JP2007295409A - 盗難防止機能を有する集線装置及び盗難防止システム - Google Patents

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Abstract

【課題】情報通信端末の盗難を検出・防止する盗難防止機能を有する集線装置及び盗難防止システムを提供する。
【解決手段】LANケーブル20を着脱自在に取付け可能なコネクタ41を有する情報通信端末40の通信データの伝送を中継する集線装置10を、LANケーブル20を端末側コネクタ41に装着したときに、LANケーブル20を形成する複数の信号線のうち通信データを伝送しない未使用の信号線であり且つ別途独立した監視用の電圧を印加した余剰信号線107,108が端末側コネクタ41の接点を介して閉回路を形成するように構成する一方、LANケーブル20を端末側コネクタ41に装着したときの余剰信号線107の電圧と、LANケーブル20を端末側コネクタ41から引き抜いたときの余剰信号線107の電圧とに基づきLANケーブル20が端末側コネクタ41から引き抜かれたことを警報手段で検出するように構成する。
【選択図】図3

Description

本発明は盗難防止機能を有する集線装置及び盗難防止システムに関し、特に、集線装置に接続された情報通信端末の盗難を検出・防止する場合に適用して有用なものである。
近年、パーソナルコンピュータ等の情報通信端末は、その処理能力の向上に伴い業務に密接に関連して使用されるようになっており、企業等での業務の遂行に重要な役割を果たしている。一方、情報通信端末が高度に発達するにつれて情報通信端末の管理は煩雑になり、ハードウェアとソフトウェアの保守・運用やトラブル対処等の管理作業に掛かる負担は増大している。
更に、昨今では高価な情報通信端末自体やこれに保存される情報の取得を目的とする情報通信端末の盗難が少なからず発生するようになり、この盗難を防止するための対策を講じることも管理者の負担を増大させている。特に企業,学術機関や病院等の大規模なネットワークを有する組織では、多数の情報通信端末が物理的に分散した場所に設置されることがあり、管理者がこれらの情報通信端末を直接的に監視することは困難であるため、効率的な盗難防止対策が求められている。
情報通信端末の盗難を防止又は検出する技術には、情報通信端末を机や壁等に取り付けることにより持ち出しを防ぐ拘束具(特許文献1参照),各種センサにより情報通信装置の傾き等を検知して警報を発することにより盗難を防止する盗難防止装置(特許文献2参照),無線通信手段を介して情報通信端末の設置場所を監視して、当該情報通信端末の盗難を防止するパソコン監視システム(特許文献3参照),情報通信端末との間に専用ケーブルを接続し、この専用ケーブルの取外しを電気的に検出したことを条件に警報を発して盗難を防止する盗難防止装置(特許文献4参照)がある。
しかしながら、特許文献1にある拘束具においては、拘束具を切断されて盗難された場合は、管理者は情報通信端末が盗難されたことに即座に気付くことができず、盗難後の対応を迅速に行うことができない。特許文献2にある盗難防止装置においては、個々の情報通信端末に傾き等を検出する各種センサを取付ける必要があるため、情報通信端末の台数に比例して費用や取付け作業の負担が増大するという問題がある。また、特許文献3にあるパソコン監視装置においては、個々の情報通信端末に取付ける無線装置を取付ける必要があるが、情報通信端末の電源が投入されていないと無線装置は機能しないため、万全な盗難防止機能を提供するものではない。
更に、特許文献4にある盗難防止装置においては、専用ケーブルを情報通信端末に別途取付けることにより美観を損ねるだけでなく、情報通信端末には盗難防止対策が明らかに講じられていることを周知させることになる。この結果このような盗難防止対策を回避する巧妙な手口を講じられる虞もある。例えば専用ケーブルに電気的なバイパス回路を設けることで、専用ケーブルの取り外しを盗難防止装置に検知させずに情報通信端末を盗み出すことができる。
特開平11−148262号公報 実用第3096865号公報 特開平5−176374号公報 特開平9−27087号公報
