JP2007322396A - 透過型電子顕微鏡と近接場光学顕微鏡の複合型顕微鏡 - Google Patents

透過型電子顕微鏡と近接場光学顕微鏡の複合型顕微鏡 Download PDF

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Abstract

【課題】近接場光学顕微鏡の構造観察の分解能が低いという問題を解決することを目的とするものであり、原子を識別できる透過型電子顕微鏡の構造観察のもとで、近接場光学顕微鏡による観察を可能とする複合型顕微鏡を実現する。
【解決手段】透過型電子顕微鏡34の試料室35に近接場光学顕微鏡36が組み込まれて成り、制御・画像表示用コンピュータ9によって制御され、近接場光学顕微鏡36は、光源38と、試料2を保持する基板6を有する試料保持器23と、光源に接続され試料2に光を照射する手段と、試料2からの近接場光の受光手段及び分光手段と、試料2に対して相対的に受光手段を走査する手段と、を備えており、透過型電子顕微鏡によって試料2の格子像を観察可能とするとともに、該格子像に対応して近接場光学顕微鏡によって試料2の分光分析を可能とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、透過型電子顕微鏡の試料室内に近接場光学顕微鏡を組み込んで成る複合型顕微鏡に関する。
近年、ナノ技術分野の研究開発が活発に行われているが、この分野の研究では、物質の観察手段として、分解能の優れた顕微鏡が必要である。
透過型電子顕微鏡は、水平分解能がオングストローム(10−10m)に達しており、ナノ技術分野の研究には極めて有用な手段である。加えて、透過型電子顕微鏡において、試料に電子線を当てて散乱光(近接場光ではない。)を発生させて試料全体からの散乱光を、非選別して分光分析をする技術がすでに発表されている(非特許文献1参照)。
しかしながら、透過型電子顕微鏡は水平分解能は優れているが、物質の表面形状等を把握するために垂直分解能も必要となる。垂直分解能を得る手段として、近年、走査プローブ顕微鏡(SPM)が発達している。
走査ローブ顕微鏡として、金属製の探針と試料の間を流れるトンネル電流を一定に保ち両者の数nm程度の間隔を一定に保持するようにピエゾ素子で制御する走査トンネル顕微鏡(STM)が知られている。また、走査プローブ先端と試料との間にはたらく原子力間力をカンチレバーの変位から測定し試料表面の像を形成する原子力間顕微鏡(AFM)が知られている(特許文献1参照)。
水平分解能に優れた透過型電子顕微鏡と、垂直分解能に優れた走査トンネル顕微鏡、原子力間顕微鏡等の走査ローブ顕微鏡のそれぞれの特長を兼ね備えた高分解能複合型顕微鏡もすでに提案されている(特許文献2、3参照)。
また、走査ローブ顕微鏡の一種であるが、ナノメートル構造の発光や光吸収等を研究する手段として、光の波長より小さい直径の粒子に光を当てた場合、その粒子の周辺で発生する近接場光を利用した近接場光学顕微鏡が知られている(特許文献4参照)。
特開2000−329678号公報 特開2002−279925号公報 特開2002−047821号公報 特開2002−055041号公報 Tetsuo Tanabe, Shunsuke Muto and Satoshi Tohtake、「Development of new TEM specimen holder for cathodoluminescence detection、「Journal of Electoron Microscopy 51(5):311-313(2002)」
近接場光学顕微鏡は、ナノメートル構造の発光や光吸収等を研究する手段として、また、これらを利用した構造観察の顕微鏡として用いられてきた。しかしながら、構造観察の分解能は、数十ナノメートルであり、またその観察対象も表面近傍に限定される。このために、ナノメートル構造が光物性で大きな特徴を示す10ナノメートル以下の構造に対しては、その対象を識別できず、光物性とそれの元になる対象物の結晶構造はおろかサイズすらもあいまいであった。
本発明は、近接場光学顕微鏡の上記問題を解決することを目的とするものであり、原子を識別できる透過型電子顕微鏡の構造観察のもとで、近接場光学顕微鏡による観察を可能とする複合型顕微鏡を実現することを課題とする。
さらに具体的な課題は、次のとおりである。
(1)近接場光学顕微鏡では従来できなかった内部のナノメートル構造の光物性を、透過型電子顕微鏡が本来持つ材料内部構造の観察能力を利用することで、解析対象とする。
(2)近接場光学顕微鏡のプローブの形態やサイズ、観察対象表面との位置関係など、近接場光学顕微鏡では原理的に得ることができない情報を、透過型電子顕微鏡の有する原子分解能で把握する。
