JP2007326336A - 射出成形機の型締制御方法 - Google Patents

射出成形機の型締制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 圧力制御パターンにおける応答性の鈍い(悪い)部分や挙動の乱れ,アンダーシュート及びオーバーシュートの発生を防止し、圧力制御の応答性を安定化させるとともに、高精度の圧力制御を行う。
【解決手段】 異なる複数の型締力Pxa…,Pya…を多段に設定した圧力制御パターンCx,Cyを用いてトグル式型締装置Mcにより射出成形を行うに際し、予め、圧力制御パターンCx,Cyにおける各型締力Pxa…,Pya…に対応した圧力補償定数Kxa…,Kya…をそれぞれ求めて設定し、射出成形を行う際に、圧力制御パターンCx,Cyによる型締力Pxa…,Pya…の変化に対応して圧力補償定数Kxa…,Kya…を変更する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、型締力を多段に設定した圧力制御パターンを用いてトグル式型締装置により射出成形を行う際に用いて好適な射出成形機の型締制御方法に関する。
従来、異なる複数の型締力(圧縮圧力)を多段に設定した圧力制御パターンを用いてトグル式型締装置により射出成形(圧縮成形)を行う射出成形機の型締制御方法としては、例えば、特開平5−237894号公報で開示される情報記録媒体用基板の成形方法に用いる型締制御方法が知られている。
この成形方法(型締制御方法)は、トグルリンクを伸張し、タイバーの抗張力により型締め力を得るトグル機構を備えたトグル式射出成形機に、互いに対向する固定側と可動側からなる金型部材によって構成される金型キャビティを設け、このキャビティ内に熱可塑性樹脂材料を素材とする溶融樹脂を射出充填し、圧縮成形を行って情報記録媒体用基板を成形する方法において、金型キャビティ内に溶融樹脂を射出し、初期の設定圧力に充填した後、多段階に設定した圧縮プログラムプロフィールに基づき、金型キャビティ内の溶融樹脂を段階的に圧縮制御する工程を含ませたものである。
特開平5−237894号
しかし、上述した射出成形機における従来の型締制御方法(成形方法)は、次のような問題点があった。
即ち、金型を型締するトグル式型締装置は、可動型を支持する可動盤と圧受盤に支持される駆動部により進退変位するクロスヘッド間をトグルリンク機構により連結し、クロスヘッドの加圧力を増圧して可動盤に伝達する機能を備えている。したがって、型締時には、トグルリンク機構が伸張しきった状態におけるタイバーの伸びに基づいて所定の型締力が発生するが、このようなトグルリンク機構を用いて圧縮成形や射出成形、特に、異なる複数の型締力を多段に設定した圧力制御パターンを用いて圧縮成形や射出成形を行う場合、圧力制御の応答性が不安定になる問題があった。
図5及び図6に圧力制御パターンの一例を示す。図5に示す圧力制御パターンCxは最大型締力Pxを100〔%〕に設定した場合、図6に示す圧力制御パターンCyは最大型締力Pyを50〔%〕に設定した場合をそれぞれ示す。図5及び図6に実線で示す圧力制御パターンCx,Cy、即ち、異なる複数の型締力Px,Pxa,Pxb…,Py,Pya,Pyb…を多段に設定した圧力制御パターンCx,Cyは、本発明(本実施形態)に係る型締制御方法を用いた場合の特性を示しているが、従来の型締制御方法により同一の圧力制御パターンCx,Cyを用いた場合、図5及び図6に仮想線Pxe…,Pye…で示すように、応答性の鈍い(悪い)部分や挙動の乱れ,アンダーシュート及びオーバーシュートが発生し、圧力制御の応答性が不安定になるとともに、高精度の圧力制御を行うことができない問題があった。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した射出成形機の型締制御方法の提供を目的とするものである。
