JP2007320131A - 役物タイル成形装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】枠型と上型と下型以外に圧縮成形するための可動枠型を必要とせずに、コーナー役物タイルを製造できるとともに、コーナー役物タイルの曲がり部の表面に凹凸模様を形成することができ、また、無釉原料の斑点模様を均等に表すことができ、本体片部と曲がり部との境界に境界線が形成されることのない役物タイル成形装置を提供する。
【解決手段】役物タイル成形装置Aは、枠型5と、下型70と、上型100と、治具130と、粉升150とを有し、枠型5は、傾斜面部24、30、32、38等を有し、下型70は、傾斜面部94、96等の3つの傾斜面部を有し、上型100も、その底面に3つの傾斜面部を有している。治具130は、粉升150により原料を投入する際に、枠型5に装着する。
【選択図】図1

Description

本発明は、役物タイルの成形装置に関するものであり、特に、粉体の原料を充填して圧縮成形する役物タイルの乾式成形装置に関するものである。
従来より、役物タイルの成形装置としては、種々のものが存在する。例えば、役物タイルの曲がり部(タレ、側面部)の表面に凹凸模様を形成できるようにしたものとして、特許文献1、特許文献2に示すものが存在する。
また、枠型が成形体の折曲り部の外面(表面)に対して摺動して成形体表面に傷が付くことを防止するものとして、特許文献3に示すものが存在する。
また、本体片部の隣り合う二辺に曲がり部(タレ)が設けられた、いわゆるコーナー役物タイルの成形装置として、特許文献4に示すものが存在する。
さらに、出願人は、他の文献として、特許文献5を知得している。
特開平10−86118号公報 特開平7−251413号公報 実公平4−30013号公報 特開2000−280215号公報 実公平4−30012号公報
しかし、上記特許文献1に記載の成形装置や特許文献2に記載の成形装置や特許文献4に記載の成形装置においては、枠型と上型と下型の他に圧縮成形するための可動枠体が必要になってしまうという問題がある。
すなわち、特許文献1の成形装置においては、金型枠2と上型3と下型4の他に、曲がり部の表面を成形するための可動枠体9が必要になってしまう。また、特許文献2の成形装置においては、枠型26と上型22と下型20の他に、枠型可動部38が必要になってしまう。また、特許文献3の成形装置においては、固定枠体3と上型20と可動下型14の他に、可動枠体4が必要になってしまう。
また、特許文献3においては、役物タイルの表面側を下向きとした、いわゆる裏押し成形であることから、無釉原料の斑点模様を均等に表すことができないという問題がある。つまり、タイルの表面に斑点模様を表出させるための無釉原料は、ベースとなる原料に粒子の粗い異色の原料(この異色の原料が斑点模様を表出させる)を混合して形成されており、役物タイルの乾式成形の際に、無釉原料を粉升で振った場合に、粒子の細かいベースとなる原料が下方に落ちる傾向にある等の点から、下側には粒子の細かいベースとなる原料が多くなり、斑点を表出させる異色の原料が下側には少なくなってしまい、裏押し成形とした場合には、無釉原料の斑点模様を均等に表すことができないという問題がある。
また、特許文献5に記載の成形装置においては、特に、第1図に記載の成形装置によれば、本体片部と曲がり部との間に境界線が生じてしまうという問題がある。
そこで、本発明は、枠型と上型と下型以外に圧縮成形するための可動枠型を必要とせずに、コーナー役物タイルを製造できるとともに、コーナー役物タイルの曲がり部の表面に凹凸模様を形成することができ、また、無釉原料の斑点模様を均等に表すことができ、本体片部と曲がり部との境界に境界線が形成されることのない役物タイル成形装置を提供することを目的とするものである。
本発明は上記問題点を解決するために創作されたものであって、第1には、方形状の板状の本体片部と、本体片部の隣接する二辺からそれぞれ立設した板状の曲がり部とを有するコーナー役物タイルの形状に粉状の原料を成形する役物タイル成形装置であって、柱状の押圧部を有する下型で、押圧部が、成形される上記コーナー役物タイルの本体片部の内側の面に対応した形状を有し水平面に対して傾斜した方形状の第1面部と、第1面部のある辺部から連設された第2面部で、2つの曲がり部のうちの一方の内側の面に対応した形状を有し水平面に対して傾斜した第2面部と、第1面部の該辺部に隣接する辺部から連設された第3面部で、2つの曲がり部のうちの他方の内側の面に対応した形状を有し水平面に対して傾斜した第3面部と、を上部に有し、第1面部と第2面部と第3面部とで上方に突状に形成された下型と、柱状の押圧部を有する上型で、押圧部が、成形される上記コーナー役物タイルの本体片部の外側の面に対応した形状を有し水平面に対して傾斜した方形状の第4面部と、第4面部のある辺部から連設された第5面部で、2つの曲がり部のうちの一方の外側の面に対応した形状を有し水平面に対して傾斜した第5面部と、第4面部の該辺部に隣接する辺部から連設された第6面部で、2つの曲がり部のうちの他方の外側の面に対応した形状を有し水平面に対して傾斜した第6面部と、を下部に有し、第4面部と第5面部と第6面部とで上方に窪んだ形状に形成され、押圧部の底面形状が下型の押圧部の平面形状と略同一の上型と、貫通穴部を有する枠型で、貫通穴部の横断面形状が、下型の押圧部の平面形状及び上型の底面形状と略同一で六角形形状を有し、貫通穴部内を下型の押圧部と上型の押圧部が摺動可能である枠型と、を有することを特徴とする。
この第1の構成の役物タイル成形装置においては、下型の押圧部が枠型の貫通穴部に挿入された状態で、役物タイル用の原料を貫通穴部内の下型の押圧部の上面に投入する。その後、上型を下降させて、上型の押圧部と下型の押圧部との間で原料を圧縮成形する。
本発明の役物タイル成形装置においては、下型の押圧部の第1面部と第2面部と第3面部とがコーナー役物タイルの内側の3つの面に対応し、上型の押圧部の第4面部と第5面部と第6面部とがコーナー役物タイルの外側の3つの面に対応しているので、他の圧縮成形するための可動枠型を必要とせず、設備コストを抑えることができる。また、上型押圧部に凹凸模様を形成しておくことにより、成形される原料に凹凸模様を形成することができ、特に、上型の第4面部〜第6面部が傾斜して設けられているので、圧縮成形された役物タイルの外側の面は貫通穴部の側面とは摺接せず、役物タイルの外側の面に凹凸模様を形成しても、凹凸模様を崩すことなく容易に枠型内から圧縮成形された役物タイルを取り出すことができる。また、成形されるコーナー役物タイルは、表側の面を上側にして成形されるので、無釉原料の斑点模様を均等に表すことができる。さらに、上型のみで圧縮成形するので、成形されるコーナー役物タイルの本体片部と曲がり部との境界に境界線が形成されることがない。
また、第2には、上記第1の構成において、枠型が、下型の押圧部の第1面部に平行に設けられた第1傾斜面部と、第1傾斜面部から連設された第2傾斜面部で、下型の押圧部の第2面部に平行に設けられた第2傾斜面部と、第1傾斜面部と第2傾斜面部とから連設された第3傾斜面部で、下型の押圧部の第3面部に平行に設けられた第3傾斜面部とを有し、第1傾斜面部と第2傾斜面部と第3傾斜面部とで囲まれた領域に上記貫通穴部を有し、さらに、枠型に対して挿脱自在な治具で、枠型に対して装着した際に、第2傾斜面部に密接する第1密接面部と、枠型に対して装着した際に、第3傾斜面部に密接する第2密接面部とを有する治具を有することを特徴とする。
この第2の構成においては、原料の投入時に治具を枠型に装着しておくことにより、成形前の原料の投入量を調整して、圧縮成形する前の役物タイルの曲がり部の形状を整形しておくことができ、全体に均一な圧縮を行うことができる。
なお、上記第2の構成において、枠型の上面の位置と枠型から離れた位置との間を移動可能な粉升であって、内部に役物タイル用の原料を収納するとともに、枠型の上面位置において、枠型の貫通穴部に向けて原料を投入する粉升を有し、役物タイル成形装置が、下型の押圧部が枠型の貫通穴部内に第1面部が枠型の第1傾斜面部よりも下方に下がった状態で、かつ、治具が枠型に装着された状態で、粉升により貫通穴部内に原料を投入する原料投入工程と、治具と粉升とが枠型から離れた状態で、上型の押圧部により投入された原料を圧縮成形する圧縮成形工程と、を有することを特徴とするものとしてもよい。なお、さらに、圧縮成形工程の後の下型上昇工程であって、下型の第1面部が枠型の第1傾斜面部と面一になるように下型を上昇させる下型上昇工程を有するものとしてもよい。これにより、圧縮成形した役物タイルを取り出しやすくすることができる。
