JP2007299734A - 発光素子、表示装置及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】低駆動電圧が可能な無機発光素子を提供することを課題とする。また、この発光素子を用いて消費電力が低減された表示装置および電子機器を提供することを課題とする。
【解決手段】第1の電極と第2の電極との間に、発光物質を含む層と、前記発光性の物質を含む層と接する電子供給層と、を有し、前記発光物質を含む層は、硫化物、酸化物又は窒化物である母体材料と、不純物元素と、を少なくとも含み、前記電子供給層は、前記母体材料の仕事関数よりも小さい仕事関数の物質を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、エレクトロルミネッセンスを利用した発光素子に関する。また、発光素子を有する表示装置及び電子機器に関する。
近年、エレクトロルミネッセンス(EL:Electro Luminescence)を利用した発光素子の研究開発が活発に行われている。発光素子の基本的な構成は、一対の電極間に発光性の物質を挟んでなるものであり、両電極間に電圧を印加することによって発光性の物質からの発光を得ることができる。
このような発光素子は、自発光型であることから液晶ディスプレイに比べて視野角が広く、視認性に優れているという点に加えて、応答速度が速く、薄型軽量化が可能であるといった特徴を有している。
また、エレクトロルミネッセンスを利用する発光素子は、発光性の物質が有機化合物であるか、無機化合物であるかによって区別され、一般的に、前者は有機発光素子、後者は無機発光素子と呼ばれている。なお、これらの発光素子は、発光性の物質が異なるというだけでなく、発光機構や特徴においても、それぞれ異なっている。
このうち、無機発光素子としては、図15に示すように一対の電極(第1の電極1502及び第2の電極1510)間に絶縁層(第1の絶縁層1504及び第2の絶縁層1508)で挟まれた発光層1506を有する絶縁二重構造を有するものが知られている。このような無機発光素子は、一対の電極間に交流電圧を印加することにより、発光が得られている(例えば、特許文献1参照)。
また、無機発光素子は、その素子構成により分散型無機発光素子と薄膜型無機発光素子とに分類される。前者は、発光材料の粒子をバインダ中に分散させた発光層を有し、後者は、発光材料の薄膜からなる発光層を有している点に違いはあるが、高電界で加速された電子を必要とする点では共通である。
なお、得られる発光のメカニズムとしては、金属イオンの内殻電子遷移を利用する局在発光と、ドナー準位とアクセプター準位とを利用するドナー−アクセプター再結合型発光とがある。一般的に、薄膜型無機発光素子では局在型発光、分散型無機発光素子ではドナー−アクセプター再結合型発光である場合が多い。
無機発光素子は、高い電界で加速された電子による発光中心への衝突励起によって発光が得られるという発光機構のために、発光素子に数百Vの電圧を印加することが必要とされている。そのため、ディスプレイパネル等に適用する場合、駆動電圧が高くなることが問題となっている。
上記問題を解決するために、さまざまな素子構造が検討されている。例えば、特許文献2には、誘電体層と電極との間にカーボンナノチューブからなる電界強化層を設け、誘電体層表面に多量の電荷を捕捉し、駆動電圧を低減することを目的とした素子構造が提案されている。
特開平6−96861号公報 特開2004−207246号公報
本発明はこのような状況を鑑みてなされたものであり、低駆動電圧が可能な無機発光素子を提供することを課題とする。また、この発光素子を用いて消費電力が低減された表示装置および電子機器を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の発光素子は、第1の電極と第2の電極との間に、発光物質を含む層と、前記発光物質を含む層と接する電子供給層と、を有し、前記発光物質を含む層は、硫化物、酸化物又は窒化物である母体材料と、不純物元素と、を少なくとも含み、前記電子供給層は、前記母体材料の仕事関数よりも小さい仕事関数の物質を含むことを特徴とする。
また、本発明の発光素子の他の構成は、第1の電極と第2の電極との間に、発光物質を含む層と、前記発光物質を含む層の一方の面と接する電子供給層と、前記発光物質を含む層の他方の面と接する絶縁層と、を有し、前記発光物質を含む層は、硫化物、酸化物又は窒化物である母体材料と、不純物元素と、を少なくとも含み、前記電子供給層は、前記母体材料の仕事関数よりも小さい仕事関数の物質を含むことを特徴とする。
また、本発明の発光素子は、不純物元素として、マンガン(Mn)、銅(Cu)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、ユウロピウム(Eu)、セリウム(Ce)又はプラセオジム(Pr)のいずれかを含むことを特徴とする。
また、本発明の発光素子の他の構成は、第1の電極と第2の電極との間に、発光物質を含む層と、前記発光物質を含む層と接する電子供給層と、を有し、前記発光物質を含む層は、硫化物、酸化物又は窒化物である母体材料と、第1の不純物元素と、第2の不純物元素と、を少なくとも含み、前記電子供給層は、前記母体材料の仕事関数よりも小さい仕事関数の物質を含むことを特徴とする。
また、本発明の発光素子の他の構成は、第1の電極と第2の電極との間に、発光物質を含む層と、前記発光物質を含む層の一方の面と接する電子供給層と、前記発光物質を含む層の他方の面と接する絶縁層と、を有し、前記発光物質を含む層は、硫化物、酸化物又は窒化物である母体材料と、第1の不純物元素と、第2の不純物元素と、を少なくとも含み、前記電子供給層は、前記母体材料の仕事関数よりも小さい仕事関数の物質を含むことを特徴とする。
また、本発明の発光素子の他の構成は、第1の電極と第2の電極との間に、発光物質を含む層と、前記発光物質を含む層の一方の面と接する電子供給層と、前記発光物質を含む層の他方の面と接する正孔供給層と、を有し、前記発光物質を含む層は、硫化物、酸化物又は窒化物である母体材料と、第1の不純物元素と、第2の不純物元素と、を少なくとも含み、前記電子供給層は、前記母体材料の仕事関数よりも小さい仕事関数の物質を含み、前記正孔供給層は、前記母体材料の仕事関数よりも大きい仕事関数の物質を含むことを特徴とする。
また、本発明の発光素子は、正孔供給層として、仕事関数が4.5eV以上の物質を有することを特徴とする。
また、本発明の発光素子は、正孔供給層として、ベリリウム(Be)、ホウ素(B)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、銅(Cu)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)、タングステン(W)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、セレン(Se)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)などの元素または前記元素の化合物のうち、いずれか1つ又は複数の物質を有することを特徴とする。
また、本発明の発光素子は、第1の不純物元素として、フッ素(F)、塩素(Cl)又はアルミニウム(Al)のいずれかを含むことを特徴とする。
また、本発明の発光素子は、第2の不純物元素として、銅(Cu)又は銀(Ag)を有することを特徴とする。
また、本発明の発光素子は、発光物質を含む層中に、さらに第3の不純物元素としてマンガン(Mn)を含むことを特徴とする。
また、本発明の発光素子は、母体材料として、硫化亜鉛(ZnS)、硫化カドミウム(CdS)、硫化カルシウム(CaS)、硫化イットリウム(Y)、硫化ガリウム(Ga)、硫化ストロンチウム(SrS)、硫化バリウム(BaS)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化イットリウム(Y)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、CaGa、SrGa、BaGa、BaAl、CaAl、SrCaYのいずれかを含むことを特徴とする。
また、本発明の発光素子は、電子供給層として、仕事関数が4eV以下の物質を有することを特徴とする。
また、本発明の発光素子は、電子供給層として、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、セシウム(Cs)等のアルカリ金属、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)等のアルカリ土類金属元素、スカンジウム(Sc)、ヒ素(As)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ハフニウム(Hf)等の元素または前記元素の化合物のうち、いずれか1つ又は複数の物質を有することを特徴とする。
また、本発明の発光素子は、電子供給層として、ダイヤモンド、窒化アルミニウム(AlN)などの負の電子親和力をもつ物質を有することを特徴とする。
また、本発明は、上述した発光素子を有する表示装置も範疇に含めるものである。本明細書中における表示装置とは、画像表示デバイス、発光デバイス、もしくは光源(照明装置含む)を範疇に含む。また、発光素子が形成されたパネルにコネクター、例えばFPC(Flexible Printed Circuit)もしくはTAB(Tape Automated Bonding)テープもしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または発光素子が形成されたパネルにCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て表示装置に含むものとする。
また、本発明の発光素子を表示部に用いた電子機器も本発明の範疇に含めるものとする。したがって、本発明の電子機器は、表示部を有し、表示部は、上述した発光素子と発光素子の発光を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の発光素子は、発光効率がよく、目的の輝度をより少ない電力で得ることができるため、駆動電圧を低減することができる。
また、本発明の表示装置及び電子機器は、発光効率がよく、低い駆動電圧で動作する発光素子を有するため、消費電力を低減することができる。
以下、発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなく、その形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
本発明に係る発光素子の一例について、図1を用いて説明する。
図1(A)に示す発光素子100は、第1の電極102と、電子供給層104と、発光物質を含む層106と、第2の電極110とが、順次積層された構造を有する。すなわち、第1の電極102と第2の電極110との間に、発光物質を含む層106と、発光物質を含む層106と接する電子供給層104と、が挟まれた構造となっている。
