JP2007298344A - 標的物質検出装置、標的物質検出用素子、および標的物質検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】検出領域からの光を効率よく受光して標的物質の検出精度と検出効率を高め、しかも光学系を損傷するおそれが小さく、低コストの標的物質検出装置を提供する。
【解決手段】検体中の標的物質を検出する装置が、検体が供給される基体104と、基体104に供給された検体中の標的物質によって生じる光学的な特性変化を検出する分光光度計102と、基体104と分光光度計102の間に位置するウェル113を有する。このウェル113には、屈折率が1よりも大きい媒質である水107が注入される。基体104の検出領域110からの光112は、空気ではなく高屈折率の水107を介して分光光度計102に受光される。
【選択図】図1
【解決手段】検体中の標的物質を検出する装置が、検体が供給される基体104と、基体104に供給された検体中の標的物質によって生じる光学的な特性変化を検出する分光光度計102と、基体104と分光光度計102の間に位置するウェル113を有する。このウェル113には、屈折率が1よりも大きい媒質である水107が注入される。基体104の検出領域110からの光112は、空気ではなく高屈折率の水107を介して分光光度計102に受光される。
【選択図】図1
Description
本発明は、検体中の標的物質を検出するための検出装置、検出用素子、および検出方法に関する。
従来、様々な分野において、検体中の特定の物質の有無やその物質の量または状態などを調べることが望まれる状況がある。例えば、血液などの体液を検体として、その検体中の特定の物質(例えばウイルス、環境ホルモン、抗原または抗体、DNA等)を検出して、身体の異常や病気の発見を行う場合がある。また、水を検体として用い、その中に含まれている汚染物質を検出して、環境汚染の程度を調べる場合などがある。特に、近年では、健康問題、環境問題、様々な物質の安全性の問題等に対する一般の意識が高まっており、これらの問題に関与する生体物質または化学物質の微量検出技術が求められている。
しかし、これらの物質(以下「標的物質」と言う)が含まれている検体の採取量は限られている場合が多く、かつ、標的物質は、様々な物質が複雑に混在した検体中に微量しか含まれていないことが多い。したがって、信頼度の高い分析結果を正確に得るために、標的物質の検出は、高い精度で感度良く、しかも再現性良く行われることが要求されている。
また、ヒトの健康問題に関連する臨床検査機器においては、検体の採取から検出結果を得るまでの時間、いわゆるターン・アラウンド・タイム(Turn Around Time)を短縮することが強く求められている。そこで、検出時間を短縮し、微量の検体の分析を行うために、小型化および集積化された検出用素子であるマイクロ流路チップ、いわゆるμ−TAS(Micro-Total Analysis System)の研究が盛んに行なわれている。
特許文献1には、マイクロ流路中の検出領域において蛍光や散乱光を発生させるための照射光を集光する手段として、マイクロ流路を構成する流通部に対向する位置に集光レンズ等の光学機能部が形成された構成が開示されている。
特許文献2には、マイクロ流路中の検出領域を透過した透過光の光量変化を、感度良く、かつノイズの影響を小さくして検出するために、マイクロ流路チップと透過光を受光する受光部との間に絞り部材を有する透過光検出装置が開示されている。
特許第02832117号公報
特開2003−207454号公報
しかし、前記した従来の装置では、光学窓を有するマイクロ流路チップの検出領域と受光部との光軸調整が困難であり、高精度の光学調整を行うためには、構成が複雑でマイクロ流路チップの厚さ方向に大きな調整機構が必要である。そこで、検出領域からの光を効率よく受光して検出精度および検出効率を高めるために、マイクロ流路チップと受光器とを密着させて配置することが考えられる。しかし、この場合、受光器を損傷してしまう可能性があるため、受光器の再利用回数に限界がある。
さらに、特許文献1に記載の発明では集光レンズを一体的に備えたマイクロ流路チップを作製することが、特許文献2に記載の発明では絞り部材を作製することが、それぞれコスト高の要因になっている。
本発明の目的は、検出領域からの光を効率よく受光して標的物質の検出精度と検出効率を高め、光学系を損傷するおそれが小さい、低コストの標的物質検出装置および標的物質検出用素子と、標的物質検出方法を提供することにある。
本発明の標的物質検出装置は、検体中の標的物質を検出する装置であって、検体が供給される基体と、基体に供給された検体中の標的物質によって生じる光学的な特性変化を検出する光学系と、基体と光学系の間に屈折率が1よりも大きい媒質を介在させる手段とを有することを特徴とする。
