JP2007329105A - 燃料電池システムの異常検出装置、および同システムの異常検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池システムの起動時間が短くなると共に、精度の良い異常検出が可能燃料電池システムの異常検出装置および異常検出方法を提供する。
【解決手段】燃料電池1と、燃料電池1に反応ガスを供給する配管15と、配管15に設けられた主止弁SV1〜SV4と、主止弁SV1〜SV4よりも下流側の配管15に設けられた調圧弁RG1とを備える燃料電池システムにおいて、同システムに対して停止要求がなされたときの高圧配管15a内の圧力と、燃料電池システムが再起動するときに検出される高圧配管15a内の圧力との差に基づいて、高圧配管15aとその上流側及び下流側の異常を検出する。
【選択図】図1
【解決手段】燃料電池1と、燃料電池1に反応ガスを供給する配管15と、配管15に設けられた主止弁SV1〜SV4と、主止弁SV1〜SV4よりも下流側の配管15に設けられた調圧弁RG1とを備える燃料電池システムにおいて、同システムに対して停止要求がなされたときの高圧配管15a内の圧力と、燃料電池システムが再起動するときに検出される高圧配管15a内の圧力との差に基づいて、高圧配管15aとその上流側及び下流側の異常を検出する。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池システムの異常検出装置、および同システムの異常検出方法に関し、特に、同システムの起動時間を短くし、さらには精度の良い異常検出を可能とする技術に関する。
燃料電池システムは、燃料電池に高圧の水素を蓄えた水素タンクから水素ガスを供給するとともに空気を加圧供給し、燃料電池内において水素ガスと空気とを電気化学反応させ、起電力と熱とを発生させるものである。このような燃料電池システムの中には、水素ガスを燃料電池に供給する配管における水素ガス漏れ等の異常を検出する装置が採用されたものもある。
下記特許文献1に開示の検出装置は、配管に設けられた2つの遮断弁を閉じて両遮断弁間内に閉空間を画成し、この閉空間内の圧力を、閉空間よりも上流側に位置する配管内の圧力と、閉空間よりも下流側の配管内の圧力との中間の大きさに設定する。そのうえで、閉空間内の圧力の大きさを検出することにより、上流側の空間から閉空間への水素ガスの流入、および閉空間から下流側の空間への水素ガスの流出のいずれをも検出することが可能である。
特開2004−170321号公報
しかしながら、閉空間内の圧力が上流側の圧力と下流側の圧力との中間の大きさに設定されるので、閉空間内の圧力と上流側の圧力との差、または閉空間内の圧力と下流側の圧力との差が、いずれも大きな差とはならない。したがって、もし遮断弁や配管に異常があってガス漏れが生じていても、そのガス漏れが明確な圧力差の変化となって現れるまでに時間がかかる。
特に、システム停止要求後にガス漏れ検査を行うので、ユーザーがシステムに対して停止要求を行った後であるにもかかわらず、ガス漏れ検査を行うためにシステムを長時間起動させておく必要があり、その間は無駄に電力を消費してしまうことになる。また、システム起動時にガス漏れ検査を行うと、システム起動時間が長くなるという課題がある。以上の傾向は、圧力変化の検出精度が低い高圧配管用の圧力計を用いた場合に顕著となる。
本発明の目的は、燃料電池システムの起動時間が短く、かつ、精度の良い異常検出が可能な燃料電池システムの異常検出装置、および同システムの異常検出方法を提供することである。
上記の課題を解決するために、次のような構成の異常検出装置を採用する。すなわち、本発明の燃料電池システムの異常検出装置は、燃料電池と、前記燃料電池に反応ガスを供給する配管と、前記配管に所定の間隔を隔てて設けられた上流側弁装置及び下流側弁装置とを備える燃料電池システムの異常検出装置であって、前記燃料電池システムの停止要求に応じて前記上流側弁装置と前記下流側弁装置との間に形成される閉空間内の圧力を検出する圧力検出手段と、前記燃料電池システムを停止してから再起動するまでの間に前記圧力検出手段によって検出される前記閉空間内の圧力を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記閉空間内の圧力と、前記燃料電池システムの再起動時に前記圧力検出手段によって検出された前記閉空間内の圧力との差に基づいて、前記閉空間とその上流側および下流側における異常のうち少なくともいずれかを判定する判定手段と、を備える。