発光物質を含む層106は、少なくとも母体材料と、不純物元素と、で構成される発光材料を含む。なお、不純物元素は、母体材料を構成する元素は含まないものとする。
発光物質を含む層106に含まれる母体材料としては、硫化物、酸化物、窒化物を用いることができる。例えば、硫化物としては、硫化亜鉛(ZnS)、硫化カドミウム(CdS)、硫化カルシウム(CaS)、硫化イットリウム(Y)、硫化ガリウム(Ga)、硫化ストロンチウム(SrS)、硫化バリウム(BaS)等を用いることができる。酸化物としては、酸化亜鉛(ZnO)、酸化イットリウム(Y)等を用いることができる。また、窒化物としては、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)等を用いることができる。その他、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)等を用いることもできる。さらに、CaGa、SrGa、BaGa、BaAl、CaAl、SrCaY等の3元系の混晶を用いることもできる。
また、発光物質を含む層106に含まれる不純物元素は、得られる発光が金属イオンの内殻電子遷移を利用する局在型発光の場合と、ドナー準位とアクセプター準位を利用するドナー−アクセプター再結合型発光の場合と、で異なる。
発光物質を含む層106が局在型発光の場合は、不純物元素として、例えば、マンガン(Mn)、銅(Cu)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、ユウロピウム(Eu)、セリウム(Ce)又はプラセオジム(Pr)等を用いることができる。なお、電荷補償としてフッ素(F)、塩素(Cl)などのハロゲン元素が添加されていてもよい。
一方、発光物質を含む層106がドナー−アクセプター再結合型発光の場合は、不純物元素として、第1の不純物元素と、第2の不純物元素と、を含む。第1の不純物元素と第2の不純物元素は、いずれか一方がドナー準位となる不純物元素であり、他方はアクセプター準位となる不純物元素である。第1の不純物元素としては、例えば、フッ素(F)、塩素(Cl)又はアルミニウム(Al)等を用いることができる。第2の不純物元素としては、例えば、銅(Cu)又は銀(Ag)等を用いることができる。さらに、発光物質を含む層106に、第3の不純物元素として、マンガン(Mn)等を導入することもできる。
電子供給層104としては、発光物質を含む層106に含まれる母体材料の仕事関数よりも小さい仕事関数の物質を用いる。また、上述した母体材料として用いられる物質の多くは、仕事関数が4eV〜4.5eV程度である。したがって、電子供給層104は、仕事関数が4eV以下の物質を用いることが好ましい。具体的には、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、セシウム(Cs)等のアルカリ金属、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)等のアルカリ土類金属元素、スカンジウム(Sc)、ヒ素(As)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ハフニウム(Hf)等の元素または前記元素の化合物のうち、いずれか1つ又は複数を含む物質を用いることができる。
また、電子供給層104として、ダイヤモンド、窒化アルミニウム(AlN)などの負の電子親和力をもつ物質を用いることもできる。
第1の電極102及び第2の電極110としては、さまざまな金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物を用いることができる。例えば、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)、珪素を含有するITO、酸化インジウムに2wt%〜20wt%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したIZO(indium zinc oxide)、ZnOにGaやAlなどを添加したもの等を用いることができる。その他、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、白金(Pt)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、金(Au)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)等の導電性を有する金属を用いることができる。また、アルミニウム−シリコン(AlSi)、アルミニウム−チタン(AlTi)、窒化タングステン(WN)、窒化タンタル(TaN)等も用いることができる。なお、本実施の形態のように、電子供給層104を第1の電極102と接して設ける場合、第1の電極102は仕事関数の小さい物質(例えば仕事関数4eV以下の物質)を用いることが好ましい。
また、発光物質を含む層106からの発光は、第1の電極102又は第2の電極110のいずれか一方又は両方を通って外部に取り出す。したがって、第1の電極102及び第2の電極110の少なくとも一方は、透光性を有するものとする。
本発明のように、発光物質を含む層に接して電子供給層を設けることで、発光物質を含む層に効率よくキャリア(電子)を供給することができる。したがって、発光素子の発光効率が向上し、駆動電圧を低減することができる。
次に、図1(B)に示す発光素子120について説明する。発光素子120は、第1の電極102と、電子供給層122と、発光物質を含む層126と、正孔供給層124と、第2の電極110と、が、順次積層された構造を有する。すなわち、第1の電極102と第2の電極110との間に、発光物質を含む層126と、発光物質を含む層126の一方の面と接する電子供給層122と、発光物質を含む層126の他方の面と接する正孔供給層124と、が挟まれた構造となっている。
図1(B)に示す発光素子120は、発光物質を含む層126と、電子供給層122と、正孔供給層124以外の構成は、図1(A)に示した上記発光素子100に準ずるので、簡略に説明する。また、図1(B)に示す発光素子120は、ドナー−アクセプター再結合型発光を得る発光素子とする。
発光物質を含む層126は、少なくとも母体材料と、第1の不純物元素と、第2の不純物元素と、で構成される発光材料を含む。第1の不純物元素と第2の不純物元素は、いずれか一方がドナー準位となる不純物元素であり、他方はアクセプター準位となる不純物元素である。
発光物質を含む層126に含まれる母体材料は、上述した発光物質を含む層106と同じものを用いることができるため、説明は省略する。また、第1の不純物元素としては、例えば、フッ素(F)、塩素(Cl)又はアルミニウム(Al)等を用いることができる。第2の不純物元素としては、例えば、銅(Cu)又は銀(Ag)等を用いることができる。さらに、発光物質を含む層126に、第3の不純物元素として、マンガン(Mn)等を導入することもできる。
電子供給層122としては、発光物質を含む層126に含まれる母体材料の仕事関数よりも小さい仕事関数の物質を用いる。また、上述した母体材料として用いられる物質の多くは、仕事関数が4eV〜4.5eV程度である。したがって、電子供給層122は、仕事関数が4eV以下の物質を用いることが好ましい。具体的には、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、セシウム(Cs)等のアルカリ金属、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)等のアルカリ土類金属元素、スカンジウム(Sc)、ヒ素(As)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ハフニウム(Hf)等の元素または前記元素の化合物のうち、いずれか1つ又は複数を含む物質を用いることができる。
また、電子供給層122として、ダイヤモンド、窒化アルミニウム(AlN)などの負の電子親和力をもつ物質を用いることもできる。
正孔供給層124としては、発光物質を含む層126に含まれる母体材料の仕事関数よりも大きい仕事関数の物質を用いる。また、上述した母体材料として用いられる物質の多くは、仕事関数が4eV〜4.5eV程度である。したがって、正孔供給層124は、仕事関数が4.5eV以上の物質を用いることが好ましい。具体的には、ベリリウム(Be)、ホウ素(B)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、銅(Cu)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)、タングステン(W)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、セレン(Se)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)などの元素または前記元素の化合物のうち、いずれか1つ又は複数を含む物質を用いることができる。
また、第1の電極102及び第2の電極110については、発光素子100と同様であり、さまざまな金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物を用いることができる。なお、電子供給層122を第1の電極102と接して設ける場合、第1の電極102は仕事関数の小さい物質(例えば仕事関数4eV以下の物質)を用いることが好ましい。
また、本実施の形態では、第1の電極102と発光物質を含む層126との間に電子供給層122が挟まれ、発光物質を含む層126と第2の電極110との間に正孔供給層124が挟まれる構造としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1の電極102と発光物質を含む層126との間に正孔供給層124が挟まれ、発光物質を含む層126と第2の電極110との間に電子供給層122が挟まれる構造としてもよい。つまり、第1の電極102に正孔供給層124が接し、第2の電極110に電子供給層122が接する構造としてもよい。なお、この場合は、第1の電極102は仕事関数の大きい物質(例えば仕事関数4.5eV以上の物質)を用いることが好ましい。
本発明のように、発光物質を含む層に接して電子供給層と、正孔供給層を設けることで、発光物質を含む層に効率よくキャリア(電子及び正孔)を供給することができる。したがって、発光素子の発光効率が向上し、駆動電圧を低減することができる。
なお、本実施の形態に示す発光素子は、発光物質を含む層を挟む一対の電極(第1の電極及び第2の電極)間に電圧を印加することで発光が得られる。このとき、発光素子の二つの電極に印加する電圧は交流電圧であっても、直流電圧であっても、パルス状の電圧であってもよい。
次に、図1に示す発光素子の作製方法の一例について説明する。