本発明に係る射出成形機Mの型締制御方法は、上述した課題を解決するため、異なる複数の型締力Pxa…,Pya…を多段に設定した圧力制御パターンCx,Cyを用いてトグル式型締装置Mcにより射出成形を行うに際し、予め、圧力制御パターンCx,Cyにおける各型締力Pxa…,Pya…に対応した圧力補償定数Kxa…,Kya…をそれぞれ求めて設定し、射出成形を行う際に、圧力制御パターンCx,Cyによる型締力Pxa…,Pya…の変化に対応して圧力補償定数Kxa…,Kya…を変更するようにしたことを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、圧力補償定数Kxa…,Kya…には、圧力フィードバック制御系Upにおける圧力補償ゲインを適用することができる。また、圧力補償定数Kxa…,Kya…は、型締力Psa…の大きさに対する適切な圧力補償定数Kxsa…,Kysa…の相関関係を設定し、この相関関係により求めることができる。この際、相関関係は、異なる複数の型締力Psa…の大きさに対応する圧力補償定数Kxsa…,Kysa…を用いて相関関係に近似する関数Fx,Fyにより設定してもよいし、異なる複数の型締力Psa…の大きさに対応する複数の圧力補償定数Kxsa…,Kysa…をデータベースBdにより設定してもよい。さらに、相関関係には、最大型締力Px,Pyを異ならせた少なくとも二つの相関関係を含ませることができ、最大型締力Px,Py以外の他の最大型締力Peにおける圧力補償定数は、少なくとも二つの相関関係に基づいて推定により求めることができる。
このような手法による本発明に係る射出成形機Mの型締制御方法によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 異なる複数の型締力Pxa…,Pya…を多段に設定した圧力制御パターンCx,Cyを用いて射出成形を行う場合であっても、圧力制御パターンCx,Cyによる型締力Pxa…,Pya…の変化に対応して圧力補償定数Kxa…,Kya…を変更するため、圧力制御パターンCx,Cyにおける応答性の鈍い(悪い)部分や挙動の乱れ,アンダーシュート及びオーバーシュートの発生を防止し、圧力制御の応答性を安定化させることができるとともに、高精度の圧力制御を行うことができる。
(2) 好適な態様により、圧力補償定数Kxa…,Kya…に、圧力フィードバック制御系Upにおける圧力補償ゲインを適用すれば、当該制御系Upの簡易な改良により容易かつ低コストに実施することができる。
(3) 好適な態様により、圧力補償定数Kxa…,Kya…を、型締力Psa…の大きさに対する適切な圧力補償定数Kxsa…,Kysa…の相関関係を設定し、この相関関係により求めるようにすれば、各圧力補償定数Kxa…,Kya…を設定するに際し、各型締力Pxa…,Pya…に対応する最適な圧力補償定数Kxa…,Kya…を設定できる。
(4) 好適な態様により、相関関係を、異なる複数の型締力Psa…の大きさに対応する圧力補償定数Kxsa…,Kysa…を用いて相関関係に近似する関数Fx,Fyにより設定するようにすれば、より精度の高い適切な圧力補償定数Kxa…,Kya…を設定できる。
(5) 好適な態様により、異なる複数の型締力Psa…の大きさに対応する複数の圧力補償定数Kxsa…,Kysa…をデータベースBdにより設定するようにすれば、演算を伴うことなく容易な処理により設定できる。
(6) 好適な態様により、最大型締力Px,Pyを異ならせた少なくとも二つの相関関係を含ませ、最大型締力Px,Py以外の他の最大型締力Peにおける圧力補償定数を、少なくとも二つの相関関係に基づいて推定により求めるようにすれば、最小限のデータ量を利用することにより、最大型締力Px,Py以外の他の最大型締力Peにおける圧力補償定数であっても、容易かつ確実に求めることができる。