また、本発明の燃料電池システムの異常検出方法は、燃料電池と、前記燃料電池に反応ガスを供給する配管と、前記配管に所定の間隔を隔てて設けられた上流側弁装置及び下流側弁装置とを備える燃料電池システムの異常検出方法であって、前記燃料電池システムの停止要求に応じて前記上流側弁装置と前記下流側弁装置との間に形成される閉空間内の圧力を検出し、前記燃料電池システムを停止してから再起動するまでの間に検出した前記閉空間内の圧力と、前記燃料電池システムの再起動時に検出された前記閉空間内の圧力との差に基づいて、前記閉空間とその上流側および下流側における異常のうち少なくともいずれかを判定する。
これらの構成によれば、燃料電池システムの停止時間を利用して異常検出に必要十分な圧力変化を生じさせることが可能になり、システム起動時の異常検出に必要な圧力変化の待ち時間が短縮される。したがって、システム起動時間が短くなり、かつ、精度の良い異常検出が可能となる。また、大規模な異常についても、システム停止中に検出することができるので、異常の早期発見が可能である。
前記記憶手段には、前記燃料電池システムを停止してから再起動するまでの間に複数回にわたって検出される前記閉空間内の圧力のうち、少なくとも最新の回とその直前の回に検出された圧力が記憶され、前記判定手段は、前記最新の回に検出された前記閉空間内の圧力が所定の第1圧力値未満である場合には、前記燃料電池システムの再起動時に、その時に検出された前記閉空間内の圧力と、前記最新の回に検出された前記閉空間内の圧力との差に基づいて、前記閉空間とその上流側および下流側における異常のうち少なくともいずれかを判定する。
このような構成によれば、燃料電池システムを停止してから所定時間経過後における閉空間内の圧力変化が小さいために、必要十分な圧力変化にて異常判定を行えない虞がある場合には、燃料電池システムの停止時間を利用して異常検出に必要十分な圧力変化を生じさせることが可能になる。
上記燃料電池システムの異常検出装置において、前記判定手段は、前記最新の回に検出された前記閉空間内の圧力が前記第1圧力値以上である場合には、前記最新の回とその直前の回に検出された各圧力の差に基づいて、前記閉空間とその上流側および下流側における異常のうち少なくともいずれかを判定する。
このような構成によれば、必要十分な圧力変化にて異常判定を行える場合には、閉空間とその上流側および下流側のどちらに異常があるかを特定することが可能となる。
例えば、前記判定手段は、前記最新の回とその直前の回に検出された前記閉空間内の圧力の差が所定の第1判定値未満である場合には、前記閉空間の下流側に異常があると判定し、また、前記最新の回とその直前の回に検出された前記閉空間内の圧力の差が所定の第2判定値を超えている場合には、前記閉空間の上流側に異常があると判定する。
一方、前記判定手段は、前記最新の回とその直前の回に検出された前記閉空間内の圧力の差が前記第1判定値以上かつ前記第2判定値以下である場合には、異常判定を中止してもよく、かかる異常判定を中止した場合には、前記燃料電池システムの再起動時に、その時に検出された前記閉空間内の圧力と、前記最新の回に検出された前記閉空間内の圧力との差に基づいて、前記閉空間とその上流側および下流側における異常のうち少なくともいずれかを判定する。
同様に、上記燃料電池システムの異常検出方法において、前記燃料電池システムを停止してから再起動するまでの間に複数回にわたって検出した前記閉空間内の圧力のうち、最新の回とその直前の回に検出した各圧力の差が所定の第1判定値以上かつ所定の第2判定値以下である場合には、異常判定を中止してもよく、かかる異常判定を中止した場合には、前記燃料電池システムの再起動時に、その時に検出した前記閉空間内の圧力と、前記最新の回に検出した前記閉空間内の圧力との差に基づいて、前記閉空間とその上流側および下流側における異常のうち少なくともいずれかを判定する。
