JP2007323685A - ヘッド・ジンバル・アセンブリ及びその製造方法 - Google Patents

ヘッド・ジンバル・アセンブリ及びその製造方法 Download PDF

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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)

Abstract

【課題】ロード・ビームの剛性を維持しつつ、ヘッド・ジンバル・アセンブリ(HGA)の高さを低減する。
【解決手段】本発明の一実施形態において、HGA200は、スライダ105、フレクシャ202及びロード・ビーム203を備える。ロード・ビーム203は、ロード・ビームの長手方向に延びる縁辺において、磁気ディスクと反対側に突出するよう形成されたフランジ204を備える。ロード・ビーム203は、磁気ディスクに対向する側に開口し、フレクシャ202に対向するスライダ105の裏面105bの面積より開口面積が大きい凹部206を有する。ロード・ビーム203の表面203aの位置が、スライダ105の磁気ディスクに対向する面を含む仮想面とスライダ裏面105bを含む仮想面との間となるように、スライダ105が凹部206に配置されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、ヘッド・スライダとこれを支持するサスペンションを備えるヘッド・ジンバル・アセンブリ(HGA)に関する。
磁気ディスク装置は、データを記録する磁気ディスクと、磁気ディスクへアクセスするヘッド・スライダとを備えている。ヘッド・スライダには、磁気ディスクとの間のデータ読み出し及び書き込みを行うヘッド素子部が形成されている。ヘッド素子部は、磁気ディスクへの記録データに応じて電気信号を磁界に変換する記録素子及び磁気ディスクからの磁界を電気信号に変換する再生素子を備えている。
さらに、磁気ディスク装置は、ヘッド・スライダを磁気ディスク上の所望の位置に移動するキャリッジを備えている。キャリッジはボイス・コイル・モータ(VCM)によって駆動され、回動軸を中心に回動することによって、回転する磁気ディスク上でヘッド・スライダを磁気ディスクの半径方向に移動する。これによって、ヘッド素子部が磁気ディスクに形成された所望のトラックにアクセスし、データの読み出し/書き込み処理を行うことができる。
キャリッジは弾性を有するサスペンションを備え、ヘッド・スライダはサスペンションに固定されている。磁気ディスクに対向するヘッド・スライダの空気ベアリング面(ABS:Air Bearing Surface)と回転している磁気ディスクとの間の空気の粘性による圧力が、サスペンションによって磁気ディスク方向に加えられる圧力とバランスすることによって、ヘッド・スライダは磁気ディスク上を一定のギャップを置いて浮上することができる。ヘッド・スライダとこれを支持するサスペンションで構成される部材をヘッド・ジンバル・アセンブリ(HGA)と呼ぶ。
図6は従来のHGAを示す図であり、磁気ディスクの記録面側からみたHGAの構造を示している。図6に示すように、HGA400は、ヘッド・スライダ401、サスペンション402及びリード403を備えている。リード403は、ヘッド・スライダ401に形成されているヘッド素子部(不図示)とアンプ部(不図示)との間で記録信号及び/又はヘッド素子部からの再生信号を伝送するための導電配線である。
サスペンション402は、ヘッド・スライダ401を磁気ディスク対向面側で保持する可撓性のフレクシャ404と、フレクシャ404を磁気ディスク対向面側で保持するロード・ビーム405を備えている。図のHGA400は、ロード・アンロード・タイプであって、ロード・ビーム405の先端にランプ機構に退避するためのタブ406を備えている。
ロード・ビームは、ステンレス鋼板や2つのステンレス鋼板の間にポリイミド樹脂層を設けた3層構造の積層材等によって形成されている(例えば、特許文献1を参照)。また、縁辺部分がロード・ビームの長手方向に沿って折り曲げられた形状によって必要な剛性を確保している。以下では、折り曲げられたロード・ビームの縁辺部分をフランジと呼ぶ。図6のロード・ビーム405もフランジ407を有している。
HGA400の断面図を図7に示す。図7の断面図は、スライダ401の中心を通り、HGA400の短手方向に沿った断面である。ロード・ビーム405のヘッド・スライダ401に対向する位置には、フレクシャ404側(図面上方)に向かって隆起したディンプル408が形成されている。フレクシャ404は、自身の弾性力によってディンプル408に押し当てられた状態で、ロード・ビーム405に支持される。
