JP2007309975A - 三次元画像表示方法及び三次元画像表示装置 - Google Patents

三次元画像表示方法及び三次元画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】アフォーカルな多重テレセントリック結像光学系で構成した従来の三次元画像表示装置は、装置のサイズが画面サイズに対して過大であり、また、レンズの収差により良好な像を得ることが難しい。
【解決手段】プロジェクタ100は偏心のある投影光学系を有し、全体としては水平方向及び垂直方向に二次元的に配置されて二次元画像投影装置アレイを構成しており、三次元画像形成に必要な指向性光線の方向を与える像形成をプロジェクタ100で行うため、アフォーカル光学系の共通像面18を共有レンズ16付近に形成できるため、共有レンズ16と垂直拡散板17とを近接させて配置できる。また、プロジェクタ100が備える偏心のある投影光学系103と共有レンズ16により偏向機能を実現する。これにより、従来に比べて光路長や共有レンズ16のサイズの縮小化が実現できる。
【選択図】図1

Description

本発明は三次元画像表示方法及び三次元画像表示装置に係り、特にホログラフィとは異なる原理に基づいて、いわゆる空間像としての三次元画像を表示する三次元画像表示方法及び三次元画像表示装置に関する。
従来実用化されている眼鏡なし二眼式立体ディスプレイや多眼式立体ディスプレイは、水平方向に観察位置を移動することにより生じる画像のとび、すなわち不連続な運動視差による不自然さや、いわゆる輻輳と調節の不一致に起因する眼精疲労の問題のために普及するには至っていない。
また、究極の三次元表示方式といわれるホログラフィ方式は、印刷技術としては実用化されているが、ディスプレイ技術としては電子的な表示デバイスの性能が決定的に不足しているために実用化には程遠いのが現実である。
しかし、従来の視差情報を用いながらも上記の輻輳と調節の不一致の問題を解決する超多眼と呼ばれる概念が通信・放送機構で行われた三次元表示に関する研究開発プロジェクトにより見出され(例えば、特許文献1及び非特許文献1参照)、この革新的概念を応用した自然な三次元ディスプレイの実用化研究が活発化している。
そのような研究の中でも、実際の物体が発する光を角度単位でサンプリングして得られる多数の光線群を空間に再現することにより、水平方向の滑らかな運動視差と眼精疲労の生じない三次元カラー動画表示を実現する高密度指向性表示方式は、自然で高画質な三次元ディスプレイの実用化が近い将来に可能であることを示唆するものである。この高密度指向性表示方式の技術内容は例えば特許文献2や非特許文献2に詳しく開示されている。
以下、従来例として特許文献2を引用し、高密度指向性表示方式による三次元画像表示技術の概要を説明する。図19は特許文献2に開示された表示原理を引用した図である。同図において、複数の画像発生源がそれぞれ表示角度範囲31を有し、これら複数の画像発生源を図19(a)に示すように斜めに二次元配置し、さらに各画像の垂直方向の表示角度範囲を図19(b)に34で示すように広げて、すべての画像に共通な垂直方向の表示角度範囲35を発生させることにより、水平方向に高密度な画像表示を実現するものである。なお、図19において、32は個々の画像の水平表示角度、33は垂直表示角度である。なお、このような斜めの二次元配置を利用した表示自体は、本従来例以前の多眼式立体表示として知られている(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。
図20は特許文献2における三次元ディスプレイの構成を示す引用図である。図20(a)は三次元画像表示装置全体の模式図、図20(b)はその装置内の二次元画像表示装置アレイの平面図、図20(c)はその装置内のレンズアレイの平面図、図20(d)はその装置内の開口アレイの平面図である。また、図21は同文献における三次元画像表示装置の構成図を引用した図である。図21(a)は水平断面を示す模式図、図21(b)垂直断面を示す模式図である。
図20及び図21において、二次元画像表示装置アレイ40は複数の二次元画像表示装置41が斜めにずらして二次元配置された構成とされている。二次元画像表示装置アレイ40からの光は、レンズアレイ42、開口アレイ44、共有レンズ16を通過し、かつ、垂直方向拡散板47により垂直方向に拡散されて共通像面48に到る。49は光軸である。レンズアレイ42は図20(c)に示すように二次元画像表示装置41に対応した位置に設けられた複数のレンズ43からなる。また、開口アレイ44は、図20(d)に示すように複数のレンズ43に対応した位置に設けられた複数の開口45からなる。
図20及び図21は、図19で示される原理をマルチプロジェクション型の構成で実施する形態を示す図であり、多数の指向性画像を画面単位で多重化して表示するものである。すなわち、多数の二次元画像表示装置41を用いた結像光学系(アフォーカルな多重テレセントリック結像光学系)を水平方向が一致しないように水平方向および垂直方向に二次元的に配置する、すなわち斜めにずらして二次元配置して、水平方向と垂直方向に表示方向が異なる複数の指向性画像を準平行光として発生させ、上記光学系の像面に配置した垂直方向拡散板47を用いて垂直方向にのみ光を拡散させることにより、隣り合う指向性画像が水平方向に高い密度で並んで観察できるようにしたものである(高密度表示)。
上記従来例が開示される以前の多くの多眼式立体表示装置では、水平方向に表示方向の異なる画像を表示するために水平方向にのみ画像発生源を並べていたため、視点の数をたかだか10視点程度しか表示できなかった。このため、視点によって画像が不連続に切り替わる問題、すなわち不連続な運動視差の問題や、上述した眼精疲労の問題があった。
しかし、上記従来例によれば、水平方向に加えて垂直方向にも画像発生源を配置することにより、多数の画像発生源を高い密度で配置することが可能となったため、画像の数を50以上に増加させることができるようになった。しかも、両眼視差と輻輳のみを用いた多眼式立体表示に関する特許文献3や特許文献4記載の多眼式立体表示装置とは異なり、視点を仮定しないで多数の水平方向から平行投影した画像(指向性画像)を用いて光線を空間に集めることで、いわゆる空間像として表示することにより、前後の観察位置に依らない三次元表示を行うことも可能となった。
その結果、滑らかな運動視差をもつ三次元表示が実現されて物質の光沢感などの質感表現が可能になるとともに、単眼に複数の指向性画像が入射するように観察した場合には輻輳と調節の不一致による眼精疲労が生じないことも実験的に確認された。
特開2002−258215号公報 特許第3576521号公報 特許第3533904号公報 特開平10−505689号公報 通信放送機構編、"高度三次元動画像遠隔表示プロジェクト最終報告書"(2002) 高木康博、「64眼式三次元カラーディスプレイとコンピューター合成した三次元物体の表示」、3次元画像コンファレンス2002講演論文集、P85−88
しかしながら、特許文献2記載の上記従来例を用いて三次元画像表示装置を実用化するためには、なおいくつかの課題が残されている。第1の課題は装置のサイズに関するものであり、装置の小型化が難しいことである。すなわち、上記従来例のアフォーカルな多重テレセントリック結像光学系は光路長(図20及び図21における物体面である二次元画像表示装置アレイ40から共通像面48までの距離)が画面サイズに対する割合として大きく、表示装置の奥行き方向のサイズが過大になってしまうことである。
