JP2007329560A - コンデンサ型マイクロホンの製造方法及びコンデンサ型マイクロホン - Google Patents

コンデンサ型マイクロホンの製造方法及びコンデンサ型マイクロホン Download PDF

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Abstract

【課題】安価且つ簡単に、振動板の機械的強度が確保されたコンデンサ型マイクロホンを製造する方法を提供する。
【解決手段】コンデンサ型マイクロホンの製造方法であって、単結晶シリコンからなる基板1の一方の表面に第1キャビティ1bを形成する工程と、基板1の他方の表面の、第1キャビティ1bが形成される領域に対応する部分にイオン注入を行って犠牲層2を形成する工程と、犠牲層2上に単結晶シリコン層3を堆積させる工程と、単結晶シリコン層3に複数の孔7を形成する工程と、複数の孔7を介して犠牲層2の一部をエッチングして基板1と単結晶シリコン層3との間に空間8を設けることで、第1キャビティ1bが形成される領域に対応する部分の基板1からなる振動板Mと、複数の孔7を有する単結晶シリコン層3からなる背極板Bと、犠牲層2からなるスペーサ部材Sとを形成する工程とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、音響により振動する振動板と、複数の孔を有する背極板と、前記振動板と前記背極板との間に配置されるスペーサ部材とを有するコンデンサ部を備えるコンデンサ型マイクロホンの製造方法及びその製造方法により得られるコンデンサ型マイクロホンに関する。
音響により振動する振動板と、複数の孔を有する背極板と、前記振動板と前記背極板との間に配置されるスペーサ部材とを有するコンデンサ部を備えるコンデンサ型マイクロホンがある。そして、MEMS技術を用いて、携帯電話などの小型の電気機器で用いるための非常に小型のコンデンサ型マイクロホンが製造される。
例えば、特許文献1(特開2002−223499号公報)には、MEMS技術を用いたコンデンサ型マイクロホンの製造方法が記載されている。
具体的には、特許文献1に記載のコンデンサ型マイクロホンの製造方法は、単結晶シリコンからなる基板の一方の表面を熱酸化する工程と、熱酸化により形成されたSiO層をパターン化する工程と、SiO層をパターン化することにより露出した基板の表面にイオン注入を行って、パターン化されたイオン注入層を基板に形成する工程と、SiO層を除去して、パターン化された基板表面及びイオン注入層表面を露出させる工程と、露出された基板表面及びイオン注入層表面上に、SiOからなる犠牲層を成膜する工程と、犠牲層上に多結晶シリコン層を成膜する工程と、基板の他方の表面側を選択的にエッチングして、パターン化された部分の基板を除去し、パターン化された孔を有するイオン注入層を選択的に残す工程と、孔を介してイオン注入層と多結晶シリコン層との間の犠牲層を選択的にエッチングして、イオン注入層と多結晶シリコン層との間に空間を設ける工程とを有する。
その結果、特許文献1に記載のコンデンサ型マイクロホンは、音響により振動する振動板(多結晶シリコン層)と、複数の孔を有する背極板(イオン注入層)と、振動板と背極板との間に配置されるスペーサ部材(犠牲層)とを有するコンデンサ部を備えている。
また、コンデンサ型マイクロホンの音響特性を調節するためのキャビティは、背極板と一体形成されている基板に設けられている。
特許文献2(特開2005−323193号公報)には、上述した特許文献1とは別のコンデンサ型マイクロホンの製造方法が記載されています。
具体的には、単結晶シリコンからなる活性層と、単結晶シリコンからなる支持層と、それらの間に挟まれたSiOからなる絶縁層との3層からなるSOI(Si on Insulator)基板が用いられている。そして、支持層の複数の箇所を絶縁層までエッチングして、支持層に複数の孔を形成する工程と、孔を介して絶縁層を選択的にエッチングして支持層と活性層との間に空間を設けることで、活性層を用いた振動板と、支持層を用いた背極板と、絶縁層を用いたスペーサ部材とを形成する工程とが行われている。
