JP2007331911A - 用紙後処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置本体から中間ユニットを引き出したときに当該中間ユニット上に保持されている用紙束が飛散しないようにする。
【解決手段】用紙後処理装置10の装置本体11に対し挿脱可能に構成されたステープルトレイ30は、画像形成装置19から順次送り込まれた用紙Pが積層される傾斜面(トレイプレート322およびベルト挟持板323の表面)と、用紙Pを順次受けて形成された用紙束P1をステープル処理位置へ下降させる、昇降用ベルト36の周回により前記傾斜面に沿って昇降可能な用紙受け部材37と、この用紙受け部材37がステープルユニット38との干渉を回避するべくステープル処理位置から退避した状態でステープルトレイ30が装置本体11から外部に引き出されるに際し、用紙束P1のステープルトレイ30からの脱落を防止する用紙脱落防止機構50とを備えている。
【選択図】図7

Description

本発明は、例えば画像形成装置などの上流側の装置から送り込まれた用紙に対してパンチング処理やステープル処理等の後処理を施す用紙後処理装置に関するものである。
従来、図10に示すような用紙後処理装置100が知られている。この用紙後処理装置100は、上流側装置である画像形成装置200から送り込まれた用紙Pに対して綴結孔を穿設するパンチング処理や綴結針でステープル処理(綴結処理)等の後処理を施すものである。なお、図10では、ステープル処理のみを抽出して示している。因みに、図10においてはX−X方向を左右方向、Y−Y方向を前後方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方、−Y方向を前方、+Y方向を後方という。
かかる用紙後処理装置100は、箱形の装置本体101内に前後方向に向けて挿脱可能に装着された中間ユニット110と、この中間ユニット110の下方位置に配設されたステープラー120とを備えて構成されている。
前記中間ユニット110は、右面側が左方から右方に向けて先下がりに傾斜した傾斜板111aを有する枠体111と、前記傾斜板111aの前後方向中央部に当該傾斜板111aを挟むようにして配設された上下方向に斜めに延びる昇降用ベルト112と、この傾斜板111aの表面側に装着された鈎形を呈する用紙受け部材113とを備えている。
前記昇降用ベルト112は、枠体111の上端部に配設された上部ローラ112aと、同下端部に配設された下部ローラ112bと、枠体111内の適所に配設された駆動ローラ112cと、その他適所に配設されたアイドルローラとに掛け回され、駆動モータ114の駆動によってこれらの間を周回するようになっている。
前記用紙受け部材113は、画像形成装置200から装置本体101の右方壁面の上部に設けられた受入開口102を介して装置本体101内に送り込まれた用紙Pを受けるものであり、所定の高さ位置に位置した状態で用紙Pを順次受け入れ(図10(A))、その後、駆動モータ114の駆動により昇降用ベルト112の下端のステープル処理位置へ移動されるようになっている(図10(B))。
前記ステープラー120は、枠体111の下方で昇降用ベルト112の下端に対向して配置され、ステープル処理位置に位置した用紙受け部材113に支持されている用紙束P1の端部にステープル処理を施すようになっている。
そして、ステープル処理が完了した用紙束P1は、駆動モータ114の駆動による駆動ローラ112cおよび上下のローラ112a,112bを介した昇降用ベルト112の反時計方向へ向かう周回を介した用紙受け部材113の上昇により傾斜板111aに沿って上昇され(図10(C))、引き続き装置本体101の左側壁の上部に設けられた排出口103から図略の排出トレイへ排出される。
用紙束P1を排出した後の用紙受け部材113は、駆動モータ114の駆動による昇降用ベルト112の周回によって元の用紙受け位置(図10(A))へ戻され、画像形成装置200から送り込まれるつぎの組の用紙Pを対象としたステープル処理のために待機される。
このような用紙後処理装置については、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。
ところで、このような一連のステープル処理において中間ユニット110で紙詰りによるジャムが発生することがある。このような場合、ジャムの解消作業のために装置本体101の前壁に設けられた前ドアー104が開放され、中間ユニット110が装置本体101から外部に引き出される(図10(D))のであるが、ジャムが発生したときに用紙受け部材113がステープルと干渉する位置(干渉領域)に位置設定されていたような場合、そのまま中間ユニット110を装置本体101から引き出すと、用紙受け部材113が装置本体101側に設けられたステープラー120と干渉し、これによって用紙受け部材113が破損するという不都合が生じる。
かかる不都合を解消するために、通常、前記下部ローラ112bのローラ軸112dが前方に向けて突出され、このローラ軸112dの先端に円形の操作ハンドル115が同心で一体回転可能に固定されている。そして、この操作ハンドル115を回転操作することにより下部ローラ112bを介して昇降用ベルト112を周回させて退避位置に移動し、これによって用紙受け部材113のステープラー120に対する干渉状態を解消した上で、図10(D)に示すように、中間ユニット110を装置本体101から外部に引き出すようになされている。
特許第2868691号公報
しかしながら、中間ユニット110を装置本体101から引き出すときに、用紙受け部材113のステープラー120との干渉を回避するべく用紙受け部材113を退避位置へ移動させると、用紙束P1は、一旦、ステープラー120側の用紙受け部材によって受け止められた状態になるが、この状態で用紙受け部材113を引き出すと、用紙束P1はステープラー120側の用紙受け部材による支持を失い、中間ユニット110から下方に落下して飛散するという不都合が生じる。
因みに、特許文献1に記載の用紙後処理装置にあっては、傾斜板111a(特許文献1ではシート受け台)上に積層された用紙束P1を押さえるようにはなされているが、これはあくまでステープル処理の容易性を確保するためのものである。また、特許文献1に記載の用紙後処理装置には、中間ユニット110に相当するものが存在せず、従って、特許文献1の発明では、中間ユニット110を装置本体101から引き出すときに生じる上記不都合についての問題意識すら生じるものではない。
本発明は、このような状況に鑑みなされたものであって、装置本体から中間ユニットを引き出したときに当該中間ユニット上に保持されている用紙束が落下しないようにし、これによって紙詰り解消作業の作業性を向上させることができる用紙後処理装置を提供することを目的としている。
請求項1記載の発明は、装置本体に挿脱可能に装着されたステープルトレイと、このステープルトレイの下方位置に対向配置されたステープラーとが備えられ、所定の上流側装置から前記装置本体内に順次送り込まれた用紙を前記ステープルトレイで受けて形成された用紙束に対し前記ステープラーでステープル処理を施し得るように構成されてなる用紙後処理装置において、前記ステープルトレイは、前記上流側装置から順次送り込まれた用紙が積層される傾斜面と、前記上流側装置からの用紙を順次受けて前記傾斜面上に用紙束を形成させ該用紙束を前記傾斜面に沿って前記ステープラーによるステープル処理位置へ下降させるとともに、ステープル処理後の用紙束を上昇させて外部に排出する昇降可能で、かつ、前記ステープル処理位置と当該ステープル処理位置から退避してステープラーとの干渉が回避される退避位置との間で位置変更が可能な用紙受け部材と、前記ステープルトレイが装置本体から外部に引き出されるに際し、前記用紙受け部材が前記ステープル処理位置から前記退避位置へ退避した状態で用紙束のステープルトレイからの脱落を防止する用紙脱落防止機構とを備えていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、上流側装置から装置本体内へ順次送り込まれた用紙は、ステープルトレイの傾斜面において所定の高さ位置に位置設定された用紙受け部材に順次受けられ、これによって傾斜面上に次々と積層されていく。そして、予め設定された所定枚数の用紙からなる用紙束が傾斜面上に形成されると、用紙受け部材が下降され、これによって用紙受け部材に支持された用紙束は、ステープル処理位置に位置設定される。この状態でステープラーの所定の動作により用紙束にステープル処理が施される。ステープル処理後の用紙束は、用紙受け部材の上昇で装置本体外に排出される。
このようなステープルトレイには、ステープルトレイが装置本体から外部に引き出されるに際し、前記用紙受け部材がステープル処理位置から退避した状態で用紙束のステープルトレイからの脱落を防止する用紙脱落防止機構が設けられているため、ステープルトレイで紙詰りによるジャムが発生したような場合、たとえステープル処理位置にステープル処理が施されていない用紙、あるいはすでにステープル処理の施された用紙束が存在しても、この用紙脱落防止機構がそれらのステープルトレイからの脱落を防止する。従って、従来のようにジャムの解消のためにステープルトレイを装置本体から引き出した際に、ステープルトレイから用紙が脱落して装置本体の内外に飛散するような不都合の発生が確実に防止される。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記用紙脱落防止機構は、前記ステープルトレイの幅方向両側部の下端部間に架設された架設フレームの略中央部に設けられる用紙押さえ部材と、前記ステープルトレイが装置本体内に収納された状態で当該用紙押さえ部材と対向配置された装置本体側のガイドレールとを有し、前記用紙押さえ部材は、ステープルトレイが装置本体内に収納された状態でガイドレールに設けられた操作凸条との干渉により用紙束から離間することで用紙束に対する押圧を解除した離間姿勢に姿勢設定される一方、ステープルトレイが装置本体内から引き出されることにより、操作凸条との干渉が解消された状態で用紙束を押さえる押さえ姿勢に姿勢変更することを特徴とするものである。
かかる構成によれば、ステープルトレイが装置本体の収納空間V内に収納された状態では、離間姿勢に姿勢設定された用紙押さえ部材が用紙束と干渉することがないため、用紙受け部材の昇降による用紙束の昇降やステープル処理位置に位置設定された用紙束に対するステープル処理等が支障なく実行される一方、ジャムの解消のためにステープルトレイが収納空間から引き出されたときは、用紙押さえ部材が用紙束を押さえる押さえ姿勢に姿勢変更され、これによって用紙束が用紙押さえ部材によって押さえられるため、用紙束のステープルトレイからの脱落が確実に防止される。
