JP2007302815A - 含フッ素共重合体とその製造方法およびそれを含むレジスト組成物 - Google Patents

含フッ素共重合体とその製造方法およびそれを含むレジスト組成物 Download PDF

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洋子 武部
Osamu Yokokoji
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Abstract

【課題】官能基の濃度が高く充分な官能基の特性を得ることができ、幅広い波長領域において高い透明性を有する含フッ素ポリマーおよびその製造方法、ならびに該含フッ素ポリマーを含むレジスト組成物の提供。
【解決手段】下記式で表される含フッ素モノマーが環化重合してなるモノマー単位に由来する単位を有する含フッ素共重合体。
CF2=CFCF2C(CF3)(OR7)−(CH2nCR5=CHR6
(式中、R5およびR6は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子または炭素数12以下のアルキル基を表す。R7は、酸によって水素原子に置換されない基であり、炭素数20以下のアルキル基、炭素数15以下のアルキルカルボニル基、炭素数15以下のアルコキシカルボニル基またはCH28(R8は炭素数15以下のアルコキシカルボニル基である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な含フッ素共重合体とその製造方法、およびレジスト組成物に関する。
官能基を有する含フッ素ポリマーとして、フッ素系イオン交換膜や硬化性フッ素樹脂塗料などに使用されている官能基含有含フッ素ポリマーが知られているが、これらはすべて基本骨格が直鎖状ポリマーであり、テトラフルオロエチレンに代表されるフルオロオレフィンと官能基を有するモノマーとの共重合により得られる。
また、官能基を含有しかつ主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有するポリマーも知られており、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有するポリマーに官能基を導入する方法としては、重合で得られたポリマーの末端基を利用する方法、ポリマーを高温処理してポリマーの側鎖、または末端を酸化分解せしめて官能基を形成する方法、官能基を有するモノマーを共重合させ、必要に応じて加水分解などの処理を加えることによって導入する方法などが知られている(例えば特許文献1,2,3,4参照。)。
主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有するポリマーに官能基を導入する方法としては前述した方法があるが、ポリマーの末端基を処理することにより官能基を導入する方法では官能基濃度が低く、充分な官能基の特性が得られないという欠点がある。また官能基を有するモノマーを共重合させて導入する方法では、官能基濃度を高くするとガラス転移温度(Tg)の低下による機械特性の低下などの問題が生じる。
特開平4−189880号公報 特開平4−226177号公報 特開平6−220232号公報 国際公開第02/064648号パンフレット
本発明が解決しようとする課題は、官能基の濃度が高く充分な官能基の特性を得ることができ、幅広い波長領域において高い透明性を有する含フッ素ポリマーおよびその製造方法を提供し、さらには該含フッ素ポリマーを用いて、化学増幅型レジストとして特にKrF、ArFエキシマレーザー等の遠紫外線やF2エキシマレーザー等の真空紫外線に対する透明性、ドライエッチング性に優れ、さらに感度、解像度、溶解速度、平坦性、耐熱性などに優れたレジストパターンを与えるレジスト組成物を提供することである。また、本発明の樹脂は、撥水性も優れているため、媒体に水を用いる液浸リソグラフィー用レジスト樹脂としても有用である。
上記の課題を解決するため、本発明は、下記式(1)で表されるアクリル系モノマーが重合してなるモノマー単位に由来する単位と、下記式(2)で表されるアクリル系モノマーが重合してなるモノマー単位に由来する単位と、下記式(3)で表される含フッ素モノマーが環化重合してなるモノマー単位に由来する単位と、を有する含フッ素共重合体(A)を提供する。
CH2=CR1COOR2・・・(1)
(ただし、式(1)において、R1は水素原子、フッ素原子、炭素数3以下のアルキル基または炭素数3以下のフルオロアルキル基を表す。R2は酸によって水素原子に置換されるカルボキシル基のブロック化基であり、炭素数20以下のアルキル基を表す。R2を構成するアルキル基中の水素原子の一部はフッ素原子や水酸基で置換されていてもよく、R2を構成するアルキル基は、エーテル性酸素原子やエステル基を有していてもよい。)
CH2=CR3COOR4・・・(2)
(ただし、式(2)において、R3は水素原子、フッ素原子、炭素数3以下のアルキル基または炭素数3以下のフルオロアルキル基を表す。R4は酸によって水素原子に置換されないカルボキシル基のブロック化基であり、炭素数20以下のアルキル基を表す。R4を構成するアルキル基中の水素原子の一部はフッ素原子や水酸基で置換されていてもよく、R4を構成するアルキル基は、エーテル性酸素原子やエステル基を有していてもよい。)
CF2=CFCF2C(CF3)(OR7)−(CH2nCR5=CHR6・・・(3)
(ただし、式(3)において、R5およびR6は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子または炭素数12以下のアルキル基を表す。R5またはR6を構成するアルキル基中の水素原子の一部はフッ素原子で置換されていてもよい。R7は、酸によって水素原子に置換されない基であり、炭素数20以下のアルキル基、炭素数15以下のアルキルカルボニル基、炭素数15以下のアルコキシカルボニル基またはCH28である。ここで、R8は炭素数15以下のアルコキシカルボニル基である。R7を構成するアルキル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基およびR8は、その水素原子の一部または全てがフッ素原子に置換されていてもよく、エーテル性酸素原子を有してもよい。)
含フッ素共重合体(A)において、前記含フッ素モノマー(3)が、下記式で表される含フッ素ジエンから選ばれる1種であることが好ましい。
CF2=CFCF2C(CF3)(OR9)−CH2CH=CH2・・・(4)
CF2=CFCF2C(CF3)(OC(O)R9)−CH2CH=CH2・・・(5)
