JP2007293821A - データベースシステム管理方法及びデータベースシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】主センタのデータベース装置が使用不能となったときに運用対象を副センタのデータベース装置へ切り替える作業が速やかに行えるとともに、復旧後に運用対象を主センタのデータベース装置に戻す際に全件複写を行わずに済むようにすること。
【解決手段】主センタの制御装置10は、業務データベース装置Mになされた更新が副センタの業務データベース装置Sにもなされるようにするため、差分ログファイル22を生成して副センタの制御装置20へ送信する。副センタの制御装置20は、差分ログファイル22を受け取ると、その差分ログファイル22内のログ情報に基づいて業務データベース装置Sを更新するとともに、ログ情報をリカバリログファイル26に蓄積する。このリカバリログファイル26のテーブルには、主センタで設定したリカバリポイントのログ情報が組み込まれる。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数のデータベース装置からなるデータベースシステムを管理する方法,及び、そのような管理方法を実現するデータベースシステムに、関する。
周知のように、日々の業務で発生する大量の業務データを保管するため、データベース装置が、広く利用されている。また、自然災害や停電やシステム障碍による情報損失を未然に防ぐため、通常使用されるデータベース装置とは別に、そのデータベース装置のレプリカが、遠隔地の副センタに用意され、業務データが、そのレプリカにバックアップされることもある。
さらに、このレプリカは、主センタのデータベース装置が使用不能となった場合も、セカンダリとして取り扱われることもある。こうしておくと、使用不能となった主センタのデータベース装置が復旧するまで、主センタのデータベース装置の代わりに副センタのデータベース装置を運用対象として使うことで、端末での業務が継続できる。但し、災害時に運用対象を主センタのデータベース装置から副センタのデータベース装置に切り替えた場合、業務を構成する一連のトランザクションのうち、業務再開後にその実行を再開させるべきトランザクションと、発生順にデータベース装置に格納された一連の業務データのうち、業務再開後の新たな業務データで上書きされるべき元の業務データとについて、整合を取る作業を行わねばならない。
なお、バックアップ時の動作モードが、非同期モードである場合、同一のトランザクションの実行結果が、各センタのデータベース装置に対し、非同期に反映されるため、同じ業務データについての主センタのデータベース装置での更新と副センタのデータベース装置での更新とに時差が生ずる。このため、災害発生後の運用対象切替においては、当然、上記の整合を取る作業を行う必要がある(例えば特許文献1参照)。逆に、その動作モードが、同期モードである場合、トランザクションの実行結果が、各センタのデータベース装置に対し、同期を取って反映されるため、同じ業務データについて主センタのデータベース装置での更新と副センタのデータベース装置での更新との一貫性が保証される。しかし、業務が、複数のトランザクションから構成され、それらトランザクションを連続的に行うことが、業務の一単位である場合において、その業務の実行中に主センタのデータベース装置がダウンしたとき、ダウン直前までに主センタで確定したトランザクションは、副センタのデータベース装置でも確定しているものの、業務を構成する一連のトランザクションのうちのどのトランザクションまで確定しているかは、確認する必要がある。然も、確定しているトランザクション以後の残りのトランザクションを継続するためには、システム管理者は、残りのトランザクションを実行するためのコマンドを手作業で入力したり、残りのトランザクションを実行する専用のプログラムを手間を掛けて作成したりするなど、何らかの作業を行わねばならない。このため、副センタのデータベース装置から、途中まで確定したトランザクションの業務データを一旦削除して、同じ業務を再実行させるのが一般的である。しかし、この場合でも、どのトランザクションまで確定しているかを確認する作業は、必要である。このため、動作モードが同期モードであっても、上記の整合を取る作業を行う必要がある。
上記の整合を取る作業は、従来、各業務端末装置に残されているジャーナルデータと副センタのデータベース装置に保管済みの業務データとを突き合わせることにより行われていた。しかし、この作業には、非常に手間が掛かる。このため、災害発生時から副センタのデータベース装置での業務データの蓄積を再開するまでに、非常に時間が掛かってしまっていた。
なお、データベース装置内の業務データの状態を過去の或る状態に戻す技術として、リカバリ技術がある。データベース装置のリカバリは、リカバリログファイルを使って行われる。リカバリログファイルには、トランザクションを特定する情報と、対応するトランザクションの実行と確定の日時と、更新された業務データとを記録するログレコードが、蓄積される。そして、そのログレコードの切れ目には、再実行される業務を指定するためのリカバリポイントが挿入される。システム管理者は、データベース装置のリカバリを行う場合、リカバリログファイル内の何れかのリカバリポイントを指定して、周知のリカバリ機能を動作させることにより、そのリカバリポイントが設定された時の状態にまで、データベース装置内の業務データの状態を戻すことができる。
前述したように、主センタのデータベース装置が使用不能となった場合、副センタのデータベース装置を運用対象として業務を再開する前に、副センタのデータベース装置と業務とについて上記の整合を取る作業を行わねばならない。そして、その整合を取る作業において、副センタのデータベース装置を障碍発生前の或る状態まで簡単に戻すことができるようにするため、主センタと副センタのデータベース装置にそれぞれリカバリ機能を付加するとともに、リカバリポイントが設定される主センタのリカバリログファイル内の情報を複製して副センタに送信することにより、副センタのデータベース装置でのリカバリを可能にすることが考えられている。
