JP2007295256A - 複合共振回路とそれを用いた発振回路 - Google Patents

複合共振回路とそれを用いた発振回路 Download PDF

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Abstract

【課題】一般的な共振回路において可変キャパシタンス素子や可変インダクタンス素子を使用することなく、発振周波数やフィルタの周波数特性を制御し得る共振回路、及びかかる共振回路を使用した発振回路やフィルタ等を提供する。
【解決手段】増幅器の入力及び出力の間に互いに独立な正及び負帰還路を有し、該負帰還路に可変反周波数特性を有する反共振回路を含み、該正帰還路に前記反共振回路の反共振周波数の変化に追従する中心周波数において最大ゲインを有する可変帯域増幅器を含む発振回路。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えば水晶振動子等の圧電振動子や、コイル、コンデンサあるいはそれらと等価的な素子を組み合わせた複合共振回路、及びこれらの回路を使用した発振回路やフィルタ等に関する。
圧電発振器は、それに使用される圧電振動子の機械的振動損失が他の電子部品に比べて極めて小さいために、非常に高いQ値(共振先鋭度)が得られる。従って、それを用いた発振器は、高純度の周波数出力が可能であることは周知である。そして、この高純度の程度を更に高度化して欲しいと言う市場の要求がある。
この要求を満たすためには、例えば、水晶発振器では、互いの共振周波数を一致せしめた水晶振動子を2つ用いて、発振回路を構成すれば良いことは周知である。互いの共振周波数を一致させる為には、高いQ値を持った水晶振動子の周波数をそのQ値を劣化させること無く可変しなければならない。
文献1、文献2に、入出力枝路に複数の共振素子を配し、それぞれの共振子に可変の分配割合にて電力を分配することにより、共振周波数を可変することが開示されている。しかし、この方法は、それぞれの共振素子の共振周波数の近傍では、可変された周波数の実効Q値が極端に劣化すると言う致命的欠陥がある為に、高いQ値を持つ圧電共振子を用いているにも拘らず、それの良好な特性を発揮しない。
文献3に、一つの発振回路の中に正帰還路と負帰還路を持ち、この負帰還路中の複数の共振素子を切り替えて使用する発振回路が開示されているが、周波数連続可変動作は不可能である。
文献4,5,6に増幅器を含む段を複数環状接続した発振回路が開示されているが、各段の周波数特性に急峻な周波数特性を有していないことから、高純度の周波数出力は得られない。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、水晶振動子等の圧電振動子を含むが、これに限らず、一般的な共振回路において可変キャパシタンス素子や可変インダクタンス素子を使用することなく、発振周波数やフィルタの周波数特性を制御し得る共振回路、及びかかる共振回路を使用した発振回路やフィルタ等を提供する。また、圧電材料を用いた発振回路やフィルタ回路において、これら圧電振動子の電気機械結合係数で決まる周波数可変範囲の限界を超えて、広い周波数範囲に渡って周波数変化が可能な複合共振回路を提供することも目的の一つである。
特開2000-315914(特願平11−123789) 特開昭58-205309(特願昭57−87221) 特開平1-221003(特願昭63−46546) 特開2003-188688(特願2001−384198) 特開平9-232398(特願平8−32228) 特開2006-014352(特願2005−199602)
発明を実施するための形態
(複合反共振回路)
図1を用いて本発明の第一の実施例である複合反共振回路について説明を行う。図1の基準電位RPS,RP11,RP12,・・・RP1n、RPLは全て等しいものとする。この等しいと置いた基準電位をRPとする。この基準電位は必ずしも接地電位である必要はない。以降は、この基準電位RPを接地電位として話を進める。