(ただし、式(4)および式(5)中、R9は、炭素数15以下のアルキル基を表す。R9を構成するアルキル基中の水素原子の一部はフッ素原子で置換されていてもよく、エーテル性酸素原子を有してもよい。)
含フッ素共重合体(A)において、前記式(3)で表される含フッ素モノマーが、下記式で表される含フッ素ジエンから選ばれる1種であることが好ましい。
Figure 2007302815
含フッ素共重合体(A)において、前記式(1)で表されるアクリル系モノマーが、下記式で表される(メタ)アクリル酸エステルから選ばれる1種であることが好ましい。
Figure 2007302815
含フッ素共重合体(A)において、前記式(2)で表されるアクリル系モノマーが、下記式で表される(メタ)アクリル酸エステルから選ばれる1種であることが好ましい。
Figure 2007302815
Figure 2007302815
Figure 2007302815
Figure 2007302815
また、本発明は、上記式(1)で表されるアクリル系モノマーと、上記式(2)で表されるアクリル系モノマーと、上記式(3)で表される含フッ素モノマーと、をラジカル共重合させることを特徴とする含フッ素共重合体(A)の製造方法を提供する。
また、本発明は、含フッ素共重合体(A)、光照射を受けて酸を発生する酸発生化合物(B)、および有機溶媒(C)を含むことを特徴とする液浸リソグラフィ用レジスト組成物を提供する。
本発明によれば、主鎖に脂肪族環構造を有し、側鎖に官能基を有する含フッ素共重合体が製造できる。本発明で得られる含フッ素共重合体は高い化学安定性や耐熱性を備えている。しかも環側鎖に官能基が導入されているため、従来の含フッ素ポリマーでは達成困難であった、Tgの低下をおこさずに、充分な官能基特性の発現が可能である。さらに幅広い波長領域において高い透明性を有するものである。本発明のレジスト組成物は化学増幅型レジストとして用いることができ、特にKrF、ArFエキシマレーザー等の遠紫外線やF2エキシマレーザー等の真空紫外線に対する透明性、ドライエッチング性に優れ、さらに感度、解像度、平坦性、耐熱性等に優れたレジストパターンを容易に形成できる。また、当該含フッ素重合体は、その撥水性を生かし、液浸媒体に水を用いた場合の、液浸ArFリソグラフィ用レジスト樹脂としても有用である。従来のレジスト樹脂は、水と接触すると膨潤する可能性が高いため、液浸媒体に水を用いる場合、レジスト樹脂膜をトップコートで被覆する必要があった。本発明で得られる含フッ素共重合体は、撥水性を有するため、トップコートで被覆することなしに、液浸ArFリソグラフィ用レジスト樹脂として使用することが期待できる。
本発明により、下記式(1)で表されるアクリル系モノマー(以下、アクリル系モノマー(1)という。)が重合してなるモノマー単位に由来する単位と、下記式(2)で表されるアクリル系モノマー(以下、アクリル系モノマー(2)という。)が重合してなるモノマー単位に由来する単位と、下記式(3)で表される含フッ素モノマー(以下、含フッ素モノマー(3)という。)が環化重合してなるモノマー単位に由来する単位と、を有する含フッ素共重合体(A)を得ることができる。
以下、本明細書において、「モノマー単位に由来する単位」とは、モノマー単位そのもの、および重合後にモノマー単位中の官能基が官能基変換等により化学的に変換された単位を意味する。
CH2=CR1COOR2・・・(1)
式(1)において、R1は水素原子、フッ素原子、炭素数3以下のアルキル基または炭素数3以下のフルオロアルキル基を表す。R2は酸によって水素原子に置換されるカルボキシル基のブロック化基であり、炭素数20以下のアルキル基を表す。R2の具体例としては、炭素数が20以下のアルキル基であって、カルボキシル基の酸素原子と結合する炭素原子が3級炭素であるものが挙げられる。但し、これに該当するもの、すなわち、カルボキシル基の酸素原子と結合する炭素原子が3級炭素のアルキル基であっても、該3級炭素が酸と反応しうる結合をもたないもの(非脱離性の3級炭素)はR2に該当しない。非脱離性の3級炭素の具体例としては、たとえば、3級炭素がアダマンタンのような脂環式炭化水素の環状構造の骨格を形成する炭素原子であって、該3級炭素からの結合がカルボキシル基の酸素原子との結合および環状構造との結合に全て使用されていて酸と反応しうる結合をもたないものが挙げられる。
2を構成するアルキル基中の水素原子の一部はフッ素原子や水酸基で置換されていてもよく、R2を構成するアルキル基は、エーテル性酸素原子やエステル基を有していてもよい。
アクリル系モノマー(1)の具体例としては以下の(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。
CH2=CH−CO2C(CH33
CH2=CH−CO2C(CF3)(CH32
CH2=CH−CO2C(CF32(CH3)、
CH2=CH−CO2C(CF33
CH2=CF−CO2C(CH33
CH2=CF−CO2C(CF3)(CH32
CH2=CF−CO2C(CF32(CH3)、
CH2=CF−CO2C(CF33
CH2=C(CH3)−CO2C(CH33
CH2=C(CH3)−CO2C(CF3)(CH32
CH2=C(CH3)−CO2C(CF32(CH3)、
CH2=C(CH3)−CO2C(CF33
Figure 2007302815
Figure 2007302815
これらの中でも、ウェハ加工時のドライエッチング耐性のためには、[化13]および[化14]に示した環状炭化水素基が好ましく、中でも炭素数が7〜15のものが好ましい。その中でも、特に下記式で表されるものから選ばれる1種であることが好ましい。
Figure 2007302815
CH2=CR3COOR4・・・(2)
式(2)において、R3は水素原子、フッ素原子、炭素数3以下のアルキル基または炭素数3以下のフルオロアルキル基を表す。R4は酸によって水素原子に置換されない炭素数20以下のアルキル基を表す。R4の具体例としては、炭素数が20以下のアルキル基であって、カルボキシル基の酸素原子と結合する炭素原子が1級炭素または2級炭素であるものが挙げられる。また、カルボキシル基の酸素原子と結合する炭素原子が3級炭素のアルキル基であっても、該3級炭素が酸と反応しうる結合をもたないもの(非脱離性の3級炭素)が挙げられる。R4を構成するアルキル基中の水素原子の一部はフッ素原子や水酸基で置換されていてもよく、R4を構成するアルキル基は、エーテル性酸素原子やエステル基を有していてもよい。
アクリル系モノマー(2)の具体例としては以下の(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。
