JP2007304547A - 光源装置及びその調整方法と製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】調整工数が少なくて信頼性が高く、また部品点数が少なくて低価格で小型の光源装置を提供することである。
【解決手段】光軸方向調整部材を有し、かつ、光軸方向に弾性を有する弾性部材が、光源支持板に接しその弾性に抗して変形させてコリメートレンズに対する光源の光軸方向の位置を移動、固定させる構造とするため、コリメートレンズを予め精度良くコリメートレンズ台に接着、ないしは他の手段によって固定した後に、光軸方向の距離調整を行う為、接着剤の硬化や、振動等によるずれといった影響を受けることなく、調整後の光軸方向の位置を保持することができる。
【選択図】図1
【解決手段】光軸方向調整部材を有し、かつ、光軸方向に弾性を有する弾性部材が、光源支持板に接しその弾性に抗して変形させてコリメートレンズに対する光源の光軸方向の位置を移動、固定させる構造とするため、コリメートレンズを予め精度良くコリメートレンズ台に接着、ないしは他の手段によって固定した後に、光軸方向の距離調整を行う為、接着剤の硬化や、振動等によるずれといった影響を受けることなく、調整後の光軸方向の位置を保持することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、レーザプリンタ、複合機、ファクシミリ等の画像記録装置に用いる走査光学装置の光源装置において、光源とコリメートレンズとの間の光軸方向の距離を調整する機構およびその製造方法に関するものである。
図24は、レーザビームプリンタにおける従来の一般的な走査光学装置の一例の概略構成図である。図24(a)は斜視図、図24(b)は主要光学部品の構成を示す平面図である。
以下、図24(b)を用いて、簡単に走査光学装置の動作概要を説明する。光源(半導体レーザ)101から射出した発散光は、コリメートレンズ102、絞り103、シリンドリカルレンズ104を通過し、ポリゴンミラー105で反射、走査され、fθレンズ106を通過して感光体107上に結像し、等速走査する。光源装置110では、光源から発せられた発散光をコリメートレンズ102で平行な光束にし、絞り103を通過することで光束を整形している。
ここで、光源101、コリメートレンズ102、絞り103からなる光源装置110の必要とされる条件は、光源101の光軸と、コリメートレンズ102の光軸とを光源装置110のあるべき光軸と一致させること、そして光源101から出力されるレーザ光109がコリメートレンズ102によって、平行光となるように光源101とコリメートレンズ102との距離が調整されていなければならないことである。
一般に、アンダーフィールド光学系の走査光学装置では、コリメートレンズ102の焦点距離は6〜15mm程度のものが選択される。コリメートレンズ102の焦点距離を長くすると、コリメートレンズ102通過後の平行光束幅が大きくなる。それに伴って、絞り103を大きくすると、大型のポリゴンミラー105が必要になる、その場合には、電力、起動時間、騒音、熱などの問題がある。
一方、絞り103を大きくしない場合には絞り103を通過する光量が減少し、出力の大きな光源101が必要になると共に、絞り103での光束のケラレが大きくなるため、ビームの回折の影響で、ビーム径が大きな走査光学装置になってしまう。
一方で、走査光学装置をレーザプリンタにレイアウトする際には、感光体107周辺には帯電装置、現像装置、転写装置、感光体のクリーニング装置などがあるため、走査光学装置はある程度離れた場所に設置される。従って、走査光学装置のfθレンズ6の焦点距離は、自ずと100〜200mm前後のものを使用することとなる。
ここで、コリメートレンズ102の焦点距離を10mm、fθレンズ106の焦点距離を200mmとすると、横倍率は焦点距離の比率、縦倍率は焦点距離の比率の二乗に相当するので、横倍率は20倍、縦倍率は400倍になる。これは、光軸合わせの誤差が10μmあった場合に、感光体107上の位置ズレは200μmであり、コリメートレンズ102と光源101との距離調整の誤差が同じく10μmあった場合には、感光体107上の焦点ズレは4mmになることを意味している。
つまり、コリメートレンズ102に焦点距離の短い物を選択すると、倍率が更に高くなるので、光源装置110の調整誤差が更に厳しくなってしまう。このように走査光学装置の光源装置110は、倍率が高い為、調整時の精度、調整後の安定性は重要で特に、コリメートレンズ102と光源101との距離調整においては、極めて高い信頼性が求められる。
このようなことから、コリメートレンズ102と光源101との距離調整方法には、調整精度を確保しつつ調整工数を下げるための種々の提案があり、大きく分けると光源101を固定してコリメートレンズ102を光軸方向に平行移動させて調整する方法と、逆にコリメートレンズ102を固定して光源101を光軸方向に平行移動させる2つの方法がある。
図25に半導体レーザを固定し、コリメートレンズを可動にする距離調整の方法の代表例を示す(特許文献1参照)。鏡筒111に予め挿入固定されたコリメートレンズを、保持体112のV溝113に乗せて光軸方向へ、前後させて光源114との距離調整を行う。また、この構成では光軸の調整は、光源固定部材115を保持体112に結合する位置を微調整して一致させるものである。
しかし、この方法では、V溝113を形成する2つの平面の平行度と、其々の平面度、また光源固定部材115を取り付ける保持体112の垂直面の平面度、保持体112の垂直面とV溝113との直角度等の精度が確保できていないと、コリメートレンズを光軸方向に前後させて距離調整を行った際に光軸がずれたり、逆に光源固定部材115を保持体112とV溝113との垂直面上を調整移動させた際に光源114とレンズとの距離がずれることになる。
また、鏡筒111へのレンズの固定も同様に十分な精度が確保できていないと、距離調整時に光軸がずれたりする。仮にコストを低減するために、鏡筒111を省略しようとしても、コリメートレンズは薄いレンズ故、V溝113への座りが悪くなり精度の確保や調整工数の削減が難しくなってしまう。
つまり、本構成においては保持体112、鏡筒111、鏡筒111へのレンズ固定の全て部品に高い精度が要求され、精度が確保できない場合には調整工数が長くなってしまう。簡素な構造なので材料代としては低コストであるが、部品の品質管理、歩留まり、工数においては高コストな構造である。
また、鏡筒111とV溝113とを密着させるための押圧力が小さいと、鏡筒111を前後に移動させた際にV溝113の稜線方向と鏡筒111との間に隙間ができてレンズ光軸とがずれる原因になる。しかしながら押圧力が大きいと、レンズ鏡筒111と保持体112との摩擦が大きくなる為、距離調整時に鏡筒111が滑らかに前後移動させることが難しく、調整作業が長くなってしまう。
また、保持体112に安価な成型樹脂を用いる場合には、弾性体116の押圧力によって保持体112が高温環境下でクリープ変形することもあり、材料選定が限られる。また、温度変化による部材伸縮によるずれや、外部からの振動、衝撃力等によるずれ、といった課題もある。
これらから、接着剤を鏡筒111と保持体112との間に流し込んで、ズレを防止する方策が一般的に採られている。しかしながら接着剤は硬化時に体積が変動する為、調整終了後、接着剤を硬化させると、光軸や、光源114との距離がずれてしまっていることがあり根本的な解決策にはならない。
本構成とは逆に、レンズを固定して光源を可動とする距離調整の方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2の方法では、図26に示したように、光源(半導体レーザ)401を中空ねじのケーシング402に固定して、2つのナット403、404でベース405に固定するものである。
しかし、2つのナット403、404を締め付けて位置を固定する本方式では調整作業として幾つかの欠点がある。まず距離調整を行う際に、光源が回転してしまう。光源401からのレーザ光の広がり角度は縦、横で異なっている為、光源が回転すると、絞りでの光束のケラレの影響で、ビーム径が最適な値から外れてしまう。従って、光源が回転しないように、本文献には記載されていない別の仕掛けが必要である。
また、ナット403、404の締め付けトルクの負荷によって、各部品の変形や、各部品間のガタ、バックラッシ等の変動をもたらす。締め付けトルクの大小で、微妙な焦点位置が変動することとなる。ナット403、404の締め付けトルクが小さいと、輸送時の衝撃や、プリンタ装置内部での振動、温度上昇と下降の熱ストレスなどによってねじの緩みを生じるため、トルクを管理しないと製品の品質と信頼性を著しく低下させることになる。
過大な締め付けトルクで組まれた場合には、熱によるクリープ変形によって経年的な品質劣化の原因となる。また、締め付けトルクによって焦点位置が変動することは調整工数が長くなってしまう原因にもなる。レンズと光源401との距離が近すぎる場合の調整手順を考える。光源401の後方のナット403、404を一旦緩め、次に前方のナット403を所望の角度だけ回転させて光源401を後方にずらし、その後再度後方のナット404を締め付けることとなる。しかし、2つのナット403、404の締結力で光源401の位置、ナット403、404とねじとの相対位置が固定される方式なので、実際には後方のナット404を緩めた段階で、前方のナット403も少し緩みが生じている。
従って、光源401を後方にずらす際には、前方のナット403が緩んでいることを考慮して、少し前方のナット403を余分に回転させて光源401を少し余分に後方に移動させる必要がある。この加減が部品の持つばらつきや、作業者の習熟度などに影響され、結果、品質のバラツキや、信頼性の低下、工数の増大をもたらす。
また、これと同様にレンズを固定し光源を可動にする別の方法も提案されている(特許文献3)。図27はこの調整方法と、調整機構を示している。図27(a)は光源装置の分解斜視図、図27(b)は背面図、図27(c)は、図27(c)のG−G線における断面図である。
半導体レーザ501は、半導体レーザ位置決め部材502によって位置決めされており、調整ねじ保持部材503の中央位置には調整ねじ504が取り付けられている。信号ケーブル(フレキ)505に電気的に接続された半導体レーザ501の端子506は、間隔部材508によって調整ねじ504と間隔を保ち電気的な絶縁状態を保持している。
調整ねじ504を進退させると、半導体レーザ501を取り付けた半導体レーザ保持部507が間隔部材508を介して光軸方向に進退し、半導体レーザ501とコリメートレンズ509の間隔が調整されることになる。
なお、光軸の調整は、半導体レーザユニット固定ねじ510、511の外径とこれらを挿通した取付け穴512、513との隙間の範囲内で行なわれる。
したがって、例えば調整ターゲット位置にレーザビームを検出するための冶具をセットして、半導体レーザ取付け部材514を主走査方向あるいは副走査方向に移動させることによって半導体レーザ501の位置を調整し、レーザビームが所望の位置に焦点を結んだ状態で半導体レーザユニット固定ねじ510、511を締めつければよい。
しかし、この方法でも次に示すような、幾つかの問題があった。本調整構造では、半導体レーザ501の背面(端子側)に間隔部材508が配置されているため、回路基板を直接、半導体レーザ端子に接合することは構造的に不可能である。回路基板を半導体レーザ501に直付けできないため、信号ケーブル505を介して電気接点を確保している。
この構成では、信号線の電気抵抗、静電容量を大きくすることになるため、高速駆動する半導体レーザ501の応答速度を劣化させることとなる。また、信号ケーブル505は不安定で取り扱いにくい。このため、半完成品の運搬工程や、光源装置組み立て工程において、半田外れや半導体レーザ501の静電破壊といった部品不良を引き起こすことがある。