図1のQ11,Q12,・・・、Q1nは、共振素子である。これらの共振素子は、少なくともインダクタンス成分とキャパシタンス成分を、直列に含む複合素子であって、圧電共振素子(圧電振動子)、或いは、インダクタンス素子、キャパシタンス素子、誘電体素子、の組み合わせであっても良い。尚、この圧電共振素子(圧電振動子)は、別個の圧電基板に構成されたものでもよいし、同一基板上に複数の電極対を配したものでもよい。更に、この複数の電極対により励振される幾つかの固有振動モードは、基板上の同一領域に混在していても、混在していなくとも、このような制限は一切無い。また、前記同一基板上に、インピーダンス素子等をも混載したものでもよい。
端子TSと端子T11の間に減衰器A11が接続し、端子T11と端子TLの間にインピーダンス素子Za11とインピーダンス素子Zb11が直列に接続し、前記インピーダンス素子の中間点より共振素子Q11が基準電位RP11に接続する。以降、同様に、端子T12、・・端子T1nを含む複合枝路が端子TSと端子TLに並列に接続する。
共振素子Qはインダクタンス成分とキャパシタンス成分を直列に含む複合素子であるので、素子のリアクタンス成分は、その共振周波数Frにおいて零となり、損失成分のみが現れる。即ち、共振素子のインピーダンスの絶対値の大きさは、共振周波数で最小であるが、この共振周波数から離れた周波数では急激に大きな値となる。
次に、図1の減衰器A11,A12,A1nの減衰量を変えることにより、反共振周波数を変えることができる原理を説明する。先ず、最初に、T11、T12の枝路のみを用いた場合、即ち、2つの減衰器A11、A12のみを用いた場合について、順序だてて説明する。第一として、図1の端子T11の基準電位RPに対する電圧をV11とした時、この電圧V11に対するインピーダンス素子Zb11から端子TLに流れ込む電流I11の関係について説明する。端子T11からインピーダンス素子Za11に流れ込む電流は、共振素子Q11に流れ込む電流とインピーダンス素子Zb11から端子TLに流れ込む電流の2つの枝路に分流する。共振素子Q11の共振周波数Fr11では、共振素子Q11のインピーダンスの絶対値が最小となることから、この枝路に流れる電流が大きくなり、逆にインピーダンス素子Zb11から端子TLに流れ込む電流I11が最小となる。そして、更にこの電流I11は、電圧V11に比例することを指摘しておく。図2(a)はこの関係を示したもので、電圧V11を一定にしておき、縦軸を電流I11の絶対値、横軸を周波数として図示したものであり、共振周波数Fr11で、電流I11の絶対値が最小となっている。
図2(b)は、図2(a)に対応した図であって、縦軸を電流I11、横軸を周波数として図示したものであり、共振周波数Fr11で、電流I11の位相φ11を、基準位相に対する位相差として目盛ってある。この基準位相は、共振周波数Fr11での位相を基準としてある。図2(b)の電流I11(縦軸)と周波数F(横軸)の関係は、近似的に直線であることは周知である。更に、電圧V11を変えると、この直線の傾きはその電圧に比例して変わるものの、共振周波数Fr11での位相は基準位相RPVであって、不変である。
第二として、図1の端子T11の基準電位RPに対する電圧V11とし、端子T12の基準電位RPに対する電圧V12とした時、これらの電圧V11,V12に対する端子TLに流れ込む電流ITLの関係について、図2(c)を用いて説明する。縦軸横軸は図2(b)と同じである。直線I11が、端子T11の枝路を経た電流I11の値の変化を示し、直線I12が、端子T12の枝路を経た電流I12の変化を示している。この図では、それぞれの共振周波数におけるそれぞれ基準位相は一致しているとして、その値を零として図示してあるが、一致していなくとも、この説明の一般性を失うものではない。
2つの枝路の電流I11と電流I12の合計が端子TLを経て、負荷抵抗RLに流れる電流ITLである。この合計電流ITLは、図2(c)では直線L11と直線L12の縦軸方向の加算を行った結果の直線ITLである。直線LTの縦軸の値が零の点は、本発明の利用する反共振点(反共振周波数)である。