CH2=CH−CO2CH3
CH2=CH−CO2CH(CH32
CH2=CH−CO2CH(CF3)(CH3)、
CH2=CH−CO2CH(CF32
CH2=CF−CO2CH3
CH2=CF−CO2CH(CH32
CH2=CF−CO2CH(CF3)(CH3)、
CH2=CF−CO2CH(CF32
CH2=C(CH3)−CO2CH3
CH2=C(CH3)−CO2CH(CH32
CH2=C(CH3)−CO2CH(CF3)(CH3)、
CH2=C(CH3)−CO2CH(CF32
CH2=C(CH3)−CO2CH2CH(CH3)CH2CH2CH2CH3
CH2=C(CH3)−CO2CH2(CH(CH3))3CH3
Figure 2007302815
Figure 2007302815
これらの中でも下記式で表されるものから選ばれる1種であることが好ましい。
Figure 2007302815
Figure 2007302815
Figure 2007302815
Figure 2007302815
CF2=CFCF2C(CF3)(OR7)−(CH2nCR5=CHR6・・・(3)
式(3)において、R5およびR6は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子または炭素数12以下のアルキル基を表す。R5またはR6を構成するアルキル基中の水素原子の一部はフッ素原子で置換されていてもよい。
前記炭素数12以下のアルキル基は、直鎖状、分岐状の脂肪族炭化水素基のみでなく、環状炭化水素基または環状炭化水素基を有する炭化水素基であってもよい。本明細書において、環状炭化水素基とは、該環状炭化水素基が式(3)の残りの部分に直接結合するものを指す。一方、環状炭化水素基を有する炭化水素基とは、環状炭化水素基がアルキル基等の他の炭化水素基を介して式(3)の残りの部分に結合するものを指す。
環状炭化水素基としては、環状構造を少なくとも1つ有する炭化水素基であることが好ましく、以下に示すようなシクロブチル基、シクロヘプチル基、シクロヘキシル基等の単環式飽和炭化水素基、4−シクロヘキシルシクロヘキシル基等の複環式飽和炭化水素基、1−デカヒドロナフチル基又は2−デカヒドロナフチル基等の多環式飽和炭化水素基、1−ノルボルニル基、1−アダマンチル基等の架橋環式飽和炭化水素基、スピロ[3.4]オクチル基等のスピロ炭化水素基等が含まれる。
Figure 2007302815
前記R5、R6は、水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基または炭素数6以下の環状脂肪族炭化水素基であることが好ましく、特に、水素原子あるいはメチル基であることが好ましい。R5、R6が同時に水素原子であることが最も好ましい。
7は、酸によって水素原子に置換されない基、つまり酸安定基であり、炭素数20以下のアルキル基、炭素数15以下のアルキルカルボニル基、炭素数15以下のアルコキシカルボニル基またはCH28である。R8は炭素数15以下のアルコキシカルボニル基を表す。R7を構成するアルキル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基およびR8は、その水素原子の一部または全てがフッ素原子に置換されていてもよく、エーテル性酸素原子を有してもよい。
前記水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換していてもよく、エーテル性酸素原子を有していてもよい炭素数20以下のアルキル基は、直鎖状、分岐状の脂肪族炭化水素基のみでなく、環状炭化水素基または環状炭化水素基を有する炭化水素基であってもよい。環状炭化水素基としては、前述したものと同様の基を用いることができるし、環構造中にエーテル性酸素原子を有していてもよい。具体例としては、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、トリフルオロエチル基、CHC(CH、CHCFCFH、CHCFCFおよび下記に示すもの(結合位置を明確にするために、−OR7の形で示す)が挙げられる。
Figure 2007302815
上記式(3)のR7中の炭素数15以下のアルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、CH28は、それぞれC(O)R10、C(O)OR10、CH2C(O)OR10で表され、R10は炭素数14以下のアルキル基である。
上記式(3)のR7中の炭素数15以下のアルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基としては、具体的には、例えば、C(O)CH、C(O)OCH、CH2COOCHなどが挙げられる。
したがって、含フッ素モノマー(3)としては、下記式(4)または(5)で表される含フッ素ジエンが好ましい。
CF2=CFCF2C(CF3)(OR9)−CH2CH=CH2・・・(4)
CF2=CFCF2C(CF3)(OC(O)R9)−CH2CH=CH2・・・(5)
式(4)および式(5)において、R9は、炭素数15以下のアルキル基を表す。R9を構成するアルキル基中の水素原子の一部はフッ素原子で置換されていてもよく、エーテル性酸素原子を有してもよい。
含フッ素モノマー(3)の具体例としては、下記が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2007302815
本発明の含フッ素共重合体(A)では、上記した含フッ素モノマー(3)の環化重合により、以下の(a)〜(f)のモノマー単位が生成すると考えられる。
Figure 2007302815
分光学的分析の結果等より、含フッ素モノマー(3)においてn=0である場合、含フッ素共重合体(A)は、上記モノマー単位(a)またはモノマー単位(b)を含む構造を有する重合体と考えられる。また、含フッ素モノマー(3)においてn=1の場合、含フッ素共重合体(A)は、モノマー単位(c)、モノマー単位(d)またはモノマー単位(e)を含む構造を有する重合体と考えられる。また、含フッ素モノマー(3)においてn=2の場合、含フッ素共重合体(A)は、モノマー単位(f)を含む構造を有する重合体と考えられる。
含フッ素共重合体(A)において、アクリル系モノマー(1)が重合してなるモノマー単位として、R1またはR2のどちらか一方または両方が異なる複数種類のモノマー単位が存在してもよい。同様に、アクリル系モノマー(2)が重合してなるモノマー単位として、R3またはR4のどちらか一方または両方が異なる複数種類のモノマー単位が存在してもよい。含フッ素モノマー(3)が環化重合してなるモノマー単位として、R5、R6およびR7のうち、少なくとも1つが異なる複数種類のモノマー単位が存在しても良い。
