JP2007303736A - 冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷凍装置の運転制御の指標となる指標値を調節する機能を有する冷凍装置において、運転制御を適切に行って指標値の調節時間を短縮させる。
【解決手段】目標状態量決定手段(54)が、状態量検出手段(51)が検出する複数種類の状態量の変化履歴と指標値検出手段(52)が検出する指標値の変化履歴とから、各状態量の目標値を決定する。運転制御手段(55)が、目標状態量決定手段(54)が決定する各状態量の目標値に基づいて冷凍装置(10)の運転を制御する。複数種類の状態量の変化履歴と指標値の変化履歴とからは、各状態量をどのように調節すれば指標値がどのように変化するのかが推測されるので、指標値を意図する側に調節することが可能になる。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷凍装置の運転制御の指標となる指標値を調節する機能を備える冷凍装置に関するものである。
従来より、冷凍装置の運転制御の指標となる指標値を調節する機能を備える冷凍装置が知られている。冷凍装置の運転制御の指標となる指標値としては、冷凍装置の運転状態を表すもの(例えば、成績係数、空調能力、消費電力)や、冷凍装置によって温度調節される空間の状態を表すもの(例えば、快適性指標)などがある。この種の冷凍装置では、運転制御によって、例えば消費電力を小さくするなどの指標値の調節が行われる。この種の冷凍装置の一例が特許文献1に開示されている。
特許文献1には、この種の冷凍装置として、消費電力を調節することが可能な空気調和装置が開示されている。この空気調和装置では、まず圧縮機の回転数と膨張弁の開度の一方、又は両方が所定量だけ調節される。そして、空気調和装置が安定した定常状態になると、消費電力が低下したか否かの評価を行い、圧縮機の回転数の制御方向や膨張弁の開度の制御方向を決定する。具体的に、消費電力が低下した場合は、圧縮機や膨張弁の制御が有効であったものと判断して、同じ制御方向に圧縮機の回転数や膨張弁の開度を調節する。一方、消費電力が上昇した場合は、圧縮機や膨張弁の制御が有効ではないと判断して、別の制御方向に圧縮機の回転数や膨張弁の開度を調節する。
特開平7−110165号公報
ところで、従来の冷凍装置では、指標値を調節するにあたって、冷凍装置の運転をどのように制御すべきかが明確に分からないので、適切な運転制御の内容を見つけだすのに圧縮機や減圧機構などの構成機器を調節して冷凍装置が安定した状態になるまで待たなければならない。従って、指標値の調節に長い時間が必要となっていた。
また、適切な運転制御の内容を見つけ出すために構成機器をランダムに調節するので、指標値の調節の過程で、指標値が意図しない側に変化する場合があった。例えば、消費電力を下げようとしているのに、消費電力が上昇してしまうような場合である。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷凍装置の運転制御の指標となる指標値を調節する機能を有する冷凍装置において、運転制御を適切に行って指標値の調節時間を短縮させることである。
第1の発明は、圧縮機(30)、減圧機構(36)、熱源側熱交換器(34)、及び利用側熱交換器(37)が設けられて蒸気圧縮冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備え、該熱源側熱交換器(34)及び利用側熱交換器(37)では熱交換媒体と冷媒とが熱交換を行う冷凍装置(10)を対象とする。そして、この冷凍装置(10)は、上記熱交換媒体又は冷媒の状態を表す物理量のうち複数種類の物理量を状態量として検出する状態量検出手段(51)と、上記冷凍装置の運転制御の指標となる指標値を検出する指標値検出手段(52)と、上記状態量検出手段(51)が検出する複数種類の状態量の変化履歴と上記指標値検出手段(52)が検出する指標値の変化履歴とから、該状態量の目標値を決定する目標状態量決定手段(54)と、上記目標状態量決定手段(54)が決定する状態量の目標値に基づいて上記冷凍装置(10)の運転を制御する運転制御手段(55)とを備えている。
第1の発明では、目標状態量決定手段(54)が、状態量検出手段(51)が検出する複数種類の状態量の変化履歴と指標値検出手段(52)が検出する指標値の変化履歴とから、状態量の目標値を決定する。ここで、複数種類の状態量の変化履歴と指標値の変化履歴とからは、最新の状態量及び指標値の検出時点までの複数種類の状態量の変化に対する指標値の変化特性が検出される。つまり、複数種類の状態量の変化に対して指標値がどのように変化してきているのかが検出される。そして、複数種類の状態量の変化に対する指標値の変化特性からは、状態量をどのように調節すれば指標値がどのように変化するのかが推測される。従って、この指標値の変化特性に基づいて状態量の目標値を決定することで、指標値を意図する側に調節することが可能になる。状態量の目標値が決定されると、運転制御手段(55)が、状態量の目標値に基づいて冷凍装置(10)の運転を制御する。
第2の発明は、第1の発明において、上記目標状態量決定手段(54)が、n種類の上記状態量と1種類の上記指標値とのそれぞれを座標軸にとって形成される(n+1)次元ベクトル空間において、各状態量の変化履歴と指標値の変化履歴とに基づいてn次元の部分空間を決定し、最新の各状態量及び指標値から定まる最新動作点において該n次元の部分空間に接するベクトルに基づいて上記状態量の目標値を決定する。