なんとなれば、図2(c)の直線ITTを図2(b)に対応させると、図2(a)に対応して合計電流ITLの絶対値は、共振周波数FPに最小値を持つ。即ち、反共振特性を呈することが理解できる。
この反共振周波数FPは、2つの電圧V11,V12を変えることによって、2つの共振素子の共振周波数Fr11とFr12との間を連続的に可変可能であることは図2(c)から理解できる。上記手順から、2つの共振周波数Fr11とFr12との間で、極端にその共振特性の急峻さ(実効Q値)が劣化すことは考えられない。また、上記2つの電流は本来複素電流であるが、上記のようにその虚数成分のみに着目した理解手順でその実際を良く表現できる。
図2(a)に示すように反共振点は縦軸の値が小さいので、外部雑音の影響を避けるためには、使用している複数の共振素子及び、複数のインピーダンス素子をシールドすることが効果がある。このシールドは、導電性シールドのみならず誘電体シールドであっても効果がある。
次に、反共振周波数FPと、2つの電圧V11,V12の間の関係を求める。図1の共振素子Q11および共振素子Q12のインダクタンスの値をそれぞれ、L11、L12とし、キャパシタンスの値をそれぞれC11、C12とし、端子T11および端子T12の電圧をそれぞれV11、V12とすると、図2(c)の電流ITLの振る舞いを介して、反共振周波数FPを求められ、次式を得る。
Figure 2007295256
ここに、2つの共振素子の共振周波数Fr11とFr12は、L11とC11の積、および、L12とC12の積の平方根を、更に、2πで除した値で与えられる。
数式1より、反共振周波数と2つの電圧V11とV12の関係が明らかになったので、2つの共振周波数の間において、所望の反共振周波数を得ることが可能となる。そして、2つの電圧V11とV12を連続的に変えることにより、反共振周波数を連続的に掃引することができる。
また、数式1によれば、所望の反共振周波数を得るには、2つの電圧の相対的な大きさの比を規定すればよく、それぞれの電圧の大きさについては、どのように選定しようと自由である。この2つの電圧の内、大きい方の電圧を、熱擾乱雑音電圧に比べて大きく設定すると、高純度の周波数出力が得られる。更に、拘束を加えて2つの電力の合計値を一定にしてもよい。また、直線性の良い可変特性を得たい場合には、数式1による2つの電圧の依存性を考慮して、直線性を得るための電圧変換回路を用いればよい。
以上で、2つの共振周波数の間の反共振周波数を任意に変える方法を説明した。次に、この2つの共振周波数を超えて反共振周波数を変化させる方法を説明する。それには、2つの共振周波数の外側に、もう一つの共振周波数を配し、合計3つの共振周波数の間を、周波数が隣り合った共振周波数の間に発現する反共振周波数を、手渡しすればよい。この方法を本発明では“ハンドオーバー”手法と呼ぶ。
従って、3つの共振を用いた場合を説明する。3つの共振素子Q11、Q12、Q13を用い、3つの電圧V11、V12、V13を変化させることにより、共振周波数Fr11から、中間の共振周波数Fr12を超えて、共振周波数Fr13まで、反共振周波数をかえることは、図2(c)の直線I11、I12、I13の加算可能性により容易に理解できる。ここに、Fr11<Fr12<Fr13とする。この時、3つの電圧V11、V12、V13を以下のように変化させて手渡しする。先ず、既に説明した通り、電圧V11、電圧V12がそれぞれある電圧に設定され、電圧V13が零に設定されていれば、反共振周波数がFr11とFr12の間に発現し、電圧V11の電圧のみを減少させてゆくと、反共振周波数はFr12に近づいてゆく。この時、V11を完全に零にしない状態で、V13を零から徐々に増加させる。すると、反共振周波数が上昇する。
そして、反共振周波数がFr12を超えて、Fr12とFr13の間に移動したら、V11を徐々に零まで減少させる。これで手渡し手順(ハンドオーバー)が完了した。このように手渡しすると、周波数の連続性は勿論その位相の連続性も保たれる。前記手順を繰り返すことによって、4つ以上の共振素子を用いた場合も適応可能である。