また、第3には、上記第1又は第2の構成において、下型の第1面部と、上型の第4面部とが、水平面に対して略45度傾斜していることを特徴とする。よって、役物タイルの本体片部に対する圧力と2つの曲がりに対する圧力をほぼ均等にでき、例えば、圧縮成形後の役物タイルにおいて、全体に均一な圧縮を行うことができる。
また、第4には、上記第1の構成において、枠型の貫通穴部内の下型の押圧部上に投入された原料の上部を吸引して、圧縮成形する前の状態に整形するための吸引装置で、
圧縮成形前のコーナー役物タイルの本体片部の外側の面に対応した形状を有し水平面に対して傾斜した方形状の第7面部と、第7面部のある辺部から連設された第8面部で、圧縮成形前のコーナー役物タイルの2つの曲がり部のうちの一方の外側の面に対応した形状を有し水平面に対して傾斜した第8面部と、第7面部の該辺部に隣接する辺部から連設された第9面部で、2つの曲がり部のうちの他方の外側の面に対応した形状を有し水平面に対して傾斜した第9面部と、を下部に有し、第7面部と第8面部と第9面部に吸引用の孔部が形成された吸引ヘッドで、第7面部と第8面部と第9面部とで上方に窪んだ形状に形成され、貫通穴部に挿入可能形成された吸引ヘッドと、吸引ヘッドに接続され吸引機能を有する吸引装置本体とを有する吸引装置が設けられていることを特徴とする。
この第4の構成の役物タイル成形装置においては、吸引装置が設けられているので、枠型の貫通穴部内の下型の押圧部上に投入された原料を吸引ヘッドによって吸引して、圧縮成形する前の状態に整形することができるので、圧縮成形した役物タイルの形状を均一にすることができる。
なお、上記第4の構成において、枠型の上面の位置と枠型から離れた位置との間を移動可能な粉升であって、内部に役物タイル用の原料を収納するとともに、枠型の上面位置において、枠型の貫通穴部に向けて原料を投入する粉升を有し、役物タイル成形装置が、枠型の貫通穴部内の下型の押圧部上に粉升により原料を投入する原料投入工程と、吸引ヘッドを貫通穴部内に配置し、吸引装置により、投入された原料の上部を吸引して、圧縮成形する前の状態に整形する整形工程と、吸引ヘッドと粉升とが枠型から離れた状態で、上型の押圧部により投入された原料を圧縮成形する圧縮成形工程と、を有することを特徴とするものとしてもよい。
また、第5には、上記第1の構成において、枠型が、下型の押圧部の第1面部に平行に設けられた第1傾斜面部と、第1傾斜面部から連設された第2傾斜面部で、下型の押圧部の第2面部に平行に設けられた第2傾斜面部と、第1傾斜面部と第2傾斜面部とから連設された第3傾斜面部で、下型の押圧部の第3面部に平行に設けられた第3傾斜面部とを有し、第1傾斜面部と第2傾斜面部と第3傾斜面部とで囲まれた領域に上記貫通穴部を有し、役物タイル用の原料を、枠型の貫通穴部内の下型の押圧部上に圧縮成形前の形状の整形した状態で封入する封入装置で、原料を送出する封入装置本体と、封入装置本体から送出された原料を封入するための封入ヘッドで、枠型に封入ヘッドを装着した場合に、枠型の第1傾斜面部に密接する第1密接面部で、少なくとも一部が圧縮成形前の役物タイルの本体片部の外側の面に対応した形状を有し、封入装置本体側と連通した開口部が設けられた第1密接面部と、第1密接面部から連設された第2密接面部で、枠型に封入ヘッドを装着した場合に、枠型の第2傾斜面部に密接する第2密接面部と、第1密接面部と第2密接面部とから連設された第3密接面部で、枠型に封入ヘッドを装着した場合に、枠型の第3傾斜面部に密接する第3密接面部と、開口部に連通した原料の送出路を開閉する開閉装置と、を有する、枠型に挿脱自在な封入ヘッドと、を有する封入装置が設けられていることを特徴とする。
この第5の構成の役物タイル成形装置においては、封入装置が設けられているので、役物タイル用の原料を、枠型の貫通穴部内の下型の押圧部上に圧縮成形前の形状の整形した状態で封入することができ、圧縮成形した役物タイルの形状を均一にすることができる。
なお、上記第5の構成において、役物タイル成形装置が、封入ヘッドを枠型に装着する封入ヘッド装着工程と、開閉装置により開口部が開いた状態において、封入装置本体から封入ヘッドに原料を送出して、枠型の貫通穴部内の下型の押圧部上に圧縮成形前の形状の整形した状態で封入する封入工程と、封入工程後に、開閉装置により開口部を閉じた状態として、封入ヘッドを枠型から脱離させる脱離工程と、脱離工程後に、上型の押圧部により投入された原料を圧縮成形する圧縮成形工程と、を有することを特徴とするものとしてもよい。なお、圧縮成形工程の後の下型上昇工程であって、下型の第1面部が枠型の第1傾斜面部と面一になるように下型を上昇させる下型上昇工程を有するものとしてもよい。これにより、圧縮成形した役物タイルを取り出しやすくすることができる。
また、他の構成として、役物タイルの成形方法であって、第1又は2又は3又は4又は5又は6又は7又は8の構成の役物タイル成形装置により成形されたコーナー役物タイルの縁部で、傾斜面を有する縁部を切断して形状を整えることを特徴とするものとしてもよい。これにより、役物タイルの最終形状に形状を整えることができる。
本発明に基づく役物タイル成形装置によれば、下型の押圧部の第1面部と第2面部と第3面部とがコーナー役物タイルの内側の3つの面に対応し、上型の押圧部の第4面部と第5面部と第6面部とがコーナー役物タイルの外側の3つの面に対応しているので、他の圧縮成形するための可動枠型を必要とせず、設備コストを抑えることができる。また、上型押圧部に凹凸模様を形成しておくことにより、成形される原料に凹凸模様を形成することができ、特に、上型の第4面部〜第6面部が傾斜して設けられているので、圧縮成形された役物タイルの外側の面は貫通穴部の側面とは摺接せず、役物タイルの外側の面に凹凸模様を形成しても、凹凸模様を崩すことなく容易に枠型内から圧縮成形された役物タイルを取り出すことができる。また、上型のみで原料を圧縮して成形することから、本体片部と曲がり部の成形圧力の差が生じることがない。また、成形されるコーナー役物タイルは、表側の面を上側にして成形されるので、無釉原料の斑点模様を均等に表すことができる。さらに、上型のみで圧縮成形するので、成形されるコーナー役物タイルの本体片部と曲がり部との境界に境界線が形成されることがない。
本発明においては、枠型と上型と下型以外に可動枠型を必要とせずに、コーナー役物タイルを製造できるとともに、コーナー役物タイルの曲がり部の表面に凹凸模様を形成することができ、また、本体片部と曲がり部の成形圧力の差を小さくすることができ、また、無釉原料の斑点模様を均等に表すことができ、本体片部と曲がり部との境界に境界線が形成されることのない役物タイル成形装置を提供するという目的を以下のようにして実現した。
本実施例の役物タイル成形装置Aは、図1〜図8等に示すように構成され、役物タイル成形装置本体1と、粉升150とを有している。また、役物タイル成形装置本体1は、枠型5と、下型70と、上型100と、治具130を有している。
まず、枠型5は、図1〜図4、図7等に示すように、枠状を呈し、下型70の押圧部(下型本体部としてもよい)80を挿通するための貫通穴部50を有している。
この枠型5の構成をより詳細に説明すると、枠型5は、基部10と、突出部18とからなる形状を呈していて、基部10は、方形状の板状の外形を呈している。つまり、基部10は、平面状の正面部11と、平面状の背面部12と、平面状の底面部13と、平面状の上面部14、15と、平面状の側面部20、22の下部とで囲まれた外形形状を呈している。
また、突出部18は、基部10の上面に形成され、正面側の傾斜面と背面側の傾斜面と上端の上面とで囲まれた突状形状に所定の形状の切欠きを形成した形状を呈している。
すなわち、突出部18は、側面部20、22の上部と、傾斜面部24(第1傾斜面部)及びその延長面と、傾斜面部28及びその延長面と、上面部26及びその延長面とで囲まれる突状形状に、所定の切欠きを形成した形状となっている。ここで、該所定の切欠きは、傾斜面部30、32と、内側側面部34、36と、傾斜面部38、40と、上面部42と、傾斜面部44とで形成されている。
ここで、傾斜面部24は、平面状を呈し、水平面に対して45度傾斜して形成されている。つまり、図8におけるαは45度となっている。この傾斜面部24の形状は、両側が突出形状の略凹状を呈し、方形状の中央上部に切欠部を形成した形状となっている。この切欠部は、方形状の形状に、治具130の突状部144、146が入り込むための切欠きと、貫通穴部50に対応した正方形状の切欠きとを合わせた形状となっている。また、傾斜面部24の正面側の端部には、基部10の上面部14が連設されている。なお、傾斜面部24は水平面に対して45度であるとしたが、略45度(例えば、40度〜50度)であればよい。
