JP2007306115A - 移動機のソフトハンドオーバー制御方法及び移動機 - Google Patents
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Abstract
【課題】GPS受信機などの特別な回路を用いることなく簡単な回路構成で、周辺セル環境の急激な変動によっても、最適なセルを選択することが可能な移動機のソフトハンドオーバー制御方法を得る。
【解決手段】ステップS51で、移動機は、対象セルのセル品質(前セル品質)を読み出す。ステップS52で、移動機は、現在の対象セルのセル品質(現セル品質)を測定する。その後、ステップS53において、ソフトハンドオーバー対象のセルについて、ステップS51及びS52で得た前セル品質及び現セル品質とを比較し、いずれの品質が優れている方を判断し、その判断結果に基づき、ソフトハンドオーバー制御の実施が適切と判断した場合はステップS54でソフトハンドオーバー制御を行い、ソフトハンドオーバー制御の実施が適切でないと判断した場合はステップS55でソフトハンドオーバー制御を行うことなく処理を終了する。
【選択図】図4
【解決手段】ステップS51で、移動機は、対象セルのセル品質(前セル品質)を読み出す。ステップS52で、移動機は、現在の対象セルのセル品質(現セル品質)を測定する。その後、ステップS53において、ソフトハンドオーバー対象のセルについて、ステップS51及びS52で得た前セル品質及び現セル品質とを比較し、いずれの品質が優れている方を判断し、その判断結果に基づき、ソフトハンドオーバー制御の実施が適切と判断した場合はステップS54でソフトハンドオーバー制御を行い、ソフトハンドオーバー制御の実施が適切でないと判断した場合はステップS55でソフトハンドオーバー制御を行うことなく処理を終了する。
【選択図】図4
Description
この発明は、通信方式として主としてCDMA方式を用いた移動機、基地局及び移動通信システムのソフトハンドオーバー制御方法の性能向上に関するものである。
無線通信方式としてCDMA(Code Division Multiple Access)方式を用いる移動機は、通信するセルを順次切り替えていくことで通信を継続することが可能である.これはハンドオーバーと呼ばれ、たとえばWideband-CDMA方式のハンドオーバーの制御方法は3GPP(3rd Generation Partnership Project)で規定されている。ハンドオーバーの種類として、移動機が現在通信しているセルとの通信を継続させたまま、別の複数のセルと通信を開始するソフトハンドオーバーと、一旦現在の通信を切断し、新たに別のセルと通信を開始するハードハンドオーバーが存在する。Wideband-CDMA方式から別の通信システムへのハンドオーバーはシステム間ハンドオーバーと呼ばれる。
ソフトハンドオーバーは、Wideband-CDMA方式において、移動機がセル間を移動するだけで発生することから、最も頻繁に実施されるハンドオーバーであり、その性能を向上させることで無線通信品質を向上させることができる。ソフトハンドオーバー方法として例えば非特許文献1に開示された方法がある。
非特許文献1に従ったソフトハンドオーバー手順は、移動機が新たなセルに対する通信開始を要求するためのMEASUREMENT-REPORTメッセージを送信してからNW(ネットワーク)より、移動機に上記新たなセルからの通信の開始時間を通知するACTIVE-SET-UPDATEメッセージを受信するまでの間に、セルの無線品質が大きく変動した場合に対応出来ないという問題があった。
上記問題を解決するために、GPS受信機を移動機に設け、移動機と基地局の位置情報、速度、進行方向からハンドオーバー対象となるセルの測定周期や順番などを最適化し、高速なハンドオーバーを実現する方法が例えば特許文献1で提案されている。
特許文献1で提案されている方法は、GPS受信機により基地局の位置情報が利用できることから、急激に劣化するセルの位置を特定し、劣化するようなセルは、MEASUREMENT-REPORTメッセージで送信の開始を要求するセルから除外することが可能である。また、一時的に劣化するセルの位置も特定されるため、MEASUREMENT-REPORTメッセージで送信停止要求をしたことでRAKE合成を解除してしまうこと問題が解決できるという特徴を持っている。
"3GPP TS25.331 "Radio Resource Control(RRC)" V5.5.10.0(pp.929-937)
特開2001−359145号公報(第3頁−6頁、図3)
しかしながら、特許文献1に示す方法は、GPS受信機を移動機が設けていることが前提であり、GPS受信機を持たない移動機には効果が無いという問題点があった。また、GPS受信機を必要とすることから回路構成が複雑となり、更に移動機が位置情報、速度、進行方向を演算する必要があることから、演算量が増加するという別の問題点があった。
この発明は上記問題点を解決するためになされたもので、GPS受信機などの特別な回路が不要で、かつ単純な演算結果のみで、周辺セル環境の急激な変動によっても、最適なセルを選択することが可能な移動機のソフトハンドオーバー制御方法を得ることを目的とする。
この発明に係る請求項1記載の移動機のソフトハンドオーバー制御方法は、複数の基地局それぞれから電波の届く範囲で規定される複数のセルからなる通信環境において実行される、移動機のソフトハンドオーバー制御方法であって、前記通信環境は前記複数の基地局を制御する基地局制御機構をさらに有し、前記移動機は、ソフトハンドオーバー状態のセル内における前記移動機の通信状態を示すセル品質に基づき、所定のソフトハンドオーバー制御条件を満足するか否かを検出するセル品質管理機能を有し、(a) 前記移動機によって実行され、前記品質管理機能によって前記所定のソフトハンドオーバー制御条件を満足したと判断したとき、ソフトハンドオーバー制御対象となる対象セル内における前記移動機の通信状態を示すセル品質を第1の測定値として測定した後、前記対象セルを指定する情報を含むセル情報を前記基地局制御機構に通信するステップと、(b) 前記ステップ(a) 後に前記基地局制御機構によって実行され、前記移動機に対しソフトハンドオーバー制御実行の許可を与えるステップと、(c) 前記ソフトハンドオーバー制御実行の許可に応答して前記移動機によって実行され、前記対象セルの前記セル品質を第2の測定値として測定するステップと、(d) 前記移動機によって実行され、前記第1及び第2の測定値の比較結果に基づき、前記ソフトハンドオーバー制御の実行の有無を判定するステップと、(e) 前記移動機によって実行され、前記ステップ(d) で前記ソフトハンドオーバー制御を実行すると判定した場合のみ、前記ソフトハンドオーバー制御を実行するステップとを備える。
この発明に係る請求項4記載の移動機のソフトハンドオーバー制御方法は、複数の基地局それぞれから電波の届く範囲で規定される複数のセルからなる通信環境において実行される、移動機のソフトハンドオーバー制御方法であって、前記通信環境は前記複数の基地局を制御する基地局制御機構をさらに有し、前記移動機は、ソフトハンドオーバー状態のセル内における前記移動機の通信状態を示すセル品質に基づき、所定のソフトハンドオーバー制御条件を満足するか否かを検出するセル品質管理機能を有し、(a) 前記移動機によって実行され、前記セル品質管理機能によって所定のソフトハンドオーバー制御条件を満足したとき、ソフトハンドオーバー制御対象となる対象セルを含むセル情報を前記基地局制御機構に通信するステップと、(b) 前記ステップ(a) 後に前記基地局制御機構によって実行され、前記移動機に対しソフトハンドオーバー制御実行の許可を与えるステップと、(c) 前記移動機によって実行され、前記ステップ(a) 後から前記ステップ(b) 後に至る期間を含む所定の期間において、前記所定のソフトハンドオーバー制御条件を継続して満足していたか否かを監視するステップと、(d) 前記ソフトハンドオーバー制御実行の許可に応答して前記移動機によって実行され、前記ステップ(c) の監視結果を参照し、前記所定のソフトハンドオーバー制御条件の前記所定の期間おける継続した満足の有/無に基づき、前記ソフトハンドオーバー制御の実行/不実行を判定するステップと、(e) 前記ステップ(d) で前記ソフトハンドオーバー制御の実行を判定した場合のみ、前記ソフトハンドオーバー制御を実行するステップとを備える。