図1(A)に示す発光素子100の場合について説明する。まず、基板上に第1の電極102を形成する。基板は、ここでは図示しないが、発光素子100の支持体として用いられる。基板としては、ガラス基板、アルミナなど絶縁物質で形成される基板等を用いることができる。また、後工程の処理温度に耐え得る耐熱性を有するプラスチック基板、シリコン基板等を用いることもできる。なお、発光素子100の作製工程において支持体として機能するものであれば、これら以外のものでも用いることができる。
第1の電極102は、上述した金属、合金、導電性化合物、及びこれらの混合物などを用いて、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、ゾルーゲル法等を用いて形成することができる。膜厚は、特に限定されることはないが、好ましくは100nm〜500nmの範囲で形成する。また、第1の電極102に可視光の透過率の低い材料を用いる場合、その膜厚を1nm〜50nm、好ましくは5nm〜20nm程度にすることで、透光性の電極として用いることができる。
次いで、第1の電極102上に電子供給層104を形成する。電子供給層104は、後に形成される発光物質を含む層106が含む母体材料の仕事関数よりも小さい仕事関数の物質を用いて、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、ゾルーゲル法等により形成することができる。また、電子供給層104として、ダイヤモンド、窒化アルミニウム(AlN)などの負の電子親和力をもつ物質を用いることもできる。膜厚は、特に限定されることはないが、好ましくは100nm〜500nmの範囲で形成する。
次いで、電子供給層104上に、発光物質を含む層106を形成する。まず、発光物質を含む層106に含まれる発光材料の作製方法について説明する。
発光物質を含む層106に含まれる発光材料は、上述したように、母体材料と、不純物元素と、で構成される。含有させる不純物元素を変化させることで、様々な色の発光を得ることができる。発光材料の作製方法としては、固相法や液相法(共沈法)などの様々な方法を用いることができる。また、噴霧熱分解法、複分解法、プレカーサーの熱分解による方法、逆ミセル法やこれらの方法と高温焼成とを組み合わせた方法、凍結乾燥法などの液相法なども用いることができる。
固相法とは、母体材料と、不純物元素又は当該不純物元素を含む化合物を秤量し、乳鉢で混合、電気炉で加熱、焼成を行い反応させ、母体材料に不純物元素を含有させる方法である。焼成温度が低すぎる場合は固相反応が進まず、焼成温度が高すぎる場合は母体材料が分解してしまうため、焼成温度は700℃〜1500℃の範囲が好ましい。なお、粉末状態で焼成を行ってもよいが、ペレット状態で焼成を行うことが好ましい。比較的高温での焼成を必要とするが、簡単な方法であるため、生産性がよく、大量生産に適している。
液相法(共沈法)は、母体材料又は母体材料を含む化合物と、不純物元素又は不純物元素を含む化合物を溶液中で反応させ、乾燥させた後、焼成を行う方法である。発光材料の粒子が均一に分布し、粒径が小さく低い焼成温度でも反応が進むことができる。
なお、発光物質を含む層106から得られる発光がドナー−アクセプター再結合型発光の場合は、発光材料に不純物元素が複数種含まれる。ドナー−アクセプター再結合型発光の発光材料を固相法を用いて合成する場合には、母体材料と、第1の不純物元素又は第1の不純物元素を含む化合物と、第2の不純物元素又は第2の不純物元素を含む化合物をそれぞれ秤量し、乳鉢で混合した後、電気炉で加熱、焼成を行う。母体材料、第1の不純物元素、第2の不純物元素としては、上述した物質を用いることができる。また、例えば、第1の不純物元素を含む化合物として硫化アルミニウム(Al)等を用いることができ、第2の不純物元素を含む化合物として、硫化銅(CuS)、硫化銀(AgS)等を用いることができる。
さらに、上記のようにドナー−アクセプター再結合型発光の発光材料を固相法を用いて合成する場合、第1の不純物元素と第2の不純物元素とで構成される化合物を組み合わせて用いることもできる。この場合、不純物元素が拡散されやすく、固相反応が進みやすくなるため、均一な発光材料を得ることができる。さらに、余分な不純物元素が入らないため、純度の高い発光材料が得ることができる。第1の不純物元素と第2の不純物元素で構成される化合物としては、例えば、塩化銅(CuCl)、塩化銀(AgCl)等を用いることができる。
次いで、上記のようにして得られた発光材料を用いて、発光物質を含む層106を形成する。本発明の発光素子100が薄膜型の場合、発光物質を含む層106は、上述した発光材料を用いて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着(EB蒸着)法等の真空蒸着法、スパッタリング法等の物理気相成長法(PVD)、有機金属CVD法、ハイドライド輸送減圧CVD法等の化学気相成長法(CVD)、原子層エピタキシ法(ALE)等を用いて形成することができる。膜厚は特に限定されることはないが、好ましくは、100nm〜1000nmの範囲である。
一方、本発明の発光素子100が分散型の場合、発光物質を含む層106は、上述した発光材料を粒子状に加工し、当該発光材料をバインダ中に分散させて膜状に形成する。発光材料の作製方法によって、所望の大きさの粒子が得られない場合には、乳鉢等で粉砕して粒子状に加工すればよい。また、バインダとは、粒子状の発光材料を分散した状態で固定し、膜状に保持するための物質である。発光材料はバインダによって均一に分散され、固定される。このような膜を、液滴吐出法や、印刷法(スクリーン印刷やオフセット印刷など)、スピンコート法などの塗布法、ディッピング法、ディスペンサ法などを用いて形成することができる。膜厚は特に限定されることはないが、好ましくは、100nm〜1000nmの範囲である。
なお、発光素子100が分散型の場合に用いることのできるバインダとしては、有機材料、無機材料、又は有機材料及び無機材料の混合材料を用いることができる。有機材料としては、シアノエチルセルロース系樹脂のように比較的誘電率の高いポリマーや、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ化ビニリデンなどの樹脂を用いることができる。また、芳香族ポリイミド、ポリベンゾイミダゾール(polybenzimidazol)などの耐熱性高分子、又はシロキサン樹脂を用いてもよい。なお、シロキサン樹脂とは、Si−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えば、アルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。また、置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基と、を用いてもよい。また、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどのビニル樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、オキサゾール樹脂(ポリベンゾオキサゾール)等の樹脂材料を用いてもよい。また、これらの樹脂に、チタン酸バリウム(BaTiO)やチタン酸ストロンチウム(SrTiO)などの高誘電率の微粒子を適度に混合して誘電率を調整することもできる。
また、バインダとして用いることができる無機材料としては、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸素及び窒素を含む珪素、窒化アルミニウム(AlN)、酸素及び窒素を含むアルミニウム、酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO)、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、チタン酸鉛(PbTiO)、ニオブ酸カリウム(KNbO)、ニオブ酸鉛(PbNbO)、酸化タンタル(Ta)、タンタル酸バリウム(BaTa)、タンタル酸リチウム(LiTaO)、酸化イットリウム(Y)、酸化ジルコニウム(ZrO)、硫化亜鉛(ZnS)等が挙げられる。また、有機材料に、誘電率の高い無機材料を添加等によって含ませることで、発光材料及びバインダよりなる発光物質を含む層106の誘電率を容易に制御することができる。また、発光物質を含む層106の誘電率を、より大きくすることができる。
また、発光素子100が分散型の場合、発光物質を含む層106の作製工程において、発光材料はバインダを含む溶液中に分散される。このとき、バインダを含む溶液の溶媒としては、上述したバインダ材料を溶解でき、発光物質を含む層106を形成する方法及び所望の膜厚に適した粘度の溶液を作製できるようなものを適宜選択して用いればよい。例えば、バインダとしてシロキサン樹脂を用いる場合は、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEAともいう)、3−メトシキ−3−メチル−1−ブタノール(MMBともいう)等の有機溶媒を用いることができる。
次いで、発光物質を含む層106上に、第2の電極110を形成する。第2の電極110は、第1の電極102と同様に形成すればよい。以上の工程で、本発明の発光素子100を得ることができる。
また、図1(B)に示す発光素子120については、上述した発光素子100の作製方法と同様に形成することができる。ここでは、発光素子100の構成と異なる発光物質を含む層126、電子供給層122、正孔供給層124について、説明する。
基板上に形成された第1の電極102上に、電子供給層122を形成する。電子供給層122は、発光素子100が有する電子供給層104と同様に形成することができる。すなわち、後に形成される発光物質を含む層126が含む母体材料の仕事関数よりも小さい仕事関数の物質を用いて、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、ゾルーゲル法等により形成することができる。また、電子供給層122として、ダイヤモンド、窒化アルミニウム(AlN)などの負の電子親和力をもつ物質を用いることもできる。膜厚は、特に限定されることはないが、好ましくは100nm〜500nmの範囲で形成する。
次いで、電子供給層122上に発光物質を含む層126を形成する。発光物質を含む層126は、上述した発光物質を含む層106と同様に形成することができる。なお、発光素子120は、ドナー−アクセプター再結合型発光であるため、発光物質を含む層126にドナー準位又はアクセプター準位となる第1の不純物元素及び第2の不純物元素が含まれるようにする。
次いで、発光物質を含む層106上に正孔供給層124を形成する。正孔供給層124は、発光物質を含む層126が含む母体材料の仕事関数よりも大きい仕事関数の物質を用いて、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、ゾルーゲル法等により形成することができる。膜厚は、特に限定されることはないが、好ましくは100nm〜500nmの範囲で形成する。