これらの構成によれば、必要十分な圧力変化にて異常判定を行えない虞がある場合には、燃料電池システムの停止時間を利用して異常検出に必要十分な圧力変化を生じさせることが可能になる。
前記上流側弁装置は、例えば、前記燃料電池に供給される燃料ガスを貯蔵する高圧タンクの主止弁であり、また、前記下流側弁装置は、例えば、前記高圧タンクから前記燃料電池への燃料ガス供給圧を所定圧に減圧する調圧弁である。
このような構成によれば、配管外へのガス漏れといった異常の判定以外に、主止弁や調圧弁のシール不良等による配管内でのガス漏れといった異常の判定も可能である。
本発明によれば、燃料電池システムの起動時間が短くなると共に、精度の良い異常検出が可能となる。
本発明の燃料電池システムの異常検出装置、および同システムの異常検出方法の実施形態を、図1から図5に示して説明する。
本実施形態の燃料電池システムは、図1に示すように、燃料電池1と、該燃料電池1のアノード側の入口及び出口にそれぞれ接続された配管15,18と、燃料電池1のカソード側の入口及び出口にそれぞれ接続された配管17,19と、燃料ガスとしての水素ガス(反応ガス)を貯蔵している4つの水素タンク(高圧タンク)T1,T2,T3,T4と、監視装置30を備えて配管15におけるガス漏れ等の異常を検出する異常検出装置と、燃料電池システムを制御するシステム制御装置40とを備えている。
燃料電池1は、単セルを所要数積層した燃料電池スタックとして構成されている。単セルは、イオン交換膜からなる電解質膜およびこれを両面から挟んだ一対の電極からなるMEA(Membrane Electrode Assembly)と、MEAを外側から挟持する一対のセパレータと、で構成されている。各セパレータは、基材をカーボンまたはメタルにより形成されて導電性を有し、酸化ガスまたは水素ガスが流通する流体流路を有している。
燃料電池1には、燃料電池1によって発電された電力を蓄える蓄電池5と、燃料電池1によって発電された電力又は/及び蓄電池5に蓄えられた電力によって駆動するモータ6とが接続されている。
各水素タンクT1,T2,T3,T4には、配管11,12,13,14の一端がそれぞれ接続されている。各配管11,12,13,14には、水素ガスの燃料電池1への供給を遮断するための主止弁(上流側弁装置)SV1,SV2,SV3,SV4がそれぞれ設けられている。各配管11,12,13,14の他端はひとつに集結されており、集結された各配管11,12,13,14の他端に前記配管15が接続されている。
配管15には、調圧弁(下流側弁装置)RG1,RG2と遮断弁SV5が、水素タンクT1,T2,T3,T4側から燃料電池1に向けてこの順に設けられている。調圧弁RG1,RG2は、燃料電池1への燃料ガス供給圧を調整するものであり、水素タンクT1,T2,T3,T4から供給される高圧の水素ガスをそれぞれ所定の設定圧力に減圧する。
一方、配管17には、燃料電池1に酸化ガスとしての空気を供給するコンプレッサ2が設けられている。コンプレッサ2は、エアフィルタ16を介して吸引した外気を燃料電池1に圧送する。
燃料電池1のアノード側出口には、電気化学反応後のアノードオフガスを排出する配管18の一端が接続されている。一方、燃料電池1のカソード側出口には、電気化学反応後のカソードオフガスを排出する配管19の一端が接続されている。配管19の燃料電池1近傍には、燃料電池1への酸化ガス供給圧を調整する調圧弁RG3が設けられている。
各水素タンクT1,T2,T3,T4には、各タンク内部の圧力を計測する圧力計21,22,23,24がそれぞれ設けられている。調圧弁RG1よりも上流側の配管15には、高圧に保持される配管15(以下、高圧配管15a)内の圧力を計測する圧力計25が設けられている。調圧弁RG1と調圧弁RG2との間の配管15には、中圧に保持される配管15(以下、中圧配管15b)内の圧力を計測する圧力計26が設けられている。調圧弁RG2よりも下流側の配管15には、低圧に保持される配管15(以下、低圧配管15c)内の圧力を計測する圧力計27が設けられている。
圧力計21〜27は、信号ケーブルC1〜C7を介して監視装置30に接続されている。圧力計25は、燃料電池システムに対する停止要求に応じて主止弁SV1〜SV4が閉じられることによって、主止弁SV1〜SV4(上流側弁装置)と調圧弁RG1(下流側弁装置)との間に形成される閉空間内の圧力を検出する圧力検出手段としての機能を有している。
