JP2007307535A - 複合糖質を含んだ木質の重金属捕集剤 - Google Patents

複合糖質を含んだ木質の重金属捕集剤 Download PDF

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Abstract

【課題】池・河川・井戸水・貯水タンク水・排水や土壌に含まれる重金属イオンを回収するために、間伐材や製材持の端材をリサイクル資材として再利用し新しい重金属捕集材を提供する。
【解決手段】針葉樹であるマツ、スギ等などの木材を基材とし,捕集剤の主剤となるものは、糖質であるアルギン酸、ガラキーナンの原料由来のオリゴ糖含多糖類、単糖類とし、この糖質に放射線を照射し得られた低分子量の多糖分解物で、浸透性の高い性質を有しており,その表面にブドウ糖を含む被膜剤(PVA)覆った安全性の高い重金属捕集剤。
【選択図】図1

Description

従来より水分中の重金属除去方法には、消石灰、酸性白土、活性炭、合成ゼオライト、陽イオン交換樹脂、吸着材が用いられ、近年にあっては、樹脂フイルム、逆浸透膜フイルム、キレート剤等が開発されている。
これらの技術では、使用後に焼却処分や埋設処理が行われており、特に埋設に関わる費用が高価であり莫大な用地を必要とし、捕集剤の再処理が大きな問題となっています。また、捕集剤自体が汚染原因として2次汚染や科学成分による汚染となることが懸念されています。
本発明に用いる捕集剤の基材は山林に多く植樹され、さらに今後増大する針葉樹を用いて廃棄処分が可能な吸着材を提供すると共に間伐や製材時の端材を有効に再利用することにより環境保全に貢献し、安価で取り扱いの容易な吸着材を開発することである。これらの開発にあっては、植物に於ける重金属の影響と土壌や水の重金属の回収若しくは、除去方法の研究を樹木に応用し、土壌や水からの重金属回収若しくは除去が可能となる捕集吸着剤とする。
基材原料とする樹木は主にセルロース、ヘミセルロースが約80%,フェノール(以後リグニンという。)約20%であり、すべて有機成分が組織化された多糖類である。このリグニンやタンパク質、ブドウ糖を始め多糖類、単糖類などの糖質成分は鉛、カドミウム、銅等の重金属イオンと不溶性の錯塩を形成する能力があり、土壌や水分中に含まれるこれらの重金属類を捕集吸着ことが知られている。
岐阜大学工学部社会基盤工学科での研究テーマである植物による重金属の捕集で採用されている検査方法を樹木による重金属の固定方法に応用した捕集材の開発である。
従来の技術で開発されている重金属捕集剤は、有機成分が主体であるが溶剤性や可溶性を有している素材であり、用土又は土壌に撒布し使用するものや固化させる目的に使用され用土又は土壌に吸収させ処理を行う。
特開平11−116415 特開平11−152202 特開2005−013786
参考文献4
有害金属の捕集に役立つ放射線グラフト重合
参考文献5
佐藤健,他7名:ファイトメディエーションの現地実証試験,地下水技術,第47巻,第5号,pp.29−33,2005.