第2の発明では、n種類の状態量と1種類の指標値とのそれぞれを座標軸にとって形成される(n+1)次元ベクトル空間において、各状態量の変化履歴と指標値の変化履歴とに基づいてn次元の部分空間が決定される。このn次元の部分空間は、最新の状態量及び指標値の検出時点までの複数種類の状態量の変化に対する指標値の変化特性を表すものである。そして、最新動作点においてn次元の部分空間に接するベクトルからは、複数種類の状態量を変化させると指標値がどのように変化するのかが推測される。従って、最新動作点においてn次元の部分空間に接するベクトルに基づいて状態量の目標値を決定することで、指標値を意図する側に調節することが可能になる。
第3の発明は、第2の発明において、上記目標状態量決定手段(54)が、上記最新動作点において上記n次元の部分空間に接するベクトルのうち上記指標値の座標軸方向との角度が最も小さくなるベクトルに基づいて、上記状態量の目標値を決定する。
第3の発明では、状態量の目標値が、最新動作点においてn次元の部分空間に接するベクトルのうち指標値の座標軸方向との角度が最も小さくなるベクトルに基づいて決定される。ここで、指標値の座標軸方向との角度が最も小さくなるベクトルは、複数種類の状態量の変化に対して指標値の変化割合が最も大きくなる方向を表している。従って、この指標値の座標軸方向との角度が最も小さくなるベクトルの方向に基づいて状態量の目標値を決定すると、指標値を最も効果的に調節可能な値に状態量の目標値を決定することが可能になる。
第4の発明は、第2の発明において、上記指標値検出手段(52)が、複数種類の指標値を検出する一方、上記目標状態量決定手段(54)が、上記複数種類の指標値の各々について作成される(n+1)次元ベクトル空間において上記n次元の部分空間を決定し、該各(n+1)次元ベクトル空間における最新動作点においてn次元の部分空間に接する各ベクトルの方向に基づいて上記状態量の目標値を決定する。
第4の発明では、指標値検出手段(52)が検出する複数種類の指標値の各指標値について、(n+1)次元ベクトル空間が形成される。そして、各(n+1)次元ベクトル空間において、各状態量の変化履歴と指標値の変化履歴とに基づいてn次元の部分空間が決定される。各n次元の部分空間は、最新の状態量及び指標値の検出時点までの複数種類の状態量の変化に対する各指標値の変化特性を表すものである。そして、各(n+1)次元ベクトル空間における最新動作点においてn次元の部分空間に接する各ベクトルからは、複数種類の状態量を変化させると各指標値がどのように変化するのかが推測される。従って、各ベクトルに基づいて状態量の目標値を決定することで、該状態量の目標値が各指標値を総合的に考慮した値になる。
本発明では、複数種類の状態量の変化履歴と指標値の変化履歴とから状態量の目標値を決定して、該状態量の目標値に基づいて冷凍装置(10)の運転を制御することで、指標値を意図する側に調節することができるようにしている。従って、従来のように、適切な運転制御の内容を見つけるための運転動作を行う必要がなく、指標値が意図しない側に変化することもない。よって、冷凍装置(10)の運転制御として圧縮機(30)や減圧機構(36)などを適切に制御することができるので、指標値の調節時間を短縮させることができる。
本発明によれば、指標値が意図しない側に変化することがないので、例えば冷凍装置(10)が空調機である場合に、指標値の調節過程で被空調空間が不快な状態になることを防止できる。また、例えば指標値として消費電力を用いる場合に、指標値の調節過程で消費電力を増大させる運転状態に陥ることを防止できる。
また、第3の発明では、最新動作点においてn次元の部分空間に接するベクトルのうち指標値の座標軸方向との角度が最も小さくなるベクトルに基づいて状態量の目標値を決定することで、指標値を最も効果的に調節可能な値に状態量の目標値を決定することができる。従って、その状態量の目標値を冷凍装置(10)の運転制御に用いることで、指標値が最も効果的に調節される内容で冷凍装置(10)の運転を制御することが可能になる。
また、第4の発明では、複数種類の状態量を変化させると各指標値がどのように変化するのかを推測可能な、各(n+1)次元ベクトル空間におけるベクトルの方向を組み合わせて状態量の目標値を決定することで、該状態量の目標値が各指標値を総合的に考慮して決定されるようにしている。例えば、指標値が2種類の場合に、一方の指標値を優先的に変化させたり、一方の指標値を変化させずに他方の指標値のみを変化させたりすることができるような値に、状態量の目標値を決定することが可能になる。従って、各指標値を総合的に考慮して、冷凍装置(10)の運転制御を適切に行うことができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
−冷凍装置の構成−
図1は、この実施形態に係る冷凍装置(10)の概略構成図である。この冷凍装置(10)は、室外ユニット(11)と室内ユニット(13)とを備える空気調和装置であって、冷房運転と暖房運転とを切り換え可能に構成されている。
