JP2007298081A - 流体封入式防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】空気室や流体室の流体密性が向上されて、所期の防振性能が安定して得られることに加え、防振装置の更なるコンパクト化が達成され得る、改良された構造の流体封入式防振装置を提供する。
【解決手段】第二の取付部材14や中間スリーブ22、仕切部材66が協働してそれらの間に周方向に延びるオリフィス通路90を構成する一方、パイプ部材54を可撓性膜50に貫通して加硫接着し、更にパイプ部材54に設けられた段差部56の環状当接面58の外周縁部に面取断面形状の環状エッジ部92を形成すると共に、面取り部92に可撓性膜50と一体形成された環状シールリップ94を被着して、パイプ部材54の先端部分を仕切部材66の圧入孔80に圧入すると共に、段差部56と仕切部材66の間で環状シールリップ94を挟圧せしめた。
【選択図】図1

Description

本発明は、非圧縮性流体が封入された流体室を備え、封入流体の流動作用に基づき防振効果を得るようにした流体封入式防振装置に係り、特に、流体室の壁部の一部を可動部材で構成すると共に可動部材の背後に空気室を形成し、空気室に外部から空気圧を及ぼすことによって防振特性を制御するようにした空気圧制御型の流体封入式防振装置に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装されてそれらの部材を防振連結する防振装置の一種として、内部に非圧縮性流体が封入された受圧室と平衡室をオリフィス通路で相互に連通せしめて、振動入力時にオリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の共振作用等の流動作用に基づいて防振効果を得るようにした流体封入式防振装置が、知られている。また、この流体封入式防振装置では、受圧室の壁部の一部を可動膜で構成すると共に、可動膜の背後に空気室を形成し、空気室に外部から空気圧を及ぼすことによって、受圧室の圧力変動を制御して防振特性を制御する構造が公知とされている。例えば特許文献1(特開2004−301221号公報)に記載されているものが、それである。
ところで、このような空気圧制御型の流体封入式防振装置においては、空気室に空気圧を及ぼすための空気通路を装置内部に形成すると共に、外部の空気圧源を空気通路に接続する接続口を、装置外部に開口させて形成する必要がある。そこで、従来では、一般に、上記特許文献1にも示されているように、受圧室と平衡室を仕切る仕切部材の内部に空気通路を軸直角方向に延びて外周面に開口するように形成して、仕切部材の外周面に接続口を形成すると共に、仕切部材の外周面に嵌着固定された外筒部材において接続口に対応する位置に窓部を設け、接続口を外筒部材の外周面に形成した構造が、採用されている。
ところが、当該構造の防振装置では、空気通路が仕切部材に対して軸直角方向に延びるように形成されていることが、空気通路の通路長さや断面積を確保するために、仕切部材の軸方向寸法や軸直角方向寸法を大きくする原因となり、結果的に、防振装置が大型化して、装着条件が制限される問題があった。また、外筒部材の窓部の形成や窓部と接続口の位置合わせ等に手間がかかる問題を内在していた。
そこで、本願出願人は、上述の問題に鑑みて本願出願をする前に、特許文献2(特開平11−2282号公報)に示される如き流体封入式防振装置を提案した。この防振装置は、仕切部材に形成された空気室から外部に突出するパイプ部をダイヤフラムを貫通して軸方向外方に延び出させて、パイプ部内に空気通路を形成した構造とされている。それによって、仕切部材における空気通路の軸方向寸法および軸直角方向寸法が小さく抑えられて、仕切部材を小さく設計することが出来、防振装置のコンパクト化が図られ得ることに加え、仕切部材を嵌着固定する外筒部材の外周面に窓部を形成する必要がなくなって、製造の簡便化が図られ得る。
しかしながら、本願出願人が上述の特許文献2に係る流体封入式防振装置について検討を加えたところ、防振装置のコンパクト化や空気室と流体室の間に配されるパイプ部のシール性に関して、未だ改良の余地のあることが分かった。
特開2004−301221号公報 特開平11−2282号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、空気室や流体室の流体密性が向上されて、所期の防振性能が安定して得られることに加え、防振装置の更なるコンパクト化が達成され得る、改良された構造の流体封入式防振装置を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意な組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
