JP2007308472A - オリゴ糖を表面に有するリポソームを含むアレルギー治療剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題はアレルゲン投与によるアレルギー治療法(減感作療法)において、治療効果の向上を実現し、アナフィラキシーなどの副作用が改善されたアレルギー治療剤を提供することである。
【解決手段】抗原提示細胞由来のレクチンに結合することができ、かつ2〜11個の糖残基から成るオリゴ糖を表面に有するリポソームを含む治療剤であって、前記リポソームにアレルゲンが内封されてなることを特徴とするアレルギー治療剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、抗原提示細胞由来のレクチンに結合するオリゴ糖を表面に有するリポソームにアレルゲンなどを封入したアレルギー治療剤に関する。
スギ花粉症などのアレルギーの患者の治療には抗ヒスタミン薬、ケミカルメディエイター遊離抑制薬、TXA2受容体拮抗薬、LT拮抗薬、ステロイド薬などが主に用いられているが、何れも根本治癒には至らない対症療法薬に過ぎない。
一方で微量のアレルゲン(スギ花粉エキスなど)をアレルギー治療薬として1〜2週に一度の頻度で皮下注射し、それを反復しつつ徐々に負荷量を増大させ、最終的にアレルゲン(スギ花粉など)に対する症状の発症を抑える根本治療として、減感作療法がある。しかしながら、従来のアレルゲンのみを成分とするアレルギー治療薬は作用が弱く、有効率が低いことや、効果を得るまでに数年間もの長い期間にわたって投与が必要であることから、根本治療法であるにも拘わらず臨床で利用される割合が低い。また、アレルギー患者にアレルゲンを投与することから、患者のIgEが増加したり、アナフィラキシーが生じうるなどの副作用の問題がある(本発明の実施例においても、アレルゲン単独投与により、逆にアレルギー反応が増強されることを確認している)。これらアレルギー治療薬の問題点を克服したアレルギー治療薬の有用性は極めて高い。
減感作療法におけるアレルギー治療のメカニズムは不明であるが、抗原刺激に対するTh2細胞からのサイトカイン産生を特異的に抑制し(Th2反応とTh1反応のバランス改善)、アレルギー症状の原因となる抗原特異的なIgEの産生を抑制(イムノグロブリンクラス産生バランスの改善)することができれば、有用性が向上することが期待できると考えられている。したがって、抗原により免疫を誘導するという概念上は共通するものの、液性免疫および細胞性免疫を誘導することにより有効性の向上が期待できるワクチン療法とは根本的に発想を異にするものである。
Uchidaらは表面にアレルゲンを結合したリポソームを投与することでIgEの産生抑制が得られることを見いだしている(非特許文献1)。しかしながらリポソーム表面にアレルゲンが露出していることからアナフィラキシーなどの副作用の懸念がある。また、Gangalらには、アレルゲンをリポソームに内封することでアナフィラキシーを抑制しつつ、アレルゲン特異的なIgEの産生抑制やIgG産生誘導効果が得られること(非特許文献2)が開示されているが、マンノース受容体を介して抗原提示細胞に取り込まれる本発明のリポソームの有用性をなんら類推させるものではない。また、一般的なリポソームにアレルゲンを封入したアレルギー治療(減感作療法)薬の効果は、依然、不十分であり、このことは本発明者らが動物実験で確認している通りである(後記する実施例5および6参照)。
ワクチンや免疫療法などのアジュバントとして開発されたマンナンのような高分子多糖体にて被覆したリポソームには、強い細胞性免疫誘導能のあることが報告されている(特許文献1、非特許文献3)。しかし、マンナンは異なる大きさのポリマンノースの混合物であり、また、生体に強い毒性を示すことが知られているため(非特許文献4)医薬品としては不向きである。すなわち、マンナンはマンノース残基が50〜100個よりなる大きな多糖体で、分子量の点でも不均一であり、また糖の結合様式など構造的にも未知である。この多糖体は、動物に接種すると抗体を産生し(抗原性を有する)、また、上述したように強い毒性のあることも知られている。
一方で、水落らは2〜11個の糖残基から成り抗原提示細胞由来のレクチンに結合するオリゴ糖を表面に有するリポソームに抗原を封入することで、糖の毒性や抗原性を除き、ワクチンとしての効果が高まることを報告している(特許文献2)。また、この特許文献2においては、オリゴ糖を表面に有するリポソームに封入された抗原に対する細胞性免疫が効率良く誘導できることも開示されている。