次いで、正孔供給層124上に第2の電極110を形成することで、発光素子120を得ることができる。
次に、本発明の発光素子のキャリアの供給の仕組みについて、図3のエネルギーバンドの模式図を用いて説明する。ここでは、母体材料として硫化亜鉛(ZnS)、不純物元素としてマンガン(Mn)を含む発光物質を含む層306と、リチウム(Li)を用いて形成された電子供給層304と、を有する局在型発光の発光素子の例について説明する。
図3(A)は、電子供給層304と、発光物質を含む層306と、を接合しない状態でのエネルギーバンド図を示す。図3(A)には、真空準位(Evac)302と、電子供給層304のフェルミ準位(Ef)308と、発光物質を含む層306のフェルミ準位(Ef)310、伝導帯下端のエネルギー(Ec)312、価電子帯上端のエネルギー(Ev)314と、が示されている。
図3(A)において、電子供給層304のフェルミ準位308は、発光物質を含む層306のフェルミ準位310よりも上に位置する。また、真空準位302から電子供給層304のフェルミ準位308までのポテンシャル差が、電子供給層304の仕事関数(W_Li)316である。同様に、真空準位302から発光物質を含む層306のフェルミ準位(Ef)310までのポテンシャルの差が、発光物質を含む層306の仕事関数(W_ZnS)318である。そして、真空準位302から発光物質を含む層306の伝導帯下端のエネルギー(Ec)312までのポテンシャルの差が、発光物質を含む層306の電子親和力(eχ_ZnS)317である。なお、図3(A)の発光物質を含む層306の電子親和力は、電子親和力に電子電荷eを掛けてエネルギーに変換している。電子親和力(ここでは電子親和力に電子電荷を掛けたもの)は仕事関数に比例し、特に金属では電子親和力と仕事関数は一致する。なお、本実施の形態では、電子供給層304はリチウムを用いているため、仕事関数316は2.9eVである。また、発光物質を含む層306は硫化亜鉛とマンガンとを含むため、仕事関数318はおよそ4.3eVである。電子供給層304の仕事関数316は、少なくとも発光物質を含む層306の仕事関数318よりも小さいものとする。
次に、電子供給層304と、発光物質を含む層306と、を接合した際のエネルギーバンド図を図3(B)に示す。電子供給層304と発光物質を含む層306を接合すると、両者の界面にポテンシャル324が生じる。ここで生じるポテンシャル324は、発光物質を含む層306の電子親和力317から電子供給層304の仕事関数を引いたエネルギー差Δ320(Δ=eχ_ZnS−W_Li)に等しい。すなわち、発光物質を含む層306の伝導帯下端のエネルギー312が電子供給層304のフェルミ準位308よりもエネルギー差Δ320だけ低下するため、電子供給層304から発光物質を含む層306にキャリア322が供給される。なお、ここではキャリア322は電子である。
ここで、電子供給層304に負の電圧を印加し、発光物質を含む層306に正の電圧を印加すると、電子供給層304から発光物質を含む層306へキャリアが移動する。ポテンシャル324は、エネルギー差Δ320と等しいため、エネルギー差Δ320が大きいほどポテンシャル324は深くなり、電子供給層304から発光物質を含む層306の伝導帯へより多くのキャリアが供給される。
発光物質を含む層306に供給されたキャリア322は、電子供給層304と発光物質を含む層306との間に印加された電界によって、高いエネルギーを持ったキャリアとなる。そして、該キャリアが発光物質を含む層306中のマンガン原子と衝突して起きるマンガン原子における内殻電子の励起、励起された電子の緩和により発光を得ることができる。
以上のように、発光物質を含む層306へ多くのキャリアを供給するためには、エネルギー差Δ320を大きくすればよい。また、エネルギー差Δ320を大きくするためには、電子供給層304の仕事関数316を小さくすればよい。したがって、本発明のように、発光物質を含む層に含まれる母体材料よりも仕事関数の小さい物質を有する電子供給層を、発光物質を含む層に接して設けることにより、発光物質を含む層へキャリアを効率よく供給することが可能となる。したがって、発光素子の発光効率が向上し、駆動電圧を低減することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なる構成の発光素子について、図2を用いて説明する。
図2(A)に示す発光素子200は、第1の電極102と、電子供給層104と、発光物質を含む層106と、絶縁層208と、第2の電極110と、が、順次積層された構造を有する。すなわち、第1の電極102と第2の電極110との間に、発光物質を含む層106と、発光物質を含む層106の一方の面と接する電子供給層104と、発光物質を含む層106の他方の面と接する絶縁層208と、が挟まれた構造となっている。
図2(A)に示す発光素子200は、絶縁層208以外の構成、作製方法等は、上記実施の形態1に示した発光素子100に準ずるので、簡略に説明する。
本実施の形態で用いられる絶縁層208は、特に限定されることはないが、絶縁耐圧が高く、緻密な膜質である絶縁材料からなることが好ましい。さらには、誘電率が高いことが望ましい。例えば、酸化珪素(SiO)、酸化イットリウム(Y)、酸化チタン(TiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化タンタル(Ta)、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、チタン酸鉛(PbTiO)、窒化珪素(Si)、酸化ジルコニウム(ZrO)等やこれらの混合層又は2種以上の積層を用いることができる。これらの絶縁層は、スパッタリング法、蒸着法、CVD法等により形成することができる。また、絶縁層はこれら絶縁材料の粒子をバインダ中に分散して形成してもよい。バインダ材料は、上記実施の形態で説明した発光物質を含む層106に含まれるバインダと同様な材料、方法を用いて形成すればよい。したがって、絶縁層208は、上記材料及び上記作製方法を用いて、発光物質を含む層106上に形成することができる。また、絶縁層208の膜厚は特に限定されることはないが、好ましくは10nm〜500nmの範囲である。
なお、発光素子200において、第2の電極110を透光性の電極とし、第2の電極110側から発光を取り出す場合は、絶縁層208は発光物質を含む層106と同程度又はそれ以上の屈折率を有する物質を用いることが好ましい。これは、光(発光)が屈折率に差がある積層の界面で反射される性質があるためである。したがって、第2の電極110と発光物質を含む層106とに挟まれる絶縁層208に、発光物質を含む層106よりも屈折率が大きい物質を用いれば、発光は発光物質を含む層106と絶縁層208との界面で反射されることなく、取り出すことができる。これに対し、絶縁層208に発光物質を含む層106よりも屈折率が小さい物質を用いると、発光は発光物質を含む層106と絶縁層208との界面で反射されてしまい、発光効率が低下してしまう。なお、発光物質を含む層106が含む母体材料として用いられる物質の多くは、屈折率が2程度である。したがって、絶縁層208として屈折率2以上の物質を用いることが好ましい。具体的には、チタン酸バリウム(BaTiO)、酸化チタン(TiO)、窒化珪素(SiN)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化タンタル(Ta)、酸化ニオブ(Nb)等を用いることができる。
なお、発光物質を含む層106、電子供給層104、第1の電極102及び第2の電極110については、発光素子100と同様である。したがって、発光物質を含む層106は、少なくとも母体材料と、不純物元素と、で構成される発光材料を含む。電子供給層104は、発光物質を含む層106に含まれる母体材料の仕事関数よりも小さい仕事関数の物質またはダイヤモンド、窒化アルミニウム(AlN)などの負の電子親和力をもつ物質を用いる。また、第1の電極102及び第2の電極110は、さまざまな金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物を用いる。なお、電子供給層104を第1の電極102と接して設ける場合、第1の電極102は仕事関数の小さい物質(例えば仕事関数4eV以下の物質)を用いることが好ましい。
次いで、図2(B)に示す発光素子220について説明する。発光素子220は、絶縁層228以外の構成、作製方法等は、上記実施の形態1に示した発光素子100に準ずるので、簡略に説明する。
絶縁層228は、特に限定されることはないが、絶縁耐圧が高く、緻密な膜質である絶縁材料からなることが好ましい。さらには、誘電率が高いことが望ましい。例えば、酸化珪素(SiO)、酸化イットリウム(Y)、酸化チタン(TiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化タンタル(Ta)、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、チタン酸鉛(PbTiO)、窒化珪素(Si)、酸化ジルコニウム(ZrO)等やこれらの混合層又は2種以上の積層を用いることができる。これらの絶縁層は、スパッタリング法、蒸着法、CVD法等により形成することができる。また、絶縁層はこれら絶縁材料の粒子をバインダ中に分散して形成してもよい。バインダ材料は、上記実施の形態で説明した発光物質を含む層106に含まれるバインダと同様な材料、方法を用いて形成すればよい。したがって、絶縁層228は、上記材料及び上記作製方法を用いて、第1の電極102上に形成することができる。絶縁層228の膜厚は特に限定されることはないが、好ましくは10nm〜500nmの範囲である。
なお、発光素子220において、第2の電極110を透光性の電極とし、第2の電極110側から発光を取り出す場合は、絶縁層228は発光物質を含む層106と同程度またはそれ以下の屈折率を有する物質を用いることが好ましい。これは、上述したように光(発光)が屈折率に差がある積層の界面で反射される性質があるためである。したがって、発光物質を含む層106と第1の電極102とに挟まれる絶縁層228に、発光物質を含む層106よりも屈折率が小さい物質を用いれば、発光は絶縁層228と発光物質を含む層106との界面で反射され、発光効率を向上させることができる。これに対し、絶縁層228に発光物質を含む層106よりも屈折率が大きい物質を用いると、発光は絶縁層228と発光物質を含む層106との界面で反射されることがないため、発光効率が低下してしまう。なお、発光物質を含む層106が含む母体材料として用いられる物質の多くは、屈折率が2程度である。したがって、絶縁層228として屈折率2以下の物質を用いることが好ましい。具体的には、酸化珪素(SiO)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化アルミニウム(Al)等を用いることができる。