次に、本発明に係る最良の実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る型締制御方法を実施できるトグル式型締装置Mcの構成について、図2及び図3を参照して説明する。
図2中、Mで示す射出成形機は、トグル式型締装置Mcと射出装置Miを備える。トグル式型締装置Mcは、離間して配した固定盤11と圧受盤12を備え、固定盤11は不図示の機台上に固定されるとともに、圧受盤12は当該機台上に進退変位可能に支持される。また、固定盤11と圧受盤12間には、四本のタイバー13…を架設する。この場合、各タイバー13…の前端は、固定盤11に固定するとともに、各タイバー13…の後端は、圧受盤12に対して挿通させる。
一方、タイバー13…には、可動盤14をスライド自在に装填する。この可動盤14は可動型15mを支持するとともに、固定盤11は固定型15cを支持し、可動型15mと固定型15cは金型15を構成する。さらに、圧受盤12と可動盤14間にはトグルリンク機構Lを配設する。トグルリンク機構Lは、圧受盤12に軸支した一対の第一リンクLa,Laと、可動盤14に軸支した一対の出力リンクLc,Lcと、第一リンクLa,Laと出力リンクLc,Lcの支軸に結合した一対の第二リンクLb,Lbを有し、この第二リンクLb,Lbはクロスヘッド16に軸支する。
また、圧受盤12とクロスヘッド16間には型締用駆動部17を配設する。型締用駆動部17は、圧受盤12に回動自在に支持されたボールねじ部18と、このボールねじ部18に螺合し、かつクロスヘッド16に一体に設けたボールナット部19を有するボールねじ機構20を備えるとともに、ボールねじ部18を回転駆動する回転駆動機構部21を備える。回転駆動機構部21は、型締用サーボモータ22と、このサーボモータ22に付設して当該サーボモータ22の回転数を検出するロータリエンコーダ23と、サーボモータ22のシャフトに取付けた駆動ギア24と、ボールねじ部18に取付けた被動ギア25と、この駆動ギア24と被動ギア25間に架け渡したタイミングベルト26を備えている。
これにより、サーボモータ22を作動させれば、駆動ギア24が回転し、駆動ギア24の回転は、タイミングベルト26を介して被動ギア25に伝達され、ボールねじ部18が回転することによりボールナット部19が進退移動する。この結果、ボールナット部19と一体のクロスヘッド16が進退移動し、トグルリンク機構Lが屈曲又は伸張し、可動盤14が型開方向又は型閉方向(型締方向)へ進退移動する。
他方、圧受盤12には型厚調整部27を付設する。型厚調整部27は、四本のタイバー13…の後端側にねじ部28…を形成し、各ねじ部28…にそれぞれ調整ナット29…を螺合する。この場合、調整ナット29…は圧受盤12に対するストッパを兼ねている。これにより、各調整ナット29…を回転させれば、ねじ部28…に対して相対変位するため、圧受盤12を進退変位させることができる。また、圧受盤12の側面には、圧受盤12を移動させる駆動源となるギアードモータ31を取付ける。このギアードモータ31は、型厚調整用の駆動モータとなる。ギアードモータ31は前端から回転出力シャフト32が突出するとともに、後端にはモータシャフトの回転数を検出するロータリエンコーダ33を備える。
一方、回転出力シャフト32には、駆動ギア34を取付けるとともに、各調整ナット29…には、それぞれスモールギア35…を一体に取付ける。この場合、各調整ナット29…とスモールギア35…はそれぞれ同軸上に位置する。また、各スモールギア35…及び駆動ギア34に噛合するラージギア36を配設する。ラージギア36は、リング形に形成し、内周面に沿って設けたレール部が圧受盤12に取付けた複数の支持ローラ(不図示)により支持される。これにより、各スモールギア35…はラージギア36に対して同時に噛合し、ギアードモータ31を作動させれば、駆動ギア34の回転によりラージギア36が回転するとともに、このラージギア36の回転により各スモールギア35…が同時に回転する。そして、各スモールギア35…と一体に回転する各調整ナット29…がタイバー13…のねじ部28…に沿って進退変位するため、圧受盤12も進退変位し、その前後方向位置が調整される。