また、本構成では調整位置を保持させる間隔部材508に対して、調整ねじ504は点接触であるため、弾性部材の傾きが不安定になりやすい。調整ねじ504が間隔部材508に対して当接している位置が間隔部材508の中心からずれている場合には、間隔部材508に回転モーメントが生じ、弾性部材が傾いてしまうことがある。これは、光軸調整後に、距離調整を行うと再度光軸がずれることを意味する。この問題は、調整ねじ504の先端部の偏芯量がある場合や、間隔部材508の加工、半導体レーザユニットの組み立て精度が悪い場合に発生し、その場合には調整工数の増大をもたらす。結果的に、部品や組み立て精度の管理が必要で部品や、工数を含む製造コストを引き上げる要因になってしまう。
加えて、調整ねじ504と間隔部材508の接触が点接触であることは、外力による振動に極めて不安定である。レーザ走査中に外部より加えられる振動、衝撃力や、高速で回転するポリゴンモータ等の装置内部の振動によって、半導体レーザ501が振動し、印刷画像にジッタや色ずれを引き起こすこともある。
また、本構成では半導体レーザ501と調整ねじ504には弾性部材の変形反力が作用しており、それによって調整ねじ504の持つバックラッシを吸収させる効果があるが、調整ねじ504の回転調整は調整ねじ保持部材503の後方より行う構造であるため、調整ねじ504を回転させるために調整ねじ504に工具を後方から押し当てると、調整ねじ504のバックラッシ分、半導体レーザ501を動かしてしまう。本方式でも作業者にはかなりの習熟が必要であり、習熟度が低いと、調整時間が長く、また、調整精度も悪くなってしまう。
また、機内温度が変動すると、コリメートレンズ台が伸び縮みして、コリメートレンズ509と半導体レーザ501との距離が変動し、焦点位置がずれる場合がある。この問題は特に、コリメートレンズ台を安価な樹脂成型品で代用させた場合などに発生する。
ガラス等の強化繊維を含有させた樹脂材料を選択すると、線膨張係数を小さくすることができるが、樹脂の成型条件などによっても配向が変動して線膨張係数が所望の値にならないことがある。その場合には、本構成ではコリメートレンズ台そのものの素材を種々変更して、線膨張係数を変更して対応をする必要がある。しかしながら、コリメートレンズ台は複雑な形状をしている為、成型条件、材質の変更によって所望の値にすることは難しい。
また、間隔部材508、半導体レーザ取付け部材514、調整ねじ保持部材503、信号ケーブル505といったように、必要となる部品点数が多く、材料費と、組み立て工数の両側面で高コストな構造である。加えて、半導体レーザ501の後方に調整ねじ504や、調整ねじ保持部材503を配置する為、光源装置が大型になってしまうことは言うまでもない。
実開昭63−162310号公報(第1頁、第1図)
特開2001−264669号公報(第3〜4頁、第3図)
特許第3077375号公報(第4〜5頁、第1図、第3図)
以上のように、調整機構として様々な方法が提案されてきたが、それぞれ一長一短であり、全ての問題を解決できる方法は存在しなかった。
したがって、本発明は、前記のような従来の問題を解決するものであり、調整工数が少なくて信頼性が高く、また部品点数が少なくて低価格で小型の光源装置、及びその調整方法と製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明の光源装置は、光源と、光軸方向に弾性を有する光源支持板とが結合された光源ユニットと、コリメートレンズを固定したコリメートレンズ台と、前記光源ユニットと前記コリメートレンズ台との間に設置された光軸方向調整部材とを備え、前記光源ユニットは、光軸と垂直な平面内で位置調整して、前記光源支持板を介して前記コリメートレンズ台に固定可能であり、前記光軸方向調整部材は、光軸方向に移動可能であり、かつ前記移動により前記光源支持板に接しその弾性に抗して前記光源支持板を変形させて、前記コリメートレンズに対する前記光源の光軸方向の位置を調整可能にするように配置されていることを特徴とする。
本発明の走査光学装置は、前記光源装置を備えた走査光学装置であって、前記光源装置から発せられた光を走査面上に結像する結像光学系と、前記結像した光を前記走査面上に走査させる走査装置をさらに備えている。
本発明の光源装置の調整方法は、光源と、光軸方向に弾性を有する光源支持板とが結合された光源ユニットと、コリメートレンズを固定したコリメートレンズ台と、前記光源ユニットと前記コリメートレンズ台との間に設置され、前記光源支持板に接する光軸方向調整部材とを備えた光源装置における調整方法であって、前記光軸方向調整部材を移動させ、前記光軸方向調整部材に接した前記光源支持板の弾性に抗して前記光源支持板を変形させることにより、前記コリメートレンズに対する前記光源の光軸方向の位置を調整する工程と、前記光源ユニットを、光軸と垂直な平面内で位置調整した後、前記光源ユニットを、前記光源支持板を介して前記コリメートレンズ台に固定する工程とを備えたことを特徴とする。
本発明の走査光学装置の製造方法は、光源と、光軸方向に弾性を有する光源支持板とが結合された光源ユニットと、コリメートレンズを固定したコリメートレンズ台と、前記光源ユニットと前記コリメートレンズ台との間に設置され、前記光源支持板に接する光軸方向調整部材とを含む光源装置を備えた走査光学装置の製造方法であって、前記光軸方向調整部材を移動させ、前記光軸方向調整部材に接した前記光源支持板の弾性に抗して前記光源支持板を変形させることにより、前記コリメートレンズに対する前記光源の光軸方向の位置を調整する工程と、前記光源ユニットを、光軸と垂直な平面内で位置調整した後、前記光源ユニットを、前記光源支持板を介して前記コリメートレンズ台に固定する工程とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、位置調整後においても光源とコリメートレンズとの間の位置関係を維持することができる。また、光源とコリメートレンズ間の光軸方向の位置調整と独立して光軸調整を容易に行なうことが可能である。さらに、小型で部品点数の少ない光源装置を提供することができる。
本発明によれば、コリメートレンズを予め精度よくコリメートレンズ台に接着、又は他の手段によって固定した後に、コリメートレンズに対する光源の光軸方向の位置調整が可能である。このため、位置調整後に接着剤の硬化や、振動等によるコリメートレンズのずれの影響を受けることがなく、位置調整後においても光源とコリメートレンズとの間の位置関係を維持することができる。
また、光源ユニットは、光軸と垂直な平面内で位置調整して、光源支持板を介してコリメートレンズ台に固定可能な構造としているため、光源とコリメートレンズとの間の光軸方向の位置調整と独立して光軸調整を容易に行なうことが可能である。
さらに、本発明は、光軸方向調整部材を、光源ユニットとコリメートレンズ台との間に設置している。すなわち、光軸方向調整部材を、元々光学的に必要な空間に設置しているため、小型で部品点数を少なくすることができる。
前記本発明の光源装置においては、前記光源ユニットに、さらに前記光源の駆動回路の少なくとも一部を含む回路基板が結合されており、前記光源、前記光源支持板、及び前記回路基板が一体的に結合されていることが好ましい。この構成によれば、フレキのような信号ケーブルを必要せず、光源を回路基板へ直付けすることが可能となる。これによって、フレキのような新規の部品を削減すると共に、信号線の電気抵抗、静電容量を小さくすることができ、高速駆動する半導体レーザ(光源)の応答速度の劣化を防止することができる。また、半完成品の運搬工程や、光源装置組み立て工程において、半田外れや半導体レーザの静電破壊といった部品不良を防止することもできる。
また、前記コリメートレンズは、前記コリメートレンズ台に接着剤により取り付けられ、前記接着剤の一部が硬化した状態で、前記コリメートレンズ台を熱処理することにより、前記コリメートレンズが前記コリメートレンズ台に固定されていることが好ましい。
また、前記光軸方向調整部材は、前記コリメートレンズ台に螺合されてその回転によって光軸方向に移動可能な調整部材で、かつ光軸方向と交差する方向から工具を挿入して調整可能にするための工具受け部を有することが好ましい。この構成によれば、光軸方向調整部材を回転させて、初めて光軸方向調整部材が移動する。このため、工具を光軸方向調整部材に係合させただけでは、光軸方向へ光源支持板を変形させることはない。従って、光源を前後させる場合にも、例えば前方に移動させ過ぎた場合は単純に、その分だけ調整部材の回転を戻せばよく、光軸方向に力を作用させながら調整部材を回転させる従来の方法よりも短時間でかつ、精度良く調整作業を終了することができる。
また、前記光軸方向調整部材は、前記光源支持板との接触部の形状が、前記光源の外周を包み込むような環状であることが好ましい。この構成によれば、光軸方向調整部材が露出している空間が狭い空間であっても、厚みが薄い調整工具をこの空間に挿入して、光軸と交差する方向から調整工具を光軸方向調整部材に係合させることができる。このことにより、光軸方向調整部材を容易に回転させることができる。すなわち、本発明のように、光軸方向調整部材を、光学的に元々必要な空間に配設した場合は、光軸方向調整部材の露出空間は狭い空間に限られるが、このような場合であっても、容易に調整作業をすることができる。
また、光源支持板を光源調整部材ねじが光源を取り囲むように押圧して、光軸方向の位置調整がなされるので、光源調整部材ねじを回転させた際に生じる回転モーメントによる光軸のずれを抑制することができる。さらに、光源支持板と光源調整部材ねじとの接触面積が大きいため、外部からの振動による光源の振動を抑制する効果もある。
また、前記環状部分の外周が多角形、又は前記環状部分に溝が形成されていることが好ましい。
また、前記光軸方向調整部材は、前記コリメートレンズ台と螺合しており、前記光源支持部材との接触部の外径は、前記光軸方向調整部材が前記コリメートレンズ台と螺合されている部分の外径よりも大きいことが好ましい。この構成によれば、コリメートレンズ台に光軸方向調整部材を取り付ける際には、光軸方向調整部材のねじ部を完全にコリメートレンズ台に埋め込ませるまでねじを回転させればよく、作業は極めて単純になる。ねじの段付き部の寸法精度と、レンズ台の寸法精度がある程度確保できていれば、この組み立ての作業終了時点で、光軸方向の距離はある程度確保できているようにすることが可能になり、調整の工数を更に低減することができる。
また、光軸方向調整部材と光源支持板との当接面積が小さい場合、光軸方向調整部材が光源支持板に当接する部分がクリープ変形して、光軸方向の距離が経年変化することがある。しかし、本発明の構造によれば、当接部の面積が大きいため、クリープ現象による材料の劣化を低減させることができ、種々の材料を用いることができるようになる。また、素材の選択の幅が大きいことは、機内温度が変動した際に、コリメートレンズ台の伸び縮みによる焦点位置がずれることを防止できる効果もある。すなわち、素材変更の幅が増えれば、線膨張の影響と、クリープの問題を同時に解決できる素材を選択することができる。
また、本発明の前記各構成において、光軸方向調整部材は、光源ユニットとコリメートレンズ台との間に設置されている。このため、コリメートレンズと光源との距離変動は、コリメートレンズ台と光軸方向調整部材の両方の変形が合成された結果として生じる。したがって、コリメートレンズ台よりも小さく、かつ簡素な構造である光軸方向調整部材の素材を変更して焦点ずれの対策をすることができる。
また、前記光源ユニットは、前記光源の光軸方向の位置調整後に、前記コリメートレンズ台に固定されるように構成されたことが好ましい。この構成は、光源の光軸方向の位置調整後に、光源ユニットをコリメートレンズ台に、更に固定する構成である。このことにより、装置内の振動や衝撃力が光源装置に伝達した際に、光源支持板の弾性部の振動により光源ユニットが振動したり、光軸の調整がずれたりすることを防止することができる。また、このような構成とすると、光源ユニットに水平同期検出センサを同搭載することもでき、更に小型で低価格な光源装置を提供することができる。
また、前記固定は、嫌気性紫外線硬化樹脂による接着であることが好ましい。この構成によれば、紫外線照射が可能な大部分の接着剤硬化は短時間で終了し、紫外線の照射できない金属部品の隙間は、嫌気硬化することで確実に硬化させることができる。
