JP2007503746A - ポイントツーマルチポイントデータ送信 - Google Patents

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Abstract

ポイントツーマルチポイント通信ネットワークにおけるデータパケットの最初の送信は、誤って復号されたデータパケットの再送信が要求されるときにしばしば遅延される。本発明の一態様によれば、送信局から複数の受信局へのポイントツーマルチポイントデータ送信及び誤って復号されたデータの再送信が実行され、再送信されたデータは、最初に送信されたデータに対して用いられた通信チャネルと異なる少なくとも一つの通信チャネルを通じて送信される。好適には、これに起因して、送信局と受信局との間の更なる通信を不要にする。さらに、本発明の態様によれば、データパケットの最初の送信は、再送信によって遅延されない。

Description

本発明は、ポイントツーマルチポイントすなわちマルチキャストデータ送信に関する。更に詳しくは、本発明は、ポイントツーマルチポイントデータ送信を実行する方法、通信システム、送信局及び受信局に関する。
ポイントツーマルチポイント通信ネットワークは、基本的には送信局及び複数の受信局を具える。データは、通信媒体によって確立されたマルチキャスト通信チャネルを通じた送信局から受信局までのマルチキャスト信号によって送信される(すなわち、送信側はこの信号を一度送信し、この信号が全ての受信局によって復号される。)。データを復号するに際し、各受信局は、フィードバック信号を送信側に戻すことができ、フィードバック信号は、受信したデータを誤りなく復号することができるか否かについての情報を具える。フィードバック情報を受信することによって、送信局は、各データパケットの再送信が必要であるか否か決定することができる。
ここで、表現「(データ)パケットの再送信」を、再送信されたビットが必ずしも追加のコピーのビットを形成しないことを意味し、それは、パケットの最初の送信で送信される。再送信を、最初に送信されたパケットの全コピーとすることができ、又は、再送信は、互いに相違するデータ、例えば、追加のパリティビット(parity bit)のみを有することができ、パリティビットは、最初に送信されたパケットの受信ビットとともに復号プロセスで考察される(これは、自己復号可能な増加的冗長の例である。)。いわゆる自己復号可能な冗長の一般的な例では、再送信が全てのsystematicビットを含むが、パリティビットのセットが最初の送信と異なる。
これに対して、ここでは、「データの再送信」は、「(データ)パケットの再送信(すなわち、データパケットの追加のコピーが再送信される。)」及び「(データパケット)の再送信(すなわち、データパケットの追加のコピーが再送信され、又は再送信で実行されるビットが最初の送信のビットと異なる。)」の両方を表すのに用いられる。
種々のマルチキャスト通信ネットワークが知られている。
米国特許第4,285,064号は、時分割多重アクセス衛星通信に関する。
米国特許第5,457,808号は、送信局及び複数の受信局を具えるポイントツーマルチポイント通信ネットワークを開示し、マルチキャスト信号を送信局から受信局まで送信し、マルチキャスト信号の少なくとも一部を、送信局から失敗局まで再送信することができ、失敗は、当該部分を受信する受信局間で生じる。このポイントツーマルチポイント通信ネットワークは、送信局と受信局との間で通信チャネルを確立するとともに、通信チャネル上でマルチキャスト信号を送信するマルチキャスト通信手段と、送信局と失敗局との間の通信チャネルの一つを選択するとともに、通信チャネルの一つで前記部分を送信する再送信手段とを有する。
本発明の目的は、向上したポイントツーマルチポイントデータ送信を行うことである。
請求項1に記載した本発明の一例によれば、上記目的は、第1の通信チャネルを通じて送信局から複数の受信局までデータを送信し、送信局において、第1の通信チャネルから第2の通信チャネルまで第1のチャネル切替を行い、第2の通信チャネルを通じてデータを再送信することによって達成することができる。
本明細書中、用語「第1の通信チャネルから第2の通信チャネルまでの切替」は、この切替の後に第1の通信チャネルと第2の通信チャネルの両方が利用できることを含み、すなわち、送信局は、データを両方向に送信し、受信局は、必要な場合には第1の通信チャネルと第2の通信チャネルの両方を復号することができる。その理由は、以前に送信されたパケットを再送信する必要があるからである。換言すれば、本明細書の文脈における第1の通信チャネルから第2の通信チャネルまでの切替は、
・送信側に対して、第2の通信チャネルが、第1の通信チャネルに加えてオンに切り替えられ、その間、第1の通信チャネルが維持され、例えば、この第1の通信チャネルを通じた新たなデータの送信を継続し、
・受信側に対して、第1の通信チャネルの受信又は復号が継続され、その間、第2の通信チャネルの受信又は復号を開始することを意味する。
換言すれば、本発明の本例によれば、データのポイントツーマルチポイント送信方法であって、送信されたデータを再送信することができ、第1の通信チャネルを通じて送信局から受信局のグループにデータが送信され、データが、第2の通信チャネルを通じて送信局から受信局のグループに送信される。第2の通信チャネルの再送信と同時に、新たなデータを、第1の通信チャネルを通じて送信することができる。
本発明の一例によれば、これを、データの送信後かつデータの再送信前に送信局において第1の通信チャネルから第2の通信チャネルへの第1のチャネル切替を実行することによって達成することができる。第1及び第2の通信チャネルは、マルチキャスト送信を実行するのに用いられるポイントツーマルチポイントチャネルセットを形成する。
好適には、本発明の一例によれば、データの再送信は他のデータの送信を妨害しない。その理由は、互いに相違する通信チャネルで再送信が行われるからである。
請求項2に記載した本発明の他の例によれば、データがデータパケットとして送信され、チャネル切替が、複数の受信局のうちの少なくとも一つの第2の受信局において第1の通信チャネルから第2の通信チャネルで実行される。第2のチャネル切替を実行する少なくとも一つの第2の受信局は、データパケットを誤って復号し、このために、第2のチャネル切替を実行する。第1及び第2のチャネル切替が、第1及び第2の切替形態に従って実行され、第1の切替形態及び第2の切替形態は、互いに対応する。
好適には、本発明の一例による方法は、少なくとも一つの第2の受信局によって誤って復号されたデータパケットを、全ての第2の受信局と送信局との間のフィードバック通信を行うことなく再送信する。このようにフィードバック信号の送信を省略することによって、高価なリソース、すなわち、チャネル負荷及び時間をセーブするとともに、エネルギーをセーブし、これは、無線ネットワークにおいて特に好適である。