また、発光素子220において、第2の電極110を透光性の電極とし、第2の電極110側から発光を取り出す場合で、且つ絶縁層228を2層の積層構造とする場合において、発光物質を含む層106と接する上層の絶縁層を絶縁層Aとし、第1の電極102と接する下層の絶縁層を絶縁層Bとする。この場合、絶縁層Aには発光物質を含む層106と同程度又はそれ以上の屈折率を有する物質を用いる。絶縁層Bには、上層の絶縁層Aと同程度又はそれ以下の屈折率を有する物質を用いる。例えば、発光物質を含む層106の母体材料として硫化亜鉛(ZnS;屈折率2.37)を用いた場合は、下層の絶縁層として酸化珪素(SiO;屈折率1.47)を用い、上層の絶縁層としてチタン酸バリウム(BaTiO;屈折率2.4)を用いる。このように、屈折率を考慮した積層構造とすることで、発光効率を向上させることができる。また、酸化珪素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)は誘電率が低いため、誘電率の高いチタン酸バリウム(BaTiO)との積層構造とするのが望ましい。
また、発光物質を含む層106、電子供給層104、第1の電極102及び第2の電極110については、発光素子100と同様である。したがって、発光物質を含む層106は、少なくとも母体材料と、不純物元素と、で構成される発光材料を含む。電子供給層104は、発光物質を含む層106に含まれる母体材料の仕事関数よりも小さい仕事関数の物質またはダイヤモンド、窒化アルミニウム(AlN)などの負の電子親和力をもつ物質を用いる。また、第1の電極102及び第2の電極110は、さまざまな金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物を用いる。
本発明のように、発光物質を含む層に接して電子供給層を設けることで、発光物質を含む層に効率よくキャリアを供給することができる。したがって、発光素子の発光効率が向上し、駆動電圧を低減することができる。
また、本実施の形態に示す発光素子200及び発光素子220は、発光物質を含む層106を挟む一対の電極(第1の電極及び第2の電極)間に電圧を印加することで発光が得られる。このとき、発光素子の二つの電極には、交流電圧を印加する。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の発光素子を有する表示装置について、図4を用いて説明する。
本実施の形態で示す表示装置は、トランジスタ等の駆動用の素子を特に設けずに発光素子を駆動させるパッシブ型の表示装置である。なお、図4(A)には本発明のパッシブ型表示装置の斜視図、図4(B)は上面図を示す。なお、図4(A)は、図4(B)の破線408で囲まれた部分について斜視した図である。
図4(A)において、第1の基板401上には、複数の第1の電極402が並列に設けられている。複数の第1の電極402それぞれの端部は、隔壁層403で覆われている。なお、図4(A)は、表示装置の内部構造をわかりやすくするため、第2の基板409、第2の電極405、層404の一部を省略している。また、第1の基板401上に設けられた第1の電極402と隔壁層403とが配置された様子をわかりやすくするため、図面の最も手前に位置する第1の電極402の端部を覆う隔壁層を省略している。しかし、実際は、最も手前に位置する第1の電極402の端部も隔壁層によって覆われている。
第1の電極402上方には、複数の第2の電極405が設けられている。また、第2の電極405は、第1の電極402と交差するように並列に設けられている。
第1の電極402と第2の電極405との間には、層404が設けられている。なお、第1の電極402と、層404と、第2の電極405と、の積層構造が、上記実施の形態で説明した本発明の発光素子に相当する。すなわち、層404は、上記実施の形態で示した発光物質を含む層と、当該発光物質を含む層に接する電子供給層と、を少なくとも含む。さらに、層404は、発光物質を含む層に接する絶縁層を有していてもよい。また、層404は、発光物質を含む層の一方の面に接する電子供給層と他方の面に接する正孔供給層を有していてもよい。第2の電極405上には、第2の基板409が設けられている。
また、図4(B)に示すように、第1の電極402は、第1の駆動回路406に接続している。第2の電極405は、第2の駆動回路407に接続している。第1の電極402と第2の電極405とが交差した部分は、一対の電極間に、発光物質を含む層と、該発光物質を含む層に接する電子供給層と、を少なくとも挟んでなる本発明の発光素子410を構成している。そして、第1の駆動回路406及び第2の駆動回路407からの信号によって選択された本発明の発光素子が発光する。発光は、第1の電極402又は第2の電極405のいずれか一方又は両方を介して外部へ取り出される。そして、複数の発光素子410からの発光が組み合わさり、映像が映し出される。なお、図4(B)では、第1の電極402及び第2の電極405それぞれの配置をわかりやすくするために、隔壁層403及び第2の基板409について図示していないが、図4(A)に示されるように、実際には設けられている。
第1の電極402及び第2の電極405の構成は、上記実施の形態と同様に、さまざまな金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物を用いることができる。また、第1の基板401、第2の基板409の材質については特に限定はなく、ガラス基板等の他、プラスチック等の樹脂を用いた可撓性を有する基板を用いることができる。隔壁層403についても特に限定はなく、有機絶縁材料、無機絶縁材料、又は有機絶縁材料及び無機絶縁材料の混合材料等を用いて形成することができる。
また、層404は、異なる色の発光を呈する発光素子ごとに独立して設けられていてもよい。例えば、赤、緑、青のそれぞれを発光する発光素子ごとに、別々の層として層404を設けてもよい。このように、異なる色の発光を呈する発光素子ごとに層404を設けることで、多色表示が可能な表示装置を得ることができる。
本発明のように、発光物質を含む層に接して電子供給層を設けることで、発光効率が高く、低駆動電圧で動作する発光素子を得ることができる。したがって、本発明の発光素子を有することによって、表示装置を低消費電力で駆動させることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、画素部を構成する各画素にトランジスタ(TFT)及び本発明の発光素子を有し、トランジスタによって発光素子の駆動を制御するアクティブマトリクス型の表示装置について説明する。
本発明の発光素子を有するアクティブマトリクス型表示装置は、例えば図5に示すような回路構成とすることができる。以下、具体的に説明する。
図5(A)には、1つの画素に1つの発光素子508と、発光素子508のスイッチング素子として機能する1つのトランジスタ506(以下、スイッチング用TFT506とする)と、を含む場合の構成を示す。
スイッチング用TFT506のゲート電極は、ゲート線502に接続されている。また、スイッチング用TFT506のソース領域又はドレイン領域の一方はデータ線504に接続され、他方は発光素子508の一方の電極と電気的に接続されている。発光素子508の他方の電極は、一定の電圧(基準電圧)が維持された対向電源510と電気的に接続されている。
ゲート線502からは、スイッチング用TFT506をオン状態、或いはオフ状態とするための信号(直流電圧Vgate)が入力される。また、データ線504からは、発光素子508を駆動させるための信号(交流電圧または直流電圧Vsig)が入力される。ここで、データ線504に入力される信号が交流電圧の場合は、基準電圧よりも高い電圧(正の極性を有する電圧)と、基準電圧よりも低い電圧(負の極性を有する電圧)が、一定期間毎に交互に印加される。なお、ここでの階調表示は、Vsigの振幅の大きさを変えることにより行うことができる。
図5(B)には、1つの画素に1つの発光素子528と、発光素子528のスイッチング素子として機能するトランジスタ526(以下、スイッチング用TFT526とする)と、発光素子528を駆動させるために機能するトランジスタ530(以下、駆動用TFT530とする)と、を含む場合の構成を示す。
スイッチング用TFT526のゲート電極は、ゲート線522に接続されている。また、スイッチング用TFT526のソース領域又はドレイン領域の一方はデータ線524に接続され、他方は駆動用TFT530のゲート電極と電気的に接続されている。
駆動用TFT530のソース領域又はドレイン領域の一方は発光素子528の一方の電極に接続され、他方は電源供給線532と電気的に接続されている。また、発光素子528の他方の電極は、一定の電圧(基準電圧)が維持された対向電源534と電気的に接続されている。
ゲート線522からは、スイッチング用TFT526をオン状態、或いはオフ状態とするための信号(直流電圧Vgate)が入力される。データ線524からは、駆動用TFT530をオン状態、或いはオフ状態とするための信号(直流電圧Vsig)が入力される。また、電源供給線532からは、発光素子528を駆動させるための信号(交流電圧VEL)が入力される。ここで電源供給線532は、基準電圧よりも高い電圧(正の極性を有する電圧)と、基準電圧よりも低い電圧(負の極性を有する電圧)が、一定期間毎に交互に印加される。なお、ここでの階調表示は、Vsigの振幅の大きさを変えることにより行うことができる。
図5(C)には、1つの画素に1つの発光素子548と、発光素子548のスイッチング素子として機能するトランジスタ546(以下、スイッチング用TFT546とする)と、発光素子548を駆動させるために機能するトランジスタ550(以下、駆動用TFT550とする)と、駆動用TFT550のゲート電位を保持するための蓄積容量554と、を含む場合の構成を示す。
スイッチング用TFT546のゲート電極は、ゲート線542に接続されている。スイッチング用TFT546のソース領域又はドレイン領域の一方はデータ線544に接続され、他方は駆動用TFT550のゲート電極に電気的に接続されている。
駆動用TFT550のソース領域又はドレイン領域の一方は発光素子548の一方の電極に接続され、他方は電源供給線552と電気的に接続されている。また、発光素子528の他方の電極は、一定の電圧(基準電圧)が維持された対向電源556と電気的に接続されている。
また、蓄積容量554の一方の端子は駆動用TFT550のゲート電極に接続され、他方の端子は電源供給線552に接続されている。
ゲート線542からは、スイッチング用TFT546をオン状態、或いはオフ状態とするための信号(直流電圧Vgate)が入力される。データ線544からは、駆動用TFT550をオン状態、或いはオフ状態とするための信号(直流電圧Vsig)が入力される。また、電源供給線552からは、発光素子548を駆動させるための信号(直流電圧VEL)が入力される。なお、ここでの階調表示は、Vsigの振幅の大きさを変えることにより行うことができる。
