JP2007332864A - 内燃機関の燃料噴射量制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射量制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 エミッションを極力良好に維持しながら、加速応答性を改善し得る内燃機関の燃料噴射量制御装置を提供すること。
【解決手段】 制御装置は、排気浄化用触媒(触媒)が活性状態にあるか否かを判定する(A10)。制御装置は、触媒が活性状態にないと判定した場合、遅延時間TDを冷間用遅延時間TD1に設定し、一方、触媒が活性状態にあると判定した場合、遅延時間TDを冷間用遅延時間TD1よりも短い標準遅延時間TD2に設定する(A20)。更に、制御装置は、設定された遅延時間TDに基づいて目標スロットル弁開度TAtを設定し(A30)、目標スロットル弁開度TAtに基づいて将来のスロットル弁開度TAeを推定し(M10)、推定されたスロットル弁開度TAeに基づいて将来の筒内空気量KLを推定する(M20)。制御装置は、推定された筒内空気量KLに基づいて決定された燃料噴射量fiだけ燃料を噴射する(A40)。
【選択図】 図2

Description

本発明は、排気通路に排気浄化用触媒を備える内燃機関の燃料噴射量制御装置に関する。
内燃機関の燃料噴射量制御装置においては、ある気筒の吸気弁が閉弁する時点(吸気行程終了時点)より前までに同気筒に対する燃料噴射を終了しておくことが望ましい。従って、その気筒に対して噴射される燃料の量(燃料噴射量)を算出するための基本量となる同気筒に導入される空気の量(筒内空気量)は、同気筒の吸気弁閉弁時点よりも前の時点までに推定されていることが望ましい。
一方、筒内空気量はスロットル弁開度に応じて変化する。従って、将来の筒内空気量を高い精度にて推定するためには、将来のスロットル弁開度を高い精度にて推定する必要がある。そこで、従来の制御装置は、スロットル弁の開度を運転者によるアクセルペダルの操作に対して所定の遅延時間だけ遅延して制御する。そして、従来の制御装置は、現時点までに検出されたアクセルペダルの操作量に基づいて筒内空気量が確定する将来の時点(又は同将来の時点近傍)のスロットル弁開度を推定し、その推定されたスロットル弁開度を用いて将来の筒内空気量を推定し、その推定された筒内空気量に基づいて燃料噴射量を決定している(例えば、特許文献1を参照。)。これにより、従来の制御装置は、空燃比を目標空燃比(例えば、理論空燃比)に高い精度にて一致させることができるから、排ガス中の有害成分の量を極めて少なくすることができる。
特開2003−184613号公報
以上から明らかなように、上記遅延時間は、筒内空気量を推定する時点から筒内空気量が確定する将来の時点までの時間(以下、この時間を便宜上「推定用必要時間」と称呼する。)よりも長いことが望ましい。更に、仮に上記遅延時間が上記推定用必要時間よりも短い場合であっても筒内空気量が確定する将来の時点により近い時点のスロットル弁開度を推定できるように、上記遅延時間はできるだけ長い方が望ましい。
しかしながら、上記遅延時間が長くなるほど、運転者によりアクセルペダルが操作されてから実際のスロットル弁開度がアクセルペダルの操作量に応じた開度となるまでに要する時間も長くなる。従って、設定される遅延時間が長いと、アクセルペダルの操作に対する内燃機関の出力の応答遅れが大きくなる。即ち、車両を加速させるための要求に対する内燃機関の出力の応答性(加速応答性、レスポンス)が良好でなくなるという問題がある。
ところで、排気通路に配設された排気浄化用触媒(以下、単に「触媒」と称呼する。)は、同触媒の温度が所定の閾値温度以上となった場合、活性状態となって高い効率にて排ガス中の有害成分を浄化する(排ガスを浄化する)。従って、この場合、筒内空気量がそれほど高い精度にて推定されていなくとも、即ち、空燃比が目標空燃比から若干ずれていても、排ガス中の有害成分は触媒により十分に浄化されるので、内燃機関から大気中に放出される排ガス中の有害成分を十分に少なくする(エミッションを良好にする)ことができる。換言すると、触媒の温度が所定の閾値温度以上となっている場合には、上記遅延時間を短くすることができる。
一方、触媒の温度が所定の閾値温度より低い場合、同触媒が活性状態とならないので、同触媒は排ガス中の有害成分を十分に浄化することができない。従って、空燃比を目標空燃比に十分に近づけることにより触媒に流入する排ガス中の有害成分の量を低下させておかなければ、エミッションを良好に維持することができない。換言すると、触媒の温度が所定の閾値温度より低い場合には、上記遅延時間をある程度の長さに(十分に長く)設定しなければならない。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであって、その目的は、触媒の活性状態を考慮することにより、エミッションを極力良好に維持しながら、加速応答性を改善し得る内燃機関の燃料噴射量制御装置を提供することにある。
かかる目的を達成するため本発明に係る内燃機関の燃料噴射量制御装置は、
運転者により操作されるアクセルペダルと、
前記アクセルペダルの操作量を検出するアクセルペダル操作量検出手段と、
気筒内に空気を導入するための吸気通路に配設され同吸気通路を通過する空気の量を変更可能とするように開度を調整可能なスロットル弁と、
前記気筒内から排ガスを排出するための排気通路に配設され同排気通路内の排ガスを浄化する排気浄化用触媒と、
前記気筒内に供給される燃料を指示信号に応答して噴射する燃料噴射手段と、
前記気筒内に供給されるべき燃料量を決定し同決定された燃料量に応じた前記指示信号を前記燃料噴射手段に対して送出する燃料噴射量制御手段と、
を備えるとともに、車両に搭載された内燃機関に適用される。
更に、この燃料噴射量制御装置は、
前記排気浄化用触媒の活性状態を示す活性状態指標値を取得するとともに、同取得された活性状態指標値に基づいて同排気浄化用触媒が活性状態にあるか否かを判定する触媒活性状態判定手段と、
前記排気浄化用触媒が活性状態にないと判定されたときに第1の遅延時間を選択し、一方、同排気浄化用触媒が活性状態にあると判定されたときに同第1の遅延時間よりも短い第2の遅延時間を選択し、且つ、前記選択された遅延時間だけ前の時点にて検出された前記アクセルペダルの操作量に応じて決定された前記スロットル弁の目標開度となるように同スロットル弁の開度を制御するスロットル弁開度制御手段と、
を備える。
加えて、前記燃料噴射量制御手段は、少なくとも前記第1の遅延時間が選択されている場合、現時点までに検出された前記アクセルペダルの操作量に応じて決定された前記スロットル弁の目標開度に基づいて現時点よりも先の時点の同スロットル弁の開度を推定するとともに同推定されたスロットル弁の開度に基づいて同先の時点にて前記気筒内に導入されている空気量である筒内空気量を推定し、且つ、同推定された筒内空気量に基づいて前記燃料量を決定するように構成される。
これによれば、排気浄化用触媒が活性状態にないと判定されたとき、十分に長い第1の遅延時間が選択される。これにより、将来の筒内空気量が高い精度にて推定される。この結果、実際の空燃比を目標空燃比に十分に近づけることができるので、混合ガスの燃焼により生成される排ガス中の有害成分を十分に少なくすることができる。従って、排気浄化用触媒により排ガス中の有害成分が十分に浄化されなくても、内燃機関の外部に放出される排ガス中の有害成分が十分に少ない状態(エミッションが良好な状態)を実現することができる。
一方、排気浄化用触媒が活性状態にあると判定されたとき、第1の遅延時間よりも短い第2の遅延時間が選択される。これにより、アクセルペダルの操作に対する内燃機関の出力の応答遅れ(出力応答遅れ)は、第1の遅延時間が選択された場合と比較して小さくなる。この結果、加速応答性(レスポンス)を良好にすることができる。また、排気浄化用触媒により排ガス中の有害成分が十分に浄化されるのでエミッションが良好な状態を維持することもできる。
