JP2007313802A - インクジェット記録用被記録媒体及びそれを用いた平版印刷版の作製方法 - Google Patents

インクジェット記録用被記録媒体及びそれを用いた平版印刷版の作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インクジェット記録用インク組成物の受容性に優れた被記録媒体、及び、それを用いたインクジェット記録方式により画像部の耐刷性、及び、消去性に優れた平版印刷版を形成しうる平版印刷版の作製方法を提供する。
【解決手段】親水化処理を施した支持体上に、少なくとも一種の塩基性基を有する化合物を含有するインク受容層を設けてなるインクジェット記録用被記録媒体、及び、この記録媒体表面にインク組成物を吐出する工程と、吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化させることにより、インク組成物が硬化してなる疎水性画像を被記録媒体表面に形成する工程、を含む平版印刷版の作製方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録方法を用いた平版印刷版の作製に好適に用いられるインクジェット記録用被記録媒体及びそれを用いた平版印刷版の作製方法に関する。
近年、画像情報をコンピュータを用いて電子的に処理し、蓄積し、出力する、デジタル化技術が広く普及してきており、このようなデジタル化技術に対応した新しい画像出力方式が種々実用されるようになってきている。これに伴い、レーザー光のような高収斂性の輻射線にデジタル化された画像情報を担持させて、その光で平版印刷版原版を走査露光し、リスフィルムを介することなく、直接平版印刷版を製造するコンピュータ・トゥ・プレート(CTP)技術が注目されてきている。
一方、レーザー光を用いたCTP技術の他に、インクジェット記録方式を用いたCTP技術が知られている。
このようなCTP技術として、支持体上に、光硬化性インク組成物を用いてインクジェット方式により画像部を形成し、露光して該インク組成物を硬化させる製版方法が開示されている(例えば、特許文献1、2参照。)。インクジェット記録方式は、画像出力方式としては比較的高速であり、また複雑な光学系を必要としないので記録装置の構造が簡単である。また、インクジェット用インクにより画像部を形成するため、画像形成前の支持体に予め感光層などの塗膜を形成する必要がなく、したがって、平版印刷版の製造コストを下げることができる。
しかし、インクジェット記録方式で平版印刷版を作製するに際して、支持体上に何らの塗膜を形成しない場合には、輸送や取り扱い時に支持体表面にキズが付き、その傷に起因して汚れが発生する懸念がある。
さらに、支持体上に何らの塗膜を設けず、インク組成物により画像部を形成して作製した平版印刷版では、作製後に画像部の不要部分を消去するに際し、通常の消去液では容易に除去されず、消去性に劣るという問題もあった。
特開平5−204138号公報 特開平4−69244号公報
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明の目的は、インクジェット記録方法により平版印刷版を作製する場合に好適に使用できるインクジェット記録用インク組成物の受容性に優れた被記録媒体を提供することを目的とする。
また、本発明のさらなる目的は、インクジェット記録方式により画像部の耐刷性、及び、消去性に優れた平版印刷版を形成しうる平版印刷版の作製方法を提供することにある。
本発明の目的は、以下の平版印刷版の作製方法により達成された。
<1> 親水化処理を施した支持体上に、少なくとも一種の塩基性基を有する化合物を含有するインク受容層を設けてなるインクジェット記録用被記録媒体。
<2> (a)親水化処理を施した支持体上に、少なくとも一種の塩基性基を有するインク受容層を設けてなるインクジェット記録用被記録媒体表面に、インク組成物を吐出する工程、及び、(b)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化させることにより、インク組成物が硬化してなる疎水性画像を被記録媒体表面に形成する工程、を含むことを特徴とする平版印刷版の作製方法。
<3> 前記インク組成物が、酸性基を有する化合物を含有すること特徴とする<2>記載の平版印刷版の作製方法。
本発明の作用は明確ではないが、以下のように推定される。本発明のインクジェット記録用被記録媒体では、親水性支持体表面に塩基性化合物を含有する受容層を用いているため、特に酸性基を有する化合物を含有するインク組成物を適用することでインク受容層とインク組成物との間の高い密着性を達成することができる。
また、本発明の平版印刷版の作製方法では、このような被記録媒体と酸性基を有する化合物を含有するインク組成物とを用いるため、前記したようにインク組成物からなる画像形成と支持体との高い密着性が達成され、耐刷性に優れた画像部が形成される。さらに、塩基性化合物を含有するインク受容層は、酸性の消去液に対して溶解性が高いため、消去液により、その表面に形成された画像部分ごと速やかに除去され、消去性に優れ、また、消去液の付着した部分では、支持体の親水化した表面が露出し、高画質の画像が形成されるものと考えられる。
本発明によれば、インクジェット記録方法により平版印刷版を作製する場合に好適に使用できるインクジェット記録用インク組成物の受容性に優れた被記録媒体を提供することができる。
また、本発明によれば、インクジェット記録方式により画像部の耐刷性、及び、消去性に優れた平版印刷版を形成しうる平版印刷版の作製方法を提供することができる。
〔インクジェット記録用被記録媒体〕
本発明のインクジェット記録用被記録媒体は、親水化処理を施した支持体上に、少なくとも一種の塩基性基を有する化合物を含有するインク受容層を設けてなることを特徴とするものであり、インクジェット記録により平版印刷版を作製する場合に好適に使用することができる。
(少なくとも一種の塩基性基を有する化合物を含有するインク受容層)
まず、被記録媒体のインク受容層について説明する。
本発明の被記録媒体は、インクジェット記録方式による平版印刷版の支持体として用いられるため、インク受容層は、インク組成物が適用されない領域では、印刷時の汚れ発生防止の観点から、高い親水性表面を有することが必要である。
本発明に係るインク受容層には、塩基性基を有する化合物を少なくとも一種含むことを要するが、さらに、表面親水性の観点からは、親水性基を有する化合物も含有することが好ましい。このような化合物は皮膜形成が可能であるという点で、不飽和二重結合などの重合性基を有する重合性化合物であることが好ましく、例えば、塩基性基を有する重合性化合物、塩基性基を有する重合性化合物を重合して得られる重合体、さらには塩基性基を有する重合性化合物と親水性基を有する重合性化合物とを重合して得られる共重合体なども、インク受容層形成用の化合物として好ましく用いることができる。
本発明に係るインク受容層に含まれる化合物に導入可能な塩基性基としては、有機塩基性基であることがこの好ましい。
有機塩基性基を含む化合物としては、アミン類、ピペリジン類、ピペラジン類、アミジン類、ホルムアミジン類、ピリジン類、グアニジン類、モルホリン類等の含窒素化合物等が挙げられる。
塩基性基を含む化合物をインク受容層中に導入するためには、塩基性基を有する重合性化合物(モノマー)を重合成分として含む重合体(高分子化合物)を用いる方法、塩基性基を有する重合性化合物をモノマーのまま添加する方法、塩基性基を有しない重合体(高分子化合物)を合成し、その後、その構造中に塩基性基を導入する方法などが挙げられる。これらの方法により得られた塩基性基を有する重合性化合物や塩基性基を有する高分子化合物を親水性支持体表面に塗布、乾燥することで、塩基性基を有する化合物を含有するインク受容層を形成することができる。
本発明のインク受容層形成に使用しうる塩基モノマーとしては、例えば、アミノアルキル(メタ)アクリレート及び/又はN−アミノアルキル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
アミノアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば具体的にはジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モノメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。N−アミノアルキル(メタ)アクリルアミドとしては、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
また、同様に使用しうる塩基性基を含むモノマーとしては、以下に示すようなものが挙げられる。なお、下記構造においてRは水素原子又はメチル基を表し、そのいずれの場合にも、本発明の好ましく使用することができる。
Figure 2007313802
これらの構造単位(モノマー)を共重合成分として含むことで塩基性基を有する重合体(ポリマー)を得ることができる。
このような重合体の重量平均分子量としては、500〜100,000の範囲が好ましく、1000〜50,000の範囲がより好ましい。なお、この分子量は、GPC法(ポリスチレン換算)により測定した値を示す。
以下に、本発明に係るインク受容層を形成するために好適に使用することができる、上記構造単位由来の塩基性基を有する重合体の具体例〔例示化合物(L−1)〜(L−10)〕を、その重量平均分子量(Mw)とともに挙げるが、本発明はこれらに制限されるものではない。
Figure 2007313802
Figure 2007313802
これらの塩基性基を有する化合物を用いてインク受像層を形成する方法としては、公知の方法を任意に適用することができる。
例えば、水又はメタノール、エタノール、メチルエチルケトン、1−メトキシ−2−プロパノールなどから選択される有機溶剤、もしくは、それらのうち任意の2種以上を含む混合溶剤に、前記塩基性基を有する化合物を、好ましくは、0.005〜10質量%の濃度で溶解させ、得られた溶液を支持体上に塗布、乾燥することによりインク受容層を設ける方法などが挙げられる。
また、インク受容層を形成するための塗布方法としては、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布などが挙げられる。
インク受容層の好ましい膜厚は、乾燥後の塗布量で1mg/m〜500mg/mが好ましく、さらに好ましくは2mg/m〜250mg/mの範囲である。
<親水化処理を施した支持体>
<支持体>
次に、本発明で用いられる支持体(平版印刷版作製用の被記録媒体を形成する際に用いられる支持体)について説明する。
本発明では、支持体の表面粗さRaが、0.1〜10μmであることが好ましい。
なお、ここで言う表面粗さ(Ra)は、JIS B0601−1994に基づく、算術平均粗さである。表面粗さが小さいと、重合硬化した画像との密着性が低く、耐刷性が低い。また、表面粗さが大きすぎると、画像の膜厚が低い部分が発生するため、耐刷性が低くなる。本発明に使用される支持体としては、必要な強度と耐久性を備えた寸度的に安定な板状物であれば特に制限はなく、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、金属がラミネート、もしくは蒸着された紙、もしくはプラスチックフィルム等が挙げられる。