また、図20又は図21に示された共有レンズ46を用いて指向性画像の進行方向を偏向させるため、画面サイズよりも大きい口径の共有レンズ46を使用しなければならなくなる。その結果、装置の奥行きのみならず、幅と高さについても画面サイズに対して過大になる。
第2の課題は、画質に関するものであり、特に鮮明な像を得ることが難しいことである。共有レンズ46の大きさは、図21が示すように少なくとも共通像面48上の画面サイズよりも大きいことが必要であるが、そのような大型の屈折型光学素子としては唯一の選択肢であるフレネルレンズを使用した場合、フレネルレンズ面で生じる収差により、像のぼけが生じる。
現在実用化されている殆どのフレネルレンズは拡散光の平行化といった単純な集光用途として設計されたものであり、点光源から発散する白色光を再び点像として集束させるという、結像用途として用いるのは適当でない。また複数のフレネルレンズを用いて収差特性を改善することも可能であるが、コストが上昇する。
また、この共有レンズ46として用いるフレネルレンズは、このような像のぼけを生じさせるだけでなく、幾何学的形状の歪、すなわち歪曲収差(ディストーション)を発生させる。歪曲収差は画角の3乗に比例して急激に増大するため、フレネルレンズの中心軸から離れた位置で屈折する画像については、大きな歪が生じる。
このような画像の歪を減らすために画像処理による電気的な補正を行わなければならないが、よく知られているように、このような電気的補正は画質の劣化をもたらす。特に、高密度指向性表示においては、観察される三次元画像は観察者の瞳孔で一部が切り取られた複数の短冊状の指向性画像が連結された形で知覚されるため、上記の電気的補正が不完全な場合には指向性画像の滑らかな接続が困難になる。
また、このような電気的補正量をなるべく減らすために、個々の二次元画像表示装置41をフレネルレンズの中心に対して回転対称であり、かつ、なるべく近付けて配置しなければならなくなるという別の課題も生ずる。これは実際の装置の光学設計や機械設計をより困難にする原因となる。
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、従来の高密度指向性表示方式による三次元ディスプレイの装置サイズを実用的なサイズにコンパクト化すると共に、鮮明で歪のない、三次元画像が得られる三次元画像表示方法及び三次元画像表示装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1の発明の三次元画像表示方法は、三次元画像表示させるオブジェクトを複数の水平方向から投影した二次元画像群を水平方向及び垂直方向に二次元的に配置する第1のステップと、二次元画像群の各々に対して偏心した複数の結像光学系により水平方向及び垂直方向に拡大された拡大像を同一領域に形成する第2のステップと、拡大像から発散する光線群に対して、水平方向には準平行光線であり、かつ、垂直方向には拡散光線となるような特定の表示方向を与える第3のステップと、表示方向が与えられた光線群が空間に形成する交点としてオブジェクトが発する光線を再現する第4のステップとを含むことを特徴とする。
また、上記の目的を達成するため、第2の発明の三次元画像表示方法は、複数の画像発生源を水平方向及び垂直方向に二次元的に配置し、複数の画像発生源を物体面とする複数のアフォーカル光学系で、複数の画像発生源で発生される各画像を、複数の画像発生源の個々の画像中心に対して偏心させて配置した偏心レンズアレイにより異なる水平表示角度範囲に表示し、複数のアフォーカル光学系の共通像面に配置される垂直方向拡散板で表示角度範囲を垂直方向にのみ広げてすべての画像に共通な垂直表示角度範囲を作ることで垂直方向の表示方向の違いを解消し、水平方向に表示方向の異なる多数の画像を表示可能にすると共に、複数のアフォーカル光学系の個々の射出瞳が水平方向に不連続にならないように二次元的に配置して、複数の画像発生源で発生される各画像間に水平表示角度範囲の連続性をもたせることを特徴とする。
また、上記の目的を達成するため、第3の発明の三次元画像表示方法は、異なる偏心量をもつ複数の偏心結像系を水平方向及び垂直方向に二次元的に配置し、水平方向及び垂直方向に表示方向の異なる複数の画像を発生させ、複数の偏心結像系をアフォーカル光学系としてすべての画像を異なる水平表示角度範囲に表示し、複数のアフォーカル光学系の共通像面に配置される垂直方向拡散板で表示角度範囲を垂直方向にのみ広げて、複数のアフォーカル光学系の個々の射出瞳が水平方向に不連続にならないように二次元的に配置して、水平方向の表示角度範囲に連続性のある画像を偏心結像系の数だけ生成することを特徴とする。
また、上記の目的を達成するため、第4の発明の三次元画像表示装置は、三次元画像表示させるオブジェクトの発する光線を角度単位で標本化することにより光線空間を再現して、空間像としての三次元画像を表示する三次元画像表示装置であって、各々偏心のある投影光学系を有し、オブジェクトからの光線を出射する二次元画像投影装置が複数台からなり、複数台の二次元画像投影装置を水平方向及び垂直方向に二次元的に配置した二次元画像投影装置アレイと、個々の二次元画像投影装置が具備する投影光学系の内部に配置された開口が、個々の射出瞳が水平方向に連続性をもつように二次元的に配置された複数の開口からなる開口アレイと、開口アレイの画像生成側に配置され、二次元画像投影装置アレイと組み合わせて複数のアフォーカル光学系を構成する像側のレンズを共通化した共有レンズと、共有レンズに近接させて配置され、その近傍に像面を生成する垂直方向拡散板とを具備し、垂直方向拡散板で表示角度範囲を垂直方向にのみ広げてすべての画像に共通な垂直表示角度範囲を作ることで垂直方向の表示方向の違いを解消し、水平方向に表示角度範囲の異なる多数の画像を表示可能にすると共に、隣り合う画像間に水平表示角度範囲の連続性をもたせたことを特徴とする。
また、上記の目的を達成するため、第5の発明の三次元画像表示装置は、三次元画像表示させるオブジェクトの発する光線を角度単位で標本化することにより光線空間を再現して、空間像としての三次元画像を表示する三次元画像表示装置であって、各々オブジェクトからの光線を出射する二次元画像表示装置が複数台からなり、複数台の二次元画像表示装置を、偏心のある投影光学系を用いて水平方向及び垂直方向に二次元的に配置した二次元画像表示装置アレイと、二次元画像表示装置アレイの画像生成側に光軸をシフトさせて配置された偏心レンズアレイと、偏心レンズアレイの画像生成側に配置され、個々の射出瞳が水平方向に連続性をもつように二次元的に配置される開口アレイと、開口アレイの画像生成側に配置され、偏心レンズアレイと組み合わせて複数のアフォーカル光学系を構成する像側のレンズを共通化した共有レンズと、共有レンズに近接させて配置され、その近傍に像面を生成する垂直方向拡散板とを具備し、垂直方向拡散板で表示角度範囲を垂直方向にのみ広げてすべての画像に共通な垂直表示角度範囲を作ることで垂直方向の表示方向の違いを解消し、水平方向に表示角度範囲の異なる多数の画像を表示可能にすると共に、隣り合う画像間に水平表示角度範囲の連続性をもたせたことを特徴とする。