他方、50は、成形機コントローラであり、型締用サーボモータ22,ロータリエンコーダ23,ギアードモータ31及びロータリエンコーダ33を接続する。この成形機コントローラ50は、射出成形機Mの全体の制御を司るコンピュータ機能を有し、タッチパネル式のディスプレイ(不図示)が付属する。
図3に、成形機コントローラ50の要部構成、特に、型締用サーボモータ22に対する制御系Uの具体的な機能ブロック図を示す。型締用サーボモータ22及びロータリエンコーダ23は前述のものと同じである。図3中、51は偏差演算部、52は圧力センサ、53は圧力補償部、54は切換部、55は切換判断部、56は偏差演算部、57は速度補償部、58は電流/電力制御部、59は電流検出器、60は速度変換部、61はCPU等を含む処理部(コンピュータ処理部)、62はメモリをそれぞれ示し、各部の信号系統は図示のようになる。
この場合、圧力センサ52は、型締工程における型締力を検出するセンサであり、図2に示すように、タイバー13に付設するタイバーセンサを用いる。このタイバーセンサ(圧力センサ52)は、型締力の発生によるタイバー13の伸び量を検出するものであり、検出した伸び量を圧力の大きさに変換して型締力を求めることができる。その他、圧力センサ52としては、金型15(可動型15m)に付加される型締力を検出するロードセル等を用いることができる。また、圧力補償部53は、圧力フィードバック制御系Upにおける圧力補償を行う回路であり、PID定数(圧力補償定数)が設定される。この圧力補償部53は処理部61に接続する。これにより、処理部61は、射出成形を行う際に、圧力制御パターンCx,Cyによる型締力Px,Pxa…,Py,Pya…の変化に対応して、圧力補償部53におけるP定数となる圧力補償ゲインKx,Ky,Kxa…,Kya…を変更する処理を行う。このような圧力補償ゲインKx,Ky,Kxa…,Kya…を変更するようにしたため、圧力フィードバック制御系Upの簡易な改良により容易かつ低コストに実施することができる利点がある。
一方、メモリ62には、本実施形態に係る型締制御方法を実行するための制御プログラムApが格納されているとともに、少なくとも当該型締制御方法に用いる各種データ、即ち、後述する、異なる複数の型締力Pxa…,Pya…を多段に設定した圧力制御パターンCx,Cy、圧力補償ゲインKxa…,Kya…、異なる複数の型締力Psa…の大きさに対応する圧力補償ゲインKxsa…,Kysa…の相関関係に近似する関数Fx,Fy、型閉速度に対する目標値(速度目標値)Vs、型締力の目標値(圧力目標値)Psなどの各種データが、データベースBdとして設定(登録)されている。なお、成形機コントローラ50における各部の機能は、型締制御方法の説明とともに後述する。
次に、このようなトグル式型締装置Mcを用いた本実施形態に係る型締制御方法について、各図を参照しつつ図1に示すフローチャートに従って説明する。
本実施形態に係る型締制御方法では、予め、異なる複数の型締力Psa…の大きさに対応する適切(最適)な圧力補償ゲインKxsa…,Kysa…の相関関係を、この相関関係に近似する関数Fx,Fyにより設定する(ステップS1〜S5)。なお、この関数Fx,Fyは実験的に求めることができる。
以下、関数Fx…の具体的な設定処理手順について説明する。図4は、二つの関数Fx,Fyの一例を示し、例示の関数Fx,Fyは、最大型締力Px,Pyを異ならせた二つの相関関係からそれぞれ求めることができる。この場合、最大型締力Pxは100〔%〕を使用し、最大型締力Pyは50〔%〕を使用する。最大型締力Pxが100〔%〕とは、トグルリンク機構Lが伸張しきった状態で発生するトグル式型締装置Mcにおける定格(最大)となる型締力であり、最大型締力Pyが50〔%〕とは、トグルリンク機構Lが伸張しきった状態で定格に対して50〔%〕の型締力が発生するように設定した型締力である。