この発明に係る請求項8記載の移動機は、複数の基地局それぞれから電波の届く範囲で規定される複数のセルからなる通信環境において利用される移動機であって、前記通信環境は前記複数の基地局を制御する基地局制御機構をさらに有し、前記移動機は、ソフトハンドオーバー状態のセル内における前記移動機の通信状態を示すセル品質に基づき、所定のソフトハンドオーバー制御条件を満足するか否かを検出するセル品質管理機能及び所定の記憶部を有し、ソフトハンドオーバー制御を所定のソフトハンドオーバー制御方式に従い実行し、前記所定のソフトハンドオーバー制御方式は、(a) 前記品質管理機能によって前記所定のソフトハンドオーバー制御条件を満足したと判断したとき、ソフトハンドオーバー制御対象となる対象セルの前記セル品質を第1の測定値として測定して前記所定の記憶部に保存した後、前記対象セルを指定する情報を含むセル情報を前記基地局制御機構に通信するステップと、(b) 前記基地局制御機構より、ソフトハンドオーバー制御実行の許可を受けるステップと、(c) 前記ソフトハンドオーバー制御実行の許可に応答して実行され、前記対象セルの前記セル品質を第2の測定値として測定するステップと、(d) 前記第1及び第2の測定値の比較結果に基づき、前記ソフトハンドオーバー制御の実行の有無を判定するステップと、(e) 前記ステップ(d) で前記ソフトハンドオーバー制御を実行すると判定した場合のみ、前記ソフトハンドオーバー制御を実行するステップとを備える。
この発明に係る請求項11記載の移動機は、複数の基地局それぞれから電波の届く範囲で規定される複数のセルからなる通信環境において利用される移動機であって、前記通信環境は前記複数の基地局を制御する基地局制御機構をさらに有し、前記移動機は、ソフトハンドオーバー状態のセル内における前記移動機の通信状態を示すセル品質に基づき、所定のソフトハンドオーバー制御条件を満足するか否かを検出するセル品質管理機能を有し、ソフトハンドオーバー制御を所定のソフトハンドオーバー制御方式に従い実行し、前記所定のソフトハンドオーバー制御方式は、(a) 前記セル品質管理機能によって所定のソフトハンドオーバー制御条件を満足したとき、ソフトハンドオーバー制御対象となる対象セルを含むセル情報を前記基地局制御機構に通信するステップと、(b) 前記基地局制御機構より、ソフトハンドオーバー制御実行の許可を受けるステップと、(c) 前記移動機によって実行され、前記ステップ(a) 後から前記ステップ(b) 後に至る期間を含む所定の期間において、前記所定のソフトハンドオーバー制御条件が継続して満足していたか否かを監視するステップと、(d) 前記ソフトハンドオーバー制御実行の許可に応答して前記移動機によって実行され、前記ステップ(c) の監視結果を参照し、前記所定のソフトハンドオーバー制御条件の前記所定の期間おける継続した満足の有/無に基づき、前記ソフトハンドオーバー制御の実行/非実行を判定するステップと、(e) 前記ステップ(d) で前記ソフトハンドオーバー制御を実行すると判定した場合のみ、前記ソフトハンドオーバー制御を実行するステップとを備える。
この発明における請求項1記載の移動機のソフトハンドオーバー制御方法は、ステップ(a) 及び(c) で得られる第1及び第2の測定値の比較結果に基づき決定されるステップ(d) の判定結果に基づき、ステップ(e) における移動機のソフトハンドオーバー制御を実行の有無を決定している。
したがって、対象セルに対するソフトハンドオーバー制御を行うことが適した状況時のみ実際にソフトハンドオーバー制御を実行することができるため、対象セルを含む周辺セル環境の急激な変動によっても、最適なセルを選択することができる効果を奏する。
加えて、移動機の有する品質管理機能を用いてステップ(c) 及び(d) の処理を追加するだけで容易に実現することができるため、移動機はGPS等の特別な専用回路を必要とすることなく簡単な構成で実現することができる。
この発明における請求項4記載の移動機のソフトハンドオーバー制御方法は、ステップ(c) の監視結果を参照し、所定のソフトハンドオーバー制御条件の所定の期間おける継続した満足の有/無に基づき決定されるステップ(d) の判定結果に基づき、ステップ(e) における移動機のソフトハンドオーバー制御を実行の有無を決定している。
したがって、対象セルに対するソフトハンドオーバー制御を行うことが適した状況時のみ実際にソフトハンドオーバー制御を実行することができるため、対象セルを含む周辺セル環境の急激な変動によっても、最適なセルを選択することができる効果を奏する。
加えて、移動機の有する品質管理機能を用いてステップ(c) 及び(d) の処理を追加するだけで容易に実現することができるため、移動機はGPS等の特別な専用回路を必要とすることなく簡単な構成で実現することができる。
さらに、請求項4記載の移動機のソフトハンドオーバー制御方法は、ステップ(a) で認識された所定のソフトハンドオーバー条件成立の状態が、その後の所定の期間において維持することを判定材料とすることにより、実現に必要な演算量を必要最小限に抑えることができる効果を奏する。
この発明における請求項8記載の移動機は、ステップ(a) 及び(c) で得られる第1及び第2の測定値の比較結果に基づき決定されるステップ(d) の判定結果に基づき、ステップ(e) における移動機のソフトハンドオーバー制御を実行の有無を決定している。
したがって、対象セルに対するソフトハンドオーバー制御を行うことが適した状況時のみ実際にソフトハンドオーバー制御を実行することができるため、対象セルを含む周辺セル環境の急激な変動によっても、最適なセルを選択することができる効果を奏する。
加えて、品質管理機能を用いてステップ(c) 及び(d) の処理を追加するだけで容易に実現することができるため、移動機はGPS等の特別な専用回路を必要とすることなく簡単な構成で実現することができる。
この発明における請求項11記載の移動機は、ステップ(c) の監視結果を参照し、所定のソフトハンドオーバー制御条件の所定の期間おける継続した満足の有/無に基づき決定されるステップ(d) の判定結果に基づき、ステップ(e) における移動機のソフトハンドオーバー制御を実行の有無を決定している。
したがって、対象セルに対するソフトハンドオーバー制御を行うことが適した状況時のみ実際にソフトハンドオーバー制御を実行することができるため、対象セルを含む周辺セル環境の急激な変動によっても、最適なセルを選択することができる効果を奏する。
加えて、品質管理機能を用いてステップ(c) 及び(d) の処理を追加するだけで容易に実現することができるため、移動機はGPS等の特別な専用回路を必要とすることなく簡単な構成で実現することができる。
さらに、請求項11記載の移動機は、ステップ(a) で認識された所定のソフトハンドオーバー条件成立の状態が、その後の所定の期間において維持することを判定材料とすることにより、実現に必要な演算量を必要最小限に抑えることができる効果を奏する。
<発明の原理>
(全体構成)
図1はCDMA移動機の通信環境を模式的に示す説明図である。同図に示すように、基地局11,12(複数の基地局)から電波の届く範囲でセルC01及びC02で規定され、(CDMA)移動機30が通信可能な複数のセル(図中、2つのセルC01,C02のみ示す)が一部重複しながら存在する。すなわち、セルC01内において移動機30は基地局11と通信することができ、セルC02内において移動機30は基地局12と通信することができる通信環境下におかれている。そして、基地局11,12はすべて基地局制御機構であるネットワーク1に接続されており、ネットワーク1の制御下に置かれる。
(全体構成)
図1はCDMA移動機の通信環境を模式的に示す説明図である。同図に示すように、基地局11,12(複数の基地局)から電波の届く範囲でセルC01及びC02で規定され、(CDMA)移動機30が通信可能な複数のセル(図中、2つのセルC01,C02のみ示す)が一部重複しながら存在する。すなわち、セルC01内において移動機30は基地局11と通信することができ、セルC02内において移動機30は基地局12と通信することができる通信環境下におかれている。そして、基地局11,12はすべて基地局制御機構であるネットワーク1に接続されており、ネットワーク1の制御下に置かれる。
(前提技術(ソフトハンドオーバー手順))
図15は、3GPPで規定されているソフトハンドオーバー状態例を示す説明図である。同図において、現在、実際に通信対象となっている通信セル(Active Set Cell)をセルC01とし、その周辺に存在し、移動機30とは実際の通信していないが、今後通信する可能性がある周辺セル(Monitored Set Cell)をセルC02としている。