監視装置30は、各圧力計21〜27の計測値に基づいて、水素ガスが配管15外に或いは配管15内で漏れていないかどうかを監視する。つまり、本実施形態においては、圧力計21〜27と監視装置30とが、上記燃料電池システムにおける異常検出装置を構成している。
以下、説明の便宜上、圧力計25によって検出される高圧配管15a内の圧力を高圧配管圧Ph、圧力計26によって検出される中圧配管15b内の圧力を中圧配管圧Pm、および圧力計27によって検出される低圧配管15c内の圧力を低圧配管圧Plという。
監視装置30は、圧力計21〜27によって検出された各部の圧力を記憶するメモリ(記憶手段)31を備えている。このメモリ31には、燃料電池システムを停止してから再起動するまでの間に圧力計25によって定期的に検出される高圧配管圧Phのうち、少なくとも最新の回(n回目)とその直前の回(n−1回目)に検出された高圧配管圧Ph(n),Ph(n−1)と、燃料電池システム再起動時に圧力計25によって検出される高圧配管圧Ph(s)も記憶される。
監視装置30は、メモリ31に記憶された高圧配管圧Ph(n),高圧配管圧Ph(n−1),及び高圧配管圧Ph(s)を用いて、主止弁SV1〜SV4と調圧弁RG1との間に形成される閉空間、および該閉空間の上流側および下流側の異常を判定する判定手段32とを備えている。つまり、判定手段32は、少なくとも、高圧配管15aと、その上下流にそれぞれ配設された主止弁SV1〜SV4及び調圧弁RG1の異常を判定することが可能である。
監視装置30には、燃料電池システムを統括制御するシステム制御装置40が接続されている。このシステム制御装置40は、ユーザーによって燃料電池システムの起動要求がなされた場合であっても、監視装置30がシステム停止中に水素ガス漏れ等の異常を検出していたとき、あるいは、該異常をシステム起動時に検出したときは、異常警告を発すると共に、燃料電池システムの起動を禁止する。
上記のように構成された燃料電池システムに対する監視装置30による異常監視処理について、図2から図5に示すフローチャートを参照して説明する。なお、ここでは、上記の燃料電池システムが、例えば燃料電池車両に搭載されることを想定している。
まず、燃料電池車両を運転していたドライバーが、イグニッションをオフにすると、システム制御装置40に対して燃料電池システムの停止要求がなされる。すると、システム制御装置40は、主止弁SV1〜SV4を閉じ、これら主止弁SV1〜SV4よりも下流側の配管15内の水素ガスを所定のパージ処理によって掃気する、あるいは燃料電池1内で発電により消費させる。
しかる後、監視装置30は、図2のフローチャートに示す処理を所定の時間T1(例えば、1時間)ごとに繰り返し行う。この処理は、後述するステップS9の異常検出処理中止が実行されない限り、燃料電池システムの起動要求があるまで繰り返し実行される。まず、ステップS1では、高圧配管圧Ph(n)を圧力計25によって検出し、メモリ31に記憶する。
次に、高圧配管圧Ph(n)があらかじめ設定された所定の第1圧力値P1よりも小さいか否かを判定し(ステップS3)、判定結果が「YES」の場合、つまり、高圧配管圧Ph(n)が第1圧力値P1よりも小さい場合には、高圧配管15aの水素漏れ判定を行っていないことを示す「水素漏れ未判定フラグ」に「ON」をセットする(ステップS11)。
一方、ステップS3の判定結果が「NO」の場合、つまり、高圧配管圧Ph(n)が第1圧力値P1以上である場合には、下記式(1)によって求められる高圧配管15aにおける単位時間当たりの漏れ量F(n)が、あらかじめ設定された所定の第1漏れ判定値F1よりも小さいか否かを判定する(ステップS5)。
F(n)={Ph(n)−Ph(n−1)}×Vh/T1 … 式(1)
ここで、Vhは高圧配管15aの容積、nは高圧配管圧Phの現在の検出回数である。
なお、本実施形態のステップS5では、「F(n)<F1」を判定しているが、この判定式は、「Ph(n)−Ph(n−1)< F1×T1/Vh」を判定することと等価である。すなわち、ステップS5は、高圧配管圧Ph(n)と高圧配管圧Ph(n−1)との差が、所定の第1判定値(=F1×T1/Vh)未満であるか否かを判定しているともいえる。