また、上記の目的を達成するため、第6の発明の三次元画像表示装置は、三次元画像表示させるオブジェクトの発する光線を角度単位で標本化することにより光線空間を再現して、空間像としての三次元画像を表示する三次元画像表示装置であって、水平方向及び垂直方向に二次元的に配置される照明光学系アレイと、照明光学系アレイの画像生成側に配置されており、各々オブジェクトからの光線を出射する二次元画像表示装置が複数台からなり、複数台の二次元画像表示装置を、偏心のある投影光学系を用いて水平方向及び垂直方向に二次元的に配置した二次元画像表示装置アレイと、二次元画像表示装置アレイの画像生成側に光軸をシフトさせて配置された偏心レンズアレイと、偏心レンズアレイの画像生成側に配置され、偏心レンズアレイと組み合わせて複数のアフォーカル光学系を構成する像側のレンズを共通化した共有レンズと、共有レンズの画像生成側に近接させて配置され、その近傍の画像生成側に像面を生成する垂直方向拡散板とを具備し、垂直方向拡散板で表示角度範囲を垂直方向にのみ広げてすべての画像に共通な垂直表示角度範囲を作ることで垂直方向の表示方向の違いを解消し、水平方向に表示角度範囲の異なる多数の画像を表示可能にすると共に、共有レンズの焦点面に生じる光量分布が水平方向に不連続にならないように照明光学系アレイの光の出射角度を制御して、隣り合う画像間に水平表示角度範囲の連続性をもたせたことを特徴とする。
また、上記の目的を達成するため、第7の発明の三次元画像表示装置は、第6の発明の構成に加えて、開口アレイを設けたものであり、共有レンズの焦点面に生じる光量分布が水平方向に連続的になるように照明光学系アレイの光の出射角度を制御して、隣り合う画像間に水平表示角度範囲の連続性をもたせたことを特徴とする。
更に、上記の目的を達成するため、第8の発明の三次元画像表示装置は、画像面付近に凸レンズを配置することで水平視域幅を広げることを特徴とする。また、第9の発明の三次元画像表示装置は、画像表示の際に各画像毎に独立に光源を用意するのではなく、一つの光源の光を分岐光ファイバで複数に分岐して複数の画像表示に用いることを特徴とする。
なお、第6乃至第8の発明の照明光学系アレイは、単一の光源と、前記水平方向及び垂直方向に二次元的に配置された複数の照明光学系と、前記単一の光源から出射した光を前記複数の照明光学系のそれぞれへ分岐して入射する分岐ファイバとからなる構成であってもよい。この場合は、コストダウンと装置の小型化を実現できる。
また、本発明は、三次元画像表示装置において、水平方向及び垂直方向に二次元的に配置される複数のマイクロディスプレイデバイスと、マイクロディスプレイデバイスの各々に対して異なる偏心量で投射レンズ光学系をシフトさせることにより投射方向を各々異なる方向に偏向させるレンズシフト機構と、前記投射レンズ光学系の内部に配置され、肉眼観察する際の画像が水平方向に連続性をもつように大きさを規定する開口絞りと、前記投射レンズ光学系と組み合わせて偏向された個々の光線をテレセントリックな状態に略平行化することにより指向性光線を生成するフレネルレンズと、フレネルレンズに近接して配置した垂直方向に屈折力を有するレンチキュラー面と、レンチキュラー面の近傍の同一エリアに前記投射レンズ光学系による多重像を結像させる像面とを具備し、前記レンチキュラー面で垂直方向にのみ前記指向性光線を拡散することにより垂直方向の表示方向の違いを解消し、水平方向に表示角度範囲の異なる多数のストライプ画像を肉眼観察可能にするとともに、ストライプ画像間に水平表示角度範囲の連続性をもたせて水平表示方向のとびをなくすことにより、継ぎ目のない像を網膜上に形成することを特徴とする。
本発明によれば、共有レンズと垂直方向拡散板と共通像面とを極めて近接して配置することで、従来に比べて二次元画像投影装置から共通像面までの光路長や共有レンズのサイズの縮小化を実現したため、装置の奥行き方向が短縮されると共に、共有レンズのサイズが画面サイズと同等で済むため装置の幅と高さも短縮されることにより、すべての方向について装置を小型化でき、実用的な装置サイズで高密度指向性三次元画像表示を実現できる。
また、本発明によれば、像形成は二次元画像投影装置や二次元画像表示装置側で行うことで、共有レンズで生じる収差の影響を排除できるようにしたため、鮮明な三次元画像を観察できると同時に、共有レンズによる画像の歪(歪曲収差)が発生しなくなることにより、電気的歪補正を最小にでき、良好な三次元画像が観察できる。
次に、本発明の最良の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明になる三次元画像表示装置の一実施の形態の構成図、図2は本発明になる三次元画像表示装置の一実施の形態の基本構成を示す図である。両図中、同一構成部分には同一符号を付してある。
図2(a)は装置全体の斜視図であり、図2(b)は装置を構成するアレイ光学系の正面図を示す。図1及び図2において、三次元画像表示装置は、二次元画像表示装置アレイ10、レンズアレイ12、開口アレイ14、共有レンズ16、垂直方向拡散板17からなる。また、18は共通像面、19は光軸である。
図2(b)は上記のアレイ光学系の正面図であり、二次元画像表示装置アレイ10は、複数の二次元画像表示装置11が斜めにずらして二次元配置された構成とされている。レンズアレイ12は、二次元画像表示装置11に対応した位置に設けられた複数のレンズ13からなる。また、開口アレイ14は、複数のレンズ13に対応した位置に設けられた複数の開口15からなる。
図2の実施の形態と図20の従来例とを比較すると分かるように、両者の光学系の構成要素は類似しており、マルチプロジェクションによる多重アフォーカル光学系である点で共通している。しかし、本実施の形態は特許文献2に開示された従来例と比較すると以下の相違点を有している。
すなわち、従来例では共有レンズ46と垂直方向拡散板47がフレネルレンズの焦点距離程度に離れて配置されており、垂直方向拡散板47の位置に共通像面48が設定されていたのに対し、本実施の形態では、共有レンズ16と垂直方向拡散板17と共通像面18とがほぼ一体化されて配置されていることである。この相違点を以下により詳しく説明する。
図3は本発明の三次元画像表示装置の基本構成を示す上面図であり、図4はその側面図である。図3(a)及び図4(a)はアレイ光学系全体の光軸19上に二次元画像表示装置11がある場合の光線状態を示しており、図3(b)及び図4(b)は光軸19から外れた位置に二次元画像表示装置11がある場合の光線状態を示している。
これらの図において、斜線で示した領域は二次元画像表示装置11に表示された画像からの光線が存在する領域を表している。また、この領域の境界付近の実線で示す光線は、個々の開口15を通過する代表的な3本の光線を示している。すなわち、開口15の中心を通過する1本の主光線(principal ray)と、開口15の縁を通過する2本の外縁光線(marginal ray)である。
これらの主光線(principal ray)と外縁光線(marginal ray)の光路が示すように、二次元画像表示装置11から発せられた発散光線は、共有レンズ16付近の共通像面18で収束する。すなわち、二次元画像表示装置11と共有レンズ16がほぼ結像関係にある。このことは、共有レンズ16が結像に寄与しないことを意味する。ただし、共有レンズ16で結像した後に再び発散する光線群により形成される三次元画像には、後に詳しく説明するように共有レンズ16の寄与が存在する。
一方、従来例では、二次元画像表示装置41と共有レンズ46は結像関係にないため、共有レンズ46による収差が画質に悪影響をもたらしている。このことを図17及び図18を用いて説明する。
図17は従来例の構成における光線状態を示す上面図であり、図18は従来例の構成における光線状態を示す側面図である。これらの図に示すように、二次元画像表示装置41から発せられた主光線(principal ray)及び外縁光線(marginal ray)は、共有レンズ46で屈折した後に垂直方向拡散板47近傍の共通像面48上で収束する。すなわち、二次元画像表示装置41と垂直方向拡散板47がほぼ結像関係にある。従って、共有レンズ46で光が屈折することで生じる収差が共通像面48に影響することになる。
