JP2007502866A - ナルメフェンの持続的放出のための移植可能ポリマー装置 - Google Patents

ナルメフェンの持続的放出のための移植可能ポリマー装置 Download PDF

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Abstract

【課題】アルコール中毒症、ニコチン依存症またはナルメフェンによる処置が治療上有益な別の症状の治療のためナルメフェンを投与する構成物、方法、及びキットを提供する。
【解決手段】長期間にわたって一般に直線的な放出動態で連続してナルメフェンを放出する生体適合性非腐食性ポリマー装置を提供する。ナルメフェンは、ナルメフェンを封入したポリマー基材の表面に開いた孔を通じて放出される。装置は、ナルメフェンによる連続的治療が必要な個体に皮下的に投与すればよい。
【選択図】なし

Description

本出願は、引用によってその全体を本出願の記載に援用する、2003年5月30日出願の米国仮特許出願第60/474,916号の利益を主張する。
本発明は、アルコール中毒症、ニコチン依存症、またはナルメフェンの投与が治療上有益な別の症状のためのナルメフェンの皮下移植及び持続的放出のための非生体腐食性ポリマー装置を提供する。
米国では、1400万人がアルコール依存症の患者であるかまたはアルコール中毒症による障害の診断基準を満たしている(NIAAA統計)。アルコール依存症の利用可能な治療方法には、短期介入、認知療法アプローチ、心理社会的及び動機付け強化療法、及び薬物療法が含まれる。大部分のアルコール中毒者は初期には正式の治療を行っても行わなくてもある期間の禁酒を達成する。しかし、多くの者は短期間内に飲酒を再発する。すなわち、アルコール中毒症は慢性再発性障害である。飲酒の中止に続く数ヶ月は最も高い再発リスクを示し、薬理学的介入の最大の機会を提供する。しかし、薬物療法による成功は、患者の服薬不履行、薬物の血中濃度のばらつき、臨床的有効性のために必要な投与量の薬物の毒性に関連する有害な影響によって制限されることが多い。長期間送達システムはアルコール依存症の薬物療法のいくつかの面を改善するだろう。
長年の間、ジスルフィラム(アンタブース)による嫌悪療法は、米国で利用可能なアルコール依存症に対する唯一の薬理学的治療であった。しかし、この薬物による治療は高い発生率の重篤な有害反応、飲酒の再発、及び服薬不履行が問題であった(フラー他(1986年)、米国医師会誌第256号、1449〜55ページ(Fuller et al.(1986)JAMA256:1449−55))。ナルトレキソンは1994年にアルコール依存症の非嫌悪性要指示薬として承認された(クループ他(1997年)、一般精神病学アーカイブ第54(12)号、1130〜35ページ(Croop et al.(1997)Arch Gen Psychiatry54(12):1130−35)、オマリー他(1992年)、一般精神病学アーカイブ第49(11)号、881〜87ページ(O’Malley et al.(1992)Arch Gen Psychiatry49(11):881−87)、ヴォルピチェッリ他、一般精神病学アーカイブ第49(11)号、876−80ページ(Volpicelli et al.Arch Gen Psychiatry49(11):876−80))。治療を高度に遵守した者では多量の飲酒を再発するリスクが低下することが観察されている(オマリー他(1996年)一般精神病学アーカイブ第53(3)号、217〜24ページ(O’Malley et al.(1996)Arch Gen Psychiatry53(3):217−24)、オスリン他(1997年)米国老年精神病学会誌第5(4)号、324〜32ページ(Oslin et al.Am J Geriatr Psychiatry5(4):324−32)、ヴォルピチェッリ他(1997年)一般精神病学アーカイブ第54(8)号、737〜42ページ(Volpicelli et al.(1997)Arch Gen Psychiatry54(8):737−42))。ナルトレキソンの使用は、耐え難い吐き気(クループ他、前掲論文)及び投与量に依存する肝毒性副作用を含むいくつかの制限を有する。すなわち、この薬剤は肝臓病を持つアルコール中毒症患者には禁忌である(医師用卓上参考書、1997年、第51版、957〜59ページ(Physicians’ Desk Reference 1997;51st edition:957−59))。
ナルメフェンはナルトレキソンと同様の構造の純粋なオピオイド拮抗薬であり、オピオイドの作用に拮抗しオピオイドの過量投与を管理するものとして米国で承認されている(塩酸ナルメフェン、レヴェックス(Revex)(登録商標))。ナルメフェンは作用薬として機能せず、従って乱用の可能性がなく(フダラ他(1991年)、臨床薬理学的治療第49(3)号、300〜306ページ(Fudala et al.(1991)Clin Pharmacol Ther49(3):300−306))、半減期が長く(ディクソン他(1986)臨床薬理学的治療第39(1)号、49〜53ページ(Dixon et al.(1986)Clin Pharmacol Ther39(1):49−53))、呼吸抑制または肝毒性といった重大な有害作用がない。
ナルメフェンはアルコール中毒症の動物モデルで有効であることが示されている(チョウ他(1997年)行動薬理学第8(8)号、725〜35ページ(Chow et al.(1997)Behav Pharmacol8(8):725−35)、ハベル他(1991年、アルコール中毒症第8(5)号、355〜67ページ(Hubbel et al.(1991)Alcohol8(5):355−67)、ジューン他(1998年)アルコール中毒症臨床実験的研究第22(9)号、2174〜85ページ(June et al.(1998)Alcohol clin Exp Res22(9):2174−85))。ナルメフェンはμ、δ、及びκ受容体に作用し、主としてμ受容体を阻止するナルトレキソンよりも有効な、飲酒の非μ受容体強化作用の管理を提供する(タバコフ及びホフマン(1983年)生命科学第32(3)号(Tabakoff and Hoffman(1983)Life Sci32(3):197−204)、ミシェル他(1985年)、実験臨床薬理学の方法と所見第7(4)号、175〜77ページ(Michel et al.(1985)Methods Find Exp Clin Parmacol7(4):175−77))。すなわち、ナルメフェンはアルコール依存症の治療について、ナルトレキソンに対する薬理学的及び臨床的利点を提供する(メイソン他(1999年)、一般精神病学アーカイブ第56(8)号、719〜24ページ(Mason et al.(1999)Arch Gen Psychiatry56(8):719−24))。