本発明の特徴とするところは、第一の取付部材を筒状の第二の取付部材の軸方向一方の側に離隔配置し、それら第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結して該第二の取付部材の軸方向一方の開口部を流体密に閉塞すると共に、該第二の取付部材の軸方向他方の開口部に可撓性膜を配設して該軸方向他方の開口部を流体密に閉塞し、更に仕切部材を該第二の取付部材に固定的に支持させて、該仕切部材の両側に壁部の一部が該本体ゴム弾性体で構成されて振動入力時に圧力変動が生ぜしめられる受圧室と壁部の一部が該可撓性膜で構成されて容積変化が容易に許容される平衡室を形成し、それら受圧室と平衡室を相互に連通せしめるオリフィス通路を形成する一方、該仕切部材の中央部分において該受圧室に向かって開口する凹所を形成して該凹所を可動膜で覆蓋し、該可動膜を挟んだ該受圧室と反対側に空気室を形成して、該空気室の圧力制御に基づき防振特性を制御するようにした流体封入式防振装置において、前記本体ゴム弾性体の外周面に中間スリーブを加硫接着して前記第二の取付部材を該中間スリーブに外嵌固定すると共に、該中間スリーブにおける前記可撓性膜側の軸方向端部を該第二の取付部材から内周側に離隔させて前記仕切部材に重ね合わせることにより該仕切部材の外周部分を周方向に延びるように前記オリフィス通路を形成する一方、該仕切部材における前記凹所の底部中央には軸方向に延びる圧入孔を形成すると共に、前記可撓性膜の中央部分にパイプ部材を貫通させて加硫接着し、該パイプ部材の内方先端を該仕切部材の該圧入孔に圧入固定する一方、該パイプ部材の外方先端を該可撓性膜から外部に突出させてポート部を形成し、更に、該パイプ部材の軸方向中間部分には段差部を形成して、該段差部の軸方向端面を該仕切部材における該圧入孔の周囲に当接する環状当接面とすると共に、該環状当接面の外周縁部には面取断面形状で全周に亘って延びる環状エッジ部を形成して、該環状エッジ部から軸方向に突出する環状シールリップを前記可撓性膜と一体形成し、該環状シールリップを該仕切部材と該段差部との間で挟圧せしめたことにある。
このような本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、パイプ部材が可撓性膜を貫通して仕切部材の軸方向に延びる圧入孔に圧入固定されて、空気室のポート部が構成されていることにより、仕切部材におけるポート部の形成領域が抑えられて、仕切部材、延いては防振装置のコンパクト化が有利に達成され得る。
特に、オリフィス通路が、仕切部材の外周部分を周方向に延びるように形成されていることから、仕切部材にオリフィス通路を形成する必要がなくなって、仕切部材、延いては防振装置の更なるコンパクト化が図られ得るのである。
そこにおいて、本発明に係る流体封入式防振装置では、パイプ部材と仕切部材の圧入固定に際して、パイプ部材の軸方向中間部分に設けられた段差部と仕切部材の圧入孔の周りが、シールリップを介して軸方向に重ね合わせられている。このシールリップは、段差部の外周縁部の環状エッジ部に突設されていることによって、段差部と仕切部材が軸方向に重ね合わせられた状態で、軸直角方向外方に倒れ込むように弾性変形し易くなっている。即ち、環状エッジ部の面取断面形状を利用して、シールリップの変形方向が定められている。
それ故、シールリップの安定した弾性変形作用に基づいて、段差部と仕切部材の重ね合わせ部分が流体密にシールされることとなり、平衡室を含む流体室や空気室の流体密性が有利に向上され得るのである。
また、本発明に係る流体封入式防振装置では、軸方向中間部分に位置する段差部を挟んで大径部と小径部が設けられた段付円筒形状をもって前記第二の取付部材を形成して、該大径部を前記中間スリーブに外嵌固定すると共に該小径部に前記可撓性膜を固着せしめ、前記仕切部材の外周縁部を該段差部に載置して該段差部と該中間スリーブとの間で軸方向に挟んで支持せしめる一方、該小径部において外周面上に突出する位置決め用突部を設けた構造が、好適に採用される。このような構造によれば、第二の取付部材と中間スリーブの周方向の位置決めが容易となり、それによって、例えばオリフィス通路の受圧室や平衡室への開口部の位置決め等が確実に且つ容易に実現され得る。
特に、位置決め用突部が、第二の取付部材において中間スリーブに外嵌固定される大径部にでなく小径部に設けられていることから、第二の取付部材と中間スリーブの固定作業が位置決め用突部で阻害されることもなく、組み付け作業が容易となる。しかも、第二の取付部材における位置決め用突部の軸直角方向の突出が抑えられて、コンパクト化や取り扱い性の更なる向上が図られ得る。
なお、位置決め用突部の形状や大きさ、構造等の形態は、周方向の位置が明確に認識されるものであれば、特に限定されるものでなく、例えば、中間スリーブや可撓性膜と別体形成された位置決め用突部を小径部の周上の一箇所に固設することによって実現されるが、認識の確実さに加えて製造作業が簡便とされることを考慮して、位置決め用突部を可撓性膜と一体形成すると共に小径部の外周面に加硫接着することが望ましい。
また、本発明に係る流体封入式防振装置では、前記可撓性膜を弛みをもたせた薄肉円板形状のゴム膜で形成すると共に、該可撓性膜において、軸方向外方に向かって山形断面形状で突出して周方向の全周に亘って連続して延びる環状の外方膨らみ部を、半径方向の中央よりも外周側に偏倚して形成した構造が、好適に採用される。これは、抑も、本発明に係る流体封入式防振装置が、パイプ部材が可撓性膜を貫通して仕切部材に固定される構造とされているため、可撓性膜のパイプ部材に固着された部分の変形が拘束されることで、可撓性膜の弾性変形量が確保され難くなることに鑑み、為された発明である。
すなわち、本構造によれば、可撓性膜の外方膨らみ部が、半径方向の中央よりも外周側に偏倚した位置に、換言すればパイプ部材から離れた位置で且つ周方向長さが大きな外周部分に設けられている。これにより、可撓性膜の弾性変形量が、全体として大きく確保される。