オリゴ糖を表面に有するリポソームはマンノース受容体を介して抗原提示細胞に貪食され、MHCクラスIまたはII分子を介して抗原を提示することにより、抗原特異的なT細胞の活性化やTh1由来サイトカインを誘導すると考えられている。しかしながら、マンノース受容体およびMHC分子を介した免疫反応の誘導はTh1型の免疫応答だけを誘導するとは限らず、マンノース受容体およびMHCクラスII分子を介する抗原提示においてTh2由来サイトカインを誘導することが知られている(非特許文献5、非特許文献6)。アレルギー患者においては、アレルゲンに対するTh2反応が見られることから、特許文献2のオリゴ糖を表面に有するリポソームを減感作療法をはじめとするアレルギー治療に応用することが有用性の向上につながるかどうかについては、疑問視されていた。
また、アレルギーの治療において最も重要であるIgE産生抑制は細胞性免疫を担うTh1型応答の誘導に必ずしも直結していないことが知られていることからも(非特許文献7)、オリゴ糖を表面に有するリポソームがIgE産生を抑制する効果を有するかどうかは不明であった。
国際公開第92/04887号パンフレット 特許第2828391号公報 Uchidaら J.Immunol.2002 169:4246−4252 Gangalら Asian Pac J Allergy Immunol.1998 16:87−91 Noguchiら J.Immunol.1989 143:3737−3742 Mikamiら 第15回糖質シンポジウム抄録、1993 43−44 Apostolopoulosら Proc Natl Acad Sci USA.1995 92(22):10128−10132 Apostolopoulosら Vaccine.14(9):930−938. Uchidaら Curr Drug Targets Immune Endocr Metabol Disord.2003 3:119−135
本発明の課題はアレルゲン投与によるアレルギー治療法(減感作療法)において、治療効果の向上を実現しアナフィラキシーなどの副作用が改善されたアレルギー治療剤を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、抗原提示細胞由来のレクチンに結合するオリゴ糖を表面に有するリポソームにアレルゲンを封入することで、アレルゲンに対するTh1型反応とTh2型反応の高度なバランス改善効果、及び高いIgE産生の抑制効果、が得られることを見いだした。また、同リポソームにアレルゲンを封入することでイムノグロブリンとの反応が抑えられることも見いだした。本発明は、係る知見に基づくものである。
本発明によれば、下記のものが提供される。
〔1〕 抗原提示細胞由来のレクチンに結合することができ、かつ2〜11個の糖残基から成るオリゴ糖を表面に有するリポソームを含む治療剤であって、前記リポソームにアレルゲンが内封されてなることを特徴とするアレルギー治療剤。
〔2〕 オリゴ糖が3〜5個の糖残基から成るものである、〔1〕に記載の治療剤。
〔3〕 オリゴ糖がマンノースを含む糖残基から成るものである、〔1〕ないし〔2〕のいずれかに記載の治療剤。
〔4〕 アレルゲンが花粉抗原である、〔1〕ないし〔3〕のいずれかに記載の治療剤。
〔5〕 花粉抗原がスギ花粉抗原である、〔4〕に記載の治療剤。
〔6〕 〔1〕ないし〔5〕のいずれかに記載の治療剤を含み、皮下、皮内、または経鼻投与により処置するためのアレルギー治療剤。
〔7〕 抗原提示細胞由来のレクチンに結合することができ、かつ2〜11個の糖残基から成るオリゴ糖を表面に有するリポソームであって、花粉抗原が内封されてなることを特徴とするリポソーム。
〔8〕 オリゴ糖が3〜5個の糖残基から成るものである、〔7〕に記載のリポソーム。
〔9〕 オリゴ糖がマンノースを含む糖残基から成るものである、〔7〕ないし〔8〕のいずれかに記載のリポソーム。
〔10〕 花粉抗原がスギ花粉抗原である、〔7〕ないし〔9〕のいずれかに記載のリポソーム。
本発明で提供されるアレルギー治療剤は、高い治療効果を有すると同時に副作用の危険性が低減されている。そのため、減感作療法に用いることにより、従来の減感作療法と異なり、短期間で高率かつ安全なアレルギーの根本治癒が可能となる。
本発明のアレルギー治療剤は、抗原提示細胞由来のレクチンに結合することができ、かつ2〜11個の糖残基から成るオリゴ糖を表面に有するリポソームを含む治療剤であって、前記リポソームにアレルゲンが内封されてなることを特徴とする。
本発明において、リポソームとは、脂質で形成された内部に空洞を有する分子を意味する。
