JP2007307848A - 多層薄膜及びその製造方法 - Google Patents

多層薄膜及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007307848A
JP2007307848A JP2006141102A JP2006141102A JP2007307848A JP 2007307848 A JP2007307848 A JP 2007307848A JP 2006141102 A JP2006141102 A JP 2006141102A JP 2006141102 A JP2006141102 A JP 2006141102A JP 2007307848 A JP2007307848 A JP 2007307848A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
film
multilayer thin
vapor deposition
deposited
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006141102A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5146866B2 (ja
Inventor
Izumi Ichinose
泉 一ノ瀬
Takeshi Jin
健 ジン
Yutaka Wakayama
裕 若山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute for Materials Science
Original Assignee
National Institute for Materials Science
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute for Materials Science filed Critical National Institute for Materials Science
Priority to JP2006141102A priority Critical patent/JP5146866B2/ja
Publication of JP2007307848A publication Critical patent/JP2007307848A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5146866B2 publication Critical patent/JP5146866B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

【課題】自立性薄膜の微細孔を覆うような多層薄膜を提供する。
【解決手段】自立性薄膜の微細孔内に乾燥泡膜を形成し、該自立性薄膜の片面に所定の材料を蒸着し、さらに別材質のものを蒸着することにより多層薄膜を製造する。
【選択図】図1

Description

この出願の発明は、スピントロニクス、アクチュエーターやMEMSあるいはガスやイオンの分離膜等の分野に使用されるナノメートル精度の多層薄膜に関し、より詳しくは、自立性の多層薄膜に関するものである。
ナノメートル精度の多層薄膜は、様々な技術分野で利用されている。シリコン基板上での多層薄膜の形成は、エレクトロニクス分野の基幹となる製造技術である。磁性層と非磁性層からなる多層薄膜は、巨大磁気抵抗効果などの新しい現象を生んでおり、スピントロニクスという技術分野を支えている。
ナノ厚みの多層薄膜は、組成が均一な薄膜材料と比較して、力学的強度が著しく向上する場合がある。
従来の多層薄膜は、シリコンなどの平滑な基板の上に作製されておりシリコン基板をはずすほどには自己支持性を有していない。しかしながら、多層薄膜が自己支持性を有し、薄片状の形態をもつ場合、上記の特性に加えて、新しい機能材料としての可能性が広がる。例えば、非対称な構造をもつ多層薄膜は、アクチュエーターやMEMSなど、構造変化を伴う材料を製造するための重要な要素となる。また、このような多層薄膜がナノメートル厚みで得られる場合、光エネルギーの変換材料や触媒などにも利用できる。
さらに、自己支持性を有する多層薄膜が多孔性のフィルム(支持体)の上に形成されると、力学的な安定性が増し、高い圧力を負荷することができるため、ガスやイオンの分離膜として、様々な用途に利用できる。水素や二酸化炭素の分離は、21世紀の社会を支える重要な科学技術と言われる。このようなガスの効率的な分離には、ナノメートルスケールの緻密膜を作製するだけでなく、特定のガスに対する親和性を付与することが重要となる(非特許文献1)。
ナノメートル精度の薄片状の多層薄膜を製造する技術は、現状ではリソグラフィーなどを用いる手法に限られている(非特許文献2)。一方、発明者らは、既に数マイクロメートルの微細孔を有する支持体の上に蒸着法によりナノ厚みの薄膜を作製する技術を開発済みである(固体状ナノ薄膜、特願2004−176314)。この技術は乾燥泡膜を支持体の微細孔内に形成して、その孔を含む全体に蒸着膜を作製する技術であるが、例えば、白金を10nmより厚く蒸着させた場合、乾燥泡膜が壊れてしまうという問題点があった(非特許文献3)。
このため、蒸着膜を多層化することなどは、その厚さの増大を招くことから、到底不可能であろうと考えられていた。
平成15年度二酸化炭素固定化・有効利用技術等対策事業プログラム方式二酸化炭素固定化・有効利用技術開発「高分子膜によるCO2分離技術の開発」成果報告書(地球環境産業技術研究機構)平成16年3月. E.Kwak,etal.,NanoLetters,Vol.5,p1963−1967,2005. J.Jin,etal.,AngewandteChemieInternationalEdition,Vol.44,p4532−4535,2005. 特願2004−176314
上記実情に鑑み、ナノレベルでの制御性の良好な自己支持性の多層薄膜の可能性を各種の方法で検討したが、やはり乾燥泡膜を使用することが、ナノレベルでの制御性などで良好と考え、本発明に至ったものである。
この出願の発明は、前記の課題を解決するために、発明者が鋭意研究を行った結果として、以下の発明1から発明7を提供する。
本発明1の多層薄膜は、表裏に貫通した微細孔を多数有する自立性薄膜の片面に、前記微細孔を覆う蒸着膜を複数積層してなることを特徴とする。
本発明2の多層薄膜は、本発明1において前記自立性薄膜の微細孔の内径が5×10nm〜1×10nmである多層薄膜である。
本発明3の多層薄膜は、本発明1において前記自立性薄膜の微細孔の内径が1×10nm〜5×10nmである多層薄膜である。
本発明4の多層薄膜は、本発明1から3のいずれかにおいて前記蒸着層の厚みが1×10−1nm〜1×10nmである多層薄膜である。
本発明5の多層薄膜は、本発明1から3のいずれかにおいて前記蒸着層の厚みが1nm〜1×10nmである多層薄膜である。
本発明6の多層薄膜は、本発明1から5のいずれかにおいて前記蒸着層又は/及び自立性薄膜が金属や半導体等の無機物質からなる多層薄膜である。
本発明7は、本発明1から6のいずれかに記載の多層薄膜の製造方法であって、前記自立性薄膜の微細孔内に乾燥泡膜を形成する第一工程、前記乾燥泡膜を含む自立性薄膜の片面に所定の材料を蒸着する第二工程、前記蒸着層の表面に新たに別材質のものを蒸着する第三工程と、必要に応じて行われる前記乾燥泡膜の除去工程とよりなることを特徴とする。
上記第1の発明の多層薄膜は、多層化された蒸着層の表面のみならず、自立性薄膜の微細孔を通して裏からも外的刺激を与えることができる。つまり、理想的な自己支持性の多層薄膜であって、それが蒸着により得られることからナノレベルという超精密な多層薄膜を実現したこととなる。
上記第1の発明の多層薄膜において、自立性薄膜の微細孔の内径を、5×10nm〜1×10nm、より好ましくは1×10nm〜5×10nmとすることにより、その力学的な安定性を向上することができる。
また、上記第1から第3発明のいずれかの蒸着層の厚みを1×10−1nm〜1×10nm、より好ましくは1nm〜1×10nmとすることにより、力学的な安定性のみならず層全体の均一性を一層、向上することができる。
本発明7の多層薄膜の製造方法は、既に開発した乾燥泡膜による蒸着層の形成技術が自己支持性の多層薄膜にも適用できることを発見し、これにより、上記超精密な多層薄膜の製造を可能にしたものである。
多層化できる理由は定かではないが、恐らく、自立性薄膜に最初に蒸着した層が何らかの理由で、乾燥泡膜の代替的な役割を果たし、次からの蒸着層を受け止めるからではないかと考えられる。しかし極薄い蒸着層が乾燥泡膜と同様な機能を果たし得るものであるか否かは定かではない。