それ故、可撓性膜の弾性変形に基づく平衡室の容積の許容変化量が充分に確保されて、受圧室と平衡室の相対的な圧力変動の差が有効に惹起せしめられることとなり、オリフィス通路を通じての流体の流動量が充分に確保されて、該流体の流動作用に基づく所期の防振効果が一層安定して得られるのである。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について説明する。先ず、図1には、本発明の一実施形態としての自動車用エンジンマウント10が示されている。このエンジンマウント10は、第一の取付部材としての第一の取付金具12と第二の取付部材としての第二の取付金具14が本体ゴム弾性体16で弾性連結された構造とされている。第一の取付金具12が防振連結される一方の取付部材としてのパワーユニットに固定されると共に、第二の取付金具14が防振連結される他方の取付部材としての車両ボデーに固定されることによって、パワーユニットを車両ボデーに対して防振支持せしめるようになっている。
なお、図1では、自動車に装着する前のエンジンマウント10の単体での状態が示されているが、本実施形態では、装着状態において、パワーユニットの分担支持荷重がマウント軸方向(図1中、上下)に入力される。従って、マウント装着状態下では、本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づき第一の取付金具12と第二の取付金具14が軸方向で互いに接近する方向に変位する。また、かかる装着状態下、防振すべき主たる振動は、略マウント軸方向に入力されることとなる。以下の説明において、特に断りのない限り、上下方向は、マウント軸方向となる図1中の上下方向をいう。
より詳細には、第一の取付金具12が、略円柱形状乃至は下方に凸となる略円錐台形状を呈していると共に、中央部分には、螺子穴18が設けられている。図示しない固定ボルトがパワーユニット側の取付部材を通して螺子穴18に螺着固定されることにより、第一の取付金具12がパワーユニットに固定されるようになっている。この第一の取付金具12には、本体ゴム弾性体16が固着されている。
本体ゴム弾性体16は、上方に凸となる略円錐台形状を呈していると共に、大径側端面には、下方に開口する略すり鉢形状の凹部20を備えている。第一の取付金具12が、本体ゴム弾性体16の小径側端面から軸方向に差し込まれた状態で同一中心軸上に配されて加硫接着されている。また、本体ゴム弾性体16の大径側端部外周面には、中間スリーブとしての大径円筒形状の金属スリーブ22が重ね合わせられて加硫接着されている。要するに、本体ゴム弾性体16は、第一の取付金具12や金属スリーブ22と一体的に加硫成形されていることによって、図2〜5にも示されているような第一の取付金具12や金属スリーブ22を備えた第一の一体加硫成形品24として形成されている。
また、金属スリーブ22の軸方向中間部分には、軸直角方向(図1中、左右)に円環形状に広がる段部26が形成されており、この段部26を挟んだ上方が大径部28とされていると共に、段部26を挟んだ下方が大径部28よりも径寸法が小さな小径部30とされている。大径部28の内周面が本体ゴム弾性体16の大径側端部外周面に加硫接着されていると共に、段部26の内周面が本体ゴム弾性体16の大径側端面に加硫接着されている。また、小径部30の下方の先端部分には、本体ゴム弾性体16と一体形成されたシールリップ32が突設されて、略一定の断面で周方向の全周に亘って連続して延びている。
なお、図2〜5では、第一の一体加硫成形品24の加硫成形後の状態が示されており、金属スリーブ22の大径部28が上方に向かって次第に拡径するテーパ形状とされているが、後述する第二の一体加硫成形品60との組み付け前には、大径部28に八方絞り等の縮径加工が施されて、大径部28がストレートな円筒形状とされる。この縮径加工に基づいて本体ゴム弾性体16に径方向の予圧縮が及ぼされることとなり、それによって、本体ゴム弾性体16の応力集中が抑えられるようになっている。
さらに、金属スリーブ22の小径部30の周上の一箇所には、連通窓34が厚さ方向に貫設されている。また、小径部30には、連通窓34と隣り合うようにして連通窓34の周方向一方(図5中、左)の側に仕切壁部36が突設されている。仕切壁部36は、略矩形平板形状を有しており、本体ゴム弾性体16と一体形成されている。仕切壁部36の上端面が金属スリーブ22の段部26の下端面に加硫接着されていると共に、仕切壁部36の幅方向一方(図4中、左)の端面が小径部30の外周面に加硫接着されている。また、仕切壁部36の下端面が小径部30の下端部分と略同じ高さに位置せしめられていると共に、仕切壁部36の幅方向他方(図4中、右)の端部が金属スリーブ22の大径部28と軸直角方向で略同じ位置に位置せしめられている。
更にまた、仕切壁部36の上方に位置する本体ゴム弾性体16の外周面には、凹凸状の刻印38が付されている。従って、第一の一体加硫成形品24を上方から見て仕切壁部36が見えない状態(図2に示される状態)でも、刻印38を視認することにより、金属スリーブ22における仕切壁部36の形成位置が分かるようになっている。