図7に示すように、HGA400の高さHは、ヘッド・スライダ401の高さ、フレクシャ404の高さ及びロード・ビーム405の高さによって決定される。さらに、ロード・ビーム405の高さは、ディンプル408の高さ、ロード・ビーム405を構成する薄板の厚み、及びフランジ407の高さによって定まる。ここで、HGA400の高さHとは、磁気ディスクの記録面に垂直な方向のHGAの厚みを意味する。
特開2005−190511号公報 実開昭63−58372号公報
近年、磁気ディスク装置の薄型化が進むにつれて、HGAの高さを低くすることが望まれている。図6及び7に示したHGA400の高さを抑制するためには、ロード・ビーム405の高さを低くすることが考えられる。しかし、仮に、フランジ407の高さを低くすることによってロード・ビーム405の高さを抑制すると、ロード・ビーム405の剛性(曲げ剛性、ねじれ剛性)の低下を招き、必要な剛性を確保できない状況が発生する。このように、ロード・ビーム405の剛性を確保する必要性から、フランジ407の高さを低くすることには限界がある。
なお、特許文献2にはロード・ビーム縁辺のフランジを、図7のフランジ407とは逆の方向、つまりスライダが固定された側に折り曲げることにより、高さを低減したHGAが開示されている。しかし、このような構成を採用する場合には、ロード・ビーム縁辺に設けたフランジとスライダ若しくは、スライダ周辺に位置するフレクシャ又はリードとの干渉を回避するため、スライダの周囲にフランジを設けることが困難である。したがって、ロード・ビームの剛性を十分に確保できない可能性がある。
本発明は、上述の事情を考慮してなされたものであり、本発明は、ロード・ビームの剛性を維持しつつ、高さを低減することが可能なHGAを提供することができる。
本発明にかかるHGAは、磁気ディスクとの間でデータ読み出し及び書き込みの少なくとも一方を行うヘッド素子部を有するヘッド・スライダと、前記ヘッド・スライダを保持するフレクシャと、前記フレクシャが固定されるロード・ビームとを備える。さらに、前記ロード・ビームは、前記ロード・ビームの長手方向に延びる縁辺において、前記磁気ディスクに対向する側の前記ロード・ビームの表面と反対側に突出するよう形成されたフランジと、前記磁気ディスクに対向する側に開口し、前記フレクシャに対向する前記ヘッド・スライダの第1の面の面積より開口面積が大きい凹部とを有している。また、さらに、前記磁気ディスクに対向する側の前記ロード・ビームの表面の位置が、前記ヘッド・スライダの磁気ディスクに対向する面を含む仮想面と前記第1の面を含む仮想面との間となるよう、前記ヘッド・スライダが前記凹部に配置されている。
このように、本発明にかかるHGAは、ロード・ビームに設けた凹部に、ヘッド・スライダを磁気ディスクに対してオフセットさせて配置している。さらに、フランジは、磁気ディスクから遠ざかる方向に突出するよう形成されている。このため、ヘッド・スライダを磁気ディスクに対してオフセットさせた分だけ、ヘッド・スライダの高さがフランジの高さによって打ち消される。これにより、少なくともオフセットされたヘッド・スライダの高さだけ、HGAの高さを低くすることが可能である。また、フランジの高さを低くすることなくHGAの高さを低くすることができるため、ロード・ビームの剛性の低下を生じることはない。
さらに、上述した本発明のHGAでは、前記磁気ディスク側から見た前記第1の面の位置が、前記磁気ディスクに対向する側の前記ロード・ビームの表面と前記フランジの先端を含む仮想面との間であることが望ましい。
また、上述した本発明のHGAにおいて、前記ロード・ビームは、第1の板材と第2の板材との間に中間層を有する積層材によって形成されており、前記第1の板材が前記ロード・ビームの基板をなし、前記中間層によって前記凹部の側壁が形成され、前記第2の板材によって前記凹部の底が形成されることが好ましい。
なお、前記中間層は、樹脂材料によって形成されていることが望ましい。樹脂材料がダンパー材として機能することによる制振効果が期待できる。
さらに、前記第1の板材及び前記第2の板材はステンレス鋼とし、前記中間層はポリイミド樹脂としてもよい。