上記背景に記載した消石灰、酸性白土、活性炭、合成ゼオライト、陽イオン交換樹脂、吸着材、樹脂フイルム、逆浸透膜フイルム、キレート剤などのコストや使用方法を勘案し,既存捕集材料より優位な捕集剤を開発することが望まれる。
山林保護の目的で切り出される樹木の多くは放置され、さらに製材時に発生する端材は産業廃棄物として焼却処分されており、リサイクル方法の一環としてパルプ原料として使用されているが、年々間伐材の発生が多くなり海外からの輸入よる建材や資材の増加等によりさらに増加する可能性が高くなりつつあり、これらのリサイクル用途と環境破壊の抑制が課題である。
製材時に発生するオガコやチップ材は、木質や植物が有する成分であるセルロース、ヘミセルロース、リグニンや糖質である単糖類、小糖類、多糖類、プロテオグリカン、糖タンパク質、アミノ酸、ペプチド、タンパク質等を含む成分が含まれており、重金属である鉛(Pb)、カドミウム(Cd)、水銀(Hg)等を始め鉄(Fe)、銅(Cu)マンガン(Mg)、亜鉛(Zn)、銀(Ag)、スズ(Su)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、アンチモン(Sb)、アルミニウム(Al)、ランタン(La)、コバルト(Co)等の重または、軽金属さらにナトリウム(Na)、リチウム(Li)、カリウム(K)、セシウム(Cs)、ルビジウム(Rb)、フランシウム(Fr)等のアルカリ金属、バリウム(Ba)、ラジウム(Ra)ストロンチウム(Sr)、等のアルカリ土類金属の各イオンに対し捕集効果を有しているが、糖質類の含有量が少なくこれらを補う必要がある。
これまでに開発されている重金属捕集剤は、用土又は土壌に吸収され産業廃棄物として廃棄されるか固化を行い固定化され重量、容積が増大し処理コストの負担が大きい。
上記に記載した捕集剤の開発にあたり、基材となる樹木は、広葉樹としてクリ、クヌギ、カシワ、ケヤク、ブナ等や針葉樹マツ、スギ、ヒノキ、イチイ、ヒバ、樹木以外では、活性炭、パルプ、樹脂、粘土鉱物、その他の表面積の大きな有機材やセラミック原料などが挙げられるが、針葉樹のスギは、年々需要が著しく増大し今後増加する傾向にあり産業廃棄物のリサイクル方法として使用することで有効な利用方法として考えられ、加工が容易で、材料供給が容易で本件開発の基材として使用することが可能である。
間伐材として捕集性に優れた材質を選定する場合、広葉樹であるクリ、クヌギ、カシワ、ケヤク、ブナ等や針葉樹マツ、スギ、ヒノキ、イチイ、ヒバ等が上げられこれらの樹木の内、広葉樹は導管が大きく物理的吸着に優れ表面積が大きいものが特徴であり、針葉樹は成長の早い組織の仮導管や放射組織が液状物質の保持に優れており構造的に適している。また、製材や加工製に優れているスギは辺材の木口面吸水が1190〜1691g/cm2で保水量が高い特徴を有した素材であり本件特許の基材として適している。
基材となる樹木は、スギ、マツ、ヒノキなどの辺材を用いることで保水性に適しており樹木由来の成分であるリグニンを含有しており重金属の捕集に適した素材であるが糖質である単糖類、小糖類、多糖類、プロテオグリカン、糖タンパク質、アミノ酸、ペプチド、タンパク質等を含む成分をさらに付与させる必要がある。この成分を樹木の内部に浸透させることで捕集効果を増加させる方法は、例えば多糖類の一種であるアルギン酸、カラギーナン、イヌリン、キチンキトサン、カードラン、アガロース、グルコマンナン、フコイダン、ヒアルロン酸、ラミナランなどやブドウ糖、α−1.6結合のオリゴ糖が適している。これらの成分中でも特に適しているものは、アルギン酸、カラギーナン、ブドウ糖を2以上の複合であり特にアルギン酸、カラギーナン由来のオリゴ糖、2種類の複合が最適である。