ナルメフェンは米国の2つの臨床試験で効力を示した(メイソン他(1999)前掲論文、メイソン他(1994年)、アルコール中毒症臨床実験的研究第18(5)号、1162〜67ページ(Mason et al.(1994)Alcohol Clin Exp Res18(5):1162−67))。米国の二重盲検法による偽薬管理された研究では、2週間禁酒した105人のアルコール中毒症患者が、認知療法と共に20または80mg/日のナルメフェンを経口服用した。12週の研究期間にわたって、ナルメフェンを服用した患者は、偽薬を服用した患者よりも多量の飲酒(男性の場合1日6杯以上、女性の場合1日4杯以上と定義する)を再発する者が少なかった。ナルメフェン患者の3分の1は再発したが、多量の飲酒の事例は偽薬を服用して再発した患者の場合より著しく少なかった。第1週の研究訪問では、ナルメフェンによる治療を受けた患者のうち何らかの多量の飲酒をした日が報告された割合は著しく減少した。禁酒日数と欲求の自己申告は治療されたグループと対照グループとで同じであった。ナルメフェンによる治療を受けた患者には一過性の吐き気が見られたが、重篤な有害事象は発生しなかった(メイソン他(1999年)前掲論文)。また、初期の試験研究では、21人のアルコール依存症患者の中で、偽薬または10mgのナルメフェンと比較すると、40mgのナルメフェンを経口投与した患者では再発の割合が著しく低く、1週間当たりの禁酒日数が増大することが報告された。40及び10mg両方の投薬量で、飲酒日数あたりの飲酒量が著しく減少した(メイソン他(1994年)前掲論文)。
アルコール中毒症を治療するための長期送達システムの臨床的利益はデポー剤及びインプラントを使用した様々な研究が例示している。アルコール中毒症の治療のため皮下埋め込み術によってジスルフィラムを投与した。6つの研究は一貫性のない結果を示したが、ジスルフィラムがアルコール依存症を軽減するという肯定的な根拠を示した(ジョンセン他(1987)、英国依存症学会誌第82(6)号、607〜13ページ(Johnsen et al.(1987年)Br J Addict82(6):607−13)、ジョンセン及びモーランド(1991年)アルコール中毒症臨床実験的研究第15(3)号、532〜36ページ(Johnsen and Morland(1991)Alcohol Clin Exp Res15(3):532−36)、ホワイト及びオブライエン(1974年)、英国精神病学会誌第124号、42〜44ページ(Whyte and O’Brien(1974)Br J Psychiatry124:42−44)、ウィルソン他(1976年)、英国精神病学会誌第192号、277−80ページ(Wilson et al.(1976)Br J Psychiatry192:277−80)、ウィルソン他(1978年)アルコール中毒症研究学会誌第39(5)号、809〜19ページ(Wilson et al.(1978)J Stud Alcohol39(5):809−19)、ウィルソン他(1980年)アルコール中毒症研究学会誌第41(5)号、429〜36ページ(Wilson et al.(1980)J Stud Alcohol41(5):429−36))。無痛法及びオピオイド解毒のためナルトレキソンインプラントが利用されている(ミスラ及びポンターニ(1981年)、NIDA研究モノグラフ第28号、254〜64ページ(Misra and Pontani(1981)NIDA Res Monogr28:254−64)、シュウォプ他(1975年)NIDA研究モノグラフ第4号、13〜8ページ(Schwope et al.(1975)NIDA Res Monogr4:13−8)、ヨバーン他(1986年)、薬理学的実験治療学会誌第237(1)号、126〜30ページ(Yoburn et al.(1986)J Pharmacol Exp Ther237(1):126−30))。合併症には肺浮腫、持続性禁断症状、薬物の毒性、及びアルコール及びベンゾジアゼピンの交差性依存症による禁断症状が含まれる(ハミルトン他(2002年)、救急医学アカデミー第9(1)号、63〜68ページ(Hamilton etal.(2002)Acad Emerg Med9(1):63−68))。
月1回のナルトレキソンのデポー剤も研究されている。治験の示したところによれば、(心理療法と共に)デポー剤による治療を受けた患者が多量に飲酒した日の割合は、偽薬プラス心理療法による治療を受けた患者に較べて著しく低かった。デポー剤による戦略の欠点には、(1)デポー剤によって観察される炎症は治験の際制約要因となった、(2)注入後に観察される炎症の点でデポー剤の不可逆的性質は治療上問題であり、投与法の柔軟性を低下させる、及び(3)デポー剤の月1回の投与法ではアルコール中毒症のような慢性病の治療に関連する合併症の問題を完全に解決できないといったことが含まれる。
アルコール中毒症の治療のための薬剤を長期送達する改善された方法に対する必要が存在している。ナルメフェンを連続投与する長期的方法は、ナルトレキソンまたはスルフィラムより結果として生じる有害な副作用が少なく、アルコール中毒症の治療のため有益であろう。
また、ナルメフェンは、例えば、ニコチン依存症、例えば病的な賭博癖といった衝動制御障害、間質性膀胱炎、麻酔薬の過量投与、例えば胆汁鬱滞に関連するもののようなそう痒症、及び硬膜外麻酔による副作用といった他の症状の治療及びオピオイド鎮静作用の拮抗及び摂食の低下のために有効であることが示されている。こうした何れかの徴候のため、他の投与手段に関連する山や谷がなく、連続投与により患者の服薬履行が改善された、ナルメフェンを投与する改善された方法が望ましい。
発明の概要
本発明は、ナルメフェン投与が治療上有益なアルコール中毒症またはニコチン依存症、または他の症状を治療する構成物(すなわち、移植可能ポリマー装置)、方法、及びキットを提供する。