本発明においてリポソームは、多重層タイプ(multilamellar vesicle)であってもよく、また単層タイプ(unilamellar vesicle)であってもよい。これらは既知の常法に従って作製することができ、また常法に従って一方のタイプを他方のタイプに、例えば多重層タイプのリポソームを単層タイプのリポソームに転換することもできる。本発明において用いられるリポソームの粒径は特に限定されないが、必要により常法に従って、例えば所望の孔サイズのフィルターにより濾過することにより、粒径を整えることができる。好ましい粒径は50nm〜3μmである。
本発明で用いる抗原提示細胞由来のレクチンに結合することができ、かつ2〜11個の糖残基から成るオリゴ糖を表面に有するリポソームはその表面に、抗原提示細胞由来のレクチンを結合することができ、且つ2〜11個の糖残基から成るオリゴ糖を有している。このリポソームを、本発明においてはオリゴ糖リポソームと称する場合がある。ここで、抗原提示細胞は、マクロファージ、デンドリティック細胞等を意味する。また、抗原提示細胞由来のレクチンとは、上記のごとき抗原提示細胞の表面に存在するレクチン、例えばマンノース・レセプター等を意味する。本発明において、2〜11個の糖残基から成るオリゴ糖は、上述のレクチンと結合する性質を有するものを適宜選択することができる。オリゴ糖を構成する糖残基としては、D−マンノース(D−Man)、L−フコース(L−Fuc)、D−アセチルグルコサミン(D−GlcNAc)、D−グルコース(D−Glc)、D−ガラクトース(D−Gal)、D−アセチルガラクトサミン(D−GalNAc)、D−ラムノース(D−Rha)などの単糖が挙げられ、これらの混合オリゴ糖を用いることができるが、中でもD−マンノースを含む糖残基から成るものが好ましく、中でもD−マンノースから成るものやD−マンノースとD−アセチルグルコサミンとからなるものが好ましく、特にD−マンノースから成るものが好ましい。D−マンノースから成るオリゴ糖としては、マンノビオース(Man2)、マンノトリオース(Man3)、マンノテトラオース(Man4)、マンノペンタオース(Man5)、マンノヘキサオース(Man6)、マンノヘプタオース(Man7)を挙げることができる。オリゴ糖を構成する各糖残基の結合様式としては、α1→2結合、α1→3結合、α1→4結合、α1→6結合、β1→4結合等を挙げることができ、これらのうち1種類或いは複数種類が含まれていてもよい。また、各糖残基は1つずつ直鎖状に結合していてもよいし、1つの残基に2つ以上の糖鎖が結合しいわゆる枝状に結合しているものであってもよい。糖残基の数は、2〜11個であり、好ましくは3〜11個、中でも3〜5個である。より具体的には、下式で示される構造からなるM3(式(1))、M5(式(2))およびRN(式(3))などを挙げることができ、このうち好ましいものはM3(式(1))及びM5(式(2))であり、中でも好ましくはM3(式(1))である。尚、下記の式(3)において、式中、α1→2結合しているマンノース(Man)は、それぞれ独立に、存在してもよく存在しなくてもよい。
Figure 2007308472
Figure 2007308472
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リポソームの量に対するオリゴ糖の量はオリゴ糖の種類、封入しようとするアレルゲンの種類、リポソームの組合せ構造等により異なるが、一般に、リポソームを構成する脂質1mgに対して0.5μg〜500μgである。
リポソームを構成する脂質は、リポソームを構成することが知られている通常の脂質であればよく、これらを単独でまたは複数組み合わせて使用することができる。そのような脂質としては、例えば、卵黄、大豆、またはその他の動植物などの天然物由来の脂質やこれらを水素添加によって不飽和度を低下したもの、あるいは化学合成したものが挙げられる。より具体的には、コレステロール(Chol)、3β−[N−(ジメチルアミノエタン)カルバモイル]コレステロール(DC−Chol)、N−(トリメチルアンモニオエチル)カルバモイルコレステロール(TC−Chol)などのステロール類;ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(DSPE)などのホスファチジルエタノールアミン類;ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)などのホスファチジルコリン類;ジパルミトイルホスファチジルセリン(DPPS)、ジステアロイルホスファチジルセリン(DSPS)などのホスファチジルセリン類;ジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)、ジステアロイルホスファチジン酸(DSPA)などのホスファチジン酸類等が挙げられる。尚、ここで例示した化合物名の後ろの( )内のアルファベットは、各化合物の略号であり、以下これらの略号を使用する。