また、前記光源ユニットは、光軸と垂直な平面内で位置調整するための1箇所以上の位置決め穴を有していることが好ましい。この構成によれば、光源ユニットとコリメートレンズ台との光軸の調整をより簡単にすることができる。光源ユニットの位置決め穴には光軸調整時に、位置決めピンなどを嵌合させることになるが、位置決めピンを嵌合させた状態でも光源ユニットが後方に移動可能な空間を確保できるようにすると好適である。
また、前記位置決め穴は、前記光源の電源電圧と電気的に絶縁されていることが好ましい。光源の多くはフランジ部が光源の電源電圧と電気接続されており、光源支持板も同電位に帯電する。位置決め穴が光源の電源電圧と絶縁していれば、漏電による光源や、光源点灯用電源、駆動回路などの破壊を防止することができる。望ましくは光源の電源電圧の接地レベルと同等に、電気的に接地されているのがよい。
また、前記光源ユニットに、さらに前記光源の駆動回路の少なくとも一部を含む回路基板が結合されており、前記位置決め穴は、前記回路基板に設けていることが好ましい。この構成によれば、電気絶縁が容易で低コストにもなる。
また、前記コリメートレンズ台は、電気絶縁体で構成されていることが好ましい。この構成によれば、コリメートレンズ台が光源の電源電圧に帯電しないため、漏電によるトラブルを未然に防止することができる。電気絶縁体に樹脂プラスチックを選択すると、量産コストを低減し、部品の軽量化も実現できるため好適である。
また、前記光源支持板は、前記回路基板に対し、上下方向および左右方向ともに小さいことが好ましい。この構成によれば、調整作業時に作業者が誤って光源支持板に触れることによる漏電事故を防止することができる。
また、前記光源支持板は、弾性変形部と、前記回路基板との固定部とを有し、前記弾性変形部と前記固定部とが連ならないように配置されていることが好ましい。この構成によれば、弾性変形部の変形エネルギが結合部に伝播せず、結合部の緩みや回路基板への変形力作用を抑えることができる。
また、前記光源の駆動回路に、中間電気信号線が接続されていることが好ましい。この構成によれば、中間電気信号線を走査光学装置の外装の外に導いて、走査光学装置に一部を固定すれば、この走査光学装置を印刷装置に組み込む際に、電気信号線の接続時の外力が光源に及んで光軸がずれたりすることを防止できる。
また、前記光源支持板の振動に対する固有振動数は、前記光源装置が搭載される走査光学装置に搭載された走査装置の回転周波数よりも高い値であることが好ましい。この構成によれば、走査装置の振動によって光源が共振して生じるジッタを軽減できる。
また、前記光源装置及び前記光源装置が搭載される走査光学装置の少なくともいずれかに、屈折レンズに回折格子を組み込んだハイブリッドレンズを含んでおり、前記光源ユニットは、前記光源の外周フランジ部が前記光源支持板に、圧入固定され、前記光源支持板の厚さは、前記光源の外周フランジ部厚さの半分以上であることが好ましい。この構成によれば、低価格であるが波長分散が大きく、温度変化による屈折率変動も大きい樹脂レンズに回折格子を用いることによって、コリメートレンズの低コスト化が図れる。さらに、半導体レーザの発光時の自己発熱による波長ドリフトを、光源支持板の厚さを適正化することで抑制することができ、低価格で信頼性を高めることができる。
また、前記光源装置及び前記光源装置が搭載される走査光学装置の少なくともいずれかに、屈折レンズに回折格子を組み込んだハイブリッドレンズを含んでおり、前記光源は連続的に点滅させられつつ、前記光源の光軸合わせ、光軸方向の距離調整、及び走査光学装置の最終検査の少なくとも一部が実施されるように構成したことが好ましい。この構成によれば、低価格であるが波長分散が大きく、温度変化による屈折率変動も大きい樹脂レンズに回折格子を用いることによって、コリメートレンズの低コスト化が図れる。さらに、光源調整時には光源を点滅させるようにしたことにより、発熱による波長変動を抑制することになり、調整時の調整誤差を低減できる。
前記本発明の走査光学装置においては、屈折レンズに回折格子を組み込んだハイブリッドレンズが搭載されており、前記走査光学装置の組み立て調整、検査において、前記光源は連続的に点滅させられるように構成していることが好ましい。
また、前記光源装置は外装内に搭載されており、前記光源の駆動回路に、前記外装の外に導かれた中間電気信号線が接続されており、前記中間電気信号線の一部が固定されていることが好ましい。この構成によれば、走査光学装置を印刷装置に組み込む際に、電気信号線の接続時の外力が光源に及んで光軸がずれたりすることを防止できる。
また、前記光源支持板の振動に対する固有振動数は、前記走査装置の回転周波数よりも高い値であることが好ましい。この構成によれば、走査装置の振動によって光源が共振して生じるジッタを軽減できる。
また、屈折レンズに回折格子を組み込んだハイブリッドレンズを含んでおり、前記光源ユニットは、前記光源の外周フランジ部が前記光源支持板に、圧入固定され、前記光源支持板の厚さは、前記光源の外周フランジ部厚さの半分以上であることが好ましい。この構成によれば、低価格であるが波長分散が大きく、温度変化による屈折率変動も大きい樹脂レンズに回折格子を用いることによって、コリメートレンズの低コスト化が図れる。さらに、半導体レーザの発光時の自己発熱による波長ドリフトを、光源支持板の厚さを適正化することで抑制することができ、低価格で信頼性を高めることができる。
前記光源装置の調整方法においては、前記コリメートレンズは、前記コリメートレンズ台に接着剤を用いて接着され、前記接着剤を一時硬化させた後、前記コリメートレンズが接着された前記コリメートレンズ台を熱処理することにより、前記コリメートレンズを前記コリメートレンズ台に固定することが好ましい。
また、前記光源ユニットを前記コリメートレンズ台に固定する工程は、前記光源の光軸方向の位置を調整する工程の後にあることが好ましい。
また、前記光源装置及び前記光源装置が搭載される走査光学装置の少なくともいずれかに、屈折レンズに回折格子を組み込んだハイブリッドレンズを含んでおり、前記光源を連続的に点滅させた状態で、光源の光軸合わせ、光軸方向の距離調整、及び前記走査光学装置の最終検査の少なくともいずれかをすることが好ましい。
前記本発明の走査光学装置の製造方法においては、前記走査光学装置に、屈折レンズに回折格子を組み込んだハイブリッドレンズを含んでおり、前記光源を連続的に点滅させた状態で、前記走査光学装置の組み立て調整及び検査の少なくともいずれかをすることが好ましい。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一の構成又は機能を有する構成要素及び相当部分には、同一符号を付してその説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る光源装置の分解斜視図である。図1(a)は斜め前方から見た斜視図で、図1(b)は斜め後方から見た斜視図である。本図に示した光源装置は、コリメートレンズユニット50と光源ユニット51とを備えている。コリメートレンズユニット50は、コリメートレンズ台8、コリメートレンズ2、絞り3、及び調整ねじ14を備えている。光源ユニット51は、光源1を固定した光源支持板13を、固定ねじ15で回路基板12に締結して構成している。コリメートレンズユニット50と光源ユニット51とは、固定ねじ16で締結している。
図1は、本発明の実施の形態1に係る光源装置の分解斜視図である。図1(a)は斜め前方から見た斜視図で、図1(b)は斜め後方から見た斜視図である。本図に示した光源装置は、コリメートレンズユニット50と光源ユニット51とを備えている。コリメートレンズユニット50は、コリメートレンズ台8、コリメートレンズ2、絞り3、及び調整ねじ14を備えている。光源ユニット51は、光源1を固定した光源支持板13を、固定ねじ15で回路基板12に締結して構成している。コリメートレンズユニット50と光源ユニット51とは、固定ねじ16で締結している。
本光源装置の組み立て手順を説明しながら、その構造の詳細について、以下に説明する。図2は、コリメートレンズユニット50の組み立てを説明する斜視図である。コリメートレンズ台8の前面に設けたコリメートレンズ嵌合穴部81に、コリメートレンズ2を接着固定する。絞り3に設けた穴に、コリメートレンズ台8の絞り位置決め突起部82を挿入して位置決めし、絞り3をコリメートレンズ台8に接着固定する。図2(b)に示したように、コリメートレンズ台8の後方に設けた雌ねじ部83に調整ねじ14を螺合して、コリメートレンズユニット50を完成する。
図3は、光源ユニット51の組み立てを説明する斜視図である。図3(a)に示したように、光源支持板13に設けた光源フランジ圧入用の穴部131に、光源1のフランジ部100を圧入固定する。図3(b)に示したように、光源支持板13に圧入固定した光源1の電気信号端子(図示せず)を、回路基板12に半田付けすると共に、回路基板12の後方から固定ねじ15を締め付けて、回路基板12と光源支持板13を締結して光源ユニット51を完成させる。
図4は、コリメートレンズユニット50と光源ユニット51との仮組み立てを説明する斜視図である。図4(a)に示したように、固定ねじ16を回路基板12の穴部120、光源支持板13の穴部134を挿通させて、スプリングワッシャ17を介して、コリメートレンズ台8の座面突起部84に形成した雌ねじ部86に締結する。このことにより、図4(b)に示したように、光源ユニット51がコリメートレンズユニット50に固定され、光源装置の仮組み立てが完了する。
回路基板12の穴部120の直径は、固定ねじ16の頭の直径より大きくしている。さらに光源支持板13の穴部134の径は、固定ねじ16のねじ径より大きくしている。このことにより、固定ねじ16を緩めれば光軸に垂直な面内で、光源1を搭載した回路基板12を移動させることができ、光源1の上下左右の移動が可能になる。
以上、光源装置の組み立ての概略を説明したが、以下、それぞれの組み立て工程、使用する部品等の詳細について説明する。
図5は、コリメートレンズ2の装着固定工程を説明する図である。図5(a)は、コリメートレンズ2の装着固定工程における平面図、図5(b)は、図5(a)において、コリメートレンズ台8を光軸検査用カメラ42の側から見た図である。コリメートレンズ2を、コリメートレンズ台8に接着する際には、コリメートレンズ台8を光軸検査冶具に装着固定後、コリメートレンズ2をコリメートレンズ台8の、レンズ嵌合穴部81(図5(b))に挿入する。
光軸検査冶具は、図5(a)に示したように、検査用光源40と、光軸検査用レンズ41と、光軸検知用CCDカメラ42とからなり、コリメートレンズ2にレーザ光を照射して、レンズの光軸の誤差が調整可能な範囲であるかを確認できる。コリメートレンズ2、コリメートレンズ台8に部品不良などがあれば、この時点で、部品を量産ラインから外すことができる。
その後、図5(b)に示したように、コリメートレンズ台8のレンズ嵌合穴部81の周囲3箇所に設けた接着剤溜り部85に、所定量の紫外線硬化接着剤(図示せず)を滴下後、コリメートレンズ2側より所定の照度を有する紫外線を所定量照射して、接着剤を硬化させる。
同様に、光軸検査冶具で絞り3の位置誤差を確認しつつ、絞り3をコリメートレンズ台8に装着し、コリメートレンズ台8の絞り位置決め用突起82に常温硬化型接着剤を塗布して、一定時間放置して絞り3を固定する(図2参照)。
本実施の形態では、コリメートレンズ台8にはガラスフィラーを30重量%含んだポリカーボネート樹脂を用い、絞り3にはステンレス鋼板SUS304を用いた。紫外線硬化接着剤には、ロックタイト社の3105を用い、紫外線を照度40mW/cm2で照射し、照射時間は45秒とした。
しかし、紫外線照射後そのまま長期間放置すると、コリメートレンズ2の位置が僅かに動いてしまうことがある。これは、紫外線硬化接着剤の光重合反応は、紫外線照射後にも僅かに進行することに起因する。そして、その度合いは、紫外線の照射強度や照射時間、接着剤の量と深さなどによって大きくばらつく。それに加えて、工場の温湿度環境の変動、接着剤のロット、接着剤の開封後からの経時劣化、紫外線光発生装置の光量劣化など、様々な変動要因がある。