共有レンズ46の具体例としては、大型の光学素子が必要であることから、屈折光学系ではフレネルレンズ、反射光学系ではミラーということになる。いずれも非球面化することで球面収差を抑えることは可能であるが、コマ収差その他のザイデル収差を総合的に低減させることは実際上困難である。そして、共通像面48上の収差状態が良好でない限り、後に詳しく説明するように空間像として形成される三次元画像の画質、特に解像感は良好なものになりえない。
ところで、かかる相違点はこのような画質の向上に寄与するだけでなく、装置のコンパクト性の向上にも寄与する。なぜなら、従来例である図17が示すように共有レンズ46と垂直方向拡散板47が離れている場合に比べて、図3に示す本実施の形態では光路長が短縮されるからである。
例えば、図17に示す従来例において、二次元画像表示装置41をレンズアレイ42の物体側焦点面付近に配置した場合、垂直方向拡散板47と共有レンズ46の距離は、アフォーカル光学系(無焦点光学系)の近軸関係からほぼ共有レンズ46の焦点距離となる。この共有レンズ46の焦点距離は、アフォーカル光学系の倍率に比例するため、大画面で表示させようとすれば、比較的大きなものにならざるを得ない。
共有レンズ46の焦点距離の具体例を挙げると、例えば1インチの二次元画像表示装置41(液晶表示素子(LCD)などの投射型デバイス)を60インチで投射する場合(すなわち、倍率60倍)、レンズアレイ42の焦点距離を10mmとすると、共有レンズ46(フレネルレンズ)の焦点距離は60倍の600mmになる。
一方、本実施の形態では、図3、図4に示したように、共有レンズ16と垂直方向拡散板17と共通像面18とがほぼ一体化されて配置されるため、上記の従来例に比べて数百ミリメートル程度の光路長が短縮されることになり、装置の奥行き方向のコンパクト性改善に対して少なからぬ寄与があるといえる。
また、装置の奥行きのみならず幅と高さのコンパクト性に関しても、本実施の形態は従来例に比べて優位性をもつ。従来例では、図17(b)に示したように、光軸49から外れた位置にある二次元画像表示装置41から発せられる光は、共有レンズ46の中心付近を通らずに周辺部で屈折されて共通像面48で結像する。このことは、共通像面48上の像サイズに比べて、共有レンズ46のサイズが大きいことを意味する。一方、共通像面48上の像サイズは、この共通像面48から空間に平行投射される三次元画像のサイズにほぼ等しい。従って、三次元画像のサイズに対して、表示装置の幅と高さが大きくなることになる。
これに対して、本実施の形態では、図3(b)に示したように、光軸19から外れた位置にある二次元画像表示装置11から出た光線が共有レンズ16の中心を通過すると同時に像面が形成されるため、三次元画像サイズと共有レンズ16のサイズがほぼ等しい。
具体例としては、先に述べた数値例において、フレネルレンズ(焦点距離600mm)による最大屈折角を15[deg]とすると、従来例では、幅、高さともに320mmだけ三次元画像サイズよりも大きなフレネルレンズが必要になる。
第2の相違点は、多重結像系を構成するアレイ光学系の配置に関するものである。従来例では図20又は図17若しくは図18が示すように、二次元画像表示装置アレイ40における個々の二次元画像表示装置41の各々の光軸(図示なし)、レンズアレイ42における個々のレンズ43の各々の光軸(一点破線で図示あり)、開口アレイ44における個々の開口45の各々の光軸(一点破線で図示あり)が互いに一致している。そして、これらの各々の光学系の光軸が共有レンズ46の光軸49に対して平行移動した構成となっている。このため、三次元表示に必要な画像の表示方向は、共有レンズ46に対する平行移動量に比例した屈折を利用して与えられている。
これに対して、本実施の形態では、これらの個々の光学系の光軸は一致しておらず、平行偏心している。すなわち、図3又は図4が示すように、二次元画像表示装置11の中心軸(図示なし)に対して、個々のレンズ13の光軸(一点破線で図示あり)と個々の開口15の光軸(一点破線で図示あり)がシフトしている。そして、これらの個々の光学系の絞り中心を通過する光線が共有レンズ16の中心を通過する構成となっている。従って、三次元表示に必要な画像の表示方向は、共有レンズ16で与えられるのではなく、偏心をもつ個々の光学系により最初から与えられているのである。なお、開口15の位置は、レンズ13の入射側、出射側、又はレンズ13内に設けてもよい。
次に、上記の偏心した光学系について、図5を参照しながらより詳しく説明する。図5は偏心をもつ投射光学系アレイの実施形態を示す図である。同図中、図2〜図4と同一構成部分には同一符号を付してある。また、図5において、直交する2本の直線は、水平方向を表す水平軸2、それに垂直な方向を表す垂直軸3である。図5に示すように、本実施の形態では、画像発生源である二次元画像表示装置11は、水平軸2に射影した位置が互いに一致しないように、斜めにずらして配置している。従来例である図20の構成と異なり、これらの二次元画像表示装置11に対して、個々のレンズ13及び開口15を異なる偏心量で水平方向及び垂直方向にシフトさせている。
次に、本発明を実施するためのディスプレイ光学系を更に詳しく説明する。まず、ディスプレイ内部の二次元画像結像光学系について説明した後に、ディスプレイ外部の三次元画像再生の実施形態について説明する。
〔ディスプレイ内部の二次元画像結像光学系の実施形態〕
図6は本発明の三次元画像表示装置の一実施の形態の内部の多重結像系の光線状態を示す上面図である。図6におけるレンズアレイ13は、図2〜図4のレンズアレイ13と異なり、開口アレイ14の物体側及び像側の両側に多段のレンズ系として構成されている(後述する図7も同様)。これは、実際のプロジェクタの投射レンズは多段のレンズ系と開口絞りから構成されていることに対応するものである。
図6(a)は、アレイ光学系全体の中心軸(図示なし)が光軸19と一致している場合を示す図である。これは、既に説明した図5における水平軸2上の光学系に相当する。図6(a)における5台の二次元画像表示装置11に対して2本ずつ描かれた計10本の光線は、開口15の中心を通る主光線(principal ray)を示しており、二次元画像表示装置11の結像の様子を示している。これらの光線は、共通像面18で多重像を形成する。これが行われるのは、二次元画像表示装置11の中心軸(一点破線で図示あり)と、レンズ13及び開口15の光軸(一点破線で図示あり)とをシフトさせることにより、瞳の伝播方向が変化するからである。
例えば、図6(a)における光軸19上の二次元画像表示装置11については、レンズ13及び開口15は光軸がシフトしておらず、従って、瞳は拡大されるのみで伝播方向は変化しない。しかし、この光軸19上の二次元画像表示装置11の上下に位置する別の二次元画像表示装置11は、その光軸とレンズ13及び開口15の光軸とがシフトしており、従って瞳が拡大されると同時に伝播方向が変化する。
図6(b)はアレイ光学系全体の中心軸(図示なし)が光軸19からずれた場合を示す図である。これは、既に説明した図5における水平軸2上にない光学系に相当する。図6(b)についても、図6(a)と同様に10本の光線で開口15の結像の様子が表現されている。図6(a)と同じ位置にある共通像面18上に5台の二次元画像表示装置11の瞳が重なって拡大されるように、レンズ13と開口15とを二次元画像表示装置11に対して偏心させる。