また、本発明の標的物質検出方法は、検体中の標的物質を検出する方法であって、基体に検体を供給する工程と、基体と、基体に対向して配置されている光学系との間に、屈折率が1よりも大きい媒質を供給する工程と、光学系が媒質を透過した光を受光することによって、検体中の標的物質によって生じる光学的な特性変化を検出する工程とを含むことを特徴とする。
本発明によると、基体から光学系までの間に、空気ではなく、屈折率が1よりも大きい媒質が介在しているため、屈折率差が減少して開口度が大きくなる。従って、基体と媒質との界面における屈折による光の広がりが小さくなる。その結果、基体からの光を効率よく光学系で受光することができ、低コストで高感度の標的物質検出が行なえる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(標的物質検出装置)
まず、本発明の標的物質検出装置の概略構成について説明する。図1に示す本発明の標的物質検出装置は、主に、基体104およびウェル113からなる標的物質検出用素子(マイクロ流路チップ)114と、光学系102を含む。基体104は、検体(試料)が供給され、この検体中に標的物質が存在する場合に光学的な特性変化を生じさせることができる検出領域110を有する。検体が流体である場合には、基体104は、この検体を流すことができる流路103を有し、この流路103中に検出領域110が設けられている。流路103は、基体104に微小溝として加工されていてもよく、図示しないがキャピラリ構造をとっていてもよい。図1に示す例では、流路103の両端には流入口105および流出口106が設けられている。
まず、本発明の標的物質検出装置の概略構成について説明する。図1に示す本発明の標的物質検出装置は、主に、基体104およびウェル113からなる標的物質検出用素子(マイクロ流路チップ)114と、光学系102を含む。基体104は、検体(試料)が供給され、この検体中に標的物質が存在する場合に光学的な特性変化を生じさせることができる検出領域110を有する。検体が流体である場合には、基体104は、この検体を流すことができる流路103を有し、この流路103中に検出領域110が設けられている。流路103は、基体104に微小溝として加工されていてもよく、図示しないがキャピラリ構造をとっていてもよい。図1に示す例では、流路103の両端には流入口105および流出口106が設けられている。
基体104を構成する材料としては、ガラス、石英ガラス、シリコンなどの無機材料や、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、PDMS(ポリジメチルシロキサン)などの樹脂が挙げられる。これらの材料からなる板材に微小溝を形成し、積層して接合することによって基体104を形成することができる。また、他の例として、ガラス、ポリイミド、ヒューズドシリカ等をキャピラリとして加工したものを、基体として用いることもできる。さらに、基体104の材料は、標的検出に用いられる光に対する透過性を有することが好ましい。ただし、基体104は、前記した材料からなるものに限られず、流路103の形成が可能で、標的検出のための光を阻害しなければ、いかなる材料から形成されていてもよい。
流路103中の検出領域110は、流路壁に標的物質を捕捉するための物質(標的物質捕捉体)が固定化された領域であってもよいが、標的物質捕捉体は固定化されておらず、流路壁自体が捕捉機能を有していてもよい。
基体104に一体的に形成されたウェル113の中に、媒質107が保持されている。ウェル113は、検出領域110と対向する位置に設けられている。図1に示す例では、ウェル113には、媒質を導入する流入路108と媒質を排出する流出路109が設けられている。ウェル113は、基体104と後述する光学系102との間に媒質107を保持するものである。
前記した通り、基体104は、流路103の検出領域110(検体が供給される領域)とウェル113の間の少なくとも一部分が透光性を有していればよい。その場合、透光性の部分の延長上に光学系102が配置される。
媒質107は、標的物質の検出に用いられる光の波長帯において屈折率が1よりも大きい物質であり、標的物質の検出に用いられる光を透過するものであれば、固体、液体、気体など、いかなるものであってもよい。好ましくは、検出工程前にウェル113内への導入が容易な流体であり、例えば水であってもよい。なお、媒質107は、ウェル113内へ導入する際に液体であり、また、標的物質を検出する際に、媒質の屈折率が1より大きければよく、それ以外の工程においては相転移していてもよい。
光学系102は、基体104の検出領域110からの光を受光する受光器を含む一連の装置である。すなわち、光学系102は、主に、検出領域110にて発生した光、透過光、反射光、または散乱光を受光する受光器と、検出領域110において光を発生、透過、反射、または散乱させるために光を照射する光源を含む。ただし、検出領域において光を発生させるために励起光を必要としない場合には、光源は不要である。