室外ユニット(11)内には、室外回路(21)が設けられている。室内ユニット(13)内には、室内回路(22)が設けられている。この冷凍装置(10)では、室外回路(21)と室内回路(22)とを液側連絡配管(23)及びガス側連絡配管(24)で接続することによって蒸気圧縮冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)が構成されている。
《室外ユニット》
室外ユニット(11)の室外回路(21)には、圧縮機(30)、四路切換弁(33)、熱源側熱交換器である室外熱交換器(34)、及び減圧機構である膨張弁(36)が設けられている。室外回路(21)の一端には、液側連絡配管(23)が接続される液側閉鎖弁(25)が設けられている。室外回路(21)の他端には、ガス側連絡配管(24)が接続されるガス側閉鎖弁(26)が設けられている。
圧縮機(30)は、密閉型で高圧ドーム型の圧縮機として構成されている。圧縮機(30)には、インバータを介して電力が供給される。この圧縮機(30)は、インバータの出力周波数を変化させてモータの回転速度を変更することによって、その容量が変更可能となっている。圧縮機(30)の吐出側は、吐出管(40)を介して四路切換弁(33)の第1ポート(P1)に接続されている。圧縮機(30)の吸入側は、吸入管(41)を介して四路切換弁(33)の第3ポート(P3)に接続されている。
室外熱交換器(34)は、熱交換媒体である空気と冷媒とを熱交換させるものであり、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器として構成されている。この室外熱交換器(34)の近傍には、室外ファン(12)が設けられている。この室外熱交換器(34)では、室外ファン(12)によって送られる室外空気と流通する冷媒との間で熱交換が行われる。室外熱交換器(34)の一端は、四路切換弁(33)の第4ポート(P4)に接続されている。室外熱交換器(34)の他端は、液配管(42)を介して液側閉鎖弁(25)に接続されている。液配管(42)には、電子膨張弁で構成された膨張弁(36)が設けられている。また、四路切換弁(33)の第2ポート(P2)はガス側閉鎖弁(26)に接続されている。
四路切換弁(33)は、第1ポート(P1)と第2ポート(P2)が互いに連通して第3ポート(P3)と第4ポート(P4)が互いに連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)が互いに連通して第2ポート(P2)と第3ポート(P3)が互いに連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とが切り換え可能となっている。
室外回路(21)には、圧縮機(30)の一端側と他端側に温度センサ(45)及び圧力センサ(46)が1組ずつ設けられている。具体的に、吸入管(41)には、一対の吸入温度センサ(45a)及び吸入圧力センサ(46a)が設けられている。吐出管(40)には、一対の吐出温度センサ(45b)及び吐出圧力センサ(46b)が設けられている。室外ファン(12)の近傍には、外気温度センサ(18)が設けられている。
《室内ユニット》
室内ユニット(13)の室内回路(22)には、利用側熱交換器である室内熱交換器(37)が設けられている。室内熱交換器(37)は、熱交換媒体である空気と冷媒とを熱交換させるものであり、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器として構成されている。この室内熱交換器(37)の近傍には、室内ファン(14)が設けられている。この室内熱交換器(37)では、室内ファン(14)によって送られる室内空気と流通する冷媒との間で熱交換が行われる。
室内回路(22)には、室内熱交換器(37)の一端側と他端側に温度センサ(45)及び圧力センサ(46)が1組ずつ設けられている。具体的に、室内回路(22)の液側端と室内熱交換器(37)との間には、一対の室内液温度センサ(45c)及び室内液圧力センサ(46c)が設けられている。室内熱交換器(37)と室内回路(22)のガス側端との間には、一対の室内ガス温度センサ(45d)及び室内ガス圧力センサ(46d)が設けられている。室内ファン(14)の近傍には、室内温度センサ(19)が設けられている。
《制御部》
この冷凍装置(10)は、冷凍装置の運転制御の指標となる指標値として成績係数(COP)及び空調能力を調節する制御部(50)を備えている。この制御部(50)は、圧縮機(30)の運転周波数及び膨張弁(36)の開度を調節して成績係数及び空調能力を調節する指標値調節動作を、例えば所定の制御周期(Ts)で行うように構成されている。制御部(50)は、状態量検出手段である状態量検出部(51)と、指標値検出手段である指標値検出部(52)と、目標状態量決定手段である目標状態量決定部(54)と、運転制御手段である運転制御部(55)とを備えている。
状態量検出部(51)は、指標値調節動作の度に、冷媒回路(20)を循環する冷媒の状態を表す物理量のうち2種類の物理量をそれぞれ状態量として検出するように構成されている。状態量検出部(51)は、指標値調節動作の度に、冷媒の状態を表す物理量として、圧縮機(30)に吸入される冷媒(以下、吸入冷媒という)の圧力と圧縮機(30)から吐出された冷媒(以下、吐出冷媒という)の圧力とを、それぞれ状態量として検出する。吸入冷媒の圧力は、吸入圧力センサ(46a)から検出される。吐出冷媒の圧力は、吐出圧力センサ(46b)から検出される。