リポソームへの上記のオリゴ糖の導入にあたっては、後述のように、上記のオリゴ糖と脂質を結合して調製した人工糖脂質を用いることができる。人工糖脂質の調製方法としては、上記のオリゴ糖を用いる場合を例に取ると以下の方法を例示することができる。上記のオリゴ糖は、いずれも1個の還元末端アルデヒド基を有する。そこで、このアルデヒド基を、オリゴ糖をリポソーム表面に導入するため、アミノ基を有するリン脂質と反応させてシッフ塩基を形成し、次にこのシッフ塩基を、常法に従って、還元、好ましくは化学還元、例えばNaBH3CNにより還元することにより、オリゴ糖と、脂質とを結合することができる(水落次男、糖質工学、224−232頁、産業調査会バイオテクノロジー情報センター、1992)。ここで、脂質としては、上述のリポソームを構成する脂質を用いることができ、特にリン酸エステル及びC−P結合を含むものを好ましく用いることができる。また、結合する脂質は必ずしもリン酸を含む必要はなく、ステロールなどの脂質も用いることができる。このようにして得られた、オリゴ糖と脂質との結合物を、本発明においては人工糖脂質と称する。
オリゴ糖をリポソームの表面に導入するためには、例えば前記の人工糖脂質を利用する場合には次の2つの方法のいずれかによることができる。前記の人工糖脂質が水溶性で有機溶剤に十分溶解しない場合、例えば、人工糖脂質として前記のRNとDPPEとの結合物(RN−DPPE)を用いるときには、これら(RN−DPPE)の水性溶液を調製し、これを形成されたリポソームと混合して、例えば4℃ないし80℃(好ましくは内封物質が変性しない温度)、室温もしくは相転移温度において0.5〜120時間、例えば約24時間インキュベーションすればよい。他方、人工糖脂質が有機溶剤に溶解する場合には、当該人工糖脂質を、リポソーム構成用脂質と共に、リポソーム製造過程において前記のごとき有機溶剤に溶解し、以後、常法に従ってリポソームを形成すればよい。尚、オリゴ糖がリポソーム表面に結合していることは、糖に該当するレクチンを添加してリポソームの凝集反応で調べることができる。
本発明のアレルギー治療剤は、リポソームにアレルゲンが内封されてなることを特徴とする。内封されるアレルゲンの量は、リポソームに用いる脂質1mgに対して0.1μg〜500μgであることが望ましいが、特に限定されず、投与経路などによって適宜調節することが可能である。内封されるアレルゲンの形態は特に限定されず、精製した天然のアレルゲン、合成ペプチド、組み換えタンパク質、粗抽出物、多糖・糖鎖、これらの混合物、分解物、修飾物で有り得る。また、アレルゲンは天然物及び合成物に限らず、分解断片、組換えタンパク質、T細胞エピトープを含むペプチド、合成ペプチドを含む。
アレルゲンの種類は、アレルギーの原因となる物質であれば特に限定されない。具体的には樹木花粉アレルゲン、草花粉アレルゲン、ダニアレルゲン、ハウスダスト、動物アレルゲン、食品アレルゲンなどを含むが、これに限るものではなく、新たに同定されたアレルゲンも含む。これらの中ではスギ花粉、ブタクサ、カモガヤ、ヨモギ等の花粉類、米、小麦、ソバ、牛乳、卵黄、卵白等の飲食品類、犬毛、猫毛、羽毛等の表皮類、カンジダ、アスペルギルス等の真菌類などのアレルギー抗原が好ましく使用できる。このうち代表的なものとしては花粉のアレルギー抗原(花粉抗原)、特にスギ花粉のアレルギー抗原(スギ花粉抗原)を挙げることができる。
アレルゲンの調製は、アレルゲンを含む天然物、例えば花粉から一般的なカラムワークで精製を行う方法によることができ、さらに得られたアレルゲンの糖鎖除去部分分解、修飾等の工程を適宜追加して行ってもよい。大腸菌などの微生物や動物細胞、植物を使用し、アレルゲン遺伝子全体を導入・発現して組み換えタンパク質を調製する方法、或いは部分配列や、T細胞エピトープを含むペプチド断片をタンパク質工学的に、或いはペプチド合成により作製してもよい。
本発明のアレルギー治療剤をスギ花粉症患者の治療薬として用いる場合に、オリゴ糖リポソームに内封されるのに適したアレルゲンはスギ花粉抽出物、またはCryj 1抗原、Cryj 2抗原、若しくは新たに精製されたスギ花粉抗原、若しくはこれらの混合物であり得る。このうち、特にスギ花粉抽出物及びCryj 1抗原が好ましい。
本発明において、アレルゲンの内封されたリポソームの作製には、公知の方法、例えばD.W.Deeamer,P.S.Uster,“Liposome”ed.by M.J.Ostro,MarcelDekker Inc.,N.Y.Basel,1983,p27〜記載の方法(ボルテックス法および超音波法)、エタノール注入法、エーテル法、逆相蒸発法などが適用でき、これらを組み合せて適用することも可能である。