図15は、3GPPで規定されているソフトハンドオーバー状態例を示す説明図である。同図において、現在、実際に通信対象となっている通信セル(Active Set Cell)をセルC01とし、その周辺に存在し、移動機30とは実際の通信していないが、今後通信する可能性がある周辺セル(Monitored Set Cell)をセルC02としている。
図15に示すように、(CDMA)移動機は通信セルC01と周辺セルC02のセル品質をそれぞれ測定している。なお、セル品質とは、セル内における移動機30の通信状態を示す指標を意味する。
図15では、セルC01の無線品質(セル品質)、セルC02の無線品質(セル品質)の時間変動を表しており、図15の横軸は時間を示し、縦軸はセルのセル品質の高低を示す。すなわち、縦軸の上方向が高品質である。
図15に示すように、移動機30がセルC01の端部に移動するなどの理由により、時間の経過と共にセルC01のセル品質が劣化し、同時にセルC02のセル品質が向上している。そして、ある地点P01におけるセルC01の測定値L01から、閾値TH01だけ下限に範囲を持たせた測定値L02との間にセルC02の測定値が含まれるという条件1{(C01のセル品質)−TH01≦(C02のセル品質)}がはじめて満たされたときに、移動機30はソフトハンドオーバー制御の実施待ちのタイマを動作させる。
このタイマは前記条件1が満たされている(維持されている)ときは動作を継続する。移動機30は、あらかじめ決められた時間R01連続して前記条件が満たされた地点P02で、セルC02との通信開始を要求する(セルC02をソフトハンドオーバー制御の対象セルとする)ためにMEASUREMENT-REPORTメッセージをNW1へ送信する。このように、移動機30は、条件1を時間R01継続して満足するというソフトハンドオーバー制御条件を満足するか否かを検出する第1のセル品質管理機能を有している。
MEASUREMENT-REPORTメッセージを受信したNW1は、セルC02から移動機30に対して無線信号の送信の準備を行い、同時に移動機30によるソフトハンドオーバー制御を許可するACTIVE-SET-UPDATEメッセージで移動機30にセルC02からの通信の開始時間を通知する。なお、上記送信の準備とは、セルC02(の基地局12)から無線信号の送信をするために必要な種々の情報を基地局12に設定することを意味し、具体的には、セルC02から送信する信号の拡散符号、チャネル構成、送信電力、送信タイミング、送信開始時間などを設定することを意味する。
ACTIVE-SET-UPDATEメッセージを受信した移動機30は、一般的に通知された開始時間よりセルC02からの無線信号をRAKE合成し、ACTIVE-SET-UPDATE COMPLETEメッセージをNW1へ送信してソフトハンドオーバー制御の実施が完了する。
図16はソフトハンドオーバーによって通信セル(Active Set Cell)とのRAKE合成を解除する例を示す説明図である。
図16において、移動機30はセルC03及びセルC04と通信を行っており、かつ各セルC03,C04の無線品質(セル品質)を測定しているものとする。このとき、距離減衰などの理由で時間の経過と共にセルC03のセル品質が劣化している場合において、ある地点P03におけるセルC04の測定値L04から、閾値TH02だけ下限に範囲を持たせた測定値L03の範囲外までセルC03の測定値が劣化したという条件2{(C03のセル品質)≦(C04のセル品質)−TH02}が満たされたときに、移動機30はソフトハンドオーバー制御の実施待ちのタイマを動作させる。このタイマは前記条件3が満たされているときは動作を継続する。
移動機30は、あらかじめ決定した時間R02連続して前記条件2が満たされた地点P04で、通信セルの一つであるセルC03との通信停止の要求を含むMEASUREMENT-REPORTメッセージをNW1へ送信する。このように、移動機30は、条件2を時間R02継続して満足するというソフトハンドオーバー制御条件を満足するか否かを検出する第2のセル品質管理機能を有している。
MEASUREMENT-REPORTメッセージを受信したNW1は、セルC03から移動機30に対して無線信号の停止の準備を行い、同時にソフトハンドオーバー制御を許可するACTIVE-SET-UPDATEメッセージで移動機30にセルC03からの通信の停止時間を通知する。
ACTIVE-SET-UPDATEメッセージを受信した移動機30は、通知された開始時間よりセルC03からの無線信号のRAKE合成を解除し、ACTIVE-SET-UPDATE COMPLETEメッセージをNW1へ送信してソフトハンドオーバー制御の実施が完了する。
このように、図15で示したセルC01,C02及び図16で示したセルC03,C04のように、移動機30からセル品質が測定可能なセルを、ソフトハンドオーバー状態のセルとする。なお、図15,図16で示した例は、例えば非特許文献1に開示されている。
図17は、非特許文献1による前提技術となるソフトハンドオーバー制御方法の手順を模式的に示す説明図である。以下、図17を参照しつつ、その制御手順を説明する。
まず、ステップS41において、通信中の移動機30は、ソフトハンドオーバー制御条件が成立するかを判定する。判定条件は上述した図15、図16を用いて説明した方法に従って行う。そして、ステップS41において、ソフトハンドオーバー制御条件が成立した場合、ステップS42に以降する。
ステップS42において、移動機30は、ソフトハンドオーバーの成立と、追加・削除対象のセル情報(ソフトハンドオーバー制御の対象セルの情報)をMEASUREMENT-REPORTメッセージに含めてNW1へ送信する。
ステップS43において、MEASUREMENT-REPORTメッセージを受けたNW1は、その情報に基づき、移動機30によるソフトハンドオーバー制御の実行を許可するACTIVE-SET-UPDATEメッセージを移動機30に送信する。ACTIVE-SET-UPDATEメッセージには追加・削除対象のセル情報と制御開始時間が含まれている。
メッセージ受信後、制御開始時間となったとき、ステップS44において、移動機30は通信セルの変更、削除等のソフトハンドオーバー制御を実施し、制御完了後、ステップS45において、ソフトハンドオーバー制御の完了を示すACTIVE-SET-UPDATE-COMPLETEメッセージをNW1へ送信して制御を完了する。
このような図15〜図17で示すソフトハンドオーバー制御方式では、背景技術の欄でも述べたように、移動機30が新たなセルに対する通信開始を要求するためのMEASUREMENT-REPORTメッセージを送信してからNW1より、移動機30に上記新たなセルからの通信の開始時間を通知するACTIVE-SET-UPDATEメッセージを受信するまでの間に、セルの無線品質(セル品質)が大きく変動した場合に対応出来ないという問題があった。
例えば、MEASUREMENT-REPORTメッセージを送信したときにはセル品質が良好であったセル(図15のセルC02等)が、高層ビルなどの遮蔽物によって、ACTIVE-SET-UPDATEメッセージを受信してRAKE合成を開始するときのセル品質が急激に劣化したことで、正しくRAKE合成できないという問題点があった。また、逆に高層ビルなどの遮蔽物によって一時的にセル品質が劣化したことで、MEASUREMENT-REPORTメッセージで送信の停止を要求したセル(図16のセルC03等)のセル品質がACTIVE-SET-UPDATEメッセージを受信するまでに回復し、RAKE合成を解除することで却ってセル品質が劣化してしまうという問題があった。この問題点の解決を、GPS等の特別な回路を用いることなく図ったのが以下で述べる本願発明の実施の形態1〜実施の形態3である。
<実施の形態1>
図2はこの発明における実施の形態1〜実施の形態3のCDMA移動機のソフトハンドオーバー制御方法に用いられる移動機20の内部構成を示すブロック図である。なお、移動機20の通信環境は図1の移動機30が移動機20が置き換わる点を除き、図1で示した通信環境と同様である。
図2はこの発明における実施の形態1〜実施の形態3のCDMA移動機のソフトハンドオーバー制御方法に用いられる移動機20の内部構成を示すブロック図である。なお、移動機20の通信環境は図1の移動機30が移動機20が置き換わる点を除き、図1で示した通信環境と同様である。
同図において、アンテナ21は無線信号の送受信を行う回路である。送受信部22はアンテナ21から受信した信号のパス検出とRAKE合成処理、拡散及び逆拡散処理を行うための回路である。信号処理部23は、送受信部22で必要となる制御データの管理と、送受信部22で受信した信号のセル品質を測定する回路である。
