JP2007313442A - マイクロ波抽出法及び抽出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】マイクロ波照射による抽出を実施する際に、最適抽出条件を維持しながら、抽出材料から抽出物を安定に抽出することが可能な抽出法、及びその装置を提供すること。
【解決手段】マイクロ波照射によって抽出材料から抽出物を抽出する方法であって、検出温度に応じてマイクロ波発生装置の出力を制御しながらマイクロ波を照射することを特徴とする抽出法。マイクロ波を透過する性質を有する反応容器と、該反応容器にマイクロ波を照射するマイクロ波発生装置と、検出手段の測定値に応じてマイクロ波発生装置の出力を制御する制御装置とを有し、前記反応容器にマイクロ波を照射し、抽出材料又は抽出材料と溶媒を加熱して抽出物を抽出することを特徴とする抽出装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロ波を照射して抽出材料から抽出物を抽出する方法、及びこの方法を行うための抽出装置に関する。
地球温暖化対策の一環として、バイオマスを燃料に用いた発電技術が知られている。バイオマスとしては、都市ごみ、食品残渣、下水汚泥等の産業系バイオマス、家畜糞尿等の動物系バイオマス、栽培植物系、伐採木、農作物残渣等の植物系バイオマスがあり、上記バイオマスの粉砕物や、それらの炭化物、液化物、ガス化物等が燃料に用いられている。しかし、固体のバイオマスは嵩高いため、収集・運搬エネルギーが多く必要となり、大量に調達しなければならない場合や、発電を遠方にて実施する場合は、不向きである。これを解消するために、バイオマスを液化、ガス化する技術があるが、現状ではいずれも大規模な装置を必要とする、高コストであるといった問題点がある。
一方、バイオマスは様々な成分を含んでおり、植物系バイオマスの中には付加価値の高い精油成分や油脂等を含むものもあるが、現状のバイオマスの利用方法ではそれらの付加価値の高い成分も燃料として消費してしまっている。
植物系バイオマスから精油等の油分を抽出する事は、従来から実施されており、圧搾、水蒸気、熱水、有機溶媒、ラード等による抽出が行われている。近年は、電磁波を利用して植物系バイオマスから天然物を抽出する方法も提案されている(例えば、特許文献1〜3)。
特表2002−542941号公報 特開2004−89786号公報 特開平9−85001号公報
しかしながら、圧搾では抽出効率が低くなるという問題があった。また、水蒸気蒸留で電気ヒータ等の間接加熱装置を用いた場合は、伝熱を介した加熱方法であるために加熱に時間がかかり、反応装置の立ち上げ時間が長く、そのため抽出時間が長くかつエネルギー消費量が多くなり、温度条件を変えるのにも時間がかかるという問題があった。熱水や有機溶媒による抽出では抽出時間が長くあるいは繁雑でかつエネルギー消費量も多いという問題があった。
一方、マイクロ波を利用した抽出は、加熱媒体を直接加熱できる方法であるため、エネルギー消費量を最適化しやすい。しかしながら、植物系バイオマス等を用いて実際に抽出を行って見ると、植物系バイオマスの水分量、粉砕サイズ、種類など、状態によって反応条件が異なるため、抽出温度を高く設定すると、溶媒蒸気発生量が多くなり過ぎ、冷却エネルギーが多大に必要になったり、抽出材料が過熱しすぎるという問題があった。逆に、抽出温度を低く設定すると、抽出物の収量が少なくなったり、反応が途中で停止するという問題があった。したがって、特に天然物の植物系バイオマスを処理する際の最適条件、具体的には例えば抽出温度や蒸気注入量等の最適条件は、処理対象の状態によって大きく変動するため、最適抽出条件を維持しながら高収量を得ることが難しいという問題があった。
