JP2007330833A - 汚染土壌の封じ込め方法および封じ込め構造 - Google Patents

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Yuichi Komura
雄一 甲村
Eiji Sato
英二 佐藤
Takao Kono
貴穂 河野
Masamichi Aoki
雅路 青木
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Abstract

【課題】汚染土壌の汚染領域の拡大、汚染物質の汚染濃度分布の変化(汚染濃度の均一化)を防止する。
【解決手段】底部遮水層58が存在する地盤中の土壌汚染領域6を、平面的に見て、汚染濃度の高さの違いに応じて複数の濃度領域6H、6M、6Lに区分し、前記複数の濃度領域6H、6M、6Lの区分毎にそれぞれを取り囲み、且つ底部遮水層58に到達して汚染物質の拡散を防止する遮水壁8(8H、8M、8L)を形成する。
【選択図】図1

Description

この発明は、土壌中の土壌汚染物質の拡散を防止する封じ込め方法、および封じ込め構造の技術分野に属する。
土壌汚染対策法の施行(2003年2月)以来、汚染土壌対策技術の研究開発が盛んに進められている。従前の汚染土壌対策方法は、大要、以下のように3種類に分類される。
第1の方法は、図10に示す汚染土壌の浄化方法である。この浄化方法には、
(a)汚染土壌50を掘削・除去して、汚染されていない土壌に置き換える方法。
(b)汚染土壌50を掘削し、原位置で洗浄プラントにより洗浄したものを再度埋め戻す 方法。
がある。図10において、符号52は非汚染の土壌を指している。
第2の方法は、図11に示す汚染土壌の不溶化方法である。この方法は、汚染土壌50に対して、原位置で不溶化剤を注入・撹拌等して土壌を不溶化し(不溶化した部分を符号54で示す。)、地中に固定させて周辺地盤への汚染物質の拡散を防ぐ方法である。
第3の方法は、図12に示した汚染土壌の封じ込め方法である。この方法は、汚染土壌50の周囲を遮水壁56で取り囲み、周辺に汚染物質が拡散するのを防ぐ方法である。この方法を実施する場合には、自然地盤として底部遮水層58(層厚5m以上で、透水係数が10−5cm/sec以下。)が存在することが条件とされ、汚染土壌50の周囲を取り囲む遮水壁56を底部遮水層58と同等の遮水性能で形成することが必要とされる。
上記3種の汚染土壌対策方法のうち、第1の汚染土壌の浄化方法は、汚染土壌の浄化に膨大な費用を要するため、経済的負担が大きいという問題点がある。また、第2の汚染土壌不溶化方法にも、汚染土壌が存在する範囲のすべての地盤を地盤改良する必要があり、膨大な費用を要し、経済的負担が大きいという問題点がある。
これに対して、上記第3の汚染土壌の封じ込め方法は、底部遮水層58が存在するという自然条件が不可欠であるが、汚染土壌の周囲に遮水壁56を形成するだけで汚染土壌対策ができるので、経済的である。よって、前記の自然条件を満たす場合には、この封じ込め方法が多く実施されている(例えば、特開2003−3456号公報、特許第3637518号公報など参照)。
上記したように、汚染土壌の封じ込め方法は、経済的に優れている。しかし、従来一般の封じ込め方法は、図13に示すように、敷地60の最外周部(敷地境界)に一重の遮水壁56を設ける方法、或いは図14に示すように、敷地60内の汚染範囲64に近い外周部に一重の遮水壁56を設ける方法が行われている程度にすぎない。図中の符号62は敷地60の境界線、64は汚染範囲を示す。なお、敷地60内に複数種の汚染物質A、Bが存在する場合でも、図15、図16に示すように、敷地60の最外周に、或いは汚染範囲66(汚染物質Aによる汚染範囲)、68(汚染物質Bによる汚染範囲)、70(汚染物質A、Bによる汚染範囲)の外周部に一重の遮水壁56を設ける方法が実施されているにすぎない。
因みに、上記の遮水壁56は、RC造連続壁、又はシートバイルの打設、あるいは深層混合処理工法によるソイルセメント壁の形成等々の方法で施工されている。