そこで、半完成品のコリメートレンズユニット50を70℃の高温槽に投入して24時間程度放置する。高温で一定時間放置することで、紫外線硬化接着剤の重合反応を促進させると共に、残留している添加剤等を除去しコリメートレンズ2の接着を安定化させる。前記のように多岐に渡るばらつきの要因を一つ一つ検証して製造の現場で管理するよりも、このように予めある程度接着剤が安定する条件で仮固定後に、接着剤を安定化させるための熱処理を施して、その後、光源を取り付けるアプローチの方が合理的である。
高温槽で一定時間放置後は、同時に絞り3を固定するために塗布した接着剤の硬化も終了する。接着剤の種類を何らかの理由で変更した場合には、放置温度、時間を最適化すればよい。コリメートレンズ台8に樹脂成型品を用いる場合には、高温で一定時間コリメートレンズユニット50を放置すると、成型時の内部応力を緩和させる効果もある。
残留応力が開放されると成型部品の寸法が若干変化する為、放置する温度は、走査光学装置が、実使用状態での走査光学装置温度や、運送、保管される温度よりも高い温度に設定し、出荷後にコリメートレンズ台8の寸法が変化しないようにするのがよい。
図6に、レンズ穴にコリメートレンズ2を挿入し、接着剤溜りに接着剤60を滴下した直後の状態(図6(a))と、接着剤60が硬化した後の状態(図6(b))の概念図を示す。一般的に接着剤は硬化後には、硬化前に比べて体積が減少する。従って、硬化後にはコリメートレンズ2には、図6(b)の矢印の方向に圧縮応力が作用している。コリメートレンズ台8に設けたレンズ挿入穴には接着剤溜り85をコリメートレンズ2の円筒面と接する部分3箇所に設けている(図5(b)参照)。
つまり、本実施の形態の構造において、コリメートレンズ台8にコリメートレンズ2を接着固定すると、コリメートレンズ2の位置はコリメートレンズ台8に設けたレンズ穴の底面に押し付けられて固定されることになる。この作用は接着剤の硬化時に体積減少が大きいものほど、顕著になる。ここで、接着剤の硬化時の体積減少率をαk、接着剤の温度上昇による体積増加率をαt、高湿環境下で膨潤した際の体積膨張率をαhとすると、下記の式(1)、(2)の双方が成立する接着剤が、本実施の形態の接着剤に適しているといえる。
式(1) αk>αt
式(2) αk>αh
本実施の形態では、前記の接着剤を選定したが、特にこれに限定するものではなく、コリメートレンズ台8とコリメートレンズ2との接着強度が十分で、且つ式(1)、(2)の双方が成立するものであればよい。
式(2) αk>αh
本実施の形態では、前記の接着剤を選定したが、特にこれに限定するものではなく、コリメートレンズ台8とコリメートレンズ2との接着強度が十分で、且つ式(1)、(2)の双方が成立するものであればよい。
図7は、回路基板12をコリメートレンズ台8に固定した状態の断面図を示している。図7(a)は、光源支持板13が弾性変形していない状態の断面図であり、図7(b)は、調整ねじ14による押圧により光源支持板13が弾性変形した状態の断面図である。
図7(a)に示したように、光源支持板13は、コリメートレンズ台8に設けた突起部84を介してコリメートレンズ台8に取り付けられている。このことにより、コリメートレンズ台8の突起部84を形成した座面と光源支持板13との間に隙間が形成されている。図10に示したように、この隙間に調整工具18を挿入して、調整ねじ14を回転調整することができる。
また、調整ねじ14をコリメートレンズ台8の雌ねじ部83に螺合させて、調整ねじ14をコリメートレンズ2側に最大限移動させたときに、調整ねじ14が光源支持板13に触れることがないように、コリメートレンズ台8の突起84の高さ、雌ねじ部83の長さ、調整ねじ14の全長を決めている。これは。光源ユニット51をコリメートレンズユニット50に、固定ねじ16で締結し、仮組み立てする際に、光源支持板13と調整ねじ14との間に弾性力が作用しないようにするためである。
本実施の形態では調整ねじ14に、ガラス繊維を30重量%含有したポリカーボネートを用いた。光源装置の温湿度環境が変動した際に、コリメートレンズ台8と調整ねじ14との間で変形の差が生じ焦点距離が変動することを抑制するために、コリメートレンズ台8と調整ねじ14とは同じ素材を選択した。
なお、コリメートレンズ台8と、調整ねじ14の材質は、これに限定されるものでなく、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等の汎用エンジニヤリングプラスチックや、それらのガラス繊維強化グレードの熱可塑性樹脂に加え、不飽和ポリエステル、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂を選択することができる。
しかしながら、量産においては同じ素材を用いても、成型時に樹脂の配向等が生じて、双方の部品の温湿度特性が違うことがある。本実施の形態の構成では、コリメートレンズ2と光源1との距離変動は、コリメートレンズ台8と調整ねじ14の両方の変形が合成された結果として生じる。
従って、その際には、コリメートレンズ台8と、調整ねじ14の両方を修正するのではなく、調整ねじ14の素材を見直して(例えば、ガラス含有率を増やす、素材を変更する等)対策することができる。特に、調整ねじ14は構造が単純な円筒体で小さいため、樹脂成型時の配向は、素材を変更してもコリメートレンズ台8に比べると安定している。
従来の装置では、同様の問題が生じた場合には、コリメートレンズ台8に相当する部品の素材や、成型条件を最適化せざるを得ない。これに対して、本実施の形態の光源装置では、小さく単純な構造の調整ねじ14の、素材、成型条件の見直しをすればよく、試作から量産までの期間も短縮できる。
ここで、図7を参照して、光源1の距離調整について説明する。図7(a)の状態は、調整ねじ14の先端面が、光源支持板13に当接しているが、調整ねじ14は光源支持板13を押圧はしていない。このため、光源支持板13は全体に亘り平板状態を維持している。なお、図7は、光源1の距離調整の理解を容易にするために、図1の図示に比べ寸法比率を修正したり、部品の一部の図示は省略している。
図7(a)の状態から、工具18(図10参照)を用いて、調整ねじ14を回転させることにより、調整ねじ14の先端面を光源支持板13側に移動させることができる。このとき、光源支持板13は矢印a方向に押圧されることになる。一方、光源支持板13は、固定ねじ16でコリメートレンズ台8に固定されている。このため、光源支持板13のうち、固定ねじ16の周囲は、コリメートレンズ台8に固定された状態を維持することになる。
次に、圧入穴131の左右の両側に、切り欠き133を設けている(図3(a)参照)。切り欠き133は、光源支持板13の剛性を下げ、光源支持板13の弾性変形を容易にさせるためのものである。このことにより、光源支持板13が、図7(a)のように矢印A方向に押圧されると、弾性変形部132が変形し、光源支持板13のうち、左右の弾性変形部132の間の光源1を固定している部分は、矢印A方向に変位することになる。
この状態を示したのが、図7(b)である。図7(a)と図7(b)との比較から分かるように、光源支持板13のうち、固定ねじ16の周囲は何ら変位していないのに対して、光源1を固定している部分は、弾性変形部132の変形により、矢印A方向に変位している。この変位と一体になって、固定ねじ15(図3(b))により光源支持板13に固定された回路基板12も矢印A方向に変位している。すなわち、調整ねじ14を回転させることにより、光源1を固定している光源支持板13及び回路基板12を変位させることができ、光源1の距離調整が可能になる。
次に、光源ユニットの詳細について説明する。光源支持板13は、ステンレス鋼板(SUS304)で作成し、図3(a)に示したように、光源1を圧入させるため圧入穴131を設けている。前記の通り、光源1の距離調整時には、梁に相当する弾性変形部132が変形する。この際、雌ねじ部135に変形が及ばないようにしなければ、回路基板12に変形エネルギが作用して、回路の半田外れや光源1の圧入ずれなどのトラブルを発生させることになる。
本実施の形態では、図3(a)に示したように、弾性変形部(梁)132と、雌ねじ部135とが連なった配置にならないように、弾性変形部132に対し雌ねじ部135を下方にずらして配置した。このように、弾性変形部132とその隣接部分とを連結する連結部分136と、雌ねじ部135とが、互いに対向しないように配置することにより、弾性変形部132の弾性変形が、雌ねじ部135の周囲の固定部に伝播しないようにして、この固定部に応力が発生しないようにしている。
光源1は、光源支持板13に設けた穴131に圧入固定させる。図27に示した特許文献3の構成では、光源を光源支持板に固定するために、各種ねじと固定板を用いている。しかしながら、本実施の形態のような機械圧入は、工数、部品の削減ができ望ましい。機械圧入に代えて、溶接、接着などの接合とした場合も同様である。
前記の通り、本実施の形態では、光源1を圧入接合した光源支持板13を、回路基板12に固定ねじ15で固定させ、光源ユニット51を完成させる(図3(b)参照)。この場合、回路基板12を小型化するために、両面回路が採用されることがある。半導体レーザ(光源1)はフランジ部が5V電位になっているため、両面基板を使用する場合には回路基板12と光源支持板13との電気ショートを防ぐために、絶縁を施す必要がある。
本実施の形態では、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートシートを、回路基板12と光源支持板13との間に挟んで絶縁した(図示せず)。絶縁材は特にこれに限定されるのではなく、ポリエチレン、アクリル、ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアリレート等の高分子材料や、マイカ等の鉱物などの材料を適宜選択することができる。
このうち、高温高湿環境に放置された場合のマイグレーションなどの経年変化、コスト、入手しやすさ等を考慮すると、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドシートなどが好適である。
光源である半導体レーザに電源を接続すると、前記のように半導体レーザのフランジ部が電源の電圧(5V)と同電位となる。このため、光源支持板13も5Vの電位となる。コリメートレンズ台8の材質を導電性のもの、例えば、アルミ、鉄、ステンレス等の金属や、樹脂に金属フィラーを充填して導電性を持たせたもの等を選択すると光源支持板13を通じて、コリメートレンズ台8も5V電位になってしまう。
そのような状態で、光軸の調整や、距離調整を行うと作業者が、光源支持板13又はコリメートレンズ台8に、誤って触れた際の漏電によって、光源用の電源や、半導体レーザ、レーザ駆動回路を破壊することがある。これは、調整が終了した光源装置を検査装置から外す際や、逆に取り付ける際に、光源駆動用電源をオフにすることを失念することによって起こる。漏電は作業者の体を通じて流れるため、作業者も感電することになり危険である。
例えば、作業者が絶縁手袋を付ければ、こういった事故は避けられるが、逆に絶縁手袋が帯電することによって、静電気に弱い半導体レーザと回路基板12を破壊することもある。したがって、コリメートレンズ台8は、本実施の形態のように、絶縁性の樹脂で構成するのが好適である。さらに、光源支持板13が回路基板12から上下や左右に、はみ出さないように回路基板12より小さくすることがさらに好ましい。このことにより、5Vに帯電した光源支持板13の全周囲が絶縁性のもので覆われることになり、光源支持板13に作業者が触れにくくなり、事故を未然に防止することができるためである。
図8は、本発明に係る光学調整冶具の構成を示した概略図である。前記の組み立て工程によって、組み立てられた光源装置10は、本光学調整冶具を用いて、光軸、光軸方向の光源の位置を調整する。光学調整冶具は、光源装置搭載部(図示せず)、光源発光制御回路(図示せず)、色消しレンズ26、ビームスプリッタ27、光軸方向検査装置(CCDカメラ)28、ビーム径計測装置29を備えている。