このように機械的な動作のみによって作用する用紙脱落防止機構を採用することにより、例えば、ジャムが発生したときにモータやソレノイド装置等の電気的な部材の動作で用紙束の脱落を防止するように構成された用紙脱落防止機構に比較し、用紙脱落防止機構を簡単なものにすることができ、これによって用紙束の脱落防止を確保した上で装置コストのコストダウンが実現される。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記ステープルトレイでジャムが発生したとき、当該ステープルトレイに設けられた、用紙束の幅寄せ操作用の一対のカーソルを駆動させて当該一対のカーソルで用紙束を挟持させることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、ジャムの発生時にステープルトレイに保持された用紙束が用紙幅方向に傾き、これによってステープルトレイによる用紙束の支持状態が不安定になるような不都合の発生が有効に防止される。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記用紙脱落防止機構は、前記傾斜面の下端部で前記昇降用ベルトと対向配置された支持部材に回動軸回りに回動自在に軸支され、かつ、前記用紙受け部材の前記干渉位置への移動を許容する許容姿勢と前記用紙受け部材の前記干渉位置への移動を規制する規制姿勢との間で姿勢変更可能な規制部材と、前記規制部材に前記規制姿勢へ向かわせるように付勢力を付与する付勢部材と、前記規制部材をステープルトレイの装置本体に対する挿脱に応じて許容姿勢と規制姿勢との間での姿勢変更を案内する案内部材と、前記規制部材に設けられた、当該規制部材が規制姿勢に姿勢設定された状態でステープル処理位置に位置した用紙束を保持する用紙保持部とを備えていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、ステープルトレイを装置本体から引き出すことにより、規制部材は、案内部材から外れることで付勢部材の付勢力により回動軸回りに所定方向に回動して許容姿勢から規制姿勢に姿勢変更するため、昇降用ベルトに支持されて傾斜面上に位置した用紙受け部材は、規制姿勢に姿勢設定された規制部材に規制されて干渉位置へ向かうことがない。従って、ジャム解消のためにたとえ手動操作で用紙受け部材が移動されても当該用紙受け部材が干渉位置に向かうことがないため、ステープルトレイの装置本体に対する挿脱操作時に用紙受け部材がステープラーと干渉することが確実に防止される。
このように干渉回避機構を、用紙受け部材の干渉位置への移動を許容する許容姿勢と用紙受け部材の干渉位置への移動を規制する規制姿勢との間で姿勢変更可能な規制部材と、この規制部材に規制姿勢へ向かわせるように付勢力を付与する付勢部材と、規制部材をステープルトレイの装置本体に対する挿脱に応じて許容姿勢と規制姿勢との間での姿勢変更を案内する案内部材とを備えて構成することにより、ステープルトレイの装置本体に対する挿脱操作における用紙受け部材のステープラーへの干渉の回避を確保した上で、干渉回避機構が電気的な制御を含まない簡単なものになる。
また、規制部材は、規制姿勢に姿勢設定された状態でステープル処理位置に位置した用紙束を保持する用紙保持部を備えているため、ステープル処理位置に位置した規制部材が昇降用ベルトの周回駆動で当該昇降用ベルトの復ベルト側に回り込んだ状態になっても、用紙束は、規制姿勢に姿勢変更した規制部材の用紙保持部によって支持された状態になり、これによってステープルトレイが装置本体内から引き出されても、用紙束がステープルトレイから下方に脱落するような不都合の発生が確実に防止される。
そして、請求項2記載の用紙脱落防止機構と、請求項4記載の用紙脱落防止機構とを併用すれば、ステープルトレイが装置本体から引き出されるに際し、ステープルトレイ上の用紙束は、請求項2および請求項4の用紙脱落防止機構によって二重で脱落が防止されるため、用紙束の脱落防止がさらに確実になる。
請求項1記載の発明によれば、ステープルトレイで紙詰りによるジャムが発生した場合、たとえステープル処理位置にステープル処理が施されていない用紙が存在しても、用紙脱落防止機構がステープルトレイからの用紙束の脱落を防止するため、従来のようにジャムの解消のためにステープルトレイを装置本体から引き出した際に、ステープルトレイから用紙が脱落して装置本体の内外に飛散するような不都合の発生を確実に防止することができる。
請求項2記載の発明によれば、用紙脱落防止機構は、機械的な動作のみによって作用するようになされているため、ジャムが発生したときにモータやソレノイド装置等の電気的な部材の動作で用紙束の脱落を防止するように構成された用紙脱落防止機構に比較し、用紙脱落防止機構を簡単なものにすることができ、これによって用紙束の脱落防止を確保した上で装置コストの低減化に貢献することができる。
請求項3記載の発明によれば、ステープルトレイでジャムが発生したとき、ステープルトレイに設けられた、用紙束の幅寄せ操作用の一対のカーソルを駆動させて当該一対のカーソルで用紙束を挟持するようになされているため、ジャムの発生時にステープルトレイに保持された用紙束が用紙幅方向に傾き、これによってステープルトレイによる用紙束の支持状態が不安定になるような不都合の発生を有効に防止することができる。
請求項4記載の発明によれば、用紙脱落防止機構の構成要素である規制部材は、規制姿勢に姿勢設定された状態でステープル処理位置に位置した用紙束を保持する用紙保持部を備えているため、ステープル処理位置に位置した規制部材が昇降用ベルトの周回駆動で当該昇降用ベルトの復ベルト側に回り込んだ状態になっても、用紙束は、規制姿勢に姿勢変更した規制部材の用紙保持部によって支持された状態になり、これによってステープルトレイが装置本体内から引き出されても、用紙束がステープルトレイから下方に脱落するような不都合の発生を確実に防止することができる。
まず、本発明に係る用紙後処理装置10を外観から説明する。図1および図2は、本発明に係る用紙後処理装置10の一実施形態を示す、表面の外装板が取り除かれた状態の外観視の斜視図であり、図1は、用紙積載整合ユニット20が装置本体11内に収納された状態、図2は、用紙積載整合ユニット20が装置本体11から引き出された状態をそれぞれ示している。また、図3は、本発明に係る用紙後処理装置10の内部構造の一実施形態の概略を示す正面断面視の説明図である。なお、図1〜図3において、X−X方向を左右方向、Y−Y方向を前後方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方、−Y方向を前方、+Y方向を後方という。
まず、図1に示すように、用紙後処理装置10は、外観視で箱形を呈した装置本体11内に用紙P(図3)に対し後処理を施す各種の後処理用の部材が装着されることによって構成されている。前記装置本体11は、底板の前縁部から立設された前板11aと、底板の右縁部から立設された右側板部材11bと、底板の後縁部から立設された図略の背面板と、底板の左縁部から立設された図略の左側板と、前板11a、右側板部材11b、左側板および背面板の上縁部を覆うように架設された天板部材11cとを備えて直方体状に形成されている。
前記前板11aは、底板からの高さ寸法が用紙後処理装置10の高さ寸法の略1/3に設定され、この前板11aの上部に用紙Pへステープル処理を施す用紙積載整合ユニット20を収納するための収納空間Vが設けられているとともに、この収納空間Vを閉止するための二点鎖線で示す前面ドアー12が設けられている。因みに図1および図2では前面ドアー12が開放された状態を示している。
前記右側板部材11bの上部には、画像形成装置(上流側装置)19(図3)から送り込まれた用紙Pを受入れるための用紙受入れ開口13が設けられ、この用紙受入れ開口13を介して用紙後処理装置10内に導入された用紙Pに対し締結孔を穿孔するパンチング処理や、用紙束P1(図3)を締結するステープル処理等が施されるようになっている。
また、前記用紙後処理装置10の左側面には、メイントレイ14が設けられているとともに、このメイントレイ14の上方位置であって天板部材11cの左側部にはサブトレイ15が設けられている。メイントレイ14は、ステープル処理が施された用紙束P1(図3)を受けるためのものであり、所定の昇降手段の駆動で昇降可能に構成され、排出された用紙束P1の部数の増加に従って最上位の位置から順次下降されるようになっている。これに対し、サブトレイ15は、用紙後処理装置10で特に後処理を施されることなく通過して排出される用紙Pや、パンチング処理だけが施された用紙Pを受けるためのものである。
装置本体11内の上部右側には、画像形成装置19から用紙受入れ開口13を通って装置本体11内に送り込まれた直後の用紙Pに対して締結孔を穿孔するためのパンチユニット16が設けられているとともに、このパンチユニット16の左側には、各種のローラを支持する上方フレーム板11dが収納空間Vの前面開口に臨んで設けられている。この上方フレーム板11dの下方であって用紙後処理装置10内の左側には、略三角形状を呈し、かつ、用紙後処理装置10内の左上から右方に向かって先下がりに傾斜して形成された三角フレーム板11eが収納空間Vの前面開口に臨んで設けられている。
かかる上方フレーム板11dの下方における三角フレーム板11eの右方位置(すなわち前記収納空間V)には、画像形成装置19から送り込まれた用紙Pの所定枚数を一時的に貯留した上で、形成された用紙束P1に対し締結針によるステープル処理を施す用紙積載整合ユニット20が設けられているとともに、この用紙積載整合ユニット20の下方位置には、ステープル処理が施されることなく用紙積載整合ユニット20を通過した用紙Pの用紙束P1に対して、その搬送方向の中央位置にステープル処理を施した上で中央位置を境にして折り畳む、いわゆる中折り処理用の中折りユニット17(図3)が設けられている。
前記用紙積載整合ユニット20は、前記三角フレーム板11eの直右側で斜めに配設されたステープルトレイ30と、このステープルトレイ30の右側の斜めの面に沿うように当該ステープルトレイ30に対し回動可能に付設された迂回トレイ40とを備えて構成されている。
前記ステープルトレイ30は、前後方向一対の第1フレーム板(フレームプレート)31(図3)と、これら一対の第1フレーム板31間に斜めに架設されたトレイ本体32(図3)とを備えている。一方、前記迂回トレイ40は、前後方向一対の第2フレーム板41(図3)と、これら一対の第2フレーム板41間にトレイ本体32と略平行に架設された迂回トレイ本体42(図3)とを備えている。
なお、一対の第1フレーム板31の内の前方のものは、図1に示すように、当該第1フレーム板31の本体が化粧板310によって覆われているが、特に区別しないときには、これらを一体的に第1フレーム板31と呼称する。
前記ステープルトレイ30の右側下部適所には、一対の第1フレーム板31間に架設された連結軸33が設けられ、前記迂回トレイ40は、一対の第2フレーム板41の下端部がこの連結軸33に貫通されることにより、連結軸33回りに正逆回動可能とされている。かかる迂回トレイ本体42は、トレイ本体32に被さって閉止した図2に実線で示す閉止姿勢と、トレイ本体32を開放した図2に二点鎖線で示す開放姿勢との間で姿勢変更可能になっている。
前記トレイ本体32(図3)と迂回トレイ本体42との間には、用紙Pを貯留するための所定隙間寸法を備えた後処理空間V1(図3)が形成され、所定枚数の用紙Pがこの後処理空間V1内に順次送り込まれることにより形成した用紙束P1に対してステープル処理が施されるようになっている。
そして、用紙積載整合ユニット20の後処理空間V1で紙詰りが発生したときには、用紙積載整合ユニット20が用紙後処理装置10の収納空間Vから引き出され(図2)、この状態で迂回トレイ40は、オペレータの手作業により実線で示す閉止姿勢から二点鎖線で示す開放姿勢へと姿勢変更される。これによって詰った用紙Pが外部に露出した状態になり、当該詰った用紙Pを容易に取り除くことができる。