中でも、本発明においては、ポリエステルフィルム又はアルミニウム板が好ましく、その中でも寸度安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板は特に好ましい。好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板及びアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であり、更にアルミニウムがラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがある。合金中の異元素の含有量は高々10質量%以下である。本発明においては表面処理されたアルミニウム支持体が好ましい。以下、好ましいアルミ支持体について記載する。
〔アルミニウム支持体〕
本発明において特に好適なアルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。
このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。本発明で用いられるアルミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好ましくは0.15mm〜0.3mmである。
このようなアルミニウム板には、必要に応じて粗面化処理、陽極酸化処理などの表面処理を行ってもよい。以下、このような表面処理について簡単に説明する。
アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活性剤、有機溶剤又はアルカリ性水溶液などによる脱脂処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸又は硝酸電解液中で交流又は直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号公報に開示されているように両者を組み合わせた方法も利用することができる。
<アルミ砂目形状を作製するための表面処理の詳細>
本発明の平版印刷版用支持体は、後述するアルミニウム板に表面処理を施すことによって、上述した表面の砂目形状をアルミニウム板の表面に形成させたものが好ましい。本発明の平版印刷版用支持体は、アルミニウム板に粗面化処理および陽極酸化処理を施して得られるが、この支持体の製造工程は、特に限定されず、粗面化処理および陽極酸化処理以外の各種の工程を含んでいてもよい。上述した表面の砂目形状を形成させるための代表的方法として、アルミニウム板に機械的粗面化処理、アルカリエッチング処理、酸によるデスマット処理および電解液を用いた電気化学的粗面化処理を順次施す方法、アルミニウム板に機械的粗面化処理、アルカリエッチング処理、酸によるデスマット処理および異なる電解液を用いた電気化学的粗面化処理を複数回施す方法、アルミニウム板にアルカリエッチング処理、酸によるデスマット処理および電解液を用いた電気化学的粗面化処理を順次施す方法、アルミニウム板にアルカリエッチング処理、酸によるデスマット処理および異なる電解液を用いた電気化学的粗面化処理を複数回施す方法が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。これらの方法において、前記電気化学的粗面化処理の後、更に、アルカリエッチング処理および酸によるデスマット処理を施してもよい。これらの方法により得られた本発明の平版印刷版用支持体は、上述したように、2種以上の異なる周期の凹凸を重畳した構造が表面に形成されており、平版印刷版としたときの耐汚れ性および耐刷性のいずれにも優れる。以下、表面処理の各工程について、詳細に説明する。
<機械的粗面化処理>
機械的粗面化処理は、電気化学的粗面化処理と比較してより安価に、平均波長5〜100μmの凹凸のある表面を形成することができるため、粗面化処理の手段として有効である。機械的粗面化処理方法としては、例えば、アルミニウム表面を金属ワイヤーでひっかくワイヤーブラシグレイン法、研磨球と研磨剤でアルミニウム表面を砂目立てするボールグレイン法、特開平6−135175号公報および特公昭50−40047号公報に記載されているナイロンブラシと研磨剤で表面を砂目立てするブラシグレイン法を用いることができる。また、凹凸面をアルミニウム板に圧接する転写方法を用いることもできる。即ち、特開昭55−74898号、特開昭60−36195号、特開昭60−203496号の各公報に記載されている方法のほか、転写を数回行うことを特徴とする特開平6−55871号公報、表面が弾性であることを特徴とした特願平4−204235号明細書(特開平6−024168号公報)に記載されている方法も適用可能である。
また、放電加工、ショットブラスト、レーザー、プラズマエッチング等を用いて、微細な凹凸を食刻した転写ロールを用いて繰り返し転写を行う方法や、微細粒子を塗布した凹凸のある面を、アルミニウム板に接面させ、その上より複数回繰り返し圧力を加え、アルミニウム板に微細粒子の平均直径に相当する凹凸パターンを複数回繰り返し転写させる方法を用いることもできる。転写ロールへ微細な凹凸を付与する方法としては、特開平3−8635号、特開平3−66404号、特開昭63−65017号の各公報等に記載されている公知の方法を用いることができる。また、ロール表面にダイス、バイト、レーザー等を使って2方向から微細な溝を切り、表面に角形の凹凸をつけてもよい。このロール表面には、公知のエッチング処理等を行って、形成させた角形の凹凸が丸みを帯びるような処理を行ってもよい。また、表面の硬度を上げるために、焼き入れ、ハードクロムメッキ等を行ってもよい。そのほかにも、機械的粗面化処理としては、特開昭61−162351号公報、特開昭63−104889号公報等に記載されている方法を用いることもできる。本発明においては、生産性等を考慮して上述したそれぞれの方法を併用することもできる。これらの機械的粗面化処理は、電気化学的粗面化処理の前に行うのが好ましい。
<電気化学的粗面化処理>
電気化学的粗面化処理には、通常の交流を用いた電気化学的粗面化処理に用いられる電解液を用いることができる。中でも、塩酸または硝酸を主体とする電解液を用いることで特徴的な凹凸構造を表面に形成させることができる。本発明における電解粗面化処理としては、陰極電解処理の前後に酸性溶液中での交番波形電流による第1および第2の電解処理を行うことが好ましい。陰極電解処理により、アルミニウム板の表面で水素ガスが発生してスマットが生成することにより表面状態が均一化され、その後の交番波形電流による電解処理の際に均一な電解粗面化が可能となる。この電解粗面化処理は、例えば、特公昭48−28123号公報および英国特許第896,563号明細書に記載されている電気化学的グレイン法(電解グレイン法)に従うことができる。この電解グレイン法は、正弦波形の交流電流を用いるものであるが、特開昭52−58602号公報に記載されているような特殊な波形を用いて行ってもよい。また、特開平3−79799号公報に記載されている波形を用いることもできる。また、特開昭55−158298号、特開昭56−28898号、特開昭52−58602号、特開昭52−152302号、特開昭54−85802号、特開昭60−190392号、特開昭58−120531号、特開昭63−176187号、特開平1−5889号、特開平1−280590号、特開平1−118489号、特開平1−148592号、特開平1−178496号、特開平1−188315号、特開平1−154797号、特開平2−235794号、特開平3−260100号、特開平3−253600号、特開平4−72079号、特開平4−72098号、特開平3−267400号、特開平1−141094の各公報に記載されている方法も適用できる。また、前述のほかに、電解コンデンサーの製造方法として提案されている特殊な周波数の交番電流を用いて電解することも可能である。例えば、米国特許第4,276,129号明細書および同第4,676,879号明細書に記載されている。
電解槽および電源については、種々提案されているが、米国特許第4203637号明細書、特開昭56−123400号、特開昭57−59770号、特開昭53−12738号、特開昭53−32821号、特開昭53−32822号、特開昭53−32823号、特開昭55−122896号、特開昭55−132884号、特開昭62−127500号、特開平1−52100号、特開平1−52098号、特開昭60−67700号、特開平1−230800号、特開平3−257199号の各公報等に記載されているものを用いることができる。また、特開昭52−58602号、特開昭52−152302号、特開昭53−12738号、特開昭53−12739号、特開昭53−32821号、特開昭53−32822号、特開昭53−32833号、特開昭53−32824号、特開昭53−32825号、特開昭54−85802号、特開昭55−122896号、特開昭55−132884号、特公昭48−28123号、特公昭51−7081号、特開昭52−133838号、特開昭52−133840号号、特開昭52−133844号、特開昭52−133845号、特開昭53−149135号、特開昭54−146234号の各公報等に記載されているもの等も用いることができる。
電解液である酸性溶液としては、硝酸、塩酸のほかに、米国特許第4,671,859号、同第4,661,219号、同第4,618,405号、同第4,600,482号、同第4,566,960号、同第4,566,958号、同第4,566,959号、同第4,416,972号、同第4,374,710号、同第4,336,113号、同第4,184,932号の各明細書等に記載されている電解液を用いることもできる。
(硝酸電解)
硝酸を主体とする電解液を用いた電気化学的粗面化処理により、平均開口径0.5〜5μmのピットを形成することができる。ただし、電気量を比較的多くしたときは、電解反応が集中し、5μmを超えるハニカムピットも生成する。このような砂目を得るためには、電解反応が終了した時点でのアルミニウム板のアノード反応にあずかる電気量の総和が、1〜1000C/dm2 であるのが好ましく、50〜300C/dm2 であるのがより好ましい。この際の電流密度は20〜100A/dm2であるのが好ましい。また、高濃
度または高温の硝酸電解液を用いると、平均開口径0.2μm以下の小波構造を形成させることもできる。
(塩酸電解)
塩酸はそれ自身のアルミニウム溶解力が強いため、わずかな電解を加えるだけで表面に微細な凹凸を形成させることが可能である。この微細な凹凸は、平均開口径が0.01〜0.2μmであり、アルミニウム板の表面の全面に均一に生成する。このような砂目を得るためには電解反応が終了した時点でのアルミニウム板のアノード反応にあずかる電気量の総和が、1〜100C/dm2であるのが好ましく、20〜70C/dm2 であるのが
より好ましい。この際の電流密度は20〜50A/dm2 であるのが好ましい。
このような塩酸を主体とする電解液での電気化学的粗面化処理では、アノード反応にあずかる電気量の総和を400〜1000C/dm2 と大きくすることでクレーター状の大きなうねりを同時に形成することも可能であるが、この場合は平均開口径10〜30μmのクレーター状のうねりに重畳して平均開口径0.01〜0.4μmの微細な凹凸が全面に生成する。
<アルカリエッチング処理>
アルカリエッチング処理は、上記アルミニウム板をアルカリ溶液に接触させることにより、表層を溶解する処理である。
電解粗面化処理より前に行われるアルカリエッチング処理は、機械的粗面化処理を行っていない場合には、前記アルミニウム板(圧延アルミ)の表面の圧延油、汚れ、自然酸化皮膜等を除去することを目的として、また、既に機械的粗面化処理を行っている場合には、機械的粗面化処理によって生成した凹凸のエッジ部分を溶解させ、急峻な凹凸を滑らかなうねりを持つ表面に変えることを目的として行われる。
