JP2007330308A - カーボンナノチューブを含む骨親和剤とそれを用いた材料及び製剤 - Google Patents

カーボンナノチューブを含む骨親和剤とそれを用いた材料及び製剤 Download PDF

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Abstract

【課題】患者の損傷した骨の治療の際に用いられる生体組織代替用骨親和材料や輸送製剤に含有させることができる骨親和剤を提供する。さらに、この骨親和剤を含有しており、生体に対する安全性が高く、耐久性・耐摩耗性がある骨親和性の材料や、安全で輸送特異性がある骨親和性の製剤を提供する。
【解決手段】骨親和剤は、カーボンナノチューブからなる骨親和物質を含んでいる。生体組織代替用骨親和材料は、この骨親和剤が、人工関節、人工骨、骨接合固定具、人工歯牙、人工皮膚、人工血管、及び人工体液から選ばれる生体材料に含有され又は付されている。又、製剤は、この骨親和剤と、分散剤及び/又は媒質とを含有している。
【選択図】なし。

Description

本発明は、患者の損傷した関節又は骨を修復したり補強したり置換したりするために埋め込まれる生体組織代替用骨親和材料や、損傷した骨から新たな骨組織を形成させる医薬製剤のような整形外科用の材料や製剤に含有させて用いられる骨親和剤に関するものである。
骨折で骨を損傷した患者に、チタン合金製のプレートや髄内釘やスクリューやワイヤのような骨接合固定具による骨の固定手術が施される。チタン合金製の骨接合固定具は、耐食性・生体適合性・骨親和性に優れる反面、金属疲労により破損したり、薄いプレートや細いスクリュー又はワイヤの強度不足のため破損したりする恐れがある。
又、変形性股関節症や関節リウマチなどの疾患により股関節を損傷した患者に、人工股関節で置換する整形外科手術が施される。このような人工股関節は、例えば骨盤側に取り付けられ球状でセラミックス製又は金属製のヘッド及びそれを覆うポリエチレン製ライナーや金属製ソケットを組み合わせた関節部材と、大腿骨側に取り付けられ関節部材に挿入される金属製のステムとからなるものである。この人工股関節を置換手術した後、数年経過して、その摺動部位でポリエチレン製ライナーが磨耗し骨融解を惹き起こす磨耗粉を生じたり、又は人工股関節が細菌に感染したりすると、再手術が必要となる。人工股関節が、アルミナセラミックスやジルコニアセラミックスのみで作製されていても、ポリエチレンほどではないにしても磨耗粉を生じるうえ、相転移して破損したり細菌に感染したりする。
このような人工股関節を骨に固定するために用いられるポリメチルメタクリレートのような骨セメントは、ひび割れや骨セメントと骨との間の緩みを生じたり、固定強度が不十分であったりする。
又、骨欠損部への骨移植や骨折後の骨癒合や脊椎又は橈骨遠位の骨折固定の際に用いられるハイドロキシアパタイトのような骨増量材料は、コンドロイチン硫酸ナトリウムと共に硬化させ骨に類似する無機質状態を形成するものであるが、固定強度が不十分である。
特許文献1に、生体吸収性有機多孔体と、三燐酸カルシウムやハイドロキシアパタイトのような骨親和性無機材料とが複合化した骨再生用基材が記載されている。一方、非特許文献2に、カーボンナノチューブを含んでいる医療器具のカテーテルが、開示されている。
骨の治療に用いられるもので、骨親和を有し、しかも骨形成を促進し、安全で早期治癒を可能にする生体組織代替用骨親和材料は、知られておらず、再生医療のためにその開発が望まれていた。
特開2005−52224号公報 遠藤守信ら(Morinobu Endo, et al.)、「ナノ レターズ(Nano Letters)」、2005年、第5巻、第1号、p.101-105
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、患者の損傷した骨の治療の際に用いられる生体組織代替用骨親和材料や医薬用製剤に含有させることができる骨親和剤を提供することを、目的とする。さらに、この骨親和剤を含有しており、生体に対する安全性が高く、耐久性・耐摩耗性がある骨親和性の材料や、安全で薬物輸送特性や骨形成性がある骨親和性の製剤を提供することを、目的とする。