一方、本発明にかかるHGAの製造方法は、以下の工程を含む。まず、第1の板材と第2の板材との間に中間層を有する積層材を準備する。次に、前記第1の板材の側から、前記第1の板材及び前記中間層をエッチングすることにより、前記第2の板材を底とし、前記中間層を側壁とする凹部を形成する。続いて、前記第2の板材の側から、前記第2の板材のうち少なくとも前記凹部の底をなす領域を除いて、前記第2の板材及び前記中間層をエッチングすることにより、前記第1の板材によって前記ロード・ビームの基板を形成する。さらに、前記基板の縁辺部を前記中間層の側に曲折してフランジを形成する。最後に、前記凹部に前記ヘッド・スライダが位置するように、前記フレクシャ及び前記ヘッド・スライダを配置する。
このような製造方法によって、ロード・ビームの剛性を維持しつつ、高さを低減可能なHGAを容易に得ることができる。また、エッチングを行うことにより、プレス加工による場合のようなロード・ビーム幅の広がりを生じることがない。
上述したように、本発明によれば、ロード・ビームのフランジ部分の高さに変更を加えずにHGA全体の高さを低くすることができる。これにより、HGA高さの低下とロード・ビームの剛性の維持とを両立することができる。
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略する。なお、以下に説明する実施の形態は、ロード・アンロード方式の磁気ディスク装置に対して本発明を適用したものである。
発明の実施の形態1.
最初に、本発明の理解の容易化のため、磁気ディスク装置の全体構成を説明する。図1は、本実施の形態に係る磁気ディスク装置100の構成を模式的に示す平面図である。磁気ディスク装置100は、データを記録する記録メディアとしての磁気ディスク101を備えている。磁気ディスク101は、磁性層が磁化されることによってデータを記録する不揮発性メモリである。磁気ディスク装置100の各構成要素は、ベース102内に収容されている。ベース102は、ベース102の上部開口を塞ぐカバー(不図示)とガスケット(不図示)を介して固定されることによってディスク・エンクロージャを構成し、磁気ディスク装置100の各構成要素を密閉状態で収容することができる。
磁気ディスク101は、スピンドル・モータ(SPM)103に固定されている。ヘッド・スライダ105は、ホスト(不図示)との間で入出力されるデータについて、磁気ディスク101への書き込み及び/又は読み出しを行うヘッド素子部を供えている。ヘッド素子部は、磁気ディスク101への記憶データに応じて電気信号を磁界に変換する記録素子及び/又は磁気ディスク101からの磁界を電気信号に変換する再生素子を有している。
キャリッジ106は、ヘッド・スライダ105を保持、移動する。キャリッジ106は回動軸107に回動自在に保持されており、駆動機構としてのVCM(ボイス・コイル・モータ)109によって駆動される。キャリッジ106は、ヘッド・スライダ105が配置された長手方向におけるその先端部から、サスペンション110、アーム111、コイル・サポート112及びフラットコイル113の順で結合された各構成部材を備えている。なお、サスペンション110の構成については後述する。VCM109は、フラットコイル113、上側ステータ・マグネット保持板114に固定されたステータ・マグネット(不図示)、及び下側ステータ・マグネット保持板に固定されたステータ・マグネット(不図示)から構成されている。
磁気ディスク101からのデータの読み取り/書き込みのため、キャリッジ106は回転している磁気ディスク101表面のデータ領域上空にヘッド・スライダ105を移動する。キャリッジ106が回動することによって、ヘッド・スライダ105が磁気ディスク101の表面の半径方向に沿って移動する。これによって、ヘッド・スライダ105は、磁気ディスク101の所望のトラックにアクセスすることができる。
ヘッド・スライダ105とコントローラ(不図示)との間の信号は、導電配線であるリード201とフレキシブルプリント配線板(FPC)117を介して転送される。磁気ディスク101に対向するヘッド・スライダ105のABS(Air Bearing Surface)と磁気ディスク101との間の空気の粘性によって生じる圧力が、サスペンション110によって磁気ディスク101方向に加えられる力と釣り合うことにより、ヘッド・スライダ105は磁気ディスク101上を一定のギャップを介して浮上する。
磁気ディスク101の回転が停止するときには、キャリッジ106はヘッド105をデータ領域からランプ機構115に退避させる。キャリッジ106がランプ機構115の方向に回動し、キャリッジ106の先端に設けられたタブ116がランプ機構115表面上を摺動しながら移動し、ランプ機構115上のパーキング面に載ることにより、ヘッド・スライダ105がアンロードされる。ヘッド・ロードの際には、パーキング面に支持されていたヘッド・スライダ105がランプ機構115から離脱して磁気ディスク101表面上に移動する。
