JP2007332003A - モルタル混和材及びこれを用いたモルタル - Google Patents

モルタル混和材及びこれを用いたモルタル Download PDF

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Abstract

【課題】混和材成分間の反応を調整して中、長期的な機械的強度を維持してモルタル被覆材の強度を良好に確保することができるモルタル混和材及びモルタルを提供する。
【解決手段】二酸化珪素:4〜6重量部、塩化マグネシウム:1〜3重量部、塩化カルシウム:10〜50重量部、酸化マグネシウム:1〜3重量部、水酸化カルシウム:1〜3重量部、酸化アルミニウム:5〜20重量部、残:水からなる100重量部の第1液に、第2液としてのリチウム水溶液などを200〜1000重量部混合してモルタル混和材とした。
【選択図】 なし

Description

本発明は、コンクリート床面や壁面などに被覆されるモルタルなどに混和されるモルタル混和材及びそれを用いたモルタルに関する。より詳しくは、モルタルの被覆材に防水性や耐久性、コンクリート基材面との接着性などを付与することのできるモルタル混和材及びこれを用いたモルタルに関する。
従来、工場や家庭などにおけるコンクリート基材の床表面などは,生活排水や漏水中などの腐食性物質などにより腐食したり、使用中の強度劣化により亀裂を生じたりすることがある。このため,防食性や耐久性に優れたコンクリート材を用いたり、コンクリート基材の表面に合成樹脂などを塗布して被覆することが行われている。
このようなコンクリート基材における被覆材や被覆方法などに関連して、例えば、以下のような技術のものが開示されている。
特許文献1(特開平11−43359号公報)には、塩化カルシウム及び無水炭酸ナトリウムを主成分とし、カリウム塩、鉄塩、或はアンモニウム塩から選択される1又は2種類の塩を補助成分として含有することを特徴とするセメント等の混和剤が記載されている。
特許文献2(特開2001−30412号公報)には、コンクリート材の表面に熱可塑性樹脂とコンクリート接着材からなる中間層を設け,該中間層の表面を加熱しながら,溶融状態の熱可塑性樹脂を塗布し硬化させて被覆層を形成させるようにしたコンクリート被覆方法が記載されている。
特開平11−43359号公報 特開2001−30412号公報
しかしながら、前記従来の特許文献に記載のものは以下のような課題があった。
特許文献1に記載の無機塩類を主成分とする混和剤では、微粉末状の塩類をセメントに混和して用いるものであるが、時間の経過と共にその成分同士が反応変質してその硬度や強度などが低減し、例えば、主成分が塩化カルシウムの場合、施工後3〜6カ月後にはその防水性は殆んど失われるといわれている。また、セメント成形物や施工物に防水性を与えるために混和する従来の混和剤は、施工性には優れるものの、中、長期的な防水性の維持、機械的強度の確保等という点で不十分であるという課題があった。
特許文献2に記載の熱可塑性樹脂を用いたコンクリート被覆方法では、そのコンクリート被覆施工に際して熱処理が必要で均一な被覆材を得るための施工性に難点がある上に、コスト面でも高額になり経済性に欠けるという課題があった。
本発明は前記従来の課題を解決するためになされたもので、極めて短時間で、モルタルの強度を高めることができるとともに、コンクリート基材の被覆施工などに際して優れた施工性と経済性を付加することのできるモルタル混和材及びそれを用いたモルタルを提供することを目的とする。
(1)前記従来の課題を解決するためになされた本発明のモルタル混和材は、二酸化珪素:4〜6重量部、塩化マグネシウム:1〜3重量部、塩化カルシウム:10〜50重量部、酸化マグネシウム:1〜3重量部、水酸化カルシウム:1〜3重量部、酸化アルミニウム:5〜20重量部、残:水からなる100重量部の第1液に、第2液を200〜1000重量部混合してなる。