本発明は、従来の課題を解決するものであり、マイクロ波照射による抽出を実施する際に、最適抽出条件を維持しながら、抽出材料から抽出物を安定に抽出することが可能な抽出法、及びその装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明者らはマイクロ波を制御する基準を、例えば抽出材料の温度、溶媒の温度、蒸気管の温度など種々検討することで、それぞれの制御の特徴を把握し、かつ最も安定した反応を行うための制御方法を見出すことに成功し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
1)マイクロ波照射によって抽出材料から抽出物を抽出する方法であって、検出温度に応じてマイクロ波発生装置の出力を制御しながらマイクロ波を照射することを特徴とする抽出法、
2)マイクロ波吸収性の溶媒を用い、抽出材料と溶媒を加熱して抽出物を抽出する前記1)に記載の抽出法、
3)マイクロ波の周波数が0.5GHz〜10GHzである前記1)又は2)に記載の抽出法、
4)抽出材料が植物系バイオマスである前記1)〜3)のいずれかに記載の抽出法、
5)マイクロ波を透過する性質を有する反応容器と、該反応容器にマイクロ波を照射するマイクロ波発生装置と、検出手段の測定値に応じてマイクロ波発生装置の出力を制御する制御装置とを有し、前記反応容器にマイクロ波を照射し、抽出材料又は抽出材料と溶媒を加熱して抽出物を抽出することを特徴とする抽出装置、
6)マイクロ波を透過する性質を有する反応容器の材料が、ガラス、セラミック、陶磁器又はプラスチックのいずれかである前記5)に記載の抽出装置、
7)抽出材料中、溶媒中又は蒸気管のいずれかに検出手段を設けた前記5)又は6)に記載の抽出装置。
本発明によれば、検出温度に応じてマイクロ波発生装置の出力を制御することで、マイクロ波出力が不安定になることなく、安定して、最適条件で抽出物を抽出することができる。そのため、余計な冷却エネルギーが不要である。また、マイクロ波の出力を抑えすぎることによる蒸気発生量の減少や、反応の停止と言った問題も生じない。
本発明の抽出法及び装置は、長時間の抽出が必要な抽出材料に適用した場合でも、安定に抽出操作を実施することができる。また、制御温度を変化させることで、蒸気流量を調節することが可能になる。
したがって、本発明によれば、過熱や加熱不足を生じさせないために抽出装置の継続運転を容易に行うことができ、かつ高い熱効率であるためにエネルギー消費が少なく、環境負荷を増大させることがない。そのため、植物系バイオマス等の抽出材料から精油等の高付加価値物質を安定して抽出することができ、抽出後の残渣は、発熱量が高くハンドリング容易なバイオマス燃料として利用することが可能になる。
本発明の抽出法は、マイクロ波照射によって抽出材料から抽出物を抽出する方法であって、検出温度に応じてマイクロ波発生装置の出力を制御しながらマイクロ波を照射することを特徴とするものである。抽出材料の代表例としては、植物系バイオマス、食物系バイオマス等の含水性のバイオマス材料が挙げられる。
植物系バイオマスは、それらの種類、葉や枝等の部位によって異なるが、種々の天然物(精油、香料、油脂等)を含有する。植物系バイオマスの中でも、栽培系バイオマス及び廃棄物系バイオマスが、主に使用される。栽培系バイオマスとしては、木や草の葉、実、枝、根などが挙げられる。廃棄物系バイオマスとしては、木材、間伐材、伐採木、剪定枝、おがくず、樹皮、チップ、端材、流木、竹、笹、木質建築廃材などの木質系バイオマス;モミ殻、稲藁、麦藁、バガス、アブラヤシ(パーム油の原料)のヤシ殻などの農作物系バイオマスが挙げられる。
食物系バイオマスとしては、食品工場や外食産業から出る食品残渣などが挙げられる。