アルカリエッチング処理の前に機械的粗面化処理を行わない場合、エッチング量は、0.1〜10g/m2 であるのが好ましく、1〜5g/m2 であるのがより好ましい。エッチング量が0.1g/m2未満であると、表面の圧延油、汚れ、自然酸化皮膜等が残存する場合があるため、後段の電解粗面化処理において均一なピット生成ができずムラが発生してしまう場合がある。一方、エッチング量が1〜10g/m2であると、表面の圧延油
、汚れ、自然酸化皮膜等の除去が十分に行われる。上記範囲を超えるエッチング量とするのは、経済的に不利となる。
アルカリエッチング処理の前に機械的粗面化処理を行う場合、エッチング量は、3〜20g/m2 であるのが好ましく、5〜15g/m2 であるのがより好ましい。エッチング量が3g/m2未満であると、機械的粗面化処理等によって形成された凹凸を平滑化でき
ない場合があり、後段の電解処理において均一なピット形成ができない場合がある。また、印刷時に汚れが劣化する場合がある。一方、エッチング量が20g/m2を超えると、
凹凸構造が消滅してしまう場合がある。
電解粗面化処理の直後に行うアルカリエッチング処理は、酸性電解液中で生成したスマットを溶解させることと、電解粗面化処理により形成されたピットのエッジ部分を溶解させることを目的として行われる。電解粗面化処理で形成されるピットは電解液の種類によって異なるためにその最適なエッチング量も異なるが、電解粗面化処理後に行うアルカリエッチング処理のエッチング量は、0.1〜5g/m2 であるのが好ましい。硝酸電解液を用いた場合、塩酸電解液を用いた場合よりもエッチング量は多めに設定する必要がある。電解粗面化処理が複数回行われる場合には、それぞれの処理後に、必要に応じてアルカリエッチング処理を行うことができる。
アルカリ溶液に用いられるアルカリとしては、例えば、カセイアルカリ、アルカリ金属塩が挙げられる。具体的には、カセイアルカリとしては、例えば、カセイソーダ、カセイカリが挙げられる。また、アルカリ金属塩としては、例えば、タケイ酸ソーダ、ケイ酸ソーダ、メタケイ酸カリ、ケイ酸カリ等のアルカリ金属ケイ酸塩;炭酸ソーダ、炭酸カリ等のアルカリ金属炭酸塩;アルミン酸ソーダ、アルミン酸カリ等のアルカリ金属アルミン酸塩;グルコン酸ソーダ、グルコン酸カリ等のアルカリ金属アルドン酸塩;第二リン酸ソーダ、第二リン酸カリ、第三リン酸ソーダ、第三リン酸カリ等のアルカリ金属リン酸水素塩が挙げられる。中でも、エッチング速度が速い点および安価である点から、カセイアルカリの溶液、および、カセイアルカリとアルカリ金属アルミン酸塩との両者を含有する溶液が好ましい。特に、カセイソーダの水溶液が好ましい。
<デスマット処理>
電解粗面化処理またはアルカリエッチング処理を行った後、表面に残留する汚れ(スマット)を除去するために酸洗い(デスマット処理)が行われる。用いられる酸としては、例えば、硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、フッ化水素酸、ホウフッ化水素酸が挙げられる。上記デスマット処理は、例えば、上記アルミニウム板を塩酸、硝酸、硫酸等の濃度0.5〜30質量%の酸性溶液(アルミニウムイオン0.01〜5質量%を含有する。)に接触させることにより行う。アルミニウム板を酸性溶液に接触させる方法としては、例えば、アルミニウム板を酸性溶液を入れた槽の中を通過させる方法、アルミニウム板を酸性溶液を入れた槽の中に浸せきさせる方法、酸性溶液をアルミニウム板の表面に噴きかける方法が挙げられる。デスマット処理においては、酸性溶液として、上述した電解粗面化処理において排出される硝酸を主体とする水溶液もしくは塩酸を主体とする水溶液の廃液、または、後述する陽極酸化処理において排出される硫酸を主体とする水溶液の廃液を用いることができる。デスマット処理の液温は、25〜90℃であるのが好ましい。また、処理時間は、1〜180秒であるのが好ましい。デスマット処理に用いられる酸性溶液には、アルミニウムおよびアルミニウム合金成分が溶け込んでいてもよい。
<陽極酸化処理>
以上のように粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じてアルカリエッチング処理及び中和処理された後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、リン酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化の処理条件は用いる電解質により種々変わるので一概に特定し得ないが一般的には電解質の濃度が1〜80質量%溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲であれば適当である。陽極酸化皮膜
の量は2.0g/m2より少ないと平版印刷版の非画像部に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる。
<親水性表面および親水化処理>
平版印刷版用支持体においては、印刷物の汚れ防止の観点から、その表面が親水性であることが好ましい。支持体の親水性表面としては、前記アルミニウム基材表面に陽極酸化皮膜を形成した場合でも親水性を示すが、さらにその上から親水化処理を施すことが好ましい。ここでいう親水性表面とは、水との接触角が10°より小さいものを言い、5°より小さくなるものが特に好ましい。また親水化処理した際、親水化処理に用いた化合物は陽極酸化皮膜に吸着していることが親水性の持続性という観点から好ましい。
親水化処理としては、例えば、米国特許第2,946,638号明細書に記載されているフッ化ジルコニウム酸カリウム処理、米国特許第3,201,247号明細書に記載されているホスホモリブデート処理、英国特許第1,108,559号に記載されているアルキルチタネート処理、独国特許第1,091,433号明細書に記載されているポリアクリル酸処理、独国特許第1,134,093号明細書および英国特許第1,230,447号明細書に記載されているポリビニルホスホン酸処理、特公昭44−6409号公報に記載されているホスホン酸処理、米国特許第3,307,951号明細書に記載されているフィチン酸処理、特開昭58−16893号公報および特開昭58−18291号公報に記載されている親油性有機高分子化合物と2価の金属との塩による処理、タモールなど多価スルホン酸化合物への浸漬処理が挙げられる。
また、特開昭62−019494号公報に記載されているリン酸塩、特開昭62−033692号公報に記載されている水溶性エポキシ化合物、特開昭62−097892号公報に記載されているリン酸変性デンプン、特開昭63−056498号公報に記載されているジアミン化合物、特開昭63−130391号公報に記載されているアミノ酸の無機または有機酸、特開昭63−145092号公報に記載されているカルボキシ基またはヒドロキシ基を含む有機ホスホン酸、特開昭63−165183号公報に記載されているアミノ基とホスホン酸基を有する化合物、特開平2−316290号公報に記載されている特定のカルボン酸誘導体、特開平3−215095号公報に記載されているリン酸エステル、特開平3−261592号公報に記載されている1個のアミノ基とリンの酸素酸基1個を持つ化合物、特開平3−215095号公報に記載されているリン酸エステル、特開平5−246171号公報に記載されているフェニルホスホン酸等の脂肪族または芳香族ホスホン酸、特開平1−307745号公報に記載されているチオサリチル酸のようなS原子を含む化合物、特開平4−282637号公報に記載されているリンの酸素酸のグループを持つ化合物等を用いた下塗りによる処理も挙げられる。更に、特開昭60−64352号公報に記載されている酸性染料による着色を行うこともできる。
また、ケイ酸ソーダ、ケイ酸カリ等のアルカリ金属ケイ酸塩の水溶液に浸せきさせる方法等により、親水化処理を行うのが好ましい。
Si付着量としては1.0〜20.0mg/m2付着させることが望ましい。2.0か
ら17.0mg/m2がより望ましい。1.0mg/m2以上であると汚れにくさが良好になり、20.0mg/m2以下であると耐刷性、バーニング耐刷性が良好となる。
<水洗処理>
上述した各処理の工程終了後には水洗を行うのが好ましい。水洗には、純水、井水、水道水等を用いることができる。処理液の次工程への持ち込みを防ぐためにニップ装置を用いてもよい。
[ポリエステルフィルム支持体、紙支持体]
また、表面に適切な塗布層を設けたポリエステルフィルム支持体や紙支持体も本発明において好適に使用できる。例えば、特開200−118254号公報に記載されている、多孔質フィラー粒子、並びに、金属原子及び/又は半金属原子が酸素原子を介して繋がった結合を含有する樹脂と特定の高分子化合物との複合体を含んでなる結着樹脂を含有する層を設けた支持体や、特開2003−19873号公報に記載されている、(1)多孔質フィラー粒子、(2)金属アルコレート、該金属アルコレートとβ−ジケトン類及び/又はβ−ケトエステル類との反応で得られるキレート化合物、及び該キレート化合物を水と反応させて得られる部分的加水分解物の中から選択される少なくとも1種の金属アルコレート系化合物、並びに、(3)金属原子及び/又は半金属原子が酸素原子を介して繋がった結合を含有する樹脂と、該樹脂と水素結合を形成し得る基を含有する有機ポリマーとの複合体からなる結着樹脂を少なくとも含有する層を設けた支持体などが本発明において好適に使用できる。
<平版印刷版の作製方法>
前記本発明のインクジェット記録用被記録媒体を用いて平版印刷版を作製することができる。この平版印刷版の作製方法は、下記(a)工程及び(b)工程を含む。
(a)親水化処理を施した支持体上に、少なくとも一種の塩基性基を有するインク受容層を設けてなるインクジェット記録用被記録媒体表面に、インク組成物を吐出する工程。
(b)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化させることにより、インク組成物が硬化してなる疎水性画像を被記録媒体表面に形成する工程。
ここで本発明の平版印刷版の作製方法に好適に使用しうるインク組成物について述べる。本発明に用いられるインク組成物としては、インク受容層との親和性の観点からは酸基を有するインク組成物であることが好ましい。以下、このようなインク組成物について述べる。
本発明の方法に好ましく用いられるインク組成物は、重合開始剤と、(メタ)アクリル酸及び分子内に酸性基を有する単官能(メタ)アクリル酸のエステル又はアミドからなる群より選択される少なくとも一種の化合物を含有することを特徴とする。
また、検版性の観点からは、さらに着色剤を含有することが好ましい。
以下、インク組成物に含まれる各成分について順次説明する。
(酸性基含有単官能(メタ)アクリル酸誘導体)
本発明における酸性基含有単官能(メタ)アクリル酸誘導体は、(メタ)アクリル酸、及び分子内に酸性基を有する単官能(メタ)アクリル酸のエステル又はアミド、からなる群より選択される少なくとも一種の化合物である。酸性基含有単官能(メタ)アクリル酸誘導体のうち、分子内に酸性基を有する単官能(メタ)アクリル酸のエステル又はアミドについては、分子内に1つの(メタ)アクリル酸エステル又はアミドと1つ以上の酸性基とを有する化合物であれば、特に限定されることなく用いることができる。
また、分子内に存在する酸性基の数は、形成される酸−塩基相互作用に起因する硬化速度の低下抑制と硬化後の皮膜の柔軟性の向上の観点から、1〜3が好ましく、より好ましくは1〜2、特に好ましくは1である。
分子内に酸性基を有する単官能(メタ)アクリル酸のエステル又はアミドにおいて、酸性基として用いることのできる官能基は、pKaが11未満の解離性プロトンを有する官能基であれば好適に使用することができるが、後述の塩基性基含有単官能(メタ)アクリル酸誘導体との相互作用性や入手性の観点から、カルボキシ基、スルホン酸基、フェノール性水酸基、リン酸基、ホスホン酸基、アミノスルホニル基、及び特開2005−107112号公報に記載されているような活性イミド基が好ましく、インク組成物の液物性や硬化性、硬化後の柔軟性の観点から、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基がより好ましく、カルボキシ基が特に好ましい酸性基として挙げられる。