含フッ素共重合体(A)において、アクリル系モノマー(1)が重合してなるモノマー単位に由来する単位の割合は、5モル%〜90モル%が好ましく、30モル%〜70モル%がより好ましく、特に40モル%〜60モル%が最も好ましい。
含フッ素共重合体(A)において、アクリル系モノマー(2)が重合してなるモノマー単位に由来する単位の割合は、5モル%〜90モル%が好ましく、10モル%〜60モル%がより好ましく、特に20モル%〜50モル%が最も好ましい。
含フッ素共重合体(A)において、含フッ素モノマー(3)が環化重合してなるモノマー単位に由来する単位の割合は、5モル%〜90モル%が好ましく、5モル%〜40モル%がより好ましく、10モル%〜30モル%が最も好ましい。
含フッ素共重合体(A)において、アクリル系モノマー(2)が重合してなるモノマー単位に由来する単位と、含フッ素モノマー(3)が環化重合してなるモノマー単位に由来する単位と、の合計は、30モル%〜70モル%が好ましく、40モル%〜60モル%がより好ましい。
含フッ素共重合体(A)において、[アクリル系モノマー(1)が重合してなるモノマー単位に由来する単位]/[アクリル系モノマー(2)が重合してなるモノマー単位に由来する単位と、含フッ素モノマー(3)が環化重合してなるモノマー単位に由来する単位と、の合計]は、(70モル%〜30モル%)/(30モル%〜70モル%)が好ましく、(60モル%〜40モル%)/(40モル%〜60モル%)がより好ましい。
含フッ素共重合体(A)は、その特性を損なわない範囲で、それ以外のラジカル重合性モノマー(以下、他のモノマーという。)に由来するモノマー単位を含んでもよい。この場合、他のモノマー単位の割合は50モル%以下が好ましく、特に15モル%以下が好ましい。
含フッ素共重合体(A)は、アクリル系モノマー(1)、アクリル系モノマー(2)および含フッ素モノマー(3)を重合開始源の下でラジカル共重合させることにより得られる。重合開始源としては、重合反応をラジカル的に進行させるものであればなんら限定されないが、例えばラジカル発生剤、光、電離放射線などが挙げられる。特にラジカル発生剤が好ましく、過酸化物、アゾ化合物、過硫酸塩などが例示され、分子内にフッ素原子を含有するラジカル発生剤がより好ましい。ラジカル発生剤の具体例としては、アゾイソビスブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジt−ブチルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート、パーフルオロブチリルパーオキシド、パーフルオロベンゾイルパーオキシドなどが好ましい。なかでも以下に示す過酸化物が好ましい。
65−C(O)O−OC(O)−C65
65−C(O)O−OC(O)−C65
37−C(O)O−OC(O)−C37
(CH33C−C(O)O−OC(O)−C(CH33
(CH32CH−C(O)O−OC(O)−CH(CH32
(CH33C−C610−C(O)O−OC(O)−C610-C(CH33
(CH33C−O−C(O)O−OC(O)−O−C(CH33
(CH32CH−O−C(O)O−OC(O)−O−CH(CH32
(CH33C−C610−O−C(O)O−OC(O)−O−C610-C(CH33、 ここで、C65はフェニル基、C65はペンタフルオロフェニル基、C610はシクロキシレン基を表す。
ラジカル重合の方法もまた特に限定されるものではなく、モノマーをそのまま重合に供するいわゆるバルク重合、モノマーを溶解するフッ化炭化水素、塩化炭化水素、フッ化塩化炭化水素、アルコール、炭化水素、その他の有機溶剤中で行う溶液重合、水性媒体中で適当な有機溶剤存在下あるいは非存在下に行う懸濁重合、水性媒体に乳化剤を添加して行う乳化重合などが例示される。溶液重合の場合、モノマーや開始剤などを溶解する溶剤であれば、溶剤の種類は問わず、目的とする含フッ素共重合体の分子量や重合温度等を考慮して選択すれば良い。
重合の際に溶媒とする有機溶剤は1種類とは限らず、複数種類の有機溶剤による混合溶媒としても良い。具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノール等の炭化水素系アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の炭化水素系ケトン類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等の炭化水素系エーテル類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の環状脂肪族炭化水素系エーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸t−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等の炭化水素系エステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等の塩化炭化水素類、R−113、R−113a、R−141b、R−225ca、R−225cb等のフッ化塩化炭化水素類、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−トリデカフロロヘキサン、1,1,1,2,2,3,3,4,4−ノナフロロヘキサンなどのフッ化炭化水素類、メチル2,2,3,3−テトラフロロエチルエーテル等のフッ化炭化水素系エーテル類、2,2,2−トリフロロエタノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフロロイソプロパノール、2,2,3,3−テトラフロロプロパノール、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフロロペンタノール等のフッ化炭化水素系アルコール類が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
重合を行う温度や圧力も特に限定されるものではないが、モノマーの沸点、使用する加熱源、重合熱の除去などの諸因子を考慮して適宜設定することが望ましい。例えば、0℃〜200℃の間で好適な温度の設定をおこなうことができ、室温〜100℃程度ならば実用的にも好適な温度設定をおこなうことができる。また重合圧力としては減圧下でも加圧下でも良く、実用的には1kPa〜100MPa程度、さらには10kPa〜10MPa程度でも好適な重合を実施できる。