制御部24は、信号処理部23から得られるセル品質を内部メモリ25に格納し、管理するための品質管理部24aを有する。この品質管理部24aと信号処理部23とにより、図15及び図16で説明した第1及び第2の品質管理機能を実現する。
さらに、制御部24は、後に詳述するセル品質の比較結果に基づくソフトハンドオーバー実施判定・制御処理を実行するソフトハンドオーバー処理部24bを有する。その他の回路は本発明に関係しないので省略してある。
このような構成の移動機20は、アンテナ21では無線信号を受信し、受信した信号を送受信部22へと送信する。送受信部22はアンテナ21より受信した受信信号の各受信パス位置を計算し、受信パス位置に対応したタイミングで拡散信号を乗算し、逆拡散された各受信信号をRAKE合成して復調信号として取り出す。送受信部22に必要な制御データは信号処理部23によって通知される。復調信号は信号処理部23へ送信される。
信号処理部23は復調信号の無線品質をセル品質として測定し、測定結果を保持する。復調されたデータのうち、無線制御に必要な制御データは制御部24へ送信される。このとき、音声データなどの制御データ以外の有意なデータは、それぞれ音声回路などの専用回路(図示せず)へと転送される。
制御部24は、制御データを解析し、制御タイミングに応じて信号処理部23へ制御内容を通知する。制御部24内の品質管理部24aは、信号処理部23で測定された測定結果(セル品質)を読み取り、内部メモリ25へ保存する。保存された測定結果は、品質管理部24aより必要に応じて参照・更新される。
ソフトハンドオーバー処理部24bは、品質管理部24aが保存した測定結果を用いてソフトハンドオーバー実施判定・制御処理を行い、ソフトハンドオーバー制御の実施を判断した場合、信号処理部23へソフトハンドオーバーに必要な情報を通知し、ソフトハンドオーバー制御を実施する。
図3は実施の形態1による移動機のソフトハンドオーバーの制御方法の処理手順の主要部を模式的に示す説明図である。以下、同図を参照して、その処理手順を説明する。
まず、ステップS1において、通信中の移動機20は、ソフトハンドオーバー制御条件が成立するかを判定する。判定条件は上述した図15、図16を用いて説明した条件1,条件2に基づく方法に従って行う。そして、ステップS1において、ソフトハンドオーバー制御条件が成立した場合にはじめてステップS2に移行する。
ステップS2において、品質管理部24aはその時点で測定しているソフトハンドオーバー対象セル(新たに通信セルとなるべき新規の周辺セル(図15のセルC02等)あるいは削除対象の通信セル(図16のセルC03等))のセル品質を指示する情報(第1の測定値)を内部メモリ25に保存する。
なお、ステップS2において、内部メモリ25に保存される周辺セルのセル品質の種別は、NW1から指定されるものを使用しても良いが、移動機20がセル毎に独立して測定可能であればNW1の指定によらず何を使用しても良い。セル品質の種別として使用されるものとして、例えばEc/Io(パイロット信号の受信電力Ecと、全受信電力loの比;Ec/Noと記載することもあり)、 RSCP(Received Signa1 Code Power(希望波受信電力))、Pathloss(伝播損失(=パイロット信号の送信電力ー受信電力))などがある。
ステップS3において、移動機20は、ソフトハンドオーバー制御条件の成立と、追加・削除対象のセル情報を含むMEASUREMENT-REPORTメッセージをNW1へ送信する。
ステップS4において、MEASUREMENT-REPORTメッセージを受けたNW1は、その情報に基づき、移動機20いよるソフトハンドオーバー制御の実施を許可するACTIVE-SET-UPDATEメッセージを移動機20に送信する。ACTIVE-SET-UPDATEメッセージには追加・削除対象のセル情報と制御開始時間の情報が含まれている。
メッセージ受信後、制御開始時間となったとき、ステップS5において、移動機20は、ソフトハンドオーバーの実施の有無を判定するソフトハンドオーバー実施判定処理及びその後の実行制御を行うソフトハンドオーバー実施判定・制御処理を実行する。
図4は、図3のステップS5であるソフトハンドオーバー実施判定・制御処理の詳細を示すフローチャートである。以下、同図を参照して、移動機20によるソフトハンドオーバー実施判定・制御処理の内容を説明する。
まず、ステップS51で、移動機20は、図3のステップS2で保存していた対象セルのセル品質(第1の測定値;前セル品質)を内部メモリ25より読み出す。
そして、ステップS52で、移動機20は、現在の対象セルのセル品質(第2の測定値;現セル品質)を測定する。ステップS52で測定するセル品質の種別は、内部メモリ25に保存していた品質情報と同種のものとする。すなわち、ステップS2で保存したセル品質の品質種別がEc/Ioであれば、ステップS53で測定する品質もEc/Ioとなる。この処理は信号処理部23及び品質管理部24aで行われる。
その後、ステップS53において、ACTIVE-SET-UPDATEメッセージで指定されたソフトハンドオーバー対象のセルについて、ステップS51及びS52で得た前セル品質及び現セル品質とを比較し、いずれの品質が優れている方を判断する。この判断はソフトハンドオーバー処理部24bで行われる。
ステップS53でセル品質を比較する方法として、単純に両者のセル品質の瞬時値を比較し、より良い品質値を持つ方を良好と判断する方法がある。また、ステップS51, S52において、瞬時値ではなく、ある一定時間測定した結果の平均値を比較に用いても良い。更に、一方のセル品質にオフセット値を加えてもよい。
オフセット値を加えるのは、移動機20がソフトハンドオーバー制御の実施の有無を判定する際、判定の正確さを高めるためにソフトハンドオーバー制御の実施をし易くする、あるいは逆に実施しにくくするといった調整に使用するためである。例えば、現セル品質に正のオフセットを加えれば、ソフトハンドオーバーが実施し易くなり、前セル品質に正のオフセットを加えれば、ソフトハンドオーバーが実施しにくくなる調整を行うことができる。
ステップS53において、ステップS51で得た前セル品質とステップS52で得た現セル品質のうち、どちらの品質が優れているかを決定した後、ACTIVE-SET-UPDATEメッセージの内容によって、NW1からのACTIVE-SET-UPDATEメッセージによる指示に従うかどうか、すなわち、現時点におけるソフトハンドオーバー制御の実施は適切か否かを判断する。この判断はソフトハンドオーバー処理部24bで行われる。以下にステップS53における判断内容をケース1〜ケース4に分けて具体的に説明する。
(ケース1)
ACTIVE-SET-UPDATEメッセージの指示内容が、新規(周辺)セルの追加・RAKE合成開始の場合であって、かつ指定された対象セル(新規セル)に関し、前セル品質よりも現セル品質の方が良好であった場合、実施は適切であると判断し(Yes)、ステップS54の実施(ソフトハンドオーバー制御)処理を行う。すなわち、移動機20が通信する基地局を通信セル内の基地局から対象セル内の基地局に切り替える制御を行う。
ACTIVE-SET-UPDATEメッセージの指示内容が、新規(周辺)セルの追加・RAKE合成開始の場合であって、かつ指定された対象セル(新規セル)に関し、前セル品質よりも現セル品質の方が良好であった場合、実施は適切であると判断し(Yes)、ステップS54の実施(ソフトハンドオーバー制御)処理を行う。すなわち、移動機20が通信する基地局を通信セル内の基地局から対象セル内の基地局に切り替える制御を行う。
(ケース2)
ACTIVE-SET-UPDATEメッセージの指示内容が、新規セルの追加・RAKE合成開始の場合であって、かつ指定された対象セル(新規セル)に関し、前セル品質よりも現セル品質の方が劣化していた場合、実施不適切であると判断し(No)、ステップS55の不実施(ソフトハンドオーバー制御を行わない)処理を行う。
ACTIVE-SET-UPDATEメッセージの指示内容が、新規セルの追加・RAKE合成開始の場合であって、かつ指定された対象セル(新規セル)に関し、前セル品質よりも現セル品質の方が劣化していた場合、実施不適切であると判断し(No)、ステップS55の不実施(ソフトハンドオーバー制御を行わない)処理を行う。
(ケース3)
一方、ACTIVE-SET-UPDATEメッセージの指示内容が、通信セルの削除・RAKE合成解除の場合であって、かつ指定された対象セル(通信セル)に関し、前セル品質よりも現セル品質の方が良好であった場合、実施不適切であると判断し(No)、ステップS55の不実施処理を行う。