酸性基含有単官能(メタ)アクリル酸誘導体としては、アクリル酸、メタクリル酸、及び下記一般式(I)で示される化合物が好ましいものとして挙げられる。
Figure 2007313802
一般式(I)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、反応性及び重合反応により生成するポリマーの柔軟性の観点から水素原子であることが好ましい。Xは酸素原子又はNR'を表し、重合性部位周辺の運動性を向上することから酸素原子であることが好ましい。R'は水素原子又はアルキル基を表し、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、水素原子であることが特に好ましい。Zは2価の有機基を表し、好ましい2価の有機基としては以下のものを挙げることができる。
<Zの好ましい具体例>
*−(CH2n−* 〔nは2〜12のいずれかの整数を表す。〕
*−CH2−CH2−O−CO−Z'−*
〔Z'は以下から選択される2価の有機基を表す。〕
*−C64−*
*−C64−(CH2n−* 〔nは1〜12のいずれかの整数を表す。〕
*−(CH2n−C64−* 〔nは1〜12のいずれかの整数を表す。〕
*−(CH2n−O−C64−*
Figure 2007313802
上記化学式中、*は連結部位を表す。
本発明では、カルボキシ基を有する単官能(メタ)アクリル酸のエステル又はアミドのうち、臭気等の取り扱い性の観点から一般式(I)で表される化合物がより好ましい。
本発明に好適に用いることのできる、分子内にカルボキシ基を有する単官能(メタ)アクリル酸のエステル又はアミドの具体例〔例示化合物(A−1)〜(A−15)〕を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2007313802
Figure 2007313802
Figure 2007313802
本発明に好適に用いることのできる、分子内にスルホン酸基を有する単官能(メタ)アクリル酸のエステル又はアミドの具体例〔例示化合物(A−16)〜(A−22)〕を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2007313802
Figure 2007313802
本発明に好適に用いることのできる、分子内にリン酸基を有する単官能(メタ)アクリル酸のエステル又はアミドの具体例〔例示化合物(A−23)〜(A−26)〕を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2007313802
インク組成物における、酸性基含有単官能(メタ)アクリル酸誘導体の含有量は、硬化速度と柔軟性とのバランス及びインク組成のインクジェット適性の観点から、インク組成物全体の質量に対して、10〜50質量%の範囲が好ましく、20〜40質量%の範囲が更に好ましい。
(重合開始剤)
インク組成物は、UV硬化性を有するため、重合開始剤を含有する。重合開始剤としては、公知の重合開始剤を使用することができる。本発明においては、ラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
インク組成物に使用する重合開始剤は、外部エネルギーを吸収して重合開始種を生成する化合物である。重合を開始するために使用される外部エネルギーは、熱及び放射線に大別され、それぞれ、熱重合開始剤及び光重合開始剤が使用される。放射線には、γ線、β線、電子線、紫外線、可視光線、赤外線が例示できる。
電子線を照射して、重合性化合物を硬化させるときには、重合開始剤を使用しなくとも硬化できる場合がある。
熱重合開始剤及び光重合開始剤としては公知の化合物が使用できる。
(1)ラジカル重合開始剤
本発明で使用され得る好ましいラジカル重合開始剤としては、(a)芳香族ケトン類、(b)アシルフォスフィン化合物、(c)芳香族オニウム塩化合物、(d)有機過酸化物、(e)チオ化合物、(f)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(g)ケトオキシムエステル化合物、(h)ボレート化合物、(i)アジニウム化合物、(j)メタロセン化合物、(k)活性エステル化合物、(l)炭素ハロゲン結合を有する化合物、並びに(m)アルキルアミン化合物等が挙げられる。
上記のごとき、ラジカル重合開始剤は、一種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(2)カチオン重合開始剤
本発明において、後述するように、カチオン重合性化合物を併用する場合には、カチオン重合開始剤を併用することが好ましい。
本発明で使用され得る好ましいカチオン重合開始剤(光酸発生剤)としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。本発明に好適なカチオン重合開始剤の例を以下に挙げる。
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C654 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、CF3SO3 -塩を挙げることができる。第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができる。第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができる。第4に、鉄アレン錯体を挙げることができる。
上記のごとき、カチオン重合開始剤は、一種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤は、前記特定の単官能(メタ)アクリル酸誘導体混合物100質量部に対して、或いは、後述する(3)他の重合性化合物を任意成分として併用する場合には、特定の単官能(メタ)アクリル酸誘導体混合物やその他の重合性化合物を合算した重合性化合物の総量100質量部に対して、好ましくは0.01〜35質量部が好ましく、より好ましくは0.1〜30質量部、さらに好ましくは0.5〜30質量部の範囲で含有されるのが適当である。
また、本発明において、重合開始剤は、後述の必要に応じて用いることのできる増感色素に対して、重合開始剤:増感色素の質量比で200:1〜1:200、好ましくは、50:1〜1:50、より好ましくは、20:1〜1:5の量で含まれることが適当である。
インク組成物には、以上説明した各成分に加え、本発明の効果を損なわない限りにおいて、物性向上などの目的で、他の成分を併用することができる。これら任意の成分について以下に説明する。
(他の重合性化合物)
インク組成物には、酸性基含有単官能(メタ)アクリル酸誘導体に加えて、他の重合性化合物を含むことが好ましい。本発明に併用可能な他の重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物又はカチオン重合性化合物が挙げられる。他の重合性化合物は、目的とする諸特性、或いは、重合開始剤との関連において適宜選択して用いればよい。
(1)ラジカル重合性化合物
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどのようなものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態を持つものが含まれる。ラジカル重合性化合物は1種のみ用いてもよく、また目的とする特性を向上するために任意の比率で2種以上を併用してもよい。好ましくは2種以上併用して用いることが、反応性、物性などの性能を制御する上で好ましい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エチレン性不飽和基を有する無水物、アクリロニトリル、スチレン、更に種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等のラジカル重合性化合物が挙げられる。
具体的には、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、カルビトールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エポキシアクリレート等のアクリル酸誘導体、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等のメタクリル誘導体、その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられ、更に具体的には、山下晋三編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年大成社);加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79頁、(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品もしくは業界で公知のラジカル重合性乃至架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
ラジカル重合性化合物としては、例えば、特開平7−159983号、特公平7−31399号、特開平8−224982号、特開平10−863号、特開平9−134011号等の各公報に記載されている光重合性組成物に用いられる光硬化型の重合性化合物が挙げられる。カチオン重合性化合物としては、例えば、カチオン重合系の光硬化性樹脂に適用される重合性化合物が知られており、例えば、400nm以上の可視光波長域に増感された光カチオン重合系の光硬化性樹脂に適用される重合性化合物として、特開平6−43633号、特開平8−324137号の各公報等に記載される重合性化合物が挙げられる。
(2)カチオン重合性化合物
インク組成物には、必要に応じてカチオン重合性化合物を併用することもできる。
本発明に用いられるカチオン重合性化合物は、光酸発生剤から発生する酸により重合反応を開始し、硬化する化合物であれば特に制限はなく、光カチオン重合性モノマーとして知られる各種公知のカチオン重合性のモノマーを使用することができる。カチオン重合性モノマーとしては、例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892号、同2001−40068号、同2001−55507号、同2001−310938号、同2001−310937号、同2001−220526号などの各公報に記載されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
インク組成物には、これらのカチオン重合性化合物は、1種のみを用いても、2種以上を併用してもよいが、インク硬化時の収縮を効果的に抑制するといった観点からは、オキセタン化合物とエポキシ化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物と、ビニルエーテル化合物とを併用することが好ましい。
(3)好ましい他の重合性化合物
本発明に使用する他の重合性化合物としては、(メタ)アクリル系モノマー或いはプレポリマー、エポキシ系モノマー或いはプレポリマー、ウレタン系モノマー或いはプレポリマー等の(メタ)アクリル酸エステル(以下、適宜「アクリレート化合物」と称する。)が好ましく用いられる。更に好ましくは、下記化合物である。