受光器は、検出に利用される光学的な特性変化に合わせて選択する必要がある。例えば、検出光の強度変化を検出する場合には、受光器としてフォトダイオードや光電子増倍管(PMT)などを用いることが好ましい。スペクトルの変化を検出する場合には、分光器を用いることが好ましい。なお、図1に示す例では、光学系102は受光器である分光光度計を含む。そして、基体1の図面下側、すなわちウェル113と反対側に、もう1つの光学系101として、光源であるキセノンフラッシュランプが設けられている。また、図1において、検出領域110から発光される光を光学系102で受光する場合は、必ずしも光学系101の光源を用いる必要はない。
本実施形態の標的物質検出装置は、以上説明したような構成であり、検体が流入口105から流路103内に供給される。検体内に標的物質が存在している場合には、検体が流出口106から排出されたとしても、検出領域110において標的物質が捕捉されて残留する。
一方、屈折率が1よりも大きい媒質である水107が、流入路108からウェル113に導入される。そして、基体104の検出領域110の位置と光学系である分光光度計102の受光面との間に、水107のみが存在する状態にする。そこで、もう1つの光学系であるキセノンフラッシュランプ101から検出領域110に光111を照射する。この光111を受けて、検出領域110内の標的物質が光学的な特性変化を生じさせる。そして、光学系である分光光度計102が、検出領域110から水107を介して進行してきた光112を受光し、光学的な特性変化を検知する。それによって、標的物質の検出が行える。
本発明によると、基体104と受光器である分光光度計102との間に、空気ではなく、屈折率が1よりも大きい水107が介在しているため、基体104と水107の界面における屈折による光の広がりが小さい。従って、検出領域110からの光を効率よく受光することができ、標的物質を精度良く検出することができる。
(標的物質/標的物質捕捉体)
本発明における標的物質と、それを捕捉するための標的物質捕捉体について説明する。
本発明における標的物質と、それを捕捉するための標的物質捕捉体について説明する。
標的物質は非生体物質と生体物質に大別される。非生体物質のうち、一般に検出する価値があると考えられるものとして、環境汚染物質としての塩素置換数/位置の異なるPCB類および塩素置換数/位置の異なるダイオキシン類や、環境ホルモンと呼ばれる内分泌撹乱物質等が挙げられる。このうち、環境ホルモンの例を以下に列記する。
ヘキサクロロベンゼン、ペンタクロロフェノール、2,4,5−トリクロロ酢酸、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸、アミトロール、アトラジン、アラクロール、ヘキサクロロシクロヘキサン、エチルパラチオン、クロルデン、オキシクロルデン、ノナクロル、1,2−ジブロモ−3−クロロプロパン、DDT、ケルセン、アルドリン、エンドリン、ディルドリン、エンドスルファン(ベンゾエピン)、ヘプタクロル、ヘプタクロルエポキサイド、マラチオン、メソミル、メトキシクロル、マイレックス、ニトロフェン、トキサフェン、トリフルラリン、アルキルフェノール(炭素数5〜9)、ノニルフェノール、オクチノニルフェノール、4−オクチルフェノール、ビスフェノールA、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ジエチル、ベンゾ(a)ピレン、2,4ージクロロフェノール、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、ベンゾフェノン、4−ニトロトルエン、オクタクロロスチレン、アルディカーブ、ベノミル、キーポン(クロルデコン)、マンゼブ(マンコゼブ)、マンネブ、メチラム、メトリブジン、シペルメトリン、エスフェンバレレート、フェンバレレート、ペルメトリン、ビンクロゾリン、ジネブ、ジラム、フタル酸ジペンチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジプロピル。
標的物質となる生体物質としては、核酸、タンパク質、糖鎖、脂質、およびそれらの複合体から選択される生体物質が含まれ、核酸、タンパク質、糖鎖、脂質から選択される生体分子を含むものである。具体的には、以下に列記する物質のうちのいずれかを含むものが、本発明における検出対象である標的物質として用いられる。すなわち、それらの物質は、DNA、RNA、アプタマー、遺伝子、染色体、細胞膜、ウイルス、抗原、抗体、レクチン、ハプテン、ホルモン、レセプタ、酵素、ペプチド、スフィンゴ糖、スフィンゴ脂質である。また、前記した生体物質を産生する細菌や細胞そのものも、本発明の検出対象である標的物質となり得る。
