JP2007304561A - 液晶表示装置の駆動装置 - Google Patents

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博司 高原
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秀樹 峯
Seiji Kawaguchi
聖二 川口
Tomoyuki Maeda
智之 前田
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Abstract

【課題】優れた表示コントラストを実現して動画視認性が向上する液晶表示装置の駆動装置を提供する。
【構成】黒書込期間のコモン信号VCOMを、映像書込期間のコモン信号VCOMよりも大きくする。黒書込期間では、コモン電圧信号VCOM=VmHまたはVmLである。他の映像書込期間b、映像保持期間では、コモン電圧信号VCOM=VcHまたはVcLである。外部からの映像信号は、1フレーム期間かけて内蔵RAMに書き込む(Write)。RAMに書き込んだデータは4倍速で読み出され(Read)、液晶表示装置の表示画面の画素に書き込む。コモン電圧信号VCOMは、1フレーム毎に極性反転する。黒書込期間では、バックライト18を消灯させる。
【選択図】 図30

Description

本発明は、高コントラスト表示及び良好な動画表示性能を有する液晶表示装置の駆動装置に関するものである。
近年、液晶テレビの実用化が進み、動画表示性能の改善が要望されている。動画表示性能の改善方法として、黒電圧駆動方式がある。黒電圧方式は、垂直同期信号に同期した横帯状の黒表示部を表示画面の上部から下部に向って移動される。バックライトは常時点灯状態である。横帯状の黒表示部を表示画面の上部から下部に向って移動されることにより、画像表示は間欠表示となる(例えば、特許文献1参照)。
この黒電圧駆動は、動画表示においてCRTに近いインパルス型の輝度応答を擬似的に作り出すことから、観察者の視覚に生じる網膜残像をクリアして物体の動きを滑らかに見せるために有効である。
また、映像信号書き込み走査期間と補助信号を印加する補助信号書き込み走査期間とを有し、映像信号書き込み走査期間と補助信号書き込み走査期間とで異なるコモン電圧を印加し、ソ−スドライバの耐圧を増加させてソ−ス信号の電圧範囲を広げなくても、コモン電圧によって補助信号書き込み走査期間に液晶容量に印加される電圧Vlcの範囲を広げて液晶の応答速度を速くする液晶表示装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−202491公報 特開2000−259129公報
表示画面に黒表示部を挿入することにより、動画表示性能は良好となる。特に黒表示部が表示画面に占める割合が大きいほど、動画表示性能は改善される。従来の駆動方法では、バックライトは常時点灯している。したがって、表示画面に挿入された黒表示部においても、光漏れが発生する。そのため、表示コントラストが低下するという課題が発生する。また、黒表示部に入射するバックライトからの光は利用されないから、光利用効率は低下する。以上のことから、従来の黒表示部の挿入による駆動方法では、動画表示性能は改善するが、コントラストが低下し、光利用効率も低下して消費電力が低下するという課題があった。
本発明は、複数本のソース信号線と複数本のゲート信号線とが互いに直交するように配線され、前記ソース信号線と前記ゲート信号線とが交差する近傍に画素スイッチング素子が形成されることにより、複数の画素がマトリックス状に配されて表示領域が形成されたアレイ基板と、前記アレイ基板に液晶層を挟んで配された対向電極を有する対向基板と、を含む液晶表示パネルを有する液晶表示装置の駆動装置において、
(1)1フレーム中における第1の期間に黒電圧を前記各画素に書き込み、(2)前記1フレーム中における前記第1の期間後の第2の期間に映像信号を前記各画素に書き込む映像表示制御部と、
(1)前記第1の期間においてコモン電圧VmHを前記対向電極に印加し、次の前記第2の期間においてコモン電圧VcH(但し、VmH>VcHである)を印加し、(2)前記1フレームの次の1フレーム中の第1の期間においてコモン電圧VmLを前記対向電極に印加し、次の前記第2の期間においてコモン電圧VcL(但し、VmL<VcL<VcHである)を印加するコモン電圧印加部と、
を有する液晶表示装置の駆動装置である。
本発明は、複数本のソース信号線と複数本のゲート信号線とが互いに直交するように配線され、前記ソース信号線と前記ゲート信号線とが交差する近傍に画素スイッチング素子が形成されることにより、複数の画素がマトリックス状に配されて表示領域が形成されたアレイ基板と、前記アレイ基板に液晶層を挟んで配された対向電極を有する対向基板と、を含む液晶表示パネルを有する液晶表示装置の駆動装置において、
(1)1フレーム中における第1の期間に黒電圧を前記各画素に書き込み、
(2)前記1フレーム中における前記第1の期間後の第2の期間に映像信号を前記各画素に書き込み、
(3)前記第1の期間に画素に印加する黒電圧の大きさは、前記第2の期間に前記画素に印加する映像信号の大きさにより決定する映像表示制御部と、
を有する液晶表示装置の駆動装置である。
本発明によれば、1フレームを黒書込期間、映像書込期間など複数の区分に分割する。また、黒書込を行う期間(黒書込期間)に印加する黒電圧信号を、パネル温度に対応させて変化させる。このように駆動することにより、優れた表示コントラストを実現し、また、動画視認性を飛躍的に向上させる。また、パネルに入力する映像信号、黒電圧信号の速度をパネルの映像信号処理に対応させることにより、パネルモジュールのフレームメモリ量を削減できる。
以下、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置について図面を参照して説明する。
(1)液晶表示装置の回路構成
図1は、本実施形態の液晶表示装置の回路構成を概略的に示す。
液晶表示装置は液晶表示パネル19、液晶表示パネル19を照明するバックライト18、及び液晶表示パネル19及びバックライト18を制御するコントローラ回路11、バックライト18を駆動するバックライトドライバ回路17を備える。
液晶表示パネル19は一対の電極基板であるアレイ基板15及び対向基板361間に液晶層364を挟持した構造である。液晶層364は、TN液晶、OCBモード(Optically compensated Bend)液晶、IPS(In Plane Switching)液晶、VA(Vertically Aligned)液晶が例示される(図36参照)。
アレイ基板15は、例えばガラス等の透明絶縁基板上に略マトリクス状に配置される複数の画素電極23、複数の画素電極23の行に沿って配置される複数のゲート信号線G(G1〜Gm)、複数の画素電極23の列に沿って配置される複数のソース信号線S(S1〜Sn)を有する。また、アレイ基板15には、ゲート信号線G及びソース信号線Sの交差位置近傍に配置された複数の画素スイッチング素子Qを有する。各画素スイッチング素子Qは例えば薄膜トランジスタからなり、薄膜トランジスタのゲートがゲート信号線Gに接続され、薄膜トランジスタのソースがソース信号線Sに、薄膜トランジスタのドレインが画素電極23間に接続される。
対向基板361は、例えばガラス等の透明絶縁基板上に配置される赤(R)、緑(G)、青(B)の着色層からなるカラーフィルタ、及び複数の画素電極23に対向してカラーフィルタ上に配置される対向電極362等を含む。なお、カラーフィルタは、アレイ基板15の画素電極23側に形成してもよい。カラーフィルタは、画素電極23上または下層に形成される。
各画素電極23及び対向電極362は例えばITO等の透明電極材料からなり、互いに平行にラビング処理される配向膜でそれぞれ覆われ、画素電極23及び対向電極362からの電界に対応した液晶分子配列に制御される液晶層364の一部である画素領域と共に画素16を構成する(図36を参照のこと)。
なお、IPS(In Plane Switching)液晶表示パネルでは、対向電極362は、アレイ基板側に形成され、対向電極362とは、面状ではなく線状の信号線である。この信号線も電極としての機能を有し、この信号線と画素電極間に液晶分子が配されるため対向電極である。
複数の液晶画素16は各々画素電極23及び対向電極間に液晶容量LCを有する。そして、例えば前記容量部を行方向に接続し捕縄容量とし、複数の補助容量線C1〜Cmは各々対応行の液晶画素16の画素電極23に容量結合して補助容量Csを構成しても良い。
液晶表示装置11は、スイッチング素子Qを行単位に導通させるように複数のゲート信号線G1〜Gmを順次駆動するゲートドライバ回路12、各行のスイッチング素子Qが対応ゲート信号線Gの駆動によって導通する期間において画素電圧を複数のソース信号線S1〜Snにそれぞれ出力するソースドライバ回路14を有する。また、液晶表示装置は、バックライト18を駆動するバックライトドライブ回路17を備える。
図1の構成では、ゲートドライバ回路12は、表示画面20の片側に配置されている。ゲートドライバ回路12はゲート信号線Gを順次選択する。図2では、ゲートドライバ回路12は、表示画面20の両側に配置されている。一方のゲートドライバ回路12は、奇数(ODD)番目のゲート信号線Gを選択する。他方のゲートドライバ回路12は、偶数(EVEN)番目のゲート信号線Gを選択する。
図1、図2の構成は、ソースドライバ回路14とゲートドライバ回路12を具備する構成である。しかし、ソースドライバ回路12とゲートドライバ回路12は、図3に図示するように1チップ化してもよい。図3のように、1チップ化することにより、ゲートドライバ回路機能とソースドライバ回路機能との同期が取りやすくなり、両回路の電源回路、ロジック回路などの共通部分を集約することにより、低コスト化が可能となる。
図3の構成では、ゲートソースドライバIC31の左右のゲートドライバ回路が形成されている。ゲートソースドライバICの右側には、ゲート信号線G(ODD)の200出力分の出力回路が形成されている。ゲートソースドライバICの左側には、ゲート信号線G(EVEN)の200出力分の出力回路が形成されている。各出力回路にはゲート信号線Gが接続されている。また、各ゲート信号線Gは千鳥配置となっている。
なお、ゲートソースドライバIC31は、ICに限定するものではなく、ゲート信号線Gを選択する機能及びソース信号線Sに印加する映像信号(ソース信号)を発生できる機能などを有するものであればいずれ形態でもよい。例えば、ディスクリート部品の組み合わせによる回路でもよい。また、低温あるいは高温ポリシリコンプロセス技術などを用いて、画素16のトランジスタQと同時に作製してもよい。以上の事項はソースドライバ回路14、ゲートドライバ回路12、コントローラ回路11にも適用される。
本発明の液晶表示装置では、図1、図2、図3の構成のいずれに限定するものではない。説明を容易にするため、本明細書では、図3のように構成されているとして説明を行う。なお、表示領域のドット数は、240RGBx400ドットであるとする。また、ゲート信号線Gは1本毎に左右方向に引き出されているとする。
図29は図3のゲートソースドライバIC31のブロック図である。IC31には、入力映像信号は、所定フレームレートのRGB映像信号、水平同期信号HD、垂直同期信号VDが入力される。入力映像信号は、順次ラッチされラッチ回路1(298)に保持される。ラッチ回路1には、1画素行分のRGBデータがラッチされる。次のHDにより、ラッチ回路1のデータはラッチ回路2にコピーされる。ラッチ回路2(298b)のデータは、RAM297に書き込まれる。RAM297は、表示画面20の1画面分のRGBデータを保持する。
RAM297の容量は、入力映像信号のフレームレートと、ソース信号線Sと接続される1R〜240B端子から出力される出力映像信号のフレームレートが同一の場合は、1画面分である。出力映像信号のフレームレートが入力映像信号のフレームレートの1.25倍の時は、最低限、1画面分の画像データx1.25倍が必要である。出力映像信号のフレームレートが入力映像信号のフレームレートの1.5倍の時は、最低限、1画面分の画像データx1.5倍が必要である。出力映像信号のフレームレートが入力映像信号のフレームレートの2倍の時は、最低限、2画面分の画像データが必要である。本発明のゲートソースドライバIC31では、変換するフレームレートに対応させて必要なRAM容量を内蔵している。
図34、図35などで説明するガンマ回路294から、6ビットの電圧(V0〜V63)が出力される。
RAM297から、HD信号に同期して1画素行のデータが読み出される。電圧選択回路296は、RAM296から読み出されたデータに対応してガンマ回路294の電圧から1つを選択する。選択された電圧は、出力アンプ回路295でアンプされ、ソース信号線S(1R〜240B)に出力される。なお、293は映像信号処理(制御)回路である。
ゲートドライバ部292は、ゲート信号線Gのタイミング処理回路と、ゲート信号線Gの選択回路を有している。コモン信号部290はVCOM信号を発生する。また、転移回路299の制御により、対向電極362に転移電圧を出力する。転移シーケンスなどに関しては図38、図52、図53などで説明する。
電圧発生回路291は、本体からのバッテリー電圧Vinから、必要な電圧(AVDD、DVDD、VGH、VGL)などを発生する。また、転移回路299で使用する転移電圧を発生する。DVDDはコントローラ回路300のロジック電圧であり、AVDDはソースドライバ部293、コモン信号部290のアナログ電圧である。
コントローラ回路300は、電圧発生回路291、ゲートドライバ部292、ソースドライバ部293、コモン信号部290、転移回路299のタイミング制御、動作を制御する制御回路である。17はバックライトドライブ回路である。バックライトドライブ回路は図1、図4で説明するようにバックライト18のオンオフ制御をする。また、図39で説明する温度制御回路を有する。
(2)駆動方式の説明
図5は、基本的な本実施形態の液晶表示装置の駆動方法の概念を図示している。本実施形態では液晶表示パネル19の動作とバックライト18の動作とが同期をとって制御される。1フレーム(1画像を書き換え、画像表示する周期あるいは区分)は3つの動作区分に分離される。本明細書での1フレームとは、1画面を書き換える周期ではない。黒書込期間、映像書込期間、映像保持期間の1連の動作の周期が1フレームである。なお、理解を容易にするために、1フレーム(1F)は1/4を単位あるいは1フレームの1/2を単位として分割あるいは処理されるとする。
(2−1)黒書込期間
1フレーム(1F)の最初の1F/4の期間(黒書込期間)は、黒電圧を書き込む期間である。表示画面20には、画面上部から順次、黒電圧が印加される。なお、説明を容易にするため、最初の1F/4の期間に黒電圧(黒表示状態となる映像信号あるいは映像データ)を印加すると説明する。また、黒電圧と表現しているが、黒電圧もソース信号線Sを介して画素16に書き込む映像信号である。
黒電圧を印加するとは、液晶層364に液晶層の透過率が低くなる電圧を印加することである。液晶層364に印加される電圧は、対向電極362に印加されるコモン電圧と画素電極23に印加される電圧で主として決められる。液晶は交流デバイスであるから、液晶層に印加される電圧の絶対値で、液晶層の透過率は決定される。したがって、黒電圧の大きさを変化するとは、コモン電圧が一定の場合は、画素電極23に印加される映像信号としての黒電圧の変化させることである。画素電極23に印加される映像信号が一定の場合は、コモン電圧を変化させることである。黒電圧の大きさは、コモン電圧と映像信号としての黒電圧で決定される。したがって、黒電圧を変化させるとは、コモン電圧と、映像信号としての黒電圧のいずれか一方を変化させればよい。黒書込期間に印加する黒電圧を第1の映像信号、映像書込期間に印加する映像信号を第2の映像信号と考えることもできる。
なお、液晶の透過率とは、偏光板の偏光特性との作用により画素に入射する光と、偏光板から出射する光の比率である。しかし、技術的には液晶層の配向状態が変化し、液晶の透過率が変化すると言う。
黒書込期間aは、映像書込期間bが開始されるまでの時間である。黒書込期間aには、ソース信号線Sに黒電圧を出力し、画素16に黒電圧を書き込んでいる期間(黒書込期間)と、黒電圧を画素に書き込んでから保持している黒電圧保持期間(ブランキング期間を含む)が含まれる。黒電圧保持期間とは、黒書込終了した時点から開始される。
黒電圧保持期間には、ゲートソースドライバIC31のソースドライバ部から、ソース信号線Sに所定電圧が出力される。所定電圧は、VOPHとVOPLとの中間電位とすることが好ましい。実際には、所定電圧は、(VOPH−VOPL)/2−1(V)以上、(VOPH−VOPL)/2+1(V)以下の電圧である。もしくは、所定電圧は、ソースドライバ部の電源電圧AVDDの20%以上80%以下の電圧である。黒電圧保持期間に印加する電圧を保持電圧と呼ぶ。保持電圧が上記範囲以外では、画素リークが発生しやすく、好ましくない。
上記所定の保持電圧は映像保持期間にも印加される。なお、保持電圧は、黒電圧保持期間と映像保持期間に印加されるが、黒電圧保持期間と映像保持期間では、ソース信号線Sは、ハイインピーダンスとしてもよい。つまり、ソースドライバ部とソース信号線Sとを切り離す。また、黒電圧保持期間または映像保持期間の最初は、所定の保持電圧をソース信号線Sに印加し、途中で、ハイインピーダンスとしてもよい。
保持電圧は、図45に図示するように、ブランクデータとしてRAM領域に書き込まれている。このブランクデータをDA変換し、極性反転処理などを実施して、保持電圧を得る。ブランクデータは、液晶表示装置に入力される映像信号の一部として取得してもよい。また、ブランクデータは、図46のフォーマットに格納してもよい。
本実施形態ではこの期間に印加する電圧は、黒電圧に限定するものではない。表示画面20に印加する所定電圧と考えるべきである。所定電圧は、画素が黒表示あるいは黒表示近傍となる電圧であることが好ましいが、低階調を表示する電圧であってもよい。つまり、黒電圧とは、低階調の電圧である。また、視覚的に認識されにくい電圧または視覚的に認識されにくい階調に対応する電圧である。つまり、黒電圧とは、0階調目に対応する電圧だけでなく、広範囲の明るさあるいは輝度に対応する電圧の意味を含んでいる。視覚的に認識されにくい場合は白表示(高階調)を表示する電圧であってもよい。本実施形態では、黒電圧を書き込む時には、バックライト18は消灯状態であるため、黒書込期間で、白表示(高階調)となっても画像が視認されることがないからである。以上のように黒書込期間に印加する所定電圧は、黒電圧に限定するものではないが、本明細書では理解を容易にするため、または、説明を容易にするため、黒書込期間に印加する所定電圧は、低輝度となる黒電圧であるとして図36を参照しながら黒書込期間を説明をする。
黒書込期間は、映像信号(ソース信号)は黒階調信号を印加し、対向電極362などにはコモン電圧信号VCOMを印加することにより、液晶層364に最高階調あるいはノーマリホワイトモードでは黒表示、ノーマリブラックモードでは白表示となるようにするものである。OCB液晶では黒書込み期間に、高い映像信号(ソース信号)電圧を液晶層364に印加することにより、逆転移を防止し、また、ベンド配向状態を維持させることに技術的意義がある。以上のことから、本実施形態の駆動方式は、液晶表示パネルのモードがノーマリホワイトでも、ノーマリブラックモードでも適用することができる。以上の事項は、本実施形態の他の実施形態においても適用される。
黒書込期間に印加する所定電圧は、表示画面20全体に一定の電圧を印加する場合もあるが、赤(R)色の画素に印加する電圧、緑(G)色の画素に印加する電圧、青(B)色の画素で印加する電圧を異ならせることもある。RGBの画素で、最適な黒電圧が異なる液晶モードもあるからである。また、それぞれの画素16に画像表示させるために、後の映像書き込み期間で画素に書き込む映像信号(映像データ)に対応させて、所定電圧を異ならせてもよい。つまり、黒書込期間に書き込まれる所定電圧は、画素毎に異なる。
(2−2)映像書込期間
黒書込期間の次の1F/4の期間は、表示画面20の画面上部から順次、表示画像が書き込まれる。1フレームの1/4の期間で表示画像が書き込まれる。したがって、表示画像(映像)の書込み速度は、4倍速である。通常の液晶表示パネルにおいて、1/4の画面を書き換える期間で、1画面を書き換える。表示画面20は、上辺から順次画像が書き換えられる。映像書込期間では、映像信号に対応する映像電圧を画素16に印加する。この映像書込期間においても、バックライト18は消灯状態である。したがって、画像を書き換えている状態は視認されない。この期間は、ゲートドライバ回路12が動作し、ゲートソースドライバIC31が出力する電圧を順次画素に書き込む。
映像書込期間に映像信号を印加するとは、液晶層364に電圧を印加することである。液晶層364に印加される電圧は、対向電極362に印加されるコモン電圧と画素電極23に印加される電圧で主として決められる。したがって、液晶層に印加する電圧の大きさを変化するとは、コモン電圧が一定の場合は、画素電極23に印加される映像信号の変化させることである。画素電極23に印加される映像信号が一定の場合は、コモン電圧を変化させることである。液晶層364に印加する電圧の大きさは、コモン電圧と映像信号とで決定される。したがって、映像書込期間に液晶層364に印加する電圧を変化させるとは、コモン電圧と、映像信号のいずれか一方を変化させればよい。
(2−3)映像保持期間
映像書込み期間の後の期間は映像保持期間である。映像保持期間は、1フレームの1/2(2/4)の期間である。正確には、1フレーム期間から、黒書込期間と映像書込期間を差し引いた期間である。
1フレームの後半の2F/4(=1F/2)の期間は、映像書込期間で先に書き換えられた画像を保持する期間である。この期間は、ゲートドライバ回路12の動作は停止する。したがって、使用する電力は微少である。ゲートドライバ回路12の動作は停止するが、ソースドライバ回路は、各ソース信号線にあらかじめ設定された電圧を出力する。出力する電圧は、中間階調の電圧である。ソース信号線14の電位がフローティングとなり、画素16の電位が不安定になることを抑制するためである。
本明細書の実施形態において、映像保持期間c(c1、c2)に、バックライト18を常時点灯させるとしたが、本実施形態はこれに限定するものではない。映像保持期間cなどにおいて、バックライト18を高速に点滅制御して、バックライト18から放射する光量を調整し、明るさを制御してもよい。つまり、映像保持期間cで画像を見えるようにすることが本実施形態の技術的思想であり、また、黒書込期間aなどで液晶表示パネルの画像が見えないようにすることが本実施形態の技術的思想である。
なお、映像保持期間c1及びc2、もしくはいずれか一方の映像保持期間においても画素16に映像書込期間bと同様に映像信号を書き込んでもよい(図24(b)などを参照のこと)。コモン信号は一定電圧を保持する。映像保持期間c1またはc2において、選択する画素行を複数画素行としてもよい(図25、図26などを参照のこと)。
バックライトは、映像保持期間cなどにおいて1KHz以上15KHzの周波数で点滅させてもよい。黒書込期間a、映像書込期間bではバックライトは消灯させる。もしくは、略消灯状態に制御する。但し、この期間にバックライト18を点灯させないことに本実施形態が限定されるものではない。また、映像保持期間cにバックライト18を点灯させることに本実施形態が限定されるものではない。例えば、反射型表示パネルでは、映像保持期間であっても、バックライトは必要でない。外光による画像が表示されるからである。本発明は、液晶表示パネルの画像表示のフレームレートに同期させてバックライト18を点滅させる。基本的には黒書込期間と映像書込期間にバックライト18を消灯させ、映像保持期間にバックライト18を点灯させる。バックライトの点灯時間は、パネル温度が所定温度より低い場合あるいは周辺輝度が所定輝度より明るい場合は、バックライト18の点灯時間を長くする。一定以上、点灯時間が長くなると、点灯期間は、黒書込期間と映像書込期間のうち、少なくとも一方の期間においても点灯状態が継続する。もしくは、点灯が早期に開始される。バックライトの点灯時間は、パネル温度が所定温度より高い場合あるいは周辺輝度が所定輝度より暗い場合は、バックライト18の点灯時間を短くする。一定以上、点灯時間が短くなると、点灯期間は、映像保持期間のうち、一部の期間しか点灯しない。映像保持期間に入ってからも、消灯状態が継続する。
バックライト18は液晶表示パネルの照明手段である。白色LEDを有するバックライト、蛍光管を有するバックライトが例示される。また、投射型表示装置においては、液晶表示パネル(ライトバルブ)を照明する放電等(HIDランプ、高圧水銀灯、キセノンランプ)などがバックライト18である。また、バックライト18にはフロントライトなどのパネル全面から放射光を液晶表示パネルに照射するものも含まれる。