請求項3記載の本発明の他の例によれば、データパケット送信とデータパケット再送信との間の遅延時間間隔が、第1及び第2の切替形態で予め規定され及び示される。このために、少なくとも一つの第2の受信局は、再送信が予測されるときを「知る。」遅延時間が第2の切替形態で示されるので、信号送信は必要でない。データパケットの送信とデータパケットの再送信との間の予め規定された遅延時間間隔は、送信局及び複数の受信局のそれぞれの第1及び第2のチャネル切替を実行するのに十分な時間を提供する。
請求項4記載の本発明の他の例によれば、データパケットが、まだ送信されていない新たなデータパケットである場合、各データパケットのデータパケット送信は第1の通信チャネルで実行される。本発明の本例の態様によれば、第1の通信チャネルは、常にデータパケットの第1すなわち最初の送信、すなわち、最初に送信されるデータパケットに対してのみ使用される。したがって、データパケットの再送信が、第1の通信チャネルで事項され、再送信が第2の通信チャネルで継続し、これは、専ら第1の通信チャネルに従う受信局が通常第1すなわち最初のデータ、すなわち、最初に送信されるデータのみを受信するとともに、第2のデータ、すなわち、既に最初に送信されるとともに再送信されるデータを受信しないことを意味する。したがって、データの第1すなわち最初の送信は、第1の通信チャネルを通じて実行され、第2すなわち再送信されたデータ又はデータパケットとの間に妨害が生じない。また、このために、好適には、受信局が最初のデータを復号できない場合、受信局は、第2の通信チャネルで再送信を受信することを知る。
請求項5に記載の本発明の他の例によれば、データパケットを誤って復号した複数の受信局からの受信局は、否定応答メッセージを、第3の通信チャネルを通じて送信局に送信する。さらに、送信局が受信局から否定応答メッセージを受信しなかった場合、送信局はデータパケットの再送信を実行しない。本発明のこの態様によれば、受信局が各データパケットを誤って復号する場合には、各データパケットの再送信が行われ、複数の受信局の各々が各データパケットを成功のうちに復号した場合には、データパケットの再送信が行われない。また、各受信局がデータパケットを成功のうちに復号した場合には、複数の受信局のある受信局は、肯定応答メッセージを、第3の通信チャネルを通じて送信局に送信することができ、送信局が、複数の受信局の全てから肯定応答を受信すると、データパケットの再送信が送信局によって行われない。
請求項6に記載の本発明の他の例によれば、データパケットの再送信が実行される複数の第2の通信チャネルが設けられる。さらに、本発明のこの例によれば、複数の再送信の各々が、第1及び第2の切替形態で規定したような複数の第2の通信チャネルの互いに相違する通信チャネルを通じて実行される。
換言すれば、各データパケットの再送信を2回以上実行することができ、各データパケットの第1の再送信が、複数の第2の通信チャネルのある第2の通信チャネルを通じて実行され、各データパケットの第2の再送信が、複数の第2の通信チャネルの他の第2の通信チャネルを通じて実行される、等々。複数の再送信の各々に対して、複数の第2の通信チャネルのうちの互いに相違するものが用いられる。どの再送信に対してどのチャネルが用いられるかを、第1及び第2の切替形態に示す。
好適には、本発明の一態様によれば、各データパケットを誤って復号した受信局は、各データパケットの再送信を受信するために、第2の切替形態に従って複数の第2の通信チャネルのうちのある通信チャネルに切り替わることができる。各データパケットの再送信が失敗し、又は再送信された各データパケットが、各受信局によって誤って復号された場合、各受信局は、第2の切替形態に従って、複数の第2の切替チャネルのうちの他の異なる通信チャネルに切り替わることができる。送信局は、第1の切替形態に従って複数の通信チャネルの他の通信チャネルに切り替わることもできる。その後、各データパケットの第2の再送信が、複数の第2の通信チャネルのこのような他の通信チャネルを通じて実行される、等々。
好適には、このプロトコルに従って、送信局と複数の受信局との間の通信が不要になる。その理由は、第1及び第2の切替形態に規定されたように、どのデータパケットが第1の通信チャネル及び複数の第2の通信チャネルのうちのどのチャネルを通じて送信又は再送信されるかを、各受信局が常時知っているからである。
請求項7に記載したような本発明の他の例によれば、互いに相違するデータパケットの再送信が、複数の第2のチャネルの互いに相違するチャネルを通じて同時に実行され、それと同時に、第1の通信チャネルを通じて新たなデータパケットの送信が同時に行われる。好適には、これによってデータ送信速度を増大するとともに遅延を減少することができる。
請求項8に記載したような本発明の他の例によれば、送信局の到達範囲内の複数の受信局が、第1及び第2の通信チャネルの共通又は類似のチャネル状態を有する受信局のグループに分けられる。本発明のこの例によれば、ポイントツーマルチポイント又はマルチキャストデータパケット送信が、各グループに対して個別に実行される。好適には、共通又は類似のチャネル状態を有する受信局にグループ分けし、かつ、ポイントツーマルチポイントデータパケット送信を各グループに対して個別に実行することによって、特定のグループに対するチャネル負荷を減少することができる。その理由は、その特定のグループに対してデータの再送信が要求されないからであり、結果的に得られる遅延が小さくなるに従って、グループのチャネル状態がよくなる。
請求項9に記載の本発明の他の例によれば、データパケットの送信及び再送信が無線通信リンクを通じて実行される。本発明のこの例の態様によれば、送信局及び複数の受信局を、放送人工衛星のトランスポンダを含むことができる通信媒体によって接続することができる。しかしながら、本発明によれば、他の任意の形態の無線通信リンクを用いることができる。
請求項10及び11に示す本発明の他の態様によれば、方法を、Universal Mobile Telecommunication System (以後、“UMTS”と称する。)のHybrid Automatic Repeat Request(以後、“HARQ”と称する。)プロトコルのエクステンションとし、第3世代パートナーシップ周波数分割複信(以下、“3GPP FDD”と称する。)モードのコンテキストにおうて適用することができる。3GPP FDDモードは、高速ダウンリンク共有チャネル(以後、“HS−DSCH”と称する。)を提供し、それを、コード多重化とともに用いることができ、すなわち、1スロット内で、複数のコードを用いてデータを同一ユーザに送信することができる。1スロット内のデータ速度を増大するために複数のコードを用いる代わりに、各コードチャネルを、ポイントツーマルチポイントチャネルセットのチャネルの一つとして用いることができる。HARQタイプII及びIIIを適用することによって、再送信は、増加的(例えば、自己復号不可能な)冗長のみを搬送し、その結果、再送信に用いられる他のコードチャネルによって発生した妨害は、自己復号可能な冗長を搬送する他のコードチャネルの妨害に比べて小さくなる。その理由は、増加的冗長が自己復号可能な冗長より小さいビット数しか必要としないからである。