指標値検出部(52)は、指標値調節動作の度に、成績係数と空調能力とをそれぞれ指標値として検出するように構成されている。具体的に、指標値検出部(52)は、吸入冷媒のエンタルピ(h1)、吐出冷媒のエンタルピ(h2)、室内熱交換器(37)に流入する冷媒のエンタルピ(h3)、及び室内熱交換器(37)から流出した冷媒のエンタルピ(h4)から成績係数を算出する。指標値検出部(52)は、冷房運転中は冷凍サイクルの成績係数(COPC)を算出し、暖房運転中はヒートポンプサイクルの成績係数(COPh)を算出する。また、指標値検出部(52)は、室内熱交換器(37)に流入する冷媒のエンタルピ(h3)、及び室内熱交換器(37)から流出した冷媒のエンタルピ(h4)から空調能力を算出する。
なお、吸入冷媒のエンタルピ(h1)は、吸入温度センサ(45a)及び吸入圧力センサ(46a)の計測値から算出される。吐出冷媒のエンタルピ(h2)は、吐出温度センサ(45b)及び吐出圧力センサ(46b)の計測値から算出される。冷房運転では、室内熱交換器(37)に流入する冷媒のエンタルピ(h3)は室内液温度センサ(45c)及び室内液圧力センサ(46c)の計測値から算出され、室内熱交換器(37)から流出した冷媒のエンタルピ(h4)は室内ガス温度センサ(45d)及び室内ガス圧力センサ(46d)の計測値から算出される。暖房運転では、室内熱交換器(37)に流入する冷媒のエンタルピ(h3)は室内ガス温度センサ(45d)及び室内ガス圧力センサ(46d)の計測値から算出され、室内熱交換器(37)から流出した冷媒のエンタルピ(h4)は室内液温度センサ(45c)及び室内液圧力センサ(46c)の計測値から算出される。
目標状態量決定部(54)は、状態量検出部(51)が検出する2種類の状態量の変化履歴と指標値検出部(52)が検出する指標値の変化履歴とから、各状態量の目標値を決定するように構成されている。この実施形態では、目標状態量決定部(54)において、吸入冷媒の圧力の変化履歴、吐出冷媒の圧力の変化履歴、成績係数の変化履歴、及び空調能力の変化履歴とから、吸入冷媒の圧力の目標値及び吐出冷媒の圧力の目標値が決定される。目標状態量決定部(54)は、指標値調節動作において、状態量検出部(51)が吸入冷媒の圧力及び吐出冷媒の圧力を検出して、指標値検出部(52)が成績係数と空調能力とを検出した後に、吸入冷媒の圧力の目標値及び吐出冷媒の圧力の目標値を決定する。なお、目標状態量決定部(54)は、今回から指標値調節動作と前回の指標値調節動作と前々回の指標値調節動作とにおける吸入冷媒の圧力、吐出冷媒の圧力、成績係数、及び空調能力を記憶可能に構成されている。
運転制御部(55)は、目標状態量決定部(54)が状態量の目標値を決定した後に、状態量の目標値に基づいて圧縮機(30)及び膨張弁(36)を制御するように構成されている。この実施形態では、圧縮機(30)及び膨張弁(36)が、吸入冷媒の圧力の目標値及び吐出冷媒の圧力の目標値に基づいて統合的に制御される。具体的に、運転制御部(55)は、図2のブロック図に示す推定モデル(48)を用いて、圧縮機(30)の運転周波数や膨張弁(36)の開度を決定する。この推定モデル(48)は、状態方程式から構成された、いわゆる状態観測器であって、冷凍装置(10)の動特性を表すモデルとして構築されている。推定モデル(48)では、吸入冷媒の圧力及び吐出冷媒の圧力が状態量として用いられ、圧縮機(30)の運転周波数や膨張弁(36)の開度が操作量として用いられる。
−冷凍装置の運転動作−
次に、冷凍装置(10)の運転動作について説明する。この冷凍装置(10)は、冷房運転と暖房運転とが実行可能になっており、四路切換弁(33)によって運転の切り換えが行われる。
<冷房運転>
冷房運転では、四路切換弁(33)が第2状態に設定される。そして、この状態で圧縮機(30)を運転すると、冷媒回路(20)では室外熱交換器(34)が凝縮器となって室内熱交換器(37)が蒸発器となる蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。なお、冷房運転では、膨張弁(36)の開度が適宜調節される。
具体的に、圧縮機(30)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(34)で室外空気と熱交換して凝縮する。室外熱交換器(34)で凝縮した冷媒は、膨張弁(36)を通過する際に減圧され、その後に室内熱交換器(37)で室内空気と熱交換して蒸発する。室内熱交換器(37)で蒸発した冷媒は、圧縮機(30)へ吸入されて圧縮される。
<暖房運転>
暖房運転では、四路切換弁(33)が第1状態に設定される。そして、この状態で圧縮機(30)を運転すると、冷媒回路(20)では室外熱交換器(34)が蒸発器となって室内熱交換器(37)が凝縮器となる蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。なお、暖房運転においても、膨張弁(36)の開度が適宜調節される。
具体的に、圧縮機(30)から吐出された冷媒は、室内熱交換器(37)で室内空気と熱交換して凝縮する。室内熱交換器(37)で凝縮した冷媒は、膨張弁(36)を通過する際に減圧され、その後に室外熱交換器(34)で室外空気と熱交換して蒸発する。室外熱交換器(34)で蒸発した冷媒は、圧縮機(30)へ吸入されて圧縮される。