一方、第二の取付金具14は、大径の略段付き円筒形状を有しており、軸方向中間部分(本実施形態では下端部付近)には、軸直角方向に円環形状に広がる段差部としての段部40が形成されている。段部40を挟んで、軸方向上部が大径部42とされていると共に、軸方向下部が大径部42よりも径寸法が小さな小径部44とされている。また、段部40や大径部42、小径部44の内周面には、略全体に亘って薄肉のシールゴム層46が加硫接着されていると共に、シールゴム層46には、略一定の断面で周方向に連続して延びるシールリップ48の複数条が突設されている。また、小径部44には、可撓性膜としてのダイヤフラム50が配されている。シールゴム層46やダイヤフラム50は、一体形成されている。
ダイヤフラム50は、略円板形状を有していると共に、薄肉のゴム膜からなり、その外周縁部(面)が第二の取付金具14の小径部44の内周面に加硫接着されていることによって、第二の取付金具14の下方の開口部を流体密に閉塞している。また、ダイヤフラム50の中央部分と外周部分の間の径方向中間部分に下方に向かって湾曲した山形断面形状で周方向に連続して延びる環状の膨らみ部52が形成されていることで、ダイヤフラム50が、軸方向に弛みをもって弾性変形容易とされている。
ダイヤフラム50の中央部分には、パイプ部材としての接続金具54が設けられている。接続金具54は、細長の略円筒形状を有しており、鉄等の硬質材を用いて形成されている。接続金具54の軸方向両端部には、軸方向外方に向かって次第に径寸法が小さくなる、所謂テーパ形状の面取り加工が施されている。
特に、接続金具54の軸方向中央部分には、周方向の全周に亘って略一定の矩形断面で延びる段差部としての環状ブロック56が突設されており、この環状ブロック56の軸方向両端部が接続金具54の外周壁部から軸直角方向に円環形状に広がっていることによって、かかる軸方向端面で接続金具54の環状当接面58が構成されている。
なお、接続金具54の外径寸法は、接続金具54に外嵌固定される部材の径寸法に応じて適宜に設定変更されるものであり、本実施形態では、接続金具54の環状ブロック56を挟んだ上方の外径寸法が、環状ブロック56を挟んだ下方の外径寸法よりも大きくされている。また、接続金具54の内径寸法が、軸方向の全長に亘って略一定とされている。
このような接続金具54がダイヤフラム50の中央部分に配されて、即ち第二の取付金具14と軸直角方向に所定距離を隔てて且つ同一中心軸上に配されて、環状ブロック56の外周部分がダイヤフラム50の中央部分を貫通して加硫接着されている。このことからも明らかなように、ダイヤフラム50は、第二の取付金具14や接続金具54と一体的に加硫成形されていることによって、図6〜8にも示されているような第二の取付金具14や接続金具54を備えた第二の一体加硫成形品60として形成されている。なお、図6〜8では、第二の一体加硫成形品60の加硫成形後の状態が示されており、第二の取付金具14の大径部42が上方に向かって次第に拡径するテーパ形状とされている。また、本実施形態では、環状ブロック56の外周部分とダイヤフラム50の膨らみ部52の内周部分が、径方向に所定距離を隔てずに接している。
特に本実施形態では、第二の取付金具14の小径部44における周上の一箇所に周方向の位置決め手段としての位置決め用突部62が突設されている。位置決め用突部62は、略矩形平板形状を有しており、ダイヤフラム50と一体形成されている。位置決め用突部62の上端面が第二の取付金具14の段部40の下端面に加硫接着されていると共に、位置決め用突部62の幅方向一方(図6中、左)の端面が小径部44の外周面に加硫接着されている。また、位置決め用突部62の下端面が小径部44の下端部分と略同じ高さに位置せしめられていると共に、位置決め用突部62の幅方向他方(図6中、右)の端部が第二の取付金具14の大径部42よりも軸直角方向内方に位置せしめられている。この位置決め用突部62によって、外観が略回転対称形状の第二の一体加硫成形品60において周方向の位置が設定されている。
なお、ダイヤフラム50の環状ブロック56の外周面に加硫接着される部位が、環状ブロック56の軸方向中間部分に位置せしめられている。また、ダイヤフラム50の中央部分における環状ブロック56の周りには、3つの突起64,64,64が周方向で略間隔に設けられている。これら突起64は、ダイヤフラム50と一体形成されて、軸方向上方に向かって突設されていると共に、環状ブロック56の軸方向中間部分から環状当接面58にかけての外周面に加硫接着されている。これらの突起64は、第二の一体加硫成形品60のダイヤフラム50を金型を用いて射出成形する際に、ノズルの開口部分をダイヤフラム50の形成部位から離隔させたために設けられたものである。ノズルの開口部分をダイヤフラム50の形成部位から離隔させて射出成形することによって、薄肉のダイヤフラム50を形成するに際しても、材料の射出が安定して実現され、しかも周方向に3つ設けられていることによって、射出が効率的になる。
また、第二の一体加硫成形品60には、仕切部材66が組み付けられている。仕切部材66は、略円板形状を有していると共に、金属や合成樹脂等の硬質材で形成されている。更に、仕切部材66には、上面中央に開口する凹所としての中央凹所68が形成されている。中央凹所68は、僅かに下方に凸となる湾曲した内周面を備えたすり鉢形状とされている。更に、仕切部材66の外周部分には、板厚方向に貫通する連通孔70が設けられている。また、中央凹所68の開口周縁部には、上方に向かって突出する環状の係止突部72が一体形成されている。