ところが、バックアップ時の動作モードが非同期モードであろうと同期モードであろうと、同一のトランザクションの実行や確定は、主センタと副センタとで個別に行われ、その結果、主センタのリカバリログファイルには、主センタ側で行われたトランザクションの実行や確定の時刻が記録され、副センタのリカバリログファイルには、副センタ側で行われたトランザクションの実行や確定の時刻が記録されるので、主センタのリカバリログファイル内の情報を複製して副センタに送信しても、副センタで正常のリカバリ機能を動作させることはできない(例えば特許文献2参照。従って、この場合、主センタのリカバリログファイルに設定されたリカバリポイントも、副センタで使用することはできない。
このため、災害発生時においてリカバリポイントを使用した整合を取る作業が行えないという問題があった。
また、主センタのデータベース装置が復旧した場合、主センタのデータベース装置を運用対象とした業務を再開するため、その復旧までに副センタのデータベース装置に蓄積された業務データを主センタのデータベース装置に移し替え、主センタのデータベース装置と副センタのデータベース装置の整合を取る必要がある。しかしながら、このような主センタのデータベース装置と副センタのデータベース装置の整合を取る作業では、副センタのデータベース装置の業務データを主センタのデータベース装置に全件複写する必要がある。大量のデータを保有するデータベース装置について全件複写を行う場合には、データベース装置を停止させねばならない。このため、復旧した主センタのデータベース装置での業務の再開前に長時間業務を中断させねばならないという問題があった。この問題の解決のため、主センタのデータベース装置を副センタのデータベース装置のレプリカとして一旦構築してから、運用対象を副センタのデータベース装置から主センタのデータベース装置に戻すという方法もある。しかし、この方法によれば、運用対象を切り替える際の業務中断期間を短くすることができるもの、やはり、副センタのデータベース装置から主センタのデータベース装置に業務データを全件複写せねばならないことに変わりはない。
特開2004−348701号公報 特開2005−157897号公報
本発明は、前述したような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、主センタのデータベース装置が使用不能となったときに運用対象を副センタのデータベース装置へ切り替える作業が速やかに行えるとともに、復旧後に運用対象を主センタのデータベース装置に戻す際に全件複写を行わずに済むようにすることにある。
上記の課題を解決するために案出されたデータベースシステム管理方法の第一の態様は、通常状態において何れかの業務端末装置からネットワークを介して送られてきた要求に応じて、業務処理を構成するトランザクションを実行して業務データを生成する第1の処理装置と、業務データを保存するとともに新たな業務データが生成される毎に保存している業務データを新たな業務データで更新する第1のデータベース装置とを有する主センタシステムと、当該主センタシステムのバックアップとして第1の処理装置及び第1のデータベース装置とそれぞれ同じ機能を有する第2の処理装置及び第2のデータベース装置とを有する副センタシステムとからなるデータベースシステムを管理するための方法であって、第1の処理装置が、第1のデータベース装置内で業務データの更新がなされるごとに、その更新のログ情報を第1のログ情報として生成する第1のログ情報生成手順,第1の処理装置が、第1のログ情報生成手順において生成された連続する任意の二つの第1のログ情報の間に、所定の第1の区切情報を組み込む第1の組込手順,第1の処理装置が、第1の組込手順において区切情報が間に組み込まれた各第1のログ情報を、第2の処理装置へ送信する送信手順,第2の処理装置が、送信手順において送信されてきた一連の各第1のログ情報を第1の区切情報により複数のグループに区分し、グループ毎に、そのグループを構成する各第1のログ情報に基づいて、第2のデータベース装置内に保存されている業務データを更新する更新手順,第2の処理装置が、更新手順において第2のデータベース装置内で業務データの更新がなされるごとに、その更新のログ情報を第2のログ情報として生成する第2のログ情報生成手順,及び、第2の処理装置が、第2のログ情報生成手順において生成された一連の各第2のログ情報におけるグループの区切りに対応する箇所に、第1の区切情報に対応付けた第2の区切情報を組み込んで、保存する保存手順からなることを、特徴としている。
このように構成されると、第1の区切情報に対応付けられた第2の区切情報が、一連の第2のログ情報の中に組み込まれる。第2区切情報が組み込まれる箇所は、複数の第1ログ情報の中における、これらを複数のグループに区分するために組み込まれた第1の区切情報の位置に、対応している。このため、業務と第2のデータベース装置とについての整合を取る作業は、業務端末装置の利用者が利用している第1の区切情報を使って、簡単に行うことができる。なお、前述した主センタのデータベース装置は、通常状態では、第1のデータベース装置として動作し、運用対象を切り替えた後は、第2のデータベース装置として機能する。つまり、主センタのデータベース装置が災害等で使用不能となったときに副センタのデータベース装置で行うリカバリと、主センタのデータベース装置を復旧させるときに主センタのデータベース装置で行うリカバリとには、本発明の第一の態様に係る同じ作用を利用することができる。