なお、図15〜図16において、符号66Hと68Hは、汚染領域において汚染濃度が高い領域を指し、符号66M、68Mは同中位の領域を示し、同66L、68Lは同低い領域を指している。
特開2003−3456公報 特許第3637518号公報
上記した従来の汚染土壌封じ込め方法は、汚染濃度の高い領域からその周囲の低い領域へ汚染物質が拡散したり、長期的に非汚染土壌領域にまで汚染濃度分布の均一化や汚染範囲の拡大が生じるという問題点があった。
即ち、汚染土壌が存在する場合、その汚染領域の濃度が均一であることは少ない。高い濃度領域や低い濃度領域、或いはこれ等の中間の濃度領域というように、濃度分布が存在している場合が多い(図13〜図16参照)。
従来の技術では、前記のような場合に、汚染濃度の高い領域からその周りの低い領域に汚染物質が拡散するので、汚染領域が拡大するという問題があった。
また、濃度の高い領域では濃度低下が生じ、その分だけ逆に濃度の低い領域では濃度が高くなるという汚染濃度の均一化が起るという問題もあった。こうした均一化は汚染の度合いが低かった低濃度の汚染領域が狭まることに他ならず、また、汚染濃度が比較的高いか、或いは中くらいの汚染領域が拡大するという現象に他ならない。
本発明は、上記のような問題点を解決するべく改良した汚染土壌の封じ込め方法を提供するもので、汚染土壌の汚染領域の拡大や、汚染物質の汚染濃度分布の変化(均一化など)を防止することを目的とする。
本発明はまた、汚染土壌の浄化の必要性が生じた場合には、汚染領域の汚染物質、濃度の違う領域を、それぞれの物質、濃度の違いに応じて適切な封じ込めができるようにし、施工の高効率化と低コスト化を図ることを目的とする。
本発明は更に、地盤の液状化防止を兼ねる汚染土壌の封じ込め構造、そして、建物の基礎の構築としても利用可能な汚染土壌の封じ込め構造を提供することも目的としている。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1記載の発明に係る汚染土壌の封じ込め方法は、
底部遮水層58が存在する地盤2中の土壌汚染領域6を、平面的に見て、汚染濃度の高さの違いに応じて複数の濃度領域6L、6M、6Hに区分し、
上記複数の濃度領域の区分毎にそれぞれを取り囲み、且つ底部遮水層58に到達して汚染物質の拡散を防止する遮水壁8を形成することを特徴とする。
請求項2記載の発明に係る汚染土壌の封じ込め方法は、
底部遮水層58が存在する地盤2中の異なる汚染物質A、Bで汚染された複数の土壌汚染領域10、12を、平面的に見て、各汚染物質の種類毎に区分し、
上記土壌汚染領域10、12を汚染物質A、Bの種類毎の区分に分けてそれぞれを取り囲み、且つ底部遮水層58に到達して汚染物質の拡散を防止する遮水壁8を形成することを特徴とする。
請求項3記載の発明に係る汚染土壌の封じ込め方法は、
底部遮水層58が存在する地盤2中に存在する土壌汚染領域10、12に対し、
前記土壌汚染領域10、12を含む敷地2内に、底部遮水層58に到達して汚染物質の拡散を防止する遮水壁8を、平面視が格子状に形成して前記土壌汚染領域10、12を細かく分割することを特徴とする。
請求項4記載の発明に係る汚染土壌の封じ込め構造は、
土壌汚染物質で汚染された地盤2中に、請求項1又は2若しくは3記載の方法により底部遮水層58に到達する遮水壁8を形成して成ることを特徴とする。
請求項5記載の発明に係る汚染土壌の封じ込め構造は、
土壌汚染物質で汚染された地盤2中に、請求項1又は2若しくは3記載の方法により底部遮水層58に到達する遮水壁8を形成し、その遮水壁8の上部に建造物18を構築して成ることを特徴とする。
請求項1記載の発明に係る汚染土壌の封じ込め方法によれば、地盤2の土壌汚染領域6を、その汚染濃度の高さの違いに応じて複数の濃度領域6L、6M、6Hに区分して把握し、その区分毎に取り囲み、底部遮水層58に到達する遮水壁8を形成するので、濃度の違いにより区分した濃度領域6L、6M、6H間における汚染物質の拡散を遮水壁8により確実に防止でき、汚染領域の拡大、汚染濃度分布の変化、均一化を防止することができる。
