JP2007307005A - 2次元拡散通信用基板及び通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 透湿性を維持しつつ、基板内での短絡を防止し、腐食を軽減することができる着衣用の2D−DST基板を提供すること。
【解決手段】 最外層に設けられる2つの絶縁層と、前記絶縁層間に設けられる複数の導電層と、前記複数の導電層間に設けられる少なくとも一つの中間絶縁層と、を備え、前記2つの絶縁層及び前記複数の導電層及び前記中間絶縁層に透湿性を、前記2つの絶縁層の少なくとも一方に撥水性を具備させたことを特徴とする着衣用の2次元拡散通信用基体を提供する。
【選択図】 図3
【解決手段】 最外層に設けられる2つの絶縁層と、前記絶縁層間に設けられる複数の導電層と、前記複数の導電層間に設けられる少なくとも一つの中間絶縁層と、を備え、前記2つの絶縁層及び前記複数の導電層及び前記中間絶縁層に透湿性を、前記2つの絶縁層の少なくとも一方に撥水性を具備させたことを特徴とする着衣用の2次元拡散通信用基体を提供する。
【選択図】 図3
Description
この発明は、2次元拡散信号伝送技術を用いた通信用基板に関し、特に、被験者の体に装着する着衣用の通信用基体及び通信装置に関する。
導電層あるいは電磁作用伝達層に電気的に接続した複数の通信素子を備えた通信装置であって、各通信素子がその周辺に配置された他の通信素子に対して導電層を介して信号を伝達する通信機能を有する通信装置が開示されている(特許文献1)。また、導電性の基板またはシート上に配置された機能素子(通信素子)を「拡散通信」の技術を使って連携させ、回路を構成する技術である「2次元拡散信号伝送(2D−DST)テクノロジ」が株式会社セルクロスにより開発されている(非特許文献1)。これらの技術を用いることにより、物理的な回路パターンを有さず、ゴムのような伸縮自在なシート上にも形成可能な基板(以下、2D−DST基板と称す)がつくられている。
また、上述の技術を利用して、各通信素子に電波送受信機能(アンテナ)を付与し、複数の該通信素子を散在させた2D−DST基板を用いた着衣(ジャケット)が考案されている。この着衣は、例えば、体内に投入された内視鏡カプセル等により送信される電波を各通信素子により受信する機能を有する。2D−DST基板は、各通信素子によって受信した内視鏡カプセルからの種々の情報を、通信素子間の連携により当該着衣に備えられた制御部に情報を集約することができる。また、人体(主に胸部・腹部)の周囲に各通信素子を散在させることができるので、各通信素子の電波の受信強度等により、体内のどの部分に内視鏡カプセルが位置しているかをモニタすることも可能となっている。
2D−DST基板の導電層や絶縁層は布状(メッシュ状)の材料で構成されており、可撓性及び通気性・透湿性を有する。したがって、着衣として利用し易い。しかし、人間は絶えず発汗しているため、被験者が当該着衣を装着したときには汗(水分、電解質等)が2D−DST基板内に侵入する。その場合、基板内での短絡、長期的には導電層の腐食を引き起こす原因となる。そこで、汗を遮断する材料を2D−DST基板に設けることが考えられる。しかし、2D−DST基板には、通信素子を取り付けるために基板を貫通する穴が形成されている。通信素子はその穴の位置にコネクタを用いて取り付けられている。したがって、汗を遮断する機能を有する材料を設けたとしても汗がコネクタと基板の隙間から侵入し、短絡、腐食等を防止することができない。また、上述のように汗を遮断しようとすると今度は2D−DST基板の透湿性が損なわれ、着衣時に被験者に不快感を与えてしまう。したがって、透湿性を維持しつつも2D−DST基板の短絡、腐食を防止することができる着衣用の2D−DST基板が求められていた。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、透湿性を維持しつつ、基板内での短絡を防止し、腐食を軽減することができる着衣用の2D−DST基板を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明では、最外層に設けられる2つの絶縁層と、前記絶縁層間に設けられる複数の導電層と、前記複数の導電層間に設けられる少なくとも一つの中間絶縁層と、を備え、前記2つの絶縁層及び前記複数の導電層及び前記中間絶縁層に透湿性を、前記2つの絶縁層の少なくとも一方に撥水性を具備させたことを特徴とする着衣用の2次元拡散通信用基体を提供する。