また、上記の課題を解決するために案出されたデータベースシステム管理方法の第二の態様は、通常状態において何れかの業務端末装置からネットワークを介して送られてきた要求に応じて、業務処理を構成するトランザクションを実行して業務データを生成する第1の処理装置と、業務データを保存するとともに新たな業務データが生成される毎に保存している業務データを新たな業務データで更新する第1のデータベース装置とを有する主センタシステムと、当該主センタシステムのバックアップとして第1の処理装置及び第1のデータベース装置とそれぞれ同じ機能を有する第2の処理装置及び第2のデータベース装置とを有する副センタシステムとからなるデータベースシステムを管理するための方法であって、第1の処理装置が、第1のデータベース装置内で業務データの更新がなされるごとに、その更新のログ情報を第1のログ情報として生成する第1のログ情報生成手順,第1の処理装置が、第1のログ情報生成手順において生成された記各第1のログ情報を、第1の処理装置から第2の処理装置へ送信する送信手順,第2の処理装置が、送信手順において送信された各第1のログ情報に基づいて第2のデータベース装置内の業務データを更新する更新手順,第2の処理装置が、更新手順において第2のデータベース装置内で業務データの更新がなされるごとにその更新のログ情報を第2のログ情報として生成する第2のログ情報生成手順,及び、第2の処理装置が、第2のログ情報生成手順において生成された第2のログ情報のそれぞれに対し、その第2のログ情報に対応する第1のログ情報が有する時刻情報を付加することで対応付ける対応付け手順からなることを、特徴としている。
このように構成されると、第2のログ情報は、それに対応する第1のログ情報が有する時刻情報を、含むこととなる。このため、運用対象を第1のデータベース装置から第2のデータベース装置に切り替える場合において、業務と第2のデータベース装置とについての整合を取る作業は、第1のデータベース装置における更新時刻を使って、行うことができる。なお、前述した主センタのデータベース装置は、通常状態では、第1のデータベース装置として動作し、運用対象を切り替えた後は、第2のデータベース装置として機能する。つまり、主センタのデータベース装置が災害等で使用不能となったときに副センタのデータベース装置で行うリカバリと、主センタのデータベース装置を復旧させるときに主センタのデータベース装置で行うリカバリとには、本発明の第二の態様に係る同じ作用を利用することができる。
また、上記の課題を解決するために案出されたデータベースシステムは、通常状態において何れかの業務端末装置からネットワークを介して送られてきた要求に応じて、業務処理を構成するトランザクションを実行して業務データを生成する第1の処理装置と、業務データを保存するとともに新たな業務データが生成される毎に保存している業務データを新たな業務データで更新する第1のデータベース装置とを有する主センタシステムと、当該主センタシステムのバックアップとして第1の処理装置及び第1のデータベース装置とそれぞれ同じ機能を有する第2の処理装置及び第2のデータベース装置とを有する副センタシステムとからなるデータベースシステムであって、第1の処理装置は、第1のデータベース装置内で業務データの更新がなされるごとに、その更新のログ情報を第1のログ情報として生成する第1のログ情報生成部,第1のログ情報生成部が生成した連続する任意の二つの第1のログ情報の間に、所定の第1の区切情報を組み込む第1の組込部,及び、第1の組込部が区切情報を間に組み込んだ各第1のログ情報を第2の処理装置へ送信する送信部を、備え、第2の処理装置は、送信部が送信した各第1のログ情報を第1の区切情報により複数のグループに区分し、グループ毎に、そのグループを構成する各第1のログ情報に基づいて、第2のデータベース装置内に保存されている業務データを更新する更新部,更新部が第2のデータベース装置内の業務データを更新するごとに、その更新のログ情報を第2のログ情報として生成する第2のログ情報生成部,及び、第2のログ情報生成部が生成した一連の各第2のログ情報におけるグループの区切りに対応する箇所に、第1の区切情報に対応付けた第2の区切情報を組み込んで保存する保存部を備えることを、特徴としている。
従って、このデータベースシステムは、前述した本発明のデータベースシステム管理方法の第一の態様を実現したデータベースシステムと同等に機能することとなる。
以上に説明したように、本発明によれば、主センタのデータベース装置が使用不能となったときに運用対象を副センタのデータベース装置へ切り替える作業が速やかに行えるとともに、復旧後に運用対象を主センタのデータベース装置に戻す際に全件複写を行わずに済むようになる。
次に、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら、詳細に説明する。
先ず、本実施形態のデータベースシステムの構成について説明する。
図1は、本実施形態のデータベースシステムの構成図である。
図1に示されるように、本実施形態のデータベースシステムは、複数の業務端末装置Tと、主センタ内で業務データベース装置Mに接続された制御装置10と、副センタ内で業務データベース装置Sに接続された制御装置20とからなり、これら装置T,10,20は、ネットワークを介して互いに通信自在に接続されている。
このうち、業務端末装置Tは、ネットワークを介して制御装置10,20に各種のトランザクションの実行要求を送信するための装置であり、一般的なパーソナルコンピュータと、このパーソナルコンピュータを業務端末として動作させるための周知のソフトウエアとからなっている。