なお、図6は上面図であるが、側面図の構成については、既に図4で説明したのと同様に、共通像面18の共有レンズ16に近接させて配置した垂直方向拡散板(レンチキュラーシート)17により垂直方向にのみ光線の拡散を行う。これにより、開口15を像側から眺めたときの像である射出瞳が垂直方向にのみ拡大され、図5のように二次元的に配置された二次元画像表示装置アレイ11に共通の垂直表示角度範囲(図19を参照)を発生させることができる。
ところで、このような偏心を行うためには、実用化されているプロジェクタの設置性の向上を目的として開発された公知のレンズシフト機構を利用することができる。かつてのレンズシフトは画像の歪や画像劣化を伴うものであったが、近年の光学設計技術の進歩により、水平方向及び垂直方向にレンズシフトを行っても、像質の低下が許容値以下であり、電気的な歪補正が不要な投射レンズを備えたプロジェクタが開発されており、本共同出願人も当該プロジェクタの製造・販売を行っている。
図9は投射光学系のレンズシフトを示す概念図である。図9(a)において、水平軸2と垂直軸3とが交わる原点に位置する黒で塗り潰された矩形は二次元画像表示装置11を示している。また、この原点を中心とする実線の円はレンズ13を示しており、その内部の破線の円は、許容される収差性能が得られる領域であるイメージサークル21を示している。また、実線の矩形はレンズ13の内部に設けられた開口15を示している。図9(a)は平行偏心量が零、すなわちレンズシフトがない状態を示している。
図9(b)はレンズ13と開口15がイメージサークル21内で最大のレンズシフトが行われた状態を示す。このようなレンズシフトを行うことにより、あおり角に換算すると20度を超えるものも実用化されている。本発明の三次元画像表示装置の実施の形態として使用すれば、全角で40度を超える水平視域を得ることができ、画期的な三次元ディスプレイを実現することができる。
なお、このようなレンズシフト機構を利用する他、二次元画像表示装置11に可動部を設けることにより、二次元画像表示装置11をレンズ13に対してシフトするように構成することもできる。あるいは、二次元画像表示装置11の画素数に余裕がある場合には、表示デバイスの周辺領域にマージンを設けておき、画像処理によって画像中心を表示デバイスに対して電気的に偏心させることもできる。
〔ディスプレイ外部の三次元画像再生の実施形態〕
図7は本発明の三次元画像表示装置のスクリーン面から空間に射出される光線を図6で説明したディスプレイ内部の光学系と共に表した上面図である。図6で説明したのと同様に、図7(a)がアレイ光学系全体のシフトがない場合であり、図7(b)がかかるシフトが存在する場合である。既に図4で説明したのと同様に、水平方向には光線を拡散しない垂直方向拡散板17を共有レンズ16に近接させて配置することにより、垂直方向にのみ光線の拡散を行う。
図7における共通像面18付近に配置したスクリーンである共有レンズ16(及び図示しない垂直方向拡散板17)は、共通像面18に形成された二次元画像表示装置11の拡大像の大きさを変えることなく空間に投射する。すなわち、図7における5台の二次元画像表示装置11の各々から2本ずつ射出された光線が、2本ずつ平行になるように、共有レンズ16により屈折される。すなわち、共有レンズ16は、上に述べたレンズシフトによって与えられた瞳の伝播方向を変えることなく、テレセントリック化するように構成する。
共有レンズ16と垂直方向拡散板17からなるスクリーンの実施形態としては、図8(a)、(b)に示すように1枚で構成する場合と2枚で構成する場合の2通りの形態が考えられる。図8(a)は、共有レンズ16と垂直方面拡散板17を一体化したスクリーンとして構成した場合の例である。同図(a)は共有レンズ16としてフレネルレンズを使用し、垂直方向拡散板17としてレンチキュラーシートを使用した場合の図を示している。共通像面18を裏面のフレネルレンズ面16に一致させてテレセントリック化した後に、観察者側の垂直方向拡散板17で表示方向の違いを解消する。
なお、垂直方向拡散板17としては、レンチキュラーシートの他、ホログラフィックスクリーンを使用することができる。また、共有レンズ16とレンズアレイ12との間に平面鏡や凹面鏡を用いて折り曲げたカタディオプトリック光学系(反射屈折光学系)を構成することにより、装置の奥行きをスリム化することができる。
図8(b)は、共有レンズ16と垂直方向拡散板17とを2枚で構成した場合の例である。垂直方向拡散板17として図示するような両面に成形されたダブルレンチキュラーシートを使用することで、垂直方向に、より優れた拡散性をもたせることができる。このようなスクリーンとして実用化されているものとしては、リアプロジェクションテレビ用のフレネルレンチスクリーン等がある。
さて、このようなスクリーンにより水平方向についてはテレセントリックに、垂直方向については拡散状態となった光線により、三次元画像が形成されることになる。多数の光線を用いた三次元画像形成の原理は、学術的には公知であるにもかかわらず当業者の間ですら多くの誤解が生じているのが現状であり、また昔ながらの多眼式立体表示との違いを明確化する上でも有用と思われるため、以下に本発明の実施形態として三次元画像形成のしくみを説明する。
〔三次元画像形成に関する実施形態〕
図10は三次元画像の形成のしくみを示す光線図(その1)である。図10(a)では共通像面18に多重化して形成された2個の点像からの平行光が異なる方向に進行する様子を示している。そして、これらの平行光は2本の平行光をペアとして25組のペアが描画されており、隣り合うペア同士の角度刻みは0.5degである。25組のペアを描画したのは、図2(b)あるいは図5に例示したように、水平5、垂直5、計25のアレイ光学系が共通像画18上で重なって結像していることに対応している。
また、図の簡略化のために、図10では主光線(principal ray)のみを描画しており、周りの外縁光線(marginal ray)については描かれていない。従って、実際には、図10に描画された光線のそれぞれの周囲に共通像面18を物体面として発散する光線が付随する。
さて、図10(a)によれば、共通像面からの25方向の平行光のペアが互いに交差する領域が存在する。これは光軸19を対称軸とする二等辺三角形の領域であるが、この領域における光線の交点に着目すると、これらの交点を二次光源として2方向に光線が発散する、と考えることができる。そして、このような交点は、上記二等辺三角形の領域に多数存在する。
図10(b)は、共通像面18上の点像の数が3個に増えた場合の25方向の平行光を示す図である。この平行光は3本で1組を構成し、25組が異なる方向に描画されている。ここでも光線の交点に着目する。2本の光線の交点からなる領域と、3本の光線の交点からなる領域があるが、光軸19を対称軸とする二等辺三角形は、3本の光線から交点が形成されている領域である。そして、これらの交点を二次光源として3方向に光線が発散すると考えることができる。
図11は、共通像面18上の点像の数がさらに増えた場合の光線状態を示す図である。図11(a)は5個の点像からの5本の平行光を1組とする25組の平行光が描画されている。同図においても図10の場合と同様に、5本の光線からなる交点が形成される二等辺三角形の領域が存在する。しかし、紙面の解像度の限界から5本の光線を分離して判読することはできず、あたかも多数の光束が空間の1点に収束しているかのように判読される。そして、このように収束する点が、奥行きの異なる位置に離散的に存在している。
図11(b)は9個の点像からの9本の平行光を1組とする25組の平行光が描画されている。最早9本の光線からなる交点が形成される二等辺三角形の領域を判別することは困難であるが、少なくともこれらの交点が図11(a)に比べてより密な間隔で配置されるようになることが分かる。