したがって、本発明の着衣用の2次元拡散通信用基体は、透湿性及び撥水性を備えた絶縁層を最外層に設けるため、汗等に含まれる水分・電解質等により2次元拡散通信用基体内部での短絡、腐食等を防止することができる。
また、本発明では、前記2つの絶縁層全てに撥水性を具備させたことを特徴とする。また、前記2つの絶縁層を除き前記複数の導電層及び前記中間絶縁層により積層された部分は、素子を前記複数の導電層と電気的に接続するための端子を挿入するための貫通した端子用穴部を有し、前記端子用穴部の一方側は前記2つの絶縁層のうちの一方により塞がれていることを特徴とする。
また、本発明では、最外層に設けられる2つの絶縁層と、前記絶縁層間に設けられる複数の導電層と、前記複数の導電層間に設けられる少なくとも一つの中間絶縁層と、を備え、前記2つの絶縁層及び前記複数の導電層及び前記中間絶縁層に透湿性を、前記2つの絶縁層の少なくとも一方に撥水性を具備させた着衣用の2次元拡散通信用基体と、前記複数の導電層に電気的に接続される複数の通信素子とを備え、各通信素子がその周辺に配置された他の通信素子に対して前記複数の導電層のうちの少なくとも一つを介して信号を伝達する通信機能を有することを特徴とする通信装置を提供する。
また、前記各通信素子を保持し前記各通信素子を前記導電層と電気的に接続するためのコネクタを更に備え、前記2つの絶縁層を除き前記複数の導電層及び前記中間絶縁層により積層された部分は、前記コネクタを取り付けるための貫通した取り付け用穴部を有し、前記取り付け用穴部の一方側は前記2つの絶縁層のうちの一方により塞がれていることを特徴とする。
さらに、前記コネクタを固定するための固定部材を更に有し、前記コネクタ及び前記固定部材は一方に凸部、他方に凹部が形成されており、前記コネクタが前記取付け用穴部に装着された状態で前記凸部及前記凹部が前記2つの絶縁層のうちの一方を介して嵌合することにより前記コネクタが前記2次元拡散通信用基体に固定されることを特徴とする。
さらに、前記凸部が雄ネジ形状、前記凹部が雌ネジ形状であって、前記コネクタと前記固定部材を螺合することにより、前記コネクタが前記2次元拡散通信用基体に固定されることを特徴とする。代替的には、前記固定部材が前記凹部を有し、該凹部が前記固定部材の端部から中央部に延びる切り欠き溝形状であり、前記固定部材を前記中央部から前記端部の方向にスライドさせることにより、前記コネクタが前記2次元拡散通信用基体に固定されることを特徴とする。代替的には、前記固定部材が前記凸部を有し、該凸部は先端が末広がりであり、前記固定部材を所定の方向で前記コネクタの凹部に挿入し、挿入後前記固定部材を回転させることにより、前記コネクタが前記2次元拡散通信用基体に固定されることを特徴とする。
また、前記コネクタと前記固定部材が嵌合された状態では、前記2つの絶縁層のうちの一方は変形した状態で前記コネクタと前記固定部材との間に挟まれることを特徴とする。
したがって、本発明では、透湿性を維持しつつ、基板内での短絡を防止し且つ腐食を軽減することができる着衣用の2D−DST基板を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明に係る2次元拡散信号伝送(2D−DST)テクノロジを用いた基板(以下、2D−DST基板と称す)について説明する。本発明の実施形態では、着衣(ジャケット)に2D−DST基板を用いる。また、2D−DST基板に取り付けられた各通信素子(以下、2D−DSTチップと称す)は、アンテナ機能を含むため、当該着衣を「アンテナ機能付きジャケット」と称する。アンテナ機能付きジャケットは、例えば、カプセル型内視鏡等、患者の体内から送信される電波を体の周囲で受信するために用いられる。
本発明の実施形態におけるアンテナ機能付きジャケット100について図1を用いて説明する。アンテナ機能付きジャケット100は、主として2D−DST基板200により形成されており、被験者1の体の一部を覆うように型取られている。2D−DST基板200は、可撓性を有するシート形状の部材であるため、アンテナ機能付きジャケット100として体の周囲を覆うことができる。2D−DST基板200中に散在された複数の2D−DSTチップ220は、カプセル型内視鏡等から発信された各種信号を受信する回路、カプセル型内視鏡等へ電源供給のための電磁波や制御信号を発信する回路、及び被験者1の体調に関わる体調情報を取得する回路等を有する。また、2D−DST基板200には制御部250が接続されており、制御部250は、被験者1の腰付近に位置するよう取り付けられると共に各2D−DSTチップ220または複数の2D−DSTチップ220全体としての制御を行う機能を有する。