(2−4)画像の間欠表示
従来の横帯状の黒表示部を画面の上下に走査する駆動方式でも、画像表示は間欠表示となる。したがって、動画表示性能は向上する。しかし、バックライト18は常時点灯状態であるから、コントラスト低下と消費電力の増大を招く。本実施形態では、黒書込期間は、バックライト18はオフ(消灯)状態である。したがって、視覚的には完全黒表示状態であり、コントラスト低下は発生しない。また、バックライト18からの光も発生しないので、光利用効率が低下することもない。
また、次の画像書込期間は、前フレームの画像が順次書き換えられるから、視覚的に見えれば「動画ぼけ」が発生する。しかし、この期間もバックライト18が消灯状態であるので、画像を書き換えている状態が視覚的に認識されない。視覚的には完全黒表示状態である。
以上のように、黒書込期間、映像書込期間では、画像が書換られることにより、本来なら動画視認性を低下させる状態であるが、バックライト18を消灯させることにより、視覚的に認識されることがない。
1フレームの後半の1F/2の期間は、映像書込期間に書き換えられた画像が保持される。また、この期間は画像が書き換えられないので、1F/2の期間をみれば完全に安定した画像表示状態である。この期間はバックライト18が点灯しているので、画像は視覚的に認識される。
映像保持期間で点灯させたバックライト18を、黒書込期間aの最初の期間(最初の近傍)まで継続して点灯させてもよい。継続して点灯させることにより、表示コントラストの低下、輝度傾斜が発生する可能性があるが、画面の明るさは向上できる。同様に、映像書込期間bの最後の期間(最後の近傍)でバックライト18を点灯させてもよい。早期にバックライト18を点灯させることにより、輝度傾斜が発生する可能性があるが、画面の明るさは向上できる。したがって、本実施形態の駆動方法では、黒書込期間a、映像書込期間bでは、バックライト18は完全に消灯することに限定されない。少なくとも、黒書込期間a、映像書込期間bの一定の期間でバックライト18を消灯させると考えるべきである。もしくは、黒書込期間a、映像書込期間bの所定期間にバックライト18を消灯させると考えるべきである。バックライト18を点灯継続させる所定期間は、黒書込期間aの0倍以上0.2倍以下の期間(消灯させる期間は、黒書込期間の0.8倍以上1.0倍以下)にすることにより実用上十分な画像表示を保持できる。また、バックライト18を早期に点灯開始する所定期間は、映像書込期間bの0倍以上0.2倍以下の期間(消灯させる期間は、映像書込期間bの0.8倍以上1.0倍以下)にすることにより実用上十分な画像表示を保持できる。
また、映像保持期間cにおいても、バックライト18の点灯期間を短くすると、画面輝度は低下するが、表示コントラストは高くなる。したがって、本実施形態の駆動方法は、映像保持期間cの所定期間にバックライトを点灯させると考えるべきである。バックライト18を点灯させる所定期間は、映像保持期間cの0.7倍以上1.0倍以下の期間(消灯させる期間は、黒書込期間の0倍以上0.3倍以下)にすることにより良好な画像表示を実現できる。
以上のように、黒書込期間a、映像書込期間bに、「バックライト18を消灯させる」とは、前記期間の所定期間あるいは一定の期間にバックライト18を消灯させることを意味し、全期間を消灯させることに限定されるものではない。映像保持期間cに、「バックライト18を点灯させる」とは、前記期間の所定期間あるいは一定の期間にバックライト18を点灯させることを意味し、全期間を点灯させることに限定されるものではない。
以上のように、本実施形態の駆動方法では、コントラスト低下を引き起こす可能性のある黒書込期間、動画ぼけを発生させる可能性のある画像書込期間(映像信号書き換え期間)では、バックライト18を消灯状態とすることにより画質低下を防止する。1フレームの後半の2F/4(=1F/2)の期間では、書き換えた画像をそのまま保持することにより動画ボケが発生しないようにする。1F/2でバックライト18を消灯し、残りの1F/2の期間でバックライト18を点灯させることにより、画像表示を間欠表示状態とする。したがって、非常に良好な動画表示を実現できる。後半の2F/4(=1F/2)の期間は、ゲートドライバ回路12、ソースドライバ回路14は動作を実質上停止させているため、低消費電力も実現できる。
(2−5)ゲート信号線Gとソース信号線S
ゲート信号線Gは、奇数(ODD)1〜200、偶数(EVEN)1〜200が形成させている。つまり、ゲート信号線Gの総数は、400本である。ソース信号線Sは、240RGB画素分が形成されている。したがって、総数は、240x3である。
図6は、ゲート信号線Gとソース信号線Sとのタイミングチャート図である。内部の水平同期信号(内部H)毎に、選択するゲート信号線G位置は順次シフトされる。
なお、内部Hとしているのは、液晶表示装置に印加される映像信号の水平同期信号(外部H)と区別するためである。内部Hは、本実施形態の液晶表示装置の内部クロック信号(CLK)から、発生させた同期信号である。
内部の垂直同期信号(内部V)について同様である。液晶表示装置に印加される映像信号の垂直同期信号(外部H)と区別するためである。内部Hは、本実施形態の液晶表示装置の内部クロック信号(CLK)から、発生させた同期信号である。内部Hと内部Vとは、同期が取れている。
内部Hに同期して、ゲート信号線GのX_ODD1、X_EVEN1、X_ODD2、X_EVEN2、X_ODD3、X_EVEN3、・・・・・・・・・X_ODD200、X_EVEN200と選択される。ゲート信号線Gの選択に同期して、ソース信号線Sには、映像データあるいは黒電圧が印加される。
(2−6)黒書込期間の可変とバックライト点灯
図5は黒書込期間などの映像信号(ソース信号)の印加状態と、バックライト18の点灯、消灯状態を示した説明図である。図5において、1フレーム期間(フレームレート)は、90Hz(1秒間に90回、画像を書き換える)としている。1フレーム期間は、少なくとも70Hz以上にする。液晶表示装置に入力されるフレームレートが70Hzより小さい場合(例えば、60Hz、50Hz)の場合は、本実施形態の液晶表示装置でフレームレートを70Hz以上に変換する。
1フレームは、内部V(液晶表示装置の内部動作で用いる垂直同期信号)に同期している。また、ゲート信号線Gの選択は、内部H(液晶表示装置の内部動作で用いる水平同期信号)に同期している。
先の実施形態では黒書込期間は、1F/4期間とした。この期間は、長くすることも有効である。図5ではt1期間として示している。黒書込期間は、表示画面20の上辺から順次、黒電圧を書き込む。下辺まで書き込む期間は、1F/4期間である。ゲートドライバ回路12は、ゲート信号線GのODD1からEVEN200まで選択する。ゲートソースドライバIC31は、黒電圧をソース信号線Sに出力し、ゲート信号線Gの選択に対応して、前記黒電圧を画素16に書き込む。ゲートソースドライバIC31がソース信号線Sに出力する信号は、フレーム毎に極性を反転させる。
表示画面20に黒電圧の印加終了までの期間は、1F/4である。黒電圧の印加が終了した時点で、ゲートソースドライバIC31は、全てのゲート信号線Gを非選択とし、動作を停止する。ソース信号線Sには、黒電圧が印加された状態とする。ソース信号線Sの電位を安定させるためである。
画素16の液晶層364は、黒電圧に印加直後から変化する。しかし、変化には一定の時間を必要とする。黒書込期間の1F/4期間が終了した時点で、画面上部の画素16は、黒電圧印加による変化が完了している。しかし、画面下部の画素16は黒電圧を印加してからほとんど時間が経過していないため、変化が完了していない。画面下部の画素16の変化が完了するまで、待機する時間がt1期間である。t1期間を所定時間設けないと、表示画面20の上部と下部で、輝度傾斜などが発生する場合がある。t1期間は、長くとも1F/4の期間である。
a期間は、液晶のモードにより異なる。TN液晶モードは比較的長く設定する必要がある。OCB液晶モードは、液晶分子の応答性が速いため、短期間でよい。また、液晶は、温度依存性がある。そのため、外部温度をサーミスタなどの温度センサで検出(測定)し、t1期間を変化できるように構成することが好ましい。t1期間後、映像書込期間が開始する。
映像書込期間は、1F/4である。ゲートドライバ回路12は、ゲート信号線GのODD1からEVEN200まで選択する。ゲートソースドライバIC31は、画素に対応した映像信号(映像データ)をソース信号線Sに出力し、ゲート信号線Gの選択に対応して、前記映像信号(ソース信号)を画素16に書き込む。映像保持期間は、1F期間−(黒書込期間+t1期間+映像書込期間)となる。なお、黒書込期間aは、t1時間を含むと考えてもよい。黒書込期間には、画素に黒電圧を書き込んでいる期間(黒電圧期間)と、黒電圧を保持する期間(黒電圧保持期間)と、温度により変化させる期間t1が含まれる。
バックライト18は、映像書込期間が終了した時点で点灯させる。但し、映像書込期間においても、画素16の液晶の応答時間がある。映像書込期間が終了した時点で、画面上部の画素16は、映像信号印加による変化が完了している。しかし、画面下部の画素16は映像信号(ソース信号)を印加してからほとんど時間が経過していないため、変化が完了していない。したがって、黒書込期間と同様のt2期間を設けることが好ましい。このt2期間は、最大でも黒書込期間のt1期間以下である。映像信号の応答性による画面の変化は、画面の輝度傾斜などが発生せず、悪影響が少ないからである。
バックライト18は、映像保持期間の終了した時点で、点灯させる。点灯にも待機時間t2を設けることが好ましい。待機時間t2が長いほど、画面輝度は明るくなる。待機時間t2の間は、黒書込期間である。画面上部から黒電圧が書き込まれる。画面20の下部は、映像表示が継続している。
待機期間bは、画面上部の輝度が低下する。しかし、液晶の応答性には一定の時間が必要である。黒電圧が印加されても一定の期間は前の映像表示が継続している。そのため、待機期間t2には、表示画面20の上部、下部とも映像表示が継続している状態があるので、待機期間t2を設けることにより表示画面20の明るさを向上させることができる。
待機期間bは、液晶のモードにより異なる。TN液晶モードは比較的長く設定することができる。OCB液晶モードは、液晶分子の応答性が速いため、短期間でないと、バックライト18の電力効率が低下する。また、液晶は、温度依存性がある。そのため、外部温度をサーミスタなどの温度センサで検出(測定)し、b期間を変化できるように構成することが好ましい。
バックライト18の点灯、消灯タイミングの開始位置は、以下のように設定している。開始位置は、点灯、消灯とも1フレームの開始位置としている。1フレームの開始位置は、本液晶表示装置の内部垂直同期信号である。1フレームの開始位置で、バックライト18の消灯タイミングをカウントする消灯カウンタがリセットされる。また、バックライト18の点灯タイミングをカウントする点灯カウンタがリセットされる。
消灯カウンタの値が、設定値と一致したとき、バックライト18は消灯する。点灯カウンタの値が、設定値と一致したとき、バックライト18は点灯する。設定値は、外部記憶のEEPROMに値が格納されている。EEPROMに格納された値は、マイコンなどにより書き換えることができる。t1期間、t2期間は、内部H(液晶表示装置の内部動作で用いる水平同期信号)を1単位として設定される。
以上の実施形態では、t1期間、t2期間を、温度により変化させるとした。その他、外部照度に対応させて変化させてもよい。外部照度は、PINホトダイオード(ホトセンサ)を液晶表示装置の外部に配置し、前記ホトセンサの出力電流などにより、その大きさを検出あるいは測定する。
外部照度が高い場合は、表示画面のコントラストは低くてもよい。画面の輝度を高くすることが望まれる。この場合は、バックライト18の点灯時間を長くすることが有効である。待機時間t2を長く設定する。外部照度が低い場合は、表示画面20の輝度は必要がないが、表示画面のコントラストを高くすることが望まれる。この場合は、待機時間t2を短くあるいは0に設定する。待機時間t2は、マイコンにより書き換えて設定する。
OCB液晶表示パネルでは、低温時において逆転移が発生しやすくなる場合がある。したがって、パネル温度に対応させて、黒書込期間aを可変することは効果がある。また、黒書込期間aを短縮し、映像保持期間c(c1、c2)を長くすることによりバックライト18の点灯期間を長くでき高輝度表示を実現できる。
パネル温度とは、液晶表示パネルの表示領域の温度であることが好ましい。実際には、パネル周辺部の温度、筐体内部の温度をパネル温度として代用する。また、外気温でパネル温度を推定する。これらのいずれの場合も、本明細書で言うパネル温度に該当する。
t1期間の可変あるいは調整は、液晶表示パネルに表示する画像が静止画と動画で変化させることも効果がある。動画の場合は、黒書込期間aを長くするほど動画表示性能が向上する。静止画の場合は、動画表示性能を向上させる必要はない。黒書込期間aを減少させ、フリッカの発生を抑制することに効果がある。動画の場合と静止画の場合で、伝送される入力フレームレートを可変してもよい。動画の場合は、フレームレートが低くともよい。静止画の場合は、入力フレームレートを高くしてフリッカを抑制する。以上の事項は本実施形態の他の実施形態にも適用される。また、本実施形態の他の実施形態と組み合わせて実施することができる。
(2−7)コモン信号
図7は、コモン信号の変化を記載している。図7において、黒書込期間をa期間とし、映像込期間をb期間とし、映像保持期間をc1、c2とする。なお、説明を容易にするため、図5のように、t1期間、t2期間を考慮せず、黒書込期間a、映像書込期間b、映像保持期間c1、c2はそれぞれ、1F/4期間とする。
コモン信号は、1フレーム毎に、極性を反転させる。コモン信号は、Vcntを中心として、VcH、VcL間を振幅する。VcH、VcLの値は液晶モードにより異なり、また、液晶の透過率、輝度、温度により異なる。
バックライト18は、映像保持期間c(c1、c2)にON(点灯)し、黒書込期間a、映像書込期間bでOFF(消灯)する。
(2−8)フレーム反転駆動
本実施形態は図8に図示するように、基本的にはフレーム反転方法を採用する。また、対向電極362にコモン電圧信号VCOMを印加し、1フレーム毎に極性の異なる電圧を印加する。図8において、画素16に記入した”+”は、正極性の映像信号またはコモン電圧が印加された状態を示している。画素16に記入した”−”は、負極性の映像信号またはコモン電圧が印加された状態を示している。
図8(a)は、奇数フレームでの正極性の映像信号またはコモン電圧の書き換えが完了した状態を示している。図8(b)は、偶数フレームでの負極性の映像信号またはコモン電圧の書き換えが完了した状態を示している。
前フレームで保持された画像は画面20の上部から順次黒表示書き換えられ、1F/4の期間で液晶表示パネル19の画像表示状態は、黒表示となる。
次の1F/4の期間は、表示画面20の画面上部から順次、表示画像が書き込まれる。つまり、画像の書込み速度は、4倍速である。通常の液晶表示パネルにおいて、1画素行を書き換える期間で、4画素行を書き換える。
1フレームの後半の2F/4(=1F/2)の期間は、先に書き換えられた画像を保持する期間である。この期間は、ソースドライバ回路14、ゲートドライバ回路12の動作は停止する。したがって、使用する電力は微少である。
バックライト18は1フレームの前半の1F/2の期間は消灯状態に制御される。つまり、黒書込期間と、画面書き換え期間(映像信号書き換え期間)ではバックライト18は非点灯(消灯)状態であるから、液晶表示パネル19の画像表示状態は見えない。
(2−9)RAMへの書き込み
本実施形態は、1F/4の期間で映像信号を表示画面20に書き込む。したがって、4倍速で画像を書き込む必要がある。そのため、液晶表示装置の外部から入力される映像信号を1フレーム期間保持するRAM(メモリ回路)が必要である。
図9は、メモリへの書き込みと読み出しを説明する説明図である。なお、映像書込み期間、黒書込期間などは、1F/4とする。しかし、この表現は正確ではない。1フレーム(1F)期間には、ブランク期間tpが存在するからである。映像書込み期間、黒書込期間などは、正確には(1F期間−tp)/4がとなる。しかし、理解を容易にするため、映像書込み期間、黒書込期間、映像保持期間は1F/4を単位として書込みあるいは動作が行われるものとする。説明を容易にするため1フレーム期間にブランキング期間tpは0とする。黒電圧の表示画面への書込み、映像信号の表示画面への書込みは、1F/4で行うとする。1F/4はゲート信号線Gの1番目から最終番目のゲート信号線Gまで選択する期間である。また、1画面を書き換える時間である。1F/4は1フレームの1/4として考えるよりは、表示画面の全ての画素を選択する期間あるいは、電圧を印加する期間あるいは全てのゲート信号線G選択する期間として考えるほうが適切である。
RAM(書換可能なメモリSRAM)は1画面分の画像データを保持する容量を持っている。RAMは1画素行(240RGBx6ビット)単位で入出力できる構成である。したがって、RAMは、表示画面20の表示画素行分+α画素行分を有している。なお、α画素行分としては、後に図44で説明する。
RAMとしては、DRAM、SRAMの他、フラッシュメモリが例示される。なお、固定データは、ROMでもよい。
なお、ゲートソースドライバIC31が保有するRAMは1ブロックい限定されるものでない。複数ブロックのRAMを保有してもよい。複数ブロックのRAMには、異なる映像信号データを書込みあるいは保持させ、保有するRAMブロックから1画素行ずつを読み出せは、同時に複数画素行を読み出せ、液晶表示装置の画素行に書き込むことができる。したがって、高速書込みが可能になる。
本実施形態の液晶表示装置は、400画素行であるから、メモリは240RGBx6bitx400画素行分となる。図9では、RAM構成を画素行の概念と同様とし、RAMのメモリ位置をメモリ行位置1〜400として示している。つまり、メモリ行位置=画素行位置としている。例えば、10画素行目の240RGBx6bitのデータは、メモリ行位置の10行位置に保持されており、10画素行目に書き込む映像データは、メモリ行位置の10行位置から読み出される。また、20画素行目の240RGBx6bitのデータは、メモリ行位置の20行位置に保持されており、20画素行目に書き込む映像データは、メモリ行位置の10行位置から読み出される。
外部から液晶表示装置に入力される映像信号は、図9の点線(write)で示すように1F期間かけてRAMに格納される(0〜4F/4期間)。なお、この1F期間は、ブランキング期間tpがある場合には、(1フレーム−tp)期間である。黒電圧に関しても、外部から液晶表示装置に入力される黒信号として入力してもよい。但し、この場合は、黒電圧を保持するRAMが必要となる。しかし、各画素で最適な黒電圧を設定できるため、良好な黒書込を実現できる。
本実施形態では、黒電圧(黒書込期間に画素に印加する映像データ)は、外部のEEPROM394に書き込まれている。黒電圧は、RGBの画素で異なる電圧とするが、R、G、B画素ではそれぞれ固定である。したがって、RGBそれぞれに1byteのデータ領域を設定している。例えば、R画素の黒電圧は00H(16進数、6ビット)とし、G画素の黒電圧は02Hとし、R画素の黒電圧は01Hとする。
黒書込用データがRAMに書き込まれているときは、RAMのデータを3F/4〜4F/4期間にメモリ1行目から400行目までを順次読み出し、4倍速で表示画面20に書き込む。黒書込期間は、実線で図示している。外部のEEPROMにRGB画素毎に異なる電圧が書き込まれている場合は、EEPROMのデータをゲートソースドライバIC31のラッチ回路にコピーをし、コピーしたデータを3F/4〜4F/4期間に4倍速で表示画面20に書き込む。
外部のEEPROMにRGB画素毎に異なる電圧が書き込まれている場合は、あらかじめ設定されたEEPROMのデータを使用する。したがって、RAMデータの読み出しとは競合しない。そのため、黒電圧を書き込む期間は、3F/4〜4F/4期間に限定されない。例えば、5F/8〜7F/8期間に行ってもよい。
黒書込期間は、図5でも説明したように延長される場合がある。図5、図9ではt1として示している。黒書込延長期間t1の経過後、映像書込期間が開始される。ブランキング期間tpがある場合は、映像書込期間は、ブランキング期間から開始される。図9では、映像書込期間を一点鎖点で示している。映像書込期間が完了すると、バックライト18をON(点灯)させる。映像保持期間は、映像書込期間後、黒書込期間の開始までである。
(2−10)変更例
(2−10−1)対応電極に印加するコモン電圧
図7で説明したように、対向電極362に印加するコモン信号VCOMは、1フレーム毎に変化するとした。つまり、第1フレームがVCOM=VcHであれば、第2フレームではVCOM=VcLとし、第3フレームでは、VCOM=VcHとなるように制御した。
しかし、本実施形態はこれに限定するものではない。液晶層364には、交流駆動を実施し、一定の周期で印加する電圧の極性が変化すればよい。また、任意のフレームと次のフレームで正極性の実効値と負極性の実効値が略一致すればよい。対向電極362に印加するコモン電圧信号VCOMは、画素16に印加する電圧に対して正極性と負極性で実効値が印加され、フリッカが発生しないように印加すればよい。したがって、対向電極362に印加する電圧信号には多くの方法が例示される。コモン電圧信号VCOMは、コモンセンター電圧Vcntに対して非対称でもよい。例えば、VcH−VcntとVcnt−VcLが異なっていてもよい。
(2−10−2)変更例1
図6で図示して説明しているように、ゲート信号線Gは1番目(ODD1)から400番目(EVEN200)まで順次選択するとした。しかし、本実施形態はこれに限定するものではない。例えば、1F/8期間に、ゲート信号線Gの奇数番目(ODD1〜ODD200)を選択し、次の1F/8期間に、ゲート信号線Gの偶数番目(EVEN1〜EVEN200)を選択してもよい。ソース信号線Sには、選択した画素行に対応する映像データまたは黒電圧を順次印加する。ソース信号線Sに印加する極性は、1F/8期間は同一極性となる。したがって、ゲートソースドライバIC31の使用電力を低減できる。また、フリッカの発生も抑制しやすい。
以上の実施形態では、消費電力の低減とフリッカの抑制を両立できるという利点があるものの、極低温などで液晶の応答が遅くなった場合に横筋が発生することがある。例えば1行目(奇数行)と2行目(偶数行)の画素16に注目したとき、これら画素16に対する書込開始タイミングは奇数ラインの映像信号書込走査と偶数ラインの映像信号書込走査との時間差だけずれる。ここで、液晶の応答に遅れがあると、画素透過率の遷移がバックライト18の点灯前に完了せず、奇数行の画素16と偶数行の画素16との間に透過率の差が生じ、この差による輝度差が横筋として観察されることになる。
この輝度差を目立たなくさせるために、バックライト18の点灯タイミングを遅らせるとよい。以上のように本実施形態はバクライト18のオンオフを映像信号に同期させている。また、バックライト18の点灯あるいは消灯タイミングを変化させることができる。
(2−10−3)変更例2
また、図10に図示するように、映像信号の保持期間c1、c2でコモン電圧信号VCOMを極性反転させてもよい。図10のように、対向電極362に印加するコモン電圧信号VCOMを極性反転されることにより、反転周期が等しくなり、輝度傾斜、フリッカを減少させることができる。ソース信号線Sに印加する映像信号あるいは黒電圧の極性は、コモン電圧の極性に適合するように反転させる。
図10において、バックライト18は、各フレームのc1、c2期間に対応させて点灯させる。黒書込期間であるa期間、映像信号の書込み期間であるb期間は消灯させる。
図10で図示するように、第1フレーム(第1F)のa、b期間では、コモン信号VCOM=VcHである。映像保持期間であるc1期間はコモン信号VCOM=VcLであり、c2期間はコモン信号VCOM=VcHである。つまり、映像保持期間でコモン信号の極性を反転させている。また、映像保持期間のc1期間と、c2期間の長さは同一(略一致)としている。
第1フレームの次の第2フレーム(第2F)では、第1フレーム(第1F)とコモン信号の極性を反転させて印加する。したがって、液晶層364には2フレーム期間で交流駆動が実現される。
第2フレームのa、b期間では、コモン信号VCOM=VcLである。映像保持期間であるc1期間はコモン信号VCOM=VcHであり、c2期間はコモン信号VCOM=VcLである。つまり、映像保持期間でコモン信号の極性を反転させている。
第3フレーム(第3F)でのコモン信号VCOMは、第1フレームと同一である。なお、コモン信号は、パネル温度に対応させて変化させるとよい。
(2−10−4)変更例3