本実施形態においては、用紙積載整合ユニット20は、ステープルトレイ30の上下方向中央部より若干下部に設けられた左右一対のガイド部材34(図2)に案内されることにより、用紙後処理装置10の収納空間Vに対して挿脱可能になっている。図2では、図示の都合上、右方のガイド部材34のみを示している。
かかるガイド部材34は、装置本体11の右側板部材11bおよび左側板部材の内面側に前後方向へ向けて延びるように固定された定置レール341と、この定置レール341と対向するようにステープルトレイ30側に固定された可動レール342と、これら定置レール341および可動レール342間に介設されたリテーナー343とを備えて構成されている。
かかるガイド部材34によれば、ステープルトレイ30を用紙後処理装置10の収納空間Vに対して挿脱することにより、可動レール342が定置レール341および可動レール342間で移動するリテーナー343を介して定置レール341にガイドされつつ正逆移動し、これによってステープルトレイ30を収納空間Vから円滑に引き出したり、収納空間Vへ向けて円滑に収納したりすることができる。
そして、前方の第1フレーム板31の適所には、合成樹脂シート等の可撓性材料からなる把手バンド311が設けられ、この把手バンド311を把持して手前に引くことにより、収納空間Vに収納されていた用紙積載整合ユニット20(図1)を外部に引き出すことができる(図2)。
ついで、用紙後処理装置10の内部構造について主に図3に基づき説明する。図3に示すように、用紙後処理装置10内には、画像形成装置19から送り込まれた用紙Pを、その目的に応じて各所へ搬送する用紙搬送路Rが形成されている。
この用紙搬送路Rは、用紙後処理装置10の用紙受入れ開口13から左方に向けて用紙後処理装置10の左右方向の略中央位置まで延びる入口側搬送路R1と、この入口側搬送路R1の下流端から分岐してサブトレイ15へ向けて延びるサブトレイ向け搬送路R2と、入口側搬送路R1の下流端から分岐して用紙積載整合ユニット20の後処理空間V1へ向けて延びるステープルユニット向け搬送路R3と、前記後処理空間V1の上端からメイントレイ14へ向けて延びるメイントレイ向け搬送路R4と、前記ステープルユニット向け搬送路R3の下流端から左方へ分岐してステープルトレイ30へ向かうステープルトレイ向け搬送路R5と、前記ステープルユニット向け搬送路R3の下流端から分岐して右方へ向かう迂回トレイ向け搬送路R6と、迂回トレイ40内を通過して中折りユニット17へ向かう中折りユニット向け搬送路R7とからなっている。
前記パンチユニット16は、入口側搬送路R1の上方位置に設けられ、用紙受入れ開口13を介して入口側搬送路R1へ導入された用紙Pは、一時停止された状態でパンチユニット16の駆動によるパンチング処理で適所に締結孔が穿設されるようになっている。
前記入口側搬送路R1の下流端には、用紙Pの搬送先をサブトレイ向け搬送路R2とステープルユニット向け搬送路R3との間で切り換える切換えガイド18が設けられている。用紙Pにステープル処理を施さないときには、この切換えガイド18の所定の姿勢設定によって用紙Pは、サブトレイ向け搬送路R2を介してサブトレイ15へ排出される。一方、用紙Pにステープル処理を施すときには、切換えガイド18の姿勢変更によって用紙Pはステープルユニット向け搬送路R3を介して用紙積載整合ユニット20へ送り込まれる。そして、所定の枚数の用紙Pが後処理空間V1に貯留されて用紙束P1が形成された状態で当該用紙束P1にステープル処理が施される。ステープル処理後の用紙束P1は、メイントレイ向け搬送路R4を介してメイントレイ14へ排出されることになる。
前記中折りユニット向け搬送路R7は、迂回トレイ40の上下方向の略中間位置から下方に向かって延設され、中折り処理用の用紙Pが迂回トレイ本体42上を通過した後、当該中折りユニット向け搬送路R7を通って中折りユニット17へ導入されるようになっている。かかる中折りユニット向け搬送路R7は、その下部が用紙積載整合ユニット20の下端から左方に向かって先下がりに形成され中折りユニット17へ向かっている。
中折りユニット17は、中折りユニット向け搬送路R7の中央上部に設けられた中折り用ステープラー171と、この中折り用ステープラー171の若干下流側の斜め下方位置に設けられた中折りローラ対172と、中折りローラ対172の下部で当該中折りローラ対172と対向して設けられた板状の押し型173と、前記中折りローラ対172の下流側(上方側)に設けられた搬出ローラ174と、この搬出ローラ174の下流側で所定の軸回りに揺動可能に設けられた押え部材175とを備えて構成されている。
前記押し型173は、用紙束P1が中折りローラ対172の直下に搬入された状態で、中折り用ステープラー171によりステープル処理が施されている部分を、図略の駆動手段の駆動によって中折りローラ対172間に向けて押圧するようになされている。したがって、押し型173により中央部が押圧されて中折り状態になった用紙束P1は、中折りローラ対172の駆動で中折り搬出搬送路内に押し入れられ、搬出ローラ174および押え部材175を介して中折りトレイ176へ向けて排出されることになる。
以下、用紙積載整合ユニット20の構造の概要について図3を基に、必要に応じて図1および図2を参照しながら説明する。図3に示すように、用紙積載整合ユニット20の構成要素であるステープルトレイ30には、前後方向(図3の紙面に直交する方向)一対の第1フレーム板31の適所にベルト用モータ35がその駆動軸351を前後方向に向けた状態で配設されている。
前記駆動軸351には、駆動ローラ352が一体回転可能に装着されている。一方、前記トレイ本体32の上端位置および下端位置における一対の第1フレーム板31間には所定の軸がそれぞれ架設され、各軸の前後方向の中央位置に従動ローラ353がそれぞれ同心で軸支されている。これら一対の従動ローラ353に前記トレイ本体32を挟むようにして昇降用ベルト36が掛け回されている。
そして、前記ベルト用モータ35の駆動は、駆動ローラ352および下方側の従動ローラ353に掛け回された連絡ベルト354および下方側の従動ローラ353を介して昇降用ベルト36に伝達されるようになされている。従って、ベルト用モータ35が駆動すると、昇降用ベルト36は一対の従動ローラ353間を周回することになる。
かかる昇降用ベルト36の表面側には、後処理空間V1内の用紙束P1を受けて昇降させる用紙受け部材37が設けられている。また、トレイ本体32の下端部に対応した位置には用紙束P1にステープル処理を施すためのステープラーを備えたステープルユニット38(図1では楕円内に表示)が設けられている。このステープルユニット38は、装置本体11内の所定のフレームに固定され、用紙束P1がトレイ本体32の下端部に位置した用紙受け部材37に支持された状態で、当該用紙束P1の縁部に対してステープル処理を施すようになっている。
そして、トレイ本体32の下端部で用紙受け部材37によりステープル処理が施された用紙束P1は、ベルト用モータ35の駆動による駆動ローラ352および従動ローラ353を介した反時計方向へ向かう周回による用紙受け部材37の上動によって後処理空間V1内を上昇し、メイントレイ向け搬送路R4を通ってメイントレイ14へ排出されるようになっている。
用紙束P1を排出した後の用紙受け部材37は、ベルト用モータ35の駆動継続により上方の従動ローラ353を経由してトレイ本体32の裏側へ回り込み、トレイ本体32の裏側における下方の従動ローラ353の若干上方位置に設定されたホームポジションに戻される。そして、次の用紙Pにステープル処理を施すに際し、昇降用ベルト36は、ベルト用モータ35の駆動で反時計方向に向けて周回し、下方の従動ローラ353を経由してトレイ本体32の表面側の所定の位置へ向かわされる。
前記迂回トレイ40は、閉止姿勢に姿勢設定された状態で前記トレイ本体32との間に後処理空間V1を形成させるべく当該トレイ本体32と対向状態で一対の第2フレーム板41間に架設された迂回トレイ本体42と、この迂回トレイ本体42の上面側と対向するように一対の第2フレーム板41間に架設されたカバープレート43と、このカバープレート43の上端の若干上方位置に上方に設けられた、用紙積載整合ユニット20向け搬送路R3からの用紙Pをステープルトレイ30の後処理空間V1および迂回トレイ40の退避空間V2間で振り分ける分岐ガイド44と、カバープレート43の上端位置近傍に設けられたステープルユニット向け搬送路R3からの用紙Pを分岐ガイド44へ向けて押え付ける押え部材45と、ステープルユニット向け搬送路R3から退避空間V2へ送り込まれた用紙Pを一時的に貯留させる一方、駆動することにより用紙Pを下方へ向けて搬送するバルブローラ対46と、このバルブローラ対46の直下位置に設けられ、迂回トレイ40へ導入された用紙Pの搬送先をステープルトレイ30の後処理空間V1と中折りユニット向け搬送路R7との間で切り換える第2切換えガイド47とを備えて構成されている。
前記分岐ガイド44は、ステープルトレイ向け搬送路R5と迂回トレイ向け搬送路R6との間に設けられ、第1架設軸441回りの正逆回動でステープルユニット向け搬送路R3から送り込まれた用紙Pをステープルントレイ向け搬送路R5へ向かわせたり、迂回トレイ向け搬送路R6へ向かわせたりするようになっている。
前記迂回トレイ本体42は、下端部がトレイ本体32の上下方向の略中央部に位置するように短めに長さ設定されているのに対し、前記カバープレート43は、下端部が連結軸33の若干上方位置に位置するように長尺に寸法設定され、これによってバルブローラ対46の駆動で退避空間V2から下方へ送られた用紙Pがカバープレート43の下部に案内されて中折りユニット向け搬送路R7へ確実に向かうようになっている。
一方、前記入口側搬送路R1の上流端には、用紙受入れ開口13からの用紙Pを受け入れる受入れローラ対131が設けられているとともに、同下流端には、用紙Pを下流側へ払い出す払出しローラ対132が設けられている。払出しローラ対132によって払い出された用紙Pは、設定された切換えガイド18の姿勢に応じてサブトレイ向け搬送路R2およびステープルユニット向け搬送路R3のいずれかに向けて払い出される。
因みに、図3に示す例では切換えガイド18は、用紙Pをステープルユニット向け搬送路R3へ向かわせるように姿勢設定された状態が実線で示され、サブトレイ向け搬送路R2へ向かわせるように姿勢設定された状態が二点鎖線で示されている。
また、ステープルユニット向け搬送路R3の下流端には、迂回トレイ本体42の上部に臨むように設けられて入口側搬送路R1からの用紙Pを用紙積載整合ユニット20の上部へ導く導入ローラ対133が設けられている。
前記迂回トレイ本体42は、その上縁部が分岐ガイド44を介して前記導入ローラ対133の略直下位置に位置し、かつ、下縁部がトレイ本体32の上下方向の略中間に位置するように長さ設定されている一方、前記カバープレート43は、上縁部が迂回トレイ本体42の上縁部と略同一の高さレベルに設定されているとともに、下縁部が迂回トレイ本体42の下縁部より下方に位置して用紙Pを中折りユニット向け搬送路R7へ導き得るように寸法設定及び形状設定されている。そして、前記バルブローラ対46より上方の迂回トレイ本体42およびカバープレート43間に、迂回させた用紙Pを一時的に退避させる退避空間V2が形成されている。また、前記中折りユニット向け搬送路R7は、前記バルブローラ対46より下方位置におけるカバープレート43の裏面側に形成されている。