また、上面部26は、平面状を呈し、傾斜面部24の両側の上端から連設されていて、水平方向に形成されている。また、傾斜面部28は、上面部26の奥側の端部から連設されていて、奥側に向かって下降した傾斜面をなしている。また、傾斜面部28の奥側の端部には、基部10の上面部15が連設されている。
また、内側側面部34、36は、傾斜面部24の両側の突出形状部分の内側と上面部26の内側と傾斜面部28の内側から連設されていて、奥行き方向(Y1−Y2方向)に垂直に形成されている。
また、上面部42は、平面状を呈し、内側側面部34と内側側面部36間に設けられ、上面部26よりも下方に上面部26と平行に形成されている。また、傾斜面部44は、上面部42の奥側の端部から下方に傾斜して設けられ、内側側面部34と内側側面部36間に設けられている。傾斜面部44の奥側の端部は、上面部15に連設されている。
また、上面部42の正面側には、傾斜面部30と傾斜面部32とが連設され、傾斜面部30、32は、傾斜面部24と平行に形成されている。傾斜面部30、32は、ともに二等辺三角形を呈し、互いに対称形状となっている。傾斜面部30の正面視における右側の端部は内側側面部34に接していて、また、傾斜面部32の正面視における左側の端部は内側側面部36に接している。
また、傾斜面部38(第2傾斜面部)は、傾斜面部30の辺部から連設されていて、下型70の傾斜面部96と平行に形成されている。また、この傾斜面部38は、傾斜面部30に対して直角に形成されている。この傾斜面部38は、長方形状の角部に長方形状の切欠部を形成した形状を呈している。この傾斜面部38における切欠部は、貫通穴部50を設けたことによる切欠部である。この傾斜面部38の正面側の端部は、傾斜面部24に接している。
また、傾斜面部40(第3傾斜面部)は、傾斜面部32の辺部から連設されていて、下型70の傾斜面部98と平行に形成されている。また、この傾斜面部40は、傾斜面部32に対して直角に形成されている。この傾斜面部40は、長方形状の角部に長方形状の切欠部を形成した形状を呈している。この傾斜面部40における切欠部は、貫通穴部50を設けたことによる切欠部である。この傾斜面部40の正面側の端部は、傾斜面部24に接している。
この傾斜面部38と内側側面部34とによって切欠部K1が形成され、傾斜面部40と内側側面部36とによって切欠部K2が形成されている。つまり、枠型5に形成された切欠きの一部に、切欠部K1と切欠部K2とが設けられているといえる。
また、貫通穴部50は、平面視において六角形を呈し、側面部52と、側面部54と、側面部56と、側面部58と、側面部60と、側面部62とで囲まれている。ここで、側面部52〜側面部62における各側面部は、水平面に対して垂直方向を向いていて、側面部52と側面部58とは互いに平行をなしていて平面視において同一長さを有し、側面部54と側面部60とは互いに平行をなしていて平面視において同一長さを有し、側面部56と側面部62とは互いに平行をなして平面視において同一長さを有している。また、側面部52と側面部54と側面部58と側面部60の平面視における長さは同じであり、側面部56、62の平面視における長さは、側面部52、54、58、60の平面視における長さよりも短く形成されている。
また、側面部52の上端と側面部54の上端は、傾斜面部24から連設され、また、側面部56の上端と側面部58の上端は、傾斜面部38から連設され、また、側面部60の上端と側面部62の上端は、傾斜面部40から連設されている。
なお、この貫通穴部50の横断面形状である六角形は、後述する下型70の押圧部80の平面形状や上型100の押圧部110の底面形状と略同一となっていて、左右対称の形状となっている。
枠型5は上記のように構成され、全体に一体に形成されている。また、枠型5は、図示しない支持部材に固定して設けられている。
次に、下型70は、図1〜図3、図6等に示すように、基部72と、押圧部80とを有している。
ここで、基部72は、平板状の板状を呈し、略方形状を呈している。また、押圧部80は、基部72の上面に設けられ、平面視においては六角形を呈し、上部に3つの傾斜面部を有している。つまり、押圧部80は、側面部82と、側面部84と、側面部86と、側面部88と、側面部90と、側面部92と、傾斜面部94(第1面部)と、傾斜面部96(第2面部)と、傾斜面部98(第3面部)とを有している。
側面部82〜92における各側面部は、水平面に対して垂直方向を向いていて、側面部82と側面部88とは互いに平行をなしていて横幅は同一の長さ(つまり、平面視において同一長さ)を有し、側面部84と側面部90とは互いに平行をなしていて平面視において同一長さを有し、側面部86と側面部92とは互いに平行をなして横幅は同一の長さ(つまり、平面視において同一長さ)を有している。また、側面部82と側面部84と側面部88と側面部90においては、横幅(つまり、平面視における長さ)は同じ長さであり、側面部86、92の横幅(つまり、平面視における長さ)は、側面部82、84、88、90の横幅よりも短く形成されている。つまり、この押圧部80の平面形状は、枠型5に形成された貫通穴部50の形状に合わせて形成されていて、押圧部80の平面形状は、貫通穴部50の平面形状と同形状で略同一に形成され、押圧部80が貫通穴部50内を上下動可能なように貫通穴部50よりも若干小さく形成されている。
また、傾斜面部94は、正方形状の平面状を呈し、その角部T1、T2(図6参照)を結ぶ直線は、左右方向(X1−X2方向)を向いていて、傾斜面部94は、傾斜面部24に対して平行に設けられていて、水平面に対して45度の角度に傾斜している。なお、傾斜面部94は、水平面に対して45度の角度に傾斜しているとしたが、傾斜面部24と同様に、略45度(例えば、40度〜50度)であればよい。
また、傾斜面部96は、傾斜面部94の正面視右上側の辺部から連設され、長方形状の平面状を呈していて、傾斜面部94に対して直角をなしている。なお、傾斜面部96は傾斜面部94に対して直角としたが、略直角(例えば、85度〜95度)であってもよい。
また、傾斜面部98は、傾斜面部94の正面視左上側の辺部から連設され、長方形状の平面状を呈していて、傾斜面部94及び傾斜面部96に対して直角をなしている。なお、傾斜面部98は傾斜面部94及び傾斜面部96に対して直角としたが、略直角(例えば、85度〜95度)であってもよい。
また、下型70の押圧部80においては、傾斜面部94と傾斜面部96と傾斜面部98とで上方に突状に形成されている。これらの傾斜面部94、96、98は、成形される役物タイルの内側の面に対応した形状を呈している。
つまり、傾斜面部94は、成形されるコーナー役物タイルの本体片部の内側の面に対応した形状を呈し、傾斜面部96は、成形されるコーナー役物タイルの2つの曲がり部のうちの一方の内側の面に対応した形状を呈し、傾斜面部98は、成形されるコーナー役物タイルの2つの曲がり部のうちの他方の内側の面に対応した形状を呈している。
この下型70は、図示しない昇降装置により、上下方向(Z1−Z2方向)に昇降するように構成されていて、枠型5の貫通穴部50内を摺動可能となっている。
なお、上記下型70において、傾斜面部94と傾斜面部96との境界や、傾斜面部94と傾斜面部98との境界や、傾斜面部96と傾斜面部98との境界は、図1〜図3、図6等に示すように、直角に形成されているが、該境界部分をアール状に形成してもよい。
次に、上型100は、図1、図2、図7等に示すように、基部102と、押圧部(上型本体部としてもよい)110とを有している。
ここで、基部102は、平板状の板状を呈し、略方形状を呈している。また、押圧部110は、基部102の下面に設けられ、底面視においては六角形を呈し、下部に3つの傾斜面部を有している。つまり、押圧部110は、側面部112と、側面部114と、側面部116と、側面部118と、側面部120と、側面部122と、傾斜面部124(第4面部)と、傾斜面部126(第5面部)と、傾斜面部128(第6面部)とを有している。
側面部112〜122における各側面部は、水平面に対して垂直方向を向いていて、側面部112と側面部118とは互いに平行をなしていて横幅は同一の長さ(つまり、平面視において同一長さ)を有し、側面部114と側面部120とは互いに平行をなしていて平面視において同一長さを有し、側面部116と側面部122とは互いに平行をなして横幅は同一の長さ(つまり、平面視において同一長さ)を有している。また、側面部112と側面部114と側面部118と側面部120においては、横幅(つまり、平面視における長さ)は同じ長さであり、側面部116、122の横幅(つまり、平面視における長さ)は、側面部112、114、118、120の横幅よりも短く形成されている。つまり、この押圧部110の平面形状は、枠型5に形成された貫通穴部50の形状に合わせて形成されていて、押圧部110の平面形状は、貫通穴部50の平面形状と同形状で略同一に形成され、押圧部110が貫通穴部50内を上下動可能なように貫通穴部50よりも若干小さく形成されている。