即ち、2−エチルヘキシル−ジグリコールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、メトキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、ノニルフェノールEO付加物アクリレート、変性グリセリントリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、変性ビスフェノールAジアクリレート、フェノキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ビスフェノールAのPO付加物ジアクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートトリレンジイソシアナートウレタンプレポリマー、ラクトン変性可撓性アクリレート、ブトキシエチルアクリレート、プロピレングリコールジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアナートウレタンプレポリマー、2−ヒドロキシエチルアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアナートウレタンプレポリマー、ステアリルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソミリスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ラクトン変性アクリレート、等が挙げられる。
これらのアクリレート化合物は、従来UV硬化型インクに用いられてきた重合性化合物より、皮膚刺激性や感作性(かぶれ易さ)が小さく、比較的粘度を下げることができ、安定したインク吐出性が得られ、重合感度、記録媒体との密着性も良好である。
他の重合性化合物として列挙されているモノマーは、低分子量であっても感作性が小さいものであり、かつ、反応性が高く、粘度が低く、記録媒体への密着性に優れる。
感度、滲み、記録媒体との密着性をより改善するためには、モノアクリレートと、分子量400以上、好ましくは500以上の多官能アクリレートモノマー又は多官能アクリレートオリゴマーを併用することが好ましい。特に、PETフィルムやPPフィルムといった柔軟な被記録媒体への記録に使用するインク組成物においては、上記化合物群の中から選ばれるモノアクリレートと、多官能アクリレートモノマー又は多官能アクリレートオリゴマーとの併用は、膜に可撓性を持たせて密着性を高めつつ、膜強度を高められるため好ましい。
さらに、単官能、二官能、三官能以上の多官能モノマーの少なくとも3種の重合性化合物を併用する態様が、安全性を維持しつつ、更に、感度、滲み、被記録媒体との密着性をより改善することができるという観点から好ましい。
モノアクリレートとしては、ステアリルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソミスチルアクリレート、イソステアリルアクリレートが感度も高く、低収縮性でカールの発生を防止できるとともに、滲み防止、印刷物の臭気、照射装置のコストダウンの点で好ましい。
モノアクリレートと併用しうるオリゴマーとしては、エポキシアクリレートオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマーが特に好ましい。
なお、メタクリレートは、皮膚低刺激性がアクリレートより良好である。
上記化合物の中でもアルコキシアクリレートを70質量%未満の量で使用し、残部をアクリレートとする場合、良好な感度、滲み特性、臭気特性を有するため好ましい。
本発明において、(3)他の重合性化合物として前記アクリレート化合物を使用する場合、他の重合性化合物の全質量(即ち、(3)成分の総量)に対して、前記アクリレート化合物が10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上含まれることがさらに好ましい。また、(2)特定の単官能(メタ)アクリル酸誘導体混合物と併用する(3)他の重合性化合物の総てを、前記アクリレート化合物とすることもできる。
<重合性化合物の添加量>
インク組成物おいて、重合性化合物の総含有量、即ち、酸性基含有単官能(メタ)アクリル酸誘導体、及び、これと併用しうる他の重合性化合物の総含有量は、インク組成物全体の質量に対して、5〜97質量%であることが好ましく、より好ましくは30〜95質量%である。
なお、重合開始剤と重合性化合物の選択に関して言えば、インク組成物に使用する着色剤の遮光効果による感度低下を防ぐ手段として、カチオン重合性化合物とカチオン重合開始剤との組み合わせ、及び、ラジカル重合性化合物とラジカル重合開始剤との組み合わせの他、これらの重合性化合物及び重合開始剤を併用したラジカル・カチオンのハイブリッド型硬化インクとしてもよい。
(着色剤)
インク組成物を平版印刷版の画像部形成に用いる場合には、特に着色画像を形成することは必須ではないが、形成された画像部の視認性を向上するため、或いは、インク組成物を用いて着色画像を形成しようとするときは、着色剤を含有することが好ましい。
本発明に使用することのできる着色剤としては、特に制限はないが、耐候性に優れ、色再現性に富んだ(1)顔料及び(2)油溶性染料が好ましく、溶解性染料等の任意の公知の着色剤から選択して使用することができる。インク組成物又はインクジェット記録用インク組成物に好適に使用し得る着色剤は、活性放射線による硬化反応の感度を低下させないという観点からは、硬化反応である重合反応において重合禁止剤として機能しない化合物を選択することが好ましい。
(1)顔料
本発明に使用できる顔料としては、特に限定されるわけではないが、例えばカラーインデックスに記載される下記の番号の有機又は無機顔料が使用できる。
赤あるいはマゼンタ顔料としては、例えば、Pigment Red 3、5、19、22、31、38、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、88、104、108、112、122、123、144、146、149、166、168、169、170、177、178、179、184、185、208、216、226、257、Pigment Violet 3、19、23、29、30、37、50、88、Pigment Orange 13、16、20、36、等が挙げられる。
青又はシアン顔料としては、例えば、Pigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17−1、22、27、28、29、36、60、等が挙げられる。
緑顔料としては、例えば、Pigment Green 7、26、36、50、党が挙げられる。
黄顔料としては、例えば、Pigment Yellow 1、3、12、13、14、17、34、35、37、55、74、81、83、93、94,95、97、108、109、110、137、138、139、153、154、155、157、166、167、168、180、185、193、等が挙げられる。
黒顔料としては、例えば、Pigment Black 7、28、26、等が挙げられる。
白色顔料としては、例えば、PigmentWhite 6、18、21、等が挙げられる。
これらの顔料は、目的に応じて適宜選択して使用できる。
(2)油溶性染料
以下に、本発明で使用することのできる油溶性染料について説明する。
本発明で使用することのできる油溶性染料とは、水に実質的に不溶な染料を意味する。具体的には、25℃での水への溶解度(水100gに溶解できる染料の質量)が1g以下であり、好ましくは0.5g以下、より好ましくは0.1g以下であるものを指す。従って、油溶性染料とは、所謂水に不溶性の顔料や油溶性色素を意味し、これらの中でも油溶性色素が好ましい。
本発明に使用可能な油溶性染料のうち、イエロー染料としては、任意のものを使用することができる。例えば、カップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、開鎖型活性メチレン化合物類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分として開鎖型活性メチレン化合物類を有するアゾメチン染料;例えばベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料;例えばナフトキノン染料、アントラキノン染料等のようなキノン系染料;等が挙げられ、これ以外の染料種としてはキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げることができる。
本発明に使用可能な油溶性染料のうち、マゼンタ染料としては、任意のものを使用することができる。例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、オキソノール染料のようなメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料;例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン系染料;例えばジオキサジン染料等のような縮合多環系染料;等を挙げることができる。
本発明に適用可能な油溶性染料のうち、シアン染料としては、任意のものを使用することができる。例えばインドアニリン染料、インドフェノール染料あるいはカップリング成分としてピロロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料のようなポリメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料;フタロシアニン染料;アントラキノン染料;例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;インジゴ・チオインジゴ染料;等を挙げることができる。
前記の各染料は、クロモフォア(発色性の原子団)の一部が解離して初めてイエロー、マゼンタ、シアンの各色を呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
以下に限定されるものではないが、好ましい具体例としては、例えば、C.I.ソルベント・ブラック 3,7,27,29及び34;C.I.ソルベント・イエロー 14,16,19,29,30,56,82,93及び162;C.I.ソルベント・レッド 1,3,8,18,24,27,43,49,51,72,73,109,122,132及び218;C.I.ソルベント・バイオレット 3;C.I.ソルベント・ブルー 2,11,25,35,38,67及び70;C.I.ソルベント・グリーン 3及び7;並びにC.I.ソルベント・オレンジ 2;等が挙げられる。
これらの中で特に好ましいものは、Nubian Black PC−0850、Oil Black HBB 、Oil Yellow 129、Oil Yellow 105、Oil Pink 312、Oil Red 5B、Oil Scarlet 308、Vali Fast Blue 2606、Oil Blue BOS(オリエント化学(株)製)、Aizen Spilon Blue GNH(保土ヶ谷化学(株)製)、NeopenYellow 075、Neopen Mazenta SE1378、Neopen Blue 808、Neopen Blue FF4012、Neopen Cyan FF4238(BASF社製)等である。
本発明においては、油溶性染料は1種単独で用いてもよく、また、数種類を混合して用
いてもよい。