このように構成された用紙後処理装置10において、本実施形態においては前方の第1フレーム板31における上下方向の中央部より若干下方で、かつ、右側に寄った位置に視認孔312が設けられているとともに、この視認孔312の下方位置に円形の操作ハンドル313が設けられている。
前記視認孔312は、用紙積載整合ユニット20を収納空間Vから引き出すに際し、用紙受け部材37がステープルユニット38と干渉しない位置に位置設定されているか否かを視認するためのものである。かかる視認を行うために、前記下方の従動ローラ353および所定のギヤ機構を介してと前記用紙受け部材37の周回と同期回転する図略の視認用円板が設けられている。この視認用円板は、表面側が偏心状態で前記視認孔312と対向されているとともに、当該表面側には、周方向で用紙受け部材37がステープルユニット38と干渉する範囲に亘り例えば赤色などの警戒色が塗布されている。従って、オペレータは、この視認孔312から警戒色を視認したときには、用紙積載整合ユニット20を引き出すと用紙受け部材37がステープルユニット38と干渉することを認識することができる。
前記操作ハンドル313は、前方の第1フレーム板31を貫通するように延設された下方の従動ローラ353のローラ軸に同心で一体回転可能に外嵌されている。この操作ハンドル313をローラ軸回りに回転操作することにより従動ローラ353が回転し、これによってトレイ本体32を上下の駆動ローラ352間で周回させて用紙受け部材37を移動させ得るようになっている。
従って、用紙積載整合ユニット20を装置本体11の収納空間Vから引き出すに際しては、まず、視認孔312が目視され、警戒色が視認されたときには、操作ハンドル313を回転操作して視認孔312から警戒色が消えるようにすればよい。こうすることで用紙受け部材37はステープルユニット38と干渉する位置から退避した状態になるため、用紙積載整合ユニット20を引き出しても用紙受け部材37がステープルユニット38と干渉することはなく、用紙受け部材37やステープルユニット38が破損するような不都合が生じることはない。
図4は、ステープルトレイ30と、ステープルユニット38と、本発明に係る用紙脱落防止機構50との間の位置関係を説明するための斜視図である。なお、図4におけるXおよびYによる方向表示は図1の場合と同様(Xは左右方向(−X:左方、+X:右方)、Yは前後方向(−Y:前方、+Y:後方))である。
まず、ステープルトレイ30の構成要素であるトレイ本体32は、図4に示すように、前後方向一対の第1フレーム板31間の略上半分の位置に右方に向かって先下がりに傾斜した状態で当該第1フレーム板31間に架設された矩形状の支持枠体321と、この支持枠体321の右方位置で当該支持枠体321と平行に一対の第1フレーム板31間に架設されたトレイプレート322と、このトレイプレート322の前後方向の中央部に互いに所定距離離間して固定された上下方向に長尺の一対のベルト挟持板323と、前記トレイプレート322前後の縁部とベルト挟持板323との間で互いに反対方向に移動可能に配設された、用紙束P1を挟持するための前後方向一対のカーソル324と、このカーソルを移動させるカーソル移動機構325とを備えている。
前記支持枠体321は、前後方向一対の縦枠321aと、上下方向一対の横枠321bとで矩形状に形成されている。かかる支持枠体321の各縦枠321aがボルト止め等によって前後の第1フレーム板31にそれぞれ固定されることにより支持枠体321が一対の第1フレーム板31間に装着されている。
前記トレイプレート322は、上縁部が支持枠体321の下部の横枠321bと右方で対向配置された状態において前後の縁部が対応した第1フレーム板31にそれぞれボルト止め等によって固定されている。
前記一対のベルト挟持板323は、トレイ本体32の右面側で前記昇降用ベルト36を挟むように配設されている。かかるベルト挟持板323は、支持枠体321およびトレイプレート322の各上下寸法を加えた寸法より若干長めに長さ設定され、略下半分がトレイプレート322に固定された状態で略上半分がトレイプレート322の上縁部から上方に向かって突出している。トレイ本体32に供給された用紙Pは、用紙受け部材37に受けられた後、昇降用ベルト36の周回による当該用紙受け部材37の昇降によりこのベルト挟持板323の上面を摺動しながら昇降する。
前記一対のカーソル324は、ステープルトレイ30において用紙受け部材37に受けられた用紙Pの幅寄せを行うものであり、用紙Pが用紙受け部材37に受けられた都度、当該用紙Pのサイズに応じて互いに対向する方向に往復動し、これによって用紙束P1の前後幅の位置を整合するようになされている。
かかる各カーソル324は、横断面視でL字状を呈しており、略下半分の裏面がトレイプレート322の表面に摺接した、上下寸法が前記ベルト挟持板323より若干短尺の摺接板324aと、各摺接板324aの長手方向の対向縁部と反対側の各縁部から直角に右方に向かってそれぞれ突設された上下方向に延びる幅寄せ板324bとからなっている。このようなカーソル324は、トレイプレート322の表面に重ねられた状態で略上半分がトレイプレート322から上方に向かって突出した状態になっている。
そして、各カーソル324のトレイプレート322から上方に突出した部分の適所には、幅寄せ板324bの外面側から左方に向かって突設されたブラケット324cがそれぞれ設けられている。これら一対のブラケット324cには、前記支持枠体321の一対の縦枠321a間に水平に架設された架設ロッド321cが摺接状態で挿通されている。従って、各カーソル324は、ブラケット324cを介して前記架設ロッド321cに案内されつつ前後方向に移動し得るようになっている。
また、各カーソル324には、各幅寄せ板324bの右方縁部から互いに対向方向に向けて突設された上下方向各一対の外れ止め片324dがそれぞれ設けられ、カーソル324によって幅寄せされた用紙束P1は、前後の縁部がこれらの外れ止め片324dに規制されることでカーソル324から外れることが防止されるようになっている。
前記カーソル移動機構325は、前記各カーソル324の摺接板324aにそれぞれ互いに平行になるように固定された一対のラック325aと、各ラック325aにそれぞれ噛合する一対のピニオン325bと、各ピニオン325bをそれぞれ軸心回りに駆動回転させる一対の幅寄せモータ325cとを備えて構成されている。
前記各ラック325aは、各カーソル324の摺接板324aの裏面側に前記架設ロッド321cを挟んで互い違いに設けられている。下部のラック325aは、下縁面側にラック歯が形成されている一方、上部のラック325aは、上縁面側にラック歯が形成されている。
前記各幅寄せモータ325cは、支持枠体321の枠内に所定の支持部材を介して装着されている。かかる一対の幅寄せモータ325cは、互いに同一量だけ反対方向に向けて駆動回転するようになされている。従って、各カーソル324は、一対の幅寄せモータ325cが駆動することにより、それぞれのピニオン325bおよびラック325aを介して互いに反対方向に向けて同一量だけ正逆移動する。
そして、画像形成装置19からの用紙Pがトレイ本体32に供給される都度、当該用紙Pのサイズに応じて幅寄せモータ325cが正逆駆動され、これによる一対のカーソル324の最小離間距離が用紙Pの前後幅寸法になる往復動によって用紙受け部材37が支持した用紙束P1の幅寄せ(幅方向の整合処理)が実行されることになる。
これに加えて本実施形態においては、用紙後処理装置10内でジャムが発生したとき、これを検出してこの検出信号を装置本体11内の適所に設けられた図略の制御装置に入力するようになされている。そして、この検出信号が入力された制御装置は、各幅寄せモータ325cへ向けて制御信号を出力し、これによって各幅寄せモータ325cは、一対のカーソル324の幅寄せ板324b間の距離が、現にトレイ本体32へ送り込まれている用紙Pの前後幅寸法になるように駆動される。
従って、幅寄せ処理のために各カーソル324が互いに幅寄せ位置から離間しているようなときであっても、ジャムが発生すると各カーソル324は、用紙束P1を挟持するように移動するため、用紙束P1は、これらのカーソル324に挟持される。従って、用紙後処理装置10内で紙詰りによるジャムが発生したとき、このジャムを解消するべくステープルトレイ30を装置本体11の収納空間Vから引き出し、後述する用紙押さえアーム515によって用紙束P1のトレイ本体32からの落下が防止された状態で、トレイ本体32に支持されている用紙束P1が前後方向にバラバラになって後のジャム解消作業が困難になるような不都合の発生が有効に防止される。
なお、本発明に係る傾斜面は、トレイプレート322、ベルト挟持板323および各カーソル324の摺接板324aそれぞれの上面によって形成されている。
前記ステープルユニット38は、トレイプレート322の下端部より若干下方位置に当該下端部と対向配置されている。かかるステープルユニット38は、用紙受け部材37に支持されながら昇降用ベルト36の周回によってトレイ本体32の表面を下降し、ステープル処理位置に到達した用紙束P1の下端縁部の前後方向の適所に綴結針を打ち込んでステープル処理を施すものである。かかるステープルユニット38は、綴結針を貯留するホルダーや、このホルダーから順番に綴結針を綴結位置へ送り込む送り込み機構、さらには、送り込まれた綴結針を用紙束P1へ打ち込む打ち込み機構等を有し、これらの機構の連係動作によって用紙束P1にステープル処理を施すようになっている。
そして、本実施形態においては、トレイプレート322の最下部の右方側の位置における一対の第1フレーム板31間に架設フレーム326が架設されている。この架設フレーム326は、前記用紙受け部材37が昇降用ベルト36の下降によって最下位置に位置した状態で、当該用紙受け部材37に支持されている用紙束P1を保護するものであり、これによってステープルユニット38が支障なく用紙束P1に対しステープル処理を施し得るようになっている。
このような架設フレーム326に、本発明に係る用紙脱落防止機構50が設けられている。すなわち、用紙束P1がステープル処理位置に位置設定された状態で装置本体11内において紙詰まりによるジャムが発生した場合、用紙受け部材37は、ステープルユニット38によるステープル処理のために所定の退避位置(図3に二点鎖線で示すトレイ本体32の裏側(左側)下部の位置)に移動しているため、この状態で用紙積載整合ユニット20が装置本体11の収納空間Vから引き出されてしまうと、用紙束P1は、用紙受け部材37によって支持されない状態でトレイ本体32に同伴して収納空間Vから外部に引き出されてしまうことになる。
そして、用紙束P1が用紙受け部材37に支持されない状態で外部に引き出されていくと、当該用紙束P1は、ステープルユニット38側の用紙支持アーム381(図5)から外れる際にステープルトレイ30の下部から下方に滑り落ち、これによって用紙Pが周りに飛散してしまい、これを片付けるのに手間がかかるという不都合が生じる。このような不都合を解消するべく、用紙脱落防止機構50が設けられている。