この出願の発明は、上記の通りの特徴を持つものである。以下にその実施の形態について説明する。
まず、乾燥泡膜について説明する。この出願の発明者らは、以前に、マイクロメートル領域のフレームに形成された泡膜において、水が完全に乾燥しても膜の形態を維持するものを発見した。このような膜は、液体状態の水の層を持たない泡膜として一般化され、乾燥泡膜と命名された。その詳細は、非特許文献3ならびに特許文献1に報告されている。
乾燥泡膜は、界面活性分子の希薄溶液を微細孔に付着させて得られる液体状態の薄膜から溶媒を蒸発することで形成され、表面が該界面活性分子の分子膜で覆われていることを特徴とする固体状態のナノ薄膜である。界面活性分子としては、特に限定される訳ではないが、アルキル鎖を有するものが好適に用いられる。乾燥泡膜は、界面活性分子に類似した界面活性を有する化合物からも作製でき、水以外の溶媒からも作製できる。例えば、長鎖アルキルシラン化合物のエタノール溶液などは、高い安定性をもつ乾燥泡膜の作製に用いることができる。
乾燥泡膜は、超高真空下でも安定に存在でき、ドライプロセスへの適用が可能である。
以下に、この出願の発明の多層薄膜及びその製造方法について、乾燥泡膜の形成、乾燥薄膜への蒸着膜の形成、多層薄膜の製造の3つの節に別けて、さらに詳しく述べる。

