JP2007316054A - 信号分析システムの信号パス校正方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】被試験デバイスの測定において、信号分析システムを被試験デバイスにロードすることによる影響を除去する。
【解決手段】被試験デバイスの測定において信号分析システムをロードすることによる影響をほぼ除去できるように信号分析システムの信号パスを校正する。被試験デバイスからの被試験信号を信号パス中の試験プローブに供給する。このとき、被試験デバイスの伝達パラメータの特性を記述するために、試験プローブ中にある複数のインピーダンス負荷を選択的に用いる。周波数領域又は時間領域の等化フィルタが、被試験デバイスの複数の伝達パラメータから計算され、測定のための被試験デバイスへのロードが原因の信号誤差を低減する。
【選択図】図1

Description

本発明は、信号分析システムに関し、特に、被試験デバイスへのプローブ・チップのロード(load)及び信号分析システムにおける信号パス伝送誤差を原因とする測定誤差を低減するためのシステム、装置及び方法に関する。
デジタル・ストレージ・オシロスコープ(DSO)のような信号取込み及び分析装置に使用される代表的なプローブのインピーダンスは、周波数で変化する。代表的なプローブの例では、直流で100k乃至200kオームのインピーダンスがあるものの、1.5GHzに行くにしたがい200オームまで低下する。帯域が広いプローブほど、低いインピーダンス値まで低下する。
特開平11−326413
周波数増加に伴うこのインピーダンスの低下は、多数の回路がプローブされている事実をあわせて考えると、25−150オームの範囲で相対的に出力インピーダンスが低くなり、結果として被測定回路へのプローブのロード(load)が重大な影響を与えることなる。このような回路にロードしたプローブを介して取り込んだ波形は、プローブを導入する前の回路の電圧を正確に表すものでないかもしれない。
従来技術の上述したものを含めたその他の課題は、本発明によるシステム、装置及び方法によって取り扱われ、例えば、プローブ・チップを被試験デバイスにロード(load)することが原因の測定誤差や、被試験デバイスを含む信号パス中の伝送誤差を減少させる。簡潔に言えば、本発明は、信号分析システムの信号パスを校正する方法を提供し、システムにおけるロード及びスルーの影響を測定からほぼ除去できる。結果として、ユーザは、被試験回路に信号分析システムを取り付ける前に現れるであろう、被試験回路中の信号を表す時間領域の表示を見ることができる。
具体的には、本発明の1つの実施形態による装置は、関連するインピーダンスを有する試験プローブとの使用に適したもので、プローブのインピーダンスに関する伝達パラメータを記憶するメモリと、記憶された伝達パラメータに応じて試験プローブの入力インピーダンスを効果的なものに変更するインピーダンスを制御可能なデバイスとを有している。
信号分析システムは、信号パスが校正され、プローブを介して被試験デバイスに接続されるデジタル化装置と、信号パス中に配置されるインピーダンスを制御可能なデバイスとを有している。信号分析システムは、デジタル化装置と関連する伝達パラメータを記憶するメモリ、プローブ、インピーダンスを制御可能なデバイス中のセレクタブル・インピーダンス負荷を有している。デジタル化装置は、信号パスを介して被試験デバイスから被試験信号を受け、これの時間領域デジタル・サンプルを取込む。コントローラは、関連するメモリを有し、デジタル化装置と通信し、更にオプションでインピーダンスを制御可能なデバイスと通信し、インピーダンス制御可能デバイス中の複数のインピーダンス負荷から選択された1つのインピーダンス負荷を選択的に被試験デバイスに接続する。コントローラは、選択されたインピーダンス負荷の夫々について被試験信号の取り込まれた時間領域デジタル・サンプルを受けて、これを選択されたインピーダンス負荷の夫々についてスペクトラム表現へ変換する。コントローラは、選択されたインピーダンス負荷の夫々についてスペクトラム表現からスペクトラム・ドメイン内で被試験デバイスの伝達パラメータの特性を記述し、記述した伝達パラメータから等化フィルタと、被試験デバイスの測定で生じる被試験デバイスのロードの影響と、システム中の伝送誤差を補正するのに適した複数のインピーダンス負荷から選択されたインピーダンス負荷の1つのスペクトラム表現とを計算する。
本発明の校正方法では、プローブと、オプションでデジタル化装置の入力チャンネルとを含む信号パスを校正するように動作し、これによってシステム中の伝送誤差を含むDUT(又は回路)の測定における信号を劣化させるプローブ等の影響を除去する。この除去処理は、2ポートSパラメータ又はTパラメータ表現を用いて、信号パス中のプローブやその他の要素の特性を記述することで行われる。2ポートSパラメータ又はTパラメータ表現は、デジタル化装置内の取り込まれたサンプル・ストリームの処理に使用されるインピーダンス制御可能デバイス及び/又はフィルタ・パラメータ内のインピーダンス正規化パラメータを調整するのに用いても良い。
被試験デバイスから供給される信号は、校正処理用の信号源として使用される。被試験信号は、種々のインピーダンス負荷条件下で取り込まれ、これら負荷にはプローブのインピーダンス負荷と、インピーダンス制御可能デバイスの選択されたインピーダンス負荷が含まれる。周波数領域の結果bsは、入射信号夫々についてFFT変換を用いることで、信号の取込み処理夫々について得られる。被試験デバイスに関するTパラメータは、周波数領域信号から計算され、被試験デバイスの測定ポイントについての開放回路電圧vopenが計算される。vopenが計算された後、周波数領域等化フィルタがvopen応答及び選択された校正インピーダンス負荷の測定された入射信号の変換されたものから計算される。得られた等化フィルタは、IFFTを用いて時間領域に変換しても良い。別のやり方としては、IFFTを用いてvopen応答を時間領域に変換し、時間領域vopen応答を用いて時間領域等化フィルタと、時間領域で測定された選択された校正インピーダンス負荷の入射信号を計算する。
本発明の目的、効果、新規性は、特許請求の範囲の記載及び図面と併せて以下の詳細な記載を読むことで明らかとなろう。
図1は、本発明に従って配置した被試験デバイスを含む信号分析試験システム100の概略ブロック図である。具体的には、プローブ110は、デジタル・ストレージ・オシロスコープ(DSO)200のような信号分析装置で使用できるように接続され、被試験デバイス(DUT)120からの被試験信号(SUT:Signal under test)をこれに供給する。プローブ正規化フィクスチャ300が、選択的にDUT120とプローブ110の間に配置される。
本発明は、プローブ110とオプションでDSO入力チャンネルとを含めた信号パスを校正する動作を行い、これによって、システム中の伝送誤差を含むDUT(又は回路)の測定で生じる夫々における信号劣化の影響を取り去る(つまり、除去する:de-embed)ものである。この除去処理は、プローブ110及び他の要素の特性を2ポートSパラメータ又はTパラメータ表現で記述し、この表現を用いて、プローブ正規化フィクスチャ300内のインピーダンス正規化パラメータや、DSO200内の取り込まれたサンプルのストリームを処理するのに使用されるフィルタ・パラメータを調整できる。
本発明は、Sパラメータ又はTパラメータの2ポート行列を用いて、測定信号パスに関係する各要素をモデル化する。オプションとして、モデル化しない要素があっても良い。Tパラメータを用いると、システム・モデルの各要素の2ポート行列は、単純にそれらが信号パスで生じる順番でそれらを掛け算すれば計算できる。Tパラメータは、伝達パラメータであり、Sパラメータから求められる。様々な実施形態において、本発明は新しい方法と関連するプローブ正規化フィクスチャを提供し、このプローブ正規化フィクスチャによって被試験デバイス120の測定においてプロービングの影響を除去できる。