図5は、用紙脱落防止機構50を説明するため図4から架設フレーム326およびステープルユニット38を抜き出して示した斜視図である。また、図6は、用紙脱落防止機構50の拡大斜視図であり、図6(A)は、用紙押さえ部材51が用紙束P1から離間した離間姿勢S1に姿勢設定された状態、図6(B)は、用紙押さえ部材51が用紙束P1を押さえた押さえ姿勢S2に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。なお、図5および図6におけるXおよびYによる方向表示は図1の場合と同様(Xは左右方向(−X:左方、+X:右方)、Yは前後方向(−Y:前方、+Y:後方))である。
まず、図5に示すように、用紙脱落防止機構50は、架設フレーム326の前後方向の略中央部に設けられた用紙押さえ部材51と、用紙積載整合ユニット20が収納空間V(図1)に収納された状態における当該用紙押さえ部材51と装置本体11側で対向配置されたガイドレール59とを備えて構成されている。前記ガイドレール59は、装置本体11の収納空間V内における図略の所定のフレームに用紙押さえ部材51と対向した状態で前後方向に延びるように固定されている。
前記用紙押さえ部材51は、図6に示すように、架設フレーム326の上部の突設縁部326aと、架設フレーム326の適所が右方に向けて切り起こされることにより形成した切り起こし板326dとの間に架設された縦軸511と、この縦軸511回りに回動自在に外嵌された円筒体512と、この円筒体512の周面から径方向の斜め前方に向かって突設されたローラ支持アーム513と、このローラ支持アーム513の先端側に装着されたガイドレール59に当接する当接ローラ514と、前記ローラ支持アーム513と反対側に向けて円筒体512から突設された用紙押さえアーム515と、この用紙押さえアーム515を押さえ姿勢S2へ向けて付勢する付勢部材としてのコイルスプリング516とを備えている。
一方、架設フレーム326には、用紙押さえアーム515に対応した位置に、用紙押さえアーム515を挿通させる挿通窓326bが設けられている。この挿通窓326bは、前記架設フレーム326の適所が切り起こされることによって形成されている。そして、離間姿勢S1(図6(A))に姿勢設定されていた用紙押さえ部材51が押さえ姿勢S2(図6(B))に姿勢変更されるに際し、用紙押さえアーム515がこの挿通窓326bから左方に向かって突出し、これによって当該用紙押さえアーム515がトレイ本体32上の用紙束P1を押さえるようになっている。
前記縦軸511は、架設フレーム326の前後方向の中央部より若干後方寄りの位置に設けられ、これによって押さえ姿勢S2姿勢設定された前記用紙押さえアーム515の先端が用紙受け部材37(図4)と干渉しないようになされている。
前記円筒体512は、上下寸法が縦軸511の長さ寸法より若干短めに設定され、上下方向で余裕をもって縦軸511に外嵌され、これによって円筒体512が縦軸511に外嵌された状態で当該縦軸511の上部が外部に露出している。
前記ローラ支持アーム513は、円筒体512の周面から所定寸法突出した状態で上方に向かって延びた縦アーム513aと、この縦アーム513aの上端から円筒体512の径方向の外方に向かって突設された横アーム513bとからなっている。横アーム513bは、円筒体512の上端部より上方位置に高さ設定されている。前記横アーム513bは、円筒体512から斜め前方に突出した状態でガイドレール59の左面と当接し得るように長さ寸法が設定されている。
前記当接ローラ514は、前記ローラ支持アーム513の横アーム513bの先端側下部に設けられている。かかる当接ローラ514は、横アーム513bの先端から下方に向けて突設されたローラ軸514a回りに回転自在に軸支されている。このような当接ローラ514は、直径が横アーム513bの平面視における幅寸法より大きめに設定され、これによって横アーム513bの先端および両側部から突出した状態になっている。
前記用紙押さえアーム515は、用紙押さえ部材51が押さえ姿勢S2に姿勢設定された状態で前記挿通窓326bを通ってトレイ本体32上の用紙束P1を押圧するものである。かかる用紙押さえアーム515は、円筒体512の径方向の長さ寸法が用紙束P1を押さえ得る寸法に設定されている。
前記コイルスプリング516は、ローラ支持アーム513の縦アーム513aの上端部右面に突設された係止突起513cと、架設フレーム326が右方に向かって切り起こされることによって形成した切起こし片326cとの間に伸長状態で架設されている。前記切起こし片326cは、係止突起513cと対向するように前記挿通窓326bの後方位置に設けられている。用紙押さえ部材51には、かかるコイルスプリング516の付勢力により、縦軸511回りに図6における反時計方向に向けた力が加わるようになされている。
前記ガイドレール59は、用紙積載整合ユニット20の装置本体11に対する挿脱操作に応じて前記当接ローラ514をガイドするものであり、装置本体11内の図略の所定のフレームに前後方向に延びた状態で固定された長尺のレール本体591と、用紙積載整合ユニット20が装置本体11の収納空間V内に収納された状態で前記当接ローラ514と対向する位置に所定の凸出量で凸設された前後方向に延びる操作凸条592とを備えて構成されている。
そして、用紙積載整合ユニット20が収納空間V内に収納された状態では、当接ローラ514がコイルスプリング516の付勢力に抗して操作凸条592へ乗り上げ、これによるローラ支持アーム513の縦軸511回りの時計方向へ向かう回動で用紙押さえ部材51は、図6(A)に示すように、用紙押さえアーム515の先端がトレイ本体32上の用紙束P1から離間した離間姿勢S1に姿勢設定されるようになっている。
これに対し、用紙積載整合ユニット20が収納空間Vから引き出された状態では、当接ローラ514は、操作凸条592から外れることによりコイルスプリング516の付勢力で縦軸511回りに反時計方向に向けて回動し、これにより当該用紙押さえアーム515の先端がトレイ本体32のトレイプレート322上の用紙束P1を押圧するようになっている。
従って、用紙後処理装置10内でジャムが発生し、これによって用紙受け部材37を退避位置へ退避させた状態(すなわち、用紙束P1が用紙受け部材37によって支持されない状態)で用紙積載整合ユニット20を装置本体11の収納空間Vから外部へ引き出しても、用紙束P1は、トレイ本体32から下方に向けてずり落ちることはなく、従って、用紙束P1がバラバラになって外部に飛散するような不都合の発生は確実に防止される。
そして、前記操作凸条592の前端位置には、前方に向かって右側へ先下がりに傾斜した傾斜部592aが設けられている。この傾斜部592aの存在により、収納空間Vから引き出された用紙積載整合ユニット20が収納空間V内に押し込まれるに際し、当接ローラ514は、この傾斜部592aに誘導されることで容易に操作凸条592の左面上に乗り上げることが可能であり、用紙押さえ部材51の押さえ姿勢S2から離間姿勢S1への姿勢変更をスムーズに行わせることができる。
図7は、用紙脱落防止機構50の作用を説明するために当該用紙脱落防止機構50を模式的に単純化して示した平面視の断面図であって、図7(A)は、用紙積載整合ユニット20が装置本体11の収納空間Vに収納された状態、図7(B)は、用紙積載整合ユニット20が装置本体11の収納空間Vから引き出された状態をそれぞれ示している。なお、図7におけるXおよびYによる方向表示は図1の場合と同様(Xは左右方向(−X:左方、+X:右方)、Yは前後方向(−Y:前方、+Y:後方))である。
まず、図7(A)に示すように、用紙積載整合ユニット20が収納空間V内に収納された状態では、用紙押さえ部材51の当接ローラ514がガイドレール59の操作凸条592に乗り上げ、これによるコイルスプリング516の付勢力に抗した縦軸511回りの時計方向に向かう回動によって用紙押さえアーム515が挿通窓326bの左方位置に位置している。したがって、この状態では、用紙受け部材37の下降により用紙束P1がステープル処理位置へ移動するに際し、当該用紙束P1が用紙押さえアーム515と干渉することはない。
これに対し、ステープルトレイ30や迂回トレイ40(図1)において紙詰まりによるジャムが発生した場合、これを解消するために用紙積載整合ユニット20が装置本体11の収納空間Vから外部に引き出されることになるが、用紙受け部材37が最下位に位置した状態(図7(A))で用紙積載整合ユニット20が引き出されると、用紙受け部材37がステープルユニット38と干渉して破損するという不都合が生じる。そこで、かかる不都合を回避するべく前記操作ハンドル313(図1)が操作されて用紙受け部材37がステープルユニット38と干渉しない位置へ退避された後に用紙積載整合ユニット20が収納空間Vから引き出される。
そうすると、コイルスプリング516によって縦軸511回りに反時計方向へ向けて付勢された当接ローラ514は、操作凸条592の右面上を転動し傾斜部592aの右面側を通ってレール本体591の右面上へ移る。この当接ローラ514の移動によって用紙押さえアーム515は、縦軸511回りに反時計方向に回動する。
そして、用紙積載整合ユニット20が装置本体11の収納空間Vから外部に引き出された状態では、図7(B)に示すように、用紙押さえアーム515は、コイルスプリング516の付勢力により縦軸511回りに反時計方向に向かう力を受け、これによって用紙押さえアーム515の先端が用紙束P1をトレイ本体32へ向けて押し付けるため、用紙束P1は、用紙受け部材37によって支持されていなくてもトレイ本体32から下方へ落下することが防止される。
以上詳述したように、本発明に係る用紙後処理装置10は、上流側装置である画像形成装置19から装置本体11内に順次送り込まれた用紙Pを受けて形成された用紙束P1に対し少なくともステープル処理を施し得るように構成されたものを前提とし、装置本体11に対し挿脱可能に構成されたステープルトレイ30と、このステープルトレイ30の下方位置に対向配置されたステープルユニット38とを有する基本構成を備えている。
そして、ステープルトレイ30は、画像形成装置19から順次送り込まれた用紙Pが積層される傾斜面(トレイプレート322およびベルト挟持板323の表面)と、用紙Pを順次受けて形成された用紙束P1をステープル処理位置へ下降させる、昇降用ベルト36の周回により前記傾斜面に沿って昇降可能な用紙受け部材37と、この用紙受け部材37がステープルユニット38との干渉を回避するべくステープル処理位置から退避した状態でステープルトレイ30が装置本体11から外部に引き出されるに際し、用紙束P1のステープルトレイ30からの脱落を防止する用紙脱落防止機構50とを備えている。
ステープルトレイ30をこのように構成することにより、画像形成装置19から装置本体11内へ順次送り込まれた用紙Pは、所定の高さ位置に位置設定された用紙受け部材37に順次受けられ、これによって傾斜面上に次々と積層されていく。そして、予め設定された所定枚数の用紙Pからなる用紙束P1が傾斜面上に形成されると、用紙受け部材37が昇降用ベルト36の周回駆動で下降され、これによって用紙受け部材37に支持された用紙束P1は、ステープル処理位置に位置設定される。この状態でステープルユニット38の所定の動作により用紙束P1にステープル処理が施される。ステープル処理後の用紙束P1は、昇降用ベルト36の周回駆動による用紙受け部材37の上昇で装置本体11外に排出され、メイントレイ14によって受けられる。