図11は、図10の変更例である。図11においても、バックライト18は、各フレームのc1、c2期間に対応させて点灯させる。黒書込期間であるa期間、映像信号の書込み期間であるb期間ではバックライト18は消灯させる
図11で図示するように、第1フレーム(第1F)の黒書込期間であるa期間では、コモン信号VCOM=VcHである。次の映像書込期間であるb期間と、映像保持期間であるc1期間はコモン信号VCOM=VcLであり、c2期間はコモン信号VCOM=VcHである。つまり、黒書込期間と映像書込期間でコモン信号の極性を反転させるとともに、映像保持期間でコモン信号の極性を反転させている。黒書込期間aの期間と、映像書込期間のb期間の長さは一致(略一致)させている。また、映像保持期間のc1期間と、c2期間の長さは同一(略一致)としている。
第1フレームの次の第2フレーム(第2F)では、第1フレーム(第1F)とコモン信号の極性を反転させて印加する。したがって、液晶層364には2フレーム期間で交流駆動が実現される。
第2フレームのa期間では、コモン信号VCOM=VcLである。映像書込期間であるb期間では、コモン信号VCOM=VcHである。映像保持期間であるc1期間はコモン信号VCOM=VcHであり、c2期間はコモン信号VCOM=VcLである。つまり、第1フレームと同様に、黒書込期間と映像書込期間でコモン信号の極性を反転させるとともに、映像保持期間でコモン信号の極性を反転させている。黒書込期間aの期間と、映像書込期間のb期間の長さは一致(略一致)させている。また、映像保持期間のc1期間と、c2期間の長さは同一(略一致)としている。
第3フレーム(第3F)でのコモン信号VCOMは、第1フレームと同一である。なお、コモン信号は、パネル温度に対応させて変化させるとよい。
(2−10−5)変更例4
以上の実施形態は、ゲート信号線GをG1、G2、G3、G4、G5・・・・・と順次選択する駆動方法であった。しかし、本実施形態はこれに限定するものではない。mを画表示領域20の画素行数としたとき、図10に図示するように、奇数番目のゲート信号線Gi(ODDi、但し、iは1以上の整数であり、最大値は画素行数/2)と、偶数番目のゲート信号線Gi(EVENi、但し、iは1以上の整数であり、最大値は画素行数/2)とを千鳥引き出しで接続する。
図3のように構成することにより、奇数番目のゲート信号線G(奇数番目の画素行)にゲートソースドライバIC31が出力する映像信号を極性変化なしで順次印加することができる。次に、偶数番目のゲート信号線G(偶数番目の画素行)にゲートソースドライバIC31が出力する映像信号を極性変化なしで順次印加することができる。また、映像信号の極性にあわせてコモン信号VCOMの極性を変化させる。
図12は、図3の液晶表示装置の構成において、印加するコモン信号の変化を図示したものである。図12では、EVENのゲート信号線Gが動作している状態をRの符号をつけ、ODDのゲート信号線Gが動作している状態をLの符号をつけている。
例えば、aRと記述すれば、偶数番目のゲート信号線Gを選択して黒書込を行っている期間aであることを示す。bLと記述すれば、奇数番目のゲート信号線Gを選択させて映像信号書込みを行っている期間bであることを示す。
aR+aLの長さは図11のa期間と同一である。aRの期間とaLの期間は同一にしている。したがって、ゲートドライバ回路12aとゲートドライバ回路12bの動作周波数は同一である。bR+bLの長さは図11のb期間と同一である。bRの期間とbLの期間は同一にしている。
図12では、画素に印加する信号は、aR、aL、bR、bL、c1、c2期間となっている。したがって、aR期間で、偶数番目の画素行に黒電圧を印加してから、次にaL期間で、奇数番目の画素行に黒電圧を印加する。また、bR期間で、偶数番目の画素行に映像信号圧を印加してから、次にbL期間で、奇数番目の画素行に映像信号を印加する。
対向電極362に印加するコモン信号VCOMは、以下のように印加する。第1フレーム(第1F)では、aR期間には、VCOM=VcHを印加する。したがって、偶数画素行に黒電圧信号を印加している期間の対向電極362には、VcH電圧が印加される。次のaL期間には、VCOM=VcLを印加する。したがって、奇数画素行に黒電圧信号を印加している期間の対向電極362には、VcL電圧が印加される。
第1フレーム(第1F)のbR期間には、VCOM=VcHを印加する。したがって、偶数画素行に映像信号を印加している期間の対向電極362には、VcH電圧が印加される。次のbL期間には、VCOM=VcLを印加する。したがって、奇数画素行に映像信号を印加している期間の対向電極362には、VcL電圧が印加される。 第1フレームの映像信号の保持期間(c1、c2)には、VCOM=VcH電圧を印加する。
第1フレームの次の第2フレーム(第2F)は、第1フレームと逆極性となるようにVCOM電圧を対向電極362に印加する。つまり、第2フレーム(第2F)では、aR期間には、VCOM=VcLを印加する。したがって、偶数画素行に黒電圧信号を印加している期間の対向電極362には、VcL電圧が印加される。次のaL期間には、VCOM=VcHを印加する。したがって、奇数画素行に黒電圧信号を印加している期間の対向電極362には、VcH電圧が印加される。
第2フレーム(第2F)のbR期間には、VCOM=VcLを印加する。したがって、偶数画素行に映像信号を印加している期間の対向電極362には、VcL電圧が印加される。次のbL期間には、VCOM=VcHを印加する。したがって、奇数画素行に映像信号を印加している期間の対向電極362には、VcH電圧が印加される。第1フレームの映像信号の保持期間(c1、c2)には、VCOM=VcL電圧を印加する。
第3フレーム(第3F)でのコモン信号VCOMは、第1フレームと同一である。なお、コモン信号は、パネル温度に対応させて変化させるとよい。
以上のようにVCOM電圧を発生し、印加することにより、第1フレームと第2フレーム、つまり奇数フレームと偶数フレームで液晶層364に交流電圧が印加される。
(2−10−6)変更例5
図13は、図12の変形例である。図12に比較して、VCOM信号電圧の変化点を少なくすることにより低電力化を実現している。
図13では、対向電極362(共通電極)に印加するコモン信号VCOMは、以下のように印加する。第1フレーム(第1F)では、aR期間には、VCOM=VcHを印加する。したがって、偶数画素行に黒電圧信号を印加している期間の対向電極362には、VcH電圧が印加される。次のaL期間には、VCOM=VcLを印加する。したがって、奇数画素行に黒電圧信号を印加している期間の対向電極362には、VcL電圧が印加される。
第1フレーム(第1F)のbR期間には、VCOM=VcHを印加する。したがって、偶数画素行に映像信号を印加している期間の対向電極362には、VcH電圧が印加される。次のbL期間には、VCOM=VcLを印加する。したがって、奇数画素行に映像信号を印加している期間の対向電極362には、VcL電圧が印加される。第1フレームの映像信号の保持期間(c1、c2)には、bL期間に印加されたVCOM電圧の極性を維持する。したがって、コモン信号VCOM=VcL電圧を印加する。
第1フレームの次の第2フレーム(第2F)は、第1フレームと逆極性となるようにVCOM電圧を対向電極362に印加する。つまり、第2フレーム(第2F)では、aR期間には、VCOM=VcLを印加する。したがって、偶数画素行に黒電圧信号を印加している期間の対向電極362には、VcL電圧が印加される。次のaL期間には、VCOM=VcHを印加する。したがって、奇数画素行に黒電圧信号を印加している期間の対向電極362には、VcH電圧が印加される。
第2フレーム(第2F)のbR期間には、VCOM=VcLを印加する。したがって、偶数画素行に映像信号を印加している期間の対向電極362には、VcL電圧が印加される。次のbL期間には、VCOM=VcHを印加する。したがって、奇数画素行に映像信号を印加している期間の対向電極362には、VcH電圧が印加される。第1フレームの映像信号の保持期間(c1、c2)には、bL期間に印加されたコモン電圧の極性を維持する。したがって、コモン信号VCOM=VcH電圧を印加する。
第3フレーム(第3F)でのコモン信号VCOMは、第1フレームと同一である。なお、コモン信号は、パネル温度に対応させて変化させるとよい。
以上のようにVCOM電圧を発生し、印加することにより、第1フレームと第2フレーム、つまり奇数フレームと偶数フレームで液晶層364に交流電圧が印加される。
以上の実施形態では、消費電力の低減とフリッカの抑制を両立できるという利点があるものの、極低温などで液晶の応答が遅くなった場合に横筋が発生することがある。例えば1行目(奇数行)と2行目(偶数行)の画素16に注目したとき、これら画素16に対する書込開始タイミングは奇数ラインの映像信号書込走査と偶数ラインの映像信号書込走査との時間差だけずれる。ここで、液晶の応答に遅れがあると、画素透過率の遷移がバックライト18の点灯前に完了せず、奇数行の画素16と偶数行の画素16との間に透過率の差が生じ、この差による輝度差が横筋として観察されることになる。もし、この輝度差を目立たなくさせるために、バックライト18の点灯タイミングを遅らせるとよい。以上のように本実施形態はバクライト18のオンオフを映像信号に同期させている。また、バックライト18の点灯あるいは消灯タイミングを変化させることができる。
(2−10−7)変更例6
以上の実施形態は、表示領域に映像信号を4倍速で画像を書き込む実施形態であった。しかし、本実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、図14に図示するように、6倍速で映像信号を書き込むように構成してもよい。
図14において、a期間、b期間、c1期間、c2期間、c3期間、c4期間のそれぞれの長さは同一である。したがって、1F/6の期間で黒挿入駆動を実施し、次の1F/6の期間で映像信号を書き込む。4F/6(=2F/3)の期間は映像信号の保持期間である。
バックライト18は映像信号の保持期間の間に点灯させる。黒書込期間a、映像書込期間bは消灯させて、画像表示を見えなくする。
コモン信号VCOMは1フレーム毎に極性反転するように図示しているがこれに限定するものではない。図10〜図13の方式を適用してもよいことは言うまでもない。
また、図15のように、対向電極22に印加するVCOM電圧を極性反転されることにより、反転周期が等しくなり、輝度傾斜、フリッカを減少させることができる。
(2−10−8)変更例7
以上の実施形態は、ソースドライバ回路14がソース信号線Sに出力する信号極性反転方式は、フレーム反転あるいはカラム反転方式であるとしたが、本実施形態はこれに限定するものではない。図16、図17、図18などの駆動方式を採用してもよい。コモン信号VCOMはソースドライバ回路14が出力する信号極性(画素16に印加する信号極性)に対応させて極性(VcH、VcL)を変化させればよい。
図8はフレーム反転駆動の実施形態である。図8(a)は奇数フレームの画素16の映像信号の極性状態を示している。また、図8(b)は偶数フレームの画素16の映像信号の極性状態を示している。図8などにおいて、”+”は画素16に正極性の映像信号が保持されている状態を示している。”−”は画素16に負極性の映像信号が保持されている状態を示している。
図16は1ライン反転駆動の実施形態である。図16(a)は奇数フレームの画素16の映像信号の極性状態を示している。また、図16(b)は偶数フレームの画素16の映像信号の極性状態を示している。1ライン反転駆動は1H反転駆動とも呼ぶ。1画素行毎に画素16に印加する映像信号の極性を反転させる。
図17は2ライン(2H)反転駆動の実施形態である。図17(a)は奇数フレームの画素16の映像信号の極性状態を示している。また、図17(b)は偶数フレームの画素16の映像信号の極性状態を示している。2ライン反転駆動は2H反転駆動とも呼ぶ。2画素行毎に画素16に印加する映像信号の極性を反転させる。
図18は4ライン反転駆動の実施形態である。図18(a)は奇数フレームの画素16の映像信号の極性状態を示している。また、図18(b)は偶数フレームの画素16の映像信号の極性状態を示している。4ライン反転駆動は4H反転駆動とも呼ぶ。4画素行毎に画素16に印加する映像信号の極性を反転させる。
以上のように複数画素行毎に画素16に印加する信号極性を変化させる。同時に、あるいは同期させてコモン信号の極性を変化させる。
なお、以上の実施形態は、画素行単位で画素16に印加する映像信号の極性を反転させるものであった。しかし、画素列単位で画素16に印加する映像信号の極性を反転させてもよい。1画素列単位に画素16に印加する映像信号の極性を逆にすることに限られず、例えば2画素列単位、あるいは3画素列単位に画素16に印加する映像信号の極性を逆にするようにしてもよい。
また、本実施形態は映像信号の保持期間cで映像信号の書込み動作を停止することに制限されるものではない。c1期間、c2期間で映像信号の書込み動作をおこなってもよい。書き込む画像データは変化がないから、バックライト18を点灯させた状態でも画質劣化が発生することはなく、また動画表示性能も維持される。
映像信号の書込み走査は1回である必要は無く、3回、4回、・・・、と繰り返しても構わない。2回目以降の映像信号の書込み走査は、バックライト18の点灯期間中に行ってもよい。映像信号の書込み走査を実施しても、画素16に書き込む画像データは同一であるから画像表示状態に変化は発生しないからである。もちろん、2回目以降の走査が完了した後にバックライトの点灯を開始しても構わない。また、本来の映像保持期間(c1、c2)において映像信号書込みを行っても良い。このような映像信号の書込み走査の回数、あるいはバックライト18の点灯タイミングに関しては、ソースドライバ14にかかる負担や必要輝度等を勘案した上で適当な条件を採用すればよい。
本実施形態の実施形態において、液晶応答の遅れに起因して画面20の上端行と下端行との透過率応答が異なるために輝度傾斜が生じることもある。このような輝度傾斜は複数の画素の行を選択する垂直走査方向を、例えば奇数フレームで上端行から下端行に向って走査し偶数フレームで下端行から上端行に向って走査するような形式で1フレーム期間毎に逆にすることにより抑制できる。また、発生する輝度傾斜に対応させて、映像信号の振幅変調を実施してもよい。また、発生する輝度傾斜に対応させて、コモン信号の振幅値を変調させてもよい。
(3)フレームレート変換
本実施形態では、液晶表示装置の外部から、第1のフレームレート(例えば、60Hz)の映像信号が印加される。この映像信号は、液晶表示装置の内部のRAMに格納され、4倍速の映像信号(1F/4)としてソース信号線Sに印加される。第1のフレームレートと、ソース信号線Sに印加されるフレームレートとは同一場合がある。ソース信号線Sに印加される映像信号は、その周波数は4倍速であれば、画像を表示する周期としてのフレームレートは60Hzで同一の場合がある。以上のように本実施形態の駆動方式意は、入力された映像信号を高速にしてソース信号線Sに印加するものである。または表示画面20に映像信号を書き込むものである。
(3−1)フリッカ視感度
本実施形態は、バックライト18を点滅させることにより、動画表示性能を向上させることを1つの効果としている。1フレーム間隔でバックライト18をオンオフ(点灯、消灯)させることにより、画像表示を間欠表示させる。間欠表示により動画視認性が飛躍的に向上する。しかし、フレームレートが低いとフリッカが視認される。
NTSCでは60Hz(60コマ/秒)、PAL(50コマ/秒)であるから、そのまま間欠表示を実施したのではフリッカの発生により画像表示品位が低下する。
図23に図示するように、横軸のフレーム周波数と縦軸のフリッカ視感度係数は相関がある。フリッカ視感度係数は、大きいほどフリッカが認識しやすいことを示す。フリッカ視感度係数は、0.25以下をする必要がある。
図23より、50Hz、60Hzで本実施形態の駆動方法(間欠表示)を実施するとフリッカが視認される。フレームレートは、70Hzを越えたあたりから視認されにくくなり、72Hzでフリッカ視感度係数は0.25以下となる。80Hz以上ではほぼフリッカの発生はなくなる。90Hz以上ではフリッカは認識されない。しかし、フレームレートを上げすぎると動画視認性が低下する(動画ボケが発生する)。動画視認性は、100Hzを超えたあたりから低下し、150Hz以上ではバックライトを点滅することによる間欠表示による動画視認性の向上効果はなくなる。
本実施形態の駆動方式では、フレームレートは、72Hz以上としている。また、フレームレートは150Hz以下としている。入力信号のフレームレートが、72Hz以下の場合は、入力フレームレートを本実施形態の駆動方式、回路などにより1.25倍、1.5倍あるいは2倍に変換して出力し、液晶表示パネルに印加する。以上の方式とすることにより、低コスト化を実現できる。入力信号のフレームレートが、72Hz以上の場合は、入力フレームレートと同一のフレームレートで画像を表示する。フレームレートは、液晶表示装置に入力され入力フレームレートの1.20倍以上1.60倍以下にすることが好ましい。
基本的には、本実施形態の表示装置ではフレームレート変換を実施せず、入力フレームレートを維持したまま出力フレームレートとする。本実施形態の表示装置では、黒書込期間aなど、図5、図9などで説明したフォーマットに適合するように入力信号を変換する。なお、フレームレート変換を実施しないことに限定されるものではなく、必要なフレームメモリを本実施形態のパネルモジュールに搭載し、フレームレート変換を実施してもよいことはいうまでもない。
(3−2)フレームレート変換
このフリッカの発生課題に対して、本実施形態は、フレームレート変換を実施している。図22にその実施形態を記載している。なお、入力(元の入力フレームレート)が60Hzの場合を例示している。1は入力フレームレートを変換なしで出力する場合である(出力60Hz)。黒書込期間には、4倍速で黒電圧(映像信号)を画素16に書き込む必要がある。
2は入力フレームレートを1.25倍して、75Hzで出力する場合である。内蔵RAMからは、入力映像信号の1.25x4倍速で読み出し、黒電圧(映像信号)を画素16に書き込む必要がある。
3は入力フレームレートを1.5x4倍して、90Hzで出力する場合である。内蔵RAMからは、入力映像信号の1.5x4倍速で読み出す必要がある。4は入力フレームレートを2.0倍して、120Hzで出力する場合である。入力映像信号の2x4倍速で読み出し、黒電圧(映像信号)を画素16に書き込む必要がある。
図22の変換方式欄は、入力のフレーム番号を記載している。入力画像は、第1Fを”1”と記載し、第2Fを”2”と記載し、第3Fを”3”と記載している。以下同様である。したがって、出力60Hzの変換方式は、フレームレート変換が不用であるから、入力画像はそのまま、出力画像として、1、2、3、4、5、6、・・・・・・・と表示される。
1の出力60Hz(フレームレート60Hzと呼ぶ)の場合は、フレームレート変換は必要ない(変換なし)。したがって、入力画像はそのまま、出力画像として、1、2、3、4、5、6、・・・・・・・と表示される。
図22の2の出力75Hz(フレームレート75Hzと呼ぶ)の場合は、入力画像の4コマを出力画像の5コマに変換(フレームレート変換)する必要がある。したがって、入力画像の4コマのうち、いずれかのコマを重複して出力する必要がある。したがって、出力画像として、aは、1、2、3、4、4、5、6、7、8,8・・・・・・・と表示される例である。bは、1、1、2、3、4、5、5、6、7、8,・・・・・・・と表示される例である。cは、1、2、2、3、4、5、6、6、7、8・・・・・・・と表示される例である。dは、1、2、3、4、4、5、6、7、8,8・・・・・・・と表示される例である。
入力画像を1.25倍して出力画像とする2の方式では、4コマを5コマに変換する必要がある。この変換において、同一の表示が4コマで1コマ発生するため、出力画像表示が”カタカタ”とぎこちなく変化する。しかし、実用上は問題ない場合がほとんどである。回路構成も簡単となり、使用するRAMサイズも小さい。
図22の3の出力90Hz(フレームレート90Hzと呼ぶ)の場合は、入力画像の2コマを出力画像の3コマに変換(フレームレート変換)する必要がある。したがって、入力画像の2コマのうち、いずれかのコマを重複して出力する必要がある。したがって、出力画像として、aは、1、1、2、3、3、4、5、5、6、7、7、8・・・・・・・と表示される例である。bは、1、2、2、3、4、4、5、6、6、7、8、8・・・・・・・と表示される例である。
入力画像を1.5倍して出力画像とする3の方式では、2コマを3コマに変換する必要がある。この変換において、同一の表示が2コマで1コマ発生する。同一のコマの発生頻度が高いため、出力画像表示は、滑らかである。また、フレームレート変換の回路構成、方式も簡単である。したがって、3の入力画像を1.5倍に変換する方式が好ましい。
図22の4の出力120Hz(フレームレート120Hzと呼ぶ)の場合は、入力画像の1コマを出力画像の2コマに変換(フレームレート変換)する必要がある。したがって、入力画像は、全て2コマに重複して出力する必要がある。したがって、出力画像として、1、1、2、2、3、3、4、4、5、5、6、6、7、7、8、8・・・・・・・と表示される。
入力画像を2倍して出力画像とする4の方式では、1コマを倍速にして2コマに変換する必要がある。この変換において、同一の表示が重複して発生する。出力画像表示は、滑らかである。また、フレームレート変換の回路構成、方式も簡単である。しかし、入力画像1コマが2コマに変換されて表示されるため、画像が連続して見える。したがって、動画視認性が低い(動画ボケが発生しやすい)。
以上のことから、フレーム変換方式は、3の入力フレームレートを1.5倍して出力フレームレートとする方式を採用することが好ましい。もしくは、1.25倍にする方式を採用する。
(3−2)フレーム変換回路
フレームレート変換を実施するためには、画像を1フレームまたは2フレーム分を保持するフレームメモリ(RAM)が必要となる。フレームメモリはコストアップの要因となる。また、本実施形態は黒書込期間a、映像書込期間b、映像保持期間c(c1、c2)を発生させるため、基本的には映像信号の処理は4倍速となる。映像信号の処理速度を上げることはEMI対策が必要で、EMI対策は、コストアップの要因となる。
図21は本実施形態の駆動方式の説明図である。本実施形態は、入力信号を本実施形態の駆動方式に適合しやすいようにしている。本実施形態の駆動方式の実施形態は、入力信号のフォーマットも含む。
図21の第1F、第2F、・・・・・は、入力信号のフレームレートでもあるが、出力フレームレートでもある。入力フレームレートは、60Hzではなく、1.25倍の75Hz、1.5倍の90Hzなど高いフレームレートである。つまり、入力信号をフリッカが視認しにくいフレームレートで伝送する。本実施形態の表示装置ではフレームレート変換を実施せず、入力フレームレートを維持したまま出力フレームレートとする。本実施形態の表示装置では、黒挿入書込み期間aなど、図10などで説明したフォーマットに適合するように入力信号を変換する。
フレームレートとは、1画面を書き換える単位である。図5では、黒書込期間+映像書込期間+映像保持期間を1単位として、この単位が1秒間に60回実施されるとフレームレート60である。図9では、黒書込期間(黒書込期間+黒電圧保持期間)+映像書込期間+映像保持期間+ブランキング時間tpを1単位として、この単位が1秒間に60回実施されるとフレームレート60である。
(3−2−1)フレーム変換方式1
図21(a)に示す”高フレームレート2倍速方式”について説明をする。入力映像信号は、2倍速である。したがって、1フレームの1F/2の期間が映像信号である。残りの1F/2は、先の映像信号を繰り返して伝送してもよい。無信号であってもよい。
1F/2の期間に伝送された映像信号(図21(a)では”映像”と記載している)はフレームメモリに格納される。フレームメモリからの読み出しは倍速で実施される。入力信号が2倍速であり、さらに倍速で読み出されるから、2x2=4倍速になる。図5、図9などで説明したように基本的には1F/4の期間で黒書込期間aが実施される。黒書込信号は、入力映像信号に関係なく、本実施形態の液晶表示パネルで自己発生させる。但し、これに限定するものではなく、入力映像信号に対応させて黒書込信号のレベルなどを変化させてもよいことは言うまでもない。
黒書込期間a後に、入力映像信号をさらに2倍速で読み出し(4倍速)、映像書込期間bを発生させ、マトリックス状に配置された表示領域20の画素16に書き込む。その後、映像保持期間cを実施する。
以上のように、図21(a)の方式では、入力映像信号のフレームレート変換が不要である。また、入力映像信号をメモリに格納し、倍速読み出すことで本実施形態の駆動方式に適合させることができる。したがって、フレームメモリ容量を削減でき、回路構成も簡単である。また、伝送される入力映像信号は2倍速であるためEMI対策も比較的容易になる。