−制御部の動作−
制御部(50)の動作について説明する。制御部(50)は、例えば所定の制御周期(Ts)で指標値調節動作を行うように構成されている。以下では、冷房運転時の時刻t(k)=k×Tsにおける指標値調節動作について説明する。なお、暖房運転時の指標値調節動作の説明は、成績係数及び空調能力の算出以外は同様であるため省略する。
指標値調節動作では、まず状態量検出部(51)が、状態量として、吸入圧力センサ(46a)及び吐出圧力センサ(46b)から時刻t(k)における吸入冷媒の圧力及び吐出冷媒の圧力を検出する。
次に、指標値検出部(52)は、吸入温度センサ(45a)及び吸入圧力センサ(46a)の計測値から吸入冷媒のエンタルピ(h1)を算出し、吐出温度センサ(45b)及び吐出圧力センサ(46b)の計測値から吐出冷媒のエンタルピ(h2)を算出し、室内液温度センサ(45c)及び室内液圧力センサ(46c)の計測値から室内熱交換器(37)に流入する冷媒のエンタルピ(h3)を算出し、室内ガス温度センサ(45d)及び室内ガス圧力センサ(46d)の計測値から室内熱交換器(37)から流出した冷媒のエンタルピ(h4)を算出する。そして、指標値検出部(52)は、指標値として、吸入冷媒のエンタルピ(h1)、吐出冷媒のエンタルピ(h2)、室内熱交換器(37)に流入する冷媒のエンタルピ(h3)、及び室内熱交換器(37)から流出した冷媒のエンタルピ(h4)から時刻t(k)における成績係数(COPC)を算出する。また、指標値検出部(52)は、指標値として、室内熱交換器(37)に流入する冷媒のエンタルピ(h3)と室内熱交換器(37)から流出した冷媒のエンタルピ(h4)との差から時刻t(k)における空調能力を算出する。
次に、目標状態量決定部(54)は、時刻t(k)における指標値調節動作(今回の指標値調節動作)における吸入冷媒の圧力、吐出冷媒の圧力、成績係数、及び空調能力と、時刻t(k-1)における指標値調節動作(前回の指標値調節動作)における吸入冷媒の圧力、吐出冷媒の圧力、成績係数、及び空調能力と、時刻t(k-2)における指標値調節動作(前々回の指標値調節動作)における吸入冷媒の圧力、吐出冷媒の圧力、成績係数、及び空調能力とに基づいて、吸入冷媒の圧力の目標値及び吐出冷媒の圧力の目標値を決定する。なお、目標状態量決定部(54)は、時刻t(k-1)における指標値調節動作及び時刻t(k-2)における指標値調節動作の際に、それぞれの指標値調節動作で検出した吸入冷媒の圧力、吐出冷媒の圧力、成績係数、及び空調能力を記憶している。
具体的に、目標状態量決定部(54)は、吸入冷媒の圧力をx軸に、吐出冷媒の圧力をy軸に、成績係数をz軸にとって形成される3次元空間(第1空間)において、今回の指標値調節動作の吸入冷媒の圧力、吐出冷媒の圧力、及び成績係数に対応する座標点π(k)、前回の指標値調節動作の吸入冷媒の圧力、吐出冷媒の圧力、及び成績係数に対応する座標点π(k-1)、及び前々回の指標値調節動作の吸入冷媒の圧力、吐出冷媒の圧力、及び成績係数に対応する座標点π(k-2)の3点から、平面Π(2次元の部分空間)を決定する(図3(A)参照)。座標点π(k)は、最新の吸入冷媒の圧力、吐出冷媒の圧力、及び成績係数から定まる第1空間の最新動作点である。
そして、目標状態量決定部(54)は、座標点π(k)において平面Πに接するベクトルのうちz軸方向との角度が最も小さくなるベクトルα1を検出する。このベクトルα1は、座標点π(k)において平面Πに接するベクトルの中ではxy座標面に対する傾きが最大となるものである。また、目標状態量決定部(54)は、座標点π(k)において平面Πに接してベクトルα1に直交する直線β1を検出する。なお、平面Πは平坦面であるため、この平面Πに接するベクトルは平面Π上のベクトルである。
また、目標状態量決定部(54)は、吸入冷媒の圧力をx軸に、吐出冷媒の圧力をy軸に、空調能力をz軸にとって形成される3次元空間(第2空間)において、今回の指標値調節動作の吸入冷媒の圧力、吐出冷媒の圧力、及び空調能力に対応する座標点φ(k)、前回の指標値調節動作の吸入冷媒の圧力、吐出冷媒の圧力、及び空調能力に対応する座標点φ(k-1)、及び前々回の指標値調節動作の吸入冷媒の圧力、吐出冷媒の圧力、及び空調能力に対応する座標点φ(k-2)の3点から、平面Φ(2次元の部分空間)を決定する(図3(B)参照)。座標点φ(k)は、最新の吸入冷媒の圧力、吐出冷媒の圧力、及び空調能力から定まる第2空間の最新動作点である。
そして、目標状態量決定部(54)は、座標点φ(k)において平面Φに接するベクトルのうちz軸方向との角度が最も小さくなるベクトルα2を検出する。このベクトルα2は、座標点φ(k)において平面Φに接するベクトルの中ではxy座標面に対する傾きが最大となるものである。また、目標状態量決定部(54)は、座標点φ(k)において平面Φに接してベクトルα2に直交する直線β2を検出する。なお、平面Φは平坦面であるため、この平面Φに接するベクトルは平面Φ上のベクトルである。
