JP2007500419A - 補助放電を備えた蛍光ランプ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

蛍光ランプは、イオン化及び気化可能な充填物が存在するガラス製の放電容器(2)を含み、放電容器は、2つの側部に、ガラス製のステム(5)を有する管状の端部を備え、ランプの製造中にガスを供給及び/又は放出するために、排気管(6)がステムから軸方向に外向きに延び、放電容器内に放電を発生し且つ維持するために、主電極(8)がステムを通じて軸方向に内向きに延び、当該ランプは、その温度の変化にも拘わらず、主電源と補助電極(15)との間の補助放電を発生及び/又は維持するよう、補助電極が少なくとも1つの端部に位置するという特別な特徴を用いて、気相状態にある充填物の圧力を制御するための補助電極を包含する手段を含む。

Description

本発明は、イオン化及び気化可能な充填物が存在するガラス製の放電容器を含む蛍光ランプ(蛍光灯)に関し、放電容器は、2つの側部に、ガラス製のステムを有する管状の端部を備え、ランプの製造中にガスを供給及び/又は放出するために、排気管がステムから軸方向に外向きに延び、放電容器内に放電を発生し且つ維持するために、主電極がステムを通じて軸方向に内向きに延び、当該ランプは、その温度の変化にも拘わらず、気相状態にある充填物の圧力を制御するための補助電極を包含する手段を含む。そのような蛍光ランプの例は、ネオン管、型番号F32T8(同様にALTO(TM)T8)を備えるmark Philips(TM)、低圧水銀蒸気放電ランプであり、それは商業的に入手可能である。蛍光ランプの電極の内向きに配置された端部は、電極によって放電される材料を遮るために、遮蔽材によって径方向に囲繞されており、その遮蔽材は、ステムから内向きに延びる細長い補助部材に取り付けられている。
水銀蒸気ランプにおいて、水銀は紫外(UV)線の(効率的な)発生のための主要成分である。放電容器の内壁に存在するのは、紫外線を他の波長を有する光、例えば、日焼け目的のためのUV−A及びUV−Bに、或いは、一般的な照明目的のための可視的照射に変換する目的のための発光材料(例えば発光粉末)を含む発光膜である。蛍光ランプ用の放電容器は、通常、円形の横断面を有し、細長版(ネオン管)とコンパクト版(低エネルギーランプ)の双方を含む。ネオン管を用いると、前記管状端部は直列であり、長い直線的な管を形成し、低エネルギーランプを用いると、それらは屈曲管又は所謂ブリッジによって相互接続される。
製造中、ランプの両端部に配置されたガラス排気管によって、蛍光ランプ内に真空が生成される。それに続いて、所望の混合ガスが同一の排気管を通じてランプ内に導入され、然る後、排気管の両端が絞られ、閉じられ、そして、封止される。
使用中、電圧が同様にランプの両端部に配置された電極間に維持され、その結果、連続的な放電が生じ、水銀蒸気は前記紫外線を発光する。使用中、電極は規則的に小さな粒子を放電し、それらの粒子は放電容器の内面に降りかかるので、電極の両端を遮蔽材によって径方向に囲繞し得る。それは光出力の局所的減少を招き、ランプの不規則な光出力を引き起こし、その結果、粒子は遮蔽材によって遮られるので、これは望ましくない。存在し得る遮蔽材は、ワイヤ状支持体によって、ガラスステムに取り付けられる。
請求項1の前提部分に従った蛍光ランプは、米国特許公報第3,246,189号(Sylvania)から既知である。蛍光ランプの光出力が周囲温度に依存することは周知である。この依存性は、ランプ内の水銀蒸気圧力がランプバルブの最低温度部分の温度に依存し、次いで、その温度はランプが動作している空気の温度に依存するという事実に起因する。光出力は2つの方法で水銀蒸気圧力に依存する。第一に、電気エネルギーからUVエネルギーへの変換の効率は、特定の水銀蒸気圧力で最大である。第二に、水銀蒸気圧力が増大すると、安定回路上のランプによって消費される電力は減少する。最適値から相当異なる周囲温度中における蛍光ランプの動作は、より低い効率及びより低い光出力の双方をもたらす。水銀蒸気圧力を制御するために、蒸気の温度上昇にも拘わらず、上記の米国特許公報は、主電極が放電容器内の別個の端室内に囲繞されるよう、放電容器内に漏斗を形成する壁部材の使用を提案する。陽極として作用する非放射性の補助電極の助けを受けて、且つ、ランプの他の端部の陽極主電極からの電子放電を収集することによって、端室内の水銀蒸気の増大が実現されるが、端室内への水銀の電気泳動ポンピングの故に、放電容器の中央部における水銀蒸気圧力の減少を伴う。
上記の米国特許公報第3,246,189号(Sylvania)に記載されているようなランプの不利点は、前記ポンピングが実際上余り信頼性及び有効性がないように思われることである。
本発明の目的は、この不利点を除去することである。
この目的を達成するために、本発明に従った、前提部分に述べられた種類の蛍光ランプは、主電極と補助電極との間の補助放電を発生し且つ維持するために、補助電極が少なくとも1つの端部に位置付けられることを特徴とする。主電極と排気電極との間の放電路として作用する排気管を通じて補助放電を発生し且つ維持するために、この放射性の補助電極は放電容器から見て外向きの排気管の端部近傍に位置するのが好ましい。
補助放電を調光回路と組み合わせても用い得る。その場合には、ランプは、ランプ電流を減少することによって、例えば100%〜50%の輝度に先ず調光され、さらなる調光のために、引き続き、主電極と補助電極との間の電流を適合させることによって、水銀圧力が減少されるのが好ましい。先行技術によれば、深い調光(<10%)を効果的に達成し、且つ、ランプの短い寿命を回避するために、電極の追加的加熱を提供することが必要であった。電極を熱く保持するために、電極を通じる余分な電流を許容する特別な回路が設けられた。しかしながら、これは回路のコストを増加させ、さらに、ランプの寿命減少を回避するための良好な標準化も必要とする。水銀圧力を低下することがランプを深く調光するための効果的な方法であるという事実とは別に、追加的な利点は、低い値の水銀圧力で、放電が希ガス線からより多くの放射線を放射し、よって、ランプ色が赤色方向に低い光レベルでシフトされることである。それと対比すると、従来技術の低電流蛍光ランプにおけるランプ色は、典型的には青色にシフトする。