次に、本実施の形態にかかるHGA200について説明する。図2は、磁気ディスク101側から見たHGA200の要部構成を示す平面図である。HGA200は複数の部材によって構成されており、ヘッド・スライダ105、フレクシャ202、ロード・ビーム203及びリード201を備えている。なお、図2に示されていない部分は、図6に示した従来のHGA400と同様の構成であるため、詳細な説明を省略する。
リード201は、ヘッド・スライダ105に形成されているヘッド素子部(不図示)と磁気ディスク装置100が備えるアンプ部(不図示)との間で記録信号及び再生信号を伝送するための導電配線である。可撓性のフレクシャ202は、ロード・ビーム203の磁気ディスク101面側に固定される。フレクシャ202は、ヘッド・スライダ105を保持する。ロード・ビーム203、フレクシャ202及びリード201からなるアセンブリが、図1に示したサスペンション110である。
ロード・ビーム203の先端部には、タブ116が形成され、縁辺部にはフランジ204が形成されている。フランジ204は、ロード・ビーム203の縁辺部を磁気ディスク101と反対側、つまり図2の奥行方向に折り曲げて形成される。さらに、ロード・ビーム203には、磁気ディスク101の記録面から遠ざかる方向、つまり図2の図面の奥行方向に陥没した凹部206が、スライダ105を取り囲むように設けられている。以下では、本実施の形態のロード・ビーム203が有する特徴的な形状について図3及び図4を用いて詳細に説明する。
図3(a)は図2のA−A線でのHGA200の断面図、図3(b)は図2のB−B線でのHGA200の断面図、図4は図2のC−C線でのHGA200の断面図である。図3(a)及び図4に示すように、ロード・ビーム203は、磁気ディスク101の記録面から遠ざかる方向(図面下方向)に陥没した凹部206を有している。つまり、凹部206とフランジ204は、共に磁気ディスク101の記録面から遠ざかる方向に突出するよう形成されている。
なお、磁気ディスク101は、図3(a)及び(b)では図面上方、図4では図面左方向に位置する。また、図3(a)及図4の符号205は、フレクシャ202を支持するディンプルを示す。さらに、図3及び図4の符号202aは、フレクシャ202においてヘッド・スライダ105が配置される領域であるステージを示す。
ヘッド・スライダ105は、ロード・ビーム203に設けられた凹部206の中に埋め込まれるように磁気ディスク101からオフセットされた状態に配置されている。より詳細に述べると、ABS105aと反対側であって、ステージ202aに固着されるヘッド・スライダ105の表面(スライダ裏面105b)が、少なくともロード・ビーム203の磁気ディスク101側の表面203aより、磁気ディスク101から遠ざかる方向にオフセットした位置に配置されている。さらに、言い換えると、ヘッド・スライダ裏面105bが、ロード・ビーム表面203aとフランジ204の先端を含む仮想面301との間に位置するように、ヘッド・スライダ105が配置されている。
上述したように、本実施の形態にかかるHGA200は、ロード・ビーム203に凹部206を有しており、ここに、ヘッド・スライダ105を磁気ディスク101に対してオフセットして配置している。さらに、凹部206とフランジ204は、共に磁気ディスク101の記録面から遠ざかる方向に突出するよう形成されている。このため、凹部206の高さH2は、フランジ204の高さH3によって打ち消され、凹部206によってHGA200の高さが増すことはない。
以上より、本実施の形態にかかるHGA200は、HGA200の高さH1を、図7に示した従来のHGA400の高さHに比べて、オフセットされたヘッド・スライダ105の高さ及びフレクシャ202の厚みの合計に相当する高さだけ低くすることが可能である。また、フランジ204の高さを低くすることなくHGA200の高さを低くすることができるため、ロード・ビーム203の剛性の低下を生じることはない。
また、図3(a)に示すように、凹部206の高さH2は、フランジ204の高さH3以下にするとよい。凹部206の高さH2がフランジ204の高さH3を超えた場合と、H2とH3が等しい場合とでは、HGA200全体の高さH1は実質的に同じであり、H2をH3より大きくしてもHGA200の高さの抑制に寄与しないためである。