そして、仮に、汚染土壌6の浄化の必要性が生じた場合には、土壌洗浄を、遮水壁8で囲まれた濃度の異なる区分6L、6M、6H毎に、異なる方法、態様で洗浄することができるので、低コスト化を図ることができる。
請求項2記載の発明に係る汚染土壌の封じ込め方法によれば、土壌汚染物質の種類がA、Bのように異なる複数の汚染領域10、12が近接して存在する汚染土壌を、各土壌汚染物質A、Bの種類毎の区分に分けてそれぞれを取り囲み、底部遮水層58に到達する遮水壁8を形成するので、汚染物質の種類の違いによる汚染物質の拡散や変化を遮水壁8により確実に防止することができる。よって、汚染領域の拡大、汚染濃度分布の変化、均一化、あるいは複数種の汚染物質の混在による新たな汚染領域の出現などを確実に防止することができる。
勿論、土地の売却等のため土壌洗浄の必要が生じた場合には、土壌汚染物質A、Bの種類が異なる区分10、12、14毎に、異なる方法、態様で土壌洗浄を実施することができ、土壌汚染物質の違いに応じた適切な方法、態様で洗浄することができ、洗浄の合理化、高効率化、低コスト化を図ることができる。
請求項3記載の発明に係る汚染土壌の封じ込め方法によれば、敷地2内に、底部遮水層58に到達する遮水壁8を、平面視が格子状に形成するので、同敷地2内の汚染物質10、12を細かく分割して封じ込めることができる。よって、土壌汚染物質A、Bの拡散、および拡散に起因する土壌汚染領域の拡大や汚染濃度分布の変化、均一化を有効に防止することができる。
こうして敷地2内を遮水壁8により格子状に細かく分割・区分するので、地震時に地盤が液状化することも有効に防止でき、土壌汚染対策と地盤の液状化対策の双方を有効に講じることができる。
請求項4および5に記載した発明に係る汚染土壌の封じ込め構造によれば、土壌汚染物質で汚染された地盤2中に、上記請求項1又は2若しくは3記載の方法により底部遮水層58に到達する遮水壁8を形成するので、当該地盤2は、地震時に地盤が液状化することを防止できる。のみならず、同遮水壁8の上部に建造物18を構築することが可能となり、遮水壁8に建造物18の支持機能を発揮させるなど、敷地の有効利用に寄与し、高付加価値化を図れる。
汚染土壌6が存在する地盤の自然条件として底部遮水層58が存在することを前提に、土壌汚染汚領域を取り囲み拡散を防止する遮水壁8を、底部遮水層58に到達するまで形成して土壌汚染領域を封じ込める。
遮水壁8は、底部遮水層58の遮水性能と同程度の遮水性能とし、例えばRC造連続壁、シートパイル壁、ソイルセメント柱列壁、あるいは深層混合処理工法等による柱列壁などとして形成する。
以下に、本発明を図示した実施例に基づいて説明する。
図1は、請求項1に係る発明の実施例(実施例1)を平面図として示し、図2はその変形例を示す。
図面において、符号1は敷地境界線を示し、2は敷地(又は敷地内地盤若しくは土壌)を指す。この敷地2内の地盤は、自然条件として底部遮水層58(図9を参照)の上に存在することを前提に本発明が実施される。
符号6は土壌汚染領域を示す。そのうちの符号6Hは土壌汚染領域6において汚染濃度の高い領域として把握された高汚染濃度領域であり、土壌汚染領域6のほぼ中央部に位置する。逆に、符号6Lは汚染濃度の低い領域として把握された低汚染濃度領域で、前記高汚染濃度領域6Hの外周に位置する。6Mは前記した高汚染濃度領域6Hと低汚染濃度領域6Lの中間の汚染濃度を有する領域として把握された中汚染濃度領域であり、高汚染濃度領域6Hの外周に存在する。
ちなみに、上記土壌汚染の調査、および土壌汚染領域の調査、把握の手法については、具体的には土壌汚染対策法に基づく調査法を実施することができる。例えば、調査の精度に応じて、水平方向に1m、5m、10m、30m等の間隔で土質試料を採取し、同試料から適切な深度を選定して汚染物質を分析することにより、汚染物質の種類や汚染領域を正確に特定し把握することができる。