一方、ACTIVE-SET-UPDATEメッセージの指示内容が、通信セルの削除・RAKE合成解除の場合であって、かつ指定された対象セル(通信セル)に関し、前セル品質よりも現セル品質の方が良好であった場合、実施不適切であると判断し(No)、ステップS55の不実施処理を行う。
(ケース4)
ACTIVE-SET-UPDATEメッセージの指示内容が、通信セルの削除・RAKE合成解除の場合であって、かつ指定された対象セル(通信セル)のセル品質が、前セル品質よりも現セル品質の方が劣化していた場合、実施は適切であると判断し(Yes)、ステップS54の実施処理を行う。すなわち、移動機20が通信する対象セルの基地局を解除する制御を行う。
ACTIVE-SET-UPDATEメッセージの指示内容が、通信セルの削除・RAKE合成解除の場合であって、かつ指定された対象セル(通信セル)のセル品質が、前セル品質よりも現セル品質の方が劣化していた場合、実施は適切であると判断し(Yes)、ステップS54の実施処理を行う。すなわち、移動機20が通信する対象セルの基地局を解除する制御を行う。
図5は図4で示したステップS54の実施処理前後の内容を模式的に示す説明図である。同図に示すように、ソフトハンドオーバー実施判定処理S51〜S53実行後、ステップS53が実施は適切であると判断した場合(Yes)、ステップS54によって、NW1の指示に従ってソフトハンドオーバー制御が実施される。
ステップS54において、移動機20は、NW1より指定されたセルの追加・RAKE合成開始、または削除・RAKE合成解除を実施し、ソフトハンドオーバー制御を実施する。
その後、ステップ56において、ソフトハンドオーバー制御を実施したことを指示するACTIVE-SET-UPDATE-COMPLETEメッセージをNW1へ送信し、ソフトハンドオーバー制御の成功をNW1へ通知し、制御を終了する。
図6は図4で示したステップS55の不実施処理前後の内容を模式的に示す説明図である。同図に示すように、ソフトハンドオーバー実施判定処理S51〜S53実行後、ステップS53が実施不適切であると判断した場合(No)、ステップS55によって、NW1の指示に従ったソフトハンドオーバー制御は行わない。したがって、移動機20は、ステップS55では、特に制御は行わず、そのままの状態で通信を継続させる。
その後、ステップS57で、ソフトハンドオーバー制御を実施しなかったことを指示するACTIVE-SET-UPDATE-FAILUREメッセージをNW1へ送信し、ソフトハンドオーバー制御が失敗したことをNW1へ通知する。したがって、NW1側において、MEASUREMENT-REPORTメッセージに基づきソフトハンドオーバー制御を許可したことが失敗であったことを認識させることができる。
ステップS57でACTIVE-SET-UPDATE-FAILUREメッセージを受信したNW1は、ステップS58において、不実施となったソフトハンドオーバー制御に関する対象セルの無線信号の送信制御を停止し、即座にソフトハンドオーバー制御前の通信セル状態へと復帰させる復帰処理を行った後、制御を終了する。NW1が復帰処理を即座に実施することによって、ソフトハンドオーバー制御の失敗が通知されても、通信品質の劣化時間を最短に押さえつつ通信を維持することが可能となる。
このように、実施の形態1の制御方法は、移動機20がMEASUREMENT-REPORTメッセージを送信した時点と、ACTIVE-SET-UPDATEメッセージを受信した時点とで、対象セル(新規(周辺)セルあるいは通信セル)の環境が大きく異なり、ACTIVE-SET-UPDATEメッセージに従ったソフトハンドオーバー制御を行うことで、逆に通信品質が劣化してしまうことを確実に回避することができる効果を奏する。
すなわち、実施の形態1の移動機のソフトハンドオーバー制御方法は、ステップS5のソフトハンドオーバー実施判定・制御処理におけるステップS53の判定結果に基づき、移動機20のソフトハンドオーバー制御の実施の有無(ステップS54あるいはS55)を決定している。その結果、移動機20は、対象セルに対するソフトハンドオーバー制御を行うことが適した状況時のみ実際にソフトハンドオーバー制御を実行することができるため、対象セルを含む周辺セル環境の急激な変動によっても、最適なセルを選択することができる効果を奏する。
具体的には、新規セルの追加・RAKE合成開始の場合(対象セルが新規セル)であれば、上記したケース1及びケース2に示したように、第1及び第2の測定結果に基づき対象セルの品質の向上の有無を判断材料とすることにより、対象セル(新規セル)の追加・RAKE合成開始についてのソフトハンドオーバー制御の実施の有無を適切に判断することができる。
同様にして、通信セルの削除・RAKE合成解除の場合(対象セルが通信セル)であれば、上記したケース3及びケース4に示したように、対象セルの品質の劣化の有無を判断材料とすることにより、対象セル(通信セル)の削除・RAKE合成解除についてのソフトハンドオーバー制御の実施の有無を適切に判断することができる。
また、実施の形態1の制御方法は、移動機20がNW1からのACTIVE-SET-UPDATEメッセージに応答してソフトハンドオーバー制御を行う前に、もう一度、セル品質を確認する機能(移動機20の制御部24内に品質管理部24a,ソフトハンドオーバー処理部24b)を追加して、ステップS2及びステップS5の処理を実行するだけで容易に実現することができ、GPS等の特別な専用回路やシステムの変更などを必要としない効果を奏する。
<実施の形態2>
図7は実施の形態2による移動機のソフトハンドオーバー制御方法の処理手順の主要部を模式的に示す説明図である。以下、同図を参照して、その処理手順を説明する。
図7は実施の形態2による移動機のソフトハンドオーバー制御方法の処理手順の主要部を模式的に示す説明図である。以下、同図を参照して、その処理手順を説明する。
まず、ステップS11において、通信中の移動機20は、ソフトハンドオーバー制御条件が成立するかを判定する。判定条件は上述した図15、図16を用いて説明した条件1,条件2に基づく方法に従って行う。そして、ステップS11において、ソフトハンドオーバー制御条件が成立した場合にはじめてステップS12に移行する。
ステップS12において、移動機20は、ソフトハンドオーバー制御条件の成立と、追加・削除対象のセル情報(対象セルの情報)をMEASUREMENT-REPORTメッセージに含めてNW1へ送信する。
ステップS12直後のステップS13において、ステップS11におけるソフトハンドオーバー制御条件に用いたセルのセル品質を引き続き監視する。ソフトハンドオーバー制御条件用のセル品質の監視処理は品質管理部24aにて実施され、その結果は内部メモリ25に保存される。本処理は、ステップS14でNW1よりACTIVE-SET-UPDATEメッセージを受信を確認するまで継続される。
しかる後、ステップS14において、ステップS12でMEASUREMENT-REPORTメッセージを受けたNW1は、その情報に基づき、移動機20によるソフトハンドオーバー制御を許可するACTIVE-SET-UPDATEメッセージを移動機20に送信する。
ステップS14直後のステップS15において、移動機20はソフトハンドオーバー制御条件用のセル品質の監視を終了する。
ACTIVE-SET-UPDATEメッセージ受信後、制御開始時間となったステップS16において、ソフトハンドオーバーの実施の有無を判定するソフトハンドオーバー実施判定処理及びその後の実行制御を行うソフトハンドオーバー実施判定・制御処理を実行する。
図8は、図7のステップS16であるソフトハンドオーバー実施判定・制御処理の詳細を示すフローチャートである。以下、同図を参照して、実施の形態2のソフトハンドオーバー実施判定・制御処理の内容を説明する。
ステップS61において、移動機20は、ソフトハンドオーバー制御の実施の有無を判定するために、図7のステップS13の開始からステップS15の終了にかける期間(所定の期間)においてソフトハンドオーバー制御条件用のセル品質に関する監視結果を内部メモリ25より読み出す。
その後、ステップS62にて、監視していたソフトハンドオーバー制御条件用のセル品質が、ステップS11でYesとされるソフトハンドオーバー制御条件を常に満たしていたか否かを確認する。本確認処理は、ソフトハンドオーバー処理部24bで行われる。上記所定の期間においてソフトハンドオーバー制御条件を満足していた場合(Yes)、ステップS63の実施処理に移行し、満足していない区間が一部でも存在した場合(No)、ステップS64の不実施処理に移行する。