(3−2−2)フレーム変換方式2
図21(b)に示す”黒挿入信号+高フレームレート4倍速方式”について説明をする。入力映像信号は4倍速である。したがって、1フレームの1F/4の期間が映像信号である。また、1F/4の期間は黒挿入信号(黒書込用の映像信号)が伝送されている。残りの1F/2は、先の映像信号を繰り返して伝送してもよい。無信号であってもよい。
図21(b)の方式は、映像信号を保持する必要がない。したがって、フレームメモリは不要である。図5、図9などで説明したように基本的には1F/4の期間で黒書込期間aが実施される。この黒書込期間用の信号は、1フレームの最初の1F/4に伝送されている(図21(b)では”黒”と記載している)。黒書込信号は、本実施形態の液晶表示パネル内で自己発生させてもよい。図21(b)では、入力映像信号に対応させて黒書込信号のレベルなどを調整して伝送した実施形態である。
”黒”と記載した映像信号を黒書込期間aで液晶表示パネルに書き込んだ後に、入力映像信号を(図21(b)では”映像”と記載している)をそのままの速度で、マトリックス状に配置された表示領域20の画素16に書き込む。その後、映像保持期間cを実施する。
以上のように、図21(b)の方式では、入力映像信号のフレームレート変換が不要である。また、入力映像信号を格納するメモリも不要である。したがって、フレームメモリ容量を削減でき、回路構成も簡単である。
(3−2−3)フレーム変換方式3
図21(c)に示す”高フレームレート4倍速方式”について説明をする。入力映像信号は4倍速である。したがって、1フレームの1F/4の期間が映像信号である。また、1フレーム開始タイミングから1F/4の期間はブランクとなっている。このブランクの期間に黒挿入信号(黒書込用の映像信号)が挿入する。残りの1F/2は、先の映像信号を繰り返して伝送してもよい。無信号であってもよい。
図21(b)の方式は、映像信号を保持する必要がない。したがって、フレームメモリは不要である。図5、図9などで説明したように基本的には1F/4の期間で黒書込期間aが実施される。この黒書込期間用の信号は、本実施形態の液晶表示パネルモジュールで発生させる。次に、入力映像信号を(図21(b)では”映像”と記載している)をそのままの速度で、マトリックス状に配置された表示領域20の画素16に書き込む。その後、映像保持期間cを実施する。
以上のように、図21(b)の方式では、入力映像信号のフレームレート変換が不要である。また、入力映像信号を格納するメモリも不要である。したがって、フレームメモリ容量を削減でき、回路構成も簡単である。
(3−3)入力信号から黒書込期間などの発生
(3−3−1)同一フレームレート処理
図19は入力された映像信号を4倍速にして図5、図9のフォーマットに変換する方式の説明図である。図19(a)が本実施形態の液晶表示装置に入力される映像信号であり、図19(b)が本実施形態の液晶表示装置で発生する信号である。図19の実施形態では、入力映像信号のフレームレートは75Hzとしている。発生するフレームレートも75Hzである。つまり、入力映像信号のフレームレートと発生する信号のフレームレートは同一である。基本的には、図5、図9の方式である。
図19(a)で示すように入力映像信号は、1フレームの期間に送られてくる。送られてきた映像信号は、図9で説明したように、RAMに格納される。したがって、図19(b)に示すように発生する信号は、1フレーム遅延する。
なお、図19、図20において、aは黒書込期間であり、bは映像書込期間である。bの添え字は、入力された映像信号のフレーム番号である。例えば、b2とは、第2フレームの映像信号を4倍速に変換した期間あるいはデータを示している。
図19(b)で示すように、入力映像信号は、RAMに書き込まれる。読み出し時は4倍速で読み出され、4倍速で映像書込期間bに表示画面20に印加される。映像書込期間の前後には、黒書込期間a、映像保持期間cが付加される。
対向電極362の電位を画素16に印加する映像信号の極性に同期させて極性を変化させる。また、ソース信号線Sに印加する映像信号(あるいは画素16に印加する映像信号)は、フレーム反転またはライン反転駆動方式である。
(3−3−2)異なるフレームレート処理
図20は、図22の2で示す1.5倍速変換の方式である。例えば、入力フレームレートが60Hzであれば、1.5倍の90Hzに変換される。2から3フレーム変換である。したがって、2回に1回は同一映像データとなる。60Hzの入力映像信号が、0、1、2、3、4、・・・・・・であれば、0、1、1、2、3、3、4、・・・・・・となる。
図20(a)で示すように入力映像信号は、60フレーム/秒で、1フレームの期間に送られてくる。送られてきた映像信号は、図9で説明したように、RAMに格納される。したがって、図20(b)に示すように発生する信号は、1フレームは少なくとも遅延する。
図20(b)で示すように、入力映像信号は、RAMに書き込まれる。読み出し時は4倍速x1.5の6倍速で読み出され、読み出されたデータは、6倍速で映像書込期間bに表示画面20に印加される。映像書込期間の前後には、黒書込期間a、映像保持期間cが付加される。
対向電極362の電位を画素16に印加する映像信号の極性に同期させて極性を変化させる。また、ソース信号線Sに印加する映像信号(あるいは画素16に印加する映像信号)は、フレーム反転またはライン反転駆動方式である。
(4)多重書込み
ソース信号線Sには、寄生容量が発生する。ソースドライバ回路14は、この寄生容量を充放電させる必要がある。本実施形態において、ソース信号線Sには、4倍速で黒電圧、映像信号を書き込む必要がある。したがって、寄生容量が大きいと、内部Hでの1水平走査期間(1画素行を選択する期間)で目標電圧まで充放電できない。
この課題に対しては、選択する画素行を複数期間、連続して選択し、電圧を画素16に印加することが適切である。特に、液晶表示装置では、低温時に連続して画素行を選択することが好ましい。
連続して選択する適切な回数(黒書込期間、映像書込期間)は、液晶のモードにより異なる。また、温度により異なる。TN液晶モードは比較的長く設定する必要がある。OCB液晶モードは、液晶分子の応答性が速いため、短期間でよい。また、液晶は、温度依存性がある。そのため、外部温度をサーミスタなどの温度センサで検出(測定)し、連続書込みの回数を変化できるように構成することが好ましい。
(4−1)多重書込み例1
図24は、Hの添え字は、連続書込みの回数を示している。例えば、黒書込期間aにおいて、5Hとは、同一画素行が5水平走査期間の間、選択されることを示している。1Hであれば、通常である。5H連続して選択するには、図1のゲートドライバ回路12に入力するスタートパルスを5水平走査期間、連続して印加すればよい。5連続のスタートパルスは、内部H信号に同期して、ゲートドライバ回路12内を順次シフトし、ゲート信号線Gを選択する。選択されるゲート信号線Gは5水平走査期間(内部H)の間、連続してオン電圧が出力される。
図24(a)では、黒書込期間aでは、各画素行には、5連続で黒電圧が印加される。駆動反転方式は、フレーム反転駆動方式を採用する。したがって、この期間内では、コモン信号、映像信号(黒電圧信号)との、極性反転はしない。最初の1Hで黒電圧を画素に書き込むことが出来ない場合でも、次のH期間では黒電圧を画素に書き込むことができる。5Hも連続して同一黒電圧を画素に印加すれば、−30度(摂氏)以下の温度であっても、十分に画素に電圧を印加することができる。映像書込期間bでは、通常どおり1Hの期間、4倍速の映像信号が画素行に書き込まれる。
(4−2)多重書込み例2
図24(b)では、黒書込期間aでは、各画素行には、25連続で黒電圧が印加される。先の実施形態と同様に駆動反転方式は、フレーム反転駆動方式を採用する。したがって、この期間内では、コモン信号、映像信号(黒電圧信号)との、極性反転はしない。最初は黒電圧を画素に書き込むことが出来ない場合でも、25H期間も同一の黒電圧を印加すれば、十分に画素に黒電圧を書き込むことができる。映像書込期間b(b1)では、3Hの期間、4倍速の映像信号が画素行に書き込まれる。映像書込期間b(b1)では、各画素行には、3連続で黒電圧が印加される。最初は映像信号を画素に書き込むことが出来ない場合でも、3H期間も同一の映像信号圧を印加すれば、十分に画素に映像信号を書き込むことができる。
映像書込期間b(b1)で連続書込みしても、まだ、書込みが不十分な場合は、映像保持期間c1を映像書込期間として使用することができる。この例を示すため、図24(b)の実施形態では、映像書込期間bを映像書込(1回目)とし、b1と記載している。また、本来は、映像保持期間c1を映像書込(2回目)とし、b2と記載している。映像書込期間b1、b2は各1回の選択(1H)としてもよい。なお、図24(b)の実施形態においても、バックライト18は映像保持期間c1(映像書込期間b2)と映像保持期間c2の期間で点灯する。(映像書込期間b2)では、画像書込み状態が視覚的に認識される可能性があるが、映像書込(1回目)と映像書込(2回目)では、同一画像を書き込むため、ほとんど画像書込み状態が視覚的に認識されることはない。他の構成、方式は、以前に説明した駆動方式と同様であるので説明を省略する。
さらに、図24(b)の映像保持期間c1で映像信号の書込みしても、まだ、書込みが不十分な場合は、映像保持期間c2を映像書込期間として使用することができる。映像保持期間c1、c2での映像信号の書込みは、映像書込期間bと同様に、各画素行を多数回選択としてもよい。他の構成、方式は、以前に説明した駆動方式と同様であるので説明を省略する。
(4−3)RAM読み出し
図25は、図9を図24で説明した多重書込みの方式としたものである。図25の下段において、斜線で示す範囲が、多重書込み(例えば、黒書込期間で5Hなど)していることを示している。他の事項などは、図9と同様であるので説明を省略する。
図26は、図6を図24で説明した多重書込みの方式としたものである。図26は、映像書込期間において、2Hで映像信号を書き込んだ場合の実施形態である。ゲート信号線GのX−ODDは2H(内部H単位)でオン電圧が印加され、印加位置は、1ゲート信号線Gずつ移動する。他の事項などは、図6と同様であるので説明を省略する。
以上のように、本実施形態は映像信号の保持期間cで映像信号の書込み動作を停止することに制限されるものではない。c1期間、c2期間で映像信号の書込み動作をおこなってもよい。書き込む画像データは変化がないから、バックライト18を点灯させた状態でも画質劣化が発生することはなく、また動画表示性能も維持される。
映像信号の書込み走査は1回である必要は無く、3回、4回、・・・、と繰り返しても構わない。2回目以降の映像信号の書込み走査は、バックライト18の点灯期間中に行ってもよい。映像信号の書込み走査を実施しても、画素16に書き込む画像データは同一であるから画像表示状態に変化は発生しないからである。もちろん、2回目以降の走査が完了した後にバックライトの点灯を開始しても構わない。
また、本来の映像保持期間(c1、c2)において映像信号書込みを行っても良い。このような映像信号の書込み走査の回数、あるいはバックライト18の点灯タイミングに関しては、ソースドライバ14にかかる負担や必要輝度等を勘案した上で適当な条件を採用すればよい。
本実施形態において、液晶応答の遅れに起因して画面20の上端行と下端行との透過率応答が異なるために輝度傾斜が生じることもある。このような輝度傾斜は複数の画素の行を選択する垂直走査方向を、例えば奇数フレームで上端行から下端行に向って走査し偶数フレームで下端行から上端行に向って走査するような形式で1フレーム期間毎に逆にすることにより抑制できる。また、発生する輝度傾斜に対応させて、映像信号の振幅変調を実施してもよい。また、発生する輝度傾斜に対応させて、コモン電圧信号VCOMの振幅値を変調させてもよい。
(5)OCB(Optically Compensated Bend)液晶
OCB液晶について説明をする。OCB液晶は、高速応答性を有するため、液晶テレビや液晶モニター等に搭載されている。
OCB液晶は、図36(a)に示すように、アレイ基板15上に配設された画素電極23と、同じくアレイ基板15と対向して配置された対向基板361上に配設された対向電極362間に挟持されている。液晶層364に電圧が無印加の状態では、液晶層364の液晶分子365はスプレイ配列状態を採る。このため電源投入時に、画素電極23と対向電極362との間に数十V程度の高電圧を印加することで、液晶分子365をベンド配列状態に移行させる。
この相転移を確実に行うための高電圧印加に際して、隣接する水平画素ライン毎に逆極性の電圧を書込むことにより、隣接する画素電極23と相転移用画素電極23との間に横方向の捩れ電位差を与えることで核形成を行い、この核を中心に相転移を行っている。このような動作を略1秒間程度行うことにより、スプレイ配列状態からベンド配列状態に移行させ、更に画素電極23と対向電極362との間の電位差を同電位とすることで、不所望な履歴を消去させている。
このようにして液晶分子365をベンド配列状態とした後に、動作中は、図36(b)に示すように、駆動電源366から液晶分子365にベンド配列状態が維持される低いオフ電圧以上の電圧が印加される。このオフ電圧とこれよりも高い電圧のオン電圧を、図36(c)に示すように、駆動電源366から画素電極23間に印加する。このオン・オフ電圧との間で駆動電圧を変化させることによって、図36(b)のベンド配列状態から図36(c)に示すように液晶分子365のベンド配列状態を変化させ、液晶層のリタデーション値を変化させて透過率を制御している。
このようなOCB型液晶表示装置を用いて画像表示を行う場合には、複屈折性を制御し偏光板との組合せによって、例えば、液晶表示パネルを駆動回路によって駆動し、高電圧印加状態で光を遮断(黒表示)し、低電圧印加状態で光を透過(白表示)させることが考えられる
OCBモードのような液晶表示パネルでは、黒電圧駆動がスプレイ配向への逆転移を防止することを意図して用いられている。この場合、液晶表示パネルは映像信号表示を例えば1フレーム期間のうちの80%程度で行い、駆動電圧が最大になる黒表示(非映像信号表示)を1フレーム期間の残り20%程度で行うように駆動される。
(6)最大電圧の印加
(6−1)印加電圧と液晶層の透過率
図27は、液晶層への印加電圧と液晶層の透過率の関係を示した図である。図27の横軸は、液晶層に印加する電圧の絶対値(実効値)である。縦軸は液晶層の透過率を示す。液晶層と偏光板の偏光軸との関係は、ノーマリホワイト(NW)表示となっている。NW表示では、電圧が0に近い方が映像信号の高階調が対応し、電圧が高い方が、映像信号の低階調が対応する。
画素16の液晶層364に印加する電圧の絶対値が高いほど、液晶層の透過率が低下する。したがって、コントラスト比を高くできる。したがって、黒書込期間aにおいて、高い電圧の黒電圧を印加することが好ましい。特に、OCB液晶では、黒書込期間aに高い黒電圧の印加することにより、ベンド配向状態からスプレイ配向への逆転移を抑制することができ、有効である。
(6−2)黒書込期間aの電圧印加
図28において、コモン電圧は、実線で示しており、ソース信号線Sから出力される映像信号は点線で示している。映像信号の印加状態は高階調(白表示)とする。図28(a)は、これまでに説明したコモン電圧とソース信号線Sの関係である。 図28(a)において、黒書込期間aに、コモン電圧はVcHとし、映像信号(ソース信号)は、最低電圧にする。VcHと映像信号に電位差は、Aとなる。この電圧Aが液晶層に印加され、液晶層は黒表示となる。映像書込期間bでは、白表示とするため、映像信号とコモン電圧との電位差を小さくし、映像保持期間cでは、映像書込期間の電位差が保持される。
図28(b)の実施形態は、コモン電圧は、VcH、VcLに加えて、VmH、VmLの値をとる。VcH、VcL、VmH、VmLは、スイッチ切り替え回路で切り替えて対向電極に出力される。VcH<VmH、VmL<VcL、VcH>VmLの関係がある。
なお、VmH、VmLもVcH、VcLと同様に、パネル温度により可変できるようにしている。VmH−VcHとの電位差、VcL−VmLとの電位差Vsは、0V以上2.0V以下にすることが好ましい。Vsはパネル温度により変化させる(図43参照のこと)。
図28(b)において、黒書込期間aに、コモン電圧はVmHとし、映像信号(ソース信号)は、最低電圧にする。VmHと映像信号に電位差は、Bとなる。この電圧Bが液晶層に印加され、液晶層は黒表示となる。映像書込期間bでは、コモン電圧はVcHとし、白表示とするため、映像信号とコモン電圧との電位差を小さくする。映像保持期間cでは、映像書込期間の電位差が保持される。次のフレームでは、黒書込期間aに、コモン電圧はVmLとし、映像信号(ソース信号)は、最大電圧にする。VmLと映像信号に電位差は、Bとなる。この電圧Bが液晶層に印加され、液晶層は黒表示となる。映像書込期間bでは、コモン電圧はVcLとし、白表示とするため、映像信号とコモン電圧との電位差を小さくする。映像保持期間cでは、映像書込期間の電位差が保持される。
以上のように、図28(b)で説明した本実施形態の駆動方法では、黒書込期間aで高い電圧が液晶層364に印加される(A>B)。したがって、図27の液晶特性(電圧−透過率特性)では、良好な黒表示を実現できる。また、OCB液晶では、逆転移を防止することができる。
本実施形態は、図28(a)と図28(b)の両方の駆動方式を実現できるように構成している。図28(a)では、コモン電圧(コモン信号)は、VcH=<VmH、VmL=<VcLの関係となるように設定する。
VmH、VmLは黒書込期間aに対向電極362に印加する。しかし、本実施形態は、黒書込期間aの全期間に、VmHまたはVmLを対向電極362に印加することに限定されない。少なくとも、黒書込期間aの一定期間に、VmHまたはVmLを対向電極362に印加すればよい。したがって、「対向電極362にVmHまたはVmLを印加する」とは、黒書込期間aの全期間または一部の期間に印加することを意味する。
本発明は、VcH>VmH、VmL>VcL、VcH>VcLなる関係に設定することもできる。反射型液晶表示装置、半透過型液晶表示装置では、黒書込期間aに液晶層364に印加する実効電圧値が比較的小さい場合のほうが、表示コントラストが向上し、良好な画像表示を実現できる場合があるからである(図47などに関する説明を参照のこと)。つまり、本発明は、コモン信号(VCOM電圧)として、正極性に複数の電位(本発明の例示は、VcH、VmHの2値)と、負極性に複数の電位(本発明の例示では、VmL、VcLの2値)を発生できる液晶表示装置であり、また、本発明は、液晶表示装置において、対向電極362に、複数の正極性の電位(本発明の例示は、VcH、VmHの2値)と、複数の負極性の電位(本発明の例示では、VmL、VcLの2値)を印加する駆動方法である。
(6−3)透過率の増大する液晶モード
図27のように、液晶層に印加する電圧が、高くなるにつれ、透過率が低下する場合がほとんどであるが、図47のように、液晶層に印加する電圧が一定以上に高くなると、逆に透過率が高くなる場合がある。図47では、電圧V2で透過率が最低であり、それより高い電圧V1で透過率はT1と高くなっている。液晶層の膜厚が最適条件からはずれている場合に、図47の特性になることが多い。
本実施形態では、黒書込期間aでは、バックライト18は消灯している。したがって、黒書込期間aで透過率が高くなっても、視覚的に認識されにくい。
(6−4)コモン電圧波形の鈍り
図28(b)では、理想的なコモン電圧波形に作図している。しかし、対向電極362には、容量があるため、図30に図示するように対向電極362に印加されるコモン電圧(VCOM)波形には鈍りが発生する。この対策のため、図31、図32に図示するように、黒書込期間、映像書込期間(もしくはRAM読み出しタイミング)と同期させてコモン電圧の変化点を設定している。
図30、図31において、c1点の電圧はVcL、c2点の電圧はVmL、c4点の電圧はVcH、c6点の電圧はVmLとして説明をする。
図30は、図9の駆動方式あるいはRAM読み出し方式におけるコモン電圧の変化を示している。Readとは、内蔵RAM297からデータを読み出すことであり、Writeとは、外部から入力される映像信号を内蔵RAM297に書き込むことである。図30において、c2点は、黒書込期間の開始位置と一致させる。十分なコモン電圧を対向電極362に印加し、安定した電圧を液晶層364に印加するためである。c2点への変化は黒書込期間の開始前であるc1より行う。c1点とc2点との時間t3は、10μsec以上100μsec以下とする。
黒書込期間aが完了した時間をc3とし、映像書込期間bの開始(RAM読み出し開始)の時間をc4とする。c3点とc4点との時間差t4は、50μsec以上1msec以下とする。c4とt4とが決まっていれば、逆算でc3位置を決定する。t4の期間は、映像信号のブランキング期間tpにも対応させ、十分に確保する。VmHからVcH、VmLからVcLの変化は、対向電極362の電荷の放電に寄与するため、比較的変化に時間を必要とするからである。t4期間は黒電圧の保持期間になる。電圧による液晶層364の透過率変化が遅い場合は、t4期間を長くする。したがって、本実施形態において、t4期間は液晶モードにより異なる値に設定できるように構成している。具体的には、t4期間をコマンド設定できるカウンタ回路をゲートソースドライバIC31内に形成している。ゲートソースドライバIC31の構成図を図29に図示している。t3期間についても同様にt3期間を変化させるカウンタ回路を設けている。また、これらのカウンタ回路と黒書込期間、映像書込期間は同期をとらせている。なお、ゲートソースドライバIC31はバックライトドライブ回路17を具備し、バックライト18のオン(点灯)、オフ(消灯)制御を行う。
t4の期間は、パネル温度により変化させる。パネル温度が低い場合はt4を長く設定し、パネル温度が高場合は、t4を短く設定する。これは、図39などの温度検出回路の出力結果で行う。
同様に、c6点は、黒書込期間の開始位置と一致させる。十分なコモン電圧を対向電極362に印加し、安定した電圧を液晶層364に印加するためである。c6点への変化は黒書込期間の開始前であるc5より行う。黒書込期間aが完了した時間をc7とし、映像書込期間bの開始(RAM読み出し開始)の時間をc8とする。
VCOM信号と映像信号との位相関係をずらせて調整できるように本発明は構成している。VCOM信号と映像信号との位相関係をずらせることにより、画面の輝度傾斜などを容易に調整することができる。
(6−5)黒書込期間の倍速駆動
以上の実施形態では、黒書込期間において、選択する画素行位置は、1画素行ずつシフトさせる方式であった。具体的には、黒書込期間の黒電圧の画素16への書込み状態は、図6のタイミング波形において、ソース出力を黒電圧に置き換えた方式である。ゲート信号線GはX_ODD1からX_EVEV200まで順次選択され、ソース信号線Sに印加される黒電圧を画素行単位で画素16に書き込む。複数画素行を選択する場合も同様である。図26は2画素行を選択する方式である。ゲート信号線GはX_ODD1からX_EVEV200まで順次、2H期間選択され、ソース信号線Sに印加される黒電圧を画素行単位で画素16に書き込む。画素行の選択位置は、内部Hに同期して1画素行ずつシフトされる。
図6、図26では、表示画面20に黒電圧を書き込む期間は、1F/4期間必要である。液晶は電圧を印加されてから所定の透過率になるまで一定の時間を必要とする。したがって、画素16に黒電圧を印加してもすぐには目標の透過率とならない。
図26では、400画素行目(X_EVEN200)に黒電圧を書き込んでから、ブランキング期間tpがある。そのため、400画素行目(X_EVEN200)であっても、ブランキング期間tpの期間で目標の透過率に到達する。しかし、ブランキング期間tpが非常に短い映像信号もある。また、黒書込期間aの終了直後に、映像書込期間bをスタートせざるおえない場合もある。この場合は、画素16に書き込まれた電圧に液晶が追随しない。
この課題に対して、図31の本実施形態は、黒書込期間aの1F/4期間の前半で表示画面20の全画素行に黒電圧を書込み、1F/4の後半部ではゲート信号線Gの選択を停止している。1F/4の後半部において、画素16に書き込まれた電圧により前記画素の液晶層は応答する。
図31の実施形態では、黒書込期間では、複数の画素行を同時に選択し、選択した画素行にソース信号線Sに印加された黒電圧を書き込む。図40に図31における黒電圧の書込み方式のタイミングチャートを示す。