次に、図1中の符号8は、前記の土壌汚染領域6を取り囲み、且つ底部遮水層58(図9)に到達させて形成した遮水壁である。遮水壁8のうち、符号8Hは、高汚染濃度領域6Hを取り囲んだ遮水壁を指し、8Mは中汚染濃度領域6Mを取り囲んだ遮水壁、8Lは低汚染濃度領域6Lを取り囲んだ遮水壁である。これ等の各遮水壁8H、8M、8Lは、いずれも敷地2内の地盤下に自然条件として存在する底部遮水層58(図9)に到達するように形成されている。
本実施例1、及び後述する実施例2〜5を実施する場合にも、図12に示した従来技術、あるいは図9に示す実施例6と同様に、各遮水壁8は、底部遮水層58に到達して汚染物質の拡散を防止する構成で形成されている。よって、その断面構造の図示は重複するので省略した。
また、各遮水壁8は、底部遮水層58の遮水性能と同程度の遮水性能を発揮するように、例えばRC造連続壁、シートパイル壁、ソイルセメント柱列壁、深層混合処理工法による柱列壁など、種々の材質、工法で施工する。この点は、以下の各実施例に共通する事項である。
図1に示す実施例1と、図2に示す変形例の違いは、図1に示した遮水壁8H、8M、8Lは平面的に見て方形に形成されている。これに対して、図2に示す遮水壁8H、8M、8Lはそれぞれ楕円に近い円曲線形状に形成されていることである。いずれの遮水壁も連続して閉じた壁として形成されていることでは共通する。
図1に示す遮水壁8H、8M、8L、および図2に示す遮水壁8H、8M、8Lはそれぞれ、汚染領域6の各汚染濃度領域6H、6M、6Lを平面視で区分して把握し、各区分に沿ってその外周位置に形成したことを示している。このように形成すれば、汚染領域の範囲拡大を最小限に止めることが可能となる。
本実施例1は、汚染領域6を汚染物質の濃度の違いに応じて複数の濃度領域6H、6M、6Lに区分して把握し、その区分毎に取り囲む遮水壁8H、8M、8Lを閉鎖形状に形成するので、濃度の違いにより区分した濃度領域6H、6M、6Lの間における汚染物質の拡散は、遮水壁8H、8M、8Lにより確実に防止でき、汚染領域の拡大、汚染濃度分布の変化、均一化を防止できる。
その上仮に、汚染土壌浄化の必要性が生じた場合には、汚染土壌の洗浄作業を、遮水壁8H、8M、8Lで取り囲まれた汚染物質の濃度の異なる区分6H、6M、6L毎に分けて、異なる方法、態様で適切に実施できる。よって、各区分毎の汚染土壌を汚染濃度の違いに応じた適切な方法、態様で洗浄することができ、洗浄の合理化、高効率化、低コスト化を図ることができる。
図3は、請求項2に係る発明の実施例2を示す平面図で、図4はその変形例を示す。図3に示す実施例と図4の変形例の違いは、遮水壁8が、平面的に見て方形に形成されているものと、円曲線状の閉鎖形状に形成されている構成の差異に過ぎない。遮水壁8を方形に形成すると施工が容易であるという利点がある。一方、遮水壁8を円曲線状に形成すると、土壌汚染領域の外周に沿って接近した形状に形成でき、汚染範囲の拡大を最小限度に止めることが可能な利点がある。これは上記第1の実施例と同様である。
本実施例2は、一つの敷地2内の地盤中に、異なる2種以上の土壌汚染物質A、Bで汚染された土壌汚染領域10、12が複数近接して存在する場合に好適な封じ込め方法である。
図3、4において、符号10は土壌汚染物質Aにより汚染された土壌汚染領域、12は土壌汚染物質Aとは異なる土壌汚染物質Bにより汚染された土壌汚染領域を示す。そして、14は土壌汚染物質A及び土壌汚染物質Bにより汚染された土壌汚染領域であって、土壌汚染物質Aによる汚染と土壌汚染物質Bによる汚染の広がりがオーバーラップすることにより生じた領域である。
遮水壁8は、土壌汚染物質の種類が異なる各土壌汚染領域10、12、14を個別に取り囲み、各汚染領域10、12、14間を分離・分割するように形成されている。
従って、本実施例2によれば、土壌汚染物質の種類が異なる土壌汚染領域10、12、14間における汚染物質A、Bの拡散を、遮水壁8により確実に防止することができ、汚染領域の拡大、汚染濃度分布の変化、均一化を防止することができる。
勿論、土地の売却等のため汚染土壌の洗浄の必要が生じた場合には、土壌汚染物質A、Bの異なる区分10、12、14毎に異なる方法、態様で洗浄することができる。よって各区分の土壌汚染物質の違いに応じた適切な方法、態様で洗浄することができる。従って、洗浄の合理化、高効率化、低コスト化を図ることができる。