ステップS5の判定結果が「YES」の場合、つまり、漏れ量F(n)が第1漏れ判定値F1よりも小さい場合には、高圧配管15aにガス漏れが生じていると判定し、その旨を示す「高圧配管漏れ判定NGフラグ」に「ON」をセットする(ステップS13)。一方、ステップS5の判定結果が「NO」の場合、つまり、漏れ量F(n)が第1漏れ判定値F1以上である場合には、漏れ量F(n)があらかじめ設定された所定の第2漏れ判定値F2よりも大きいか否かを判定する(ステップS7)。
ステップS7の判定結果が「YES」の場合、つまり、漏れ量F(n)が第2漏れ判定値F2よりも大きい場合には、主止弁SV1〜SV4のいずれかから水素ガスが漏れていると判定し、その旨を示す「タンクSV漏れ判定NGフラグ」に「ON」をセットする(ステップS8)。
一方、ステップS7の判定結果が「NO」の場合、つまり、漏れ量F(n)が第1の漏れ判定値F1以上かつ第2の漏れ判定値F2以下である場合には、漏れ量F(n)が小さい、言い換えれば必要十分な高圧配管圧Phの圧力変化にて異常判定を行えない虞があると判定し、燃料電池システムの停止時間を利用して異常検出に必要十分な圧力変化を生じさせるべく、異常検出処理を中止(異常判定の中止)する(ステップS9)。
その後、ドライバーが燃料電池車両に乗り込み、イグニッションをオンすると、システム制御装置40に対して燃料電池システムの起動要求がなされる。起動要求がなされると、システム制御装置40は、監視装置30が水素漏れ未判定フラグ(ステップS11),高圧配管漏れ判定NGフラグ(ステップS13),及びタンクSV漏れ判定NGフラグ(ステップS15)にセットした各フラグの内容に応じて、それぞれ異なる処理を行う。また、システム制御装置40は、監視装置30が異常検出処理を途中で中止した場合(ステップS9)にも所定の処理を行う。
まず、図3に示すフローチャートを参照しながら、水素漏れ未判定フラグに「ON」がセット(図2のステップS11)されている場合の処理について説明する。燃料電池システムの起動要求がなされると、システム制御装置40は、主止弁SV1〜SV4を所定時間開いて、水素タンクT1〜T4から高圧配管15a,中圧配管15b,及び低圧配管15cに水素ガスを供給し、主止弁SV1〜SV4を閉じる(ステップS21)。
これら主止弁SV1〜SV4を閉じてから所定の時間T3が経過したならば、高圧配管圧Ph,中圧配管圧Pm,及び低圧配管圧Plをそれぞれ圧力計25,圧力計26,及び圧力計27によって検出し、検出した各配管圧Ph,Pm,Plをメモリ31に記憶する(ステップS23)。
次いで、各配管15a,15b,15cの総漏れ量G={ΔPl×Vl+ΔPm×Vm+ΔPh×Vh}/T3を求め、総漏れ量Gがあらかじめ設定された所定の第3漏れ判定値F3よりも大きいか否かを判定する(ステップS25)。ここで、ΔPl,ΔPm,及びΔPhは、前記時間T3の間の低圧配管圧Pl,中圧配管圧Pm,及び高圧配管圧Phの変化量である。また、Vlは低圧配管15cの内部容積、Vmは中圧配管15bの内部容積、Vhは高圧配管15aの内部容積である。
ステップS25の判定結果が「YES」の場合、つまり、総漏れ量Gが第3漏れ判定値F3よりも大きい場合には、配管15a,15b,15cのどこかに外部へのガス漏れが生じていると判定し、その旨を示す「水素配管漏れ判定NGフラグ」に「ON」をセットし(ステップS31)、システム制御装置40によってガス漏れに関する警告が発せられ、燃料電池システムの起動が禁止される(ステップS33)。
一方、ステップS25の判定結果が「NO」の場合、つまり、総漏れ量Gが第3漏れ判定値F3以下である場合には、システム内に異常は生じていないと判定し、システム起動要求に応じた燃料電池システムの起動がシステム制御装置40によって許可される(ステップS27)。
次に、図4に示すフローチャートを参照しながら、監視装置30が異常検出処理を途中で中止(図2のステップS9)した場合の処理について説明する。燃料電池システムの起動要求がなされると、監視装置30は、高圧配管圧Ph(s)を圧力計25によって検出し、メモリ31に記憶する(ステップS41)。