(3)個別分光を可能とする。即ち、ナノメートル構造を透過型電子顕微鏡本来の格子像法で観察するとともに、必要に応じて、ナノメートル構造に個別に光照射し、その吸収、発光を近接場光学顕微鏡で調べる。
以上の課題について、さらに以下に詳述する。試料にどのような光を当てても、近接場光であろうが伝搬光であろうが、試料からは常に通常(普通)の伝搬光と同時に近接場光がでる。通常の伝搬光は遠くでも検知できる。これに対し、近接場光は、距離に対して振幅が指数関数的に減衰するので、それを検知する際には、プローブを試料サイズ、例えば、数十ナノメートル、まで近づける必要がある。これは、接近の制御が難しく、通常の近接場光学顕微鏡ではどの程度までプローブを近づけたのか厳密に分からない。
そして、近接場光学顕微鏡は、近接場光を利用し発光や光吸収から、その形状を解析しようとする顕微鏡であるが、分解能が数10ナノメートルしかないので、試料の形状や様子がよくわからないのである。このように、近接場光学顕微鏡は、分解能が悪い上に、現在のところ、形状解析の原理的背景も確立していないので、形状解析はだいたいの推測をして、発光や光吸収などの解析に重点を置いて試料の特徴を顕わそうとしている。
そこで、本発明は、このような近接場光学顕微鏡の有する問題点を改善しようとするものである。つまり、原子が見える0.1ナノメートルレベルの空間分解能(近接場光学顕微鏡の100倍良い分解能)で、まず試料形状を表面、内部まで把握し、そこからの発光や光吸収を対応させようとするものである。そして、透過型電子顕微鏡の中で近接場光学顕微鏡による観察を行うようにして、試料の形状やプローブとの位置関係を予め透過型電子顕微鏡によって分かるようにして、距離と受光関係のような近接場光学顕微鏡自体の研究も可能としようとするものである。
本発明は上記課題を解決するために、透過型電子顕微鏡の試料室に近接場光学顕微鏡が組み込まれて成り、制御・画像表示用コンピュータによって制御される複合型顕微鏡であって、前記近接場光学顕微鏡は、光源と、試料を保持する基板を有する試料保持器と、前記光源に接続され試料に光を照射する手段と、試料からの近接場光の受光手段及び分光手段と、試料に対して前記受光手段を相対的に走査する手段と、を備えており、透過型電子顕微鏡によって試料の格子像を観察可能とするとともに、該格子像に対応して近接場光学顕微鏡によって試料の分光分析を可能とすることを特徴とする複合型顕微鏡を提供する。
前記光源には選別器が接続され、前記試料に光を照射する手段は、第1照射手段及び第2照射手段の両方の照射手段を備え前記選別器で切換可能な構成である、又はいずれか一方の照射手段を備えた構成であり、前記第1照射手段は、前記光源からの光をそのまま通常の遠距離伝搬光として試料に照射して試料から近接場光を発生させる光照射手段であり、この際の光検知はこの近接場光を小開口の近接場光学顕微鏡の受光用のファイバプローブで受光し、該受光用のファイバプローブに接続する光検出器又は分光器に送り、前記第2照射手段は、前記光源からの光を小開口の近接場光学顕微鏡の照明用ファイバープローブに入射し、その際に小開口で生じる近接場光を試料に照射する近接場光照射手段であり、この際の光検出は、照射近接場光によって生じる試料からの近接場光又は通常伝搬光に対して行う構成の複合型顕微鏡としてもよい。
ところで、前記第1照射手段は、前記光源からの光を、通常の光学レンズを用いた遠距離光照射系を用いて、そのまま試料に照射して試料から近接場光を発生させる光照射手段であり、前記第2照射手段は、前記光源からの光を、照明用のファイバープローブに入射し、この入射光を試料に照射する。この際、照明用ファイバープローブの小開口先端と試料との距離が開口径よりも十分大きいときには、小開口からは主に通常伝搬光が強く照射される。照明用のファイバープローブの小開口と試料との距離が、開口径程度のときには近接場光の強度が強く、照明用ファイバープローブの小開口からは、強度比だけから見れば、通常伝搬光は近接場光に比べ無視できるほど小さくなる。後者では、近接場光だけが試料に照射された形となる。照射光の様相はいずれにせよ、試料から通常伝搬光および近接場光の両方を発生させる近接場光照射手段である。
前記制御・画像表示用コンピュータには、同期信号発生装置が接続されており、該同期信号発生装置は、前記走査する手段と同期して、前記第1照射手段では小開口の近接場光学顕微鏡用ファイバープローブで受光した光の強度又は分光データを対応させ、前記第2照射手段では小開口の近接場光学顕微鏡用ファイバープローブから発生する近接場光を、対向する試料が受光して発生する近接場光又は通常伝搬光の取り込み信号を対応させるように制御する構成としてもよい。