図5は、請求項2に係る発明の異なる実施例3を示す平面図であり、図6はその変形例を示す。図5示す実施例と図6に示す変形例の違いは、遮水壁8が、平面的に見て方形であるか、円曲線形状であるかの差異に過ぎない。
本実施例3は、図3、図4に示した実施例2の土壌汚染物質Aによる土壌汚染領域10と、汚染物質Bによる土壌汚染領域12のそれぞれについて、汚染濃度の高さに応じて複数の濃度領域10H、10M、10L、12H、12Lに区分して把握し、区分された各濃度領域10H、10M、10Lおよび12H、12Lのそれぞれを、遮水壁8により取り囲んだ構成を特徴とする。
具体的には、土壌汚染物質Aによる土壌汚染領域10については、図1、図2に示した実施例1と同様に、高汚染濃度領域10H、中汚染濃度領域10M、低汚染濃度10Lの三つに区分して把握する。土壌汚染物質Bによる土壌汚染領域12については、高汚染濃度領域12H、低汚染濃度領域12Lの二つに区分して把握している。
そして、上記の各領域10H、10M、10Lおよび12H、12L、並びに両物質A、Bの混在領域14の各々を、遮水壁8により取り囲み封じ込めている。
こうして、本実施例3によれば、土壌汚染物質の種類が異なる複数の土壌汚染領域10、12を、それぞれの汚染濃度の高さの違いに応じて複数の濃度領域10H、10M、10L、12H、12Lに区分して把握し、その濃度領域10H、10M、10L、12H、12Lの区分毎に分けて取り囲む遮水壁8をそれぞれ形成するので、汚染物質A、B及び汚染濃度が異なる各区分毎に細かく分割して封じ込めることができる。
したがって、汚染土壌を洗浄する必要が生じた場合は、各遮水壁8で囲まれた区分毎の汚染土壌を分けて、汚染物質及び汚染濃度の違いに応じた適切な方法、態様で洗浄することができ、洗浄の合理化、高効率化、低コスト化を図ることができる。
図7は、請求項3に係る発明の実施例4を示す平面図である。
本実施例4は、土壌汚染物質Aによる土壌汚染領域10(10H、10M、10L)であるか、又は土壌汚染物質Bによる土壌汚染領域12(12H、12L)であるか、あるいは両物質A、Bの混在領域14であるか、若しくは単一種の汚染であるかの別を問わず、土壌汚染物質と土壌汚染領域10、12、14が存在する敷地2内の地盤全面を、平面視が格子状の遮水壁8により細かく分割して封じ込めた方法を示す。
本実施例4によれば、敷地2内の全面を平面視が格子状の遮水壁8により多数の区分に細かく分割して取り囲むので、敷地2内の一部に土壌汚染物質A、Bが存在する場合はもとより、存在しなくとも、かまわず等しく分割して封じ込める。よって、土壌汚染物質の拡散や、それに起因する汚染領域の拡大、汚染濃度分布の変化、均一化をより強力に有効に防止できる。
その上、地震時に地盤が液状化することも格子状の遮水壁8により有効に防止することができる。即ち、格子状の遮水壁8が地震発生時に、液状化対策技術として有効であることは、たとえば特公平4−5004号公報、特許第2568115号公報に記載された発明で知られたとおりで、地震が発生したときの液状化を防止する。
本実施例4の場合、土壌汚染物質の拡散を防止する遮水壁8を細かく格子状に形成するので、この遮水壁8を液状化に必要な強度と格子間隔で施工するかぎり、地盤の液状化防止に優れた効果を得ることができる。
図8は、図7に示した汚染土壌の封じ込め方法の異なる実施例を示す平面図である。
図7に示した実施例は、敷地2が長方形で、その全域にわたり平面視が同じ形状、大きさ、ピッチの格子状に遮水壁8を形成したが、本実施例は、必ずしもそのように実施することは必要ではない場合を示す。液状化対策として有効である限り、土壌汚染物質の種類、濃度を考慮した遮水壁8の間隔、形状を設定して良く、部分的に遮水壁8の間隔、形状が異なっても良い。
その意味で、図8に示す実施例は、敷地2の境界線1に一部円形部分が存在し、その円形部分の近傍には、遮水壁8が他の部分のように方形の格子状ではなく、敷地境界線1に沿って円形と三角形の格子を成す様態に形成されている。