本発明のアレルギー治療剤は、上記のようにアレルゲンが内封されてなるリポソームを含むことから、該治療剤をアレルギー患者に投与することによって、リポソームに内封されたアレルゲンに対するアレルギー症状を治療または予防することができる。本発明の有用性は、実施例記載の方法、非特許文献1、Taniguchiらの方法(Int.Arch.Allergy Appl.Immunol 1989 89:136−142)によって確認することができるが、必ずしもこれらに限定されない。本発明を適用するアレルギー疾患とは、通常、樹木花粉アレルゲン、草花粉アレルゲン、ダニアレルゲン、ハウスダスト、動物アレルゲン、食品アレルゲン等のアレルゲンによって鼻炎、皮膚炎、結膜炎、気管支炎、咳、くしゃみなどの症状が誘発される疾患である。具体的には、スギ花粉、ブタクサ、カモガヤ、ヨモギ等の花粉類、米、小麦、ソバ、牛乳、卵黄、卵白等の飲食品類、犬毛、猫毛、羽毛等の表皮類、カンジダ、アスペルギルス等の真菌類などのアレルゲンによって鼻炎などの症状が誘発される疾患であるが、特に限定はされず、新たに同定されたアレルゲンによって誘発されるアレルギー疾患も含まれる。これらの中でも特に好ましいアレルギー疾患は花粉アレルギー症であり、代表的なものとしてスギ花粉による花粉アレルギー症を挙げることができる。
本発明のアレルギー治療剤の患者への投与は、生理食塩水などのバッファーへのけん濁液、もしくは自体公知の薬理学に許容される担体、賦形剤などと混合した医薬組成物として経口または非経口に投与することができる。非経口投与の場合の投与方法として、好ましくは、皮下、皮内、筋肉注射が用いられる。非経口投与のための剤型としては、例えば、点眼剤、軟膏剤、注射剤、湿布剤、坐薬、経鼻吸収剤、経肺吸収剤、経皮吸収剤、局所徐放剤などがあげられる。製剤中に安定化剤としてヒト血清アルブミン、ヒト免疫グロブリン、α2 マクログロブリン、アミノ酸、糖類などを添加することができ、また分散剤あるいは吸収促進剤として生理活性を損なわない範囲でアルコール、糖アルコール、イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤などを添加することができる。また、微量金属や有機酸塩も必要に応じて加えることができる。また、本発明はアレルギーの対症療法薬との併用が可能である。本発明のアレルギー治療剤における1回の投与量は、一般にはアレルゲンの量として1pg〜200μgの範囲で適宜定めることができるが、必ずしも限定されるものではなく、患者の症状、投与経路、投与間隔などにより適宜選択される。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、これらはあくまでも例示するためのものであり、いかなる意味においても本発明を限定するものではない。
実施例1:人工糖脂質の調製
Manα1→6(Manα1→3)Manという構造を有するマンノトリオース(Man3)2.5〜5mgに600μlの蒸留水を加えて攪拌溶解してオリゴ糖溶液を調製した。他方、クロロホルム/メタノール(1:1体積比)混合液にDPPEを5mg/mlの濃度で溶解してDPPE溶液を調製した。また、メタノールに、NaBH3CNを10mg/mlの濃度に溶解してNaBH3CN溶液を調製した。前記オリゴ糖溶液600μlに前記DPPE溶液9.4ml及び前記NaBH3CN溶液1mlを加えて攪拌混合した。この反応混合液を60℃にて16時間インキュベートし、人工糖脂質を生成せしめた。この反応混合液をシリカゲルカラム及びC18逆相カラムにより精製することにより人工糖脂質M3−DPPEを得た。
実施例2:抽出エキスの調製、及びアレルゲンの精製
スギ花粉抽出エキスの調製、及びスギ花粉症の主要アレルゲンのCryj 1の精製は、公知の方法(H.Yasueda et al.(1983)J.Allergey Clin.Immunol.,71,77−86,M.Sakaguchi et al.(1990),45,309−312)に準じて実施した。スギ花粉150gから0.125M炭酸水素ナトリウムで抽出を行い、硫酸アンモニウムを加えて濃縮した。硫酸アンモニウム沈殿をPBS(−)に対して透析したものをスギ花粉抽出エキスとして使用した。Cryj 1の精製は硫酸アンモニウム沈殿を0.05M Tris,pH7.8に対して透析し、DEAE−Sephadexカラムの素通り画分を回収し、10mM Acetate buffer,pH5.0に透析後、CM−Sephadexに吸着させ、溶出は0.1M Phosphate Buffer,pH7.2,0.3M NaCl,1mM EDTAで行い、スギ花粉主要抗原(SBP)を得た。SBPを0.1M Acetate buffer,pH5.0で透析後、Mono Sカラムを用いてSBPからCryj 1とCryj 2を分離し、最終的に精製Cryj 1 12mgが得られた。