次に、高圧配管圧Ph(s)が上記第1圧力値P1よりも小さいか否かを判定し(ステップS43)、判定結果が「YES」の場合、つまり、高圧配管圧Ph(s)が第1圧力値P1よりも小さい場合には、水素漏れ未判定フラグに「ON」をセットし(ステップS51)、上述した図3のフローチャートに示す処理を行う(ステップS53)。
一方、ステップS43の判定結果が「NO」の場合、つまり、高圧配管圧Ph(s)が第1圧力値P1以上の場には、下記式(2)によって求められる時間T2当たりの漏れ量F(s)が、上記第1判定値F1よりも小さいか否かを判定する(ステップS45)。なお、時間T2とは、システム起動要求前に高圧配管圧Ph(n)を検出した最終のときから、上記ステップS41で高圧配管圧Ph(s)を検出するまでの時間である。
F(s)={Ph(s)−Ph(n)}×Vh/T2 … 式(2)
ステップS45の判定結果が「YES」の場合、つまり、時間T2当たりの漏れ量F(s)が第1判定値F1よりも小さい場合には、高圧配管15aに漏れが生じていると判定し、「高圧配管漏れ判定NGフラグ」に「ON」をセットする(ステップS55)。かかる場合には、システム制御装置40によってガス漏れに関する警告が発せられると共に、システムの起動が禁止される(ステップS59)。
一方、ステップS45の判定結果が「NO」の場合、つまり、時間T2当たりの漏れ量F(s)が第1判定値F1以上である場合には、時間T2当たりの漏れ量F(s)が上記第2判定値F2よりも大きいか否かを判定する(ステップS47)。
この判定結果が「YES」の場合、つまり、時間T2当たりの漏れ量F(s)が第2判定値F2よりも大きい場合には、主止弁SV1〜SV4のいずれかから水素ガスが漏れていると判定し、「タンクSV漏れ判定NGフラグ」に「ON」をセットする(ステップS57)。かかる場合には、システム制御装置40によってガス漏れに関する警告が発せられると共に、システムの起動が禁止される(ステップS59)。
一方、ステップS47の判定結果が「NO」の場合、つまり、時間T2当たりの漏れ量F(s)が第2判定値F2以下である場合には、システム内に異常は生じていないと判定し、システム起動要求に応じた燃料電池システムの起動がシステム制御装置40によって許可される(ステップS49)。
以上説明したとおり、高圧配管15a,主止弁SV1〜SV4,及び調圧弁RG1に生じるガス漏れの進行が非常に遅い場合には、分解能の低い高圧用の圧力計25によってはガス漏れ等の異常を検出することが一般には困難であるところ、上記燃料電池システムの異常検出装置によれば、燃料電池システムの停止時間を利用して異常検出に必要十分な圧力変化を高圧配管15aに生じさせることが可能になるので、システム起動時の異常検出に必要な圧力変化の待ち時間が短縮される。
したがって、システム起動時間が短くなり、かつ、精度の良い異常検出が可能となる。また、大規模な異常についても、システム停止中に検出することができるので、例えば大規模な異常を検出した場合には、無線や有線などによって燃料電池車両から離れたところいる車両所有者等への連絡を可能にしておけば、異常の早期発見も可能となる。
1…燃料電池、15…配管、25,26,27…圧力計(圧力検出手段)、30…監視装置、31…メモリ、32…判定手段、40…システム制御装置、T1,T2,T3,T4…水素タンク(高圧タンク)、SV1,SV2,SV3,SV4…主止弁(上流側弁装置)、SV5…遮断弁、RG1,RG2,RG3…調圧弁(下流側弁装置)
Claims (12)
- 燃料電池と、前記燃料電池に反応ガスを供給する配管と、前記配管に所定の間隔を隔てて設けられた上流側弁装置及び下流側弁装置とを備える燃料電池システムの異常検出装置であって、
前記燃料電池システムの停止要求に応じて前記上流側弁装置と前記下流側弁装置との間に形成される閉空間内の圧力を検出する圧力検出手段と、
前記燃料電池システムを停止してから再起動するまでの間に前記圧力検出手段によって検出される前記閉空間内の圧力を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記閉空間内の圧力と、前記燃料電池システムの再起動時に前記圧力検出手段によって検出された前記閉空間内の圧力との差に基づいて、前記閉空間とその上流側および下流側における異常のうち少なくともいずれかを判定する判定手段と、