前記の目的を達成するためになされた特許請求の範囲の請求項1の骨親和剤は、カーボンナノチューブからなる骨親和物質を含んでいることを特徴とする。
カーボンナノチューブは、例えば気相法により製造される高結晶性のカーボンナノファイバーの一種で、繊維径1〜数100nmで、繊維長1〜数1000μmの物質である。
請求項2に記載の骨親和剤は、請求項1に記載されたもので、前記カーボンナノチューブが、0.01〜500mg/mLの濃度で懸濁され、又は0.001〜50重量%の濃度で分散されていることを特徴とする。
請求項3に記載の生体組織代替用骨親和材料は、請求項1に記載の骨親和剤が、人工関節、人工骨、骨接合固定具、人工歯牙、人工皮膚、人工血管、及び人工体液から選ばれる生体材料に含有され又は付されていることを特徴とする。
請求項4に記載の生体組織代替用骨親和材料は、請求項3に記載されたもので、前記生体材料が、前記人工関節、前記人工骨又は前記人工歯牙であって、ポリエチレン、アルミナセラミックス、ジルコニアセラミックス、チタン合金、骨セメント、ハイドロキシアパタイト、リン酸カルシウムセメントから選ばれる少なくとも何れかで、形成されていることを特徴とする。
請求項5に記載の製剤は、請求項1に記載の骨親和剤と、分散剤及び/又は媒質とを含有していることを特徴とする。
請求項6に記載の製剤は、請求項5に記載されたもので、前記骨親和剤を、コラーゲン、生体分解性樹脂粒子、合成樹脂粒子、又はリポソームに含有しており、骨組織に輸送することを特徴とする。
請求項7に記載の製剤は、請求項6に記載されたもので、前記骨親和剤とともに、骨形成剤又は骨形成誘導細胞を含有していることを特徴とする。
本発明の骨親和剤は、生体安全性が高く、患者の損傷した骨の治療の際に用いられる耐久性・耐摩耗性がある生体組織代替用骨親和材料や薬物輸送製剤に含有させることができる。
それを含む材料や製剤は、損傷した骨の形成を促進して迅速な修復が可能で、長期間使用しても緩んだり破損したりしない。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明の骨親和剤は、カーボンナノチューブからなる骨親和物質を含む分散液である。
カーボンナノチューブは、平均繊維径80〜150nm、平均繊維長10〜20μmのものが好ましく、具体的には、気相法炭素繊維であって、平均繊維径80nmで平均繊維長10〜20μmであるVGCF、平均繊維径150nmで平均繊維長10〜20μmであるVGCF−H(いずれも昭和電工株式会社製;VGCFは同社の登録商標)が挙げられる。
カーボンナノチューブは、微細であって、凝集塊を形成し易いものである。そこで、骨親和剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウムのようなイオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等の界面活性剤を含んだ生理食塩水で、カーボンナノチューブを懸濁させた液状であることが好ましい。骨親和剤中で懸濁しているカーボンナノチューブの濃度は、0.01〜500mg/mLであると一層好ましい。界面活性剤は、細菌培養に影響を及ぼさないように0.04〜1.25重量%のカルボキシメチルセルロースナトリウムであることが好ましい。
骨親和剤は、固体状であって、カーボンナノチューブと、それを分散させている媒質との混合物であってもよい。骨親和剤中で分散しているカーボンナノチューブの濃度は、0.01〜50重量%であることが好ましい。
なお、骨親和剤は、カーボンナノチューブである骨親和物質のみからなっていてもよい。
この骨親和物質を媒質例えば賦形剤のような粉末に分散させた粉体であっても、分散させてから成形した成形体であってもよい。このような固体の粉体や成形体中、カーボンナノチューブの濃度は、0.001〜50重量%であることが好ましい。
本発明の生体組織代替用骨親和材料は、この骨親和剤が、生体材料中に含有されたり、生体表面から一部露出したり、生体材料表面に塗布されて付されたりしたものである。