図31(a)では、最初の内部1Hで、X_ODD1とX_EVEN1が同時に選択される。次の内部1Hで、X_ODD2とX_EVEN2が同時に選択される。また、次の内部1Hで、X_ODD3とX_EVEN3が同時に選択される。・・・・・・・・最後の内部1Hで、X_ODD200とX_EVEN200が同時に選択される。つまり、1Hで2本(複数)のゲート信号線Gが選択され、次の1H期間では、別の2本(複数)のゲート信号線Gが選択される。つまり、複数の画素行が同時に選択され、同一の画素行は選択されずに、次の複数の画素行が選択される。選択された画素行には、ソース信号線Sに印加されたソース出力(黒電圧)が書き込まれる。
図31(a)のように画素行を選択することにより、1/2の期間で表示画面20に黒電圧を印加することができる。したがって、後半の1/2の期間において、液晶層が十分に印加された電圧に対して応答することができる。なお、コモン電圧、映像信号の極性は、図6、図26の実施形態と同様である。
図31(b)では、第1H(最初の内部1H)で、X_ODD1とX_EVEN1が同時に選択される。第2H(次の内部1H)で、X_ODD1、X_EVEN1、X_ODD2、X_EVEN2が同時に選択される。また、第3Hで、X_ODD2、X_EVEN2、X_ODD3、X_EVEN3が同時に選択される。・・・・・・・・最後の内部1Hで、X_ODD200とX_EVEN200が同時に選択される。つまり、1Hで2本(複数)のゲート信号線Gが選択される。選択する画素行は2Hの期間継続する。つまり、複数の画素行が同時に選択され、選択した画素行は複数のH期間の間、選択状態が継続する。
図31では、複数のゲート信号線Gを同時に選択し、黒書込期間を短縮し、黒保持期間を長く取っている。以上のように駆動することにより、黒電圧の印加による液晶層の応答時間を十分に確保することができる。他の事項は、図6、図26、図31(a)と同様であるので説明を省略する。
なお、図31(a)のように、同一の画素行の選択が1H期間の時は、各ゲート信号線Gを選択する期間は、1H以下とする。したがって、オン電圧を印加する時間は1H以下である。そのため、各選択期間にはt5期間なるブランク(オフ期間)が存在する。このようにブランク期間を設けることにより、画素行間で信号が入り混じることがなくなる。特に以上の事項は映像書込期間bで有効である(図6を参照のこと)。図31(b)のように、同一の画素行の選択が複数H期間の時は、図31(a)のようにブランク(オフ期間)は設けず、オン電圧の印加状態は継続する。以上の書込みは、図31(b)、図26のように書込み電圧が複数Hで連続する場合に有効である。
(7)ガンマ回路と液晶に印加する電圧の調整
液晶は、RGBで電圧−透過率が異なる。また、液晶層364の膜厚により電圧−透過率が異なる。したがって、液晶に印加する電圧を調整して、最適なガンマカーブ、ホワイトバランスを調整する必要がある。また、液晶は温度依存性があるため、温度に適合させて液晶層に印加する電圧(コモン電圧、映像信号)を調整する必要がある。
(7−1)映像信号とコモン電圧と調整
図32は、映像信号とコモン信号(コモン電圧)の関係を図示している。図32、図33において、図面が複雑になるので、第1フレームにおいて、コモン信号は正極性の場合を図示しており、実線で記載している。同様に、映像信号は、第1フレームにおいて、正極性を一点鎖線で記載しており、負極性を点線で記載している。コモン信号と映像信号の極性は、Vcntとセンター電位として正極性と負極性とが1フレーム毎に入れ替わる。実際には、コモン信号のVcntと映像信号のVcntとは異なっている。画素にはつき抜け電圧の発生があるからである。本明細書では、説明を容易にするため、映像信号とコモン信号とのVcnt(センター電圧)は同電位であるとして説明を行う。
以下、映像信号及びコモン信号の振幅調整方法について説明をする。なお、振幅調整は、パネル温度に依存して行うことを例示して説明をする。OCB液晶モードなどは温度により振幅値を変化させる必要がある。コモン信号は、VmH、VmLがある場合を図示しているが、本実施形態の調整方法は、これに限定されない。図28(a)に図示するように、コモン信号は、VmH、VmLがない場合であっても適用できることは言うまでもない。
(7−1−1)第1の調整例
図32(a)は、パネル温度が20度の場合である。図32(b)は、パネル温度が70度の場合である。図32では、図28で図示するように、黒書込期間aの開始位置で映像信号及びコモン信号の極性を切り替える。パネル温度が変化してもコモン信号の振幅値は変化させない。映像信号はパネル温度が高くなると振幅値を小さくする。映像信号とコモン信号のVcnt(センター電圧)は同一とし、パネル温度が変化してもVcntは変化させない。図32の振幅調整方式では、映像信号とコモン信号の極性切り替えが一致しているため駆動制御を容易である。
(7−1−2)第2の調整例
図33(a)は、パネル温度が20度の場合である。図33(b)は、パネル温度が70度の場合である。図33では、図28で図示するように、映像書込期間bの開始位置(黒書込期間aの終了位置、黒電圧保持期間を含む)で映像信号及びコモン信号の極性を切り替える。パネル温度が変化してもコモン信号の振幅値は変化させない。映像信号はパネル温度が高くなると振幅値を小さくする。映像信号とコモン信号のVcnt(センター電圧)は同一とし、パネル温度が変化してもVcntは変化させない。
図33(b)の駆動方式において、第1フレームでは、コモン信号に対して、映像信号の極性変化を(1F/4)期間遅らせている。ブランキング時間tpは0としている。映像信号の極性を遅らせることにより、黒書込期間aにVmH−VcLの電圧が印加される。つまり、容易に高い電圧(黒電圧)を液晶層364に印加することができる。なお、VkHは映像信号の正極性側に振幅電圧、VkLは映像信号の負極性側の振幅電圧である。
当然であるが、第2フレームでも第1フレームと同様に、コモン信号に対して、映像信号の極性変化を(1F/4)期間遅らせている。映像信号の極性の反転を(1F/4)遅らせることにより、黒書込期間aにVkH−VmLの電圧が印加される。つまり、容易に高い電圧(黒電圧)を液晶層364に印加することができる。OCB液晶の場合は、黒書込期間aに高電圧を印加するほど、逆転移を抑制できる。したがって、図33の方式では、黒書込期間aに容易に高い黒電圧を印加することができ、逆転移を効果的に抑制できる。
なお、図33(c)に図示するように、温度変化などに対応させてセンター電圧VcntからVcnt”に変化させてもよい。また、温度変化に対応させてコモン振幅(コモン電圧)の振幅値を変化させてもよい。
(7−2)コモン信号と映像信号との極性切り替え
図32、図33は、映像信号とコモン信号(コモン電圧)の関係を図示している。図30、図31はコモン信号の波形鈍りを図示している。コモン信号と極性切り替え点を図示したものが、図50、図51である。
図50、図51においても、図面が複雑になるので、第1フレームにおいて、コモン信号は正極性の場合を図示しており、実線で記載している。同様に、映像信号は、第1フレームにおいて、正極性を一点鎖線で記載しており、負極性を点線で記載している。本実施形態の駆動方法は、これに限定されない。図28(a)に図示するように、コモン信号は、VmH、VmLがない場合であっても適用できることは言うまでもない。
図50は、透過型の液晶表示パネルの駆動方式で有効な駆動方法である。黒書込期間に高い電圧を印加でき、良好な黒表示を実現できるからである。特にOCB液晶の駆動方法として好ましい。
OCB液晶を用いる液晶表示装置においては、ベンド配向になっても、液晶層に所定のレベル以上の電圧が一定時間以上印加されない状態が続くと、ベンド配向が維持できずスプレイ配向に戻る(以下、この現象を逆転移と呼ぶ)という現象が生じる。この逆転移を防止するため、OCB液晶では黒電圧を印加することにより防止している。
図50の駆動方式では、映像書込期間に画素に書き込む映像信号が白表示(図50のように液晶層に印加する電圧が低い)であっても、黒書込期間では高い電圧が液晶層に印加される。液晶層362に印加する電圧は、フレーム毎に変化する。黒書込期間に高い電圧を映像信号の振幅変化を少なくするには、図50のように極性切り替えを実施すればよい。負電圧から正電圧、正電圧から負電圧に変化する場合に、極性切り替え位置を映像書込期間以前(映像書込期間の開始と同時も含む)に行い、かつゲート信号線Gを順次選択し、黒書込期間の画素16に黒電圧を書き込んでいる期間は前のフレームの極性を維持する。
ベンド配向を維持するため、あるいは逆転移を防止もしくは抑制するために印加する電圧を黒電圧期間に印加する。図50では、黒書込期間に十分な黒電圧を印加することができる。なお、スプレイ配向からベンド配向に移行させる電圧も黒挿入電圧と呼ぶこともある。また、この電圧は転移電圧を呼ぶこともある。
図51は、半透過型あるいは反射型の液晶表示パネルの駆動方式で有効な駆動方法である。外光を反射して画像表示を行うため、図47のような、電圧−透過率特性の場合は、高い電圧の印加によりコントラストが悪くなる場合があるからである。
図51の駆動方式では、映像信号の極性切り替え位置と、コモン信号の極性切り替え位置を略一致させる。以上のように、黒書込期間で極性切り替えを行わないことにより、液晶層の液晶分子の動きが安定し、良好な画像表示を実現できる。また、半透過型及び反射型の液晶表示パネルにおいて、映像信号の振幅操作が容易であるため、高コントラスト表示を実現できる。
(7−3)コモン電圧の非対称設定
なお、図7、図28、図32、図33におけるコモン電圧は、Vcntを中心として、正極側VmH、VcHと負極側VmL、VcLがそれぞれ対称としているが、本実施形態はこれに限定されない。特にVmH、VmLは波形のひずみなどが発生しやすい。そのため、正極側と負極側でそれぞれ独立に電圧設定をできるように構成している。つまり、正極側と負極側で非対称の電圧値設定が可能である。具体的には、VmH、VmL、VcH、VcLを発生させる4つのDA(デジタル−アナログ)変換回路を、ゲートソースドライバIC31内に形成している。
(7−4)黒電圧とブランキング期間の電圧の読み出し
図9、図25、図30、図31、図32、図33などでは、説明を容易にするため、RAMから読み出したデータを用いて、黒書込期間aの黒電圧を発生させているように表現している。しかし、本実施形態はこれに限定されるものではない。RAMから読み出すことなく、所定の値の黒電圧または正極性に対応する黒電圧/負極性に対応する黒電圧を画素16に印加してもよい。この場合においても、前記黒電圧は、温度補償を行っている。また、ブランキング期間にソース信号線Sに印加する電圧も、RAMから読み出すことなく、所定の値の電圧または正極性に対応する電圧/負極性に対応する電圧をソース信号線Sに印加してもよい。この場合においても、本実施形態では前記電圧の温度補償を行っている。
(7−5)ガンマ変換
図34、図35は本実施形態の映像信号のガンマカーブ発生回路(ガンマ変換回路)の構成図である。ガンマカーブ発生回路は、図3などでも説明したように本実施形態のゲートソースドライバIC31内に形成される。ガンマカーブ発生回路で発生する電位の最低は、0V(GND電位)であり、電位の最大は、5V(ゲートソースドライバIC31の電源電圧AVDD)である。
ガンマ変換回路の出力は6ビット(64階調)としている。ガンマ変換回路の出力端子V0〜V64は、階調1から64に対応する。ゲートソースドライバIC31の各ソース信号の出力段は、入力された映像信号データに基づき、前記出力端子V0〜V63のいずれかを選択し、ソース信号線Sに印加する。
(7−5−1)ガンマ変換回路1
図34は本実施形態の第1の実施形態におけるガンマ変換回路である。ガンマカーブの低電位は、階調アンプ351bで規定する。ガンマカーブの高電位は、階調アンプ351aで規定する。階調アンプ351aが出力する電圧はVOPHとする。階調アンプ351bが出力する電圧はVOPLとする。
ガンマカーブを発生するラダー抵抗は、正極性の映像信号用と、負極性の映像信号用の2つを具備している。正極性用は、S1P〜S9Pの抵抗値をコマンドにより変更することができる。負極性用は、S1N〜S9Nの抵抗値をコマンドにより変更することができる。抵抗S1P〜S9P、S1N〜S9Nの抵抗値の変更により、任意のガンマカーブを発生することができる。また、正極性と負極性のガンマカーブを異ならせることできる。
正極性のガンマカーブと負極性のガンマカーブとを対称形状にし、階調アンプ351aと階調アンプ351bの変位量を同一にすれば、センター電圧Vcntを中心として映像信号の振幅値を容易に変化させることができる(図32(a)から図32(b)、図33(a)から図33(b))。
階調アンプ351の出力電圧は、振幅調整レジスタ352で制御する。振幅調整レジスタ352の出力ビットは6ビットである。したがって、階調アンプ351は、64段階で出力変化が可能である。階調アンプ351aの値を高く(高電位)にすることにより、ガンマカーブの振幅値は大きくなる。階調アンプ351aの値を低く(低電位)にすることにより、ガンマカーブの振幅値は小さくなる。
同様に階調アンプ351bの値を高く(高電位)にすることにより、ガンマカーブの振幅値は小さくなる。階調アンプ351aの値を低く(低電位)にすることにより、ガンマカーブの振幅値は大きくなる。階調アンプ351の出力値により、映像信号の振幅値を可変できる。したがって、図32、図33で説明した振幅調整を容易に実現できる。
また、ガンマカーブもラダー抵抗のコマンド設定により自由に変化させることができる。図35の構成では、階調アンプ351aと階調アンプ351bを独立で動作させることもできる。また、階調アンプ351aと階調アンプ351bの組を赤(R)、緑(G)、青(B)で独立に保有してもよい。
階調アンプ351aと階調アンプ351bの変異量は同一にする方が好ましい。振幅調整レジスタ352から階調アンプ351の制御も容易となる。レジスタ値は階調アンプ351aと階調アンプ351bで同一の値とし、変化方向(階調アンプ351aは、AVDDからGND方向、階調アンプ351bは、GNDからAVDD方向)を異ならせればよいからである。階調アンプ351aは、AVDD電圧から電圧が低い方向に電位設定される。階調アンプ351bは、GND電圧から電圧が高い方向に電位設定される。
抵抗(VR1P、VR2P、VR3P、VR4P・・・・・、VR1N、VR2N、VR3N、VR4N・・・・・)間には、端子が接続されている。端子の接続数と抵抗ラダーの分割数でガンマカーブの折れ線数が決定される。
抵抗ラダーの抵抗(VR1P、VR2P、VR3P、VR4P・・・・・、VR1N、VR2N、VR3N、VR4N・・・・・)の抵抗値は、上下で同一になるように構成される。例えば、VR1PとVPNPは同一の抵抗値であり、VR1NとVPNNは同一の抵抗値である。
ラダー抵抗の抵抗(VR1P、VR2P、VR3P、VR4P・・・・・、VR1N、VR2N、VR3N、VR4N・・・・・)の抵抗値は、コマンド設定で可変できるように構成されている。コマンドにより、抵抗値が変化する。
各ラダー抵抗は複数の抵抗で構成されており、各抵抗間には、スイッチ回路が付加されている。ラダー抵抗の抵抗値変化は、抵抗Rに付加されたスイッチ回路のオンオフにより行う。全てのスイッチ回路がオン(クローズ)するとラダー抵抗の抵抗値は、0Ωとなる。したがって、全体としてVR1Pの抵抗値が低減する。スイッチSWを短絡する個数によりVR1Pの抵抗値はステップ的に変化させることができる。
以上の動作を、抵抗ラダーの抵抗(VR1P、VR2P、VR3P、VR4P・・・・・、VR1N、VR2N、VR3N、VR4N・・・・・)に行えば、コマンド設定で各端子(V1〜VN)の電圧値を可変できるように構成できる。
抵抗ラダーの抵抗(VR1P、VR2P、VR3P、VR4P・・・・・、VR1N、VR2N、VR3N、VR4N・・・・・)を変化させることにより、階調レベルに対する階調電圧(V1〜VN)を変化することができ、液晶層364の特性に合わせて数々のガンマカーブを発生させることができる。
階調アンプ351a、階調アンプ351bの値を変化させることにより、図示するように、ガンマカーブに振幅値を変更することができる。また、階調アンプ351aの出力電圧VOPH、階調アンプ351bの出力電圧VOPLを変化させた場合、その中間電位であるV2〜VN−1はVOPH−VOPLの大きさに比例して変化する。したがって、ガンマカーブの振幅値は変化するが、ガンマの折れ点位置が比例して変化するため、ガンマカーブの形も比例的に変化する。この特徴は重要な利点である。OCB液晶などの温度依存性を容易に補償できるからである。
選択回路351は2つの接点から1つの接点を選択する回路(2to1)である。例えば、図35で選択回路351aは正極性のラダー抵抗の端子a1と負極性のラダー抵抗の端子b1からいずれの端子を選択し、端子V2に出力する。選択回路351はa接点(a1、a2、a3・・・・・)とb接点(b1、b2、b3、b4・・・・・)のいずれかの接点を選択する。選択回路351が選択して端子V(V2〜VN−1)163に出力する電圧は、正極性のラダー抵抗出力か、負極性のラダー抵抗出力かのいずれかとなる。
選択回路351が接点aを選択するときは、ソースドライバ回路14がソース信号線Sに出力する映像信号の極性は正極性である。選択回路351が接点bを選択するときは、ソースドライバ回路14がソース信号線Sに出力する映像信号の極性は負極性である。
OCBはパネル温度が高温時には、映像振幅を少なく、コモン電圧による嵩上げ分を少なくする必要がある。また、パネル温度が低温時には、相対的に映像振幅を大きく、コモン電圧による嵩上げ分を相対的に大きくする必要がある。
例えば、パネルが低温時には、コモン信号の振幅電圧Vcpを大きくする。また、図35の階調アンプ351aの出力電圧VOPHの電位を高く、階調アンプ351bの出力電圧VOPLの電位を低くすることにより液晶層24に印加する画像データを大きくしている。パネルが高温時には、コモン信号の振幅電圧Vcpを小さくし、また、図35の階調アンプ351aの出力電圧VOPHの電位を低く、階調アンプ351bの出力電圧VOPLの電位を高くすることにより液晶層24に印加する画像データを小さくしている。以上のように液晶364の温度依存性に適応するように自由に設定あるいは調整することができる。
(7−5−2)ガンマ変換回路2
図35は本実施形態の第2の実施形態におけるガンマ変換回路である。なお、以下の実施形態において、第1の実施形態と異なる点を中心として説明をする。ガンマカーブの低電位は、階調アンプ351bで規定する。ガンマカーブの高電位(正極性の映像信号の場合はVOPH、負極性の映像信号の場合はVONH)は、階調アンプ351aで設定する。ガンマカーブの低電位(正極性の映像信号の場合はVOPL、負極性の映像信号の場合はVONL)は、階調アンプ351bで設定する。
図35の構成では、ガンマカーブを発生するラダー抵抗は、正極性用と負極性用とが共通である。ガンマ抵抗部(ラダー抵抗)は、簡略化して図示しているが、図35の正極性用または負極性用のラダー抵抗と同一の構成である。各抵抗は、S1、S2、・・・・・S9とする。S1〜S9の抵抗値をコマンドにより変更することができる。抵抗S1〜S9の抵抗値の変更により、任意のガンマカーブを発生することができる。
ラダー抵抗の各抵抗間には、多数のタップが引き出されている。正極性の映像信号用として、V0、GAMP1、GAMP2、〜、GAMP62、V63が引き出されている。負極性の映像信号用として、V0、GAMN1、GAMN2、〜、GAMN62、V63が引き出されている。V0、V63は正極性と負極性の映像信号で共通である。
正極性の映像信号を液晶層364に印加する場合は、選択回路351で、V0、GAMP1、GAMP2、〜、GAMP62、V63出力を選択する。負極性の映像信号を液晶層364に印加する場合は、選択回路351で、V0、GAMN1、GAMN2、〜、GAMN62、V63出力を選択する。
図34の実施形態では、1つのラダー抵抗しか有さないが、正極性の映像信号の場合はタップGAMP1、GAMP2、〜、GAMP62を選択し、負極性の映像信号の場合はタップGAMN1、GAMN2、〜、GAMN62を選択することにより、図35の実施形態と同様の機能、動作を実現することができる。階調アンプ351aと階調アンプ351bの変位量を同一にすれば、センター電圧Vcntを中心として映像信号の振幅値を容易に変化させることができる。
階調アンプ351aの値を高く(高電位)にすることにより、ガンマカーブの振幅値は大きくなる。階調アンプ351aの値を低く(低電位)にすることにより、ガンマカーブの振幅値は小さくなる。
同様に階調アンプ351bの値を高く(高電位)にすることにより、ガンマカーブの振幅値は小さくなる。階調アンプ351aの値を低く(低電位)にすることにより、ガンマカーブの振幅値は大きくなる。階調アンプ351の出力値により、映像信号の振幅値を可変できる。したがって、図32、図33で説明した振幅調整を容易に実現できる。
ガンマカーブもラダー抵抗のコマンド設定により自由に変化させることができる。図35の構成では、階調アンプ351aと階調アンプ351bを独立で動作させることもできる。また、階調アンプ351aと階調アンプ351bの組を赤(R)、緑(G)、青(B)で独立に保有してもよい。
他の事項は、図35の実施形態と同様(例えば、階調アンプ351の動作、変化方向、温度補償など)であるので説明を省略する。
(7−6)電圧発生回路
以下、図37を用いて電源発生回路について説明をする。DC電源(バッテリー電源)の電圧は、2.4V〜3.3Vの電源電圧である。この電源電圧を昇圧する。DC電源の電圧は、レギュレータで所定電圧に規定され、規定された電圧を2倍昇圧してAVDD電圧(ゲートソースドライバIC31のソースドライバ部の電源)を発生する。AVDD電圧から、VcH及びVmH電圧を発生させる。また、DC電源の電圧は、レギュレータで所定電圧に規定され、規定された電圧を−2倍昇圧し、昇圧した電圧から、VcL及びVmL電圧を発生させる。
AVDD電圧は、5.5Vとする。また、DC電源の電圧は、レギュレータで所定電圧に規定され、規定された電圧を6倍昇圧してVGH電圧(ゲートソースドライバIC21のゲートドライバ部の高電圧側の電圧)を発生する。この電圧を15Vとする。VGH電圧を反転させてVGL電圧(ゲートソースドライバIC21のゲートドライバ部の低電圧側の電圧)を発生する。この電圧を−15Vとする。VGHは画素16のトランジスタQのオン電圧であり、VGLは画素16のトランジスタQのオフ電圧である。オン電圧及びオフ電圧はゲート信号線Gに印加される。コモン信号波形では、VGLはVmL=−15V、VGHはVmH=15Vが対応する。映像信号では、5.5V=VOPH/VONH、GND=VOPL/VONLが対応する。
以下、説明を容易にするため、0Vはグランド(GND)電圧、5.5Vはソースドライバ部の電圧、15Vはゲートドライバ部の高電圧側の電圧、−15Vはゲートドライバ部の低電圧側の電圧とし、GND電圧以外は、ゲートソースドライバIC31内で発生させる。
(8)OCB液晶の転移動作
以下、図38を参照しなから、OCB液晶表示パネルの転移動作について説明する。図36で説明したように、OCB液晶表示装置においては、アレイ基板15上に配設された画素電極23と、同じくアレイ基板15と対向して配置された対向基板361上に配設された対向電極361間に、電圧が無印加の状態では、液晶層の液晶分子365はスプレイ配列状態を採る(図36(a))。このため電源投入時に、画素電極23と対向電極362との間に数十V程度の高電圧を印加することで、液晶分子365をベンド配列状態に移行させる。
このようにして液晶分子365をベンド配列状態とした後に、動作中は、図36(b)に示すように、駆動電源366から液晶分子365にベンド配列状態が維持される低いオフ電圧以上の電圧が印加される。このオフ電圧とこれよりも高い電圧のオン電圧を、図36(c)に示すように、駆動電源366から画素電極23間に印加する。このオン・オフ電圧との間で駆動電圧を変化させることによって、図36(b)のベンド配列状態から図36(c)に示すように液晶分子365のベンド配列状態を変化させ、液晶層のリタデーション値を変化させて透過率を制御している。
図37でも説明したように、ゲートソースドライバIC31で、AVDD電圧=5.5V、VGH電圧=15V、VGL電圧=−15Vを発生させる。OCB液晶表示パネルの転移動作には、これらの電圧を使用する。そのため、OCB液晶表示パネルの転移動作に使用する電圧として、特別な電圧を使用しない。
図38は本実施形態のOCB液晶表示パネルの立ち上げシーケンスを記載している。ゲートソースドライバIC31のゲートドライバ部が出力するゲート電圧は、画素16のトランジスタQのオン電圧(VGH=15V)とオフ電圧(VGL=−15V)である。転移時に対向電極362に印加する転移電圧は、高電圧側をVGHとし、低電圧側をVGLとしている。これは、転移電圧をゲートソースドライバIC31のゲートドライバ部の出力電圧と兼用にすることにより、発生させる電圧数を削減し、低コスト化を図るためである。また、転移に使用する電圧の温度補償、転移期間の温度補償を容易に実施するためである。