このようなステープルトレイ30には、用紙受け部材37がステープルユニット38との干渉を回避するべくステープル処理位置から退避した状態でステープルトレイ30が装置本体11から外部に引き出されるに際し、用紙束P1のステープルトレイ30からの脱落を防止する用紙脱落防止機構50が設けられている。
従って、ステープルトレイ30で紙詰りによるジャムが発生したような場合、たとえステープル処理位置にステープル処理が施されていない用紙Pあるいはステープル処理済みの用紙束P1が存在しても、この用紙脱落防止機構50がステープルトレイ30からの脱落を防止する。
その結果、従来のようにジャムの解消のためにステープルトレイ30を装置本体11から引き出した際に、ステープルトレイ30から用紙Pが脱落して装置本体11の内外に飛散するような不都合の発生が確実に防止される。
かかる用紙脱落防止機構50は、ステープルトレイ30の幅方向両側部の第1フレーム板31間に架設された架設フレーム326の略中央部に設けられた用紙押さえ部材51と、ステープルトレイ30が収納空間Vに収納された状態において装置本体11側で当該用紙押さえ部材51と対向配置されたガイドレール59とを備えている。
そして、前記用紙押さえ部材51は、ステープルトレイ30が装置本体11の収納空間V内に挿入された状態でガイドレール59の操作凸条592との干渉により用紙束P1から離間することで用紙束P1に対する押圧を解除した離間姿勢S1に姿勢設定される一方、ステープルトレイ30が装置本体11の収納空間V内から引き出されることにより、操作凸条592との干渉が解消されて用紙束P1を押さえる押さえ姿勢S2に姿勢変更するようになされている。
従って、ステープルトレイ30が装置本体11の収納空間V内に収納された状態では、離間姿勢S1に姿勢設定された用紙押さえアーム515が用紙束P1と干渉することがないため、用紙受け部材37の昇降による用紙束P1の昇降やステープル処理位置に位置設定された用紙束P1に対するステープル処理等が支障なく実行される一方、ジャムの解消のためにステープルトレイ30が収納空間Vから引き出されたときは、用紙押さえアーム515が用紙束P1を押さえる押さえ姿勢S2に姿勢変更され、これによって用紙押さえアーム515が用紙束P1を押さえるため、用紙束P1のステープルトレイ30からの脱落が確実に防止される。
このように機械的な動作のみによって作用する用紙脱落防止機構50を採用することにより、例えば、ジャムが発生したときにモータやソレノイド装置等の電気的な部材の動作で用紙束P1の脱落を防止するように構成された用紙脱落防止機構に比較し、用紙脱落防止機構50を簡単なものにすることができ、これによって用紙束P1の脱落防止を確保した上で装置コストのコストダウンを実現することができる。
さらに、本発明においては、ステープルトレイ30でジャムが発生したとき、このジャムの発生を検出してステープルトレイ30に設けられた、用紙束P1の幅寄せ操作用の一対のカーソル324を駆動させて当該一対のカーソル324で用紙束P1を挟持するようになされているため、ジャムの発生時にステープルトレイ30に保持された用紙束P1が用紙幅方向に傾き、これによってステープルトレイ30による用紙束P1の支持状態が不安定になるような不都合の発生が有効に防止される。
ついで、本発明に係る用紙脱落防止機構の他の実施形態として機能する干渉回避機構60について図8および図9を基に説明する。本実施形態においては、用紙束P1の脱落を防止する機構として上記の用紙脱落防止機構50の他に、用紙受け部材37のステープルユニット38との干渉を回避するとともに、ステープルトレイ30からの用紙束P1の脱落を防止する機能をも備えた干渉回避機構60が設けられている。
図8は、干渉回避機構60の一実施形態を示す斜視図であり、用紙積載整合ユニット20が装置本体11の収納空間Vから引き出された状態を示している。また、図9は、干渉回避機構60の構成要素である規制部材61の動作を説明するための部分斜視図であり、図9(A)は、規制部材61が許容姿勢T1に姿勢設定された状態、図9(B)は、規制部材61が規制姿勢T2に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。なお、図8および図9におけるXおよびYによる方向表示は、図1の場合と同様(Xは左右方向(−X:左方、+X:右方)、Yは前後方向(−Y:前方、+Y:後方))である。
まず、図8に示すように、干渉回避機構60は、昇降用ベルト36の下端部に対向配置された規制部材61と、この規制部材61を支持する支持部材62と、前記規制部材61に付勢力を付与する捻りバネ(付勢部材)63と、前記規制部材61を用紙積載整合ユニット20の装置本体11に対する挿脱に応じて許容姿勢T1と規制姿勢T2との間で姿勢変更させる第2ガイドレール(案内部材)69とを備えて構成されている。
前記規制部材61は、用紙受け部材37が装置本体11の収納空間Vから引き出されるに際し、ステープル処理位置を含む干渉位置に位置した用紙受け部材37を強制的に昇降用ベルト36の往ベルト側(図8における右側、すなわち傾斜面の表側)に移動させたり、あるいは、たとえ前記操作ハンドル313(図1)が操作されても往ベルト上に位置した用紙受け部材37が干渉位置へ移動しないようにしたりするものである。かかる規制部材61の動作によって用紙積載整合ユニット20を収納空間Vから引き出しても用紙受け部材37がステープルユニット38と干渉しないようになっている。
因みに、本実施形態においては、ステープルユニット38は、上縁部の所定の前後位置から右方に向けて突設された用紙束P1を受けて支持するための所定本数の用紙支持アーム381(図5参照)を有している。ステープル処理位置に位置設定された用紙束P1は、用紙受け部材37が昇降用ベルト36の復ベルト側(傾斜面の背面側)へ退避した状態でこれらの用紙支持アーム381に支持された上でステープル処理が施されるようになっている。そして、用紙積載整合ユニット20が装置本体11の収納空間Vから引き出されるときに用紙受け部材37が具体的に干渉するのは、前方側の用紙支持アーム381である。
前記支持部材62は、昇降用ベルト36の往ベルトの下端部を覆った状態で前記規制部材61を回動自在に支持するものである。かかる支持部材62は、端面視で逆U字状を呈する上下方向に延びた逆U字カバー体621と、この逆U字カバー体621の前後の側板の左端縁部から互いに前後の反対方向へ向けた突設された前後方向一対のウイング片622と、前記逆U字カバー体621の下端部から右方に向けて切り起こされて形成した前後方向一対のブラケット623とを備えている。
そして、前記逆U字カバー体621を用紙受け部材37と対向させた状態で当該逆U字カバー体621の天板の略下半分の部分がネジ止めで前記架設フレーム326に固定されることにより支持部材62が架設フレーム326に装着されるようになっている。
前記ウイング片622は、用紙受け部材37がステープル処理位置に位置した状態で、当該用紙受け部材37に支持された用紙束P1の厚みの変動を抑え、これによって用紙束P1に対し安定したステープル処理が施し得るようにするものである。かかる各ウイング片622の上端部およびそれより下方の適所には右方に向けて所定角度だけ折り曲げられることによって形成した誘導片622aが設けられ、用紙受け部材37に支持されつつ下降した用紙束P1は、これらの誘導片622aに誘導されることにより用紙受け部材37とウイング片622との間の隙間に円滑に入り込むようになっている。
前記規制部材61は、正面視で左右が反転した逆Z字状に形成され、逆Z字の上部の横棒に対応する操作片611と、逆Z字の斜め棒に対応する傾斜片612と、この傾斜片612の下端部から左方に向かって延設された逆Z字の下棒に対応する押圧片613とを備えている。かかる規制部材61は、前後幅寸法が前記一対のブラケット623間の内寸法より小さめに設定され、これによって一方のブラケット623と規制部材61との間に前記捻りバネ63を装着し得るようになっている。
因みに、規制部材61が逆Z字状に形成されているのは、本実施形態における当該規制部材61と、用紙受け部材37および第2ガイドレール69との間の相対的な位置関係によるものであり、用紙受け部材37や第2ガイドレール69の形状が変わればこれに応じて規制部材61の形状も変化する。
前記操作片611は、用紙積載整合ユニット20が装置本体11の収納空間Vに対して挿脱されることにより前記第2ガイドレール69と干渉したり干渉が解消されたりすることにより規制部材61の姿勢を許容姿勢T1(図9(A))と規制姿勢T2(図9(B))との間で姿勢変更させるものである。かかる操作片611は、その先端縁部から外方に向かって突設された突設片611aを有し、この突設片611aが第2ガイドレール69と干渉するようになされている。
また、前記操作片611と傾斜片612との接合位置の角部には、前後方向に延びた回動軸614が設けられている。そして、この回動軸614の両端部が前記一対のブラケット623の下方位置にそれぞれ貫通されることにより、規制部材61が回動軸614回りに回動し得るようになっている。
前記傾斜片612および押圧片613は、用紙積載整合ユニット20が装置本体11の収納空間Vから引き出されることによって規制部材61が許容姿勢T1から規制姿勢T2に姿勢変更するに際し、干渉位置に位置した用紙受け部材37を往ベルト側の上方(すなわち退避位置)へ向けて押し上げるものであり(図9(B)参照)、当該姿勢変更によって用紙受け部材37を押し上げ得るように寸法設定されている。
前記捻りバネ63は、規制部材61を規制姿勢T2へ向けて付勢するものであり、コイルスプリングの各端部がコイルスプリングの延びる方向と直交する方向へそれぞれ延設されることによって形成されている。かかる捻りバネ63は、コイルスプリングが規制部材61から後方に向けて突設された回動軸614に外嵌された状態で当該規制部材61と後方のブラケット623との間に介設されている。
一方、規制部材61の操作片611には、その後縁部から上方に向かって突設された係止片615が設けられているとともに、後方のブラケット623には、上縁部から切り込まれることによって形成した係止溝623aが設けられている。そして、前記捻りバネ63は、コイルスプリングの部分が回動軸614に外嵌された状態で前端部が係止片615に貫通されるとともに、後端部が係止溝623aに嵌め込まれることによって規制部材61とブラケット623との間に装着されるようになっている。
このように構成された規制部材61において、前記傾斜片612と前記押圧片613とで本発明に係る用紙保持部が形成されている。そして、ステープル処理位置に位置し用紙束P1は、規制部材61が規制姿勢T2に姿勢設定された状態(図9(B))でこの用紙保持部により保持されるようになっている。従って、用紙積載整合ユニット20が装置本体11から引き出された状態では、前記用紙脱落防止機構50に加えて干渉回避機構60によっても用紙束P1のトレイ本体32からの落下が防止され、用紙束P1が落下して周りに飛散することが確実に阻止されるようになっている。