正規化フィクスチャ300やプローブ110のTパラメータは、フィクスチャ300自身、プローブ110又はDSO200に記憶すれば良い。1つの実施形態としては、プローブ110のTパラメータはプローブ110が記憶し、フィクスチャ300のTパラメータはフィクスチャ300が記憶する。オプションとしてオシロスコープのチャンネルTパラメータはDSO200に記憶される。
DUT120から供給された信号は、校正処理の信号源として利用される。この校正モードでは、DSO200が、様々なインピーダンス負荷状態下にある被試験信号を測定のために取込む。1つの実施形態では、被試験信号の信号パスは、校正モード及び非校正モードの両方の動作時において、プローブ正規化フィクスチャ300を通るパスである。この場合では、ボタンを1つ押すだけの自動校正処理が可能となる。手動による校正の実施形態では、校正モードの一部において、被試験信号がDUT120からプローブ110に直接供給され、校正モードの残りにおいて、プローブ正規化フィクスチャ300を介して間接的に供給される。この実施形態では、非校正モード動作時には、プローブ正規化フィクスチャ300を信号パスから外し、プローブ110をDUT120に直接接続しても良い。図1中、実線はプローブ正規化フィクスチャ300を介した信号パスを示し、点線はDUT120とプローブ110を直接接続する信号パスを示す。図1に示したプローブのパスには、2つのプローブ・パスがあり、これは差動プローブなどの使用を想定したものであることに注意されたい。他の実施形態としては、シングル・エンド又は非差動プローブを用いたものがあり、この場合、第1パスを被試験信号が通過し、第2パスはコモン又はグランド点に接続される。
大まかに言えば、上記校正処理によってDUT120からの被試験信号を用いてDUT120の特性を把握できるので、プローブ正規化フィクスチャ300において選択的に切り替えて用いる等化フィルタのようなインピーダンス負荷を計算できる。等化フィルタは、以下で詳述するように、時間領域又は周波数領域のどちらでも実現できる。等化フィルタは、非校正モードでDUTから取り込んだサンプルを処理するのに使用される。この処理では、信号劣化又はDUTから供給される被試験信号に与えられた悪影響をシステム100内で補正し、DUTを信号分析システム100に装着した影響や信号分析システム100の信号パス内の伝送誤差を効果的に除去する。もしDUT120と正規化試験フィクスチャ300内の切替負荷の相対的な時定数が小さければ、被試験信号の群遅延は、被試験信号でDSO200がトリガされた時に計算される等化フィルタの精度にわずかな影響しか与えない。他の場合では、好ましくは被試験信号から分離した同期式トリガ信号をDUT120からDSO200の外部トリガ入力端子に供給する。同期式トリガ信号によって、DSOは、校正中、被試験信号の群遅延に影響されないトリガ信号を確実に受けることができる。同期式トリガ信号は、被試験信号と同期した外部トリガ信号源で生成するようにしても良い。
プローブ・パス(この例では2つ)は、DUT120に第1デバイス試験ポイントDTP1及び第2デバイス試験ポイントDTP2で接続される。オプションとして、DUT120の内部に回路125がある。回路125には第1回路試験ポイントCTP1及び第2回路試験ポイントCTP2があり、CTP1はDTP1に、CTP2はDTP2に接続される。例えば、DUT120は集積回路(IC)を含み、ICは試験ポイントDTP1及びDTP2と関係するピンを含む多数のピンを有し、そのダイ(die)には回路試験ポイントCTP1及びCTP2がある。これら試験ポイントの違いと、試験ポイントに関連した動作パラメータの特性把握については、図5を参照して以下で詳述する。
オプションとして、ユーザは、信号劣化又はオシロスコープ・プローブ・チップ及び被試験デバイスの測定ポイント間の特性を補正するようため、2ポートSパラメータ又はTパラメータ表現のような数学モデルを、信号測定パスに挿入しても良い。このようにして、集積回路(IC)は、複数の試験ポイントでプローブされ、試験ポイント(例えば、DTP1、DTP2)とダイのインターフェース(例えば、CTP1、CTP2)間の信号パスで数学的補正を行いながら、ダイ自身における信号を正確に表す分析用の電圧又は信号を供給する。大まかに言えば、本発明は、得られた伝達パラメータを利用するもので、例えば、ユーザは試験プローブ110とDUT120間の回路特性を等化フィルタなどの計算といったことで把握し、これをプローブ110とDUT120間の回路で生じるDUT120設置による影響の補正に適用する。また、追加の伝達パラメータを挿入してもよく、これは、ダイのレイアウト、パッケージ、DUT出力回路などが異なるなど、異なる中間回路(つまり、DUT又はDUTの一部と試験プローブの間)の影響を決定するのに有効である。
図2Aは、後述する校正処理を実現する信号分析システム100の一例を示す図である。具体的には、図2Aは、本発明の実施形態を描いたもので、DSO200(オプションでSパラメータやTパラメータを記憶する)がプローブ110に接続されている。DSO200は、外部トリガ入力ジャックを介して被試験信号に同期したトリガ信号の供給を受けるようにしても良い。プローブ110は、オプションでSパラメータやTパラメータをプローブ・コネクタの筐体内の例えば不揮発性メモリに記憶するようにしても良い。プローブ正規化フィクスチャ300は、後述のように複数の負荷やインピーダンス行列を保持し、プローブを装着するプローブ・チップ・フィクスチャ340として構成される。プローブ・チップ・フィクスチャ340は、また、DSO200からの通信リンクを受けられるようになっている。プローブ・チップ・フィクスチャ340は、オプションで自身のSパラメータやTパラメータを記憶する。プローブ・チップ・フィクスチャ340は、2つのプロービング・チップを有するのが好ましく、これらはDUT120をプローブし、差動信号をプロービングするか又は関係するグランドと共にシングル・エンド信号をプロービングするかのどちらかに適応する。なお、図2Aでは、プローブ・チップ・フィクスチャ340とDSO200間の通信リンク・ケーブルを独立したものとして描いているが、プローブ・ケーブルに一体に統合しても良いことに注意されたい。また、プローブ・チップ・フィクスチャ340の機能をプローブ110内に保持するようにしても良い。
プローブ・チップ・フィクスチャ340は、単独のユニットとしても良いし、プローブ110内に内蔵するようにしても良い。大まかに言えば、プローブ・チップ・フィクスチャ340には、DUT120と接続するための複数の入力プローブ・ピンの1セット(組)と、プローブ110と接続するための複数の出力プローブ・ピンの1セットとがある。プローブ・チップ・フィクスチャ340がプローブ110に内蔵されている場合では、DUT120とプローブ110間の回路パスからプローブ・チップ・フィクスチャ機能の取捨を容易にするための電気的又は機械的な選択機構をプローブ110内に設けても良い。
自動校正の実施形態では、プローブ正規化フィクスチャ300が試験プローブ110と被試験デバイス(DUT)120の間に挿入されるプローブ・チップ・フィクスチャ340を有し、1ボタン・プレス(ボタン1つ押すだけの)校正処理の間に利用される。この校正処理は、外部の電圧源を利用せず、被試験デバイスが供給する被試験信号だけを利用する。プローブ・チップ・フィクスチャ340は、複数のインピーダンス負荷(抵抗性やリアクタンス性のインピーダンス)と、オプションでインピーダンス負荷のバイパス(迂回パス)とを有し、これらはプローブ110に基づき、また、被試験デバイス又は被試験デバイスで生成される信号に応じて選択される。複数のインピーダンス負荷は、抵抗性、容量性又は誘導性要素の直列、並列又は直列と並列の組み合わせから構成される。複数のインピーダンス負荷は、受動でも能動でも良く、リレーや固体スイッチング・デバイスなどの選択機構を用いて選択されるようにしても良い。後述する2ポート・ネットワーク・モデルでは、複数のインピーダンス負荷は、被試験デバイスからの差動の被試験信号に対して対称となっている。インピーダンス負荷の対称性は、差動信号のコモン・モードを抑制するために必要である。複数のインピーダンス負荷は、1つの負荷又はインピーダンス行列にアレンジできる。複数のインピーダンス負荷は、DUT及びプローブ入力端子と並行な信号パスに挿入しても良いし、これらと直列な信号パスに挿入しても良い。インピーダンス負荷の複数のバイパスを用いると、被試験信号はプローブ入力端子に直接供給される。インピーダンス負荷のバイパスの1つは、DUTとプローブ入力端子に並列な信号パスにインピーダンス負荷が挿入されていない並列に開放の状態である。インピーダンス負荷のバイパスは、もう1つとしては、DUTとプローブ入力端子に直列な信号パスにインピーダンス負荷が挿入されず、直列に短絡した状態である。プローブ・チップ・フィクスチャ340は、プローブ110を受ける単独のユニットとしても良いし、プローブ自身に内蔵するようにしても良い。