データベース装置M,Sは、何れも、前述した業務端末装置Tからの要求に基づいて制御装置10,20で実行された処理により得られる業務データを蓄積するための機能を備えた装置であり、一般的な汎用のコンピュータと、業務データが格納されるデータベーステーブルと、そのデータベーステーブルでの業務データの追加、削除、変更、検索を行う機能を実現するための周知のソフトウエアとからなっている。なお、データベース装置M,Sは、データベーステーブルとソフトウエアとにより実現されるデータベース機能を一つだけ含んでいてもよいし、それぞれ専用のデータベーステーブルを持つ複数のデータベース機能を含んでいてもよい。データベース装置M,Sが複数のデータベース機能を含む場合、それらデータベース機能は、汎用コンピュータのストレージの記憶領域を分割してなる各パーティションに、インストールされている。
制御装置10,20は、何れも、業務データベース装置M,Sへの業務データの入出力を制御するための装置である。これら制御装置10,20は、自己が管理する業務データベース装置M,Sを、動作モードに応じて、運用対象かバックアップ用レプリカの何れかとして動作させる機能を、有している。業務データベース装置M,Sを運用対象として動作させる場合、制御装置10,20は、業務端末装置Tからの要求を受けてトランザクションを実行し、そのトランザクションの確定のためにその処理結果に基づいて業務データベース装置M,S内の業務データを更新したり、業務端末装置Tに処理結果に関する情報を通知したりする。一方、業務データベース装置M,Sをバックアップ用レプリカとして動作させる場合、制御装置10,20は、運用対象の業務データベース装置M,Sの制御装置と連携して、運用対象の業務データベース装置M,Sで行われた更新に係る情報としてトランザクションのコマンドを取得し、そのトランザクションの実行と確定に基づいて自己の業務データベース装置M,S内の業務データに同じ更新を行う。
なお、本実施形態のデータベースシステムは、通常状態においては、主センタ内の業務データベース装置Mが運用対象として動作され、副センタ内の業務データベース装置Sがバックアップ用レプリカとして動作されるように、設定されている。また、本実施形態のデータベースシステムは、主センタ内の業務データベース装置Mが自然災害や停電やシステム障碍などにより使用不能となった状態においては、副センタ内の業務データベース装置Sが運用対象として動作されるように、設定されている。副センタは、自然災害等が両センタに同時に及ばないよう、主センタの遠隔地に設置されていても良い。
図2は、主センタ内の制御装置10の構成図である。また、図3は、副センタ内の制御装置20の構成図である。
図2及び図3に示されるように、制御装置10,20を構成する汎用のコンピュータは、ストレージ10a,20a,CPU[Central Processing Unit]10b,20b,通信アダプタ10c,20c,及び、DRAM[Dynamic Random Access Memory]10d,20d等の周知なハードウエアを、内蔵している。ストレージ10a,20aには、業務端末装置Tと情報を遣り取りするための周知の業務情報管理アプリケーションソフトウエア11,業務データベース装置M,Sへの業務データの入出力を制御するための周知のデータベース制御モジュールプログラム12,24,業務データベース装置M,S内の業務データのリカバリに使用するログ情報を生成するための周知のログ制御モジュールプログラム13,25,及び、運用対象の業務データベース装置の更新用の情報を生成してレプリカに引き渡すためのモジュールプログラム15,17,21が、インストールされている。これらソフトウエアやモジュールプログラムは、CPU10b,20bによってストレージ10a,20aから読み出されて、DRAM10d,20dに展開されることにより、実行される。
なお、図2では、主センタ内の業務データベース装置Mを運用対象として動作させる通常状態において制御装置10内で主に機能するソフトウエア11及びモジュール12,13,15,17のみが、示されている。また、図3では、副センタ内の業務データベース装置Sをバックアップ用レプリカとして動作させる通常状態において制御装置20内で主に機能するモジュール21,23,24,25のみが、示されている。
通常状態での運用対象側の制御装置10(図2)では、業務情報管理アプリケーション11は、業務端末装置Tからの要求を受けると、そのトランザクションに基づく業務データの追加、削除、変更、又は、検索を、データベース制御モジュール12と連携して、業務データベース装置Mに指示する。また、この業務情報管理アプリケーション11は、トランザクションの実行や確定(実行結果の業務データへの反映)に関するログ情報を生成し、ログ制御モジュール13に引き渡す。なお、データベース装置Mが、複数のデータベース機能を含んでいる場合、ログ情報は、更新されたデータベーステーブルと同じ数だけ、生成される。そして、業務情報管理アプリケーション11により生成されたこれらのログ情報は、ログ制御モジュール13に引き渡される。さらに、この業務情報管理アプリケーション11は、業務端末装置Tを通じて利用者からリカバリポイントの挿入を指示されると、そのリカバリポイントを示す情報をダミーのログ情報としてログ制御モジュール13に引き渡す。なお、この業務情報管理アプリケーション11が更新のログ情報を生成することは、前述した第1のログ情報生成手順に相当している。また、この業務情報管理アプリケーション11がリカバリポイントのログ情報を生成することは、前述した第1の組込手順に相当している。ログ制御モジュール13は、業務情報管理アプリケーション11から受け取った全てのログ情報に基づいて、一つのリカバリログファイル14を生成する。
図4は、そのリカバリログファイル14のデータ構造の一例を示す図である。