特許文献3(特開2003−78981号公報)のコンデンサ型マイクロホンの製造方法では、シリコン層の表面に不純物が高濃度にドーピングされたエッチストップ層を有する振動膜基板を用意する工程と、シリコン層の表面に酸化物からなる接合膜を有する背極板基板を用意する工程と、上記エッチストップ層と上記接合膜とを接合して、結果的に上記振動膜基板と上記背極板基板とを接合することで、シリコン層とエッチストップ層と接合膜とシリコン層とが順に積層された構造を形成する工程と、背極板基板の接合膜をエッチストップとして用いて背極板基板のシリコン層をパターン化して、パターン化された複数の孔を有するシリコン基板を形成する工程と、それら複数の孔を介してエッチストップ層とパターン化されたシリコン基板との間の接合膜を選択的にエッチングする工程と、振動板基板のシリコン層をエッチングして、パターン化されたシリコン基板を用いた背極板と、絶縁層を用いたスペーサ部材と、エッチストップ層を用いた振動板とを形成する工程とが行われている。
また、コンデンサ型マイクロホンの音響特性を調節するためのキャビティは、振動板と一体形成されているシリコン基板に設けられている。
特許文献4(特開2002−95093号公報)のコンデンサ型マイクロホンの製造方法では、1枚のシリコン基板を出発材料としている。具体的には、ホウ素注入工程と注入されたホウ素の熱拡散工程と用いて、シリコン基板の一方の表面から所定の深さにまでホウ素ドーピングされた背極板を形成し、シリコン基板の他方の表面から所定の深さにまでホウ素ドーピングされた振動膜を形成している。よって、背極板の厚さはホウ素ドーピングされた深さによって決定され、振動膜の厚さもホウ素ドーピングされた厚さによって決定される。そして、背極板と振動板との間の、ホウ素ドーピングされていない部分がスペーサ部材として機能する。
特開2002−223499号公報 特開2005−323193号公報 特開2003−78981号公報 特開2002−95093号公報
特許文献1に記載のコンデンサ型マイクロホンでは、振動板に多結晶シリコンを用いているため、振動板の機械的強度が充分ではないという問題がある。
また、犠牲層(スペーサ部材)の成膜及び多結晶シリコン層(振動板)の成膜という少なくとも二つの成膜工程が必須になるので、コンデンサ型マイクロホンの製造工程が複雑になる点で不利である。
特許文献2に記載のコンデンサ型マイクロホンでは、振動板が単結晶シリコンで形成されるため、振動板の機械的強度を確保できる点で好ましい。
しかし、高価なSOIを用いているため、コンデンサ型マイクロホンを製造するのに要するコストが大きくなってしまうという問題がある。
特許文献3に記載のコンデンサ型マイクロホンでは、イオン注入を行ったシリコン基板と、表面に酸化物を形成したシリコン基板を夫々用意した後、両者を接合するという複雑な工程が必要になるという問題がある。
特許文献4に記載のコンデンサ型マイクロホンでは、背極板の厚さを調節するためにホウ素注入及び注入されたホウ素の熱拡散を厳密に制御する必要があり、且つ、振動膜の厚さを調節するためにもホウ素注入及び注入されたホウ素の熱拡散を厳密に制御する必要がある。しかし、ホウ素の拡散深さを厳密に制御することは困難であり、特に、シリコン基板の両面からのホウ素の拡散深さを厳密に制御することは非常に困難である。
以上のように、従来のコンデンサ型マイクロホンの製造方法は、手順が複雑であり、大きなコストが必要になっていた。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、安価且つ簡単に、振動板の機械的強度が確保されたコンデンサ型マイクロホンを製造する方法及びそれにより得られるコンデンサ型マイクロホンを提供する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係るコンデンサ型マイクロホンの製造方法の特徴構成は、音響により振動する振動板と、複数の孔を有する背極板と、前記振動板と前記背極板との間に配置されるスペーサ部材とを有するコンデンサ部を備えるコンデンサ型マイクロホンの製造方法であって、
単結晶シリコンからなる基板の一方の表面に、一方向に開口した第1キャビティを形成する工程と、
前記基板の他方の表面の、前記第1キャビティが形成される領域に対応する部分にイオン注入を行って、当該基板の他方の表面に犠牲層を形成する工程と、
前記犠牲層上に単結晶シリコン層を堆積させる工程と、
前記単結晶シリコン層の複数の箇所を前記単結晶シリコン層の表面から前記犠牲層までエッチングして、前記単結晶シリコン層に複数の孔を形成する工程と、
前記複数の孔を介して前記犠牲層の一部をエッチングして前記基板と前記単結晶シリコン層との間に空間を設けることで、前記第1キャビティが形成される領域に対応する部分の前記基板からなる前記振動板と、前記複数の孔を有する前記単結晶シリコン層からなる前記背極板と、残された前記犠牲層からなる前記スペーサ部材とを形成する工程とを含む点にある。