(2)本発明のモルタル混和材は、前記(1)において、前記第2液が濃度0.5〜5%のケイ酸リチウム又は硝酸リチウム水溶液であることを特徴とする。
(3)本発明のモルタル混和材は、前記(1)又は(2)において、前記第1液に、さらに、水酸化カリウム:1〜3重量部を混合してなることを特徴とする。
(4)本発明のモルタルは、前記(1)〜(3)のモルタル混和材1重量部に対し、セメント0.5〜10重量部、砂0.5〜10重量部を混合してなることを特徴とする。
本発明によれば、二酸化珪素、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化アルミニウム、残:水からなる第1液に、第2液となるリチウム成分など溶解させた水溶液を混合して調整するので、その混和材各成分間の反応を調整して、極めて短時間で、モルタルの機械的強度や施工特性を確保することができる。
さらに、このような混和材を適用することで、混和材が添加されたモルタルの圧縮強度などを効果的に高めることができる。例えば、コンクリート基材表面に被覆形成されるモルタル被覆層に耐久性や接着性を付与するとともに、コンクリート基材表面の被覆施工に際して優れた施工性と経済性を付加することができる。
本実施形態のモルタル混和材は、二酸化珪素:4〜6重量部、塩化マグネシウム:1〜3重量部、塩化カルシウム:10〜50重量部、酸化マグネシウム:1〜3重量部、水酸化カルシウム:1〜3重量部、酸化アルミニウム:5〜20重量部、残:水からなる100重量部の第1液を作成して、この第1液に第2液となるリチウム成分などを含む水溶液を200〜1000重量部混合して得られる。このような特定組成成分を用いてモルタル混和材を製造することによって、その各成分間の反応を調整して圧縮強度などの機械的特性を維持させることができるとともに、コンクリート基材面の被覆材などとして適用されるモルタルやコンクリートなどの耐久性やその施工される基材表面への接着性などを良好に確保することができる。なお、本発明では、モルタル混和材として説明するが、モルタルに砂利を混ぜたコンクリート混和材として用いることも出来る。
二酸化珪素(SiO2)及び酸化アルミニウム(Al23)は、非溶解性の安定な酸化物であり混和材の主たる成分のひとつとして含有される。
二酸化珪素が4重量部より少なくなると、モルタル施工時に必要なスラリー粘性などの調整が困難となるような傾向が生じ、逆に6重量部を超えると、硬化強度などの低下が懸念されるので好ましくない。
酸化アルミニウムが5重量部より少ないと、モルタルを硬化させる際に緻密で強固な結晶化構造に変性させることができにくくなるような傾向が生じ、逆に20重量部を超えると、硬化速度が減少するなどの傾向が生じることもあるので好ましくない。
塩化カルシウム(CaCl2)は、吸湿性、保水性に富み水溶性の無機塩類である。その吸湿性などから凍結防止、融氷雪、霜柱防止、路層安定、モルタルやコンクリートの急結、ブライン、排水処理等の用途に使用される。塩化カルシウムは、路面に適当な湿り気を与え、ホコリの発生を防ぐため、テニスコート、グラウンド、未舗装道路の防塵効果がある。塩化カルシウムは無機成分と反応して、オキシクロライドセメントを形成する性質があり、これによって、組織を強固にする性質も有している。
また、本発明の混和材をセメント製品の凝結促進剤としても機能させることができ、早期に圧縮強度を著しく増大させ、コンクリート、及び、セメント2次製品の凝結時間を短縮することもできる。こうして、冬期におけるモルタルやコンクリート施工時の凍結防止剤としても適用できる。
塩化カルシウムの原料としては微粉のものを使用するのが好ましいが、セメント質材料と混和して溶解するものであれば特に限定することなく使用できる。本発明の混和剤において、塩化カルシウムは、10〜50重量部の範囲とすることが好ましい。これは、塩化カルシウムが、10重量部未満では凝結時間促進の効果を示さず、50重量部より多くなると押出成形中などにセメントが凝結し始めてその施工性が悪くなるからである。