また、着色剤として油溶性染料を使用する場合には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、他の水溶性染料、分散染料、顔料等の着色剤を併用することもできる。
また、本発明においては、水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で分散染料を用いることもできる。分散染料は一般に水溶性の染料も包含するが、本発明においては水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で用いることが好ましい。分散染料の好ましい具体例としては、C.I.ディスパースイエロー 5,42,54,64,79,82,83,93,99、100,119,122,124,126,160,184:1,186,198,199,201,204,224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ 13,29,31:1,33,49,54,55,66,73,118,119及び163;C.I.ディスパーズレッド 54,60,72,73,86,88,91,92,93,111,126,127,134,135,143,145,152,153,154,159,164,167:1,177,181,204,206,207,221,239,240,258,277,278,283,311,323,343,348,356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット 33;C.I.ディスパーズブルー 56,60,73,87,113,128,143,148,154,158,165,165:1,165:2,176,183,185,197,198,201,214,224,225,257,266,267,287,354,358,365及び368;並びにC.I.ディスパーズグリーン 6:1及び9;等が挙げられる。
本発明に使用することができる着色剤は、インク組成物又はインクジェット記録用インク組成物に添加された後、適度に当該インク内で分散することが好ましい。着色剤の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各分散装置を用いることができる。
また、着色剤の分散を行う際に分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、その種類に特に制限はないが、好ましくは高分子分散剤を用いることであり、高分子分散剤としては、例えば、Zeneca社のSolsperseシリーズが挙げられる。また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。本発明において、これらの分散剤及び分散助剤は、着色剤100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。
着色剤は、インク組成物の調製に際して、各成分とともに直接添加により配合してもよいが、分散性向上のため、あらかじめ溶剤、又は本発明における特定の単官能(メタ)アクリル酸誘導体や、所望により併用される他の重合性化合物のような分散媒体に添加し、均一分散或いは溶解させた後、配合することもできる。
本発明において、溶剤が硬化画像に残留する場合の耐溶剤性の劣化並びに残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound:揮発性有機化合物)の問題を避けるためにも、着色剤は、特定の単官能(メタ)アクリル酸誘導体を含む重合性化合物のいずれか1つ又はそれらの混合物に予め添加して、配合することが好ましい。なお、分散適性の観点のみを考慮した場合、着色剤の添加に使用する重合性化合物は、最も粘度の低いモノマーを選択することが好ましい。
着色剤は、インク組成物の使用目的に応じて、1種又は2種以上を適宜選択して用いればよい。
なお、インク組成物中において、固体のまま存在する顔料などの着色剤を使用する際には、着色剤粒子の平均粒径は、好ましくは0.005〜0.5μm、より好ましくは0.01〜0.45μm、さらに好ましくは、0.015〜0.4μmとなるよう、着色剤、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定することが好ましい。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性及び硬化感度を維持することができるので好ましい。
本発明のインク組成物中における着色剤の含有量は、使用目的により適宜選択されるが、インク物性、着色性を考慮すれば、一般的には、インク組成物全体の質量に対して、1〜10質量%であることが好ましく、2〜8質量%含有することがより好ましい。
(増感色素)
インク組成物には、重合開始剤の活性光線照射による分解を促進させるために増感色素を添加することができる。増感色素は、特定の活性放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感色素は、重合開始剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用を生じ、これにより重合開始剤の化学変化、即ち、分解、ラジカル、酸或いは塩基の生成を促進させるものである。
増感色素は、インク組成物に使用される重合開始剤に開始種を発生させる活性放射線の波長に応じた化合物を使用すればよいが、一般的なインク組成物の硬化反応に使用されることを考慮すれば、好ましい増感色素の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nm域に吸収波長を有するものを挙げることができる。
例えば、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)、等が挙げられる。
より好ましい増感色素の例としては、下記式(IX)〜(XIII)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2007313802
式(IX)中、Aは硫黄原子又はNR50を表し、R50はアルキル基又はアリール基を表し、Lは隣接するA及び隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R51、R52はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表し、R51、R52は互いに結合して、色素の酸性核を形成してもよい。Wは酸素原子又は硫黄原子を表す。
Figure 2007313802
式(X)中、Ar及びArはそれぞれ独立にアリール基を表し、−L−による結合を介して連結している。ここでLは−O−又は−S−を表す。また、Wは式(IX)に示したものと同義である。
Figure 2007313802
式(XI)中、Aは硫黄原子又はNR59を表し、Lは隣接するA及び炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R53、R54、R55、R56、R57及びR58はそれぞれ独立に一価の非金属原子団の基を表し、R59はアルキル基又はアリール基を表す。)
Figure 2007313802
式(XII)中、A、Aはそれぞれ独立に−S−、−NR62−、又は−NR63−を表し、R62、R63は、それぞれ独立に置換若しくは非置換のアルキル基、又は置換若しくは非置換のアリール基を表し、L、Lはそれぞれ独立に、隣接するA、A及び隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R60、R61はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表し、R60、R61は互いに結合して脂肪族性又は芳香族性の環を形成することができる。
Figure 2007313802
式(XIII)中、R66は置換基を有してもよい芳香族環又はヘテロ環を表し、Aは酸素原子、硫黄原子又は=NR67を表す。R64、R65及びR67はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表し、R67とR64、及びR65とR67はそれぞれ互いに脂肪族性又は芳香族性の環を形成するため結合することができる。
式(IX)〜(XIII)で表される化合物の好ましい具体例としては、以下に示すものが挙げられる。
Figure 2007313802
Figure 2007313802
(共増感剤)
インク組成物は、共増感剤を含有することもできる。本発明において共増感剤は、増感色素の活性放射線に対する感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
この様な共増感剤の例としては、アミン類、例えば、M.R.Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
共増感剤の別の例としては、チオール及びスルフィド類、例えば、特開昭53−702号公報、特公昭55−500806号公報、特開平5−142772号公報記載のチオール化合物、特開昭56−75643号公報のジスルフィド化合物等が挙げられ、具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
また別の例としては、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)、特開平6−250387号公報記載のリン化合物(ジエチルホスファイト等)、特開平8−65779号記載のSi−H、Ge−H化合物等が挙げられる。
(その他の成分)
インク組成物には、必要に応じて、他の成分を添加することができる。その他の成分としては、例えば、重合禁止剤、溶剤、等が挙げられる。
重合禁止剤は、保存性を高める観点から添加され得る。また、インク組成物をインクジェト記録用インク組成物として使用する場合には、40〜80℃の範囲で加熱、低粘度化して吐出することが好ましく、熱重合によるヘッド詰まりを防ぐためにも、重合禁止剤を添加することが好ましい。重合禁止剤は、本発明のインク組成物全量に対し、200〜20,000ppm添加することが好ましい。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、TEMPO、TEMPOL、クペロンAl等が挙げられる。
インク組成物及びインクジェット記録用インク組成物が放射線硬化型インク組成物であることに鑑み、インク組成物着弾直後に速やかに反応しかつ硬化し得るよう、溶剤を含まないことが好ましい。しかし、インク組成物の硬化速度等に影響がない限り、所定の溶剤を含めることができる。本発明において、溶剤としては、有機溶剤、水が使用できる。特に、有機溶剤は、被記録媒体(紙などの支持体)との密着性を改良するために添加され得る。有機溶剤を添加すると、VOCの問題が回避できるので有効である。
有機溶剤の含有量は、インク組成物全体の質量に対し、例えば、0.1〜5質量%、好ましくは0.1〜3質量%の範囲である。
この他に、必要に応じて公知の化合物を本発明のインク組成物に添加することができる。例えば、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエス
テル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワッス類等を適宜選択して添加することができる。また、ポリオレフィンやPET等の被記録媒体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーを含有させることも好ましい。具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6頁に記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香属アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などが挙げられる。