前記制御・画像表示用コンピュータには、同期信号発生装置が接続されており、該同期信号発生装置は、前記透過型電子顕微鏡観察の時間と前記近接場光学顕微鏡用ファイバプローブの走査時間を同期させ、透過型電子顕微鏡観察像と、近接場光学顕微鏡用プローブ走査位置及び該走査位置における分光結果とを対応して取得可能な構成としてもよい。
前記制御・画像表示用コンピュータには、同期信号発生装置が接続されており、該同期信号発生装置は、前記走査する手段と同期して、走査座標とその時刻を対応させ、また透過型電子顕微鏡記録画像にもその時刻を対応させる。この結果、走査座標と透過型電子顕微鏡像が対応し、その際の時刻も記録される。これらの同期を前記制御・画像表示用コンピュータで制御する構成の複合型顕微鏡としてもよい。
前記照射手段は、試料のナノメートル構造に個別に光照射し、その吸収で生じる近接場光又は通常伝搬光を前記近接場光学顕微鏡で調べることが可能である構成としてもよい。前記照射手段のうち近接場光照射手段は、小開口の外側には光が照射されにくいため、試料のナノメートル構造に個別に光照射し、その吸収で生じる光を前記光学系で調べることが可能である事を特徴とする構成の複合型顕微鏡としてもよい。
前記受光手段は、前記透過型電子顕微鏡の電子線が試料に照射されたときに生じる電子線固有の近接場光又は通常伝搬光を受光し、これを分光して解析可能ある事を特徴とする構成の複合型顕微鏡としてもよい。
本発明によれば、原子を識別できる透過型電子顕微鏡の構造観察のもとで、近接場光学顕微鏡の観察が可能であるので、次のような効果が生じる。
(1)観察対象の把握をした上で発光・分光を調べることができる。即ち、透過型電子顕微鏡が本来持つ材料内部構造の観察能力は、従来できなかったこうした内部のナノメートル構造の光物性すらも解析対象とすることができる。
(2)観察対象を原子分解能で構造解析できる。即ち、透過型電子顕微鏡の分解能は、観察結果の解釈に必要な近接場光学顕微鏡のプローブの形態やサイズ、観察対象表面との位置関係など、近接場光学顕微鏡では原理的に得ることができない情報も、この原子分解能で把握することができる。
(3)以上から、構造−光物性の関係をナノメートルしかない、もしくは原子サイズの試料に対し調べることができ、このような調査、観察により新種のナノ材料開発と基礎物理研究の促進に寄与できる。
本発明の複合型顕微鏡の効果をさらに明確にするために、従来の近接場光学顕微鏡と対比して以下に詳述する。
従来の近接場光学顕微鏡では、照射モード、もしくは集光モードで、小開口ファイバープローブを走査し、小開口径に依存する局所領域(現在の最高分解能10nm、通常100nm以上)の発光・光吸収特性を調べる。これにより、
(1)発光・光吸収の空間分布を作製し、これをもとに構造を再構成する。これが顕微鏡としての役割となる(近接場光学顕微鏡の名称の由縁でもある。)。
(2)局所領域の光物性を調べる局所分光法となる。
しかしながら、従来の近接場光学顕微鏡の問題点は、
(1)顕微鏡としての分解能が10nm程度に留まっている。
(2)上記の分解能のために、検鏡対象となる試料形状に制限が出てくる。最先端の材料では、昨今のナノ材料のようにその単位は数nmであり、光デバイスでもこの大きさを検鏡対象としたいところであるが、現在は不可能である。
(3)局所分光を決める主因子の1つは、プローブ開口形状・サイズ、プローブと試料間の距離である。近接場光学顕微鏡単体では、これらを評価することが難しく、そのために、実際にプローブ開口より大きな領域を照射・集光している可能性もあり、顕微鏡としての像解釈が確立しておらず、局所分光もその範囲を明確にできない。これは(1)の分解能にも影響している。
これに対して本発明の複合顕微鏡は、近接場光学顕微鏡を透過型電子顕微鏡の試料室に組み込んだ構成とすることで、以下の点が改善される。
(1)近接場光学顕微鏡の対象となる試料は、透過型電子顕微鏡によりあらかじめ検鏡できる。これにより、透過型電子顕微鏡の空間分解能0.1nmが適用され、顕微鏡としての試料観察の分解能は100倍改善される。
(2)試料の外部形状だけでなく、透過型電子顕微鏡法により、試料内部の構造を透過し調べることができ、内部歪み、格子欠陥、2次欠陥を(1)の空間分解能で調べることができる。
(3)透過型電子顕微鏡は、電子回折による結晶構造解析も可能とし、空間群、結晶格子、結晶構造を決定できる。これは近接場光学顕微鏡にはない機能である。
(4)透過型電子顕微鏡法の中の、電子線エネルギー損失分光法、X線組成分析法により、電子状態と化学組成が決定できる。これ以外にも一般の透過型電子顕微鏡法に含まれる手法が適用可能である。これも近接場光学顕微鏡にはない機能である。
(5)局所分光の主因子となるプローブの開口形状とサイズ、プローブと試料距離、およびこれらと分光結果との関係を調べることができ、単に近接場光学顕微鏡を行うと言うよりも、近接場光学顕微鏡の結像、局所分光原理を調べることができる。
(6)近接場光学顕微鏡の試料発光は、外部からの光(主としてレーザー)照射や電界誘起であるが、本発明の複合型顕微鏡は、透過型電子顕微鏡の電子線を利用したカソードルミネッセンス(電子線照射発光)も可能である。
本発明に係る透過型電子顕微鏡と近接場光学顕微鏡の複合型顕微鏡を実施するための最良の形態を実施例に基づき図面を参照して、以下説明する。
本発明は、透過型電子顕微鏡の試料室内に近接場光学顕微鏡を組込んだことを特徴とする複合型顕微鏡である。本発明の複合型顕微鏡の実施例を図1〜3において説明する。
(近接場光学顕微鏡)
近接場光学顕微鏡は、図1(a)に示すようにファイバプローブ1が受光手段として試料2から近接場光3を受光する集光モードと、図1(b)に示すようにファイバプローブ1が照射手段として近接場光4を試料に照射する照明モードの2つのタイプがある。本発明では、この2つのタイプの近接場光学顕微鏡の両方を組み込みいずれかを選択して使用することができる。
集光モードの近接場光学顕微鏡:
集光モードの近接場光学顕微鏡5は、図1(a)に示すように、基板6に試料2が載置され、この試料2に周辺から入射光7(発光・吸収の分光結果を明確に選別するため単一波長のレーザー光等が好ましい。)を照射すると、試料2表面から生じる近接場光3を、受光手段としてのファイバプローブ1が受光(集光)する。
ファイバプローブ1には光検出器8(CCD等)が接続され、受光された近接場光3が光検出器8で光検出データとして、光検出器8に接続された制御・画像表示用コンピュータ9に送られ、光物性の解析や画像表示に供される。
なお、本発明では、後記するが受光手段であるファイバプローブに分光器が接続され、ファイバプローブで受光された近接場光又は通常伝搬光が分光され、その分光データが分光器に接続された制御・画像表示用コンピュータ9に送られ、光物性の解析や画像表示に供される構成としている。この場合はファイバープローブと分光器で受光検出手段を構成している。
受光手段であるファイバプローブ1には、PZTによる可動機構10が設けられている。制御・画像表示用コンピュータ9には、PZT駆動用電源11が接続されている。制御・画像表示用コンピュータ9がPZT駆動用電源11を適宜制御し、ファイバプローブ1の先端が試料2に対して3次元方向(x、y、z方向)に可動な構成となっている。
これにより、基板6と平行な平面(x、y平面)内を移動して、試料2に対してファイバプローブ1が走査することが可能であり、また、光検出信号の強度等により適宜間隔を保つように、可動機構10をz方向に駆動制御し、試料2に対してその軸心方向にファイバプローブ1の先端が近づいたり離れたりするようにする。
このように、試料2に対してファイバプローブ1を相対的に走査可能とする構成は、基板6を固定しファイバープローブ1を移動可能とする構成でもよいが、ファイバープローブ1を固定し基板6を移動可能とする構成でもよい。或いは、試料及びファイバープローブの両方を移動可能な構成としてもよい。
以上の構成から成る集光モードの近接場光学顕微鏡5によれば、試料2に光を照射し試料2から近接場光3、通常伝搬光を発生させ(詳しくは、試料2に照射光を照射し、試料2から近接場光3を発生させ、もしくは、試料に照射光を照射し、照射光の一部が光吸収された後の通常伝搬光を発生させ)、これらを受光手段であるファイバプローブ1が試料2に対して相対的に走査しながら受光し、これを光検出器8で検出したり、分光器(図示しない。)で分光して、この光検出データや分光データを制御・画像表示用コンピュータ9で解析するとともに、その試料2に特有のスペクトル等を画像表示可能とする。
照明モードの近接場光学顕微鏡:
照明モードの近接場光学顕微鏡12は、図1(b)に示すように、基板6に試料2が載置され、光源からの光をファイバプローブ1で伝搬させ、その先端から近接場光4をしみださせるとともに通常伝搬光を小開口から導き出し、試料2の表面に照射し、試料2がこれを吸収して発した光(この場合は通常伝搬光)を受光手段で受光し、検出する。
受光手段として、ファイバプローブ14を利用し、これに光検出器8(CCD等)が接続されており、ファイバプローブ14で受光し、光検出器8で検出した光検出データは、光検出器8に接続された制御・画像表示用コンピュータ9に送られ、光物性の解析や画像表示に供される。
照明用のファイバプローブ1の小開口からの近接場光を試料に照射し、その照射で生じる近接場光を受光するために、図1(b)のように基板6を通してではなく、図示はしないが、受光用のファイバープローブ14を、照明用のファイバプローブ1と同様に基板6とは独立して試料2に近接して設け、この受光用のファイバープローブ14も照明用のファイバプローブ1と同様に、xyz方向に可動とする構成としてもよい。要するに、近接場を照射する照明用のファイバプローブ1と、近接場光を受光する受光用のファイバプローブ14をそれぞれ独立して試料2に近接し、しかも可動に設けてた構成としてもよい。
なお、後記するが、本発明では、集光モードの近接場光学顕微鏡と同様に、照明モードの近接場光学顕微鏡においても、受光手段であるファイバプローブ14に分光器(図示しない。)が接続され、ファイバプローブ14で受光した近接場光を分光し、この分光データが制御・画像表示用コンピュータ9送られ、光物性の解析や画像表示に供される構成としている。この場合はファイバープローブ14と分光器で受光検出手段を構成している。
そして、集光モードと同様に、ファイバプローブ1には、集光モードの近接場光学顕微鏡5と同様にPZTによる可動機構10が設けられている。この可動機構10は、制御・画像表示用コンピュータ9によって制御されるPZT駆動用電源11により、基板6の表面に沿うように試料2に対してファイバプローブ1をx、y方向に相対的に移動する。また、光検出信号の強度等に応じて、ファイバプローブ1の先端が、試料2の表面に対して適宜間隔を保つように、可動機構10でz方向に駆動制御される。なお、一カ所だけの分光を行うときには、そのx、y位置だけでの分光となる。
なお、後記する本発明の複合型顕微鏡では、透過形電子顕微鏡に近接場光学顕微鏡を組み込むものであるが、電子線照射位置(観察位置)中心に、試料とファイバープローブを持ってこなければ、透過形電子顕微鏡及び近接場光学顕微鏡による観察が実現できないので、試料2(基板6及びファイバープローブ14)とファイバープローブ1をともにピエゾ駆動可能な構成とすることが好ましい。
以上の構成から成る照明モードの近接場光学顕微鏡12によれば、光源からの光をファイバプローブ1で伝搬させ、その先端の小開口から近接場光4をしみださせ、そして通常伝搬光を小開口から導き出し、試料2の表面に照射するが、この際、ファイバープローブ1の小開口先端と試料2との距離が開口径よりも十分大きいときには、小開口からは主に通常伝搬光が強く照射される。しかし、ファイバープローブ1の小開口先端と試料2との距離が、開口径程度に接近しているときには近接場光の強度が強く、照明用ファイバープローブの小開口からは、強度比だけから見れば、通常伝搬光は近接場光に比べ無視できるほど小さくなる。
このように、試料2に接近してファイバプローブ1を相対的に走査しながらその先端から近接場光4を照射し、その散乱光13を受光手段であるファイバープローブ14で受光して、これを光検出器8で検出したり分光器(図示しない)で分光して、この光検出データや分光データを制御・画像表示用コンピュータ9で解析するとともに、その試料2に特有のスペクトル等を画像表示可能とする。
(透過型電子顕微鏡内への近接場光学顕微鏡の組み込み構造)
図2は、透過型電子顕微鏡の試料室内に集光モード及び照明モードの近接場光学顕微鏡を組込んだ構造を説明する模式図である。透過型電子顕微鏡は、通常のものであり、その概略の構成は次のとおりである。
電子銃15から発射された電子線16は収束レンズ17で収束され試料2に照射される。そして、電子線16は試料2により散乱・回折され、試料2を通過し、対物レンズ18や投影レンズ19を経て蛍光スクリーン20に到達して透過型電子顕微鏡像21を形成する。なお、ここで使用されるレンズは光学レンズではなく、磁力で電子の動きを制御する電子レンズ(円筒状コイル)である。
この透過型電子顕微鏡の試料室内に、該顕微鏡の光軸22の側方に試料保持器23が配置されている。この試料保持器23の先端には試料保持用の基板6が設けられている。この基板6はSiで形成された非耐電基板であり、その表面に試料2が保持される。
試料保持器23は、基板6の背面側に位置して受光用のファイバプローブ24(受光手段)が設けられており、その先端は基板6の背面に当接するように配置されている。試料保持器23には、PZTによる可動機構10が取り付けられており、これにより受光用のファイバプローブ24は、3次元方向(x、y、z方向)に可動な構成となっている。
基板6に保持される試料2に入射光25(例えば、レーザー光)を照射するレーザ照射器26が斜め上方から伸びるように設けられている。本発明の複合型顕微鏡では、このレーザ照射器26と受光用のファイバプローブ24が集光モードの近接場光学顕微鏡を構成している。即ち、レーザー照射器26で試料2に入射光25を照射すると発生する近接場光又は通常伝搬光を受光用のファイバプローブ24で受光(集光)して分光分析等に供する。
そして、光軸22を挟んで基板6に対向して照明用のファイバプローブ27が配置されている。本発明の複合型顕微鏡では、この照明用のファイバプローブ27と受光用のファイバプローブ24が集光モードの近接場光学顕微鏡を構成している。即ち、照明用のファイバプローブ27の先端から近接場光又は通常伝搬光を発生させ試料2に照射し、その結果試料が発する光を受光手段として機能する受光用のファイバプローブ24で受光して分光分析等に供する。
前記のとおり、受光用のファイバプローブ24は、3次元方向(x、y、z方向)に可動な構成となっているが、照明用のファイバプローブ27もPZTによる可動機構(図示せず。)を取り付け、3次元方向(x、y、z方向)に可動な構成としてもよい。要するに、受光用のファイバプローブ24及び照明用のファイバプローブ27の両方又はいずれか一方をPZTによる可動機構で3次元方向(x、y、z方向)に可動な構成とする。
なお、詳細は後記するが、光源28(例えば、レーザー光源)からの光は、光源に接続された選別器29により、レーザー照射器26又は照明用のファイバプローブ27に選択されて送られる。
(複合型顕微鏡の全体構成)
図3は、本発明の複合型顕微鏡30の全体構成を説明する図である。透過型電子顕微鏡で撮影された電子顕微鏡像(図2参照)は、画像処理装置31で画像処理され、VTR32を介してモニター33及び制御・画像表示用コンピュータ9に接続されている。これにより、電子顕微鏡像は、VTR32で録画され、またモニター33で表示可能であり、さらに制御・画像表示用コンピュータ9に画像情報として取り込み可能である。
本発明の複合型顕微鏡30における透過型電子顕微鏡34では、試料室35内に、図2について説明したように、近接場光学顕微鏡36が組み込まれている。レーザー照射器26及び照明用のファイバプローブ27は、選別器29に光伝送ファイバー37を介して接続されている。そして、照明用のファイバプローブ27は、PZTによる可動機構(図示せず。)が取り付けられ3次元方向(x、y、z方向)に可動な構成としてもよい。
この選別器29は、レーザー光源38が光伝送ファイバー37を介して接続されており、レーザー光源38からのレーザー光をレーザー照射器26及び照明用のファイバプローブ27のいずれかに選択的に送るように構成されている。
試料保持用のSiの基板6の背面側には、受光手段として機能する受光用のファイバプローブ24が配設されている。受光用のファイバプローブ24には、PZTによる可動機構10が設けられている。PZTによる可動機構10は、PZT駆動用電源11に接続され、このPZT駆動用電源11は制御・画像表示用コンピュータ9に接続されている。
制御・画像表示用コンピュータ9がPZT駆動用電源11を適宜制御し、受光用のファイバプローブ24の先端が、試料2を照明用のファイバプローブ27に対して3次元方向(x、y、z方向)に可動可能な構成となっている。上記のように、照明用のファイバプローブ27にPZTによる可動機構を設けた場合には、この可動機構及び受光用のファイバプローブ24の可動機構10の両方又は一方のPZT駆動用電源を、制御・画像表示用コンピュータ9によって制御し、試料2を照明用のファイバプローブ27に対して相対的に3次元方向(x、y、z方向)に可動可能な構成とする。
制御・画像表示用コンピュータ9に接続されている同期信号発生装置39が設けられている。この同期信号発生装置39は、選別器29を介してレーザー光源38の照射、非照射を制御するものである。制御・画像表示用コンピュータ9は、PZT駆動用電源11を制御するとともに、同期信号発生装置39を制御して、PZTによる可動機構10の動作とレーザー光の照射を同期するようにする。
これにより、試料2に対する受光用のファイバプローブ24の走査と同期し、レーザー光源38が試料2を照射するタイミングを制御することで、照射位置を選択することができ、試料2を観察するタイミングのみレーザー光で試料2を照射し、試料2に不必要なレーザー光の照射及びその結果生じる加熱を避けることができる。
ところで、受光用のファイバプローブ24には、分光器40が接続され、この分光器40は制御・画像表示用コンピュータ9に接続されている。受光用のファイバプローブ24で受光された近接場光は、分光器40で分光され、分光データが同期信号発生装置で時刻対応され、制御・画像表示用コンピュータ9に入力される。
そして、同期信号発生装置39は、制御・画像表示用コンピュータ9とVTR32に接続し、ある時間間隔ごとのサンプリング(観察)について、各サンプリング時刻に対応して、その分光結果、その時のPZT位置(試料及び照明用のファイバプローブの位置)、及びその透過型電子顕微鏡観察像等を、互いに同期して取得し照合観察を可能な構成とすることもできる。
なお、同期信号発生装置39を制御・画像表示用コンピュータ9で予め設定することで、試料の構造と発光・分光測定は静的構造観察だけでなく、試料の構造が変動する動的な観察に対しても、時間を同期させてレーザー光で試料2を照射、受光用のファイバプローブ24を走査して観察することも可能である。
本発明の複合型顕微鏡30は以上のような構成であるから、試料2のナノメートル構造を、透過型電子顕微鏡34が本来可能な格子像法で観察するとともに、試料2に光を照射し、その光を吸収し発光した近接場光を受光用のファイバプローブ24で走査して受光し分光器40で分光することができるので、試料2のナノレベルの構造観察を原子分解能で動的に行うとともに、その結果と、分光結果を対応させ、それらの関係を解析することができる。
ナノメートル構造の観察目的によっては、試料2のナノメートル構造(ナノレベルの粒子など)を個別に、透過型電子顕微鏡本来の格子像法で観察するとともに、光を照射し、その光を吸収し発した光を受光用ファイバプローブ24で受光し分光器40で分光することも可能である。このときの光は、受光用ファイバプローブ24と基板6の距離を変えることにより、近接場光、通常伝搬光を選択できる。もしくは受光用ファイバプローブ24と基板6の距離を変えながら、分光結果をとることにより、試料個別の近接場光、通常伝搬光の強度分布の距離依存性を調べることができる。
なお、観察対象である試料2としてのナノメートル構造体としては、具体的には、ナノ粒子、ナノワイヤー、原子ワイヤー及び表面再構成構造のような表面ナノメートル構造等があるが、ナノ接点(一対の半導体チップ、もしくは金属チップの鋭角状の先端部が互いに当接している接点)のようなものでもよい。ここで「表面再構成構造」とは、試料の内部原子配列とは異なる、原子配列が表面に現れる表面固有の構造を意味する。ここで例を挙げたナノ粒子、ナノワイヤー、原子ワイヤー及び表面再構成構造は、いずれもその単位構造の大きさが数原子間隔程度であり、近接場光学顕微鏡単体では識別できないため、その観察には本複合型顕微鏡がきわめて有用である。
以上の複合型顕微鏡の説明では、試料に光(レーザ光)を照射したが、光照射の代わりに、試料に、高エネルギー電子線を照射し又は電圧印加することで、試料から近接場光を発光させて、この近接場光を分光する構成としてもよい。高エネルギー電子線を照射する場合は、透過型電子顕微鏡の電子銃から発射された電子線を利用してもよいが、別途、電子照射源を設けた構成としてもよい。なお、発光効率は電子線の加速電圧に依存し、これは透過形電子顕微鏡による観察の加速電圧とは一致しないので、別途、べつに電子照射源を設けた方が、発光効率は良い。
(実験例)
本発明者は、本発明の複合型顕微鏡30で試料2の観察実験を行ったので、以下に説明する。この実験で使用した複合型顕微鏡30では、試料2に光を照射する代わりに高エネルギー電子線を照射した。試料2は酸化亜鉛微粒子(ZnO)とし、これを試料保持器23の先端に設けたSi基板6で保持した。
図4(a)は、観察中の試料2である酸化亜鉛微粒子と保持器の先端に設けたSi基板6周辺全体の透過型電子顕微鏡像である。図4(b)は、図4(a)の部分拡大像であり、試料2の原子分解能像である。さらに、図4(c)は、高エネルギー電子線(透過型電子顕微鏡の電子銃から発射された電子線)を試料2に照射した際に生じる近接場光を分光して得られたカソードルミネッセンスの分光結果を示す。
この図4に示すように、試料2の原子分解能を保ったままで、電子線照射領域、すなわち発光領域を制御でき、微粒子の結晶構造まで特定できる。さらに、微粒子の結晶構造と対応させて、その発光特性が得られる。試料保持器23の先端に設けたSi基板6の詳細な観察像も含め、いずれも従来のいかなる手段でも得られない観察結果が得られる。
以上、本発明に係る透過型電子顕微鏡を実施するための最良の形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることは言うまでもない。
本発明に係る透過型電子顕微鏡は、上記のような構成であり、ナノメートル構造を透過型電子顕微鏡本来の格子像法で観察できるとともに、その構造に対応して分光解析も可能であるから、ナノメートル構造光物性を利用した新規ナノ材料の開発、および調査を行う手段としてきわめて有用である。また、近接場光学顕微鏡の顕微鏡像再構成原理など近接場光学顕微鏡学の本質に関わる研究にも有用である。
本発明において透過型電子顕微鏡に組み込まれる2つのモードの近接場光学顕微鏡を説明する図である。 本発明において透過型電子顕微鏡の試料室に近接場光学顕微鏡が組み込まれる構成を説明する図である。 本発明に係る複合型顕微鏡30の実施例の全体構成を説明する図である。 本発明の複合型顕微鏡を利用して行った試料の観察実験で得られた透過型電子顕微鏡像、原子分解能像、及び分光結果を示す図である。
符号の説明
1 ファイバプローブ
2 試料
3、4 近接場光
5 集光モードの近接場光学顕微鏡
6 基板
7 入射光
8 光検出器(CCD等)
9 制御・画像表示用コンピュータ
10 PZTによる可動機構
11 PZT駆動用電源
12 照明モードの近接場光学顕微鏡
13 散乱光
14 ファイバプローブ
15 電子銃
16 電子線
17 収束レンズ
18 対物レンズ
19 投影レンズ
20 蛍光スクリーン
21 透過型電子顕微鏡像
22 光軸
23 試料保持器
24 受光用のファイバプローブ
25 入射光(例えば、レーザー光)
26 レーザー照射器
27 照明用のファイバプローブ
28 光源(例えば、レーザー光源)
29 選別器
30 複合型顕微鏡
31 画像処理装置
32 VTR
33 モニター
34 透過型電子顕微鏡
35 試料室
36 近接場光学顕微鏡
37 光伝送ファイバー
38 レーザー光源
39 同期信号発生装置

Claims (6)

  1. 透過型電子顕微鏡の試料室に近接場光学顕微鏡が組み込まれて成り、制御・画像表示用コンピュータによって制御される複合型顕微鏡であって、
    前記近接場光学顕微鏡は、光源と、試料を保持する基板を有する試料保持器と、前記光源に接続され試料に光を照射する手段と、試料からの近接場光の受光手段及び分光手段と、試料に対して前記受光手段を相対的に走査する手段と、を備えており、
    透過型電子顕微鏡によって試料の格子像を含む電子顕微鏡像を観察可能とするとともに、該電子顕微鏡像に対応して近接場光学顕微鏡によって試料の分光分析を可能とすることを特徴とする複合型顕微鏡。
  2. 前記光源には選別器が接続され、
    前記試料に光を照射する手段は、第1照射手段及び第2照射手段の両方の照射手段を備え前記選別器で切換可能な構成である、又はいずれか一方の照射手段を備えた構成であり、
    前記第1照射手段は、前記光源からの光をそのまま通常の遠距離伝搬光として試料に照射して試料から近接場光を発生させる光照射手段であり、この際の光検知はこの近接場光を小開口の近接場光学顕微鏡の受光用のファイバプローブで受光し、該受光用のファイバプローブに接続する光検出器又は分光器に送り、
    前記第2照射手段は、前記光源からの光を小開口の近接場光学顕微鏡の照明用ファイバープローブに入射し、その際に小開口で生じる近接場光を試料に照射する近接場光照射手段であり、この際の光検出は、照射近接場光によって生じる試料からの近接場光又は通常伝搬光に対して行う構成であることを特徴とする請求項1記載の複合型顕微鏡。
  3. 前記制御・画像表示用コンピュータには、同期信号発生装置が接続されており、該同期信号発生装置は、前記走査する手段と同期して、前記第1照射手段では小開口の近接場光学顕微鏡用ファイバープローブで受光した光の強度又は分光データを対応させ、前記第2照射手段では小開口の近接場光学顕微鏡用ファイバープローブから発生する近接場光を、対向する試料が受光して発生する近接場光又は通常伝搬光の取り込み信号を対応させるように制御する事を特徴とする請求項2記載の複合型顕微鏡。
  4. 前記制御・画像表示用コンピュータには、同期信号発生装置が接続されており、該同期信号発生装置は、前記透過型電子顕微鏡観察の時間と前記近接場光学顕微鏡用ファイバプローブの走査時間を同期させ、透過型電子顕微鏡観察像と、近接場光学顕微鏡用プローブ走査位置及び該走査位置における分光結果とを対応して取得可能な構成としたことを特徴とする請求項1又は2記載の複合型顕微鏡。
  5. 前記照射手段は、試料のナノメートル構造に個別に光照射し、その吸収で生じる近接場光又は通常伝搬光を前記近接場光学顕微鏡で調べることが可能である事を特徴とする請求項1、2又は3記載の複合型顕微鏡。
  6. 前記受光手段は、前記透過型電子顕微鏡の電子線が試料に照射されたときに生じる電子線固有の近接場光又は通常伝搬光を受光し、これを分光して解析可能ある事を特徴とする請求項1、2、3又は4記載の複合型顕微鏡。
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