・ 乾燥泡膜の形成
この出願の発明では、多層薄膜を製造するために、乾燥泡膜を利用する。乾燥泡膜の形成に関しては、既に非特許文献3などで開示されている。乾燥泡膜は、幅広い界面活性分子、または界面活性分子に類似した特徴を有する化合物を用いて作製することができる。この出願の発明は、従来周知のものに制限を加える必要はないが、多層薄膜の製造に好適な界面活性分子、または界面活性分子に類似した特徴を有する化合物として以下のようなものが挙げられる。
界面活性分子の多くは、分子内に疎水性の基と親水性の基を有する。疎水性の基としては、特に限定される訳ではないが、アルキル鎖が好適に用いられる。疎水性の基は、一つである必要はない。例えば、二本鎖型やジェミニ型の界面活性分子でも、安定な乾燥泡膜が形成できる。親水性の基としては、特に制限される訳ではないが、トリメチルアンモニウムなどの4級アミンを有するもの、あるいは双性イオン型の基を有するものが挙げられる。これらの親水性の基を有する界面活性分子からは、160℃以上の熱安定性を示す乾燥泡膜が形成できる場合がある。界面活性分子は、イオン性液体などを形成する傾向があるイミダゾリウム塩の親水部を有するものであってもよい。界面活性分子に類似した特徴を有する化合物には、アルキル鎖を有する金属アルコキシドなどの有機金属化合物が含まれる。例えば、オクタデシルトリメトキシシランやオクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリル−プロピル)アンモニウムクロリド(以下、C18−N−Siと略す)などは、多層薄膜を製造するための優れた乾燥泡膜を与える。
乾燥泡膜の形成には、界面活性分子または界面活性分子に類似した特徴を有する化合物を組み合わせて用いることも可能である。
一方、代表的な溶媒としては水が用いられるが、アルコールなどの有機溶媒であってもよく、有機溶媒と水との混合溶媒であってもよい。即ち、界面活性分子または界面活性分子に類似した特徴を有する化合物が、溶媒の表面張力を下げるように気液界面に分子膜を形成する特性を示すことが重要であり、その溶媒には特に制限がない。
乾燥泡膜を形成させる微細孔は、内径が5nm〜5×10nm、より好ましくは5×10nm〜1×10nm、さらに好ましくは1×10nm〜5×10nmのものが用いられる。概微細孔の内面は、特に制限させる訳ではないが、適度の親水性を有するものが好ましい。例えば、高分子、金属あるいは金属酸化物からなる微細孔が好適に用いられる。概微細孔は、円形、角形、多角形等或いは異径等の何れの断面形状を有するものでもよい。前記内径とは、これらの形状の最小穴幅をいう。
乾燥泡膜は、界面活性分子または界面活性分子に類似した特徴を有する化合物の希薄溶液を用いて作製される。前記希薄溶液の濃度としては、付着させる微細孔のサイズにも依存するが、1×10−5Mから1Mの範囲(Mは、モル濃度を表す)が好適であり、1×10−4Mから1×10−1Mの範囲がより好適であり、1×10−3Mから1×10−2Mの範囲がさらに好適である。上記希薄溶液を微細孔に付着させる方法としては、スプレー法、塗布法、スピンコーティング法などの様々な方法を用いることが可能であるが、一般には、微細孔を有する自立性薄膜を概希薄溶液中に浸漬する方法が好適に用いられる。
乾燥泡膜は、微細孔に付着した希薄溶液から溶媒が蒸発することによって形成される。溶媒の蒸発は、一般には、数秒から数十分の間、空気中に放置することで行うことができる。蒸発の速度は、放置する環境の温度に左右され、高温ほど早くなる。また、乾燥した空気を自立性薄膜に吹き付けることによっても高速化できる。必要に応じて、減圧下で乾燥させることも可能である。このようにして形成された乾燥泡膜は、10−5Pa程度の真空条件下でも十分に安定である。
通常の乾燥泡膜は、分子2個分の厚みを有する。しかしながら、例えば、界面活性分子の親水部と相互作用するような溶質(タンパク質やポリマー、無機粒子など)が含まれていれば、溶質が乾燥泡膜に取り込まれ、乾燥泡膜の厚みが増す。また、比較的濃い濃度の界面活性分子または界面活性分子に類似した特徴を有する化合物の溶液を用いた場合、乾燥泡膜の縁の部分が厚くなる場合がある。このような理由から、乾燥泡膜の厚みは、1nm〜1×10nmであることが好ましく、2nm〜2×10nmであることがより好ましく、3nm〜3×10nmであることがさらにより好ましい。
乾燥泡膜は、単独または複数の有機、無機、あるいは金属成分を混入することができ、洗浄や焼成、酸素プラズマ処理などの方法により、有機成分の一部あるいは全部を除去することができる。その結果、無機や金属成分からなる薄膜が得られる。このようにして形成された薄膜も、乾燥泡膜に含まれ、他のものと同様に、多層薄膜の製造に用いることができる。
以上の知見に基づき、多層薄膜の製造のための自立性薄膜と乾燥泡膜の形成について、表1及び表2に具体的に例示した。

微細孔をもつ高分子膜(フォルムバール)の例として、電子顕微鏡用の支持膜(応研商事150−Bタイプ)を用いて実験を行った。この支持膜は、0.5μm〜10μm程度の微細孔を有し、表面には、カーボンが蒸着されており、若干の疎水性を示す。微細孔の長さは、高分子膜の厚みと一致し、0.1μm程度である。


