JP2007327874A - 金型寿命判断装置及び金型寿命判断方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本金型寿命判断装置1は、かさ歯車60を支持する支持具2と、該支持具2に支持されたかさ歯車60の歯底部に対向して接触・離間可能に進退運動する測定子3と、該測定子3の先端を歯底部に押し当てた際の測定子3の先端の位置を測定するダイヤルゲージ4とを具備している。これにより、2回目以降に成形されたかさ歯車60の各歯底部の高さ方向の変位量、すなわち、各歯底部に現出した余肉部の進展状況を速やかに定量的に算出でき、この算出結果に基いて、金型の各歯先部の摩耗量の増加を把握して、その寿命を判断することができる。
【選択図】図1
Description
そこで、図7に示すように、鍛造回数が増加して、金型50の各歯先部の摩耗が進行すると、かさ歯車60の各歯底部で、金型50の各歯先部の摩耗部位51に対応する部位に余肉部61が現出される。
そして、従来、金型50の寿命を判断する際には、作業者が、かさ歯車60の各歯底部に現出された余肉部61の進展状況を目視により判断したり、図8に示すように、作業者が、限度ゲージ70をかさ歯車60の各歯底部に押し当てて、限度ゲージ70とかさ歯車60の各歯先部との隙間71の有無を目視により判断することで、金型50の寿命を判断していた。
しかしながら、前述のような作業者による目視判断であると、各作業者によって判断基準にバラツキがあるために、金型50の正確な寿命を判断することができなかった。
すなわち、図9に示すように、形状測定機に備えられた測定子80を、かさ歯車60の各歯形の歯面及び歯底部に沿って移動させて、各歯形の歯面及び歯底部の形状を高精度に測定すると共に、基準となるかさ歯車60の各歯形の歯面及び歯底部の形状と比較して、その形状相違を解析することにより、金型50の各歯先部の摩耗量の増加を把握して、金型50の寿命を判断することができる。
しかしながら、この形状測定機では、かさ歯車60の各歯形の歯面及び歯底部の形状測定、形状算出並びに基準となるかさ歯車の各歯形の歯面及び歯底部の形状との比較解析を行うために、かさ歯車60の各歯底部に現出した余肉部61の進展状況を把握するまでに相当の時間が費やされ、当該金型50による成形途中にタイミング良くその寿命を判断することができない。
請求項2に記載した金型寿命判断装置の発明は、請求項1に記載した発明において、前記支持具は、前記歯車を、回動自在で、且つ、任意の歯位置で固定自在に支持することを特徴とするものである。
請求項2に記載した金型寿命判断装置の発明では、歯車の全ての歯底部の高さ方向の位置が容易に測定される。
前述したように、歯車、例えばかさ歯車成形用の金型50の各歯先部の摩耗が進行すると、成形後のかさ歯車60の各歯底部で、金型50の各歯先部の摩耗部位51に対応する部位に余肉部61(図7参照)が現出される。
また、これらの位置決めシャフト8は、図1及び図5に示すように、先端に向かって先細り形状となる円錐状に形成されている。各位置決めシャフト8の先端部は、その外周面の一部が、該外周面から軸心方向に向かって斜上方向に面取り8aされており、これら各面取部8aがそれぞれ外方に向くように配置されている。
なお、図3から解るように、各位置決めシャフト8の面取部8aは、測定子3の先端が、かさ歯車60の歯底部に押し当てられた際に、測定子3の先端が位置決めシャフト8の先端部に干渉しないようにするために設けられている。
このスライドシャフト22は、図1に示すように、支持ブロック23の内部に軸方向にスライド自在に挿通されている。この支持ブロック23は、上部ブロック23aと下部ブロック23bとからなるく字状に形成されている。また、支持ブロック23は、支持台5の側方で、支持台5の水平板部5bの下方空間に下部ブロック23bの一部が入り込むようにベース板6に固定されている。そして、スライドシャフト22が、支持ブロック23の上部ブロック23aで、かさ歯車60の歯底部に臨む前面23cからその内部にスライド自在に挿通されている。
また、図1及び図2に示すように、スライドシャフト22には、上部ブロック23aの前面23cとは反対側の後面23dから突出した部位に変位プレート24が上方に突設されている。さらに、スライドシャフト22の他端は、作動レバー25が回動する際、スライドシャフト22が直線的にスライドするように作動レバー25に固定部材26により連結されている。
また、図2に示すように、支持ブロック23の上部ブロック23aの他側面には、シャフト35が上部ブロック23aの後面23dから突出するように配設されている。このシャフト35と略平行にスプリング36が配置され、このスプリング36の一端は、シャフト35の一端から突設されたロッド37に固定されると共に、スプリング36の他端は、作動レバー25の他端に固定されている。さらに、作動レバー25は、シャフト35の他端にピン38により回動自在に支持されている。