図4に示されるように、リカバリログファイル14のテーブル内のレコード(ログレコード)は、「ログ種別」,「トランザクションID」,…,「コミット時刻」のフィールドを、有している。「ログ種別」フィールドは、そのログ情報の種別が記録されるフィールドである。具体的には、この「ログ種別」フィールドには、そのログ情報がアフターイメージ(AI)ログであることを示す「AI」,そのログ情報がロールバック(R)ログであることを示す「R」,そのログ情報がコミット(C)ログであることを示す「C」,及び、そのログ情報がリカバリポイントであることを示す「RP」が、記録される。「トランザクションID」フィールドは、各トランザクションを全体から一意に識別するためのトランザクションIDが記録されるフィールドである。なお、図4に示すテーブルには、同一のトランザクションIDを有するログレコードが、幾つか存在している。これは、データベース装置が複数のデータベース機能を有していた場合において、一つのトランザクションコマンドによる実行の結果が、複数のデータベーステーブルに反映されるときに、各データベーステーブル内の業務データの更新が、一つのテーブルにつき一つのログレコードとして記録されるためである。「コミット時刻」フィールドは、トランザクションの確定(実行結果の業務データベース装置Mの業務データへの反映)が行われた時刻が記録されるフィールドである。但し、ログ情報が「C」以外のログ情報については、「コミット時刻」フィールドは、空欄となる。なお、このリカバリログファイル14のテーブルには、図示していないが、各トランザクションが利用するデータや、各トランザクションにより業務データベース装置M内の業務データが更新された後のイメージ(AIそのもの)を格納するフィールドがある。
また、この図4のようなリカバリログファイル14を生成するログ制御モジュール13は、業務情報管理アプリケーション11から受け取ったログ情報を一時保管する作業領域として、ログバッファを用意している。データベースクローン生成モジュール15は、このログバッファ内のログ情報に基づいて、同一のトランザクションの実行と確定(レプリカ側の業務データベース装置Sの更新)を行うのに必要な情報である差分ログファイル16を生成する。なお、差分ログファイル16内のログレコードが持つフィールドは、リカバリログファイル14内のログレコードが持つフィールドと異なる場合がある。しかし、差分ログファイル16内のレコードは、リカバリログファイル14内のレコードが持つフィールドのうち、図4に示したフィールドは、持っている。データベースクローン生成モジュール15は、その差分ログファイル16を、差分ログファイル送信モジュール17に引き渡すようになっている。差分ログファイル送信モジュール17は、データベースクローン生成モジュール15から受け取った差分ログファイル16を、レプリカ側の制御装置20(図3)に送信する。なお、この送信には、一般的なファイル転送や、一般的なストレージミラー機能が、用いられる。また、この差分ログファイル送信モジュール17が差分ログファイル16を送信することは、前述した送信手順に相当している。
一方、通常状態のレプリカ側の制御装置20(図3)では、差分ログファイル受信モジュール21が、運用対象側の制御装置10から差分ログファイル22を受信して、データベースクローン生成モジュール23に引き渡す。なお、このデータベースクローン生成モジュール23に従ってCPU20bが実行する処理の内容については、後述する。このデータベースクローン生成モジュール23は、差分ログファイル22内のログ情報(リカバリポイントを示すログ情報を除く)に基づいてトランザクションを組み立て、そのトランザクションに基づく業務データの追加、削除、変更を、データベース制御モジュール24と連携して、業務データベース装置Sに指示する。なお、このデータベースクローン生成モジュール23が、データベース制御モジュール24とともに業務データベース装置Sの業務データの更新を行うことは、前述した更新手順に相当している。また、このデータベースクローン生成モジュール23は、トランザクションの実行や確定(実行結果の業務データへの反映)に関するログ情報を生成し、ログ制御モジュール25に引き渡す。なお、このデータベースクローン生成モジュール23が更新のログ情報を生成することは、前述した第2のログ情報生成手順に相当している。さらに、このデータベースクローン生成モジュール23は、後述の処理におけるキャッシュのためのメモリ27を、DRAM20dの記憶領域内に、確保する。ログ制御モジュール25は、データベースクローン生成モジュール23から受け取ったログ情報に基づいて、リカバリログファイル26を生成する。
次に、以上のように構成されるデータベースシステムにおけるレプリカ側のデータベースクローン生成モジュール23(に従ったCPU20b)が実行する処理の内容について、説明する。なお、このデータベースクローン生成モジュール23は、差分ログファイル受信モジュール21から差分ログファイル22の受け取りを指示されるごとに、処理を実行する。
図5は、レプリカ側のデータベースクローン生成モジュール23が実行する処理の流れを示す図である。
処理開始後、最初のステップS101では、データベースクローン生成モジュール23は、差分ログファイル受信モジュール21から差分ログファイル22を受け取る処理を行う。
次のステップS102では、データベースクローン生成モジュール23は、リカバリ情報組込サブルーチンを実行する。
図6及び図7は、リカバリ情報組込サブルーチンの流れを示す図である。
リカバリ情報組込サブルーチンの開始後、最初のステップS201では、データベースクローン生成モジュール23は、ステップS101で受け取った差分ログファイル22の中から、処理対象として、ログレコードを一つ取り出す処理を行う。
次のステップS202では、データベースクローン生成モジュール23は、処理対象のログレコードの「ログ種別」フィールドの値(ログ種別)が「AI」であるか否かを、判別する。