図2は、2D−DSTチップ220の機能を示すブロック図である。2D−DSTチップ220は、アンテナ部221と、制御部222と、メモリ223と、通信部224とを有する。アンテナ部221はカプセル型内視鏡等と電波の送受信を行うことができる。制御部222は2D−DSTチップ220全体の制御を行う。メモリ223は2D−DSTチップ220のID情報やその他各種データが記憶される。通信部224は近接した2D−DSTチップ220との信号の送受信を行う。2D−DSTチップ220は、近接したチップとの信号の送受信により、順次信号を伝送することにより、回路パターンが無くとも、所望の位置に信号を伝送することが可能となっている。
2D−DSTチップ220は、主にアンテナ部221を用い、カプセル型内視鏡等から発信された信号を受信する機能、及びカプセル型内視鏡等に電源供給用の信号や術者の意図を反映した駆動制御信号を含んだ電波を発信する機能を果たす。この2D−DSTチップ220の作用により、術者は、小型のバッテリーしか搭載できないカプセル型内視鏡等を、長時間駆動させると共に遠隔操作を行うこともできる。なお、カプセル型内視鏡等は主に腸類内部の画像を撮像するものである為、2D−DSTチップ220は、これら腸類に比較的近い被験者1の腹部近辺に集中的に位置するよう2D−DST基板内に散在されてもよい。また、2D−DSTチップ220は、上述したように送受信の機能を有したものであるが、別の実施形態では送信または受信のいずれか一方の機能を有したものであってもよい。
図3は、本発明の第一の実施形態としてのアンテナ機能付きジャケット100の断面を示す図であり、2D−DSTチップ220付近を示す図である。アンテナ機能付きジャケット100は、2D−DST基板200と、2D−DSTチップ220と、コネクタ230と、固定部材240とを有する。なお、固定部材240側が被験者1側、すなわちジャケットの内側である。
図4は、2D−DSTチップ220及びコネクタ230を示す図である。2D−DSTチップ220とコネクタ230は一体的に形成されている。2D−DSTチップ220内においてアンテナ部221はコネクタ230側に配置されている。すなわち、被験者1の体内からの電波を送受信するために、被験者1側に配置される。コネクタ230は、2D−DSTチップ220から離れる方向に向って段階的にその直径が小さくなる略円柱形状を有する(4種類の径を有する)。すなわち、2D−DSTチップ220の方から順に、第一の底面部231と、第二の底面部232と、第三の底面部233と、第四の底面部234とを有する。また、略円柱形状であるコネクタ230の中心軸に沿って第四の底面部234からコネクタ230内部に向けて雌ネジ部235が形成されている。コネクタ230は、カプセル内視鏡等からの電波を遮蔽しない材料、例えば樹脂等で形成されていることが好ましい。また、コネクタ230には、2D−DSTチップ220から延びる各電極236〜239が挿通されている。電極236の接点が第二の底面部232、電極237,238の接点が第三の底面部233、電極239の接点が第四の底面部234上にそれぞれ位置する。また各接点は各底面部から所定量だけ突出するよう形成されている。
図5は、2D−DST基板200を示す図である。2D−DST基板200は、複数の層を有するシート状部材であり、4つの絶縁層と3つの導電層からなる。2D−DST基板200は、絶縁層201、電源層202、絶縁層203、信号層204、絶縁層205、グランド層206、撥水絶縁層207の順に積層されている。撥水絶縁層207が最も被験者1側となる。絶縁層201,203,205は、絶縁性を有し且つ透湿性、伸縮性等を有する素材(例えば、スポンジ、布、フェルト等)が使用される。導電層である電源層202、信号層204、グランド層206は、導電性を有し且つ透湿性、伸縮性等を有する素材(例えば、電磁波シールド等の目的でPC等に使用されている、銀メッキされたポリエステル、銅・ニッケルメッキされたポリエステル等)が使用される。撥水絶縁層207は、絶縁性、撥水性、透湿性を有し延伸可能(2軸延伸)な素材が使用される。撥水絶縁層207としては、例えば、撥水性及び絶縁性、透湿性に優れたゴアテックス(登録商標)等を使用することができる。