ここで、この平面Πは、時刻t(k-2)から時刻t(k)までの吸入冷媒の圧力及び吐出冷媒の圧力の変化に対する成績係数の変化特性を表すものである。そして、座標点π(k)において平面Πに接するベクトルからは、時刻t(k)以降において吸入冷媒の圧力及び吐出冷媒の圧力を変化させると成績係数がどのように変化するのかが推測される。さらに、座標点π(k)において平面Π上に接するベクトルのうちz軸方向との角度が最も小さくなるベクトルα1は、吸入冷媒の圧力及び吐出冷媒の圧力の変化に対して成績係数の値の増加割合が最も大きくなる方向を表している。また、座標点π(k)において平面Πに接してベクトルα1に直交する直線β1は、吸入冷媒の圧力及び吐出冷媒の圧力の変化に対して成績係数が変化しない方向を表している。
また、ベクトルα2は、吸入冷媒の圧力及び吐出冷媒の圧力の変化に対して空調能力の値の増加割合が最も大きくなる方向を表している。座標点φ(k)において平面Φに接してベクトルα2に直交する直線β2は、吸入冷媒の圧力及び吐出冷媒の圧力の変化に対して空調能力が変化しない方向を表している。
ベクトルα1,α2と直線β1,β2とを検出すると、目標状態量決定部(54)は、これらのベクトルα1,α2と直線β1,β2とから、状態量を変化させようとする目標方向を決定して、吸入冷媒の圧力の目標値及び吐出冷媒の圧力の目標値を決定する。目標方向の決め方は、成績係数や空調能力をどのように調節するかで異なっている。
具体的に、目標状態量決定部(54)は、空調能力を増加させて成績係数を低下させる場合は、図4に示す第1区間の方向に目標方向を決定する。空調能力と成績係数とを共に増加させる場合は、第2区間の方向に目標方向を決定する。空調能力を減少させて成績係数を増加させる場合は、第3区間の方向に目標方向を決定する。空調能力と成績係数とを共に減少させる場合は、第4区間の方向に目標方向を決定する。
また、特に、空調能力に対して成績係数を優先的に向上させる場合はベクトルα1の方向を目標方向とする。成績係数に対して空調能力を優先的に向上させる場合はベクトルα2の方向を目標方向とする。空調能力を維持した状態で成績係数を向上させる場合は、直線β2上でベクトルα1となす角度が鋭角になる方向を目標方向とする。成績係数を維持した状態で空調能力を向上させる場合は、直線β1上でベクトルα2となす角度が鋭角になる方向を目標方向とする。
目標方向を決定すると、目標状態量決定部(54)は、座標点π(k)又は座標点φ(k)から目標方向に所定の距離だけ進んだ点を目標動作点π'又は目標動作点φ'とする。当然ながら、目標動作点π'のx座標と目標動作点φ'のx座標とは等しく、目標動作点π'のy座標と目標動作点φ'のy座標とは等しい。目標状態量決定部(54)は、目標動作点π'又は目標動作点φ'のx座標の値を吸入冷媒の圧力の目標値に決定し、y座標の値を吐出冷媒の圧力の目標値に決定する。
例えば、ベクトルα1の方向を目標方向として吸入冷媒の圧力の目標値及び吐出冷媒の圧力の目標値を決定すると、その吸入冷媒の圧力の目標値及び吐出冷媒の圧力の目標値が、成績係数を最も効果的に向上させることが可能な値に決定される。また、ベクトルα2の方向を目標方向として吸入冷媒の圧力の目標値及び吐出冷媒の圧力の目標値を決定すると、その吸入冷媒の圧力の目標値及び吐出冷媒の圧力の目標値が、空調能力を最も効果的に増加させることが可能な値に決定される。
次に、運転制御部(55)は、吸入冷媒の圧力の目標値及び吐出冷媒の圧力の目標値に基づいて、圧縮機(30)の運転周波数や膨張弁(36)の開度を決定する。圧縮機(30)と膨張弁(36)とは、個別にではなく統合的に制御される。圧縮機(30)の運転周波数や膨張弁(36)の開度は、以下の式1に示す状態方程式を用いる推定モデル(48)によって決定される。
式1:xm'(t)=A×xm(t)+B×um(t)=A×xm(t)+B×{u(t)+g}
式2:g=K×e
式3:e=x(t)−xm(t)
上記式1において、xm(t)は状態変数、xm'(t)は状態変数xm(t)を時間微分したもの、um(t)は操作量の変数をそれぞれ表している。状態変数xm(t)は、吸入冷媒の圧力及び吐出冷媒の圧力を成分とする行列で表される。操作量の変数um(t)は、圧縮機(30)の運転周波数及び膨張弁の開度を成分とする行列で表される。u(t)は、時刻t(k)の時刻tにおける実際の圧縮機(30)の運転周波数及び膨張弁の開度を成分とする行列である。また、AとBは共に係数行列を表している。
また、上記式2において、x(t)は、時刻t(k)の時刻tにおける実際の吸入冷媒の圧力及び吐出冷媒の圧力を成分とする行列である。また、gはフィードバック量、Kはフィードバック行列、eは誤差、x(t)は状態量の目標値をそれぞれ表している。
係数行列Aの成分や係数行列Bの成分は、行列u(t)及び行列x(t)を用いて自動調節される。この自動調節では、例えば逐次更新型の最小二乗法が用いられる。また、フィードバック行列Kは適宜決定される。フィードバック行列Kを調節すると、推定モデル(48)における演算の収束時間や演算の安定性が変化する。
運転制御部(55)は、吸入冷媒の圧力の目標値及び吐出冷媒の圧力の目標値を成分とする時刻t(k+1)におけるx(k+1)を式3のx(t)に代入して誤差eを算出する。この時のxm(t)には、時刻t(k)におけるx(k)が代入される。誤差eを算出すると、運転制御部(55)は、式2からフィードバック量gを算出し、算出したフィードバック量gを式1に代入してxm(t)を算出する。この時u(t)には、時刻t(k)におけるu(k)が代入される。xm(t)を算出すると、運転制御部(55)は、算出したxm(t)を用いて式2及び式3から再びフィードバック量gを算出して、算出したフィードバック量gを式1に代入して再びxm(t)を算出する。運転制御部(55)は、このような演算を状態変数xm(t)が状態変数x(k+1)に収束するまで繰り返し行う。そして、最終的に、運転制御部(55)は、x(k+1)に収束した時の状態変数xm(t)の値を用いて、時刻t(k+1)におけるum(k+1)を算出する。