これらのバイオマスの中でも、油の含有量が多いという点では、栽培系バイオマスや食物系バイオマスが好適で、成分の安定性という点では、栽培系バイオマスが好適である。また、栽培系バイオマスのなかでも、実や葉が好ましく、一般的には広葉樹より針葉樹が好ましい。
抽出に際しては、まず、これらの抽出対象たる抽出材料を前処理する。抽出材料が木や草の葉、枝、根、実、幹等の固体状である場合には、破砕装置により、抽出材料を10mm以下の径にまで破砕することが好ましい。
次いで、破砕された材料を反応容器に入れ、更に、抽出用の溶媒を反応容器又は反応容器に連通した容器に入れる。抽出材料と溶媒をスラリー状態としたものを反応容器に入れてもよい。反応容器にスラリーを投入した場合は、溶媒とバイオマスの投入量によってマイクロ波エネルギーバランスがかわってしまうため、制御が難しくなり、概して抽出物の収量が減少しかつ消費エネルギーが増える。また、スラリーを投入した場合は熱水抽出となるため、抽出成分が熱分解・劣化をうけやすくなる。したがって、抽出材料と溶媒は、別々に反応容器に入れることが望ましい。この場合、反応容器内に、蒸気が流通できる孔を設けた多孔板や多孔シート等を設置し、抽出材料と溶媒を分離させておくこともできる。また、抽出材料の含水率は、材料温度が急激に上昇するのを防止するため、約25〜90質量%程度の含水率とすることが望ましい。この範囲の含水率であれば、抽出材料に元々含まれている水分を十分に加熱できるため、マイクロ波のエネルギーが抽出材料と溶媒の加熱に用いられるので、反応条件の制御も容易になる。
次いで、抽出材料と溶媒の入った反応容器に、マイクロ波発生装置からマイクロ波を照射して、抽出材料及び溶媒を加熱し、抽出物を抽出する。抽出時の反応温度は、35℃〜150℃が好ましい。35℃以上であれば低沸点の成分を蒸留することができ、150℃以下であれば分解温度の低い成分でも安定に蒸留することができる。
前記の溶媒は、水の他、好ましい有機溶媒として、エーテル類、メタノール、エタノール等のアルコール類、酢酸エチル、ピリジン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、アセトン等が挙げられる。これらの抽出溶媒はいずれもマイクロ波吸収性であり、その中でもコスト、安全性等を考慮すると水が好ましい。
また、反応容器の材料は、マイクロ波を透過する性質を有するもの、例えばガラス(石英ガラス、パイレックスガラス、耐熱ガラスなど)、セラミック、陶磁器、又はポリエチレン、フッ素系樹脂等のプラスチック等が好ましい。
マイクロ波発生装置から照射されるマイクロ波の出力は10W〜20kWであり、周波数は0.5〜10GHzであることが好ましい。溶媒が水の場合は、電子レンジの部品として安価なマグネトロンが市場に提供されている2.45GHzの周波数を用いることが更に好ましい。マイクロ波の出力方法は連続照射、パルス照射のいずれであってもよい。マイクロ波発生装置には、マグネトロン等のマイクロ波発振器や、固体素子を用いたマイクロ波発振器等を設置することができる。
本発明の抽出装置は、マイクロ波を透過する性質を有する反応容器と、該反応容器にマイクロ波を照射するマイクロ波発生装置と、検出手段の測定値に応じてマイクロ波発生装置の出力を制御する制御装置とを有し、前記反応容器にマイクロ波を照射し、抽出材料又は抽出材料と溶媒を加熱して抽出物を抽出することを特徴とするものである。反応容器の周囲は、マイクロ波が外部に漏洩することを防ぐための、金属製の壁により電磁気的に遮蔽される構造であることが好ましく、金属製の壁により囲まれていることが望ましい。更に、金属製の壁にマイクロ波が進入できない径の開口部を設け、前記反応容器から抽出物を含んだ蒸気を排出するための蒸気出口を設けることが望ましい。又は、該開口部にマイクロ波を消去するためのチョーク構造を設けてもよい。反応容器には、抽出溶媒の蒸気を導入するための入口を設けることもできる。