プローブ・チップ・フィクスチャ340は、手動校正の第1実施形態においても使用できる。この実施形態では、校正モードの一部で、被試験信号はDUT120とプローブ110を直接接続した信号パスに供給され、校正モードの残りで信号パスにプローブ・チップ・フィクスチャ340が挿入される。自動校正の実施形態のように、この校正処理でも外部電圧源を用いず、被試験デバイスから供給される被試験信号だけを使用する。複数のインピーダンス負荷から選択されたインピーダンス負荷は、校正中に信号パスに挿入される。この実施形態では、プローブ・チップ・フィクスチャ340は校正モードの後は取り除かれ、プローブ110が校正された試験ポイントに直接接続される。
図2Bは、手動校正の実施形態を描いたもので、プローブ正規化フィクスチャ300はプローブ装着アダプタ350として具体化され、これは試験プローブ110と被試験デバイス(DUT)120の間に挿入される。各プローブ装着アダプタ350は、1つのインピーダンス負荷と、DUT120を電気的にプローブする好適には2つのプロービング・チップを有し、これらプロービング・チップは、差動信号のプロービング又は対応するグランドと共にシングル・エンド信号のプロービングに適している。プローブ装着アダプタ250は、更にアダプタ350のプローブ・チップを試験プローブ110のプローブ・チップに電気的に接続するための電気コンタクトを有している。上述したプローブ・チップ・フィクスチャ340の複数のインピーダンス負荷のように、各プローブ装着アダプタ350中のインピーダンス負荷は、対称で、直列、並列又は直列と並列の組み合わせによる抵抗性、容量性又は誘導性要素で構成される。インピーダンス負荷は、DUTとプローブ入力端子に並列な信号パスに挿入しても良いし、DUTとプローブ入力端子と直列な信号パスに挿入しても良い。この手動校正の実施形態では、試験プローブ110はDUTの試験ポイントに直接接続され、被試験信号はDUT120とプローブ110間を直接接続した信号パスを通過し、この被試験信号から被試験信号の複数のサンプルが取り込まれる。プローブ装着アダプタ350は、選択したインピーダンス負荷を試験プローブ110に接続し、信号パスに挿入する。被試験信号の複数のサンプルは、信号パス中のインピーダンス負荷で取り込まれる。増設用のプローブ装着アダプタ350を試験プローブに接続し、被試験信号の追加サンプルの取込みのために信号パスに挿入するようにしても良い。自動の実施形態のように、この手動校正処理は、外部の電圧源を利用せず、被試験デバイスが供給する被試験信号だけを利用する。この実施形態では、プローブ装着アダプタ350は校正モードの後に信号パスから除去され、プローブ110は校正された試験ポイントに直接接続される。
ここで、S及びTパラメータの関係を簡単に説明する。本発明の説明に必要な範囲で、主にTパラメータに関して説明するが、Tパラメータの代わりにSパラメータを用いても良い。即ち、Tパラメータの記憶及び使用についての記述する部分はどれもSパラメータで置き換えても良い。Tパラメータは、Sパラメータからアルゴリズムを処理することで計算できる。T及びSパラメータの関係は、次の数1及び数2で与えられる。
Figure 2007316054
Figure 2007316054

図3は、信号分析システム100と一緒での使用に適したデジタル・ストレージ・オシロスコープの機能ブロック図である。具体的には、DSO200は、アナログ・デジタル(A/D)変換回路212、クロック信号源230、トリガ回路232、取込みメモリ240、コントローラ250、入力デバイス260、表示装置270及びインターフェース・デバイス280を有する。被試験信号(SUT)は、A/D変換回路212とトリガ回路232に供給される。トリガ回路232で、被試験信号と同期した外部トリガ信号を受けるようにしても良い。A/D変換回路212は、被試験信号を受けて、クロック信号源230で生成されたクロック信号CLKに応じて被試験信号をデジタル化する。クロック信号CLKは、A/D変換回路212が最高サンプリング・レートで動作するように調整されたクロック信号が好ましいが、他のサンプリング・レートを選択しても良い。クロック信号源230は、オプションで、コントローラ250で生成されるクロック制御信号CC(図示せず)に応じて、クロック信号CLKに関する周波数やパルス幅のパラメータを変更するようにしても良い。なお、A/D変換回路212は、プローブ(図示せず)を介して被試験信号を受けるが、このプローブは差動プローブ又はシングル・エンド(つまり、非差動)プローブで良い。
A/D変換回路212で生成されたデジタル化された出力信号SUT’は、取込みメモリ240に記憶される。取込みメモリ240は、コントローラ250と共に動作して、A/D変換回路212が供給するサンプルを記憶し、A/D変換回路212からのサンプルが更なる処理又は分析のためにコントローラ250へ供給されるように制御される。
コントローラ250は、DSO200の様々な動作を制御するために使用される。コントローラ250は、取込みメモリ240内に記憶されたデータ・サンプルについて多様な処理及び分析動作を行う。コントローラ250は、具体的には種々のキーやポインディングデバイスなどの入力デバイス260を介してユーザの命令を受ける。コントローラ250は、具体的には陰極線管(CRT)、液晶表示装置(LCD)などの表示装置270に画像関連のデータを供給する。コントローラ250は、オプションで汎用インターフェースバス(GPIB)、インターネット・プロトコル(IP)、イーサネット(登録商標)などの通信リンクCOMMと、インターフェース・デバイス280を介して通信するようにしても良い。なお、インターフェース・デバイス280は、使用される特定の通信ネットワークに応じて選択される。コントローラ250の実施形態は、以下で更に詳しく説明する。
信号分析装置200は、入力デバイス260からのユーザの命令によって、トリガ閾値及びA/D変換回路212からのデジタル・サンプルを記憶するためのプリ及びポスト・トリガ時間が設定される。デジタル・サンプルは、最初は取込みメモリ中の循環型バッファに記憶される。循環型バッファは、連続的にA/D変換回路212からのデジタル・サンプルを記憶し、一旦、循環型バッファが満杯になると、デジタル・サンプルのより古いものから順番に新しいデジタル・サンプルで上書きしていく。トリガ回路232は、被試験信号がトリガ閾値と交差してからポスト・トリガ時間の後、循環型バッファにデジタル・サンプルを記憶するのを止めるために、取込みメモリに出力するトリガ信号を生成する。もしDSOが同期式トリガ信号でトリガされる場合では、トリガ回路232は、同期式トリガ信号がトリガ閾値と交差してからポスト・トリガ時間の後、循環型バッファにデジタル・サンプルを記憶するのを止めるために、取込みメモリに出力するトリガ信号を生成する。循環型バッファの内容は、取込みメモリ240内に波形記録として蓄積される。
図3のDSO200は、1つの被試験信号のみを受けるように描かれている。しかし、当業者であれば、DSO200が多数の被試験信号を受けて処理できることが理解できよう。各被試験信号は、対応するA/D変換回路212で処理されるのが好ましく、A/D変換回路の夫々は、共通又は夫々用のクロック信号源230等のクロック信号源から供給されるクロック信号CLKを用いてクロックされる。追加されるデジタル化された被試験信号は、夫々取込みメモリ240又は追加の取込みメモリ(図示せず)に供給される。追加の取込みメモリは、どれも直接又は追加の処理要素を介して間接的にコントローラ250と通信する。