具体的には、タンパク質として、いわゆる疾病マーカーが挙げられる。疾病マーカーの例を以下に列記する。
胎児期に肝細胞で産生され胎児血中に存在する酸性糖蛋白であり、肝細胞癌(原発性肝癌)、肝芽腫、転移性肝癌、ヨークサック腫瘍のマーカーとなるα−フェトプロテイン(AFP)。肝実質障害時に出現する異常プロトロンビンであり、肝細胞癌で特異的に出現することが確認されるPIVKA−II。免疫組織化学的に乳癌特異抗原である糖蛋白で、原発性進行乳癌、再発・転移乳癌のマーカーとなるBCA225。ヒト胎児の血清、腸、および脳組織抽出液に発見された塩基性胎児蛋白であり、卵巣癌、睾丸腫瘍、前立腺癌、膵癌、胆道癌、肝細胞癌、腎臓癌、肺癌、胃癌、膀胱癌、大腸癌のマーカーである塩基性フェトプロテイン(BFP)。進行乳癌、再発乳癌、原発性乳癌、卵巣癌のマーカーとなる糖鎖抗原であるCA15−3。膵癌、胆道癌、胃癌、肝癌、大腸癌、卵巣癌のマーカーとなる糖鎖抗原であるCA19−9。卵巣癌、乳癌、結腸・直腸癌、胃癌、膵癌のマーカーとなる糖鎖抗原であるCA72−4。卵巣癌(特に漿液性嚢胞腺癌)、子宮体部腺癌、卵管癌、子宮頸部腺癌、膵癌、肺癌、大腸癌のマーカーとなる糖鎖抗原であるCA125。上皮性卵巣癌、卵管癌、肺癌、肝細胞癌、膵癌マーカーとなる糖蛋白であるCA130。卵巣癌(特に漿液性嚢胞腺癌)、子宮体部腺癌、子宮頸部腺癌のマーカーとなるコア蛋白抗原であるCA602。卵巣癌(特に粘液性嚢胞腺癌)、子宮頸部腺癌、子宮体部腺癌のマーカーとなる母核糖鎖関連抗原であるCA54/61(CA546)。大腸癌、胃癌、直腸癌、胆道癌、膵癌、肺癌、乳癌、子宮癌、尿路系癌等の腫瘍関連のマーカー抗原として、現在、癌診断の補助に最も広く利用されている癌胎児性抗原(CEA)。膵癌、胆道癌、肝細胞癌、胃癌、卵巣癌、大腸癌のマーカーとなる糖鎖抗原であるDUPAN−2。膵臓に存在し、結合組織の弾性線維エラスチン(動脈壁や腱などを構成する)を特異的に加水分解する膵外分泌蛋白分解酵素であり、膵癌、膵嚢癌、胆道癌のマーカーとなるエラスターゼ1。ヒト癌患者の腹水や血清中に高濃度に存在する糖蛋白であり、肺癌、白血病、食道癌、膵癌、卵巣癌、腎癌、胆管癌、胃癌、膀胱癌、大腸癌、甲状腺癌、悪性リンパ腫のマーカーとなる免疫抑制酸性蛋白(IAP)。膵癌、胆道癌、乳癌、大腸癌、肝細胞癌、肺腺癌、胃癌のマーカーとなる糖鎖抗原であるNCC−ST−439。前立腺癌のマーカーとなる糖蛋白質であるγ−セミノプロテイン(γ−Sm)。ヒト前立腺組織から抽出された糖蛋白であり、前立腺組織のみに存在し、それゆえ前立腺癌のマーカーとなる前立腺特異抗原(PSA)。前立腺から分泌される酸性pH下でリン酸エステルを水解する酵素であり、前立腺癌の腫瘍マーカーとして用いられる前立腺酸性フォスファターゼ(PAP)。神経組織及び神経内分泌細胞に特異的に存在する解糖系酵素であり、肺癌(特に肺小細胞癌)、神経芽細胞腫、神経系腫瘍、膵小島癌、食道小細胞癌、胃癌、腎臓癌、乳癌のマーカーとなる神経特異エノラーゼ(NSE)。子宮頸部扁平上皮癌の肝転移巣から抽出・精製された蛋白質であり、子宮癌(頸部扁平上皮癌)、肺癌、食道癌、頭頸部癌、皮膚癌のマーカーとなる扁平上皮癌関連抗原(SCC抗原)。肺腺癌、食道癌、胃癌、大腸癌、直腸癌、膵癌、卵巣癌、子宮癌のマーカーとなる糖鎖抗原であるシアリルLeX−i抗原(SLX)。膵癌、胆道癌、肝癌、胃癌、大腸癌のマーカーとなる糖鎖抗原であるSPan−1。食道癌、胃癌、直腸・結腸癌、乳癌、肝細胞癌、胆道癌、膵癌、肺癌、子宮癌のマーカーで、他の腫瘍マーカーと組み合わせて進行癌を推測し、再発予知・治療経過観察として有用な単鎖ポリペプチドである組織ポリペプタイド抗原(TPA)。卵巣癌、転移性卵巣癌、胃癌、大腸癌、胆道系癌、膵癌、肺癌のマーカーとなる母核糖鎖抗原であるシアリルTn抗原(STN)。肺の非小細胞癌、特に肺の扁平上皮癌の検出に有効な腫瘍マーカーであるシフラ(cytokeratin;CYFRA)。胃液中に分泌される蛋白消化酵素であるペプシンの2種(PG I・PG II )の不活性型前駆体であり、胃潰瘍(特に低位胃潰瘍)、十二指腸潰瘍(特に再発、難治例)。ブルンネル腺腫、ゾーリンガーエリソン症候群、急性胃炎のマーカーとなるペプシノゲン(PG)。組織障害や感染により、血漿中で変化する急性相反応蛋白であり、急性心筋梗塞等により心筋に壊死が起こると、高値を示すC−反応性蛋白(CRP)。組織障害や感染により、血漿中で変化する急性相反応蛋白である血清アミロイドA蛋白(SAA)。主に心筋や骨格筋に存在する分子量約17500のヘム蛋白であり、急性心筋梗塞、筋ジストロフィー、多発性筋炎、皮膚筋炎のマーカーとなるミオグロビン。骨格筋、心筋の可溶性分画を中心に存在し、細胞の損傷によって血液中に遊出する酵素であって、急性心筋梗塞、甲状腺機能低下症、進行性筋ジストロフィー症、多発性筋炎のマーカーとなるクレアチンキナーゼ(CK)。