光源装置搭載部に、光源1を装着し、光源発光制御回路と光源1の回路基板12を接続し、光源1を発光させる。レーザ光束9は、コリメートレンズ2にて略平行光に変換されて、絞り(図示せず)を通過して、ビーム整形される。絞りを通過した光ビームは色消しレンズ26にて収束光に変換されつつ、ハーフミラーからなるビームスプリッタ27によって2方向の光に分岐する。
直進側にはCCDカメラ28、直角に曲げられた側にはビーム径計測装置29が、それぞれ精度良く校正された適正な位置に配置されている。ビーム径計測装置29には、BeamScan(フォトン社のModel−3088)を用いた。色消しレンズ26の焦点距離は120mm、コリメートレンズ2の焦点距離は9mmのものを用いている。従って、本実施の形態では横倍率は13.3倍、縦倍率は177倍である。
以下、本光学調整冶具を用いた光学調整の手順を説明する。まず、光軸の調整を行う。光源装置の調整ねじ14は、この時点では光源支持板13とは接しておらず、光源1は、所定の位置よりコリメートレンズ2に僅かに近づいた位置に配置されている。光源1の所定の位置との差は、本実施の形態では0.3mmとした。従って、この状態での色消しレンズ26通過後のビームの焦点位置は、光源1側の位置ズレ量0.3mmと縦倍率177を乗算して、正規のCCDカメラ28の位置では、約53mmも焦点がぼけていることがわかる。
CCDカメラ28に映し出されるビーム径が大きく、光軸の中心がはっきりしないので、このままでは光軸調整の誤差が大きくなってしまう。そのため、CCDカメラには直動スライダ(図示せず)を取り付けて、この状態で最も焦点が合う場所にCCDカメラ28を矢印の方向に移動させる(図8の点線で示したCCDカメラ28の位置)。CCDカメラ28で光軸を確認しながら、光源支持板13をコリメートレンズ台8に固定している固定ねじ16を少し緩める(図1(b)参照)。その後、光源支持板13を回路基板12と一体に、光軸と垂直な平面内で移動させて、光軸を一致させ、固定ねじ16を再度締め付けて光軸の調整が終了する。
図9は、光源ユニット51とコリメートレンズユニット50との間の隙間を示す図であり、図9(a)は平面図、図9(b)は断面図である。光軸の調整が終了すると、隙間70に、調整工具18を挿入し、調整ねじ14を回転させて光源1の位置を調整する。
図10(a)は、隙間70に調整工具18を挿入した状態を示しており、図10(b)は、調整工具18の先端を調整ねじ14に係合させて、調整ねじ14を回転させる様子を示している。図7を用いて説明したように、調整ねじ14を回転させて、調整ねじ14を光源支持板13側に移動させて光源1の位置を調整する。
図7(a)の図示から分かるように、調整工具18が挿入できる隙間は、コリメートレンズ台8に設けた突起84の高さで決まる。本実施の形態では、突起84の高さは0.8mmとして、調整工具18は厚さ0.5mmのステンレス鋼板で図10(b)のような爪181を形成した形状で作成した。作業者が握る調整工具18の持ち手(図示せず)は樹脂でカバーして絶縁を施してある。
図10(b)に示したように、調整ねじ14には爪181が挿入できるように溝(切り欠き)141を4箇所設けている。このことにより、調整ねじ14を自在に回転させることができる。光軸方向の距離調整時には、図8のCCDカメラ28の直動スライダを正規の位置に戻して(図8の実線で示したCCDカメラの位置)、光軸のずれをモニターしつつ、ビーム径計測装置が示すビーム径の値を同時にモニターするのがよい。
正常に組み立てられた光源ユニットの場合、調整ねじ14を後退させる際に、光軸が狂ってしまうことはない。しかしながら、大量に量産する中では時々、調整ねじ14を回転させて光源支持板13が調整ねじ14と完全に密着し光源支持板13が撓んだ時点で、僅かに光軸がずれることがある。これは、光源支持板13への光源1の圧入精度が悪いこと、又は光源支持板13の反りが主原因である。
その場合には、固定ねじ16を僅かに緩め、光源支持板13の撓みによる反力を小さくした状態で回路基板12を移動させて、これと一体に移動する光源支持板13を光軸と垂直な平面内で移動させて、再度光軸を一致させることができる。このような調整ができるのは、第1に、調整ねじ14と光源支持板13の接触面積が大きく、接触が安定していることである。第2に、光源ユニット51をコリメートレンズユニット50に固定する固定ねじ16には、スプリングワッシャ17が挟んであるため(図1(b)参照)、2つの固定ねじ16の緩める回転角度が大きく違っていても、スプリングワッシャ17がその差を吸収して、光源支持板13が調整ねじ14に対して傾くことを防止しているためである。
また、固定ねじ16を緩める方向に回転させた際に、誤って回転角度を大きくし過ぎると、回路基板12と一体の光源支持板13がコリメートレンズ台8から完全に緩んで光軸が大きく狂ってしまう。これについては、固定ねじに16スプリングワッシャ17を入れることにより、ストロークを大きくして防止している。
図10に示したように、調整ねじ14の回転は、光軸と交差する方向から行える。このため、本実施の形態では、調整ねじ14の回転工具18を調整ねじ14に当てることだけでは、光源が移動することはない。すなわち、回転工具18を回転させて初めて光源が移動する。このため、光軸方向の光源の位置調整は、調整ねじ14を回しすぎたら元に戻せばよく、調整にヒステリシスがないため、調整工程は短時間で終了する。
また、調整ねじ14は、光源を包み込むように中空形状であり、先端面は円環状である。このような形状とすることにより、調整ねじ14で光源支持板13を押圧させたときに、光源支持板13に作用する回転モーメントを小さくできる。このことにより、光源を移動させた際に光軸がずれることを防止している。なお、調整ねじ14の先端面は環状であればよく、形状は円形に限らず多角形でもよい。
ところで、調整ねじ14の雄ねじ部分と雌ねじ部分との嵌合にガタ(クリアランス)があると、光軸調整の際に調整ねじ14を回転させたとき、そのねじのガタの分だけ光源支持板13が傾いてしまい、光軸が狂うことがある。このため、調整ねじ14の雄ねじと雌ねじとのクリアランスは、できるだけ小さいほうがよい。その一方で、ねじの嵌合としては、ある程度のクリアランスは必要である。
そのような必要なクリアランスによって、図27の従来例と本実施の形態とで、同じようなガタがあるとしたとき、図27の従来例のような汎用のねじを使った場合では光軸が敏感にずれてしまう。これに対し、本実施の形態では、調整ねじ14の形状を中空で光源を包み込むような円環状としたことにより、そのガタによる光軸のズレ(傾き角)を従来例に比べてより小さくすることができる。
さらに、本実施の形態では、その構造によって、調整ねじをコリメートレンズ台8の十分な厚さのあるブロックに挿入してねじの嵌合長さをより長くとれる。このため、ねじの嵌合における各所のガタが、ねじ全体の位置・傾きに及ぼす割合をより抑えられることに加えて、光軸のズレ(傾き角)を従来例に比べてよりいっそう小さくすることができる。
すなわち、雌ねじと雄ねじとの間にガタがあると、ねじの軸心がその断面上のいずれかの方向に移動する。そして、例えば、円筒形の穴の中に挿入された円柱が穴と円柱のクリアランスによってその穴の中で傾き、その傾きの角度がそのガタ(クリアランス)と円柱の長さとで決まる。これと同様に、調整ねじの雄ねじが雌ねじの中で傾き、その傾く角度は、そのガタ(クリアランス)とねじの嵌合の長さとで決まる。このことから、光源における光軸誤差は、次のように表わされる。
光軸誤差=(ガタ[クリアランス])÷(ねじ嵌合長さ)×(LSU光学倍率)
従って、許容ガタ(クリアランス)は、次のように求められる。
従って、許容ガタ(クリアランス)は、次のように求められる。
許容ガタ=(光軸誤差)×(ねじ嵌合長さ)÷(LSU光学倍率)
そこで、一般に必要とされている光軸ずれの許容誤差0.2mm及びLSUの一般的な横倍率20倍に対し、ねじ嵌合長さが5mm取れるときには、許容ガタが、0.05mm(50μm)となる。この場合、クリアランスとして50μmまで取っても光軸のずれを許容内に抑えることができる。
そこで、一般に必要とされている光軸ずれの許容誤差0.2mm及びLSUの一般的な横倍率20倍に対し、ねじ嵌合長さが5mm取れるときには、許容ガタが、0.05mm(50μm)となる。この場合、クリアランスとして50μmまで取っても光軸のずれを許容内に抑えることができる。
このように、本実施の形態では、ねじの嵌合長さが長くとれるので、望ましい雄ねじと雌ねじの隙間が、例えば50μm以下となって、従来例に比べ、クリアランスの裕度を大きくすることができる。換言すれば、同程度のクリアランスにおいて光軸のズレ(傾き角)をよりいっそう小さくすることができる。
また、調整ねじ14と光源支持板13との接触部分の面積を大きくできるので、調整ねじ14に作用する圧縮応力を低減でき、調整ねじ14が高温環境下で経年放置された場合のクリープ変形を未然に防いでいる。なお、本実施の形態では、ビーム径の計測に、BeamScanを用いる例で説明したが、CCDカメラで直接ビーム径を計測してもよい。
本実施の形態に係る光源装置は、光源支持板13と調整ねじ14の間の密着力によって、位置や姿勢が保持されている。このような状態は、外部からの振動、衝撃力によって、光源支持板13のバネ弾性部が振動して、ジッタや色ずれが発生する可能性がある。
走査光学装置においては、ポリゴンモータの回転振動が最も影響が大きい。また、本光源装置の振動に対する最も低い周波数の部材は、光源支持板13である。ポリゴンモータから伝達する最も振幅の大きい振動周波数は、ポリゴンモータの1回転周期の逆数である。
これは、振動の原因がポリゴンミラー、モータ軸受け、ロータの偏心や、ロータのマグネット、コイルの磁力分布等によるものであって、これらの原因による振動の殆どがモータの1回転周期に対応しているためである。また、それぞれの要因の位相がずれた状態で影響を及ぼすことが多い。従って、本構成においては光源支持板13の固有振動数を、モータの回転周波数よりも大きく設計することで、共振現象を抑制することができる。
本走査光学装置を、600dpi(=24line/mm)の印刷装置に組み込んだ場合を例で説明する。用紙の送り速度が100mm/sとすると、1秒あたりの走査線の数は、約2400ラインとなる。ポリゴンミラーに6面を選択したとすると、ポリゴンモータの回転速度は400r/sとなる。すなわち、光源支持板13の振動に対する固有振動数を400Hzより大きく設計すれば、共振現象を抑制することが可能である。
厚さを種々変更した光源支持板13を作成すると共に、それぞれの固有振動数を、CADソフトウエア(COSMOS/Works)で求めた。作成した光源支持板13を走査光学装置に取り付けて、ポリゴンモータを回転させて印刷装置にて印刷させた際の、ラインの揺らぎ量(ジッタ)の関係を調査した。
光源支持板13の厚さは、0.2、0.5、0.8、1.0mmの5種類とした。結果を以下の表1に示す。表1の結果から明らかなように、光源支持板13の固有振動数がポリゴンモータの回転周波数(400Hz)より低いか同等の場合には、ジッタが大きくなったが、ポリゴンモータの回転周波数より大きく設計するとジッタは良化した。
更にジッタを良化させるには、光源1の距離調整が完了した後に、回路基板12に設けた固定ねじ16の頭逃げ穴部120と、固定ねじ16との間の間隙(図7(a)参照)に、振動防止接着剤を滴下して硬化させるとよい。接着剤の硬度と塗布量で決まる剛性を、光源支持板13の剛性よりも十分小さい物を選択すれば、振動防止接着剤の硬化、体積収縮によって、光軸や、光軸方向の距離が変動することはない。
固定ねじ16と回路基板12と光源支持板13とを接着することは、ジッタだけでなく、固定ねじ16の緩みも解決することができるため、経年的な劣化を防止することができる。接着剤には、紫外線硬化型接着剤、瞬間接着剤、ホットメルト、常温硬化型(溶剤揮発)接着剤、熱硬化型、嫌気性等あるが、タクト(工程)を短くする観点からは前者の3つがよい。
しかし、組み立て調整が終了した光源装置では、紫外線を照射しても固定ねじ16のワッシャ17部や、固定ねじ16と光源支持板13の間には光が届かない。また、瞬間接着剤はガスを発生して、レンズ等を白濁させるため、使用には適していない。ホットメルトは塗布温度が高く、樹脂を用いた本光源装置には不適である。