本発明は、かかる事情に鑑み、情報通信端末の盗難を検出・防止する盗難防止機能を有する集線装置及び盗難防止システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の第1の態様は、
通信ケーブルを着脱自在に取付け可能なコネクタを有する情報通信端末の通信データの伝送を中継すると共に、前記情報通信端末の盗難防止機能を有する集線装置であって、
前記通信ケーブルを前記コネクタに装着したときに、前記通信ケーブルを形成する複数の信号線のうち通信データを伝送しない未使用の信号線であり且つ別途独立した監視用の電圧を印加した余剰信号線が前記コネクタの接点を介して閉回路を形成するように構成する一方、
前記通信ケーブルを前記コネクタに装着したときの前記余剰信号線の電圧と、前記通信ケーブルを前記コネクタから引き抜いたときの前記余剰信号線の電圧とに基づき前記通信ケーブルが前記コネクタから引き抜かれたことを警報手段で検出するように構成した
ことを特徴とする盗難防止機能を有する集線装置にある。
かかる第1の態様では、既存の通信ケーブルに含まれる未使用の信号線を用いて通信ケーブルの引き抜きを検出することで、通信ケーブルに接続された情報通信端末の盗難を検出する。既存の通信ケーブルを盗難防止の検出に用いることにより、情報通信端末に特別な盗難検出用のケーブルや装置等を設けることに比較して美観を保ち、且つ外観上盗難防止対策が講じてあることを隠蔽することができる。また既存の通信ケーブルを用いること、及び情報通信端末のコネクタには簡易な加工を施すのみであることから、本発明に係る集線装置を導入することは、上述した盗難検出用のケーブル等を導入する場合に比較して、盗難防止対策を講じるための導入費用や設置作業に掛かる負担を軽減することができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載する盗難防止機能を有する集線装置において、
一つの接点の電位が接地電位となるように構成されたコネクタに前記通信ケーブルを装着したときに前記余剰信号線が前記一つの接点を介して閉回路を形成するように構成した
ことを特徴とする盗難防止機能を有する集線装置にある。
かかる第2の態様では、情報通信端末側のコネクタに加工を施し、このコネクタの接点を介して余剰信号線を含む閉回路を形成し、この余剰信号線に印加される電圧を監視することで、当該通信ケーブルの引き抜きを検出する。すなわち、特別な盗難検出用のケーブルや装置等を情報通信端末に設けることなく、情報通信端末に対する簡易な加工を行うのみで、情報通信端末の盗難を検出することができるため、盗難防止対策に掛かる導入費用や作業の負担を軽減することが可能となる。
本発明の第3の態様は、第1の態様に記載する盗難防止機能を有する集線装置において、
二つの接点を短絡させたコネクタに前記通信ケーブルを装着したときに二本の余剰信号線を前記二つの接点を介して短絡させると共に、当該集線装置側で一方の余剰信号線を接地させて閉回路を形成するように構成する一方、
他方の余剰信号線に別途独立した監視用の電圧を印加し、前記通信ケーブルを前記コネクタに装着したときの前記他方の余剰信号線の電圧と、前記通信ケーブルを前記コネクタから引き抜いたときの前記他方の余剰信号線の電圧とに基づき前記通信ケーブルが前記コネクタから引き抜かれたことを警報手段で検出するように構成した
ことを特徴とする盗難防止機能を有する集線装置にある。
かかる第3の態様では、情報通信端末側のコネクタに加工を施し、このコネクタを介して2本の余剰信号線を含む閉回路を形成し、この余剰信号線に印加される電圧を監視することで、通信ケーブルの引き抜きを検出する。この加工は、コネクタの2つの余剰信号線との接点を短絡させるのみであるため、情報通信端末での加工に掛かる作業は更に簡易に且つ低費用に行うことができる。
本発明の第4の態様は、
第2の態様に記載する盗難防止機能を有する集線装置と、
前記余剰信号線を接地させる接点を設けたコネクタを有する情報通信端末と
を備えることを特徴とする盗難防止システムにある。