コントローラ250は、プロセッサ254と、種々のプログラム259P(例えば、構成ルーチン)及びデータ259D(例えば、試験システム内の1つ以上の構成要素に関するT又はSパラメータ)を記憶するメモリ258を有している。プロセッサ254は、メモリ258に記憶されたソフトウェア・ルーチンの実行を助ける回路はもちろんのこと、電源、クロック回路、キャッシュ・メモリなどの周知の支援回路256と協力しながら動作する。ここでソフトウェアで処理するとして説明する処理ステップのなかには、例えば、プロセッサ254と共同して種々のステップを行う回路などのハードウェア内で実現しても良いものがある。コントローラ250は、入出力(I/O)回路252を有し、これはコントローラ250と通信する多様な機能要素との間のインターフェースを構成する。例えば、コントローラ250は、信号パスINを介して入力デバイス260と通信し、信号パスOUTを介して表示デバイス270と通信し、信号パスINTを介してインターフェース・デバイス280と通信し、信号パスMBを介して取込みメモリ240と通信する。コントローラ250は、更に、ここで触れた追加のチャンネル、被試験信号処理回路、スイッチ、間引き回路などの追加の機能要素(図示せず)と通信するしても良い。なお、コントローラ250のメモリ258は取込みメモリ240内に含む形としても良く、逆にこの取込みメモリ240がコントローラ250のメモリ258内に含む形でも良く、更には、メモリを共有として適宜分配して使用しても良い。
コントローラ250は、本発明に従って種々の制御機能を実行するようプログラムされた汎用コンピュータとして記述してきたが、本発明は、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)といったハードウェアでも実現できる。このように、ここで説明した処理ステップは、ソフトウェア、ハードウェア又はこれらの組み合わせで等価的に実行できるものと広く考えることができる。
図4は、信号分析システム100での使用に適したプローブ・チップ・フィクスチャ340の機能ブロック図である。具体的には、図4のプローブ・チップ・フィクスチャ340は、通信リンク/コントローラ310、S又はTパラメータ・メモリ320、セレクタブル・インピーダンス行列330を有している。S/Tパラメータ・メモリ320は、プローブ110と、オプションでDUT120、回路125、DSO200又はユーザが用意するパラメータのいずれかに関するS又はTパラメータを記憶するのに使用される。メモリ320に記憶されるパラメータは、具体的には、通信リンク/制御回路310を介して供給される。通信リンク/制御回路310は、使用にあたって、具体的にはイーサネット(登録商標)、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)などの通信リンクCOMMを介して、信号分析装置(例えば、DSO200)、コンピュータ(図示せず)などの信号分析システムコントローラに接続される。通信リンク/制御回路310は、また、制御信号CZを用いてセレクタブル・インピーダンス行列を制御する。
セレクタブル・インピーダンス行列330は、複数の行列形態に配置されたインピーダンス要素Zを有している。具体的には、第1行中の第1インピーダンス要素はZ11として示され、一方、第1行中の最後のインピーダンス要素はZ1nとして示される。同様に、第1列中の最後のインピーダンス要素はZm1と示され、一方、n番目列の最後のインピーダンス要素はZmnと示される。なお、ここではセレクタブル・インピーダンス要素をm×nの格子又は行列として記述したが、もっと単純なインピーダンス要素の配列としても良い。また、インピーダンス要素の夫々は、抵抗性要素、容量性要素、誘導性要素及び能動又は受動インピーダンス要素の組み合わせとしても良い。インピーダンス行列330は、能動又は受動インピーダンスの直列、並列、直列及び並列の組み合わせによって、被試験デバイス(又は回路)及びプローブ110間のインピーダンスを正規化する目的を達成する。
大まかに言えば、インピーダンス要素行列330の目的は、プローブ110の入力インピーダンスを被試験デバイス120(又は回路125)の出力インピーダンスに適合させ、充分な信号をプローブに通しつつ、必要以上に被測定信号のパラメータが負荷されるのを防止するか、又は少なくとも低減することである。同時に、適切なDUT120の装着したときに、校正処理中に良い信号対ノイズ比を示すよう種々の負荷レンジを提供しなければならない。インピーダンス行列330は、付加的な正規化が行えるよう変形しても良い。つまり、プローブ110だけを正規化するのでなく、プローブ110を用いるDSO200の入力チャンネルと組み合わせたプローブ110を正規化するのにプローブ・チップフィクスチャ340も利用しても良い。他の種々の置き換えについては、当業者であれば理解し、本発明の以下において示すところでもある。
S/Tパラメータ・メモリ320は、不揮発性メモリを有しても良く、ここにプローブ・チップ・フィクスチャ340の負荷に関するS又はTパラメータが記憶される。S又はTパラメータは、プローブ・チップ・フィクスチャ340の複数のインピーダンス負荷及びインピーダンス負荷のバイパスの夫々について定められる。インピーダンス負荷のバイパスは、正規化フィクスチャ中の複数のインピーダンス負荷を迂回(バイパス)してDUTをプローブ入力端子に接続する。しかし、これらの接続には、夫々固有のインピーダンス特性があり、また正規化フィクスチャのインピーダンス特性にも影響される。そのため、インピーダンス負荷のバイパスのためのS又はTパラメータが決定され、S/Tパラメータメモリ320に記憶される。これらS又はTパラメータは、通信リンクCOMMを介してDSO200又はコンピュータに供給しても良く、これによってDSO200又はコンピュータ内で付加的な処理を実行しても良い。
1つの実施形態では、プローブ又はプローブ正規化フィクスチャ300は、例えば、異なる被試験デバイス、異なる試験プログラムなど(例えば、電流プローブ、電圧プローブ、高電力プローブなど)による使用に適した複数のプローブ・チップとともに使用される。これらプローブ・チップの夫々は、Tパラメータ又はSパラメータで特性が表現され、これらTパラメータ又はSパラメータは、プローブ正規化フィクスチャ300のメモリ320内に記憶できる。1つの実施形態では、通信リンク/コントローラ310が取り付けられたプローブ・チップのタイプを検出し、メモリ320内のT又はSパラメータを適合するものに変更する。このように、正規化フィクスチャ300の特定のプローブ・チップと関係するTパラメータ又はSパラメータが、試験する回路を記述する複数の式のセットに含まれるようにすると良い。また、1つ以上のプローブ・チップと関係するTパラメータ又はSパラメータを、プローブ、プローブ・チップ、オシロスコープ又はフィクスチャ内のメモリに記憶するようにしても良い。
図5は、2ポート・モデルの例と、対応する信号パスの式を示したもので、これは信号分析システム100内の複数の要素を、2ポート・ネットワークのTパラメータの直列接続としてモデル化している。大まかだが、差動システム用のS又はTパラメータは、4ポート・ネットワーク・モデルとして以下の式に示されるようにモデル化される。
Figure 2007316054
ここでTddは差動Tパラメータ、Tccはコモン・モードのTパラメータ、Tdcはある要素がコモン・モード信号で刺激されて差動信号が測定されるときに生じるモード変換、Tcdはある要素が差動モード信号で刺激されてコモン・モード応答が測定されるときに生じるモード変換である。以下の2ポート・ネットワーク・モデルでは、信号分析システム100がコモン・モード成分を無視できるような高い同相除去比を持つものと仮定する。図5のモデル400(及び対応する等式400)は、被試験デバイスの2ポート・ネットワーク410(Tdで示す)、フィクスチャの2ポート・ネットワーク420(Tfで示す)、プローブの2ポート・ネットワーク430(Tpで示す)及びオシロスコープの2ポート・ネットワーク440(Tsで示す)から構成される。DUT2ポート・ネットワーク410は、DUTネットワーク412(Td)とユーザ・モデル414(Tuで示す)を含むとして表現される。