多糖類である市販のアルギン酸は分子量が5万〜2万の分子量であるがアルカリ金属などとの結合並びに凝集性に優れた性質を有しており基材である木質に浸透若しくは、含浸する場合には粘性の高い性質を改良する必要があり分子量を低下させ分子量約2000〜2万付近を使用する必要が生じる。また、これらの分子量のアルギン酸を得る方法として放射線を照射したもの、若しくは、酵素(海洋細菌Pseudoalteromonas属由来のアルギン酸分解酵素33)による分解をなしたものが適しており、本発明に用いるものは放射線を照射したものであり線量100kGy〜500kGyの放射線を照射し、分子量約6,400〜約9,000の多糖分解物が好適で、さらに放射線の照射により低糖及びアルギン酸オリゴ糖を得ることができ、単糖・多糖機能を有しており、基材である樹木に浸透若しくは含浸が容易な糖質として得ることができる。
アルギン酸以外の他の成分としてカラギーナンに500kGy以上の放射線を照射したものが好ましく低粘性の多糖類を得ることができる。カラギーナンの主成分は3,6−アンヒドロガラクトースであり、ガラクトースと硫酸エステルで構成され両者の比率や、硫酸エステルとの比率によりκ(カッパ)タイプ、ι(イオタ)タイプ、λ(ラムダ)タイプに分かれ好ましくは、カッパ型カラギーナンが好適である。また、加水分解や放射線の照射により低糖及び原料由来のオリゴ糖を得ることができる。
本発明に使用するオリゴ糖にあっては、乳酸オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、クラクトオリゴ糖、キシリオリゴ糖、アルギン酸オリゴ糖、キトサンオリゴ糖などの近年開発された機能性食品などに用いられるオリゴ糖であり、本発明に用いるオリゴ糖は、分子量1万以下の低分子量が適しているのは、上記記載のアルギン酸オリゴ糖やカラギーナン由来のオリゴ糖、キトサンオリゴ糖などが上げられ好的なものはアルギン酸オリゴ糖、カラギーナン由来のオリゴ糖の混合体である。また、上記記載の多糖類混合時に含まれゲル化による浸透阻害が発生しない特性を有している。
基材となる木質に浸透若しくは含浸させた糖質類をより堅固に固定させる方法は、第一行程として乾燥が挙げられる。乾燥方法は、自然乾燥若しくは、70℃付近までの乾燥空気により乾燥させ水分調節を実施することで表面より浸透した糖質類は、固定され木質の仮導管や放射組織が液状物質の保時に優れており堅固に固定され木質の持つリグニンと共に重金属の捕集剤となる。
固定された捕集剤の表面に補助皮膜を構成し2次汚染を抑制する必要性があり性質として増粘性の高いカルボシキを有するゾルを被服し乾燥後、堅固な被膜を構成する事ができ,さらにこれらは、金属イオンとの結合や酸化物結合に優れ吸着するとともにイオン化された金属イオンを内部に浸透させた捕集剤との吸着や結合を阻害しない必要があり、合成高分子としてポリビニールアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、エポキシ樹脂、光硬化性樹脂、シリコン樹脂などが挙げられ、本発明に用いるものは、ポリビニールアルコール(以下、PVAと記載する)であり含水率が高く基材である木質の表面に保持されやすく、表面皮膜を構成するにあたり捕集剤となりアルギン酸、カラギーナンとの混和に優れており容易に取り扱いが可能である。
年々増産傾向にあるにある針葉樹のスギを有効利用し、さらに人体や植物などの生態系に支障を起こす重金属の除去を目的とした捕集剤の素材として再利用が可能であり、資源循環型の社会を形成するとともに重金属汚染の環境問題解決に貢献できる。
従来の木質が有している捕集性や構造的効果である吸着を向上させ重金属の捕集性を向上させた。キレート剤などによる2次汚染の防止。
重金属捕集剤の基材を木質にすることにより焼成が可能となり用土や土壌をセメントなどの硬化剤を用いて凝集や固化させことで産業廃棄物としての容積や重量が増大することを抑えることが可能となる。
本発明に使用する樹木は、針葉樹であるスギとし、間伐材並びに製材時に発生する端材を捕集材の基材とし、スギの微粉、微粉末や粉砕、破砕物若しくは、チップを使用し、その形状は、微粉なほど表面積が増し吸着性に優れているが、回収が困難な為、池、河川、井戸水、排水等の水に含まれる重金属等の除去に適さず、濾過材(砂濾過)として用いられる0.1mm〜50mm付近が適しており,捕集剤として容易に使用できる大きさとする。