また、傾斜面部124は、正方形状の平面状を呈し、その角部T3、T4(図7参照)を結ぶ直線は、左右方向(X1−X2方向)を向いていて、傾斜面部124は、傾斜面部24に対して平行に設けられていて、水平面に対して45度の角度に傾斜している。なお、傾斜面部124は、水平面に対して45度の角度に傾斜しているとしたが、傾斜面部24と同様に、略45度(例えば、40度〜50度)であればよい。
また、傾斜面部126は、傾斜面部114の背面視左上側の辺部から連設され、長方形状の平面状を呈していて、傾斜面部124に対して直角をなしている。なお、傾斜面部126は傾斜面部124に対して直角としたが、略直角(例えば、85度〜95度)であってもよい。
また、傾斜面部128は、傾斜面部124の正面視右上側の辺部から連設され、長方形状の平面状を呈していて、傾斜面部124及び傾斜面部126に対して直角をなしている。なお、傾斜面部128は傾斜面部124及び傾斜面部126に対して直角としたが、略直角(例えば、85度〜95度)であってもよい。
また、上型100の押圧部110においては、傾斜面部124と傾斜面部126と傾斜面部128とで上方に窪んだ形状をしている。これらの傾斜面部124、126、128は、成形される役物タイルの外側の面に対応した形状を呈している。
つまり、傾斜面部124は、成形されるコーナー役物タイルの本体片部の外側の面に対応した形状を呈し、傾斜面部126は、成形されるコーナー役物タイルの2つの曲がり部のうちの一方の外側の面に対応した形状を呈し、傾斜面部128は、成形されるコーナー役物タイルの2つの曲がり部のうちの他方の外側の面に対応した形状を呈している。
この上型100は、図示しない昇降装置により、上下方向に昇降するように構成されていて、枠型5の貫通穴部50内を摺動可能となっている。
なお、上記上型100において、傾斜面部124と傾斜面部126との境界や、傾斜面部124と傾斜面部128との境界や、傾斜面部126と傾斜面部128との境界は、図1、図2、図7等に示すように、直角に形成されているが、該境界部分をアール状に形成してもよい。
次に、治具130は、図1、図2、図8等に示すように、直方体形状に三角形(具体的には、二等辺三角形)の切欠きを設けた形状を呈していて、上面部132と、下面部134と、側面部136と、側面部138と、背面部140と、正面部142(第1密接面部)と、正面部144(第2密接面部)とを有している。
ここで、上面部132は、長方形状の一辺に三角形(具体的には、二等辺三角形)の切欠きを形成した形状を呈している。また、下面部134は、上面部132と同大同形状に形成されている。また、側面部136と、側面部138と、背面部140と、正面部142と、正面部144とは、ともに長方形状の平面状を呈していて、正面部142と正面部144とは、互いに直角をなしている。これにより、治具130の正面側の両側が突状に形成されていて、突状部146と突状部148とが形成されている。なお、治具130の横方向(X1−X2方向)の幅R1(図2参照)は、枠型5における内側側面部34と内側側面部36間の幅R2と略同一に形成されている。
なお、側面部136、138、背面部140、正面部142、144の幅R3(図8参照)は、治具130が枠型5の切込み内に収納された場合に、上面部132が傾斜面部24と面位置になる程度の幅である。
そして、治具130の上面部132と下面部134とは、傾斜面部24、30、32と平行に設けられていて、治具130が枠型5内の切欠き内に収納された状態では、突状部146が切欠部K1に入り込み、正面部142が傾斜面部38と当接するとともに、側面部136が内側側面部34と当接し、また、突状部148が切欠部K2に入り込み、正面部144が傾斜面部40と当接するとともに、側面部138が内側側面部36に当接し、また、正面部142と正面部144により形成された角部は、傾斜面部38と傾斜面部40とにより形成された角部と当接する。また、この治具130は、上記のように、枠型5内の切欠き内に収納された状態(図9、図10参照)と、治具130が枠型5に対して離れた位置にある状態(図1、図2、図8参照)との間で、図示しない移動装置により往復移動するように構成されている。
なお、治具130において、正面部142と正面部144との境界は、図2等に示すように、直角に形成されているが、該境界部分をアール状に形成してもよい。
また、粉升150は、役物タイル用の原料(具体的には、粉状の原料)を内部に収納するとともに、枠型5の切欠き内に原料を投入するものである。
この粉升150は直方体形状の背面下側を斜めに切断した外形形状を呈し、粉升150の右側の側面部152の傾斜辺152aは、水平面に対して45度の角度に傾斜している。左側の側面部も側面部152と同大同形状に形成されている。また、正面部154と正面部154と反対側の背面部とは左右方向に垂直に形成されている。また、粉升150の下面は、枠型5内に原料を投入できるように開放されている。また、粉升150は、内部に原料を収納できるように収納空間部が設けられている。そして、粉升150は、図示しない移動装置により、左右方向に往復移動するように構成されている。つまり、枠型5の上面の位置と枠型5から離れた位置(図1、図2参照)間を往復移動するように構成されている。
上記構成の役物タイル成形装置Aの動作について説明する。まず、役物タイル成形装置Aが、図8に示すように、初期状態にあるものとする。つまり、この初期状態においては、上型100が最上位置にあり、下型70が最下位置にあり、治具130が最奥位置にあり、粉升150が最左位置にある。
ここで、上型100の最上位置とは、少なくとも、治具130が枠型5の切欠きに収納するように最前位置にまで移動することができ、かつ、粉升150が枠型5の上面位置になるように右方向に移動することができる程度に枠型5から離れた位置である。また、下型70の最下位置とは、押圧部80が枠型5の貫通穴部50内に挿通され、下型70の傾斜面部94が傾斜面部24と面位置になる位置よりも下位置にある位置をいい、上型100による圧縮を考慮して原料の厚みが所定の厚みになるように、傾斜面部24と傾斜面部94間の距離R4(図8参照)が設定される。また、治具130の最奥位置とは、粉升150が枠型5の上面位置になるように右方向に移動でき、かつ、上型100が下降して最下位置にまで移動できる程度の位置である。なお、この初期状態においては、治具130は、少なくとも、粉升150が初期状態(つまり、最左位置)から枠型5の上面位置になるように移動できる程度に奥側にあればよい。また、粉升150の最左位置とは、上型100が最下位置にまで移動し、かつ、治具130が最下位置にまで移動することができる程度に正面視で左側の位置である。
なお、上型100の最下位置とは、上型100が下降して下型70上の原料を圧縮することができる位置である。また、治具130の最前位置とは、治具130の正面部142が傾斜面部38に当接し、正面部144が傾斜面部40に当接する位置である。また、下型70が上昇した際の最上位置は、図13に示すように、傾斜面部94が傾斜面部24と面一となる位置である。
次に、治具130を斜め前方下方に移動させて、図9に示すように、治具130を最前位置にして、治具130を枠型5に装着する。つまり、治具130が最前位置にある場合には、治具130の正面部142が傾斜面部38に当接し、正面部144が傾斜面部40に当接する位置であり、この場合、治具130の上面部132は、枠型5の傾斜面部24と面位置となる。
このように、治具130が最前位置にある場合には、治具130の正面部142が傾斜面部38に当接し、正面部144が傾斜面部40に当接するので、これにより、傾斜面部38の切欠部が正面部142によりカバーされ、傾斜面部40の切欠部が正面部144によりカバーされる。
次に、粉升150が右方向に移動させて、枠型5の上面位置にまで移動させ、枠型5の上面位置で粉升150を小さく往復動させて、粉升150内の原料Gを枠型5の貫通穴部50内に投入する(原料投入工程、図10参照)。つまり、下型70の傾斜面部94、96、98と、貫通穴部50の各側面部と、治具130の正面部142、144とで囲まれた空間内に原料Gを投入する。
次に、原料Gの投入が完了したら、粉升150は左方向に移動して最左位置に戻り、その後、治具130が奥側に移動して最奥位置に戻る。つまり、図11に示すように、粉升150は最左位置に戻り、治具130は最奥位置に戻る。その際、投入された原料Gは、治具130が奥側に戻るものの、投入時の形状をほぼ保っている。