骨格筋由来のCK−MM型、脳、平滑筋由来のCK−BB型、心筋由来のCK−MB型の3種のアイソザイムおよびミトコンドリア・アイソザイムや免疫グロブリンとの結合型CK(マクロCK)。横紋筋の薄いフィラメント上でトロポニンI,Cとともにトロポニン複合体を形成し、筋収縮の調節に関与している分子量39,000の蛋白であり、横紋筋融解症、心筋炎、心筋梗塞、腎不全のマーカーとなるトロポニンT。骨格筋、心筋いずれの細胞にも含まれる蛋白であり、測定結果の上昇は骨格筋、心筋の障害や壊死を意味するため、急性心筋梗塞症、筋ジストロフィー、腎不全のマーカーとなる心室筋ミオシン軽鎖I。近年、ストレスマーカーとして注目されてきているクロモグラニンA、チオレドキシン、8−OHdG、コルチゾール等。
また、本発明における標的物質捕捉体の一種である「抗体」とは、自然界の生物体内で産生される、あるいは遺伝子組み替え技術、タンパク工学技術、有機反応等により全体的または部分的に合成された免疫グロブリンを意味する。さらに、特異的結合能を保持するその全ての誘導体もまた、本発明における標的物質捕捉体の一種である抗体に含まれる。また、抗体は、免疫グロブリンの結合ドメインに相同か、または高度に相同な結合ドメインを有する任意のタンパク質を含む(キメラ抗体およびヒト化抗体を含む)。これらの抗体あるいは免疫グロブリンは、自然界の生物体内で産生される、あるいは全体的または部分的に合成され修飾される。
抗体または免疫グロブリンは、標的物質に対して特異的なモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体であってもよい。
抗体または免疫グロブリンは、任意の免疫グロブリンクラスのメンバーであってもよく、任意のヒトのクラス(IgG、IgM、IgA、IgD、およびIgE)を含み、本発明においては、IgGクラスの誘導体がより好ましい。
本発明における抗体フラグメントあるいは抗体断片とは、前記した抗体または免疫グロブリンの全長に満たない、抗体の任意の分子または複合体である。好ましくは、抗体フラグメントは、少なくとも、全長抗体の特異的結合能力の重要な部分を保持する。抗体フラグメントの例としては、Fab、Fab’、F(ab’)2、scFv、Fv、ディアボディー、およびFdフラグメントが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
抗体フラグメントは、任意の手段によって産生され得る。例えば、抗体フラグメントは、酵素的または化学的に、インタクトな抗体のフラグメント化によって産生可能であるか、または、部分抗体配列をコードする遺伝子より組換え的に産生可能である。あるいは、抗体フラグメントは、全体的にまたは部分的に合成的に産生可能である。抗体フラグメントは、必要に応じて、一本鎖抗体フラグメントであってもよい。あるいは、抗体フラグメントは、例えば、ジスルフィド(−S−S−)結合によって連結される複数の鎖を含んでいてもよい。また、抗体フラグメントは、必要に応じて、複数の分子の複合体であってもよい。機能的な抗体フラグメントは、代表的には、少なくとも約50のアミノ酸を含み、より代表的には、少なくとも約200のアミノ酸を含む。
本発明における可変ドメインは、標的物質(抗原)の種類により特異的な結合/捕捉機能を発揮するために、抗原毎に異なるアミノ酸配列部分を有する、免疫グロブリンの先端のドメインであり、通常「Fv」と記される。
前記したFvは、「重鎖の可変ドメイン(以下「VH」と記す場合もある)」、及び「軽鎖の可変ドメイン(以下「VL」と記す場合もある)」からなる。免疫グロブリンは、通常、VHドメインとVLドメインをそれぞれ2つずつ含む。
本発明における「免疫グロブリン重鎖または軽鎖の可変ドメインの機能部分(以下「機能部分」と記す場合もある)」は、前記した可変ドメインのなかで標的物質(抗原)との間の特異性を実際に担っている部分である。機能部分は、学術的に超可変領域(CDR:complementarity determining region)と呼ばれる部分であり、特に、その中でも標的物質(抗原)との間の特異性を実際に担っている部分という意味において用いられることもある。
これらの標的物質と捕捉体との相互作用は、本発明の装置によって、結合前後の物理的変化量または化学的変化量が検出可能であれば、いかなる相互作用であってもよく、以下に列記するような相互作用であるのが好ましい。すなわち、抗原−抗体反応、抗原−アプタマー(特定構造を有するRNA断片)相互作用、リガンド−レセプタ相互作用、DNAハイブリダイゼーション、DNA−タンパク質(転写因子等)相互作用、レクチン−糖鎖相互作用等である。
以下、本発明の実施例について、より詳細かつ具体的に説明する。ただし、これらの実施例は、本発明の範囲をなんら限定するものではない。