−インク組成物の性質−
本発明において使用されるインク組成物は、上述のように、重合開始剤、及び特定の単官能(メタ)アクリル酸誘導体、他の重合性化合物、及び着色剤等を含有するものであることが好ましい。
これら成分の含有量について述べれば、インク組成物全体の質量に対して、着色剤が好ましくは1〜10質量%、より好ましくは、2〜8質量%、酸性基含有単官能(メタ)アクリル酸誘導体や塩基性基含有単官能(メタ)アクリル酸誘導体を含む全重合性化合物が、好ましくは5〜97質量%、より好ましくは、30〜95質量%である。重合開始剤が、特定の単官能(メタ)アクリル酸誘導体を含む全重合性化合物に対して、好ましくは0.01〜35質量%、より好ましくは、0.1〜30質量%の量、さらに好ましくは0.5〜30質量%となるように含有することが適当である。
このようなインク組成物を、インクジェット記録方式により、前記本発明のインクジェット記録用被記録媒体表面に吐出して、硬化させることで種々の画像や平版印刷版を形成することができる。インクジェット記録用インクとしての使用態様における好ましい物性について以下に説明する。
インク組成物をインクジェット記録用インクとして使用する場合には、吐出性を考慮し、吐出時の温度(例えば、40〜80℃、好ましくは25〜50℃)において、粘度が、好ましくは7〜30mPa・sであり、より好ましくは7〜25mPa・sである。例えば、インク組成物の室温(25〜30℃)での粘度は、好ましくは35〜500mPa・s、より好ましくは35〜200mPa・sである。
インク組成物は、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク浸透を回避し、未硬化モノマーの低減、臭気低減が可能となる。更にインク液滴着弾時のインクの滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善される。
インク組成物の表面張力は、好ましくは20〜30mN/m、より好ましくは23〜28mN/mである。ポリオレフィン、PET、コート紙、非コート紙など様々な被記録媒体へ記録する場合、滲み及び浸透の観点から、20mN/m以上が好ましく、濡れ性の点はで30mN/m以下が好ましい。
[インクジェット記録方法]
本発明の平版印刷版の作製方法に適用しうるインクジェット記録装置について、以下説明する。
インク組成物をインクジェット記録方式により前記本発明の被記録媒体(支持体、被記録材料等)上に吐出し、被記録媒体上に吐出されたインク組成物に活性放射線を照射し、インクを硬化して画像(平版印刷版のインク受容領域)を形成することができる。
平版印刷版の作製方法における(a)工程には、以下に詳述するインクジェット記録装置を用いることができる。
<インクジェット記録装置>
本発明の方法に用いられるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、目的とする解像度を達成しうる公知のインクジェット記録装置を任意に選択して使用することができる。即ち、市販品を含む公知のインクジェット記録装置であれば、いずれも、本発明のインクジェット記録方法の(a)工程における被記録媒体へのインクの吐出を実施することができる。
本発明で用いることのできるインクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、活性放射線源を含む装置が挙げられる。
インク供給系は、例えば、本発明のインク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、1〜100pl、好ましくは、8〜30plのマルチサイズドットを例えば、320×320〜4000×4000dpi、好ましくは、400×400〜1600×1600dpi、より好ましくは、720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
上述したように、放射線硬化型インクは、吐出されるインクを一定温度にすることが望ましいことから、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までは、断熱及び加温を行うことができる。温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近に設けることができる。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断もしくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、あるいは熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
次に、(b)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射してインク組成物を硬化する工程について説明する。
被記録媒体上に吐出されたインク組成物は、活性放射線を照射することによって硬化する。これは、本発明のインク組成物に含まれる重合開始剤が活性放射線の照射により分解して、ラジカル、酸、塩基などの開始種を発生し、その開始種の機能により、特定の単官能(メタ)アクリル酸誘導体や所望により併用される他の重合性化合物の重合反応が、生起、促進されてインク組成物が硬化するためである。このとき、インク組成物において重合開始剤とともに増感色素が存在すると、系中の増感色素が活性放射線を吸収して励起状態となり、重合開始剤と接触することによって重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させる。
ここで、使用される活性放射線は、α線、γ線、電子線、X線、紫外線、可視光又は赤外光などが使用され得る。活性放射線のピーク波長は、増感色素の吸収特性にもよるが、例えば、200〜600nmであることが好ましく、300〜450nmであることがより好ましく、350〜420nmであることがさらに好ましい。
また、本発明では、重合開始系は、低出力の活性放射線であっても充分な感度を有するものである。従って、活性放射線の出力は、2,000mJ/cm2以下であることが好ましく、より好ましくは、10〜2,000mJ/cm2であり、さらに好ましくは、20〜1,000mJ/cm2であり、特に好ましくは、50〜800mJ/cm2である。
また、活性放射線は、露光面照度が、例えば、10〜2,000mW/cm2、好ましくは、20〜1,000mW/cm2で照射されることが適当である。
活性放射線源としては、水銀ランプやガス・固体レーザー等が主に利用されており、紫外線光硬化型インクジェット記録用インクの硬化に使用される光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプが広く知られている。しかしながら、現在環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。更にLED(UV−LED),LD(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、光硬化型インクジェット用光源として期待されている。
また、発光ダイオード(LED)及びレーザーダイオード(LD)を活性放射線源として用いることが可能である。特に、紫外線源を要する場合、紫外LED及び紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。更に一層短い波長が必要とされる場合、米国特許番号第6,084,250号明細書は、300nmと370nmとの間に中心付けされた活性放射線を放出し得るLEDを開示している。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。本発明で特に好ましい活性放射線源は、UV−LEDであり、特に好ましくは、350〜420nmにピーク波長を有するUV−LEDである。
また、LEDの被記録媒体上での最高照度は10〜2,000mW/cm2であることが好ましく、20〜1,000mW/cm2であることがより好ましく、特に好ましくは50〜800mW/cm2である。
インク組成物は、このような活性放射線に、例えば、0.01〜120秒、好ましくは、0.1〜90秒照射されることが適当である。
活性放射線の照射条件並びに基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、インクの吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われる。活性放射線の照射は、インク着弾後、一定時間(例えば、0.01〜0.5秒、好ましくは、0.01〜0.3秒、より好ましくは、0.01〜0.15秒)をおいて行われることになる。このようにインク着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、被記録媒体に着弾したインクが硬化前に滲むことを防止するこが可能となる。また、多孔質な被記録媒体に対しても光源の届かない深部までインクが浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えられ、その結果として臭気を低減することができる。
更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させてもよい。WO99/54415号パンフレットでは、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されており、このような硬化方法もまた、本発明の方法に適用することができる。
上述したようなインクジェット記録方法を採用することにより、酸性基を有するインク組成物との親和性に優れたインク受容層を有する本発明の被記録媒体に対してインクを吐出した場合、着弾したインクのドット径を一定に保つことができ、画質が向上する。なお、カラー画像を得るためには、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。明度の低いインクから順に重ねることにより、下部のインクまで照射線が到達しやすくなり、良好な硬化感度、残留モノマーの低減、臭気の低減、密着性の向上が期待できる。また、照射は、全色を吐出してまとめて露光することが可能だが、1色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
このようにして、インク組成物は、活性放射線の照射により高感度で硬化し、疎水性画像を、親水性表面を有する被記録媒体上に形成する。
本発明の被記録媒体はインクとの親和性に優れるインク受容層を有するため、インク組成物が活性放射線により硬化することにより、支持体との密着性に優れた疎水性領域を形成することができる。従って、本発明の方法により得られた平版印刷版は高画質であり耐刷性にも優れる。
また、このインク受容層は、塩基性化合物を含有するため酸性の消去液に対して溶解性が高く、消去液により、その表面に形成された画像部分ごと速やかに除去される。また、消去液の付着した部分では、支持体の親水化した表面が露出し、高画質の画像が形成される。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例における形態に限定されるものではない。
〔インク組成物の調製〕
下記表に記載の処方に従い調製した組成物を高速水冷式攪拌機により撹拌し、インクジェット用として好適なインク組成物(IK−1)〜(IK−5)を調整した。