まず、最大型締力Pxを設定する(ステップS1)。最大型締力Pxを設定したなら、複数(例示は三つ)の型締力Psa(100〔%〕),Psb(90〔%〕),Psc(50〔%〕)に対応する最適な圧力補償ゲインKxsa,Kxsb,Kxscを求める(ステップS2,S3)。最適な圧力補償ゲインKxsa…とは、想定される圧力制御パターンにより特定型締力Psa,Psb,Pscに変化させた際に、応答性の鈍い(悪い)部分や挙動の乱れ或いはアンダーシュート及びオーバーシュートが発生しないゲインである。
最大型締力Pxにおける全ての圧力補償ゲインKxsa…を求めたなら、次いで、最大型締力Pyを設定する(ステップS4,S1)。そして、最大型締力Pxの場合と同様に、複数(例示は三つ)の型締力Psa,Psb,Pscに対応する最適な圧力補償ゲインKysa,Kysb,Kyscを求める(ステップS2,S3)。
よって、型締力Psa,Psb,Pscに対する三つの圧力補償ゲインKxsa,Kxsb,Kxscの相関関係により、図4に示すように、この相関関係に近似する関数Fxが得られる。同様に、型締力Psa,Psb,Pscに対する三つの圧力補償ゲインKysa,Kysb,Kyscの相関関係により、図4に示すように、この相関関係に近似する関数Fyが得られる。そして、得られた関数Fx,Fyは、メモリ62にデータベースBdとして登録(設定)する(ステップS5)。
このように、圧力補償定数Kxa…,Kya…を、型締力Psa…の大きさに対する適切な圧力補償定数Kxsa…,Kysa…の相関関係を設定し、この相関関係により求めるようにしたため、各圧力補償定数Kxa…,Kya…を設定するに際し、各型締力Pxa…,Pya…に対応する最適な圧力補償定数Kxa…,Kya…を設定できる利点がある。また、この相関関係を、異なる複数の少なくとも型締力Psa…の大きさに対応する圧力補償定数Kxsa…,Kysa…を用いて相関関係に近似する関数Fx,Fyにより設定するようにしたため、より精度の高い適切な圧力補償定数Kxa…,Kya…を設定できる利点がある。
他方、製品(例えば、DVDディスク等)を生産する際には、生産する製品に対応した射出成形時に用いる圧力制御パターンを成形機コントローラ50に入力する(ステップS6)。今、一例として、図5に示す圧力制御パターンCxを入力した場合を想定する。なお、この圧力制御パターンCxは、製品を生産する実際の圧力制御パターンとは異なる。圧力制御パターンCxが成形機コントローラ50に入力することにより、処理部61は、圧力制御パターンCxにおける型締力Px(100〔%〕)をはじめ、各型締力Pxa(5〔%〕),Pxb(90〔%〕),Pxc(40〔%〕)及びPxd(70〔%〕)に対応した圧力補償ゲインKx,Kxa,Kxb,Kxc及びKxdを求める(ステップS7,S8)。この場合、登録されている関数Fxにより容易に求めることができる。そして、全ての圧力補償ゲインKx,Kxa,Kxb…を求めたなら、生産する製品に対する成形条件としてメモリ62に設定する(ステップS8,S9)。
一方、実際の生産時において、射出成形を行う型締工程における動作は、次のようになる。今、トグル式型締装置Mcは、型開状態にあるものとする。型締工程の開始により、型開位置にある可動盤14が前進移動する。この場合、サーボモータ22が駆動制御されるため、サーボモータ22の回転は、駆動プーリ24,タイミングベルト26及び被動プーリ25を介して伝達され、ボールねじ部18及びナット部19を含むボールねじ機構20により直進運動(前進移動)に変換されるとともに、クロスヘッド16及びトグルリンク機構Lを介して可動盤14に伝達され、可動盤14が前進移動する。