本発明は、含フッ素共重合体(A)、光照射を受けて酸を発生する酸発生化合物(B)、および有機溶媒(C)を含むことを特徴とするレジスト組成物をも提供する。
本発明における光照射を受けて酸を発生する酸発生化合物(B)は、光照射、より具体的には活性光線の照射により分解して酸を発生する化合物である。この活性光線の照射により発生する酸によって、含フッ素共重合体中に存在するアクリル系モノマー(1)単位中のR2の一部または全てが水素原子に置換される。その結果レジスト膜の露光部がアルカリ性現像液に易溶性となり、アルカリ性現像液によってポジ型のレジストパターンが形成される。
一方、この活性光線の照射により発生する酸によって、含フッ素共重合体中に存在する特定の基、具体的には、アクリル系モノマー(2)単位中のR4、および含フッ素モノマー(3)が環化重合してなるモノマー単位中のR7は、水素原子に置換されない。これによって本発明のレジスト組成物は、レジストポリマーの耐エッチング性、基材密着性に優れるレジスト膜となりうる。
本発明のレジスト組成物に用いる酸発生化合物(B)としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、または、紫外線、KrFエキシマレーザー光やArFエキシマレーザー光のような遠紫外線、F2エキシマレーザー光のような真空紫外線、電子線、X線、分子線、イオンビーム等の活性光線により酸を発生するマイクロフォトレジストに用いられる酸発生剤等に使用される酸発生化合物が挙げられる。
本発明においては、微細なレジストパターンを形成させるため、波長が250nm以下、より好ましくは波長が200nm以下の活性光線の照射により酸を発生する酸発生化合物であることが好ましい。
本発明において、活性光線は放射線を包含する広い概念で用いられる。
酸発生化合物として、オニウム塩、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物等を挙げることができる。これらの酸発生化合物の例としては、下記のものを挙げることができる。
オニウム塩としては、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等を挙げることができる。好ましいオニウム塩の具体例としては、ジフェニルヨードニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフレート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフレート、トリフェニルスルホニウムノナネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロオクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホニウム、1−(ナフチルアセトメチル)チオラニウムトリフレート、シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフレート、ジシクロヘキシル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフレート、ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウムトシレート、ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウムドデシルベンゼンスルホネート、ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウムナフタレンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、(4−ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウムトルエンスルホネート、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート等を挙げられる。
ハロゲン含有化合物としては、例えば、ハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有複素環式化合物等を挙げることができる。具体例としては、フェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、メトキシフェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、ナフチル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等の(トリクロロメチル)−s−トリアジン誘導体や、1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン等を挙げられる。
スルホン化合物としては、例えば、β−ケトスルホン、β−スルホニルスルホンや、これらの化合物のα−ジアゾ化合物等を挙げることができる。具体例としては、4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン等を挙げることができる。スルホン酸化合物としては、例えば、アルキルスルホン酸エステル、アルキルスルホン酸イミド、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等を挙げることができる。具体例としては、ベンゾイントシレート、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドトリフレート等を挙げることができる。
また、ジアゾジスルホン類、ジアゾケトスルホン類、イミノスルホネート類およびジスルホン類等も上記酸発生化合物として好適に挙げられる。
その他、具体的には、以下のような化合物が挙げられる。
Figure 2007302815
更に、酸発生化合物(B)として、活性光線の照射により酸を発生する基を、ポリマーの主鎖もしくは側鎖に有する高分子化合物も好適に挙げられる。
該高分子化合物としては、例えば、活性光線の照射により酸を発生する基として、2−オキソシクロヘキシル基を有する脂肪族アルキルスルホニウム基またはN−ヒドロキシスクシンイミドスルホネート基等を有する高分子化合物が好適に挙げられる。
これらの酸発生化合物は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。また、適当な増感剤と組み合わせて用いてもよい。