Figure 2007313802
Figure 2007313802
Figure 2007313802
Figure 2007313802
Figure 2007313802
(比較インク組成物(IK−A)の調製)
前記インク組成物(IK−1)において、カルボン酸基含有重合性モノマー(酸基含有モノマー)を用いなかった他は同様にして比較インク組成物(IK−A)を調製した。
〔インクジェット用被記録媒体の作製〕
(支持体の作製)
Si:0.06質量%、Fe:0.30質量%、Cu:0.025質量%、Mn:0.001質量%、Mg:0.001質量%、Zn:0.001質量%、Ti:0.03質量%を含有し、残部はAlと不可避不純物のアルミニウム合金を用いて溶湯を調製し、溶湯処理及びろ過を行った上で、厚さ500mm、幅1200mmの鋳塊をDC鋳造法で作製した。表面を平均10mmの厚さで面削機により削り取った後、550℃で、約5時間均熱保持し、温度400℃に下がったところで、熱間圧延機を用いて厚さ2.7mmの圧延板とした。更に、連続焼鈍機を用いて熱処理を500℃で行った後、冷間圧延で、厚さ0.24mmに仕上げ、JIS 1050材のアルミニウム板を得た。なお、得られたアルミニウムの平均結晶粒径の短径は50μm、長径は300μmであった。このアルミニウム板を幅1030mmにした後、以下に示す表面処理に供しアルミニウム支持体を作成した。
<表面処理>
表面処理は、以下の(a)〜(j)の各種処理を連続的に行った。なお、各処理及び水洗の後には、ニップローラーで液切りを行った。
(a)機械的粗面化処理
比重1.12の研磨剤(パミス)と水との懸濁液を研磨スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状ナイロンブラシにより機械的粗面化処理を行った。研磨剤の平均粒径は30μm、最大粒径は100μmであった。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロン、毛長は45mm、毛の直径は0.3mmであった。ナイロンブラシはφ300mmのステンレス製の筒に穴をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(φ200mm)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7kWプラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向と同じであった。ブラシの回転数は200rpmであった。
(b)アルカリエッチング処理
上記で得られたアルミニウム板をカセイソーダ濃度2.6質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%、温度70℃の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を行い、アルミニウム板を10g/m2溶解した。その後、スプレーによる水洗を行った。
(c)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマット処理に用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
(d)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸10.5g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L、アンモニウムイオンを0.007質量%含む。)、液温50℃であった。交流電源波形は、電流値がゼロからピークに達するまでの時間が0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。
電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で220C/dm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。その後、スプレーによる水洗を行った。
(e)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.50g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
(f)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度15質量%水溶液(アルミニウムイオンを4.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
(g)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩酸5.0g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L含む。)、温度35℃であった。交流電源波形は、電流値がゼロからピークに達するまでの時間が0.8msec、duty比1:1、台形の炬形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。
電流密度は電流のピーク値で25A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気
量の総和で50C/dm2であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
(h)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.12g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
(i)デスマット処理
温度60℃の硫酸濃度25質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。
(j)陽極酸化処理
陽極酸化装置(第一及び第二電解部長各6m、第一及び第二給電部長各3m、第一及び第二給電部長各2.4m)を用いて陽極酸化処理を行った。第一及び第二電解部に供給した電解液としては、硫酸を用いた。電解液は、いずれも、硫酸濃度50g/L(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、温度20℃であった。その後、スプレーによる水洗を行った。最終的な酸化皮膜量は2.7g/m2であった。
(親水化処理)
このように処理された支持体を、3号珪酸ソーダ水溶液に、70℃で13秒間浸漬した後、水洗乾燥した。
(インク受容層の形成)
[インク受容層用ポリマー(L−1)の合成]
MeOH 9.46gを加えた200ml三口フラスコに、75℃、窒素雰囲気下で、ジエチルアミノエチルメタクリレート7.30g(30.0mmol)、メタクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウム12.97g(70.0mmol)、V−601 0.9210g(4.0mmol)、MeOH 37.83gの溶液を2時間かけて滴下し、更に5時間反応させた。反応液を酢酸エチルで再沈し、ろ過乾燥して、本発明に係る塩基性基を有する化合物であるインク受容層形成用ポリマー(L−1)を18.85g得た。
[インク受容層用ポリマー(L−A)の合成]
MeOH 11.16gを加えた200ml三口フラスコに、75℃、窒素雰囲気下で、ビニルベンジルトリエチルアンモニウムクロリド10.15g(40.0mmol)、アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウム13.75g(60.0mmol)、V−601 1.1513g(5.0mmol)、MeOH 44.63gの溶液を2時間かけて滴下し、更に4時間反応させた。反応液を酢酸エチルで再沈し、ろ過乾燥してインク受容層形成用ポリマー(L−A)を21.76g得た。
Figure 2007313802
<インク受容層の形成>
上記で作製した支持体上に下記インク受容層用塗布液(1)をバー塗布した後、100℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量が30mg/mのインク受容層(塩基性基を有するポリマー層)を形成した。以上のようにして、平版印刷用支持体を得た。
−インク受容層用塗布液−
・特定共重合体 0.051g
・メタノール 9.00g
・水 1.00g
(平版印刷版の作製と評価)
上記で作製した本発明のインクジェット記録用被記録媒体上に、前記インク組成物(IK−1)〜(IK−5)で印字して画像を形成し、硬化させた。これを平版印刷版として評価を行った。
(耐刷性の評価)
得られた平版印刷版を、小森コーポレーション社製のリスロン印刷機を用い、湿し水として、エコリティ−2の3%水溶液(富士写真フィルム(株)製)を、インキとして、大日本インキ化学工業社製のDIC−GEOS(N)墨のインキを供給して印刷し、ベタ画像の濃度が薄くなり始めたと目視で認められた時点の印刷枚数により、耐刷性を評価した。なお、評価結果は、比較例2を基準(100)とした相対指数を耐刷指数として表しており、この耐刷指数は数字が大きいほど高耐刷であり、好ましい。
(消去性の評価)
下記処方の消去液を、画像領域に応じて毛筆に含ませるか、ペンからにじみ出させて、平版印刷版上の不要な画像部に塗布した後、30秒間放置し、水を噴霧して洗い流した。えられた消去処理後の平版印刷版を小森コーポレーション社製のリスロン印刷機で、大日本インキ化学工業社製のDIC−GEOS(N)墨のインキを用いて印刷し、不要な画像部の消去性を印刷物から目視で確認し、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
○:不要な画像部が除去されている
△:不要な画像部がほぼ除去されている
×:不要な画像部が除去されず、汚れが生じている
<消去液組成>
・プロピレンカーボネート 10.0質量部
・エチレンカーボネート 40.0質量部
・ジメチルスルホキシド 33.3質量部
・純水 8.4質量部
・ジルコンフッ化水素酸(40wt%水溶液) 2.4質量部
・トリエタノールアミン 1.2質量部
・粉末二酸化ケイ素 4.7質量部
Figure 2007313802
表6の結果より、本発明のインクジェット記録用被記録媒体を用いることで、耐刷性に優れた平版印刷版を得ることができることがわかる。さらに、実施例1と実施例9との対比により、この被記録媒体に酸性基を有するインク組成物を適用して画像形成することにより一層の耐刷性の向上を図ることができることがわかる。また、これら平版印刷版は画像形成後の消去性にも優れていることがわかる。

Claims (3)

  1. 親水化処理を施した支持体上に、少なくとも一種の塩基性基を有する化合物を含有するインク受容層を設けてなるインクジェット記録用被記録媒体。
  2. (a)親水化処理を施した支持体上に、少なくとも一種の塩基性基を有するインク受容層を設けてなるインクジェット記録用被記録媒体表面に、インク組成物を吐出する工程と、
    (b)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化させることにより、インク組成物が硬化してなる疎水性画像を被記録媒体表面に形成する工程、
    を含むことを特徴とする平版印刷版の作製方法。
  3. 前記インク組成物が、酸性基を有する化合物を含有すること特徴とする請求項2記載の平版印刷版の作製方法。
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