第二のスプリッタ1742から、信号寄与a1A等を受信し、これらの寄与は、1761又は1762において、可変移相を受けていない。
ここで図11を参照すると、本発明のアンテナシステムを、単一のフィーダシステム又は二重フィーダシステムとして実装することができる。単一フィーダシステムでは、単一の信号入力200が、信号Vinを、フィーダ202を介して、アンテナアレイ206を持つマスト上に取り付けることのできるアンテナ組立品204へ供給する。前に説明したような信号分割、可変及び固定移相、及びベクトル結合を、マスト上の組立品204において実装する。これは、一方の信号供給のみをリモートユーザからアンテナシステムへ送ることが必要とされる、という利点を持つが、それに反して、リモートのオペレータは、マスト上のアンテナ組立品204へのアクセスなしで、電気チルトの角度を調整することができない。また、単一のアンテナを共有するオペレータは、すべて、同じ角度の電気チルトを持つであろう。
図12は、二重フィーダシステム210として実装された、本発明のアンテナシステムを示している。このシステムは、前で説明したように、2つの信号V2A及びV2Bを生成するチルト制御部212を持ち、これらの信号は、それぞれのフィーダ214A、及び214Bを介して、アンテナアレイ216へ送られる。ここで、制御部212は、アンテナアレイ60、及びそれが取り付けられたマストから離して、ユーザと共に配置することもでき、アンテナ供給ネットワーク218(例えば、図4参照)を、アンテナアレイ216と同じ場所に配置することもできる。前で説明したような信号分割、(また更なる可変移相が望まれる場合には)固定移相、及びベクトル結合を、組立品216において実装する。ここで、ユーザは、チルト制御部212へ直接アクセスして、アンテナアレイ60及びマストから離れて、電気チルトの角度を調整することができ、アンテナ組立品216を共有する他のユーザとは独立して、この調整を行うことができる。
二重フィーダ設備では、チルトの感度を低減させて、例えば、オペレータによって要求される電気チルトの角度とアンテナにおける電気チルトの角度との間の差、のようなフィーダ間の位相差の影響を減らすこともまた、都合がよい。それぞれのチルト制御部212が各オペレータとともに配置された状態で、オペレータの基地局に配置された周波数選択結合器の入力側において、各オペレータについて個々のチルト角を持つ共有アンテナシステムを実装することが可能である。
図13は、受信及び送信モードの両方での使用のための変更を伴う、図3に示したシステムと等価な、本発明の位相調整アレイアンテナシステム240を示している。前で説明した部品には、前に200の付いた同じ参照番号がふられており、変更部分のみを説明する。ここで、チルトを制御する可変移相器246を、送信(Tx)モードでのみ使用し、送信パス243において、帯域フィルタ(BPF)245と247との間に直列に接続する。帯域フィルタ253と255との間で直列な可変移相器251、及び、低雑音増幅器すなわちLNA257を持つ同様な受信(Rx)パス249もまた存在する。送信及び受信周波数は、帯域フィルタ245等によって互いに切り離されることが可能なほど、通常、充分異なっている。
固定移相ψと関連付けられる、更なる、大部分は等価な送信及び受信パス243f及び249fが存在する。これらは、最後にfを付けた同じ参照番号が与えられた要素を持つ。第二の送信パス243fは、帯域フィルタ245fと247fとの間に、固定移相器246fを持つ。第二の受信パス249fは、帯域フィルタ253fと255fとの間に、固定移相器251f、及びLNA257fを持つ。
送信モードで作動するのに加えて、要素242、244、252、254、256、及び258〜265は、例えば、スプリッタが結合器となって、受信モードで逆向きに作動する能力を持つ。2つのモードの間の唯一の違いは、送信モードでは、フィーダ265が入力を提供し、送信信号が送信パス243及び243fを左から右へ横断するのに対して、受信モードでは、受信信号が受信パス249及び249fを右から左へ横断し、フィーダ265がそれらの結合出力を提供する、ということである。自由空間からの信号の受信に応じて、アレイ262によって生成されたアンテナ要素信号を移相及び結合することにより、回路2641〜264n、及び260〜254において、受信信号が生成される。システム240は、送信及び受信の両方のモードでの電気チルトの角度を、独立して調整できるようにし、かつ等しくすることを可能にするので、有利である。通常(不都合なことに)、アンテナシステムの構成要素は、異なる送信及び受信周波数において異なる周波数依存特性を持つので、これは可能ではない。
