JP2007296383A - マルチピースソリッドゴルフボール - Google Patents

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Hirotaka Shimozaka
浩貴 下坂
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厚紀 笠嶋
Junji Umezawa
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【解決手段】弾性ソリッドコアを複数層の樹脂カバーで被覆し、ボール表面に多数のディンプルを備えたマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、上記ソリッドコアは294N(30kgf)の荷重を加えた時に1.1mm以上変形する硬さを有し、上記カバーはコアに近接するカバー内層のショアD硬度が45〜56の範囲にあり、その外側のカバー外層のショアD硬度が35〜55であると共に、ディンプルと交差しない大円が1本も存在しないように多数のディンプルを実質上均等にボール表面に配置してなることを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボール。
【効果】本発明によれば、ドライバー等の飛距離を稼ぐグラブにおいて飛びの安定性に優れると共に、ウエットの状態でのショートアイアンによるスピンの低下を抑え、コントロール性に優れたドライバーからグリーン周りまでのすべての条件において、安定した打撃条件、飛び性能、及びスピン性能を有する高品質なマルチピースソリッドゴルフボールが得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、弾性ソリッドコアを複数層の樹脂カバーで被覆し、ボール表面に多数のディンプルを備えたマルチピースソリッドゴルフボール関し、特に飛びの安定性に優れると共に、ウエットの状態でのショートアイアンによるスピンの低下を抑えたコントロール性に優れたマルチピースソリッドゴルフボールに関する。なお、本発明においてウエットの状態とは雨天時のゴルフコース状態をいい、ドライの状態とは晴天時のゴルフコース状態をいう。
ソリッドゴルフボールは、ゴム質の弾性コアを耐カット性、耐摩耗性等の外傷防止の面で優れた比較的硬いアイオノマー樹脂製カバーで被覆した構造のものが知られている。そして、カバーの外表面上には多数のディンプルが均等分布を目標に配置されている。
しかしながら、カバー成形にあたって使用される金型は通常2分割タイプのものが使用され、そのパーティング面が球状成形キャビティの赤道と一致する位置に存在するため、金型製造の都合上パーティング面と交わる位置にディンプルを配置することを避け(より正確には、パーティング面と交わる位置にディンプル型付用突起を設けることを避け)た金型が通常使用されている。そのため、赤道を中心とする両半球域においてはディンプルの均等配置が達成されたとしても、赤道の近傍を含めた全体で見るとディンプル配置の均一性がくずれてしまっている。
このようなディンプルの不均等配置又は不均等分散に起因して、打球がボールの中心を通り赤道面と平行な軸を中心に回転する場合と、赤道面と直交しボールの両極を通る軸を中心に回転する場合とでは、ディンプルの及ぼす効果が異なるため、特にドライバーのような距離を稼ぐためのクラブによる打球の方向及び飛距離にばらつきが生じ、飛びの安定性を欠くという問題がある。
一方、ゴルフボールは、そのカバーの材料面及び物性に関連し、ドライな状態(晴天時)ではドライバーでの打球の飛距離が十分であり、コントロール性が要求されるアイアンによる打球に必要なスピンがかかり、問題視されることはないが、雨天時におけるウエットな状態ではスピンのかかりが低下し、アイアンクラブによる打球のコントロール性が低下するという問題がある。特に8番アイアン以上のロフトを有するショートアイアンによる打球のスピンのかかり具合が悪化し、その結果、打球が予想に反して伸びたり、グリーン上で止まり難いという問題がある。
以上の点から、従来のゴルフボールは、プロゴルファー等の技術の上級者において十分満足できるものではなく、その改善が強く求められていた。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、弾性ソリッドコアを複数層の樹脂カバーで被覆し、ボール表面に多数のディンプルを備えたマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、ショートアイアンによる打球について、ドライの状態に対するウエットの状態のスピンの保持率を高めると同時に、ドライバー等の飛距離を稼ぐためのクラブによる打球における飛びの安定性を高めた高性能なマルチピースソリッドゴルフボールを提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するため、下記〔I〕〔II〕のマルチピースソリッドゴルフボールを提供する。
〔I〕 弾性ソリッドコアを複数層の樹脂カバーで被覆し、ボール表面に多数のディンプルを備えたマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、上記ソリッドコアは、その直径が30〜40mmであり、294N(30kgf)の荷重を加えた時に1.1mm以上4.0mm以下に変形する硬さを有し、上記カバーはコアに近接するカバー内層のショアD硬度が45〜56の範囲にあり、その外側のカバー外層のショアD硬度が35〜55であり、カバー内層のショアD硬度をA、カバー外層のショアD硬度をBとすると、これらA,BがA×B≧2300の関係を満たすと共に、ディンプルと交差しない大円が1本も存在しないように多数のディンプルを実質上均等にボール表面に配置してなり、かつ9番アイアンを用いてヘッドスピード34m/sでドライの状態(湿度40%)と、ウエットの状態(クラブフェース及びボールを水で濡らした状態)でそれぞれインパクト直後のボールの挙動を写真撮影し、写真解像によりボールのスピンを算出するとき、上記ドライの状態でボールを打撃した時に発生するスピンS1(rpm)に対する上記ウエットの状態でボールを打撃した時に発生するスピンS2(rpm)の比率〔(S2/S1)×100〕が51%以上であることを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボール。
〔II〕 弾性ソリッドコアを複数層の樹脂カバーで被覆し、ボール表面に多数のディンプルを備えたマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、上記ソリッドコアは、その直径が30〜40mmであり、294N(30kgf)の荷重を加えた時に1.1mm以上4.0mm以下に変形する硬さを有し、上記コアに近接するカバー内層の主材が、アイオノマー樹脂にオレフィン系エラストマー及び/又はポリエステル系エラストマーをブレンドしたものであり、そのカバー内層のショアD硬度が45〜70の範囲にあり、その外側のカバー外層の主材が、熱可塑性ポリウレタン系エラストマー、熱硬化性ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー又はこれらの混合物であり、そのカバー外層のショアD硬度が35〜55であり、カバー内層のショアD硬度をA、カバー外層のショアD硬度をBとすると、これらA,BがA×B≧2300の関係を満たすと共に、ディンプルと交差しない大円が1本も存在しないように多数のディンプルを実質上均等にボール表面に配置してなり、かつ9番アイアンを用いてヘッドスピード34m/sでドライの状態(湿度40%)と、ウエットの状態(クラブフェース及びボールを水で濡らした状態)でそれぞれインパクト直後のボールの挙動を写真撮影し、写真解像によりボールのスピンを算出するとき、上記ドライの状態でボールを打撃した時に発生するスピンS1(rpm)に対する上記ウエットの状態でボールを打撃した時に発生するスピンS2(rpm)の比率〔(S2/S1)×100〕が51%以上であることを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボール。
本発明によれば、上記解決手段を備えることにより、ボール表面にディンプルと交差しない大円が1本も存在しないようにディンプルを実質上均等にボール表面に配置してなるシームレスゴルフボールが得られ、ドライバー及びアイアンでの飛距離の安定性が得られると共に、ドライな状態(晴天時)は勿論、雨天時のウエットな状態においても、8番アイアン以上のロフトを有するショートアイアンによるボールのスピンのかかりが低下することなく、予想したとおりの打球の伸びと、グリーン上で止まり易く、コントロール性に優れ、ドライバーからグリーン周りまでのすべての条件において、安定した打撃条件、飛び性能、及びスピン性能を有し、プロゴルファー及びアマチュア上級者の使用に適した高性能なマルチピースソリッドゴルフボールが得られるものである。
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明のマルチピースソリッドゴルフボールGは、例えば図1に示したように、ソリッドコア1と、このコア1を被覆するカバー内層2と、このカバー内層2を被覆するカバー外層3とを備えたものであり、カバー内層2は図示の例以外の他、複数層であっても構わない。なお、図1中、Dはディンプルを示す。
ここで、上記ソリッドコア1は、ゴム組成物にて形成したものが好ましい。ゴム組成物としては、基材としてポリブタジエンを使用したものが好ましい。このポリブタジエンとしては、シス構造を少なくとも40%以上有する1,4−シスポリブタジエンが好適に挙げられる。また、この基材ゴム中には、所望により該ポリブタジエンに天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンブタジエンゴムなどを適宜配合することができる。ゴム成分を多くすることにより、ゴルフボールの反発性を向上させることができる。
また、上記ゴム組成物には、架橋剤としてメタクリル酸亜鉛、アクリル酸亜鉛等の不飽和脂肪酸の亜鉛塩、マグネシウム塩やトリメチルプロパンメタクリレート等のエステル化合物を配合し得るが、特にアクリル酸亜鉛を好適に使用し得る。これら架橋剤の配合量は、上記基材ゴム100質量部に対し、10質量部以上50質量部以下、特に20質量部以上45質量部以下とすることが好ましい。
上記ゴム組成物中には、通常、加硫剤が配合されているが、この加硫剤中には、1分間で半減期を迎える温度を155℃以下とするパーオキサイドが含まれていることが推奨され、その含有量は加硫剤全体の30質量%以上、特に40質量%以上であり、その上限は特に制限されないが、70質量%以下であることが好ましい。このようなパーオキサイドとしては、市販品を用いることができ、例えばパーヘキサ3M(日本油脂社製)などが挙げられる。加硫剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対し、0.6質量部以上2質量部以下とすることができる。
更に必要に応じて、老化防止剤や比重調整用の充填剤として酸化亜鉛や硫酸バリウム等を配合することができる。
上記成分を配合して得られるソリッドコア組成物は、通常の混練機、例えばバンバリーミキサーやロール等を用いて混練し、コア用金型に圧縮又は射出成形し、成形体を架橋剤及び共架橋剤が作用するのに十分な温度、例えば加硫剤としてジクミルパーオキサイドを用い、架橋剤としてアクリル酸亜鉛を用いた場合には、約130〜170℃、特に150〜160℃で10〜40分、特に12〜20分加熱硬化してソリッドコアを調製する。
上記ゴム組成物は、公知の方法で加硫・硬化させてソリッドコアを製造することができるが、その直径は30mm以上、より好ましくは33mm以上、更に好ましくは35mm以上であり、また40mm以下、より好ましくは39mm以下、更に好ましくは38mm以下とすることが好ましい。
また、このソリッドコアは、294N(30kgf)の荷重を負荷した場合における変形量が1.1mm以上であることが必要であり、好ましくは1.2mm以上、より好ましくは1.4mm以上、更に好ましくは1.5mm以上であり、また4.0mm以下、好ましくは3.5mm以下、より好ましくは3.0mm以下、更に好ましくは2.5mm以下、最も好ましくは2.3mm以下である。上記294N(30kgf)の荷重負荷時の変形量が上記値より小さいと、フィーリングが硬くなり、好ましくない。一方、上記変形量が大きすぎると、反発性及び耐久性が低下するおそれがある。なお、コア断面の硬度分布(JIS−C硬度)は、中心〜表面間で平坦であっても、中心〜表面間で傾斜をもたせても、或いは部分的に硬度差を設けても構わない。
上記ソリッドコアの比重は1.0以上、より好ましくは1.05以上、更に好ましくは1.1以上であり、上限としては1.3以下、より好ましくは1.25以下、更に好ましくは1.2以下である。
なお、コアは一種類の材料からなる単層構造としても、異種の材料からなる層を積層した二層以上からなる多層構造としても構わない。
次に、本発明においては、上記ソリッドコア1の周囲に複数層の樹脂カバー、特に図1に示したようなカバー内層2とカバー外層3を被覆形成し、カバー内層のショアD硬度が45〜70、その外側のカバー外層のショアD硬度が35〜55であり、カバー外層をカバー内層よりも軟らかく形成することが好ましい。
上記カバー内層2は、アイオノマー樹脂、又はアイオノマー樹脂とオレフィン系エラストマーとからなる樹脂成分を主材としたものにて形成することができる。また、アイオノマー樹脂にポリエステル系エラストマーをブレンドしたもの、アイオノマー樹脂の中和度を上げた樹脂材料、及び酸含有量の高いアイオノマー樹脂を用いることができる。上記カバー内層2の材料としては、下記(a),(b)のいずれか一方を主材とすることが好適である。
(a)アイオノマー樹脂にオレフィン系エラストマー及び/又はポリエステル系エラストマーをブレンドしたもの
(b)アイオノマー樹脂に、分子量が280以上の脂肪酸又はその誘導体と、各々の酸基を中和することのできる塩基性無機金属化合物とを加熱混合したもの
アイオノマー樹脂に更にオレフィン系エラストマーを混合することにより、各々を単独で使用したときに達し得ない特性(例えば打感や反発性)を得ることができる。オレフィン系エラストマーとしては、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ゴム強化オレフィンポリマー、フレキソマー、プラストマー、酸変性物を含む熱可塑性エラストマー(スチレン系ブロックコポリマー、水素添加ポリブタジエンエチレンプロピレンゴム)、動的に加硫されたエラストマー、エチレンアクリレート、エチレンビニルアセテート等が挙げられる。具体的には、三井・デュポンポリケミカル社製「HPR」,日本合成ゴム社製「ダイナロン」等の市販品が用いられる。
アイオノマー樹脂とオレフィン系エラストマーとの混合割合は、質量比で40:60〜95〜5、好ましくは45:55〜90:10、更に好ましくは48:52〜88:12、特に55:45〜85:15であることが望ましい。オレフィン系エラストマーが少なすぎると打感が硬くなりやすい場合がある。一方、これが多すぎると反発性が低下するおそれがある。
なお、上記アイオノマー樹脂は、Zn,Mg,Na,Li等のイオン中和タイプを用いることができる。この場合、比較的軟らかく、反発性の高いZn又はMgイオン中和タイプアイオノマー樹脂を5〜100質量%、より好ましくは10〜80質量%、更に好ましくは15〜70質量%含むものであることが好ましい。このアイオノマー樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲で、更に他のポリマーを配合しても差し支えない。
また、上記カバー内層は、アイオノマー樹脂にポリエステル系エラストマーもブレンドすることができ、その混合割合は質量比で40:60〜95:5、好ましくは45:55〜90:10、より好ましくは48:52〜88:12、更に好ましくは55:45〜85:15であることが好ましい。ポリエステル系エラストマーが少なすぎると打感が硬くなり易い場合がある。一方、多すぎると反発性が低下する場合がある。
また、上記カバー内層はアイオノマー樹脂に分子量が280以上の脂肪酸又はその誘導体と、各々の酸基を中和することのできる塩基性無機金属化合物を加熱混合してアイオノマー樹脂の酸基の中和度を向上させた材料を用いることができる。更に、カバー内層としては、アイオノマー樹脂の酸含量を向上させたアイオノマー樹脂〔例えばハイミランAM7317、同AM7318(三井・デュポンポリケミカル社製)など〕を用いることができる。
なお、カバー内層には、酸化亜鉛、硫酸バリウム、二酸化チタン等の無機充填剤を30質量%程度、特に1〜20質量%含有することが好ましい。
カバー内層のショアD硬度は45以上、好ましくは50以上、より好ましくは53以上、更に好ましくは55以上であり、また、70以下、好ましくは68以下、より好ましくは66以下、更に好ましくは64以下、より更に好ましくは62以下、最も好ましくは56以下である。カバー内層のショアD硬度が低すぎるとボールの反発性が低下し、一方、高すぎると打感が硬くなってしまう。
更に、カバー内層の比重は0.8以上、より好ましくは0.9以上、更に好ましくは0.92以上、最も好ましくは0.93以上であり、また1.4以下、より好ましくは1.16以下、更に好ましくは1.1以下、最も好ましくは1.05以下であることが好ましい。
なお、上記カバー内層の厚さは0.5mm以上、好ましくは0.7mm以上、より好ましくは0.9mm以上、更に好ましくは1.1mm以上であり、また3.0mm以下、より好ましくは2.5mm以下、更に好ましくは2.0mm以下である。
上記カバー外層3は、限定されるものではないが、熱可塑性ポリウレタン系エラストマー、熱硬化性ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー又はこれらの混合物を主材としたものにて形成することが好ましい。また、ポリアミド系エラストマー、アイオノマー樹脂、ポリエステル系エラストマー/アイオノマー樹脂=100/0〜60/40(質量比)でブレンドしたもの、芳香族又は脂肪族イソシアネートを用いて得られる熱可塑性ポリウレタン系エラストマーを主材としたもの、上記熱可塑性ポリウレタン系エラストマーとイソシアネート化合物との反応生成物を主成分としたものなども好適に用いることができる。
ここで、熱可塑性ポリウレタン系エラストマーとしては、その分子構造が、ソフトセグメントを構成する高分子ポリオール化合物と、ハードセグメントを構成する単分子鎖延長剤とジイソシアネートとを含むものが好適である。
高分子ポリオール化合物としては、特に制限されるものではないが、例えばポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、コポリエステル系ポリオール又はポリカーボネート系ポリオールなどが挙げられる。ポリエステル系ポリオールとしては、例えばポリカプロラクトングリコール、ポリ(エチレン−1,4−アジペート)グリコール、ポリ(ブチレン−1,4−アジペート)グリコールなどが挙げられ、コポリエステル系ポリオールとしては、ポリ(ジエチレングリコールアジペート)グリコールなどが挙げられ、ポリカーボネート系ポリオールとしては、(ヘキサンジオール−1,6−カーボネート)グリコールなどが挙げられ、ポリエーテル系ポリオールとしては、ポリオキシテトラメチレングリコール等が挙げられる。これらポリオール化合物の数平均分子量は約600〜5000、好ましくは1000〜3000である。
単分子鎖延長剤としては、通常の多価アルコール、アミン類を用いることができ、例えば1,4−ブチレングリコール、1,2−エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジシクロヘキシルメチルメタンジアミン(水添MDA)、イソホロンジアミン(IPDA)などが挙げられる。
ジイソシアネートとしては、脂肪族ジイソシアネート及び芳香族ジイソシアネートを好適に用いることができる。具体的には、脂肪族ジイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4(2,4,4)−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、リジンジイソシアネート(LDI)などが挙げられる。芳香族ジイソシアネートとしては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
これらの中でも、特にカバーの耐黄変性の点から脂肪族ジイソシアネートが好ましく、中でもHDIが他の樹脂とブレンドする際の相溶性の点から好ましい。
上記熱可塑性ポリウレタン系エラストマーは、粘弾性測定によるtanδピーク温度が−15℃以下、特に−16℃以下、下限として−50℃以上であるものが軟らかさ、反発性の点から好ましい。
このような熱可塑性ポリウレタン系エラストマーとしては、市販品を用いることができ、例えばパンデックスT7298(−20℃),同T7295(−26℃),同T7890(−30℃)(DIC・バイエルポリマー社製)などのジイソシアネートが脂肪族であるものが挙げられる。なお、括弧内の数字はいずれもtanδピーク温度を示す。
本発明のカバー材としては、上述した熱可塑性ポリウレタン系エラストマーとイソシアネート化合物との反応生成物を用いることもでき、これによりアイアン打撃時の表面耐久性を更に向上させることができる。
イソシアネート化合物としては、通常のポリウレタンに使用されているイソシアネート化合物であれば特に制限なく用いることができ、例えば芳香族イソシアネート化合物としては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート又はこれら両者の混合物、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニルジイソシアネートなどが挙げられ、これら芳香族イソシアネート化合物の水添物、例えばジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどを用いることもできる。また、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、オクタメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、キシレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。更に、末端に2個以上のイソシアネート基を有する化合物のイソシアネート基と活性水素を有する化合物とを反応させたブロックイソシアネート化合物や、イソシアネートの二量化によるウレチジオン体などが挙げられる。
上記イソシアネート化合物の配合量は、熱可塑性ポリウレタン系エラストマー100質量部に対して、通常0.1質量部以上、好ましくは0.2質量部以上、更に好ましくは0.3質量部以上、また10質量部以下、好ましくは5質量部以下、更に好ましくは3質量部以下であることが好ましい。少なすぎると十分な架橋反応が得られず、物性の向上が認められない場合がある。一方、多すぎると経時、熱、紫外線による変色が大きくなる、熱可塑性を失ってしまったり、反発の低下等の問題が生じる場合がある。
本発明におけるカバー材は、熱硬化性ポリウレタンとしては、ポリイソシアネート、例えば2,4−トルエンジイソシアネート(TDI)、メチレンビス−(4−シクロヘキシルイソシアネート)(HMDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、又は3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート(TODI)と、ポリアミン、例えばメチレンジアニリン(MDA)で硬化するポリオール、3価グリコール、例えばトリメチロールプロパン、又は4価グリコール、例えばN,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンから得られる。
好適なポリエーテルポリオールとしては、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール、又はポリブタジエングリコールである。
好適なポリエステルポリオールとしては、ポリエチレンアジペートグリコール、ポリエチレンプロピレンアジペートグリコール、又はポリブチレンアジペートグリコールである。好適なポリラクトンポリオールとしては、ジエチレングリコール開始カプロラクトン、1,4−ブタンジオール開始カプロラクトン、トリメチロールプロパン開始カプロラクトン、又はネオペンチルグリコール開始カプロラクトンである。
これらの中でも好ましいポリオールとしては、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレンアジペートグリコール、ポリブチレンアジペートグリコール、又はジエチレングリコール開始カプロラクトンである。
好適な硬化剤としては、3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジメチルチオ−2,6−トルエンジアミン、N,N’−ジアルキルジアミノジフェニルメタン、トリメチレン−グリコール−ジ−p−アミノベンゾエート、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート、2価グリコール及びこれらの混合物からなる遅反応性ポリアミン群から選ばれる。
3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン及び3,5−ジメチルチオ−2,6−トルエンジアミンは異性体であり、エチルコーポレーションから、ETHACURE(登録商標)300の商品名で販売されている。トリメチレン−グリコール−ジ−p−アミノベンゾエートはPOLACURE 740Mの商品名で、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエートはPOLAMINESの商品名で、ポラロイド社から販売されている。N,N’−ジアルキルジアミノジフェニルメタンはUOPからUNILINK(登録商標)の商品名で販売されている。
好ましいグリコールとしてはPTMEG、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールである。
好適な2価グリコールとしては、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール、ジプロピレングリコール、又はエチレングリコールである。2価グリコールは本来的に遅反応性である。
このように熱硬化性ポリウレタンは、多数の商業的に入手可能な芳香族、脂肪族、及び脂環族ジイソシアネートとポリイソシアネートから製造することができる。
熱可塑性ポリエステルエラストマーとしては、テレフタル酸、1,4−ブタンジオール、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリプロピレングリコール(PPG)とから合成される。ポリブチレンテレフタレート(PBT)部分をハードセグメント、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリプロピレングリコール(PPG)部分をソフトセグメントとするポリエーテルエステル系のマルチブロックコポリマーをいい、具体的には、ハイトレル3078、同4047、同G3548W、同4767、同5577(東レ・デュポン製)などが挙げられる。
ポリアミド系エラストマーとしては、ナイロンオリゴマーであるナイロン6,11,12をハードセグメント、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)、又はポリプロピレングリコール(PPG)をソフトセグメントとするポリアミド系のマルチブロックコポリマーをいい、具体的にはペバックス2533,3533,4033(エルフ−アトケム社製)などが挙げられる。
アイオノマー樹脂としては、ソリッドゴルフボールのカバー材として通常使用されているものを使用することができる。具体的には市販品を用いることができ、ハイミラン1855(三井・デュポンポリケミカル社製)、サーリン8120、同8320、同6320(米国デュポン社製)などを挙げることができ、2種以上のアイオノマー樹脂を組合わせて用いることもできる。
これらカバー材は単独又は混合して用いることができ、また各々の樹脂とアイオノマー樹脂とを混合することもできる。なお、必要に応じて、カバー材に顔料、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤等の公知の添加剤を配合することも可能である。
カバー外層のショアD硬度は35以上、好ましくは38以上、より好ましくは41以上、更に好ましくは44以上、最も好ましくは47以上であり、また55以下、好ましくは53以下、より好ましくは51以下、更に好ましくは50以下、最も好ましくは49以下であり、カバー内層のショアD硬度より低いことが好ましい。カバー外層のショアD硬度が低すぎるとスピンが多くかかり過ぎる傾向があり、飛距離が低下する。一方、高すぎるとスピンのかかりが少なくなりすぎ、コントロール性が低下する上、ドライの状態及びウエットの状態での打撃時のスピン安定性が低下してしまう。
上記カバー外層の比重は0.9以上、好ましくは0.95以上、より好ましくは1.0以上、更に好ましくは1.05以上であり、上限は1.3以下、好ましくは1.25以下、より好ましくは1.22以下、更に好ましくは1.19以下である。カバー外層の厚みは0.5mm以上、好ましくは0.7mm以上、より好ましくは0.9mm以上、更に好ましくは1.1mm以上であり、上限は2.5mm以下、好ましくは2.3mm以下、より好ましくは2.0mm以下である。
また、本発明においては、カバー内層のショアD硬度をA、カバー外層のショアD硬度をBとすると、これらA,BがA×B≧2300の関係を満たすものであり、好ましくはA×B≧2500、更に好ましくはA×B≧2800であることが好ましい。A×B≧2300の関係を外れるとスピンが多くかかりすぎ、飛距離が低下する場合がある。
なお、カバー内外層を形成する方法としては、特に制限はなく、通常のインジェクション成形又はコンプレッション成形を採用することができる。
本発明においては、カバー内層とカバー外層との間には、打撃時の耐久性を向上させる目的のために、接着剤層を設けることが好ましい。接着剤としては、エポキシ樹脂系接着剤、ビニル樹脂系接着剤、ゴム系接着剤などを用いることもできるが、特にウレタン樹脂系接着剤、塩素化ポリオレフィン系接着剤を用いることが好ましい。
この場合、接着剤層の形成をディスパージョン塗装にて行うことができるが、ディスパージョン塗装に用いるエマルジョンの種類に限定はない。エマルジョン調製用の樹脂粉末としては、熱可塑性樹脂粉末でも熱硬化性樹脂粉末でも用いることができ、例えば酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル共重合樹脂、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂)、アクリル酸エステル(共)重合樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂等を使用することができる。これらの中で、特に好ましいのはエポキシ樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、アクリル酸エステル(共)重合樹脂であり、中でも熱可塑性ウレタン樹脂が好適である。
なお、接着剤層の厚さは好ましくは0.1〜30μm、より好ましくは0.2〜25μm、更に好ましくは0.3〜20μmである。
このようにして得られる本発明のソリッドゴルフボールは、9番アイアンを用いてヘッドスピード34m/sでドライの状態(湿度40%)と、ウエットの状態(クラブフェース及びボールを水で濡らした状態)でそれぞれインパクト直後のボールの挙動を写真撮影し、写真解像によりボールのスピンを算出したとき、上記ドライの状態でボールを打撃した時に発生するスピンS1(rpm)に対する上記ウエットの状態でボールを打撃した時に発生するスピンS2(rpm)の比率〔(S2/S1)×100〕が47%以上、好ましくは48%以上、より好ましくは49%以上、更に好ましくは50%以上、最も好ましくは51%以上である。比率〔(S2/S1)×100〕が47%未満ではドライ状態とウエット状態でのスピンコントロール性の開きが大きすぎて改善効果が認め難く、また飛距離のばらつきが大きくなり、本発明の目的及び作用効果を達成することができない。
ここで、ドライの状態とは通常の又は晴天時の状態をいう。また、ウエットの状態とは雨天時のゴルフコース状態又は芝生が露に濡れたゴルフコースの状態をいい、具体的にはゴルフボール表面が水に濡れた状態をいう。
本発明のマルチピースソリッドゴルフボールは、図2〜4に示したように、ディンプルと交差しない大円が1本も存在しないように多数のディンプルを実質上均等にボール表面に配置してなるシームレスゴルフボールである。このようなシームレスゴルフボールとすることにより、ドライバーのような距離を稼ぐためのクラブによる打球の方向及び飛距離にばらつきがなく、安定性が得られるものである。
この場合、ディンプル配列方法としては、公知の方法を採用し得、上記ディンプルが均等に配置していれば特に制限されないが、8面体配列、20面体配列、半球を2〜6に等分割するなどの球面分割法を採用し得、その分割領域内にディンプルを配置する方法とすることができる。なお、これらの方法に微修正を施す方法もとることができる。
ディンプル総数は、360個以上540個以下、より好ましくは380個以上、更に好ましくは390個以上であり、またより好ましくは450個以下、更に好ましくは400個以下である。
本発明において、ディンプル形状は、通常平面円形であり、その直径は1.8mm以上、より好ましくは2.4mm以上、更に好ましくは3.0mm以上であり、また4.6mm以下、より好ましくは4.4mm以下、更に好ましくは4.2mm以下であることが好ましい。深さは0.08mm以上、より好ましくは0.1mm以上、更に好ましくは0.12mm以上であり、また0.22mm以下、より好ましくは0.2mm以下、更に好ましくは0.19mm以下であることが好ましい。この場合、ディンプルは、その直径が互いに異なる2種以上、より好ましくは3種以上、更に好ましくは4種以上であり、また直径が互いに異なる6種以下、特に5種以下の組み合わせである多種ディンプルであることが好ましい。なお、深さが互いに相違してもよい。
本発明のゴルフボールのディンプル配列は、具体的には、図2に示したように、正20面体配列で、直径が異なる4種類のディンプルD1〜D4を合計420個有し、これらディンプルが交差しない大円が1本もなく均等に配置したものである(大円の一つである赤道Eに交差するディンプルを斜線で示した)。
図3に示したように、正8面体配列で、直径が異なる3種類のディンプルD1〜D3を合計392個有し、これらディンプルが交差しない大円が1本もなく均等に配置したものである(大円の一つである赤道Eに交差するディンプルを斜線で示した)。
図4に示したように、正20面体配列で、直径が異なる4種類のディンプルD1〜D4を合計432個有し、これらディンプルが交差しない大円が1本もなく均等に配置したものである(大円の一つである赤道Eに交差するディンプルを斜線で示した)。
これに対し、図5に示したように、疑似20面体配列で、直径が異なる3種類のディンプルD1〜D3を合計420個配置し、大円の一つである赤道Eにはディンプルが交差しておらず、陸部が連続している。
図6に示したように、疑似20面体配列で、直径が異なる3種類のディンプルD1〜D3を合計432個配置し、大円の一つである赤道Eにはディンプルが交差しておらず、陸部が連続している。
図7に示したゴルフボールは、市販の糸巻きゴルフボールに適用されていたディンプル配列であり、これも赤道にはディンプルが交差しておらず、陸部が連続している。
これら図5〜7のディンプル配列のゴルフボールは、ディンプルが交差しない大円が存在し、ディンプルが均等配置されておらず、ドライバーのような距離を稼ぐためのクラブによる打球の方向及び飛距離にばらつきが生じ、飛びの安定性を欠くものである。
本発明のゴルフボールの直径及び重さは、ゴルフ規則に従うものであるが、直径42.67mm以上で、44mm以下、より好ましくは43.5mm以下、更に好ましくは43mm以下の範囲に形成することが好ましい。また、重さは45.92g以下で、44.5g以上、より好ましくは44.8g以上、更に好ましくは45g以上、最も好ましくは45.1g以上の範囲が好ましい。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
〔実施例,比較例,参考例〕
常法に従い、表1に示すソリッドコア上に、表2,3に示すカバー内層及びカバー外層を順次形成すると共に、ディンプルを均一に形成し、表4,5に示すツーピースソリッドゴルフボール又はスリーピースソリッドゴルフボールを製造した。
Figure 2007296383
*ポリブタジエン:JSR BR11(日本合成ゴム社製)
*ジクミルパーオキサイド:パークミルD(日本油脂社製)
*老化防止剤:ノクラックNS6(大内新興化学社製)
Figure 2007296383
*表中、添加剤の数値は樹脂成分の合計(100)に対する値を示す。
Figure 2007296383
*表中、添加剤の数値は樹脂成分の合計(100)に対する値を示す。
*パンデックス:DIC・バイエルポリマー社製、熱可塑性ポリウレタン系エラストマー
*ニュクレル:三井・デュポンポリケミカル社製、エチレン・メタクリル酸・アクリル酸エステル共重合体及びエチレン−メタクリル酸共重合体
*ハイミラン:三井・デュポンポリケミカル社製、アイオノマー樹脂
*ダイナロン:JSR社製、ポリブタジエン水素添加物
*サーリン:米国デュポン社製、アイオノマー樹脂
*ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート:住友バイエルウレタン工業社製
*ハイトレル:東レ・デュポン社製、熱可塑性ポリエステルエラストマー
得られた各ゴルフボールについて、下記方法で飛び試験を行い、また、ドライ及びウェットの条件において9番アイアン(#I9)でのスピン、飛距離を計測し、スピン保持率、飛距離を算出した。更に、サンドウェッジ(#SW)を用いてアプローチショット時のスピン性能、グリーン上の止まりを評価した。結果を表4,5に示す。
飛び試験
ミヤマエ社製スイングロボットを用い、ドライバー(#W1)でヘッドスピード(HS)50m/sで各ボールを20発ずつ打撃し、キャリー、トータル飛距離を測定した。
<使用クラブ>
ヘッド: ブリヂストンスポーツ社製,J’s−METAL,
ロフト角7.5°,ライ角57°,SUS630ステンレス,
ロストワックス製法
シャフト:ハーモテックプロ,HM−70,LK(先調子),硬さX
スピン
9番アイアン(#I9)を用いてヘッドスピード(HS)34m/sでドライの状態(湿度40%)と、ウエットの状態(クラブフェース及びボールを水で濡らした状態)でそれぞれインパクト直後のボールの挙動を写真撮影し、写真解像により算出した。
アプローチ試験
前記スイングロボットを用い、サンドウエッジ(#SW)〔クラシカルエディション;ブリヂストンスポーツ株式会社製〕でヘッドスピード(HS)20m/sで各ボールを10発ずつ打撃してインパクト直後のボール挙動を写真撮影し、写真解像によりスピンを算出した。また、ボールをグリーン上に落下させて止まるまでの距離を計測した。
Figure 2007296383
Figure 2007296383
本発明の一実施例に係るマルチピースソリッドゴルフボールの概略断面図である。 実施例1,3のゴルフボールのディンプル配列パターンを示す側面図である。 実施例2のゴルフボールのディンプル配列パターンを示す側面図である。 実施例4のゴルフボールのディンプル配列パターンを示す側面図である。 比較例1〜3のゴルフボールのディンプル配列パターンを示す側面図である。 比較例4のゴルフボールのディンプル配列パターンを示す側面図である。 比較例5のゴルフボールのディンプル配列パターンを示す側面図である。
符号の説明
1 ソリッドコア
2 カバー内層
3 カバー外層
G ゴルフボール
D ディンプル
E 赤道

Claims (9)

  1. 弾性ソリッドコアを複数層の樹脂カバーで被覆し、ボール表面に多数のディンプルを備えたマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、上記ソリッドコアは、その直径が30〜40mmであり、294N(30kgf)の荷重を加えた時に1.1mm以上4.0mm以下に変形する硬さを有し、上記カバーはコアに近接するカバー内層のショアD硬度が45〜56の範囲にあり、その外側のカバー外層のショアD硬度が35〜55であり、カバー内層のショアD硬度をA、カバー外層のショアD硬度をBとすると、これらA,BがA×B≧2300の関係を満たすと共に、ディンプルと交差しない大円が1本も存在しないように多数のディンプルを実質上均等にボール表面に配置してなり、かつ9番アイアンを用いてヘッドスピード34m/sでドライの状態(湿度40%)と、ウエットの状態(クラブフェース及びボールを水で濡らした状態)でそれぞれインパクト直後のボールの挙動を写真撮影し、写真解像によりボールのスピンを算出するとき、上記ドライの状態でボールを打撃した時に発生するスピンS1(rpm)に対する上記ウエットの状態でボールを打撃した時に発生するスピンS2(rpm)の比率〔(S2/S1)×100〕が51%以上であることを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボール。
  2. 弾性ソリッドコアを複数層の樹脂カバーで被覆し、ボール表面に多数のディンプルを備えたマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、上記ソリッドコアは、その直径が30〜40mmであり、294N(30kgf)の荷重を加えた時に1.1mm以上4.0mm以下に変形する硬さを有し、上記コアに近接するカバー内層の主材が、アイオノマー樹脂にオレフィン系エラストマー及び/又はポリエステル系エラストマーをブレンドしたものであり、そのカバー内層のショアD硬度が45〜70の範囲にあり、その外側のカバー外層の主材が、熱可塑性ポリウレタン系エラストマー、熱硬化性ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー又はこれらの混合物であり、そのカバー外層のショアD硬度が35〜55であり、カバー内層のショアD硬度をA、カバー外層のショアD硬度をBとすると、これらA,BがA×B≧2300の関係を満たすと共に、ディンプルと交差しない大円が1本も存在しないように多数のディンプルを実質上均等にボール表面に配置してなり、かつ9番アイアンを用いてヘッドスピード34m/sでドライの状態(湿度40%)と、ウエットの状態(クラブフェース及びボールを水で濡らした状態)でそれぞれインパクト直後のボールの挙動を写真撮影し、写真解像によりボールのスピンを算出するとき、上記ドライの状態でボールを打撃した時に発生するスピンS1(rpm)に対する上記ウエットの状態でボールを打撃した時に発生するスピンS2(rpm)の比率〔(S2/S1)×100〕が51%以上であることを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボール。
  3. カバー外層をカバー内層より軟らかく形成した請求項1又は2記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  4. カバー外層が、熱可塑性ポリウレタン系エラストマー、熱硬化性ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー又はこれらの混合物を主材として形成された請求項1記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  5. カバー外層が、芳香族又は脂肪族ジイソシアネートを用いて得られる熱可塑性ポリウレタン系エラストマーを主材として形成された請求項1〜4のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  6. カバー外層が、熱可塑性ポリウレタン系エラストマーと、イソシアネート化合物との反応生成物を主材として形成された請求項1〜5のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  7. カバー内層とカバー外層との間に接着剤層が介在してなる請求項1〜6のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  8. 上記コアの比重が1.0〜1.3であり、カバー内層の比重が0.8〜1.4であり、カバー外層の比重が0.9〜1.3である請求項1〜7のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  9. 上記アイオノマー樹脂と上記オレフィン系エラストマー及び/又はポリエステル系エラストマーをとの混合割合が、質量比で40:60〜95〜5である請求項2〜8のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
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