前記第2ガイドレール69は、突設片611aとの干渉で規制部材61を許容姿勢T1に姿勢設定させる一方、干渉解除で規制部材61を押さえ姿勢S2に姿勢変更させるものであり、装置本体11内における前記架設フレーム326の下部右方位置で当該架設フレーム326と平行になるように装置本体11内の所定のフレームに固定されている(図4参照)。
かかる第2ガイドレール69は、図9(A)に示すように、用紙積載整合ユニット20が装置本体11の収納空間V内に収納された状態で、その上縁面691が規制部材61の突設片611aと干渉して当該規制部材61を許容姿勢T1に姿勢設定し得るように設置位置が設定されている。
このような第2ガイドレール69の前端部には、上縁部から前方に向かって先下がりに傾斜した傾斜縁面692が形成されている。この傾斜縁面692は、収納空間Vから引き出された用紙積載整合ユニット20を収納空間V内に挿入するに際し、規制部材61の突設片611aを案内するためのものである。かかる傾斜縁面692は、規制姿勢T2に姿勢設定された規制部材61の突設片611aと対応するように設置寸法や設置角度等が設定されている。
以下、図9を基に本発明に係る干渉回避機構60の作用について説明する。まず、用紙積載整合ユニット20が装置本体11の収納空間V内に収納された状態(図1)では、規制部材61は、図9(A)に示すように、その突設片611aが第2ガイドレール69の上縁面691に当接し、これによって捻りバネ63の付勢力に抗して許容姿勢T1に姿勢設定された状態になっている。
そして、規制部材61が許容姿勢T1に姿勢設定されると、規制部材61の傾斜片612がトレイプレート322(図4)と平行になっているとともに、押圧片613が第2ガイドレール69の左面に当接した状態になっており、これによって押圧片613の左方には用紙受け部材37が昇降用ベルト36の周回により復ベルト側に回り込み得る空間が確保されている。従って、規制部材61が許容姿勢T1に姿勢設定された状態では、用紙受け部材37が復ベルト側に回り込むことによって行われるステープルユニット38による用紙束P1へのステープル処理を支障なく実行することができる。
ついで、ジャム処理やメンテナンス作業のために用紙積載整合ユニット20を装置本体11の収納空間Vから引き出すときは、まず、紙詰りが所定のセンサにより検出され、この検出結果に基づく電気的な制御によってき用紙受け部材37が、図9に二点鎖線で示すように、トレイ本体32の背面側の退避位置へ退避される。これにより用紙積載整合ユニット20がプリンタ本体11から引き出されても用紙受け部材37がステープルユニット38と干渉することはない。
しかしながら、電源が切れたり、制御系が故障したりすることによって用紙受け部材37が退避位置へ退避し得ない場合がある。このような場合、用紙受け部材37は、例えば図9(A)に実線で示すように、昇降用ベルト36の往ベルト下端部に位置した状態になっている。この状態で用紙積載整合ユニット20を装置本体11から引き出すと、規制部材61の突設片611aが、まず第2ガイドレール69の上縁面691に摺接しながら前方に向けて移動し、第2ガイドレール69の前端に到達すると、今度は第2ガイドレール69の傾斜縁面692に摺接しつつ捻りバネ63の付勢力によって回動軸614回りに時計方向に向けて回動する。
そして、用紙積載整合ユニット20の収納空間Vからの引き出し操作が継続されることにより、図9(B)に示すように、突設片611aは第2ガイドレール69の傾斜縁面692から離間し、これによって規制部材61は捻りバネ63の付勢力により規制姿勢T2に姿勢変形する。そして、規制部材61が規制姿勢T2に姿勢変形することにより、傾斜片612および押圧片613が用紙受け部材37を上方に向けて押し上げるため、引き続き用紙積載整合ユニット20の収納空間Vからの引き出し操作を継続しても、当該用紙積載整合ユニット20は、用紙受け部材37がステープルユニット38の用紙支持アーム381と干渉することなく正常に引き出される。
ついで、一旦引き出された用紙積載整合ユニット20を装置本体11内に収納するに際しては、用紙受け部材37は、図9(B)に示すように、規制部材61の傾斜片612および押圧片613に押されて昇降用ベルト36の下端部の干渉位置から往ベルト側に向けて退避した状態になっているため、ステープルユニット38と干渉することはない。また、一旦引き出された用紙積載整合ユニット20を装置本体11内に収納するに際し、ユーザーの操作ハンドル313の誤操作により用紙受け部材37が昇降用ベルト36の往ベルト側から干渉位置に向けて下降されようとしても、用紙受け部材37は、規制姿勢T2に姿勢設定された規制部材61に阻止されて干渉位置に向かうことがないため、用紙積載整合ユニット20は、用紙受け部材37がステープルユニット38と干渉することなく装置本体11内に収納される。すなわち、干渉回避機構60は、ユーザーの誤操作防止対策としての機能をも備えたものである。
また、用紙受け部材37が、図3に実線で示すようにステープル処理位置に位置しておらず、昇降用ベルト36の往ベルトの上方位置に位置している状態で紙詰りによるジャムが発生したような場合であって、用紙積載整合ユニット20が収納空間Vから引き出された後に紙詰りの解消作業のためにたとえ操作ハンドル313(図1)が操作されて用紙受け部材37が下方に向けて移動しても、当該用紙受け部材37は、規制姿勢T2に姿勢設定された規制部材61に阻止されて干渉位置へ移動することがない。従って、用紙積載整合ユニット20を収納空間Vに押し込むに際し、用紙受け部材37がステープルユニット38の用紙支持アーム381と干渉することがなく、当該用紙積載整合ユニット20を支障なく収納空間V内へ収納することができる。
以上詳述したように、前記干渉回避機構60は、昇降用ベルト36の下端部に対向配置された支持部材62に回動軸614回りに回動自在に軸支され、かつ、用紙受け部材37の干渉位置への移動を許容する許容姿勢T1と用紙受け部材37の干渉位置への移動を規制する規制姿勢T2との間で姿勢変更可能な規制部材61と、規制部材61に規制姿勢T2へ向かわせるように付勢力を付与する捻りバネ63と、前記規制部材61を用紙積載整合ユニット20の装置本体11に対する挿脱に応じて許容姿勢T1と規制姿勢T2との間で姿勢変更させる第2ガイドレール69とを備えている。
かかる構成の干渉回避機構60によれば、用紙積載整合ユニット20を装置本体11から引き出すことにより、規制部材61は、第2ガイドレール69から外れることで捻りバネ63の付勢力により回動軸614回りに所定方向に回動して許容姿勢T1から規制姿勢T2に姿勢変更するため、昇降用ベルト36の往ベルト上に位置した用紙受け部材37は、たとえ操作ハンドル313が操作されても規制姿勢T2に姿勢設定された規制部材61に規制されて干渉位置へ向かうことがない。従って、用紙積載整合ユニット20が装置本体11から引き出された状態でたとえ操作ハンドル313が操作されても用紙受け部材37が干渉位置に位置することはないため、用紙積載整合ユニット20を装置本体11内に押し込むに際し、用紙受け部材37がステープルユニット38と干渉することが確実に防止される。
また、干渉回避機構60が設けられていない場合においては、ジャムの発生時にステープルトレイ30が装置本体11内から引き出されるに先立ちジャムの解消のために操作ハンドル313を操作して用紙受け部材37が昇降されることがあるが、かかる用紙受け部材37の昇降操作によって心ならずも用紙受け部材37が干渉位置に位置してしまうことがあり、このような状態でステープルトレイ30を装置本体11から引き出すと、用紙受け部材37がステープルユニット38と干渉してこれらが破損するという不都合が生じる。
これに対し、本発明においては、たとえ操作ハンドル313の操作で用紙受け部材37が干渉位置に位置した状態になっていても、用紙積載整合ユニット20の引き出し操作時に許容姿勢T1に姿勢設定されていた規制部材61が規制姿勢T2に姿勢変更するため、この姿勢変更時に規制部材61が干渉位置に位置した用紙受け部材37を昇降用ベルト36の往ベルト側の上方へ押し上げ、これによって用紙受け部材37がステープルユニット38の用紙支持アーム381と干渉しなくなる。従って、用紙積載整合ユニット20をプリンタ本体11から引き出しても、用紙受け部材37がステープルユニット38の用紙支持アーム381と干渉して破損するような不都合の発生が防止される。
しかも、規制部材61は、上記の実施形態においては、規制姿勢T2に姿勢設定された状態でステープル処理位置に位置した用紙束P1を保持し得る形状、すなわち、正面視で左右が反転した逆Z字形状に形成され、逆Z字の上部の横棒に対応する操作片611と、逆Z字の斜め棒に対応する傾斜片612と、この傾斜片612の下端部から左方に向かって延設された逆Z字の下棒に対応する押圧片613とを備えているため、ステープル処理位置に位置した規制部材61が昇降用ベルト36の周回駆動で当該昇降用ベルト36の復ベルト側に回り込んだ状態になっても、用紙積載整合ユニット20が装置本体11から引き出された状態では、用紙束P1は、規制姿勢T2に姿勢変更した規制部材61の傾斜片612および押圧片613に支持された状態になる。従って、用紙積載整合ユニット20が装置本体11内から引き出されても、用紙Pがトレイ本体32から下方に脱落するような不都合の発生を確実に防止することができる。
この用紙落下防止の仕組みをさらに詳しく説明すると、以下のようになる。すなわち、用紙積載整合ユニット20が装置本体11から引き出される前は、ステープル処理位置に位置した用紙束P1は、用紙受け部材37が退避位置へ退避した状態でステープルユニット38の用紙支持アーム381に支持されているため、下方へ落下することはない。そして、ジャムの解消処理などのために用紙積載整合ユニット20を装置本体11から引き出していくと、用紙束P1は、用紙支持アーム381から順次外れていくため、ついには用紙支持アーム381によって支持されなくなる。
しかし、用紙積載整合ユニット20の装置本体11からの引き出し量が所定量に達すると、用紙束P1は、前記用紙支持アーム381に代えて用紙脱落防止機構50の用紙押さえアーム515によってトレイ本体32へ向けて押さえられた状態になるため、用紙束P1のトレイ本体32からの落下が防止される。
そして、用紙積載整合ユニット20の装置本体11からの引き出し量がさらに増加すると、今度は用紙束P1は、ステープルユニット38と干渉しない状態で動作する規制部材61によって支持された状態になり、この状態は、用紙積載整合ユニット20が装置本体11から完全に引き出された状態まで継続されるとともに、完全に引き出された後も維持される。
すなわち、用紙束P1は、用紙積載整合ユニット20が装置本体11から引き出される全過程において、三重にガードされた落下防止の機構により落下が防止されるのであるから、用紙積載整合ユニット20を引き出したときに用紙束P1が落下して用紙Pが周りに飛散するような不都合の発生を確実に防止することができるのである。