人工関節、人工骨、人工歯牙のような生体材料は、強度が強く磨耗粉を生じ難い超高密度ポリエチレン(UHMWPE)、人工関節の摺動面に使用されるアルミナセラミックスやジルコニアセラミックス、人工関節・骨接合材料・脊椎固定材料として用いられる整形外科治療用のTi-6A-4Vのようなチタン合金、人工関節を骨に付けるポリメチルメタクリレートセメントのような骨セメント、骨移植の増量材料・代用材料であるハイドロキシアパタイト、脊椎・橈骨遠位の骨折固定の増量材とするためコンドロイチン硫酸ナトリウムに入れて数分で硬化するリン酸カルシウムセメントが、挙げられる。又、生体材料は、ペースメーカーで例示される人工心臓に用いられる金属や樹脂、人工血管に用いられるポリエステル繊維やポリテトラフルオロエチレンフィルム、人工皮膚に用いられるポリビニルアルコールやコラーゲンも、挙げられる。
本発明の製剤は、前記の骨親和剤と、分散剤及び/又は媒質とを含有したもので、液剤、顆粒剤、錠剤、散剤であってもよい。
この製剤は、コラーゲン、懸濁させたポリ乳酸のような生体分解性樹脂粒子、ポリエチレンビーズのような合成樹脂粒子、脂肪やリン脂質でできたリポソームに、含有されたもので、カーボンナノチューブを内包したり、一部露出させたりしたもので、骨形成剤を治療すべき骨損傷部位へ特異的に輸送する製剤であってもよい。
この製剤は、前記の骨親和剤とともに、骨形成タンパク(BMP)のような骨形成剤や、幹細胞のような骨形成誘導細胞を含有していてもよい。さらにコラーゲンを有していてもよい。液状であってもよく、それを凍結乾燥して粉末状又はペレット状にしたものであってもよい。
以下に、本発明を適用する骨親和剤、それを用いた材料及び製剤を試作した例について説明する。
先ず、本発明を適用するカーボンナノチューブを含む液剤である骨親和剤の試験液と、本発明を適用外の製剤の比較試験液とを調製し、それを皮下組織に埋め込む生体適合性試験を行った例を示す。
(生体適合性試験用の骨親和剤の試験液及び比較試験液の調製例)
平均繊維径80nmで平均繊維長10〜20μmのカーボンナノチューブであるVGCF(昭和電工株式会社製)と、生理食塩水とを混合し、1体積%の骨親和剤の試験液を調製した。又、カーボンナノチューブに代えて、それとおよそ同じ大きさの径100nmで、骨親和性に優れると言われているアルミナセラミックス(タイミクロン;大明化学工業株式会社製)を用いたこと以外は、同様にして本発明外の製剤の比較試験液を調製した。
なお、調製した各液は、オートクレーブにより121℃で15分間加熱滅菌され、1mL注射器で18ゲージ(G)の針を介し注入して、投与される。以下の液も同様である。
(生体適合性試験)
6週齢ddyマウスを、10匹づつ3群に分けた。マウスの右背部に約1cmの縦切開を入れ、皮下組織を剥離し、試験液を移植するため深さ約3mmのポケットを作製した。
第1群のマウスのポケットに、カーボンナノチューブを含有する骨親和剤の試験液5μLを注入し、試験群とした。第2群のマウスのポケットにアルミナセラミックスを含有する製剤の比較試験液5μLを注入し、コントロール群とした。第3群のマウスにポケットを作製した後、皮膚を縫合し、シャムオペレーション群とした。各群とも、1週間後と4週間後とに、5匹ずつから、ポケット周囲組織と共に皮下組織を摘出した。摘出した皮下組織を、固定、包埋後、ヘマトキシリンエオジン染色して組織標本を作製し、光学顕微鏡で観察した。さらに、同様にして作成した切片に、F4/80免疫染色を行い、マクロファージの集積を観察した。
その結果、コントロール群では、アルミナセラミックスの生体親和性が高いことに起因して、1週間後に、急性炎症細胞が殆ど認められず、マクロファージがアルミナセラミックスの周囲に僅かしか認められなかった。又、4週間後に、炎症細胞が殆ど認められなかった。
未投与のシャムオペレーション群では、1週間後に急性炎症を示す好中球、リンパ球などの集積が殆ど認められなかった。又、4週間後に慢性炎症を示すリンパ球などの集積が殆ど認められなかった。