本発明のレジスト組成物において、有機溶媒(C)は含フッ素共重合体(A)および酸発生化合物(B)を充分に溶解するものであり、かつその溶液を回転塗布、流し塗布、ロール塗布等の方法で塗布して均一な塗布膜を形成可能な有機溶媒であれば、特に限定されない。
このような有機溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、ジアセトンアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン等のケトン類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、β−メトキシイソ酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸2−エトキシエチル、酢酸イソアミル、乳酸メチル、乳酸エチル等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールモノまたはジアルキルエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。
有機溶媒(C)として、上記例示したものを単独で使用してもよく、または2種以上組み合わせて使用してもよい。
有機溶媒に含まれる水分はレジスト組成物の各成分の溶解性や、被加工基板への塗布性、保存安定性等に影響するため、該水分量は少ない方が好ましい。
本発明のレジスト組成物における各成分の割合は、通常含フッ素共重合体(A)100質量部に対し酸発生化合物(B)0.1〜20質量部、および有機溶媒(C)50〜2000質量部が適当である。好ましくは、含フッ素共重合体(A)100質量部に対し酸発生化合物(B)0.1〜10質量部および有機溶媒(C)100〜1000質量部である。
酸発生化合物(B)の使用量を0.1質量部以上とすることで、充分な感度および現像性を与えることができ、また10質量部以下とすることで、放射線に対する透明性が充分に保たれ、より正確なレジストパターンを得ることができる。
本発明のレジスト組成物にはパターンコントラスト向上のための酸開裂性添加剤、塗布性の改善のために界面活性剤、酸発生パターンの調整のために含窒素塩基性化合物、基材との密着性を向上させるために接着助剤、組成物の保存性を高めるために保存安定剤等を目的に応じ適宜配合できる。また本発明のレジスト組成物は、各成分を均一に混合した後0.1〜2μmのフィルターによってろ過して用いることが好ましい。
本発明のレジスト組成物をシリコーンウエハなどの基板上に塗布乾燥することによりレジスト膜が形成される。塗布方法には回転塗布、流し塗布、ロール塗布等が採用される。
形成されたレジスト膜上にパターンが描かれたマスクを介して活性光線照射が行われ、その後現像処理がなされパターンが形成される。
照射される活性光線としては、波長436nmのg線、波長365nmのi線等の紫外線、波長248nmのKrFエキシマレーザー光、波長193nmのArFエキシマレーザー光等の遠紫外線、波長157nmのF2エキシマレーザー光等の真空紫外線が挙げられる。本発明のレジスト組成物は、波長250nm以下の紫外線、特に波長200nm以下の遠紫外線(ArFエキシマレーザー光)または真空紫外線(F2エキシマレーザー光)が光源として使用される用途に有用なレジスト組成物である。加えて、水、有機化合物、フッ素原子を含有する有機化合物等の屈折率の大きさを利用して解像度の向上を図る、いわゆる液浸技術を用いた露光に対しても利用可能なレジスト組成物である。本発明のレジスト組成物は、より微細なパターン形成を行うことができるF2エキシマレーザー光を光源とした用途、ArFエキシマレーザー光を光源とする場合は液浸技術を用いた露光と組み合わせた用途に特に好ましい。
現像処理液としては、各種アルカリ水溶液が適用される。アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、トリエチルアミン等が例示可能である。
従来のレジスト樹脂は、水と接触すると膨潤する可能性が高いため、液浸媒体に水を用いる液浸リソグラフィプロセスの場合、レジスト樹脂膜をトップコートで被覆する必要があった。本発明で得られる含フッ素共重合体(A)は、撥水性を有するため、トップコートで被覆することなしに、液浸ArFリソグラフィ用レジスト樹脂として使用することが期待できる。
次に、本発明の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
下記例に用いられた略称は以下のとおりである。
THF;テトラヒドロフラン、AIBN;アゾビスイソブチロニトリル、BPO;ベンゾイルパーオキシド、PSt;ポリスチレン、R225;ジクロロペンタフルオロプロパン(溶媒)、PFB;パーフルオロブチリルパーオキシド、PFBPO;パーフルオロベンゾイルパーオキシド、IPP;ジイソプロピルパーオキシジカーボネート。
(合成例1)
[CF2=CFCF2C(CF)(OCHCH)CH2CH=CH2]の合成
200mLのガラス製反応器にCF2ClCFClCF2C(O)CF3の7.6gと脱水THF50mLを入れ、0℃に冷却した。そこに窒素雰囲気下でCH2=CHCH2MgClの2MのTHF溶液14mLを約1時間かけて滴下した。滴下終了後0℃で30分、室温で12時間攪拌した後、CH3CH2OSO2CF33.5gを滴下し、さらに室温で18時間攪拌した。水20mLを添加、分液し、有機層をエバポレーターで濃縮し得られた粗液を20mLの水で2回水洗した。次いで減圧蒸留して、5.7gのCF2ClCFClCF2C(CF3)(OCH2CH3)CH2CH=CH2を得た。
次いで3Lのガラス製反応器に亜鉛6gとジオキサン20mLを入れ、ヨウ素で亜鉛の活性化をおこなった。その後100℃に加熱し、上記で合成したCF2ClCFClCF2C(CF3)(OCH2CH3)CH2CH=CH2の5.7gを1時間かけて滴下した。滴下終了後、100℃で30時間攪拌した。反応液をろ過し、少量のジオキサンで洗浄した。ろ液に水30mLとエーテル30mLを加えて分液した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過して粗液を得た。粗液をエバポレーターで濃縮し、次いで減圧蒸留し、1.5gのCF2=CFCF2C(CF3)(OCH2CH3)CH2CH=CH2(以下、モノマーCという。)を得た。
モノマーCのNMRスペクトル
1H−NMR(399.8MHz、溶媒:CDCl3、基準:テトラメチルシラン)δ(ppm):1.26(s,3H)、3.56(broad,2H),4.95(m,2H),5.22(m,2H),5.92(m,1H)。