これらは少数の点像が共通像面に結像した例であるが、実際の画像、例えばVGA解像度(640×480画素)の画像の場合は、水平方向に640個の点像が存在することになる。そして、これらの点像を物体面として、640本の平行光を1組とする25方向の光線により、25本の光線からなる交点が高い密度で空間に生成されることになる。こうして空間に多数の光線の交点が形成されることになれば、共通像面18上の点像を選択的に点灯させることにより、この交点を選択的に形成させることができるようになる。
図12はこのような選択操作により、空間像の再生を行うしくみを示す図である。共有レンズ16と近接する垂直方向拡散板17付近に形成された共通像面18からの多数の光線のうち、空間像(立方体や球として図示)の形成に寄与する光線のみを描画している。
図12における立方体の空間像の側面の中心を表す点は、16本の異なる光線の交点として構成されている。一方、図12において円として図示される球体の空間像の表面の中心を表す点は、上記立方体の空間像とは光軸19方向に異なる奥行き位置の交点で表現されている。
ところで、共有レンズ16と垂直方向拡散板17とから構成されるスクリーンに重なって結像される二次元画像表示装置11の拡大像は、垂直方向にのみ射出瞳が拡大されるため、水平方向については観察者の目に上記拡大像の一部しか入射することができない。この点が、観察者の両眼のそれぞれに像を結像させる従来の多眼式立体表示と根本的に異なる。以下では、このような三次元画像を観察する眼球を一つの光学要素としてとらえ、眼球の網膜上にどのように像が形成されるかを説明する。
〔三次元画像の肉眼観察に関する実施形態〕
図13は肉眼観察時の網膜像の形成の原理を示す上面図である。同図において、左端がこれまでに説明した共通像面を表しており、指向性画像31、指向性画像32、指向性画像33は、この像面から水平方向に3つの方向でテレセントリックな画像が空間に射出されることを示している。
既に説明したように、図13の左端の共通像面(図示なし)付近に配置した垂直方向拡散板17により、垂直方向にのみ光線を広げるために、水平方向には射出瞳が拡大されない。このことは、水平方向に関してはプロジェクタ内部の表示デバイス(二次元画像表示装置11)を、スクリーンを通さずに直視することに相当する。その結果、眼球34に入射できるのは、二次元画像表示装置11に表示された画像のうち、水平方向に狭い窓で切り取られた縦長の短冊状の画像となる。これが図13では、指向性画像31〜33の一部として図示されている。これらの短冊状の画像(指向性画像31〜33の一部)が、網膜上で並んで合成されて、網膜像35を形成する。
図14は肉眼観察時の網膜上の像の一例を示す図(その1)である。図14(a)は、先に説明した立方体の空間像36と球の空間像37をある観察位置で見たときの網膜上の像である。そして、図14(a)に示す網膜像は、上に述べたように短冊状の画像が合成されたものであり、実際には図14(b)に示すように複数の短冊状の画像が接続されたものである。この短冊状の画像の例を図15(a)〜(f)に示す。
ここで、観察位置を固定して、二次元画像表示装置アレイ10のうち二次元画像表示装置11を1台ずつ順次点灯させていった場合においては、図15(a)〜(f)とほぼ同様な画像を肉眼観察することができる。
ここで、もしこれらの個々の短冊状の画像に僅かでも歪が存在した場合、すべての二次元画像表示装置11を点灯させたときに、図14のように滑らかに網膜像を接続することができなくなる。従来例では、既に図18(b)を参照しながら説明したように、共有レンズ46の中心からはずれた位置で屈折することによる歪曲収差が共通像面48で画像歪を生じさせていたため、画像処理による補正を行わざるを得なかった。
これに対し、本実施の形態では、かかる歪曲収差を抑えるべく、個々の二次元画像表示装置11を拡大するためのレンズ13(投射レンズ)で像形成を行い、共有レンズ(フレネルレンズ)16の影響を排除したのである。この結果、鮮明な三次元画像を観察できると同時に、共有レンズ16による画像の歪(歪曲収差)が発生しなくなることにより、電気的歪補正を最小にし、鮮明な像を表示しても継ぎ目を感じない三次元画像が観察できる。
以上の説明では、共通像面18から射出される主光線同士が平行、すなわちテレセントリックであるとしてきた。念のため繰り返すと、図5に例示されるような25台の二次元画像表示装置11の各々に表示された2個の点光源からの光が、図10(a)に示されるような25組の平行光線を生成し、異なる二次元画像表示装置11からの光線同士の交差領域(二等辺三角形の領域)が3次元画像を観察可能な範囲(視域)となる。
〔水平視域の拡大に関する実施形態〕
図16(a)は、共通像面18付近に凸レンズ20を配置することにより、視域の拡大を図ったものである。図16(a)と図10(a)を比較すると明らかなように、図16(a)の方が水平方向の視域、すなわち光軸19に垂直な方向の観察範囲が拡大されていることが分かる。
ただし、このような凸レンズ20を用いた水平視域拡大方法は、観察者の前後方向、すなわち光軸19方向の観察範囲の犠牲を伴うものである。すなわち、図16(b)に示すように、共通像面18からの距離がある一定の距離以上離れると、水平視域は拡大しなくなる。
しかしながら、実際の三次元表示装置においては、装置から離れた位置での三次元知覚は、装置の近くにおける三次元知覚ほどは重要でない。従って、凸レンズ20を用いて三次元画像表示装置に近い位置での水平視域を拡大する実施形態は、実用面において有用な構成であると考えられる。なお、この凸レンズ20は、共通像面18に配置される共有レンズ(フレネルレンズ)16と共通化して実施することができる。
次に、図1を参照しながら本発明を実施するための具体例を詳細に説明する。図1は本発明になる三次元画像表示装置の一実施の形態の上面方向からの構成図を示す。同図中、図2〜図5と同一構成部分には同一符号を付してある。側面図については既に図4で説明したため省略する。
図1において、ランプ光源101、照明光学系102、反射型液晶表示素子110、偏光ビームスプリッタ111及び投射レンズユニット103は、プロジェクタ100を構成している。プロジェクタ100は偏心のある投影光学系を有する二次元画像投影装置であり、全体としては水平方向及び垂直方向に二次元的に配置されて二次元画像投影装置アレイを構成している。投射レンズユニット103は、入射側の投射レンズ112、投射レンズ内部の開口絞り113、射出側の投射レンズ114からなる。反射型液晶表示素子110は図2の二次元画像表示装置11に相当し、投射レンズユニット103は図2のレンズ13及び開口15に相当する。
図1の反射型液晶表示素子110には図示しない再生装置とドライブ回路により被写体の投影画像を表示させる。図1における反射型液晶表示素子110へのランプ光源101からの光の導入の仕方は、一般的な反射型液晶表示素子を用いたプロジェクタの光学系を用いることができる。図1においては照明光学系102として上記プロジェクタの光学系を1つのブロックで表している。以下に照明光学系102について簡単に説明する。
キセノンランプ、発光ダイオード(LED)、あるいはレーザー光源等のランプ光源101からの照明光が、照明光学系102に入射すると、偏光膜と位相板のアレイからなる偏光変換素子(図示なし)によって偏光に交換されると共に、光学フィルタ(図示なし)によって紫外線と赤外線の成分をカットされる。そして、いわゆるインテグレータを構成する前段のフライアイレンズ及び後段のフライアイレンズによって均一照明が行われる。一般的なインテグレータ照明と同様に、キセノンランプ等のアーク像を後段のフライアイレンズに結像させる。そして、前段のフライアイレンズを物点とする光線がコリメータレンズによりテレセントリックな状態にされた後の光線が、照明光学系102の射出光線となる。