また、最も適しているのは、0.5mm〜30mm付近の形状である。
この形状の多くは、製材時に発生するオガコの利用によりコストを抑え産業廃棄物の発生を抑制することになり基材原料となる木質部分(辺材)を多く含み適している。
製材時に発生するオガコの利用によりスギの微粉、微粉末や粉砕、破砕物若しくはチップを自然乾燥下若しくは加温乾燥を行い含有する水分を減少させると共に樹木由来の成分であるセルロース、ヘミセルロース、リグニンや糖質である単糖類、小糖類、多糖類、プロテオグリカン、糖タンパク質、アミノ酸、ペプチド、タンパク質等をセルロース、ヘミセルロースに固定される。また、乾燥温度にあっては、物質内温度を70℃以下にすることが好ましく成分を分解若しくは、変化させること無く固定化させることが良い形態となる。
さらに乾燥時間にあっては、含有する水分量の90重量%〜5重量%の範囲内でありさらに好ましいものは、90重量%〜50重量%の範囲であり乾燥時間は、条件下により異なりが含有水分を50%以下の乾燥が好まれる。
基材の乾燥に付与する成分として糖質の一種であるアルギン酸、カラギーナン、イヌリン、キチン、キトサン、カードラン、アガロース、グルコマンナン、フコイダン、ヒアルロン酸、ラミナランなどやブドウ糖、α−1.6結合のオリゴ糖が適している。さらに好適しているものは、アルギン酸、カラギーナン、ブドウ糖を2以上の複合であり特にアルギン酸、カラギーナン由来のオリゴ糖、2種類の複合が最適である。本発明に用いるアルギン酸、カラギーナン双方とも微量の放射線を照射したものが好ましく、線量100kGy〜500kGyの放射線を照射した分子量約6,400〜約9,000が主体であり(約2,000〜約6,000)の多糖分解多物が好適でありさらに放射線の照射により低糖及びアルギン酸オリゴ糖を得ることができ、単糖・多糖機能を有しており、低粘性のアルギン酸を得ることができる。また、これら放射線の照射によりアルギン酸由来のオリゴ糖約5重量%を含んだ糖質となる。
アルギン酸と同様にカラギーナンに約50kGy〜500kGyの放射線を照射したものが好ましくより好ましいのは、300kGy〜500kGyの範囲内で照射したものが好適でありこれらは、低粘性の多糖類を得ることができ上記記載のカラギーナンの主成分は3,6−アンヒドロガラクトースであり、ガラクトースと硫酸エステルで構成され両者の比率や、硫酸エステルとの比率によりκ(カッパ)タイプ、ι(イオタ)タイプ、λ(ラムダ)タイプに分かれ好ましくは、カッパ型カラギーナンが好適である。また、加水分解や放射線の照射により低糖由来のオリゴ糖(約5%含む)を得ることができる。
上記記載のアルギン酸放射線500kGy照射した溶液の水溶液を浸透若しくは含浸する場合の希釈割合にあっては、アルギン酸4%水溶液(原子力研究所 高崎研究室の製品)を100倍から5000倍に希釈したものを重金属(鉛5000ppm)含有土壌に散布し、栽培植物(ケナフ)に対する影響を測定した。(実用例3記載)その結果、植物の成長にあっては、500〜2000倍付近のものが成長安定しており500倍以下では、成長阻害が目視された。また、2000倍以上では、成長促進や阻害は認められず、希釈液の使用していないものとの極端な差が現れなかった。これらの結果から植物に対する影響が低く汚染土壌での成長促進効果があり環境汚染などの汚染がない希釈範囲は500〜2000倍である。
使用していないものは、明らかに成長阻害が目視で確認された。
上記記載のアルギン酸と同様にカラギーナンに射線500kGy照射した溶液の水溶液を浸透若しくは、含浸する場合には、希釈割合としてカラギーナン4%水溶液(原子力研究所 高崎研究室の製品)を100倍から5000倍に希釈したものを重金属(鉛5000ppm)含有土壌に散布し、植物(ケナフ)に対する影響を測定した。(実用例3記載)その結果、植物の成長にあっては、500〜2000倍付近のものが成長安定しており500倍以下では、成長阻害が生じた。また、2000倍以上では、成長促進や阻害は確認できず、希釈液の使用していないものとの差が目視されなかった。これらの結果から植物に対する影響が低く汚染土壌での成長促進効果があり環境汚染などの汚染がない希釈範囲は500〜2000倍である。