そして、処理対象のログレコードの「ログ種別」フィールドの値(ログ種別)が「AI」であった場合、データベースクローン生成モジュール23は、ステップS202からステップS203へ処理を分岐させる。
ステップS203では、データベースクローン生成モジュール23は、処理対象のログレコードをメモリ27に退避する処理を行う。このとき、このステップS203の実行が一回目である場合、データベースクローン生成モジュール23は、その処理対象ログレコードのトランザクションID用の領域をメモリ27内に設定して、格納する。一方、このステップS203の実行が二回目以降である場合、データベースクローン生成モジュール23は、処理対象ログレコードと同じトランザクションID用の領域を探し、同じトランザクションID用の領域がメモリ27内に有れば、その領域に処理対象ログレコードを格納し、同じトランザクションID用の領域がメモリ27内に無ければ、その処理対象ログレコードのトランザクションID用の領域をメモリ27内に設定して格納する。これにより、「AI」ログレコードは、トランザクションIDごとにグルーピングされる。この処理の実行後、データベースクローン生成モジュール23は、ステップS212へ処理を進める。
一方、ステップS202において、処理対象のログレコードの「ログ種別」フィールドの値(ログ種別)が「AI」でなかった場合、データベースクローン生成モジュール23は、ステップS204へ処理を進める。
ステップS204では、データベースクローン生成モジュール23は、処理対象のログレコードの「ログ種別」フィールドの値(ログ種別)が「C」であるか否かを、判別する。
そして、処理対象のログレコードの「ログ種別」フィールドの値(ログ種別)が「C」であった場合、データベースクローン生成モジュール23は、ステップS204からステップS205へ処理を分岐させる。
ステップS205では、データベースクローン生成モジュール23は、メモリ27上における処理対象のログレコードと同じトランザクションIDのグループのログレコード群に対し、「複写元トランザクションID」フィールドを追加し、追加したそのフィールドに、処理対象ログレコードのトランザクションIDを格納する処理を行う。
次のステップS206では、データベースクローン生成モジュール23は、メモリ27上における処理対象のログレコードと同じトランザクションIDのグループのログレコード群の「コミット時刻」フィールドに、処理対象ログレコードのコミット時刻を格納する処理を行う。
次のステップS207では、データベースクローン生成モジュール23は、メモリ27上における処理対象のログレコードと同じトランザクションIDのグループのログレコード群を、抽出ファイルのテーブルに纏めて書き込む処理を行う。なお、図8には、抽出ファイル23aのテーブルのデータ構造の一例が示されている。ここで、本実施形態では、ログレコードを一時的に格納する手段として、抽出ファイル23aを利用しているが、これに限定されない。例えば、この格納手段は、それらが書き込まれるDRAM20d上の固定的な所定領域であっても良い。この処理の実行後、データベースクローン生成モジュール23は、ステップS212へ処理を進める。
一方、ステップS204において、処理対象のログレコードの「ログ種別」フィールドの値(ログ種別)が「C」でなかった場合、データベースクローン生成モジュール23は、ステップS208へ処理を進める。
ステップS208では、データベースクローン生成モジュール23は、処理対象のログレコードの「ログ種別」フィールドの値(ログ種別)が「R」であるか否かを、判別する。
そして、処理対象のログレコードの「ログ種別」フィールドの値(ログ種別)が「R」であった場合、データベースクローン生成モジュール23は、ステップS208からステップS209へ処理を分岐させる。
ステップS209では、データベースクローン生成モジュール23は、メモリ27上における処理対象のログレコードと同じトランザクションIDのグループのログレコード群を破棄する処理を行う。この処理の実行後、データベースクローン生成モジュール23は、ステップS212へ処理を進める。
一方、ステップS208において、処理対象のログレコードの「ログ種別」フィールドの値(ログ種別)が「R」でなかった場合、データベースクローン生成モジュール23は、ステップS210へ処理を進める。
ステップS210では、データベースクローン生成モジュール23は、処理対象のログレコードの「ログ種別」フィールドの値(ログ種別)が「RP」であるか否かを、判別する。
そして、処理対象のログレコードの「ログ種別」フィールドの値(ログ種別)が「RP」であった場合、データベースクローン生成モジュール23は、ステップS210からステップS211へ処理を分岐させる。
ステップS211では、データベースクローン生成モジュール23は、処理対象のログレコードを、抽出ファイル23aのテーブルに追加する処理を行う。この処理の実行後、データベースクローン生成モジュール23は、ステップS212へ処理を進める。
一方、ステップS210において、処理対象のログレコードの「ログ種別」フィールドの値(ログ種別)が「RP」でなかった場合、データベースクローン生成モジュール23は、ステップS212へ処理を進める。
ステップS212では、データベースクローン生成モジュール23は、ステップS101で受け取った差分ログファイル22内の全てのログレコードについて処理を終えたか否かを、判別する。
そして、ステップS101で受け取った差分ログファイル22内の全てのログレコードについて処理を終えていなかった場合、データベースクローン生成モジュール23は、ステップS212から処理を分岐させ、ステップS201へ処理を戻す。
一方、ステップS101で受け取った差分ログファイル22内の全てのログレコードについて処理を終えていた場合、データベースクローン生成モジュール23は、図6及び図7に係る抽出サブルーチンを終了し、図5のステップS103へ処理を進める。