本実施の形態では、嫌気性を付与した紫外線硬化接着剤を選んだ。このタイプの接着剤は、紫外線硬化樹脂でありながら嫌気性の接着剤としての性質も付与させたもので、金属イオンが介在すると硬化反応が促進されるものである。本実施の形態では、嫌気性紫外線硬化接着剤を塗布後、紫外線を照射すると、紫外線が照射できる大部分は短時間で硬化し、紫外線が届かない光源支持板13や、固定ねじ16、ワッシャ17等の隙間は、これらの部品が全て金属であるため、紫外線が照射されなくても硬化反応が進み最適である。本実施の形態ではスリーボンドTB3060を使用したが。同様の製品は東亞合成のアロンタイトBU等があり、本商品に限定するものではない。
また、図11に示すように、調整ねじ14の形状にも各種の変形例が考えられる。調整工具を係合させる部分を、図11(a)に示したように溝を設けたり、図11(b)に示したように多角形にしたりしてもよい。また、工具を係合させる部分は、図11(b)のように、ねじの形成部分より径を大きくして段付きにする等して、更に先端面の面積を増やすとよりよい。先端面の面積を増やすことは、光源支持板13と調整ねじ14との接触面積を増やすことになり、振動や衝撃力が光源装置に作用した際の光源の振動を抑制する効果がある。
また、光源支持板13の押圧力によって調整ねじ14に生じる応力を小さくでき、調整ねじ14がクリープ変形することを防止できる。すなわち、本実施の形態の構造によれば、当接部の面積を大きくできるため、クリープ現象による材料の劣化を低減させることができ、種々の材料を用いることができるようになる。
素材の選択の幅が大きいことは、機内温度が変動した際の、コリメートレンズ台8の伸び縮みによる焦点位置がずれる問題を解決する場合にも有効である。コリメートレンズ台8にガラス繊維を含有した樹脂材料を用いると、樹脂の成型条件によって、ガラス繊維の配向によって、所望の線膨張係数が得られないことがある。
その傾向は特に、成型品が複雑な場合に起こり易い。本実施の形態の構造では、温度変動が生じた際のコリメートレンズと光源との間の距離の変動量を決定するパラメータは、コリメートレンズ台8と、調整ねじ14との両者の変形の差で決定される。仮に、設計予測値よりも成型品のコリメートレンズ台8の線膨張係数が小さかった場合には、調整ねじ14の線膨張係数を少し大きな素材に変更すればよい。調整ねじ14は簡単な円筒構造なので、成型の再現性が得易く、調整ねじ14の素材変更は、前記の問題が発生した場合に有効である。
本実施の形態のように光源を光源支持板13に圧入して固定する場合には、光源支持板13を0.3mm程度以下に薄くすると、保持厚さが薄過ぎて保持力が弱くなる。また、できるだけ圧入厚さは長いほうが、保持力だけでなく、圧入時の光軸ずれの防止といった観点からもよい。
他方で、光源支持板13は弾性を有していて、調整ねじ14で変形して光軸方向の調整を行うものである。従って、光源支持板13は適度なバネ弾性は必須である。一般的に入手可能な半導体レーザのフランジ部の厚さは1.2mmである。一方で、光源支持板13を過度に厚くすると剛性が高過ぎて、バネ弾性が得られず本実施の形態の用途には不適当である。
一般的な光源装置の寸法は、20mmから40mm程度であり、確保できる弾性変形部である梁の長さには限度がある。このため、光源支持板13の厚さにも限度がある。これを考慮すれば、光源支持板13の厚さは2mm以下のものでないと、バネ弾性を付与するのが困難である。従って、圧入精度の確保と、バネ弾性の確保を両立するには、光源支持板13の厚さは0.5mm以上であって、2mm以下のものが好適である。
ここで、コリメートレンズについて図12を参照しながら説明する。図12は、屈折レンズ2aと、回折格子2bとを組み合わせたハイブリッドレンズにおける温度補償の概念図を示す。本実施の形態では、レンズ形状と屈折率を利用した屈折系レンズ2aの表面に、回折格子2bを形成したハイブリッドレンズを、コリメートレンズ2として採用している。
レンズの温度が上昇した場合には、屈折率が低下すると共にレンズ面の形状が変化して屈折が低下する。言い換えれば、図12(a)の破線で示したように、像側の焦点位置が遠くなる。一方、光源1(半導体レーザ)は、温度が上昇すると光の波長が長くなる。この場合、回折格子2bでの屈折は小さくなり、図12(b)の破線で示したように、像側の焦点位置はレンズから見て近くなる。この2つの物理現象をうまく組み合わせて、走査光学装置の機内温度が変動した際に、図12(c)に示したように、焦点位置が変動しないようにする工夫が本実施の形態には導入されている。
樹脂レンズは、ガラスレンズに比べ、線膨張係数が大きく、また光の波長分散、温度上昇に伴う屈折率の変動も大きいが、このような工夫を取り入れることで、コリメートレンズに樹脂を用いることができるようにしている。樹脂はガラスよりも成型タクトが短く、生産設備も比較的小さく軽いもので実現できるため、コストを下げることができる。
レンズ材質には、吸湿性の極めて小さいシクロオレフィンポリマー(日本ゼオン)を用いた。しかしながら、ハイブリッドレンズを用いた場合には、半導体レーザは連続点灯させると自己発熱することに注意が必要である。図13に半導体レーザを単体で、連続発光させた場合の波長ドリフトと半導体レーザの外周フランジ部の温度上昇との関係を示す。
実験にはローム社の赤外半導体レーザ(RLD−78NP)を用い、発光出力は3.5mWとした。点灯直後は780nmの波長が、5分ほど経過すると3nm程度波長がドリフトする。従って、ハイブリッドレンズを用いるとレーザの自己発熱によって焦点がずれることになる。通常、光源装置の調整や、走査光学装置の検査を行う場合には、光源を連続点灯させて行うが、実際のプリンタ装置内で長時間光源を点灯させることは有り得ない。つまり、ハイブリッドレンズを導入した場合には、調整時のレーザの自己発熱を抑制する手段が必須である。
ここで、最適な光源支持板13の厚さについて、前記のレーザを連続点灯させた際の自己発熱による焦点の変動といった観点から更に言及する。図14に半導体レーザを連続点灯させた場合の、焦点位置の変動と光源支持板13の厚さの関係を示す。
光源支持板13の厚さは、0.2、0.5、0.8、1.0、1.8、3.5mmの6種類とし、光源を光源支持板13に圧入固定して使用した。比較の為に、光源支持板13を用いずに回路基板12に光源を半田で固定した場合も試験した。光源にはローム社の赤外波長半導体レーザ(RLD−78NP)を用い、光出力は3.5mWとした。
また、焦点の変動を計測する計測装置は、前記の光源調整冶具を用いた(図8の構成)。コリメートレンズ2としては、図12(c)に示したような回折格子2bを組み込んだハイブリッドレンズを用い、回折部と屈折部の合焦点距離は9mm、色消しレンズ26の焦点距離は120mmとした。
焦点位置の変動値の求め方について、図15の概略図を用いて説明する。集光するレーザ光のビーム径は、光軸方向の位置との関数になる。図8のビーム径計測装置に位置を微調整できるXステージを取り付けて、光源を十分な時間連続点灯させた後に、ビーム径計測装置の位置を少しずつ移動させて、ビーム径と光軸方向の位置との関係を求める(図15の実線)。
同様に、レーザを十分な時間消灯し、今度はレーザを点灯した直後のビーム径と光軸方向の位置との関係を求める(図15の破線)。図15の実線と破線の光軸方向のずれ量が、連続点灯時の焦点位置のずれ量となる。より具体的には、実線においてビーム径が最小になる光軸方向距離と、破線においてビーム径が最小になる光軸方向距離との差の絶対値が、連続点灯時の焦点位置のずれ量となる。このずれ量が図14の縦軸の焦点ドリフトである。
図14において、比較のために光源支持板13を用いない場合のデータは、便宜上、光源支持板13厚さゼロの箇所にプロットした。図14より明らかなように、光源支持板13の厚さが大きくなると、連続点灯時の焦点位置の変動を小さくでき、その効果は厚さ0.5mm程度以上では殆ど差が無いことが分かる。
一般的に入手可能な半導体レーザのフランジ部の厚さは1.2mmで、本試験に用いたレーザのフランジ厚さも1.2mmである。レーザの熱はフランジ部を通って伝達されるため、本実施の形態のようにフランジ部を光源支持板13に圧入して固定している場合には、フランジ部厚さよりも過度に厚い光源支持板13を用いても、放熱の効果には大きな差が無いといえる。逆に、圧入長さが小さいと、フランジ部を伝達する熱流速が密になり伝達が悪くなるため、光源支持板13の厚さをレーザのフランジ厚さの半分以上とすることが、放熱の観点から望ましい。また、光源支持板13に光源を圧入固定する観点からも、光源支持板13の厚さはある程度必要である。
一方で、前記のように、本実施の形態は光源支持板13の厚さ方向に光源支持板13を撓ませて、光軸方向の調整を行うものである。このため、光源支持板13の厚さが余りに厚いと、剛性が高過ぎてバネ弾性を得るのが難しくなる。剛性が高いと調整ねじ14に作用する押圧力も大きくなり、調整ねじ14を回転させることが難しくなる。また、調整ねじ14の応力も大きくなりクリープ変形の原因となる。
また、光源支持板13の製造工程を考慮すると、薄い光源支持板13であればプレス加工等で容易に作成できるため、なるべく薄いことが望ましい。これらを総合的に勘案すると、光源支持板13の厚さは光源のフランジ部厚さの半分以上から2倍以下であることが望ましいと言える。
なお、本実施の形態では、コリメートレンズ2を、回折格子を組み込んだハイブリッドレンズとした場合における光源の自己発熱による焦点位置の変動について言及した。しかしながら、程度の差はあれ同様の温度変動による焦点位置の変動は、回折格子を持たないコリメートレンズにおいても、レンズ素材の持つ波長分散の影響で発生する。
一方で、光源の温度上昇は光源の寿命低下に大きく影響する。図14で示された最適な光源支持板13の厚さでは、温度上昇抑制の効果が0.5mm以上では飽和することを示しており、必要最低限の厚さで構成することにより、温度上昇を抑制しつつ、光源支持板13の持つべき柔軟性と、耐振動性を併せ持つことができるの。
また、本実施の形態ではコリメートレンズ2に回折格子を組み込んだ場合を示したが、回折格子はコリメートレンズに限らず、図19(b)に示したようにシリンドリカルレンズ4や、fθレンズ6に形成しても、図12に示した温度補償効果を得ることができる。従って、前記の光源支持板13の最適な厚さについては、コリメートレンズ2をハイブリッドレンズにした場合に限らず、走査光学装置にハイブリッドレンズを含む全ての場合に応用可能である。
次に、光源を点灯させたときの自己発熱と蓄熱は、点滅させた場合には幾らか低減することが想像できる。光源のオンとオフとの間隔を一定に保ったまま、連続的に点滅させた場合の焦点位置のドリフト量と、点滅のオンとオフとの時間比率(点灯デューティ比=点灯時間÷点灯周期)との関係を図16に示す。
点灯オン時間は1秒に固定して、点灯周期を種々変更して、点灯デューティ比10、20、40、60、80、100%の場合について調べた。実験には、図14の連続点灯の場合と同じ計測装置、同じ半導体レーザを用い、光源支持板13の厚さには0.8mmのものを選択した。比較のために、光源支持板13を用いずに、回路基板12に光源を直接半田付けした場合も試験した。結果を図16に示す。
光源支持板13が無い場合(○印)も、0.8mmの光源支持板13を用いた場合(□印)も、点灯デューティ比が60%を超えると、ドリフト量が増加する傾向を示している。走査光学装置では、ポリゴンミラーの有効画角は50%程度前後である。これは言い換えれば、仮にプリンタ装置で印刷原稿が100%の黒率であったとしても、実際のレーザの点灯デューティ比は50%程度であるということである。
従って、光源の光軸合わせや光軸方向の距離調整を行う場合には、点灯デューティ比は50%以下の条件で点滅させながら行うのがよいことが判る。しかし、点滅させた場合には、幾つかの問題がある。まず、作業者はビーム径のディジタル表示を見ながら、調整作業を行っているのにその作業中に、点滅させるとビーム径の表示が途切れてしまい、作業者がビーム径を読み取ることができないことがある。