1つの態様では、本発明はナルメフェンを必要に応じて哺乳動物に投与する、生体適合性、非腐食性ポリマー基材中に封入したナルメフェンを含む移植可能装置を提供する。哺乳動物に皮下移植した後、本発明の移植可能装置は、定常状態で少なくとも約0.01ng/mlの血漿中ナルメフェン濃度を結果として得る速度で基材の表面に開いた孔を通じて生体内に連続してナルメフェンを放出する。実施形態によっては、本発明の移植可能装置はポリマー基材を形成する生体適合性、非腐食性ポリマーとしてエチレン酢酸ビニル(EVA)を含む。1つの実施形態では、ポリマー基材を準備するために使用するEVAの酢酸ビニル含有率は約33%であることが多い。様々な実施形態では、本発明の移植可能装置中のナルメフェンの含有率は約0.01〜約90%であり、または少なくとも約0.01、0.05、1、5、10、20、50、65、70、75、80、85、または90%の何れかである。移植可能装置は、少なくとも約2週間、または1、3、6、9、12、15、18、21、または24ヶ月間にわたって生体内で連続してナルメフェンを放出することが多い。実施形態によっては、本発明の移植可能装置は押し出し工程を使用して製造し、直径約2〜約3mm及び長さ約2〜約3cmの寸法を備えた装置を製造するが、他の形状及びサイズも考慮され当業技術分野の範囲内である。一般に、本発明の移植可能装置は生体外または生体内の定常状態で約0.01〜約10mg/日の速度でナルメフェンを放出する。1つの実施形態では、移植可能装置は少なくとも約0.01mg/日の速度でナルメフェンを放出する。実施形態によっては、本発明の移植可能装置は拡散障壁を含む。1つの実施形態では、拡散障壁はEVAを含み、さらに必要に応じて、例えば10または20重量%のナルメフェンを混入したEVAといったナルメフェンを含む。
別の態様では、本発明はナルメフェンを必要に応じて哺乳動物に投与する方法を提供する。本発明の方法は上記で説明したような少なくとも1つの移植可能装置の皮下投与を含む。実施形態によっては、本方法は多数の装置の皮下移植を含む。1つの実施形態では、装置(単数または複数)は、治療が必要な個体のアルコール中毒症の治療のため治療上有効な定常状態レベルのナルメフェンを放出する。別の実施形態では、装置(単数または複数)はニコチン依存症の治療のため治療上有効な定常状態レベルのナルメフェンを放出する。多くの場合、治療上有効な定常状態血漿中濃度は少なくとも約0.01ng/mlである。通常、各装置、または多数の装置の組み合わせは、定常状態で少なくとも約0.01ng/mlを連続して放出する。一般に、各装置、または多数の装置の組み合わせは、生体外または生体内で少なくとも約0.01mg/日の定常状態速度でナルメフェンを放出する。様々な実施形態では、1つまたは多数の装置は個体の上腕、背中、及び/または腹部に皮下移植する。
別の態様では、本発明は、上記で説明したような少なくとも1つの移植可能装置と、ナルメフェンを必要に応じて哺乳動物に投与する方法で使用する取扱説明書とを備えるキットを提供する。実施形態によっては、本発明のキットは多数の個々のナルメフェン含有移植可能装置を含む。1つの実施形態では、キットはアルコール中毒症の治療のため提供される。別の実施形態では、キットはニコチン依存症の治療のため提供される。
発明を実施する最良の形態
本発明は、治療が必要な個体に皮下移植した際長期間にわたってナルメフェンの管理された持続的放出を可能にする生体適合性、非腐食性ポリマー装置を提供する。
長い持続期間にわたる生体内の化合物の連続放出は、非腐食性ポリマー基材中に封入した化合物を含有する装置の移植によって達成してもよい。連続薬物放出のための移植可能、非腐食性ポリマー装置の例は、例えば、米国特許第4,883,666号、第5,114,719号、及び第5,601,835号で説明されている。装置の移植とナルメフェンの長期放出は、投与法の履行を改善し、丸薬または錠剤を繰り返し服用または摂取する必要を除去する。また、本発明による移植可能持続放出装置は服用または経口投与形態より一定のナルメフェンの血中濃度の達成を可能にするので、副作用を最小化し治療効果を改善する。
本発明の装置は1つかそれ以上の非生体腐食性ポリマーを含む。こうしたポリマーは数ヶ月またはそれ以上といった長期間にわたって直線的な速度で化合物を放出し、これは腐食に伴う基材中の溝の形成のため直線的な放出動態を示さず、その結果時間と共に放出速度が増大する生体腐食性ポリマーと対照的である。本発明は、初期の噴出の後生体内でナルメフェンの一般に直線的な放出動態を示す生体適合性、非腐食性ポリマーを含む。
移植可能ポリマー装置
本発明はナルメフェンを必要に応じて個体に投与する移植可能装置を含む。本発明の移植可能装置はポリマー、非腐食性基材中に封入したナルメフェンを含有する。ここで使用する場合、「ナルメフェン」とはナルメフェン及び、例えば塩酸ナルメフェンのような、ナルメフェンの薬理学的に許容可能な塩を指す。ナルメフェンをポリマー基材に組み込むことによって、薬物を放出するため表面にアクセス可能な一連の相互接続する溝及び孔が形成される。適当な場合、薬物に不浸透性の被覆を装置の少なくとも一部の上に配置し放出速度をさらに調節する。多くの場合、ナルメフェンは水溶性環境では極めて溶けやすいので、移植可能装置の外面に拡散障壁を追加し生体内でより低い放出速度を達成する。被覆の組成の例にはEVAまたはナルメフェン混入EVAが含まれる。例えば約10または20重量%のナルメフェンを混入したEVAを使用してもよい。
皮下に移植した場合、本発明の装置は擬似ゼロまたはゼロに近い放出速度で長期間にわたってナルメフェンを連続して放出する。移植後の初期噴出の後、放出速度は通常、定常状態平均の約10〜20%以内である。
実施形態によっては、移植後に生体内に放出されるナルメフェンの初期噴出は、移植前に移植可能装置を予洗し表面のナルメフェンを除去することによって低下または最小化する。予洗は、例えばエタノールまたは生理食塩水といった、ナルメフェンが溶解可能な何らかの溶液中で、多くの場合約30分間行えばよい。
ここで使用する場合「非腐食性基材」とは、基材が放出期間を通じて本質的に完全な状態のまま残るような、使用環境による化学的及び/または物理的破壊に対する十分な耐性を有するポリマーキャリアを指す。ポリマーは一般に疎水性であり、哺乳動物の体内といった水溶性環境に配置しても適切な期間その完全性を保持し、使用前に長期間保管するにも十分安定である。理想的なポリマーは強く、また使用中崩壊または破断しないよう十分柔軟でなければならない。非腐食性基材は、通常数ヶ月または数年といった長期間生体内で完全な状態のまま残る。基材中に封入した薬物分子は持続的及び予測可能な形で溝及び孔を通じた拡散によって時間と共に放出される。放出速度は、薬物混入の割合、基材の多孔率、移植可能装置の構造、または基材の疎水性を修正し、また疎水性被覆を移植可能装置の外部に追加することによって変更すればよい。