実施例3:Cryj 1あるいはスギ花粉抽出エキス封入リポソームの調製
コレステロール、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、実施例1で作製したマンノトリオースジパルミトイルホスフファチジルエタノールアミン(M3−DPPE)をモル比で10:10:1、あるいは、コレステロール、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)をモル比1:1で混合し、クロロホルム2mlに溶解し、10mlのナシフラスコ内で脂質フィルムを作製した。次に脂質フィルムに3.75mg/mlの実施例2で得られたCryj 1、あるいは抽出エキス(Cryj 1含量0.375mg/ml)を加え、40℃の水槽でVortexにて、リポソームを作製した。次にこのリポソームを整粒装置のエクストルーダーを用いて、1μmのフィルターに0.2〜1MPaの範囲で加圧しながら5回整粒を行った。次にリポソーム液を遠心法にて回収後、PBS(−)で3回懸濁、遠心、上清除去することでリポソームに封入されなかった抗原を除去した。得られたリポソームの分析は、コレステロール量、Cryj 1の測定をそれぞれ市販のキット、コレステロールEテストワコー(和光純薬、439−17501)、Modified Lowry Protein Assay Reagent Kit(Pierce、23240)を用いて行った。脂質の回収率は100%に近く、Cryj 1は2−5%であり、封入混合液のCryj 1濃度と分析値とに相関があった。
実施例4:Cryj 1封入リポソームと抗Cryj 1イムノグロブリンの反応性
リポソームの外水相(外層)に存在するCryj 1に結合活性のあるイムノグロブリンと、封入したリポソームのCryj 1との反応性を確認するため、実施例3でCryj 1を封入して作製したリポソームのリポソームけん濁液を用いてサンドイッチELISAを行った。プレートの底面に先ず抗Cryj 1ウサギ抗体(林原生化学研究所、HBL−Ab−1−000)を固相し、リポソームけん濁液、標準物質としてリポソームに封入していないCryj 1溶液を反応させた。2次抗体としてペルオキシダーゼ標識抗Cryj 1モノクローナル抗体053(林原生化学研究所、0HBL−Ab−1−053P)を用いて検出を行った。その結果、リポソームの外側に検出されたCryj 1は、リポソーム内側のCryj 1に比べ0.1%以下であった。リポソーム製造時に3回の洗浄操作を行うことで、リポソームの外層のCryj 1は除去されており、また、保存中、測定中にリポソームからCryj 1が漏出していないと判断できる。よって、Cryj 1封入リポソームを用いることにより、オリゴ糖リポソームに封入をしないCryj 1溶液に比べ、アレルギー患者が持つCryj 1に対するイムノグロブリンが投与薬剤中のCryj 1と反応して、アナフィラキシーなどの副作用を生じる危険性が大きく低下することが期待できる。
実施例5:オリゴ糖リポソーム処置によるTh1型免疫誘導効果の確認
以下の実施例で使用されているリポソーム封入体の略記について、「Cryj 1/M3−L」とはリポソーム作製時の条件としてCryj 1濃度3.75mg/mlで作製したオリゴ糖(Man3)を表面に持つリポソームであることを示し、「Cryj 1/L」とはオリゴ糖(Man3)を有さないリポソームにCryj 1濃度3.75mg/mlで封入したものである。また、「Cryj 1」とはリポソームに封入せずにCryj 1を直接投与したことを示す。
6週齢のBALB/cマウスにCryj 1、Cryj 1/L、Cryj 1/M3−Lを1週間間隔で2回それぞれ(投与Cryj 1蛋白量2.5μg/head、腹空内)投与した。被検物質の最後の処置から1週間後、各個体の脾臓を摘出し、懸濁液を調製した(5×106cells/ml、RPMI1640 medium)。各個体の脾細胞懸濁液を、Cryj 1存在下(終濃度50μg/ml)、CO2インキュベータ内にて72時間培養し、培養上清を回収した。回収した培養上清中のIFN−γ(Th1反応指標)をEIA法により測定した。また、被検物質処置後に採血を行い、血清中の抗原特異的なIgG2a(Th1反応指標)及びIgG1(Th2反応指標)を測定し、これらの測定値比を算出した値をTh1/Th2バランスとし、被検物質のTh1反応誘導効果の評価を行った(図1A)。また、対照として、上記封入体の代わりにPBSのみを投与して同様に評価を行った。