表2において、自立性薄膜No.は、表1のNo.を示すことで、その材質などを援用した。


・ 乾燥泡膜への蒸着膜の形成
この出願の発明の多層薄膜は、乾燥泡膜により塞がれた微細孔を有する自立性薄膜に、少なくとも1回以上、蒸着膜を積み重ねることで製造される。乾燥泡膜は、表面が分子膜で覆われていることを特徴とする固体状態のナノ薄膜であり、通常、分子2個分の厚みを有する。このような超薄膜の構造を有するにも関わらず、乾燥泡膜は、一般に100℃以上の熱安定性を有し、160℃以上の熱安定性を有するものもある。さらに乾燥泡膜は、この出願の発明の方法によれば、金属や半導体、無機物質などの蒸着膜を積み重ねても膜の形状を保つことができる。
実施例で示されるように、蒸着法としては、スパッタリングや電子ビーム蒸着、あるいは真空蒸着法などが利用できる。また、蒸着が可能な物質は、特に制限がある訳ではないが、鉄、シリコン、テルル、インジウム、セレン、白金、カーボンなどが挙げられる。蒸着法では、気相中のガス状物質が付着し、堆積することで薄膜が形成される。上記のような多様な物質や蒸着法が利用できることは、乾燥泡膜が気相中のガス状物質に対して非常に安定であることを示している。
一方、乾燥泡膜は、分子膜の表面に付着した物質が相転移を起こすと、壊れやすい傾向にある。例えば、C18−N−Siは、分子2個分の厚みの非常に安定な乾燥泡膜を形成し、10nmの厚みの白金を蒸着させることが可能であるが、20nmの厚みまで蒸着すると、膜が破れてしまう。これは、最初に付着した粒子状の白金が、厚みの増加とともに融合し、大きな張力を与えるためと考えられる。このような相転移が起こらないカーボンなどでは、50nmの厚みの薄膜を蒸着することができる。半導体であるシリコンやテルルでは、それぞれ、50nm、100nmの厚みの薄膜を蒸着できることが実証されている。一方、金属であるインジウムや鉄では、50nmの薄膜を蒸着することで、膜が壊れてしまう。蒸着可能な厚みは、蒸着法や条件にもよるが、数マイクロメートルの微細孔に形成された乾燥泡膜に金属性の物質を蒸着した場合、10nm〜50nmの厚みの蒸着膜が形成されたときに、膜が壊れる傾向がある。一方、半導体や絶縁体では、このような現象が起こりにくい。
乾燥泡膜は超高真空下でも安定なため、蒸着時の真空度には、特に制限がない。また、乾燥泡膜は、一般に200℃以上に加熱すると壊れるため、通常の蒸着は室温付近で行われる。さらに、蒸着する物質は、化合物であっても構わない。例えば、セレン化カドミウム(CdSe)などは、真空蒸着法により良好な蒸着膜が得られる。
乾燥泡膜には、単独または複数の有機、無機、あるいは金属成分を混入することができ、この場合、分子2個分より大きな厚みとなる。乾燥泡膜が厚い場合、用いた界面活性分子または界面活性分子と類似した特徴を有する化合物の種類にも依存するが、一般には、その表面への蒸着膜の形成が容易になる。
乾燥泡膜により塞がれた微細孔を有する自立性薄膜は、通常、片面から蒸着される。しかしながら、蒸着装置のチャンバー内での配置を工夫すると、自立性薄膜の両面に同時に蒸着膜を形成することも不可能ではない。この場合、乾燥泡膜には蒸着膜が両面から形成される。

・ 多層薄膜の製造
多層薄膜は、前節の操作により少なくとも1回以上の蒸着を施した自立性薄膜の表面に、膜の形状を壊すことなく再度蒸着することで製造できる。
一般には、第一の蒸着層が安定に形成されていれば、力学的な安定性が増し、第2の蒸着層の形成が容易になる。例えば、C18−N−Siの乾燥泡膜の表面には、20nmの厚みの白金を形成させることができないが、10nmの厚みのテルルを蒸着させた後では、20nmの白金を蒸着することができる。また、C18−N−Siの乾燥泡膜の表面に50nmの厚みのインジウムを蒸着することはできないが、10nmの厚みのテルルを蒸着させた後では、100nmのインジウムを蒸着することができる。
10nmの厚みのテルルを蒸着させた表面には、20nmの厚みのカーボンや白金が均一に蒸着するが、50nmのインジウムを蒸着させた場合は、表面の凹凸が大きくなる。このように、均一な多層薄膜を製造するには、物質の組み合わせが重要になる。
第二の蒸着層の上には、第三の蒸着層が形成できる。例えば、C18−N−Siの乾燥泡膜の表面に10nmの厚みのテルルを蒸着した後、10nmの厚みのインジウムを蒸着し、さらに10nmの厚みの白金を蒸着すると、3つの層からなる多層薄膜が形成される。同様に、10nmの厚みのテルルを蒸着した後、10nmの厚みの白金を蒸着し、さらに20nmのカーボンを蒸着することも可能である。一般には、第三の蒸着層の形成は、第一や第二の蒸着層の形成よりも容易である。
多層薄膜には、限りない組み合わせがあり、全てを説明することができないが、上記のような方法により、様々な多層薄膜を製造することが可能である。
第三の蒸着層の上には、第四の蒸着層、第五の蒸着層、第六の蒸着層と、順次、蒸着層を形成することができる。第四の蒸着層より以降の蒸着層の形成は、第三の蒸着層の形成よりもさらに容易である。このため、この出願の発明の多層薄膜は、第三の蒸着層までの多層薄膜に限定される訳ではない。また、蒸着の方向は、自立性薄膜の表側や裏側に限定されず、いずれの面からも可能である。
最後に、上記の方法で得られる多層薄膜は、様々な後処理を施すことが可能である。加熱処理による硬化や緻密化、酸素プラズマ処理による有機成分の除去、ポリマーのコーティング、有機分子の吸着による分子機能の付与、生体物質の吸着によるバイオ機能の付与などは、その例である。
上記知見に基づき、蒸着層の形成について、表3に具体的に例示した。
*蒸着層の有無は電子線回折により確認した。
(表2のNo.8による乾燥泡膜を施した表1のNo.1の自立性薄膜に対する例)
図1には、微細孔を多数有する自立性薄膜への乾燥泡膜の形成を模式的に示した。
図2には、表1のNo.1のフォルムバールの微細孔に表2のNo.8の条件で形成された乾燥泡膜の透過型電子顕微鏡による観察像を示した。
図3には、表3のNo.1の白金を蒸着した乾燥泡膜の透過型電子顕微鏡による観察像を示した。

