JP2007335531A - 金属cmp用研磨組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】グリシンを用いた金属CMPによる研磨速度の良好なCMP用研磨組成物を提供すること。
【解決手段】グリシンを0.6〜1.25質量%、過硫酸アンモニウムを0.75〜1.5質量%、研磨砥粒成分を0.01〜10質量%、防食剤成分を0.0001〜1質量%及びpH調整剤である水溶性アルカリ化合物をpHが9〜10になる量含有してなる金属CMP用研磨組成物。
【選択図】なし
【解決手段】グリシンを0.6〜1.25質量%、過硫酸アンモニウムを0.75〜1.5質量%、研磨砥粒成分を0.01〜10質量%、防食剤成分を0.0001〜1質量%及びpH調整剤である水溶性アルカリ化合物をpHが9〜10になる量含有してなる金属CMP用研磨組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、金属CMP(Chemical Mechanical Polishing、化学機械研磨)用研磨組成物に関するものであり、特に半導体装置の製造に当たってダマシン法により配線を形成する際に、銅、銅合金層の除去に好ましく使用される金属CMP用研磨組成物に関するものである。
半導体装置の製造に当たりダマシン法により配線を形成する際には、剰余の銅又は銅合金層及びバリアメタル層の除去にCMP研磨が行われている。2段研磨法では、第1段研磨で最表層部の銅又は銅合金層のみを、配線部銅又は銅合金層のディッシングをタンタル系バリア層の厚みより小さく押えつつ選択的に研磨し、第2段研磨では最表層部銅又は銅合金層の研磨後露出したタンタル系バリア層のみを、絶縁膜及び配線部銅又は銅合金層のエロージョンを抑制しながら選択的に研磨する。銅の研磨においては、研磨速度が速く、研磨後の表面状態及び平坦性が良好であることが求められている。
CMP技術は、回転する板の上に平坦化処理を行うウエハを載せ、ウエハ表面にパッドを接触させ、ウエハとパッド間に研磨スラリを供給しながら回転盤とパッドを両方とも回転させて研磨を行う。スラリ内の研磨粒子とパッド表面の機械的作用でウエハ表面が研磨されると同時に、スラリ内の化合物とウエハ表面の化学反応によりウエハ表面が平坦化される。
CMPに用いる研磨組成物の成分として、添加剤として、グリシン等のアミノ酸類を使用することは公知である。また、CMP用研磨組成物として、研磨砥粒としてシリカを、金属酸化剤として過硫酸アンモニウムを使用することも公知である。
例えば、特許文献1には、2種類以上の界面活性剤を用いる化学的機械的研磨スラリが開示されており、酸化剤として過硫酸アンモニウムが、添加剤としてグリシンが例示されている。具体的な配合としては、特許文献1の[0011]に過硫酸アンモニウム1wt%、キナルジン酸0.5wt%、アラニン0.1wt%、シリカ1wt%、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム0.05wt%及びポリオキシエチレンラウリルエーテル0.025wt%からなるpH9.2の研磨スラリが開示されている。
また、特許文献2には、一般式(I)で表されるテトラゾール化合物と酸化剤を含有してなる金属用研磨液が開示されており、表1の実施例21には、テトラゾール化合物、ポリアクリル酸、グリシン及び過硫酸アンモニウムからなるpH7.0の研磨液が、表2の実施例24には、テトラゾール化合物、過酸化水素、アラニン及びコロイダルシリカからなるpH9.5の研磨液がそれぞれ開示されている。
また、特許文献3には、一般式(I)で表されるアミノベンゼンカルボン酸塩化合物を含有してなる銅研磨液が開示されており、表1の実施例21には、アミノベンゼンカルボン酸化合物、グリシン及び過硫酸アンモニウムからなるpH7.0の研磨液が開示されており、表2の実施例24には、アミノベンゼンカルボン酸塩化合物、過酸化水素、アラニン及びコロイダルシリカからなるpH9.5の研磨液が開示されている。
また、特許文献4には、一般式(I)で表されるテトラゾール化合物と一般式(II)で表されるアミノベンゼンカルボン酸塩化合物の少なくとも1つと酸化剤を含有する金属研磨液が開示されており、表2の実施例15には、コロイダルシリカ、グリシン、過硫酸アンモニウム及びテトラゾール化合物からなるpH7.0の研磨液が開示されている。
金属CMP用研磨組成物は、上記のような種々の成分の選択及び配合の組み合わせにより、要求特性を満たすように設計されているが、種々の要求性能についていまだ改善の余地がある。グリシンに代表されるアミノ酸が配合された上記の研磨組成物は、研磨速度及び銅研磨後の銅の残膜については必ずしも満足できるものではなかった。