を備える燃料電池システムの異常検出装置。 - 前記記憶手段には、前記燃料電池システムを停止してから再起動するまでの間に複数回にわたって検出される前記閉空間内の圧力のうち、少なくとも最新の回とその直前の回に検出された圧力が記憶され、
前記判定手段は、前記最新の回に検出された前記閉空間内の圧力が所定の第1圧力値未満である場合には、前記燃料電池システムの再起動時に、その時に検出された前記閉空間内の圧力と、前記最新の回に検出された前記閉空間内の圧力との差に基づいて、前記閉空間とその上流側および下流側における異常のうち少なくともいずれかを判定する、請求項1に記載の燃料電池システムの異常検出装置。 - 前記判定手段は、前記最新の回に検出された前記閉空間内の圧力が前記第1圧力値以上である場合には、前記最新の回とその直前の回に検出された各圧力の差に基づいて、前記閉空間とその上流側および下流側における異常のうち少なくともいずれかを判定する、請求項2に記載の燃料電池システムの異常検出装置。
- 前記判定手段は、前記最新の回とその直前の回に検出された前記閉空間内の圧力の差が所定の第1判定値未満である場合には、前記閉空間の下流側に異常があると判定する、請求項3に記載の燃料電池システムの異常検出装置。
- 前記判定手段は、前記最新の回とその直前の回に検出された前記閉空間内の圧力の差が所定の第2判定値を超えている場合には、前記閉空間の上流側に異常があると判定する、請求項3又は4に記載の燃料電池システムの異常検出装置。
- 前記判定手段は、前記最新の回とその直前の回に検出された前記閉空間内の圧力の差が前記第1判定値以上かつ前記第2判定値以下である場合には、異常判定を中止する、請求項3〜5のいずれかに記載の燃料電池システムの異常検出装置。
- 前記判定手段は、前記異常判定を中止した場合には、前記燃料電池システムの再起動時に、その時に検出された前記閉空間内の圧力と、前記最新の回に検出された前記閉空間内の圧力との差に基づいて、前記閉空間とその上流側および下流側における異常のうち少なくともいずれかを判定する、請求項6に記載の燃料電池システムの異常検出装置。
- 前記上流側弁装置は、前記燃料電池に供給される燃料ガスを貯蔵する高圧タンクの主止弁であり、
前記下流側弁装置は、前記高圧タンクから前記燃料電池への燃料ガス供給圧を所定圧に減圧する調圧弁である、請求項1〜7のいずれかに記載の燃料電池システムの異常検出装置。 - 燃料電池と、前記燃料電池に反応ガスを供給する配管と、前記配管に所定の間隔を隔てて設けられた上流側弁装置及び下流側弁装置とを備える燃料電池システムの異常検出方法であって、
前記燃料電池システムの停止要求に応じて前記上流側弁装置と前記下流側弁装置との間に形成される閉空間内の圧力を検出し、
前記燃料電池システムを停止してから再起動するまでの間に検出した前記閉空間内の圧力と、前記燃料電池システムの再起動時に検出された前記閉空間内の圧力との差に基づいて、前記閉空間とその上流側および下流側における異常のうち少なくともいずれかを判定する、燃料電池システムの異常検出方法。 - 前記燃料電池システムを停止してから再起動するまでの間に複数回にわたって検出した前記閉空間内の圧力のうち、最新の回とその直前の回に検出した各圧力の差が所定の第1判定値以上かつ所定の第2判定値以下である場合には、異常判定を中止する、請求項9に記載の燃料電池システムの異常検出方法。
- 前記異常判定を中止した場合には、前記燃料電池システムの再起動時に、その時に検出した前記閉空間内の圧力と、前記最新の回に検出した前記閉空間内の圧力との差に基づいて、前記閉空間とその上流側および下流側における異常のうち少なくともいずれかを判定する、請求項10に記載の燃料電池システムの異常検出方法。
- 前記上流側弁装置は、前記燃料電池に供給される燃料ガスを貯蔵する高圧タンクの主止弁であり、
前記下流側弁装置は、前記高圧タンクから前記燃料電池への燃料ガス供給圧を所定圧に減圧する調圧弁である、請求項9〜11のいずれかに記載の燃料電池システムの異常検出方法。
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