また、2D−DST基板200は、コネクタ230を取り付けるためのコネクタ取付け穴部210を有する。コネクタ取付け穴部210は、絶縁層201,203,205、電源層202、信号層204、グランド層206にそれぞれ円形状の貫通穴を設けることにより形成されている。それぞれの層の貫通穴は被験者1に近いほどその径が小さく、電源層202と絶縁層203、信号層204と絶縁層205はそれぞれ貫通穴の径が等しくなるように形成されている。コネクタ取付け穴部210において、導電層は、それぞれ環状に露出した、電源層露出部211、信号層露出部212、グランド層露出部213を有する。コネクタ230は、このコネクタ取付け穴部210に嵌合する形状となっている。すなわち、コネクタ230をコネクタ取付け穴部210に取り付けた際に、コネクタ230の第一の底面部231が絶縁部201に当接し、第二の底面部232が電源層露出部211に当接し、第三の底面部233が信号層露出部212に当接し、第四の底面部234がグランド層露出部213に当接する形状となっている。また、電極236の接点が電源層露出部211に、電極237,238の接点が信号層露出部212に、電極239の接点がグランド層露出部213にそれぞれ当接する形状となっている。なお、コネクタ取付け穴部210では、導電層の全てに貫通穴が形成されているため、被験者1とアンテナ部221間において導電層が電磁波シールドとして機能し電波が遮蔽されることがない。また、コネクタ取付け穴部210にのみ導電層の穴が形成されているため、導電層が電磁波シールドとして機能し、アンテナ部221が電波を受信する方向を制限することができるので、ノイズを低減することができる。
信号層204は、導電率が一様でもよいし、特定のパターン(低抵抗領域と高抵抗領域によるパターン)が形成されて導電率が異なっていてもよい。特定のパターンが形成されている場合、2D−DSTチップ220が通信を行うことのできる他のチップの数を制限することができる。なお、特定のパターンが形成されている場合、低抵抗領域間を掛け渡すために(2D−DSTチップ220により高抵抗領域に隔てられた低抵抗領域間をバイパスする)、電極237と電極238とが使用される。
図6は、固定部材240を示す図である。固定部材240は、円盤状のフランジ部242と、雄ネジ部244とを有する。固定部材240は、例えば樹脂等の、電磁波を遮蔽しない材料で形成されている。雄ネジ部244は、雌ネジ部235のピッチと等しいが、雌ネジ部235よりも径が若干小さく、雌ネジ部235に嵌め込んだときに多少マージンを有するように形成されている。
図7は、2D−DSTチップ220を2D−DST基板200に取り付ける様子を示す図である。まず初めに、2D−DSTチップ220を保持しているコネクタ230を2D−DST基板200のコネクタ取付け穴部210に差し込む(図7(a)及び図7(b))。このとき、電極236が電源層露出部211に、電極237,238が信号層露出部212に、電極239がグランド層露出部213にそれぞれ当接する。その後、固定部材240の雄ネジ部244の中心軸をコネクタ230の雌ネジ部235の中心軸に合わせ、雄ネジ部244を撥水絶縁層207側を介して雌ネジ部235に螺合させる(図7(c)及び図7(d))。雄ネジ部244と雌ネジ部235との間にはあらかじめ空隙が形成されているので、撥水絶縁層207はその空隙に入ることができる。撥水絶縁層207は2軸延伸が可能な材料であるため、破れることなく、雄ネジ部244の形状に沿って変形することができる。
図8は、2D−DST基板200の透湿性及び撥水性を説明するための模式図である。なお、図8では説明の簡単のため、撥水絶縁層207と、グランド層206と、絶縁層205のみを示すが、他の導電層(204,202)はグランド層206と、他の絶縁層(203,201)は絶縁層205とそれぞれ同様な透湿性を有するものとする。撥水絶縁層207(例えば、PTFE≒ゴアテックス)は、以下の特徴を有する。1)非常に微細な穴があいている(水滴260のサイズより十分小さく、水蒸気(分子)264のサイズより大きい)。2)撥水性が高い(表面エネルギーが高い)。
人間は絶えず発汗しており、その汗に含まれる水分及び電解質(Na+、Cl−等)がもし2D−DST基板200に侵入すれば、2D−DST基板200内の導電層間及び電極間の短絡、又は腐食を引き起こす原因となる。汗に含まれる電解質は常温では蒸発することは無いため、水滴260中に存在する。水分が蒸発すれば分子(或いは結晶)262として存在する。撥水絶縁層207が有する穴のサイズはそれら分子262のサイズよりも小さいため、分子262は透過することはない。一方、電解質を含んだ水分は撥水絶縁層207上(被験者1側)ではその撥水性により水滴260となり、撥水絶縁層207を透過することはない。よって、電解質は撥水絶縁層207上で食い止められる。汗中の蒸発した水蒸気264のみが撥水絶縁層207を透過して2D−DST基板200を通過することができる。したがって、2D−DST基板200は、透湿性は維持しつつも、短絡及び腐食を防止することができる。また、本発明の実施形態においては、2D−DST基板200内のコネクタ240の部分も撥水絶縁層207に穴が開くことなく連続的に敷設されているので、コネクタ240と2D−DST基板200の間に汗が入り込むこともない。なお、絶縁層201を撥水絶縁層207と同一素材としてもよい。絶縁層201に透湿性および撥水性を持たせることにより、2D−DST基盤200は、雨等による外部からの水滴の侵入を防止しつつも、透湿性を維持することができる。