なお、ステップS63の実施処理は、図5で示した実施の形態1のステップS54と同内容で実行され、その後にステップS56に相当する処理も実行される。同様にして、ステップS54の不実施よりは、図6で示した実施の形態1のステップS55と同内容で実行され、その後に、ステップS57,S58に相当する処理も実行される。
このように、実施の形態2の制御方法によって、ソフトハンドオーバー制御条件用のセル品質を関しすることにより、ソフトハンドオーバー制御条件がステップS11の以降も維持されているか否かによって、ソフトハンドオーバー制御の実施の有無を判断している。すなわち、実施の形態2による移動機20は、通信環境の急激な変動によって、一瞬だけ良好な品質となるセルや、品質の劣化後に再上昇するようなセルはソフトハンドオーバー制御条件を引き続き満足することはないため、実施の形態1と同様に、ACTIVE-SET-UPDATEメッセージに従ったソフトハンドオーバー制御を行うことで、逆に通信品質が劣化してしまうことを確実に回避することができる効果を奏する。
すなわち、実施の形態2の移動機のソフトハンドオーバー制御方法は、ステップS16のソフトハンドオーバー実施判定・制御処理におけるステップS62の判定結果に基づき、移動機のソフトハンドオーバー制御の実施の有無(ステップS63あるいはS64)を決定している。その結果、対象セルに対するソフトハンドオーバー制御を行うことが適した状況時のみ実際にソフトハンドオーバー制御を実行することができるため、対象セルを含む周辺セル環境の急激な変動によっても、最適なセルを選択することができる効果を奏する。
さらに、実施の形態2の制御方法は、ステップS11のソフトハンドオーバー制御条件と同一条件が、引き続きステップS15まで維持するか否かを判定材料とすることにより、実施の形態1の制御方法よりも処理内容の簡略化を図ることができるため、実現に必要な演算量を必要最小限に抑えて、実施の形態1以上に減少させることができる効果を奏する。
<実施の形態3>
(原理)
図9は実施の形態3の移動機のソフトハンドオーバー制御方法が実施される通信環境を模式的に示す説明図である。同図に示すように、NW1はデータベース5を有している点を特徴としている。他は移動機30が移動機20に置き換わった点を除き、図1で示した通信環境と同様であるため説明は省略する。
(原理)
図9は実施の形態3の移動機のソフトハンドオーバー制御方法が実施される通信環境を模式的に示す説明図である。同図に示すように、NW1はデータベース5を有している点を特徴としている。他は移動機30が移動機20に置き換わった点を除き、図1で示した通信環境と同様であるため説明は省略する。
実施の形態3の原理は、移動機20から送信されたMEASUREMENT-REPORTメッセージに対応してNW1より発せられるACTIVE-SET-UPDATEメッセージが、実施の形態1あるいは実施の形態2のソフトハンドオーバー実施判定・制御処理によって、実際に移動機20で適切だと判定されたか否かをNW1側で集計し、その集計結果をデータベース5として格納することができる。すなわち、データベース5に格納された本集計結果によってACTIVE-SET-UPDATEメッセージの送信の有無を判断する機能をNW1側に追加したものである。データベース5として集計される情報は、MEASUREMENT-REPORTメッセージに含まれるセル、及びそのときの各セル品質、ACTIVE-SET-UPDATEメッセージの成功率(ACTIVE-SET-UPDATEメッセージに応答して実際に移動機20がどの程度の割合でソフトハンドオーバー制御を実行したかを示す割合)とする。
(データベース集計内容)
図10はNW1に接続されるデータベース5として集計された情報内容を表形式で示す説明図である。なお、図10はデータベース5の一部を示したにすぎない。以下、データベース5の集計内容について説明する。
図10はNW1に接続されるデータベース5として集計された情報内容を表形式で示す説明図である。なお、図10はデータベース5の一部を示したにすぎない。以下、データベース5の集計内容について説明する。
同図において、例えば、通信セル(Active Set Cell)がセルC01、セル品質が品質a2のとき、ソフトハンドオーバー制御の対象セル(新規セル)がセルC02、セル品質が品質b2のとき、図10で示すデータベースからACTIVE-SET-UPDATEメッセージによる成功率が成功率c3であると検索できる。
したがって、成功率c3が比較的低い場合、セルC01のセル品質が一時的に劣化、またはセルC02のセル品質が一時的に上昇したことでMEASUREMENT-REPORTメッセージが送信されたと判断することができる。一方、成功率c3が比較的高い場合は、通常のソフトハンドオーバー制御を必要とした環境と判断することができる。なお、成功率の高低の判断基準は特に規定しない。
(制御方法)
図11は実施の形態3による移動機のソフトハンドオーバーの制御方法の処理手順の主要部を模式的に示す説明図である。
図11は実施の形態3による移動機のソフトハンドオーバーの制御方法の処理手順の主要部を模式的に示す説明図である。
同図に示すように、ステップS3でMEASUREMENT-REPORTメッセージを受けたNW1は、ステップS30において、ACTIVE-SET-UPDATEメッセージの出力処理の有無を含むデータベース判定処理を実行する。そして、ステップS30によって、移動機20によるソフトハンドオーバー制御を許可するACTIVE-SET-UPDATEメッセージが出力された場合のみ、移動機20においてステップS6においてソフトハンドオーバー実施判定・制御処理が実行される。すなわち、NW1は実施の形態1及び実施の形態2のようにACTIVE-SET-UPDATEメッセージを常に出力するのでなく、ステップS30によってACTIVE-SET-UPDATEメッセージを選択的に出力する。なお、他の処理は図3で示した実施の形態1の処理と同内容であるため、説明を省略する。
図12は図11で示したステップS30のデータベース判定処理の処理内容を示すフローチャートである。以下、同図を参照して、その処理内容を説明する。
ステップS31において、NW1はデータベース5を参照して、通信セル及び対象セルのセル品質に基づく成功率を呼び出す。
そして、ステップS32において、ステップS31で読み出した成功率に基づき、ACTIVE-SET-UPDATEメッセージの出力の是非を判断し、出力を是と判断した場合はステップS33に移行し、出力しないと判断した場合はステップS34に移行する。
例えば、通信セルがセルC01、対象セルがセルC02の場合にデータベースより抽出される成功率c3が低い場合(図10参照)、セル品質が一時的に劣化、または上昇したことでMEASUREMENT-REPORTメッセージが送信されたと判断し、NW1はACTIVE-SET-UPDATEメッセージを出力しないと判定する。逆に成功率c3が高い場合は、通常のソフトハンドオーバー環境と判断し、移動機20へACTIVE-SET-UPDATEメッセージを出力すると判定する。
なお、ステップS32の判断基準は例えば成功率が所定の基準値より高いか低いかで行うが、特に限定されることはない。また、データベース更新する必要性から、成功率が比較的低い場合であっても、NW1はある程度の頻度でACTIVE-SET-UPDATEメッセージを送信(出力)することも判断基準に含められる。成功率とACTIVE-SET-UPDATEメッセージの送信割合の関係については、完全にランダム(極端な場合、成功率に関係なくACTIVE-SET-UPDATEメッセージを常に出力する)でも良いし、あるいは何らかの条件式を用いても良い。
ステップS32で出力と判断した際に実行されるステップS33において、ACTIVE-SET-UPDATEメッセージを出力し、以降、図11に戻って移動機20によるステップS6のソフトハンドオーバー実施判定・制御処理を実行する。
ステップS32で非出力判断した際に実行されるステップS34において、ACTIVE-SET-UPDATEメッセージを出力せず、以降、図11に戻って移動機20によるのステップS6のソフトハンドオーバー実施判定・制御処理を実行することなく処理を終了する。
図13は図11で示したステップS6のソフトハンドオーバー実施判定・制御処理内容を模式的に示す説明図である。同図に示すように、図4で示した実施の形態1のソフトハンドオーバー実施判定処理S51〜S53と同内容の処理を実行後、ステップS53が実施は適切であると判断した場合(Yes)、ステップS54によって、NW1の指示に従ってソフトハンドオーバー制御が実施される。