酸化マグネシウム、塩化マグネシウム、水酸化カルシウムの機能としては、例えば、セメント構造の緻密化、安定化に加えて、モルタルやコンクリート等の耐薬品性、保水性の向上、膨張収縮率の低減、接着力の向上、硬化前の流動性の向上等が挙げられ、モルタル混和剤以外にも、残土や排泥等の廃棄物処理用凝固剤等、種々の用途に使用しても優れた効果が発揮される。
ここで、酸化マグネシウムが1重量部より少ないと、モルタルにモルタル混和材を添加した際における型枠流し込みの施工性が悪くなることがあり、逆に3重量部を超えると、モルタルの硬化強度などが劣化するような問題が生じることもあるので好ましくない。塩化マグネシウムが1重量部より少ないと、混和材を添加したスラリーにおけるスラリー粘性などの調整が困難となる傾向が生じ、逆に3重量部を超えると、溶出するマグネシウムイオンが過剰になって、種々の弊害を生じることがあるので好ましくない。
水酸化カルシウムが1重量部より少ないと、硬化強度が低下する傾向が生じ、逆に3重量部を超えて添加しても、硬化強度は一定となってそれ以上の強度向上は望めずコストアップに繋がるので好ましくない。
本実施形態のモルタル混和材は、前記第2液を濃度0.5〜5%のケイ酸リチウム又は硝酸リチウム水溶液とすることもでき、コンクリート施工後における耐久性などをさらに高めることができる。
水溶液中のリチウム成分は、アルカリ骨材反応の抑制効果などに優れ、これによって高強度のモルタルやコンクリートを得るための混和材としての機能を有している。このような硝酸リチウムの他のリチウム系添加剤としては、水酸化リチウム,硝酸リチウム,塩化リチウム,炭酸リチウムなども適用することができる。
第2液におけるケイ酸リチウム又は硝酸リチウム水溶液の濃度が0.5%より少ないと、アルカリ骨材反応の抑制効果を有効に発揮させることが困難であり、逆に5%を超えると、他の成分と反応が顕著になる上に、原料費のアップにも繋がるので好ましくない。
本実施形態のモルタル混和材は、前記第1液に、さらに、水酸化カリウム:1〜3重量部を混合することもでき、これによって、施工時におけるモルタルの粘性などを向上させることができる。
水酸化カリウムは、カリウム塩として機能するように用いられ、硝酸カリウム、硫酸カリウム等も使用できる。また、これらの一又は二以上を組み合わせて用いることも可能である。
例えば、水酸化カリウムが1重量部より少ないと、施工時におけるスラリー粘性が悪くなりコンクリート基材に被覆された被覆層を緻密に形成するのが困難となるような傾向が生じ、逆に3重量部を超えると、スラリー特性を調整する際にカリウムイオンによるマスク効果などが生じることもあるので好ましくない。
本発明のモルタルは、前記(1)〜(3)のモルタル混和材1重量部に対し、セメント0.5〜10重量部、砂(ケイ砂を含む)0.5〜10重量部を混合してなることを特徴とする。これによって、本モルタルを、例えば、生乾き(若齢)のコンクリート基材面に施工されるモルタル被覆層として形成させることができ、コンクリート床面施工の工期を短縮させるとともに、モルタル被覆層の強度や耐久性、コンクリート基材面への接着性などをさらに高めることができる。