ステップS103では、データベースクローン生成モジュール23は、反映サブルーチンを実行する。
図9は、その反映サブルーチンの流れを示す図である。
反映サブルーチンの開始後、最初のステップS301では、データベースクローン生成モジュール23は、図8の抽出ファイル23aのテーブルから、処理対象として、ログレコードを一つ取り出す処理を行う。
次のステップS302では、データベースクローン生成モジュール23は、処理対象のログレコードの「ログ種別」フィールドの値(ログ種別)が「AI」であるか否かを、判別する。
そして、処理対象のログレコードの「ログ種別」フィールドの値(ログ種別)が「AI」であった場合、データベースクローン生成モジュール23は、ステップS302からステップS303へ処理を分岐させる。
ステップS303では、データベースクローン生成モジュール23は、処理対象のログレコードの「複写元トランザクションID」及び「コミット時刻」フィールドの値を、メモリに退避させる処理を行う。
次のステップS304では、データベースクローン生成モジュール23は、処理対象のログレコードに格納される情報が示すトランザクションに基づく業務データの更新(追加、削除、又は、変更)を、データベース制御モジュール24と連携して、業務データベース装置Sに指示する。
次のステップS305では、データベースクローン生成モジュール23は、ステップS304での指示に従った業務データベース装置Sが行った業務データの更新についてのログ情報を生成する処理を行う。
次のステップS306では、データベースクローン生成モジュール23は、ステップS303でメモリに退避しておいた複写元トランザクションIDとコミット時刻とを、ステップS305で生成したログ情報に組み込む処理を行う。また、データベースクローン生成モジュール23は、利用者によりチューニングされたタイミングで、複数の更新ログを、データベース制御モジュール24と連携して、トランザクションを確定させる処理も行う。さらに、データベースクローン生成モジュール23は、図示していないが、この確定処理の延長として、ステップS304での指示に従った業務データベース装置Sが行った業務データの更新確定についてのログ情報を生成する処理も行う。そして、これらの処理の実行後、データベースクローン生成モジュール23は、ステップS310へ処理を進める。
一方、ステップS302において、処理対象のログレコードの「ログ種別」フィールドの値(ログ種別)が「AI」でなかった場合、データベースクローン生成モジュール23は、ステップS302からステップS307へ処理を分岐させる。
ステップS307では、データベースクローン生成モジュール23は、データベースクローン生成モジュール23は、処理対象のログレコードの「ログ種別」フィールドの値(ログ種別)が「RP」であるか否かを、判別する。
そして、処理対象のログレコードの「ログ種別」フィールドの値(ログ種別)が「RP」であった場合、データベースクローン生成モジュール23は、ステップS307からステップS308へ処理を分岐させる。
ステップS308では、データベースクローン生成モジュール23は、ステップS304でデータベース制御モジュール24を通じて行った業務データベース装置S内の業務データの更新が終了するまで待機し、更新の終了後、ステップS309へ処理を進める。
ステップS309では、データベースクローン生成モジュール23は、処理対象ログレコードに基づいてリカバリポイントのログ情報を生成する処理を行い、ステップS310へ処理を進める。
ステップS310では、データベースクローン生成モジュール23は、ステップS306又はS309で生成されたログ情報を、ログ制御モジュール25に引き渡す処理を行う。なお、そのログ制御モジュール25は、データベースクローン生成モジュール23から受け取ったログ情報に基づいて、リカバリログファイル26を生成する。なお、図10は、リカバリログファイル26のテーブルのデータ構造の一例を示す図である。データベースクローン生成モジュール23は、ログ情報をログ制御モジュール25に引き渡した後、ステップS311へ処理を進める。
一方、ステップS307において、処理対象のログレコードの「ログ種別」フィールドの値(ログ種別)が「RP」でなかった場合、データベースクローン生成モジュール23は、ステップS307からステップS311へ処理を分岐させる。
ステップS311では、データベースクローン生成モジュール23は、抽出ファイル23a内の全てのログレコードについて処理を終えたか否かを、判別する。
そして、抽出ファイル23a内の全てのログレコードについて処理を終えていなかった場合、データベースクローン生成モジュール23は、ステップS311から処理を分岐させ、ステップS301へ処理を戻す。
一方、抽出ファイル23a内の全てのログレコードについて処理を終えていた場合、データベースクローン生成モジュール23は、図9に係る反映サブルーチンを終了するとともに、図5に係る処理も終了する。
なお、データベースクローン生成モジュール23が、図5に係る処理を実行することは、前述した第2の組込手順に相当している。
次に、本実施形態のデータベースシステムの作用及び効果について説明する。
本実施形態のデータベースシステムおいては、災害等のない通常状態では、主センタの制御装置10は、業務データベース装置Mが行った業務データの更新についてのログ情報をリカバリログファイル14に蓄積するとともに、副センタの業務データベース装置Sにも同じ更新がなされるようにするために差分ログファイル22を生成して副センタの制御装置20へ送信する。このとき、リカバリログファイル14のテーブルには、リカバリポイントのログ情報が組み込まれているが、そのログ情報は、業務が複数のトランザクションを一つの単位としている場合において、その業務の切れ目に組み込まれている。