ユーザ・モデル2ポート・ネットワーク414(Tu)は、オプションで設けられ、被試験デバイスのハードウェア部分のTパラメータ・モデルを与える。例えば、ユーザ・モデル414は、アクセス可能な部分(つまり、ここにプローブは動作可能に接続される)と、通常DUT内でアクセスできない所望の試験部分(つまり、ダイの端や内部の部分)との間のDUT部分の動作特性を表現するのに使用できる。ユーザ・モデルは、ユーザがSパラメータ・モデル(又はTパラメータ・モデル)を例えばDSOにロードすることで、こうしたことを取り入れる。これは校正処理の一部となる。例えば、もしユーザがICピンからダイ・チップへのボンド・ワイヤの接続部分に関するSパラメータを知っていれば、この接続部分のTパラメータ・モデルが計算の中でTu行列として含まれる。システム校正の後、ICピンのプローブには、ダイ・チップ信号レベルを表す波形が得られる。
大まかに言って、本発明は、信号パスに挿入された選択された校正インピーダンス負荷夫々について、測定された入射信号bsのFFT変換を用いて得られる周波数領域の結果を得るために動作する。最終のvopenを計算した後、周波数領域の等化フィルタがvopen応答及び選択された校正インピーダンス負荷の変換後の測定された入射信号bsの1つを用いて計算される。得られた等化フィルタは、IFFTを用いて時間領域に変換しても良い。また、vopen応答はIFFTを用いて時間領域に変換しても良く、時間領域の等化フィルタを時間領域vopen応答と選択された校正インピーダンス負荷の時間領域の測定された入射信号の1つを用いて計算しても良い。
説明の都合上、いくつかの仮定を導入する。最初に導入するのは、DUT2ポート・モデルは、入射信号aと反射信号bの入力があるとの仮定で、ここでaとbはa+b=1のように正規化される。Td(ユーザDUT)は、内部信号と持つとし、これは正規化Tdパラメータと呼ばれる。また、信号分析システムは連続するSパラメータ2ポート・ネットワークとしてモデル化されると仮定され、これは行列を容易に解くため、T伝達パラメータに変換される。これら2ポート・ネットワークは、ユーザの被試験回路を表し、左から右へDUT、ユーザDUTモデル、フィクスチャ、プローブ及びオシロスコープの順番で並べられる。
測定の式を簡単にするため、オシロスコープ及びその入力コネクタは名目上フラットな周波数応答を有すると仮定する。ポート・モデルTdへの入力電圧をa+bとし、a+bはTd回路の内部にあってその入力ポートにおいて定電圧源である。オシロスコープの入力チャンネル及びコネクタは、関係する帯域幅に渡って比較的フラットな50オームのインピーダンス・マッチを提供するものと仮定する。しかし、測定の他のバージョンでは、オシロスコープ応答のパラメータを考慮しても良い。これは、オシロスコープTパラメータが正規化に含まれることを排除するものではない。オシロスコープを構成できるSパラメータ・モデルの2ポート出力端子においてasがゼロに等しいという仮定も可能である。
Figure 2007316054
ここで:
TdはDUTの伝達パラメータ
Tuは被試験回路の一部分のユーザ・モデル
Tfはプローブ試験フィクスチャの伝達パラメータ
Tsオシロスコープの伝達パラメータ
Tpはプローブの伝達パラメータ
sはDSOの出力端子で測定された電圧
sはDSOの出力端子で反射された電圧(この展開ではゼロと仮定する。ただし、他の展開及び実施では含めても良い)

a+b=1とas=0の仮定を考慮すれば、式3は以下のように書き換えることができる。
Figure 2007316054
Figure 2007316054

ここで
Figure 2007316054
DUT120にスイッチされた選択されたインピーダンス負荷とインピーダンス負荷のバイパスの夫々は、Tfの異なるセットを有することに注意されたい。Tf及びTpの値は、製造時に測定され、プローブ及びプローブ・チップ・フィクスチャ340の夫々に記憶される。自動校正モードでは、Tfの選択されたインピーダンス負荷の夫々でbsを測定し、適当な式の組を解くことでTdの値が計算される。自動校正モードについての試験設定によって、プローブ・チップ・フィクスチャ340をDUT120に接続し、プローブ110を試験フィクスチャに接続する。手動校正モードでは、Tdの値はプローブ負荷Tpと選択されたインピーダンス負荷Tfでbsを測定し、適当な式の組を解くことによって計算される。手動校正モードについての試験設定によって、好ましくはプローブ110をDUT120に接続することで、最初の被試験信号サンプルを取り込み、そしてプローブ・チップ・フィクスチャ340又はプローブ装着アダプタ350から選択されたインピーダンス負荷を接続し、選択された各インピーダンス負荷について追加の被試験信号のサンプルを取込む。bsは、
サンプル取込みの夫々について測定され、Tdの値は適当な等式の組を解くことで計算される。
図6は、本発明の実施形態に従ったフローチャートである。図6の方法500は、例えば、図1のシステム100で使用するのに適している。この方法は、上述の2ポート・モデルを利用し、DUT120が供給する試験信号は比較的定常状態の信号(つまり、比較的安定又は繰り返しのスペクトラム又は時間領域エネルギー分布)であると仮定する。図6(及び他図)に関してここで述べる等式は、被試験デバイス、ユーザ、正規化フィクスチャ、プローブ及び/又はオシロスコープTパラメータを含む複数の2ポートを表現する。この発明は、デバイス・パラメータTd、フィクスチャ・パラメータTf及びプローブ・パラメータTpのみを用いて実行できる。ここで、本発明による方法及び装置は、プローブ110が被試験デバイスに与えた負荷を補償するに適している。種々の実施形態としては、スコープTパラメータTs及び/又はユーザ・パラメータTuを追加しても良い。次のここで示す等式では、ユーザ・パラメータTu及び/又はスコープTパラメータTsは用いなくても良い。
方法500は、ステップ505から始めることができる。ここで被試験信号と同期したトリガ信号は、DSO200の外部トリガ入力端子に供給される。もし正規化試験フィクスチャ300におけるDUT120とインピーダンス負荷間の相対的な時定数が小さければ、トリガ信号を信号分析システム100に加える必要はなく、方法500はステップ510に進む。このとき、被試験信号の時間領域サンプルは、信号パスの種々のインピーダンス負荷状態下のDUT120から取り込まれる。これらインピーダンス負荷状態には、プローブ・インピーダンス、プローブ・チップ・フィクスチャ340の選択されたインピーダンス負荷及びプローブ・アダプタ・フィクスチャのインピーダンス負荷が含まれる。ステップ520では、選択されたインピーダンス負荷と用いて取り込んだサンプル夫々についてbsを得るために、高速フーリエ変換(FFT)が計算される。ボックス525を参照すると、この計算は、平均データ又は平均しないデータを用いて実行される。
ステップ530では、bsが測定され、Tdが選択されたインピーダンス負荷(プローブ・チップのインピーダンス負荷、プローブ・アダプタのインピーダンス負荷、プローブのインピーダンス負荷)で取り込んだサンプルの夫々について計算される。実施形態の例としては、Tdは、以下の等式を用いて計算される。
Figure 2007316054
Figure 2007316054
Figure 2007316054
変数Td1及びTd2を解くためには、2つの異なるインピーダンス負荷での測定による取込みから2つの等式を得れば充分である。しかし、異なるインピーダンス負荷を用いた多数の測定による取込みからから多数の等式を得れば、例えば単純な平均化や最小誤差二乗法などにより、Td1及びTd2の値の精度を改善できることに注意されたい。