(実施例1)
本実施例は、図1に示す標的物質検出装置を用いており、その基本構成は前記したとおりである。本実施例では、光源であるキセノンフラッシュランプ101と受光器である分光光度計102がマイクロ流路チップ114を挟んで対向する位置関係であり、検出領域110を通る透過光および散乱光が分光光度計102で検出される。流路103を構成する基体104は、媒質である水107を保持するウェル(水槽)113も形成している。
本実施例は、図1に示す標的物質検出装置を用いており、その基本構成は前記したとおりである。本実施例では、光源であるキセノンフラッシュランプ101と受光器である分光光度計102がマイクロ流路チップ114を挟んで対向する位置関係であり、検出領域110を通る透過光および散乱光が分光光度計102で検出される。流路103を構成する基体104は、媒質である水107を保持するウェル(水槽)113も形成している。
<検出領域の作製方法>
本実施例では、流路103中の検出領域110に、標的物質検出に必要である、標的物質捕捉体を吸着させるための金微粒子(田中貴金属工業社製)が固定化されている。まず、金微粒子を固定化する方法について説明する。
本実施例では、流路103中の検出領域110に、標的物質検出に必要である、標的物質捕捉体を吸着させるための金微粒子(田中貴金属工業社製)が固定化されている。まず、金微粒子を固定化する方法について説明する。
金微粒子を固定化するために、流路103を構成する基体104の表面に、アミノ基(−NH2)を露出させておく。なお、本実施例では、マイクロ流路チップ114の基部となる基体104は、アミノシランコートスライドグラス(松浪硝子工業社製)によって形成されている。流路103のうち、検出領域110にすべき部分を除いて、ポリジメチルシロキサン(PDMS)からなるマスクで覆った状態で基体104に部分的に金微粒子を固定化させる。こうして、マイクロ流路チップ114を形成する前の段階で、基体104に形成された、流路103となる溝の一部(検出領域110となる部分)の壁面に、金微粒子を固定化させる。
続いて、金微粒子上に、標的物質捕捉体として抗体を固定化する。抗体の固定化にあたって、金と親和性の高いチオール基を持つ、11−Mercaptoundecanoic acid(11−MUA)のエタノール溶液で金微粒子を表面修飾する。この際に、検出領域110についてのみ、スポッタ等を用いて規定量の溶液を滴下する。これにより、金微粒子の表面にカルボキシル基が露出する。その状態で、N−Hydroxysulfosuccinimide(Sulfo−NHS)水溶液と1−Ethyl−3−[3−dimethylamino]propyl]carbodiimide hydrochloride水溶液(いずれも同仁化学研究所社製)をスポッタにて検出領域110に滴下する。これにより、金微粒子の表面にスクシンイミド基が露出する。続いて、固定化する抗体として、標的物質に特異的なウサギ抗マウスIgG抗体/トリス−塩酸緩衝液(pH8.0)を、検出領域110に滴下する。金微粒子の表面上に配置されたスクシンイミド基と、ウサギ抗マウスIgG抗体のアミノ基とを反応させることにより、ウサギ抗マウスIgG抗体を金微粒子の表面上に固定化する。
なお、ここでは、1種類の抗体のみを固定化する方法を記載したが、検出領域110内に、異なる抗体が固定化された複数の部分を設けてもよい。その場合、検出領域110内の固定化処理を行う部分以外の部分を全てマスクして固定化処理を行い、他の部分の固定化処理を行う際には、マスクする位置を変え、抗体を変えて同様の処理を繰り返す。こうして、複数の抗体が固定化された検出領域110が作製できる。
<検出方法>
以上説明したように作製された検出領域110を用いて、標的物質を検出する方法について説明する。図2に、この標的物質検出装置のブロック図を示している。簡略化のために、検出領域110内には1種類の抗体のみが固定化されている構成に関して説明する。
以上説明したように作製された検出領域110を用いて、標的物質を検出する方法について説明する。図2に、この標的物質検出装置のブロック図を示している。簡略化のために、検出領域110内には1種類の抗体のみが固定化されている構成に関して説明する。
本実施例の標的物質検出装置は、図1に示すのと同様のマイクロ流路チップ114(図2には簡略化して図示)と、受光器である分光光度計102と、光源であるキセノンフラッシュランプ101を有している。マイクロ流路チップ114の流路103中には、前記したとおり検出領域110が作製されている。さらに、流路103の流入口105に接続され、検体を導入するための送液ポンプA206と、流路103の流出口106に接続された廃液リザーバA201が設けられている。また、ウェル113の流入路108に接続され、水107を導入するための送液ポンプB207と、ウェル113の流出路109に接続された廃液リザーバB202が設けられている。さらに、基体104と分光光度計102を同時に動作させるための駆動ユニット208と、標的物質検出装置全体を制御するための中央演算装置209と、検出結果を表示するための表示ユニット210を有している。