さらに、可動膜としての略円板形状を有する弾性ゴム膜74が、中央凹所68の開口部に重ね合わせられており、弾性ゴム膜74の外周面に加硫接着された円筒形状の係止金具76が、その下端開口部において仕切部材66の係止突部72に外嵌されて、係止突部72に対して流体密に八方絞り等の縮径加工が施されて固定されている。これにより、中央凹所68の開口部が弾性ゴム膜74によって流体密に覆蓋されて、空気室78が形成されている。
仕切部材66の底部中央には、圧入孔80が貫設されている。圧入孔80は、略一定の円形断面で軸方向に延びており、一方の開口部が空気室78に接続されていると共に、他方の開口部が外部空間に開口している。
特に本実施形態において、仕切部材66の中央部分の圧入孔80の周りには、略円環ブロック形状の支持突部82が一体形成されて下方に向かって突出している。支持突部82の内孔が圧入孔80と滑らかに接続されていることによって、圧入孔80の長さが実質的に大きくされている。
仕切部材66が第二の取付金具14の上側開口部から嵌め込まれて、仕切部材66の外周部分が第二の取付金具14の段部40に重ね合わせられている。また、接続金具54の環状ブロック56を挟んだ上方の部分(内方先端)が圧入孔80に圧入されていると共に、環状ブロック56の環状当接面58が仕切部材66における支持突部82の環状の先端面に重ね合わせられている。これにより、仕切部材66が第二の取付金具14に固定的に支持されて、第二の一体加硫成形品60に組み付けられていると共に、空気室78が接続金具54の内孔を通じて外部空間に連通されている。上述の説明からも明らかなように、接続金具54の内孔によって空気室78を外部に連通せしめるポート部84が構成されている。なお、接続金具54の圧入される先端部分が、中央凹所68の最底部と略同じ高さに位置せしめられている。また、環状当接面58の外径寸法が支持突部82の先端面の外径寸法よりも小さくされている。
また、仕切部材66が組み付けられた第二の一体加硫成形品60の第二の取付金具14の上方開口部から、第一の一体加硫成形品24の金属スリーブ22が嵌め込まれて、第一の取付金具12の中心軸と第二の取付金具14の中心軸が略同一線上に位置せしめられた形態で、金属スリーブ22の小径部30の軸方向端部が、シールリップ32を介して仕切部材66に流体密に重ね合わせられている。これにより、仕切部材66の外周縁部が、第二の取付金具14の段部40に載置されて段部40と金属スリーブ22との間で軸方向に挟んで支持されている。また、弾性ゴム膜74の係止金具76が金属スリーブ22の内側に嵌め込まれて、金属スリーブ22の小径部30と係止金具76が径方向に所定距離を隔てて配されている。
そして、第二の取付金具14の大径部42に八方絞り等の縮径加工が施されて、大径部42が、シールゴム層46を介して金属スリーブ22の大径部28と仕切部材66の外周部分に対して密着状に外嵌固定されている。これにより、第一の一体加硫成形品24と第二の一体加硫成形品60が組み付けられて、第一の取付金具12が第二の取付金具14の軸方向一方(図1中、上)の側に離隔配置されて、それら両金具12,14が本体ゴム弾性体16で相互に弾性連結されていると共に、第二の取付金具14の上側開口部が本体ゴム弾性体16で流体密に閉塞されている。また、第二の取付金具14は、図示しないブラケット金具等を用いて車両ボデー側の取付部材に固定されるようになっている。
また、本体ゴム弾性体16とダイヤフラム50の間には、非圧縮性流体の流体封入領域が形成されていると共に、流体封入領域の中間部分には、仕切部材66が配されて、流体封入領域を流体密に二分している。この仕切部材66を挟んだ一方(図1中、上)の側には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されて、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間への振動入力時に本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づいて圧力変動が惹起される受圧室86が形成されている。また、仕切部材66を挟んだ他方(図1中、下)の側には、壁部の一部がダイヤフラム50で構成されて、ダイヤフラム50の弾性変形に基づき容積変化が許容される平衡室88が形成されている。これら受圧室86や平衡室88には、非圧縮性流体が封入されている。封入流体としては、例えば水やアルキレングリコール, ポリアルキレングリコール, シリコーン油等が採用されるが、特に流体の共振作用等の流動作用に基づく防振効果を有効に得るためには、0.1Pa・s以下の低粘性流体を採用することが望ましい。
なお、受圧室86や平衡室88への非圧縮性流体の封入は、例えば、仕切部材66が組み付けられた第二の一体加硫成形品60に対する第一の一体加硫成形品24の組み付けを、非圧縮性流体中で行うことによって、有利に実現される。また、非圧縮性流体中で組み付け作業する際に、空気室78に非圧縮性流体が入らないように、接続金具54の開口端部には、図示しないキャップが取り付けられて流体密に覆蓋されている。