図1の複合反共振回路の減衰器は、増幅率可変型増幅器と置き換えても良い。また、図1の複合反共振回路の接続形態は、端子TSと端子TLの所で、入端子と出力端子を反対に接続しても良い。
(並列容量キャンセル)
次に、共振素子が圧電振動子を用いた場合に有用な、圧電振動子の並列容量を打ち消す方法について図3(a)及び3(b)を用いて説明する。便宜上、図3(a)に示すように、図1の端子T11の枝路に関する部分を、一例として抜き出して説明する。図1のインピーダンス素子Za11をインダクタンス素子La11に、インピーダンス素子Zb11をキャパシタンス素子Cb11とする。
図3(a)の回路は、図4(a)のように書き換えることができる。ここで、本発明は、圧電振動子の並列容量C011とキャパシタンス素子の容量値Cb11の合計容量と、インダクタンス素子のインダクタンス値La11の積から導出される算出共振周波数Fcを、圧電振動子の共振周波数Fr11の近傍に設定すると、圧電振動子の並列容量が打ち消されて、直感的には、図4(b)の等価回路のように振る舞うことを見出した。また、図3(b)に示すように、インダクタンス素子とキャパシタンス素子は入れ替えた回路においても同じ効果が得られる。
図3(a)の回路の周波数特性を実測した結果を図5示す。HC−49型ATカット水晶振動子を使用し、公称インダクタンス値27μHのコイルと、公称容量値2.5pFのコンデンサを用いた。横軸が測定周波数、縦軸が出力レベルの絶対値である。この周波数特性には、圧電振動子特有の共振周波数より高い所に発現する出力レベルの極大値がなく、横軸測定周波数に対して対称であることから、並列容量の影響が軽減され、ほとんど打ち消されていることが分かる。更に、この図に示す出力レベルの最小値(下に凸)が、圧電振動子Q11の共振周波数が9.9952MHzに一致していることから、インピーダンス反転効果も発現していることが分かる。この特性は図2(a)と同様の特性であるから、その位相特性は、図2(c)の電流ITLと同様の特性を呈する。
本発明の複合反共振回路は少なくとも2つの共振素子が用いられるので、前記導出された算出共振周波数Fcは、最大の共振周波数と最小の共振周波数の間に設定すればよい。3つ以上の共振素子が用いられた場合には、それぞれの共振素子の共振周波数に合わせてもよいが、少なくとも、最小の共振周波数と最大の共振周波数の間に設定することが必要である。
次に、2つの共振素子を用いた場合の反共振周波数と2つの電圧の関係を実験により確認した結果を図6に示す。同図より、2つの電圧の比に対して依存性持つのは反共振周波数である。それは、図5に示したように、その周波数特性が、その周波数で出力レベルが最小になるからである。このことを意味して“反共振周波数”と呼んでいる。このような現象を利用した回路は、周波数可変型“帯域阻止濾波器”に他ならない。
(帯域通過濾波器)
次に、この帯域阻止濾波器を用いて、帯域通過濾波器を得る方法を、図7を用いて説明する。図1の複合反共振回路の2つの端子TSと端子TLの内の一つが、増幅器の出力端子に、残りの1つの端子が、反転入力端子に接続されている。即ち、複合反共振回路の2つの端子が、増幅器の2つの反転増幅関係にある端子に接続されている。この回路構成は、複合反共振回路を負帰還路の帰還素子に用いたことになる。この増幅器としては、入力側に反転入力および非反転入力を持つもの、或いは、出力側に反転出力および非反転出力を持つもの、或いは、入出力両側に、反転および非反転端子を持つものであっても、入力と出力の関係が反転関係にある2つの端子があるものであれば、いずれであっても良い。
この負帰還路全体の増幅率μp(入出力特性)は周知の如く次式で理解される。
Figure 2007295256
ここに、μnは、複合反共振回路が接続されていないときの増幅器の増幅率であり、βnは、複合反共振回路の伝達特性である。μnを大きく設定すれば、数式2より、βnμn即ち、伝達特性と増幅率の積が1に比べて大きくなり、その結果、数式2の右辺の第1項のみが支配的となり、負帰還路全体の増幅率μpは、伝達特性βnに反比例することが分かる。これは、負帰還路において、インピーダンス反転が行われたことになる。この現象は、複合反共振回路の反共振周波数では、伝達特性βnが最小になり、負帰還増幅器の帰還量が最小となると言うことからも理解できる。