使用していないケナフでは、成長が著しく低下し明らかに成長阻害が目視により確認された。
前記記載の基材にアルギン酸並びにカラギーナンを浸透若しくは、含浸させた捕集剤の表面に保護被膜を構成するには、合成高分子剤であるPVA水溶液を使用する。このPVAは、表面添加する水分の1重量%〜10重量%の範囲内であり好ましくは、3重量%〜8重量%の範囲内の使用である。アルギン酸並びにカラギーナン架橋並びにアルカリ多価金属塩との重合の保護なす被膜ゲル化助剤としてブドウ糖0.01重量部〜5重量部を混合使用することで被膜での反応を抑制することができ、保護剤並びに被膜助剤として有効である。
アルカリ多価金属塩とその重合体を形成する為にカチオン含有水溶液であり多価金属塩であるカルシウム、ナトリウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム等カルシウム、ナトリウムが好適であり、これらの金属塩を多く含む無機質である粘土鉱物のベントナイト、ヘクトナイト、モンモリナイト、消石灰、生石灰、酸性白土、活性炭、合成ゼオライトなどが上げられ、これらのアルカリ金属塩を含むアルカリ粘土鉱物の内2以上を混合することか適しており、特にカルシウム、ナトリウムを多く含む粘土鉱物が適しており、消石灰は、数多くの金属塩を含んでおり好ましいゲル化促進剤である。例えば基材、アルギン酸、カラギーナン、並びにアルギン酸、カラギーナン由来のオリゴ糖を含む重量を100重量部とした場合に消石灰を1重量部から50重量部の範囲内が適しており、好適なものは、1重量部から15重量部の範囲である。ブドウ糖にあっては、0.1重量部から5重量部が適しており消石灰の混合量により増減される。
基材に添加したアルギン酸、カラギーナン並びにアルギン酸、カラギーナン由来のオリゴ糖を含む水溶液を浸透若しくは、含浸させたものにブドウ糖並びにPVAの混合溶液を被服し、基材表面に保護皮膜を構成し、その被膜は、膨潤性を優位に保ち、気層構造を有することで、より重金属捕集の維持に優位な構造を有した被服表面を有することになる。また、被膜状態を確認する為に実用例2に記載した検査により添加量を調節し使用する。
また、PVAと被膜ゲル化助剤のブドウ糖が基材の表面に付着し被膜を構成する過程に於いてゲル化促進剤として消石灰をアルギン酸、カラギーナン、並びにアルギン酸、カラギーナン由来のオリゴ糖を含む重量に対し1重量部から15重量部の範囲で消石灰の混合量を増減させる。
基材にアルギン酸アルギン酸、カラギーナン、並びにアルギン酸、カラギーナン由来のオリゴ糖を浸透若しくは、含浸させPVA並びにブドウ糖を混合し基材表面に被服したものの表面に消石灰を散布することにより被服表面を強化させ部分浸透性のある基材表面を構成し捕集剤の溶出を抑制することができる。また、発熱による乾燥促進が期待でき、消石灰自体が捕集性を有した物質である。
実用例1
製材時に発生するスギの辺材からなるオガコ(粒径1.5〜3mm)100g秤量し、温風乾燥機で48時間乾燥させ、重量を計測し、アルギン酸4%水溶液に放射線500kGyを照射した溶液とカラキーナン4%水溶液に放射線500kGy照射した水溶液を各20(mL/g)採取し、500倍希釈を行ったものを40(mL/g)添加した。(丸旭木材製のスギ微粉1.5mm〜3.0mm使用)
辺材のオガコ100gを48時間乾燥後、重量計測したら約32gであり、この乾燥オガコは、自然放置した場合、約40〜約45(mL/g)の添加が適しており浸透が容易であった。
実用例2
前記実用例1に記載したオガコにアルギン酸、カラギーナンを自然浸透させたもの100gずつを試料とした。