かかる第4の態様では、情報通信端末側のコネクタに加工を施し、このコネクタの接点を介して余剰信号線を含む閉回路を形成し、この余剰信号線に印加される電圧を監視することで、当該通信ケーブルの引き抜きを検出する。すなわち、特別な盗難検出用のケーブルや装置等を情報通信端末に設けることなく、情報通信端末に対する簡易な加工を行うのみで、情報通信端末の盗難を検出することができるため、盗難防止対策に掛かる導入費用や作業の負担を軽減することが可能となる。
本発明の第5の態様は、
第3の態様に記載する盗難防止機能を有する集線装置と、
前記2本の余剰信号線を短絡させる接点を設けたコネクタを有する情報通信端末と
を備えることを特徴とする盗難防止システムにある。
かかる第5の態様では、情報通信端末側のコネクタに加工を施し、このコネクタを介して2本の余剰信号線を含む閉回路を形成し、この余剰信号線に印加される電圧を監視することで、通信ケーブルの引き抜きを検出する。この加工は、コネクタの2つの余剰信号線との接点を短絡させるのみであるため、情報通信端末での加工に掛かる作業は更に簡易に且つ低費用に行うことができる。
本発明の第6の態様は、第4又は5の態様に記載する盗難防止システムにおいて、
前記集線装置と通信可能に接続された情報通信端末管理サーバを備え、
前記集線装置は、前記警報手段により前記通信ケーブルが前記コネクタから引き抜かれたことを検出した際に、引き抜かれた通信ケーブルが接続されたコネクタの識別子を含む引き抜き情報を前記情報通信端末管理サーバへ送信する引き抜き情報送信手段を有し、
前記集線装置より受信した前記引き抜き情報に含まれる前記識別子に基づいて、前記識別子に特定されるコネクタに接続された情報通信端末が前記集線装置から引き抜かれているか否かを管理する端末管理手段とを有する
ことを特徴とする盗難防止システムにある。
かかる第6の態様では、各集線装置で検出した情報通信端末からの通信ケーブルの引き抜きを情報通信端末管理サーバで集中的に管理することができる。これにより、管理者は各場所に設置された情報通信端末と集線装置との接続状況を集中的に把握することができ、盗難の発生にも速やかに対応することができる。
本発明によれば、既存の通信ケーブルに含まれる未使用の信号線を用いて通信ケーブルの引き抜きを検出することで、通信ケーブルに接続された情報通信端末の盗難を検出する。このように既存の通信ケーブルを盗難防止の検出に用いることにより、情報通信端末に特別な盗難検出用のケーブルや装置等を設けることに比較して美観を保ち、且つ外観上盗難防止対策が講じてあることを隠蔽することができる。
また既存の通信ケーブルを用いること、及び情報通信端末のコネクタには簡易な加工を施すのみであることから、盗難検出用のケーブル等を導入する場合に比較して、本発明に係る集線装置を導入する場合の盗難防止対策を講じるための導入費用や設置作業に掛かる負担を軽減することができる。
更に、盗難の発生を情報通信端末管理サーバで監視することにより、管理者が各場所に配設された情報通信端末の状況を集中的に把握することができ、管理業務に掛かる負担を軽減することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、本実施形態の説明は例示であり、本発明は以下の説明に限定されない。
〈実施形態1〉
図1は、実施形態1に係る盗難防止機能を有する集線装置を備える盗難防止システムの外観を示す概略図、図2は、余剰通信線を含む通信ケーブルと端末側コネクタの構成を示す概略図、図3は、実施形態1に係る盗難防止機能を有する集線装置を備える盗難防止システムのブロック構成図、図4は、実施形態1に係る盗難防止機能を有する集線装置を備える盗難防止システムの回路図である。
これらの図を用いて、LANケーブル20を介して集線装置10に接続された情報通信端末40が盗難される際に、この盗難に伴うLANケーブル20の引き抜きを集線装置10が検出して情報通信端末40の盗難を防止する場合について説明する。
図1に示すように、盗難防止システム1は、情報通信端末40の通信データの伝送の中継をする集線装置10と、集線装置10を介して他の情報通信端末40との間で通信データを送受信する情報通信端末40とを備えている。
また、LANケーブル20の両端にはプラグ21が設けられ、このプラグ21は集線装置10のコネクタ11及び情報通信端末40のコネクタ41に着脱自在に取付け可能になっている(以下便宜上、「情報通信端末40のコネクタ41」を「端末側コネクタ41」と称する。)。