実施例を示す表4、参考例を示す表5及び比較例を示す表6において、自立性薄膜No.は表1のNo.を、乾燥泡膜No.は表2のNo.を、各蒸着層のNo.は表3のNo.を示すことで、その材質などを援用した。


<実施例1>
実施例1は、主にエネルギー変換に利用可能な触媒電極としての機能を有する多層薄膜の作製を行った。
図4には、実施例1で作製された多層薄膜の透過型電子顕微鏡写真を示す。これにより、フォルムバール(多孔性の高分子膜)の微細孔をC18−N−Siの乾燥泡膜で覆い、その上に第一蒸着層、第二蒸着層、第三蒸着層を蒸着させた後も、膜としての形状が保たれることが確認できる。また、これらの蒸着層は、多孔性の高分子膜の表面に一様に形成されている。触媒電極としての利用のために、多層薄膜の電気伝導性を調べたところ、金属的な電気伝導性を有することが4端子法による測定により実証された。また、第三蒸着層の白金層は、触媒としての高い活性が期待できる1nm程度の凹凸を表面に有することが高分解能の走査型電子顕微鏡を用いた観察により確認された。

<実施例2>
実施例2は、主にアクチュエーターやMEMSなどへの利用を目指した多層薄膜の作製を行った。
図5には、実施例2で作製された多層薄膜の透過型電子顕微鏡写真を示す。これにより、第一蒸着層から第三蒸着層までの蒸着層を形成させた後も、膜としての形状が保たれていることが確認できる。また、これらの蒸着層は、多孔性の高分子膜の表面に一様に形成されている。
この多層薄膜では、金属的な電気伝導性を有する白金層が、半導体であるテルル層と導電性のカーボン層によって挟まれている。このため、電位をかけることで、アクチュエーターとして働くことが期待できる。また、電子顕微鏡を用いた実験から、この多層薄膜が収束電子ビームに対して非常に安定なことが確認されている。また、最表面のカーボン層は、力学的な強度が高く、水や有機溶媒への安定性も大きいことが確認されている。このため、MEMS用薄膜としての利用が期待できる。

<実施例3〜4>
実施例3と4は、主にナノ分離膜への利用を目指した多層薄膜の作製を行った。
図6には、実施例3で作製された多層薄膜の透過型電子顕微鏡写真を示す。第一蒸着層のテルルがナノメートルサイズの結晶として蒸着し、その上にアモルファスのカーボンが蒸着されているために、一見不均一な多層薄膜に見える。しかしながら、走査型電子顕微鏡を用いた高倍率での観察により、多層薄膜が非常に平滑な緻密膜であることが確認された。また、この多層薄膜は、水素などの活性ガスに対して安定であった。さらに、この多層薄膜は、水洗浄により乾燥泡膜を除去することができ、乾燥泡膜を除去した後も、膜としての形状が保たれることが確認された。
実施例4では、実施例3の第一蒸着層の厚みを10nmとして実験を行ったが、実施例3と同様な結果が得られた。