図9は、本発明の第二の実施形態を示す図である。図1から図8中の符号と同一の符号で示す部材は同一の部材を示す。本実施形態では、2D−DST基板200は第一の実施形態と同様であり、コネクタ取付け穴210も同様に形成されている(図5)。2D−DSTチップ220は、コネクタ330及び固定部材340を用いて取り付けられる。コネクタ330は、コネクタ230と同様にコネクタ取付け穴210に係合する形状を有するが、最底面334(コネクタ230でいう第四の底面部234に相当する面)上に雄ネジ部335を有する。固定部材340は円盤状の部材であり、雌ネジ部344を有する。雌ネジ部344は、雄ネジ部335が緩挿されるように、ピッチは雄ネジ部335と等しいが径が小さく、若干マージンが設けられている(雄ネジ部244と雌ネジ部235の関係と同様)。コネクタ330をコネクタ取付け部210に挿入すると、雄ネジ部335は、撥水絶縁部207を被験者1側に押圧する。固定部材340は、雄ネジ部335及び撥水絶縁部207を、雌ネジ部344で螺合する。撥水絶縁部207は、雄ネジ部335の形状に沿って変形する。したがって、撥水絶縁部207は破れることがないため、第一の実施形態同様、2D−DST基板200の撥水性及び透湿性が維持される。コネクタ330及び固定部材340は、コネクタ230及び固定部材240と同様の材質で形成される。
図10から図14は、本発明の第三の実施形態を示す図である。図1から図8中の符号と同一の符号は同一の部材を示す。本実施形態においても、2D−DST基板200は第一の実施形態と同様であり、コネクタ取付け穴210も同様に形成されている(図5)。図10に示すように、2D−DSTチップ220は、コネクタ430及び固定部材440を用いて取り付けられる。コネクタ430は、コネクタ230と同様にコネクタ取付け穴210に係合する形状を有するが、第四の底面部434(コネクタ230でいう第四の底面部234に相当する面)上に係合凸部435を有する。固定部材440は円盤状の部材であり、開口部444を有する。
図11は、2D−DSTチップ220及びコネクタ430を示す図である。2D−DSTチップ220とコネクタ430は一体的に形成されている。コネクタ430は、コネクタ230同様、2D−DSTチップ220から離れる方向に向って段階的にその直径が小さくなる略円柱形状を有する。すなわち、2D−DSTチップ220の方から順に、環状の第一の底面部431と、第二の底面部432と、第三の底面部433と、第四の底面部434とを有する。また、略円柱形状を有するコネクタ430の中心軸に沿って第四の底面部434から係合凸部435が形成されている。コネクタ430は、コネクタ230同様、カプセル内視鏡等からの電波を遮蔽しない材料、例えば樹脂等で形成されていることが好ましい。また、コネクタ430は、2D−DSTチップ220から延びる各電極236〜239を挿通している。電極236の接点が第二の底面部432、電極237,238の接点が第三の底面部433、電極239の接点が第四の底面部434上にそれぞれ配置される。また各接点は各底面部から所定量だけ突出するよう形成されている。係合凸部435は、円柱形状の軸部436と略円錐形状の円錐形状部435とを有する。
図12は、固定部材440を様々な角度、位置からみた図である。図12(a)は、固定部材440を上面(コネクタ430側)からみた外観図である。図12(b)は、図12(a)中のA−A’断面を示す斜視図であり、図12(c)は同じくA−A’断面を示す図である。図12(d)は、固定部材440を図12(a)中のA’方向からみた外観図である。固定部材440は、開口部444を有する。開口部444は、側面部445、当接部446、側面部447、側面部448(両側2箇所)、底面部449を有する。側面部445、側面部447は、それぞれ固定部材440の上面と垂直な面である。また、側面部445、側面部447は固定部材440の上面側からみてU字型になっており、曲面部分の曲率半径は側面部447の方が大きくなっている。側面部445と側面部447は、当接部446により連続的につながっている。側面部445、当接部446、側面部447、底面部449により形成される空間は、コネクタ430の係合凸部435を包囲することができる形状となっている。