<構成>
以下、本発明による内燃機関の燃料噴射量制御装置(制御装置)の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、この制御装置を火花点火式多気筒(4気筒)内燃機関10に適用したシステムの概略構成を示している。なお、図1は、特定気筒の断面のみを示しているが、他の気筒も同様な構成を備えている。
この内燃機関10は、図示しない車両に搭載されている。内燃機関10は、シリンダブロック、シリンダブロックロワーケース及びオイルパン等を含むシリンダブロック部20と、シリンダブロック部20の上に固定されるシリンダヘッド部30と、シリンダブロック部20に燃料と空気とからなる混合ガスを供給するための吸気系統40と、シリンダブロック部20からの排ガスを外部に放出するための排気系統50と、を含んでいる。
シリンダブロック部20は、シリンダ21、ピストン22、コンロッド23及びクランク軸24を含んでいる。ピストン22はシリンダ21内を往復動し、ピストン22の往復動がコンロッド23を介してクランク軸24に伝達され、これにより同クランク軸24が回転するようになっている。シリンダ21、ピストン22のヘッド及びシリンダヘッド部30は、燃焼室(気筒)25を形成している。
シリンダヘッド部30は、燃焼室25に連通した吸気ポート31、吸気ポート31を開閉する吸気弁32、吸気弁32を駆動するインテークカムシャフトを含むとともに同インテークカムシャフトの位相角を連続的に変更する可変吸気タイミング装置33、可変吸気タイミング装置33のアクチュエータ33a、燃焼室25に連通した排気ポート34、排気ポート34を開閉する排気弁35、排気弁35を駆動するエキゾーストカムシャフト36、点火プラグ37、点火プラグ37に与える高電圧を発生するイグニッションコイルを含むイグナイタ38及び指示信号に応答して燃焼室25内に供給するための燃料を吸気ポート31内に噴射する燃料噴射手段としてのインジェクタ39を備えている。
吸気系統40は、各気筒の吸気ポート31にそれぞれ連通する独立した複数の通路からなるインテークマニホールド41、インテークマニホールド41のすべての通路に連通したサージタンク42、サージタンク42に一端が接続され吸気ポート31とインテークマニホールド41とサージタンク42とともに吸気通路を形成する吸気ダクト43、吸気ダクト43の他端部から下流(サージタンク42)に向けて順に吸気ダクト43に配設されたエアフィルタ44、スロットル弁45及びスロットル弁駆動手段としてのスロットル弁アクチュエータ45aを備えている。なお、スロットル弁45から吸気弁32までの吸気通路は、スロットル弁下流部としての吸気管部を構成している。
スロットル弁45は、吸気ダクト43に回転可能に支持されている。スロットル弁45は、スロットル弁アクチュエータ45aにより駆動されることによって開度を調整して吸気ダクト43の通路断面積を調整するようになっている。このような構成により、スロットル弁45は、吸気ダクト43(吸気通路)を通過する空気の量を変更できる。
DCモータからなるスロットル弁アクチュエータ45aは、後述する電気制御装置70が後述する目標スロットル弁開度設定部の機能を達成することにより送出される駆動信号に応じて、実際のスロットル弁45の開度(スロットル弁開度)TAが目標スロットル弁開度TAtに一致するようにスロットル弁45を駆動するようになっている。
排気系統50は、各気筒の排気ポート34に連通したエキゾーストマニホールド51、エキゾーストマニホールド51に接続され排気ポート34とエキゾーストマニホールド51とともに排気通路を形成する排気管52及び排気管52に配設された排気浄化用触媒としての三元触媒53を備えている。
三元触媒53は、排ガス中の酸素を吸蔵するようになっている。更に、三元触媒53は、排ガス中の燃料の未燃成分と、同排ガス中の酸素又は同吸蔵された酸素と、の反応を促進することにより同排ガス中の有害成分を浄化する(排ガスを浄化する)ようになっている。
一方、このシステムは、熱線式のエアフローメータ61、吸気温度センサ62、吸気圧力センサ63、スロットルポジションセンサ64、カムポジションセンサ65、クランクポジションセンサ66、冷却水温度センサ67、触媒温度センサ68、アクセルペダル操作量検出手段としてのアクセル開度センサ69及び電気制御装置70を備えている。
エアフローメータ61は、エアフィルタ44とスロットル弁45との間の吸気ダクト43に配設されている。エアフローメータ61は、吸気ダクト43内を通過する空気の流量(即ち、吸気流量)を検出し、吸気流量Gaを表す信号を出力するようになっている。
吸気温度センサ62は、エアフィルタ44とスロットル弁45との間の吸気ダクト43に配設されている。吸気温度センサ62は、スロットル弁45の上流における空気の温度(即ち、吸気温度)Taを検出し、吸気温度Taを表す信号を出力するようになっている。
吸気圧力センサ63は、エアフィルタ44とスロットル弁45との間の吸気ダクト43に配設されている。吸気圧力センサ63は、スロットル弁45の上流における空気の圧力(即ち、吸気圧力)Paを検出し、吸気圧力Paを表す信号を出力するようになっている。
スロットルポジションセンサ64は、スロットル弁45の開度(スロットル弁開度)TAaを検出し、同スロットル弁開度TAaを表す信号を出力するようになっている。
カムポジションセンサ65は、インテークカムシャフトが90°回転する毎に(即ち、クランク軸24が180°回転する毎に)生じるパルスを有する信号(G2信号)を出力するようになっている。
クランクポジションセンサ66は、クランク軸24が10°回転する毎に生じる幅狭のパルスを有するとともに同クランク軸24が360°回転する毎に生じる幅広のパルスを有する信号を出力するようになっている。この信号は、エンジン回転速度NEを表す。
冷却水温度センサ67は、シリンダ21の側壁内を循環する冷却水の温度(冷却水温度)Twを検出し、冷却水温度Twを表す信号を出力するようになっている。
触媒温度センサ68は、三元触媒53の温度(触媒温度)Tcを検出(取得)し、触媒温度Tcを表す信号を出力するようになっている。触媒温度Tcは、三元触媒53の活性状態を示す活性状態指標値である。
アクセル開度センサ69は、運転者によって操作されるアクセルペダル81の操作量Accpを検出し、同アクセルペダルの操作量(アクセルペダル操作量)Accpを表す信号を出力するようになっている。なお、エンジン回転速度NE及びアクセルペダル操作量Accpは、内燃機関10の運転状態を表す。
電気制御装置70は、互いにバスで接続されたCPU71、CPU71が実行するプログラム、テーブル(ルックアップテーブル、マップ)、定数等を予め記憶したROM72、CPU71が必要に応じてデータを一時的に記憶するRAM73、電源が投入された状態にてデータを記憶するとともに同記憶したデータを電源が遮断されている間も保持するバックアップRAM74及びADコンバータを含むインターフェース75等からなるマイクロコンピュータである。インターフェース75は、前記センサ61〜69と接続され、CPU71にセンサ61〜69からの信号を供給するとともに、同CPU71の指示に応じて可変吸気タイミング装置33のアクチュエータ33a、イグナイタ38、インジェクタ39及びスロットル弁アクチュエータ45aに駆動信号(指示信号)を送出するようになっている。
<作動の概要>
次に、上記のように構成された内燃機関の燃料噴射量制御装置がどのように内燃機関10を制御するかについて説明する。
この制御装置は、検出された触媒温度Tcに基づいて三元触媒53が活性状態にあるか否かを判定する。制御装置は、三元触媒53が活性状態にないと判定した場合、遅延時間TDを第1の遅延時間としての冷間用遅延時間TD1(本例では、32ms)に設定する(冷間用遅延時間TD1を遅延時間として選択する)。一方、制御装置は、三元触媒53が活性状態にあると判定した場合、遅延時間TDを第2の遅延時間としての標準遅延時間TD2(本例では、16ms)に設定する(標準遅延時間TD2を遅延時間として選択する)。
また、制御装置は、検出されたアクセルペダル操作量Accpに基づいて暫定目標スロットル弁開度TAt1を決定する。制御装置は、現時点よりも設定(選択)された遅延時間TDだけ先の時点のスロットル弁開度の目標値である目標スロットル弁開度TAtを現時点にて決定された暫定目標スロットル弁開度TAt1に設定する。
制御装置は、実際のスロットル弁開度TAが設定された目標スロットル弁開度TAtのうちの現時点のスロットル弁開度の目標値として設定された目標スロットル弁開度TAt(現時点の目標スロットル弁開度TAt(0))に一致するようにスロットル弁45の開度を制御する。
一方、制御装置は、設定された目標スロットル弁開度TAtに基づいて現時点よりも予測時間TE(本例では、32ms)だけ先の時点までのスロットル弁開度TAeを推定する。制御装置は、推定されたスロットル弁開度(予測スロットル弁開度)TAeと、後述する物理モデルと、に基づいて現時点よりも先の時点の筒内空気量KLを推定する。
制御装置は、推定された筒内空気量KLに基づいて燃料噴射量fiを決定する。制御装置は、決定された燃料噴射量fiの燃料をインジェクタ39に噴射させる。
より具体的に述べると、この制御装置は、機能ブロック図である図2に示したように、触媒活性状態判定部A10と、遅延時間決定部A20と、目標スロットル弁開度設定部A30と、噴射量決定ロジックA40と、電子制御スロットル弁モデルM10と、空気モデルM20と、を備えている。
触媒活性状態判定部A10は、触媒温度センサ68により検出された触媒温度Tcに基づいて三元触媒53が活性状態にあるか否かを判定するようになっている。
遅延時間決定部A20は、遅延時間TDを冷間用遅延時間TD1に設定する冷間用遅延時間設定部A21と、遅延時間TDを冷間用遅延時間TD1よりも短い標準遅延時間TD2に設定する標準遅延時間設定部A22と、を含んでいる。
遅延時間決定部A20は、触媒活性状態判定部A10により三元触媒53が活性状態にないと判定されたとき、冷間用遅延時間設定部A21により遅延時間TDを冷間用遅延時間TD1に設定し、一方、三元触媒53が活性状態にあると判定されたとき、標準遅延時間設定部A22により遅延時間TDを標準遅延時間TD2に設定するようになっている。
目標スロットル弁開度設定部A30は、図3に示したように、アクセルペダル操作量Accpと暫定目標スロットル弁開度TAt1との関係であって暫定目標スロットル弁開度TAt1がアクセルペダル操作量Accpに関して単調に増加する関係を規定するテーブルを備えている。
目標スロットル弁開度設定部A30は、同テーブル及び検出されたアクセルペダル操作量Accpに基づいて暫定目標スロットル弁開度TAt1を決定し、タイムチャートである図4及び図5に示したように、現時点よりも遅延時間決定部A20により設定された遅延時間TDだけ先の時点の目標スロットル弁開度TAtを現時点にて決定された暫定目標スロットル弁開度TAt1に設定するようになっている。
目標スロットル弁開度設定部A30は、設定された目標スロットル弁開度TAtのうちの現時点のスロットル弁開度の目標値として設定された目標スロットル弁開度TAt(現時点の目標スロットル弁開度TAt(0))に応じた駆動信号をスロットル弁アクチュエータ45aに対して送出するようになっている。
噴射量決定ロジックA40は、後述する空気モデルM20により推定された筒内空気量KLと、内燃機関10の運転状態に応じて定められた目標空燃比(AbyF)と、に基づいて燃料噴射量fi(fi=Kf・KL/AbyF、Kfは定数。)を決定し、決定された燃料噴射量fiに応じた指示信号をインジェクタ39に対して送出するようになっている。
電子制御スロットル弁モデルM10は、図4に示したように、遅延時間TDが冷間用遅延時間TD1に設定されているとき、目標スロットル弁開度設定部A30により設定された現時点よりも遅延時間TDだけ先の時点までの目標スロットル弁開度TAtに基づいて現時点から(現時点よりも)予測時間TE(=TD)だけ先の時点までのスロットル弁開度TAeを推定するようになっている。
電子制御スロットル弁モデルM10は、図5に示したように、遅延時間TDが標準遅延時間TD2に設定されているとき、目標スロットル弁開度設定部A30により設定された現時点よりも遅延時間TDだけ先の時点までの目標スロットル弁開度TAtと、現時点よりも遅延時間TDだけ先の時点以降の時点においては目標スロットル弁開度TAtが変化しないという仮定と、に基づいて現時点から(現時点よりも)予測時間TEだけ先の時点までのスロットル弁開度TAeを推定するようになっている。
再び図2を参照すると、空気モデルM20は、電子制御スロットル弁モデルM10により推定されたスロットル弁開度(予測スロットル弁開度)TAeと、エネルギー保存則、運動量保存則及び質量保存則等の物理法則に基づいて構築された物理モデルと、に基づいて現時点よりも先の時点の筒内空気量KLを推定するようになっている。この物理モデルは、特開2003−184613号公報及び特開2001−41095号公報等に開示された周知のモデルである。
空気モデルM20は、スロットルモデルM21、吸気弁モデルM22、吸気管モデルM23及び吸気弁モデルM24を備えている。
後述するように、空気モデルM20が備える上記モデルM21〜M24を表す上記物理法則に基づいて導き出された数式(以下、「一般化された数式」とも言う。)の一部は、吸気管部内の空気の圧力Pm及び温度Tmに関する時間微分項を含む。空気モデルM20は、マイクロコンピュータによる計算が可能となるように上記時間微分項を含む数式を離散化し、同離散化された数式と、ある時点における物理量として推定された物理量と、に基づいて、同時点より所定の微小時間(タイムステップΔt)後の先の時点における物理量を推定する。
そして、空気モデルM20は、このような推定を繰り返すことにより、更に先の時点の物理量を推定する。即ち、空気モデルM20は、反復して物理量の推定を行うことにより、上記微小時間毎の物理量を順次推定するものである。なお、以下の説明において、(k-1)が付された各物理量を表す変数は、k-1回目の推定時(前回の演算時点)にて推定されたそれぞれの物理量を表す変数である。また、(k)が付された各物理量を表す変数は、k回目の推定時(今回の演算時点)にて推定されたそれぞれの物理量を表す変数である。
以下、上記空気モデルM20を構成する上記モデルM21〜M24について、個別具体的に説明する。なお、各モデルを表す式の導出は上述した公報に詳細に開示されていて周知であるため、本明細書においては詳細な説明を省略する。
(スロットルモデルM21)
スロットルモデルM21は、本モデルを表す一般化された数式であり、エネルギー保存則、運動量保存則、質量保存則及び状態方程式等の物理法則に基づいて得られた下記(1)式及び下記(2)式に基づいて、スロットル弁45の周囲を通過する空気の流量(スロットル通過空気流量)mtを推定するモデルである。下記(1)式において、Ct(TA)はスロットル弁開度TAに応じて変化する流量係数、At(TA)はスロットル弁開度TAに応じて変化するスロットル開口断面積(吸気通路内のスロットル弁45の周囲の開口断面積)、Paはスロットル弁45の上流における吸気通路内の空気の圧力であるスロットル弁上流圧力(即ち、吸気圧力)、Pmは吸気管部内の空気の圧力である吸気管部内圧力(即ち、スロットル弁45から吸気弁32までの吸気通路内の空気の圧力であるスロットル弁下流圧力)、Taはスロットル弁45の上流における吸気通路内の空気の温度であるスロットル弁上流温度(即ち、吸気温度)、Rは気体定数及びκは空気の比熱比ある。
Figure 2007332864
Figure 2007332864
ここで、上記(1)式の右辺の流量係数Ct(TA)及びスロットル開口断面積At(TA)の積Ct(TA)・At(TA)は、スロットル弁開度TAに基づいて決定できることが経験的に知られている。そこで、スロットルモデルM21は、スロットル弁開度TAと、値Ct(TA)・At(TA)と、の関係を規定するテーブルMAPCTATをROM72に記憶させていて、同テーブルMAPCTATと、電子制御スロットル弁モデルM10により推定された予測スロットル弁開度TAeと、に基づいて値Ct(TAe)・At(TAe)(=MAPCTAT(TAe))を求める。
更に、スロットルモデルM21は、値Pm/Paと値Φ(Pm/Pa)との関係を規定するテーブルMAPΦをROM72に記憶させていて、後述する吸気管モデルM23によりk-1回目の推定時に推定された吸気管部内圧力Pm(k-1)を吸気圧力センサ63により検出された吸気圧力Paで除した値Pm(k-1)/Paと、前記テーブルMAPΦと、から値Φ(Pm(k-1)/Pa)(=MAPΦ(Pm(k-1)/Pa))を求める。
スロットルモデルM21は、以上のように求めた値Ct(TAe)・At(TAe)及び値Φ(Pm(k-1)/Pa)と、上記吸気圧力Pa及び吸気温度センサ62により検出された吸気温度Taと、を上記(1)式に適用してスロットル通過空気流量mt(k-1)を求める。
(吸気弁モデルM22)
吸気弁モデルM22は、上記吸気管部内圧力Pm及び上記吸気管部内の空気の温度である吸気管部内温度(即ち、スロットル弁45から吸気弁32までの吸気通路内の空気の温度であるスロットル弁下流温度)Tm等から吸気弁32の周囲を通過して気筒(燃焼室25)内に流入する空気の流量である筒内流入空気流量mcを推定するモデルである。吸気行程(吸気弁32の閉弁時も含む)における気筒内の圧力は吸気弁32の上流の圧力、即ち、吸気管部内圧力Pmとみなすことができるので、筒内流入空気流量mcは吸気弁閉弁時の吸気管部内圧力Pmに比例すると考えることができる。そこで、吸気弁モデルM22は、筒内流入空気流量mcを、本モデルを表す一般化された数式であり、経験則に基づく下記(3)式にしたがって求める。
mc=(Ta/Tm)・(c・Pm−d) …(3)
上記(3)式において、値cは比例係数及び値dは気筒内に残存していた既燃ガス量を反映した値である。値cは、エンジン回転速度NE及び吸気弁32の開閉タイミングVTと値cとの関係を規定するテーブルMAPC、現時点のエンジン回転速度NE及び現時点の吸気弁32の開閉タイミングVTから求めることができる(c=MAPC(NE,VT))。テーブルMAPCは、ROM72に記憶されている。同様に、値dは、エンジン回転速度NE及び吸気弁32の開閉タイミングVTと値dとの関係を規定するテーブルMAPD、現時点のエンジン回転速度NE及び現時点の吸気弁32の開閉タイミングVTから求めることができる(d=MAPD(NE,VT))。テーブルMAPDは、ROM72に記憶されている。
吸気弁モデルM22は、後述する吸気管モデルM23によりk-1回目の推定時に推定された吸気管部内圧力Pm(k-1)及び吸気管部内温度Tm(k-1)と、現時点の吸気温度Taと、を上記(3)式に適用し、筒内流入空気流量mc(k-1)を推定する。
(吸気管モデルM23)
吸気管モデルM23は、本モデルを表す一般化された数式であり、吸気管部内の空気に関する質量保存則とエネルギー保存則とにそれぞれ基づいた下記(4)式及び下記(5)式、吸気管部に流入する空気の流量(即ち、スロットル通過空気流量)mt、吸気温度Ta及び吸気管部から流出する空気の流量(即ち、筒内流入空気流量)mcから、吸気管部内圧力(スロットル弁下流圧力)Pm及び吸気管部内温度(スロットル弁下流温度)Tmを求めるモデルである。なお、下記(4)式及び下記(5)式において、Vmは吸気管部(スロットル弁45から吸気弁32までの吸気通路)の容積である。
d(Pm/Tm)/dt=(R/Vm)・(mt−mc) …(4)
dPm/dt=κ・(R/Vm)・(mt・Ta−mc・Tm) …(5)
吸気管モデルM23は、上記(4)式及び上記(5)式をそれぞれ差分法により離散化して得られる下記(6)式及び下記(7)式と、スロットルモデルM21により取得されたスロットル通過空気流量mt(k-1)と、吸気弁モデルM22により取得された筒内流入空気流量mc(k-1)と、現時点の吸気温度Taと、本モデルによりk-1回目の推定時に推定された吸気管部内圧力Pm(k-1)及び吸気管部内温度Tm(k-1)と、タイムステップΔtと、に基づいて最新の吸気管部内圧力Pm(k)及び吸気管部内温度Tm(k)を推定する。ただし、吸気管部内圧力Pm及び吸気管部内温度Tmの推定が一度も行われていないとき(本モデルにより1回目の推定を行うとき(本例では、内燃機関10の運転開始時))、吸気管モデルM23は、吸気管部内圧力Pm(0)及び吸気管部内温度Tm(0)として、吸気圧力Pa及び吸気温度Taをそれぞれ採用する。
(Pm/Tm)(k)=(Pm/Tm)(k-1)+Δt・(R/Vm)・(mt(k-1)−mc(k-1)) …(6)
Pm(k)=Pm(k-1)+Δt・κ・(R/Vm)・(mt(k-1)・Ta−mc(k-1)・Tm(k-1)) …(7)
(吸気弁モデルM24)
吸気弁モデルM24は、上記吸気弁モデルM22と同様のモデルを含んでいる。吸気弁モデルM24においては、上記吸気管モデルM23によりk回目の推定時に推定された最新の吸気管部内圧力Pm(k)及び吸気管部内温度Tm(k)と、現時点の吸気温度Taと、を本モデルを表す一般化された数式であり上記経験則に基づく(3)式(mc=(Ta/Tm)・(c・Pm−d))に適用して最新の筒内流入空気流量mc(k)を求める。そして、吸気弁モデルM24は、求めた筒内流入空気流量mc(k)に現時点のエンジン回転速度NE及び現時点の吸気弁32の開閉タイミングVTから算出される吸気弁32が開弁してから閉弁するまでの時間(吸気弁開弁時間)Tintを乗じることにより吸気行程において吸気弁32が閉弁される時点にて気筒内に導入されている空気の量である筒内空気量KLを求める。
<作動の詳細>
次に、電気制御装置70の実際の作動について、図6〜図9を参照しながら説明する。
(触媒活性状態判定)
電気制御装置70のCPU71は、図6にフローチャートにより示した触媒活性状態判定ルーチンを所定の演算周期Δt1(本例では、2ms)の経過毎に実行するようになっている。なお、触媒活性状態判定ルーチンが実行されることは、触媒活性状態判定手段の機能が達成されることに対応している。
従って、所定のタイミングになると、CPU71は、ステップ600から処理を開始してステップ605に進み、触媒温度センサ68により検出された触媒温度Tcを読み込む。次いで、CPU71は、ステップ610に進んで上記読み込まれた触媒温度Tcが所定の閾値温度αよりも小さいか否かを判定する。ここで、閾値温度αは、三元触媒53の温度が同閾値温度α以上となったときに三元触媒53が活性状態となって高い効率にて排ガス中の有害成分を浄化するように、予め設定されている。
いま、運転者が内燃機関10の運転を開始した場合を想定する。この場合において、まず、内燃機関10が始動された直後の時点から説明を続ける。
この時点では、触媒温度Tcは上記閾値温度αよりも低い。従って、CPU71は、ステップ610にて「Yes」と判定してステップ615に進み、触媒活性状態フラグXACの値を「0」に設定する。ここで、触媒活性状態フラグXACは、三元触媒53が活性状態にあるか否かを表すフラグである。触媒活性状態フラグXACの値は、三元触媒53が活性状態にないときに「0」となり、三元触媒53が活性状態にあるときに「1」となる。
そして、CPU71はステップ699に進んで本ルーチンを一旦終了する。
(遅延時間決定)
一方、CPU71は、図7にフローチャートにより示した遅延時間決定ルーチンを上記触媒活性状態判定ルーチンに続いて実行するようになっている。なお、遅延時間決定ルーチンが実行されることは、スロットル弁開度制御手段の機能の一部が達成されることに対応している。
従って、触媒活性状態判定ルーチンの実行が終了すると、CPU71はステップ700から処理を開始し、ステップ705に進んで図6のルーチンにより設定された触媒活性状態フラグXACの値が「0」であるか否かを判定する。
この時点では、触媒活性状態フラグXACの値は「0」である。従って、CPU71は、同ステップ705にて「Yes」と判定してステップ710に進み、遅延時間TDを冷間用遅延時間TD1に設定する。
そして、CPU71はステップ799に進んで本ルーチンを一旦終了する。
(目標スロットル弁開度設定)
更に、CPU71は、図8にフローチャートにより示した目標スロットル弁開度設定ルーチンを、上記遅延時間決定ルーチンに続いて実行するようになっている。なお、目標スロットル弁開度設定ルーチンが実行されることは、スロットル弁開度制御手段の機能の一部が達成されることに対応している。
従って、遅延時間決定ルーチンの実行が終了すると、CPU71は、ステップ800から処理を開始してステップ805に進み、遅延時間決定ルーチンにより決定された遅延時間TDを上記演算周期Δt1により除した値(この時点では、「16」)に遅延回数Ntdを設定する。
次いで、CPU71は、ステップ810に進んで上記ステップ805にて設定された遅延回数Ntdが後述するステップ845にて本ルーチンの前回実行時に設定された過去の遅延回数Ntdold以下であるか否かを判定する。即ち、CPU71は、本ルーチンの今回実行時にて選択されている遅延時間TDが本ルーチンの前回実行時にて選択されていた遅延時間TD以下となっているか否かを判定する。
この時点では、現時点の遅延回数Ntdと過去の遅延回数Ntdoldとは等しい。従って、CPU71は、同ステップ810にて「Yes」と判定してステップ815に進み、変数iの値を「0」に設定する。
そして、CPU71は、ステップ820に進んで変数iの値が遅延回数Ntdよりも小さいか否かを判定する。この時点では、変数iの値は「0」である。従って、CPU71は、同ステップ820にて「Yes」と判定してステップ825に進み、目標スロットル弁開度TAt(i)の値を目標スロットル弁開度TAt(i+1)の値に設定する。即ち、目標スロットル弁開度TAt(0)に目標スロットル弁開度TAt(1)の値が格納される。
次いで、CPU71は、ステップ830にて変数iの値に「1」を加算してステップ820に戻る。そして、変数iの値が遅延回数Ntdよりも小さければ、再びステップ825及びステップ830の処理を実行する。即ち、ステップ825及びステップ830の処理は、変数iの値が遅延回数Ntdと等しくなるまで繰り返し実行される。これにより、目標スロットル弁開度TAt(1)〜TAt(Ntd)が値の順序を維持したまま目標スロットル弁開度TAt(0)〜TAt(Ntd-1)にシフトされる。
前述のステップ830が繰り返されることにより変数iの値が遅延回数Ntdと等しくなると、CPU71はステップ820にて「No」と判定してステップ835に進み、同ステップ835にて現時点のアクセルペダル操作量Accpと、図3に示したテーブルと、に基づいて今回の暫定目標スロットル弁開度TAt1を求め、これを遅延時間TD後の目標スロットル弁開度TAtとするために目標スロットル弁開度TAt(Ntd)に格納する。
次に、CPU71はステップ840に進み、実際のスロットル弁開度TAが現時点の目標スロットル弁開度TAt(0)に一致するようにスロットル弁アクチュエータ45aに対して駆動信号を送出する。次いで、CPU71は、ステップ845に進み過去の遅延回数Ntdoldを上記ステップ805にて設定された現時点の遅延回数Ntdに設定する。
そして、CPU71はステップ899に進んで本ルーチンを一旦終了する。
以上のように、CPU71が本ルーチンを実行することにより、目標スロットル弁開度TAt(0)〜TAt(Ntd)は、本ルーチンが実行される毎に値の順序を維持したまま一つずつシフトされる。また、目標スロットル弁開度TAt(0)〜TAt(Ntd)のうちの目標スロットル弁開度TAt(0)に格納された値に応じた駆動信号のみがスロットル弁アクチュエータ45aに対して出力される。従って、今回の本ルーチンの実行により目標スロットル弁開度TAt(Ntd)に格納された値は、今後において本ルーチンが遅延回数Ntdだけ繰り返されたとき(遅延時間TD後)にTAt(0)に格納され、同値に応じた駆動信号がスロットル弁アクチュエータ45aに対して出力される。
(スロットル弁開度推定)
一方、CPU71は、上記電子制御スロットル弁モデルM10の機能を達成するための図示しないスロットル弁開度推定ルーチンを上記目標スロットル弁開度設定ルーチンに続いて実行するようになっている。なお、スロットル弁開度推定ルーチンが実行されることは、燃料噴射量制御手段の機能の一部が達成されることに対応している。
ところで、CPU71が上記目標スロットル弁開度設定ルーチンを実行することにより、上記駆動信号がスロットル弁アクチュエータ45aに対して送出されると、それほど遅れることなく実際のスロットル弁開度TAは現時点の目標スロットル弁開度TAt(0)と一致する。
従って、上記目標スロットル弁開度設定ルーチンの実行が終了すると、CPU71は、スロットル弁開度推定ルーチンの処理を開始し、現時点よりも遅延時間TDだけ先の時点までの予測スロットル弁開度TAe(0)〜TAe(Ntd)を上記目標スロットル弁開度設定ルーチンにおいて設定された目標スロットル弁開度TAt(0)〜TAt(Ntd)にそれぞれ設定する。
なお、この時点では、遅延時間TDは、予測時間TEと等しい。従って、CPU71が本ルーチンを実行することにより、現時点から(現時点よりも)予測時間TEだけ先の時点までのスロットル弁開度TAが推定(予測)される。即ち、予測スロットル弁開度TAe(0)〜TAe(Nte)が算出される。ここで、Nteは、予測回数であり、遅延時間TEを演算周期Δt1により除した値(本例では、16)である。
(筒内空気量推定)
一方、CPU71は、上記空気モデルM20の機能を達成するための図示しない筒内空気量推定ルーチンを所定の演算周期Δt2(本例では、8ms)の経過毎に実行する。なお、筒内空気量推定ルーチンが実行されることは、燃料噴射量制御手段の機能の一部が達成されることに対応している。
従って、所定のタイミングになると、CPU71は筒内空気量推定ルーチンの処理を開始し、上記スロットル弁開度推定ルーチンにより推定された予測スロットル弁開度TAe(n)(nは、0〜Nteの整数)から、現時点より所定の時間間隔Δt0だけ後の時点と最も近い時点のスロットル弁開度として推定された予測スロットル弁開度TAe(n)を推定時点予測スロットル弁開度TAee(k)として読み込む。
ここで、時間間隔Δt0は、特定の気筒の燃料噴射開始時期前の所定の燃料噴射量決定時点(燃料噴射量を決定する必要がある最終の時点、本例では、同特定の気筒のクランク角が吸気行程開始時点(同気筒の吸気弁32の開弁時)近傍の上死点(吸気上死点)よりも75°だけ進角したクランク角に一致した時点)から吸気行程終了時点(同気筒の吸気弁32の閉弁時)までの時間である。また、値kは本ルーチンの実行が開始される毎に1が加算される整数であり、本ルーチンの実行が開始された回数を表すようになっている。
以下、説明の便宜上、本ルーチンの前回実行時(本ルーチンをk-1回目に実行している時点)において読み込んだ推定時点予測スロットル弁開度TAee(k-1)に対応する時点を前回推定時点te1とし、本ルーチンの今回実行時(本ルーチンをk回目に実行している時点)において読み込んだ推定時点予測スロットル弁開度TAee(k)に対応する時点を今回推定時点te2とする(所定の時間間隔Δt0、前回推定時点te1及び今回推定時点te2の関係を示した模式図である図9を参照。)。
そして、CPU71は、スロットルモデルM21と、推定時点予測スロットル弁開度TAee(k-1)と、本ルーチンの前回実行時において求められた前回推定時点te1における吸気管部内圧力Pm(k-1)と、に基づいて前回推定時点te1におけるスロットル通過空気流量mt(k-1)を求める。
更に、CPU71は、吸気弁モデルM22と、本ルーチンの前回実行時において求められた前回推定時点te1における吸気管部内圧力Pm(k-1)及び吸気管部内温度Tm(k-1)と、に基づいて前回推定時点te1における筒内流入空気流量mc(k-1)を求める。
次いで、CPU71は、吸気管モデルM23と、今回推定時点te2と前回推定時点te1との差であるタイムステップΔt(=t2−t1)と、上記求められたスロットル通過空気流量mt(k-1)と、上記求められた筒内流入空気流量mc(k-1)と、本ルーチンの前回実行時において求められた前回推定時点te1における吸気管部内圧力Pm(k-1)及び吸気管部内温度Tm(k-1)と、に基づいて今回推定時点te2における吸気管部内圧力Pm(k)及び吸気管部内温度Tm(k)を求める。
そして、CPU71は、吸気弁モデルM24と、上記求められた今回推定時点te2における吸気管部内圧力Pm(k)及び吸気管部内温度Tm(k)と、に基づいて今回推定時点te2における筒内流入空気流量mc(k)を求め、求められた筒内流入空気流量mc(k)と、検出されたエンジン回転速度NEと、現時点の吸気弁32の開閉タイミングVTと、に基づいて今回推定時点te2における筒内空気量KLを求める。
このように、筒内空気量推定ルーチンが上記演算周期Δt2の経過毎に実行されることにより、現時点よりもほぼ時間間隔Δt0だけ先の時点の筒内空気量KLが順次推定される。
以上のように推定される筒内空気量KLについて、更に、説明する。ここで、説明の便宜上、クランク軸24が360°だけ回転する間に経過する時間よりも上記筒内空気量推定ルーチンの演算周期Δt2が十分に短い場合であって、且つ、上記時間間隔Δt0が大きく変化しない場合を考える。このとき、今回推定時点te2は、上述した筒内空気量推定ルーチンの実行が繰り返される毎にほぼ演算周期Δt2だけ先の時点へと移行していく。そして、上記燃料噴射量決定時点にて本ルーチンが実行されると、今回推定時点te2は上記吸気行程終了時点(上記特定の気筒の吸気弁32の閉弁時)と略一致する。従って、この時点にて算出される筒内空気量KLは、上記吸気行程終了時点の筒内空気量の推定値となっている。
(燃料噴射量決定)
一方、CPU71は、図示しない燃料噴射量決定ルーチンを上記燃料噴射量決定時点が到来する毎に実行する。なお、燃料噴射量決定ルーチンが実行されることは、燃料噴射量制御手段の機能の一部が達成されることに対応している。
従って、所定のタイミングになると、CPU71は燃料噴射量決定ルーチンの処理を開始し、内燃機関10の運転状態に応じて目標空燃比AbyFを決定し、同ルーチンの実行時において求められている最新の筒内空気量KLを決定された目標空燃比AbyFにより除した値に定数Kfを乗じることにより、燃料噴射量fiを決定する。そして、CPU71は、決定された燃料噴射量fiに応じた指示信号をインジェクタ39に対して送出する。なお、本例においては、定数Kfは、「1」に設定され、目標空燃比AbyFは、理論空燃比に設定されている。
このように、三元触媒53が活性状態にないと判定されたときは、十分に長い冷間用遅延時間TD1が選択されるので、燃料噴射量決定時点において吸気行程終了時点(現時点よりも先の時点)の筒内空気量KLが高い精度にて推定される。そして、推定された筒内空気量KLと目標空燃比AbyFとに基づいて決定された燃料噴射量fiの燃料が噴射されることにより、燃焼室25内に形成される混合ガスの実際の空燃比は目標空燃比AbyF(本例では、理論空燃比)に十分に近い値となる。この結果、混合ガスの燃焼により生成される排ガス中の有害成分を十分に少なくすることができる。従って、三元触媒53が活性状態にないために三元触媒53が排ガス中の有害成分をそれほど高い効率にて浄化できなくても、エミッションが良好な状態を実現することができる。
ところで、内燃機関10が運転されると、三元触媒53は、高温の燃焼ガスにより加熱される。また、三元触媒53により、排ガス中の燃料の未燃成分と、排ガス中の酸素又は三元触媒53に吸蔵されていた酸素と、が反応させられることによって発生する反応熱によっても、三元触媒53は加熱される。従って、所定の時間が経過すると、触媒温度Tcは、上記閾値温度αを超える。
この時点にてCPU71が図6の触媒活性状態判定ルーチンの処理を開始してステップ610に進んだとき、CPU71は、同ステップ610にて「No」と判定してステップ620に進む。そして、CPU71は、同ステップ620にて触媒活性状態フラグXACの値を「1」に設定し、ステップ699に進んで本ルーチンを一旦終了する。
更に、CPU71が図7の遅延時間決定ルーチンの実行を開始すると、CPU71は、ステップ705に進んだとき、同ステップ705にて「No」と判定してステップ720に進む。そして、CPU71は、同ステップ720にて遅延時間TDを標準遅延時間TD2に設定し、ステップ799に進んで本ルーチンを一旦終了する。
更に、CPU71が図8の目標スロットル弁開度設定ルーチンの実行を開始すると、CPU71は、ステップ805に進んだとき、遅延時間TDを上記演算周期Δt1により除した値(この時点では、「8」)に遅延回数Ntdを設定する。
そして、CPU71は、遅延回数Ntdが過去の遅延回数Ntdold以下であるか否かを判定するステップ810に進む。この時点では、遅延回数Ntd(=8)は、過去の遅延回数Ntdold(=16)よりも小さい。従って、CPU71は、上述した場合と同様に、同ステップ810にて「Yes」と判定してステップ815に進む。
そして、CPU71は、ステップ815〜ステップ830の処理を実行することにより、目標スロットル弁開度TAt(1)〜TAt(Ntd)を値の順序を維持したまま目標スロットル弁開度TAt(0)〜TAt(Ntd-1)にシフトさせる。更に、CPU71は、ステップ835の処理を実行することにより、現時点のアクセルペダル操作量Accpに基づいて決定された今回の暫定目標スロットル弁開度TAt1を遅延時間TD後の目標スロットル弁開度TAtとするために目標スロットル弁開度TAt(Ntd)に格納する。加えて、CPU71は、ステップ840の処理を実行することにより、実際のスロットル弁開度TAが現時点の目標スロットル弁開度TAt(0)に一致するようにスロットル弁アクチュエータ45aに対して駆動信号を送出する。
その後、CPU71はステップ899に進んで本ルーチンを一旦終了する。
加えて、CPU71がスロットル弁開度推定ルーチンの実行を開始すると、CPU71は、現時点よりも遅延時間TDだけ先の時点までの予測スロットル弁開度TAe(0)〜TAe(Ntd)を上記目標スロットル弁開度設定ルーチンにおいて設定された目標スロットル弁開度TAt(0)〜TAt(Ntd)にそれぞれ設定する。
次いで、CPU71は、現時点よりも遅延時間TDだけ先の時点から現時点よりも予測時間TEだけ先の時点までの予測スロットル弁開度TAe(Ntd+1)〜TAe(Nte)を現時点よりも遅延時間TDだけ先の時点の目標スロットル弁開度TAt(Ntd)に設定する(図5を参照。)。
なお、現時点よりも遅延時間TDだけ先の時点の目標スロットル弁開度TAt(Ntd)の値であって本ルーチンの前回実行時の値と、同目標スロットル弁開度TAt(Ntd)の値であって本ルーチンの今回実行時の値と、の差に基づいて現時点よりも遅延時間TDだけ先の時点の目標スロットル弁開度の時間変化率を求め、同求められた時間変化率と本ルーチンの今回実行時の目標スロットル弁開度TAt(Ntd)とに基づいて上記予測スロットル弁開度TAe(Ntd+1)〜TAe(Nte)を設定してもよい。
このようにして、現時点から(現時点よりも)予測時間TEだけ先の時点までのスロットル弁開度TAが推定(予測)される(予測スロットル弁開度TAe(0)〜TAe(Nte)が算出される)。
更に、CPU71は、上述した場合と同様に、筒内空気量推定ルーチンを実行することにより、推定された予測スロットル弁開度TAeと、空気モデルM20と、に基づいて現時点よりも先の時点の筒内区気量KLを推定する。加えて、CPU71は、燃料噴射量決定ルーチンを実行することにより、燃焼室25内に形成される混合ガスの空燃比が目標空燃比AbyF(本例では、理論空燃比)に一致するように推定された筒内空気量KLに応じて燃料噴射量fiを決定し、決定された燃料噴射量fiに応じた指示信号をインジェクタ39に対して送出する。
このように、三元触媒53が活性状態にあると判定されたときは、遅延時間TDが冷間用遅延時間TD1よりも短い標準遅延時間TD2に設定されるので、実際のスロットル弁開度TAは、遅延時間TDとして冷間用遅延時間TD1が使用される場合と比較して小さな遅れを伴って、検出されたアクセルペダル操作量Accpに応じて決定された目標スロットル弁開度TAtに制御される。
これにより、アクセルペダル81の操作に対する内燃機関10の出力の応答遅れ(出力応答遅れ)は、冷間用遅延時間TD1が選択された場合と比較して小さくなる。この結果、加速応答性(レスポンス)を良好にすることができる。また、将来の筒内空気量KLは、冷間用遅延時間TD1が選択された場合よりも高くない精度にて推定されるが、排気浄化用触媒53により排ガス中の有害成分が十分に浄化されるのでエミッションが良好な状態を維持することもできる。
次に、触媒温度Tcが何らかの理由(燃料噴射の停止又はアイドリング状態の継続等による排ガスの温度の低下)により低下し、同閾値温度αよりも低くなった場合について説明する。
この場合において、CPU71が図6の触媒活性状態判定ルーチンの処理を開始してステップ610に進んだとき、CPU71は、同ステップ610にて「Yes」と判定してステップ615に進む。そして、CPU71は、同ステップ615にて触媒活性状態フラグXACの値を「0」に設定し、ステップ699に進んで本ルーチンを一旦終了する。
更に、CPU71が図7の遅延時間決定ルーチンの実行を開始すると、CPU71は、ステップ705に進んだとき、同ステップ705にて「Yes」と判定してステップ710に進む。そして、CPU71は、同ステップ710にて遅延時間TDを冷間用遅延時間TD1に設定し、ステップ799に進んで本ルーチンを一旦終了する。
更に、CPU71が図8の目標スロットル弁開度設定ルーチンの実行を開始すると、CPU71は、ステップ805に進んだとき、遅延時間TDを上記演算周期Δt1により除した値(この時点では、「16」)に遅延回数Ntdを設定する。
次いで、CPU71は、現時点の遅延回数Ntd(=16)が過去の遅延回数Ntdold(=8)以下であるか否かを判定するステップ810に進み、同ステップ810にて「No」と判定してステップ850に進み、変数iの値を過去の遅延回数Ntdoldに「1」を加えた値(この時点では、「9」)に設定する。
そして、CPU71は、ステップ855に進んで変数iの値が遅延回数Ntd以下であるか否かを判定する。この時点では、変数iの値は遅延回数Ntd以下である。従って、CPU71は、同ステップ855にて「Yes」と判定してステップ860に進み、目標スロットル弁開度TAt(i)の値を目標スロットル弁開度TAt(Ntdold)の値に設定する。即ち、目標スロットル弁開度TAt(Ntdold+1)に目標スロットル弁開度TAt(Ntdold)の値が格納される。
次いで、CPU71は、ステップ865にて変数iの値に「1」を加算してステップ855に戻る。そして、変数iの値が遅延回数Ntd以下であれば、再びステップ860及びステップ865の処理を実行する。即ち、ステップ860及びステップ865の処理は、変数iの値が遅延回数Ntdよりも大きくなるまで繰り返し実行される。これにより、目標スロットル弁開度TAt(Ntdold+1)〜TAt(Ntd)の値がすべて目標スロットル弁開度TAt(Ntdold)の値に設定される。即ち、本例では、目標スロットル弁開度TAt(9)〜TAt(16)の値がすべて目標スロットル弁開度TAt(8)の値に設定される。
前述のステップ865が繰り返されることにより変数iの値が遅延回数Ntdよりも大きくなると、CPU71はステップ855にて「No」と判定してステップ815以降のステップに進んで、値の順序を維持したまま目標スロットル弁開度TAt(1)〜TAt(Ntd)を目標スロットル弁開度TAt(0)〜TAt(Ntd-1)にシフトするとともに、現時点のアクセルペダル操作量Accpに応じて決定された今回の暫定目標スロットル弁開度TAt1を目標スロットル弁開度TAt(Ntd)に格納し、更に、現時点の目標スロットル弁開度TAt(0)に応じた駆動信号をスロットル弁アクチュエータ45aに対して送出した後、本ルーチンを一旦終了する。
このように、CPU71が本ルーチンを実行することにより、目標スロットル弁開度TAt(Ntdold)〜TAt(Ntd-1)のすべての値が目標スロットル弁開度TAt(Ntdold-1)に設定されるので、現時点よりも標準遅延時間TD2だけ先の時点より、冷間用遅延時間TD1から標準遅延時間TD2を減じた時間が経過するまで、の期間においては、スロットル弁開度TAは一定に維持される。
また、この期間においては、遅延時間TDが十分に長い冷間用遅延時間TD1に設定されているので(即ち、冷間用遅延時間TD1後のスロットル弁開度TAを高い精度にて推定できるので)、標準遅延時間TD2が使用され続ける場合と比較して、推定される筒内空気量KLの精度をより高めることができる。この結果、エミッションを良好にすることができる。
そして、上記期間が終了すると、遅延時間TDとしての冷間用遅延時間TD1だけ前の時点にて検出されたアクセルペダル操作量Accpに応じて決定された目標スロットル弁開度TAtに対応した駆動信号がスロットル弁アクチュエータ45aに対して出力される。従って、同期間の終了時以降においても、エミッションを良好にすることができる。
以上説明したように、本発明による内燃機関の燃料噴射量制御装置の実施形態によれば、三元触媒53が活性状態にないと判定されたとき、十分に長い冷間用遅延時間TD1(第1の遅延時間)が選択される。これにより、将来の筒内空気量KLが高い精度にて推定される。この結果、実際の空燃比を目標空燃比に十分に近づけることができるので、混合ガスの燃焼により生成される排ガス中の有害成分を十分に少なくすることができる。従って、三元触媒53により排ガス中の有害成分が十分に浄化されなくても、エミッションが良好な状態を実現することができる。
一方、三元触媒53が活性状態にあると判定されたとき、冷間用遅延時間TD1よりも短い標準遅延時間TD2(第2の遅延時間)が選択される。これにより、アクセルペダル81の操作に対する内燃機関10の出力の応答遅れ(出力応答遅れ)は、冷間用遅延時間TD1が選択された場合と比較して小さくなる。この結果、加速応答性(レスポンス)を良好にすることができる。また、将来の筒内空気量KLがそれほど高くない精度にて推定されるが、三元触媒53により排ガス中の有害成分が十分に浄化されるのでエミッションが良好な状態を維持することもできる。
以上のように、上記実施形態によれば、エミッションを極力良好に維持しながら、加速応答性を改善することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記実施形態においては、標準遅延時間TD2は、「16ms」に設定されていたが、冷間用遅延時間TD1よりも短い時間に設定されていればよく、「0ms」に設定されていてもよい。また、冷間用遅延時間TD1及び標準遅延時間TD2は、内燃機関10の運転状態に応じて変更されてもよい。