なお、本実施例の役物タイル成形装置Aでは、枠型5の形状と下型70の形状と治具130の形状と粉升150の形状が上記のように形成されているので、原料Gが粉升150から投入された際に、コーナー役物タイルの形状に近い形状に整形されて充填されることになる。つまり、コーナー役物タイルの内側の面の形状は、下型70の押圧部80により整形され、外側の面については、本体片部の形状は、枠型5の形状(特に、傾斜面部24)と粉升150の形状により整形され、曲がり部の形状は、治具130の形状(特に、正面部142、144の形状)により整形され、コーナー役物タイルの本体片部の曲がり部が連設されていない2つの縁部の外形と、曲がり部の長辺側と短辺側の縁部の外形は、貫通穴部50の形状により整形されることになる。また、特に、治具130により成形前の原料の投入量を調整でき、特に、原料の厚みをほぼ均一に調整できるので、全体に均一な圧縮を行うことができる。
次に、上型100を下降させて、図12に示すように、原料Gを圧縮成形する(圧縮成形工程)。つまり、上型100を最下位置まで下降させて、枠型5の貫通穴部50内の下型70上にある原料Gを上型100により圧縮成形する。その際、上型100により最下位置で間欠的に複数回圧力を掛けて圧縮成形する。これにより、原料Gが成形されてコーナー役物タイルが形成される。
次に、上型100を上昇させて、最上位置に戻すとともに、下型70を上昇させて、最上位置まで上昇させる(下型上昇工程)。すると、下型70の傾斜面部94が枠型5の傾斜面部24と面一になるので(図13参照)、成形されたコーナー役物タイルを容易に取り出すことができる。なお、図8〜図13は、役物タイル成形装置の縦断面図であるが、具体的には、役物タイル成形装置Aの枠型5の左右方向の中心位置における縦断面図であり、図2のX−X位置の縦断面を示している。図14〜図17、図19も、同様な位置における断面図であり、役物タイル成形装置の枠型の左右方向の中心位置における縦断面図である。
成形されたコーナー役物タイル1000は、図20に示す形状を呈していて、本体片部1002と、曲がり部1004、1006とが形成されたものとなる。なお、図20における(b)は、(a)における(b)に示す方向(すなわち、上方)から見た図(すなわち、上面図)であり、図20における(c)は、(a)における(c)に示す方向(すなわち、側方)から見た図(すなわち、側面図)である。
なお、図20において、本体片部1002と曲がり部1004との境界や、本体片部1002と曲がり部1006との境界や、曲がり部1004と曲がり部1006との境界は、直角に形成されているが、下型70や上型100において、傾斜面部間をアール状に形成した場合には、これらの境界もアール状に形成されることになる。
次に、成形されたコーナー役物タイル1000の縁部(エッジ)を切断して形状を整える。つまり、成形されたコーナー役物タイル1000には、図20に示すように、傾斜面が形成された縁部があるので、傾斜面が形成された縁部を切断して、図21に示すコーナー役物タイル1000’の形状に整える。なお、切断を行う縁部は、本体片部1002の曲がり部1004、1006が連設されていない縁部1002a、1002bと、曲がり部1004の縁部で、本体片部1002における曲がり部1004、1006が連設された辺部に平行な縁部1004a、1006aと、縁部1002aと縁部1004a間の立設した縁部1004bと、縁部1002bと縁部1006a間の立設した縁部1006bである。また、切断作業は、例えば、公知の回転刃を有する切断機により行う。
なお、図21に示すコーナー役物タイル1000’においては、本体片部1002と曲がり部1004と曲がり部1006の各部の境界位置にはアールは形成されていないが、下型70の押圧部80や上型100の押圧部110がアールを形成する形状になっている場合には、当然それらの境界位置にアールが形成されることになる(以下の実施例においても同様)。
成形されたコーナー役物タイルは、役物タイルの原料が無釉原料の場合には、焼成を行い、一方、無釉原料でない場合には、釉薬を塗布した後に焼成を行う。
なお、成形されるコーナー役物タイルの表側の面に凹凸模様を形成する場合には、上型100に凹凸模様を形成する。つまり、上型100の押圧部110の傾斜面部124、126、128の少なくともいずれかに凹凸模様を形成することにより、成形される原料の表側の面に凹凸模様を形成することができる。例えば、コーナー役物タイル1000の曲がり部1004、1006の表側の面に凹凸模様を形成するには、傾斜面部126、128に凹凸模様を形成する。
以上のように、本実施例の役物タイル成形装置Aによれば、枠型と上型と下型以外に圧縮成形するための可動枠型を必要としないので、設備コストを抑えることができる。つまり、上記特許文献1においては、可動枠体9により圧縮成形し、上記特許文献2においては、枠型可動部38により圧縮成形するので、ともに圧縮成形するための可動枠体が必要となるが、本実施例では、圧縮成形するための型としては、上型のみで済むことから、設備コストを抑えることができ、特に、型枠と上型と下型とからなる従来の設備における各部を本実施例のものにすることによりそのまま利用することができるので、設備コストを抑えることができる。なお、本実施例における治具130については、この治具130により圧縮成形するものではないので、大きなコストアップとはならない。
また、上型100の押圧部110に凹凸模様を形成しておくことにより、成形される原料に凹凸模様を形成することができる。特に、上型100の押圧部110の3つの傾斜面部124、126、128は水平面に対する垂直面とは傾斜して設けられ、圧縮成形された役物タイルの外側の面は貫通穴部50の側面とは摺接しないので、役物タイルの外側の面に凹凸模様を形成しても、凹凸模様を崩すことなく容易に枠型5内から圧縮成形された役物タイルを取り出すことができる。
また、成形されるコーナー役物タイルは、表側の面を上側にして成形されるので、無釉原料の斑点模様を均等に表すことができる。つまり、無釉原料において斑点模様を形成する粒子の粗い原料は投入した原料の上方に残りやすいので、役物タイルの外側の面において無釉原料の斑点模様を均等に表すことができる。
また、本実施例の役物タイル成形装置Aにおいては、上型100のみで圧縮成形するので、成形されるコーナー役物タイル1000の本体片部1002と曲がり部1004、1006との境界に境界線が形成されることがない。
また、下型70の傾斜面部94や上型100の傾斜面部124が水平面に対して略45度傾斜しているので、役物タイルの本体片部に対する圧力と2つの曲がり部に対する圧力とをほぼ均等にでき、圧縮成形前の役物タイルにおいて、全体に均一な圧縮を行うことができる。
次に、実施例2について説明する。実施例2の役物タイル成形装置Bは、上記実施例1の役物タイル成形装置Aと略同様の構成であるが、圧縮成形前の原料の充填の方法が異なる。
すなわち、実施例2の役物タイル成形装置Bは、図14に示すように構成され、役物タイル成形装置本体1’と、粉升350とを有し、役物タイル成形装置本体1’は、枠型205と、下型270と、上型300と、吸引装置330と、粉升350とを有している。
ここで、枠型205は、基部210と突出部218とを有し、基部210は、方形状の板状の外形を呈し、突出部218は、平面視で方形状の外形を呈し、縦断面が図14に示すように台形形状の柱状を呈し、中央には、貫通穴部250が縦方向に形成されている。この貫通穴部250は、実施例1における枠型5の貫通穴部50と同様の形状であり、平面視において、六角形状を呈している。
また、下型270は、基部272と、押圧部280とを有し、基部272は、実施例1の下型70における基部70と同様の構成であり、押圧部280は、実施例1の下型70における押圧部80と同様の構成である。つまり、押圧部280の上面は、押圧部80と同様に、3つの傾斜面部(そのうちの1つが傾斜面部294)が設けられている。
また、上型300は、基部302と、押圧部310を有し、基部302は、実施例1の上型100における基部102と同様の構成であり、押圧部310は、実施例1の上型100における押圧部110と同様の構成である。つまり、押圧部310の下面は、押圧部110と同様に、3つの傾斜面部(そのうちの2つが傾斜面部324と、傾斜面部328)が設けられている。
また、吸引装置330は、吸引装置本体(図示せず)と、吸引装置本体に接続された管状部340と、管状部340の先端に接続された吸引ヘッド332とを有している。該吸引装置本体は、吸引機能を有する装置である。
また、吸引ヘッド332は、ケース状部334と、ケース状部334の下面に設けられた型状部336とを有している。
ここで、型状部336は、成形されるコーナー役物タイルの外側の面の形状に合わせて形成されていて、正方形状の傾斜面部336a(第7面部)と、傾斜面部336aの2辺からそれぞれ連設された2つの傾斜面部(第8面部と第9面部)(そのうちの1つが傾斜面部336b(第9面部))とを有し、この2つの傾斜面部は、長方形状を呈している。また、これら2つの傾斜面部は、傾斜面部336aに対して直角に形成されている。この型状部336を構成する傾斜面部336aや傾斜面部336aから連設された2つの傾斜面部は、複数の孔部が設けられた板状を呈し、この孔部から原料を吸引することができるようになっている。
また、ケース状部334は、型状部336の上側に形成されていて、ケース状を呈し、このケース状部334と型状部336とで内部に空間部が形成されている。
なお、吸引ヘッド332は、底面視において、枠型205の貫通穴部250の形状・大きさと略同一であり、吸引ヘッド332は、貫通穴部250に挿入可能に形成されている。
また、吸引ヘッド332は、図示しない移動装置により、最奧位置(後述)と枠型205の貫通穴部250の上面の位置間を移動させるとともに、貫通穴部250内を上昇及び下降させることができるようになっている。
また、粉升350は、実施例1の粉升150と略同様の構成であるが、その底面は、枠型205の上面に合わせて水平状に形成されている。
上記構成の役物タイル成形装置Bの動作について説明する。まず、役物タイル成形装置Bが、図14に示すように、初期状態にあるものとする。つまり、この初期状態においては、上型300が最上位置にあり、下型270が最下位置にあり、吸引ヘッド332が最奥位置にあり、粉升350が最左位置にある。
ここで、上型300の最上位置とは、少なくとも、吸引ヘッド332が枠型205の貫通穴部250内に移動することができ、かつ、粉升350が枠型205の上面位置になるように右方向に移動することができる程度に枠型205から離れた位置である。また、下型270の最下位置とは、押圧部280が枠型205の貫通穴部250内に挿通され、下型270の頂部280aが枠型205の上端よりも下方の位置となる位置であり、該頂部280aが枠型205の上端よりも、圧縮前のコーナー役物タイルの形状となる程度の厚みを確保できる程度に下方にある位置である。また、吸引ヘッド332の最奥位置とは、粉升350が枠型205の上面位置になるように右方向に移動でき、かつ、上型300が下降して最下位置にまで移動できる程度の位置である。なお、この初期状態においては、吸引ヘッド332は、少なくとも、粉升350が初期状態(つまり、最左位置)から枠型205の上面位置になるように移動できる程度に奥側にあればよい。また、粉升350の最左位置とは、上型300が最下位置にまで移動し、かつ、吸引ヘッド332が最下位置にまで移動することができる程度に正面視で左側の位置である。
なお、上型300の最下位置とは、上型300が下降して下型270上の原料を圧縮することができる位置である。また、吸引ヘッド332の最前位置とは、吸引ヘッド332が枠型205の貫通穴部250内に挿入された位置である。また、下型270が上昇した際の最上位置は、押圧部280の3つの傾斜面の全ての領域が枠型205の上端から露出する位置である。なお、図14〜図17において、奥側とは右側となる。
次に、粉升350が右方向(図14、図15では手前方向)に移動させて、枠型205の上面位置にまで移動させ、枠型205の上面位置で粉升350を小さく往復動させて、粉升350内の原料Gを枠型205の貫通穴部250内に投入する(原料投入工程、図15参照)。すると、貫通穴部250内の下型270の上面に原料Gが充填されることになる。
次に、原料の投入が完了したら、粉升350は左方向に移動して最左位置に戻り、その後、吸引ヘッド332が手前側(図15では左側)に移動して枠型205の貫通穴部250の上面に位置させる。そして、吸引装置本体を駆動させて、吸引ヘッド332から原料Gを吸引しながら、吸引ヘッド332を貫通穴部250内を下降させる(図16参照)。つまり、原料Gは、吸引ヘッド332の型状部336の孔部から吸引される。この吸引動作は、下型270上の原料が所定の形状(すなわち、圧縮成形前の形状)に整形するまで行う(整形工程)。つまり、下型270の原料Gが所定の厚みとなるまで吸引を行う。
吸引ヘッド332による吸引動作が完了したら、吸引ヘッド332を貫通穴部250内を上昇させて、貫通穴部250の上面に位置させた後に、最奧位置に戻し、その後、上型300を下降させて、下型270上の原料Gを圧縮成形する(圧縮成形工程、図17参照)。これにより、原料Gが成形されてコーナー役物タイルが形成される。
次に、上型300を上昇させて、最上位置に戻すとともに、下型270を上昇させて、最上位置まで上昇させることにより、コーナー役物タイルを取り出すことが可能となるので、コーナー役物タイルを取り出す。成形されたコーナー役物タイル1000は、図20に示す形状を呈していて、本体片部1002と、曲がり部1004、1006とが形成されたものとなる。
なお、図20において、本体片部1002と曲がり部1004との境界や、本体片部1002と曲がり部1006との境界や、曲がり部1004と曲がり部1006との境界は、直角に形成されているが、下型270や上型300において、傾斜面部間をアール状に形成した場合には、これらの境界もアール状に形成されることになる。
次に、成形されたコーナー役物タイル1000の縁部(エッジ)を切断して形状を整える。つまり、成形されたコーナー役物タイル1000は、図20に示すように、傾斜面が形成された縁部があるので、上記実施例1の場合と同様に、傾斜面が形成された縁部を切断して、図21に示すコーナー役物タイル1000’の形状に整える。
成形されたコーナー役物タイルは、役物タイルの原料が無釉原料の場合には、焼成を行い、一方、無釉原料でない場合には、釉薬を塗布した後に焼成を行う。
なお、成形されるコーナー役物タイルの表側の面に凹凸模様を形成する場合には、上型300に凹凸模様を形成する。つまり、上型300の押圧部310の3つの傾斜面部の少なくともいずれかに凹凸模様を形成することにより、成形される原料の表側の面に凹凸模様を形成することができる。
以上のように、本実施例の役物タイル成形装置Bによれば、枠型と上型と下型以外に圧縮成形するための可動枠型を必要としないので、設備コストを抑えることができる。つまり、本実施例では、圧縮成形するための型としては、上型のみで済むことから、設備コストを抑えることができ、特に、型枠と上型と下型とからなる従来の設備における各部を本実施例のものにすることによりそのまま利用することができるので、設備コストを抑えることができる。なお、本実施例における吸引装置330については、圧縮成形するものではないので大きなコストアップとはならない。
また、上型300の押圧部310に凹凸模様を形成しておくことにより、成形される原料に凹凸模様を形成することができる。特に、上型300の押圧部310の3つの傾斜面部は水平面に対する垂直面とは傾斜して設けられ、圧縮成形された役物タイルの外側の面は貫通穴部250の側面とは摺接しないので、役物タイルの外側の面に凹凸模様を形成しても、凹凸模様を崩すことなく容易に枠型205内から圧縮成形された役物タイルを取り出すことができる。
また、成形されるコーナー役物タイルは、表側の面を上側にして成形されるので、無釉原料の斑点模様を均等に表すことができる。
また、本実施例の役物タイル成形装置Bにおいては、上型300のみで圧縮成形するので、成形されるコーナー役物タイル1000の本体片部1002と曲がり部1004、1006との境界に境界線が形成されることがない。
また、下型270の傾斜面部294や上型300の傾斜面部324が水平面に対して略45度傾斜しているので、役物タイルの本体片部に対する圧力と2つの曲がり部に対する圧力とをほぼ均等にでき、圧縮成形前の役物タイルにおいて、全体に均一な圧縮を行うことができる。
次に、実施例3について説明する。実施例3の役物タイル成形装置Cは、上記実施例1の役物タイル成形装置Aと略同様の構成であるが、圧縮成形前の原料の充填の方法が異なる。
すなわち、実施例3の役物タイル成形装置Cは、図18、図19に示すように構成され、枠型5と、下型70と、上型100と、封入装置530とを有している。
ここで、枠型5は、上記実施例1における枠型5と同様の構成であり、また、下型70は、上記実施例1における下型70と同様の構成であり、また、上型100は、上記実施例1における上型100と同様の構成であるので、詳しい説明を省略する。