通常、コンクリートを打ってその床面がまだ乾かないうちに、被覆材としてのモルタル被覆層を形成すると、コンクリートからしみ出てくる水分により、モルタル被覆層に膨れ(ブリスター)が発生する。しかし、本モルタル混和材を、セメントや砂に混ぜて被覆材とすることで、コンクリート基材からしみ出る水分によるブリスターを防止できる。その理由はよく分からないが、本発明のモルタルが、コンクリート基材に含まれているアルカリ性水分と反応し、結晶化水和反応を起こしてモルタル被覆層の膨れを防止できるのではないかと考えられる。すなわち、打ったばかりのコンクリート(若齢コンクリート)に含まれる水分は、水/セメント比で、通常55%〜57%であり、セメントの水和反応に必要な水分は25〜35%が理想とされている。そのため、セメント硬化反応に寄与しない水分がコンクリート基材表面にしみ出てきて、ブリスターを形成すると考えられている。すなわち、工期短縮によるコンクリートの十分な養生期間がなく、水分が飛ばないうちに表面に塗装をしたりPタイルなどを貼ったりすると、コンクリート基材中の過剰な水分によってブリスターが発生すると考えられる。
従来、コンクリートの養生期間として、1〜2カ月間の乾燥の必要があったが、本モルタル混和材を用いることによりその期間短縮が可能である。例えば、コンクリート打設から1(コンクリートが薄い場合)〜3(厚い場合)日間をおいて、コンクリート基材表面が生乾き(若齢コンクリート)でも、本モルタル混和材をその表面に被覆することで、コンクリート基材中の水分と反応させ、十分な硬さのコンクリート基材表面を得ることができる。
本実施形態のモルタル混和材における、その好ましい配合割合を設定するために行った各評価試験結果(実施例1〜実施例3)について以下に説明する。ここでは、原料成分組成を下記のように設定するとともに、所定の選択された成分を第1液及び第2液とに分けて段階的に調整することによって、モルタル混和材を作成した。
なお、各実施例1〜3に対する比較例としては、その成分組成が、セメント1:砂3:水0.6の割合で配合して製造された従来の養生コンクリートブロックを採用した。
(実施例1)
二酸化珪素:5kg、塩化マグネシウム:2kg、塩化カルシウム:20kg、酸化マグネシウム:1.5kg、水酸化カルシウム:1.5kg、酸化アルミニウム:10kg、水:100Lで、第1液を作成した。これに、第2液となる水100Lを混合して、モルタル混和剤とした。このモルタル混和材6kgに対して、セメント10kg、砂20kg、を混合してモルタルとし、厚さ10cmのモルタルブロックを形成した。
(実施例2)
二酸化珪素:5kg、塩化マグネシウム:2kg、塩化カルシウム:20kg、酸化マグネシウム:1.5kg、水酸化カルシウム:1.5kg、酸化アルミニウム:10kg、水:100Lで、第1液を作成した。これに、第2液となる3%硝酸リチウム水溶液水100Lを混合して、モルタル混和剤とした。このモルタル混和材6kgに対して、セメント10kg、砂20kg、を混合してモルタルとし、厚さ10cmのモルタルブロックを形成した。
(実施例3)
二酸化珪素:5kg、塩化マグネシウム:2kg、塩化カルシウム:20kg、酸化マグネシウム:1.5kg、水酸化カルシウム:1.5kg、酸化アルミニウム:10kg、水酸化カリウム:1.5kg、水:100Lで、第1液を作成した。これに、第2液として3%硝酸リチウム水溶液水100Lを混合し、モルタル混和剤とした。このモルタル混和材6kgに対して、セメント10kg、砂20kg、を混合してモルタルとし、厚さ10cmのモルタルブロックを形成した。
(評価結果)
●30日経過後のモルタルブロックの圧縮強度
実施例1:30N/mm
実施例2:35N/mm
実施例3:40N/mm
比較例 :18N/mm
本モルタル混和材を用いて作成されたモルタルブロック試験片の圧縮強度は35〜40N/mmであった。ちなみに、通常のモルタルを固化したもの(比較例)の圧縮強度は18〜20N/mmであり、本モルタル混和材によれば、ほぼ2倍近い強度増加が図れることが分かった。
●吸水量(モルタルブロックがどのくらいの水を吸うか)
実施例1:0.006ml/hr
実施例2:0.003ml/hr
実施例3:0.003ml/hr
比較例 :0.300ml/hr
●質量変化(形成当初と30日経過後のモルタルブロックの質量変化)
実施例1:−0.8%
実施例2:−0.6%
実施例3:−0.5%