この際、サーボモータ22の回転は、ロータリエンコーダ23により検出され、速度変換部60により型閉速度(速度検出値)Vdに変換されるとともに、この速度検出値Vdは、偏差演算部56の反転入力部に付与される。切換部54は、切換判断部55により速度目標値Vsを選択する側に切換わっているため、偏差演算部56の非反転入力部には、予め設定された速度目標値Vsが付与される。偏差演算部56の出力部からは、速度検出値Vdと速度目標値Vsの偏差が得られるため、この偏差は、PID定数を設定した速度補償部57により速度補償された後、電流/電力制御部58に付与され、さらに、この電流/電力制御部58からサーボモータ22に対して給電が行われる。サーボモータ22に流れる電流は、電流検出器59により検出され、電流制御部58に付与されることにより、電流(電力)に対するマイナループのフィードバック制御が行われる。以上が速度に対するフィードバック制御系となり、速度検出値Vdが速度目標値Vsに一致するように、型閉速度に対するフィードバック制御が行われる。なお、速度目標値Vsは、前段の高速型閉速度と後段の低速型閉速度が設定されている。
そして、可動盤14が、目標とする型締位置に達したならサーボモータ22の回転を停止させるとともに、切換判断部55は、切換部54を、圧力補償部53を選択する側に切換える。他方、射出装置Mi側では、射出充填工程が行われ、金型15に対する溶融樹脂の射出充填が行われる。
また、この際には、型締装置Mc側において、圧力制御パターンCxを用いた射出成形工程が実行される。即ち、切換部54が圧力補償部53を選択する側に切換えられた以後は、圧力センサ52により、型締力Px,Pxa…(圧力検出値Pd)が検出され、偏差演算部51の反転入力部に付与されるとともに、偏差演算部51の非反転入力部には、圧力制御パターンCxに基づく圧力目標値Psが付与される。これにより、偏差演算部51の出力部には、圧力目標値Psと圧力検出値Pdの偏差が得られ、この偏差は、PID定数が設定される圧力補償部53に付与される。この場合、圧力目標値Psは、圧力制御パターンCxとして付与されるため、型締力Px,Pxa…が変化する。処理部61は、型締力Px,Pxa…の変化を監視し、この型締力Px,Pxa…の変化(切換)に対応する圧力補償ゲインKx又はKxa…を圧力補償部53に設定する制御を行う(ステップS10)。
このように、異なる複数の型締力Px,Pxa…を多段に設定した圧力制御パターンCxを用いて射出成形を行う場合であっても、圧力制御パターンCxによる型締力Pxa…の変化に対応して圧力補償定数Kx,Kxa…を変更するようにしたため、圧力制御パターンCxにおける応答性の鈍い(悪い)部分や挙動の乱れ,アンダーシュート及びオーバーシュートの発生を防止し、圧力制御の応答性を安定化させることができるとともに、高精度の圧力制御を行うことができる。図5に示す実線が本実施形態に係る型締制御方法を用いた際の圧力制御パターンCxを示すが、圧力制御パターンCxにおける応答性の鈍い(悪い)部分や挙動の乱れ,アンダーシュート及びオーバーシュートの発生が有効に防止される。
なお、圧力補償部53からの出力は、圧力補償速度Vpとして切換部54を介して偏差演算部56の非反転入力部に付与される。そして、射出成形(型締工程)が終了したなら、冷却工程,型開工程,突出し工程を得て一成形サイクルが終了する。この例では、図5に示す圧力制御パターンCxを用いた場合を示したが、図6に示す圧力制御パターンCyを用いる場合であっても同様に実施することができる。
また、図4に示すように、最大型締力Px(100〔%〕)に係わる関数Fxと最大型締力Py(50〔%〕)に係わる関数Fy以外の他の最大型締力Peも適用することができ、この場合には、二つの相関関係を示す関数FxとFyに基づいて推定により求めることができる。即ち、一例として最大型締力Peとして80〔%〕を適用する場合、関数FxとFy間の比例配分により目的の圧力補償ゲインを求めることができる。このように、最小限のデータ量を利用することにより、最大型締力Px,Py以外の他の最大型締力Peにおける圧力補償ゲインKea…であっても、容易かつ確実に求めることができる利点がある。