また、封入装置530は、封入装置本体(図示せず)と、封入装置本体に接続された管状部580と、管状部580の先端に設けられたカバー部570と、カバー部570に接続された封入ヘッド540とを有している。
ここで、封入装置本体は、コーナー役物タイルの原料を封入ヘッド540に対して噴射するものである。
また、封入ヘッド540は、封入ヘッド本体550と、開閉装置560とを有し、封入ヘッド本体550は、方形板状の水平状部552と、水平状部552の奥側の端部から連設された傾斜状部554と、傾斜状部554の両側の辺部から突出した突出状部556、558とを有している。
この傾斜状部554は、五角形のベース状(つまり、長方形状の上面に直角三角形状を設けた形状)の板状を呈し、その上部には、開口部559が設けられている。この傾斜状部554の下側の面が、上記第1密接面部に相当し、傾斜状部554の下側の面にも当然開口部が設けられている。
また、突出状部556は、傾斜状部554の正面視右側の傾斜辺から傾斜状部554に対して直角に設けられ、長方形状の板状を呈している。また、突出状部558は、傾斜状部554の正面視左側の傾斜辺から傾斜状部554に対して直角に設けられ、長方形状の板状を呈している。突出状部556と突出状部558とは互いに直角に接続されている。この突出状部556の内側の面が上記第2密接面部に相当し、突出状部558の内側の面が上記第3密接面部に相当する。
この突出状部556は、封入ヘッド540を枠型5に装着した場合に、水平状部552が枠型5の上面部14上に当接し、傾斜状部554が枠型5の傾斜面部24に当接し、突出状部556が枠型5の傾斜面部38に当接し、突出状部558が枠型5の傾斜面部40に当接するように構成されている。
そして、封入ヘッド540を枠型5に装着した場合に、突出状部556は傾斜面部38の切欠部をカバーし、突出状部558は傾斜面部40の切欠部をカバーし、傾斜状部554は、下型5の傾斜面部94の上方をカバーすることになる。
また、開閉装置560は、板状の蓋部562と、蓋部562を傾斜状部554に沿って移動させる開閉駆動部564とを有していて、この開閉駆動部564は、傾斜状部554の表面に沿って設けられたシャフトを有し、このシャフトに蓋部562が取り付けられていて、シャフトを突出状態とすることにより、蓋部562が開口部559を閉状態とし、シャフトを非突出状態とすることにより、蓋部562が開口部559を開状態とすることができる。つまり、開閉装置560は、原料の送出路を開閉する機能を有している。
また、カバー部570は、傾斜状部554の上部をカバーしていて、開口部559と蓋部562をカバーしている。カバー部570と傾斜状部554との接続部分は密閉された状態になっている。
また、封入ヘッド540は、図示しない移動装置により、最奧位置(後述)と枠型5への装着位置との間を移動する。
なお、実施例3においては、粉升は設けられていない。
上記構成の役物タイル成形装置Cの動作について説明する。まず、役物タイル成形装置Cが、初期状態にあるものとする。つまり、この初期状態においては、上型100が最上位置にあり、下型70が最下位置にあり、封入ヘッド540が最奥位置にある。
ここで、上型100の最上位置とは、少なくとも、封入ヘッド540が最前位置、つまり、枠型5への装着位置にまで移動することができる程度に枠型5から離れた位置である。また、下型70の最下位置とは、押圧部80が枠型5の貫通穴部50内に挿通され、下型70の傾斜面部94が傾斜面部24と面位置になる位置よりも下位置にある位置をいい、上型100による圧縮を考慮して原料の厚みが所定の厚みになるように設定される。また、封入ヘッド540の最奥位置とは、上型100が下降して最下位置にまで移動できる程度の位置である。
なお、上型100の最下位置とは、上型100が下降して下型70上の原料を圧縮することができる位置である。
次に、封入ヘッド540を移動させて、図18、図19に示すように、枠型5に装着した状態とする(封入ヘッド装着工程)。
次に、蓋部562を開いて、開口部559を開状態とし、封入装置本体から原料Gを噴射して、封入ヘッド540側に送る。すると、原料Gは、開口部559を介して封入ヘッド本体550の下側に至り、押圧部80の上面と封入ヘッド本体550間の空間に充填されていく(封入工程)。
そして、押圧部80の上面と封入ヘッド本体550間の空間に原料Gが充填されたら(充填された状態の確認は、例えば、封入時間を計測することにより行う)、蓋部562を閉状態とする。この状態では、原料Gは、該空間内で整形された状態となっている。その後、封入ヘッド550を奥側に移動させて、最奧位置に戻す(脱離工程)。
次に、上型100を下降させて、原料Gを圧縮成形する。つまり、上型100を最下位置まで下降させて、枠型5の貫通穴部50内の下型70上にある原料Gを上型100により圧縮成形する(圧縮成形工程)。その際、上型100により最下位置で間欠的に複数回圧力を掛けて圧縮成形する。これにより、原料Gが成形されてコーナー役物タイルが形成される。
次に、上型100を上昇させて、最上位置に戻すとともに、下型70を上昇させて、最上位置まで上昇させる。すると、下型70の傾斜面部94が枠型5の傾斜面部24と面一になるので、成形されたコーナー役物タイルを容易に取り出すことができる。成形されたコーナー役物タイル1000は、図20に示す形状を呈していて、本体片部1002と、曲がり部1004、1006とが形成されたものとなる。
なお、図20において、本体片部1002と曲がり部1004との境界や、本体片部1002と曲がり部1006との境界や、曲がり部1004と曲がり部1006との境界は、直角に形成されているが、下型70や上型100において、傾斜面部間をアール状に形成した場合には、これらの境界もアール状に形成されることになる。
次に、成形されたコーナー役物タイル1000の縁部(エッジ)を切断して形状を整える。つまり、成形されたコーナー役物タイル1000には、図20に示すように、傾斜面が形成された縁部があるので、上記実施例1、実施例2の場合と同様に、傾斜面が形成された縁部を切断して、図21に示すコーナー役物タイル1000’の形状に整える。
成形されたコーナー役物タイルは、役物タイルの原料が無釉原料の場合には、焼成を行い、一方、無釉原料でない場合には、釉薬を塗布した後に焼成を行う。
なお、成形されるコーナー役物タイルの表側の面に凹凸模様を形成する場合には、上型100に凹凸模様を形成する。つまり、上型100の押圧部110の傾斜面部124、126、128の少なくともいずれかに凹凸模様を形成することにより、成形される原料の表側の面に凹凸模様を形成することができる。例えば、コーナー役物タイル1000の曲がり部1004、1006の表側の面に凹凸模様を形成するには、傾斜面部126、128に凹凸模様を形成する。
以上のように、本実施例の役物タイル成形装置Cによれば、枠型と上型と下型以外に圧縮成形するための可動枠型を必要としないので、設備コストを抑えることができる。つまり、本実施例では、圧縮成形するための型としては、上型のみで済むことから、設備コストを抑えることができ、特に、型枠と上型と下型とからなる従来の設備における各部を本実施例のものにすることによりそのまま利用することができるので、設備コストを抑えることができる。なお、本実施例における封入装置530については、圧縮成形するものではないので大きなコストアップとはならない。
また、上型100の押圧部110に凹凸模様を形成しておくことにより、成形される原料に凹凸模様を形成することができる。特に、上型100の押圧部110の3つの傾斜面部124、126、128は水平面に対する垂直面とは傾斜して設けられ、圧縮成形された役物タイルの外側の面は貫通穴部50の側面とは摺接しないので、役物タイルの外側の面に凹凸模様を形成しても、凹凸模様を崩すことなく容易に枠型5内から圧縮成形された役物タイルを取り出すことができる。
また、成形されるコーナー役物タイルは、表側の面を上側にして成形されるので、無釉原料の斑点模様を均等に表すことができる。
また、本実施例の役物タイル成形装置Cにおいては、上型100のみで圧縮成形するので、成形されるコーナー役物タイル1000の本体片部1002と曲がり部1004、1006との境界に境界線が形成されることがない。
また、下型70の傾斜面部94や上型100の傾斜面部124が水平面に対して略45度傾斜しているので、役物タイルの本体片部に対する圧力と2つの曲がり部に対する圧力とをほぼ均等にでき、圧縮成形前の役物タイルにおいて、全体に均一な圧縮を行うことができる。
