JP2007329221A - 荷電粒子線レンズアレイ、露光装置及びデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の荷電粒子線の電子光学特性を制御する荷電粒子線レンズアレイにおいて、上層電極(第一電極)303、中層上電極(第二電極)304、中層下電極(第三電極)305、下層電極(第四電極)306の4枚一組から成り、前記上層電極(第一電極)303と前記下層電極(第四電極)306を電気的にグランドに接地し、前記中層上電極(第二電極)304と前記中層下電極(第三電極)305には、それぞれ逆相の電圧を印加する。この荷電粒子線レンズアレイ301を露光装置に適用し、かつデバイス製造方法に適用する。
【選択図】 図2
Description
このシステムによるマルチ荷電粒子線露光装置においては、マルチ荷電粒子線レンズのアレイ数により荷電粒子線の本数が決まり、レンズ数がスループットを決定する大きな要因となる。
このためレンズの小型化および高密度化を進めながら如何にレンズ性能を高めていくかが、マルチ荷電線露光装置の性能向上における重要なファクターのひとつである。
ここで、静電型の電子レンズ(静電型レンズ)に関する主な従来技術を以下に示す。
即ち、Sasaki(J.Vac.Sci.Technol.,19(4),p963,(1981))(非特許文献1)によりレンズ開孔配列を有する3枚電極でアインツェルレンズ配列にした構成が開示されている。
このように構成した静電型レンズでは、一般的に3枚の電極のうち中央の電極に電圧を印加し、他の2枚を接地することで荷電粒子線のレンズ作用を得ることができる。
このため、各レンズアレイのレンズ作用を異なるものにするためには、各レンズ毎に異なる電圧を印加する方法が考えられる。
しかし、この場合、静電型レンズアレイに、各レンズ間の絶縁構造や、各レンズに個別に電圧を印加する配線が必要となるため、レンズアレイ構造が複雑化する傾向があった。
即ち、例えば、2組のレンズアレイを使用する場合には、合計6枚の電極が必要であって、このため、より大きなレンズ作用を得るためにはレンズアレイの枚数が多くなるという課題があった。
Sasaki(J.Vac.Sci.Technol.,19(4),p963,(1981))
また、本発明は、その高精度な荷電粒子線レンズアレイを用いて、高精度で、かつ信頼性の高い露光処理を実現する露光装置、及び、高精度で、かつ信頼性の高いデバイスの製造を実現するデバイス製造方法を提供することを目的とする。
前記荷電粒子線レンズアレイの光軸方向において、前記荷電粒子源側から第一電極、第二電極、第三電極、第四電極という順に設けられた構造体であり、
前記第一電極と前記第四電極を電気的にグランドに接地し、
前記第二電極と前記第三電極には、それぞれ逆相の電圧を印加することを特徴とする。
また、本発明の荷電粒子線レンズアレイは、前記第二電極は、光軸と直交する平面内の第1の方向に並ぶ2次元配列の第1のアレイから成り、前記第1のアレイは、列毎に電気的に絶縁されており、列毎に独立に電圧を印加するために配線を有し、前記第三電極は、前記平面内の第2の方向に並ぶ2次元配列の第2のアレイから成り、前記第2のアレイは、列毎に電気的に絶縁されており、列毎に独立に電圧を印加するために配線を有し、前記第1のアレイと前記第2のアレイは、前記平面内においてそれぞれ直交する方向に配置されることを特徴とする。
一方、本発明の露光装置は、複数の荷電粒子線を放射する荷電粒子源と、前記荷電粒子源の複数の中間像を形成する上述の荷電粒子線レンズアレイを有する補正電子光学系と、前記複数の中間像を被露光面に縮小投影する縮小電子光学系と、前記被露光面に投影される複数の中間像が前記被露光面上で移動するように偏向する偏向器と、を有することを特徴とする。
また、本発明のデバイス製造方法は、上述の露光装置を用いてウエハを露光する工程と、前記ウエハを現像する工程とを備えることを特徴とする。
また、本発明の露光装置によれば、その高精度な荷電粒子線レンズアレイを用いるため、高精度で、かつ信頼性の高い露光処理を実現することができる。
また、本発明のデバイス製造方法によれば、上述の露光装置を用いるため、高精度で、かつ信頼性の高いデバイスの製造を実現することができる。
図1に示す荷電粒子線レンズアレイ201は、電子線に適用した場合(即ち電子線レンズアレイ)を例示する。
但し、それは本発明の一適用例に過ぎず、本発明は、電子線以外の荷電粒子線として例えばイオンビーム等にも適用することが可能である。