図38において、転移動作期間と記載した範囲内の対向電極362に印加する電圧信号は転移信号である。また、転移動作時は、ゲートソースドライバIC31のソースドライバ部も信号を出力する。この出力波形は、Source出力の欄に記載している。対向電極に印加する電圧はVCOM欄に記載している。なお、VCS欄は、図1の共通電極C1〜Cmに印加する電圧を記載している。
なお、5.5VはゲートソースドライバIC31のソースドライバ部で発生し、ソース信号線Sに印加できる最大電圧である。実際には、AVDD電圧を電源とするオペアンプが出力できる最大電圧(VOPH、VONH)である。本明細書では、5.5Vと固定のように表現しているが、実際には、コマンド設定におり、0.1V毎に出力電圧を可変することができる。このコマンド設定により電圧を可変することにより、転移動作時に最適な電圧をソース信号線Sに印加できる。GND電位は、回路の接地電位であるから、ソースドライバ部で発生させなくとも、この接地電位をGND電位として使用してもよい。パネル温度により5.5V電圧は変化させている。また、液晶膜厚あるいは配向膜、液晶材料により最適値に設定している。
5.5V、GND電位、15V、−15Vは、図37のチャージポンプ回路(図示せず)などを用いて発生させる。発生させた電圧は、アナログスイッチ(図示せず)を用いて選択し、ソース信号線S、VCS電極(VCS信号線)、対向電極362に印加する。
(8−1)転移電圧
15VはゲートソースドライバIC31のゲートドライバ部で発生し、ゲート信号線Gに印加できる最大電圧である。実際には、図37のVGH電圧を電源とするオペアンプが出力できる最大電圧である。通常表示動作(画像表示動作)時は、この電圧は、ゲート信号線Gのオン電圧として使用する。転移動作時は、この15Vを対向電極362に印加して転移電圧として使用している。本明細書では、15Vと固定のように表現しているが、実際には、コマンド設定におり、0.5V毎に出力電圧を可変することができる。このコマンド設定により電圧を可変することにより、転移動作時に最適な電圧をソース信号線Sに印加できる。実際には、パネル温度により15V電圧は変化させている。また、液晶膜厚などにより最適値に設定している。
−15VはゲートソースドライバIC31のゲートドライバ部で発生し、ゲート信号線Gに印加できる最小電圧である。実際には、図37のVGL電圧を電源とするオペアンプが出力できる最小電圧である。通常表示動作(画像表示動作)時は、この電圧は、ゲート信号線Gのオフ電圧(画素16のトランジスタQがNチェンネルの場合)として使用する。転移動作時は、この−15Vを対向電極362に印加して転移電圧として使用している。本明細書では、−15Vと固定のように表現しているが、実際には、コマンド設定におり、0.5V毎に出力電圧を可変することができる。このコマンド設定により電圧を可変することにより、転移動作時に最適な電圧をソース信号線Sに印加できる。実際には、パネル温度により−15V電圧は変化させている。また、液晶膜厚などにより最適値に設定している。
(8−2)転移シーケンス
転移動作(転移シーケンス)は、A、B、Cの3つの区分の動作からなる(図38の最下段にA(A1、A2)、B、Cと記載している)。必要に応じて、A、B、Cの動作は複数回繰り返される。
Aの期間は、選択するゲート信号線Gが順次増加させる動作である。まずA期間(A1)は、1本のゲート信号線G1が選択される。選択されたゲート信号線G1に接続された画素行には、ゲートソースドライバIC31のソースドライバ部が出力するGND電圧(最低電圧)を書き込む。次の期間では、2本のゲート信号線G1、G2が選択される。選択されたゲート信号線G1、G2に接続された画素行には、ゲートソースドライバIC31のソースドライバ部が出力するGND電圧(最低電圧)を書き込む。さらに次の1水平走査期間では、3本のゲート信号線G1、G2、G3が選択される。選択されたゲート信号線G1、G2、G3に接続された画素行には、ゲートソースドライバIC31のソースドライバ部が出力するGND電圧(最低電圧)を書き込む。
以上のように、選択するゲート信号線数が増加し、画素行数分の水平走査期間後(内部H)には、全てもゲート信号線が選択され、全画素16にソース信号線が出力する電圧が書き込まれる。以上のように、1画素行ずつ選択していくと、全画素行を選択する期間は1フレーム期間である。但し、この1フレーム期間は、画像を表示する期間でないから、画像を表示するフレームレートと一致させる必要はない。
転移動作では、図38の矢印の範囲で示すように転移リセットシーケンス、転移負期間、転移正期間、転移正期間から負期間への移行期間などからなり、転移正期間、転移負期間は繰り返される。繰り返す回数は、パネル温度により変化させる。
本実施形態はAの期間を1フレーム期間に限定するものではないが、説明を容易にするため、A期間を1フレーム期間とし、またB期間も1フレーム期間とする。C期間は、1フレーム期間xn(nは1以上の整数)とする。なお、nは転移動作期間により変化する。また、転移動作期間はパネル温度により変化させる。特にパネル温度が低温度の時、転移動作時間は長くする。高温度の時は、転移動作時間は短くしてもよい。
A1期間は、ゲート信号線Gを順次選択し、選択するゲート信号線Gが増加させる期間である。A2期間は、ゲート信号線Gを順次非選択し、選択するゲート信号線Gを減少させる期間である。B期間は全てのゲート信号線Gにオフ電圧が印加されている期間である。C期間は画像表示を行っているように、1本または複数本のゲート信号線Gを選択し、画素にソース信号線Sに印加された電圧を書き込んでいる期間である。
なお、本実施形態の実施形態では、A期間で選択あるいは非選択にするゲート信号線数は1本であるとして説明したがこれに限定するものではなく、複数本であってもよい。例えば、A1期間ではまず、最初の1水平走査期間ではゲート信号線G1、G2を選択し、次の1水平走査期間では、G1、G2、G3、G4を選択する。さらに次の1水平走査期間では、G1、G2、G3、G4、G5、G6を選択する方式が例示される。
A2期間では順次、ゲート信号線Gを非選択とする。最初の1水平走査期間ではゲート信号線G1を非選択し、次の1水平走査期間では、G1、G2を非選択する。さらに次の1水平走査期間では、G1、G2、G3を非選択する方式が例示される。
また、A1期間及びA2期間は、図24の駆動aの黒書込期間、駆動bの黒書込期間、図25のように動作させてもよい。
以上の事項は、C期間においても適用される。次の1水平走査期間では、G1、G2を選択する。さらに次の1水平走査期間では、G2、G3を選択する。さらに次の1水平走査期間では、G3、G4を選択する方式が例示される。また、次の1水平走査期間では、G1、G2を選択する。さらに次の1水平走査期間では、G3、G4を選択する。さらに次の1水平走査期間では、G5、G6を選択する方式が例示される。
最初のA期間(A1)では、対向電極362には、ソース信号線Sが出力する電位であるGND電位が印加される。また、VCSにもGND電圧が印加される。A1期間の次のB1期間は、全てのゲート信号線Gが選択された状態を保持する。保持する期間は、1フレームである。このB1期間のいずれかのタイミングTで対向電極362に印加される電圧は、VGLに変化させる。タイミングTは、ゲート走査開始からの時間である。つまり、各Aモードの開始位置からカウントして決定される。タイミングTまでが転移リセットシーケンスであり、この期間を設けることにより転移しない液晶分子365の発生をなくすことができる。B期間は、全ゲート信号線Gが選択(オン電圧が印加)されている。
A2期間の前に、対向電極362に印加するVCOM電圧は、VGL電圧に変化させる(タイミングTで変化させる)。
次のA2期間では、全選択されたゲート信号線Gは順次、非選択にされる。この期間では、ソース信号線S及びVCSには、GND電圧が印加され、対向電極362には、VGL電圧が印加される。したがって、ゲートソースドライバIC31のソースドライバ部からの出力電圧であるGND電位(ソースドライバ部がソース信号線Sに出力できる最低出力電位)が表示画面20の全画素16に印加された状態で保持される。
次のC期間は、通常の画像表示状態のように、1つのゲート信号線Gが画面20の上部から下部方向に順次選択される。ゲートソースドライバIC31のソースドライバ部はG5.5V(最高出力電圧)が出力され、各画素16に印加される。以上の動作は、C期間においてn回繰り返される。したがって、C期間=1Fxnである。繰り返す回数は転移時間によって決定される。転移時間は、パネル温度により変化させる。パネル温度が低温度の時は、転移時間を長くするからnは大きくなる。このC期間では、対向電極362にgは、VGL電圧を印加され、VCSにはGND電圧が印加される。
以上のC期間では、対向電極362に−15Vの最低電圧が印加され、ソース信号線Sに5.5V(ソースドライバ部がソース信号線Sに出力できる最大電圧)が印加されているため、液晶層362に非常に高い電圧が印加されている。−15Vは、ゲートソースドライバICで発生し、対向電極362に印加できる最小電圧である。したがって、OCB液晶分子365が良好に転移する。また、ソース信号線Sに5.5Vが印加され、VCSにGND(ソースドライバ部が出力できる最小電圧)が印加されているため、VCS電極(図1の信号線C)とソース信号線S間に電位が発生し、OCB液晶分子365が良好に転移するのを補助できる。
次のA1期間では、ソース信号線SにはGND電圧(ソースドライバ部の最低電圧)が印加され、対向電極362にはVGL電圧、VCSにはGND電圧(ソースドライバ部がソース信号線Sに出力できる最低電圧)の印加が継続される。A1期間により、全てのゲート信号線Gには選択電圧(オン電圧)が印加される。
なお、VCSに印加する電圧はGND電圧としたが、可能な場合はVGL=−15V電圧を印加してもよい。つまり、VCSにGND電圧を印加するという記述を、VCSに−15Vを印加すると読み替えてもよい。
次のB期間では、VCSには15V(ゲートドライバ部がソース信号線Sに出力できる最大電圧)が印加される。また、対向電極362に印加される電圧は、15Vに向かって変化させられる。15Vは、ゲートソースドライバICで発生し、対向電極362に印加できる最大電圧である。ソース信号線SにはGND電圧を印加する。
このB期間では、対向電極362に印加する電圧は−15Vから+15Vに急変させてもよい。しかし、対向電極362に印加させる電圧を急変させると、トランジスタQなどにストレスがかかり、画素16が輝点あるいは滅点となる場合がある。
この課題に対して、本実施形態は、B期間において、−15VからGND(ソースドライバ部がソース信号線Sに出力できる最小電圧)から5.5V(ソースドライバ部がソース信号線Sに出力できる最大電圧)から15Vと段階をおいて変化させる。変化に用いる電圧はいずれもゲートソースドライバIC31で発生する電圧あるいは使用する電圧である。
以上のように、少なくとも1つ以上の電圧の段階を経由して、対向電極362に印加する電圧を変化させる。図38の実施形態では、GND電圧、5.5V電圧を経由して対向電極362に印加する電圧を、最小値から最大値に変化させている。
対向電極362の電位変化時において、途中で経由する電圧の保持時間はt7、t8は、可変できるように構成されている。t7、t8の保持期間は、トランジスタQに与えるストレスを考慮し、ストレスを許容できる最短時間に設定する。また、t7、t8の保持期間は、パネル温度により手動であるいは自動的に可変できるように構成している。なお、t7、t8は0と設定することもできる。
次のA2期間では、B期間で全選択されたゲート信号線Gは順次、非選択にされる。非選択の方向は、表示画面20の上辺から下辺に実施される。ゲート信号線Gは、X_ODDとX_EVENを一組として実施してもよい。つまり、1H期間に2画素行ずつを非選択にしていく。この期間では、ソース信号線S及びVCSには、15Vが印加され、対向電極362には、VGH電圧が保持される。ソースドライバ部からの出力電圧は、GND電位(ソースドライバ部がソース信号線Sに出力できる最低出力電位)が維持される。
次のC期間は、通常の画像表示状態のように、1つのゲート信号線Gが画面20の上部から下部方向に順次選択される。なお、図24の駆動b、図25、図26のように、複数画素行を同時に選択してもよい。C期間は、パネル温度によりフレーム単位で期間を設定できるように構成している。ゲートソースドライバIC31のソースドライバ部はGND電位が出力され、各画素16に印加される。
以上のC期間では、対向電極362に15Vの最大電圧が印加され、ソース信号線SにGND電圧(ソースドライバ部がソース信号線Sに出力できる最小電圧)が印加されているため、液晶層362に非常に高い電圧が印加されている。また、ソース信号線SにGND電圧が印加され、VCSに15V(ゲートドライバ部が出力できる最大電圧)が印加されているため、VCS電極(図1の信号線C)とソース信号線S間に電位が発生し、OCB液晶分子365が良好に転移するのを補助できる。
次のA1期間では、ソース信号線SにはGND電圧(ソースドライバ部の最低電圧)が継続して印加され、対向電極362にもVGH電圧が継続して保持される。VCSにも15Vの印加が継続される。A1期間により、全てのゲート信号線Gには選択電圧(オン電圧)が印加される。
次のB期間では、VCSには15V(ゲートドライバ部がソース信号線Sに出力できる最大電圧)からGND電位に変化させる。また、対向電極362に印加される電圧は、−15Vに向かって変化させられる。このB期間では、対向電極362に印加する電圧は15Vから−15Vに急変させてもよい。しかし、対向電極362に印加させる電圧を急変させると、トランジスタQなどにストレスがかかり、画素16が輝点あるいは滅点となる場合がある。
この課題に対して、本実施形態は、B期間において、15VからGND(ソースドライバ部がソース信号線Sに出力できる最小電圧)から−15Vと段階をおいて変化させる。さらに、15Vから5.5VからGND電圧から−15Vと段階をおいて変化させてもよい。変化に用いる電圧はいずれもゲートソースドライバIC31で発生する電圧あるいは使用する電圧である。以上のように、少なくとも1つ以上の電圧の段階を経由して、対向電極362に印加する電圧を変化させる。
以上の対向電極362の電位変化時において、途中で経由する電圧(GND電位、もしくは5.5VとGND電位)の保持時間t9は、先にt7、t8と同様に可変できるように構成されている。保持期間t9は、トランジスタQに与えるストレスを考慮し、ストレスを許容できる最短時間に設定する。また、保持期間t9は、パネル温度により手動であるいは自動的に可変できるように構成している。なお、保持期間t9は0と設定することもできる。
以上のtsからteの期間は、繰り返し範囲である。繰り返し範囲の繰り返し回数(転移回数Tn)は、パネル温度により手動であるいは自動的に可変できるように構成している。対向電極362に印加する電圧は正電圧(15V)から負電圧(−15V)に変化する。つまり、正期間から負期間に移行する。繰り返し期間では、対向電極362に印加する電圧は正電圧と負電圧を交互に印加される。正期間と負期間の回数は同一にされる。なお、図38の実施形態では、対向電極362に印加する電圧は、負電圧(−15V)から開始したが、正電圧(+15V)から開始してもよい。
所定の転移回数Tnを実施後、A2期間に移行し、A2期間では、全選択されたゲート信号線Gは順次、非選択にされる。この期間では、ソース信号線S及びVCSには、GND電圧が印加され、対向電極362には、GND電圧が印加される。
その後、通常表示状態に移行する。通常表示状態では、図32、図33で説明したように、VCS電極はGND電位に設定され、ソース信号線Sには映像信号に対応した電圧が印加される。液晶表示パネルの構造によっては、VCS電極には対向電極362と同一電位が印加される場合もある。ソース信号線Sには映像信号に対応した電圧が印加される。対向電極362には、1フレーム毎にコモン信号が極性反転される。
(8−3)転移保持モード
OCB液晶では、画像表示前に転移シーケンスを実施する必要がある。図38で説明した転移シーケンスを完了させるには、1秒近い時間を必要とする場合がある。OCB液晶表示装置を表示後、電源をオフすると、次に表示させるまでに1秒近い時間を必要とする場合がある。
例えば、折りたたみ式の携帯電話に本実施形態のOCB液晶表示装置を用いた場合、携帯電話を折りたたむ(ふたを閉じる)と、次にふたを開いても、転移シーケンスを実施する必要があるため、1秒近い時間、待たないと画像が表示されない。この課題対して、本実施形態は、転移保持モードを有している。以下、転移保持モードについて説明をする。
図53は、転移保持モードでのタイミングチャートである。携帯電話のフタが閉じられると表示状態は、表示ON状態から黒表示となる。黒表示とは、画像が黒表示とすることである。タイミングなどの切り替えは内部V(内部の垂直同期信号)と同期をとって実施される。黒表示とすること、逆転移が発生しにくくすることができる。その後、転移保持状態となる。
ゲートドライブ部がゲート信号線Gを選択するのは、通常走査状態(通常の画像表示状態の動作)である。1画素行場合によっては複数画素行が画面の上辺から下辺に順次選択される。図38のC期間と同様である。つまり、転移保持状態におけるゲート信号線Gの選択状態は画像表示状態と同一である。
転移保持期間では、ソース信号線Sには、最大電圧(VOPH、VONH)と最小電圧(VOPL、VONL)がフレーム毎に交互に印加される。
転移保持期間では、対向電極362及びVCS電極(VCS信号線)には、最大電圧(VmH)と最小電圧(VmL)がフレーム毎に交互に印加される。
ソース信号線Sに最大電圧(VOPH、VONH)が印加されているフレームでは、対向電極362及びVCS電極(VCS信号線)には、最小電圧(VmL)が印加される。ソース信号線Sに最小電圧(VOPL、VONL)が印加されているフレームでは、対向電極362及びVCS電極(VCS信号線)には、最大電圧(VmH)が印加される。このように、電圧を印加することにより、液晶層362には通常表示より高い電圧が印加される。
この黒電圧駆動がスプレイ配向への逆転移を防止することができる。本実施形態は、黒書込期間aに表示画面20の全面に黒電圧を印加するため、均一でかつ画像表示に関係なく高い電圧を印加することができる。したがって、ベンド配向状態を維持しやすく、逆転移は発生しない。また、ゲートソースドライバIC31のソースドライバ部の構成も簡易となり、消費電力も低減する。黒電圧をパネル温度により可変することにより、低温度領域であったても、良好にベンド配向を維持し、階調反転も発生せず、良好な画像品位を実現できる。したがって、スプレイ配向への逆転移を防止することができる。もしくは、ベンド配向状態を維持しやすく、逆転移は発生しない。また、消費電力も低減する。
転移保持時の内部Vの周波数は、通常表示時よりも低下させてもよい。周波数を低下させても、転移状態を維持できるからである。内部Vの周波数はパネル温度が低いときは、通常表示時の周波数に近くし、パネル温度が高いときは、周波数を低下させることができる。液晶層に印加する電圧、内部V(フレーム周波数)をパネル温度により可変することにより、低温度領域であったても、良好にベンド配向を維持し、階調反転も発生せず、良好な画像品位を実現できる。なお、バックライトは、黒表示開示時または転移保持開始時に消灯させる。
転移保持モード期間は、1秒以上15秒以下の時間で設定する。携帯電話のフタを閉じても、この期間の間は、転移保持モードである。したがって、低消費電力で、転移状態が維持されている。この期間以内であれば、フタを開くと図38の転移シーケンスを行うことなく、画像表示をすることができる。
(8−4)転移保持からの復帰
図52に転移保持モードからの復帰シーケンスを主として記載している。
図52(a)は電源起動から転移保持シーケンスへの移行の説明図である。スタンバイモード状態から1.8Vのロジック電圧がチャージポンプ回路で発生する。次に、OSC(基本周波数)を発生し、DCDCコンバータを作動させる。その後、図38の転移シーケンスを行い、画像表示を行わないときは、図53の転移保持モードに移行する。
図52(b)は転移保持シーケンスから表示ONシーケンスへの移行の説明図である。転移保持モードから、画像表示状態に移行する。このとき、画像は黒表示にする。画面を黒表示(黒ラスター表示)にした後、バックライトをオン(BL_ON)させる。後は、入力映像信号に従って画像を表示する。
図52(c)は電源起動から表示ONシーケンスへの移行の説明図である。スタンバイモード状態から1.8Vのロジック電圧がチャージポンプ回路で発生する。次に、OSC(基本周波数)を発生し、DCDCコンバータを作動させる。その後、図38の転移シーケンスを行う。次に画面を黒表示にした後、バックライトをオン(BL_ON)させる。後は、入力映像信号に従って画像を表示する。
(9)温度補償
液晶表示パネルは温度依存性がある。パネル温度が変化すると、温度変化に伴い、フリッカが発生する。また、コントラスト低下を引き起こす。特にOCB液晶を用いる液晶表示パネルでは、複屈折性を制御して画像を表示するため、偏光板との組合せなどにより温度依存性が大きく現れることがある。
(9−1)温度補償回路の構成
図39はパネル温度を検出及び温度補償する温度補償回路393の構成図である。液晶表示パネルの画像表示に無効な領域にはサーミスタなどの温度検出抵抗Rs(温度センサ)392が配置されている。Rs392は温度依存性のない抵抗R391と直列接続されている。Rsのa端子の電圧は、6ビットのA/Dコンバータ回路395に入力される。
A/Dコンバータ回路395は、a端子の電圧をA/D変換し、デジタルデータとする。デジタル変換されたデータは、温度変換テーブル396でテーブル変換されて、ロジック回路396に入力される。A/Dコンバータ回路395の出力は温度2度毎に1データ変化する精度を有するものとする。温度変換テーブル396は6ビットデータを液晶表示パネルの特性に対応するように補間する。温度変換テーブル396の出力は8ビットとする。
EEPROM394には、一定間隔(例えば、温度16度間隔)毎に温度補正値が書き込まれている。ロジック回路396は、EEPROM394のデータとA/Dコンバータデジタル変化された温度データ(温度変換テーブルの出力データ)に対して処理を実施し、EEPROM394から読み取ったデータを補間して、対応する温度での補間値をもとめる。
補間されたデータを用いて温度制御回路393は、黒書込期間制御回路398及び選択回路353などを制御する。また、温度制御回路393は転移時間制御回路399、対向電極362の電位を制御するVCOM制御回路400、ソースドライバ部がソース信号線Sに出力する映像信号の振幅を制御するVREF制御回路390を制御する。VREF制御回路390は、階調調整レジスタ352、階調アンプ351を制御し、VOPH/VONH、VOPL/VONLの値を操作する。また、VREF制御回路390は、ガンマカーブを変化させる。
(9−2)温度補償の方法
図41、図42、図43、図44は温度補償の一例の説明図である。以下、各図面を参照しなから、本実施形態の温度補償方法について説明する。図41の温度補償方法は、転移に関するものであり、主としてOCB液晶特有の温度補償方法である。図41〜図44の温度補償方法は、一般的な液晶表示パネルに適用することができる。特に、図4、図5で説明した本実施形態の駆動方式と組み合わせることにより、パネル温度変化に対して、フリッカ発生、コントラスト変化、輝度変化のない良好な画像表示を実現できる。
(9−2−1)転移動作の温度補償
図41は、図38で説明した転移シーケンスの温度補償方法である。図41の横軸はパネル温度(℃)である。縦軸は、単位(比率)である。例えば、縦軸の2は、1の2倍の時間あるいは回数を示す。
T0は図38の転移リセットシーケンスの時間(期間)である。例えば、30℃の時は単位1である。−20℃では、単位8である。したがって、転移リセットシーケンスの時間(期間)は、−20℃の場合は、30℃の場合に比較して8倍の時間(期間)を行う。
T1は図38の転移負期間(時間)である。例えば、30℃の時は単位1である。−20℃では、単位8である。したがって、転移負期間(時間)は、−20℃の場合は、30℃の場合に比較して8倍の時間(期間)を行う。
T2は図38の転移正期間(時間)である。例えば、30℃の時は単位1である。−20℃では、単位8である。したがって、転移正期間(時間)は、−20℃の場合は、30℃の場合に比較して8倍の時間(期間)を行う。
TNは図38の繰り返し範囲の実施回数である。例えば、30℃の時は1回である。−20℃では、繰り返し範囲を8回繰り返す。