なお、図1には、集線装置10に1台の情報通信端末40が接続されているのみであるが、集線装置10には複数のコネクタ11が設けられており、複数台の情報通信端末40を接続してもよいし、他の集線装置10やルータ等の機器を接続してもよい。
図2には、LANケーブル20と端末側コネクタ41との概略構成が示されている。図示するように、LANケーブル20には、UTP(Unshielded Twist Pair)ケーブル(ストレート)が用いられている。このLANケーブル20は被覆23の内側に8本の導線である信号線101,102,103,104,105,106,107,108が挿通されており、各信号線101乃至108の一端はプラグ21の複数の金属の接点22の各々に圧着され、他端も同様に反対側のプラグ21の接点22に圧着されている。
なお、煩雑になるため図中の各信号線には符号「101,108」のみを付したが、図中右側から順に各信号線は符号101乃至108を付されているものとする。
一方、端末側コネクタ41には、8つの金属の接点42がプラグ21の各接点22に対応して情報通信端末40内部の所定の回路に接続するよう設けられている。
更に、図示しないが集線装置10のコネクタ11にも、8つの金属の接点12がプラグ21の各接点22に対応して端末側コネクタ41と同様に集線装置10内部の所定の回路に接続するよう設けられている。
このプラグ21が各コネクタ11,41に取付けられた際に接点12と接点22、及び接点22と接点42とが各々接触することで、各信号線を介して集線装置10及び情報通信端末40の所定の回路間が電気的に導通可能になる。
以下便宜上、「コネクタ11の接点12」を「集線装置側接点12」、「端末側コネクタ41の接点42」を「端末側接点42」、「プラグ21の接点22」を「LANケーブル接点22」と称する。
ここで、これらの各信号線101乃至108には、米国電子工業会/通信工業会により定められる規格(TIA/EIA 568−A又は568−B)に基づいて、各々1乃至8の番号が付されている。一方、このLANケーブル20を信号伝送の媒体として用いるEthernet(登録商標)規格(IEEE802.3(10Base−T)又はIEEE802.3u(100Base−TX))では、番号「1,2,3,6」に対応する各信号線101乃至103,106を電気信号の送受信に用いることが定められている。
このため、残りの番号「4,5,7,8」に対応する各信号線104,105,107,108は物理的に集線装置10と情報通信端末40との間を接続するものの、電気的には信号を伝送しない状態となっている。
本発明においてはこの残りの4本の信号線に着目し、これらを利用して情報通信端末40からLANケーブル20が引き抜かれることを検出する。なお、これらの信号線を余剰信号線と称し、番号「7,8」に対応する2本の余剰信号線107,108を用いる場合について説明する。
図3には、集線装置10及び情報通信端末40に含まれる各回路とこれらの回路を接続するLANケーブル20の結線が示されている。
図示するように、コネクタ11と端末側コネクタ41との間にLANケーブル20が取付けられており、集線装置側接点12とLANケーブル接点22、及び反対側のLANケーブル接点22と端末側接点42とが接触している。
これらの各接点12,22,42の接触により、LANケーブル20に含まれる各信号線101乃至108が集線装置10及び情報通信端末40の所定の回路を導通可能に接続している。具体的には、各信号線101乃至103,106は通信データ中継回路30と通信データ送受信回路44との間を導通可能に接続している。
また、余剰信号線107,108に対応する端末側接点42には、プラグ21を取付けた際に、余剰信号線107,108を短絡させる導線である短絡導線43が予め設けられている。一方、余剰信号線107に対応する集線装置側接点12は、LANケーブル20の引き抜きを検出するための検出回路31に予め接続され、余剰信号線108に対応する集線装置側接点12は予め接地されている。