本実施の形態で用いたBeamScanの場合、光を透過するスリットの後方にセンサを配置して、スリットを通過する光のエネルギを時間積分してピークパワーとそのプロフィールを計測している。スリットの回転周波数は10Hzである。計測が正確に行えるようにするには、レーザビームがスリットを通過している間は、常に点灯している必要がある。また、ディジタル表示されるビーム径を作業者が読み取れるようにするために、ある程度(2秒程度)は連続表示させる必要があるが、その場合に、例えば点灯デューティ比を20%にすると、点灯周期は10秒となり、これでは、調整作業ができない。
図17に、これらの諸問題を最も合理的に実現できる光源制御装置の構成図を示す。基本的な部分は前記の図8と同様なので、異なっている部分のみ説明する。図17ではビーム径計測装置29より、計測トリガー信号33を取り出して、点滅計測同期装置32にて光源用電源31を点滅制御する仕組みを備えたものである。
本装置を用いると、ビーム径計測のタイミングに合わせて、その瞬間のみ、光源を点灯させることができ、ビーム径計測装置では連続点灯しているかのように表示させることができる。また、計測器固有の最低計測時間に応じて点灯時間を設定することで、前記の適切な点灯デューティ比の範囲で、光源の調整を行うことができる。この場合、CCDカメラには10Hzで点滅するスポットが映し出され、モニターのリフレッシュレートと非同期になると、スポットがちらついて見える。この場合にはモニターのリフレッシュもBeamScanと同期させるようにするとよい。
(実施の形態2)
実施の形態1の変形例の構成を簡易的に示した断面模式図を、図18(a)示す。図18(b)は、図18(a)の突起部21近傍(A部)の拡大図を示している。本実施の形態の光源装置は、実施の形態1で説明した光源装置と基本構成は同じなので、異なっている部分のみ説明する。本実施の形態の光源装置は、光源支持板13にレーザ駆動回路を固定する突起部21を2箇所設け、回路基板12には、突起部21に対応した係合穴22が設けられている。
実施の形態1の変形例の構成を簡易的に示した断面模式図を、図18(a)示す。図18(b)は、図18(a)の突起部21近傍(A部)の拡大図を示している。本実施の形態の光源装置は、実施の形態1で説明した光源装置と基本構成は同じなので、異なっている部分のみ説明する。本実施の形態の光源装置は、光源支持板13にレーザ駆動回路を固定する突起部21を2箇所設け、回路基板12には、突起部21に対応した係合穴22が設けられている。
本実施の形態での光源装置の組み立てと調整の作業は、実施の形態1と同じである。図18では水平同期検知用光センサ25が、回路基板12の端部に実装されている。水平同期検知用光センサ25の振動は、特にジッタに直接影響すること、また、本センサはレイアウトの都合上、回路基板12の端部に通常取り付けられる。
回路基板12の端部は、中央部よりも振動の振幅が大きい。このため、本実施の形態では、光軸と、光軸方向の距離調整が終了した光源装置の、光源支持板13の2箇所の突起部21と回路基板12の係合穴22との係合部分に、振動防止接着剤を滴下して硬化させる。実施の形態1では、固定ねじ16と回路基板12との間でのみ接着剤固定を行った。これに対して、本実施の形態のように、光源支持板13の長さを延長して、光源支持板13と回路基板12とを接着剤で固定する構成とすると、回路基板12と光源支持板13との結合力が増し、また回路基板12の剛性を高めることができる。
このような構成とすることにより、装置内や装置動作中の外部からの強い振動、衝撃が作用する場合でも、光源が振動してジッタや色ずれなどの問題が発生することをより効果的に防止することができる。
接着剤の硬度と塗布量で決まる剛性を、光源支持板13の剛性よりも十分小さい物を選択すれば、振動防止接着剤の硬化、体積収縮によって、光軸や、光軸方向の距離が変動することはない。振動防止接着剤には、前記のように嫌気性を付与した紫外線硬化型接着剤が最も適している。
(実施の形態3)
図19(a)は実施の形態3に係る走査光学装置の内部構造を示す斜視図である。図19(b)は実施の形態3に係る走査光学装置の概略構成図を示している。図19は実施の形態3に係る走査光学装置として挙げているが、前記の実施の形態1、2に係る光源装置を配置した場合も同様の構成になる。すなわち、光源の左右位置、その他部品の詳細設計を変更した各種構成が考えられるが、基本的な構成は図19に示したものと同様になる。
図19(a)は実施の形態3に係る走査光学装置の内部構造を示す斜視図である。図19(b)は実施の形態3に係る走査光学装置の概略構成図を示している。図19は実施の形態3に係る走査光学装置として挙げているが、前記の実施の形態1、2に係る光源装置を配置した場合も同様の構成になる。すなわち、光源の左右位置、その他部品の詳細設計を変更した各種構成が考えられるが、基本的な構成は図19に示したものと同様になる。
図19において、光源(半導体レーザ)1から射出した発散光は、コリメートレンズ2、絞り3、シリンドリカルレンズ4を通過し、ポリゴンミラー5で反射、走査され、fθレンズ6を通過して感光体7上に結像し、等速走査する。光源装置10では、光源から発せられた発散光をコリメートレンズ2で平行な光束にし、絞り3を通過することで光束を整形している。
以下、本実施の形態の特徴について説明する。図20は、実施の形態3で用いる光源装置の分解構成図である。コリメートレンズユニット50は、コリメートレンズ2、絞り3、コリメートレンズ台8、調整ねじ14を備えている。光源ユニット51は、光源1を圧入固定した光源支持板13を、固定ねじ15で回路基板12に締結して構成している。回路基板12は、固定ねじ16により、コリメートレンズ台8に結合する。組み立て手順は実施の形態1で説明した通りであり、ここでは詳細は省略する。
図21に、コリメートレンズユニット50と、光源ユニット51との間の光軸調整時の簡略図を示す。本実施の形態では回路基板12に位置決め穴19を2箇所設けてある。光軸調整冶具20には光軸方向に移動するスライド装置(図示せず)を備えている。スライド装置により、図21(a)の矢印で示したように、光軸調整冶具20を前方に移動させて、図21(b)に示したように、光軸位置決めピン21と回路基板12に設けた位置決め穴19とを嵌合させる。
光源調整冶具20のスライド装置には、スライド規制部材(図示せず)が設けてあり、光源調整冶具20を前方一杯に移動した状態でも、回路基板12が後方に移動することができる空間22を確保している(図21(b))。この構成によれば、回路基板12を移動させることにより、回路基板12と一体に移動する光源の距離調整をすることができる。空間22は、距離調整時の光源の移動量より大きければよく、本実施の形態では1mmとした。
光軸調整冶具20は、上下左右に移動可能なXYテーブルを備えており、XYテーブルを操作することにより、光源装置の光源ユニット51を上下、左右に微動させることができる。光軸調整冶具20は、冶具の長期信頼性や、工場内部の温度変化による寸法変化を考慮すると、錆や磨耗が発生しにくく線膨張係数が小さい金属材料が好適である。本実施の形態ではSUS304を選択し、スライド装置、XYテーブルとはねじで連結した。
光軸の調整は、まず図21で説明した光源調整冶具20を用いて、光源を点灯させながらCCDカメラで光軸を確認し、光源支持板13を固定している固定ねじ16(図20)を少し緩める。その後、光軸調整冶具20のXYテーブルにより、光源ユニット51を光軸と垂直な平面内で移動させて、光軸を一致させた後に、固定ねじ16を再度締め付けて光軸の調整が終了する。
回路基板12は、ガラスエポキシ基板を選択し、位置決め穴19とその周辺には配線パターンを配設せず電気的絶縁された状態とした。この状態で、電源を接続し光源を点灯させると、光源支持板13は5Vになるが、コリメートレンズ台8、光軸調整冶具20は電気絶縁されているため、両者を通じての漏電は起こり得ない。
5V帯電している光源支持板13は、その周囲がコリメートレンズ台8、光源駆動回路等に覆われているため、調整時に作業者が誤って光源支持板13に触れて、人を伝っての漏電、感電する危険性は低い。
本実施の形態は、位置決め穴19を回路基板12に設けているが、位置決め穴19を光源支持板13に設ける構成も考えられる。この構成では、光源支持板13を大きくして、回路基板12からはみ出した部分に位置決め穴19を設けることになる。この光源支持板13に設けた位置決め穴19に、位置決めピン21を挿入することになる。この場合には、位置決めピン21を絶縁体で構成するか、光軸調整冶具20全体を絶縁体で構成することになる。
絶縁体にはプラスチックやセラミック等が挙げられる。この場合、長時間の使用に耐えられる高い信頼性を確保するには、磨耗といった観点からプラスチックは選択すべきでない。しかし、セラミックの製品は作成が困難であり、入手のし易さ、価格等に問題がある。また、光源支持板13が光源装置からはみ出している部分に作業者が過って触れて、漏電による光源、光源駆動回路、電源などの故障や、感電の危険性も大きくなる。
加えて、位置決め穴19と位置決めピン21とは調整によって摺動し、多数個の調整をすると抜き差しの回数も増えることから、絶縁体そのものが帯電することもある。高い電圧に帯電した位置決めピン21を、光源支持板13と接触させた際には、光源の静電破壊が発生する。
これらの理由から、光源支持板13に位置決め穴19を設けるのではなく、本実施の形態のように、回路基板12に位置決め穴19を設けて、光軸調整冶具20に設けた位置決めピン21と嵌合させるのがよい。望ましくは、光源調整冶具20は電気的に接地され、位置決め穴19とその周辺も電気的に接地された形態とするのが望ましい。
次に、光源支持板13の形状について説明する。図22(a)に本実施の形態に係る光源支持板13の斜視図、図22(b)に比較例に係る光源支持板80の斜視図を示している。説明の便宜上、図22(a)の各構成に対応する図22(b)の各構成には、同一符号を付している。
本実施の形態では、実施の形態1で用いた光源支持板13(図3(a)参照)とは、弾性変形部132と、雌ねじ部135との配置が異なっている。実施の形態1では、図3(a)に示したように、弾性変形部132と雌ねじ部135の周囲の固定部との間には、細いスリット133をワイヤーカットで作成している。
これに対し、本実施の形態では、図22(a)に示したように、スリット133の幅を、板厚よりも大きくしてプレス打ち抜きで加工できるようにした。この構成によれば、製造タクトを低減でき、より低価格な光源装置とすることができる。
ここで、実施の形態1では、図3(a)に示したように、弾性変形部132(梁)とその隣接部分とを連結する連結部分136と、雌ねじ部135の周囲の固定部137とが、互いに対向しないように配置している。このことにより、弾性変形部132の弾性変形が固定部に伝播せず、固定部に応力が発生しないようにしている。
すなわち、弾性変形部132、連結部分137、雌ねじ部135の周囲の固定部137とが連なった配置にならないように、雌ねじ部135を連結部分136に対し、下方にずらした配置としている。弾性変形部132と雌ねじ部135の周囲の固定部137とが、互いに対向しないように配置することで、弾性変形部132の弾性変形が固定部137に伝播しないようにして、固定部137に応力が発生しないようにしている。
より具体的には、図22(a)に示したように、光源装置の小型化を実現するために、梁である弾性変形部132の形状をU字型にし、かつ、雌ねじ部135と弾性変形部132との間に、光源支持板13を切り欠いた空間138を設けている。
図22(a)に示した光源支持板13を用い、固定バネに相当する周囲を固定して、穴部131周辺に30Nの押圧力を作用させた場合の、応力分布を解析した。図22(a)の陰影部が、押圧力印加により局部的に変形した部分である。この結果により、弾性変形部132の変形は、雌ねじ部135の周囲の固定部137にまでは及んでいないことが分かる。