運転制御部(55)は、圧縮機(30)の運転周波数に対応する行列um(k+1)の成分の値になるように、圧縮機(30)の運転周波数を調節する。なお、圧縮機(30)の運転周波数は所定の周波数間隔で調節されるので、圧縮機(30)の運転周波数に対応する行列um(k+1)の成分の値に等しい運転周波数に調節できない場合は、その成分の値に最も近い運転周波数に圧縮機(30)は調節される。また、運転制御部(55)は、膨張弁(36)の開度に対応する行列um(k+1)の成分の値になるように、膨張弁(36)の開度を調節する。なお、膨張弁(36)の開度は所定の開度間隔で調節されるので、膨張弁(36)の開度に対応する成分の値に等しい開度に調節できない場合は、その成分の値に最も近い開度に膨張弁(36)は調節される。このように、圧縮機(30)及び膨張弁(36)が統合的に制御されると、成績係数と空調能力が速やかに調節される。
−実施形態の効果−
本実施形態では、吸入冷媒の圧力の変化履歴、吐出冷媒の圧力の変化履歴、成績係数の変化履歴、及び空調能力の変化履歴とから、吸入冷媒の圧力の目標値及び吐出冷媒の圧力の目標値を決定して、該吸入冷媒の圧力の目標値及び吐出冷媒の圧力の目標値に基づいて圧縮機(30)及び膨張弁(36)を制御することで、成績係数や空調能力などの指標値を意図する側に調節することができるようにしている。従って、従来のように、適切な運転制御の内容を見つけるための運転動作を行う必要がなく、指標値が意図しない側に変化することもない。よって、圧縮機(30)及び膨張弁(36)を適切に制御することができるので、成績係数や空調能力の調節時間を短縮させることができる。
ここで、この内容を図5を用いて説明する。図5は、冷凍装置(10)の起動時から成績係数が最も大きくなる目標状態になるように運転制御を行った場合に、各状態量と指標値に対応する動作点が辿る経路を概念的に表したものである。本実施形態では、各指標値調節動作において最も効果的に成績係数を増加させるように吸入冷媒の圧力の目標値及び吐出冷媒の圧力の目標値を決定して運転制御を行うことができる。従って、従来は制御方向を探しながらの運転制御になるので動作点が曲がりくねりながら目標状態に向かっていたが、本実施形態では動作点が各状態量と指標値の変化特性を表す図形上を冷凍装置(10)の起動時の初期状態から目標状態に向かってほとんどロスなく進んでゆく。また、本実施形態では、適切な運転制御の内容を見つけるための運転動作を行う必要がないので、従来に比べて動作点が経路上を進む速度が速くなる。
また、本実施形態では、従来のように圧縮機(30)及び膨張弁(36)を制御して状態量を観察するのではなく、状態量の目標値を決めながら圧縮機(30)及び膨張弁(36)を制御するので、起動時やデフロスト運転解除後などの過度状態でも指標値を調節することができる。
また、本実施形態では、最新動作点π(k)又は最新動作点φ(k)において平面Π又は平面Φに接するベクトルのうちz軸方向との角度が最も小さくなるベクトルα1又はベクトルα2に基づいて、吸入冷媒の圧力の目標値及び吐出冷媒の圧力の目標値を決定することで、成績係数又は空調能力を最も効果的に調節可能な値に吸入冷媒の圧力の目標値及び吐出冷媒の圧力の目標値を決定することができる。従って、その吸入冷媒の圧力の目標値及び吐出冷媒の圧力の目標値を圧縮機(30)及び膨張弁(36)の制御に用いることで、成績係数や空調能力が最も効果的に調節される制御方向に圧縮機(30)及び膨張弁(36)を調節することが可能になる。
また、本実施形態では、複数種類の状態量を変化させると各指標値がどのように変化するのかを推測可能な、各(n+1)次元ベクトル空間におけるベクトルの方向を組み合わせて状態量の目標値を決定することで、該状態量の目標値が各指標値を総合的に考慮して決定される。従って、各指標値を総合的に考慮して、冷凍装置(10)の運転制御を適切に行うことができる。また、各指標値に基づく目標方向の決め方によっては、成績係数を高い状態に維持しながら空調能力を変化させることができるので、中間負荷での運転効率を向上させることができる。また、目標方向の決め方によっては、成績係数が高い運転状態へ調節するのに必要な時間が短縮化されるので、省エネルギー化を促進することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態について、状態量検出部(51)が、状態量として、室外熱交換器(34)及び室内熱交換器(37)で冷媒と熱交換を行う熱交換媒体の状態を表す物理量を検出するようにしてもよい。熱交換媒体の状態を表す物理量としては、例えば室内温度センサ(19)から検出される室内空気の温度を用いることができる。
また、上記実施形態について、状態量検出部(51)が、冷媒の状態を表す物理量として、吸入冷媒の圧力及び吐出冷媒の圧力以外の物理量を状態量として検出するようにしてもよい。冷媒の状態を表す物理量としては、例えば、圧縮機(30)、膨張弁(36)、室外熱交換器(34)、及び室内熱交換器(37)の入口や出口における冷媒の温度、圧力、熱量、ボイド率、過熱度、過冷却度、及び流量などを用いることができる。