ここで図14を参照すると、単一位相調整アレイアンテナ305の複数(2人)のオペレータ301及び302による、送信及び受信モードにおける使用のための、本発明の位相調整アレイアンテナシステム300を示している。前で説明したのと等価な部品は、前に300を付けた同じ参照番号がふられる。その図は多数の異なるチャネルを持ち、異なるチャネルにおける等価な部品は、一又はそれ以上の添字を伴った同じ数字の参照番号がふられ、添字T又はRは、送信又は受信チャネルを示し、添字1又は2は、第一又は第二のオペレータ301又は302を示し、及び、添字A又はBは、A又はBのパスを表す。参照番号の先頭部分の数からのこれらの添字の省略(例えば、342)は、その先頭部分の数を持つすべての要素を参照することを、意味している。
最初に、第一のオペレータ301の送信チャネル307T1を説明する。この送信チャネルは、RF入力342をスプリッタ344T1に与え、スプリッタ344T1は、その入力を、可変移相器346T1Bと固定移相器348T1Bとの間で分ける。信号は、移相器346T1A及び348T1Bから、異なる送受切換器311A及び311B内の帯域フィルタ(BPF)309T1A及び309T1Bへ、それぞれ送られる。帯域フィルタ309T1A及び309T1Bは、第一のオペレータ301の送信周波数において、通過帯域の中心を持ち、この周波数は、図面で示すようなFtx1と表される。第一のオペレータ301はまた、受信周波数をFrx1と表され、第二のオペレータ302におけるそれらの等価物は、Ftx2及びFrx2である。
周波数Ftx1で一番左の帯域フィルタ309T1Aから出力される第一のオペレータの送信信号は、同様に引き出された、周波数Ftx2で隣接する帯域フィルタ309T2Aから出力される第二のオペレータの送信信号と、第一の送受切換器311Aで結合される。これらの結合信号は、フィーダ313Aに沿って、前の例で説明した種類のアンテナチルトネットワーク315へ送られ、そこから、位相調整アレイアンテナ305へ送られる。同様に、周波数Ftx1で帯域フィルタ309T1Bから出力される、第一のオペレータのもう一方の送信信号は、同様に引き出された、周波数Ftx2で隣接する帯域フィルタ309T2Bから出力される第二のオペレータの送信信号と、第二の送受切換器311Bによって結合される。これらの結合信号は、第二のフィーダ313Bに沿って、アンテナチルトネットワーク315を介して、位相調整アレイアンテナ305へ送られる。同じ位相調整アレイアンテナ305を使用するのにもかかわらず、2人のオペレータは、単に、各場合において単一の可変移相器、すなわち、可変移相器346T1A又は346T2Aをそれぞれ調整することにより、アンテナ305から独立して、かつ離れて、送信の電気チルトの角度を変えることができる。
同様に、ネットワーク315、及びフィーダ313A及び313Bを介して、アンテナ305から戻ってくる受信信号は、送受切換器311A及び311Bによって分割される。次に、これらの分割信号は、フィルタリングされて、帯域フィルタ309R1A、309R2A、309R1B、及び309R2Bにおける個々の周波数Frx1及びFrx2に切り離され、それらは、可変移相器346R1A、346R2A、及び固定移相器348R1A及び348R1Bに、それぞれ信号を提供する。次に、可変移相器346R1A及び346R2Aをそれぞれ調整することにより、オペレータ301及び302によって、独立して、受信の電気チルトの角度を調整できる。二以上のオペレータについての信号も、構成要素を複製することにより、送信において結合され、受信において分割されるであろう。すなわち、添字1及び2を持つ構成要素のかわりに、1〜mの添字を持つ同じ構成要素が存在するであろう、ここで、mはオペレータの数である。
図15は、図10に示すのとおおむね同じである、本発明の位相調整アレイアンテナシステム470を示している。前で説明した部品には、100にかわって、前に400の付いた同じ参照番号がふられており、変更部分のみを説明する。システム470は、473における入力RF搬送信号を2つの部分に分ける第一のスプリッタ4741を持ち、その2つの部分のうちの一方は、第一の可変移相器4761を介して、第一のフィーダ4771へ送られ、もう一方は、直接、第二のフィーダ4772へ送られる。要素473〜4772は、セルラ移動無線基地局(示されていない)に、又はその近くに配置される。フィーダ4771及び4772は、基地局を、リモートのアンテナのレーダドーム479へ接続し、そのレーダドーム479には、第二の可変移相器4762が置かれている。