通常、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)をポリマー基材として使用するが、他の非腐食性材料を使用してもよい。他の適切な材料の例には、シリコン、架橋ポリ(ビニルアルコール)及びポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)のようなヒドロゲル、アシル化酢酸セルロース及びそのアルキル誘導体、部分的及び完全に加水分解したアルキレン酢酸ビニル共重合体、無可塑ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニルの架橋同種重合体及び共重合体、アクリル酸及び/またはメタクリル酸の架橋ポリエステル、ポリビニルアルキルエーテル、ポリフッ化ビニル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリスルフォン、スチレンアクリロニトリル共重合体、架橋ポリ(酸化エチレン)、ポリ(アルキレン)、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリ(エステル)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリホスファゼン、及びクロロスルフォン化ポリオレフィン及びその化合物が含まれる。
本発明の移植可能装置は通常少なくとも約0.01%、多くの場合約0.01〜約90%のナルメフェンを混入して形成する。装置は、EVA(アセテート33%)及び少なくとも約0.01、0.05、0.1、0.5、1、5、10、20、50、65、70、75、80、85、または90%の何れかのナルメフェンを含むポリマー基材を含む構成物として形成する。装置は押し出し工程を使用して製造してもよく、その際粉砕したEVAをナルメフェンと混合し、溶解して棒状構造に押し出す。棒を切断して望ましい長さの個々の移植可能装置とし、梱包し、使用前に滅菌する。移植可能ポリマー非腐食性基材中に治療用化合物を封入する他の方法は当業技術分野で周知である。こうした方法には、例えば、溶液流延法(例えば、米国特許第4,883,666号、第5,114,719号、及び第5,601,835号参照)が含まれる。当業者は、特定の種類の患者または臨床指標のために望ましい形状、サイズ、薬物の混入、及び放出動態に応じてこうした移植可能装置を準備する適当な方法を容易に決定できるだろう。
本発明の装置は、アルコール中毒症の治療または、例えばニコチン依存症の治療といった、ナルメフェンの投与が治療上有益な別の症状のためナルメフェンを持続的に放出するのに適している。本発明の装置を使用する他の例には、例えば病的な賭博癖といった衝動制御障害、間質性膀胱炎、麻酔薬の過量投与、例えば胆汁鬱帯に関連するもののようなそう痒症、オピオイド鎮静作用の拮抗、硬膜外麻酔による副作用の治療、及び摂食の低下が含まれる。
ここで使用する場合、「持続的放出」とは、血中濃度が治療用の範囲内であるが長期間有毒濃度以下となるようなナルメフェンの放出を指す。本発明の装置は一般に、点滴静注によって達成される動態と同様、生体内でゼロに近い薬物動態を示すが、静注法に関連する外部医療機器及び人員を必要としない。一般に、移植後、装置は数ヶ月から1年またはそれ以上の期間にわたって治療上有効な量のナルメフェンを放出する。
望ましい総投与量を達成するため、多数の移植可能装置を使用してもよく、また装置のサイズ及び形状を修正してもよい。移植可能装置の長さは約0.5〜約10cmであることが多く、約1.5〜約5cmであることがより多く、約2〜約3cmであることが最も多く、また直径は約0.5〜約7mmであることが多く、約1.5〜約5mmであることがより多く、約2〜約3mmであることが最も多い。また、EVAポリマー基材中の酢酸ビニルの含有率を変更することによって移植可能装置の放出率を修正してもよい。酢酸ビニルの含有率は約2〜約40重量%であることが多く、約10〜約35重量%であることがより多く、約30〜約35重量%であることが最も多い。1つの実施形態では、酢酸ビニルの含有率は約33重量%である。また、インプラントの外面を腐食性または非腐食性ポリマー、例えばEVAのような拡散障壁によって被覆することによって放出速度を修正してもよい。多くの場合、約25重量パーセントのEVAで表面を被覆する。1つの実施形態では、拡散障壁はナルメフェンを含有し、例えばナルメフェン混入EVAである。拡散障壁は、例えば、米国特許第4,883,666号、第5,114,719号、または第5,601,835号に列挙されたポリマーの何れかを含んでもよい。
本発明の方法
本発明はナルメフェンを必要に応じて個体に投与する方法を提供する。アルコール中毒症、ニコチン依存症、または、上記で列挙したような、ナルメフェンの投与が治療上有益である別の症状の治療のため、本発明の方法によりナルメフェンを個体に投与すればよい。
1つの実施形態では、アルコール中毒症の治療のため本発明の方法によりナルメフェンを投与する。ここで使用する場合、「アルコール中毒症」とは、その発症及び発現に影響する遺伝的、心理社会的、及び環境的因子を備えた原慢性疾患を指す。この疾患は進行性であり致命的であることが多い。この疾患は、飲酒による制御障害、薬物アルコールへの熱中、有害な結果にもかかわらずアルコールを使用すること、及び否定を始めとする思考の歪みを特徴とする。こうした各徴候は連続的または周期的なことがある。
別の実施形態では、ニコチン依存症の治療のため本発明の方法によりナルメフェンを投与する。
本発明の方法は、生体適合性、非腐食性ポリマー基材、例えばEVA中に封入したナルメフェンを含む1つかそれ以上のポリマー移植可能装置の皮下投与と、移植可能装置の表面に開いた多数の孔を通じた長期間にわたる管理された形でのナルメフェンの放出とを含む。多くの場合、移植可能装置は、上記で説明したような押し出し工程を使用して製造する。
移植可能装置は、ナルメフェンによる治療が必要な個体への皮下移植によって投与する。ここで使用する場合、「個体」とは、アルコール中毒症、ニコチン依存症、またはナルメフェンの投与が治療上有益な別の症状のために治療が必要な人間のような哺乳動物を指す。一般に、移植可能装置は、個体の上腕、背中、または腹部を含むがそれらに制限されない部位に皮下移植によって投与する。投与のための他の適切な部位は医療専門家によって容易に決定されるだろう。治療のため望ましい投与量を達成するため、多数の移植可能装置を投与してもよい。
通常、投与される1つの移植可能装置または複数の装置は、少なくとも約2週間、または1、3、6、9、12、15、18、21、または24ヶ月の長期間にわたって治療上有効な血漿中濃度を維持する速度でナルメフェンを放出する。多くの場合、ナルメフェンを連続して放出する移植の持続期間は、約3ヶ月〜約2年、約3ヶ月〜約1年、約3ヶ月〜約9ヶ月、または約3ヶ月〜約6ヶ月である。
望ましい投与速度は、ナルメフェンを投与する原因をなす症状、及び個々の患者の生理機能といった因子に依存するが、医師には容易に確かめられる。ナルメフェンは望ましくは、治療上有効なレベルの薬物の血漿中濃度を維持する速度で1つまたは多数の移植可能装置から放出する。ナルメフェンを十分一定の血漿中濃度に維持することによって、経口投与のような他の治療法より低いレベルで投与することが可能になることが多い。
ここで使用する場合、「治療上有効な量」または「治療上有効なレベル」とは、望ましい治療上の成果を提供するナルメフェンの量、すなわちナルメフェンを投与する症状の徴候を軽減または緩和するのに有効なレベルまたは量を指す。例えば、アルコール中毒症を処置する肯定的な治療成果は、再発率の減少、最初に再発するまでの時間の増大、禁酒及び禁酒日数の増大、アルコール消費量及び1日当たりの飲酒量の減少、及びアルコールに対する欲求の減少を含んでもよい。個々の患者に対する「治療上有効な」量は、患者の年齢、体重、生理機能、及び/または治療対象となる個々の徴候または症状に依存してもよく、医療専門家によって確かめられる。多数の装置を投与する場合、装置の組み合わせは、治療上有効な血漿中濃度を達成する速度でナルメフェンを放出する。
アルコール中毒症を処置する治療上有効な血漿中濃度は、約0.01〜約70、約0.05〜約50、約0.1〜約25、または約1〜約10ng/mlであることが多い。多くの場合、この投与速度での持続的放出は約2週間〜1年またはそれ以上(例えば、少なくとも約3、6、9、12、15、18、21、または24ヶ月)行われる。様々な実施形態では、本発明の移植可能装置は、少なくとも約0.01、0.05、0.1、0.5、1、2、3、4、5、10、20、30、40、50、60、または70ng/mlの定常状態血漿中濃度を結果として得る速度で生体内にナルメフェンを放出してもよい。通常、アルコール中毒症の治療のために使用されるナルメフェンの放出速度は約0.01〜約10mg/日/インプラントである。
実施形態によっては、短期介入、社会的支援、動機付けの強化、家族療法、社会的技能訓練、認知療法、生体自己制御、解毒、電気刺激、嫌悪療法ストレス管理、抗鬱薬、催眠、鍼療法、アルコール中毒者更生会12ステッププログラム、心理療法、禁煙、GABA作動薬、アヘン拮抗薬を含むがこれらに制限されない他の治療と共に、アルコール中毒症の治療のため本発明の移植可能装置によってナルメフェンを投与する。
ニコチン依存症を治療する方法では、上記で説明したような1つまたは多数のナルメフェン含有移植可能装置を治療が必要な個体中に移植し、少なくとも約2週間〜約1年またはそれ以上(例えば、少なくとも約3、6、9、12、15、18、21、または24ヶ月)にわたって、定常状態でのナルメフェンの総放出量が約0.01〜約10mg/日となり、定常状態血漿中濃度が約0.01〜約100ng/ml、約0.05〜約50、約0.1〜約25、または約1〜約10ng/ml、または少なくとも約0.01、0.05、0.1、0.5、1、2、3、4、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100ng/mlとなるようにする。
上記で説明したように、本発明の移植可能装置は服薬履行の問題を緩和すると期待される。本発明の方法では、ナルメフェンの長期連続放出によって、経口または注射による投与形態といった他の製剤に関連するナルメフェンの血中濃度の山と谷が一般に減少または除去されるので、従来の治療方式より低いレベルでの投与が可能になることが多い。このため、より高い濃度に関連する有害な副作用が低減または緩和されることが多い。
キット
また、本発明は、アルコール中毒症、ニコチン依存症、または、上記で説明したようなナルメフェンの投与が治療上有益な別の症状の治療のために使用するキットを提供する。キットは、例えば、アルコール中毒症またはニコチン依存症といった、ナルメフェン投与が治療上有益な症状を治療するシステムの皮下移植及び使用法に関する情報をユーザ及び/または医療提供関係者に提供する取扱説明書と共に、適切に梱包した、長期治療レベルのナルメフェンを送達できる、ここで説明した種類の少なくとも1つの移植可能、非腐食性装置を含む。また、キットは本発明の移植可能装置の性能を論じる文献を含んでもよい。
キットは送達システム、すなわち、少なくとも約2週間、多くの場合少なくとも約3ヶ月にわたって治療レベルのナルメフェンの持続的放出を提供できる、1つまたは多数の移植可能装置を含む。本発明のキットでは、移植可能装置(単数または複数)は、例えば、シリンジまたはトロカールといった、患者への装置の皮下移植に適した装置(単数または複数)にあらかじめ装填してもよい。また、キットは、ナルメフェン投与量の滴定のため1つかそれ以上の経口投与形態のナルメフェンを含んでもよい。
アルコール中毒症治療のためのキットは通常、少なくとも約3ヶ月にわたって、多くの場合約0.01〜約70、約0.05〜約50、約0.1〜約25ng/ml、または約1〜約10ng/mlの治療上有効なナルメフェン血漿中濃度を達成するのに十分な速度でナルメフェンを連続放出できるポリマー、非腐食性送達システムを含む。様々な実施形態では、送達システムは、少なくとも約0.01、0.05、0.1、0.5、1、2、3、4、5、10、20、30、40、50、60、または70ng/mlの定常状態血漿中濃度を結果として得る速度で生体内にナルメフェンを放出できる。多くの場合、この投与速度での持続的放出は少なくとも約3ヶ月〜約1年またはそれ以上(例えば、少なくとも約3、6、9、または12、15、18、21、または24ヶ月)にわたって行われる。本発明のキットは、生体外または生体内で約0.01〜約10mg/日のナルメフェンを放出できる送達システムを含んでもよい。
ニコチン依存症の治療のためのキットは通常、0.01〜約100ng/ml、約0.05〜約50、約0.1〜約25ng/ml、または約1〜約10ng/ml、または少なくとも約0.01、0.05、0.1、0.5、1、2、3、4、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100ng/mlの定常状態レベルでナルメフェンを連続放出できる送達システムを含む。
以下の例は例示を目的とし本発明を制限することを意図しない。
例1−ナルメフェンインプラントの準備
移植可能装置は押し出し工程を使用して準備した。塩酸ナルメフェンを高真空下で約115〜118℃で乾燥した。ナルメフェンの最終含水率は0.3870%であった。含水率は熱重力解析(TGA)によって決定した。65%のナルメフェンと35%のEVA(酢酸ビニル33%)との混合物を使用して押し出しを行った。使用した処理条件を表1に示す。
Figure 2007502866
押し出し成形したファイバを切断して27mmのインプラントにした。流動床塗布機を使用し塩化メチレンに溶解した33%EVAの0.1%溶液を使用してこうしたインプラントを被覆した。被覆条件は表2に示すものであった。
Figure 2007502866
インプラントを梱包しガンマ放射線(2.5ミリラド)によって滅菌した。
例2−押し出し成形した移植可能装置の特性
上記で説明したように準備した押し出し成形した棒は総薬物混入量及び薬物放出速度について以下のように特徴付けられた。
顕微鏡写真
例1のように準備したインプラントの表面及び内部形態を走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して試験した。インプラントを極低温で破砕しインプラントの内部を露出した。インプラントの外側面の微細構造の1つの画像と断面の1つの画像とを示す顕微鏡写真を撮影した。SEM顕微鏡写真から、ナルメフェンの分布と被覆は非常に均質であることが見られた。
薬物混入の評価
塩化メチレンによってナルメフェンを抽出しHPLC法を使用してナルメフェンを定量することによってインプラント中のナルメフェンの含有率を決定した。インプラントの寸法、重量、及びナルメフェン含有率を表3に示す。
Figure 2007502866
生体外薬物放出の評価
生理食塩水100mlを入れた琥珀色の瓶内にインプラントを配置して、インプラントからのナルメフェンの生体外放出速度を決定した。サンプルボトルは37℃の水槽中に配置し50rpmで攪拌した。100μlのサンプル部分標本を様々な時点で採取し、新鮮な生理食塩水で置き換えた。各時点の塩酸ナルメフェンについて収集したサンプルを分析した。この生体外放出の研究は、初期噴出の後徐々に定常状態放出速度が達成されることを示した(図1)。56日間のインプラントからのナルメフェンの合計放出割合は30.4%であった。この研究は、ナルメフェンを長期間にわたって管理された速度で移植可能装置から放出できることを示している。
例3−ナルメフェン混入移植可能装置の生体内評価
高温でEVA共重合体(酢酸ビニル33%)と塩酸ナルメフェンとの30:70混合物の押し出し成形によってインプラントを準備し、直径2.5mmのフィラメントを生じ、そこから2.6cmのインプラントを切断した。インプラントの表面はワースター流動床塗布機を使用してEVA懸濁液(ラウリル硫酸ナトリウム水溶液中に14重量%のEVA)で被覆し、25重量%の被覆を生じた。インプラントをγ放射線によって滅菌した。どちらも70%の塩酸ナルメフェンを含む被覆したものと被覆していないもの両方のインプラントからのナルメフェンの生体外放出を37℃で100mlの食塩水への放出によって決定し、その後HPLC分析を行った。被覆していないインプラントからの生体外薬物放出は26〜52mg/日であった。25重量%のEVAでインプラントの表面を被覆することによって、放出速度は0.286〜0.607mg/日まで低下した。インプラントのガンマ滅菌は放出速度に影響しなかった。
インプラント1個当たり73mgのナルメフェンを含有する1(n=8)または3(n=8)個のインプラントをウィスターラットに外科的に移植した。インプラントを脊椎と平行に動物の背中の皮下に配置した。移植前と、移植後1日目は移植後6時間及び12時間、7日目までは48時間毎、12週目までは毎週、そして24週で研究を終了するまでは2週毎に血漿サンプルを尾静脈から採取した。各グループのうち3頭の動物は12週で終了とし、成分分析のためインプラントを外植した。動物は安楽死させ、背中に沿った皮膚を切除してインプラントが見えるようにした。インプラントを写真撮影し、取り出し、HPLCによって分析した。残りの動物は24週まで維持し、その時点で各グループのうち3等の動物は同様に終了とした。各グループのうち残りの2頭の動物は麻酔下で外植し、3、6、9、12、24、及び48時間目に血漿サンプルを採取し、排出薬物動態学的データを得た。3頭の動物は48時間の終了時に終了とした。
図2は、研究の過程を通じた各グループの平均ナルメフェン血漿中濃度を示す。全ての時点で、3個のインプラントを移植した動物の血漿中ナルメフェン濃度は1個のインプラントを移植した動物のものの約3倍高かった。移植後3週までに低下する高い濃度の「噴出」段階と、それに続く3〜24週の持続的放出段階という血漿中濃度の2つの段階が観察され、持続的放出段階では血漿中濃度は、1個及び3個を移植したグループに対してそれぞれ3.2±0.6ng/ml及び8.8±0.7ng/mlであった。ナルメフェンの放出は0.23±0.05mg/インプラント/日であった。4頭の動物(グループ毎に2頭)で監視した排出段階は、外植後6時間までに定量可能な濃度(0.05ng/ml)以下の血漿中ナルメフェン濃度を示した。
「噴出」中の血漿中濃度は、インプラント1個のグループの場合33ng/ml及びインプラント3個のグループの場合90ng/mlに達したが、これは持続的放出中の血漿中濃度の約10倍であった。ナルメフェン放出の約38%は最初の3週に行われ、残りの62%は21週の持続的放出期間に放出される。約6ヶ月の終了時、初期薬物の約25%がインプラント中に残っていた。
この研究の結果は、ナルメフェンインプラントが6ヶ月にわたって薬物の持続的血漿中濃度を提供できることを示した。全ての移植部位の肉眼的検査は炎症箇所を示さなかった。研究期間にわたって有害な作用は観察されなかった。
例4−ナルメフェン混入EVAで被覆した移植可能装置の準備と評価
材料
ポリ(エチレン酢酸ビニル共重合体)(EVA)ペレット(酢酸ビニル33重量%)はアルドリッチ(Aldrich)社から入手した。塩酸ナルメフェンはダイオシンス(Diosynth)社から入手した。
方法
EVAの極低温粉砕
ナルメフェンと乾式混合する前にEVAの粒径を低減した。レシュZM100超遠心ミル(Retsch ZM 100 Ultra Centrifugal Mill)(グレンミルズ社、ニュージャージー州クリフトン(Glen Mills,Inc.,Clifton,NJ))で530gのEVAペレットを粉砕した。EVAは液体窒素と予備混合してからミルの粉砕室に移し、そこで18,000rpmの速度で0.5mmのふるいに通した。粉砕したEVAを850μmのふるいにかけ、850μm未満の粒子を真空下、室温で3日間乾燥した。850μm未満の粉砕したEVAの回収量は約350gであった。
塩酸ナルメフェンの粒径低減と乾燥