19F−NMR(376.2MHz、溶媒:CDCl3、基準:CFCl3)δ(ppm):−74.8(m,3F),−92.9(m,1F),−106.8(m,1F),−109.7(m,2F),−183.0(m,1F)。
(実施例1)
モノマーA:2−エチル−2−アダマンチルアクリレートの9.0g、
モノマーB:γ−ブチルラクトンメタクリレートの6.3gおよび3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレートの2.5g、
モノマーC:CF2=CFCF2C(CF3)(OCH2CH3)CH2CH=CH2の7.6g、
溶剤:1,4−ジオキサンの0.95g、およびメチルエチルケトンの69g
を内容積200mLのガラス製反応器に仕込んだ。
次に、重合開始剤としてR225で50wt%に希釈したIPPの14.2gを添加した。系内を窒素置換と脱気を2回繰り返した後、攪拌しながら恒温槽内(40℃)で18時間重合させた。重合後、反応溶液をヘキサン中に滴下して、ポリマーを再沈させた後、90℃で24時間真空乾燥を実施した。その結果、主鎖に含フッ素環構造を有する非結晶性ポリマー17.2gを得た(以下、重合体1Aと記す。)。
THFを溶媒として用いてGPCにより測定したPSt換算分子量は、数平均分子量(Mn)3000、重量平均分子量(Mw)7600、Mw/Mn=2.5であり、室温で白色粉末状のポリマーであった。13C−NMR測定により計算されたポリマー組成は、2−エチル−2−アダマンチルメタクリレートからなる繰り返し単位/γ−ブチルラクトンメタクリレートからなる繰り返し単位/3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレートからなる繰り返し単位/モノマーCからなる繰り返し単位=42/34/17/17モル%であった。得られたポリマーはTHF、PGMEA、シクロペンタノンには可溶であった。
(比較例1)
2−エチル−2−アダマンチルアクリレートの10.4g、γ−ブチルラクトンメタクリレートの8.0g、3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレートの3.7g、イソプロピルアルコールの6.3g、およびメチルエチルケトンの76.5gを内容積200mLのガラス製反応器に仕込んだ。次に、重合開始剤としてR225で50wt%に希釈したIPPの11.0gを添加した。系内を窒素置換と脱気を2回繰り返した後、攪拌しながら恒温槽内(40℃)で18時間重合させた。重合後、反応溶液をヘキサン中に滴下して、ポリマーを再沈させた後、90℃で24時間真空乾燥を実施した。その結果、主鎖に含フッ素環構造を有する非結晶性ポリマー15.5gを得た(以下、重合体Xと記す。)。THFを溶媒として用いてGPCにより測定したPSt換算分子量は、数平均分子量(Mn)2900、重量平均分子量(Mw)6600、Mw/Mn=2.3であり、室温で白色粉末状のポリマーであった。13C−NMR測定により計算されたポリマー組成は、2−エチル−2−アダマンチルメタクリレートからなる繰り返し単位/γ−ブチルラクトンメタクリレートからなる繰り返し単位/3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレートからなる繰り返し単位=40/40/20モル%であった。得られたポリマーはTHF、PGMEA、シクロペンタノンには可溶であった。
(比較例2)
2−エチル−2−アダマンチルアクリレートの1.0g、γ−ブチルラクトンメタクリレートの0.57g、3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレートの0.21g、CH2=CHC(O)OCH2CH2(CF26Fの0.43g、イソプロピルアルコールの0.55g、およびメチルエチルケトンの6.03gを内容積50mLのガラス製反応器に仕込んだ。系内を窒素置換と脱気を2回繰り返した後、攪拌しながら恒温槽内(40℃)で18時間重合させた。重合後、反応溶液をヘキサン中に滴下して、ポリマーを再沈させた後、90℃で24時間真空乾燥を実施した。その結果、主鎖に含フッ素環構造を有する非結晶性ポリマー1.58gを得た(以下、重合体Yと記す。)。THFを溶媒として用いてGPCにより測定したPSt換算分子量は、数平均分子量(Mn)3300、重量平均分子量(Mw)7300、Mw/Mn=2.2であり、室温で白色粉末状のポリマーであった。13C−NMR測定により計算されたポリマー組成は、2−エチル−2−アダマンチルメタクリレートからなる繰り返し単位/γ−ブチルラクトンメタクリレートからなる繰り返し単位/3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレートからなる繰り返し単位/CH2=CHC(O)OCH2CH2(CF26Fからなる繰り返し単位=44/36/9/11モル%であった。得られたポリマーはTHF、PGMEA、シクロペンタノンには可溶であった。
[接触角の評価]
実施例、比較例1〜2で合成した重合体1Aおよび重合体X、重合体Yのそれぞれ0.9gをPGMEA(プロピレングリコールメチルエーテルアセテート)の9.1gに溶解させ、孔径0.2μmのPTFE製フィルターを用いてろ過し、各樹脂溶液を調製した。
シリコン基板上にBARC(AR26)を回転塗布し、塗布後190℃で90秒加熱処理して、膜厚50nmの樹脂薄膜を形成した。さらにBARC上に上記の樹脂溶液を回転塗布し、塗布後90℃で90秒加熱処理して、膜厚0.2μmの樹脂薄膜を形成した。このようにして得られた樹脂薄膜1AF、XF、YFを用いて、水に対する接触角を測定した。なお、接触角は、静的接触角(Contact Angle)、動的転落角(Sliding Angle)、動的後退角(Receding Angle)を測定した。結果を表1に記す。
Figure 2007302815
[耐エッチング性の評価]
シリコン基板上に、上記の樹脂溶液を回転塗布し、塗布後90℃で90秒加熱処理して、膜厚0.5μmの樹脂薄膜を形成した。このようにして得られた樹脂薄膜を、エッチングガス(CF4/O2=80/20)にてエッチング処理を行い、残存膜厚を反射分光膜厚系で測定した。なお、標準樹脂として、Mw=8000のPHST(パラヒドロキシスチレン)を用い、PHSTの場合の減膜厚を1.0として、相対減膜厚(エッチング速度比)を表2に記す。
Figure 2007302815
本発明の含フッ素共重合体は、フォトレジストとしての用途の他に例えばイオン交換樹脂、イオン交換膜、燃料電池、各種電池材料、光ファイバー、電子用部材、透明フィルム材、濃ビ用フィルム、接着剤、繊維材、耐候性塗料などに利用可能であり、特に微細パターンの形成が可能な、ArFエキシマレーザー光またはF2エキシマレーザー光を光源とする用途に有用である。また、液浸媒体に水を用いたArF液浸リソグラフィ用レジスト樹脂としても有用である。