ステップ540では、DUTのプローブ・ポイントでの開放電圧が、次の数8に示すように、開放回路の2ポート表現で2ポート・ネットワークを置き換えることで計算される。
Figure 2007316054
開放回路電圧vopenは、開放回路の場合、a0=b0でvopen=a0+b0なので、実際にはa0の2倍である。そこで以下数9のようになる。
Figure 2007316054
本発明の1つの実施形態では、ステップ540において、周波数領域フィルタ応答H(f)を実現するため、上述の測定取込みから等式を導く。等化フィルタの周波数領域応答は、その伝達関数から導くことができる。等化フィルタの伝達関数は、以下の通りである。
Figure 2007316054

そこで
Figure 2007316054
ここで、bisは校正処理中におけるオシロスコープによるI番目の負荷での測定、^bsは試験処理中のオシロスコープによる同じI番目の負荷での測定である。
等化フィルタ用の伝達関数は、選択されたインピーダンス負荷について測定されたbsの1つの関数であることに注意されたい。例えば、自動校正モードでは、bsは、信号パスに挿入された選択されたインピーダンス負荷(つまり、bs、b2s、b3s)で被試験信号を取込む毎に測定される。測定された複数のbsの内の1つが、等化フィルタH(f)の計算に使用される。等化フィルタH(f)を用いた被試験信号の連続する取込みでは、システム中の伝送誤差を含むDUT(又は回路)の測定において、信号劣化の影響を正確に除去するため、等化フィルタH(f)の計算に使用された測定されたbsのインピーダンス負荷が信号パスに挿入される。手動校正モードでは、被試験信号の取込み夫々でのbsの測定には、プローブ・チップ・フィクスチャ340又はプローブ装着アダプタ350から選択された複数のインピーダンス負荷の1つとプローブがある状態での少なくとも第2の被試験信号の取込みとが含まれる。自動校正モードのように、測定された複数のbsの内の1つが等化フィルタH(f)の計算に使用される。もしプローブ110だけを用いた被試験信号の取込みにおいて測定されたbsが等化フィルタH(f)の計算に使用されたら、等化フィルタH(f)を用いた被試験信号の連続する取込みでは、プローブ110はDUTの試験ポイントに直接接続できる。もし選択された複数のインピーダンス負荷の1つについて測定されたbsが等化フィルタH(f)の計算に使用されるなら、等化フィルタH(f)を用いた被試験信号の連続する取込みのため、その選択されたインピーダンス負荷を被試験信号の信号パスに挿入する必要がある。
他の実施形態では、算出された周波数領域vopen電圧を、逆DFTなどのような周知の変換技術を使って、vopen電圧の時間領域表現に変換しても良い。選択された複数のインピーダンス負荷の内の1つを用いて被試験信号を時間領域で取り込むと、時間領域等化フィルタh(t)の計算に使用される。
ステップ550では、校正データと、オプションでフィルタ・データが、例えば、メモリ258のデータ部分259Dに記憶される。なお、上記数9の解では、項2a0はプロービング及び信号パス伝送誤差の全ての影響がほぼ除去されたDUTプローブ・ポイントにおける電圧を表すことに注意されたい。これは、望ましい校正処理の結果である。
ステップ560では、この方法によって、校正データ(つまり、等化フィルタ)を用いて取込んだデータを繰り返し処理し、波形生成や試験データを遠隔のデバイス等に供給するため、除去処理されたデータが得られるよう動作する。1つの実施形態では、周波数領域等化フィルタH(f)が、DUTプローブ・ポイントでのプローブを用いた時間領域取込みデータ夫々のFFT演算結果と乗算され、DUT試験ポイントにおける被試験信号の除去処理された周波数応答が得られる。DUT試験ポイントにおける被試験信号の除去処理された周波数応答は、逆FFT、逆DFTなどのような周知の変換技術を用いて変換することもでき、これによってDUT試験ポイントでの被試験信号の除去処理された時間領域応答を生成できる。
更に別の実施形態では、周波数領域等化フィルタH(f)が、逆FFT、逆DFTなどのような周知の変換技術を用いて、時間領域等化フィルタh(t)に変換される。時間領域等化フィルタh(t)は、DUT試験ポイントでのプローブによる新しい時間領域取込みデータの夫々と畳み込み積分され、これによってDUT試験ポイントでの被試験信号の除去処理された応答を得る。このように、DUT用のTパラメータ(そして、オプションで、正規化フィクスチャ300、プローブ110及び/又はDSO200用の対応するパラメータ)が、種々のパラメータに基づく等化フィルタH(f)又はh(t)を決定することによって決定される。この等化フィルタH(f)又はh(t)は、被試験信号に適用され、被試験デバイスにシステムを装着(Loading)する影響及び信号分析システム100中の伝送誤差を補償する。
ステップ570において、試験信号中に比較的大きな変化を検出すると、方法はステップ510に進む。例えば、本発明の1つの実施形態では、校正中、接続された種々のインピーダンス負荷について周波数に応じた測定電圧の変化は、制御装置(例えば、DSO)によって観測される。そこで制御装置は、除去処理演算において適切な信号対ノイズ比を得るために十分な変化を維持しつつも、DUTの電圧変化を最小にするインピーダンス負荷だけを選択する。
本発明の1つの実施形態では、一度校正が行われ、DUTの信号が除去処理されて観測されると、ユーザは、信号レベル又は波形の観点から信号に大きな差が生じるか否かが警告される。別の実施形態では、信号レベルに基づいて回路の線形性をユーザが測定できるような校正が行われる。例えば、もしDUTの信号が1つのレベルに関して校正されると、別の振幅レベルに変更され、ユーザは現在の校正でその新しいレベルを測定する。続いて、ユーザは、オプションとして、この信号について、新しい校正を行い、再度測定をしてもよい。もし測定結果が2つの校正間で異なっていたら、異なる信号レベルでDUTの振る舞いが線形でないことが示される。
更に別の実施形態では、ユーザが特定のDUT試験ポイントのS又はTパラメータを知っているとし、これら試験パラメータを、例えば、上述のメニュー構造を介して試験又は制御デバイスにこれらパラメータがロードされる。これらS又はTパラメータは、DUTのS又はTパラメータを含み、更には、DUTと試験ポイント間に配置される回路に関するS又はTパラメータを含んでも良い。この実施形態では、除去処理されたフィクスチャを接続する必要はなく、プローブを直接試験ポイントに接続する。
DUT試験ポイントの被試験信号の取込みが行われると、bsがFFT変換を用いて得られる。ain及びbinの値は、以下の式で示されるように計算される。
Figure 2007316054
2ポート・ネットワーク・モデルは、DUT(Td)及びプローブ(Tp)に関するS又はTパラメータにより実現され、更にオプションで回路(Tu)に関するS又はTパラメータ及び/又はオシロスコープ(Ts)に関するS又はTパラメータも加えて実現される。
一度、ain及びbinがわかれば、プローブの2ポート行列は開放回路の2ポート表現で置き換えでき、DUT試験ポイント電圧は以下のように2aopenとして計算できる。
Figure 2007316054
Figure 2007316054
上述の実施形態のように、等式は上述の測定から導かれ、周波数領域フィルタ応答が実現される。フィルタの周波数領域応答は、その伝達関数から導かれる。フィルタの伝達関数は、次の通りである。
Figure 2007316054
Figure 2007316054
ここでbisは、校正処理中のI番目のプローブ負荷によるスコープ測定、bsは試験処理中のI番目のプローブ負荷によるスコープ測定である。