一方、カーボンナノチューブを含んだ骨親和剤を用いた試験群では、コントロール群やシャムオペレーション群と同様に、1週間後に皮下組織での急性、及び4週間後に慢性の炎症反応を惹起しておらず、異物反応が弱いことが分かった。マクロファージもコントロール群とほぼ同様に僅かである。従って、この骨親和剤は、安全性が高いものである。
次に骨親和剤中のカーボンナノチューブと骨との親和性を調べるため、骨親和剤をマウスの頭蓋骨の骨膜下へ埋め込む骨親和性試験を行った例を示す。
(骨親和性試験)
前記の生体適合性試験用の骨親和剤と同様にして、カーボンナノチューブを含む骨親和剤の試験液を調製した。又、その試験液と同様にして、アルミナセラミックスを含むネガティブ比較試験液を調製した。さらに、それとおよそ同じ大きさの径100nmのラテックスビーズポリスチレン(Sigma社製)のものであって骨親和性が悪いと言われているポリスチレンビーズを同濃度含むポジティブ比較試験液を調製した。
6週齢ddyマウスを、10匹づつ4群に分けた。マウスの頭頂部に1cmの横切開を入れ、頭蓋骨を露出し、頭蓋骨正中部の骨膜を剥離して、深さ約5mmのポケットを作製した。
第1群のマウスのポケットに、カーボンナノチューブを含有する骨親和剤の試験液5μLを注入し、試験群とした。第2群のマウスのポケットに、アルミナセラミックスを含むネガティブ比較試験液5μLを注入し、ネガティブコントロール群とした。第3群のマウスのポケットに、ポリスチレンビーズを含むポジティブ比較試験液5μLを注入し、ポジティブコントロール群とした。第4群のマウスのポケットを作製した後、皮膚を縫合し、シャムオペレーション群とした。各群とも、1週間後と4週間後とに、5匹ずつから、ポケット周囲組織と共に頭蓋骨を摘出した。摘出した頭蓋骨を、固定、包埋後、ヘマトキシリンエオジン染色して組織標本を作製し、光学顕微鏡で観察した。さらに、同様にして作成した切片にF4/80免疫染色を行い、マクロファージの集積を観察した。なお、バックをヘマトキシリン染色した。
その結果、未投与のシャムオペレーション群では、皮質骨が保たれ、1週間で骨膜組織がほぼ修復されており、急性炎症を示す好中球、リンパ球などの集積が殆ど認められなかった。4週間で骨膜組織は完全に修復されていた。
ポリスチレンビーズを含むポジティブ比較試験液によるポジティブコントロール群では、1週間後に骨膜の骨形成層が破壊され、皮質骨の表面がすでに侵食されており、4週間後に骨膜の骨形成層である骨組織が大きく破壊され、皮質骨の表面が侵食された部分に破骨細胞と多くの炎症細胞とが認められた。
アルミナセラミックスを含むネガティブ比較試験液によるネガティブコントロール群では、直下の皮質骨は保たれ、1週間後及び4週間後とも、アルミナセラミックスが骨膜下に留まり、骨形成層や皮質骨を侵食していなかった。4週間後に、内部へアルミナセラミックスが入った状態で、骨膜が修復されていた。
一方、カーボンナノチューブを含んだ骨親和剤を用いた試験群では、アルミナセラミックスの場合と同様に、1週間後、直下の皮質骨は保たれ、カーボンナノチューブが骨膜下に留まり、4週間で骨膜組織は正常に修復され、骨膜下にカーボンナノチューブが入り込んで、骨組織と接するようになり、又、骨形成層や皮質骨を侵食しておらず、骨組織に何の影響も及ぼしていなかった。
従って、この骨親和剤のカーボンナノチューブは、骨組織との親和性が極めて良い。
次に、骨親和剤中のカーボンナノチューブによる骨組織の修復に及ぼす影響を調べるため、骨親和剤をマウスの脛骨の骨欠損部に埋め込む骨修復性試験を行った例を示す。
(骨修復性試験)
前記の生体適合性試験用の骨親和剤と同様にして、カーボンナノチューブを含む骨親和剤の試験液を調製した。又、その比較試験液と同様にして、アルミナセラミックスを含むネガティブ比較試験液とを調製した。さらに、同サイズで同濃度の前記と同種のポリスチレンビーズを含むポジティブ比較試験液を調製した。
6週齢ddyマウスを、10匹づつ4群に分けた。マウスの右下腿前面に、約1cmの縦切開を入れ、脛骨前面を露出し、右脛骨の骨幹部に、直径0.7mmのK−ワイヤで、深さ1.5mmの骨孔を開けた。