さらに、互いに相違する並列コードチャネルの以前のパケットの再送信に平行な最初の送信に用いられるコードチャネルの拡散率を増大し、この最初の送信に対して、更に小さなパケットを搬送して、以前のパケットの再送信に並列な新たな送信に起因する全体に亘る妨害を更に減少することができ、その妨害は、隣接するセルに影響を及ぼし、ポイントツーマルチポイント送信が可能になるようにこのHS−DSCHを変更したセルによって発生する。現在のポイントツーマルチポイント送信は、3GPP TS25.321”3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Medium Access Control (MAC) Protocol Specification (Release 5) Version 5.5.0”に従うことができない。
請求項12,13及び14に記載したような本発明の他の例によれば、送信局から複数の受信局にポイントツーマルチポイントデータパケット送信を実行する通信システムを提供する。送信局は、第1の通信チャネルを通じて送信局から複数の受信局にデータパケットを送信するように適合され、送信局は、送信局において第1の通信チャネルから第2の通信チャネルまでの第1のチャネル切替を実行するとともに第2の通信チャネルを通じてデータパケットを再送信するように適合される。さらに、複数の受信局は、送信局から送信されたデータパケットを受信するとともに、複数の受信局のうちの少なくとも一つの第2の受信局において第1の通信チャネルから第2の通信チャネルへの第2のチャネル切替を行うように適合される。第2のチャネル切替を行う少なくとも一つの第2の受信局は、データパケットを誤って復号し、したがって、データの再送信が必要となる。
本発明の一例を要約すると、任意の最初のデータがn番目のチャネルを通じて送信されるとともに、以前の送信を復号できなかった受信局のデータのi番目の再送信の各々が、(n+i)番目のチャネルを通じて再送信される。このために、受信局は、送信されたデータを見つける(受信する)場所を知る。したがって、送信局と受信局との間の信号送信を、減少し又は完全に省略することができる。好適には、これによって、妨害を減少し、特に無線通信システムにおいてエネルギーをセーブすることができる。
本発明のこれら及び他の態様を、以下の実施の形態を参照しながら明らかにする。
本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1〜6の記載の際に、同一又は対応する素子に対して同一参照番号を用いる。
図1に示すように送信局から複数の受信局にポイントツーマルチポイントデータパケット送信を行う通信システムは、送信局1と、複数の受信局2,3,4,5及び6とを具える。送信局1は、受信局2,3,4,5及び6に対する通信リンク7を通じたポイントツーマルチポイントすなわちマルチキャスト伝送を実行する。本発明の一実施の形態によれば、通信リンク7を無線通信リンクとする。データを、送信局1から受信局2,3,4,5及び6に送信することができる。送信局1から受信局2,3,4,5及び6への送信は、データパケット送信用マルチキャスト伝送チャネルを用いて、ポイントツーマルチポイント又はマルチキャスト伝送に関して実行される。通信システムを、GSMネットワークやUMTSネットワークのようなセルラー移動体通信システムとすることができる。それを、無線ローカルエリアネットワークとすることもできる。
図2は、本発明による図1の通信システムの操作方法の一実施の形態の簡単化したタイミングチャートを示す。
図2及び5において、大文字A,B,C,D及びEはそれぞれ、データパケットA,B,C,D及びEの最初の伝送を表す。大文字A’,B’,C’,D’及びE’はそれぞれ、データパケットA’,B’,C’,D’及びE’の最初の伝送を表す。大文字A”,B”,C”,D”及びE”はそれぞれ、データパケットA”,B”,C”,D”及びE”の最初の伝送を表す、等々。
送信局1は、第1のマルチキャスト通信チャネル21のポイントツーマルチポイント伝送を通じて、データパケットAを複数の受信局2,3に送信する。受信局2及び受信局3は、サンダーボルト25及び26によって示すように、送信されたデータパケットAを成功のうちに復号しない。その後、第1のチャネル切替が、第1のチャネル形態に従って送信局1で実行され、これは、データパケットAに対する第1の送信A’に対して第2のマルチキャスタ通信チャネルが用いられることを意味し、その間、第1のマルチキャスト通信チャネル21は、依然として新たなデータパケットの最初の伝送に対して用いられる。さらに、第2のチャネル切替が、第2のチャネル切替形態に従って受信局2,3の各々に対して実行され、この場合、第1のチャネル切替形態は、第2のチャネル切替形態に対応する。この第2のチャネル切替は、受信局2及び3が第1のマルチキャスト通信チャネル21が復号又は受信を継続するとともに第2のマルチキャスト通信チャネル22の復号又は受信を開始することを意味する。
本発明の本実施の形態の態様によれば、チャネル切替を、データパケットAの送信及びそれに続くデータパケットAの第1の再送信A’との間の遅延時間間隔中に実行することができる。遅延時間間隔は、第1及び第2の切替形態で示される。遅延時間間隔後、送信局1及び受信局2,3で第1のチャネル21から第2のチャネル22へのチャネル切替を実行できる間に、送信局1は、第2のチャネル22を通じて受信局2,3に対するデータパケットAの再送信A’を行い、それと同時に、新たなデータパケットBを、第1のチャネル21を通じて送信する。しかしながら、受信局2,3は、サンダーボルト27,28で示すように、再送信されたデータパケットA’を成功のうちに復号することができない。その後、第3及び第4のチャネル切替が、送信局1及び二つの受信局2,3でそれぞれ実行される。送信局1での第3のチャネル切替は、第1のチャネル切替形態に従って実行され、受信局2,3における第4のチャネル切替は、第2のチャネル切替形態に従って実行される。第1及び第2のチャネル切替形態によれば、(データパケットAの第2の再送信を行う)送信局1の送信チャネル及び(データパケットAの第2の再送信を受信する)二つの受信局2,3の受信チャネルが、第2のチャネル23に切り替えられ、その間、第1のチャネルは、依然として新たなデータパケットの送信に利用でき、第2のチャネルは、データパケットBの再送信に利用できる。