この照明光学系102からの射出光線は直線偏光(S偏光)とされており、S偏光の光線を反射しP偏光の光線を透過させる偏光ビームスプリッタ111によって反射され、反射型液晶表示素子110に垂直入射する。このとき、反射型液晶表示素子110の反射面と前段のフライアイレンズは結像関係にある。そして、反射型液晶表示素子110の液晶の作用により偏光の振動面が回転されて前述のS偏光がP偏光になった場合にのみ、反射型液晶表示素子110からの反射光が偏光ビームスプリッタ111を透過して投射レンズユニット13の方向へ射出される。
また、図1では、反射型液晶表示素子110をR(赤),G(緑),B(青)の各原色光用の3枚を用いた3板式の光学系として描かれているが、単板式の光学系を用いてよりコンパクトな構成にすることも可能である。
この反射型液晶表示素子110は、高い解像度を有する反射型液晶表示素子であるLCOS(Liquid Crystal On Silicon)を使用することが好ましい。特に、本出願人が製造、販売するLCOSであるD−ILA(登録商標)のうち、解像度が4096×2160画素のものを用いると、大画面で高解像度の三次元画像表示装置を好適に実現することができる。
勿論、反射型液晶表示素子110の替わりに、HTPS(High Temperature Poly-Silicon:高温ポリシリコンTFT液晶)に代表される透過型液晶あるいはDLP(Digital Light Processing:登録商標)などの他のマイクロディスプレイデバイス(Micro Display Device:MD)を用いることも可能である。その場合には、ランプ光源101および照明光学系102ならびに偏光ビームスプリッタ111を、各々のマイクロディスレイデバイスに適合するものに置き換えて実施すればよい。
反射型液晶表示素子110から出射される二次元画像の光線は、偏光ビームスプリッタ111をテレセントリックな状態で透過した後、入射側の投射レンズ112、投射レンズ内部の開口絞り113、射出側の投射レンズ114からなる投射レンズユニット103に入射する。この投射レンズユニット103は、反射型液晶表示素子110の拡大像を共有レンズ(フレネルレンズ)16付近に結像させる。
なお、各々のプロジェクタ100に対してランプ光源101を共通化して使用してもよい。ランプ光源101からの光パワーを分岐ファイバを用いて分岐するような構成とすれば、コストダウンと装置の小型化を図ることができる。
ところで、本発明の三次元画像表示方法は、三次元表示のコンテンツ(情報の内容)として、水平方向に関しては物体を様々な角度から平行投影法により撮影した画像を使用する。従来の多眼式による表示方法では水平・垂直ともに透視投影法で撮影した画像がしばしば使用されるが、本発明の実施には適さない。これは、既に図10および図11で説明したように、本発明の三次元画像表示方法が、物体(被写体あるいはCG技術におけるオブジェクト)の発する光線を特定の視点から標本化した画像(視点画像)として表現するのではなく、物体の光線を角度単位で標本化することにより光線空間を再現するために準平行光線が必要となるからである。
なお、「準平行光線」という意味は、偏心した投射光学系の開口絞り中心を通る光線、すなわち主光線(principal ray)同士が平行(テレセントリック)な状態であることに加え、主光線(principal ray)の周りの外縁光線(marginal ray)についても発散角が小さいということである。発散角が小さいことは、既に図12で説明したように、共有レンズ16と垂直方向拡散板17からなるスクリーンから離れた奥行き位置に空間像を形成する際に重要である。
このような発散角の小さなテレセントリック光線(準平行光線)を空間に投射させて、これらの光線の交点を空間の異なる奥行き範囲に形成することにより、三次元画像を表現することができる。
以上、詳述したように本実施の形態によれば、偏心をもつマルチプロジェクション光学系とフレネルレンズで構成する多重アフォーカル光学系に近接させて共通像面を配置して空間に多数の光線を投射して空間像を形成させるものである。
また、本実施の形態によれば、従来の高密度指向性表示方式による三次元画像表示装置がシンプルかつコンパクトな光学系で具現化できるようになると共に、広視域化と大画面化の両立が容易になる。更に、本実施の形態によれば、良好な収差特性をもち網膜像の不連続性が知覚されない自然な三次元映像を現在実用化されている表示デバイスを用いて実現することが可能になる。
本発明の三次元画像表示装置の一実施の形態の構成図である。 本発明の三次元画像表示装置の一実施の形態の基本構成を示す図である。 本発明の三次元画像表示装置の基本構成を示す上面図である。 本発明の二次元画像表示装置の基本構成を示す側面図である。 偏心をもつ投射光学系アレイの実施形態を示す図である。 多重結像系部分の光線図である。 アフォーカルな投射光学系の光線図である。 三次元スクリーンの各例を示す斜視図である。 投射光学系のレンズシフトを示す概念図である。 空間像の再生の原理を示す光線図(その1)である。 空間像の再生の原理を示す光線図(その2)である。 空間像の再生の原理を示す光線図(その3)である。 肉眼観察時の網膜像の形成の原理を示す図である。 肉眼観察時の網膜上の像の一例を示す図(その1)である。 肉眼観察時の網膜上の像の一例を示す図(その2)である。 凸レンズによる水平視域の拡大方法を示す図である。 従来の三次元画像表示装置の一例における光線状態を示す上面図である。 従来の三次元画像表示装置の一例における光線状態を示す側面図である。 従来の三次元画像表示装置の一例の表示原理を示す図である。 従来の三次元画像表示装置の一例の基本構成図である。 従来の三次元画像表示装置の基本構成を示した上面図と側面図である。
符号の説明
10 二次元画像表示装置アレイ
11 二次元画像表示装置
12 レンズアレイ
13 レンズ
14 開口アレイ
15 開口
16 共有レンズ
17 垂直方向拡散板
18 共通像面
19 光軸
20 凸レンズ
21 イメージサークル
31、32、33 指向性画像
34 眼球
35 網膜像
100 プロジェクタ(二次元画像投影装置)
101 ランプ光源
102 照明光学系
103 投射レンズユニット
110 反射型液晶表示素子
111 偏光ビームスプリッタ
112 入射側の投射レンズ
113 投射レンズ内部の開口絞り
114 射出側の投射レンズ


Claims (9)

  1. 三次元画像表示させるオブジェクトを複数の水平方向から投影した二次元画像群を水平方向及び垂直方向に二次元的に配置する第1のステップと、
    前記二次元画像群の各々に対して偏心した複数の結像光学系により前記水平方向及び垂直方向に拡大された拡大像を同一領域に形成する第2のステップと、
    前記拡大像から発散する光線群に対して、前記水平方向には準平行光線であり、かつ、前記垂直方向には拡散光線となるような特定の表示方向を与える第3のステップと、
    前記表示方向が与えられた前記光線群が空間に形成する交点として前記オブジェクトが発する光線を再現する第4のステップと
    を含むことを特徴とする三次元画像表示方法。