なお、図5(B)、(C)の構成の違いは、蓄積容量の有無である。図5(C)で説明したような、本発明の発光素子548に電源供給線552を介して直流電圧を印加する場合には、発光素子548の駆動用TFT550のゲート電位を保持するために蓄積容量554が必要となる。一方、図5(B)で説明したような、本発明の発光素子528に電源供給線532を介して交流電圧を印加する場合において、交流周波数が1kHz前後で、通常のフレーム周波数60Hzよりも高い場合は、蓄積容量を付加して駆動用TFT530のゲート電位を保持する必要はない。
次に、図5(C)に示した回路構成を有するアクティブマトリクス型表示装置の画素部における詳細な構造について、図6を用いて説明する。なお、図6(A)には画素部の一部を示す上面図、図6(B)には図6(A)中の破線O−Pにおける断面図を示す。
図6(A)は、画素部の一部の拡大図であり、ゲート線602、データ線604、電源供給線612を有する。さらに、スイッチング用TFT606と、駆動用TFT610の2つのトランジスタと、蓄積容量614と、が設けられている。
スイッチング用TFT606は、半導体層620の一部と、ゲート線602の一部と、から構成されている。そして、ゲート線602と交差する部分の半導体層620が、スイッチング用TFT606のチャネル形成領域となる。また、半導体層620の一方の端部は配線616を介してデータ線604と電気的に接続され、他方の端部は配線617を介してゲート電極603と電気的に接続されている。
駆動用TFT610は、半導体層622の一部と、ゲート電極603の一部と、から構成されている。そして、ゲート電極603と交差する部分の半導体層622が、駆動用TFT610のチャネル形成領域となる。また、半導体層622の一方の端部は配線619を介して半導体層623と電気的に接続され、他方の端部は配線618を介して発光素子の一方の電極(第1の電極)と電気的に接続される。なお、図6(A)では、発光素子を省略している。
また、蓄積容量614は、半導体層623の一部と、ゲート電極603の一部と、から構成されている。また、半導体層623の一方の端部は上述したように配線619を介して半導体層622と電気的に接続され、他方の端部は、電源供給線612と電気的に接続される。
次に、図6(B)に示す断面構造について説明する。画素部には、基板630上に、スイッチング用TFT606、駆動用TFT610、及び発光素子646が設けられている。なお、画素部には図6(A)に示した蓄積容量614も設けられるが、ここでは図示しない。
発光素子646は、上記実施の形態で説明した本発明の発光素子であり、発光物質を含む層と、該発光物質を含む層に接する電子供給層と、を少なくとも含む。なお、発光素子646は、さらに発光物質を含む層に接する絶縁層を有していてもよい。または、発光物質を含む層の一方の面に接する電子供給層と、他方の面に接する正孔供給層とを有していてもよい。本実施の形態では、発光素子646は、第1の電極638と、電子供給層640と、発光物質を含む層642と、第2の電極644と、が順次積層された構造とする。第1の電極638は、配線618を介して駆動用TFT610と電気的に接続されている。
第1の絶縁層634上には、データ線604及び電源供給線612が設けられている。また、半導体層620の一方の端部は、配線617を介してゲート電極603と電気的に接続されている。半導体層620の他方の端部は、配線616を介してデータ線604と電気的に接続されている。
発光素子646の構成は、上記実施の形態に準ずる。すなわち、第1の電極638及び第2の電極644は、さまざまな金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物を用いることができる。発光物質を含む層642は、少なくとも母体材料と、不純物元素と、で構成される発光材料を含む。電子供給層640は、発光物質を含む層642に含まれる母体材料の仕事関数よりも小さい仕事関数の物質またはダイヤモンド、窒化アルミニウム(AlN)などの負の電子親和力をもつ物質を用いる。また、絶縁層を設ける場合は、無機絶縁材料、有機絶縁材料、又は無機絶縁材料と有機絶縁材料との混合材料等を用いる。さらに、発光物質を含む層の一方の面に接する電子供給層と、他方の面に接する正孔供給層とを設ける場合は、正孔供給層に、発光物質を含む層に含まれる母体材料の仕事関数よりも大きい仕事関数の物質を用いる。
基板630は、ガラス基板、石英基板やステンレス基板の一表面に絶縁層を形成したものを用いることができる。その他、後工程の処理温度に耐えうる耐熱性があるプラスチック(ポリイミド、アクリル、ポリエチレンテレフタラート、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエーテルスルホンなど)等も用いることができる。これら基板は必要に応じてCMP等により研磨してから使用することもできる。
ゲート線602、ゲート電極603は、特に限定されることはなく、さまざまな導電性材料を用いることができる。例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等の元素またはこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料のうち、いずれか1つ又は複数を単層又は積層して用いることができる。または、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶珪素に代表される半導体材料を用いることもできる。
配線616、配線617、配線618、データ線604及び電源供給線612についても、特に限定されることはなく、さまざまな導電性材料を用いることができる。但し、配線として機能するため、低抵抗材料を用いることが好ましい。例えば、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、カドミウム(Cd)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、バリウム(Ba)等の元素またはこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料のうち、いずれか1つ又は複数を単層又は積層して用いることができる。また、シリコン(Si)若しくはゲルマニウム(Ge)を主成分とする合金材料又は化合物材料を用いることができる。もちろん、前述の低抵抗材料と、シリコン若しくはゲルマニウムを主成分とする材料とを積層して用いることもできる。
ゲート絶縁層632は、酸化珪素、窒化珪素、または酸素及び窒素を含む珪素等の絶縁材料からなる単層又は積層を用いることができる。
半導体層620、半導体層622は、シリコン(Si)、シリコン・ゲルマニウム(SiGe)、ガリウム・ヒ素(GaAs)、酸化亜鉛(ZnO)等を主成分とする無機半導体材料を用いることができる。その他、ペンタセン、オリゴチオフェン等を主成分とする有機半導体材料を用いることもできる。
第1の絶縁層634、第2の絶縁層636は、有機絶縁材料、無機絶縁材料、又は有機絶縁材料及び無機絶縁材料の混合材料を用いることができる。無機絶縁材料は、酸化珪素、窒化珪素等を用いることができる。有機絶縁材料はポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド又はベンゾシクロブテン、シロキサン、ポリシラザン等を用いることができる。なお、シロキサン樹脂とは、Si−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。また、ポリシラザンは、シリコン(Si)と窒素(N)の結合を有するポリマー材料を出発原料として形成される。
本実施の形態のように、発光物質を含む層に接して電子供給層を設けた本発明の発光素子を有することによって、表示装置の消費電力を低減することができる。また、発光効率がよい発光素子を有するため、高画質化な表示装置を得ることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、図6(B)に示したアクティブマトリクス型表示装置の作製方法を、図7、図8を用いて説明する。
まず、基板630上に、第1の導電層をスパッタリング法、PVD法、CVD法、液滴吐出法、インクジェット法、印刷法等により形成する。第1の導電層の膜厚は、好ましくは100nm〜500nmの範囲で形成する。ここでは、ガラス基板630上に、スパッタリング法によりタングステン層を膜厚150nmで形成する。次いで、第1の導電層をフォトリソグラフィ法及びエッチング法で加工し、ゲート線602及びゲート電極603を形成する(図7(A))。ここで形成されるゲート線602の一部はスイッチング用TFT606のゲート電極として機能する。また、ゲート電極603の一部は駆動用TFT610のゲート電極として機能する。
次いで、ゲート線602及びゲート電極603上にゲート絶縁層632を、スパッタリング法、CVD法等により形成する。ゲート絶縁層632の膜厚は、好ましくは10nm〜500nmの範囲で形成する。ここでは、スパッタリング法により、酸化珪素層(SiO)を膜厚100nmで形成する(図7(B))。
次いで、ゲート絶縁層632上に、半導体層をスパッタリング法、CVD法等により形成する。半導体層の膜厚は、好ましくは100nm〜1000nmの範囲で形成する。ここでは、スパッタリング法により酸化亜鉛(ZnO)層を膜厚100nmで形成する。そして、半導体層を、フォトリソグラフィ法及びエッチング法で加工し、半導体層620、半導体層622を形成する(図7(C))。
次いで、ゲート絶縁層632に、フォトリソグラフィ法及びエッチング法を用いて、ゲート電極603に達するコンタクトホールを形成する。そして、半導体層620、622上に、第2の導電層をスパッタリング法、PVD法、CVD法、液滴吐出法、インクジェット法、印刷法等により形成する。第2の導電層の膜厚は、好ましくは100nm〜500nmの範囲で形成する。ここでは、スパッタリング法によりアルミニウムとチタンの合金層を膜厚200nmで形成する。そして、第2の導電層を、フォトリソグラフィ法及びエッチング法で加工し、配線616、617、618を形成する(図7(D))。このとき、半導体層620は、配線617を介して、ゲート電極603と電気的に接続される。
次いで、配線616、617、618上に第1の絶縁層634を、スパッタリング法、CVD法、塗布法等により形成する。第1の絶縁層634の膜厚は、好ましくは10nm〜500nmの範囲で形成する。ここでは、スパッタリング法により酸化珪素層を膜厚500nmで形成する。
次いで、第1の絶縁層634に、フォトリソグラフィ法及びエッチング法を用いて、配線616に達するコンタクトホールを形成する。そして、第1の絶縁層634上に、第3の導電層をスパッタリング法、PVD法、CVD法、液滴吐出法、インクジェット法、印刷法等により形成する。第3の導電層の膜厚は、好ましくは100nm〜500nmの範囲で形成する。ここでは、スパッタリング法によりアルミニウムとチタンの合金層を膜厚200nmで形成する。そして、第3の導電層を、フォトリソグラフィ法及びエッチング法で加工し、データ線604、電源供給線612を形成する(図8(A))。このとき、データ線604は、配線616を介して、半導体層620と電気的に接続される。