図41では、T0、T1、T2、TNの単位は、共通であるとした。これは説明を容易にするためである。T0、T1、T2、TNの各単位は、それぞれ個別の値としてもよい。例えば、30℃において、T0が単位1であれば、T1、T2は単位2にするなどである。本実施形態では、T0、T1、T2は単位を共通にしているが、TNは温度依存性を大きく設定している。例えば、30℃において、T0、T1、T2は単位1、−20℃において、T0、T1、T2は単位2としている。30℃において、TNは単位1、−20℃において、TNは単位8としている。
以上のように、転移シーケンスにおいて、温度補償を実施することにより、パネル温度が低温であっても、良好に転移させることができる。なお、温度補償は、図52の転移保持モードにも適用される。図52の転移シーケンスに適用され、また、図53のフレーム周波数に適用される。
(9−2−2)黒書込期間aの温度補償
黒書込期間制御回路398のTIMは、黒書込期間の長さを調整する。液晶の応答性は温度依存があるからである。温度補償を行うことにより良好な黒表示を実現できる。TIMは図30、図31に記述しているように、画素16に黒電圧を書き込む動作を実施している期間と黒電圧を書き込み保持している状態(映像書込期間の開始まで)をあわせた期間である。縦軸は比率である。
例えば、60℃の時を比率1.0(基準)とすると、0℃以下では、1.075倍の黒書込期間aを設定する。80℃では、0.95倍に黒書込期間を短縮する。黒書込期間aは、対応するカウンタ回路の設定値をコマンド設定することにより実現する。
(9−2−3)VmH、VmL電圧の温度補償
VCOM制御回路400のVsは、VmH−VcHとの電位差、VcL−VmLとの電位差である。図28、図50に図示するように電位差Vs=VmH−VcH、またはVs=VcL−VmLである。但し、VmH−VcHの大きさと、VcL−VmLの大きさは異ならせてもよい。異ならせることによりフリッカを低減できる場合がある。画素16のトランジスタQなどのつき抜け電圧を補償できるからである。
電位差Vsは、0V以上2.0V以下にすることが好ましい。電位差Vsと温度の関係を図43に図示している。縦軸は、比率である。
−10℃の場合に、Vsを最も小さくし、それ以上の温度になっても、それ以下の温度になってもVsは大きくする。つまり、所定温度を基準として、基準温度以上及び以下で電位差Vsを大きくする。例えば、−10℃の時のVsを比率1.0(基準)とすると、−40℃では、1.07倍のVs電圧を印加する。70℃では、1.15倍のVs電圧を印加する。以上のように、本発明は、パネル温度に対して非線形な特性であっても、図41〜図44のテーブルデータをEEPROM394に持たせることにより柔軟に、温度補償することができる。
(9−2−4)映像信号振幅の温度補償
VREF制御回路390は、階調調整レジスタ352、階調アンプ351を制御し、VOPH/VONH、VOPL/VONLの値を操作する。この操作により、映像信号の振幅値を変化させ、液晶層362に印加する電圧を変化させる。変化量は、図44のように、Vrdである。変化させる正極性の映像信号と負極性の映像信号のVrdは同じ電圧量である。
一例として液晶層に印加する電圧は、低温度ほど大きくする。パネル温度が高くなるにつれ、小さくする。温度が−10℃より高くなると温度に比例するようにVrdを大きくする。温度が60℃では約10%Vrdを小さくする。以上の事項は、黒書込期間、映像書込期間に、液晶層に印加する電圧に作用させる。
(10)黒書込期間の黒電圧とブランキング期間の映像信号
黒書込期間aでは、画素16に黒電圧(黒表示信号)を書き込む。また、ブランキング期間には、ソース信号線Sに所定電圧(保持電圧)を印加する。黒表示信号及び保持電圧を発生するブランク信号は、液晶表示装置の外部から映像信号として、本実施形態の液晶表示装置に印加する。
しかし、外部から映像信号として、黒表示信号及びブランク信号を印加すると、その都度、内蔵RAMをアクセスする必要がある。黒表示信号及びブランク信号は、固定値で十分な場合がほとんどである。
本実施形態では、図45に図示するように、液晶表示装置の電源立ち上げ時に、EEPROM394から、黒表示信号のデータ(黒表示データ)及びブランク信号のデータ(ブランクデータ)を読みこみ、内蔵RAMに格納して保持している。EEPROM394は、赤(R)の画素16に対応する黒表示データ、緑(G)の画素16に対応する黒表示データ、青(B)の画素16に対応する黒表示データ、赤(R)画素に対応するブランクデータ、緑(G)画素に対応するブランクデータ、青(B)画素に対応するブランクデータの6バイトのアドレスを有している。なお、画素配列は、ストライプ画素配列である。
ブランクデータから保持電圧を発生させる。保持電圧は、映像保持期間にソース信号線Sに印加される電圧である。また、保持電圧は、黒書込期間aの黒電圧保持期間にもソース信号線Sに印加される場合もある。ブランクデータは、デジタル−アナログ変換及び極性変換されて電圧信号となり、ソース信号線Sに印加される。ブランクデータは、コマンド設定でその値を自由に設定することできる。また、ソース信号線Sをハイインピーダンス状態と指定することもできる。
図45は、内蔵RAMのデータマップを示している。1画素行目から最大画素行である400画素行目までのRAM領域は、外部から印加された映像信号を保持する領域である。1−1Rとは、1画素行目の1番目(1列目)の赤(R)画素の映像データを示す。同様に1−1Gとは、1画素行目の1番目の緑(G)画素の映像データを示す。2−1Bとは、2画素行目の1番目の青(B)画素の映像データを示す。400−240Gとは、400画素行目の240番目の緑(G)画素の映像データを示す。400−120Bとは、400画素行目の120番目の青(B)画素の映像データを示す。
本実施形態の液晶表示パネルの表示領域は400画素行とする。したがって、RAM領域も4倍速のフレームレート変換を行うだけであれば、400画素行分でよい。この場合は、RAM容量は、400画素行x240画素列x3(RGB)バイトである。
本実施形態の液晶表示装置の内部RAMは、402画素行分を有している。画素行と表示するのは好ましくないかもしれない。401画素行は黒表示データを格納し、402画素行は、ブランクデータを格納するから、画素行という概念ではないからである。しかし、説明を容易にするため、401画素行目のRAM、402画素行目のRAMとする。各画素行は、240(RGB)バイト(byte)である。
1〜400までが、映像表示用の画像データを格納する領域である。401画素行は、図45に図示するように、黒表示データを格納している。黒表示データは、各画素列で共通である。402画素行目は、ブランクデータを格納している。401、402画素行目のRAM領域は映像信号を示すデータの格納領域ではない。
401、402画素行目には、EEPROM394にあらかじめ設定されたデータを液晶表示装置の起動時に読み出し、ゲートソースドライバIC31のラッチ回路に保持した後、図45のRAM領域に格納する。
401画素行目の黒表示データは、黒書込期間aでRAMから読み出され、画素16にデータから変換された電圧が書き込まれる。402画素行目のブランクデータは、ブランキング期間tp、映像保持期間cでRAMから読み出され、ブランクデータから変換された電圧が、各ソース信号線Sに印加される。
401画素行目には、R、G、B毎に異なる黒表示データを格納するとした。しかし、黒表示データをRGBで共通の値としてもよい。このように共通化することにより、EEPROM394のアドレス領域を小さくすることができる。またゲートソースドライバIC31のロジック領域も小さくすることができる。
RGBのデータは、6ビットである。RGBの黒表示データを共通化したいが、RGBで黒電圧が異なる場合は、図46の方式を採用するとよい。図46では、RK、GK、BKの値が大きいほど、液晶層に印加される電圧は大きくなるとしている。つまり、0が最低で白表示、63が最大で黒表示である。図46では、RGBで共通の8ビット(bit)の黒表示データKを図に示すように黒表示データRK、GK、BKに展開する。Kの7ビット目は、赤の黒表示データRKの5〜1ビット目、緑の黒表示データGKの5〜2ビット目、青の黒表示データBKの5〜4ビット目に対応させる。Kの6ビット目は、赤の黒表示データRKの0ビット目に対応させる。Kの5、4ビット目は、緑の黒表示データGKの1、0ビット目、Kの3〜0ビット目は、青の黒表示データBKの3〜0ビット目に対応させる。以上のようにEEPROM394に格納されたRGBで共通のKデータをRK、GK、BKに対応させることにより、RGBで独立した良好な黒表示を実現できる。ブランクデータの同様の処理あるいは手法を用いることにより、1バイトのデータから、RGBで独立したブランクデータ(RB、GB、BB)を発生させることができる。
以上のように、図46の実施例は、所定長のビット数のデータにおいて、複数の色(例えば、R、G、Bの2色または3色)で共通のビットを設けたものである。また、各色で個別(例えば、RまたはGまたはB)のビットを設けたものである。
以上に説明した事項は、図45で説明したブランクデータに適用することができることは言うまでもない。所定長のブランクデータのビット数において、複数の色(例えば、R、G、Bの2色または3色)で共通のビットを設けたものである。また、各色で個別(例えば、RまたはGまたはB)のビットを設けたものである。
なお、黒表示データ(RK、GK、BK)、ブランクデータ(RB、GB、BB)は、図39、図41〜図44で説明したように、パネル温度に対応して変化させる。変化は、黒表示データ、ブランクデータを加減算することにより容易に対応できる。
(11)反射型及び半透過型表示パネルの駆動方法
図28(b)、図33ではコモン信号をVmH、VcH、VmL、VcLを変化させて、対向電極362に印加し、また、映像信号の極性を映像書込期間bの開始前に行うことにより、黒書込期間aに高い電圧を印加していた。高い電圧の印加により、良好な黒表示を実現でき、また、OCB液晶では、逆転移を防止するできる。
図27のような電圧−透過率特性の場合は、液晶層に印加する電圧が高くなれば、画素16の透過率は低下する。しかし、図47のような、電圧−透過率特性の場合は、電圧V2で透過率が最低となり、それ以上の高い電圧V1を液晶層に印加すれば、逆に画素16の透過率が高くなり、コントラストが低下する。図4(a)の駆動方式では、液晶表示パネルが透過型の場合は、黒書込期間aで、バックライト18を消灯させることにより、図47の特性でV1電圧を印加しても、コントラストが低下することはない。バックライト18が消灯しているため、画像表示が視覚的に認識されることがないからである。
反射型及び半透過型の液晶表示パネルでは、バックライト18を消灯させても、外光で画像を認識することができる。したがって、図47の特性でV1電圧が印加されていれば、黒書込期間aでの表示コントラストが低下する。また、映像書込期間bで画素16に書き込んだ画像が認識されてしまう。
なお、以下の説明で対象表示パネルは半透過型として説明するが、反射型でも本実施形態の駆動方式が同様に適用される。
図47などの液晶特性の場合は、黒書込期間aなどで最適値よりも高い電圧V1を印加すると、透過率T1が高くなり表示コントラストを低下させる。半透過型液晶表示パネルでは、黒書込期間aでは、バックライト18が点灯していない。しかし、バックライト18が点灯していない場合であっても、V1電圧を印加した場合、外光により画素の透過率の状態が視認される。したがって、半透過型液晶表示パネルの場合は、黒書込期間に液晶層364に印加する電圧に制限がある。
同一の電圧V1を印加した場合でも、RGBで透過率は異なる。したがって、液晶層364に印加する電圧は、RGBで異ならせることが好ましい。例えば、黒書込期間aにおける黒電圧は、Rで最も高くし、Bで低くする。この事項は、OCB液晶表示パネルが半透過モードで使用する時に特に効果を発揮する。また、黒電圧は、パネル温度により変化あるいは調整する。調整あるいは変化は、図39の温度制御回路393を用いる。
なお、半透過型、反射型液晶表示パネルにおいても、これまでに説明した駆動方式、構成を適用できることは言うまでもない。以下、半透過型及び反射型液晶表示パネルに関して特有の事項を中心として説明をする。説明しない他の事項はこれまでの実施形態が適用される。また、以下の実施形態と以前に説明した実施形態とは相互に組み合わせることができることも言うまでもない。逆に、半透過型及び反射型液晶表示パネルで説明した事項は、以前に説明した実施形態に適用できることも言うまでもない。本明細書で記載した事項は、複合した実施形態を記載せずとも、相互に組みあわせることができるし、一部を流用することができる。また、複合した実施形態も当然のことながら本実施形態の技術的範疇である。
図49は本実施形態の半透過型液晶表示パネルの駆動方法の説明図である。図49(a)は映像信号が白レベルの時である(映像書込期間bで書き込む映像信号は白信号)。図49(b)は映像信号が黒レベルの時である(映像書込期間bで書き込む映像信号は黒信号)。なお、理解を容易にするため、液晶表示パネルの電圧−透過率特性は、図47の特性とし、V2で透過率が最低となり、V1では透過率が悪くなるとする。
(11−1)画素の画像表示が白表示の場合
図49(a)は、画素16の表示が白表示の場合である。なお、半透過型液晶表示パネルでは、画素16毎に黒書込期間aに印加する電圧を異ならせることを基本とする。但し、1画面の平均レベル求め、黒書込期間aに印加する電圧を表示画面20内で同一としてもよい。
図49(a)では黒書込期間aにV1電圧を印加する。そのため、黒書込期間aでコントラストが低下する。しかし、直後に映像書込期間bで該当画素16には白の画像(電圧)が書き込まれるため、コントラスト低下は実用上、支障とはならいない。OCB液晶では、黒書込期間aに印加する電圧が高いほど、逆転移が発生せず、良好な画像表示を実現できる。したがって、映像書込期間bで液晶層に印加する電圧が低くとも逆転移は発生しない。
(11−2)画素の画像表示が黒表示の場合
図49(b)は、画素16の表示が黒表示の場合である。図49(b)では黒書込期間aにV2電圧を印加する。そのため、黒書込期間aで画素16の透過率が最も低くなる。したがって、良好なコントラストを実現できる。直後に映像書込期間bで該当画素16には黒の画像(電圧)が書き込まれるため、黒書込期間aでコントラストが低下すると、画像表示品位は低下する。OCB液晶では、黒書込期間aに印加する電圧は、図49(a)に比較して低くなり、逆転移が発生する可能性がある。しかし、映像書込期間bでは、映像としての黒電圧が書き込まれるため、黒書込期間の電圧が多少低くとも、1フレーム期間では該当画素16に逆転移が発生しないような十分な電圧が印加される。
以上のように、本実施形態は、映像書込期間(映像保持期間)で画素16に書き込む映像信号(ソース信号)に対応して、黒書込期間aで画素16に印加する電圧を決定する。このように駆動することにより、良好コントラストを実現できる半透過型(反射型)液晶表示パネルを提供できる。特に、OCB液晶表示パネルでは、逆転移の発生もなく、良好な画像表示を実現できる。
(11−3)半透過型液晶表示パネルの映像信号と黒電圧
OCB液晶は逆転移を防止するために、1フレーム期間に、液晶層には所定の実効値の電圧を印加する必要がある。しかし、あまり、高い電圧を黒書込期間aに印加すると半透過型(反射型)液晶表示パネルの表示コントラストの低下を引き起こす。この対策のために、図49(a)で説明したように、映像書込期間bに液晶層に印加する電圧の実効値が低いときは、黒書込期間aに高い電圧を印加する。黒書込期間では、コントラスト低下が発生する可能性があるが、画素の表示は白表示であるので問題とならない。また、1フレーム全体でみれば、画素16の液晶層には十分な実効電圧が印加されており、逆転移の発生はない。
画素16に書き込む映像信号が黒電圧である場合は、黒書込期間aで高い電圧を印加するとコントラスト低下が顕著となる。そこで、図49(b)で説明したように、黒書込期間aに画素16に印加する電圧は、透過率が最も小さくなる最適な実効値の電圧を印加する。映像書込期間bに液晶層に印加する電圧の実効値は、映像信号が黒電圧であるから、逆転移を起さないレベルとして十分である。1フレーム全体でみれば、画素16の液晶層には十分な実効電圧が印加されているから、逆転移の発生はない。また、コントラスト低下もない。
以上のことから、半透過型液晶表示パネルでは、1フレーム期間で十分な実効電圧を印加すればよい。
(11−3−1)駆動方法の具体例
図48は本実施形態の駆動方法の説明図である。図48では、横軸は、階調レベルである。63階調が白表示で最大階調である。0階調は黒表示であり、最小階調である。液晶モードはノーマルホワイト(NW)モードである。液晶層362に印加する電圧が低いほど液晶層(画素)の透過率が高くなり、液晶層に印加する電圧が高いほど、液晶層(画素)の透過率は低くなる。縦軸は液晶層364に印加する実効電圧である。なお、液晶表示パネルの表示モードがノーマリブラック(NB)の場合は、横軸の階調0と63とを逆にすればよい。本実施形態の駆動方式は、液晶の表示モードがNWでもNBモードでもいずれでも適用できる。
以降の説明する図48、図54〜図60では説明を容易にするためガンマ変換、立ち上がり電圧には対応させていない。つまり、本発明を理解するための説明図である。例えば、液晶層364には、1.0V未満の電圧印加では透過率はほとんど変化しない。しかし、図48などでは、0Vから透過率が変化するように記載している。本来は、グラフの記載にはガンマ変換を考慮する必要がある。しかし、ガンマ変換の概念を記載すると理解が容易でなくなる。ガンマ変換は当業者にとって容易であるため説明あるいは図示を省略している。
図48において、階調63は最大輝度の階調(白)であり、0は最小輝度の階調(黒)である。液晶表示パネルはノーマリホワイトモードであるので階調番号が小さくなるにつれ、液晶層364に印加する電圧は高くなる。階調0が最低輝度を実現する電圧であり、階調63が最高輝度を実現する電圧である(NWモード時)。階調63では、液晶層364に印加される実効値が小さい。
図48において、実線は黒書込期間aで画素16に書き込む電圧である。階調0では、映像書込期間bで画素16に書き込む電圧と同一の電圧であるとしている。階調63では、最大の5Vを印加している。このように、階調63になるにしたがって、黒書込期間aで高い電圧を印加するのは、映像書込期間bで印加する映像信号電圧が低いからである。OCB液晶では画素16に書き込む電圧が低い状態が継続するとベンド配向状態を維持できない。そのため、黒書込期間aで高い電圧を印加することが、ベンド配向状態を維持するために効果がある。
階調0のように、画素16の透過率が低い場合は、黒書込期間aで高い電圧Vaを印加すると透過率が高くなり表示コントラストを低下させる。階調0のように液晶層364に印加する電圧が高いとベンド配向状態を維持することができるため、黒書込期間aで高い電圧を印加する必要はない。
図48では、映像書込期間bでは、階調63では電圧0Vであり、階調0では、電圧をcVとしている。黒書込期間aでは、階調63では、電圧5Vであり、階調0では、電圧はcVである。
ここで、一例としてc=3.5Vとする。なお、cは、液晶モードあるいは液晶層364の膜厚により適切に設定する。また、パネル温度により変化させる。
黒書込期間aにおいて、階調番号が大きくなるほど、画素に印加する実効電圧は高くしている。階調番号が小さくなるほど、画素に印加する実効電圧は低くしている。図48の実施例では、実効電圧は、階調番号0で3.5V、階調番号63で5.0Vである。以上のように、階調番号に対応して、黒書込期間aで液晶層364に印加される実効値は低下させている。
映像書込期間bは、各画素に映像信号に対応した電圧を印加する。階調0では、液晶層364に印加する実効電圧は高く、階調63では、液晶層364に印加する実効電圧は低い。実効電圧は、階調番号0で3.5V、階調番号63で0.0Vである。
階調番号0では、黒書込期間aで5Vが画素に印加される。前記画素には、映像書込期間bでは、0Vである。階調番号63では、黒書込期間aで3.5Vが画素に印加される。前記画素には、映像書込期間bでは、3.5Vである。つまり、ある画素において、映像書込期間bに書き込まれる電圧(映像信号)に対応して、前記画素には、黒書込期間aで印加される黒電圧(映像信号)が変化させている。映像書込期間bに書き込まれる電圧(映像信号)により、黒書込期間aで印加される電圧(映像信号)を決定している。
映像書込期間bに各画素に印加する映像信号(映像データ)を用いて、映像書込期間b以前の期間である黒書込期間aに印加する黒電圧を決定できるのは、ゲートソースドライバIC31内にRAM297を有するからである。図9などに図示するように、Read1(4倍速)の期間で、RAM297の映像信号(映像データ)を読み出す。この映像データと、Read2期間でRAM297から読み出す映像データは同一である。したがって、黒電圧は、映像書込期間bで画素に書き込む映像データを用いて発生させることができる。
映像データを用いて、黒電圧を発生させる方式として、RAM297から読み出した映像データをビットシフトして、黒電圧を発生させる方法も例示される。例えば、ある画素に印加する映像データが’32’とし、黒電圧は、3ビットシフトして発生させるのであれば、黒電圧データ(黒書込期間aで画素16に書き込む黒電圧を発生させるためのデータ)は、’4’となる。ある画素に印加する映像データが’16’とすれば、黒電圧データは、’2’となる。なお、’63’は最大階調番号で白表示、’0’は最小階調番号で黒表示としている。
映像データを用いて、黒電圧を発生させる方式として、RAM297から読み出した映像データから一定数を減算して、黒電圧を発生させる方法も例示される。例えば、ある画素に印加する映像データが’48’とし、’32’を減算するとすれば、黒電圧データ(黒書込期間aで画素16に書き込む黒電圧を発生させるためのデータ)は、’12’となる。ある画素に印加する映像データが’16’とすれば、黒電圧データは、0以下となるため、’0’とする。また、映像データをビット反転させて、黒電圧データを発生させてもよい。例えば、ある画素に印加する映像データが2進数表記で’111000’とすれば、黒電圧データ(黒書込期間aで画素16に書き込む黒電圧を発生させるためのデータ)は、’000111’となる。
以上のように、本発明は、映像データに一定の演算あるいは処理を行って、黒書込期間aに印加する黒電圧を発生させることを特徴とする。また、本発明は、内蔵RAM297に外部からの入力映像信号を映像データとして一定(1フレーム)期間保持し、前記内蔵RAMの映像データを用いて、黒電圧を発生することを特徴とする。また、図24のように、内蔵RAMのデータを複数回、読み出すことを特徴とする。図24(a)では、黒書込期間aと映像書込み期間bの2回、内蔵RAM297の映像データを読み出している。図24(b)では、黒書込期間aと映像書込み期間b、映像保持期間c1の3回、内蔵RAM297の映像データを読み出している。
なお、RAM297は映像データを保持するRAMと黒電圧データ(黒書込期間aで画素16に書き込む黒電圧を発生させるためのデータ)を保持するRAMを設けてもよい。なお、黒電圧データ(黒書込期間aで画素16に書き込む黒電圧を発生させるためのデータ)を保持するRAMは、1画素行分(1ラインメモリ)あるいは複数画素行分でもよい。この場合は、同一内蔵RAMのデータを複数回、読み出すことには該当しない。しかし、異なる内蔵RAMのデータからデータを読み出す。したがって、本発明の内蔵RAMから複数回(各回ではデータを読み出すRAMは異なる)ことに該当する。また、本明細書では、内蔵RAM297に映像データなどを保持するとして説明するが、本発明はこれに限定されない。ゲートソースドライバIC31の外部にRAMを保有させ、このRAMから映像データを読み出しあるいはこのRAMに映像データを書き込んでもよい。
以上のように、黒書込期間aの黒電圧と映像書込期間bの映像信号電圧とは相関を持たせて印加することが本実施形態の特徴である。黒電圧は、映像信号の電圧以上とする。また、映像信号電圧が低い時は、黒電圧を高くする。映像信号電圧が高い時は、比較的黒電圧は低くても良い。
黒書込期間aにおいて、図47のような液晶特性の場合、一定以上の高い電圧(V1)を印加すると、透過率が高くなる。したがって、反射あるいは半透過型の液晶表示パネルの場合は、外光の影響により表示コントラストを低下させる。特に映像書込期間bにおいて画素に印加する映像信号が黒電圧の場合、表示コントラストの低下が目立ちやすい。階調番号0では、V2=3.5Vとし、透過率が最低となるようにすることが好ましい。黒書込期間aで、V2=3.5V、映像書込期間bで、3.5Vであれば、この画素は良好な黒表示を実現できる。
階調番号63では、黒書込期間aで、V1=5.0Vなる電圧を印加したとすると、透過率がT1となり、低下する。映像書込期間bでは、前記画素には、白表示の0Vが印加される。この画素では、黒書込期間aでコントラストが低下するが、映像表示期間bでは、白表示であるのでコントラスト低下は問題とならない。