この4枚の電極203,204,205,206はそれぞれ同一形状の平板的な電極であり、それぞれ電気的に絶縁されている。各電極203,204,205,206の複数の開孔202は、それぞれが共軸の位置関係(即ち同一位置の関係)にある。
上層電極(第一電極)203、中層上電極(第二電極)204、中層下電極(第三電極)205、下層電極(第四電極)206は、荷電粒子線レンズアレイ201の光軸方向に電子銃(荷電粒子源)からウエハに向かい順に設けられている。
上層電極(第一電極)203と下層電極(第四電極)206は電気的にグランドに接地されており、中層上電極(第二電極)204と中層下電極(第三電極)205には、例えばそれぞれ逆相の電圧を印加するための詳しくは図示しない配線の電気的接続を有する。
また、各開孔202の直径は一例として80μmφが好ましく、各開孔202のピッチは一例として縦横方向ともに200μmが好ましい。
このとき、上層電極(第一電極)203と下層電極(第四電極)206に0Vの電位を与える。そして、中層上電極(第二電極)204と中層下電極(第三電極)205には以下の通り、逆相の電位を与える。
ここでは、中層上電極(第二電極)204には、共通の電位として例えば1000Vを印加し、中層下電極(第三電極)205には共通の電位として例えば−1000Vを印加する。
その結果、電子線レンズアレイ201の16個のレンズの各焦点距離は276mmとなる。
その結果、荷電粒子線レンズアレイ201の16個のレンズの各焦点距離は753mmとなる。
即ち、荷電粒子線レンズアレイ201は、中間上電極204及び中間下電極205に同相でなく逆相の電圧を印加することにより、大きいレンズ効果を有することになる。
即ち、3枚1組の電極(上電極<0V印加>/中電極<1000V印加>/下電極<0V印加>)が2組必要となるため、合計6枚の電極が必要となる。
一方、実施例1の荷電粒子線レンズアレイ201においては、電極枚数は4枚であり、上述の構成を用いることにより、従来例と比較してレンズアレイの電極枚数を削減することが可能になる。
尚、実施例1において示すアレイ数、開孔径、電極厚さ、電極間距離及び印加電圧の値は、一例として示したものであり、本発明はこれらの値に限定されるものではなく、即ち任意の値を用いて良い。
また、実施例1においては、中間上電極204及び中間下電極205に逆相の電圧を印加することで電子線制御の高精度化を図り、高精度化の各種条件を高いレベルで実現する。
図2は、本発明の荷電粒子線レンズアレイ301の構造を説明する説明図である。
図2(A)は荷電粒子線レンズアレイ301の上面図であり、図2(B)はそのM−M線に沿う断面図であり、図2(C)は荷電粒子線レンズアレイ301の中層上電極(第二電極)304及び中層下電極(第三電極)305の上面図である。
図2において、荷電粒子線レンズアレイ301は、それぞれ4×4の開孔302を有する上層電極(第一電極)303と中層上電極(第二電極)304と中層下電極(第三電極)305と下層電極(第四電極)306の4枚1組で構成されている。
この4枚の電極303,304,305,306はそれぞれ電気的に絶縁されており、各電極303,304,305,306の4×4の各開孔302は、それぞれが共軸の位置関係(即ち同一位置の関係)にある。
上層電極(第一電極)303、中層上電極(第二電極)304、中層下電極(第三電極)305、下層電極(第四電極)306は、荷電粒子線レンズアレイ301の光軸方向に電子銃(荷電粒子源)からウエハに向かい順に設けられている。
上層電極(第一電極)303と下層電極(第四電極)306は、図2(A)で示す構造であり、各レンズに同一の電圧を印加可能である。一例としてグランドに接続する態様も好ましい。
そして、各電極304A、304B、304C、304Dは、電気的に絶縁されており、それぞれに個別に電圧印加可能な配線が接続されている。
即ち、中層上電極(第二電極)304は、光軸と直交する平面内の第1の方向に並ぶ2次元配列(同図では縦方向の各電極304A、304B、304C、304D)を等間隔に横方向に並べる配列の第1のアレイから成る。
第1のアレイは、各電極304A、304B、304C、304Dの列毎に電気的に絶縁(空気絶縁)されており、列毎に独立に電圧を印加するために詳しくは図示しない配線の電気的接続を有する。
そして、各電極305A、305B、305C、305Dは、電気的に絶縁されており、それぞれに独立に電圧印加可能な配線が接続されている。