上記特徴構成によれば、SOIなどの高価な基板ではなく、単結晶シリコンからなる基板が出発材料となるので、コンデンサ型マイクロホンを低コストで製造できる。また、成膜工程の実施が1回だけで構わないので、複数回の成膜工程が必要である場合に比べて簡単にコンデンサ型マイクロホンの製造を行える。更に、振動板が単結晶シリコンからなるので、音響による振動に対する機械的強度を確保できる。その結果、安定した性能を長期間に渡って発揮できることになる。
従って、安価且つ簡単に、振動板の機械的強度が確保されたコンデンサ型マイクロホンを製造する方法を提供できる。
本発明に係るコンデンサ型マイクロホンの製造方法の別の特徴構成は、前記単結晶シリコンからなる基板の面方位が(100)である点にある。
上記特徴構成によれば、安価で入手が容易である、面方位が(100)の単結晶シリコンからなる基板を出発材料とできるので、コンデンサ型マイクロホンを低コストで製造できる。
上記目的を達成するための本発明に係るコンデンサ型マイクロホンの特徴構成は、上記コンデンサ型マイクロホンの製造方法により得られるコンデンサ型マイクロホンであって、
一方向に開口した第2キャビティを有する基材に対して、当該第2キャビティの開口部と前記第1キャビティの開口部とが相対するように前記基板が組み合わされている点にある。
キャビティが基板に形成される構造となっている場合、基板をエッチングする必要が生じると共に、キャビティの形状、容積などのキャビティ設計が基板の大きさによって制限されるという問題がある。
ところが、上記特徴構成によれば、キャビティはコンデンサ部ではなくて基材に形成されているので、コンデンサ部の形状とは別に、キャビティの形状の設計を自由に行うことができる。
以下に図面を参照して本発明に係るコンデンサ型マイクロホンの構成について説明する。図1は、本発明に係るコンデンサ型マイクロホンの断面図であり、図2〜図9は、コンデンサ型マイクロホンの製造方法を説明する工程図である。
図1に示すように、コンデンサ型マイクロホンは、音響により振動する振動板Mと、複数の孔7を有する背極板Bと、これら振動板Mと背極板Bとの間に配置されるスペーサ部材Sとを有するコンデンサ部Cを備える。そして、コンデンサ部Cは、音孔10aが設けられた筐体10と基材11とによって形成される内部空間17に収容される。筐体10は、有底筒状の金属又は導電性樹脂を用いて作製され、その開口部が基材11で覆われることで上記内部空間17が形成される。また、基板1の一方の表面には、一方向に開口した第1キャビティ1bが形成されている。この第1キャビティ1bは、振動板Mが音響により振動するときの音響特性を調節するために設けられている。そして、第1キャビティ1bが形成される領域に対応する部分の基板1は、振動板Mとして機能する。よって、筐体10の外部で発生した音響が、筐体10の底部10bの端部に設けられた音孔10aから内部空間17に侵入すると、その音は背極板Bの孔7及び振動板Mと背極板Bとの間の空間8を介して振動板Mに到達する。そして、その音によるコンデンサ部Cの振動板Mの振動(つまり、変位)によって背極板Bと振動板Mとの間隔が変化し、その変化に応じてコンデンサ部Cの静電容量が変化する。
また、コンデンサ部Cは、平板状の基材11に対して、コンデンサ部Cの基板1に設けられた第1キャビティ1bの開口部が基材11によって覆われるように組み合わされている。
このように、コンデンサ部Cの振動板Mの振動特性は、音孔10aから侵入してきた音が反響する内部空間17の形状と、背極板Bが有する複数の孔7の形状と、振動板Mと背極板Bとの間の空間8の形状と、基板1に設けられた第1キャビティ1bの形状と、振動板M自体の形状とによって変化する。
内部空間17において、ICからなる変換回路部9も基材11上に設けられている。この変換回路部9は、コンデンサ部Cにおいて発生した静電容量の変化を電気信号に変換して出力する。変換回路部9が備える端子9bは、背極板Bに設けられた電極5との間でワイヤ15を用いて電気的に接続され、端子9cは振動板M(基板1)に設けられた電極4との間でワイヤ14を用いて電気的に接続される。
基材11の内部空間17側とは逆の表面には複数の電極パッド12が設けられており、これら電極パッド12は、図1に示すコンデンサ型マイクロホンを他の装置に搭載して電気的な導通を達成するために用いられる。また、電極パッド12と変換回路部9とは、基材11に設けられた回路パターン(図示せず)と基材11上に設けられた端子13とワイヤ16と変換回路部9に設けられた端子9aとを介して電気的に接続される。