なお、上記の説明においては、成形されるコーナー役物タイルの本体片部の平面形状は正方形であるとして説明したが、正方形には限られず長方形状でもよい。すなわち、本体片部は方形状の板状であればよい。よって、本体片部の長方形状の板状である場合には、これに伴い、下型70の傾斜面部94や上型100の傾斜面部124も長方形状となり、下型70の押圧部80の平面形状や上型100の押圧部110の底面形状は、図6、図7に示すような左右対称の六角形の形状とはならず、左右非対称の六角形の形状となる。これに伴い、枠型5の貫通穴部50の横断面形状も、図4に示すような左右対称の六角形の形状とはならず、左右非対称の六角形の形状となる。
また、上記の説明において、枠型5の傾斜面部24や下型70の傾斜面部94や上型100の傾斜面部124は、水平面に対して45度(又は略45度)傾斜しているとして説明したが、これには限られず、水平面に対して傾斜していればよい(つまり、水平面に対して鋭角に傾斜していればよい)。ただし、成形される役物タイルの本体片部に対する圧力と曲がり部に対する圧力を均等にすることを考慮すると、上記のように45度(又は略45度)とするのが好ましい。
本発明の実施例1に基づく役物タイル成形装置の構成を示す斜視図である。 本発明の実施例1に基づく役物タイル成形装置の構成を示す正面図である。 本発明の実施例1に基づく役物タイル成形装置の構成を示す要部分解斜視図である。 本発明の実施例1に基づく役物タイル成形装置における枠型の平面図である。 本発明の実施例1に基づく役物タイル成形装置において、下型を枠型に装着した状態を示す平面図である。 本発明の実施例1に基づく役物タイル成形装置における下型の平面図である。 本発明の実施例1に基づく役物タイル成形装置における上型の底面図である。 本発明の実施例1に基づく役物タイル成形装置の動作を示す縦断面図である。 本発明の実施例1に基づく役物タイル成形装置の動作を示す縦断面図である。 本発明の実施例1に基づく役物タイル成形装置の動作を示す縦断面図である。 本発明の実施例1に基づく役物タイル成形装置の動作を示す縦断面図である。 本発明の実施例1に基づく役物タイル成形装置の動作を示す縦断面図である。 本発明の実施例1に基づく役物タイル成形装置の動作を示す縦断面図である。 本発明の実施例2に基づく役物タイル成形装置の構成と動作を示す縦断面図である。 本発明の実施例2に基づく役物タイル成形装置の動作を示す縦断面図である。 本発明の実施例2に基づく役物タイル成形装置の構成と動作を示す縦断面図である。 本発明の実施例2に基づく役物タイル成形装置の動作を示す縦断面図である。 本発明の実施例3に基づく役物タイル成形装置の構成を示す斜視図である。 本発明の実施例3に基づく役物タイル成形装置の構成と動作を示す縦断面図である。 実施例1〜3における役物タイル成形装置により成形したコーナー役物タイルの形状を示す説明図である。 完成状態のコーナー役物タイルの形状を示す斜視図である。
符号の説明
A、B、C 役物タイル成形装置
1、1’ 役物タイル成形装置本体
5、205 枠型
24、28、44、30、32、38、40、94、96、98、124、126、128、294、324、328、336a、336b 傾斜面部
50、250 貫通穴部
70、270 下型
80、110、280、310 押圧部
100、300 上型
130 治具
142、144 正面部
150、350 粉升
330 吸引装置
332 吸引ヘッド
336 型状部
530 封入装置
540 封入ヘッド
550 封入ヘッド本体
554 傾斜状部
556、558 突出状部
559 開口部
560 開閉装置

Claims (5)

  1. 方形状の板状の本体片部と、本体片部の隣接する二辺からそれぞれ立設した板状の曲がり部とを有するコーナー役物タイルの形状に粉状の原料を成形する役物タイル成形装置であって、
    柱状の押圧部を有する下型で、押圧部が、成形される上記コーナー役物タイルの本体片部の内側の面に対応した形状を有し水平面に対して傾斜した方形状の第1面部と、第1面部のある辺部から連設された第2面部で、2つの曲がり部のうちの一方の内側の面に対応した形状を有し水平面に対して傾斜した第2面部と、第1面部の該辺部に隣接する辺部から連設された第3面部で、2つの曲がり部のうちの他方の内側の面に対応した形状を有し水平面に対して傾斜した第3面部と、を上部に有し、第1面部と第2面部と第3面部とで上方に突状に形成された下型と、
    柱状の押圧部を有する上型で、押圧部が、成形される上記コーナー役物タイルの本体片部の外側の面に対応した形状を有し水平面に対して傾斜した方形状の第4面部と、第4面部のある辺部から連設された第5面部で、2つの曲がり部のうちの一方の外側の面に対応した形状を有し水平面に対して傾斜した第5面部と、第4面部の該辺部に隣接する辺部から連設された第6面部で、2つの曲がり部のうちの他方の外側の面に対応した形状を有し水平面に対して傾斜した第6面部と、を下部に有し、第4面部と第5面部と第6面部とで上方に窪んだ形状に形成され、押圧部の底面形状が下型の押圧部の平面形状と略同一の上型と、
    貫通穴部を有する枠型で、貫通穴部の横断面形状が、下型の押圧部の平面形状及び上型の底面形状と略同一で六角形形状を有し、貫通穴部内を下型の押圧部と上型の押圧部が摺動可能である枠型と、
    を有することを特徴とする役物タイル成形装置。
  2. 枠型が、下型の押圧部の第1面部に平行に設けられた第1傾斜面部と、第1傾斜面部から連設された第2傾斜面部で、下型の押圧部の第2面部に平行に設けられた第2傾斜面部と、第1傾斜面部と第2傾斜面部とから連設された第3傾斜面部で、下型の押圧部の第3面部に平行に設けられた第3傾斜面部とを有し、第1傾斜面部と第2傾斜面部と第3傾斜面部とで囲まれた領域に上記貫通穴部を有し、
    さらに、枠型に対して挿脱自在な治具で、枠型に対して装着した際に、第2傾斜面部に密接する第1密接面部と、枠型に対して装着した際に、第3傾斜面部に密接する第2密接面部とを有する治具を有することを特徴とする請求項1に記載の役物タイル成形装置。
  3. 下型の第1面部と、上型の第4面部とが、水平面に対して略45度傾斜していることを特徴とする請求項1又は2に記載の役物タイル成形装置。
  4. 枠型の貫通穴部内の下型の押圧部上に投入された原料の上部を吸引して、圧縮成形する前の状態に整形するための吸引装置で、
    圧縮成形前のコーナー役物タイルの本体片部の外側の面に対応した形状を有し水平面に対して傾斜した方形状の第7面部と、第7面部のある辺部から連設された第8面部で、圧縮成形前のコーナー役物タイルの2つの曲がり部のうちの一方の外側の面に対応した形状を有し水平面に対して傾斜した第8面部と、第7面部の該辺部に隣接する辺部から連設された第9面部で、2つの曲がり部のうちの他方の外側の面に対応した形状を有し水平面に対して傾斜した第9面部と、を下部に有し、第7面部と第8面部と第9面部に吸引用の孔部が形成された吸引ヘッドで、第7面部と第8面部と第9面部とで上方に窪んだ形状に形成され、貫通穴部に挿入可能形成された吸引ヘッドと、吸引ヘッドに接続され吸引機能を有する吸引装置本体とを有する吸引装置が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の役物タイル成形装置。
  5. 枠型が、下型の押圧部の第1面部に平行に設けられた第1傾斜面部と、第1傾斜面部から連設された第2傾斜面部で、下型の押圧部の第2面部に平行に設けられた第2傾斜面部と、第1傾斜面部と第2傾斜面部とから連設された第3傾斜面部で、下型の押圧部の第3面部に平行に設けられた第3傾斜面部とを有し、第1傾斜面部と第2傾斜面部と第3傾斜面部とで囲まれた領域に上記貫通穴部を有し、
    役物タイル用の原料を、枠型の貫通穴部内の下型の押圧部上に圧縮成形前の形状の整形した状態で封入する封入装置で、
    原料を送出する封入装置本体と、
    封入装置本体から送出された原料を封入するための封入ヘッドで、
    枠型に封入ヘッドを装着した場合に、枠型の第1傾斜面部に密接する第1密接面部で、少なくとも一部が圧縮成形前の役物タイルの本体片部の外側の面に対応した形状を有し、封入装置本体側と連通した開口部が設けられた第1密接面部と、
    第1密接面部から連設された第2密接面部で、枠型に封入ヘッドを装着した場合に、枠型の第2傾斜面部に密接する第2密接面部と、
    第1密接面部と第2密接面部とから連設された第3密接面部で、枠型に封入ヘッドを装着した場合に、枠型の第3傾斜面部に密接する第3密接面部と、
    開口部に連通した原料の送出路を開閉する開閉装置と、を有する、枠型に挿脱自在な封入ヘッドと、を有する封入装置が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の役物タイル成形装置。
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