図22(b)には光源支持板13の弾性変形部132の梁長さは、図22(a)と同じにしたまま、形状を変えた比較例を示した。図22(b)の光源支持板13についても、光源支持板13と同様に、押圧力を印加した場合の応力分布を解析した。図22(a)と同様に、陰影部は押圧力印加により局部的に変形した部分である。図22(a)と図22(b)とで、陰影部同士を比較すると、比較例の図22(b)では弾性変形部の変形が、雌ねじ部135近傍にも及び、雌ねじ部135の周囲の固定部137に、局部的な歪みの変化が認められる。
これは光源の距離調整において、調整ねじ14を回転させて光源支持板13が変形するに伴って、回路基板12を固定する雌ねじ部135に、歪みが発生することを示している。雌ねじ部135は、回路基板12とねじで締結されているため、この付近に歪みが生じると、ねじの緩みや回路基板12の変形をもたらし、圧入固定された光源の半田付け部や、回路基板12に実装された部品に応力を発生させ、回路基板12の不良の原因となり得る。また、不良に至らないとしても光源支持板80と回路基板12との間で、ねじれを生じ結果的に、光源の向き(光軸)のずれを生じる原因になる。
一方、図22(a)の場合には、弾性変形部132と雌ねじ部135との間に空間138を設けているため、弾性変形部132の歪みエネルギが、雌ねじ部135に至らないようになっている。その結果、雌ねじ部135の周辺、及び光源圧入部すなわち穴部131の周辺には局部的な歪みは認められなかった。このように、光源支持板13と回路基板12を結合する箇所には、弾性変形の歪みエネルギが伝播しないように、弾性変形部と結合部との間に、空間を設けるとより好適である。
図23に完成した走査光学装置の外観図を示す。本実施の形態に係る走査光学装置は、外装24を取り付けて完成する。本実施の形態では、印刷装置本体との電気接続が、外装24を取り付けた状態で外装24の外部からできるように、中間ケーブル23が取り付けられている。
走査光学装置を印刷装置に取り付ける際に、印刷装置本体と走査光学装置との間の電気接続は、この中間ケーブル23を介して行なう。中間ケーブル23を用いない構成では、光源装置の回路基板12に配置した配線コネクタに、印刷装置本体からの信号ケーブルを直接接続することになる。この場合は、信号ケーブルを取り付ける際に、光源装置の回路基板12に外力が作用することになる。回路基板12に過剰な外力が作用すると、回路基板12を介して光源支持板13を変形させて、光源の光軸や焦点がずれる可能性がある。
本実施の形態の構成では、中間ケーブル23を備えており、中間ケーブル23は外装24とフレーム25との間に挟まれている。このことにより、中間ケーブル23は、中間ケーブル23に加わった外力が、外装24の内部に伝わらない程度に、固定された状態を保っている。この構成によれば、走査光学装置を印刷装置本体に取り付ける際に、回路基板12に過剰な外力が作用しないので、光軸が再びずれることを防止することができる。
以上のように本発明に係る光源装置は、半導体レーザとコリメートレンズ間の光軸方向の距離調整を容易に精度よく行なうことができるので、本発明は走査光学装置、具体的には、レーザプリンタ、複合機、ファクシミリ等の画像記録装置に有用である。
1 光源(半導体レーザ)
2 コリメートレンズ
3 絞り
8 コリメートレンズ台
10 光源装置
12 回路基板
13 光源支持板
14 調整ねじ
18 調整工具
50 コリメートレンズユニット
51 光源ユニット
132 弾性変形部
2 コリメートレンズ
3 絞り
8 コリメートレンズ台
10 光源装置
12 回路基板
13 光源支持板
14 調整ねじ
18 調整工具
50 コリメートレンズユニット
51 光源ユニット
132 弾性変形部
Claims (30)
- 光源と、光軸方向に弾性を有する光源支持板とが結合された光源ユニットと、
コリメートレンズを固定したコリメートレンズ台と、
前記光源ユニットと前記コリメートレンズ台との間に設置された光軸方向調整部材とを備え、
前記光源ユニットは、光軸と垂直な平面内で位置調整して、前記光源支持板を介して前記コリメートレンズ台に固定可能であり、
前記光軸方向調整部材は、光軸方向に移動可能であり、かつ前記移動により前記光源支持板に接しその弾性に抗して前記光源支持板を変形させて、前記コリメートレンズに対する前記光源の光軸方向の位置を調整可能にするように配置されていることを特徴とする光源装置。 - 前記光源ユニットに、さらに前記光源の駆動回路の少なくとも一部を含む回路基板が結合されており、前記光源、前記光源支持板、及び前記回路基板が一体的に結合されている請求項1に記載の光源装置。
- 前記コリメートレンズは、前記コリメートレンズ台に接着剤により取り付けられ、前記接着剤の一部が硬化した状態で、前記コリメートレンズ台を熱処理することにより、前記コリメートレンズが前記コリメートレンズ台に固定されている請求項1に記載の光源装置。
- 前記光軸方向調整部材は、前記コリメートレンズ台に螺合されてその回転によって光軸方向に移動可能な調整部材で、かつ光軸方向と交差する方向から工具を挿入して調整可能にするための工具受け部を有する請求項1に記載の光源装置。
- 前記光軸方向調整部材は、前記光源支持板との接触部の形状が、前記光源の外周を包み込むような環状である請求項1に記載の光源装置。
- 前記環状部分の外周が多角形、又は前記環状部分に溝が形成されている請求項5に記載の光源装置。
- 前記光軸方向調整部材は、前記コリメートレンズ台と螺合しており、前記光源支持板との接触部の外径は、前記光軸方向調整部材が前記コリメートレンズ台と螺合されている部分の外径よりも大きい請求項5に記載の光源装置。
- 前記光源ユニットは、前記光源の光軸方向の位置調整後に、前記コリメートレンズ台に固定されるように構成された請求項1に記載の光源装置。
- 前記固定は、嫌気性紫外線硬化樹脂による接着である請求項8に記載の光源装置。
- 前記光源ユニットは、光軸と垂直な平面内で位置調整するための1箇所以上の位置決め穴を有している請求項1に記載の光源装置。
- 前記位置決め穴は、前記光源の電源電圧と電気的に絶縁されている請求項10に記載の光源装置。
- 前記光源ユニットに、さらに前記光源の駆動回路の少なくとも一部を含む回路基板が結合されており、前記位置決め穴は、前記回路基板に設けている請求項10に記載の光源装置。
- 前記コリメートレンズ台は、電気絶縁体で構成されている請求項1に記載の光源装置。
- 前記光源支持板は、前記回路基板に対し、上下方向および左右方向ともに小さい請求項2に記載の光源装置。
- 前記光源支持板は、弾性変形部と、前記回路基板との固定部とを有し、前記弾性変形部と前記固定部とが連ならないように配置されている請求項2に記載の光源装置。
- 前記光源の駆動回路に、中間電気信号線が接続されている請求項1に記載の光源装置。
- 前記光源支持板の振動に対する固有振動数は、前記光源装置が搭載される走査光学装置に搭載された走査装置の回転周波数よりも高い値である請求項1に記載の光源装置。
- 前記光源装置及び前記光源装置が搭載される走査光学装置の少なくともいずれかに、屈折レンズに回折格子を組み込んだハイブリッドレンズを含んでおり、
前記光源ユニットは、前記光源の外周フランジ部が前記光源支持板に、圧入固定され、
前記光源支持板の厚さは、前記光源の外周フランジ部厚さの半分以上である請求項1に記載の光源装置。 - 前記光源装置及び前記光源装置が搭載される走査光学装置の少なくともいずれかに、屈折レンズに回折格子を組み込んだハイブリッドレンズを含んでおり、
前記光源は連続的に点滅させられつつ、前記光源の光軸合わせ、光軸方向の距離調整、及び走査光学装置の最終検査の少なくとも一部が実施されるように構成した請求項1に記載の光源装置。 - 請求項1に記載の光源装置を備えた走査光学装置であって、前記光源装置から発せられた光を走査面上に結像する結像光学系と、前記結像した光を前記走査面上に走査させる走査装置をさらに備えた走査光学装置。
- 屈折レンズに回折格子を組み込んだハイブリッドレンズが搭載されており、前記走査光学装置の組み立て調整、検査において、前記光源は連続的に点滅させられるように構成している請求項20に記載の走査光学装置。
- 前記光源装置は外装内に搭載されており、前記光源の駆動回路に、前記外装の外に導かれた中間電気信号線が接続されており、前記中間電気信号線の一部が固定されている請求項20に記載の走査光学装置。
- 前記光源支持板の振動に対する固有振動数は、前記走査装置の回転周波数よりも高い値である請求項20に記載の走査光学装置。
- 屈折レンズに回折格子を組み込んだハイブリッドレンズを含んでおり、前記光源ユニットは、前記光源の外周フランジ部が前記光源支持板に、圧入固定され、前記光源支持板の厚さは、前記光源の外周フランジ部厚さの半分以上である請求項20に記載の走査光学装置。
- 光源と、光軸方向に弾性を有する光源支持板とが結合された光源ユニットと、
コリメートレンズを固定したコリメートレンズ台と、
前記光源ユニットと前記コリメートレンズ台との間に設置され、前記光源支持板に接する光軸方向調整部材とを備えた光源装置における調整方法であって、
前記光軸方向調整部材を移動させ、前記光軸方向調整部材に接した前記光源支持板の弾性に抗して前記光源支持板を変形させることにより、前記コリメートレンズに対する前記光源の光軸方向の位置を調整する工程と、
前記光源ユニットを、光軸と垂直な平面内で位置調整した後、前記光源ユニットを、前記光源支持板を介して前記コリメートレンズ台に固定する工程とを備えたことを特徴とする光源装置の調整方法。 - 前記コリメートレンズは、前記コリメートレンズ台に接着剤を用いて接着され、前記接着剤を一時硬化させた後、前記コリメートレンズが接着された前記コリメートレンズ台を熱処理することにより、前記コリメートレンズを前記コリメートレンズ台に固定する請求項25に記載の光源装置の調整方法。
- 前記光源ユニットを前記コリメートレンズ台に固定する工程は、前記光源の光軸方向の位置を調整する工程の後にある請求項25に記載の光源装置の調整方法。
- 前記光源装置及び前記光源装置が搭載される走査光学装置の少なくともいずれかに、屈折レンズに回折格子を組み込んだハイブリッドレンズを含んでおり、前記光源を連続的に点滅させた状態で、光源の光軸合わせ、光軸方向の距離調整、及び前記走査光学装置の最終検査の少なくともいずれかをする請求項25に記載の光源装置の調整方法。
- 光源と、光軸方向に弾性を有する光源支持板とが結合された光源ユニットと、
コリメートレンズを固定したコリメートレンズ台と、
前記光源ユニットと前記コリメートレンズ台との間に設置され、前記光源支持板に接する光軸方向調整部材とを含む光源装置を備えた走査光学装置の製造方法であって、
前記光軸方向調整部材を移動させ、前記光軸方向調整部材に接した前記光源支持板の弾性に抗して前記光源支持板を変形させることにより、前記コリメートレンズに対する前記光源の光軸方向の位置を調整する工程と、
前記光源ユニットを、光軸と垂直な平面内で位置調整した後、前記光源ユニットを、前記光源支持板を介して前記コリメートレンズ台に固定する工程とを備えたことを特徴とする走査光学装置の製造方法。 - 前記走査光学装置に、屈折レンズに回折格子を組み込んだハイブリッドレンズを含んでおり、前記光源を連続的に点滅させた状態で、前記走査光学装置の組み立て調整及び検査の少なくともいずれかをする請求項29に記載の走査光学装置の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010061110A (ja) * | 2008-08-07 | 2010-03-18 | Kyocera Mita Corp | 光走査光学装置、該光走査光学装置を用いた画像形成装置並びに光走査方法 |
JP2016151669A (ja) * | 2015-02-17 | 2016-08-22 | キヤノン株式会社 | 光学走査装置および光学走査装置システム |
JP2018504195A (ja) * | 2015-02-06 | 2018-02-15 | イボクラール ビバデント アクチェンゲゼルシャフト | 歯科用光硬化装置 |
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2006
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