Claims (7)

  1. 下記式(1)で表されるアクリル系モノマーが重合してなるモノマー単位に由来する単位と、下記式(2)で表されるアクリル系モノマーが重合してなるモノマー単位に由来する単位と、下記式(3)で表される含フッ素モノマーが環化重合してなるモノマー単位に由来する単位と、を有する含フッ素共重合体(A)。
    CH2=CR1COOR2・・・(1)
    (ただし、式(1)において、R1は水素原子、フッ素原子、炭素数3以下のアルキル基または炭素数3以下のフルオロアルキル基を表す。R2は酸によって水素原子に置換されるカルボキシル基のブロック化基であり、炭素数20以下のアルキル基を表す。R2を構成するアルキル基中の水素原子の一部はフッ素原子や水酸基で置換されていてもよく、R2を構成するアルキル基は、エーテル性酸素原子やエステル基を有していてもよい。)
    CH2=CR3COOR4・・・(2)
    (ただし、式(2)において、R3は水素原子、フッ素原子、炭素数3以下のアルキル基または炭素数3以下のフルオロアルキル基を表す。R4は酸によって水素原子に置換されないカルボキシル基のブロック化基であり、炭素数20以下のアルキル基を表す。R4を構成するアルキル基中の水素原子の一部はフッ素原子や水酸基で置換されていてもよく、R4を構成するアルキル基は、エーテル性酸素原子やエステル基を有していてもよい。)
    CF2=CFCF2C(CF3)(OR7)−(CH2nCR5=CHR6・・・(3)
    (ただし、式(3)において、R5およびR6は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子または炭素数12以下のアルキル基を表す。R5またはR6を構成するアルキル基中の水素原子の一部はフッ素原子で置換されていてもよい。R7は、酸によって水素原子に置換されない基であり、炭素数20以下のアルキル基、炭素数15以下のアルキルカルボニル基、炭素数15以下のアルコキシカルボニル基またはCH28である。ここで、R8は炭素数15以下のアルコキシカルボニル基である。R7を構成するアルキル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基およびR8は、その水素原子の一部または全てがフッ素原子に置換されていてもよく、エーテル性酸素原子を有してもよい。)
  2. 前記式(3)で表される含フッ素モノマーが、下記式で表される含フッ素ジエンから選ばれる1種である請求項1に記載の含フッ素共重合体(A)。
    CF2=CFCF2C(CF3)(OR9)−CH2CH=CH2・・・(4)
    CF2=CFCF2C(CF3)(OC(O)R9)−CH2CH=CH2・・・(5)
    (ただし、式(4)および式(5)中、R9は、炭素数15以下のアルキル基を表す。R9を構成するアルキル基中の水素原子の一部はフッ素原子で置換されていてもよく、エーテル性酸素原子を有してもよい。)
  3. 前記式(3)で表される含フッ素モノマーが、下記式で表される含フッ素ジエンから選ばれる1種である請求項1に記載の含フッ素共重合体(A)。
    Figure 2007302815
  4. 前記式(1)で表されるアクリル系モノマーが、下記式で表される(メタ)アクリル酸エステルから選ばれる1種である請求項1ないし3のいずれかに記載の請求項1に記載の含フッ素共重合体(A)。
    Figure 2007302815
  5. 前記式(2)で表されるアクリル系モノマーが、下記式で表される(メタ)アクリル酸エステルから選ばれる1種である請求項1ないし4のいずれかに記載の請求項1に記載の含フッ素共重合体(A)。
    Figure 2007302815
    Figure 2007302815
    Figure 2007302815
    Figure 2007302815
  6. 下記式(1)で表されるアクリル系モノマーと、下記式(2)で表されるアクリル系モノマーと、下記式(3)で表される含フッ素モノマーと、をラジカル共重合させることを特徴とする請求項1に記載の含フッ素共重合体(A)の製造方法。
    CH2=CR1COOR2・・・(1)
    (ただし、式(1)において、R1は水素原子、フッ素原子、炭素数3以下のアルキル基または炭素数3以下のフルオロアルキル基を表す。R2は酸によって水素原子に置換されるカルボキシル基のブロック化基であり、炭素数20以下のアルキル基を表す。R2を構成するアルキル基中の水素原子の一部はフッ素原子や水酸基で置換されていてもよく、R2を構成するアルキル基は、エーテル性酸素原子やエステル基を有していてもよい。)
    CH2=CR3COOR4・・・(2)
    (ただし、式(2)において、R3は水素原子、フッ素原子、炭素数3以下のアルキル基または炭素数3以下のフルオロアルキル基を表す。R4は酸によって水素原子に置換されないカルボキシル基のブロック化基であり、炭素数20以下のアルキル基を表す。R4を構成するアルキル基中の水素原子の一部はフッ素原子や水酸基で置換されていてもよく、R4を構成するアルキル基は、エーテル性酸素原子やエステル基を有していてもよい。)
    CF2=CFCF2C(CF3)(OR7)−(CH2nCR5=CHR6・・・(3)
    (ただし、式(3)において、R5およびR6は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子または炭素数12以下のアルキル基を表す。R5またはR6を構成するアルキル基中の水素原子の一部はフッ素原子で置換されていてもよい。R7は、酸によって水素原子に置換されない基であり、炭素数20以下のアルキル基、炭素数15以下のアルキルカルボニル基、炭素数15以下のアルコキシカルボニル基またはCH28である。ここで、R8は炭素数15以下のアルコキシカルボニル基である。R7を構成するアルキル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基およびR8は、その水素原子の一部または全てがフッ素原子に置換されていてもよく、エーテル性酸素原子を有してもよい。)
  7. 請求項1ないし5のいずれかに記載の含フッ素共重合体(A)、光照射を受けて酸を発生する酸発生化合物(B)、および有機溶媒(C)を含むことを特徴とするレジスト組成物。
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