ステップS54において、移動機20は、NW1より指定されたセルの追加・RAKE合成開始、または削除・RAKE合成解除を実施し、ソフトハンドオーバー制御を実施する。
その後、ステップ56において、ACTIVE-SET-UPDATE-COMPLETEメッセージをNW1へ送信し、ソフトハンドオーバー制御の成功をNW1へ通知する。
さらに、ステップS21において、NW1は内部のデータベース更新処理を実行した後、制御を終了する。すなわち、図10で示したデータベースにおいて、ステップS3のMEASUREMENT-REPORTメッセージより得た通信セル及び対象セルのセル品質に対応する成功率を更新する。この場合、成功率がより高い値に更新されることになる。
図14は図11で示したステップS6のソフトハンドオーバー実施判定・制御処理内容を模式的に示す説明図である。同図に示すように、図4で示した実施の形態1のソフトハンドオーバー実施判定処理S51〜S53と同内容の処理を実行後、ステップS53が実施不適切であると判断した場合(No)、ステップS55によって、NW1の指示に従ったソフトハンドオーバー制御は行わない。したがって、移動機20は、ステップS55では、特に制御は行わず、そのまま通信を継続させる。
その後、ステップS57で、ACTIVE-SET-UPDATE-FAILUREメッセージをNW1へ送信し、ソフトハンドオーバー制御が失敗したことをNW1へ通知する。
ステップS57でACTIVE-SET-UPDATE-FAILUREメッセージを受信したNW1は、ステップS58において、ソフトハンドオーバー制御に関する対象セルの無線信号の送信制御を停止し、即座にソフトハンドオーバー制御前の通信セル状態へと復帰させる復帰処理を行う。NW1が復帰処理を即座に実施することによって、ソフトハンドオーバー制御の失敗が通知されても、通信品質の劣化時間を最短に押さえつつ通信を維持することが可能となる。
さらに、ステップS22において、NW1は内部のデータベース更新処理を実行した後、制御を終了する。すなわち、図10で示したデータベースにおいて、ステップS3のMEASUREMENT-REPORTメッセージより得た通信セル及び対象セルのセル品質に対応する成功率を更新する。この場合、成功率がより低い値に更新されることになる。
このように、ソフトハンドオーバー制御の実施及び不実施の事実がNW1に伝えられ、その後のステップS21及びS22のデータベース更新処理に用いられることにより、NW1はデータベース5の内容を常に最新状態で維持することができる。
なお、図10は、通信セル(Active Set Cell)が1つの状態でのデータベースの例であるが、通信セルが複数存在しているときは、複数セル時における結果をデータベースとして別途集計し、異なるデータベースとして格納・参照すれば良い。
このように、実施の形態3の制御方法によって、移動機20がMEASUREMENT-REPORTメッセージ出力後にソフトハンドオーバー制御の実施の是非を毎回判断するだけでなく、NW1においても、NW1から参照可能なデータベース5として集計している統計結果を用いてACTIVE-SET-UPDATEメッセージの出力の有無を判断することになるため、不要なソフトハンドオーバー制御の実施が実施の形態1及び実施の形態2以上に減少し、より適切にソフトハンドオーバー制御を実施することが可能となり、通信品質が向上する効果を奏する。また、移動機20,NW1間の不必要な送受信メッセージが削減されるため、無線リソースを有効活用することが可能となる効果も奏する。
なお、図11〜図14は実施の形態1の制御方法を基本に実施の形態3の制御方法を示したが、図7のステップS14の処理に置き換えて、図11のステップS30のデータベース判定処理を設ける等により、実施の形態2のソフトハンドオーバー制御方法を基本にした実施の形態3の制御方法を実現することも勿論可能である。
1 ネットワーク(NW)、5 データベース、11,12 基地局、20 移動機、C01〜C04 セル、24 制御部、24a 品質管理部、24b ソフトハンドオーバー処理部、25 内部メモリ。
Claims (12)
- 複数の基地局それぞれから電波の届く範囲で規定される複数のセルからなる通信環境において実行される、移動機のソフトハンドオーバー制御方法であって、
前記通信環境は前記複数の基地局を制御する基地局制御機構をさらに有し、前記移動機は、ソフトハンドオーバー状態のセル内における前記移動機の通信状態を示すセル品質に基づき、所定のソフトハンドオーバー制御条件を満足するか否かを検出するセル品質管理機能を有し、
(a) 前記移動機によって実行され、前記品質管理機能によって前記所定のソフトハンドオーバー制御条件を満足したと判断したとき、ソフトハンドオーバー制御対象となる対象セル内における前記移動機の通信状態を示すセル品質を第1の測定値として測定した後、前記対象セルを指定する情報を含むセル情報を前記基地局制御機構に通信するステップと、
(b) 前記ステップ(a) 後に前記基地局制御機構によって実行され、前記移動機に対しソフトハンドオーバー制御実行の許可を与えるステップと、
(c) 前記ソフトハンドオーバー制御実行の許可に応答して前記移動機によって実行され、前記対象セルの前記セル品質を第2の測定値として測定するステップと、
(d) 前記移動機によって実行され、前記第1及び第2の測定値の比較結果に基づき、前記ソフトハンドオーバー制御の実行の有無を判定するステップと、
(e) 前記移動機によって実行され、前記ステップ(d) で前記ソフトハンドオーバー制御を実行すると判定した場合のみ、前記ソフトハンドオーバー制御を実行するステップと、
を備える移動機のソフトハンドオーバー制御方法。 - 請求項1記載の移動機のソフトハンドオーバー制御方法であって、
前記ソフトハンドオーバー制御条件は、移動機が現在通信している通信セルを、該通信セル周辺の所定の周辺セルに切り替えるための条件を含み、前記対象セルは前記所定の周辺セルを含み、
前記ソフトハンドオーバー制御は移動機が通信する基地局を前記通信セル内の基地局から前記対象セル内の基地局に切り替える制御を含み、
前記ステップ(d) は、前記第2の測定値が前記第1の測定値より質の向上/劣化に基づき、前記ソフトハンドオーバー制御の実行/不実行を判定するステップを含む、
移動機のソフトハンドオーバー制御方法。 - 請求項1記載の移動機のソフトハンドオーバー制御方法であって、
前記ソフトハンドオーバー制御条件は、移動機が現在通信している複数の通信セルのうち、一の通信セルとの通信を削除するための条件を含み、前記対象セルは前記一の通信セルを含み、
前記ソフトハンドオーバー制御は移動機が通信する前記対象セルの基地局を削除する制御を含み、
前記ステップ(d) は、前記第2の測定値が前記第1の測定値より質の劣化/向上を示す場合、前記ソフトハンドオーバー制御の実行/不実行を判定するステップを含む、
移動機のソフトハンドオーバー制御方法。 - 複数の基地局それぞれから電波の届く範囲で規定される複数のセルからなる通信環境において実行される、移動機のソフトハンドオーバー制御方法であって、
前記通信環境は前記複数の基地局を制御する基地局制御機構をさらに有し、前記移動機は、ソフトハンドオーバー状態のセル内における前記移動機の通信状態を示すセル品質に基づき、所定のソフトハンドオーバー制御条件を満足するか否かを検出するセル品質管理機能を有し、
(a) 前記移動機によって実行され、前記セル品質管理機能によって所定のソフトハンドオーバー制御条件を満足したとき、ソフトハンドオーバー制御対象となる対象セルを含むセル情報を前記基地局制御機構に通信するステップと、
(b) 前記ステップ(a) 後に前記基地局制御機構によって実行され、前記移動機に対しソフトハンドオーバー制御実行の許可を与えるステップと、
(c) 前記移動機によって実行され、前記ステップ(a) 後から前記ステップ(b) 後に至る期間を含む所定の期間において、前記所定のソフトハンドオーバー制御条件を継続して満足していたか否かを監視するステップと、
(d) 前記ソフトハンドオーバー制御実行の許可に応答して前記移動機によって実行され、前記ステップ(c) の監視結果を参照し、前記所定のソフトハンドオーバー制御条件の前記所定の期間おける継続した満足の有/無に基づき、前記ソフトハンドオーバー制御の実行/不実行を判定するステップと、
(e) 前記ステップ(d) で前記ソフトハンドオーバー制御の実行を判定した場合のみ、前記ソフトハンドオーバー制御を実行するステップと、