以上、最良の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の手法,構成,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
例えば、実施形態では、圧力補償定数Kxa…,Kya…として、圧力フィードバック制御系Upにおける圧力補償ゲインを適用した場合を示したが、必要によりPID定数のI定数やD定数等の他の圧力補償定数にも適用することができる。また、異なる複数の型締力Psa…の大きさに対応する圧力補償定数Kxsa…,Kysa…を用いて、相関関係に近似する関数Fx,Fyを設定する場合を示したが、異なる複数の型締力Psa…の大きさに対応する複数の圧力補償定数Kxsa…,Kysa…をデータベースBdにより設定してもよい。このようなデータベースBdにより設定すれば、演算を伴うことなく容易な処理により設定できる利点がある。さらに、相関関係には、最大型締力Px,Pyを異ならせた二つの相関関係を含ませる場合を示したが、三つ以上の相関関係を含ませてもよい。
本発明の最良の実施形態に係る射出成形機の型締制御方法を説明するためのフローチャート、 同型締制御方法を実施できるトグル式型締装置の平面図、 同トグル式型締装置に用いる成形機コントローラの機能ブロック図、 同型締制御方法の実施に用いる関数の説明図、 同型締制御方法の実施に用いる圧力制御パターンの説明図、 同型締制御方法の実施に用いる他の圧力制御パターンの説明図、
符号の説明
M:射出成形機,Mc:トグル式型締装置,Pxa…:型締力,Pya…:型締力,Psa…:型締力,Px:最大型締力,Py:最大型締力,Pe:他の最大型締力,Cx:圧力制御パターン,Cy:圧力制御パターン,Kxa…:圧力補償定数,Kya…:圧力補償定数,Kxsa…:適切な圧力補償定数,Kysa…:適切な圧力補償定数,Fx:関数,Fy:関数,Up:圧力フィードバック制御系,Bd:データベース

Claims (7)

  1. 異なる複数の型締力を多段に設定した圧力制御パターンを用いてトグル式型締装置により射出成形を行う射出成形機の型締制御方法において、予め、前記圧力制御パターンにおける各型締力に対応した圧力補償定数をそれぞれ求めて設定し、前記射出成形を行う際に、前記圧力制御パターンによる型締力の変化に対応して前記圧力補償定数を変更することを特徴とする射出成形機の型締制御方法。
  2. 前記圧力補償定数は、圧力フィードバック制御系における圧力補償ゲインであることを特徴とする請求項1記載の射出成形機の型締制御方法。
  3. 前記圧力補償定数は、前記型締力の大きさに対する適切な圧力補償定数の相関関係を設定し、この相関関係により求めることを特徴とする請求項1又は2記載の射出成形機の型締制御方法。
  4. 前記相関関係は、異なる複数の型締力の大きさに対応する圧力補償定数を用いて前記相関関係に近似する関数により設定することを特徴とする請求項3記載の射出成形機の型締制御方法。
  5. 前記相関関係は、異なる複数の型締力の大きさに対応する複数の圧力補償定数をデータベースにより設定することを特徴とする請求項3記載の射出成形機の型締制御方法。
  6. 前記相関関係には、最大型締力を異ならせた少なくとも二つの相関関係を含むことを特徴とする請求項3,4又は5記載の射出成形機の型締制御方法。
  7. 前記最大型締力以外の他の最大型締力における圧力補償定数は、少なくとも二つの相関関係に基づいて推定により求めることを特徴とする請求項6記載の射出成形機の型締制御方法。
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