以上の事項を、任意の画素において、黒書込期間aで印加する黒電圧の大きさは、映像書込期間bで前記画素に印加する映像信号の大きさ(映像信号の階調番号)に基づいて決定する。
特に、図48の実施例は、反射あるいは半透過型のOCB液晶表示装置において有効である。OCB液晶では、液晶層に印加する電圧の実効値が低いと逆転移する。例えば、階調番号63で液晶層364に印加される電圧が、0Vであれば逆転移してしまう。この場合は、黒書込期間aにおいて、高い電圧(黒電圧)を印加することにより逆転移を抑制できる。図48の実施例では、階調番号63では、黒書込期間aで、5.0Vなる電圧を印加しているので逆転移を防止できる。
液晶層に印加する電圧の実効値が高いと逆転移しない。例えば、階調番号0で液晶層364に印加される電圧が、3.5Vであれば逆転移することはない。この場合は、黒書込期間aにおいて、印加する電圧の実効値が小さくてもよい。逆にあまり高い電圧(V1)を印加すると、透過率がT1となり、コントラストが低下する。図48の実施例では、黒書込期間aでは、最もコントラストが高いV2=3.5Vを印加する。 以上のように映像信号電圧と黒電圧とは一定の関係を持たせるようにする。例えば、映像信号電圧の大きさ(映像書込期間bで各画素の液晶層に印加される実効電圧)+黒電圧の大きさ(黒書込期間aで各画素の液晶層に印加される実効電圧)=所定実効電圧Vtとなるように構成してもよい。黒電圧の発生に関して、映像信号データ(映像書込期間bで各画素の液晶層に印加される実効電圧から一定の比率を掛け算してもよい。また、映像信号電圧あるいは映像信号データから加算あるいは減算してもよい。また、一定の関係の演算式で演算することにより、黒電圧あるいは黒電圧データ(黒書込期間aで各画素の液晶層に印加される実効電圧)を求めてもよい。
所定実効電圧Vtはパネル温度より可変あるいは調整できるように液晶表示装置を構成することが好ましい。所定実効電圧Vtはパネル温度が低い場合に大きくし、パネル温度が高い場合に小さくする。また、図48などにおける画素16に印加するc電圧もパネル温度により変化させることが好ましい。c電圧は、パネル温度が高い場合に低くし、パネル温度が低い場合に高くする。c電圧の可変により実線及び点線も移動させる(変化させる)。c電圧はRGBで異なる。したがって、RGBでことなったc電圧を設定し、かつ、このRGBのc電圧をパネル温度により共通にあるいは独立に変化あるいは調整できるように構成することが好ましい。
以上の実施例では、各画素で黒書込期間aにおいて前記画素に印加する黒電圧を決定するとした。しかし、黒電圧は各画素で決定することに限定されない。表示領域の表示画面20の映像信号の平均値、液晶層364に印加される実効電圧値の平均値あるいは映像信号のペデスタルレベルから、1つの黒電圧を求め、全画素に印加してもよい。あるいは映像書込期間bで、1画素行に印加される映像信号の平均値、実効電圧値の平均値あるいは映像信号のペデスタルレベルから、1画素行に対応する1つの黒電圧を求め、前記1画素に印加してもよい。なお、映像信号の平均値を用いるとしたが、表示画面20の全画素から平均値を求めることに限定されない。選択した所定の画素、あるいは一部の表示画面20の画素から求めてもよいことは言うまでもない。あるいは映像書込期間bで、表示画面20を複数の区画に分割し、分割した区画の画素に印加される映像信号の平均値、液晶層364に印加される実効電圧値の平均値あるいは映像信号のペデスタルレベルから、前記区画の画素に対応する1つの黒電圧を求め、前記区画の画素に印加してもよい。以上のように、液晶表示装置に印加される映像信号から、各画素に対応する、あるいは複数の画素に対応する黒電圧を求め、求めた黒電圧を黒書込期間aに印加するものである。この場合は、黒電圧発生のために、内蔵RAM297から映像データを読み出すことを必要としない。以上の実施例の場合は、図45で説明するように、RAM297またはゲートソースドライバIC31内などのデータラッチ回路に黒電圧(黒電圧を発生させるデータ)の保持し、この保持したデータを用いて黒電圧を発生させる。黒電圧を発生させるデータを保持するメモリ容量は、使用するデータ(例えば、画素列数、区分ブロック数、画素行数)に対応させて設ける。
なお、黒電圧は、1フレームあるいはそれ以上遅れて求めてもよい。例えば、第1フレームで画素に印加する黒電圧(各画素または複数の画素に対応する黒電圧)を映像信号などから求め、第1フレームの次の第2フレームの黒書込期間aで前記求めた黒電圧を各画素に印加してもよい。
例えば、図24の黒書込期間aにおいて、1フレーム前の内蔵RAM297の映像データを読み出し、黒電圧を発生させる。発生させた黒電圧を表示画面20の画素に書き込む。映像書込期間bでは、現フレームの映像データが書き込まれたRAM297からデータを読み出し、発生させた映像信号を表示画面20の画素に書き込む。
黒電圧は、映像信号(ガンマ処理前あるいはガンマ処理後の映像信号)から求めるだけでなく、表示領域の平均透過率から求めてもよい。また、外光の明るさ(パネルの環境照度)を加味して黒電圧を決定する。映像信号の上位1ビットなど一定のデータbitから黒電圧を決定してもよい。例えば、映像信号(映像データ)が2進数表記で’100000’とすれば、上位2ビットは、’10’であるので、この’10’=2を黒電圧データとする方式が例示される。
以上の実施例は、映像データから黒電圧を発生させるとしたが、逆の場合も例示される。例えば、内蔵RAM297に黒電圧を発生させる黒電圧データを保持させる。この黒電圧データをビット反転することにより、映像信号となる映像データを発生させる。例えば、黒電圧データが2進数表記で’000010’とすれば、映像データは、’111101’であるので、この’111101’=61を映像データとする方式が例示される。
以上の実施例では、映像データを加減算、ビット反転などを行うことにより、黒電圧を生成するとした。これらの処理は、RGBで異ならせることが好ましい。RとBでは変調する光波長が大きく異なるから、同一電圧であっても、RとBでは、液晶層の透過率が異なるからである。なお、映像データを加減算、ビット反転などの処理は相互に組み合わせることができることは言うまでもない。
以上のように、本発明は、映像データから黒電圧データを発生させる方式、黒電圧データから映像データを発生させる方式の両方が本発明の技術的思想である。つまり、本発明は、映像データもしくは黒電圧データを用いて、いずれか他方のデータを発生し、画素16に印加するものである。
図48などでは、縦軸は液晶層に印加する実効電圧値である。したがって、階調数に対する実効電圧値の変化は、ソース信号線Sに印加する映像信号(映像電圧)と対向電極に印加するコモン信号(VCOM)のいずれか一方あるいは両方の変化により実現できる。本発明は、ソース信号線Sに印加する映像信号(映像電圧)と対向電極に印加するコモン信号(VCOM)のいずれか一方の変化させることに限定するものではないが、回路構成あるいは駆動方式の観点から、映像信号を変化させ、液晶層に印加する電圧実効値を変化させている。
以上の実施例で説明した事項、内容は、すべて図54〜図60などで説明する本発明の他の実施例にも適用できることは言うまでもない。また、他の実施例と図48で説明した内容は相互に組み合わせることができる。また、本明細書に記載した他の実施例にも適用できることは言うまでもない。また、相互に組み合わせることができることもいうまでもない。また、図61〜図63の本発明の表示機器にも適用できることは言うまでもない。
(11−3−2)変更例1
図54は、映像書込期間bに画素16に書き込む電圧(点線)、黒書込期間aに画素16に印加する電圧(実線)を階調に対して曲線とした実施形態である。曲線は、映像データに一定の関数式を書けることにより求める。以上のように、階調に対する黒電圧あるいは映像信号電圧は容易に変化あるいは調整できる。また、電圧範囲Aと電圧範囲Bの値を変化あるいは変更して最適な値にする。また、電圧範囲Aと電圧範囲Bの比率を一定の関係で調整して最適な値にする。なお、cは、液晶モードあるいは液晶層364の膜厚により適切に設定する。また、電圧範囲Aと電圧範囲Bの値は、パネル温度により変化させる。また、電圧範囲Aと電圧範囲Bはそれぞれ独立に設定することもできる。電圧範囲Aと電圧範囲Bの値は、EEPROM394に設定しておく。以上の事項は、本発明の他の実施例にも適用できることが言うまでもない。
(11−3−3)変更例2
図55は、R、G、Bに対応させて、階調番号に対する黒電圧あるいは映像信号電圧は変化させた実施形態である。黒書込期間aで液晶層に印加する黒電圧及び映像書込期間bで液晶層に印加する映像信号電圧を階調番号に対応させて適切に設定している。RGBで黒電圧、映像信号電圧のうち少なくとも一方を変化させることにより、良好なコントラスト表示実現することができる。階調番号と液晶層に印加する実効電圧値は、線形の関係に限定されるものではなく、図59のように非線形の関係にしてもよい。
(11−3−4)変更例3
図56は、階調番号aよりも大きい階調番号で、RGBの液晶層364で印加する黒電圧を同一にした実施形態である。aの値は、パネル温度により変化あるいは調整できるように構成する。a階調より大きい範囲では、黒書込期間aで液晶層に印加する黒電圧の大きさを所定値(固定値)とする。なおRGBで一定としてもよい。図56のように構成することにより回路構成、制御方法が容易になる。所定値(固定値)は液晶モードあるいは液晶層364の膜厚により適切に設定する。また、パネル温度により変化させる。また、aの位置は、RGBで変化させることが好ましい。
(11−3−5)変更例4
図57は、黒電圧を階調番号に対して一定値とした実施形態である。但し、黒書込期間aで液晶層に印加する黒電圧はRGBで異ならせている。RGBで最適な黒電圧があるからである。RGBの黒電圧は液晶モードあるいは液晶層364の膜厚により適切に設定する。また、黒電圧は、パネル温度により変化させる。
(11−3−6)変更例5
以上の実施形態では、階調0での黒電圧は、階調0での映像信号電圧と一致させるとした。しかし、本実施形態はこれに限定されるものではない。図58の実線に図示するように、階調0での黒電圧と、階調0での映像信号電圧とは異ならせてもよいことは言うまでもない。実線Bでは、階調0において、黒電圧は階調0での映像信号電圧以下とした実施形態である。実線Aでは、階調0において、黒電圧は階調0での映像信号電圧以上とした実施形態である。
任意の画素において、黒書込期間aで前記画素の液晶層364に印加される電圧と、映像書込期間bで前記画素の液晶層364に印加される電圧との実効電圧が所定の値となるようにすることが好ましい。所定値としての実効電圧が、4Vとし、映像書込期間bで画素の液晶層364に印加される電圧が2Vとすれば、黒書込期間aで前記画素に印加する電圧は、2Vにする。所定値としての実効電圧が、4Vとし、映像書込期間bで画素の液晶層364に印加される電圧が1Vとすれば、黒書込期間aで前記画素に印加する電圧は、3.88Vにする。
黒書込期間aで画素の液晶層364に印加される電圧と、映像書込期間bで画素の液晶層364に印加される電圧とから求まる所定実効値は、一定の範囲にする。理想所定実効値(液晶モードあるいは液晶層364の膜厚により決められた値)の、80%以上120%以下にする。
(11−3−7)変更例6
以上の実施形態は、黒電圧あるいは映像信号電圧は直線のように表現したが、本実施形態はこれに限定するものではない。例えば、図59のように、多数の折れ線あるいは曲線にしてもよい。
(11−3−8)変更例7
以上の実施形態では、液晶表示パネルの表示モードはノーマリホワイトモード(NW)としたが、本実施形態は、これに限定するものではない。ノーマリブラックモード(NB)でもよい。ノーマリホワイトモードは、図60でNWと記載した線のように黒電圧などを液晶層に印加する。ノーマリブラックモードは、図60でNBと記載した線のように黒電圧などを液晶層に印加する。また、黒電圧、映像電圧は、パネル温度により変化させる。
(12)表示機器への適用
次に、本実施形態の液晶表示装置を表示ディスプレイとして用いた表示機器について説明をする。
(12−1)携帯電話
図61は、情報端末装置の一例としての携帯電話の平面図である。
筐体613にアンテナ611などが取り付けられている。612aは、黒電圧期間aの長さを変化させる切換キーである。黒電圧期間aを変化させることにより、表示画像の明るさを切り替えることができる。612bは再転移スイッチである。儀逆転移が発生し、画像表示品位が低下したとき、スイッチ612bを押すことにより、転移シーケンスが実施され、ベンド配向状態になる。612cは、スタンバイキーである。612cを押すことにより転移維持シーケンスに入り、再度、スタンバイキー612cを押さえることにより、復帰シーケンスが実施され画像表示状態のなるになる。また、液晶表示パネルのモード(透過型、半透過型)を切り替えるキー612を設けることが好ましい。以上のキー612は、図62、図63の表示機器にも設置される。
615はホトセンサである。ホトセンサ615は、外光の強弱にしたがって、黒書込期間a、バックライトの点灯輝度などを変化させて、表示画面20の輝度を自動調整する。
携帯電話は、通常は、縦長画面で画像をみるが、近年では、地上波デジタル放送を視聴する場合は、横長画面で見ることが多い。本実施形態は、図64に図示するように、横長画面の映像信号を内蔵RAM297で縦横変換する機能を有している。地上波デジタル放送は、横400RGB、縦240画素行でデータが送られてくる。地上波デジタル放送の1フレームは240以上の水平同期信号に同期して画像が伝送される。画像データは1画素行目、2画素行目・・・・・240画素行目、ブランキング期間とデータが送られてくる。内蔵RAMは、240RGBx400であるから、地上波デジタル放送のデータは、縦横変換されて、内蔵RAM297に格納される。縦横変換は、RAMの行と列行のカウンタを操作することにより実現できる。この格納したデータを図9、図25などで説明したように読み出せば、図64の右端の図に示すように、本実施形態の表示装置に画像表示を行える。
図64のデータの縦横変換を実現するためには、表示装置に入力する外部の映像信号に一定の条件制約が必要である。外部の映像信号は、図65に図示するように、外部V(垂直同期信号)に同期して画像が送られてくる。1フレームは、RAM書込期間とブランキング期間からなる。RAM書込み期間に黒書込期間aが重なってもよいが、映像書込期間bとRAM書込期間は重なってはならない。RAM297からのデータの読み出しは、240RGB毎に実施される。RAM297への書込みは、縦方向(1画素行目の1RGB(1列目)、2画素行目の1RGB、・・・・・・・400画素行目の1RGB、1画素行目の2RGB(2列目)、2画素行目の2RGB、・・・・・・・400画素行目の2RGB、・・・・・・・1画素行目の240RGB(240列目)、2画素行目の240RGB、・・・・・・・240画素行目の400RGB)に実施される。したがって、映像書込期間bとRAM書込期間が重なると同一RAMにデータの書込みとデータの読み出しが発生することになる。この対策のため、図65に図示するように、映像書込期間bはブランキング期間をなるようにしている。もしくは、映像書込期間b(映像データをRAM297から読み出す期間)には、RAM297に書き込むデータがない、または、書き込む必要がない映像信号フォーマットとしている。
(12−2)ビデオカメラ
図62はビデオカメラの斜視図である。
ビデオカメラは撮影レンズ部623とビデオカメラ本体613と具備している。本実施形態の液晶表示装置は表示モニター614としても使用されている。表示画面20は支点621で角度を自由に調整できる。表示画面22を使用しない時は、格納部623に格納される。
図61、図62の本実施形態の表示機器では、キー612の操作により、表示輝度などを切り替えることができる。キー612の操作は、ユーザーが切り替えできるようにしておく。また、設定モードで自動的に変更できるかを切り替えられるようにしている。自動の場合は、外光の明るさを検出して自動的に、表示輝度を50%、60%、80%と設定できるように構成している。
本実施の形態の液晶表示装置などはビデオカメラだけでなく、図63に示すような電子カメラにも適用することができる。本実施形態の液晶表示装置はカメラ本体631に付属されたモニター22として用いる。カメラ本体631にはシャッタ633の他、スイッチ612が取り付けられている。
上記実施形態で説明した液晶表示装置の技術的思想は、ビデオカメラ、プロジェクター、立体(3D)テレビ、プロジェクションテレビ、ビューファインダ、携帯電話のメインモニター及びサブモニターあるいは時計表示部、PHS、携帯情報端末などに適用できる。例えば、液晶プロジェクタにおいて、図4のように、ライトバルブとしての液晶表示パネルを本実施形態の駆動を実施し、バックライトとしての放電ランプを本実施形態のようにオンオフ制御すればよい。
(13)変更例
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々な変形・変更が可能である。
例えば、IPS(In Plane Switching)液晶表示パネルでは、対向電極362は、アレイ基板側に形成され、対向電極362とは、面状ではなく線状の信号線である。この信号線も電極としての機能を有し、この信号線と画素電極間に液晶分子が配されるため対向電極である。本発明の各実施例では、コモン電圧は、画素電極23に対向する位置にある対向電極362に印加するように実施例を記載した。しかし、本発明は、対向電極と機能する電極と、画素電極間にコモン電圧あるいは映像電圧を印加し、配置された液晶層364の液晶分子365の配向状態を変化させるものである。したがって、本発明の各実施例は、対向電極の位置あるいは形状に依存せず適用することができる。したがって、IPS液晶表示パネルなども本発明の技術的範疇である。
また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施されてもよく、その場合は、その組み合わせによる特徴ある効果が得られる。
本実施形態の液晶表示装置の構成図である。 液晶表示パネルの説明図である。 液晶表示装置の構成図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動回路の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の説明図である。 液晶表示装置の説明図である。 OCB液晶表示装置の動作の説明図である。 液晶表示装置の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動回路の説明図である。 液晶表示装置の駆動回路の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 液晶表示装置の駆動方法の説明図である。 本実施形態の表示機器の説明図である。 本実施形態の表示機器の説明図である。 本実施形態の表示機器の説明図である。 本実施形態の表示機器の説明図である。 本実施形態の表示機器の説明図である。
符号の説明
11 コントローラ回路
12 ゲートドライバ回路
14 ソースドライバ回路
15 アレイ基板
16 画素
17 バックライトドライバ回路
18 バックライト
19 液晶表示パネル
20 表示画面
23 画素電極
31 ゲートソースドライバIC
290 コモン信号部
291 電圧発生回路
292 ゲートドライブ部
293 ソースドライブ部
294 ガンマ回路
295 出力アンプ回路
296 電圧選択回路
297 RAM
298 ラッチ回路
299 転移回路
300 コントローラ部

Claims (14)

  1. 複数本のソース信号線と複数本のゲート信号線とが互いに直交するように配線され、前記ソース信号線と前記ゲート信号線とが交差する近傍に画素スイッチング素子が形成されることにより、複数の画素がマトリックス状に配されて表示領域が形成されたアレイ基板と、
    前記アレイ基板に液晶層を挟んで配された対向電極を有する対向基板と、
    を含む液晶表示パネルを有する液晶表示装置の駆動装置において、
    (1)1フレーム中における第1の期間に黒電圧を前記各画素に書き込み、(2)前記1フレーム中における前記第1の期間後の第2の期間に映像信号を前記各画素に書き込む映像表示制御部と、
    (1)前記第1の期間においてコモン電圧VmHを前記対向電極に印加し、次の前記第2の期間においてコモン電圧VcH(但し、VmH>VcHである)を印加し、(2)前記1フレームの次の1フレーム中の第1の期間においてコモン電圧VmLを前記対向電極に印加し、次の前記第2の期間においてコモン電圧VcL(但し、VmL<VcL<VcHである)を印加するコモン電圧印加部と、
    を有する液晶表示装置の駆動装置。
  2. 複数本のソース信号線と複数本のゲート信号線とが互いに直交するように配線され、前記ソース信号線と前記ゲート信号線とが交差する近傍に画素スイッチング素子が形成されることにより、複数の画素がマトリックス状に配されて表示領域が形成されたアレイ基板と、
    前記アレイ基板に液晶層を挟んで配された対向電極を有する対向基板と、
    を含む液晶表示パネルを有する液晶表示装置の駆動装置において、
    (1)1フレーム中における第1の期間に黒電圧を前記各画素に書き込み、
    (2)前記1フレーム中における前記第1の期間後の第2の期間に映像信号を前記各画素に書き込み、
    (3)前記第1の期間に画素に印加する黒電圧の大きさは、前記第2の期間に前記画素に印加する映像信号の大きさにより決定する映像表示制御部と、
    を有する液晶表示装置の駆動装置。
  3. 前記液晶表示パネルを照明するバックライトと、
    前記第1のフレーム中の第1の期間及び前記第2の期間に前記バックライトを消灯させ、前記第1のフレーム中の前記第1の期間及び前記第2の期間以外の期間に前記バックライトを点灯させるバックライト制御部と、
    を有する請求項1または請求項2記載の液晶表示装置の駆動装置。
  4. 前記液晶表示装置の駆動装置のソース信号線には、前記1フレーム毎に極性の異なる映像信号が印加され、
    前記第1の期間の開始後前記第2の期間の開始前、または、前記第2の期間の開始と同時に、前記映像信号の極性を切り替える、
    請求項1または請求項2記載の液晶表示装置の駆動装置。
  5. 前記液晶表示パネルのパネル温度を検出する温度検出部を更に有し、
    前記温度検出部は、前記第1の期間を前記パネル温度により変化させる、
    請求項1または請求項2記載の液晶表示装置の駆動装置。
  6. 前記液晶表示パネルのパネル温度を検出する温度検出部を更に有し、
    前記温度検出部は、前記パネル温度に基づいて、前記第1の期間に前記液晶層に印加する電圧の大きさと前記第2の期間に前記液晶層に印加する電圧の大きさのうち、少なくとも一方の電圧の大きさを変化させる、
    請求項1または請求項2記載の液晶表示装置の駆動装置。
  7. 前記液晶表示装置の駆動装置に入力される信号のフレームレートを、1.25倍または1.5倍速のフレームレートに変換し、前記表示領域に画像を表示する、
    請求項1または請求項2記載の液晶表示装置の駆動装置。
  8. 前記第1の期間で前記黒電圧を複数の画素行に同時に書き込む、
    請求項1または請求項2記載の液晶表示装置の駆動装置。
  9. 前記液晶表示装置の駆動装置は、透過型、半透過型、または、反射型である、
    請求項1または請求項2記載の液晶表示装置の駆動装置。
  10. 前記映像表示制御部は、
    前記各画素に映像信号に対応する電圧を印加するソースドライバ部と、
    前記電圧を印加する画素行を選択するゲートドライバ部と、
    外部から入力された前記映像信号を保持するRAM回路と、
    を有する請求項1または請求項2記載の液晶表示装置の駆動装置。
  11. 前記黒電圧を発生させるデータを保持するメモリを更に有する、
    請求項1または請求項2記載の液晶表示装置の駆動装置。
  12. 前記映像表示制御部は、
    前記液晶表示パネルに画像を縦横変換して表示するために、前記映像信号を縦横変換して前記RAM回路に格納する、
    請求項10記載の液晶表示装置の駆動装置。
  13. 前記映像表示制御部は、
    前記映像書込期間と前記RAM回路へのRAM書込期間が重ならないようにする、
    請求項12記載の液晶表示装置の駆動装置。
  14. 前記映像表示制御部は、
    前記映像書込期間と前記映像信号のブランキング期間が重なるようにした、
    請求項13記載の液晶表示装置の駆動装置。
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