また、金属スリーブ22の小径部30と第二の取付金具14の大径部42が径方向に所定距離を隔てて対向位置せしめられていると共に、金属スリーブ22の段部26と仕切部材66の外周側の上端部分が軸方向に所定距離を隔てて対向位置せしめられており、これら金属スリーブ22や第二の取付金具14、仕切部材66で仕切られた環状の空間が、シールゴム層46やシールリップ32の弾性変形作用を利用して流体密に閉塞されている。また、金属スリーブ22の小径部30に突設された仕切壁部36が第二の取付金具14の大径部42と仕切部材66に密着状に当接していることによって、環状の空間の一部が流体密に仕切られている。更に、周方向で金属スリーブ22における仕切壁部36を挟んだ連通窓34と反対側に、仕切部材66の連通孔70が位置せしめられている。それによって、当該空間により、マウント10内で仕切部材66の外周部分を周方向に所定の長さ(本実施形態では一周弱)で延びるオリフィス通路90が形成されている。このオリフィス通路90の一方の端部が連通窓34を通じて受圧室86に接続されていると共に、オリフィス通路90の他方の端部が連通孔70を通じて平衡室88に接続されていることによって、受圧室86と平衡室88がオリフィス通路90を通じて相互に連通せしめられて、それら両室86,88間で、オリフィス通路90を通じての流体流動が許容されるようになっている。
なお、オリフィス通路90を流動せしめられる流体の共振周波数が、例えば該流体の共振作用に基づいてアイドリング振動等に相当する20Hz前後の低周波数域の振動に対して有効な防振効果が発揮されるようにチューニングされている。オリフィス通路90のチューニングは、例えば、受圧室86や平衡室88の各壁ばね剛性、即ちそれら流体室を単位容積だけ変化させるのに必要な圧力変化量に対応する本体ゴム弾性体16やダイヤフラム50等の各弾性変形量に基づく特性値を考慮しつつ、オリフィス通路90の通路長さと通路断面積を調節することによって行うことが可能であり、一般に、オリフィス通路90を通じて伝達される圧力変動の位相が変化して略共振状態となる周波数を、当該オリフィス通路90のチューニング周波数として把握することが出来る。
特に本実施形態では、第二の一体加硫成形品60と仕切部材66の組み付けの際に、仕切部材66の連通孔70が第二の取付金具14の位置決め用突部62と周方向で同じ位置になるように位置合わせされている。また、仕切部材66が組み付けられた第二の一体加硫成形品60と第一の一体加硫成形品24の組み付けの際に、本体ゴム弾性体16に付された刻印38と第二の取付金具14の位置決め用突部62が周方向で同じ位置になるように位置合わせされている。その結果、上述の如く、周方向で仕切壁部36を挟んだ連通窓34と反対側に、連通孔70が位置せしめられるようになっている。
また、仕切部材66の中央凹所68が弾性ゴム膜74を介して受圧室86に向かって開口していると共に、弾性ゴム膜74が受圧室86内に位置せしめられていることで、受圧室86の壁部の別の一部が弾性ゴム膜74で構成されている。弾性ゴム膜74は、その一方の面に受圧室86の圧力が及ぼされるようになっていると共に、他方の面に空気室78の圧力が及ぼされるようになっており、受圧室86と空気室78の相対的な圧力変動の差に基づいて弾性変形するようになっている。
また、接続金具54におけるダイヤフラム50から外方に突出せしめられた部位、即ち接続金具54の環状ブロック56を挟んだ下方の部分(外方先端)には、エンジンマウント10の自動車への装着状態下で、図示しない空気管路が接続され、この空気管路と接続金具54のポート部84を通じて、空気室78が、図示しない切換弁を介して、負圧源と大気中に択一的に接続される。そして、切換弁を切換作動することによって、エンジンマウント10の防振特性が切換制御される。
すなわち、空気室78が大気中に接続された状態では、弾性ゴム膜74が、その弾性に基づいて変形が許容される一方、空気室78が負圧源に接続された状態では、弾性ゴム膜74が、負圧吸引力によって空気室78側に強制的に変形して、中央凹所68の底部に重ね合わせられること等によって、変形され難くなる拘束状態に保持される。
それ故、例えばオリフィス通路90のチューニング周波数よりも高周波数域の振動の入力時に、空気室78を大気中に接続して弾性ゴム膜74の弾性変形を許容することにより、該弾性変形による受圧室86の液圧吸収作用に基づいて、オリフィス通路90の目詰まり状態に起因する受圧室86の高動ばね化が回避され、防振効果が安定して得られる。
また、例えば、アイドリング振動等の入力時に、空気室78を負圧源に接続して弾性ゴム膜74の変形を拘束することにより、受圧室86の圧力変動が弾性ゴム膜74の変形作用で吸収されることが抑えられて、受圧室86と平衡室88の相対的な圧力変動が有効に惹起せしめられることによって、オリフィス通路90の流体流動量が十分に確保される。それ故、オリフィス通路90を通じての流体の共振作用等の流動作用に基づく防振効果が有利に発揮される。
また、例えば、防振すべき振動の入力時に、該振動に対応した周期の空気圧変動を空気室78に及ぼして、弾性ゴム膜74の変形を制御することによって、受圧室86の圧力変動を能動的に乃至は積極的に制御することも可能であり、それによって、能動的な防振効果が発揮される。
そこにおいて、接続金具54における環状ブロック56の環状当接面58の外周縁部には、図9にも拡大して示されているように、環状エッジ部としての面取り部92が形成されている。面取り部92は、環状当接面58から環状ブロック56の外周面にかけて円弧状に湾曲した断面で、周方向の全体に亘って連続して延びている。