更に、上記実施形態は、遅延時間TDが標準遅延時間(第2の遅延時間)TD2に設定されている場合においても、遅延時間TDが冷間用遅延時間(第1の遅延時間)TD1に設定されている場合と同様に、空気モデルM20に基づいて筒内空気量KLを推定するように構成されていたが、遅延時間TDが標準遅延時間TD2に設定されている場合においては、エアフローメータ61により検出された吸気流量Gaとエンジン回転速度NEとに基づいて筒内空気量KLを推定するように構成されていてもよい。また、内燃機関10の負荷(アクセルペダル操作量Accp、スロットル弁開度TA等)及びエンジン回転速度NEと筒内空気量との関係を規定したテーブルと、実際の内燃機関10の負荷及び実際のエンジン回転速度NEと、に基づいて筒内空気量KLを推定するように構成されていてもよい。
更に、上記実施形態は、触媒温度センサ68を備えるとともに触媒温度センサ68により検出された触媒温度Tcと予め設定された閾値温度αとに基づいて三元触媒53の活性状態を判定するように構成されていたが、触媒温度センサ68を備えることなく、三元触媒53(排気浄化用触媒)の活性状態を示す触媒温度Tc以外の活性状態指標値に基づいて三元触媒53の活性状態を判定するように構成されていてもよい。
例えば、触媒温度Tc以外の活性状態指標値は、冷却水温度Tw、内燃機関10の始動時からの筒内空気量KLの積算値又は内燃機関10の始動時からの燃料噴射量fiの積算値等である。
冷却水温度Twを活性状態指標値とする場合、上記実施形態は、冷却水温度センサ67により検出された冷却水温度Twが予め設定された閾値温度βよりも高いときに三元触媒53が活性状態にあると判定し、一方、同閾値温度βよりも低いときに三元触媒53が活性状態にないと判定するように構成されることが好適である。
また、筒内空気量KLの積算値を活性状態指標値とする場合、上記実施形態は、筒内空気量推定ルーチンにおいて算出される筒内空気量KLを内燃機関10の始動時から積算した値が予め設定された閾値γよりも大きいときに三元触媒53が活性状態にあると判定し、一方、同閾値γよりも小さいときに三元触媒53が活性状態にないと判定するように構成されることが好適である。
また、燃料噴射量fiの積算値を活性状態指標値とする場合、上記実施形態は、燃料噴射量決定ルーチンにおいて決定される燃料噴射量fiを内燃機関10の始動時から積算した値が予め設定された閾値εよりも大きいときに三元触媒53が活性状態にあると判定し、一方、同閾値εよりも小さいときに三元触媒53が活性状態にないと判定するように構成されることが好適である。
更に、上記実施形態は、触媒温度Tcを活性状態指標値としながらも触媒温度センサ68を備えることなく、冷却水温度Tw、内燃機関10の始動時からの燃料噴射量fiの積算値又は内燃機関10の始動時からの筒内空気量KLの積算値等に基づいて触媒温度Tcを推定し、推定された触媒温度Tcと上記閾値温度αとに基づいて三元触媒53の活性状態を判定するように構成されていてもよい。
また、目標スロットル弁開度TAtに応じた駆動信号がスロットル弁アクチュエータ45aに対して送出されてから実際のスロットル弁開度TAがその目標スロットル弁開度TAtに追従するまでに比較的大きな遅れが生じる場合、上記実施形態は、この遅れを考慮に入れて予測スロットル弁開度TAeを算出するように構成されることが好適である。
また、アクセルペダル81は、運転者が足により踏み込むことによって操作されるものに限定されることはなく、例えば、手により操作されるレバー等に置き換えられてもよい。
本発明の実施形態に係る燃料噴射量制御装置を火花点火式多気筒内燃機関に適用したシステムの概略構成図である。 燃料噴射量を決定するための手段及びモデルの機能ブロック図である。 図1に示したCPUが参照するアクセルペダル操作量と暫定目標スロットル弁開度との関係を規定したテーブルを示した図である。 暫定目標スロットル弁開度、目標スロットル弁開度及び予測スロットル弁開度の変化を示したタイムチャートである。 暫定目標スロットル弁開度、目標スロットル弁開度及び予測スロットル弁開度の変化を示したタイムチャートである。 図1に示したCPUが実行する三元触媒の活性状態を判定するためのプログラムを示したフローチャートである。 図1に示したCPUが実行する遅延時間を決定するためのプログラムを示したフローチャートである。 図1に示したCPUが実行する目標スロットル弁開度を設定するためのプログラムを示したフローチャートである。 所定の時間間隔Δt0、前回推定時点te1及び今回推定時点te2の関係を示した模式図である。
符号の説明
10…内燃機関、25…燃焼室、31…吸気ポート、32…吸気弁、34…排気ポート、35…排気弁、37…点火プラグ、39…インジェクタ、43…吸気ダクト、45…スロットル弁、45a…スロットル弁アクチュエータ、62…吸気温度センサ、63…吸気圧力センサ、64…スロットルポジションセンサ、66…クランクポジションセンサ、67…冷却水温度センサ、68…触媒温度センサ、69…アクセル開度センサ、71…CPU、73…RAM、81…アクセルペダル、A10…触媒活性状態判定部、A20…遅延時間決定部、A21…冷間用遅延時間設定部、A22…標準遅延時間設定部、A30…目標スロットル弁開度設定部、A40…噴射量決定ロジック、M10…電子制御スロットル弁モデル、M20…空気モデル、M21…スロットルモデル、M22…吸気弁モデル、M23…吸気管モデル、M24…吸気弁モデル。

Claims (1)

  1. 運転者により操作されるアクセルペダルと、
    前記アクセルペダルの操作量を検出するアクセルペダル操作量検出手段と、
    気筒内に空気を導入するための吸気通路に配設され同吸気通路を通過する空気の量を変更可能とするように開度を調整可能なスロットル弁と、
    前記気筒内から排ガスを排出するための排気通路に配設され同排気通路内の排ガスを浄化する排気浄化用触媒と、
    前記気筒内に供給される燃料を指示信号に応答して噴射する燃料噴射手段と、
    前記気筒内に供給されるべき燃料量を決定し同決定された燃料量に応じた前記指示信号を前記燃料噴射手段に対して送出する燃料噴射量制御手段と、
    を備えるとともに、車両に搭載された内燃機関に適用される内燃機関の燃料噴射量制御装置であって、
    前記排気浄化用触媒の活性状態を示す活性状態指標値を取得するとともに、同取得された活性状態指標値に基づいて同排気浄化用触媒が活性状態にあるか否かを判定する触媒活性状態判定手段と、
    前記排気浄化用触媒が活性状態にないと判定されたときに第1の遅延時間を選択し、一方、同排気浄化用触媒が活性状態にあると判定されたときに同第1の遅延時間よりも短い第2の遅延時間を選択し、且つ、前記選択された遅延時間だけ前の時点にて検出された前記アクセルペダルの操作量に応じて決定された前記スロットル弁の目標開度となるように同スロットル弁の開度を制御するスロットル弁開度制御手段と、
    を備え、
    前記燃料噴射量制御手段は、少なくとも前記第1の遅延時間が選択されている場合、現時点までに検出された前記アクセルペダルの操作量に応じて決定された前記スロットル弁の目標開度に基づいて現時点よりも先の時点の同スロットル弁の開度を推定するとともに同推定されたスロットル弁の開度に基づいて同先の時点にて前記気筒内に導入されている空気量である筒内空気量を推定し、且つ、同推定された筒内空気量に基づいて前記燃料量を決定するように構成された内燃機関の燃料噴射量制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010096002A (ja) * 2008-10-14 2010-04-30 Daihatsu Motor Co Ltd 制御装置
JP2012241559A (ja) * 2011-05-17 2012-12-10 Mitsubishi Motors Corp 内燃機関の吸気制御装置

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