上述の周波数領域等化フィルタH(f)は、試験ポイントでプローブを用いて新しく取り込んだ時間領域データそれぞれをFFTしたものと乗算され、これによってDUT試験ポイントにおける除去処理された応答が得られる。vopenの逆FFTは、この信号の時間領域バージョンを生む。周波数領域等化フィルタH(f)は、逆FFT、逆DFTなどの周知の変換技術を用いて、時間領域等化フィルタh(t)に変換される。時間領域等化フィルタh(t)は、試験ポイントでプローブを用いて新しく取り込んだ時間領域データのそれぞれと畳み込み積分され、これによってDUT試験ポイントにおける除去処理された応答が得られる。
図7Aは、本発明の校正方法を実施するためのユーザ・インターフェース1000の例を示す。ユーザ・インターフェース1000は、米国テクトロニクス製TDS6804B型デジタル・フォスファー・オシロスコープの垂直メニューの一部として実施しても良い。ユーザ・インターフェース1000は、コントローラ250の制御にしたがって、表示デバイス270上に表示される。ユーザ・インターフェースには、複数のチャンネル(CHAN)タブ1002があり、これらはオシロスコープ200のチャンネルに夫々対応する。コントローラ250は、除去処理に対応したプローブが存在するか検出し、ユーザ・インターフェース1000をそれにしたがった構成にする。ユーザ・インターフェース1000は、いくつかのセクションに区分され、セクション1004は表示パラメータに関係し、セクション1006はチャンネルの状態を設定するパラメータに関係する。セクション1008は、標準プローブ構成処理手順、オシロスコープに接続された複数プローブ間のデスキュー(DESKEW:スキューをなくす)処理手順、プローブの減衰(ATTEN)設定の処理手順などのようなプローブの選択的な処理手順に関係する。セクション1010は、プローブの除去処理についてのパラメータ及び処理手順に関係すする。
ユーザは、DUT800にプローブを接続した後、校正(CAL)メニュー・ボタンを押す。終了及びキャンセル・ボタンがあるポップアップ・ダイアログ・ボックスを設けて、プローブがDUT800に接続されたかユーザが確認するよう促すようにしても良い。校正処理は、除去処理されたDUT800試験ポイントDTP1及びDTP2の負荷に適用され、DUT800のS又はTパラメータTd1及びTd2の組み合わせを計算する。自動(AUTO)ボタンは、スコープ・パラメータが許す範囲で、フルに除去処理された任意の負荷による試験など、除去処理されたフィルタを動作状態(ON)にする。オフ・ボタンは、除去処理されたフィルタの動作をオフ(OFF)にし、結果として取り込んだサンプルは、プローブのロード及び応答と、オシロスコープの応答が原因の誤差を有するようになる。オシロスコープの種々のパラメータ設定は、このフィルタが機能しないようにしてしまう可能性がある。強制オン(FORCEON)ボタンは、この問題を解決しようとするもので、オシロスコープ・パラメータ設定を変更することで、除去処理されたフィルタを機能できるようにする。フル(Full)除去処理ビュー(VIEW)は、まるでDUT800が開放負荷に接続されているかのように取り込んだサンプルを扱うようフィルタの動作を設定する。プローブ負荷(Load)除去処理ビューは、まるでDUT800が対応するインピーダンスを持つプローブに接続されているかのように取り込んだサンプルを扱うようフィルタの動作を設定する。セットアップ・ボタンを押すと、除去処理されたプローブを設定するための追加のコントロール・メニューを有する除去処理セットアップ・メニュー表示が立ち上がる。
図7Bは、除去処理セットアップ・メニューの例を示す。表示の左側には、上述した自動(AUTO)、オフ(OFF)及び強制オン(FORCE ON)の各ボタンがある。全チャンネル・ボタンが有効になっていると、自動(AUTO)/オフ(OFF)/強制オン(FORCE ON)の各機能を、除去処理されたプローブが接続された全チャンネルについて生じさせる。表示のユーザ校正セクション1012には上述の校正(CAL)ボタンがあり、除去処理された負荷を定義する欄(フィールド:Field)は、校正処理を実行するときに使用される。負荷(LOAD)1、負荷(LOAD)2及び負荷(LOAD)3の各欄によって、ユーザは、校正中に使用されている除去処理用校正負荷を特定できる。別のやり方としては、システムが特定の除去処理用校正負荷を自動的に設定しても良い。平均数欄で、校正処理中に信号取り込みに使用する平均数を特定する。ノン・アクセッシブル・プローブ・ポイント・セクション1014には、オン/オフ・ボタンと、DUT800のプローブ試験ポイントDTP1及びDTP2と、回路試験ポイントCTP1及びCTP2の間の部分の特性を定義する2ポートS又はTパラメータ・ファイルへのパスを入力する欄とがある。オン/オフ・ボタンをオンにすると、2ポートS又はTパラメータ・ファイルは、プローブの校正に含まれる。表示のチップ選択セクション1016によって、ユーザはプローブに接続されているプローブ装着アダプタ又はプロービング・チップを特定できる。オシロスコーププローブ装着アダプタ及びプロービング・チップに利用できるS又はTパラメータのライブラリを保有している。型番でプローブ装着アダプタ及びプロービング・チップが特定され、アダプタとチップの画像が表示されるので、ユーザは選択したアダプタとチップが選択したパラメータと合うものか確認できる。
除去処理ビュー・セクション1018には、メイン(MAIN)タブ1020及びモア(MORE)タブ1022がある。メイン・タブ1020は、種々の仮想DUT負荷を有効にするボタンを表示する。オープン・ボタンは、除去処理フィルタ(つまり、DUTの開放負荷を表す等化フィルタ)を有効にし、結果として除去処理がフルに行われる。プローブ、プローブのスルー応答及びスコープの負荷の影響は、DUT信号を取り込んだサンプルから除かれる。プローブ負荷1ボタンは、結果として、DUT信号にプローブを負荷した状態におけるDUT信号を表すサンプルが取り込まれるようにする除去処理フィルタをアクティブにする。プローブのスルー応答及びオシロスコープ応答が原因の誤差は、取り込んだサンプルから除かれる。50オーム及び100オームのボタンは、DUTに50オーム及び100オームの負荷が接続された状態におけるDUT信号を表すサンプルが取り込まれるようにする除去処理フィルタの夫々をアクティブにする。表示のプロットDUTセクション1024には、ユーザがインピーダンス、リターン・ロス、DUT信号の取り込んだサンプルから得られたインピーダンスのスミス・チャートの表示区画をアクティブにするための複数のボタンが表示される。表示のユーティリティ・セクション1026には、アクティブにされたときにエクスポート・メニュー・ダイアログ・ボックスを立ち上げるエクスポート・ボタンがある。このダイアログ・ボックスによって、ユーザはファイル名を特定し、DUTからの処理済みデータのASCIIファイルをエクスポートできる。ステータス・ボタンは、除去処理動作と関係するパラメータに関する情報のビュー・ウィンドウをアクティブにする。保存/記録ボタンは、サブメニューをアクティブにし、これによってユーザは、現在のDUT試験ポイント校正データ及びフィルタをファイルに保存できる。これには、各DUT試験ポイントに関係する名前をユーザが入力できる欄もある。
図7Cは、除去処理ビュー・セクション1018の例を示し、ここではモア・タブ1022がアクティブになっている。モア・タブ1022は、追加の仮想DUT負荷をアクティブにする複数のボタンを表示する。校正負荷(CAL LOAD)2ボタン及び校正負荷(CAL LOAD)3ボタンは、校正負荷2及び校正負荷3が負荷されたDUT信号を表すサンプルを取り込むようにする除去処理フィルタの夫々をアクティブにする。ユーザ(USER)1ボタンと関連する欄は、ユーザが定義する任意のインピーダンス負荷を有する除去処理フィルタをアクティブにする。負荷の値は、単一の抵抗性要素、単一のリアクタンス性要素又はこれら二つの組み合わせによって特定される。例えば、欄に75と入力すれば、75オームの抵抗を意味する。j85の値は、85オームの誘導性リアクタンスを意味する。35−j77の値は、35オームの抵抗と77オームの容量性リアクタンスの組み合わせを意味する。ユーザ(USER)2ボタンは、と関連する欄は、S又はTパラメータ・ファイル及びパスで定義される任意のインピーダンス負荷を有する除去処理フィルタをアクティブにする。S11パラメータ又はその等価なTパラメータは、ユーザが提供するASCII形式のファイル中に含むようにできる。これによって、ユーザは、周波数に応じて変化する大変複雑な負荷を特定できる。