<実施例5〜9>
実施例5〜9は、主に薄膜状の触媒としての利用を目指した多層薄膜の作製を行った。
図7は、実施例5で作製された多層薄膜の走査型電子顕微鏡写真を示す。図7の上図から、銅メッシュの微細孔が多層薄膜で覆われていることが確認でき、図7の中図からその表面が白金のナノ粒子の凝集体で覆われていることが分かる。また、図7の下図から多層薄膜の断面がテルルと白金の2層構造になっているのが確認できる。この多層薄膜は、熱安定性が高く、また、酸素や水などに対する化学的安定性も高いことが確認されている。
実施例6から実施例9では、支持体やテルル層の厚み、白金層の厚みを変化させて実験を行ったが、いずれも実施例5と同様な結果が得られた。

<実施例10〜14>
実施例10〜14は、主にナノ分離膜への利用を目指した金属成分を有する多層薄膜の作製を行った。
図8は、実施例10で作製された多層薄膜の透過型電子顕微鏡写真を示す。図8の左図から、フォルムバールの微細孔をC18−N−Siの乾燥泡膜で覆い、その上に第一蒸着層、第二蒸着層を蒸着させた後も、膜としての形状が保たれることが確認できる。一方、図8の右図から、テルル層の上に形成されたインジウムが数10nmの粒子として存在することが分かる。この多層薄膜は水素などへの安定性を有していることが確認された。ここでテルル層は半導体であり、インジウム層は金属的な特性を有する。
実施例11から実施例14では、支持体やテルル層の厚み、インジウム層の厚みを変化させて実験を行った。いずれの場合も、膜としての形状を維持するが、インジウム層の厚みの増加とともに表面の平滑さが低下した。実施例13では、50nmのテルル層と10nmのインジウム層を形成させているが、特に平滑な多層薄膜の形成が確認された。実施例14では、50nmのテルル層と50nmのインジウム層を形成させているが、表面の平滑さがやや低下した。これらの多層薄膜は、いずれも水素ガスなどへの安定性を有することが確認されている。

<参考例>
上記の実施例で示した多層薄膜は、蒸着膜を積み重ねることで製造される。一般に、乾燥泡膜への第一蒸着層の形成は、第二蒸着層や第三蒸着層の形成と比較して困難であり、膜が破れることも多い。このため、乾燥泡膜への単層薄膜の形成の可否は、多層薄膜の製造の可能性と大きく関連している。この出願の発明の多層薄膜の多様性を実証するために、単層薄膜の形成例を表5で紹介する。

図9は、表5のNo.1のカーボン膜の走査型電子顕微鏡写真を示す。図9より、ニッケルメッシュの微細孔が、一部を除いて、カーボン膜で覆われていることが確認できる。即ち、乾燥泡膜にカーボンを蒸着することができ、乾燥泡膜を除去して熱処理した後も、カーボン膜が安定に保たれることが確認できる。
表5には、ナノ分離膜や薄膜状の触媒などの用途に応じて、多孔性の高分子膜やニッケルメッシュを支持体として、C18−N−SiやD−PCなどの乾燥泡膜を形成し、カーボンやケイ素、鉄や白金、インジウムやテルル、セレン化カドミウムなどを、熱蒸着や電子ビーム蒸着、スパッタリングなどの方法により蒸着できることを示している。得られた薄膜は、水洗浄や熱処理などを施すことができる。また、それぞれの薄膜は、緻密膜の形成やガスに対する安定性、熱安定性、化学的安定性などの諸特性が確認されている。