300gの塩酸ナルメフェンを乳鉢と乳棒で粉砕し粒径を低減してからふるいにかけ53〜180μmの粒子を収集した。ふるいにかけた塩酸ナルメフェンを真空オーブン内で12時間、118℃で乾燥した。ナルメフェン粒子が凝集したため、乾燥したナルメフェンを再びふるいにかけて53〜180μmの粒子を収集した。
ティー・エイ・インスツルメント(TA Instruments)社の熱重量分析器を使用した熱重量分析により乾燥前後のナルメフェンの含水率を決定した。ナルメフェンサンプルを、20℃から120℃まで毎分5℃の割合で、120℃で平衡に達するまで加熱した。そして温度を214℃まで毎分2℃の割合で上昇させた。乾燥前の初期含水率は約4.4%であり、乾燥後、含水率は約0.03%まで低下した。
コールター(Coulter)社のLS13,230粒径分析器を使用して、ふるいにかける前後のナルメフェンの粒径を決定した。粒径分析のため0.1%のスパン85/ヘプタンの溶液を使用してナルメフェン粒子を懸濁させた。ふるいにかける前の平均粒径は203.5μmであり、ふるいにかけた後の平均粒径は99.87μmであった。
押し出し用乾燥混合物の準備
上記のように準備したナルメフェンとEVAをねじ蓋ガラスジャーの中で結合した。ジャーを密閉して5分間数度反転し、外観が示すように配合物が均一に混合されたことを外観が示すまでジャーを時々横に回転させた。ナルメフェン/EVAの混合物は、グローブボックス内の窒素下で準備しナルメフェンを乾燥した状態に保持した。
被覆ナルメフェンインプラント製剤の準備
2段階工程を使用して被覆インプラントを準備した。まず、RCP−0500押し出し機を使用し一体式の棒としてコアを押し出し成形した。そして被覆材料を収容した加熱したダイコーティング組立体に棒を通すことによって被覆を別個に塗布した。
一体式の棒は、RCP−0500押し出し機を使用し表4に示す処理条件を使用して75/25ナルメフェン/EVAの混合物から準備した。
Figure 2007502866
7cmの長さのサンプルを75/25ナルメフェン/EVAの棒から切断し被覆インプラントを準備した。直径4.4mmのオリフィスを備えたステンレス鋼のダイコーティング組立体を約127℃まで予熱してからEVA中に10または20%のナルメフェンを含む被覆材料を充填した。各インプラントを針に吊り下げてダイコーティング組立体のオリフィスを通し、そこで溶融被覆材料によって被覆した。
被覆したインプラントを室温まで冷却してから5.2cmの長さに切断した。被覆インプラントの端部をそれぞれ溶融被覆材料で密閉した。
コア混入決定手順
インプラント製剤の3通りのサンプル(20〜40mg)を50mlのねじ蓋培養チューブ内に配置した。5mlの塩化メチレンを各サンプルに追加した。チューブを密閉し、視覚的検査によってサンプルが完全に崩壊するまで約10分間、または必要ならばもっと長時間超音波処理した。
40mlの脱イオン水を各サンプルに追加して60秒間激しく振り、塩化メチレン懸濁液からナルメフェンを抽出した。サンプルは頻繁に振りながら約1時間室温に置いた。そしてサンプルは2つの層が分離するまで室温に置いた。各サンプルの上部層(脱イオン水)を100mlのメスフラスコに移した。30mlの脱イオン水を各サンプルに追加した。そしてサンプルを30秒間激しく振った。そして2層が分離するまでチューブを室温に置いた。適当なメスフラスコ内で上部層を前に抽出した上部層と一緒にした。
各フラスコを脱イオン水で希釈し完全に混合した。約1.5mlの各サンプルを1.5mlのマイクロ遠心分離チューブに移し、5分間8,000rpmで遠心分離して2層を分離した。約1mlの各サンプルを分析のためHPLCバイアルに移した。サンプルを適宜脱イオン水で希釈し、サンプルの濃度を標準曲線の制限内に維持した。
約30mgのナルメフェンと10mgのEVAからなる3通りの対照サンプルを準備し上記のように処理した。
生体内放出手順
被覆したインプラントを計量し、100mlの生理食塩水を入れた透明なガラス瓶内に配置した。瓶はテフロンで内張りしたねじ蓋で密閉し、37±2℃の振盪水槽内に配置し50rpmで攪拌した。15分後、1、2、及び5時間後、及び1、2、4、7、10、及び14日後に分析のためサンプルを取り出した。各時点で、2mlの部分標本を分析のため取り出して2mlの生理食塩水で置き換えたが、4、10、及び14日の時点では、100mlの新鮮な生理食塩水を入れた瓶にインプラントを移した。分析のため取り出したサンプルはナルメフェンの含有率をHPLCで分析するまで2〜8℃で保管した。
HPLC分析の作業条件は表5に示すものであった。
Figure 2007502866
結果
インプラント製剤のナルメフェン含有率
上記で説明したコア混入決定手順を使用して被覆したものとしていないもの両方のインプラントのナルメフェン含有率を決定した。それぞれ被覆なしインプラント、10%ナルメフェン被覆で被覆したインプラント、及び20%ナルメフェン被覆で被覆したインプラントの理論的混入量の平均回収率は96、90、及び101%であった。ナルメフェン/EVA対照サンプルの平均回収率は97%であった。
生体外ナルメフェン放出
被覆したものとしていないもの両方のインプラントからのナルメフェンの生体外放出を上記で説明したように決定した。
14日までは、被覆なしインプラントは、10%ナルメフェンで被覆したインプラントの約33〜36%、及び20%ナルメフェンで被覆したインプラントの約65%と比較して、ナルメフェンコア混入量の約92%を放出した。初期噴出が少ないため、被覆したインプラントは14日間を通じてナルメフェンの定常放出を提供した。
被覆したインプラントサンプルを2.5(±10%)ミリラドのガンマ放射線にさらして滅菌した。10%ナルメフェン被覆を含むインプラント製剤の滅菌したものとしていないものとの間では放出プロファイルの差はほとんど観察されなかった。
上記の発明は理解を明瞭にする目的で例示により詳細に説明したが、本発明の精神と範囲から離れることなくいくつかの変更及び修正を実施し得ることが当業者には明らかであろう。従って、この説明は本発明の範囲を制限するものとみなすべきではなく、本発明の範囲は添付の請求項によって定義される。
本出願で引用した全ての公報、特許、及び特許出願はその全体を引用によって本出願の記載に援用する。
押し出し成形EVA被覆ナルメフェン含有インプラントからのナルメフェンの生体外放出を示す。 1つまたは3つのEVA被覆ナルメフェン混入移植可能装置を移植したラットにおけるナルメフェンの生体内放出を示す。

Claims (38)

  1. ナルメフェンを必要に応じて哺乳動物に投与する移植可能装置であって、ナルメフェンと生体適合性、非腐食性ポリマー基材とを備え、