本発明においては、グリシンを用いた金属CMPによる研磨速度の良好なCMP用研磨組成物を提供することを課題とする。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意研究の結果、特定組成のCMP研磨組成物が特異的に高い研磨速度を与えることを知見し、結果本発明に到達した。即ち、本発明は、グリシンを0.6〜1.25質量%、過硫酸アンモニウムを0.75〜1.5質量%、研磨砥粒成分を0.01〜10質量%、防食剤成分を0.0001〜1質量%及びpH調整剤である水溶性アルカリ化合物をpHが9〜10になる量含有してなる金属CMP用研磨組成物を提供する。
また、本発明は、さらに有機スルホン酸又は有機スルホン酸塩を0.0001〜10質量%含有してなる上記の金属CMP用研磨組成物を提供する。
また、本発明は、研磨砥粒成分がコロイダルシリカである上記の金属CMP用研磨組成物を提供する。
本発明によれば、半導体装置の製造に当って、特にダマシン法により銅配線を形成する際に有用な、研磨速度の速い金属CMP用研磨組成物を提供することができる。
本発明の金属CMP用研磨組成物におけるグリシンの含有量は、0.6〜1.25質量%である。グリシンの含有量が下限より少ないと充分な研磨速度が得られない。また、上限を超えても研磨速度の向上が得られないばかりかディッシング及び銅研磨後の銅の残膜が悪化する。なお、グリシン以外のアミノ酸であるアラニン等ではこのような配合量による研磨速度とディッシングの特徴的な効果は発現しない。
本発明における過硫酸アンモニウムの含有量は、0.75〜1.5質量%である。下限より少ないと充分な研磨速度が得られない。また、上限より多いとエッチングを制御できなくなり、ディッシングが悪化する。また、過硫酸アンモニウム以外の酸化剤である過酸化水素はアルカリ性での分解が極めて速いために使用できない。
本発明における研磨砥粒としては、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化セリウム、窒化ケイ素、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素及び二酸化マンガン等の無機系砥粒、ポリスチレン、ポリアクリル樹脂、ポリメタクリル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、これらのランダム又はブロック重合体等の有機系砥粒が挙げられ、これらは1種類又は2種類以上混合して用いることができる。研磨砥粒としては、研磨速度及びCMP組成物の分散安定性等の面から非晶性二酸化ケイ素を用いることが好ましく、その中でもコロイダルシリカがより好ましい。
コロイダルシリカには種々の粒径を持つ多くの種類があるが、本発明の金属CMP用研磨組成物においてはその粒径が1〜400nmの範囲が好ましく、5〜200nmの範囲がより好ましい。
本発明の金属CMP用研磨組成物における研磨砥粒の含有量は、研磨面の平坦性を向上させる上から0.01〜10質量%である。下限より少ないと研磨速度が遅くなり、上限より多いと、ディッシングの抑制が難しくなるという難点がある。研磨砥粒の含有量は0.05〜5質量%の範囲がさらに好ましい。
本発明の金属CMP用研磨組成物における研磨砥粒の含有量は、研磨面の平坦性を向上させる上から0.01〜10質量%である。下限より少ないと研磨速度が遅くなり、上限より多いと、ディッシングの抑制が難しくなるという難点がある。研磨砥粒の含有量は0.05〜5質量%の範囲がさらに好ましい。
本発明における防錆作用としては、ベンゾトリアゾール、チアベンダゾール、テトラアゾール等の複素環化合物が挙げられる。これらの中でも、ベンゾトリアゾールが安価で防食作用をコントロールしやすいので好ましい。本発明の金属CMP用研磨組成物における防食剤の含有量は0.0001〜1質量%である。下限より少ないと使用効果であるディッシングやエロージョンの抑制が難しくなり、上限より多いと研磨速度が遅くなるという難点がある。
本発明の金属CMP用研磨剤組成物のpHは、9〜10である。pHが9未満6以上であると、充分な研磨速度が得られない。また、6より小さいとバリア層の研磨が起こり、選択研磨性が低下する場合がある。また、pHが10より大きいと研磨速度が急激に低下する。pHは、水溶性アルカリ化合物からなるpH調整剤により調整される。pH調整剤としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属類、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム等の水酸化アルカリ土類金属類、炭酸アンモニウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の4級アンモニウムヒドロキシド類、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ヒドロキシエチルアミン等の有機アミン類、アンモニアが挙げられ、これらは1種類又は2種類以上の混合物で使用される。中でも安価で扱い易いので水酸化アルカリ金属類が好ましい。