反応容器から排出した蒸気は、開口部に接続された蒸気管を通じて、回収容器に回収される。蒸気管から回収容器に至る途中には、冷却手段が設置されており、これにより冷却された溶媒と抽出物を回収することができる。冷却の際の温度は、通常−20〜10℃、溶媒が水の場合は−10〜5℃の範囲が好ましい。
検出手段は、抽出材料中、溶媒中及びマイクロ波発生装置内外の開口部近傍の蒸気管の他、その他必要に応じて設置する。検出手段で測定した温度を電気信号に変換して制御装置に伝え、マイクロ波発生装置の出力を制御することで、反応容器内部の温度が所望の温度に保持される。検出手段の原理には制限が無く、熱電対、ファイバー温度計、その他の検出手段の何れを用いてもよい。
以下、本発明を実施例を用いて更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
<実施例1(試料温度による制御)>
図1に示したマイクロ波発生装置(2)内に設置された内径100mm高さ100mmの耐熱ガラス製のセパラブル三ツ口円筒フラスコ(反応容器)(1)に、純水148.17gと沸石を加え、テフロン製の目皿を設置した。目皿の穴は5mmのものを使用し、その上に、バイオマスが下にこぼれ落ちないようにメッシュサイズ0.75φのテフロンパンチングシートを設置した。この上に、バイオマスとしてトドマツ葉粉砕物52.42gを加えた。トドマツ葉粉砕物は分析ミル(IKA Works Guangzhou社製 型式:A11 basic)にて8mmアンダーに破砕して得た。さらに、反応容器(1)に連結した蒸気管(4)を、開口部(5)を通じて装置(2)外に出し、蒸気管と連結するように長さ300mmのリービッヒ冷却管(6)を設置し、これに100ml容の分液ロート(7)を連結した。なお、冷却部にはリービッヒ冷却管に加えて分岐管にてさらに補助冷却用のジムロートを連結してもよい。また、分液ロートとリービッヒ冷却管との連結部を分岐し、余分な排ガスをドラフトへ送気する管を設けた。
周波数2.45GHzのマイクロ波を上記の反応容器に照射し、バイオマス試料温度を170℃に保つよう熱電対Aを用いて制御装置(3)でマイクロ波出力を制御しながら、60分間水蒸気蒸留を行い、その間の試料温度(熱電対A)、溶媒温度(熱電対B)、蒸気管温度(熱電対C)、マイクロ波出力を観察した。
試験開始4分で各温度は安定し、蒸気も一定して発生した。マイクロ波出力も約300〜400W程度の幅でほぼ安定した値になった。しかし時間の経過とともに発生蒸気によって試料中の水分が増えてくると、試料温度を維持するためにマイクロ波出力が高くなり、これに伴い、蒸気発生量も増加し、冷却が追いつかなくなり、さらに試料温度も低下してくるため、試料温度を維持するためにマイクロ波出力が急上昇し、安定した値を保てなくなった。
<実施例2(溶媒温度による制御)>
図1に示したマイクロ波発生装置(2)内に設置された内径120mm高さ100mmの耐熱ガラス製のセパラブル三ツ口円筒フラスコ(反応容器)(1)に、純水280.03gと沸石を加え、テフロン製の目皿を設置した。目皿の穴は5mmのものを使用し、その上に、バイオマスが下にこぼれ落ちないようにメッシュサイズ0.75φのテフロンパンチングシートを設置した。この上に、バイオマスとしてマツ伐採木(枝、葉、実の混合物)粉砕物120.07gを加えた。マツ伐採木粉砕物は実施例1と同様に8mmアンダーに破砕して得た。反応容器と連結する蒸気管、冷却装置、精油回収装置は実施例1と同様に設置した。