試料に被服するPVA、ブドウ糖混合溶液の被服テストを実施した。
ポリビニールアルコール (日本合成化学工業(株)製)
ブドウ糖 (三重化糧(株)製)
PVAの1g〜10g、ブドウ糖各1g加えたものを合計100(mL/g)になるように調節、希釈し85℃で15分間加熱し、試料100gにPVAとブドウ糖を混合したものを35(mL/g)ずつ被服する。
Figure 2007307535
上記 表1に記載した内容は、PVAとブドウ糖を含む試料に対する評価であり濃度別に表したものである。
1.浸透性は、試料の表面への浸透性を評価したもので、濃度が上がれば粘性により表面浸透が低下し、接着が劣化しやすい状態であることを示している。
2.凝集性は反応によるゲル化によって生じ、濃度が上がればゲル化が促進し、大きな凝集を起こす結果となる。
3.被膜性は、基材表面に対する被膜の安定性とゲル化により凝集することで亀裂や露出面を目視したものである。
△は、適用除外 ○やや安定 ◎適用可能を表す。
実用例3
表中の数値は植物の生長(背丈 センチメートル)
Figure 2007307535
重金属の汚染土壌で発育比較検査を行った。
使用したアルギン酸は日本原子力研究所高崎研究室より購入したT&D4%を500倍、2000倍に希釈したものを使用し、Pb濃度は、1.5%(15000ppm)、0.5%(5000ppm)の土壌を使用した.
その結果、アルギン酸を使用した土壌では、鉛での影響が少なく発育が確認され希釈濃度に応じて成長差が生じた。さらに鉛による汚染濃度より成長の阻害が確認された。
排水にアルギン酸を使用していないものは、20ppmほど鉛溶出していたが,アルギン酸を500倍希釈したものでは、鉛は検出されずアルギン酸による重金属の固定が生じた結果を得た。
また、カラギーナンにあっても同様の結果を得ることができ目視による確認を実施した。
実用例4
重金属に汚染された水100Lを毎分5ml重量部の浸透式のカラム内容量50Lに重金属捕集剤となる基材をスギのオガコ1.5mm〜3.0mmの大きさもものに上記実用例1、実用例2に記載した成分と加工方法より得た重金属捕集剤を用いて図3記載した装置にて鉛汚染濃度50ppmに調節した汚染水で除去テストを実施し濾過完了後に測定した結果は、良好であった。
本発明品の断面図であり基材、捕集剤とその表面を覆う被膜状態の形状を示す 本発明品の平面図であり被服された被膜剤に存在する気層並びに消石灰が表面に存在する形状を示すものである。 実用例4に記載した循環式濾過器の系統図である。
符号の説明
A並びA−A 基材を覆っている被膜剤の状況を示したもの
B並びB−B 基材を覆っている被膜剤に気層や消石灰の混合された位置を表したもの
C並びC−C 保護材の内部に基材が存在する位置を示したものである。
D 保護材が基材の収縮により発生する亀裂を表したものである。
e1 貯水漕 100L
f1 貯水漕からの送水管
g1 バルブ
h1 バルブからの送水管
i1 カラム本体
j1 木質系重金属捕集材
k1 取水用の送水管

Claims (6)

  1. 木質の加工時に発生するオガコ、微粉、チップを重金属捕集剤とし使用する。
  2. 請求項1に記載された木質に酵素分解若しくは放射線を照射したアルギン酸並びにオリゴ糖とその分解物を含む溶液を浸透若しくは、含浸させた重金属捕集剤。
  3. 請求項1に記載された木質に酵素分解若しくは放射線を照射したカラギーナン並びにオリゴ糖とその分解物を含む溶液を浸透若しくは、含浸させた重金属捕集剤。
  4. 請求項2、請求項3の1つ以上にポリビニールアルコールとゲル化助剤としてブドウ糖を含んだ被膜保護剤を被服若しくは、担持した重金属捕集剤。
  5. 請求項4に被膜促進剤若しくは、ゲル化促進剤、固形化促進剤又は、重金属捕集剤として消石灰を使用した重金属捕集剤。
  6. 焼成処理が可能な可燃性重金属捕集剤。
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