比較例 :−1.0%
以上に示した、30日経過後の強度、吸水量、質量変化のデータから明らかなように、実施例1〜3の各モルタルブロックは緻密となり吸水性が低いことが分かる。また、比較例のものでは時間が経つと水分が抜けて質量が減るが、本実施例のブロックは緻密となり経時変化が少ないことも分かる。
以上のような実験を多数行うことによって、第1液及び第2液となる各成分組成を特定範囲となるように設定する。こうして、モルタル被覆層の強度などをさらに向上させることができるとともに、モルタル混和材を添加した吹き付け材や塗布材などの機械的特性を適正に維持することができる。
本実施形態のモルタル混和材では、実験を重ねた結果、好ましい第1液の組成成分として、二酸化珪素、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化カリウムなどの特定成分の組み合わせが有効であることを知見した。また、これに添加する第2液の組成成分としては、ケイ酸リチウム又は硝酸リチウムが適用される。
このような成分組成を有して段階的に混合作成された本モルタル混和剤を、セメント及び砂、水とともに混練して硬化させることにより、その硬度や強度を高めて、耐久性、防水性等において顕著な効果を発揮させることができる。これは、本モルタル混和材の組成物成分が、モルタルやコンクリート内の微細な空隙を充填し、セメントとの水和反応により生じた水酸化カルシウムなどと強固に結合することにより防水性や耐薬品性を獲得すると考えられる。
続いて、本実施形態のモルタル混和材を用いた施工方法について説明する。モルタル混和材を、セメント及び砂との混合物に所定割合で添加して混練したものをペースト状に調整し、コンクリート基材面へ塗布又は吹き付けて被覆することで、コンクリート基材表面に所定厚みのモルタル被覆層を形成させることができる。こうして、モルタル混和材を、セメント及び砂との混合物に所定割合で混ぜることによりセメント成分と硬化反応させ、緻密な硬化層とすることができる。
施工方法としては、モルタル混和材(全体質量比の30%)+(セメント3:砂2)でペースト状のモルタルを作成する。これを、予めコンクリート打ちをした床の表面に1〜1.5mm厚で塗装(コテ塗り)して硬化緻密層(モルタル被覆層)とすることもできる。
また、モルタル混和材(全体質量比で18%)+(セメント:砂(1:2))でペースト状モルタルを作成し、これを予めコンクリート打ちをした床の表面に10〜50mm厚で塗装(コテ塗り)して、硬化緻密層を形成する。このとき、モルタルに砂利(バラス)を混合することによりコンクリートとすると、50〜200mm程度までの厚塗りが可能である。
本実施形態のモルタル混和材及びこれを用いるモルタルは、例えば、ポルトランドセメント等のセメント成分と砂とを混練して適度な粘度に調整したものを、既設のコンクリートの施工物やブロックなどの成形品に塗布し、これらの表面に被膜を形成する塗布剤として用いることもできる。
また、本混和剤は、その組成成分のそれぞれを微粉状にした状態で予めポルトランドセメント等に混和して用いるか、又は所定量のモルタル混和材を水に溶解し或いは直接モルタルなどに投入して均一に溶解し分散させてもよい。
なお、モルタル混和材には、前記カリウム塩の他にアンモニウム塩類やマグネシウム塩類などを水に添加して、多種多量のアルカリイオンや金属イオンを含有するスラリー状に調整することもできる。このようなスラリーは、そのイオンリッチな性質のため、コンクリートやモルタル等の土壌成分の凝結を促進、活性化するので、コンクリート基材に被覆された被覆層は緻密で強固な結晶化構造に変性させることができる。
また、従来のモルタル混和材は一括して溶解させるので、この溶解に際して発熱を伴うこと、吸湿性であって固まり易く取扱いが不便であること、モルタル中に均一に溶解し分散させるにはかなりの時間撹拌を要することなどの不具合を伴うが、本実施形態のように予め水溶剤として調整されたものを用いるので、これらの問題を有効に回避することができる。