即ち、中層下電極(第三電極)305は、光軸と直交する平面内の第2の方向に並ぶ2次元配列(同図では横方向の各電極305A、305B、305C、305D)の第2のアレイから成る。
第2のアレイは、各電極305A、305B、305C、305Dの列毎に電気的に絶縁(空気絶縁)されており、列毎に独立に電圧を印加するために詳しくは図示しない配線の電位的接続を有する。
第2のアレイは、第1のアレイと前記平面を含む空間内においてそれぞれ直交する方向で、かつ第1のアレイに対し平行に配置されている。
尚、一方、荷電粒子線レンズアレイ301の寸法の好適な一例を述べると、各電極厚さは50μmが好ましく、各電極間距離は50μmが好ましい。
また、一例として、各開孔302の直径は80μmφが好ましく、各開孔のピッチは縦横方向ともに200μmが好ましい。
このとき、上層電極(第一電極)303と下層電極(第四電極)306に0Vの電位を与える。そして、中層上電極(第二電極)304と中層下電極(第三電極)305には以下の通り、逆相の電位を与える。
ここでは、中層上電極(第二電極)304について、電極304A、304B、304C、304Dのそれぞれのレンズにおける共通の電位として、例えば1000V、800V、800V、1000Vを印加する。
中層下電極(第三電極)305について、電極305A、305B、305C、305Dのそれぞれのレンズにおける共通の電位として、−1000V、−800V、−800V、−1000Vを印加する。
その結果、荷電粒子線レンズアレイ301の16個のレンズの焦点距離は、表1のようになる(単位mm)。
これにより、荷電粒子線レンズアレイ301のレンズ位置によって焦点距離を異ならせることが可能になる。
上記の電圧印加方法により、荷電粒子線レンズアレイ301は、中央から外周に向かって焦点距離が短くなる焦点距離分布を形成することができる。
荷電粒子線レンズアレイ301において、4×4の全ての開孔302に加速電圧50kVの電子線を通過させる。
このとき、上層電極(第一電極)303と下層電極(第四電極)306に0Vの電位を与える。そして、中層上電極(第二電極)304と中層下電極(第三電極)305には以下の通り、同相の電位を与える。
ここでは、中層上電極(第二電極)304については、電極304A、304B、304C、304Dのそれぞれのレンズにおける共通の電位として、例えば1000V、800V、800V、1000Vを印加する。
中層下電極(第三電極)305については、電極305A、305B、305C、305Dのそれぞれのレンズにおける共通の電位として、1000V、800V、800V、1000Vを印加する。
その結果、電子線レンズアレイ301の16個のレンズの焦点距離は、表2のようになる(単位mm)。
即ち、荷電粒子線レンズアレイ301への電圧の印加方法として、中層上電極(第二電極)304と中層下電極(第三電極)305には、それぞれに同相の電圧を印加するよりも逆相の電圧を印加する方が、大きなレンズ効果を有することが分かる。
尚、実施例2において適用するアレイ数、開孔径、電極厚さ、電極間距離及び印加電圧の値は、一例として示したものであり、本発明はこれらの値に限定されるものではなく、任意の値を選定して良い。
また、実施例2においては、分割状の中間上電極304及び中間下電極305に逆相の個別の電圧を印加することでマルチ荷電粒子線の各々の制御のより高精度化を図り、高精度化の各種条件をより細かく高いレベルで実現する。
次に、露光装置の実施例を説明する。
尚、実施例では、露光装置として、電子ビームを出力する電子線露光装置を例示する。但し電子線露光装置は、本発明の一適用例に過ぎず、本発明は、例えばイオンビーム等を利用した露光装置にも適用することができる。
図3は、実施例の露光装置の要部を概略的に説明する説明図である。図3に示すように、電子銃(荷電粒子源)11は、カソード1a、グリッド1b、アノード1cから構成される。
カソード1aから放射された電子はグリッド1bとアノード1cとの間でクロスオーバ像を形成する。(以下、このクロスオーバ像を電子源と記す)。
電子銃1から放射される電子は、その前側焦点位置が電子源位置にあるコンデンサレンズ2によって略平行の電子ビームとなる。
実施例のコンデンサレンズ2は、3枚の開口電極で構成されるユニポテンシャルレンズであり、コンデンサレンズ2によって得られた略平行な電子線は、補正電子光学系3に入射する。