コンデンサ部Cの基板1と基材11とはエポキシ系やシリコン系の接着剤を用いて接着される。また、ICからなる変換回路部9は、基材11上のグランドに対して導電性接着剤で接着される。更に、基材11に設けられた電極パッド12は、電源用電極パッド、接地用電極パッド、マイクロホン出力用電極パッドなどであるので、図1に示したコンデンサ型マイクロホンを回路基板に直接実装することができる。
次に、図2〜図9を参照してコンデンサ型マイクロホンの製造方法について説明する。
本発明のコンデンサ型マイクロホンの製造方法は、単結晶シリコンを出発材料として用いるものである。図2に示すように、厚さが500μm〜600μmの単結晶シリコンからなる基板1を用意する。具体的には、面方位が(100)である単結晶シリコンウェハからなる基板1上に2mm角のコンデンサ部Cを多数形成し、その後、各コンデンサ部Cをダイシングするのだが、本実施形態では、1つのコンデンサ部Cの製造工程のみを図示する。但し、基板1は、(100)とは異なる面方位を有するものであってもよい。
次に、図3に示すように、基板1の一方の表面に、一方向に開口した第1キャビティ1bを形成する。この第1キャビティ1bの形成工程は、KOHやTMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)などを用いたウェットエッチングによって行われる。第1キャビティ1bの形状は、単結晶シリコンからなる基板1の面方位により決定される。次に、図4に示すように、基板1の他方の表面の、第1キャビティ1bが形成される領域に対応する部分にイオン注入を行って、この基板1の表面に犠牲層2を形成する。例えば、基板1の他方の表面の、犠牲層2を形成しない部分(ドーピングを行わない部分)にマスク(図示せず)を形成した後、ホウ素ドーピング及び熱拡散を行う。このドーピング工程により、基板1の表面に深さが1μm〜10μmの犠牲層2が形成される。
その後、図5に示すように、基板1の他方の表面に形成された犠牲層2上に単結晶シリコン層3を堆積させる。この単結晶シリコン層3は後に背極板Bとして作用するものであり、この堆積工程において成膜される単結晶シリコン層3の厚さは10μm〜50μmである。
次に、図6に示すように、単結晶シリコン層3の複数の箇所を単結晶シリコン層3の表面から犠牲層2までエッチングして、単結晶シリコン層3に複数の孔7を形成する。例えば、単結晶シリコン層3の表面に上述した複数の孔7に対応するパターンのマスク(図示せず)を形成した上で、反応性イオンエッチングにより単結晶シリコン層3のエッチングを行って、単結晶シリコン層3に複数の孔7を形成する。このとき、犠牲層2は反応性イオンエッチングのエッチストップ層として機能する。
図6に示した構造において、最終的に、基板1の一部は振動板Mとして機能し、犠牲層2の一部はスペーサ部材Sとして機能し、単結晶シリコン層3は背極板Bとして機能することになる。そのため、図7に示すように、基板1及び単結晶シリコン層3の夫々の表面に電極4、5を形成する。この電極4、5は基板1及び単結晶シリコン層3の夫々との間にオーミック接触を形成する。よって、電極材料としてはオーミック接触を形成できる材料であればよく、本実施形態では金(Au)電極をスパッタリングにより作製した。
図8は、単結晶シリコン層3に形成された複数の孔7を介して犠牲層2の一部をエッチングすることで、単結晶シリコン層3と基板1との間に空間8を設けた状態を示す図である。この工程を具体的に説明すると、先ず図7に示した構造の周囲に孔7の部分を除いてマスク層6を形成する。その後、TMAHを用いたアルカリエッチングが行われる。つまり、TMAHが複数の孔7を介して犠牲層2に達することで、犠牲層2のウェットエッチングがその一部を残して行われる。その結果、図8に示したように、単結晶シリコン層3と基板1との間に空間8が形成される。
そして、マスク層6を除去すると、図9に示したような構造が得られる。つまり、図1にも示したように、第1キャビティ1bが形成される領域に対応する部分の基板1からなる振動板Mと、複数の孔7を有する単結晶シリコン層3からなる背極板Bと、残された犠牲層2からなるスペーサ部材Sとを備えるコンデンサ部Cが得られる。