従って、LANケーブル20の各コネクタ11,41への取付けの際に、各接点12,22,42を介して、検出回路31、余剰信号線107,108、短絡導線43からなる閉回路が形成される。逆に、LANケーブル20の各コネクタ11,41からの引き抜きの際には、この閉回路が開放される構成となっている。すなわち、LANケーブル20の着脱と、閉回路の形成・開放とが対応するため、閉回路が形成・開放されたことを検出することにより、LANケーブル20の着脱を判別することができる。
なお、当然ながらLANケーブル20の引き抜きのみならず、切断された場合にも閉回路は開放されるため、盗難防止システム1はLANケーブル20を切断して情報通信端末40が盗難される場合にも対応することができる。
次に、盗難防止システム1の各構成について詳細に説明する。
情報通信端末40は、一般的なコンピュータの機能を備えており、情報通信端末40の通信データをEthernet(登録商標)規格に適合する電気信号として送受信する通信データ送受信回路44と、2本の余剰信号線107,108を短絡させる端末側接点42を設けたコネクタ41とを有している。
通信データ送受信回路44は、通信データをEthernet(登録商標)規格に適合する電気信号に変換し、LANケーブル20に含まれる各信号線101乃至103,106を介して集線装置10の通信データ中継回路30に送信し、通信データ中継回路30から受信した電気信号を変換して通信データを取得するために用いられる。この通信データは特に限定されるものではなく、情報通信端末40で扱うことができるデータであるならば任意のものでよい。
一方、集線装置10は、情報通信端末40の通信データの伝送を中継する通信データ中継回路30と、情報通信端末40との間に形成される閉回路に含まれる余剰信号線107に印加される電圧に基づいて、LANケーブル20の引き抜きを検出する検出回路31と、検出回路31がLANケーブル20の引き抜きを検出した際に、情報通信端末40が盗難されたことを警告する警報回路32とを具備している。
通信データ中継回路30は、コネクタ11に接続された情報通信端末40の通信データの伝送を中継するために用いられる。具体的には、通信データ中継回路30は、各信号線101乃至103,106を介して情報通信端末40との間で送受信される通信データに含まれる情報通信端末40を識別するアドレスに基づいて、Ethernet(登録商標)規格に従い当該通信データを当該アドレスを有する情報通信端末40に送信する。なお中継する通信データの対象は情報通信端末40に限らず、他の集線装置10やルータ等の中継装置により中継された通信データでもよい。
検出回路31は、LANケーブル20を各コネクタ11,41に取付けた際に形成される閉回路の余剰信号線107に監視用の電圧を印加し(以下、この電圧を「監視電圧」と称する。)、LANケーブル20が各コネクタ11,41に装着されている時及び引き抜かれたときの余剰信号線107に印加されている監視電圧に基づいて、LANケーブル20が各コネクタ11,41から引き抜かれたか否かを検出する。
警報回路32は、余剰信号線に印加される監視電圧に基づいて、情報通信端末40のLANケーブル20が取外されて盗難されたことを管理者等に通知するために用いられる。例えばサイレンを鳴動させたり、警告音を出して通知する。また、これらの通知を、盗難者に対する警告として用いてもよい。これによりサイレンに気付いた盗難者に情報通信端末40の盗難を断念させることができる。
次に、図4を用いて盗難防止システム1の回路構成の具体例を説明する。図示するように、LANケーブル20が集線装置10のコネクタ11及び情報通信端末40の端末側コネクタ41に接続されており、このLANケーブル20に含まれる各信号線101乃至103,106(信号線103,106については図示せず。)が、各コネクタ11,41に設けられた各接点12,22,42を介して通信データ中継回路30と通信データ送受信回路44とを導通可能に接続している。
同様に、LANケーブル20に含まれる余剰信号線107,108も各接点12,22,42を介して集線装置10から情報通信端末40に亘り閉回路を形成している。具体的には、監視電圧を印加する電源311,余剰信号線107,短絡導線43,余剰信号線108,及び接地312からなる閉回路である。