続いて、本実施の形態にかかるロード・ビーム203の材質及び製造方法について説明する。ロード・ビーム203は、2層のステンレス鋼板の間にポリイミド樹脂層を設けた積層材によって形成されている。図3(a)、(b)及び図4の符号2031及び2033はステンレス鋼板を示し、符号2032はポリイミド樹脂層を示している。
つまり、凹部206の側壁はポリイミド樹脂層2032によって形成され、凹部206の底はステンレス鋼板2031によって形成されている。このように、ロード・ビーム203は、2枚のステンレス鋼板2031及び2033の間がポリイミド樹脂層203によって離間された構造を有する。凹部206の深さは、ポリイミド樹脂層2032の厚みによって調整可能である。
なお、ポリイミド樹脂層2032によって形成された凹部206の側壁は、4方向の全てに設ける必要はなく、図3及び図4の断面図に示したように、部分的に設けても良い。また、ステンレス鋼板2031によって形成される凹部206の底は、図4の断面図に示したように、穴を設けて開口させても良い。スライダ105の回動軸107側のツノ2035は、スライダ・リミッタの一部を構成する。スライダ105がディンプル205からの分離を起こすと、ロード・ビーム203側のツノ2035がフレクシャ202にひっかかり、その分離を規制する。
ロード・ビーム203の製造工程について、図5を用いて説明する。図5(a)は、加工前のステンレス鋼2031、ポリイミド2032、ステンレス鋼2033の3層による積層材50の状態をしている。まず、第1工程では、ステンレス鋼2031及び2033の金属層をフォト・エッチングにより加工する。具体的には、ステンレス鋼2031及び2033の表面に加工する形状に合わせたレジスト膜を形成し、公知のウェット・エッチング技術又はドライ・エッチング技術によってステンレス鋼2031及び2033をエッチングし、その後レジスト膜を剥離する。
図5(b)は、上述した第1工程を行った後の積層材50の状態を示している。なお、ステンレス鋼2031及び2033の加工時には、積層材50の両方からエッチングを行う必要がある。このため、双方向の同時エッチングが不可能な場合は、ステンレス鋼2031及び2033を順にエッチングすることとすればよい。
第2工程及び第3工程では、共にポリイミド樹脂2033の加工を行う。第2工程では、公知のウェット・エッチング技術又はドライ・エッチング技術によって、図の上方からポリイミド樹脂2032をエッチングにより除去し(図5(c))、第3工程では、図の下方からポリイミド樹脂2032をエッチングにより除去する。図5(d)は、第1工程から第3工程まで終了した後の積層材50の状態であり、凹部206が形成されている。
このように、エッチング技術を適用して積層材を加工することにより、プレス加工を用いることなく凹部206を形成することができる。上述した製造工程は一例であって、各工程の実施順序は上述した順序に限定されない。
なお、ステンレス鋼板等の1枚の薄板にプレス加工を行うことによって、ヘッド・スライ105をオフセットさせるための凹部206を設けたロード・ビームを形成することも可能である。プレス加工によって凹部206を形成するためには、ロード・ビームの短手方向の2箇所以上に曲げ加工を行う必要がある。曲げ加工を行う箇所には、所定の曲げ曲率が必要となる。このため、プレス加工によって凹部206を形成したロード・ビームは、幅の広い形状となる。ロード・ビームの幅が広がることは、磁気ディスク装置内のレイアウトの制約を大きくし、さらにHGAの重量が増加することから望ましくない。
これに対して、本実施の形態のロード・ビーム203は、3層構造の積層材の両面にエッチングを施すことによって、凹部206を形成している。このためプレス加工に伴うロード・ビーム幅の広がりを生じることがなく、プレス加工によって形成する場合に比べてロード・ビーム幅を小さくすることができる。
さらに、ポリイミド樹脂層を挟み込んだ積層材を用いることにより、ポリイミド樹脂がダンパー材として機能することによる制振効果も期待できる。なお、ロード・ビーム203を形成する積層材の中間層として、ポリイミド樹脂に変えて他の樹脂材料を用いても良よい。
なお、ヘッド・スライダ105がデータ書き込み/読み出し処理を行わない場合に、磁気ディスク101の内周に配置されているゾーンに退避するCSS(Contact Start and Stop)方式の磁気ディスク装置に、本発明を適用することも可能である。また、上述した説明では、説明の簡略化のために磁気ディスク101が1枚で、片面記憶である磁気ディスク装置について説明しているが、磁気ディスク装置100は、1又は複数枚の両面記憶磁気ディスクを備えることとしてもよい。
その他の実施の形態.