第一及び第二の可変移相器4761及び4762がもはや連動しないが、そのかわり独立して調整される、ということを除いて、システム470は、図10を参照して前で説明したように作動する。それは、(図14に示すような周波数選択結合を使って)アンテナ472を共有する各オペレータに個々の電気チルトの角度を与えることができる、という利点を提供するが、全てのオペレータに共通のチルト範囲は拡張される。実際、第二の可変移相器4762によってセットされる電気チルトの角度は、都合よく、アンテナ472を共有する全てのオペレータの個々の電気チルトの角度の平均とすることができる。
図15は、アンテナレーダドーム479内での第二の可変移相器4762の調整を示しているが、それはまた、サーボ機構制御装置を使って、レーダドーム479から離れてセットすることもできる(示されていない)。更なる可変移相器を、本発明により、アンテナシステム470に付加して、全てのオペレータに共通なチルトの範囲をさらに拡張することができる。
図16は、入力スプリッタSP1、並列なライン結合器(PLC)SP2及びSP3、及び180°リングハイブリッドSP4〜SP11及びH1〜H6を用いた、本発明の位相調整アレイアンテナシステム500の更なる実施形態を示している。ここで、SP1等のSPは、スプリッタを示しており、H1等のHは、和及び差分(SD)生成器として使用されるハイブリッドを示している。ハイブリッドSP4〜SP11及びH1〜H6の各々は4つのポートを持つ、すなわち、それぞれ、内向き及び外向きの矢印で示された、第一及び第二の入力ポート、及び第一及び第二の出力ポートである。SD生成器ハイブリッドH1〜H6の各々の出力ポートは、それぞれS及びDで示される、和及び差分出力である。個々のリング混成SP4〜SP11、及びH1〜H6の各ポートは、どの場合においても、リングの円周のまわりで、一つのポートから距離λ/4、及びもう一つのポートから距離3λ/4だけ離れている。ここで、λは、リング構成成分の信号Vinの波長である。
いずれのリングハイブリッドSP4〜SP11及びH1〜H6の入力ポートに与えられた信号も、リングの周りをそれぞれ時計回り、及び反時計回りに送られる2つのコンポーネントに分けられ、リング自身は(n+1/2)λの円周を持ち、ここでnは整数である。これらのコンポーネントは、それらが沿って送られるリング内のパスの相対インピーダンスによって、相対振幅が定められ、これは、スプリッタ比をあらかじめ決めておくことを可能にする。出力ポートからλ/4だけ離れたそれぞれの入力ポートから受信される2つの信号は、位相が同じであり、一つに加えられて、和出力を与える。出力ポートからλ/4、及び3λ/4だけ離れたそれぞれの入力ポートから受信された2つの信号は、逆位相であり、互いから減算されて、差分出力を与える。入力ポートからλ/2だけ離れた出力ポートにおいて、入力ポートからそれぞれ時計回り、及び反時計回りのパスを介して受信された2つの信号は、逆位相であり、パスインピーダンスが等しい場合には、ゼロのベクトル和を与えるであろう。従って、これは、ポートを、互いからλ/2だけ離す。
スプリッタとして使用される各リングハイブリッドSP4〜SP11は、第一の入力端子(内向きの矢印)が、入力信号を受信するように接続され、第二の入力端子がそれぞれの終端T(整合負荷)に接続される。終端Tはゼロ入力信号を提供し、従って、リング混成又はスプリッタSP4〜SP11は、それらの第一の入力端子の信号を、各場合における入力端子と出力端子の間のインピーダンス比によって特定されるそれぞれの分割比で、それらのそれぞれの出力端子間で分ける。
システム500では、前の実施形態のように、第一のスプリッタSP1によって、入力信号Vinを、その入力信号Vinの電力に比べて各々-3dBまで低減された2つの等しい信号に分ける。そのように形成された一方の信号は、可変移相器502を通り抜け、第一のフィーダ504上にベクトルAとして現れる。そのように形成されたもう一方の信号は、第二のフィーダ506上にベクトルBとして現れる、すなわち、前で説明したように、第一のスプリッタSP1と第二のフィーダ506との間に、固定移相(示されていない)を含むことが可能である。
信号ベクトルA及びBは、入力として、それぞれ、PLC SP2及びSP3へ送られ、そのPLCの各々は、2つの出力端子O1及びO2を持ち、かつ、第四の端子T4が整合負荷Tで終端され、ゼロ入力信号を提供する。その入力から、PLC SP2及びSP3の各々が、各場合において、入力信号と比べてそれぞれ-0.12dB、及び-16.11dBまで電力を低減された信号を、出力端子O1及びO2において生成する。PLC SP2及びSP3から結果として生じる2つの-0.12dBの信号は、それぞれ、第五及び第八のスプリッタSP5及びSP8の第一の入力端子へ送られるのに対し、-16.11dBの信号は、それぞれ、第六及び第七のスプリッタSP6及びSP7の第一の入力端子へ送られる。