補正電子光学系3は、光源の中間像を複数形成し、各中間像は後述する縮小電子光学系4によって縮小投影され、ウエハ5上に光源像を形成する。
その際、ウエハ5上の光源像の間隔が光源像の大きさの整数倍になるように、補正電子光学系3は複数の中間像を形成する。
更に、補正電子光学系3は、各中間像の光軸方向の位置を縮小電子光学系4の像面湾曲に応じて異ならせるとともに、各中間像が縮小電子光学系4によってウエハ5に縮小投影される際に発生する収差を予め補正している。
第1投影レンズ41(43)の焦点距離をf1、第2投影レンズ42(44)の焦点距離をf2とすると、この2つのレンズ間距離はf1+f2になっている。
光軸上AXの物点は第1投影レンズ41(43)の焦点位置にあり、その像点は第2投影レンズ42(44)の焦点に結ぶ。この像は−f2/f1に縮小される。
また、2つのレンズ磁界が互いに逆方向に作用する様に設定されているので、理論上は、球面収差、等方性非点収差、等方性コマ収差、像面湾曲収差、軸上色収差の5つの収差を除いて他のザイデル収差および回転と倍率に関する色収差が打ち消される。
偏向器6は、図示されていないが、偏向幅が広い場合に用いられる主偏向器と偏向幅が狭い場合に用いられる副偏向器とで構成される。尚、主偏向器は電磁型偏向器であり、副偏向器は静電型偏向器である。
ダイナミックスティグコイル8は、ダイナミックフォーカスコイル7と同様に、偏向により発生する偏向収差の非点収差を補正する。
θ−Zステージ9は、ウエハを載置し、光軸AX(Z軸)方向とZ軸回りの回転方向に移動可能である。θ−Zステージ9には、ステージ基準板10とファラデーカップ13が固設されている。
ファラデーカップ13は、補正電子光学系3からの電子線が形成する光源像の電荷量を検出する。XYステージ11は、θ−Zステージ9を載置し、光軸AX(Z軸)と直交するXY方向に移動可能なステージである。
一方、反射電子検出器12は、電子線によってステージ基準板10上のマークが照射された際に生じる反射電子を検出する。
前述したように、補正電子光学系3は、光軸AXに沿って、電子銃1側から順に配置されたアパーチャアレイAA、ブランカーアレイBA、及びマルチ荷電粒子線レンズアレイMLを有する。
また、補正電子光学系3は、要素電子光学系アレイユニットLAU(LA1、LA2)、及びストッパーアレイSAを有する。
ブランカーアレイBAは、アパーチャアレイAAで分割された複数の電子ビームを個別に偏向する偏向手段を一枚の基板上に複数形成したものである。
そのひとつの偏向手段の詳細を図5に示す。基板31は、開口APを有する。ブランキング電極32は、開口APを挟んだ一対の電極で構成されており、電子線の偏向機能を有する。
また、基板上31には、ブランキング電極32を個別にon/offするための配線(W)が電気的に接続されている。
要素電子光学系アレイユニットLAUは、同一平面内に複数の電子レンズを2次元配列して形成した電子レンズアレイであり、第1電子光学系アレイLA1、及び第2電子光学系アレイLA2で構成される。
第1電子光学系アレイLA1は、光軸AX方向に並ぶ上層・中層上・中層下・下層電極(第四電極)の各電極UE,CUE,CLE,LEで一つの電子レンズEL1を構成している。
各電子光学系の上層・下層の電極UE,LEを同一電位で接続して同一の電位に設定している(本実施形態では、電子線の加速電位にしている)。
このとき、中層上電極(第二電極)CUE及び中層下電極(第三電極)CLEには逆相の電圧を印加する。一方、第2電子光学系アレイLA1も第一電子光学系アレイLA1と同様の構成及び機能を有する。
アパーチャアレイAAによって分割された電子線EB1、EB2は、互いに異なるブランキング電極を介して、要素電子光学系アレイユニットLAUに入射する。
電子線EB1は、第1電子光学系アレイLA1の電子レンズEL11、第2電子光学系アレイLA2の電子レンズEL21を介して、電子源の中間像img1を形成する。
尚、電子レンズEL11、及びEL21は、上記上層・中層上・中層下・下層の各電極から成ることは既に述べたとおりである。
尚、電子レンズEL12、及びEL22も、上記上層・中層上・中層下・下層の各電極から成ることは既に述べたとおりである。
また、前述したように、第1電子光学系アレイLA1の電子レンズEL22は、前述と同じく各レンズ毎に所望の焦点距離になるように設定されている。
そして、第2電子光学系アレイLA2の電子レンズEL22も、各レンズ毎に所望の焦点距離になるように設定されている。