そして、図1及び図2に示すように、ダイヤルゲージ4の測定子30の先端と、スライドシャフト22から突設された変位プレート24の上部とが互いに対向して接触可能な位置に配置される。
まず、1回目に成形されたかさ歯車60を、各歯底部が下向きになるように回転台7の上方に配して、かさ歯車60を、その各歯形間に回転台7上の各位置決めシャフト8が嵌合するように回転台7に対して位置決めして載置し、固定具9によりかさ歯車60を押圧して、かさ歯車60を固定具9と回転台7とで挟持する。
続いて、回転止めレバーを解除方向にスライドさせて回転台7を回動自在の状態とし、回転台7を、かさ歯車60の全歯底部の内の1つの歯底部が測定子3の先端に対向するように回動させてその位置でロックし、図1の状態とする。
測定後は、作動レバー25への力を開放すれば、スプリング36が縮み、作動レバー25がピン38を支点に反時計回りに回動して、スライドシャフト22と共に測定子3が後退して元の位置に戻る。
続いて、2回目以降に成形されたかさ歯車60を前述したように回転台7にセットして、回転台7を、かさ歯車60の全歯底部の内の1つの歯底部が測定子3の先端に対向するように回動させてその位置でロックする。
続いて、作動レバー25を固定ハンドル27側に引くと、前述した通り、測定子3の先端がかさ歯車60の歯底部に向かって前進して、図5及び図6(b)に示すように、測定子3の先端がかさ歯車60の歯底部に現出された余肉部61に押し当てられて、その状態における測定子3の先端の位置がダイヤルゲージ4により測定可能となる。
引き続き、回転台7を、かさ歯車60の各歯底部が測定子3の先端に対向するように順次回動させると共に、前述した操作を繰り返して、2回目以降に成形されたかさ歯車60の全ての歯底部の高さ方向の位置を測定する。
その結果、2回目以降に成形されたかさ歯車60の全ての歯底部の高さ方向の変位量の内の最大変位量を、予め設定されてあった、金型50の歯先部の限界摩耗量に対応したかさ歯車60の歯底部の高さ方向の限界変位量と比較しその差を確認することで、金型50の寿命を判断することができる。
このように、本発明の実施の形態によれば、2回目以降に成形されたかさ歯車60の各歯底部に現出された余肉部61の進展状況を定量的に算出した算出結果に基いて、金型50の寿命を判断できるので、各作業者によって金型50の寿命を判断する際の判断基準が統一されて、金型50の寿命を正確に判断でき、金型50をその寿命まで有効に使用することができる。
しかも、本発明の実施の形態によれば、かさ歯車60の各歯底部の高さ方向の位置を測定してその変位量を算出する時間は、従来、形状測定機によってかさ歯車60の各歯形の形状を測定して、基準となるかさ歯車60の各歯形の形状と比較解析させる時間に比べて大幅に短縮されているので、当該金型50による成形途中にタイミング良くその寿命を判断することができる。
また、本発明の実施の形態では、1回目に成形されたかさ歯車60の全ての歯底部の高さ方向の位置を測定する(基準値)と共に、2回目以降に成形されたかさ歯車60の全ての歯底部の高さ方向の位置を測定して、これら測定値の差分を、2回目以降に成形されたかさ歯車60の各歯底部の高さ方向の変位量として算出しているが、1回目に成形されたかさ歯車60の各歯底部の高さ方向の位置のバラツキが小さく許容できる範囲内であれば、1回目に成形されたかさ歯車60の1つの歯底部の高さ方向の位置を測定すると共に、該測定値を基準値としてダイヤルゲージ4に予め入力(基準値を0設定にする)して、2回目以降に成形されたかさ歯車60の各歯底部の高さ方向の位置の測定値をそのまま変位量として置換し、その変位量に基いて金型50の寿命を判断しても良い。
Claims (3)
- 成形後の歯車の形状変化に基いて、金型の寿命を判断する金型寿命判断装置であって、
該金型寿命判断装置は、前記歯車を支持する支持具と、
該支持具に支持された前記歯車の歯底部に対向して接触・離間可能に進退運動する測定子と、
該測定子の先端を前記歯底部に押し当てた際の前記測定子の先端の位置を測定する位置測定手段と、を具備していることを特徴とする金型寿命判断装置。 - 前記支持具は、前記歯車を、回動自在で、且つ、任意の歯位置で固定自在に支持することを特徴とする請求項1に記載の金型寿命判断装置。
- 成形後の歯車の形状変化に基いて、金型の寿命を判断する金型寿命判断方法であって、
前記歯車の各歯底部の高さ方向の変位量を定量的に算出すると共に、該算出結果に基いて金型の寿命を判断することを特徴とする金型寿命判断方法。
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