第五のスプリッタSP5は、その入力信号を、電力をその入力信号の電力より-5.3dB及び-1.5dBまで低減された出力信号に分け、これらの出力信号は、それぞれ、第四のスプリッタSP4、及び第一のSD生成器H1の第一の入力端子へ送られる。同様に、第八のスプリッタSP8は、その-0.12dBの入力信号を、その入力信号より-5.3dB及び-1.5dB低い出力信号に分け、これらの出力信号は、それぞれ、第九のスプリッタSP9、及び第二のSD生成器H2の第一の入力端子へ送られる。
第四のスプリッタSP4は、その-5.42dBの入力信号を、その入力信号より-1.68dB及び-4.94dB低い出力信号に分ける。これらのうちの-1.68dBの方の出力信号は、ラインL4を介して、固定移相器PE4へ送られ、そこから、12個の要素のアンテナアレイEのアンテナ要素E4へ送られる。固定移相器/アンテナ要素の各組み合わせPEn/En(n=1〜12)について、一つのそのようなラインLnが存在する。ラインLnの固定移相器PEnへの接続は、多すぎる重なったラインを避けるようには、はっきりと示されていないが、どの場合でも、ラインLnの終端において「PEn」で示される。第四のスプリッタSP4からの-4.94dBの方の出力信号は、第二のSD生成器H2の第二の入力端子へ送られる。
第九のスプリッタSP9は、その入力信号を、その入力信号より-1.68dB、及び-4.94dB低い出力信号に分ける。これらのうちの-1.68dBの方の出力信号は、ラインL9によって、固定移相器PE9を介して、アンテナ要素E9へ送られる。4.94dBの方の出力信号は、第一のSD生成器H1の第二の入力端子へ送られる。
第六のスプリッタSP6は、その入力信号より各々3dB低い2つの出力信号を生み出す均等スプリッタである。これらの出力信号のうちの一方は、第五のSD生成器H5の第一の入力端子へ送られ、もう一方は、第三のSD生成器H3の第一の入力端子へ送られる。第七のスプリッタSP7もまた、その入力信号より各々3dB低い2つの出力信号を生み出す均等スプリッタであり、その出力信号は、それぞれ、第四及び第六のSD生成器H4及びH6の第一の入力端子へ送られる。第一のSD生成器H1は、和出力Sが、第四のSD生成器H4の第二の入力端子に接続される。差分出力Dは、第十のスプリッタSP10の入力端子に接続される。同様に、第二のSD生成器H2は、和出力Sが、第五のSD生成器H5の第二の入力端子に接続される。それは、差分出力Dが、第十一のスプリッタSP11の入力端子に接続される。
第十のスプリッタSP10は、第一のSD生成器H1からのその入力信号より各々3dB低い2つの等しい出力信号を生み出す均等スプリッタである。これらの出力信号のうちの一方は、ラインL2によって、固定移相器PE2を介して、アンテナ要素E2へ送られる。これらの出力信号のうちのもう一方は、第三のSD生成器H3の第二の入力端子へ送られる。同様に、第十一のスプリッタSP11もまた、第二のSD生成器H2からのその入力信号より各々3dB低い2つの等しい出力信号を生み出す均等スプリッタである。これらの出力信号のうちの一方は、ラインL11によって、固定移相器PE11を介して、アンテナ要素E11へ送られ、もう一方は、第六のSD生成器H6の第二の入力端子へ送られる。
第三〜第六のSD生成器H3〜H6は、それぞれラインL1、L3、L5〜L8、L10、及びL12、及び固定移相器PE1、PE3、PE5〜PE8、PE10、及びPE12を介して、アンテナ要素E1、E3、E5〜E8、E10、及びE12に駆動信号を提供する、和及び差分出力S及びDを持つ。各信号パスで示されたdB値を加えることにより(理想的でない構成要素における損失を無視して)、入力信号Vinの電力の、アンテナ要素によって受信された信号の電力との直接比較を行うことができる。例えば、アンテナ要素E4は、スプリッタSP1、SP3、SP5、及びSP4において、入力電力とくらべて、それぞれ-3dB、-0.12dB、-5.3dB、及び-1.68dB、総計で-9.1dBまで低減された信号を受信する。アンテナ要素の駆動信号の相対位相調整は、その分析が、前の実施形態について与えられた分析に必要に応じて変更を加えたものと等価である、とは説明されない。
上で説明した本発明の実施形態は、180°ハイブリッドを使用する。それらを、例えば、90°移相器の付加を伴った90°「直角位相」ハイブリッドで置き換えて、全体的に同じ機能を得ることができるが、これは実用的ではない。