本発明に従った蛍光ランプの好適実施態様において、熱い又は冷たい補助電極は直流電流によって給電される。従って、水銀の上記電気泳動ポンピングは、放電容器の両端部にある主電極間の放電の交流電流と無関係である。直流電流は具体的には平均直流電流である。
本発明に従った蛍光ランプの他の好適実施態様では、気相状態にある充填物の圧力を規制するために、直流電流を変化し得る。具体的には、熱電対、検出された光出力の変化、色変化、又は、バーナ圧力によって測定されるような補助電極の陰極側上の温度に依存して、直流電流を変化し得る。純水銀又はアマルガムによって制御可能な所定の上記圧力に比べると、直流電流は可変である。
本発明に従った蛍光ランプの他の好適実施態様では、補助電極は、主電極の極ワイヤに接続されたコイルに電磁的に結合されたコイルを含む受動変圧回路に接続される。この受動変圧回路は、補助電極を通じて直流電流を発生するためのダイオードをさらに含むのが好ましい。それによって、追加的な外部ワイヤリング及び追加的な電源を回避し得る。
本発明は、ガラス製の放電容器の2つの側部に、ガラス製のステムを有する管状の端部を設けるステップと、放電容器内に放電を発生し且つ維持するために、ステムを通じて軸方向に内向きに延びるよう主電極を取り付けるステップと、ステムから軸方向に外向きに延びるよう排気管を取り付けるステップと、排気管を通じて、放電容器をイオン化及び気化可能な充填材で充填するステップと、その温度変化に拘わらず、気相状態にある充填材の圧力を制御するための補助電極を有する手段をランプに設けるステップとを有する蛍光ランプの製造方法であって、主電源と補助電極との間の補助放電を発生及び/又は維持するために、補助電極を少なくとも1つの端部に取り付けることを特徴とする方法にも言及する。
図面に示されるような例示的な実施態様によって、本発明をより詳細に説明する。
図1によれば、蛍光ランプ1は、管2の形態のガラス放電容器を含む。図面はランプの端部3のみを示しているが、実際上は、ランプは2つの対向する同一の端部3を含み、各端部は長いガラス管2の1つの側部を閉鎖している。ガラス管2の内側に存在するのは、紫外線をUV−A光若しくはUV−B光又は可視光に変換し得る蛍光材料の膜である。
ガラス管2は、内向きに延びる円筒形の支持体4をその端部に含み、極ワイヤ9及び支持体4がそこに溶解された後、ステム5(「ピンチ」とも呼ばれる)が支持体4上に取り付けられる。外向きに延びる管状の排気管6がステム5上に取り付けられ、排気管6はステム5の空孔7を介して管2の内容物と開放通信する。ランプ1の最終的な組立てが行われる前に、排気管6によって管2内に真空が生成される。排気管はその状態で例証されているよりも大きな長さを有し、管2は所望の(不活性)混合ガスで充填される。さらに、放電容器(バーナ)内の水銀蒸気圧力を規制するために、純水銀又はアマルガムを用いることによって、ある量の水銀がランプ内に導入される。それに続いて、ガラス管2が気密に封止されるよう、排気管6は加熱されることで、ガラスは軟化され、絞られて閉鎖され、そして、封止される。
さらに、ランプ1は両側に電極8を含み、その電極は、2つの極ワイヤ9と、タングステンの螺旋ワイヤ10とを含む。螺旋ワイヤ10は発光材料(他の物質の中でもとりわけ、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、及び、様々な酸化物を含む)の膜で被覆され、それは電子の放出を活性化する働きをする。極ワイヤ9はステム5によって所定位置に保持され、そこでは、ワイヤはその側部近傍で溶解され、そのワイヤはさらにプラグピン11に接続される。プラグピン11は電気的に絶縁されたディスク12内の所定位置に保持され、ディスクは金属エンドキャップ13の一部を形成する。エンドキャップ13は、接着剤の環状膜14によってガラス管に固定される。
プラグピン11をランプのフィッティングに挿入可能であり、それはランプに電流を供給する。結果として得られる電極8間の放電は、水銀蒸気分子に紫外線を発光させ、それは管2の内壁上の蛍光膜によって所望の波長を有する光に変換される。
図2は、図1の蛍光ランプ1の詳細を示す透視図であり、同等部材は同一番号によって指し示されている。管2から見て外方を向く排気管6の端部には、排気管6が主電極として作用する電極8との間の放電路として機能するよう、補助電極15が取り付けられている。管2の両側の主電極8は、交流(主)電源16に接続されている。しかしながら、そこから独立して、補助電極15は直流電流ユニット17によって給電されている。そのユニットは、主電極8と補助電極15との間の補助放電に電源をもたらすだけであるが、熱電対18、検出された光変化、色シフト、又は、バーナ電圧の助けを得て、平均直流電流も規制する。温度が上昇すると平均直流電流が増大し、温度が下降する場合には平均直流電流が減少するという意味で、熱電対18は、例えば、補助電極15の背後の陰極側上の所謂「コールドスポット」の温度を測定する。従って、熱電対は、所与のバーナ条件の下で、管内の水銀密度が(周囲温度又はランプ壁温度と無関係に)常に固定され、且つ、光出力が常に最大であるよう、平均直流電流が規制されることを保障する。
図3によれば、補助電極15は、主電極8の極ワイヤ9に接続されたコイル22に結合されたコイル21を含む受動変圧回路19に接続されている。補助電極15を通じて直流電流を発生するために、ダイオード20が補助電極15とコイル21との間に接続されている。
本発明の範囲内で多くの変形が当業者にとって可能であることが明らかであろう。
本発明の範囲はここに記載された例示的な実施態様に限定されない。本発明はあらゆる新規な特徴及びこれらの機能のあらゆる特徴に具現される。請求項内の番号はその範囲を限定しない。「含む」という用語の使用は、請求項中に述べられているもの以外の素子の存在を排除しない。素子の前の冠詞又は不定冠詞の使用は、そのような素子が複数存在することを排除しない。
本発明の蛍光ランプの実施態様を示す一部断面図である。 図1の蛍光ランプの詳細を示す透視図である。 本発明の蛍光ランプの他の実施態様を示す概略図である。