    前記ナルメフェンが前記基材中に封入され、
    前記移植可能装置を前記哺乳動物に皮下的に移植した時、前記ナルメフェンが、定常状態で少なくとも約0.01ng/mlの血漿中濃度を結果として得る速度で前記基材の表面に開いた孔を通じて持続的な期間にわたって生体内に連続して放出される装置。
  2. 前記ポリマー基材がエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を備える、請求項1に記載の移植可能装置。
  3. 前記EVAが約33%の酢酸ビニルを備える、請求項2に記載の移植可能装置。
  4. 約0.01〜約90%のナルメフェンを備える、請求項1〜3の何れか一項に記載の移植可能装置。
  5. さらに、拡散障壁を備える、請求項4に記載の移植可能装置。
  6. 前記拡散障壁がEVAを備える、請求項5に記載の移植可能装置。
  7. 前記拡散障壁がナルメフェンを備える、請求項5または6に記載の移植可能装置。
  8. 前記持続的な期間が少なくとも約3ヶ月である、請求項1〜7の何れか一項に記載の移植可能装置。
  9. 前記移植可能装置が押し出し工程によって製造される、請求項1〜8の何れか一項に記載の移植可能装置。
  10. 直径約2〜約3mm及び長さ約2〜約3cmの寸法を備える、請求項9に記載の移植可能装置。
  11. 前記移植可能装置が定常状態で生体外に1日当たり少なくとも約0.01mgのナルメフェンを放出する、請求項1〜10の何れか一項に記載の移植可能装置。
  12. ナルメフェンを必要に応じて哺乳動物に投与する移植可能装置であって、ナルメフェンと生体適合性、非腐食性ポリマー基材とを備え、
    前記ナルメフェンが前記基材中に封入され、
    前記移植可能装置を前記哺乳動物に皮下的に移植した時、前記ナルメフェンが、定常状態で1日当たり少なくとも約0.01mgの速度で前記基材の表面に開いた孔を通じて持続的な期間にわたって生体内に連続して放出される装置。
  13. 前記ポリマー基材がEVAを備える、請求項12に記載の移植可能装置。
  14. 前記EVAが33%の酢酸ビニルを備える、請求項13に記載の移植可能装置。
  15. 約0.01〜約90%のナルメフェンを備える、請求項12〜14の何れか一項に記載の移植可能装置。
  16. さらに、拡散障壁を備える、請求項15に記載の移植可能装置。
  17. 前記拡散障壁がEVAを備える、請求項16に記載の移植可能装置。
  18. 前記拡散障壁がナルメフェンを備える、請求項15または16に記載の移植可能装置。
  19. 前記持続的な期間が少なくとも約3ヶ月である、請求項12〜18の何れか一項に記載の移植可能装置。
  20. 前記移植可能装置が押し出し工程によって製造される、請求項12〜19の何れか一項に記載の移植可能装置。
  21. ナルメフェンを必要に応じて哺乳動物に投与する方法であって、前記方法が少なくとも1つの移植可能装置を皮下的に投与するステップを含み、
    前記少なくとも1つの移植可能装置が各々、生体適合性、非腐食性ポリマー基材中に封入されたナルメフェンを備え、
    前記ナルメフェンが、定常状態で少なくとも約0.01ng/mlの血漿中濃度を結果として得る速度で前記基材の表面に開いた孔を通じて持続的な期間にわたって前記少なくとも1つの移植可能装置の各々から生体内に連続して放出される方法。
  22. 前記少なくとも1つの移植可能装置が多数の個々の移植可能装置を備え、前記移植可能装置の組み合わせが、定常状態で少なくとも約0.01ng/mlの血漿中濃度を結果として得る速度で持続的な期間にわたって生体内にナルメフェンを連続して放出する、請求項21に記載の方法。
  23. 前記ポリマー基材がEVAを備える、請求項21または22に記載の方法。
  24. 前記EVAが約33%の酢酸ビニルを備える、請求項23に記載の方法。
  25. 前記少なくとも1つの移植可能装置が各々約0.1〜約90%のナルメフェンを備える、請求項21〜24の何れか一項に記載の方法。
  26. アルコール中毒症の治療のための請求項21〜25の何れか一項に記載の方法。
  27. ニコチン依存症の治療のための請求項21〜25の何れか一項に記載の方法。
  28. 前記持続的な期間が少なくとも約3ヶ月である、請求項21〜27の何れか一項に記載の方法。
  29. 前記少なくとも1つの移植可能装置が各々押し出し工程によって製造される、請求項21〜28の何れか一項に記載の方法。
  30. 各移植可能装置が直径約2〜約3mm及び長さ約2〜約3cmの寸法を備える、請求項29に記載の方法。
  31. 各移植可能装置が生体外で1日当たり少なくとも約0.01mgのナルメフェンを放出する、請求項21〜30の何れか一項に記載の方法。
  32. 前記少なくとも1つの移植可能装置が各々、上腕、背中、及び腹部からなるグループから選択された部位に皮下的に移植される、請求項21〜31の何れか一項に記載の方法。
  33. キットであって、生体適合性、非腐食性ポリマー基材中に封入されたナルメフェンを備える少なくとも1つの移植可能装置であって、前記少なくとも1つの移植可能装置を哺乳動物に皮下的に移植した時、前記ナルメフェンが、定常状態で少なくとも約0.01ng/mlの血漿中濃度を結果として得る速度で前記基材の表面に開いた孔を通じて持続的な期間にわたって前記少なくとも1つの移植可能装置の各々から生体内に連続して放出される少なくとも1つの移植可能装置と、ナルメフェンを必要に応じて哺乳動物に投与する方法で使用する取扱説明書とを備えるキット。
  34. 前記少なくとも1つの移植可能装置が多数の個々の移植可能装置を備え、前記移植可能装置の組み合わせを哺乳動物に皮下的に移植した時、前記移植可能装置が、定常状態で少なくとも約0.01ng/mlの血漿中濃度を結果として得る速度で持続的か期間にわたって生体内でナルメフェンを連続して放出する、請求項33に記載のキット。
  35. 前記移植可能装置が各々、生体外で1日当たり少なくとも約0.01mgの速度でナルメフェンを放出する、請求項33または34に記載のキット。
  36. 前記移植可能装置が各々EVAを備える、請求項33〜35の何れか一項に記載のキット。
  37. 前記EVAが約33%の酢酸ビニルを備える、請求項36に記載のキット。
  38. 前記移植可能装置が各々約0.01〜約90%のナルメフェンを備える、請求項33〜37の何れか一項に記載のキット。
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