この余剰信号線107には、電源311より常時監視電圧(この電源の電圧値を「V」と表す。)が印加されており、A点の電位はLANケーブル20の端末側コネクタ41からの着脱に応じて変化する。
具体的には、LANケーブル20が端末側コネクタ41に取り付けられているとき、A点の電位は、接地312の電位と等しくなる。一方、LANケーブル20が端末側コネクタ41から引き抜かれたとき、A点の電位は監視電圧Vと等しくなる。
従って、LANケーブル20の着脱により変化するA点の電位を、トランジスタ313のゲート電極の入力電圧とすることで、サイレン制御回路321を介してサイレン322の鳴動を制御する。
更に詳言すると、トランジスタ313はスイッチ素子として機能し、ゲート電極に監視電圧Vが印加されることによりオン状態となり、サイレン制御回路321を駆動する。
この結果、LANケーブル20が各コネクタ11,41に接続されているときは、サイレン322を鳴動させず、一方、LANケーブル20が各コネクタ11,41から引き抜かれたときは、サイレン322を鳴動させて管理者等に通知したり、情報通信端末40の盗み出しを抑制することができる。
なお、上述したように2本の余剰信号線を短絡させて閉回路を形成し、これに印加する電圧を監視することでLANケーブル20の引き抜きを検出する場合に限定されない。例えば、端末側コネクタ41の端末側接点42に1本の余剰信号線を接地させるよう接地用の導線を設け、LANケーブル20を各コネクタ11,41に取付けた際に当該余剰信号線がこの端末側接点42を介して閉回路を形成するように構成してもよい。
このとき、当該余剰信号線の一端をトランジスタのゲート電極に接続すると共に、常時監視用の電圧を印加し、この電圧値をトランジスタで監視させることで情報通信端末40からLANケーブル20が引き抜かれたことを検出することができる。
以上に説明したように、情報通信端末40が盗難される際にはLANケーブル20の引き抜きを伴うが、この時、閉回路は必ず開放されるため、閉回路の開放に伴う監視電圧の電圧値の変化に基づいてこの引き抜きを検出することができる。
特に、余剰信号線107,108を用いて閉回路を形成し、この閉回路に監視電圧を印加することは、情報通信端末40の電源が投入されているか否かに関わらず、常時監視電圧の電圧値の監視を可能にする。すなわち、情報通信端末40の電源投入の有無に関わらず、確実にLANケーブル20の引き抜きを検出することができる。
このことは、信号線101乃至103,106に流れる電気信号の有無を監視する場合と比較して有利な効果を奏する。すなわち、この場合においては、情報通信端末40の電源が投入されていないことにより信号線101乃至103,106に電気信号が流れていないのか、LANケーブル20が取外されたために信号線101乃至103,106に電気信号が流れていないのかを区別することができず、盗難に伴うLANケーブル20の取り外しを適切に判別することができないからである。
また、LANケーブル20の余剰信号線を用いることは、情報通信端末40の盗難を防止するための特別なケーブルや装置等が不要となること、及び情報通信端末40には短絡導線43を設ける簡易な加工を行うのみであることから、特別な盗難防止装置等を全ての情報通信端末40に導入・設置することと比較して安価に盗難防止対策を講じることができる。
更に、外観上は図1に示すように「LANケーブル20を介して接続された集線装置10と情報通信端末40」であるため、盗難防止のための装置等が情報通信端末40等に設けられた場合と比較して美観を保つことができ、且つ盗難者に対して盗難防止対策が施されてあることを隠蔽するため、盗難者に回避手段を即座に講じられることを防止できる。
〈実施形態2〉
実施形態2では、実施形態1と同様に情報通信端末40の盗難を検出・防止すると共に、情報通信端末40が盗難されたか否かを情報通信端末管理サーバ60で集中的に管理する場合の盗難防止システム100の実施の態様を説明する。
図5は、実施形態2に係る盗難防止機能を有する集線装置を備える盗難防止システムのブロック構成図である。実施形態2の盗難防止システム100の構成のうち、実施形態1に説明した盗難防止システム1と同一の符号を付したものについての説明は省略する。