本発明の金属CMP用研磨組成物は、有機スルホン酸又は有機スルホン酸塩を含有することが好ましい。有機スルホン酸としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、ヘプタンスルホン酸、オクタンスルホン酸、ノルボルネンスルホン酸、アダマンタンスルホン酸、シクロヘキサンスルホン酸、カンファースルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸等の脂肪族スルホン酸;ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレン−1−スルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、アントラセンスルホン酸、アセナフテンスルホン酸、フェナントレンスルホン酸等の芳香族スルホン酸が挙げられ、これらは1種類又は2種類以上の混合物で使用される。有機スルホン酸塩としては、これらのアンモニウム塩、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、有機スルホン酸アミドが挙げられる。
上記の有機スルホン酸の使用効果は、構造により異なる。脂肪族スルホン酸及び脂肪族スルホン酸塩は、金属CMP用研磨組成物の安定性を高める効果があり、また、研磨速度を向上させる効果がある。芳香族スルホン酸及び芳香族スルホン酸塩は金属の過剰エッチング等を抑制し、研磨面の平坦化を良好にする効果がある。
有機スルホン酸又は有機スルホン酸塩の使用量は、0.0001質量%より少ないと、使用効果が得られない場合があり、10質量%を超えると使用効果が過剰となり、表面荒れ、平坦性悪化、研磨効率低下、選択研磨性の低下をきたす場合があるので、0.0001〜10質量%が好ましい。
本発明の金属CMP用研磨組成物は、水溶性高分子成分を含有してもよい。含有される水溶性高分子としては、例えば、アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、寒天、カードラン及びプルラン等の多糖類;ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリリンゴ酸、ポリメタクリル酸、ポリアミド酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリフマル酸、ポリ(p−スチレンカルボン酸)、ポリアクリル酸、及びポリグリオキシル酸等のポリカルボン酸、ポリメタクリル酸アンモニウム塩、ポリメタクリル酸ナトリウム塩、ポリアクリルアミド、ポリアミノアクリルアミド、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸アンモニウム塩、ポリアミド酸ナトリウム塩等に例示されるポリカルボン酸の塩、エステル及び誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリアクロレイン等のビニル系ポリマー;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アルキレングリコール又はポリアルキレングリコールのエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドのランダム又はブロック付加物等のポリアルキレングリコール類が挙げられ、これらは1種類又は2種類以上の混合物で使用される。
水溶性高分子成分の使用効果としては、バリア層研磨抑制による研磨選択性の向上及び研磨砥粒成分を用いた場合の研磨砥粒の分散安定化等が挙げられる。水溶性高分子成分の好ましい含有量は、0.001〜10質量%である。下限より少ないと充分な使用効果が得られない場合があり、上限より多いと充分な研磨速度を得ることができない場合がある。また、水溶性高分子の好ましい数平均分子量(GPC測定、標準ポリスチレン換算)は種類により異なり、それぞれ適正な値がある。