また、第3及び第4のチャネル切替は、データパケットAの第1の再送信A’とデータパケットAの第2の再送信A”との間及びデータパケットBの第1の送信BとデータパケットBの第1の再送信B’との間の遅延時間間隔中に実行される。第3及び第4のチャネル切替の後、データパケットAに対する第2の再送信A”は、送信局1により第3のマルチキャストチャネル23を通じて実行され、それと同時に、再送信B’が、第2のマルチキャストチャネル22を通じて実行されるとともに、新たなデータパケットCの送信が、第1のマルチキャストチャネル21を通じて実行される。また、受信局2は、サンダーボルト29で示すように、データパケットを誤って復号するが、受信局3は、チェックマーク30で示すように、データパケットA”を成功のうちに復号する。他のステップにおいて、第1及び第2の切替形態で示すように予め規定された遅延時間間隔中、第5のチャネル切替が、送信局1で実行されるとともに、第6のチャネル切替が、受信局2で実行される。第1及び第2の切替形態によれば、送信局1と受信局2の両方は、データパケットAの第3の再送信A’’’に対するチャネルを第4のチャネル24に切り替える。その後、第3の再送信A’’’が行われ、それと同時に、データパケットBのあり得る必要な再送信B’’’が、第3のマルチキャストチャネル23を通じて行われ、データパケットCのあり得る必要な第1の再送信C’が、第2のマルチキャストチャネル22を通じて行われ、データパケットDの新たな送信が、第1のマルチキャストチャネル21を通じて行われる。再送信されたデータパケットA’’’は、受信局2のみで受信及び復号され、受信局3によっては行われない。その理由は、受信局3は、データパケットA’’’を成功のうちに復号したからである。
図2からわかるように、データの再送信の位置及び順番は、第1及び第2のチャネル切替形態で示される。これら第1及び第2のチャネル切替形態は、送信局及び受信局に知られている。このために、受信局がデータパケットを復号できない場合、どのチャネルで次の再送信が行われているかを、第2のチャネル形態から知る。したがって、送信局から受信局への複雑な通知メッセージを省略することができる。さらに、これらの受信局のみが、以前の送信(最初の送信)を誤って復号した再送信データを復号するために第2のチャネルに切り替わる。誤りなく最初の送信を復号することができる受信局は、第1のチャネルのままである。これによって、必要のない、エネルギーを浪費する再送信データの復号を回避することができる。
図3のフローチャートは、図1の通信システムで実現することができる本発明によるポイントツーマルチポイントデータ送信を実行する方法の実施の形態を示す。送信局1は、第1の新たなデータパケット8を、第1のチャネルCH1を通じて受信局2に送信する。受信局2は、送信されたデータパケットを成功のうちに復号しそこなう(9)。その後、チャネル切替10,11が、送信局1及び受信局2でそれぞれ実行される。両方のチャネル切替10及び11は、第1及び第2のチャネル切替形態にそれぞれ従って実行される。この切替の後、第1のチャネルCH1は、第2の新たなデータパケットの送信局1の送信(及び受信局2の受信)に利用できる。次のステップにおいて、第1の新たなデータパケットの再送信12は、送信局1により第2のチャネルCH2を通じて(CH1を通じた第2の新たなデータパケットの送信と同時に)行われ、その後、受信局2は、再送信されたデータパケットを成功のうちに復号する(13)。チャネル切替14が、送信局1で再び行われ、その後、第3のマルチキャスト送信チャネルCH3を通じたデータパケットの第2の再送信15が行われる。このチャネル切替14では、この切替後に、第3の新たなデータパケットを送信する送信局1においてCH1が利用でき、第2の新たなデータパケットの第1の再送信を行う送信局1においてCH2が利用できる。しかしながら、CH2を通じて行われた第1の新たなデータパケットの第1の再送信の復号13が、成功のうちに行われたので、CH3を伴う第2のチャネル切替意を受信局2で実行されず、したがって、チャネルCH3を通じた第1の新たなデータパケットの第2の再送信15は、受信局2で受信されず、したがって、復号される必要がない。受信局2は、CH2を伴う第2のチャネル切替を実行し、その結果、CH2は、第2の新たなデータパケットの最初の送信が誤りなく受信されたか否かに応じて、第2の新たなデータパケットの第1の再送信の受信の際に利用できる。これを図3に示さない。
他の受信局が、第1の新たなデータパケットの第2の再送信を要求し、この受信局が、CH3を伴う第2のチャネル切替を実行することがあり、その結果、他の受信局において、CH1は、第3の新たなデータパケットの受信に利用でき、CH2は、第2の新たなデータパケットの第1の再送信の受信に利用でき、CH3は、第1の新たなデータパケットの第2の再送信の受信に利用できる。
これまで説明したように、再送信を行う機構は、N+1のマルチキャストチャネルのセットを利用し、この場合、第1のチャネルは、データパケットの新たな送信を行い、セットのi番目(i=2,...,N+1)のチャネルは、パケットのi−1番目(i=2,...,N+1)の再送信をスロット中で実行する。
図4は、図1の通信システムで実現することができる本発明によるポイントツーマルチポイントデータ送信を実行する方法の他の実施の形態のフローチャートを示す。
図4に示す伝送形態は、送信されたデータパケット8を復号し損なう(9)と常に受信局2が否定応答16を送信局1に送信できる点を除いて、図3に示す伝送形態に対応する。このために、受信局と送信局との間に帰還チャネルを設けることができる。第1の新たなデータパケットの最初の送信8は、第1のマルチキャストチャネルCH1を通じて送信局1から受信局2までで実行される。データパケット送信8の復号し損なったことを認識した後、受信局2は、チャネルCH10を通じて否定応答NACKを送信局1に戻し、チャネルCH10は、ポイントツーポイント帰還チャネル、例えば、ランダムアクセスチャネルとすることができ、期間信号を搬送するために他の受信局が利用することもできる。送信局1は、否定応答NACK17を受信し、第1のチャネル切替10は、第1のチャネル切替形態に従って送信局1で実行される。第2のチャネル切替11は、第1のチャネル切替に対応する第2のチャネル切替形態に従って受信局2で実行される。第1及び第2のチャネル切替形態は、切替が互いに従うという意味で互いに対応し、すなわち、送信局が受信局と同一にチャネルに切り替えられように、送信局と受信局とが同一チャネルに切り替えられる期間が存在する。これらチャネル切替10及び11の後、
●CH1は、第2の新たなデータパケットの(送信局での)送信(及び受信局での受信)に利用することができ、