図13は、コネクタ430を有する2D−DSTチップ220を2D−DST基板200に取り付ける様子を示す図である。まず初めに、2D−DSTチップ220を保持しているコネクタ430を2D−DST基板200のコネクタ取付け穴部210に差し込む(図13(a)及び図13(b))。このとき、電極236が電源層露出部211に、電極237,238が信号層露出部212に、電極239がグランド層露出部213にそれぞれ当接し、係合凸部435が撥水絶縁層207を押圧し、撥水絶縁層207が変形して2D−DST基板200外部に突出する(図13(b))。そして、固定部材440の上面をコネクタ取付け穴部210付近の撥水絶縁層207に接触させた状態で、開口部444の側面部448により撥水絶縁層207の突出部を挟み込むように図中右方向にスライドさせる(図13(c))。さらに固定部材440をスライドさせると(図13(d))、固定部材440の側面部445及び当接部446により撥水絶縁層207が係合凸部435の方へ押圧される。したがって、図14のように、固定部材440の開口部444の最深部(すなわち固定部材440の中央部)で撥水絶縁層207を介して係合凸部435が係止される。なお、図10に示す固定部材444は、開口部444の開口端が紙面鉛直上方側に位置している。また、固定部材440をスライドして取り付ける際、当接部446が係合凸部435の円錐形状部435により撥水絶縁層207を介して2D−DST基板200側へ付勢されるため、撥水絶縁層207と固定部材440との摩擦力も相まって、固定部材440が容易に外れてしまうことがない。また、撥水絶縁層207は2軸延伸が可能な材料であるため、破れることなく、固定部材440とコネクタ430の係合を保つことができる。したがって、コネクタ430部分においても2D−DST基板200の撥水性を失うことなく透湿性を保つことができるため、基板の短絡、腐食等を防ぐことができる。
図15から図19は、本発明の第四の実施形態を示す図である。図1から図8中の符号と同一の符号は同一の部材を示す。本実施形態においても、2D−DST基板200は第一の実施形態と同様であり、コネクタ取付け穴210も同様に形成されている(図5)。図15に示すように、2D−DSTチップ220は、コネクタ530及び固定部材540を用いて取り付けられる。コネクタ530は、コネクタ230と同様にコネクタ取付け穴210に係合する形状を有するが、第四の底面部534(コネクタ230でいう第四の底面部234に相当する面)からコネクタ530内部に向って嵌合穴部535が形成されている。固定部材540は円盤状の部材であり、嵌合凸部544を有する。
図16は、2D−DSTチップ220及びコネクタ530を示す図である。また、図17はコネクタ530を示す図である。2D−DSTチップ220とコネクタ530は一体的に形成されている。コネクタ530は、コネクタ230同様、2D−DSTチップ220から離れる方向に向って段階的にその直径が小さくなる略円柱形状を有する。すなわち、2D−DSTチップ220の方から順に、環状の第一の底面部531と、第二の底面部532と、第三の底面部533と、第四の底面部534とを有する。コネクタ530は、コネクタ230同様、カプセル内視鏡等からの電波を遮蔽しない材料、例えば樹脂等で形成されることが好ましい。また、コネクタ530は、2D−DSTチップ220から延びる各電極236〜239を挿通している。電極236の接点が第二の底面部532、電極237,238の接点が第三の底面部533、電極239の接点が第四の底面部534上にそれぞれ配置される。また各接点は各底面部から所定量だけ突出するよう形成されている。
図17を用いてコネクタ530の嵌合穴部535について説明する。図17(a)はコネクタ530を底面側からみた外観図であり、図17(b)は図17(a)のA−A’断面図であり、図17(c)は図17(a)のB−B’断面図であり、図17(d)は図17(b)の斜視図である。嵌合穴部535は第四底面部534から略円筒形状に形成された穴であり、2箇所の係合部536,536を有する。係合部536,536は、嵌合穴部535の内周面の下端(底面部534側)においてそれぞれが対向するように形成されている。係合部536,536は、それぞれ面536aと曲面536bとを有する。面536aは図17(a)におけるA−A’方向に垂直な平面である。曲面536b,536bは、円錐の内周面の一部であり、面536a,536aを含む平面及び嵌合穴部535の内周側面によって切り取られた形状を有する。