このように本発明は、1つ以上の補正された結果、一部のみ補正された結果、補正のない結果を選択的に提供できる。補正された結果の場合、プローブの負荷、ユーザが与える特性及びその他の特性が本願で説明したように処理されて、DUT試験ポイントが測定される。一部のみ補正された結果の場合、プローブの負荷、ユーザが与える特性及びその他の特性の一部分のみが本願で説明したように処理されて、DUT試験ポイントが測定される。補正のない結果の場合では、種々の負荷パラメータが補正されないで、DUT試験ポイントが測定される。補正、一部補正及び補正なしのモードの動作選択は、例えば、図7Aから図7Cに関して説明したユーザ・インターフェース画面を介して行うようにしても良い。
本発明の種々の実施形態によれば、以下のようないくつもの効果が得られる。
(1)プロービングの影響を除去し、ユーザの波形をより性格に表示できる。
(2)フィクスチャをプローブ端部に取り付けるはするが、校正処理は1ボタンを押すだけである。
(3)校正に外部信号源を必要としない
(4)複数のプロービング・ポイントに、プロービング・ポイント夫々の回路の一部に関するSパラメータ・モデルの負荷を掛けることによって、ユーザの回路中のアクセスできないプロービング・ポイントをオシロスコープで観測できる
(5)校正又は正規化フィクスチャは無くてもよく、複数のユーザの回路基板上の同じ試験ポイントをプローブし、比較できるように、校正情報はオシロスコープに記録される。
(6)プローブ・スコープ・チャンネル帯域幅は、この校正処理によって拡大できる。
(7)プローブとスコープ・チャンネルの立ち上がり時間を減少させることができる。
最も望ましい状態でプローブの影響を除去処理するには、DUTのSパラメータの知識が必要となる。本発明は、既存のプローブ校正方法と異なり、例えば、オシロスコープでDUTのSパラメータ(又はTパラメータ)を測定する方法及び装置を提供し、これによって真に除去処理された状態を提供する。
以上、本発明の好適な実施形態に基いて説明してきたが、本発明の要旨を離れることなく、本発明の他の種々の実施形態が考えられるだろう。例えば、上記明細書中に等式を具体的に示したが、等価な等式を表す別の形に変形しても良い。
このように本発明は、
本発明に従って配置した被試験デバイスを含む信号分析システムの概略ブロック図である。 本発明の実施形態の一例を示す図である。 本発明の他の実施形態の一例を示す図である。 デジタル・ストレージ・オシロスコープの機能ブロック図である。 図1のシステムでの使用に適したプローブ正規化フィクスチャのブロック図である。 プローブ正規化試験チャンネルの2ポート・モデルの例を示す図である。 本発明の実施形態に従ったフローチャートである。 本発明の実施形態での使用に適したユーザ・インターフェースの画面例を示す図である。 本発明の実施形態での使用に適したユーザ・インターフェース画面の設定例を示す図である。 本発明の実施形態での使用に適したユーザ・インターフェース画面の他の設定例を示す図である。
符号の説明
100 信号分析システム
110 プローブ
120 被試験デバイス(DUT)
125 回路
200 デジタル・ストレージ・オシロスコープ
212 アナログ・デジタル変換回路
232 トリガ回路
240 取込みメモリ
250 プローブ装着アダプタ
252 入出力回路
254 プロセッサ
256 支援回路
258 メモリ
260 入力デバイス
270 表示装置
280 インターフェース・デバイス
300 プローブ正規化フィクスチャ
310 通信リンク/コントローラ
320 S又はTパラメータ・メモリ
330 セレクタブル・インピーダンス行列
340 プローブ・チップ・フィクスチャ
350 プローブ装着アダプタ
400 モデル
410 被試験デバイスの2ポート・ネットワーク
412 DUTネットワーク412(Td)
414 ユーザ・モデル414(Tu)
420 フィクスチャの2ポート・ネットワーク
430 プローブの2ポート・ネットワーク4(Tp)
440 オシロスコープの2ポート・ネットワーク440(Ts)

Claims (4)

  1. 信号分析システムの信号パスを校正する方法であって、
    選択可能な複数のインピーダンス負荷を有する信号パスを介して被試験デバイスからの被試験信号のサンプルを時間領域で複数セット取込むステップであって、上記信号パスに上記サンプルの1セットにつき上記複数のインピーダンス負荷から1つのインピーダンス負荷が選択されて適用されるサンプル取込みステップと、
    時間領域の上記被試験信号の上記サンプルの複数セットをスペクトラム・ドメイン表現に変換する変換ステップと、
    上記サンプルの複数セットの上記スペクトラム・ドメイン表現から上記スペクトラム・ドメインにおける上記被試験デバイスの伝達パラメータの特性を記述する特性記述ステップと、
    上記伝達パラメータの特性記述と上記サンプルの複数セットの上記スペクトラム・ドメイン表現から、上記被試験デバイスの測定によって生じる上記被試験デバイスにおけるロードの影響及び上記システム中の伝達誤差を補正する等化フィルタを計算するステップと
    を具える信号分析システムの信号パス校正方法。
  2. 計算された上記等化フィルタを周波数領域から時間領域に変換するステップと、
    上記等化フィルタの計算に使用された上記サンプルのセット用に選択された上記インピーダンス負荷が適用された上記信号パスを介して上記被試験デバイスからの上記被試験信号のサンプルを時間領域において追加で少なくとも1セット取込むステップと、
    追加の上記サンプルのセットを時間領域の上記等化フィルタを用いて処理することで、上記被試験デバイスの測定によって生じる上記被試験デバイスのロードの影響及び上記システム中の伝達誤差によって生じる信号の誤差を減少させるステップと
    を更に具える請求項1記載の信号分析システムの信号パス校正方法。
  3. 上記等化フィルタの計算に使用されたサンプルのセット用に選択された上記インピーダンス負荷が適用された上記信号パスを介して上記被試験デバイスからの上記被試験信号のサンプルを時間領域において追加で少なくとも1セット取込むステップと、
    上記被試験デバイスからの追加の上記サンプルのセットをスペクトラム・ドメイン表現に変換するステップと、
    追加の上記サンプルのセットの上記スペクトラム・ドメイン表現を上記等化フィルタを用いて処理することで、上記被試験デバイスの測定のロードの影響及び上記システム中の伝達誤差によって生じる信号の誤差を減少させるステップと
    を更に具える請求項1記載の信号分析システムの信号パス校正方法。
  4. 信号分析システムの信号パスを校正する方法であって、
    被試験デバイスの伝達パラメータを生成するステップと、
    プローブを含む上記信号パスを介して上記被試験デバイスの試験ポイントで接続された上記被試験デバイスからの被試験信号のサンプルの1セットを時間領域で取込むステップと、
    時間領域の上記被試験信号の上記サンプルの1セットをスペクトラム・ドメイン表現に変換するステップと、
    上記サンプルの1セットの上記スペクトラム・ドメイン表現を用いて上記被試験デバイスの被試験信号電圧を計算するステップと、
    上記被試験デバイスの伝達パラメータと上記被試験デバイスの入力電圧から、スペクトラム・ドメインで上記試験ポイントにおける開放回路電圧を計算するステップと、
    計算された開放回路電圧及び上記サンプルの1セットの上記スペクトラム・ドメイン表現から、上記被試験デバイスの測定によって生じる上記被試験デバイスのロードの影響及び上記システム中の伝達誤差を補正する等化フィルタを計算するステップと
    を具える信号分析システムの信号パス校正方法。
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