●CH2は、第1の新たなデータパケットの第1の再送信の(送信局での)実行(及び受信局での受信)に利用できる。
新たなデータパケットの最初の送信の各々を、常に第1の通信チャネルを通じて実行することができる。特定のデータパケットの再送信の必要のない受信局の各々は、第1のチャネルのみに従う。受信局が特定のデータパケットを復号し損なうと、受信局は、第2の切替形態に従って各再送信チャネルに切り替わる。データパケットの特定の再送信に用いられるチャネル番号に関連する送信局1と受信局2との間の通信は必要でない。その理由は、再送信のそれぞれの時間及びチャネル番号が第1及び第2の切替形態で予め設定されているからである。これは、HARQタイプII又はIIIのアプリケーションの場合において特に重要である。その理由は、各受信局が一つ以上のソフトバッファを具えるからであり、この場合、ソフトバッファのコンテンツは、他の再送信を用いてソフト結合(soft-combine)される。これによって、再送信が暗黙(implicitly)に受信されるチャネル番号は、ソフトバッファを表し、そのコンテンツを、この特定のチャネルを通じて受信したデータにソフト結合する必要がある。
図5は、図1の通信システムで実現することができる本発明の実施の形態による四つのポイントツーマルチポイントチャネル21,22,23及び24を通じた送信局からの新たなデータパケットの送信及びデータパケットの再送信を線形的に表す。新たなデータパケットの最初に送信に用いられるマルチキャストチャネルを、第1のチャネル21又はCH1と称する。このセットの四つ全てのチャネルは、一つのデータパケットが1スロット内で実行されるという意味でスロット化されていると仮定される。第1ステップにおいて、データパケットAは、参照番号100で示したように、第1のポイントツーマルチポイント又はマルチキャストチャネル21を通じて第1の時間中に送信される。その後、送信局は、(参照番号200によって示したように)新たなデータパケットBを、第1のマルチキャストチャネル21を通じて送信し続け、(参照番号101によって示したように)マルチキャストチャネル22を通じて並行にデータパケットA(A’)の第1の再送信を更に行い、マルチキャストチャネル22は、これらの受信局のみが従い、データパケットAの再送信を予測する。その理由は、これら受信局がデータパケットAを復号し損なうからである。データパケットAを成功のうちに復号できなかった受信局の一部又は全てがデータパケットAの再送信を必要とする情報を、これら受信局により帰還チャネルを通じて送信局に提供することができる。同様に、次のスロットにおいて、データパケットB(及び/又はソフト結合することによってA’を考慮するA)が、少なくとも一つの受信局によって成功のうちに復号できない場合、これらは、データパケットBの再送信B’及び/又はデータパケットAの第2の再送信A”が必要であるという情報を送信局に提供し、したがって、B’は、(参照番号201を付したように)マルチキャストチャネル22を通じて送信され、A”は、(参照番号102を付したように)マルチキャストチャネル23を通じて送信される。同時に、新たなデータパケットCは、(参照番号300を付したように)第1のマルチキャストチャネルを通じて送信される。他のステップにおいて、データパケットCの第1の再送信C’が送信され、データパケットBの第2の再送信B”を送信する必要がある。C’は、(参照番号301で示したように)マルチキャストチャネル22を通じて送信され、B”は、(参照番号202で示したように)マルチキャストチャネル23を通じて送信される。それに対して、データパケットAは、全ての受信局によって成功のうちに復号され、したがって、第3の時間中に再送信する必要がない。
例えば、パケットC(参照番号300)及びDの伝送間のギャップを設けることができる。その理由は、その瞬間において送信側でデータを利用できない又は他の理由からである。ギャップを抜かすこともでき、すなわち、再送信C’(参照番号301)及びB”(参照番号202)と同時に行われるデータパケットCの送信後の次のスロットで、データパケットDの送信が行われる。
他の観点から、図5に示すタイミングによって、(i+1)番目のチャネルで実行されるi番目の再送信がy番目のスロットに送信され、第1の通信チャネルのスロットのナンバリングが複数の第2の通信チャネルの各通信チャネルに対するものと同一である場合、パケットの最初の送信は、(y−i)番目のチャネルで行われる。データパケットのスロット、送信及びシリアル番号の関係は、第1及び第2の切替形態の一部である。
送信局が一部又は全ての受信局からのフィードバックを受信するのにどれくらいの時間を要するかに応じて、データパケットの再送信を遅延することがある。これを図6に示し、この場合、送信局がこのデータパケットの再送信を開始できるまで、データパケットの受信後に1スロットの持続時間を要すると仮定する。その理由は、送信局がこのパケットに関連するフィードバックを一部又は全ての受信局から受信するからである。したがって、送信局は、データパケットA(参照番号100)及びB(参照番号200)を、新たなデータに対して用いられる第1のチャネルCH1(参照番号21)を通じて送信する。パケットBが送信局から受信局まで送信される(データパケットAの最初の送信から数えた)第2のスロットの間、送信局は、パケットAに関連するフィードバックを受信局から受信し、再送信がデータパケットAに対して要求されていることを知る。この再送信A’(参照番号101)は、第3のスロットで開始され、第1の再送信を行うために用いられる第2のチャネルCH2(参照番号22)を通じて送信され、これと同時に、新たなデータパケットC(参照番号300)が、CH1(参照番号21)を通じて送信される。したがって、データパケットB(参照番号200)の再送信B’は、第3のスロットでのデータパケットBのフィードバックを受信した後に第4のスロットに送信される。その後、データパケットAの第1の再送信A’のフィードバックが、第4のスロット中に受信され、データパケットAの第2の再送信A”を表す再送信C’のフィードバック及びデータパケットCの第1の再送信C’が必要とされる。CH1(参照番号21)を通じた新たなデータパケットD(参照番号400)の最初の送信と同時に、データパケットCの第1の再送信C’(参照番号301)が、CH2(参照番号22)を通じて行われ、データパケットAの第2の再送信A”が、CH3(参照番号23)を通じて行われる。図6において、データパケットD及びE(参照番号400及び500)の次の新たな送信は、再送信を必要としない。パケットF及びG(参照番号600及び700)に対して、図6は想定しない。その理由は、図によってカバーされる時間より後にこれらが到来するからである。