周波数2.45GHzのマイクロ波を上記の反応容器に照射し、反応容器底部の溶媒(純水)温度を102℃に保つよう熱電対Bを用いて制御装置(3)でマイクロ波出力を制御しながら、60分間水蒸気蒸留を行い、その間の試料温度、溶媒温度、蒸気管温度、マイクロ波出力を観察した。試験開始4分で各温度はほぼ安定した値となり、マイクロ波出力も試験開始20分まで徐々に400W程度に収束する傾向にあった。しかしながら、その後溶媒温度のわずかな偏差が生じたとき、マイクロ波出力は大きく変動し、250〜600Wの幅で常時変動を繰り返した。また、溶媒量の減少に伴いマイクロ波出力が低下し、蒸気温度が下がり蒸留が停止した。また、バイオマス試料温度は、試料中の水分が蒸発したのち、上昇する傾向にあった。
<実施例3(蒸気温度による制御)>
実施例2と同様の構成で純水280.01g、マツ伐採木(枝、葉、実の混合物)粉砕物120.03gを用いた。
周波数2.45GHzのマイクロ波を上記の反応容器(1)に照射し、反応容器と連結した蒸気管(4)外壁に密着して設置した熱電対Cを用いて、設置部の温度を92℃に保つよう制御装置(3)でマイクロ波出力を制御しながら、60分間水蒸気蒸留を行い、その間の試料温度、溶媒温度、蒸気管温度、マイクロ波出力を観察した。試験開始4分で各温度、マイクロ波出力ともほぼ安定した値となった。マイクロ波出力は溶媒量の減少によりゆるやかな減少傾向を示した。本実施例では他の2つの実施例と異なり、蒸気流量は終始一定して得られ、各温度も反応終了時まで安定していた。また、蒸気温度設定を変えることで蒸気流量を調節することもでき、安定した蒸留が可能であった。
実施例1〜2では、抽出材料中の水分量が反応中に経時的に変化するため、抽出材料のマイクロ波吸収率は下がる傾向にあり、抽出材料や溶媒といった出発物質の温度を制御対象とすると、この変化に敏感に反応してマイクロ波出力が激しく変化したり、急激に増加してしまったと考察される。これに対し、反応生成物である蒸気の温度および量に対応する蒸気管温度を制御対象とすることで、安定し、かつ最適な反応状態を保つことが可能となった。
本発明の方法は、抽出材料から抽出物を安定して抽出することができ、植物系バイオマスから天然物質を省エネルギーで抽出するのに適用することができる。また、大型装置から小型装置まで幅広く適用することができるだけでなく、得られた抽出物を、製薬、化粧品、食品、芳香剤、染色剤などの様々な産業分野で利用することが可能となる。更に、抽出後の植物系バイオマスなどの抽出材料は、燃料として利用することができる。
実施例で用いた装置の概略構成図である。
符号の説明
1 反応容器
2 マイクロ波発生装置
3 制御装置
4 蒸気管
5 開口部
6 冷却手段
7 回収容器

Claims (7)

  1. マイクロ波照射によって抽出材料から抽出物を抽出する方法であって、検出温度に応じてマイクロ波発生装置の出力を制御しながらマイクロ波を照射することを特徴とする抽出法。
  2. マイクロ波吸収性の溶媒を用い、抽出材料と溶媒を加熱して抽出物を抽出する請求項1に記載の抽出法。
  3. マイクロ波の周波数が0.5GHz〜10GHzである請求項1又は2に記載の抽出法。
  4. 抽出材料が植物系バイオマスである請求項1〜3のいずれか1項に記載の抽出法。
  5. マイクロ波を透過する性質を有する反応容器と、該反応容器にマイクロ波を照射するマイクロ波発生装置と、検出手段の測定値に応じてマイクロ波発生装置の出力を制御する制御装置とを有し、前記反応容器にマイクロ波を照射し、抽出材料又は抽出材料と溶媒を加熱して抽出物を抽出することを特徴とする抽出装置。
  6. マイクロ波を透過する性質を有する反応容器の材料が、ガラス、セラミック、陶磁器又はプラスチックのいずれかである請求項5に記載の抽出装置。
  7. 抽出材料中、溶媒中又は蒸気管のいずれかに検出手段を設けた請求項5又は6に記載の抽出装置。
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