その結果、Cryj 1/M3−L処置群のIFN−γがCryj 1処置群及びCryj 1/L処置群よりも大きく増加していることが確認できた(図3)。また、各処置群の抗原特異的IgG2a及びIgG1の測定値比(IgG2a/IgG1)において、Cryj 1/M3−L処置群は他処置群よりも高い値を示した(図4)。
これらのことから、アレルゲン封入オリゴ糖リポソームは、アレルゲン単独処置およびアレルゲン封入リポソームと比較して、in vivoにおけるTh1反応誘導効果が高く、更に、Th2反応の誘導を伴わないことが分かった。
実施例6:マウスにおけるオリゴ糖リポソーム処置によるIgE産生抑制効果試験
6週齢のBALB/cマウスに1週間間隔でCryj 1、Cryj 1/L、Cryj 1/M3−L、を3回投与した(投与抗原蛋白量1μg/head、皮内投与)。被検物質の最後の処置から1週間後、全てのマウスにCryj 1及びアラムの混合液を1週間隔で2回腔内投与し(投与抗原蛋白量10μg/head)、Th2反応の惹起を行った。被検物質処置前、Cryj 1・アラム混合液投与前及びCryj 1・アラム混合液投与後に眼底採血を行い、各処置個体の血清を得た。Cryj 1・アラム処置後の経時的採血を行った後、各個体の脾臓を摘出・ホモジネートし、脾細胞懸濁液を調製した(5×106cells/ml、RPMI1640 medium)。各個体の脾細胞懸濁液は、Cryj 1存在下(終濃度50μg/ml)、CO2インキュベータ内にて72時間の培養を行い、培養上清を回収した。回収した培養上清中のインターロイキン(IL)−5(Th2反応指標)、および、血清中の総IgE量をEIA法により測定した(図1B)。
脾細胞のIL−5産生量を測定した結果、Cryj 1/L投与時にはCryj 1単独、あるいは無処置の場合と同様のIL−5産生量が有るにも拘わらず、Cryj 1/M3−L処置群においてはIL−5産生量が抑制されていることを確認した(図6)。
更に、無処置群において増加するアレルゲン・アラム混合液投与後のIgE産生を、Cryj 1、Cryj 1/L処置では抑制できなかったのに対し、Cryj 1/M3−L処置群では最終的にアレルゲン・アラム混合液投与を行わなかった群と同レベルまで抑制する効果があった(図5)。
これらのことから、アレルゲンを封入したオリゴ糖リポソームは、アレルゲンに暴露された時のTh2反応、IgE産生を、公知のアレルゲン単独投与や通常のリポソーム内封アレルゲン投与の技術と比較して、より強力に抑制する効果を有することが分かった。本発明のアレルゲン内封オリゴ糖リポソームは、花粉症などのアレルギー患者のアレルギー症状の発症を抑えることが期待できる。
実施例7:マウスにおけるアレルギー治療効果試験
6週齢のBALB/cマウスにCryj 1及びアラム混合液を1回腹腔内投与することによりTh2反応の惹起を行った。惹起から8週間後、2週間間隔でCryj 1およびCryj 1/M3−Lを3回投与(投与Cryj 1蛋白量1μg/head、皮内投与)した。被検物質の最後の処置から1週間後に採血を行い、各処置個体の血清中の総IgE量をEIA法により測定した(図2)。Cryj 1/M3−Lは、Cryj 1単独処置群と比較してIgE産生を抑制していた(図7)。アレルゲン封入オリゴ糖リポソームは、Th2型反応の偏向などアレルギー状態が形成された個体に対して、これを改善し、さらにIgE産生抑制効果を有することを見いだした。
実施例8:マウスにおけるスギ花粉抽出エキス封入オリゴ糖リポソーム処置によるIgE産生抑制効果試験
6週齢のBALB/cマウスに1週間間隔でPBS(−)、スギ花粉抽出エキス、スギ花粉抽出エキス封入オリゴ糖リポソームを3回投与した(投与抗原蛋白量(総蛋白量)0.3μg/head、皮内投与)。被検物質の最後の処置から1週間後、全てのマウスにスギ花粉抽出エキス及びアラムの混合液を1週間間隔で2回腹腔内投与し(投与抗原蛋白量1μg/head)、Th2反応の惹起を行った。被検物質処置前、スギ花粉抽出エキス・アラム混合液投与前及びスギ花粉抽出エキス・アラム混合液投与後に眼底採血を行い、各処置個体の血清を得た(図1b)。得られた血清中の抗原特異的IgE量およびIgG2a量をEIA法により測定した(図8および図9)。
PBS(−)処置群において増加するアレルゲン・アラム混合液投与後のIgE産生を、スギ花粉抽出エキス処置群では抑制できなかったのに対し、スギ花粉抽出エキス封入オリゴ糖リポソーム処置群ではIgE産生を抑制した(図8)。スギ花粉抽出エキス封入オリゴ糖リポソーム処置群における血清中の抗原特異的IgG2aは、PBS(−)またはスギ花粉抽出エキス処置群よりも誘導されることを確認した(図9)。
これらのことから、スギ花粉抽出エキスを封入したオリゴ糖リポソームは、実施例9と同様に、IgE産生を抑制する効果を有することが分かった。したがって、本発明のアレルゲン内封オリゴ糖リポソームには、Cry j 1のような精製抗原タンパクだけでなく、抽出エキスを用いることができることを確認した。