例えば、パケットC(参照番号300)及びD(参照番号400)の伝送間のギャップを設けることができる。その理由は、その瞬間において送信側でデータを利用できない又は他の理由からである。ギャップを抜かすこともでき、すなわち、再送信B’(参照番号201)と同時に行われるデータパケットCの送信後の次のスロットで、データパケットDの送信が行われる。
他の観点から、図6に示すタイミングによって、(i+1)番目のチャネルで実行されるi番目の再送信がy番目のスロットに送信され、第1の通信チャネルのスロットのナンバリングが複数の第2の通信チャネルの各通信チャネルに対するものと同一である場合、このパケットの最初の送信は、(y−2−i)番目のチャネルで行われ、例えば、Bの第2の再送信B”のCH2のスロット番号が6である場合、Bの最初の送信が、スロット(6−2・2)=2のチャネルCH1で見つけられる。このようなデータパケットのスロット、送信及びシリアル番号の関係は、第1及び第2の切替形態の一部である。
Aが全ての受信局によって成功のうちに受信されたという情報を送信局に提供するに際し、既知の帰還形態ACK/NACKを適用することができる。1スロットで複数のパケットを受信するので、複数のACK/NACKを搬送しなくてもよく、マルチキャストチャネルセットの復号されたマルチキャストチャネルの各々に対して一つとなる。データパケット及び再送信が受信されるスロットの後の送信局の方向に、マルチキャストチャネルセットのマルチキャストチャネルと同数の位相を直接的に設けることができる。各位相において、ランダムアクセス形式で、受信局は、位相に関連するチャネルの復号の結果として誤りが生じたか否かの表示を搬送する。
変形例として、マルチキャストチャネルセットの各復号チャネルの復号結果に関する一つのフィードバックメッセージを、好適には、受信局と送信局との間に専ら配置されたポイントツーポイントチャネル上で搬送することができる。そのようなフィードバックによって、好適には、全ての受信局がデータパケットを復号できるときに再送信を停止することができる。
他のステップにおいて、新たなデータパケットDが、(参照番号400で示したように)マルチキャストチャネル21を通じて送信され、データパケットB及びCが、第3及び第4の時間中にそれぞれ再送信される。データパケットCの第2の再送信(C”)は、(参照番号302で示すように)チャネル23を通じて実行され、データパケットBの第3の再送信(B''')が、参照番号203で示すように)マルチキャストチャネル24によって実行される。他のステップにおいて、データパケットEが、(参照番号500で表すように)第1のマルチキャストチャネル21を通じて第1の時間中に送信される。並列マルチキャストチャネル22,23,24を通じて他の送信を実行することができる。その理由は、以前に送信されたデータパケットA,B,C及びDが、複数の受信局の各受信局によって成功のうちに復号されたからである。
データパケット送信の各々に対して以下のルールを適用することができる。
各データパケットの最初すなわち第1の送信が、第1のマルチキャストチャネル21を通じて実行され、各データパケットに対する各再送信が、チャネル21を含まない複数のマルチキャスト通信チャネルの互いに相違するマルチキャスト通信チャネルを通じて実行される。送信局及び受信局のチャネル切替は、第1及び第2の切替形態でそれぞれ規定される。
受信局が、所定の時間においてデータパケットBを成功のうちに復号しなかったことを知る場合、受信局は、他の信号を有することなく、ステップ4でマルチキャストチャネル23に切り替わるとともにデータパケットBの第2の再送信(B''')を受信する。
好適には、チャネルのポイントツーマルチポイントセットの上記方法は、あり得る最大数の再送信の情報を実質的に有する。N+1チャネルがこの形態のチャネルセットで規定される場合、各受信局は、データパケットのN回の再送信を受信した後の更なる再送信が生じないことを知り、このデータパケットを誤りなく受信しないことを許容する必要がある。HARQタイプII及びIIIの場合、受信局は、送信すべき次の新たなパケットに対するソフトバッファを用いるために、このパケット用のソフトバッファをフラッシュ(flush)することができる。
好適には、受信局の数は、並列マルチキャストチャネル数に影響を及ぼさない。したがって、更に多くの受信局を含み、各受信局が、ポイントツーポイントチャネルを通じて、すなわち、各受信局に対して、この受信局のみが復号するチャネルを通じて、マルチキャストデータを受信するとき、上記方法は、ポイントツーポイント送信形態より優れた利点を有する。
第1の再送信で用いられる物理的なチャネルは、MC−ReTx−Ch1(マルチキャスト再送信チャネル1)と称され、第2の再送信で用いられる物理的なチャネルは、MC−ReTx−Ch2と称され、第Nの再送信で用いられる物理的なチャネルは、MC−ReTx−ChNと称される。新たなパケットの最初の送信のマルチキャストチャネルは、MC−Chと称される。このセットの全てのチャネルは、1スロット内で1パケットが搬送される意味でスロット化されていると仮定される。
複数例えば10人の受取人に対するパケットAの第1の送信後、パケットAを正確に復号するために4人が再送信を必要とする。図5から取得できるような再送信を認識するために、データパケットの任意の最初の送信が、MC−Chを通じて送信され、パケットのi番目の再送信が、MC−ReTx−Ch(i)を通じて実行され、すなわち、i番目の再送信は、i+1番目の再送信と異なる。
再送信を行うためにチャネルシフトは、チャネルセットのどのチャネルが新たなパケットであるかを表すとともに以前に送信されたi番目の再送信(i=1,2,...,N)を行う信号処理を回避するために要求される。
図5及び図6を参照して説明した概念において、ポイントツーマルチポイントチャネルセットは、あり得る最大数の再送信に関する情報を必然的に含む。N+1チャネルがこの形態のチャネルセットで規定される場合、各受信局は、パケットのN回の再送信(この再送信は、MC−ReTx−ChNで実行される。)を受信したときにもはや再送信が行われないことを知り、送信局が、受信局からのフィードバックに基づいて、失敗したパケットのMC−Chを通じた新たな最初すなわち第1の送信を開始することを決定しない場合、各受信局は、このパケットが誤りなく受信しなかったことを許容する必要がある。これは、受信局のデータパケットのシーケンスを変更することができ、したがって、各データパケットで搬送されるシーケンス番号が要求される。このシーケンス番号に基づいて、受信局は、参照によってここに組み込むことができる3GPP TS25.321 “3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Medium Access Control (MAC) Protocol Specification (Release 5) Version 5.5.0”に記載されているように、元のシーケンスを再構成するために受信パケットを並べ替えることができる。換言すれば、再送信が、複数の第2のマルチキャスト通信チャネルのマルチキャストチャネルを通じてのみ送信される間、そのようなシーケンス番号を必要としない。