発明の実施の形態1のHGA200は、ロード・ビーム203のヘッド・スライダ10と対向する領域のみに凹部206を設けることとした。しかしながら、ヘッド・スライダ105を磁気ディスク101からオフセットできるように、凹部206の開口面積は、少なくともヘッド・スライダ105の裏面105bの面積より大きければよい。
このため、より大きな開口面積を持つ凹部206を形成してもよく、例えば、ロード・ビーム203の長手方向に沿って、ヘッド・スライダ105に対向する位置を含むロード・ビーム203の全体に渡って凹部206を形成してもよい。このとき、ロード・ビーム203の長手方向の端部まで凹ませることにより、凹部206の側壁が開口した形状としても良い。
発明の実施の形態1のロード・ビーム203は、ステンレス鋼板とポリイミド樹脂の積層材よって形成するものであったが、ステンレス鋼板に代えて、他の金属板を用いても良いし、重量、剛性、コンタミネーション等の条件を満足できれば、その他の代替材料を用いても良い。また、ポリイミド樹脂に変えて他の材料を用いても良い。
ロード・ビーム203の材料は発明の実施の形態1で説明した積層材に限られない。また、ロード・ビーム203の製造方法も、エッチングによる製造に限られない。例えば、1枚の金属板に対するプレス加工によって、凹部206を有するロード・ビーム203を形成しても良い。また、エッチングの深さを制御するハーフ・エッジング技術を適用して、1枚のステンレス鋼板から凹部206を有するロード・ビーム203を形成してもよい。
発明の実施の形態1のロード・ビーム203を形成する積層材の積層数は3層に限らない。より多層の構成でもよい。さらに、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
本発明にかかる磁気ディスク装置の構成図である。 本発明にかかるHGAの構成図である。 本発明にかかるHGAの断面図である。 本発明にかかるHGAの断面図である。 本発明にかかるロード・ビームの製造工程を説明するための図である。 従来のHGAの構成図である。 従来のHGAの構成図である。
符号の説明
100 磁気ディスク装置、101 磁気ディスク、105 ヘッド・スライダ
105a 空気ベアリング面(ABS:Air Bearing Surface)
105b ヘッド・スライダ裏面、106 キャリッジ、110 サスペンション
111 アーム、116 タブ、200 ヘッド・ジンバル・アセンブリ(HGA)
201 リード、202 フレクシャ、202a ステージ、203 ロード・ビーム
203a ロード・ビーム表面、204 フランジ、205 ディンプル、206 凹部
2031、2032 ステンレス鋼板、2032 ポリイミド樹脂層

Claims (16)

  1. 磁気ディスクとの間でデータ読み出し及び書き込みの少なくとも一方を行うヘッド素子部を有するヘッド・スライダと、
    前記ヘッド・スライダを保持するフレクシャと、
    前記フレクシャが固定されるロード・ビームとを備え、
    前記ロード・ビームは、
    前記ロード・ビームの長手方向に延びる縁辺において、前記磁気ディスクに対向する側の前記ロード・ビームの表面と反対側に突出するよう形成されたフランジと、
    前記磁気ディスクに対向する側に開口し、前記フレクシャに対向する前記ヘッド・スライダの第1の面の面積より開口面積が大きい凹部とを有し、
    前記磁気ディスクに対向する側の前記ロード・ビームの表面の位置が、前記ヘッド・スライダの磁気ディスクに対向する面を含む仮想面と前記第1の面を含む仮想面との間である、前記ヘッド・スライダが前記凹部に位置するヘッド・ジンバル・アセンブリ。
  2. 前記第1の面の位置が、前記磁気ディスクに対向する側の前記ロード・ビームの表面と前記フランジの先端を含む仮想面との間である請求項1に記載のヘッド・ジンバル・アセンブリ。
  3. 前記凹部は底を備え、
    前記底は、前記ヘッド・スライダが位置する側に隆起したディンプルを有し、
    前記フレクシャは前記ディンプルに接して支持される請求項1に記載のヘッド・ジンバル・アセンブリ。