本モルタル混和材を用いる場合、前記組成の塩類を水に溶解させる。使用にあたっては、用いるセメント成分や骨材(砂など)の種類、コンクリートの施工厚等に応じておよそ5〜20倍容に水で薄めた上で、これを塗布剤として用いる場合にはポルトランドセメント等に混和して刷毛塗り、吹き付け塗りなどの塗装方法や塗装回数、希望する被覆層の厚み等に応じて、適宜セメントの量及び希釈濃度を加減して粘度調整し施工物、成形物に塗布する。
また、コンクリート基材そのものに本モルタル混和材を添加して、耐久性もしくは耐薬品性、防水性のコンクリートを得る場合にも上記のように希釈した本水溶剤を用いることができる。この場合、セメント対骨材の比をほぼ従来通りに調整した混合物に対して本水溶剤を従来の水の代わりに注入した上で、適度な流動性が得られるまで練って打設すればよい。軽度の防水工事や補修工事、例えば既設の陸屋根部の漏れや池の漏水の補修程度であれば、施工表面を水洗して浄化し、5〜20倍希釈の水溶剤にポルトランドセメントなどをほぼ使用水溶剤の2倍質量混合して糊状若しくは乳液程度の粘度とし、これをコンクリート基材面に刷毛塗りすれば十分な防水効果が得られる。
なお、モルタル混和材が適用されるコンクリート基材の被覆層に高度の耐久性や防水性が要求される場合には、規定範囲内で成分を異ならせて形成した二重層や多重層の被覆層にすることによって、その耐久性や防水性の効果をさらに高めることもできる。このことは、耐薬品層を形成する場合も同様である。なお本混和材を用いてモルタルとする場合、骨材としての砂以外に更に珪石粉やリチウム含有原料などを混合することによりその耐火性を向上させることも可能である。
以上説明したように、本発明のモルタル混和材及びこれを用いるモルタルは、二酸化珪素、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化アルミニウム、水をそれぞれ所定量含むスラリー状の第1液と、リチウム成分などを含む第2液とに分けて段階的に作成して、例えば、ペースト状に調整されコンクリート基材表面に被覆形成されるモルタル被覆層に強度などを付与することを要旨とするものであり、これに該当するものは本発明の権利範囲に属する。本実施形態では、塩化カルシウム及び、酸化アルミニウム、二酸化珪素などがそれぞれ特定成分組成となるものについてその一例を説明したが、これらの成分組成は施工されるコンクリート基材の実施条件などによって変わり得るものであり、これらの数値のものに限定されるものではない。
本発明のモルタル混和材及びそれを用いたモルタルは、モルタルやコンクリートの機械的強度や施工特性を確保することができ、コンクリート基材表面の被覆施工に際して優れた施工性と経済性を付加することができるので、産業上の利用可能性が極めて高い。

Claims (4)

  1. 二酸化珪素:4〜6重量部、
    塩化マグネシウム:1〜3重量部、
    塩化カルシウム:10〜50重量部、
    酸化マグネシウム:1〜3重量部、
    水酸化カルシウム:1〜3重量部、
    酸化アルミニウム:5〜20重量部、
    残:水からなる100重量部の第1液に、
    第2液を200〜1000重量部混合してなるモルタル混和材。
  2. 前記第2液が濃度0.5〜5%のケイ酸リチウム又は硝酸リチウム水溶液である請求項1記載のモルタル混和材。
  3. 前記第1液に、さらに、水酸化カリウム:1〜3重量部を混合してなる請求項1又は2に記載のモルタル混和材。
  4. 請求項1〜3のいずれかのモルタル混和材1重量部に対し、セメント0.5〜10重量部、砂0.5〜10重量部を混合してなるモルタル。
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