上記発明の効果を判断するために、本発明の一実施の形態を具える以下の形態1を、N人の受取人宛の同一データをN個のポイントツーポイントチャネルを通じて受取人に送信する形態2とともに考察する。
形態1(ポイントツーマルチポイントチャネルセット):任意の複雑な統計的なマルチプレクサ形態を有しない場合、N回の再送信を行うことができるようにするためにN個の並列なマルチキャストチャネルを、データパケットの最初の送信に用いられるマルチキャストに加えて割り当てる必要がある。各受取人は、帰還チャネルを必要とし、受取人は、帰還チャネルを通じて、応答又は再送信要求を表す否定応答を送信することができる。受取人の数は、並列マルチキャストチャネルの数に影響を及ぼさないが、当然、受取人と同数の帰還チャネルが要求される。
形態2(ポイントツーポイントチャネルのみを使用):マルチキャスト情報は、ポイントツーポイントチャネルを通じて、受取人、すなわち、受取人と同数のポイントツーポイントチャネルを要求する受信局に送信される。再送信の回数が、要求されるチャネル数に影響を及ぼさないので、帰還チャネルの数は、ポイントツーマルチポイントチャネルセットの概念が適用される場合と同一である。
チャネルリソースの観点から形態1又は2が更に有効になるか否かは、受信局の数及び及び再送信の数に依存する。例えば、2人の受取人しか存在しない場合、再送信の最大数に対して任意の制約なく二つのポイントツーポイントチャネルで十分である。明らかに、再送信の最大数が受取人の数と同一である場合、これらの形態は、チャネルソースの観点から等しく有効である。再送信の数NReTxMAXに要求される最大数が小さく(再送信の最大数のしきい値は、当然、チャネル状態に依存する。)、受取人の数Nrecipientsが再送信の数より大きい場合、ポイントツーマルチポイントチャネルセットの概念は、チャネルリソースの観点から明らかな利点を有する。したがって、10人の受取人及び最大で4回の再送信の場合、再送信プロトコルを許容するのに四つのマルチキャストチャネルが要求され、それに対して、ポイントツーポイントチャネルを用いた場合には、10のマルチキャストチャネルが要求される。
ポイントツーマルチポイントチャネルセットの概念によってチャネル容量を減少できるのとは別に、NReTxMAX<Nrecipientsの場合、この概念は、遅延の減少も行う。その理由は、再送信が新たな送信と同時に実行されるからであり、(既に説明したように)10人の受取人がいるとともにNReTxMAX=4であると仮定すると、全てのパケットは、4スロットの最大遅延で受信される。ポイントツーポイントチャネル(形態2)が用いられる場合、NReTxMAX=4であると仮定すると、全体に亘る遅延は、多くの場合には更に高くなる。その理由は、パケットが再送信を必要とするときにチャネルが占有され、次のパッケージが待機する必要があるからである。第1のパケットが4回の再送信を必要とする場合、全ての次のパケットが、4スロットによって遅延され、第2のパケットが3回の送信を必要とする場合、全ての次のパケットが、4+3スロットによって遅延される。これは、パッケージを受信側で上層向けのサービスデータユニット(以下、通常は“DSU”と称する。)にリアセンブルする必要がある場合に特に重要である。SDUは、セグメントの全てを誤りなく受信する場合にのみリアセンブルすることができる。そのような観点から、再送信の最大数が非常に大きくならない場合、ポイントツーマルチポイント送信をリアルタイムサービスに適用することもできる。
本発明の上記実施の形態の他の態様によれば、例えば、基地局に近接する受信局が非常に良好な信号強度を受信するとともにセルの端にある受信局が幾分弱い信号に対処する種々のチャネル状態に受信局が直面する無線環境において、受信者のセットの区分するのが非常に好適となりうる。したがって、基地局の到達範囲内の複数の受信局を、共通又は類似のチャネル状態を有する受信局のグループに区分することができる。共通又は類似のチャネル状態は、共通の信号強度、共通の送信遅延、チャネル内の共通の干渉等に関連することができる。その後、ポイントツーマルチポイントデータパケット送信を、各グループの基地局(又は送信局)によって個別に実行することができる。好適には、受信局を、同一又は共通のチャネル状態を有するために再送信の回数が同一であると予測されるグループに分けることによって、非常に効率的なデータ伝送を行うことができる。
既に説明したように、本発明を、3GPP(第3世代パートナーシッププロジェクト)FDDモード(周波数分割複信モード)の状況に適用することもできる。
3GPP FDDモードは、コード多重化によって用いることができるHS−DSCH(「高速共有チャネル」:High Speed Downlink Shared Channel)を提供する。これによって、1スロット内で、複数のコードを用いてデータを同一ユーザに送信することができる。1スロット内でデータ速度を増大するために複数のコードを用いる代わりに、既に説明したように、1スロットで一人のユーザが利用できる全てのコードのコードチャネルの各コードチャネル又はその一部を、ポイントツーマルチポイントチャネルのチャネルの一つとして用いることができる。HARQタイプII及び/又はIIIを適用することによって、再送信は、増加的冗長のみを搬送すればよく、その結果、再送信に用いられる他のコードチャネルによって発生した干渉が、自己復号しうる冗長を搬送する他のコードチャネルの干渉より小さくなる。さらに、他の並列コードチャネル上の以前のパケットの再送信に平行な最初の送信用のコードチャネルの拡散率を増大することができ、その結果、最初の送信に対して、以前のパケットの再送信に平行な新たな送信に起因する全体に亘る干渉を更に減少するために、更に小さなパケットが搬送され、その干渉は、隣接するセルに影響を及ぼし、ポイントツーマルチポイント伝送が可能となるようにこのHS−DSCHを変更したセルによって発生する。
放送を行う他の通信システム、無線通信システム、セルラー移動体通信システム又は多胎に相違するチャネルへの送信において、以前のパケットの新たな送信又は再送信と平行又は同時のパケットの再送信を、周波数分割多重アクセス(FDMA)によって実行することもでき、すなわち、データパケットの最初の送信に対して、常に第1の周波数チャネルが用いられ、データパケットの第1の再送信に対して、常に第2の周波数チャネルが用いられ、データパケットの第2の再送信に対して、常に第3の周波数チャネルが用いられる、等々。