本発明の金属CMP用研磨組成物に含有される水溶性高分子として好適なもののひとつは、ポリビニルピロリドンである。ポリビニルピロリドンは、他の水溶性ポリマーと比較してバリア層研磨の抑制の効果が大きく銅の選択研磨性を向上させる利点を有する。また、砥粒の分散安定性を向上させる効果も大きい。本発明の金属CMP用研磨組成物におけるポリビニルピロリドンの好ましい含有量は、バリア層の研磨抑制に効果が発現する0.001〜5質量%である。また、ポリビニルピロリドンの数平均分子量としては5,000〜100,000が好ましい。
また、本発明の金属CMP用研磨組成物に含有される水溶性高分子として好適なもののひとつは、ポリアルキレングリコール類である。ポリアルキレングリコール類は、他の水溶性ポリマーと比較して優れた研磨速度を示し、砥粒の分散安定性を向上させる効果も大きい。本発明の金属CMP用研磨組成物におけるポリアルキレングリコール類の好ましい含有量は、バリア層の研磨抑制に効果が発現する0.001〜5質量%である。また、ポリアルキレングリコール類の数平均分子量としては200〜3,000が好ましい。
本発明の金属CMP用研磨組成物は、研磨抑制、各成分の溶解又は分散安定性、消泡性等を付与するために界面活性剤を含有してもよい。含有される界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ベタイン系界面活性剤が挙げられ、これらは1種類又は2種類以上の混合物で使用される。
本発明の金属CMP用研磨組成物中の界面活性剤成分の好ましい含有量は0.0001〜10質量%である。下限より少ないと充分な使用効果が得られない場合があり、上限より多いと研磨速度が低下する場合がある。
本発明の金属CMP用研磨組成物に含有される界面活性剤として好適なのは、アニオン系界面活性剤である。アニオン系界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、硫化オレフィン塩、高級アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、硫酸化脂肪酸塩、スルホン化脂肪酸塩、リン酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、グリセライド硫酸エステル塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレンオキサイド付加物の硫酸エステル塩、スルホコハク酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルベンゾイミダゾールスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸塩、N−アシル−N−メチルタウリンの塩、N−アシルグルタミン酸又はその塩、アシルオキシエタンスルホン酸塩、アルコキシエタンスルホン酸塩、N−アシル−β−アラニン又はその塩、N−アシル−N−カルボキシエチルタウリン又はその塩、N−アシル−N−カルボキシメチルグリシン又はその塩、アシル乳酸塩、N−アシルサルコシン塩、及びアルキル又はアルケニルアミノカルボキシメチル硫酸塩等の1種又は2種以上の混合物を挙げることができる。
本発明の金属CMP用研磨組成物は、研磨された金属を溶出させる金属溶出剤成分を含有してもよい。銅CMPの場合、含有される金属(銅)溶出剤としては、脂肪族有機カルボン酸のアンモニウム塩であり、特にシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フマル酸、シュウ酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸のアンモニウム塩が好ましく、さらには、バリア層との選択研磨性に優れるので、シュウ酸二アンモニウムが好ましい。シュウ酸二アンモニウムの配合量は、0.05〜2質量%であり、0.1〜1質量%がより好ましい。
上記の銅溶出剤の好ましい含有量は0.01〜10質量%である。下限より少ないと充分な研磨速度が得られない場合があり、上限より多いと過剰なエッチングを制御できなくなる場合がある。
本発明の金属CMP用研磨組成物は、上記以外の他の添加剤成分を含有してもよい。添加剤成分としては、pH緩衝作用、ウエハの有機物汚染を低減させる効果のある有機化合物を包接するα−、β−又はγ−シクロデキストリン等の包接化合物、研磨面の表面平滑性を付与するイセチオン酸脂肪酸エステル等のヒドロキシアルカンスルホン酸脂肪酸エステル類等、砥粒表面の清浄化作用を付与することで、砥粒の分散安定性及び研磨能力を向上させるモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール及びN−メチルジエタノールアミン等のアルカノールアミン類、研磨後の銅残膜を低減させる効果のある硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、硝酸アンモニウム及び燐酸アンモニウム等の無機アンモニウム塩が挙げられる。これらのその他の添加剤成分を使用する場合は、0.0001〜10質量%、好ましくは0.0005〜5質量%となる範囲で配合される。