第1群のマウスの骨孔に、含有する骨親和剤の試験液5μLを注入し、試験群とした。第2群のマウスの骨孔に、アルミナセラミックスを含むネガティブ比較試験液5μLを注入し、ネガティブコントロール群とした。第3群のマウスの骨孔に、ポリスチレンビーズを含むポジティブ比較試験液5μLを注入し、ポジティブコントロール群とした。第4群のマウスに骨孔を開けた後、皮膚を縫合し、シャムオペレーション群とした。各群とも、1週間後と4週間後とに、5匹ずつから、周囲組織と共に脛骨を摘出した。摘出した脛骨を、固定、包埋後、ヘマトキシリンエオジン染色して組織標本を作製し、光学顕微鏡で観察した。さらに、4週後の骨修復部の電子顕微鏡用標本を作製し、透過型電子顕微鏡で、骨組織の接合部を観察した。
その結果、未投与のシャムオペレーション群では、1週間後、欠損部に旺盛な骨形成を示し、4週間後には、骨修復が完成し、骨皮質が形成され、骨髄腔が連続してほぼ正常な脛骨に修復されていた。
ポリスチレンビーズを含むポジティブ比較試験液によるポジティブコントロール群では、1週間後、骨欠損部にリンパ球など多くの急性炎症細胞を認め、新生骨が少なく、骨修復は遅延しており、4週間後に、骨孔が修復されておらず、骨新生が中断して、炎症細胞を伴う肉芽組織で埋まっていた。
アルミナセラミックスを含むネガティブ比較試験液によるネガティブコントロール群では、シャムオペレーション群と同様、1週間後に欠損部に骨修復を認め、骨修復が進行し、アルミナセラミックスが形成された新生骨と直接結合して骨内に封入されていた。4週間後に、欠損部の骨修復が完成し、修復された骨皮質にアルミナセラミックスが入り込み、骨組織に直接結合していた。骨皮質も骨髄腔も連続して形成され、アルミナセラミックスが、形成された皮質骨の骨組織に直接結合して、骨内に封入されていた。
一方、カーボンナノチューブを含んだ骨親和剤を用いた試験群では、1週間後に炎症細胞は認められず、旺盛な骨修復像を認め、カーボンナノチューブが新生骨に取り込まれていた。カーボンナノチューブは形成された骨組織と直接結合して、骨内に封入されていた。4週間で皮質骨と骨髄腔とが完全に修復され、カーボンナノチューブが骨組織に取り込まれていた。カーボンナノチューブは、骨組織に直接結合し、骨内に封入されていた。電子顕微鏡での観察でもカーボンナノチューブと骨組織の間に空隙を認めず、完全に一体化していた。
従って、この骨親和剤のカーボンナノチューブは、骨修復を阻害せず、むしろ骨修復を促進するものである。しかも、骨親和剤のカーボンナノチューブは、骨組織と直接結合して骨に取り込まれるので、骨組織に固定する生体材料に含ませると、骨形成に極めて有効であることが示された。
次に、骨親和剤中のカーボンナノチューブとコラーゲンとの複合体を、骨組織への骨親和剤輸送製剤として調製し、それを用いて骨形成タンパク(BMP)によるマウス背筋内での異所骨形成性試験を行った例を示す。
(骨親和剤輸送製剤の試験製剤及び比較試験製剤の調製例)
液状のI型アテロコラーゲン(セルマトリックス)(新田ゼラチン株式会社製)の2mgと、カーボンナノチューブVGCF(昭和電工株式会社製;登録商標)の0.75μgからなる骨親和剤とを10μLの1%界面活性剤入り生理食塩水に混合し、さらに骨形成タンパクrhBMP−2(BMP)(Genetics社製)の5μgを混合した後、凍結乾燥して、骨親和剤輸送製剤をペレットとして調製した。なお、カーボンナノチューブを用いないこと以外は同様にして、対照の製剤を作製した。
(異所骨形成性試験)
6週齢オスddyマウスを、10匹づつ2群に分けた。マウス背中の正中に約1.5cmの縦切開を入れ、左背筋筋膜を切開し、筋膜下に、長さ6mmで深さ8mmのポケットを作成した。この骨親和剤輸送製剤及び対照の製剤を、各群のマウスのポケットに埋め込み、3週間後に、背筋内に形成された異所骨を周辺組織と共に摘出した。