双方の合成焦点距離が略等しくなるように、各電子レンズの焦点距離を設定するからである。
それにより、電子源の中間像img1とimg2とは略同一の倍率で形成される。電子源の中間像img1とimg2の形成もより高精度化される。
電子ビームEB1、EB2は、通過するブランキング電極に電界が印可されると、図中破線に示すようにその軌道を変える。
電子ビームEB1、EB2が軌道を変えた場合、ストッパーアレイSAの各電子ビームに対応した開口を通過できず、電子ビームEB1、EB2が遮断される。
次に、実施例の露光装置のシステム構成を説明する。図8は、実施例の露光装置のシステム構成を示すブロック図である。
BA制御回路111は、ブランカーアレイBAのブランキング電極のon/offを個別に制御する制御回路であり、LAU制御回路112は、レンズアレイユニットLAUの制御回路である。
D_STIG制御回路113は、ダイナミックスティグコイル8を制御して縮小電子光学系4の非点収差を制御する制御回路である。
D_FOCUS制御回路114は、ダイナミックフォーカスコイル7を制御して縮小電子光学系4のフォーカスを制御する制御回路である。
偏向制御回路115は、偏向器6を制御する制御回路であり、光学特性制御回路116は、縮小電子光学系4の光学特性(倍率、歪曲、回転収差、光軸等)を調整する制御回路である。
制御系120は、描画パターンが記憶されたメモリ121からのデータに基づいて、上述した各制御回路を制御する。
制御系120は、インターフェース122を介して電子線露光装置全体をコントロールするCPU123によってその制御を行う。
次に、図8を参照して、上述した本実施形態の電子線露光装置の露光動作について説明する。
制御系120は、メモリ121からの露光制御データに基づいて、偏向制御回路115に命じ、偏向器6によって、複数の電子線を偏向させる。
また、制御系120は、BA制御回路111に命じ、ウエハ5に露光すべきパターンに応じてブランカーアレイBAのブランキング電極を個別にon/offさせる。
このとき、XYステージ11はY方向に連続移動しており、XYステージ11の移動に複数の電子線が追従するように、偏向器6によって複数の電子線を偏向する。
即ち各電子線の要素露光領域(EF)は、2次元に隣接するように設定されているので、その結果、同時に露光される複数の要素露光領域(EF)で構成されるサブフィールド(SF)が露光される。
一方、制御系120は、サブフィールド(SF1)を露光後、次のサブフィールド(SF2)を露光する。
即ち、制御系120は、具体的には、偏向制御回路115に命じ、偏向器6によって、ステージ走査方向(y方向)と直交する方向(x方向)に複数の電子ビームを偏向させ、各サブフィールドSF1,SF2を露光する。
このとき、偏向によってサブフィールドが変わることにより、各電子線が縮小電子光学系4を介して縮小投影される際の収差も変わる。
変化した収差を補正する場合、具体的には、レンズアレイユニットLAU、ダイナミックスティグコイル8、及びダイナミックフォーカスコイル7を調整することで行う。
そして、再度、前述したように、各電子線が対応する要素露光領域(EF)を露光することにより、サブフィールド(SF2)を露光する。
そのため、図9に示すように、サブフィールド(SF1〜SF6)を順次露光してウエハ5にパターンを露光する。
更に制御系120は、図9に示すメインフィールド1(MF1)を露光後、偏向制御回路115に命じ、順次、ステージ走査方向(y方向)に並ぶメインフィールド(MF2、MF3…)に複数の電子線を偏向させ露光していく。
その結果、図9に示すように、メインフィールド(MF2、MF3、MF4…)で構成されるストライプ(STRIPE1)を露光する。
そして、 XYステージ11をx方向にステップさせ、次のストライプ(STRIPE2)を露光する。
このため、レンズアレイの実体上の使用枚数を適宜に抑えて小型化を図り、かつ、中間上電極CUE及び中間下電極CLEに逆相の電圧を印加することで大きいレンズ効果を達成し、高精度の露光処理を行うことができる。
次に、図10及び図11を参照して、上述の露光装置を利用したデバイス製造方法の実施例を説明する。図10は、デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。
ここでは、半導体チップの製造方法を例に説明する。
ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行う。ステップ2(マスク製作)では設計した回路パターンに基づいてマスクを製作する。ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
ステップ5(組み立て)は、後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程である。
即ちアッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組み立て工程を含む。
ステップ6(検査)では、ステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、それが出荷(ステップ7)される。
ステップ14(イオン打ち込み)では、ウエハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)では、ウエハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では、露光装置によってマスクの回路パターンをウエハに露光する。
ステップ17(現像)では、露光したウエハを現像する。ステップ18(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
これらのステップを繰り返し行うことによってウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
ML マルチ荷電粒子線レンズアレイ
LAU 要素電子光学系ユニット
LA1、LA2 電子光学系アレイ
SA ストッパーアレイ UE 上層電極(第一電極) CUE 中層上電極(第二電極)
CLE 中層下電極(第三電極) LE 下層電極(第四電極) EL 電子レンズ
LIM レーザ干渉計 AP 開孔 W 配線
1 電子銃 2 コンデンサレンズ 3 補正電子光学系
4 縮小電子光学系 5 ウエハ 6 偏向器
7 ダイナミックフォーカスコイル 8 ダイナミックスティグコイル
9 θ−Zステージ 10 ステージ基準板 11 XYステージ
12 反射電子検出器 13 ファラデーカップ
21、22 ユニポテンシャルレンズ 31 基板
32 ブランキング電極 41、43 第1投影レンズ
42、44 第2投影レンズ 111 BA制御回路
112 LAU制御回路 113 D_STIG制御回路
114 D_FOCUS制御回路 115 偏向制御回路
116 光学特性制御回路 120 制御系
122 インターフェース 123 CPU
201、301 電子レンズアレイ 203、303 上層電極(第一電極)
204、304 中層上電極(第二電極) 205、305 中層下電極(第三電極)
206、306 下部電極 202、302 開孔
Claims (4)
- 荷電粒子源から放射された複数の荷電粒子線の電子光学特性を制御する荷電粒子線レンズアレイにおいて、
前記荷電粒子線レンズアレイの光軸方向において、前記荷電粒子源側から第一電極、第二電極、第三電極、第四電極という順に設けられた構造体であり、
前記第一電極と前記第四電極を電気的にグランドに接地し、
前記第二電極と前記第三電極には、それぞれ逆相の電圧を印加することを特徴とする荷電粒子線レンズアレイ。 - 前記第二電極は、光軸と直交する平面内の第1の方向に並ぶ2次元配列の第1のアレイから成り、
前記第1のアレイは、列毎に電気的に絶縁されており、列毎に独立に電圧を印加するために配線を有し、
前記第三電極は、前記平面内の第2の方向に並ぶ2次元配列の第2のアレイから成り、
前記第2のアレイは、列毎に電気的に絶縁されており、列毎に独立に電圧を印加するために配線を有し、
前記第1のアレイと前記第2のアレイは、前記平面内においてそれぞれ直交する方向に配置されることを特徴とする請求項1に記載の荷電粒子線レンズアレイ。 - 複数の荷電粒子線を放射する荷電粒子源と、
前記荷電粒子源の複数の中間像を形成する請求項1または2に記載の荷電粒子線レンズアレイを有する補正電子光学系と、
前記複数の中間像を被露光面に縮小投影する縮小電子光学系と、
前記被露光面に投影される複数の中間像が前記被露光面上で移動するように偏向する偏向器と、を有することを特徴とする露光装置。 - 請求項3に記載の露光装置を用いてウエハを露光する工程と、
前記ウエハを現像する工程とを備えることを特徴とするデバイス製造方法。
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