次いで、データ線604、電源供給線612、及び第1の絶縁層634上に、第2の絶縁層636をスパッタリング法、CVD法、塗布法等により形成する。第2の絶縁層636の膜厚は、平坦化させるために、好ましくは500nm〜1500nmの範囲で形成する。ここでは、スパッタリング法により酸化珪素層を膜厚1000nmで形成する(図8(B))。
次いで、第2の絶縁層636及び第1の絶縁層634に、フォトリソグラフィ法及びエッチング法を用いて、配線618に達するコンタクトホールを形成する。そして、第2の絶縁層636上に、第1の電極638を、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、ゾルーゲル法等により形成する。第1の電極638の膜厚は、好ましくは100nm〜500nmの範囲で形成する。ここでは、アルミニウムを用いて、スパッタリング法により膜厚200nmで形成する。このとき、第1の電極638は、配線618を介して半導体層622と電気的に接続される。
次いで、第1の電極638上に、電子供給層640を、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、ゾルーゲル法等により形成する。電子供給層640の膜厚は、好ましくは10nm〜500nmの範囲で形成する。ここでは、リチウムを用いて、真空蒸着法により膜厚200nmで形成する。
次いで、電子供給層640上に、発光物質を含む層642を形成する。なお、ここで形成する発光素子が薄膜型の場合は、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着(EB蒸着)法等の真空蒸着法、スパッタリング法等の物理気相成長法(PVD)、有機金属CVD法、ハイドライド輸送減圧CVD法等の化学気相成長法(CVD)、原子層エピタキシ法(ALE)等により形成する。また、分散型の場合は、液滴吐出法や、印刷法(スクリーン印刷やオフセット印刷など)、スピンコート法などの塗布法、ディッピング法、ディスペンサ法等により形成する。発光物質を含む層642の膜厚は、好ましくは100nm〜1000nmの範囲で形成する。ここでは、マンガンを0.5wt%含む硫化亜鉛(ZnS)を用いて、スパッタリング法により膜厚200nmで形成する。なお、このとき、含有させる不純物元素を変え、異なる色の発光を呈する発光物質を含む層を、メタルマスク等を用いて、それぞれ独立して形成してもよい。異なる色の発光を呈する発光物質を含む層を作り分けることで、多色表示が可能な表示装置を得ることができる。
次いで、発光物質を含む層642上に、第2の電極644を形成する。第2の電極644は、第1の電極638と同様に形成すればよい。ここでは、インジウム錫酸化物を用いて、スパッタリング法により膜厚50nmで形成する(図8(C))。
以上の工程で、発光素子646、スイッチング用TFT606、駆動用TFT610を含む表示装置を得ることができる。
本実施の形態のように、発光物質を含む層に接して電子供給層を設けた本発明の発光素子を有することによって、表示装置の消費電力を低減することができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、画素部に本発明の発光素子を有するアクティブマトリクス型の表示装置について、図9を用いて説明する。なお、本発明における表示装置は、本発明の発光素子に加えて発光素子を駆動する駆動回路等の制御手段を構成に含む。また、図9(A)には、表示装置の上面を示す模式図、図9(B)には図9(A)中の破線Q−Rにおける断面図を示す。
本実施の形態で説明する表示装置900は、基板901上に画素部902と、画素部902を駆動する駆動回路部904と、を有する。また、基板901の上方には、シール材910を介して封止基板908が設けられている。さらに、基板901上には、端子部906が設けられている。画素部902を構成する複数の素子の動作を制御する信号や電源電位は、端子部906を介して、外部から入力される。
画素部902には、本発明の発光素子930と、駆動用TFT924と、スイッチング用TFT922と、蓄積容量920と、が設けられている。本実施の形態の発光素子930は、第1の電極932と、電子供給層934と、発光物質を含む層936と、第2の電極938と、が順次積層された構造を有する。なお、発光素子930については、上記実施の形態に準ずるものとし、発光物質を含む層と、該発光物質を含む層に接する電子供給層と、を少なくとも含むものとする。したがって、発光素子930は、発光物質を含む層に接する絶縁層を有する構造でもよいし、発光物質を含む層の一方の面に接する電子供給層と、他方の面に接する正孔供給層とを有する構造でもよい。発光素子930の第1の電極932は、第1の絶縁層914及び第2の絶縁層916に設けられたコンタクトホールを介して、駆動用TFT924と電気的に接続される。また、駆動用TFT924、スイッチング用TFT922、及び蓄積容量920についても、上記実施の形態に準じる。
また、発光素子930の第1の電極932の端部は、隔壁層918で覆われている。隔壁層918は、酸化珪素、窒化珪素等の無機絶縁材料、アクリル、ポリイミド、等の有機絶縁材料、またはシロキサン等を用いて形成される。隔壁層918により、隣接して設けられる別の発光素子と分離することができる。なお、本実施の形態のように、丸みを帯びた形状のエッジを有する隔壁層918とすることで発光層を成膜時のカバレッジが良くなるため、発光素子の特性不良または劣化を低減させることができる。
駆動回路部904には、複数のトランジスタ926が設けられており、画素部902の動作を制御する駆動回路を構成する。画素部902の動作を制御する駆動回路部904には、例えば、シフトレジスタ、デコーダ、バッファ、サンプリング回路、ラッチ等が設けられる。
また、基板901と封止基板908とは、画素部902及び駆動回路部904が封じ込められるように、シール材910を介して貼り合わされている。また、封止基板908には、カラーフィルタ942と遮光層944とが設けられている。なお、本発明は特に限定されず、カラーフィルタ942又は遮光層944を設けなくともよい。また、基板901及び封止基板908は、特に限定されず、ガラス基板、プラスチック基板(ポリイミド、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン等)等を用いればよい。
さらに、基板901と封止基板908とで封止された内部948は、窒素、またはアルゴン等の不活性ガスで充填されていてもよいし、樹脂材料等によって充填されていてもよい。また、充填される樹脂材料には、乾燥剤が含まれていてもよい。なお、本発明を含む無機発光素子は水分による劣化に強いため、必ずしも発光素子上を封止する必要はない。
また、端子部906は、導電性接着剤952等を用いて配線950にフレキシブルプリント回路(Flexible Print Circuit、FPC)954が接続されている。
本実施の形態のように、発光物質を含む層に接して電子供給層を設けた本発明の発光素子を有することによって、表示装置の消費電力を低減することができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、実施の形態3乃至実施の形態6に示すいずれかの表示装置をその一部に含む本発明の電子機器について説明する。
本発明の発光素子を用いて作製された電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうる表示装置を備えた装置)などが挙げられる。これらの電子機器の具体例を図10に示す。
図10(A)は本発明に係るテレビ装置1400であり、筐体9101、支持台9102、表示部9103、スピーカー部9104、ビデオ入力端子9105等を含む。このテレビ装置において、表示部9103は、実施の形態1又は実施の形態2で説明したものと同様の発光素子をマトリクス状に配列して構成されている。当該発光素子は、発光効率が高く、駆動電圧が低いという特徴を有している。その発光素子で構成される表示部9103も同様の特徴を有する。よって、このテレビ装置は低消費電力化が図られているので、それにより住環境に適合した製品を提供することができる。
図10(B)は本発明に係るコンピュータであり、本体9201、筐体9202、表示部9203、キーボード9204、外部接続ポート9205、ポインティングマウス9206等を含む。このコンピュータにおいて、表示部9203は、実施の形態1又は実施の形態2で説明したものと同様の発光素子をマトリクス状に配列して構成されている。当該発光素子は、発光効率が高く、消費電力が低いという特徴を有している。その発光素子で構成される表示部9203も同様の特徴を有する。よって、このコンピュータは低消費電力化が図られているので、環境に適合した製品を提供することができる。
図10(C)は本発明に係る携帯電話であり、本体9401、筐体9402、表示部9403、音声入力部9404、音声出力部9405、操作キー9406、外部接続ポート9407、アンテナ9408等を含む。この携帯電話において、表示部9403は、実施の形態1又は実施の形態2で説明したものと同様の発光素子をマトリクス状に配列して構成されている。当該発光素子は、発光効率が高く、消費電力が低いという特徴を有している。その発光素子で構成される表示部9403も同様の特徴を有する。よって、この携帯電話は低消費電力化が図られているので、携帯に適した製品を提供することができる。
図10(D)は本発明に係るカメラであり、本体9501、表示部9502、筐体9503、外部接続ポート9504、リモコン受信部9505、受像部9506、バッテリー9507、音声入力部9508、操作キー9509、接眼部9510等を含む。このカメラにおいて、表示部9502は、実施の形態1又は実施の形態2で説明したものと同様の発光素子をマトリクス状に配列して構成されている。当該発光素子は、発光効率が高く、消費電力が低いという特徴を有している。その発光素子で構成される表示部9502も同様の特徴を有する。よって、このカメラは低消費電力化が図られているので、携帯に適した製品を提供することができる。
以上の様に、本発明の表示装置の適用範囲は極めて広く、この表示装置をあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。本発明の表示装置を用いることにより、消費電力の低い電子機器を提供することが可能となる。
また、本発明の表示装置は、発光効率の高い発光素子を有しており、照明装置として用いることもできる。本発明の発光素子を照明装置として用いる一態様を、図11を用いて説明する。
図11は、本発明の表示装置をバックライトとして用いた液晶表示装置の一例である。図11に示した液晶表示装置は、筐体5101、液晶層5102、バックライト5103、筐体5104を有し、液晶層5102は、ドライバIC5105と接続されている。また、バックライト5103は、本発明の表示装置が用いられおり、端子5106により、電流が供給されている。