以上のように、本発明に係るコンデンサ型マイクロホンは、SOIなどの高価な基板ではなく、単結晶シリコンからなる基板1が出発材料となるので、コンデンサ型マイクロホンを低コストで製造できる。このとき、(100)の面方位を有する安価な単結晶シリコンからなる基板1を用いることが好ましい。また、成膜工程の実施が1回だけ(単結晶シリコン層3の成膜だけ)で構わないので、複数回の成膜工程が必要である場合に比べて簡単にコンデンサ型マイクロホンの製造を行える。更に、振動板Mが単結晶シリコン(基板1)からなるので、音響による振動に対する機械的強度を充分に確保できる。その結果、コンデンサ型マイクロホンは、安定した性能を長期間に渡って発揮できることになる。
<別実施形態>
<1>
上記実施形態において、基材11の形状を変更してもよい。例えば、図10に示すように、基材11が一方向に開口した第2キャビティ11aを有するように構成してもよい。図10に示した例では、第2キャビティ11aを有する基材11に対して、この第2キャビティ11aの開口部と第1キャビティ1bの開口部とが相対するように基板1が組み合わされている。よって、第2キャビティ11aの形状を変更することで、振動板Mが音響により振動するときの音響特性を調節できる。このように、第2キャビティ11aはコンデンサ部Cとは別体の基材11に形成されているので、コンデンサ部Cの形状とは別に、第2キャビティ11aの形状の設計を自由に行うことができる。
<2>
上記実施形態において、筐体10に1つの音孔10aが設けられた場合について説明したが、筐体10に複数の音孔を設けてもよい。また、音孔10aを形成する部位は、筐体10の底部10bの端や中央部、又は、筐体10の側部に変更しても構わない。
<3>
コンデンサ型マイクロホンの音響特性を調節するために、複数の孔7の夫々の直径や数などを適宜変更可能であり、第1キャビティ1bや第2キャビティ11aの形状を適宜変更可能であり、及び、空間8の形状を適宜変更可能である。
本発明のコンデンサ型マイクロホンは、音の強さや周波数などを検出して電気信号に変換するために利用できる。特に、コンデンサ部がMEMS技術を利用して製造されるので、小型且つ安定した性能のコンデンサ型マイクロホンが得られる。
コンデンサ型マイクロホンの断面図 コンデンサ型マイクロホンの製造工程を説明する工程図 コンデンサ型マイクロホンの製造工程を説明する工程図 コンデンサ型マイクロホンの製造工程を説明する工程図 コンデンサ型マイクロホンの製造工程を説明する工程図 コンデンサ型マイクロホンの製造工程を説明する工程図 コンデンサ型マイクロホンの製造工程を説明する工程図 コンデンサ型マイクロホンの製造工程を説明する工程図 コンデンサ型マイクロホンの製造工程を説明する工程図 別のコンデンサ型マイクロホンの断面図
符号の説明
1 基板
1b 第1キャビティ
2 犠牲層
3 背極板
7 孔
8 空間
C コンデンサ部
M 振動板
S スペーサ部材
B 背極板

Claims (3)

  1. 音響により振動する振動板と、複数の孔を有する背極板と、前記振動板と前記背極板との間に配置されるスペーサ部材とを有するコンデンサ部を備えるコンデンサ型マイクロホンの製造方法であって、
    単結晶シリコンからなる基板の一方の表面に、一方向に開口した第1キャビティを形成する工程と、
    前記基板の他方の表面の、前記第1キャビティが形成される領域に対応する部分にイオン注入を行って、当該基板の他方の表面に犠牲層を形成する工程と、
    前記犠牲層上に単結晶シリコン層を堆積させる工程と、
    前記単結晶シリコン層の複数の箇所を前記単結晶シリコン層の表面から前記犠牲層までエッチングして、前記単結晶シリコン層に複数の孔を形成する工程と、
    前記複数の孔を介して前記犠牲層の一部をエッチングして前記基板と前記単結晶シリコン層との間に空間を設けることで、前記第1キャビティが形成される領域に対応する部分の前記基板からなる前記振動板と、前記複数の孔を有する前記単結晶シリコン層からなる前記背極板と、残された前記犠牲層からなる前記スペーサ部材とを形成する工程とを含むコンデンサ型マイクロホンの製造方法。
  2. 前記単結晶シリコンからなる基板の面方位が(100)である請求項1記載のコンデンサ型マイクロホンの製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載のコンデンサ型マイクロホンの製造方法により得られるコンデンサ型マイクロホンであって、
    一方向に開口した第2キャビティを有する基材に対して、当該第2キャビティの開口部と前記第1キャビティの開口部とが相対するように前記基板が組み合わされているコンデンサ型マイクロホン。
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