本発明の金属CMP用研磨用組成物は、上記した各成分を上記したような含有量で含んでなるが、残りは水である。従って、上記に挙げた各成分を規定した量で含む金属CMP用研磨組成物となるように、水を加えて100質量%とする。
本発明の金属CMP用研磨組成物の調製は、上記で説明した各成分と水を混合し、均一に分散溶解すればよい。この場合に全ての成分を混合して1液タイプの組成物としてもよく、2液タイプの組成物としてもよい。2液タイプの組成物としては、例えば、酸化剤成分のみ別成分とし、他の全ての成分の混合物との2液タイプが挙げられる。
以下、実施例及び比較例をもって本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例等によって何ら制限を受けるものではない。
[実施例1〜4、比較例1〜3]
グリシンは表1に記載の含有量、過硫酸アンモニウム1.5質量%、ベンゾトリアゾール0.001質量%、粒子径が100nmのコロイダルシリカ1.0質量%、ドデシルベンゼンスルホン酸0.025質量%となるように水と混合し、各種金属CMP用研磨組成物を調製した。なお、pH調整剤は水酸化カリウムを使用し、pHをすべて9.5に調整した。
グリシンは表1に記載の含有量、過硫酸アンモニウム1.5質量%、ベンゾトリアゾール0.001質量%、粒子径が100nmのコロイダルシリカ1.0質量%、ドデシルベンゼンスルホン酸0.025質量%となるように水と混合し、各種金属CMP用研磨組成物を調製した。なお、pH調整剤は水酸化カリウムを使用し、pHをすべて9.5に調整した。
[評価例1]
電解めっき法で銅膜を1,000nm成膜したウエハを3×3cm正方形に切断したものを被研磨体として、上記実施例1〜4及び比較例1〜3で得た各金属CMP用研磨組成物を用いて、成膜面を下記の条件1で30秒間研磨し、研磨速度評価用のサンプルとした。
電解めっき法で銅膜を1,000nm成膜したウエハを3×3cm正方形に切断したものを被研磨体として、上記実施例1〜4及び比較例1〜3で得た各金属CMP用研磨組成物を用いて、成膜面を下記の条件1で30秒間研磨し、研磨速度評価用のサンプルとした。
また、プラズマCVD法で酸化ケイ素膜を300nm成膜したウエハの酸化ケイ素層に深さ0.25μm幅80μmの溝を作成し、スパッタリング法で窒化タンタル膜を15nm、その上面にタンタル膜を15nm、さらに電解めっき法により銅膜800nmを形成したウエハを3×3cm正方形に切断したものを被研磨体として、上記実施例1〜4及び比較例1〜3で得た各金属CMP用研磨組成物を用いて、下記の条件1で800nmの銅膜をすべて剥離する時間に対して120%の研磨時間研磨し、ディッシング評価用のサンプルとした。
また、ディッシング評価に用いたものと同様のウエハを被研磨体として、上記実施例1〜4及び比較例1〜3で得た各金属CMP用研磨組成物を用いて、上記のディッシング評価と同様の研磨条件で研磨した後、過酸化水素0.1質量%、乳酸1.7質量%、ベンゾトリアゾール0.015質量%、ドデシルベンゼンスルホン酸0.03質量%、グリシン0.1質量%及び平均粒子径が30nmコロイダルシリカ1質量%からなるpH5の研磨組成物を用いて下記の条件2でタンタル層を研磨し、銅の残膜評価用のサンプルとした。
(条件1)
研磨機:NF−300(ナノファクター製)
研磨パッド:IC1400(XY溝付)(ロデールニッタ製)
定盤回転数:60rpm
キャリア回転数:60rpm
研磨加工圧力:2psi
研磨液供給速度:50ml/分
(条件2)
研磨機:NF−300(ナノファクター製)
研磨パッド:IC1400(XY溝付)(ロデールニッタ製)
定盤回転数:60rpm
キャリア回転数:60rpm
研磨加工圧力:2psi
研磨液供給速度:50ml/分
研磨機:NF−300(ナノファクター製)
研磨パッド:IC1400(XY溝付)(ロデールニッタ製)
定盤回転数:60rpm
キャリア回転数:60rpm
研磨加工圧力:2psi
研磨液供給速度:50ml/分
(条件2)
研磨機:NF−300(ナノファクター製)
研磨パッド:IC1400(XY溝付)(ロデールニッタ製)
定盤回転数:60rpm
キャリア回転数:60rpm
研磨加工圧力:2psi
研磨液供給速度:50ml/分