(S-H)と省略されたスプリッタ及びハイブリッドの連続的な接続に基づく本発明の例を説明した。例えば、S-H-S、S-H-S-H等のような、更なる段階を持つ本発明の更なる例を、これらより考え出すことができる。
ゼロ及び非ゼロの電気チルト角を持つ、位相調整アレイアンテナの垂直輻射パターン(VRP)を示している。 調整可能な電気チルト角を持つ、従来技術の位相調整アレイアンテナを示している。 本発明の位相調整アレイアンテナシステムのブロック図である。 図3のシステムで使用される信号結合ネットワークを、より詳細に示している。 図3のシステムにおける可変移相器によってもたらされた90°移相と関連付けられる、アンテナ要素信号の位相特性図である。 11個のアンテナ要素を含む、本発明の更なる位相調整アレイアンテナシステムの一部のブロック図である(要素間隔は、そっくりそのまま縮小されているわけではない)。 12個のアンテナ要素を含む、本発明の更なる位相調整アレイアンテナシステムの一部のブロック図である。 図7のシステムにおける可変移相器によってもたらされた90°移相と関連付けられる、アンテナ要素信号の位相特性図である。 2つの可変移相器を用いる、本発明の更なる位相調整アレイアンテナシステムの一部のブロック図である。 図9に示すのと同様であるが、連動可変移相器を用いる、本発明のアンテナシステムの一部のブロック図である。 単一フィーダでの本発明の使用を示している。 二重フィーダでの本発明の使用を示している。 送信モード及び受信モードでの電気チルトの角度が独立して調整できることを可能にする、本発明への変更を示している。 複数のユーザによるアンテナ共有を示す、二重フィーダ、及び個々のチルト、及び送信/受信能力を持つ、本発明の更なる位相調整アレイアンテナシステムのブロック図である。 複数のユーザによるアンテナ共有を示す、二重フィーダ、及び個々のチルト、及び送信/受信能力を持つ、本発明の更なる位相調整アレイアンテナシステムのブロック図である。 可変移相器が互いに離れて配置されている、図9のアンテナシステムの変形である。 リングハイブリッド結合器を含む、本発明の位相調整アレイアンテナシステムを示している。

Claims (30)

  1. 調整可能な電気チルトを持ち、かつアンテナ要素のアレイを備える位相調整アレイアンテナシステムであって、
    a)第一のRF信号と第二のRF信号との間に可変相対移相をもたらすための可変移相器、
    b)前記相対移相された第一及び第二の信号をコンポーネント信号に分けるための分割装置、及び、
    c)前記コンポーネント信号のベクトル結合を形成して、前記可変移相器によってもたらされた前記可変相対移相の変化に応じて、前記アレイの電気チルトの角度が調整可能であるように、他の駆動信号に対して適当な位相調整を持つ、個々の各アンテナ要素のためのそれぞれの駆動信号を提供するための、信号結合ネットワーク、
    を含むことを特徴とするシステム。
  2. 奇数の数のアンテナ要素を持つ、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  3. 前記可変移相器は第一の可変移相器であり、かつ、前記システムは、前記第一の可変移相器によって移相されたコンポーネント信号を移相するように配置された第二の可変移相器を含み、該第二の可変移相器は、直接、或いは一又はそれ以上のスプリッタ/可変移相器の組み合わせを介してのいずれかで、前記信号結合及び移相ネットワークに、更なるコンポーネント信号出力を提供する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  4. 前記可変移相器は、複数の可変移相器のうちの一つであり、かつ、前記信号移相及び結合ネットワークは、そのうちの幾つかは全ての前記可変移相器を通り抜け、幾つかは全ての前記可変移相器を通り抜けないコンポーネント信号から、アンテナ要素駆動信号を生み出すように配置された、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  5. 前記分割装置は、コンポーネント信号を、前記信号移相及び結合ネットワークへの入力のための更なるコンポーネント信号に分けるように配置された、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  6. 前記信号移相及び結合ネットワークは、前記コンポーネント信号を移相し、ベクトル結合するために、移相器及びハイブリッド結合器(ハイブリッド)を用いる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  7. 前記ハイブリッドは180°ハイブリッドである、
    ことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
  8. 前記ハイブリッドは、円周が(n+1/2)λ、かつ隣接するポートがλ/4だけ離れているリングハイブリッドであり、ここでλは、その成分を使って各リングハイブリッドが構成されるRF信号の波長である、
    ことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
  9. 前記分割装置は、円周が(n+1/2)λ、かつ隣接する入力及び出力ポートがλ/4だけ離れているリングハイブリッドを含み、各ハイブリッドの一つの入力ポートは、システムインピーダンスに等しい抵抗器で終端され、整合負荷を形成する、
    ことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
  10. 前記ハイブリッドは、入力信号I1及びI2を、(I1+I2)及び(I1-I2)以外のベクトル和及び差分に変換するように設計された、
    ことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
  11. 前記分割装置、可変移相器、及び前記信号移相及び結合ネットワークは、アンテナ組立品として、前記アンテナアレイと同じ場所に配置され、該組立品は、リモートの信号源からの単一RF入力電力フィーダを持つ、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  12. 前記分割装置は、第一、第二、及び第三のスプリッタを含み、前記第一のスプリッタは、前記第二及び第三のスプリッタから離して、前記可変移相器とともに配置され、かつ、前記第二及び第三のスプリッタ、前記信号移相及び結合ネットワーク、及び前記アンテナアレイは、アンテナ組立品として同じ場所に配置され、該組立品は、前記第一のスプリッタ及び可変移相器が置かれているリモートの信号源からの二重RF入力電力フィーダを持つ、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  13. 前記可変移相器は、送信チャネルにおいて接続される第一の可変移相器であり、かつ、前記システムは、受信チャネルにおいて接続される第二の可変移相器、及び固定移相を提供する更なる送信及び受信チャネルを含み、かつ、前記信号移相及び結合ネットワークは、各モードにおいて電気チルトが独立して調整可能な状態で、前記送信チャネル内の信号に応じて、アンテナ要素駆動信号を生み出し、受信モードで作動するアンテナ要素により生じた信号から、受信チャネル信号を生み出すことにより、送信及び受信モードの両方で作動するように配置された、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  14. 前記可変移相器は、それぞれのオペレータと関連付けられる複数の可変移相器のうちの1つであり、かつ、前記システムは、それぞれの可変移相器における移相の後、信号を共通信号供給装置へ送るためのフィルタリング及び結合装置を含み、前記共通信号供給装置は、電気チルトが独立して調整可能な状態で、分割装置、及び両方のオペレータからの寄与を含む信号をアンテナに提供するための信号結合及び移相ネットワークに接続されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  15. 前記複数の可変移相器は、各オペレータと関連付けられる可変移相器のそれぞれのペアを含み、かつ、前記システムは、電気チルトが送信及び受信の両方のモードにおいて独立して調整可能な状態で、送信及び受信モードで作動するように、順方向及び逆方向の両方の信号処理能力を持つ構成要素を有する、
    ことを特徴とする請求項14に記載のシステム。
  16. アンテナ要素のアレイを含む位相調整アレイアンテナシステムの電気チルトを調整する方法であって、
    a)第一のRF信号と第二のRF信号との間に可変相対移相をもたらし、
    b)前記相対移相された第一及び第二の信号を、コンポーネント信号に分け、及び、
    c)前記コンポーネント信号をベクトル結合、及び相対移相させて、前記可変相対移相の変化に応じて前記アレイの電気チルトの角度が調整可能であるように、他の駆動信号に対して適当な位相調整を持つ、個々の各アンテナ要素のためのそれぞれの駆動信号を提供する、
    ステップを含むことを特徴とする方法。
  17. 前記アレイは奇数の数のアンテナ要素を持つ、
    ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