を備える移動機のソフトハンドオーバー制御方法。 - 請求項1ないし請求項4のうち、いずれか1項に記載の移動機のソフトハンドオーバー制御方法であって、
(f) 前記移動機によって実行され、前記ステップ(e) で前記ソフトハンドオーバー制御を実行しなかった場合、前記ソフトハンドオーバー制御の不実行を指示する情報を前記基地局制御機構に通信するステップと、
(g) 前記基地局制御機構によって実行され、前記ステップ(f) で前記ソフトハンドオーバー制御の不実行を指示する情報を得た場合、前記対象セル内の基地局を前記ステップ(b) の前記ソフトハンドオーバー制御実行の許可前の状態に復帰させるステップと、
をさらに備える、
移動機のソフトハンドオーバー制御方法。 - 請求項2ないし請求項4のうち、いずれか1項に記載の移動機のソフトハンドオーバー制御方法であって、
前記基地局制御機構は前記通信セル及び前記対象セルそれぞれのセル品質に対応してソフトハンドオーバー制御の実施成功率が記録されたデータベースを有し、前記セル情報は前記通信セル及び前記対象セルそれぞれの前記セル品質を含み、
前記ステップ(b) は、
前記データベースを参照して得られる、前記セル情報内の前記通信セル及び前記対象セルそれぞれの前記セル品質に対応する実施成功率に基づき、前記ソフトハンドオーバー制御実行の許可を選択的に前記移動機に与えるステップを含む、
移動機のソフトハンドオーバー制御方法。 - 請求項6記載の移動機のソフトハンドオーバー制御方法であって、
前記ステップ(e) は、さらに、前記ソフトハンドオーバー制御の実行/不実行を示すソフトハンドオーバー制御実行情報を前記基地局制御機構に通信するステップを含み、
前記基地局制御機構は前記ソフトハンドオーバー制御実行情報及び前記セル情報に基づき、前記データベースを更新する機能を有する、
移動機のソフトハンドオーバー制御方法。 - 複数の基地局それぞれから電波の届く範囲で規定される複数のセルからなる通信環境において利用される移動機であって、前記通信環境は前記複数の基地局を制御する基地局制御機構をさらに有し、
前記移動機は、ソフトハンドオーバー状態のセル内における前記移動機の通信状態を示すセル品質に基づき、所定のソフトハンドオーバー制御条件を満足するか否かを検出するセル品質管理機能及び所定の記憶部を有し、ソフトハンドオーバー制御を所定のソフトハンドオーバー制御方式に従い実行し、
前記所定のソフトハンドオーバー制御方式は、
(a) 前記品質管理機能によって前記所定のソフトハンドオーバー制御条件を満足したと判断したとき、ソフトハンドオーバー制御対象となる対象セルの前記セル品質を第1の測定値として測定して前記所定の記憶部に保存した後、前記対象セルを指定する情報を含むセル情報を前記基地局制御機構に通信するステップと、
(b) 前記基地局制御機構より、ソフトハンドオーバー制御実行の許可を受けるステップと、
(c) 前記ソフトハンドオーバー制御実行の許可に応答して実行され、前記対象セルの前記セル品質を第2の測定値として測定するステップと、
(d) 前記第1及び第2の測定値の比較結果に基づき、前記ソフトハンドオーバー制御の実行の有無を判定するステップと、
(e) 前記ステップ(d) で前記ソフトハンドオーバー制御を実行すると判定した場合のみ、前記ソフトハンドオーバー制御を実行するステップとを備える、
移動機。 - 請求項8記載の移動機であって、
前記ソフトハンドオーバー制御条件は、移動機が現在通信している通信セルを、該通信セル周辺の所定の周辺セルに切り替えるための条件を含み、前記対象セルは前記所定の周辺セルを含み、
前記ソフトハンドオーバー制御は移動機が通信する基地局を前記通信セル内の基地局から前記対象セル内の基地局に切り替える制御を含み、
前記ステップ(d) は、前記第2の測定値が前記第1の測定値より質の向上/劣化に基づき、前記ソフトハンドオーバー制御の実行/不実行を判定するステップを含む、
移動機。 - 請求項8記載の移動機であって、
前記ソフトハンドオーバー制御条件は、移動機が現在通信している複数の通信セルのうち、一の通信セルとの通信を削除するための条件を含み、前記対象セルは前記一の通信セルを含み、
前記ソフトハンドオーバー制御は移動機が通信する前記対象セルの基地局を削除する制御を含み、
前記ステップ(d) は、前記第2の測定値が前記第1の測定値より質の劣化/向上を示す場合、前記ソフトハンドオーバー制御の実行/非実行を判定するステップを含む、
移動機。 - 複数の基地局それぞれから電波の届く範囲で規定される複数のセルからなる通信環境において利用される移動機であって、前記通信環境は前記複数の基地局を制御する基地局制御機構をさらに有し、
前記移動機は、ソフトハンドオーバー状態のセル内における前記移動機の通信状態を示すセル品質に基づき、所定のソフトハンドオーバー制御条件を満足するか否かを検出するセル品質管理機能を有し、ソフトハンドオーバー制御を所定のソフトハンドオーバー制御方式に従い実行し、
前記所定のソフトハンドオーバー制御方式は、
(a) 前記セル品質管理機能によって所定のソフトハンドオーバー制御条件を満足したとき、ソフトハンドオーバー制御対象となる対象セルを含むセル情報を前記基地局制御機構に通信するステップと、
(b) 前記基地局制御機構より、ソフトハンドオーバー制御実行の許可を受けるステップと、
(c) 前記移動機によって実行され、前記ステップ(a) 後から前記ステップ(b) 後に至る期間を含む所定の期間において、前記所定のソフトハンドオーバー制御条件が継続して満足していたか否かを監視するステップと、
(d) 前記ソフトハンドオーバー制御実行の許可に応答して前記移動機によって実行され、前記ステップ(c) の監視結果を参照し、前記所定のソフトハンドオーバー制御条件の前記所定の期間おける継続した満足の有/無に基づき、前記ソフトハンドオーバー制御の実行/非実行を判定するステップと、
(e) 前記ステップ(d) で前記ソフトハンドオーバー制御を実行すると判定した場合のみ、前記ソフトハンドオーバー制御を実行するステップと、
を備える移動機。 - 請求項8ないし請求項11のうち、いずれか1項に記載の移動機であって、
前記ソフトハンドオーバー制御方式は、
(f) 前記ステップ(e) で前記ソフトハンドオーバー制御を実行しなかった場合、前記ソフトハンドオーバー制御の不実行を指示する情報を前記基地局制御機構に通信するステップをさらに備える、
移動機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006130206A JP2007306115A (ja) | 2006-05-09 | 2006-05-09 | 移動機のソフトハンドオーバー制御方法及び移動機 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006130206A JP2007306115A (ja) | 2006-05-09 | 2006-05-09 | 移動機のソフトハンドオーバー制御方法及び移動機 |
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Family Applications (1)
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JP2006130206A Withdrawn JP2007306115A (ja) | 2006-05-09 | 2006-05-09 | 移動機のソフトハンドオーバー制御方法及び移動機 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009171477A (ja) * | 2008-01-21 | 2009-07-30 | Hitachi Communication Technologies Ltd | 無線通信システムおよび無線通信システムにおけるソフトハンドオフ制御方法 |
JP2011507449A (ja) * | 2007-12-17 | 2011-03-03 | エレクトロニクス アンド テレコミュニケーションズ リサーチ インスチチュート | セキュアトンネルを用いた移動性支援方法 |
US8433362B2 (en) | 2010-07-19 | 2013-04-30 | Denso Corporation | Handover control apparatus |
-
2006
- 2006-05-09 JP JP2006130206A patent/JP2007306115A/ja not_active Withdrawn
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