この面取り部92には、環状シールリップとしてのシールリップ94が、上方に向かって突出した形態で被着形成されている。シールリップ94は、ダイヤフラム50と一体形成されていると共に、略半円断面で周方向の全体に亘って連続して延びている。
特に本実施形態では、シールリップ94の断面の曲率が面取り部92の断面の曲率と略同じとされている。また、シールリップ94の断面の中央が、面取り部92の断面の外周縁部と軸直角方向で略同じ位置に位置せしめられている。換言すると、シールリップ94の外周縁部が面取り部92の外周縁部よりも軸直角方向外方に位置せしめられている。また、シールリップ94の外径寸法が、環状当接面58が重ね合わせられる仕切部材66の支持突部82の先端面の外径寸法よりも小さくされている。
そして、接続金具54が仕切部材66の圧入孔80に圧入されると共に、接続金具54の環状ブロック56と仕切部材66の支持突部82が軸方向に重ね合わせられる際に、シールリップ94が、環状ブロック56の環状当接面58と支持突部82の先端面の間に弾性変形して挟圧保持されている。そこにおいて、シールリップ94が、湾曲した面取り部92上に位置せしめられているので、環状ブロック56と支持突部82の間で挟圧保持されることに伴い、全体に亘って径方向外方に傾くように圧縮変形乃至は剪断変形せしめられている。そして、かかる変形作用に基づいて、環状ブロック56と支持突部82の重ね合わせ面間が流体密にシールされている。
上述の如き構造とされた自動車用エンジンマウント10においては、接続金具54がダイヤフラム50を貫通して仕切部材66の軸方向に延びる圧入孔80に圧入固定されて、空気室78のポート部84が構成されていることにより、仕切部材66におけるポートの形成領域が抑えられて、コンパクト化が有利に達成され得る。
また、オリフィス通路90が、第二の取付金具14や金属スリーブ22、仕切部材66で仕切られる空間を利用して形成されていることから、仕切部材66にオリフィス通路の形成領域を設計する必要がなくなり、更なるコンパクト化が図られ得るのである。
そこにおいて、本実施形態の自動車用エンジンマウント10では、環状ブロック56と支持突部82が、面取り部92上に形成されたシールリップ94を介して軸方向に重ね合わせられている。このため、シールリップ94が径方向外方に向かって安定して弾性変形して、それが周方向の全体に亘って均一に及ぼされる。
さらに、接続金具54と仕切部材66が、互いに硬質な部材で形成されていると共に、重ね合わせ方向(軸方向)で対向せしめられた環状当接面58と支持突部82の先端面には、シールリップ94を除いて硬質な部分が露呈されている。これにより、環状ブロック56と支持突部82を軸方向に重ね合わせた状態で、シールリップ94以外の弾性を有する部材の材質や厚さ寸法のばらつき等に起因して接続金具54の圧入孔80に対する圧入代が不安定となることが解消されて、シールリップ94の所期の変形量が安定して確保される。
加えて、本実施形態では、仕切部材66に支持突部82が一体形成されていることで圧入孔80が実質的に延長されていることにより、圧入代が一層安定して確保されて、接続金具54と仕切部材66の固定状態、延いては環状ブロック56と支持突部82の重ね合わせ状態が安定とされることに基づき、シールリップ94の所期の変形量が得られる。
それ故、シールリップ94の効果的な弾性変形により、環状ブロック56と支持突部82の重ね合わせ面間に優れた流体密性が発揮されて、平衡室88や空気室78の高いシール性に基づき、製品安定性が有利に向上され得るのである。
また、本実施形態では、第二の取付金具14の周方向の位置決め用突部62が、第二の取付金具14の小径部44に設けられていることよって、第二の取付金具14の大径部42の縮径加工による金属スリーブ22への組み付け作業に際して、小径部44で阻害されないことから、組み付け作業の簡便化が図られ得る。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であり、かかる実施形態における具体的な記載によって、本発明は、何等限定されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様で実施可能である。また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
例えば、環状ブロック56や環状当接面58、シールリップ94の形状や大きさ、構造等の形態は、例示の如きものに限定されない。
具体的には、前記実施形態において面取り部92が湾曲状の断面で構成されて、接続金具54の先端部分に向かって径寸法が小さくされていたが、例えば接続金具54の先端部分に向かって径寸法が小さくなるテーパ形状の断面で構成されても良い。
また、前記実施形態では、ダイヤフラム50の膨らみ部52の内周部分が接続金具54の環状ブロック56の外周部分と接していたが、かかる構造に限定されるものでない。以下に、前記実施形態と異なる形態のエンジンマウントについて説明するが、前記実施形態と実質的に同一の構造とされた部材及び部位については、図中に前記実施形態と同一の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省略する。