骨親和剤輸送製剤を用いた異所骨は、対照の製剤を用いた異所骨よりも、粒径の大きな骨が形成されていた。又、摘出した異所骨を、軟X線撮影装置(SOFTEX社製、製品番号:ソフロンSRO-M50)により軟X線写真像を撮影し、観察した。さらに摘出した異所骨を、固定、包埋後、ヘマトキシリンエオジン染色して組織標本を作製し、光学顕微鏡で観察した。その組織像は、カーボンナノチューブを含む骨親和剤輸送製剤及びそれを含まない対照の製剤を用いた両群のマウスとも、正常な骨梁と造血性の骨髄からなる正常な骨組織であることを示していた。骨親和剤輸送製剤を用いた場合の方が、対照の製剤と比べて骨梁が太く密であった。又、骨親和剤輸送製剤を用いた場合、カーボンナノチューブが骨梁内に入り込み、一体化している像が認められた。しかも、炎症は認めらない。
さらに、摘出した異所骨の新生骨の骨塩量及び骨密度を骨塩定量装置(ALOKA社製、製品番号:DCS-600)により計測し、骨面積をスキャンエリアのプロッティングにより計測した。その結果を図1に示す。
図1から明らかなように、カーボンナノチューブを含む骨親和剤輸送製剤は、それを含まない対照の製剤よりも、骨塩量、骨密度、骨面積ともに、高値を示していた。
これらのことから、カーボンナノチューブはBMPとコラーゲンとによる異所性骨形成を促進し、大きく密度の高い骨を作ることが明らかになった。
その理由の詳細は必ずしも明らかではなく今後、更に検討すべきであるが、カーボンナノチューブが、コラーゲンのもつBMPを保持して除法するという薬物輸送剤としての能力を増幅したため、又はカーボンナノチューブそのものがBMPを保持し除法する能力を有しているため、又はカーボンナノチューブにより骨形成の足場が強化されたため、又は骨形成に重要な血管新生に好影響を及ぼしたためと、推察される。
次に骨親和剤の抗菌性を調べるため、本発明を適用する骨親和剤の試験液と、本発明を適用外の骨親和剤の比較試験液とを調製し、抗菌性試験を行った例を、示す。
カーボンナノチューブVGCF又はVGCF−H(いずれも昭和電工株式会社製)の8mg、40mg及び200mgを、夫々生理食塩水の10mLに懸濁させ、カーボンナノチューブVGCF又はVGCF−Hの試験液を調製した。
一方、生理食塩水に代えて、0.05重量%のカルボキシメチルセルロース(CMC)含有生理食塩水の10mLを用いたこと以外はVGCF又はVGCF−Hの試験液と同様にしてカーボンナノチューブVGCF又はVGCF−H及びCMCの試験液を調製した。VGCFに代えて、平均粒径100nmのアルミナセラミックス(タイミクロン;大明化学工業株式会社製)を用いたこと以外はVGCFの試験液と同様にしてアルミナセラミックスの比較試験液を調製した。又、生理食塩水に代えて、0.05重量%のカルボキシメチルセルロース含有生理食塩水の10mLを用いたこと以外はVGCFの試験液と同様にしてアルミナセラミッスク及びCMCの比較試験液を得た。VGCFと生理食塩水とに代えて、Mueller Hinton培養液(栄研化学株式会社製)を用いたこと以外はVGCFの試験液と同様にして、対照液を得た。
得られた骨親和剤の試験液と対照液とを、夫々50μLづつ培養プレートのホールに加えた。細菌である黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)を20時間、前培養し、9.0×10cell/mLとした後、Mueller Hinton培養液で、2.0×10cell/mLに希釈し、細菌培養液とした。細菌培養液の50μLを、前記培養プレートの各ホールに添加し、夫々合計で100μLにした後、8時間インキュベーションを行った。さらに前記培養プレートの各ホールに、生存する細菌が細菌数に比例して産生するATPに濃度依存して発光する薬剤であるBacTiter-GLO(プロメガ株式会社製;商品名)を、100μLづつ加えた。撹拌後、遠心分離器にかけて、カーボンナノチューブ又はアルミナセラミックスと細菌とを沈殿させ、上澄液の発光度を測定した。夫々試験検体数n=3で行った。なお、比較のため、対照液を用い細菌培養液を添加しなかったこと以外は同様にして、発光度を測定した。その結果を図2に纏めて示す。