  2. 複数の画像発生源を水平方向及び垂直方向に二次元的に配置し、前記複数の画像発生源を物体面とする複数のアフォーカル光学系で、前記複数の画像発生源で発生される各画像を、前記複数の画像発生源の個々の画像中心に対して偏心させて配置した偏心レンズアレイにより異なる水平表示角度範囲に表示し、前記複数のアフォーカル光学系の共通像面に配置される垂直方向拡散板で表示角度範囲を前記垂直方向にのみ広げてすべての画像に共通な垂直表示角度範囲を作ることで前記垂直方向の表示方向の違いを解消し、前記水平方向に表示方向の異なる多数の画像を表示可能にすると共に、前記複数のアフォーカル光学系の個々の射出瞳が前記水平方向に不連続にならないように二次元的に配置して、前記複数の画像発生源で発生される各画像間に水平表示角度範囲の連続性をもたせることを特徴とする三次元画像表示方法。
  3. 異なる偏心量をもつ複数の偏心結像系を水平方向及び垂直方向に二次元的に配置し、前記水平方向及び前記垂直方向に表示方向の異なる複数の画像を発生させ、前記複数の偏心結像系をアフォーカル光学系としてすべての画像を異なる水平表示角度範囲に表示し、前記複数のアフォーカル光学系の共通像面に配置される垂直方向拡散板で表示角度範囲を前記垂直方向にのみ広げて、前記複数のアフォーカル光学系の個々の射出瞳が前記水平方向に不連続にならないように二次元的に配置して、前記水平方向の表示角度範囲に連続性のある画像を前記偏心結像系の数だけ生成することを特徴とする三次元画像表示方法。
  4. 三次元画像表示させるオブジェクトの発する光線を角度単位で標本化することにより光線空間を再現して、空間像としての三次元画像を表示する三次元画像表示装置であって、
    各々偏心のある投影光学系を有し、前記オブジェクトからの光線を出射する二次元画像投影装置が複数台からなり、該複数台の二次元画像投影装置を水平方向及び垂直方向に二次元的に配置した二次元画像投影装置アレイと、
    個々の前記二次元画像投影装置が具備する前記投影光学系の内部に配置された開口が、個々の射出瞳が前記水平方向に連続性をもつように二次元的に配置された複数の前記開口からなる開口アレイと、
    前記開口アレイの画像生成側に配置され、前記二次元画像投影装置アレイと組み合わせて複数のアフォーカル光学系を構成する像側のレンズを共通化した共有レンズと、
    前記共有レンズに近接させて配置され、その近傍に像面を生成する垂直方向拡散板と、
    を具備し、前記垂直方向拡散板で表示角度範囲を前記垂直方向にのみ広げてすべての画像に共通な垂直表示角度範囲を作ることで前記垂直方向の表示方向の違いを解消し、前記水平方向に表示角度範囲の異なる多数の画像を表示可能にすると共に、隣り合う画像間に水平表示角度範囲の連続性をもたせたことを特徴とする三次元画像表示装置。
  5. 三次元画像表示させるオブジェクトの発する光線を角度単位で標本化することにより光線空間を再現して、空間像としての三次元画像を表示する三次元画像表示装置であって、
    各々前記オブジェクトからの光線を出射する二次元画像表示装置が複数台からなり、該複数台の二次元画像表示装置を、偏心のある投影光学系を用いて水平方向及び垂直方向に二次元的に配置した二次元画像表示装置アレイと、
    前記二次元画像表示装置アレイの画像生成側に光軸をシフトさせて配置された偏心レンズアレイと、
    前記偏心レンズアレイの画像生成側に配置され、個々の射出瞳が前記水平方向に連続性をもつように二次元的に配置される開口アレイと、
    前記開口アレイの画像生成側に配置され、前記偏心レンズアレイと組み合わせて複数のアフォーカル光学系を構成する像側のレンズを共通化した共有レンズと、
    前記共有レンズに近接させて配置され、その近傍に像面を生成する垂直方向拡散板と、
    を具備し、前記垂直方向拡散板で表示角度範囲を前記垂直方向にのみ広げてすべての画像に共通な垂直表示角度範囲を作ることで前記垂直方向の表示方向の違いを解消し、前記水平方向に表示角度範囲の異なる多数の画像を表示可能にすると共に、隣り合う画像間に水平表示角度範囲の連続性をもたせたことを特徴とする三次元画像表示装置。
  6. 三次元画像表示させるオブジェクトの発する光線を角度単位で標本化することにより光線空間を再現して、空間像としての三次元画像を表示する三次元画像表示装置であって、
    水平方向及び垂直方向に二次元的に配置される照明光学系アレイと、
    前記照明光学系アレイの画像生成側に配置されており、各々前記オブジェクトからの光線を出射する二次元画像表示装置が複数台からなり、該複数台の二次元画像表示装置を、偏心のある投影光学系を用いて水平方向及び垂直方向に二次元的に配置した二次元画像表示装置アレイと、
    前記二次元画像表示装置アレイの画像生成側に光軸をシフトさせて配置された偏心レンズアレイと、
    前記偏心レンズアレイの画像生成側に配置され、該偏心レンズアレイと組み合わせて複数のアフォーカル光学系を構成する像側のレンズを共通化した共有レンズと、
    前記共有レンズの画像生成側に近接させて配置され、その近傍の画像生成側に像面を生成する垂直方向拡散板と、
    を具備し、前記垂直方向拡散板で表示角度範囲を前記垂直方向にのみ広げてすべての画像に共通な垂直表示角度範囲を作ることで前記垂直方向の表示方向の違いを解消し、前記水平方向に表示角度範囲の異なる多数の画像を表示可能にすると共に、前記共有レンズの焦点面に生じる光量分布が前記水平方向に不連続にならないように前記照明光学系アレイの光の出射角度を制御して、隣り合う画像間に水平表示角度範囲の連続性をもたせたことを特徴とする三次元画像表示装置。
  7. 三次元画像表示させるオブジェクトの発する光線を角度単位で標本化することにより光線空間を再現して、空間像としての三次元画像を表示する三次元画像表示装置であって、
    水平方向及び垂直方向に二次元的に配置される照明光学系アレイと、
    前記照明光学系アレイの画像生成側に配置されており、各々前記オブジェクトからの光線を出射する二次元画像表示装置が複数台からなり、該複数台の二次元画像表示装置を、偏心のある投影光学系を用いて水平方向及び垂直方向に二次元的に配置した二次元画像表示装置アレイと、
    前記二次元画像表示装置アレイの画像生成側に光軸をシフトさせて配置された偏心レンズアレイと、
    前記偏心レンズアレイの画像生成側に配置され、光透過部が前記水平方向に連続性をもつように二次元的に配置される開口アレイと、
    前記開口アレイの画像生成側に配置され、前記偏心レンズアレイと組み合わせて複数のアフォーカル光学系を構成する像側のレンズを共通化した共有レンズと、
    前記共有レンズの画像生成側に近接させて配置され、その近傍の画像生成側に像面を生成する垂直方向拡散板と、
    を具備し、前記垂直方向拡散板で表示角度範囲を前記垂直方向にのみ広げてすべての画像に共通な垂直表示角度範囲を作ることで前記垂直方向の表示方向の違いを解消し、前記水平方向に表示角度範囲の異なる多数の画像を表示可能にすると共に、前記共有レンズの焦点面に生じる光量分布が前記水平方向に連続的になるように前記照明光学系アレイの光の出射角度を制御して、隣り合う画像間に水平表示角度範囲の連続性をもたせたことを特徴とする三次元画像表示装置。
  8. 前記画像面付近に凸レンズを配置することで水平視域幅を広げることを特徴とする請求項4乃至7のうちいずれか一項記載の三次元画像表示装置。
  9. 画像表示の際に各画像毎に独立に光源を用意するのではなく、一つの光源の光を分岐光ファイバで複数に分岐して複数の画像表示に用いることを特徴とする請求項4乃至8のうちいずれか一項記載の三次元画像表示装置。


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