<比較例>
実施例や参考例とは対照的に蒸着によって膜が破れる場合もある。このような事例を比較例として表6に纏めた。

フォルムバールの微細孔にC18−N−Siを用いて乾燥泡膜を形成させた場合、第一蒸着層として20nmの白金を蒸着すると薄膜が破れる。同様に、50nmの鉄、50nmのインジウム、あるいは10nmのセレンを蒸着させた場合も薄膜が破れる。
実施例6に示したように、第一蒸着層として10nmのテルルを蒸着させれば、第二蒸着層として20nmの白金を蒸着することが可能である。しかしながら、表6に示すように、第一蒸着層として10nmのテルルを蒸着させても、第二蒸着層として50nmの白金を蒸着すると、多層薄膜が破れてしまう。
この出願の発明では、ナノメートル精度の自己支持性の多層薄膜が、乾燥泡膜を用いることで容易にかつ確実に製造される。このような多層薄膜は、ナノからマイクロメートルスケールの微細孔を覆うように形成することができ、力学的に安定であるため、様々な分離膜としての機能が期待できる。具体的には、ガス分離膜や逆浸透膜、水の浄化あるいは悪臭やウイルス、細菌の除去膜、促進輸送膜、浸透気化膜などへの利用が見込まれる。特に、水素や酸素、二酸化炭素などを選択的に透過するガス分離膜への応用には、大きな可能性があるであろう。また、乾燥泡膜は、シート状、チューブ状、粒子状など、微細孔を有する様々な形状の材料に形成できる。このため、そのような乾燥泡膜を用いて多層薄膜を製造すると、効率的な物質分離、あるいは物質の透過性の制御が可能となる。例えば、この出願の発明を、中空糸に応用することで、産業上の利用可能性が大きく広がるであろう。
さらに、この出願の発明では、非対称な構造を有する自己支持性の多層薄膜を製造できるため、アクチュエーターやMEMSなど、構造変化を伴う機能材料の設計にも利用できる。また、金属や半導体を含んだ多層薄膜は、触媒やエネルギー変換材料として期待でき、光エネルギーの有効利用や燃料電池の製造に役立つであろう。センサーとしての利用には幅広い可能性があり、この出願の発明の多層薄膜が、物理センサー、化学センサー、バイオセンサー、磁気センサーなどの構成要素となることが期待できる。また、金属、半導体、絶縁体の多層薄膜には多様な物理機能が期待でき、デバイスとしての応用も期待できる。さらに、この出願の発明の多層薄膜は、静電防止膜など電気的特性、スピンエレクトロニクスなどの磁気特性、反射防止膜や紫外線の吸収などの光学特性、あるいは超親水性やトライボロジーなどの表面特性に優れた材料の開発にもつながり、パターニングされた基板を用いるならば、表示素子の構成要素としても大きな可能性を有する。
微細孔を多数有する自立性薄膜への乾燥泡膜の形成を表す模式図である。 表1のNo.1に示したフォルムバールの微細孔に形成された乾燥泡膜の透過型電子顕微鏡による観察像である。下図は、上図より高倍率で観察されたものである。乾燥泡膜は、表2のNo.8の条件で形成された。 表3のNo.1に示した白金を蒸着した乾燥泡膜の透過型電子顕微鏡による観察像である。 実施例1における多層薄膜の透過型電子顕微鏡による観察像である。この多層薄膜は、フォルムバールの微細孔にC18−N−Siの乾燥泡膜を形成し、その表面に10nmのテルル層、10nmのインジウム層、10nmの白金層を蒸着させたものである。下図は、上図より高倍率で観察されたものである。 実施例2における多層薄膜の透過型電子顕微鏡による観察像である。この多層薄膜は、フォルムバールの微細孔にC18−N−Siの乾燥泡膜を形成し、その表面に10nmのテルル層、10nmの白金層、20nmのカーボン層を蒸着させたものである。下図は、上図より高倍率で観察されたものである。 実施例3における多層薄膜の透過型電子顕微鏡による観察像である。この多層薄膜は、フォルムバールの微細孔にC18−N−Siの乾燥泡膜を形成し、その表面に50nmのテルル層と20nmのカーボン層を蒸着させたものである。下図は、上図より高倍率で観察されたものである。 実施例5における多層薄膜の走査型電子顕微鏡による観察像である。この多層薄膜は、銅メュシュ(2000)の微細孔にC18−N−Siの乾燥泡膜を形成し、その表面に20nmのテルル層と20nmの白金層を蒸着させたものである。上図(a)は低倍率での観察像、中図(b)は高倍率での表面の観察像、下図(c)は高倍率での断面の観察像である。下図より、多層薄膜の断面がテルルと白金の2層構造になっているのが確認できる。 実施例10における多層薄膜の透過型電子顕微鏡による観察像である。この多層薄膜は、フォルムバールの微細孔にC18−N−Siの乾燥泡膜を形成し、その表面に10nmのテルル層と10nmのインジウム層を蒸着させたものである。右図は、左図より高倍率で観察されたものである。 参考例におけるニッケルメッシュの微細孔に形成されたカーボン膜の走査型電子顕微鏡による観察像である。カーボン膜は、水洗浄後、350℃での加熱処理を行ったものである。

Claims (7)

  1. 表裏に貫通した微細孔を多数有する自立性薄膜の片面に、前記微細孔を覆う蒸着膜を複数積層してなることを特徴とする多層薄膜。
  2. 前記自立性薄膜の微細孔の内径が5×10nm〜1×10nmである請求項1の多層薄膜。
  3. 前記自立性薄膜の微細孔の内径が1×10nm〜5×10nmである請求項1の多層薄膜。
  4. 前記蒸着層の厚みが1×10−1nm〜1×10nmである請求項1から3のいずれかに記載の多層薄膜。
  5. 前記蒸着層の厚みが1nm〜1×10nmである請求項1から3のいずれかに記載の多層薄膜。
  6. 前記蒸着層又は/及び自立性薄膜が金属や半導体等の無機物質からなる請求項1〜5のいずれかに記載の多層薄膜。
  7. 請求項1から6の何れかに記載の多層薄膜の製造方法において、前記自立性薄膜の微細孔内に乾燥泡膜を形成する第一工程、前記乾燥泡膜を含む前記自立性薄膜の片面に所定の材料を蒸着する第二工程、前記蒸着層の表面に新たに別材質のものを蒸着する第三工程と、必要に応じて行われる前記乾燥泡膜の除去工程とよりなることを特徴とする多層薄膜の製造方法。
JP2006141102A 2006-05-22 2006-05-22 多層薄膜及びその製造方法 Expired - Fee Related JP5146866B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006141102A JP5146866B2 (ja) 2006-05-22 2006-05-22 多層薄膜及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006141102A JP5146866B2 (ja) 2006-05-22 2006-05-22 多層薄膜及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007307848A true JP2007307848A (ja) 2007-11-29
JP5146866B2 JP5146866B2 (ja) 2013-02-20