また、上記実施形態について、状態量検出部(51)が、熱交換媒体又は冷媒の状態を表す物理量のうち3種類以上の物理量を状態量として検出するようにしてもよい。この場合、目標状態量決定部(54)は、n種類の状態量の変化履歴と指標値の変化履歴とから(n+1)次元空間における超平面(n次元の部分空間)を決定して、最新の各状態量及び指標値から定まる最新動作点においてその超平面に接するベクトルに基づいて状態量の目標値を決定する。
また、上記実施形態について、第1空間又は第2空間において、今回の指標値調節動作までの各状態量及び指標値に対応する3つの座標点π(k,k-1,k-2)又は座標点φ(k,k-1,k-2)から平面を決定していたが、4つ以上の座標点π(k,k-1,k-2,k-3,…)又は座標点φ(k,k-1,k-2,k-3,…)から曲面を決定してもよい。
また、上記実施形態について、4点以上を座標点を用いて平面を決定して、例えば逐次更新型の最小二乗法を用いて各状態量の計測誤差の影響を軽減させるようにしてもよい。
また、上記実施形態について、指標値として、消費電力や快適性指標を用いるようにしてもよい。
また、上記実施形態について、指標値を1種類として、1つのn次元の部分空間を決定して状態量の目標値を決定するようにしてもよい。また、指標値を3種類以上として、各指標値毎にn次元の部分空間を決定して状態量の目標値を決定するようにしてもよい。
また、上記実施形態について、例えばインジェクション通路やバイパス通路などの電磁弁についても、運転制御部(55)が推定モデル(48)を用いて制御するようにしてもよい。
また、上記実施形態について、冷凍装置(10)が、熱交換媒体として水などの液体を室外熱交換器(34)及び室内熱交換器(37)で冷媒と熱交換させるように構成されていてもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、冷凍装置の運転制御の指標となる指標値を調節する機能を備える冷凍装置について有用である。
本発明の実施形態に係る冷凍装置の概略構成図である。 本発明の実施形態に係る冷凍装置における運転制御部の動作に関する推定モデルを表すブロック図である。 (A)が成績係数を指標値とする第1空間を表す図であり、(B)が空調能力を指標値とする第2空間を表す図である。 本発明の実施形態に係る冷凍装置における目標状態量決定部が目標方向を決める際の動作を説明するための図である。 本発明の実施形態の効果を説明するための概念図である。
符号の説明
10 冷凍装置
20 冷媒回路
30 圧縮機(主要制御機器)
34 室外熱交換器(熱源側熱交換器)
36 膨張弁(減圧機構、主要構成機器)
37 室内熱交換器(利用側熱交換器)
51 状態量検出部(状態量検出手段)
52 指標値検出部(指標値検出手段)
54 目標状態量決定部(目標状態量決定手段)
55 運転制御部(運転制御手段)

Claims (4)

  1. 圧縮機(30)、減圧機構(36)、熱源側熱交換器(34)、及び利用側熱交換器(37)が設けられて蒸気圧縮冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備え、該熱源側熱交換器(34)及び利用側熱交換器(37)では熱交換媒体と冷媒とが熱交換を行う冷凍装置であって、
    上記熱交換媒体又は冷媒の状態を表す物理量のうち複数種類の物理量を状態量として検出する状態量検出手段(51)と、
    上記冷凍装置の運転制御の指標となる指標値を検出する指標値検出手段(52)と、
    上記状態量検出手段(51)が検出する複数種類の状態量の変化履歴と上記指標値検出手段(52)が検出する指標値の変化履歴とから、該状態量の目標値を決定する目標状態量決定手段(54)と、
    上記目標状態量決定手段(54)が決定する状態量の目標値に基づいて上記冷凍装置(10)の運転を制御する運転制御手段(55)とを備えていることを特徴とする冷凍装置。
  2. 請求項1において、
    上記目標状態量決定手段(54)は、n種類の上記状態量と1種類の上記指標値とのそれぞれを座標軸にとって形成される(n+1)次元ベクトル空間において、各状態量の変化履歴と指標値の変化履歴とに基づいてn次元の部分空間を決定し、最新の各状態量及び指標値から定まる最新動作点において該n次元の部分空間に接するベクトルに基づいて上記状態量の目標値を決定することを特徴とする冷凍装置。
  3. 請求項2において、
    上記目標状態量決定手段(54)は、上記最新動作点において上記n次元の部分空間に接するベクトルのうち上記指標値の座標軸方向との角度が最も小さくなるベクトルに基づいて、上記状態量の目標値を決定することを特徴とする冷凍装置。
  4. 請求項2において、
    上記指標値検出手段(52)は、複数種類の指標値を検出する一方、
    上記目標状態量決定手段(54)は、上記複数種類の指標値の各々について作成される(n+1)次元ベクトル空間において上記n次元の部分空間を決定し、該各(n+1)次元ベクトル空間における最新動作点においてn次元の部分空間に接する各ベクトルの方向に基づいて上記状態量の目標値を決定することを特徴とする冷凍装置。
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