まず、分光光度計102とキセノンフラッシュランプ101の光軸上に検出領域110が位置するように、駆動ユニット208がマイクロ流路チップ114の位置を調整する。この時に、キセノンフラッシュランプ101および分光光度計102を用いて、反応前の検出領域110内のスペクトルを測定しておく。その後に、送液ポンプA206を駆動して、既定量の検体を流入口105から流路103内に供給する。すると、流路103内の検出領域110において、検体中の標的物質と検出領域110の流路壁に固定化された抗原との抗原抗体反応により、標的物質が抗体を介して金微粒子に捕捉される。その後、送液ポンプB207を駆動して、流入路108からウェル113内に水107を供給し、マイクロ流路チップ114と分光光度計102の間を水107で満たす。
そこで、キセノンフラッシュランプ101から検出領域110に光111を投射し、検出領域110を通過し、さらにウェル113内の水を通過した光112を、分光光度計102により受光し、スペクトルを測定する。中央演算装置209は、このスペクトルと、反応前に予め測定しておいたスペクトルを比較する。両者に差が生じていたら、金微粒子に標的物質が捉えられたことによる、金微粒子の局在プラズモン共鳴と呼ばれる現象の共鳴状態の変化が現れたものと解釈される。スペクトルの変化の度合いに応じた標的物質の濃度を求め、表示ユニット210に表示する。
なお、既知の複数濃度の標準検体を用いて、スペクトルの変化と標的物質の濃度との関係を予め求めておき、この関係を基に検量線を求めてスペクトルの変化と濃度の関数を求めておく。そうすると、この関数を用いて、実際の計測時に、スペクトルの変化に基づいて、検体中の標的物質の濃度を求めることができる。なお、ここではスペクトルの変化と記載したが、これは、最大値を持つ波長でのスペクトルピークの変化であってもよく、スペクトルの波形のピークの半値幅等のピーク形状の変化であってもよい。また、1つあるいは複数の波長点での光強度の変化を用いて標的物質の濃度を求めても構わない。
本実施例では、マイクロ流路チップ114と分光光度計102の間が、空気ではなく水107で満たされている。したがって、検出領域110を通過した光112は、その波長における屈折率が1より大きい水107を通過して分光光度計102に受光される。そのため、基体104と水107との界面における屈折による光の広がりが小さく、検出領域110からの光112を効率よく分光光度計102に集めることが可能となり、標的物質の検出におけるノイズの影響が低減する。
(実施例2)
<構成>
本発明の実施例のマイクロ流路チップ(標的物質検出用素子)が図3に示されている。このマイクロ流路チップは、検出領域とウェルが一体化した構成である。すなわち、図3(a)に示すように、本実施例のマイクロ流路チップは、標的物質を検出するために標的物質捕捉体を固定化させた検出領域302と、高屈折率の媒質(例えば水)303を保持するための槽が1つに形成されたウェル301からなる。そして、図3(b)に示すように、このウェル301には、標的物質を含む溶液(検体)を導入するためのチューブ304と、媒質303を導入するためのチューブ305と、反応後の廃液などを搬出するためのチューブ306が配置されている。すなわち、本実施例では、ウェル301の、媒質303を保持する領域の内側に検体が供給されることになる。
<構成>
本発明の実施例のマイクロ流路チップ(標的物質検出用素子)が図3に示されている。このマイクロ流路チップは、検出領域とウェルが一体化した構成である。すなわち、図3(a)に示すように、本実施例のマイクロ流路チップは、標的物質を検出するために標的物質捕捉体を固定化させた検出領域302と、高屈折率の媒質(例えば水)303を保持するための槽が1つに形成されたウェル301からなる。そして、図3(b)に示すように、このウェル301には、標的物質を含む溶液(検体)を導入するためのチューブ304と、媒質303を導入するためのチューブ305と、反応後の廃液などを搬出するためのチューブ306が配置されている。すなわち、本実施例では、ウェル301の、媒質303を保持する領域の内側に検体が供給されることになる。
さらに、検出領域302からの光を検出するための受光器を含む光学系307と、光学系307を駆動するための駆動装置308が設けられている。なお、本実施例ではケミルミネッセンス法(化学発光法)を採用しているため、光源を有していない。
<検出領域の作製方法>
実施例1と同様な方法によって、検出領域302に表面修飾を施し、標的物質捕捉体としてウサギ抗ヒトCRP抗体309を固定化する。