Family

ID=38841128

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006141102A Expired - Fee Related JP5146866B2 (ja) 2006-05-22 2006-05-22 多層薄膜及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5146866B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013224372A (ja) * 2012-04-23 2013-10-31 Dainippon Printing Co Ltd ヒドロゲル薄膜及び乾燥ゲル薄膜の製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1028850A (ja) * 1996-07-12 1998-02-03 Toyota Motor Corp 水素分離構造体
JP2002126474A (ja) * 2000-08-12 2002-05-08 Dmc 2 Degussa Metals Catalysts Cerdec Ag 支持された金属膜並びにその製造及び使用
WO2002045832A1 (fr) * 2000-12-05 2002-06-13 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Structure permeable a l'hydrogene
JP2002336664A (ja) * 2001-05-14 2002-11-26 Japan Steel Works Ltd:The 水素透過膜ユニット及びその製造方法
JP2006000929A (ja) * 2004-06-15 2006-01-05 National Institute For Materials Science 固体状ナノ薄膜

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1028850A (ja) * 1996-07-12 1998-02-03 Toyota Motor Corp 水素分離構造体
JP2002126474A (ja) * 2000-08-12 2002-05-08 Dmc 2 Degussa Metals Catalysts Cerdec Ag 支持された金属膜並びにその製造及び使用
WO2002045832A1 (fr) * 2000-12-05 2002-06-13 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Structure permeable a l'hydrogene
JP2002336664A (ja) * 2001-05-14 2002-11-26 Japan Steel Works Ltd:The 水素透過膜ユニット及びその製造方法
JP2006000929A (ja) * 2004-06-15 2006-01-05 National Institute For Materials Science 固体状ナノ薄膜

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013224372A (ja) * 2012-04-23 2013-10-31 Dainippon Printing Co Ltd ヒドロゲル薄膜及び乾燥ゲル薄膜の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5146866B2 (ja) 2013-02-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Wen et al. Polyamide thin film composite nanofiltration membrane modified with acyl chlorided graphene oxide
Wang Nondestructive creation of ordered nanopores by selective swelling of block copolymers: toward homoporous membranes
KR101595185B1 (ko) 액체 여과 구조체
Rashed et al. Carbon nanotube membranes–Strategies and challenges towards scalable manufacturing and practical separation applications
Alsebaeai et al. Membrane distillation: Progress in the improvement of dedicated membranes for enhanced hydrophobicity and desalination performance
Kwon et al. Molecular layer-by-layer assembled forward osmosis membranes
KR101421219B1 (ko) 그래핀 옥사이드 코팅층을 포함하는 복합 분리막 및 그 제조방법
Jiang et al. A review of recent developments in graphene-enabled membranes for water treatment
Miao et al. Influence of membrane hydrophilicity on water permeability: An experimental study bridging simulations
Cho et al. Ultrafast-selective nanofiltration of an hybrid membrane comprising laminated reduced graphene oxide/graphene oxide nanoribbons
US10179313B2 (en) Super-surface selective nanomembranes providing simultaneous high permeation flux and high selectivity
CA2831579C (en) Asymmetric nanotube containing membranes
Yang et al. Preparation and characterization of high-performance electrospun forward osmosis membrane by introducing a carbon nanotube interlayer
US7438193B2 (en) Nanoporous membrane and method of fabricating the same
US9527043B2 (en) Gas separation membrane and method of preparing the same
JP2017515668A (ja) 積層された二次元材料およびそれが組み込まれた構造物を作製するための方法
Feng et al. Atomic layer deposition of metal oxides on carbon nanotube fabrics for robust, hydrophilic ultrafiltration membranes
Roy et al. Formation of carbon nanotube bucky paper and feasibility study for filtration at the nano and molecular scale
Ma et al. Electrospun nanofibrous membranes for desalination
US20190218099A1 (en) Nanofiber sheet assembly
Jia et al. Robust reduced graphene oxide composite membranes for enhanced anti-wetting property in membrane distillation
Li et al. Porous nanocomposites with integrated internal domains: Application to separation membranes
Tai et al. Critical review on membrane designs for enhanced flux performance in membrane distillation
Kumar et al. Selective deposition of Pd nanoparticles in porous PET membrane for hydrogen separation
Gao et al. Permselective graphene-based membranes and their applications in seawater desalination

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090515

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111129

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120731

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120918

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121001

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121016

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121026

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121113

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121116

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5146866

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151207

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees