JP2007296325A - プリオン不活性化のための方法および装置 - Google Patents

プリオン不活性化のための方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】プリオンを不活性化する方法であって、特に、医用機器上のプリオンを不活性化するのに有効な方法を提供する。
【解決手段】滅菌室内には、所与の量のプリオンを有する物品を設置する。この滅菌室内の圧力は、過酸化水素の蒸気圧より低い圧力まで低下させ、滅菌室内に過酸化水素溶液を投入し、物品に接触した状態で配置させ、この物品上のプリオンを不活性化する。
【選択図】図1

Description

開示の内容
〔発明の分野〕
本発明は、物品の処置、より具体的には、当該物品上のプリオンを不活性化するための物品の処置に関する。
〔発明の背景〕
ほとんどの医用機器は、使用前に滅菌されている。また、ほとんどの医用機器は、滅菌されて、保護パッケージで販売され、開梱されて、機器が医療処置に使用されるまでは、滅菌状態を維持している。中には再使用される機器もあるが、このような装置でも、再使用前には、必ず滅菌しなければならない。一般的な滅菌方法としては、高温度スチーム、放射、および酸化エチレンや過酸化水素などの化学蒸気(chemical vapors)を含む。
プリオンとは、伝達性海綿状脳症(TSE)として知られる、同様の致命的な脳疾患の原因となる蛋白質性の感染物質である。これらの疾患は、ヒトにおけるクロイツフェルトヤコブ病(CJD)、「狂牛病」としても知られる、ウシ海綿状脳症(BSE)、ヒツジ海綿状脳症、およびシカの消耗病を含む。ヒトにおけるクロイツフェルトヤコブ変異病(Creutzfeldt-Jakob variant disease)(CVDv)は、畜牛におけるBSEの原因となる同一の蛋白質によって発生すると考えられる。プリオンは、宿主において一般的に発見される蛋白質の異常形態と考えられる。しかし、この蛋白質の正常形態と異なり、異常形態の蛋白質は、特に神経組織に蓄積し、結局は、神経細胞の死の原因となる。
これまで、一般的な滅菌方法は、プリオンの非感染化には成功していない。プリオンは、DNAまたはRNAを含有していなければ、通常生存しているとは考えられないが、物品上の感染性微生物の駆除による当該物品の滅菌という従来の考え方では、プリオンを駆除することはできない。逆に、目的は、一つ以上の化学結合を分解することなどにより、ある方法でプリオンを不活性化し、宿主中でCJDまたはCJDvなどのプリオン病を発生させないことである。
プリオンを不活性化する方法として、一般的に受け入れられているものは、当該プリオンを変性させるために極端に高いpHおよび温度を有する溶液による処置を伴う。プリオンが折りたたみ構造を有する(folded)場合では、通常の蛋白質変性物質を使用して当該プリオンを変性させる工程を無効にする傾向がある。上記一般に認められている方法の場合、高い温度およびpHにより、医用機器にかなりの損傷を招くことが多い。
これまで、過酸化水素の蒸気および/またはプラズマと結合した過酸化水素の蒸気を採用した滅菌装置では、プリオンを不活性化できないと考えられてきた。59%の過酸化水素溶液を真空条件下で滅菌室に投入して有効な過酸化水素の滅菌用蒸気を発生させ、一点で当該蒸気を励起させプラズマ段階(plasma stage)にする典型的な装置で、試験が行われた。この方法では、医用機器上のプリオンを十分に不活性化させ、当該プリオンを非感染性にすることはできなかった。
驚いたことに、本願発明者は、より高濃度、および/または、より高いプラズマ密度の過酸化水素蒸気の適用が、プリオンを不活性化し、そのように処理された物品をプリオン病に対して非感染性にするのに有効であることを発見した。
〔発明の要約〕
本発明によるプリオンを不活性化する方法は、いくらかの量のプリオンを有する物品を滅菌室内に配置するステップと、過酸化水素の蒸気圧より低い圧力に前記滅菌室内の圧力を低下させるステップと、前記滅菌室内に過酸化水素を含む溶液を投入し、前記物品を過酸化水素蒸気に接触させるステップと、前記プリオンと前記過酸化水素蒸気との間の接触を通じて滅菌室内のプリオンを非活性化させるステップと、を含む。
好ましくは、滅菌室内に投入された溶液中の過酸化水素の濃度は、70%を超え、より好ましくは75%、さらに好ましくは80%、いっそう好ましくは85%、最も好ましくは、90%を超える。
好ましくは、前記物品を過酸化水素と接触させるステップの間の物品の温度は、摂氏30度を超え、より好ましくは、摂氏35度、さらに好ましくは摂氏40度、最も好ましくは、摂氏45度を超える。
本発明の一態様において、前記方法は、プラズマ相に前記過酸化水素蒸気を励起する工程と、前記プラズマ相において前記プリオンを前記過酸化水素と接触させる工程と、をさらに含む。好ましくは、このプラズマ密度は、立方センチメートル当たり(milliwatts/cm3)少なくとも10ミリワットとし、より好ましくは、立方センチメートル当たり20ミリワット、さらに好ましくは立方センチメートル当たり30ミリワット、いっそう好ましくは立方センチメートル当たり40ミリワットとし、最も好ましくは、立方センチメートル当たり少なくとも50ミリワットとする。
好ましくは、前記プラズマのプリオンとの接触時間は、少なくとも2分間、より好ましくは、少なくとも3分間、最も好ましくは、少なくとも4分間とする。
好ましくは、前記プラズマは、陽極と陰極との間に生成され、この二極間の間隔は、15.24ミリメートル(0.6インチ)未満、おそらくは12.7ミリメートル(0.5インチ)未満である。また、約12.7ミリメートル(約0.5インチ)の間隔も、好まれる。好ましくは、各プリオンと、陽極および電極のうちの、より近い極との間の最短距離は、38.1ミリメートル(1.5インチ)であり、より好ましくは、25.4ミリメートル(1インチ)である。この各プリオンと、陽極との間の最短距離は、25.4ミリメートル(1インチ)以下であってもよい。
好ましくは、前記過酸化水素は、前記物品の滅菌も行う。
前記過酸化水素の少なくとも一部の濃度は、好ましくは前記溶液から水分を選択的に除去し、その水分を滅菌室経由で排出することにより、当該過酸化水素にプリオンを接触させる前に増加させてもよい。
前記プリオン周辺の気体は、プラズマ相に励起し、その後、当該プリオンと接触させてもよい。
前記滅菌室内の圧力を低下させるステップと、前記滅菌室内に溶液を投入するステップとは、あるサイクルを含み、当該サイクルは、1回以上反復される。
好ましくは、前記物品と接触する過酸化水素蒸気は、1リットル当たり10ミリグラム以上の濃度を有し、さらに好ましくは、1リットル当たり15ミリグラム以上、あるいは1リットル当たり20ミリグラム以上、最も好ましくは、1リットル当たり25ミリグラム以上の濃度を有する。
好ましくは、前記方法は、前記物品上に前記過酸化水素蒸気の一部を凝縮するステップをさらに含み、前記凝縮された過酸化水素の濃度は、少なくとも80重量%の過酸化水素であり、より好ましくは、少なくとも85重量%、さらに好ましくは90重量%で、最も好ましくは、少なくとも95重量%である。前記物品上で凝縮した過酸化水素のすべてではないにしても、好ましくは少なくとも一部は、滅菌室を低圧に下げることにより、再び気化される。
プリオンを不活性化する、本発明による、方法は、滅菌室内に所与の量のプリオンを有する物品を配置するステップと、当該物品をプラズマに接触させてプリオンの不活性化を行うステップと、を含む。好ましくは、前記プラズマは、過酸化水素を含む気体から形成される。好ましくは、このプラズマ密度は、立方センチメートル当たり少なくとも10ミリワット、より好ましくは、立方センチメートル当たり20ミリワット、30ミリワット、40ミリワット、最も好ましくは、立方センチメートル当たり少なくとも50ミリワットである。このプラズマ密度は、プラズマ発生時には、陽極と、電極との間で測定される。
〔詳細な説明〕
図1に、バクテリアやウィルスなど、従来の感染性微生物の駆除に有効なだけでなく、プリオンの不活性化にも有効であることが示された滅菌装置10を、ブロック図形式で示す。この滅菌装置は、概略的には、滅菌室12と、気化器14と、真空ポンプ16と、を備える。この真空ポンプは、滅菌室の真空度を、好ましくは66.66Pa(0.5トル)の低さに真空引きすることができる。真空ポンプ16と、滅菌室12との間の部分は、好ましくは絞り弁18に、任意にはオリフィスプレート20に、配置される。絞り弁18は、好ましくは、良好な遮断機能も有する。好ましくは、絞り弁18に隣接して配置される圧力計22は、滅菌室12の内部の真空度を示す。HEPA抗菌性フィルタを用いた通気バルブ23により、滅菌室12に清浄な滅菌エアが入ることができる。気化器14は、細長い拡散経路24により、滅菌室12に連結する。また、図2を参照すると、拡散経路24は、温度制御素子26を内蔵し、拡散経路24に沿って温度を制御する。
過酸化水素溶液など、滅菌液を気化するのに適切な気化器が、当技術分野で知られている。参照によって本明細書に組み込まれた、2000年12月10日に出願された、ケーラー(Kohler)等による米国特許第6,106,772号、およびグエン(Nguyen)等による米国特許出願第09/728,973号に、本出願に適切な気化器が、説明されている。この気化器は、最も簡単な形態においては、過酸化水素溶液が注入される小型のチェンバを含んでもよい。同チェンバ内の真空によって発生する、気化器内の低圧により、過酸化水素溶液が、気化する。
好ましくは、気化器14自体は、当該気化器内の温度を制御して気化処理を最適化する加熱素子28を、内蔵する。好ましくは、気化器14が、拡散経路24に連絡する場合、その界面には何らかの形態の断熱材30が、設けられているため、気化器14の高温により、拡散経路24の内部の温度に不当に影響を与えることはない。気化器14および拡散経路24は、好ましくは、アルミニウムで構成され、断熱材30は、この二つを共に連結するポリ塩化ビニル(PVC)ジョイントの形態を採ってもよい。
さらに、滅菌室12の内部、好ましくは滅菌室12の下位部分付近に、ヒータ32を含み、滅菌室12の内部で凝縮された過酸化水素が、再び気化されるのが好ましい。
滅菌室12は、好ましくは、当該滅菌室内にプラズマを生成する機構(不図示)を含む。このような機構は、参照によって本明細書に組み込まれる、ヤコブ(Jacobs)等による米国特許第4,643,867号、もしくは、公開された、プラット・ジュニア(Platt, Jr.)等による米国特許出願明細書第20020068012号に記載されるような、ラジオ周波数エネルギ源または低周波エネルギ源を含んでもよい。
本発明は、気化器14内の溶液から気化される過酸化水素の一部を拡散経路24の上に凝縮させることにより、その有益な効果を発揮する。過酸化水素溶液のほとんどが気化した後、温度制御素子26により拡散経路の温度を上昇させ、凝縮された過酸化水素を再び気化させる。水は、過酸化水素よりも高い蒸気圧を有するため、当該蒸気中の過酸化水素は、水よりも容易に凝縮する。このため、拡散経路内で凝縮する物質は、気化器14内の過酸化水素溶液の初期濃度よりも高い過酸化水素濃度を有する。
単純形態の温度制御素子26は、単なる電気抵抗ヒータを備えてもよい。このような場合、拡散経路24の周辺温度が低いため、同経路上の過酸化水素を凝縮するための温度も低くなり、制御素子26が、拡散経路24を後に加熱し、拡散経路24から、より高濃度となった過酸化水素を、再び気化させる。過酸化水素の蒸気圧は、温度の低下と共に低下するため、拡散経路24内のより低い初期温度により、拡散経路内の過酸化水素の凝縮をその後妨げることなく、滅菌室24内の圧力が、より低下する。滅菌室内の圧力が、より低下すると、装置の効率が向上するため、温度制御素子26は、拡散経路の温度を周辺温度以下に低下させるために、冷却部品を、さらに備えてもよい。適切な冷却部品としては、熱電クーラや、通常の機械的冷蔵装置を含む。このような場合、拡散経路24は、好ましくは摂氏約10度まで最初に冷却され、その後、気化開始後または終了後しばらくたってから、拡散経路24は、好ましくは摂氏50度または110度まで加熱される。
図2のように縦向きに配向されると、拡散経路24は、温度制御素子26の間のクーラ領域で、潜在的に、気化する滅菌剤を凝縮させることができる。この凝縮された滅菌剤は、当該滅菌剤が温度制御素子26を通過するときに、再び気化させてもよい。
以下の実施例は、拡散経路内の熱を制御する利点について説明するものである。
実施例1
20リットルのアルミニウムチェンバ(11.18センチメートル(4.4インチ)x30.48センチメートル(12インチ)x55.88センチメートル(22インチ))内の代表的な医用機器および試験用ルーメンから成るCSR包装のトレイ(8.89センチメートル(3.5インチ)x25.4センチメートル(10インチ)x50.8センチメートル(20インチ))を配置することにより、有効性についての試験を行った。上記試験用ルーメンの各々の中央には、少なくとも1x106バシラスステアロサーモフィラス胞子を接種した25.4ミリメートル(1インチ)のステンレス鋼ワイア(wire)が置かれた。拡散経路の温度制御の有無による効果は、1ミリメートルの内径および700ミリメートルの長さを有するテフロン、すなわちポリ(テトラフルオロエチレン)のルーメンと、1ミリメートルの内径および500ミリメートルの長さを有するステンレス鋼のルーメンの両方により調査された。ルーメンはすべて、両端部を開口状態とした。これらサンプルの各々は、20リットルの真空室内で滅菌サイクルに曝し、摂氏40度、399.97Pa(3トル)で5分間維持した。摂氏60度に維持された気化器内に、大気圧で、1.44ミリリットルの59%過酸化水素水溶液を注入した。その後、5分計時のクロック(5 minute clock)を開始し、真空室を399.97Pa(3トル)まで下げ、これには1分未満の時間を必要とした。一事例において、拡散経路24は、最初の1分間、摂氏30度の初期温度を有する一方、真空室は、399.97Pa(3トル)まで真空引きし、その後、上記滅菌サイクルの残りの間、摂氏50度まで加熱して、拡散経路から真空室内に、凝縮された過酸化物を放出し、圧力を399.97Pa(3トル)に維持した。他の事例において、この拡散経路は、滅菌サイクルの間中摂氏50度に維持された。拡散経路を摂氏50度に維持することにより、同拡散経路に維持された過酸化物は皆無であるか、ほとんど無かった。摂氏55度で成長培地内に試験サンプルを培養し、試験用生物体の成長を確認することにより滅菌の有効性を測定した。表1は、これらの試験の結果を示している。
Figure 2007296325
拡散経路の温度は、処理全体を通じて高温に維持された場合、テフロンルーメンにおける試験サンプルのすべては、バクテリアについては、滅菌の失敗を示す陽性と判定され、ステンレス鋼ルーメンにおける二つの試験サンプルのうちの一つが、陽性を示した。同一条件下で、しかし、拡散開始から1分後に加熱を開始した、初期温度がより低い分散経路については、試験サンプルのいずれも陽性反応を示さなかった。初期の気化段階時に拡散経路内の過酸化物を凝縮し、その後、拡散経路から真空室内に、凝縮された過酸化物を再び気化させる場合、滅菌効率は大きく向上する。
主に図2に示すような拡散経路24内に冷却区域および保温区域を交互に設けることにより、さらなる有効性が得られる。単純形態の加熱素子である、温度制御素子26は、互いに離間されている。また、好ましくは、拡散経路24は、この点を踏まえて縦型とされる。過酸化水素溶液が気化し、拡散経路24を通過すると、同拡散経路24の加熱部分および未加熱部分を横切るにつれて、交互に凝縮および再気化できると考えられる。この拡散経路は、交互の加熱素子および冷却素子を交互に備えることもできる。
滅菌室12内のヒータ32は、同様に、拡散経路24の加熱に作用する。ヒータ32の温度を制御することにより、過酸化物は、最初にヒータ32上で凝縮され、その後、滅菌室12内に再び気化されて、当該過酸化物を凝縮することができる。
好ましいサイクルは、参照によって本明細書に組み込まれた、ウー(Wu)等による米国特許第6,365,102号に記載されるサイクルの改良である。合間に通気する(venting in-between)と共に一連のプラズマエネルギを予め加えることで、滅菌室12からの水分を乾燥させる。滅菌室12については、その後、真空引きを行い、気化器14内に過酸化水素溶液を注入する。あるいは、この過酸化水素溶液は、大気圧で注入してもよい。気化溶液の一部は、冷却拡散経路24上で凝縮する。過酸化水素溶液のほとんど、またはすべてが、気化器14から気化するのに十分な時間が経過した後、拡散経路24は、温度制御素子26によって温められ、凝縮された過酸化水素溶液が、再び気化する。この時点あたりで、絞り弁18が閉じられ、ポンプ16が、オフ状態になり、滅菌室12を密封する。このため、過酸化水素溶液の水分の多くは、真空ポンプ16によって滅菌室12から抜き出され、拡散経路24から、あるいは、もしあれば滅菌室12内のヒータ32から再気化する残りの過酸化水素溶液は、開始時の溶液よりも高い過酸化水素濃度となる。好ましくは、コンピュータを基盤にした制御装置(不図示)は、簡略化および再現性のための処理の機能を制御する。
このように生成された過酸化水素蒸気は、滅菌室12内の一つ以上の物品34と接触し、同物品の滅菌を行う。これら物品34は、細長いルーメンなど、拡散が制限された領域を有する場合、滅菌室12を通気し、その内部の清浄な滅菌エアにより、拡散が制限された領域内の、より深くに過酸化水素蒸気を送り込むのが好ましい場合がある。その後、滅菌室12は、再び、真空状態に曝され、好ましくは拡散経路上の一連の加熱処理により、過酸化水素の、さらなる注入が反復される。物品34の滅菌を行うのに十分な時間が経過した後、好ましくは、バシラスステアロサーモフィラスなどの試験用生物体(challenge organisms)における6ログ・リダクション手法(six-log reduction)により、滅菌室12内でプラズマが点火(lit)され、それにより滅菌効率を向上させ、過酸化水素を水と酸素に分解する。
陽極35と、この場合、滅菌室12の内壁37である陰極と、の間で電圧を誘導することにより、プラズマが生成される。陽極35は、内壁37から離間され、電気的に絶縁された、穴のあいた金属の薄板である。2004年12月30日発行の米国特許公報第20040262146号は、その全内容が参照によって本明細書に組み込まれているが、このようなプラズマを生成するのに特に有効な方法について詳述している。このプラズマの密度は、前記陽極と、陽極との間の空間で画定される。
オリフィスプレート20は、過酸化水素の気化中に過酸化水素を凝縮する効果を高めることができる。参照によって本明細書に組み込まれた、リン(Lin)等による米国特許第5,851,485号に記載されるとおり、滅菌室12のポンプダウンを制御して行ったり、あるいはゆっくりと行ったりすることで、水はより高い蒸気圧を有するので、溶液から過酸化水素よりも、多くの水分を最初に引き出し、それにより、より高濃度の過酸化水素を残留させる。このポンプダウン操作の制御は、真空ポンプが一般的に十分に減速せず、このような制御操作においては、絞り弁は制御するのが困難で、費用もかかるため、困難になる可能性がある。ポンプ16への流動経路内にオリフィスプレート20を設置することにより、ポンプ16によって排出される滅菌室12からの空気の量が制限されると共に、当該空気の量は、プレート20内の適切な大きさのオリフィス36を選択することによって、滅菌室12内の過酸化水素を効果的に凝縮する流量に制御することができる。
また、図3を参照すると、図1および図2の装置10と、ほとんどの点で同様で、参照符号の後にaを付けた同様の参照符号を有する、装置10aも、オリフィスプレート20aを内蔵する。しかし、滅菌室12aのポンプダウン操作を素早く行い、さらにオリフィスプレート20aのポンプダウン操作の制御による利点を維持するため、この装置は、ポンプ16aから滅菌室12aまでに二つの経路を内蔵する。第1経路40は、絞り弁42を含み、第2経路44は、絞り弁46と、オリフィスプレート20aとを含む。このため、最初のポンプダウン操作時には、第1絞り弁42が開き、ポンプ16aは、滅菌室12aに自由に連結される状態になる。滅菌室12aが、水蒸気圧に近づくにつれ、第1絞り弁42は閉まり、それにより、ポンプ16aにオリフィスプレート20aを通じて強制的に排気させ、このようにして、過酸化水素溶液および滅菌室12aから水分を優先的に引き出す助けとなる、ゆっくりと制御した速度で、滅菌室12aを引く。
また、図3Aおよび図3Bを参照すると、図1の装置と同様の装置110が示されている。ここでは、図3の装置10aにおける二つの経路を使用する代わりに、バルブ112が、バルブ本体114と、バルブ台座116と、バタフライディスク、プラグなどのバルブ素子118と、を備える。オリフィス120は、このバルブ素子を通じて設けられる。このため、バルブ112が開いているときは、排気が迅速に起こり、逆に閉まっているときは、よりゆっくりと生じる。このようなバルブは、殺菌薬溶液からの水分の優先的な気化および除去をさらに制御するため、気化器14と、滅菌室12との間に用いてもよい。
ここで、図4を参照すると、滅菌効率および有効性を得る上では、高濃度の滅菌蒸気が有効であるが、その一方で、滅菌対象の物品に蒸気を接触させることが、問題である。通常、滅菌室12内の圧力は、低圧(66.66Pa(0.5トル)〜1.33×103Pa(10.0トル))であるため、滅菌室内のすべての領域に、滅菌剤の蒸気が、素早く拡散するのを促進する。
図4に、気化器64、真空ポンプ66、および、滅菌室62に連結された通気孔68を有する滅菌室62を備える、滅菌装置60を、図示する。好ましくは、前述された細長い、温度制御された拡散経路70が、滅菌室62に気化器64を連結させる。絞り弁72および圧力計74は、ポンプ66に設けられる。
滅菌対象の物品76は、トレイまたは容器78内に配置される。滅菌のための物品76の準備において、二種類の包装が一般的に使用される。そのうちの一つにおいて、物品76は、内部に複数の開口部を有するトレイ内に配置され、その後、このトレイは、滅菌ガスを通し、汚染性の微生物を遮断するCSR包装などの材料で包装される。このようなトレイは、参照によって本明細書に組み込まれる、ウー(Wu)等による米国特許第6,379,631号に記載される。もう一つの包装物は、いくつかのポートを、好ましくは最上面および底面に備えた密閉可能な容器であって、当該ポートの各々が、滅菌ガスを通し、汚染性微生物の侵入を遮断する半透性の膜で覆われた、容器を、備える。このような容器は、参照によって本明細書に組み込まれる、ニコルズ(Nichols)による米国特許第4,704,254号に記載される。第1の種類の包装は、通常、「トレイ式(tray)」と呼ばれ、第2のものは、「容器式(container)」と呼ばれる。しかし、ここで使用される「容器式」なる用語は、化学蒸着環境において滅菌すべき物品を収容するのに適した、任意の容器、包装または封入物を意味する。
ポンプ66は、排気マニホールド80経由で滅菌室62に連結する。このマニホールド80は、一つ以上の容器78を支持して受け入れ、かつ、絞り弁72経由でポンプ66に流体連結する、一つ以上の棚部82を備える。棚部82の上面に一開口部あるいは好ましくは複数の開口部84を設ければ、ポンプ66により、当該開口部84を通じて滅菌室62内に空気を引き込み、マニホールド80を通過させ、ポンプ66を通じて排出させることができる。
容器78は、好ましくは、当該容器上の下面88上に開口部86、および少なくとも一つの他面上に追加的な開口部90を有する。容器78が、棚部82上に配置されると、ポンプ66によって排気中の空気は、部分的に、容器78内への開口部90を通り、内部にある一つまたは複数の物品76と接触した容器を通って引き込まれ、その後、マニホールド80内への開口部86を通り、マニホールド内の開口部84を通って排出される。このように排出されている空気が、滅菌ガスを含有すると、容器78内への浸透性および当該容器内の物品76との接触への浸透性を向上させる。
滅菌ガスがそのように排気されるのは、前述した滅菌剤溶液が気化しているサイクル時と、過酸化水素の2回目の進入(admission)の直前である。このようなサイクルにより、所与の拡散期間後のポンプダウン操作をさらに行うこともできる。滅菌剤蒸気の進入後、滅菌室62の圧力は、当該室内の追加的な気体の存在によって、通常、約66.66Pa(約0.5トル)から約1.33×103Pa(約10トル)に微増する。負荷および滅菌室温度が、より高くなるにつれて、より高い圧力が有効になる。
また、図5および図6を参照すると、代わりの設計(図中、図4の設計による部材に付与されたものと同様の参照符号の後に"b"を付けて表示したもの)では、図4の設計によるマニホールド80を単一ポート92に替えている。このポート92は、容器78用の支持部94で覆われ、上記支持部94は、当該支持部を通じて複数の開口部96を有し、滅菌室62bが、容器78、支持部94、およびポート92を通じてポンプ66bと流体連通するようにしている。この支持部94は、取り外し可能であってもよい。
また、図7および図8(図中、図4〜図6の設計による部材に付与されたものと同様の参照符号の後に"c"を付けて表示したもの)を参照すると、滅菌室62c内の表面102に静止し、ポート92cが入り込む、支持部100を示す。この支持部100は、ポート92cを包囲する。このため、ポンプ66cによって排気中の空気のほとんど、あるいはすべてが、容器78を通過し、容器78と、支持部100と、表面102と、の間に形成された空間104に入り、その後、ポート92cを通じてポンプ66c上に到達する。
図9に、図1の装置と類似しており、気化された殺菌薬溶液の一部を凝縮することができ、急速に凝縮されなかった溶媒、通常は水を、空気から除去し、殺菌薬をさらに凝縮する、代わりの装置を、開示する。この殺菌薬は、その後、再び気化されて、より効果的な滅菌のためのより高濃度の殺菌蒸気を生成する。この装置は、滅菌対象の物品の負荷(load)202を含有する滅菌室200を備える。液状の殺菌溶液の供給源204からは、バルブ206を通じて第1の気化器/凝縮器208に、溶液が付与され、当該溶液は、この第1の気化器/凝縮器で気化されて、その後滅菌室200に供給される。バルブ210は、滅菌室200から気化器/凝縮器208を隔離するために設けてもよい。また、滅菌室200は、バルブ付きの通気孔212を備える。
真空ポンプ214は、前の各実施態様を参照して記載されるとおり、滅菌室内の圧力を低下させるために備える。このポンプ214と、滅菌室200との間には、第2の気化器/凝縮器216が設けられ、当該気化された溶液を凝縮する。好ましくは、バルブ218および220により、この第2の気化器/凝縮器216は、ポンプ214および滅菌室200から、それぞれ隔離される。
また、図10を参照すると、単純な形態の第2の気化器/凝縮器216は、好ましくは、滅菌室200に連結された入口226、およびポンプ214に連結された出口228を有する、封入部224を画定する壁部222を備える。複数の隔壁230により、気化器/凝縮器216を通る、曲がりくねった流路232を設けている。壁部222と、潜在的には隔壁230とは、溶液の凝縮性および再気化性を高めるために、温度制御可能となる。
第1の気化器/凝縮器208上でも、入口を備えた、同様の構造を用いてもよい。また、図11を参照すると、単純形態の第1の凝縮器/気化器208が、図示される。この凝縮器/気化器は、溶液204(図11では不図示)の供給源に連結された入口242、および滅菌室200(図11では不図示)に連結された出口244を有する、封入部240を備える。複数の隔壁246により、第1の気化器/凝縮器208を通る、曲がりくねった流路を設けている。封入部240と、潜在的には隔壁246とは、溶液の凝縮性および再気化性を高めるために、温度制御可能となる。
前の実施態様を参照して、すべて記載されるとおり、単純なサイクルにおいて、過酸化水素水(hydrogen peroxide and water)などの液状の殺菌薬溶液は、第1の気化器/凝縮器208に投入され、気化され、気化後、低圧状態の滅菌室200内に流れる。気化中および気化後しばらくの間、ポンプ214は、滅菌室200から空気を排出し続ける。温度および圧力を制御することにより、上記溶液からは過酸化水素よりも水分が優先的に気化される。この水蒸気は、滅菌装置からポンプ214経由で抽出され、気化段階で過酸化水素溶液を凝縮する。その上、より低い蒸気圧を有する過酸化水素は、第1の気化器/凝縮器208内で水蒸気よりも迅速に凝縮する傾向がある。滅菌室200からポンプ214が空気を排出し続けるにつれて、気化された過酸化水素溶液は、滅菌室から流出して、第2の気化器/凝縮器216に流入し、当該気化溶液の一部が、凝縮する。上記水分に比較して過酸化水素の優先的な凝縮により、水蒸気の多くが、未凝縮のまま凝縮器216を通過し、ポンプ214によって排出されるため、過酸化水素溶液の、さらなる凝縮が、行える。ある時点で、ポンプはオフにされ、バルブ218は閉じられる。気化器/凝縮器216内の凝縮された過酸化水素は、その後、好ましくは凝縮器216を加熱することにより、再び気化される。この過酸化水素は、より高い濃度を有し、負荷202の滅菌が、より効果的に行える。
また、図12〜図15を参照すると、より精巧な凝縮器/気化器250が図示されている。概略的には、この凝縮器/気化器は、滅菌剤溶液204の供給源に連結し、初期の気化を行う、入口マニホールド252と、凝縮/再気化部254と、出口マニホールド256と、前記凝縮器/気化器250が滅菌室200に連結する際に経由する制御バルブ258と、を備える。抵抗ヒータ260は、入口マニホールド252および出口マニホールド256に付着し、入口マニホールド252内での初期の気化を支援し、出口マニホールド256内の凝縮を防ぐ、熱を付与する。好ましくは、入口マニホールド252および出口マニホールド256は、アルミニウムで形成される。さらに、入口マニホールド252と、気化器/再気化器部254との間には、絶縁器262が、設けられる。
この気化器/再気化器部254は、好ましくはアルミニウムで形成され、第1側部266および第2側部68で開口した、ハウジング264を、備える。第1熱電デバイス270および第2熱電デバイス272は、これら第1側部266および第2側部268に、それぞれ取り付けられる。これら熱電デバイス270および272は、好ましくは、ペルティエ効果のもとで作動するが、これらのデバイスに代わって、ほかの等級の熱電デバイスを設けてもよい。構造的には幾分複雑になるが、フレオンまたはアンモニアを基盤にしたシステムなど、より従来型の熱ポンプを採用してもよい。
プレート276と、通常、当該プレートから延びる複数のロッド278と、を備える第1ロッド組立体274が、第1熱電デバイス270に取り付けられるが、このとき、ロッド278は、ハウジング264内に横方向に延びた状態となる。第2ロッド組立体280も同様に第2熱電デバイス272に取り付けられるが、このとき、当該組立体のロッド278は、第1ロッド組立体274と正対した関係で、ハウジング264内に横方向に延びる。これらロッド組立体274および280は、好ましくはアルミニウムで形成される。
好ましくは、各ロッド278は、反対側のプレート276に接触せずに、ほとんど当該プレートまで延びる。また、前記二つのロッド組立体274および280からのロッド278は、互いにほぼ平行の関係で置かれているが、気化器/再気化器部254内の容量を付与すると共に、これらロッド組立体を通る気化された滅菌剤の好ましい流量を付与し、当該ロッド278上に効率的な凝縮を行うように、これら組立体間の間隔が設計されている。好ましくは、流量は、毎秒3.05センチメートル(0.1フィート)〜毎秒152.4センチメートル(5フィート)の範囲とし、より好ましくは、毎秒7.32センチメートル(0.24フィート)の流量が、付与される。
76.2ミリメートル(3インチ)の蒸気経路の長さを有する小型凝縮器において、滞留時間は、毎秒7.32センチメートル(0.24フィート)の好ましい速度で1秒となる。この滞留時間は、気化された滅菌剤が、比較的冷たい凝縮器表面(cooler condenser surfaces)と相互作用し、凝縮するには十分である。2ミリリットルの通常注液量の滅菌剤溶液の場合、凝縮/再気化部254の面積は、凝縮用の質量転移を行えるように、約580.64平方センチメートル(約90平方インチ)となる。当初の気化器(入口マニホールド252)内で低圧での温度が高いと、水および過酸化水素は、気相に維持され、凝縮/再気化部254に送達される。例えば、1.67×104Pa(125トル)以下の圧力で摂氏70度以上の気化器温度であると、59重量パーセントの過酸化水素水溶液が、気相になる。
より低い温度を有する、凝縮/再気化部254に、蒸気が入り込むと、比較的冷たい表面上で過酸化水素が凝縮し、濃縮溶液を形成する。凝縮/再気化部254の内部の温度および圧力により、凝縮溶液の濃度が、決定される。例えば、凝縮/再気化部254内の温度が摂氏50度で、圧力が1.73×103Pa(13トル)であれば、凝縮された過酸化水素の濃度は、94重量パーセントとなる。また、摂氏30度で5.07×102Pa(3.8トル)でも、凝縮された過酸化水素の濃度は、94重量パーセントとなる。凝縮/再気化部254内の圧力が、低下した場合、同一の溶液濃度を維持するため、温度も低下させなければならない。
凝縮/気化部254からの流動を抑制することにより、より制御された気化を行うため、オリフィス308は、より高濃度の溶液の利点を提供する。真空ポンプ圧の変動による、凝縮/再気化部254内および気化器内の圧力の変化は、オリフィス308によって減衰され、水蒸気の急増による、凝縮/再気化部254からの過酸化水素の液滴の担持を防いでいる。オリフィス308による流動抑制のもう一つの利点は、滅菌室200内の低圧(1.33×102Pa(1トル)未満)を実現し、ルーメン内の拡散係数を高める一方、気化器/凝縮器250内でより高い圧力を維持して、凝縮/再気化部254内の温度をより高くした状態で作動することである。オリフィス308が無い場合、滅菌室200および気化器/凝縮器250内の圧力を、共に同様の低圧状態になるまで低減しなければならず、溶液の平衡を維持するため非常に低い温度で凝縮器を作動させなければならない。凝縮器の温度が低いと、管理がより困難であり、氷または凝縮物が発生する場合があり、これは電気機器を保護するためにより高価な設計を必要とする。
Oリング282は、ハウジング264に接して、熱電デバイス270および272上のプレート276を密封する。ハウジング264を通る開口部284は、絶縁器262を通る開口部286と整合し、当該ハウジング264によって画定されるチェンバ288を入口マニホールド252と流体連通した状態に配置する。ハウジング264内の出口経路290は、チェンバ288の上部および絶縁器262を通る第2開口部292に連結し、この絶縁器262は、出口マニホールド256と整列し、当該出口マニホールド256と流体連通した状態でチェンバ288を配置する。ハウジング264の最上部にある安全サーモスタット294は、制御システムの外側に配線され、所定温度を超えた気化器/凝縮器250の加熱を遮断する。温度センサ295および297は、入口マニホールド252および凝縮/再気化部254内の温度をそれぞれ測定する。圧力センサ296は、出口マニホールド256とインターフェースで連結する。ファンハウジング(fan housings)を有するヒートシンク298は、熱電デバイス270および272の各々に取り付けられる。
出口マニホールドは、気化器/凝縮器250の出口マニホールド256と、バルブマニホールド300からのバルブマニホールド出口302との間に、三つの適切な流動経路を付与するバルブマニホールド300に連結する。このバルブマニホールド出口302は、主要チェンバ200と連絡する。主要流動経路304は、主要経路304を通ってバルブマニホールド出口302へ達する流動を行うために開き、あるいは、このような流動を遮断するために閉じることができるバルブ306によって、制御される。第2経路は、流動の抑制を行って、気化器/凝縮器250から水蒸気を優先的に引き出す機能を高める、オリフィスプレート310内のオリフィス308を通る。第3経路として考えられるのは、同経路内で過酸化水素などの酸化できる滅菌剤が燃焼するという起こりそうもない事態などの、ハウジングチェンバ288内の壊滅的な過度の圧力が起こった場合に破裂するように設計された、破裂板(rupture disk)312を経由した経路である。図3Aおよび図3Bにおけるバルブ素子118を参照して記載されるものと同様、遮断バルブ306内の位置にオリフィス308を移動させてもよい。
動作中、主要チェンバは、最初に、53.33Pa(0.4トル)など、気化を引き起こすのに十分な低い圧力まで排気され、バルブ306は閉じられ、気化器/凝縮器250をオリフィス308のみを通ってチェンバ200と流体連通させて配置する。入口マニホールド252は、ヒータ260によって加熱され、59%の過酸化水素/水の溶液など、所与の量の滅菌剤溶液が、入口マニホールド252に注入され、この入口マニホールド252でその滅菌剤溶液は、気化され、開口部286および284を通じてハウジング264内へ、拡散する。このとき、熱電デバイス270および272は、ロッド278からエネルギを引き出し、ヒートシンク298を通じて、このエネルギを分散させるので、当該ロッド278上では、気化された滅菌剤が、再び凝縮する。
入口マニホールド252の温度は、滅菌剤をゆっくりと気化させるように制御することができるため、水分が、より急速に気化し、気化器250を通って流れ、オリフィス308経由で流出し、残りの滅菌剤を濃縮させる。凝縮器/再気化部254は、滅菌剤を、非常に効果的に濃縮する。従って、処理を迅速化するため、入口マニホールド内の高速気化工程を用いつつ、高濃度を実現する。
ロッド278上の凝縮物は、滅菌剤において、より高濃度になる傾向がある。しばらくした後、滅菌剤溶液の最初の投入量が気化し、その一部がロッド278上に凝縮されたときには、熱電デバイス270および272を逆にして、ロッド278に熱を加え、滅菌剤を再び気化させる。このとき、ヒートシンク298は、前のステップで抽出された熱をまだ含有しており、この熱は、熱電デバイス270および272によって使用されてロッド278を非常に効果的に加熱し、滅菌剤を再び気化することができる。この、さらなる有効性により、デバイスのエネルギ効率を高めると共に、より小型で可搬性の高い気化器/凝縮器でも、適切な加熱および冷却が行える。この滅菌剤が再び気化された後、バルブ306が開かれ、主要チェンバ200内への、滅菌剤蒸気の効果的な拡散が、行える。
第2気化器/凝縮器216を用いる場合、その構造は、入口マニホールド252を備えずに、気化器/凝縮器250の構造に似せるのが好ましい。このような装置において、主要チェンバ200内への初期拡散の後、第2凝縮器216内のロッドが冷却され、ポンプ214がオン状態になり、好ましくは、凝縮中の滅菌剤から水蒸気を抽出する。滅菌剤が凝縮した期間後、ロッドが加熱され、滅菌剤が再び気化され、ポンプ214は、オフ状態になる。この再気化された滅菌剤は、幾分高い濃度を有し、その後、チェンバ200内に再び拡散し、滅菌処理を、さらに促進する。
他の装置構成も、可能である。図16に、殺菌薬溶液の保存および凝縮効率を向上できる、代わりの実施態様を図示する。この装置において、負荷316を含有するチェンバ314は、殺菌剤溶液の供給源320に接続された第1凝縮器/気化器318と、第2凝縮器/気化器322と、を有する。第1凝縮器/気化器318は、バルブ323によって供給源320から隔離されると共に、バルブ324によってチェンバ314からも隔離される。また、この第1凝縮器/気化器は、排気ポンプ325にも接続し、バルブ326によって排気ポンプ325から隔離される。第2凝縮器/気化器322は、バルブ327によってチェンバ314から隔離され、ポンプ325に連結し、バルブ328によってポンプ325から隔離される。また、通気孔329も設けられる。
図17に、滅菌対象の機器の負荷336を受け入れるように構成された滅菌室334に連結する(凝縮器/気化器250と同様で、追加的な出口を備えた構造の)単一の凝縮器/気化器332を用いる同様の装置330を図示する。真空ポンプ338は、バルブ340によってチェンバ334に連結し、バルブ342によって凝縮器/気化器332に連絡する。バルブ340および342の代わりに、3方バルブ(three-way valve)を設けてもよい。殺菌薬溶液の供給源344は、凝縮器/気化器332に接続し、チェンバ334は、通気孔346を有する。供給源344からの、殺菌薬の最初の気化および凝縮時には、バルブ342は、閉じた状態になる。チェンバ334内に蒸気を拡散させた後には、バルブ340は、閉じてもよく、ポンプ338を使用して、凝縮モードで凝縮器/気化器332経由でチェンバから蒸気を引き出し、殺菌薬をさらに濃縮する。この濃縮された殺菌薬は、その後、再び気化され、チェンバ334内に拡散されて戻る。
図9の第2凝縮器/気化器216は、真空処理、注入処理、拡散処理、通気処理の全サイクルを二回行う滅菌処理を実行する場合に、殺菌薬を最大限に利用するために使用できる。第1のサイクルでの通気処理の前に、凝縮器/気化器216が冷却されている状態でポンプ214が起動され、凝縮器/気化器216の内部で殺菌薬を凝縮する。バルブ220および218は、この通気処理時には閉じた状態になる。後続のポンプダウン処理時には、凝縮器/気化器は、冷却状態に保たれ、殺菌薬が不適切に気化したり、装置から運び出されたりしないようにしている。
図16および図17の装置により、2サイクルの処理において、サイクル間により多くの殺菌薬を保持できる。第1サイクルにおける通気の前に、殺菌薬は、凝縮器/気化器332内に凝縮される。しかし、後続のポンプダウン時には、殺菌薬は、バルブ342によりポンプから隔離できるため、ポンプダウン時に保存された殺菌薬をポンプ338が装置から汲み上げる傾向を最小化する。
この種の装置の各々において、気化された殺菌薬を凝縮および濃縮し、その後、当該殺菌薬を再び気化するステップが、必要に応じて反復され、殺菌薬を、さらに濃縮する。
図18に、もう一つの様態で配管した装置350を図示する。この装置350において、凝縮器/気化器352は、負荷358を受け入れるように構成され、通気孔360を有する滅菌室356に、バルブ354経由で連結する。真空ポンプ362は、バルブ364経由で凝縮器/気化器352に連結するが、滅菌室356への別の連結部は無い。殺菌薬の供給源366は、凝縮器/気化器352に連結する。
図19に、図17のように配管された装置370であって、負荷378を受け入れるように構成され、通気孔380を有する滅菌室376にバルブ374経由で連結する凝縮器/気化器372を有する装置370を、図示する。真空ポンプ382は、バルブ384経由で凝縮器/気化器372に連結するが、滅菌室358への別の連結部は無い。凝縮器/気化器382を経由した殺菌薬の入口に代わって、殺菌薬溶液の供給源386が、滅菌室内376に設けられる。この供給源は、所与の量の殺菌薬溶液を含有するウェルのような簡単なものでよい。好ましくは、この供給源は、液状の殺菌薬が当該供給源から偶発的に漏れないように半透性の膜またはフィルタで覆われており、滅菌室内の低圧状態で殺菌薬が気化すると、発生した蒸気が、膜を通過して滅菌室内に入ることができる。両装置において、凝縮器/気化器352または372は、上述したように、殺菌薬蒸気の凝縮および再気化を経て、当該殺菌薬を凝縮する。
図20に、入口凝縮器/気化器400の、さらなる実施態様を図示する。この実施態様は、ほとんどの点で、図12に示す実施態様と同様である。しかし、図21および図22に主に示すとおり、この実施例の特徴部分は、オリフィス制御バルブ402である。バルブブロック404は、出口制御バルブ406、破裂板408、およびオリフィス制御プレート404を受け入れる。
図21に、隔離されたバルブブロック404を示すと同時に、凝縮器/気化器400の台にバルブブロック404を連結させる3つのマニホールド経路、すなわち、破裂板408に導く大型の圧力徐去マニホールド経路410と、出口制御バルブ406に導く、より小型の上部マニホールド経路412と、オリフィス416およびオリフィス制御バルブ402に導く、より小型の横方向マニホールド経路414と、を図示する。
図22に、オリフィス制御バルブ402を最適に図示する。バルブブロック404上のバルブ台座418は、オリフィス416を包囲する。オリフィス制御バルブ402上のバルブ部材420は、バルブ台座418に向かって延び、当該バルブ台座に接して密閉を行い、オリフィス416を通る流体連通を遮断することができる。オリフィス制御バルブ402が閉じられ、オリフィス416を洗浄し、異物を寄せ付けないようにすると、洗浄ピン422がオリフィス416を貫通する。バルブ部材420に接続される環状ガイド424は、バルブブロック404内のボア426内をスライドし、洗浄ピン422をオリフィス416に適切に整合させる。この図は、また、出口制御バルブ406用のバルブ台座428、および滅菌室に導くバルブブロック出口経路430を図示する(図20〜図22には図示せず)。
滅菌サイクルの作業工程は、図12〜図15に示す装置に関しては、ほぼ前記と同様に続ける。しかし、入口マニホールド252(図14参照)内の滅菌剤が最初に気化した後、オリフィス制御バルブ402が閉じ、それにより滅菌室(図20〜図22には図示せず)から凝縮器/気化器400を隔離する。この状態は、気化器/凝縮器400内の圧力を監視することと、滅菌剤の実質的にすべてが気化する特定の圧力に達することを前提とすることによって、最も容易に監視できる。滅菌室内の圧力は、その後、好ましくは約66.66Pa(約0.5トル)まで低減される。その後、出口制御バルブ406が開き、ロッド278(図14参照)が加熱され、凝縮された滅菌剤を気化し、その滅菌剤を出口制御バルブ406および出口経路430を通過させて滅菌室に送る。
滅菌剤の大部分を投入する前に、滅菌室内の圧力を下げることにより、サイクル時間全体が低減できることが判った。オリフィス制御バルブ402を閉じて、滅菌室内の圧力を低減する場合、さらなる時間が必要となる。しかし、圧力がより低ければ、滅菌対象の機器の、ルーメンなど拡散の抑制された領域内への滅菌剤の拡散のための条件が、より好ましいものとなる。また、拡散効率の増大によって余った時間は、滅菌室内の圧力の低下で失われた時間を十二分に相殺できることが判明した。従って、滅菌サイクル速度は、滅菌装置ユーザにとって重要な要素である。
滅菌室内の水蒸気は、同室内の圧力を低下させるのに必要な時間に影響する可能性がある。このような水蒸気は、通常、適切に乾燥させていなかった機器の負荷によって発生する。この水蒸気の除去に必要な時間が不当な場合、今後のサイクル中、この負荷の乾燥に、より警戒が必要であることを留意するようにユーザに知らせてもよい。撤収あるいは効果的に撤収するのに時間がかかる場合がある、水蒸気の負荷(loads of water vapor)が存在することがある。このような場合、このサイクルは取り止めて、ユーザにその理由を知らせる。
表2に、3つの異なったサイクル、すなわち、ルーメンを全く有さない瞬時または超高速サイクルと、軽度の困難性(mild challenge)を呈するルーメンだけを有する短いサイクルと、より難しい細長いルーメン(more challenging long and narrow lumen)を有する機器を滅菌する長時間サイクルとの対照点(control points)を示す。滅菌室および気化器/凝縮器400から空気を除去する初期ポンプダウン時には、出口制御バルブ406は、開いたままとなる。圧力がP1に達すると、出口制御バルブ406は閉じられるが、オリフィス制御バルブ402は、開いたままとなる。これにより、滅菌剤の気化および凝縮が開始される。気化器/凝縮器400内で圧力P2に達すると、滅菌室内の圧力Pcが調べられる。この圧力が、表2に示される値を上回ると、その後、オリフィス制御バルブ402が閉じられ、圧力Pcに達するまでポンプダウンが継続し、その後、出口制御バルブ406が開かれ、滅菌室内に滅菌剤を移送する。そうでない場合、この出口制御バルブ406は、すぐに開かれる。気化器/凝縮器の圧力がP2に達した時点で、滅菌室内の圧力が、Pc-cancelを超えた場合、滅菌室内に含有する水分が過剰であり、サイクルが取り止めになることと仮定する。
Figure 2007296325
上記処理の蒸気濃度は、ミリグラム/リットル単位でも測定できる。好ましくは、6ミリグラム/リットル〜25ミリグラム/リットルか、それよりもさらに高い値であるが、約20〜25ミリグラム/リットルの値が、最も好ましい。
これらの濃度では、注入された過酸化水素の一部は、滅菌対象の物品上で凝縮する。これに続き、滅菌室のポンプダウンを行うと、この凝縮された過酸化水素が、再び気化するため、重量パーセントを単位とした過酸化水素の濃度は、さらに高まる。図23に、以下の式1〜式10に従った、上記凝縮された過酸化水素の濃度を計算するための、流れ図を示す。
(1) p = a + bw + cw2 + dw3 (式中、p は密度、wは、重量パーセント H2O2である。)
(2) a = Ja + Kat + Lat2 + Mat3
(3) b = Jb + Kbt + Lbt2 + Mbt3 (式中、t は、摂氏温度での溶液温度である。)
(4) c = Jc + Kct + Lct2 + Mct3
(5) d = Jd + Kdt + Ldt2 + Mdt3
表3に、式1〜式5の係数を示す。
Figure 2007296325
(6) log pho (トル) = 44.5760 4025.3 (1/T) 12.996 (log(T)) + 0.0046055 (T)
(式中、pho は、トル単位での H2O2 の蒸気圧で、Tは、ケルビン温度単位での温度である。)
(7) log pwo (トル) = 30.75050 + 3120.5 (1/T) + 7.921 (log(T)) + 0.0023172 (T)
(式中、pwo は、トル単位での H2Oの蒸気圧で、T は、ケルビン温度単位での温度である。)
(8) P = pwoxwrw + pho(1-xw)rh
(式中、Pは、トル単位での合計蒸気圧、
xw は、水分濃度の重量パーセント、
rw は、水分の活性係数、
rh は、過酸化水素の活性係数である。)
(9) rw = exp((((1-xw)2)/RT)(B0+ B1(1-4xw)+B2(1-2xw)(1-6xw)))
(式中、Rは、普遍的な気体定数 [62.36トル*リットル/モル*0K]
B0= -752 + 0.97t = -1017 + 0.97T (式中、tは摂氏温度、Tは、絶対温度(0K))
B1 = 85
B2 = 13)
(10) rh = exp((((xw)2)/RT)(B0+ B1(3-4xw)+B2(1-2xw)(5-6xw)))
上記滅菌装置は、感染性微生物の駆除に有効であるのに加えて、プリオンの不活性化にも有効である。周知の方法と、本開示の高濃度の過酸化水素蒸気と、を比較した実験を行った。
スチール・ワイアの準備
軟性ステンレス鋼ワイア(1.4301;直径0.25ミリメートル、フォレシュタデント社(Forestadent)、プフォルツハイム、ドイツ)を、ステラッド100SGMP滅菌器(Sterrad 100S GMP sterilizer)という、過酸化水素ガスプラズマ滅菌器内に配置した。このスチール・ワイアは、その後、無菌状態で切断し、30ミリメートルの長さの切片とした。
このワイアは、室温で16時間、リン酸緩衝食塩水(PBS)の中で、新しく調整した、ヒツジ海綿状脳症のハムスターからの10%脳ホモジェネートに含浸させることによって汚染させ、その後、さらなる処置を行う前に、スパイクワイア(spiked wires)を少なくとも1時間、空気乾燥させた。
オーダーメイドの試験用洗浄器、即ち閉塞式の2容器システムで、洗浄を行った。下部容器は、開放型貯蔵器として使用し、10リットルの作業体積を上部容器内に汲み上げ、その後、上部容器の底部にある開口部経由で、下部容器内に任意に引き戻した。上部容器内には、エッジ部分に固定した、ワイア付きの円形の棚を配置し、洗浄プロセス時には、上部容器の蓋を堅く閉めた。
各処置後、ワイアを1 x PBSで1回濯いで、その後、2倍に蒸留した水で3回洗浄した。
ワイアの植え込み
上記処理したワイアは、その後、小動物用定位装置(座標:ブレグマ、−2.0ミリメートル;中外側、2.0ミリメートル、および背腹、6.0ミリメートル)の支援により、ハムスターの視床に植え込まれた。シリンジによる、ハムスターの脳内へのヒツジ海綿状脳症の脳ホモジェネートの大脳内注入用、および対照用に、同じ位置を選択した。
処置時、各動物は、10%ケタミン(ドイツ、デュッセルドルフにある、サノフィ‐チェヴァ社(SANOfi-CEVA)製)で十分に麻酔をかけた。
動物監視
生物学的安全レベル3の施設内に、ワイアが植え込まれたハムスターを、標準状態の餌および水を自由に摂取できる状態で、1ケージ当たり3〜4匹に維持した。実験動物は、最初は毎週2回観察し、植え込み後60日後に毎日観察した。ヒツジ海綿状脳症の兆候が明確なハムスターは、「末期症状」と指定し、安楽死させた。
比較する処置群
プリオン調製したワイアのサンプルは、同ワイア上のプリオンを不活性化する上での有効性を査定するため、以下の処置によって処理された。各処置には12匹の動物が使用され、対照として5匹の動物が使用された。
1.ネオディシャーV 4009/1(Neodisher V 4009/1); 1% 10分間、摂氏55度(対照)
2.ネオディシャーV 4009/1; 1% 10分間、摂氏55度、およびステラッドNXへの暴露 − 先進サイクル(Advanced Cycle)(38分)
3.ネオディシャーV 4009/1; 1% 10分間、摂氏55度、およびステラッド100Sへの暴露 − 長いサイクル
4.アルカ1(Alka One);1%; 10分間、摂氏55度(対照)
5.アルカ1;1%; 10分間、摂氏55度、およびステラッドNXへの暴露 − 先進サイクル(38分)
6.アルカ1;1%; 10分間、摂氏55度、およびステラッド100Sへの暴露 − 長いサイクル
7.ステラッドNXへの暴露 − 先進サイクル(38分)のみ;無洗
8.ステラッドNXへの暴露 − 二重先進サイクル(Double Advanced Cycle)(38分)のみ: 無洗
9.ステラッド100Sへの暴露 − 長いサイクルのみ: 無洗
10.ステラッド100Sへの暴露 − 二重長サイクル(Double Long Cycle)のみ: 無洗
ネオディシャーV 4009/1は、ドイツ、ハンブルグにあるケミシェ・ファブリク・ドクター・ワイゲルト(Chemische Fabrik Dr. Weigert GmbH & Co)から入手可能なアルカリ洗浄液である。アルカ1は、スイス、チューリッヒにあるボーラー・ケミAG(Borer Chemie AG)から入手可能なアルカリ洗浄液である。ステラッド100Sは、米国、カリフォルニア州、アーバインにあるエチコン社の「最新滅菌製品」部門(ASP)より、入手できる。このステラッド100Sの、長いサイクルは、約9.5ミリワット/ccの電力密度での15分間の事前暴露のプラズマと、100S半サイクル2回と、を含み、二重長サイクルは、2回の長いサイクルを含む。各100S半サイクルは、59%過酸化物の6分間注入と、10分間拡散と、約9.5ミリワット/ccプラズマ電力密度の2分間プラズマと、を含む。チェンバ内温度は、処理全体にわたり摂氏45度前後に維持される。
ステラッドNXも、ASP社より入手できる。この洗浄液の先進サイクルは、NX半サイクル2回を含み、二重先進サイクルは、2回の先進サイクルを含む。各NX半サイクルは、注入された59%過酸化物を約90%まで濃縮する、濃縮処理、この濃縮された過酸化物を滅菌器に移送する、7分間の移送段階、30秒拡散処理、および約50ミリワット/ccのプラズマ電力密度の4分間プラズマ処理を含む。このチェンバは、処理の間中、摂氏50度前後に維持される。より高いチェンバ内温度、より高い過酸化液濃度、より高いプラズマ電力密度、および、より長いプラズマ時間により、ステラッドNX滅菌器における負荷は、実際、ステラッド100S滅菌器よりも、より効果的で強力な滅菌環境に曝される。これらの試行の結果は、処置されたワイアを植え込んだ後のハムスターの寿命日数(データ編纂日現在)を示す表4に示される。太字の数字は、死亡した動物の数を示し、星印の付いた数字は、ほかの動物との争いにより死亡した動物の数を示す。
Figure 2007296325
上記結果は、プリオンの不活性化において、ステラッドNXの高濃度過酸化水素蒸気による処置が、アルカリ洗浄処置と同様に効果的であることを示す。
以上、好ましい実施態様に関して本発明を説明したが、明らかに、前記詳細な説明を読み、理解すれば、第三者は、本発明の改良および変更を考え付く可能性がある。このような改良および変更はすべて、添付の請求項の範囲または当該請求項の等価物に該当する限り、本発明に包含されるものと解釈されることが意図される。
〔実施の態様〕
好ましい実施態様は、以下に述べるように付与される。
(1)プリオンを不活性化する方法において、
滅菌室内に、所与の量のプリオンを有する物品を配置するステップと、
前記滅菌室内の圧力を、過酸化水素の蒸気圧より低い圧力まで低下させるステップと、
前記滅菌室内に、過酸化水素を含む溶液を投入し、過酸化水素蒸気に前記物品を接触させるステップと、
前記プリオンと前記過酸化水素蒸気との間の接触を通じて、前記滅菌室内の前記プリオンを不活性化するステップと、
を含む、方法。
(2)実施態様1に記載の方法において、
前記滅菌室内に投入された前記溶液中の前記過酸化水素の濃度は、70パーセントを超える、方法。
(3)実施態様2に記載の方法において、
前記滅菌室内に投入された前記溶液中の前記過酸化水素の濃度は、75パーセントを超える、方法。
(4)実施態様3に記載の方法において、
前記滅菌室内に投入された前記溶液中の前記過酸化水素の濃度は、80パーセントを超える、方法。
(5)実施態様4に記載の方法において、
前記滅菌室内に投入された前記溶液中の前記過酸化水素の濃度は、85パーセントを超える、方法。
(6)実施態様5に記載の方法において、
前記滅菌室内に投入された前記溶液中の前記過酸化水素の濃度は、90パーセントを超える、方法。
(7)実施態様1に記載の方法において、
過酸化水素蒸気に前記物品を接触させる前記ステップの間の前記物品の温度は、摂氏30度を超える、方法。
(8)実施態様7に記載の方法において、
過酸化水素蒸気に前記物品を接触させる前記ステップの間の前記物品の温度は、摂氏35度を超える、方法。
(9)実施態様8に記載の方法において、
過酸化水素蒸気に前記物品を接触させる前記ステップの間の前記物品の温度は、摂氏40度を超える、方法。
(10)実施態様9に記載の方法において、
過酸化水素蒸気に前記物品を接触させる前記ステップの間の前記物品の温度は、摂氏45度を超える、方法。
(11)実施態様1に記載の方法において、
プラズマ相に前記過酸化水素蒸気を励起するステップと、
前記プラズマ相における前記過酸化水素に前記プリオンを接触させるステップと、
をさらに含む、方法。
(12)実施態様11に記載の方法において、
プラズマ密度は、立方センチメートル当たり少なくとも10ミリワットである、方法。
(13)実施態様12に記載の方法において、
前記プラズマ密度は、立方センチメートル当たり少なくとも20ミリワットである、方法。
(14)実施態様13に記載の方法において、
前記プラズマ密度は、立方センチメートル当たり少なくとも30ミリワットである、方法。
(15)実施態様14に記載の方法において、
前記プラズマ密度は、立方センチメートル当たり少なくとも40ミリワットである、方法。
(16)実施態様15に記載の方法において、
前記プラズマ密度は、立方センチメートル当たり少なくとも50ミリワットである、方法。
(17)実施態様11に記載の方法において、
プラズマが、前記プリオンに少なくとも2分間接触する、方法。
(18)実施態様17に記載の方法において、
前記プラズマは、前記プリオンに少なくとも3分間接触する、方法。
(19)実施態様18に記載の方法において、
前記プラズマは、前記プリオンに少なくとも4分間接触する、方法。
(20)実施態様11に記載の方法において、
プラズマが、陽極と陰極との間で生成され、
前記陽極と前記陰極との間の隙間は、15.24mm(0.6インチ)未満である、方法。
(21)実施態様20に記載の方法において、
前記隙間は、12.7mm(0.5インチ)以下である、方法。
(22)実施態様20に記載の方法において、
前記隙間は、約12.7mm(約0.5インチ)である、方法。
(23)実施態様11に記載の方法において、
プラズマが、陽極と陰極との間に生成され、
前記プリオンと、前記陽極および前記陰極のうちの、より近い極との間の最短距離は、38.1mm(1.5インチ)である、方法。
(24)実施態様23に記載の方法において、
前記最短距離は、25.4mm(1インチ)以下である、方法。
(25)実施態様24に記載の方法において、
前記プリオンと前記陽極との間の距離は、25.4mm(1インチ)以下である、方法。
(26)実施態様1に記載の方法において、
前記過酸化水素は、前記物品の滅菌を行う、方法。
(27)実施態様1に記載の方法において、
前記過酸化水素に前記プリオンを接触させる前に、前記過酸化水素の少なくとも一部の濃度を増加させるステップ、
をさらに含む、方法。
(28)実施態様27に記載の方法において、
前記過酸化水素の濃度を増加させる前記ステップは、前記溶液から水を選択的に除去し、前記滅菌室を通して前記水を排出することにより行われる、方法。
(29)実施態様1に記載の方法において、
プラズマ相に、前記プリオン周辺のガスを励起するステップと、
前記プラズマ相における前記ガスに前記プリオンを接触させるステップと、
をさらに含む、方法。
(30)実施態様1に記載の方法において、
前記滅菌室内の圧力を低下させる前記ステップ、および前記滅菌室内に前記溶液を投入するステップは、あるサイクルを含み、
当該サイクルは、反復される、方法。
(31)実施態様30に記載の方法において、
前記サイクルは、一回より多く反復される、方法。
(32)実施態様1に記載の方法において、
過酸化水素蒸気に前記物品を接触させる前記ステップの間、当該蒸気は、1リットル当たり10ミリグラム以上の濃度を有する、方法。
(33)実施態様32に記載の方法において、
過酸化水素蒸気に前記物品を接触させる前記ステップの間、当該蒸気は、1リットル当たり15ミリグラム以上の濃度を有する、方法。
(34)実施態様33に記載の方法において、
過酸化水素蒸気に前記物品を接触させる前記ステップの間、当該蒸気は、1リットル当たり20ミリグラム以上の濃度を有する、方法。
(35)実施態様34に記載の方法において、
過酸化水素蒸気に前記物品を接触させる前記ステップの間、当該蒸気は、1リットル当たり25ミリグラム以上の濃度を有する、方法。
(36)実施態様1に記載の方法において、
前記物品上に前記過酸化水素蒸気の一部を凝縮させるステップ、
をさらに含み、
凝縮された前記過酸化水素の濃度は、少なくとも80重量%の過酸化水素である、方法。
(37)実施態様36に記載の方法において、
凝縮された前記過酸化水素の濃度は、少なくとも85重量%の過酸化水素である、方法。
(38)実施態様37に記載の方法において、
凝縮された前記過酸化水素の濃度は、少なくとも90重量%の過酸化水素である、方法。
(39)実施態様38に記載の方法において、
凝縮された前記過酸化水素の濃度は、少なくとも95重量%の過酸化水素である、方法。
(40)実施態様36に記載の方法において、
前記滅菌室をより低い圧力に下げることにより、凝縮された前記過酸化水素の少なくとも一部を気化させるステップ、
をさらに含む、方法。
(41)プリオンを不活性化させる方法において、
滅菌室内に、所与の量のプリオンを有する物品を配置するステップと、
前記物品をプラズマに接触させて、前記プリオンの不活性化を行うステップと、
を含む、
方法。
(42)実施態様41に記載の方法において、
前記プラズマは、過酸化水素を含む気体から形成される、方法。
(43)実施態様41に記載の方法において、
プラズマ密度は、立方センチメートル当たり少なくとも10ミリワットである、方法。
(44)実施態様43に記載の方法において、
前記プラズマ密度は、立方センチメートル当たり少なくとも20ミリワットである、方法。
(45)実施態様44に記載の方法において、
前記プラズマ密度は、立方センチメートル当たり少なくとも30ミリワットである、方法。
(46)実施態様45に記載の方法において、
前記プラズマ密度は、立方センチメートル当たり少なくとも40ミリワットである、方法。
(47)実施態様46に記載の方法において、
前記プラズマ密度は、立方センチメートル当たり少なくとも50ミリワットである、方法。
(48)実施態様41に記載の方法において、
前記プラズマは、陽極と陰極との間に生成され、
前記陽極と前記陰極との間の隙間は、15.24mm(0.6インチ)未満である、方法。
(49)実施態様48に記載の方法において、
前記隙間は、12.7mm(0.5インチ)以下である、方法。
(50)実施態様48に記載の方法において、
前記隙間は、約12.7mm(約0.5インチ)である、方法。
(51)実勢態様41に記載の方法において、
前記プラズマは、陽極と陰極との間に生成され、
前記プリオンと、前記陽極および前記陰極のうちの、より近い極との間の最短距離は、38.1mm(1.5インチ)である、方法。
(52)実施態様51に記載の方法において、
前記最短距離は、25.4mm(1インチ)以下である、方法。
(53)実施態様52に記載の方法において、
前記プリオンと前記陽極との間の最短距離は、25.4mm(1インチ)以下である、方法。
図1は、本発明による滅菌装置のブロック図である。 図2は、図1の滅菌装置の気化器および拡散経路のブロック図である。 図3は、本発明による滅菌装置の別の実施態様のブロック図である。 図3Aは、本発明による滅菌装置の、代替的な実施態様のブロック図である。 図3Bは、図3Aの線3B−−3Bに沿った断面図である。 図4は、本発明による滅菌装置の別の実施態様のブロック図である。 図5は、本発明による滅菌装置の別の実施態様のブロック図である。 図6は、図5の線6−−6に沿った断面図である。 図7は、本発明による滅菌装置の別の実施態様のブロック図である。 図8は、図7の線8−−8に沿った断面図である。 図9は、本発明による滅菌装置のブロック図である。 図10は、図9の装置で使用される出口の凝縮器/気化器の切欠図である。 図11は、図9の装置で使用される入口の凝縮器/気化器の切欠図である。 図12は、図9の装置で使用される、代替的な入口の凝縮器/気化器の斜視図である。 図13は、図12の凝縮器/気化器の分解斜視図である。 図14は、図12の線14−−14に沿った断面図である。 図14Aは、図14に示すバルブ組立体の詳細断面図である。 図15は、図12の凝縮器/気化器内で採用される熱電ヒートポンプおよびロッド組立体の分解斜視図である。 図16は、本発明による、代替的な滅菌装置である。 図17は、本発明による、代替的な滅菌装置である。 図18は、本発明による、代替的な滅菌装置である。 図19は、本発明による、代替的な滅菌装置である。 図20は、図9の装置に使用される、代替的な入口の凝縮器/気化器の斜視図である。 図21は、図20の入口の凝縮器/気化器内で採用されるバルブブロックである。 図22は、図20の入口の凝縮器/気化器内で採用される図21のバルブブロックの切欠図である。 図23は、負荷上に凝縮する過酸化物の濃度を計算するための流れ図である。

Claims (53)

  1. プリオンを不活性化する方法において、
    滅菌室内に、所与の量のプリオンを有する物品を配置するステップと、
    前記滅菌室内の圧力を、過酸化水素の蒸気圧より低い圧力まで低下させるステップと、
    前記滅菌室内に、過酸化水素を含む溶液を投入し、過酸化水素蒸気に前記物品を接触させるステップと、
    前記プリオンと前記過酸化水素蒸気との間の接触を通じて、前記滅菌室内の前記プリオンを不活性化するステップと、
    を含む、方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、
    前記滅菌室内に投入された前記溶液中の前記過酸化水素の濃度は、70パーセントを超える、方法。
  3. 請求項2に記載の方法において、
    前記滅菌室内に投入された前記溶液中の前記過酸化水素の濃度は、75パーセントを超える、方法。
  4. 請求項3に記載の方法において、
    前記滅菌室内に投入された前記溶液中の前記過酸化水素の濃度は、80パーセントを超える、方法。
  5. 請求項4に記載の方法において、
    前記滅菌室内に投入された前記溶液中の前記過酸化水素の濃度は、85パーセントを超える、方法。
  6. 請求項5に記載の方法において、
    前記滅菌室内に投入された前記溶液中の前記過酸化水素の濃度は、90パーセントを超える、方法。
  7. 請求項1に記載の方法において、
    過酸化水素蒸気に前記物品を接触させる前記ステップの間の前記物品の温度は、摂氏30度を超える、方法。
  8. 請求項7に記載の方法において、
    過酸化水素蒸気に前記物品を接触させる前記ステップの間の前記物品の温度は、摂氏35度を超える、方法。
  9. 請求項8に記載の方法において、
    過酸化水素蒸気に前記物品を接触させる前記ステップの間の前記物品の温度は、摂氏40度を超える、方法。
  10. 請求項9に記載の方法において、
    過酸化水素蒸気に前記物品を接触させる前記ステップの間の前記物品の温度は、摂氏45度を超える、方法。
  11. 請求項1に記載の方法において、
    プラズマ相に前記過酸化水素蒸気を励起するステップと、
    前記プラズマ相における前記過酸化水素に前記プリオンを接触させるステップと、
    をさらに含む、方法。
  12. 請求項11に記載の方法において、
    プラズマ密度は、立方センチメートル当たり少なくとも10ミリワットである、方法。
  13. 請求項12に記載の方法において、
    前記プラズマ密度は、立方センチメートル当たり少なくとも20ミリワットである、方法。
  14. 請求項13に記載の方法において、
    前記プラズマ密度は、立方センチメートル当たり少なくとも30ミリワットである、方法。
  15. 請求項14に記載の方法において、
    前記プラズマ密度は、立方センチメートル当たり少なくとも40ミリワットである、方法。
  16. 請求項15に記載の方法において、
    前記プラズマ密度は、立方センチメートル当たり少なくとも50ミリワットである、方法。
  17. 請求項11に記載の方法において、
    プラズマが、前記プリオンに少なくとも2分間接触する、方法。
  18. 請求項17に記載の方法において、
    前記プラズマは、前記プリオンに少なくとも3分間接触する、方法。
  19. 請求項18に記載の方法において、
    前記プラズマは、前記プリオンに少なくとも4分間接触する、方法。
  20. 請求項11に記載の方法において、
    プラズマが、陽極と陰極との間で生成され、
    前記陽極と前記陰極との間の隙間は、15.24mm(0.6インチ)未満である、方法。
  21. 請求項20に記載の方法において、
    前記隙間は、12.7mm(0.5インチ)以下である、方法。
  22. 請求項20に記載の方法において、
    前記隙間は、約12.7mm(約0.5インチ)である、方法。
  23. 請求項11に記載の方法において、
    プラズマが、陽極と陰極との間に生成され、
    前記プリオンと、前記陽極および前記陰極のうちの、より近い極との間の最短距離は、38.1mm(1.5インチ)である、方法。
  24. 請求項23に記載の方法において、
    前記最短距離は、25.4mm(1インチ)以下である、方法。
  25. 請求項24に記載の方法において、
    前記プリオンと前記陽極との間の距離は、25.4mm(1インチ)以下である、方法。
  26. 請求項1に記載の方法において、
    前記過酸化水素は、前記物品の滅菌を行う、方法。
  27. 請求項1に記載の方法において、
    前記過酸化水素に前記プリオンを接触させる前に、前記過酸化水素の少なくとも一部の濃度を増加させるステップ、
    をさらに含む、方法。
  28. 請求項27に記載の方法において、
    前記過酸化水素の濃度を増加させる前記ステップは、前記溶液から水を選択的に除去し、前記滅菌室を通して前記水を排出することにより行われる、方法。
  29. 請求項1に記載の方法において、
    プラズマ相に、前記プリオン周辺のガスを励起するステップと、
    前記プラズマ相における前記ガスに前記プリオンを接触させるステップと、
    をさらに含む、方法。
  30. 請求項1に記載の方法において、
    前記滅菌室内の圧力を低下させる前記ステップ、および前記滅菌室内に前記溶液を投入するステップは、あるサイクルを含み、
    当該サイクルは、反復される、方法。
  31. 請求項30に記載の方法において、
    前記サイクルは、一回より多く反復される、方法。
  32. 請求項1に記載の方法において、
    過酸化水素蒸気に前記物品を接触させる前記ステップの間、当該蒸気は、1リットル当たり10ミリグラム以上の濃度を有する、方法。
  33. 請求項32に記載の方法において、
    過酸化水素蒸気に前記物品を接触させる前記ステップの間、当該蒸気は、1リットル当たり15ミリグラム以上の濃度を有する、方法。
  34. 請求項33に記載の方法において、
    過酸化水素蒸気に前記物品を接触させる前記ステップの間、当該蒸気は、1リットル当たり20ミリグラム以上の濃度を有する、方法。
  35. 請求項34に記載の方法において、
    過酸化水素蒸気に前記物品を接触させる前記ステップの間、当該蒸気は、1リットル当たり25ミリグラム以上の濃度を有する、方法。
  36. 請求項1に記載の方法において、
    前記物品上に前記過酸化水素蒸気の一部を凝縮させるステップ、
    をさらに含み、
    凝縮された前記過酸化水素の濃度は、少なくとも80重量%の過酸化水素である、方法。
  37. 請求項36に記載の方法において、
    凝縮された前記過酸化水素の濃度は、少なくとも85重量%の過酸化水素である、方法。
  38. 請求項37に記載の方法において、
    凝縮された前記過酸化水素の濃度は、少なくとも90重量%の過酸化水素である、方法。
  39. 請求項38に記載の方法において、
    凝縮された前記過酸化水素の濃度は、少なくとも95重量%の過酸化水素である、方法。
  40. 請求項36に記載の方法において、
    前記滅菌室をより低い圧力に下げることにより、凝縮された前記過酸化水素の少なくとも一部を気化させるステップ、
    をさらに含む、方法。
  41. プリオンを不活性化させる方法において、
    滅菌室内に、所与の量のプリオンを有する物品を配置するステップと、
    前記物品をプラズマに接触させて、前記プリオンの不活性化を行うステップと、
    を含む、方法。
  42. 請求項41に記載の方法において、
    前記プラズマは、過酸化水素を含む気体から形成される、方法。
  43. 請求項41に記載の方法において、
    プラズマ密度は、立方センチメートル当たり少なくとも10ミリワットである、方法。
  44. 請求項43に記載の方法において、
    前記プラズマ密度は、立方センチメートル当たり少なくとも20ミリワットである、方法。
  45. 請求項44に記載の方法において、
    前記プラズマ密度は、立方センチメートル当たり少なくとも30ミリワットである、方法。
  46. 請求項45に記載の方法において、
    前記プラズマ密度は、立方センチメートル当たり少なくとも40ミリワットである、方法。
  47. 請求項46に記載の方法において、
    前記プラズマ密度は、立方センチメートル当たり少なくとも50ミリワットである、方法。
  48. 請求項41に記載の方法において、
    前記プラズマは、陽極と陰極との間に生成され、
    前記陽極と前記陰極との間の隙間は、15.24mm(0.6インチ)未満である、方法。
  49. 請求項48に記載の方法において、
    前記隙間は、12.7mm(0.5インチ)以下である、方法。
  50. 請求項48に記載の方法において、
    前記隙間は、約12.7mm(約0.5インチ)である、方法。
  51. 請求項41に記載の方法において、
    前記プラズマは、陽極と陰極との間に生成され、
    前記プリオンと、前記陽極および前記陰極のうちの、より近い極との間の最短距離は、38.1mm(1.5インチ)である、方法。
  52. 請求項51に記載の方法において、
    前記最短距離は、25.4mm(1インチ)以下である、方法。
  53. 請求項52に記載の方法において、
    前記プリオンと前記陽極との間の最短距離は、25.4mm(1インチ)以下である、方法。
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