図9は、請求項4あるいは5に係る発明の実施例5を示す断面図である。
本実施例5は、底部遮水層58の上方に汚染領域6が存在する地盤中に、上記請求項1〜3のいずれか一の方法で、例えば図7或いは図8に示す実施例のように、平面視が格子状の遮水壁8を形成して、汚染物質の封じ込め及び地盤の液状化防止措置を講じた汚染土壌の封じ込め構造の例を示している。特に、図9は、前記平面視が格子状の遮水壁8とこれにより囲まれた地盤とを基礎に用い、その上部に建造物18を構築したた汚染土壌の封じ込め構造の実施例を示している。
本実施例5によれば、地盤2中の土壌汚染領域6やその濃度分布を遮水壁8により区分した状態で、汚染土壌の封じ込めが行われる上に、遮水壁8が液状化に必要な強度や格子間隔で施工されるかぎり、液状化防止効果が得られるし、更に平面視が格子状の遮水壁8と、遮水壁8で囲まれた地盤とを基礎に用い、建造物18の支持機能を発揮させることができ、複合効果が奏される。
本発明の実施例1を示す平面図である。 図1に示した実施例とは構成が異なる変形例を示す平面図である。 本発明の実施例2を示す平面図である。 図3に示した実施例2とは構成が異なる変形例を示す平面図である。 本発明の実施例3を示す平面図である。 図5に示した実施例3とは構成が異なる変形例を示す平面図である。 本発明の実施例4を示す平面図である。 図7に示した実施例4とは構成が異なる変形例を示す平面図である。 本発明の実施例5を示す断面図である。 汚染土壌を場外へ掘削・除去して汚染されていない土壌を埋め戻す従来方法を示す断面図である。 従来の汚染土壌の不溶化方法を示す断面図である。 従来一般の汚染土壌の封じ込め方法を簡単に説明する断面図である。 汚染土壌の封じ込め方法の異なる従来例を示す平面図である。 汚染土壌の封じ込め方法の更に異なる従来例を示す平面図である。 汚染土壌の封じ込め方法の更に異なる従来例を示す平面図である。 汚染土壌の封じ込め方法の異なる従来例を示す平面図である。
符号の説明
2 敷地
6 土壌汚染領域
6H 高汚染濃度領域
6M 中汚染濃度領域
6L 低汚染濃度領域
8(8H、8M、8L) 遮水壁
10 汚染物質Aによる土壌汚染領域
10H 高汚染濃度領域
10M 中汚染濃度領域
10L 低汚染濃度領域
12 汚染物質Bによる土壌汚染領域
12H 高汚染濃度領域
12L 低汚染濃度領域
14 土壌汚染物質A、Bによる汚染領域
58 底部遮水層
18 建造物

Claims (5)

  1. 底部遮水層が存在する地盤中の土壌汚染領域を、平面的に見て、汚染濃度の高さの違いに応じて複数の濃度領域に区分し、
    上記複数の濃度領域の区分毎にそれぞれを取り囲み、且つ底部遮水層に到達して汚染物質の拡散を防止する遮水壁を形成することを特徴とする、汚染土壌の封じ込め方法。
  2. 底部遮水層が存在する地盤中の異なる汚染物質で汚染された複数の土壌汚染領域を、平面的に見て、各汚染物質の種類毎に区分し、
    上記土壌汚染領域を汚染物質の種類毎の区分に分けてそれぞれ囲み取り、且つ底部遮水層に到達して汚染物質の拡散を防止する遮水壁を形成することを特徴とする、汚染土壌の封じ込め方法。
  3. 底部遮水層が存在する地盤中に存在する土壌汚染領域に対し、
    前記土壌汚染領域を含む敷地内に、底部遮水層に到達して汚染物質の拡散を防止する遮水壁を、平面視が格子状に形成して前記土壌汚染領域を細かく分割することを特徴とする、汚染土壌の封じ込め方法。
  4. 土壌汚染物質で汚染された地盤中に、請求項1又は2若しくは3記載の方法により底部遮水層に到達する遮水壁を形成して成ることを特徴とする、汚染土壌の封じ込め構造。
  5. 土壌汚染物質で汚染された地盤中に、請求項1又は2若しくは3記載の方法により底部遮水層に到達する遮水壁を形成し、その遮水壁上部に建造物を構築して成ることを特徴とする、汚染土壌の封じ込め構造。
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