本発明の表示装置を液晶表示装置のバックライトとして用いることにより、消費電力の低減されたバックライトが得られる。また、本発明の表示装置は、面発光の照明装置であり大面積化も可能であるため、バックライトの大面積化が可能であり、液晶表示装置の大面積化も可能になる。さらに、本発明の表示装置は薄型で低消費電力であるため、液晶表示装置の薄型化、低消費電力化も可能となる。
図12は音響再生装置の具体例としてカーオーディオを示しており、本体701、表示部702、操作スイッチ703、操作スイッチ704を含む。表示部702は実施の形態3の表示装置(パッシブ型)又は実施の形態4乃至6の表示装置(アクティブ型)で実現することができる。また、この表示部702はセグメント方式の表示装置で形成しても良い。いずれにしても、本発明に係る発光素子を用いることにより、消費電力の低い表示部を構成することができる。また、本実施の形態では車載用オーディオを示すが、携帯型や家庭用のオーディオ装置に用いても良い。
図13は、音響再生装置の一例としてデジタルプレーヤーを示している。図13に示すデジタルプレーヤーは、本体710、表示部711、メモリ部712、操作部713、イヤホン714等を含んでいる。なお、イヤホン714の代わりにヘッドホンや無線式イヤホンを用いることができる。表示部711として、実施の形態3の表示装置(パッシブ型)又は実施の形態4乃至6の表示装置(アクティブ型)で実現することができる。また、この表示部711はセグメント方式の表示装置で形成しても良い。いずれにしても、本発明に係る発光素子を用いることにより、消費電力の低い表示部を構成することができる。メモリ部712は、ハードディスクや不揮発性メモリを用いている。例えば、記録容量が20ギガバイト〜200ギガバイト(GB)のNAND型不揮発性メモリを用い、操作部713を操作することにより、映像や音声(音楽)を記録、再生することができる。なお、表示部702及び表示部711は黒色の背景に白色の文字を表示することで、さらに消費電力を抑えられる。これは携帯型のオーディオ装置において特に有効である。
以上の様に、本発明を適用して作製した表示装置の適用範囲は極めて広く、この表示装置をあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。本発明を適用することにより、消費電力の低い電子機器を得ることができる。
図14は、本発明を適用した表示装置を、室内の照明装置1401、1402として用いた例である。照明装置1401は天井に取り付け、照明装置1402は壁に埋め込んだ態様と示している。本発明の表示装置は大面積化が可能であるため、大面積の照明装置として用いることができる。また、本発明の表示装置は、消費電力が低いため、低消費電力化の照明装置として用いることが可能となる。このように、本発明を適用した表示装置を、室内の照明装置1401として用いた部屋に、図10(A)で説明したような、本発明に係るテレビ装置1400を設置して公共放送や映画を鑑賞することができる。このような場合、両装置は低消費電力であるので、電気料金を心配せずに、明るい部屋で迫力のある映像を鑑賞することができる。
照明装置としては、本実施の形態で示したものに限られず、住宅や公共施設の照明をはじめ、様々な形態の照明装置として応用することができる。このような場合において、本発明に係る照明装置は、発光媒体が薄膜状であるので、デザインの自由度が高いので、様々な意匠を凝らした商品を市場に提供することができる。
本発明の発光素子の一例を示す図。 本発明の発光素子の一例を示す図。 本発明の発光素子のキャリアの移動を説明する図。 本発明の表示装置の一例を示す図。 本発明の回路構成の例を示す図。 本発明の表示装置の一例を示す図。 本発明の表示装置の作製方法の一例を示す図。 本発明の表示装置の作製方法の一例を示す図。 本発明の表示装置の一例を示す図。 本発明の電子機器の一例を示す図。 本発明の電子機器の一例を示す図。 本発明の電子機器の一例を示す図。 本発明の電子機器の一例を示す図。 本発明の照明装置の一例を示す図。 従来の無機発光素子を示す図。
符号の説明
100 発光素子
102 第1の電極
104 電子供給層
106 発光物質を含む層
110 第2の電極
120 発光素子
122 電子供給層
124 正孔供給層
126 発光物質を含む層

Claims (17)

  1. 第1の電極と第2の電極との間に、発光物質を含む層と、前記発光物質を含む層と接する電子供給層と、を有し、
    前記発光物質を含む層は、硫化物、酸化物又は窒化物である母体材料と、不純物元素と、を少なくとも含み、
    前記電子供給層は、前記母体材料の仕事関数よりも小さい仕事関数の物質を含むことを特徴とする発光素子。
  2. 第1の電極と第2の電極との間に、発光物質を含む層と、前記発光物質を含む層の一方の面と接する電子供給層と、前記発光物質を含む層の他方の面と接する絶縁層と、を有し、
    前記発光物質を含む層は、硫化物、酸化物又は窒化物である母体材料と、不純物元素と、を少なくとも含み、
    前記電子供給層は、前記母体材料の仕事関数よりも小さい仕事関数の物質を含むことを特徴とする発光素子。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    前記不純物元素は、マンガン(Mn)、銅(Cu)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、ユウロピウム(Eu)、セリウム(Ce)又はプラセオジム(Pr)のいずれかであることを特徴とする発光素子。
  4. 第1の電極と第2の電極との間に、発光物質を含む層と、前記発光物質を含む層と接する電子供給層と、を有し、
    前記発光物質を含む層は、硫化物、酸化物又は窒化物である母体材料と、第1の不純物元素と、第2の不純物元素と、を少なくとも含み、
    前記電子供給層は、前記母体材料の仕事関数よりも小さい仕事関数の物質を含むことを特徴とする発光素子。
  5. 第1の電極と第2の電極との間に、発光物質を含む層と、前記発光物質を含む層の一方の面と接する電子供給層と、前記発光物質を含む層の他方の面と接する絶縁層と、を有し、
    前記発光物質を含む層は、硫化物、酸化物又は窒化物である母体材料と、第1の不純物元素と、第2の不純物元素と、を少なくとも含み、
    前記電子供給層は、前記母体材料の仕事関数よりも小さい仕事関数の物質を含むことを特徴とする発光素子。
  6. 第1の電極と第2の電極との間に、発光物質を含む層と、前記発光物質を含む層の一方の面と接する電子供給層と、前記発光物質を含む層の他方の面と接する正孔供給層と、を有し、
    前記発光物質を含む層は、硫化物、酸化物又は窒化物である母体材料と、第1の不純物元素と、第2の不純物元素と、を少なくとも含み、
    前記電子供給層は、前記母体材料の仕事関数よりも小さい仕事関数の物質を含み、
    前記正孔供給層は、前記母体材料の仕事関数よりも大きい仕事関数の物質を含むことを特徴とする発光素子。
  7. 請求項6において、
    前記正孔供給層は、仕事関数が4.5eV以上の物質であることを特徴とする発光素子。
  8. 請求項6において、
    前記正孔供給層は、ベリリウム(Be)、ホウ素(B)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、銅(Cu)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)、タングステン(W)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、セレン(Se)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)などの元素または前記元素の化合物のうち、いずれか1つ又は複数であることを特徴とする発光素子。
  9. 請求項4乃至請求項8のいずれか一において、
    前記第1の不純物元素は、フッ素(F)、塩素(Cl)又はアルミニウム(Al)であることを特徴とする発光素子。
  10. 請求項4乃至請求項9のいずれか一において、
    前記第2の不純物元素は、銅(Cu)又は銀(Ag)であることを特徴とする発光素子。
  11. 請求項4乃至請求項10のいずれか一において、
    前記発光物質を含む層は、さらに第3の不純物元素としてマンガン(Mn)を含むことを特徴とする発光素子。
  12. 請求項1乃至請求項11のいずれか一において、
    前記発光物質を含む層が含む母体材料は、硫化亜鉛(ZnS)、硫化カドミウム(CdS)、硫化カルシウム(CaS)、硫化イットリウム(Y)、硫化ガリウム(Ga)、硫化ストロンチウム(SrS)、硫化バリウム(BaS)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化イットリウム(Y)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、CaGa、SrGa、BaGa、BaAl、CaAl、SrCaYのいずれかであることを特徴とする発光素子。
  13. 請求項1乃至請求項12のいずれか一において、
    前記電子供給層は、仕事関数が4eV以下の物質であることを特徴とする発光素子。
  14. 請求1乃至請求項12のいずれか一において、
    前記電子供給層は、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、セシウム(Cs)等のアルカリ金属、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)等のアルカリ土類金属元素、スカンジウム(Sc)、ヒ素(As)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ハフニウム(Hf)等の元素または前記元素の化合物のうち、いずれか1つ又は複数であることを特徴とする発光素子。
  15. 請求項1乃至請求項12のいずれか一において、
    前記電子供給層は、ダイヤモンド又は窒化アルミニウム(AlN)などの負の電子親和力をもつ物質であることを特徴とする発光素子。
  16. 請求項1乃至請求項15のいずれか一に記載の前記発光素子を有することを特徴とする表示装置。
  17. 請求項1乃至請求項15のいずれか一に記載の前記発光素子を表示部に有することを特徴とする電子機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2016136475A1 (ja) * 2015-02-27 2016-09-01 株式会社村田製作所 窒化インジウム圧電薄膜及びその製造方法、並びに圧電素子

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