この特性は帯域通過濾波機能を持った増幅器である。即ち、2つの電圧により周波数可変可能な帯域通過濾波増幅器が得られた。複合反共振回路の反共振周波数は、帯域通過路濾波特性の中心周波数となる。この濾波器の振幅特性は、図5の縦軸を反転した特性に似ており、出力が最大の周波数での位相特性は、図2(c)の電流ITLと同様に、直線を呈する。
次に、この帯域通過濾波増幅器の通過帯域近傍の共振先鋭度の軽減方法、即ち、通過帯域を広げる方法について説明する。これは、複合反共振回路が接続されていない時の、増幅器の増幅率μnを適当に設定すると、数式2の右辺の第2項の分母の第2項の大きさが、増幅率μnに依存することを利用して、数式2の右辺の第2項の分母の“1”の影響度を調整して達成できる。そして、上記増幅率μnを可変することにより、帯域通過濾波増幅器の共振先鋭度の軽減、即ち、通過帯域幅を広げることを可能とする。また、数式2の右辺の第2項の分母の“1”は、例えば、負帰還路に用いる増幅器の入力および出力インピーダンス等により実際には変化するので、この現象を利用して通過帯域幅を広げることも可能である。
図1の帯域阻止濾波器と図7の帯域通過濾波器を組み合わせ、ラダー構成、T型構成、π型構成等、および、それらの組み合わせの従属接続構成とすることにより、任意の帯域、任意の減衰傾度を持った濾波器を構成できる。
(SCカット高安定水晶発振器)
次に、本発明の帯域通過濾波増幅器を用いた第一の応用回路について、高純度の周波数を出力すると言う特徴を持った高安定水晶発振器を実現した場合を、図8を用いて説明する。高安定水晶発振器には2回回転Y板を用いた通称“SCカット”水晶共振子が用いられるが、この共振子には強勢な副共振応答が存在するので、所望の主共振周波数による安定な発振を得ることは、容易なことではない。本発明の帯域通過濾波増幅器を用いると、これを容易に実現し、更に、高純度の発振周波数を得ることができる。
図8に示すように、帯域通過濾波増幅器5の非反転入力端子INPと出力端子OUTPの間にSCカット水晶振動子を接続する。帯域通過濾波増幅器5を構成する複合反共振回路はこの場合、2つの共振素子で構成する。更に、帯域通過濾波増幅器5の端子TSと端子TLより入力信号を得て、減衰器A11、A12に減衰量を指定する信号を出力する周波数同期回路9を接続する。周波数同期回路9は、位相差検出回路PDDの出力と,基準位相RPVとの差を得て、それを積分する積分器INTGR、その出力を減衰量制御回路ACCに与え、減衰量制御回路ACCの出力を2つの減衰器A11,減衰器A12に接続する。
次に、実施例について説明する。広く一般に使われている3次オーバートーン10MHzSCカット水晶共振子用いた場合について、具体的な数値例を用いて詳細に説明する。10MHzの発振を得るのであるから、複合反共振回路の各種設定は、2つの共振子Q11とQ12の共振周波数を9,995kHzと10,005kHzに設定した以外は、図5の場合と同じである。
短期安定度を良好にするために、SCカット水晶振動子の共振周波数と、帯域通過濾波増幅器の中心周波数(複合反共振回路の反共振周波数)を微細に自動調整する方法について説明する。この場合の2つの減衰器A11とA12は、電子的制御可能な減衰器を用いて、複合反共振回路の反共振周波数を可変調整する。その調整手順を説明する。第1段階として、負帰還路の増幅度を低く設定することにより、帯域通過濾波増幅器(複合反共振回路)の通過帯域を広げておく。この時、正帰還路の増幅率を上げることにより、SCカット水晶共振子の発振が得ることができる。しかし、この場合、高純度の良質な発振は得られていない。
本発明は、良好な発振を得るために、SCカット水晶共振子の共振周波数と帯域通過濾波増幅器の中心周波数を微細に合わせることを行う。
第1段階で得られた発振周波数において、帯域通過濾波増幅器の入出力の位相関係に着目し、これと目標値との差を、誤差信号として使用し、この信号を零にするように、減衰量制御回路ACCに信号を送る。この信号により反共振周波数を、SCカット水晶振動子の共振周波数に一致させる。