盗難防止システム1に対する盗難防止システム100の相違点は、情報通信端末40が盗難されたか否かを集中的に管理する情報通信端末管理サーバ60を備え、集線装置70は情報通信端末40の盗難を検出した際に、その旨を情報通信端末管理サーバ60に伝達することにある。
各情報通信端末40はLANケーブル20を介して集線装置70に接続されており、また集線装置70はLAN50を介して情報通信端末管理サーバ60に通信可能に接続されている。例えば、集線装置70及び情報通信端末管理サーバ60には各々一意なIPアドレス(IP:Internet Protocol)を割り当て、当該IPアドレスと所定のTCP又はUDPのポート番号を用いて互いに通信先を特定し、集線装置70と情報通信端末管理サーバ60との間で任意のデータの送受信ができるよう構成する。
なお、図5には集線装置70が1台のみ例示されているが、複数の集線装置70がLAN50又は他の集線装置70を経由して情報通信端末管理サーバ60に接続してもよい。
集線装置70は、実施形態1の集線装置10に加えて、更に引き抜き情報送信手段33を備えている。
引き抜き情報送信手段33は、集線装置70からLANケーブル20が引き抜かれたことを検出した際に、引き抜かれたLANケーブル20が接続されていたコネクタ11の識別子を含む引き抜き情報を情報通信端末管理サーバ60へ送信する。ここでコネクタ11の識別子とは、集線装置10が有する複数のコネクタ11の夫々を一意に識別する数値である。
具体的には、集線装置70のIPアドレスと所定のポート番号を含むヘッダ部分と、コネクタ11の識別子とからなるパケットを作成して、LAN50を介して情報通信端末管理サーバ60へ送信する。
情報通信端末管理サーバ60は、一般的なコンピュータの機能を有し、LAN50を介して集線装置70より受信した引き抜き情報に従って、当該コネクタに接続された情報通信端末40が盗難に伴い、LANケーブル20から取外された旨をディスプレイなどの出力装置に出力して、管理者に通知する端末管理手段61を具備している。
端末管理手段61は、受信した引き抜き情報をデータベースに格納し、管理者の要求に応じて、適宜引き抜き情報を検索して出力する。これにより、管理者は例えば設置場所を限定して、当該設置場所での情報通信端末40の集線装置70との接続状況を確認することが可能となる。
以上に説明した構成の盗難防止システム100は、集線装置70が情報通信端末40からの通信ケーブル20の引き抜きを検出して引き抜き情報を送信し、情報通信端末管理サーバ60でこの引き抜き情報を管理する。これにより、管理者は各場所に設置された情報通信端末40と集線装置70との接続状況を集中的に把握することができ、盗難の発生にも速やかに対応することができる。
なお、この引き抜き情報の授受に関しては、既存のネットワーク管理用の通信プロトコルであるSNMP(Simple Network Management Protocol)を用いてもよい。すなわち、一般的に用いられているSNMPを実装したソフトウェア等を情報通信端末管理サーバ60に導入していわゆる「SNMPマネージャ」として機能させ、集線装置70には、引き抜き情報をMIB(Management Information Base:管理情報ベース)としてSNMPマネージャに送信する「SNMPエージェント」機能を設け、SNMPに準じて引き抜き情報を授受するように構成する。
集線装置70にSNMPエージェント機能を設けることにより、情報通信端末管理サーバ60で既存のSNMPを用いたネットワーク管理システムの管理対象に集線装置70を加えることができる。この結果、特別なソフトウェア・機器等を別途導入する費用が生じず、また管理者は習熟したネットワーク管理システムを用いて集線装置70による情報通信端末40からのLANケーブル20の引き抜きを効率的に把握することができる。
本発明は、分散配置された情報通信端末の盗難を防止する製品・システムを製造,販売乃至使用する産業分野で利用することができる。