本発明の実施の形態によるポイントツーマルチポイントデータパケット送信を行う通信システムを示す。 本発明の実施の形態による図1に示す通信システムにおける送信局から二つの受信局までのデータパケットの送信及び複数の再送信を表すタイミングチャートを示す。 本発明による方法の実施の形態のフローチャートを示す。 本発明による方法の他の実施の形態のフローチャートを示す。 本発明の実施の形態による送信局からのデータパケットの送信及びこれらデータパケットの再送信を線形的に示す。 受信局の一部又は全てからの帰還情報を受信する送信局に直面する比較的長い遅延を考慮した本発明の実施の形態による送信局からのデータパケットの送信及びこれらデータパケットの再送信を線形的に示す。

Claims (14)

  1. 送信局から複数の受信局へのポイントツーマルチポイントデータ送信を実行する方法であって、
    第1通信チャネルを通じて前記送信局から前記複数の受信局にデータを送信するステップと、
    前記送信局において、前記第1の通信チャネルから第2の通信チャネルへの第1のチャネル切替を実行するステップと、
    前記データを、前記第2の通信チャネルを通じて再送信するステップとを具えることを特徴とする方法。
  2. 前記複数の受信局の少なくとも一つの第2の受信局において、前記第1の通信チャネルから前記第2の通信チャネルへの第2のチャネル切替を実行するステップを更に具え、
    前駆少なくとも一つの第2の受信局が、データパケットを誤って復号した場合、
    前記第1のチャネル切替が、第1の切替形態に従って実行され、
    前記第2のチャネル切替が、第2の切替形態に従って実行され、
    前記第1の切替形態が前記第2の切替形態に対応することを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記データパケットの送信と前記パケットの再送信との間に予め規定された遅延時間間隔が存在し、
    前記遅延時間間隔が、前記第1及び第2の切替形態で示されることを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 送信されなかった新たなデータパケットが、前記第1の通信チャネルで実行されることを特徴とする請求項2記載の方法。
  5. 前記複数の受信局の受信局が、前記データパケットを誤って復号した場合、この受信局が、否定応答メッセージを、第3の通信チャネルを通じて前記送信局に送信し、
    前記送信局が、前記否定応答メッセージを受信しない場合、前記データパケットの再送信が、前記送信局によって実行されないことを特徴とする請求項2記載の方法。
  6. 複数の第2の通信チャネルが存在し、
    前記データパケットの複数の再送信が、これら複数の第2の通信チャネルを通じて実行され、前記複うすの再送信の各々が、前記第1及び第2の切替形態に従って、前記複数の第2の通信チャネルの互いに相違する通信チャネルを通じて実行されることを特徴とする請求項2記載の方法。
  7. 複数の第2の通信チャネルが存在し、
    データパケットの複数の再送信が、これら複数の第2の通信チャネルを通じて実行され、
    前記複数の再送信の各々が、前記第1及び第2の切替形態に従って、前記複数の第2の通信チャネルの互いに相違する通信チャネルを通じて実行され、
    互いに相違するデータパケットの再送信が、これら複数の第2の通信チャネルの互いに相違するチャネルを通じて同時に実行され、前記第1の通信チャネルを通じた新たなデータパケットの送信が同時に実行されることを特徴とする請求項2記載の方法。
  8. 前記送信局の到達範囲内の複数の受信局が、前記第1及び第2の通信チャネルの共通のチャネル状態を有する受信局にグループ分けし、
    前記ポイントツーマルチポイントデータパケット通信が、前記グループの各々に対して実行されることを特徴とする請求項2記載の方法。
  9. 前記データの送信及び再送信が、無線通信リンクを通じて実行されることを特徴とする請求項2記載の方法。
  10. 前記方法を、UMTSのHARQプロトコルのエクステンションとしたことを特徴とする請求項2記載の方法。
  11. 前記方法を、3GPP FDDモードのコンテキストに適用し、
    前記3DD FDDモードに設けられたコードチャネルを、前記第1及び第2の通信チャネルのうちの少なくとも一方として用いることを特徴とする請求項2記載の方法。
  12. 送信局から複数の受信局までのポイントツーマルチポイントデータ送信を実行する通信システムであって、
    前記送信局が、第1通信チャネルを通じて前記送信局から前記複数の受信局にデータを送信するように適合され、
    前記送信局が、前記第1の通信チャネルから第2の通信チャネルへの第1のチャネル切替を実行するように適合され、
    前記複数の受信局のうちの少なくとも一つが、前記第1の通信チャネルから第2の通信チャネルまでの第2のチャネル切替を実行するように適合され、
    前記複数の受信局のうちの少なくとも一つの受信局が、前記第1の通信チャネルを通じて送信されたデータを誤って復号した場合、前記送信局が、前記第2の通信チャネルを通じて前記データを再送信するように適合されたことを特徴とする通信システム。
  13. 複数の受信局に対してポイントツーマルチポイントデータ送信を実行する通信システムの送信局であって、
    前記送信局が、第1通信チャネルを通じて前記送信局から前記複数の受信局にデータを送信するように適合され、
    前記送信局が、前記第1の通信チャネルから前記第2の通信チャネルまでのチャネル切替を実行するように適合され、
    前記送信局が、前記第2の通信チャネルを通じて前記データを再送信するように適合されたことを特徴とする送信局。
  14. ポイントツーマルチポイントデータ送信を通じて送信機から複数の受信局まで送信されたデータパケットを受信する通信システムの受信局であって、
    前記受信局が、第1の通信チャネルを通じて送信されたデータを受信するように適合され、
    前記受信局が、第1の通信チャネルから第2の通信チャネルまでのチャネル切替を実行するように適合され、
    前記受信局が、データを誤りなく復号できないときにチャネル切替を実行し、
    前記受信局が、前記第2の通信チャネルを通じて送信されるデータを受信するように適合されることを特徴とする受信局。
JP2006524495A 2003-08-26 2004-08-19 ポイントツーマルチポイントデータ送信のための方法、通信システム、送信局及び受信局 Expired - Lifetime JP4571637B2 (ja)

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