図18は、固定部材540を様々な方向からみた外観図である。図18(a)は固定部材540を上方(嵌合凸部544が形成されている側)から、図18(b)及び図18(c)はそれぞれ側面からみた外観図であり、図18(d)は斜視図である。固定部材540は円盤状のフランジ部542と嵌合凸部544とからなる。嵌合凸部544は、フランジ部542の中央部から突出するように形成されており、軸部544aと係合部544bとからなる。係合部544bは、底面を連結した2つの円錐が、2つの面544c,544cと上面544dと軸部544aと周面544eとにより切り取られた形状を有している(略円錐形状、第一円錐面544fと第一円錐面544gとを有する)。面544c,544cは、フランジ部542の上面542aと垂直であり、且つ互いに平行である。また、嵌合凸部544の上面544dとフランジ部の上面542aは平行である。また、嵌合凸部544の面544c,544cの面間隔はコネクタ530の嵌合穴部535の面536a,536aの面間隔よりも小さくなるように形成されており、係合部544bの直径(周面544eの直径)は、コネクタ530の嵌合穴部535の直径よりも小さくなるように形成されている。
図19は、2D−DSTチップ220を2D−DST基板200に取り付ける様子を示す図である。まず初めに、2D−DSTチップ220を保持しているコネクタ530を2D−DST基板200のコネクタ取付け穴部210に差し込む(図19(a)及び図19(b))。このとき、電極236が電源層露出部211に、電極237,238が信号層露出部212に、電極239がグランド層露出部213にそれぞれ当接する。その後、固定部材540の嵌合凸部544の中心軸をコネクタ530の嵌合穴部535の中心軸に合わせ、さらに嵌合凸部544の面544c,544cと嵌合穴部535の面536a,536aとが平行になるように合わせる(図19(c))。その状態で、固定部材540をコネクタ530側へ押圧する。固定部材540を押圧することにより、嵌合凸部544が撥水絶縁層207を変形させながら嵌合穴部535に入り込む。図19(d)のように、フランジ部542の上面542aが撥水絶縁層207に接するまで固定部材540を挿入した後、固定部材540を図19(e)中矢印の方向に90°回転させる。固定部材540を90°回転させることにより、嵌合凸部544の第二円錐面544gと嵌合穴部535の曲面536bとが撥水絶縁層207を介して係合する。嵌合凸部544の第二円錐面544gは、曲面536bから撥水絶縁層207を介して付勢されるので、コネクタ530と固定部材540とはしっかりと固定される。また、嵌合凸部544と撥水絶縁層207との間の摩擦力により、固定部材540は容易に外れることがない。また、撥水絶縁層207は2軸延伸が可能な材料であるため、破れることなく嵌合凸部544を覆うことできる。したがって、コネクタ540の部分において2D−DST基板200の撥水性を失うことなく透湿性を保つことができるため、基板の短絡、腐食等を防ぐことができる。
したがって、本発明は上記の構成により、2D−DST基板200の等湿性を維持しつつ2D−DSTチップ220を取り付けることができるため、2D−DST基板200全体として基板の短絡、腐食等を防止することができる。
100 アンテナ機能付きジャケット
200 2D−DST基板
201,203,205 絶縁層
202 電源層
204 信号層
206 グランド層
207 撥水絶縁層
210 コネクタ取付け穴部
220 2D−DSTチップ
230,330,430,530 コネクタ
240,340,440,540 固定部材
200 2D−DST基板
201,203,205 絶縁層
202 電源層
204 信号層
206 グランド層
207 撥水絶縁層
210 コネクタ取付け穴部
220 2D−DSTチップ
230,330,430,530 コネクタ
240,340,440,540 固定部材
Claims (10)
- 最外層に設けられる2つの絶縁層と、
前記絶縁層間に設けられる複数の導電層と、
前記複数の導電層間に設けられる少なくとも一つの中間絶縁層と、を備え、
前記2つの絶縁層及び前記複数の導電層及び前記中間絶縁層に透湿性を、
前記2つの絶縁層の少なくとも一方に撥水性を具備させたことを特徴とする着衣用の2次元拡散通信用基体。 - 前記2つの絶縁層全てに撥水性を具備させたことを特徴とする請求項1に記載の着衣用の2次元拡散通信用基体。