もしも、入出力の位相にある程度の本質的でない“ずれ”があった場合には、この“ずれ”量を込みにして基準位相値RPVとすれば、如何なる場合でも位相量をゼロにするように自動制御することができる。周波数同期回路9で用いる自動制御の回路構成は従来技術の方法でよい。
次に、第3段階として、位相量がゼロになった点では、2つの周波数が一致した状態である。この状態では、正帰還路の増幅率は、余剰の程度が大きくなる。そこで、必要最低限まで、正帰還路の増幅率を低減する。低減するには従来技術の方法を使えばよい。
更に、第4段階として、負帰還路の増幅率を増加させて、帯域通過濾波増幅器の通過帯域を狭めて、白色雑音電力を軽減する。以上の手順を踏むことにより、極めて高純度の発振を得ることができる。この発振は、SCカット水晶振動子の周波数が何らかの理由で若干変動しても自動追尾しているので常に高純度の発振を得られる。
SCカット水晶振動子を接続する増幅器の端子として、反転関係にある2つの端子間に接続する場合には、この水晶振動子の両端と基準電位の間にそれぞれコンデンサを接続して位相反転させ、正帰還ループを構成すればよい。
また、帯域通過濾波増幅器の通過帯域を広げておけば、周波数同期回路として、自動追尾を行わなくとも、反固定減衰器を用い、2つの減衰器の減衰量をほぼ同じ値に設定して、所望のSCカット水晶共振子の発振を得られる。
(広帯域VCXO)
次に、図7の帯域通過濾波増幅器を用いた本発明の実施例について、図9によって説明する。
この図9は、2組の帯域通過濾波増幅器5,6を用いた実施例である。帯域通過濾波増幅器5,6の非反転型入力端子を使用し、帯域通過濾波増幅器5,6を従属接続し、抵抗Rを介して、正帰還路を構成し、環状発振器とする。帯域通過濾波増幅器5,6は、それぞれに接続されている減衰量制御回路ACC1、ACC2により、それぞれの通過帯域の中心周波数を任意独立に可変調整可能となっている。2つの中心周波数が一致すれば、その周波数での環状発振ループ利得を1より大きくすることは、それぞれの増幅器の増幅率を適当に設定することが可能であるから、その中心周波数で発振が得られる。
中心周波数を一致させるには以下の方法で行う。帯域通過濾波増幅器5,6を、それぞれ、マスター回路、スレーブ回路と呼ぶ。マスター回路である帯域通過濾波増幅器5は、外部制御信号ECNTにより、減衰量制御回路ACC1を介して、その中心周波数が制御される。スレーブ回路の帯域通過濾波増幅器6は、減衰量制御回路ACC2を介して、その中心周波数が制御されるのであるが、マスター回路の中心周波数に自動追尾させる。自動追尾を行う為には、スレーブ回路のA(TS)点とB(TL)点の位相差に着目し、この位相差と基準位相差RPV(回路5,6の中心周波数が一致したときの位相差)との差を零とするように、この差信号を積分器INTGRを介して、減衰量制御回路ACC2に入力することにより、制御可能である。この時、スレーブ回路の増幅器の増幅率を低減して、通過帯域を広げておくことが好ましい。
減衰量制御回路ACC2に接続されているランプジェネレーターPMP1は、自動追尾開始以前に、周波数一致点を探す為に使用する回路であって、強制的にスレーブ回路の中心周波数を掃引する信号を出力する。従って、一旦中心周波数が一致して自動追尾状態になったら、ロックイン信号LISを得て、この掃引は中止される。
以上説明した通り、自動追尾状態が得られる。更に、高純度の周波数を必要とする場合には、余剰増幅率の低減、各帯域通過濾波増幅器の実効Q値の増加等の各種手順を行えばよい。
以上結果、外部制御信号ECNTにより、高純度であって、且つ、連続可変可能な周波数を出力する発振器が得られる。
上記実施例では、2組の帯域通過濾波増幅器のそれぞれの共振素子の個数は等しく設定場合を例示したが、この個数は同じである必要はない。また、帯域通過濾波増幅器の反転型入力端子を使用し、これを偶数段従属接続して正帰還を得た環状発振回路を構成しても良い。