Claims (8)

  1. 2つの側部に、ガラス製のステムを有する管状の端部を有し、イオン化及び気化可能な充填物が存在するガラス製の放電容器と、
    ランプの製造中にガスを供給及び/又は放出するために、前記ステムから軸方向に外向きに延びる排気管と、
    前記放電管内に放電を発生し且つ維持するために、前記ステムを通じて軸方向に内向きに延びる主電極と、
    その温度の変化にも拘わらず、気相状態にある前記充填物の圧力を制御するための補助電極を有する手段と、を有する蛍光ランプであって、
    前記主電源と前記補助電極との間の補助放電を発生及び/又は維持するために、前記補助電極は少なくとも1つの前記端部に位置することを特徴とするランプ。
  2. 前記補助電極は、前記主電極と前記補助電極との間の放電路として作用する前記排気管6を通じて補助放電を発生し且つ維持するために、前記放電容器から見て外方を向く前記排気管の端部近傍に位置する、請求項1に記載の蛍光ランプ。
  3. 前記補助電極は直流電流によって給電される、請求項1又は2に記載の蛍光ランプ。
  4. 前記気相状態にある前記充填物の圧力を規制するために、前記直流電流を変化し得る、請求項3に記載の蛍光ランプ。
  5. 熱電対、検出された光出力の変化、色変化、又は、バーナ圧力によって測定されるような前記補助電極の陰極側上の温度に依存して前記直流電流を変化し得る、請求項4に記載の蛍光ランプ。
  6. 前記補助電極は、前記主電極の極ワイヤに接続されたコイルに電磁的に結合されたコイルを有する受動変圧回路に接続されている、請求項1に記載の蛍光ランプ。
  7. 前記電極は調光回路に接続されている、請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の蛍光ランプ。
  8. ガラス製の放電容器の2つの側部に、ガラス製のステムを有する管状の端部を設けるステップと、
    前記放電容器内に放電を発生し且つ維持するために、前記ステムを通じて軸方向に内向きに延びるよう主電極を取り付けるステップと、
    前記ステムから軸方向に外向きに延びるよう排気管を取り付けるステップと、
    該排気管を通じて、前記放電容器をイオン化及び気化可能な充填材で充填するステップと、
    その温度変化に拘わらず、気相状態にある前記充填材の圧力を制御するための補助電極を有する手段をランプに設けるステップと、を有する方法であって、
    前記主電源と前記補助電極との間の補助放電を発生及び/又は維持するために、前記補助電極を少なくとも1つの前記端部に取り付けることを特徴とする蛍光ランプの製造方法。
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