- 前記2つの絶縁層を除き前記複数の導電層及び前記中間絶縁層により積層された部分は、素子を前記複数の導電層と電気的に接続するための端子を挿入するための貫通した端子用穴部を有し、前記端子用穴部の一方側は前記2つの絶縁層のうちの一方により塞がれていることを特徴とする請求項1または2に記載の着衣用の2次元拡散通信基体。
- 最外層に設けられる2つの絶縁層と、
前記絶縁層間に設けられる複数の導電層と、
前記複数の導電層間に設けられる少なくとも一つの中間絶縁層と、を備え、
前記2つの絶縁層及び前記複数の導電層及び前記中間絶縁層に透湿性を、
前記2つの絶縁層の少なくとも一方に撥水性を具備させた着衣用の2次元拡散通信用基体と、
前記複数の導電層に電気的に接続される複数の通信素子とを備え、
各通信素子がその周辺に配置された他の通信素子に対して前記複数の導電層のうちの少なくとも一つを介して信号を伝達する通信機能を有することを特徴とする通信装置。 - 前記各通信素子を保持し前記各通信素子を前記導電層と電気的に接続するためのコネクタを更に備え、
前記2つの絶縁層を除き前記複数の導電層及び前記中間絶縁層により積層された部分は、前記コネクタを取り付けるための貫通した取り付け用穴部を有し、前記取り付け用穴部の一方側は前記2つの絶縁層のうちの一方により塞がれていることを特徴とする請求項4に記載の通信装置。 - 前記コネクタを固定するための固定部材を更に有し、前記コネクタ及び前記固定部材は一方に凸部、他方に凹部が形成されており、前記コネクタが前記取付け用穴部に装着された状態で前記凸部及び前記凹部が前記2つの絶縁層のうちの一方を介して嵌合することにより前記コネクタが前記2次元拡散通信用基体に固定されることを特徴とする請求項5に記載の通信装置。
- 前記凸部が雄ネジ形状、前記凹部が雌ネジ形状であって、前記コネクタと前記固定部材を螺合することにより、前記コネクタが前記2次元拡散通信用基体に固定されることを特徴とする請求項6に記載の通信装置。
- 前記固定部材が前記凹部を有し、該凹部が前記固定部材の端部から中央部に延びる切り欠き溝形状であり、前記固定部材を前記中央部から前記端部の方向へスライドさせることにより、前記コネクタが前記2次元拡散通信用基体に固定されることを特徴とする請求項6に記載の通信装置。
- 前記固定部材が前記凸部を有し、該凸部は先端が末広がりであり、前記固定部材を所定の方向で前記コネクタの凹部に挿入し、挿入後前記固定部材を回転させることにより、前記コネクタが前記2次元拡散通信用基体に固定されることを特徴とする請求項6に記載の通信装置。
- 前記コネクタと前記固定部材が嵌合された状態では、前記2つの絶縁層のうちの一方は変形した状態で前記コネクタと前記固定部材との間に挟まれることを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載の通信装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006137276A JP2007307005A (ja) | 2006-05-17 | 2006-05-17 | 2次元拡散通信用基板及び通信装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006137276A JP2007307005A (ja) | 2006-05-17 | 2006-05-17 | 2次元拡散通信用基板及び通信装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007307005A true JP2007307005A (ja) | 2007-11-29 |
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ID=38840418
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006137276A Withdrawn JP2007307005A (ja) | 2006-05-17 | 2006-05-17 | 2次元拡散通信用基板及び通信装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2007307005A (ja) |
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-
2006
- 2006-05-17 JP JP2006137276A patent/JP2007307005A/ja not_active Withdrawn
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