以上説明した周波数可変型高純度発振器の実施例は、帯域通過濾波増幅器を2組使用し、マスター回路1組と、スレーブ回路1組の合計2組の場合を説明したが、スレーブ回路を更に加え、合計3組以上を従属接続した図10に示す如き環状構造発振回路であっても良い。この場合、全ての帯域通過濾波増幅器の中心周波数を一致させる手順は以下の通りである。環状発振回路の環状結線を切断し、ある固定の外部制御信号ECNTの状態で、マスター回路と、第一のスレーブ回路との位相同期を実現し、第一のスレーブ回路の同期状態を記憶しておく。次に、マスター回路と第二のスレーブ回路の位相同期を実現し、第二のスレーブ回路の同期状態を記憶しておく。そして、最後に、マスター回路に第一と第二スレーブ回路を従属接続して環状発振器を構成すると、マスター回路、第一および第二のスレーブ回路の中心周波数が全て一致しているので、この周波数の発振が得られる。この手段にて、多段に環状接続された発振回路が得られる。
以上の手段にて、高純度であり且つ周波数可変が可能な周波数源を実現できる。
本発明の前提である複合反共振回路の構成説明図 接地枝路に配された共振素子の作用説明図 インダクタンス素子とキャパシタンス素子を直列素子とした場合の構成説明図 並列容量打消し効果の作用説明図 複合反共振回路の反共振特性を示す実験結果図 複合反共振回路の反共振周波数と電圧比の関係を示す実験結果図 帯域通過濾波増幅器の構成説明図 固定周波数での高純度発振を得た発振回路の回路 可変周波数での高純度発振を得た発振回路の回路 図9の発振回路の更なる変形例を示す回路図
符号の説明
1,2 複合反共振回路
Q11,Q12〜Q1n 共振素子
Fr,Fr11,Fr12 共振素子の共振周波数
Fp 反共振周波数
Za11,Zb11〜Za1n,Zb1n インピーダンス素子
A11,A12 可変減衰器
RP11,RP12 基準電圧
5,6 帯域通過濾波増幅器
AMP1,AMP2 増幅器
9,10 周波数同期回路
PDD 位相差検出回路
RPV 基準位相差
LIS ロックイン信号
QSC SCカット水晶振動子
INTGR 積分器
RMP1 ランプジェネレーター
R 抵抗
ACC1,ACC2 減衰量制御回路
ECNT 外部入力制御信号

Claims (4)

  1. 基本増幅器と、前記基本増幅器の出力端から前記基本増幅器の入力端に至る帰還路を形成する帰還部と、を含む発振回路であって、前記帰還部は、前記出力端から前記入力端に到る正帰還路と、前記出力端から前記出力端から前記入力端に到る負帰還路とを有し、前記負帰還路と、前記正帰還路とは互いに回路的に独立であり、
    前記負帰還路は、可変の反共振周波数を有する可変反共振回路を含み、
    前記正帰還路は、前記可変反共振回路の反共振周波数の変動に追従してこれに等しい中心周波数において最大ゲインを有する帯域可変増幅特性を有する可変帯域増幅回路を含むことを特徴とする発振回路。
  2. 前記可変反共振回路は、互いに異なる共振周波数を有する少なくとも2つの共振素子と、前記共振素子に対して前記出力端から電力を連続的に変化する分配割合にて分配電力を供給する電力分配回路とからなることを特徴とする請求項1記載の発振回路。
  3. 前記電力分配回路は、前記2つの共振素子に到る電力供給路と、前記電力供給路の各々に挿入された2つの可変減衰器若しくは可変利得増幅器とを含み前記2つの電力供給路の各々は、前記増幅器の出力端から入力端に到る第1電流枝路と、前記第1電流枝路の中間点と接地電位との間に前記共振素子の各々を含む第2電流枝路と、を含むことを特徴とする請求項2記載の発振回路。
  4. 前記可変帯域増幅回路は、前記基本増幅器の正帰還路を自身の正帰還路とする少なくとも1つの増幅器と、前記増幅器の負帰還路に挿入されてかつ可変反共振周波数特性を有する可変反共振回路と、前記可変反共振回路の入出力端の間の位相差が所定位相差となるように前記反共振回路の反共振周波数を調整する周波数調整回路と、からなることを特徴とする請求項1記載の発振回路。
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