それぞれの研磨終了後、ウエハを洗浄乾燥し、銅膜の研磨速度、ディッシング及び銅の残膜を評価した。研磨速度は、研磨前後の膜厚の差をLoresta GP(三菱化学製)を使用して測定して求め、ディッシングはウエハ断面をAFM(原子間力顕微鏡)(セイコーインスツルメンツ製 Nanopics)を使用してウエハ最凸部とウエハ最凹部の段差を測定しその差から求めた。銅の残膜は、光学顕微鏡を用いた2,000倍率での観察によって評価した。結果を表1に示す。
上記表1より、本発明の金属CMP用研磨組成物である実施例1〜4は、グリシン含有量の少ない比較例1と比べて研磨速度が大きく、ディッシングが良好であることが確認できた。また、グリシンの配合量の多い比較例2、3と比べ、ディッシングが良好で銅の残膜が良好なことが確認できた。
[実施例5、6、比較例4、5]
グリシン1.0質量%、過硫酸アンモニウムは表2に記載の含有量、ベンゾトリアゾール0.001質量%、粒子径が100nmのコロイダルシリカ1.0質量%、ドデシルベンゼンスルホン酸0.025質量%となるように水と混合し、各種金属CMP用研磨組成物を調製した。なお、pH調整剤は水酸化カリウムを使用し、pHをすべて9.5に調整した。
グリシン1.0質量%、過硫酸アンモニウムは表2に記載の含有量、ベンゾトリアゾール0.001質量%、粒子径が100nmのコロイダルシリカ1.0質量%、ドデシルベンゼンスルホン酸0.025質量%となるように水と混合し、各種金属CMP用研磨組成物を調製した。なお、pH調整剤は水酸化カリウムを使用し、pHをすべて9.5に調整した。
[評価例2]
金属CMP用研磨組成物に実施例5、6、比較例4、5を用いた以外は、評価例1と同様の方法で研磨速度、ディッシング量を評価した。結果を表2に示す。なお、過硫酸アンモニウムの含有量と研磨速度及びディッシングの関係を示すために、上記実施例2の結果も表2に加えた。
金属CMP用研磨組成物に実施例5、6、比較例4、5を用いた以外は、評価例1と同様の方法で研磨速度、ディッシング量を評価した。結果を表2に示す。なお、過硫酸アンモニウムの含有量と研磨速度及びディッシングの関係を示すために、上記実施例2の結果も表2に加えた。
本発明の金属CMP用研磨組成物である実施例5、6、2は、過硫酸アンモニウムの含有量の少ない比較例4と比べて特異的に研磨速度が速く、ディッシングは同程度であることが確認できた。また、過硫酸アンモニウムの含有量の多い比較例5と比べると研磨速度は速く、ディッシングが特異的に良好なことが確認できた。
[比較例6、7]
グリシン1.0質量%、過硫酸アンモニウム1.5質量%、ベンゾトリアゾール0.001質量%、粒子径が100nmのコロイダルシリカ1.0質量%、ドデシルベンゼンスルホン酸0.025質量%、水酸化カリウムは表3に記載のpHとなるように水に混合し、各種金属CMP用研磨組成物を調製した。
グリシン1.0質量%、過硫酸アンモニウム1.5質量%、ベンゾトリアゾール0.001質量%、粒子径が100nmのコロイダルシリカ1.0質量%、ドデシルベンゼンスルホン酸0.025質量%、水酸化カリウムは表3に記載のpHとなるように水に混合し、各種金属CMP用研磨組成物を調製した。
[評価例3]
金属CMP用研磨組成物に比較例6、7を用いた以外は、評価例1と同様の方法で研磨速度を求め、上記実施例2の結果と比較した。結果を表3に示す。
金属CMP用研磨組成物に比較例6、7を用いた以外は、評価例1と同様の方法で研磨速度を求め、上記実施例2の結果と比較した。結果を表3に示す。
上記表3より、本発明の金属CMP用研磨組成物である実施例2は、pHの低い比較例6、pHの高い比較例7と比べて、特異的に研磨速度が速いことが確認できた。
Claims (3)
- グリシンを0.6〜1.25質量%、過硫酸アンモニウムを0.75〜1.5質量%、研磨砥粒成分を0.01〜10質量%、防食剤成分を0.0001〜1質量%及びpH調整剤である水溶性アルカリ化合物をpHが9〜10になる量含有してなることを特徴とする金属CMP用研磨組成物。
- さらに有機スルホン酸又は有機スルホン酸塩を0.0001〜10質量%含有してなる請求項1に記載の金属CMP用研磨組成物。
- 研磨砥粒成分がコロイダルシリカである請求項1又は2に記載の金属CMP用研磨組成物。
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- 2006-06-13 JP JP2006163794A patent/JP2007335531A/ja active Pending
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