そして、一旦引き出された用紙積載整合ユニット20を装置本体11の収納空間V内に押し込んでいくと、第2ガイドレール69の傾斜縁面692に対向した規制部材61の突設片611a(図9(B)参照)が当該傾斜縁面692にまず当接する。この状態で用紙積載整合ユニット20の押込み操作を継続することにより、突設片611aが傾斜縁面692に案内されて当該傾斜縁面692を上昇し、これによって規制部材61が回動軸614回りに反時計方向に向けて回動し、図9(A)に示すように規制姿勢T2から許容姿勢T1へ向けて姿勢変更するため、用紙積載整合ユニット20が装置本体11内に収納された状態で規制部材61の傾斜片612および押圧片613が用紙受け部材37の移動軌跡から外れ、これによって用紙受け部材37は、昇降用ベルト36の下端部で自由に正逆移動し得るようになる。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
(1)上記の実施形態においては、用紙後処理装置10の上流側の装置として画像形成装置19が採用されているが、本発明は、上流側の装置が画像形成装置19であることに限定されるものではなく、多数枚の用紙に対してソーティング処理を施すいわゆるソーターや、活版印刷などの通常の印刷機等であってもよい。
(2)上記の実施形態においては、用紙積載整合ユニット20がステープルトレイ30と迂回トレイ40とを備えて構成されているが、本発明は、用紙積載整合ユニット20がステープルトレイ30と迂回トレイ40とを備えたものであることに限定されるものではなく、少なくともステープルトレイ30が設けられていればよい。
(3)上記の実施形態においては、用紙後処理装置10に中折りユニット17が設けられているが、本発明は、用紙後処理装置10に中折りユニット17が設けられることに限定されるものではなく、特に中折りユニット17を設けなくてもよい。
(4)上記の実施形態においては、用紙押さえ部材51に付勢部材としてのコイルスプリング516が設けられているが、本発明は、付勢部材がコイルスプリング516であることに限定されるものではなく、コイルスプリング516に代えて捻りバネや板バネ等を採用してもよい。
(5)上記の実施形態においては、用紙押さえ部材51は、用紙積載整合ユニット20が装置本体11の収納空間Vに対して挿脱されることにより、当接ローラ514がコイルスプリング516の付勢力に抗してガイドレール59の操作凸条592に乗り上げたり、コイルスプリング516の付勢力により乗り下がったりすることによって許容姿勢T1と規制姿勢T2との間で姿勢変更するようになされているが、こうする代わりに、特にコイルスプリング516を用いることなく、ガイドレール59に当接ローラ514の移動軌跡に応じたガイド溝を設け、当接ローラ514がこのガイド溝内を転動することで用紙押さえ部材51を姿勢変更させるようにしてもよい。
(6)上記の実施形態においては、規制部材61に付勢部材としての捻りバネ63が採用されているが、本発明は、付勢部材が捻りバネ63であることに限定されるものではなく、コイルスプリング516に代えてコイルバネや板バネ等を採用してもよい。
(7)上記の実施形態においては、規制部材61がベルト挟持板323に固定された支持部材62に支持されているが、本発明は、規制部材61を支持部材62に支持させることに限定されるものではなく、支持部材62を設けずに架設フレーム326に支持させるようにしてもよい。
(8)上記の実施形態においては、用紙受け部材37が干渉位置に位置している場合、そのことを所定のセンサで検出し、この検出結果に基づき所定のストッパを電気的に動作させてステープルトレイ30を装置本体11から引き出し得ないようにする制御については特に説明しなかったが、本発明は、かかる制御が採用されなくてもよいし、採用されてもよい。
本発明に係る用紙後処理装置の一実施形態を示す、表面の外装板が取り除かれた状態の外観視の斜視図であり、ステープルユニットが装置本体内に収納された状態を示している。 図1に示す用紙後処理装置においてステープルユニットが装置本体から引き出された状態を示す斜視図である。 本発明に係る用紙後処理装置の内部構造の一実施形態の概略を示す正面断面視の説明図である。 ステープルトレイと、ステープラーと、本発明に係る用紙脱落防止機構との間の位置関係を説明するための斜視図である。 用紙脱落防止機構を説明するため図4から架設フレームおよびステープラーを抜き出して示した斜視図である。 用紙脱落防止機構の拡大斜視図であり、(A)は、用紙押さえ部材が用紙束から離間した離間姿勢に姿勢設定された状態、(B)は、用紙押さえ部材が用紙束を押さえた押さえ姿勢に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。 用紙脱落防止機構の作用を説明するために当該用紙脱落防止機構を模式的に単純化して示した平面視の断面図であって、(A)は、ステープルユニットが装置本体の収納空間Vに収納された状態、(B)は、ステープルユニットが装置本体の収納空間から引き出された状態をそれぞれ示している。 干渉回避機構の一実施形態を示す斜視図であり、用紙積載整合ユニットが装置本体の収納空間から引き出された状態を示している。 干渉回避機構の構成要素である規制部材の動作を説明するための部分斜視図であり、(A)は、規制部材が許容姿勢に姿勢設定された状態、(B)は、規制部材が規制姿勢に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。 従来の用紙後処理装置を例示する斜視図であり、(A)は、用紙が画像形成装置から用紙後処理装置へ給紙されつつある状態、(B)は、用紙束にステープル処理が施されつつある状態、(C)は、ステープル処理済みの用紙束が排紙されつつある状態、(D)は、中間ユニットが用紙後処理装置の装置本体から引き出された状態をそれぞれ示している。
符号の説明
10 用紙後処理装置 11 装置本体
11a 前板
11b 右側板部材 11c 天板部材
11d 上方フレーム板 11e 三角フレーム板
12 前面ドアー 13 用紙受入れ開
131 受入れローラ対 132 払出しローラ対
133 導入ローラ対 14 メイントレイ
15 サブトレイ 16 パンチユニット
17 中折りユニット 171 用ステープラー
172 ローラ対 173 押し型
174 搬出ローラ 175 押え部材
176 中折りユニット 18 切換えガイド
19 画像形成装置(上流側装置)
20 ステープルユニット 30 ステープルトレイ
31 第1フレーム板(フレームプレート)
310 化粧板 311 把手バンド
312 視認孔 313 操作ハンドル
32 トレイ本体
321 支持枠体 321a 縦枠
321b 横枠 321c 架設ロッド
322 トレイプレート(傾斜面)
323 ベルト挟持板(傾斜面)
324 カーソル 324a 摺接板(傾斜面)
324b 幅寄せ板 324c ブラケット
324d 外れ止め片 325 カーソル移動機構
325a ラック 325b ピニオン
325c 幅寄せモータ 326 架設フレーム
326a 突設縁部 326b 挿通窓
326c 切起こし片 33 連結軸
34 ガイド部材 341 定置レール
342 可動レール 343 リテーナー
35 ベルト用モータ 351 駆動軸
352 駆動ローラ 353 従動ローラ
354 連絡ベルト 36 昇降用ベルト
37 用紙受け部材 38 ステープラー
40 迂回トレイ 41 第2フレーム板
42 迂回トレイ本体 43 カバープレート
44 分岐ガイド 441 架設軸
45 押え部材 46 バルブローラ対
47 第2切換えガイド 50 用紙脱落防止機構
51 用紙押さえ部材 511 縦軸
512 円筒体 513 ローラ支持アーム
513a 縦アーム 513b 横アーム
513c 係止突起 514 当接ローラ
514a ローラ軸 515 用紙押さえアーム
516 コイルスプリング 59 ガイドレール
591 レール本体 592 操作凸条
592a 傾斜部 P 用紙
P1 用紙束 R 用紙搬送路
R1 入口側搬送路 R2 搬送路
R3 搬送路 R4 搬送路
R5 搬送路 R6 搬送路
R7 搬送路 S1 離間姿勢
S2 押さえ姿勢 V 収納空間
V1 後処理空間 V2 退避空間

Claims (4)

  1. 装置本体に挿脱可能に装着されたステープルトレイと、このステープルトレイの下方位置に対向配置されたステープラーとが備えられ、所定の上流側装置から前記装置本体内に順次送り込まれた用紙を前記ステープルトレイで受けて形成された用紙束に対し前記ステープラーでステープル処理を施し得るように構成されてなる用紙後処理装置において、
    前記ステープルトレイは、前記上流側装置から順次送り込まれた用紙が積層される傾斜面と、
    前記上流側装置からの用紙を順次受けて前記傾斜面上に用紙束を形成させ該用紙束を前記傾斜面に沿って前記ステープラーによるステープル処理位置へ下降させるとともに、ステープル処理後の用紙束を上昇させて外部に排出する昇降可能で、かつ、前記ステープル処理位置と当該ステープル処理位置から退避してステープラーとの干渉が回避される退避位置との間で位置変更が可能な用紙受け部材と、
    前記ステープルトレイが装置本体から外部に引き出されるに際し、前記用紙受け部材が前記ステープル処理位置から前記退避位置へ退避した状態で用紙束のステープルトレイからの脱落を防止する用紙脱落防止機構とを備えていることを特徴とする用紙後処理装置。
  2. 前記用紙脱落防止機構は、前記ステープルトレイの幅方向両側部の下端部間に架設された架設フレームの略中央部に設けられる用紙押さえ部材と、
    前記ステープルトレイが装置本体内に収納された状態で当該用紙押さえ部材と対向配置された装置本体側のガイドレールとを有し、
    前記用紙押さえ部材は、ステープルトレイが装置本体内に収納された状態でガイドレールに設けられた操作凸条との干渉により用紙束から離間することで用紙束に対する押圧を解除した離間姿勢に姿勢設定される一方、ステープルトレイが装置本体内から引き出されることにより、操作凸条との干渉が解消された状態で用紙束を押さえる押さえ姿勢に姿勢変更することを特徴とする請求項1記載の用紙後処理装置。
  3. 前記ステープルトレイで紙詰りが発生したとき、当該ステープルトレイに設けられた、用紙束の幅寄せ操作用の一対のカーソルを駆動させて当該一対のカーソルで用紙束を挟持させることを特徴とする請求項1または2記載の用紙後処理装置。
  4. 前記用紙脱落防止機構は、前記傾斜面の下端部で前記昇降用ベルトと対向配置された支持部材に回動軸回りに回動自在に軸支され、かつ、前記用紙受け部材の前記干渉位置への移動を許容する許容姿勢と前記用紙受け部材の前記干渉位置への移動を規制する規制姿勢との間で姿勢変更可能な規制部材と、
    前記規制部材に前記規制姿勢へ向かわせるように付勢力を付与する付勢部材と、
    前記規制部材をステープルトレイの装置本体に対する挿脱に応じて許容姿勢と規制姿勢との間での姿勢変更を案内する案内部材と、
    前記規制部材に設けられた、当該規制部材が規制姿勢に姿勢設定された状態でステープル処理位置に位置した用紙束を保持する用紙保持部とを備えていることを特徴とする請求項1記載の用紙後処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN101885428A (zh) * 2009-05-14 2010-11-17 株式会社东芝 图像形成装置的薄片后处理装置
JP2011037591A (ja) * 2009-08-11 2011-02-24 Nisca Corp 画像形成装置

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