実施例1と同様な方法によって、検出領域302に表面修飾を施し、標的物質捕捉体としてウサギ抗ヒトCRP抗体309を固定化する。
<検出方法>
標的物質捕捉体が固定化された検出領域302に標的物質を捕捉し、捕捉したことを検出する方法について以下に説明する。
標的物質捕捉体が固定化された検出領域302に標的物質を捕捉し、捕捉したことを検出する方法について以下に説明する。
まず、ウェル301を所定の位置にセットし、受光器であるフォトダイオード(PD)とレンズが一体化された光学系307を、駆動装置308により降下させる。そして、チューブ305からウェル301内に、空気よりも高屈折率な媒質である水303を、光学系307の一部が浸漬されるまで導入する。
それから、図3(c)に示す標的物質の捕捉および検出工程を、以下のように行う。
(1)標的物質を含む溶液(検体)をウェル301内に供給し、検体中に含まれている標的物質であるヒトCRP抗体310を、ウサギ抗ヒトCRP抗体309に吸着させる。
(2)ヒトCRP抗体310の一次抗体となる、マウス抗ヒトCRP IgG311をウェル301内に供給し、ヒトCRP抗体310に吸着させる。
(3)さらに、HRP(西洋ワサビペルオキシダーゼ)313で標識された、抗マウスIgG(アマシャムバイオサイエンス社製)312をウェル301内に供給し、マウス抗ヒトCRP IgG311に吸着させる。
以上の工程が終了した後、ウェスタンブロッキング検出キット ECL Advance Western Blotting Detection Kit(アマシャムバイオサイエンス社製)を用い、ルミノール反応によるケミルミネッセンスの発光を起こす。その光を光学系307で検出する。本実施例では、標的物質であるヒトCRP抗体310自体は発光しなくても、このヒトCRP抗体310に吸着されるマウス抗ヒトCRP IgG311にさらに吸着される抗マウスIgG312が、HRP313で標識されている。従って、このHRP313に基づく発光を検出することによって、標的物質であるヒトCRP抗体310が検出されたと判断できる。
本実施例では、高屈折率の媒質303として水を用いているため、光学系307のレンズに接触しても損傷を与えることがない。しかし、レンズに損傷を与えないような媒質であれば、より高屈折率な媒質を用いてもよい。
102 分光光度計(光学系)
103 流路
104 基体
107,303 水(媒質)
110 検出領域
112 光
113,301 ウェル
302 検出領域
307 フォトダイオードおよびレンズ(光学系)
310 ヒトCRP(標的物質)
103 流路
104 基体
107,303 水(媒質)
110 検出領域
112 光
113,301 ウェル
302 検出領域
307 フォトダイオードおよびレンズ(光学系)
310 ヒトCRP(標的物質)
Claims (7)
- 検体中の標的物質を検出する装置であって、
前記検体が供給される基体と、前記基体に供給された前記検体中の前記標的物質によって生じる光学的な特性変化を検出する光学系と、前記基体と前記光学系の間に屈折率が1よりも大きい媒質を介在させる手段とを有する
ことを特徴とする標的物質検出装置。 - 前記基体と前記光学系の間に前記媒質を介在させる手段は、前記媒質を前記基体と前記光学系の間に導入する手段と、前記媒質を前記基体と前記光学系の間に保持する手段を有する、請求項1に記載の標的物質検出装置。
- 前記光学系は、前記媒質を透過した光を受光することによって前記光学的な特性変化を検出する、請求項1または2に記載の標的物質検出装置。
- 前記検体は、前記基体に設けられている流路に供給される、請求項1から3のいずれか1項に記載の標的物質検出装置。
- 検体中の標的物質の検出に用いられる素子であって、
前記検体が供給される基体と、前記基体の前記検体が供給される領域に隣接して、屈折率が1よりも大きい媒質を保持するウェルとを有し、
前記基体は、前記検体が供給される領域と前記ウェルの間の少なくとも一部分が透光性を有している
ことを特徴とする標的物質検出用素子。 - 検体中の標的物質の検出に用いられる素子であって、
屈折率が1よりも大きい媒質を保持するウェルを有し、
前記ウェルの、前記媒質を保持する領域の内側に前記検体が供給される
ことを特徴とする標的物質検出用素子。 - 検体中の標的物質を検出する方法であって、
基体に前記検体を供給する工程と、
前記基体と、前記基体に対向して配置されている光学系との間に、屈折率が1よりも大きい媒質を供給する工程と、
前記光学系が前記媒質を透過した光を受光することによって、前記検体中の前記標的物質によって生じる光学的な特性変化を検出する工程と、
を含むことを特徴とする標的物質検出方法。
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