図2から明らかな通り、カーボンナノチューブを含む骨親和剤である試験液は、カーボンナノチューブの濃度に依存して、優れた抗菌性を示した。特に界面活性剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウムを共存させると、抗菌性が一層増強する。それに対し、アルミナセラミックスを含む比較試験液では、抗菌性を示さなかった。
骨親和剤が抗菌作用を発現する作用機序の詳細は必ずしも明らかでないが、カーボンナノチューブが、細菌を吸着して不活性化したり、細菌の繁殖に必要な栄養を吸着して細菌の増殖を抑制したりするためであると、推察される。
前記のような各試験により、カーボンナノチューブは、生体内で炎症反応を惹起しないばかりでなく、異物反応が少ないこと、骨組織との適合性がよく骨融解など骨に悪い影響を与えないこと、骨修復を阻害せず骨組織と直接結合して骨に取り込まれること、BMPによる骨形成を促進すること、さらに抗菌性を有することの多様な薬理作用を有しているということが明らかになった。
カーボンナノチューブを単独又は複合体にして含んでいる骨親和剤は、体内に埋め込むタイプのペースメーカー、人工関節、人工骨、骨接合固定具、人工骨、人工皮膚、人工血管、及び人工体液様々な生体組織代替用骨親和材料に含有させて用いることができる。
この骨親和剤は、カーボンナノチューブと骨組織との適合性がよく、骨融解などのような骨への悪影響を与えないことから、骨組織と接する生体材料である骨折治療用のプレートやスクリュー等の骨接合固定具、人工関節、人工骨、人工骨などに含有させて用いることができる。
又、骨親和剤は、カーボンナノチューブが骨修復を阻害せずに、骨組織と直接結合して骨に取り込まれ骨組織の修復や新生骨の形成を促進するから、これらの生体材料に含有させて骨折治癒を早めるプレートやスクリュー、周囲の骨欠損を骨としっかり固定して緩まない人工関節などに利用できる。
さらに、この骨親和剤は、BMPによる異所性骨形成を促進するから、骨の再生医療を行うために、BMPなどのサイトカインによる骨再生、幹細胞などを用いた細胞治療、さらに遺伝子治療などを行う際、カーボンナノチューブを単独で用いたりコラーゲンなどとの複合体にして用い、骨形成を促進する足場を形成する医薬製剤として、又薬物輸送剤として、利用できる。
この骨親和剤を含有する機能性材料や生体材料を用いた生体組織代替用骨親和材料や医薬用製剤は、骨代謝異常診療や整形外科診療の際に施される再生医療、とりわけ骨組織再生医療に、有用である。
本発明を適用する骨親和剤輸送製剤の試験製剤と本発明を適用外の比較試験製剤を用いた異所骨形成性試験での骨塩量、骨密度及び骨面積を示すグラフである。
本発明を適用する骨親和剤の試験液と本発明を適用外の比較試験液との抗菌性試験の結果を示すグラフである。

Claims (7)

  1. カーボンナノチューブからなる骨親和物質を含んでいることを特徴とする骨親和剤。
  2. 前記カーボンナノチューブが、0.01〜500mg/mLの濃度で懸濁され、又は0.001〜50重量%の濃度で分散されていることを特徴とする請求項1に記載の骨親和剤。
  3. 請求項1に記載の骨親和剤が、人工関節、人工骨、骨接合固定具、人工歯牙、人工皮膚、人工血管、及び人工体液から選ばれる生体材料に含有され又は付されていることを特徴とする生体組織代替用骨親和材料。
  4. 前記生体材料が、前記人工関節、前記人工骨又は前記人工歯牙であって、ポリエチレン、アルミナセラミックス、ジルコニアセラミックス、チタン合金、骨セメント、ハイドロキシアパタイト、リン酸カルシウムセメントから選ばれる少なくとも何れかで、形成されていることを特徴とする請求項3に記載の生体組織代替用骨親和材料。
  5. 請求項1に記載の骨親和剤と、分散剤及び/又は媒質とを含有していることを特徴とする製剤。
  6. 前記骨親和剤を、コラーゲン、生体分解性樹脂粒子、合成樹脂粒子、又はリポソームに含有しており、骨組織に輸送することを特徴とする請求項5に記載の製剤。
  7. 前記骨親和剤とともに、骨形成剤又は骨形成誘導細胞を含有していることを特徴とする請求項6に記載の製剤。
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