すなわち、図10にも示されているように、外方膨らみ部52’をダイヤフラム50における半径方向の中央よりも外周側に偏倚してなる、接続金具54と軸直角方向に所定距離を隔てた外周部分に設けることも可能である。それによって、ダイヤフラム50の中央部分の変形が接続金具54で拘束される場合にも、ダイヤフラム50の弾性変形量が、全体として大きく確保されて、平衡室88の容積の許容変化量が充分に確保されることから、受圧室86と平衡室88の圧力変動の差が有効な惹起によるオリフィス通路90の流体流動量の充分な確保によって、流体の流動作用に基づく所期の防振効果が一層安定して得られるのである。また、外方膨らみ部52’が設けられていることによって、膨らみ部を軸方向外方に向かって大きく突出させる必要がないから、マウント10の軸方向のコンパクト化が有利に図られ得る。
また、前記実施形態において、仕切部材66に一体形成されていた支持突部82は、必須の構成要件でない。即ち、支持突部82を設けないで、接続金具の環状当接面を仕切部材の圧入孔の周りの外周面に重ね合わせることも可能である。
加えて、前記実施形態では、自動車用エンジンマウント10に本発明を適用したものの具体例を示したが、本発明は、その他、自動車用ボデーマウント等、或いは自動車以外の各種装置用の防振装置に対して適用可能であることは、勿論である。
本発明の一実施形態としての自動車用エンジンマウントの縦断面図。 同自動車用エンジンマウントの一部を構成する第一の一体加硫成形品において金属スリーブに縮径加工を施す前の状態を示す平面図。 図2のIII―III断面図。 図2のIV―IV断面図。 図2のV―V矢視図。 同自動車用エンジンマウントの一部を構成する第二の一体加硫成形品において第二の取付金具に縮径加工を施す前の状態を示す縦断面図であって、図7のVI―VI断面に相当する図。 同第二の一体加硫成形品の平面図。 同第二の一体加硫成形品の底面図。 同第二の一体加硫成形品の一要部を拡大して示す縦断面図。 本発明の別の一具体例としての自動車用エンジンマウントの縦断面図。
符号の説明
10…自動車用エンジンマウント、12…第一の取付金具、14…第二の取付金具、16…本体ゴム弾性体、22…金属スリーブ、50…ダイヤフラム、54…接続金具、56…環状ブロック、58…環状当接面、66…仕切部材、68…中央凹所、74…弾性ゴム膜、78…空気室、80…圧入孔、84…ポート部、86…受圧室、88…平衡室、90…オリフィス通路、92…面取り部、94…シールリップ

Claims (3)

  1. 第一の取付部材を筒状の第二の取付部材の軸方向一方の側に離隔配置し、それら第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結して該第二の取付部材の軸方向一方の開口部を流体密に閉塞すると共に、該第二の取付部材の軸方向他方の開口部に可撓性膜を配設して該軸方向他方の開口部を流体密に閉塞し、更に仕切部材を該第二の取付部材に固定的に支持させて、該仕切部材の両側に壁部の一部が該本体ゴム弾性体で構成されて振動入力時に圧力変動が生ぜしめられる受圧室と壁部の一部が該可撓性膜で構成されて容積変化が容易に許容される平衡室を形成し、それら受圧室と平衡室を相互に連通せしめるオリフィス通路を形成する一方、該仕切部材の中央部分において該受圧室に向かって開口する凹所を形成して該凹所を可動膜で覆蓋し、該可動膜を挟んだ該受圧室と反対側に空気室を形成して、該空気室の圧力制御に基づき防振特性を制御するようにした流体封入式防振装置において、
    前記本体ゴム弾性体の外周面に中間スリーブを加硫接着して前記第二の取付部材を該中間スリーブに外嵌固定すると共に、該中間スリーブにおける前記可撓性膜側の軸方向端部を該第二の取付部材から内周側に離隔させて前記仕切部材に重ね合わせることにより該仕切部材の外周部分を周方向に延びるように前記オリフィス通路を形成する一方、
    該仕切部材における前記凹所の底部中央には軸方向に延びる圧入孔を形成すると共に、前記可撓性膜の中央部分にパイプ部材を貫通させて加硫接着し、該パイプ部材の内方先端を該仕切部材の該圧入孔に圧入固定する一方、該パイプ部材の外方先端を該可撓性膜から外部に突出させてポート部を形成し、
    更に、該パイプ部材の軸方向中間部分には段差部を形成して、該段差部の軸方向端面を該仕切部材における該圧入孔の周囲に当接する環状当接面とすると共に、該環状当接面の外周縁部には面取断面形状で全周に亘って延びる環状エッジ部を形成して、該環状エッジ部から軸方向に突出する環状シールリップを前記可撓性膜と一体形成し、該環状シールリップを該仕切部材と該段差部との間で挟圧せしめたことを、特徴とする流体封入式防振装置。
  2. 軸方向中間部分に位置する段差部を挟んで大径部と小径部が設けられた段付円筒形状をもって前記第二の取付部材を形成して、該大径部を前記中間スリーブに外嵌固定すると共に該小径部に前記可撓性膜を固着せしめ、前記仕切部材の外周縁部を該段差部に載置して該段差部と該中間スリーブとの間で軸方向に挟んで支持せしめる一方、該小径部において外周面上に突出する位置決め用突部を設けた請求項1に記載の流体封入式防振装置。
  3. 前記可撓性膜を弛みをもたせた薄肉円板形状のゴム膜で形成すると共に、該可撓性膜において、軸方向外方に向かって山形断面形状で突出して周方向の全周に亘って連続して延びる環状の外方膨らみ部を、半径方向の中央よりも外周側に偏倚して形成した請求項1又は2に記載の流体封入式防振装置。
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