  4. 前記ロード・ビームは、第1の板材と第2の板材との間に中間層を有する積層材によって形成されており、前記第1の板材が前記ロード・ビームの基板をなし、前記中間層によって前記凹部の側壁が形成され、前記第2の板材によって前記凹部の底が形成される請求項1に記載のヘッド・ジンバル・アセンブリ。
  5. 前記中間層は、樹脂材料によって形成されている請求項4に記載のヘッド・ジンバル・アセンブリ。
  6. 前記第1の板材及び前記第2の板材はステンレス鋼であって、前記中間層はポリイミド樹脂である請求項4に記載のヘッド・ジンバル・アセンブリ。
  7. ヘッド素子部を備えるヘッド・スライダと、前記ヘッド・スライダを保持するフレクシャと、前記フレクシャが固定されるロード・ビームとを備えるヘッド・ジンバル・アセンブリの製造方法であって、
    第1の板材と第2の板材との間に中間層を有する積層材を準備し、
    前記第1の板材の側から、前記第1の板材及び前記中間層をエッチングすることにより、前記第2の板材を底とし、前記中間層を側壁とする凹部を形成し、
    前記第2の板材の側から、前記第2の板材のうち少なくとも前記凹部の底をなす領域を除いて、前記第2の板材及び前記中間層をエッチングすることにより、前記第1の板材によって前記ロード・ビームの基板を形成し、
    前記基板の縁辺部を前記中間層の側に曲折してフランジを形成し、
    前記凹部に前記ヘッド・スライダが位置するように、前記フレクシャ及び前記ヘッド・スライダを配置するヘッド・ジンバル・アセンブリの製造方法。
  8. 前記基板の位置が、前記ヘッド・スライダの磁気ディスクに対向する面を含む仮想面と前記フレクシャに対向する面を含む仮想面との間となるように、前記ヘッド・スライダを配置する請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記フレクシャに対向する前記ヘッド・スライダの表面の位置が、前記フランジの根元を含む仮想面と前記フランジの先端を含む仮想面との間となるように、前記ヘッド・スライダを配置する請求項7に記載の製造方法。
  10. 前記中間層は、樹脂材料である請求項7に記載の製造方法。
  11. 前記第1の板材及び前記第2の板材はステンレス鋼であって、前記中間層はポリイミド樹脂である請求項7に記載の製造方法。
  12. ヘッド素子部を有するヘッド・スライダを保持するためのサスペンションであって、
    前記ヘッド・スライダが配置されるステージを有するフレクシャと、
    前記フレクシャが固定されるロード・ビームとを備え、
    前記ロード・ビームは、
    前記ロード・ビームの長手方向に延びる両方の縁辺において、前記フレクシャが配置される側の前記ロード・ビームの表面と反対側に突出するよう形成されたフランジと、
    前記フレクシャが配置される側に開口した凹部とを有し、
    前記ステージを含む仮想面の位置が、前記フランジの端部を含む仮想面と前記フレクシャが配置される側の前記ロード・ビームの表面を含む仮想面との間であるように、前記フレクシャが前記凹部に位置するサスペンション。
  13. 前記凹部は底を備え、
    前記底は、前記ヘッド・スライダが位置する側に隆起したディンプルを有し、
    前記フレクシャは前記ディンプルに接して支持される請求項12に記載のサスペンション。
  14. 前記ロード・ビームは、第1の板材と第2の板材との間に中間層を有する積層材によって形成されており、前記第1の板材が前記ロード・ビームの基板をなし、前記中間層によって前記凹部の側壁が形成され、前記第2の板材によって前記凹部の底が形成される請求項12に記載のサスペンション。
  15. 前記中間層は、樹脂材料によって形成されている請求項14に記載のサスペンション。
  16. 前記第1の板材及び前記第2の板材はステンレス鋼であって、前記中間層はポリイミド樹脂である請求項14に記載のサスペンション。
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