実施例9:マウスにおけるCryj1封入オリゴ糖リポソームの経鼻投与によるIgE産生抑制効果試験
6週齢のBALB/cマウスに1週間間隔でCryj1およびCryj1封入オリゴ糖リポソームを経鼻投与により3回投与した(投与抗原蛋白量(総蛋白量)1μg/head)。被検物質の最後の処置から1週間後、全てのマウスにCryj1及びアラムの混合液を腹腔内投与し(投与抗原蛋白量1μg/head)、Th2反応の惹起を行った。Cryj1・アラム混合液投与前及びCryj1・アラム混合液投与後に眼底採血を行い、各処置個体の血清を得た。得られた血清中の総IgE量をEIA法により測定した(図10)。
Cryj1経鼻投与群においてアレルゲン・アラム混合液投与後のIgE産生を抑制できなかったのに対し、Cryj1封入オリゴ糖リポソーム経鼻投与群ではIgE産生を抑制した(図10)。
これらのことから、花粉抗原を封入したオリゴ糖リポソームは、経鼻投与によりIgE産生を抑制する効果を有することが分かった。したがって、本発明のアレルゲン内封オリゴ糖リポソームは、皮内または皮下投与だけでなく、経鼻投与により治療効果を得ることができることを確認した。
本発明で提供されるアレルギー治療剤は、高い治療効果を有すると同時に副作用の危険性が低減されている。そのため、減感作療法に用いることにより、従来の減感作療法と異なり、短期間で高率かつ安全なアレルギーの根本治癒が可能となる。
マウスにおけるTh1反応誘導効果評価試験(実施例5:A)及びIgE産生抑制効果評価試験(実施例6および実施例8:(B)の方法を示した図である。 マウスにおける治療効果評価試験(実施例7)の方法を示した図である。 実施例5において、被検物質処置を行ったマウスの脾細胞をCryj 1存在下にて培養し、培養上清中のIFN−γ産生量を測定した結果を示すグラフである。 実施例5において、被検物質処置を行ったマウスにおける血清中抗原特異的IgG2a及びIgG1の測定値比(IgG2a/IgG1)を示したグラフである。 実施例6において、被検物質処置及びCryj 1・アラム混合液投与を行ったマウスの経時的な採血を行い、血清中総IgE濃度を測定した結果を示すグラフである。 実施例6において、各被検物質処置及びCryj 1・アラム混合液投与を行ったマウスの脾細胞をCryj 1存在下にて培養し、培養上清中のIL−5の産生量を測定した結果を示すグラフである。 実施例7において、Cryj 1・アラム感作及び各被検物質処置を行ったマウスから採血を行い、血清中総IgE濃度を測定した結果を示すグラフである。 実施例8において、スギ花粉抽出エキス・アラム感作及び各被検物質処置を行ったマウスから採血を行い、血清中抗原特異的IgEを測定した結果を示すグラフである。 実施例8において、スギ花粉抽出エキス・アラム感作及び各被検物質処置を行ったマウスから採血を行い、血清中抗原特異的IgG2aを測定した結果を示すグラフである。 実施例9において、Cryj1・アラム感作及び各被検物質処置を行ったマウスから採血を行い、血清中総IgEを測定した結果を示すグラフである。

Claims (10)

  1. 抗原提示細胞由来のレクチンに結合することができ、かつ2〜11個の糖残基から成るオリゴ糖を表面に有するリポソームを含む治療剤であって、前記リポソームにアレルゲンが内封されてなることを特徴とするアレルギー治療剤。
  2. オリゴ糖が3〜5個の糖残基から成るものである、請求項1に記載の治療剤。
  3. オリゴ糖がマンノースを含む糖残基から成るものである、請求項1ないし2のいずれかに記載の治療剤。
  4. アレルゲンが花粉抗原である、請求項1ないし3のいずれかに記載の治療剤。
  5. 花粉抗原がスギ花粉抗原である、請求項4に記載の治療剤。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の治療剤を含み、皮下、皮内、または経鼻投与により処置するためのアレルギー治療剤。
  7. 抗原提示細胞由来のレクチンに結合することができ、かつ2〜11個の糖残基から成るオリゴ糖を表面に有するリポソームであって、花粉抗原が内封されてなることを特徴とするリポソーム。
  8. オリゴ糖が3〜5個の糖残基から成るものである、請求項7に記載のリポソーム。
  9. オリゴ糖がマンノースを含む糖残基から成るものである、請求項7ないし8のいずれかに記載のリポソーム。
  10. 花粉抗原がスギ花粉抗原である、請求項7ないし9のいずれかに記載のリポソーム。
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