実施形態1に係る盗難防止機能を有する集線装置を備える盗難防止システムの外観を示す概略図である。 余剰通信線を含む通信ケーブルと端末側コネクタの構成を示す概略図である。 実施形態1に係る盗難防止機能を有する集線装置を備える盗難防止システムのブロック構成図である。 実施形態1に係る盗難防止機能を有する集線装置を備える盗難防止システムの回路図である。 実施形態2に係る盗難防止機能を有する集線装置を備える盗難防止システムのブロック構成図である。
符号の説明
1,100 盗難防止システム
10,70 集線装置
11 コネクタ
12 集線装置側接点
20 LANケーブル
21 プラグ
22 LANケーブル接点
23 被覆
30 通信データ中継回路
31 検出回路
32 警報回路
40 情報通信端末
41 端末側コネクタ
42 端末側接点
43 短絡導線
44 通信データ送受信回路
50 LAN
60 情報通信端末管理サーバ
61 端末管理手段
101,102,103,106 信号線
104,105,107,108 余剰信号線
321 サイレン制御回路
322 サイレン

Claims (6)

  1. 通信ケーブルを着脱自在に取付け可能なコネクタを有する情報通信端末の通信データの伝送を中継すると共に、前記情報通信端末の盗難防止機能を有する集線装置であって、
    前記通信ケーブルを前記コネクタに装着したときに、前記通信ケーブルを形成する複数の信号線のうち通信データを伝送しない未使用の信号線であり且つ別途独立した監視用の電圧を印加した余剰信号線が前記コネクタの接点を介して閉回路を形成するように構成する一方、
    前記通信ケーブルを前記コネクタに装着したときの前記余剰信号線の電圧と、前記通信ケーブルを前記コネクタから引き抜いたときの前記余剰信号線の電圧とに基づき前記通信ケーブルが前記コネクタから引き抜かれたことを警報手段で検出するように構成した
    ことを特徴とする盗難防止機能を有する集線装置。
  2. 請求項1に記載する盗難防止機能を有する集線装置において、
    一つの接点の電位が接地電位となるように構成されたコネクタに前記通信ケーブルを装着したときに前記余剰信号線が前記一つの接点を介して閉回路を形成するように構成した
    ことを特徴とする盗難防止機能を有する集線装置。
  3. 請求項1に記載する盗難防止機能を有する集線装置において、
    二つの接点を短絡させたコネクタに前記通信ケーブルを装着したときに二本の余剰信号線を前記二つの接点を介して短絡させると共に、当該集線装置側で一方の余剰信号線を接地させて閉回路を形成するように構成する一方、
    他方の余剰信号線に別途独立した監視用の電圧を印加し、前記通信ケーブルを前記コネクタに装着したときの前記他方の余剰信号線の電圧と、前記通信ケーブルを前記コネクタから引き抜いたときの前記他方の余剰信号線の電圧とに基づき前記通信ケーブルが前記コネクタから引き抜かれたことを警報手段で検出するように構成した
    ことを特徴とする盗難防止機能を有する集線装置。
  4. 請求項2に記載する盗難防止機能を有する集線装置と、
    前記余剰信号線を接地させる接点を設けたコネクタを有する情報通信端末と
    を備えることを特徴とする盗難防止システム。
  5. 請求項3に記載する盗難防止機能を有する集線装置と、
    前記2本の余剰信号線を短絡させる接点を設けたコネクタを有する情報通信端末と
    を備えることを特徴とする盗難防止システム。
  6. 請求項4又は5に記載する盗難防止システムにおいて、
    前記集線装置と通信可能に接続された情報通信端末管理サーバを備え、
    前記集線装置は、前記警報手段により前記通信ケーブルが前記コネクタから引き抜かれたことを検出した際に、引き抜かれた通信ケーブルが接続されたコネクタの識別子を含む引き抜き情報を前記情報通信端末管理サーバへ送信する引き抜き情報送信手段を有し、
    前記集線装置より受信した前記引き抜き情報に含まれる前記識別子に基づいて、前記識別子に特定されるコネクタに接続された情報通信端末が前記集線装置から引き抜かれているか否かを管理する端末管理手段とを有する
    ことを特徴とする盗難防止システム。
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