  18. 複数の可変移相器において移相を受けた、少なくとも一つのコンポーネント信号を生成することを含む、
    ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
  19. 前記可変移相器は連動し、かつ、前記方法は、そのうちの幾つかは全ての前記可変移相器を通り抜け、幾つかは全ての前記可変移相器を通り抜けないコンポーネント信号から、アンテナ要素駆動信号を生み出すことを含む、
    ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
  20. コンポーネント信号を、前記信号移相及び結合ネットワークへの入力のための更なるコンポーネント信号に分けることを含む、
    ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
  21. 前記コンポーネント信号を移相及びベクトル結合するために、移相器及びハイブリッドを用いる、
    ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
  22. 前記ハイブリッドは180°ハイブリッドである、
    ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
  23. 前記ハイブリッドは、円周が(n+1/2)λ、かつ隣接する入力及び出力ポートがλ/4だけ離れているリングハイブリッドであり、ここで、nは整数であり、λは、その成分を使って各リングハイブリッドが構成されるRF信号の波長である、
    ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
  24. 前記分割装置は、円周が(n+1/2)λ、かつ隣接する入力及び出力ポートがλ/4だけ離れているリングハイブリッドを含み、各ハイブリッドの一つの入力ポートは、システムインピーダンスに等しい抵抗器で終端されて、整合負荷を形成する、
    ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
  25. 前記ハイブリッドは、入力信号I1及びI2を、(I1+I2)及び(I1-I2)以外のベクトル和及び差分に変換するように設計された、
    ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
  26. 前記アンテナアレイと同じ場所に配置されてアンテナ組立品を形成するネットワークにおいて、分割、可変移相、及びベクトル結合するための単一RF入力信号を、リモートの信号源から供給することを含む、
    ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
  27. 互いに対して可変位相を持つ2つのRF入力信号を、リモートの信号源からアンテナ組立品へ供給し、信号を、前記アンテナアレイと同じ場所に配置されたネットワークにおいて分割、結合、及び移相することを含む、
    ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
  28. 送信モード及び受信モードの両方での作動のために、送信及び受信チャネルを用い、かつ、電気チルトが各モードにおいて独立して調整可能な状態で、前記送信チャネル内の信号に応じてアンテナ要素駆動信号を生み出し、受信モードで作動するアンテナ要素によって生じた信号から、受信チャネル信号を生み出すことを含む、
    ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
  29. 前記可変移相器が、それぞれのオペレータと関連付けられる複数の可変移相器のうちの1つであり、
    a)それぞれの可変移相器における移相の後、信号を、フィルタリング及び結合し、前記分割装置、及び前記信号結合及び移相ネットワークに接続されている共通信号供給装置へ送り、
    b)両方のオペレータからの寄与を含む信号を、前記アンテナへ提供し、及び
    c)各オペレータと関連付けられる電気チルトを、独立して調整する
    ステップを含むことを特徴とする、請求項16に記載の方法。
  30. 前記複数の可変移相器は、各オペレータと関連付けられる可変移相器のそれぞれのペアを含み、前記方法は、順方向及び逆方向の両方の信号処理能力を持つ構成要素を用い、電気チルトが各モードにおいて独立して調整可能な状態で、送信及び受信モードで作動することを含む
    ことを特徴とする、請求項29に記載の方法。
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