副センタの制御装置20は、差分ログファイル22を受け取ると、その差分ログファイル22内のログ情報(リカバリポイントを示すログ情報を除く)に基づいてトランザクションを組み立て、組み立てたトランザクションの確定に基づいて業務データを更新するよう業務データベース装置Sに指示するとともに、ログ情報をログレコードとしてリカバリログファイル26に蓄積する。このリカバリログファイル26のテーブルにも、リカバリポイントを示すログ情報が、組み込まれており、主センタのリカバリログファイル14と同様に、業務の切れ目に組み込まれている。
そして、主センタにおいて自然災害や停電やシステム障碍が発生して業務データベース装置Mが使用不能となってしまった場合、本実施形態のデータベースシステムにおいては、以下の手順にて、主センタの業務データベース装置Mを復旧させることができる。
図11は、主センタにおいて災害等が発生してその業務データベース装置Mが使用不能となった後、それを業務利用できる状態に復旧させるまでを模式的に示す説明図である。
まず、第1フェーズでは、主センタのリカバリログファイル14にa,b,cのログ情報が蓄積され、副センタのリカバリログファイル26にa,bのログ情報が蓄積されている状態が、示されている。なお、主センタのリカバリログファイル14のaのログ情報とbのログ情報との間には、リカバリポイントが設定されており、そのリカバリポイントは、前述した機能により、副センタのリカバリログファイル26のaとbの間に伝播している。この第1フェーズにおいて、主センタにおいて災害等が発生して業務データベース装置Mが使用不能となると、第2フェーズとして、利用者は、副センタのリカバリログファイル26を基に業務データベース装置Sをリカバリポイントまでリカバリして、業務との整合を取った後、運用対象を主センタの業務データベース装置Mから副センタの業務データベース装置Sに切り替える。
運用対象を切り替えた後、第3フェーズとして、業務端末装置Tが副センタの制御装置20へアクセス自在となり、副センタのリカバリログファイル26へのログ情報の蓄積が開始される。そして、この開始の直後から、主センタの制御装置10や業務データベース装置Mを修理し、或いは、メインテナンスを行うことができる。
その後、主センタの制御装置10や業務データベース装置Mが使用可能な状態となると、第4フェーズとして、利用者が、主センタのリカバリログファイル14を基に業務データベース装置Mをリカバリポイントまでリカバリする。ここで、従来の業務データベース装置では、副センタで蓄積された業務データを主センタの業務データベース装置Mに移し替える際、全件複写を行わねばならなかったが、主センタの業務データベース装置Mを修理したりメインテナンスしたりしても、その業務データベース装置M内の業務データが破壊されずに残っていることが多い。そこで、本実施形態では、主センタ側での復旧時に全件複写をせずに、リカバリポイントを指定しておいて、整合がとれる状態までリカバリするようになっている。
主センタ側のリカバリ後、第5フェーズとして、副センタの差分ログファイル22に蓄積されたログ情報b’とc’(図11)を主センタに送信して、主センタの業務データベース装置Mと業務の整合を取った後、運用対象を副センタの業務データベース装置Sから主の業務データベース装置Mに切り替える。すると、主センサの業務データベース装置Mを運用対象とした業務が再開され、主センタのリカバリログファイル14へのログ情報の蓄積が再開される。
なお、本実施形態のデータベースシステムでは、リカバリポイントを、主センタのリカバリログファイル14と副センタのリカバリログファイル26とに設定していたが、図12から図14までに示されるように、リカバリポイントが設定されていなくてもよい。この場合でも、副センタの各ログ情報に主センタのコミット時刻が複写されているため、災害発生時のリカバリ(第2フェーズ)や復旧前のリカバリ(第5フェーズ)では、その主センタのコミット時刻を指定することにより、主センタや副センタのリカバリを制御することができ、尚且つ、リカバリポイントと同様に、両センタでのデータベース装置の整合を取る作業を、簡単に行うことができる。
本実施形態のデータベースシステムの構成図 主センタ内の制御装置の構成図 副センタ内の制御装置の構成図 主センタのリカバリログファイルのデータ構造の一例を示す図 レプリカ側のデータベースクローン生成モジュールが実行する処理の流れを示す図 リカバリ情報組込サブルーチンの流れを示す図 リカバリ情報組込サブルーチンの流れを示す図 抽出ファイルのテーブルのデータ構造の一例を示す図 反映サブルーチンの流れを示す図 副センタのリカバリログファイルのテーブルのデータ構造の一例を示す図 主センタにおいて災害等が発生してその業務データベース装置が使用不能となった後、それを業務利用できる状態に復旧させるまでを模式的に示す説明図 主センタのリカバリログファイルのデータ構造の一例を示す図 抽出ファイルのテーブルのデータ構造の一例を示す図 副センタのリカバリログファイルのテーブルのデータ構造の一例を示す図
符号の説明
10 制御装置
10a ストレージ
10c 通信アダプタ
11 ソフトウエア
11 業務情報管理アプリケーション
12 データベース制御モジュール
13 ログ制御モジュール
14 リカバリログファイル
15 データベースクローン生成モジュール
16 差分ログファイル
17 差分ログファイル送信モジュール
20 制御装置
21 差分ログファイル受信モジュール
22 差分ログファイル
23 データベースクローン生成モジュール
23a 抽出ファイル
24 データベース制御モジュール
25 ログ制御モジュール
26 リカバリログファイル
27 メモリ

Claims (5)

  1. 通常状態において何れかの業務端末装置からネットワークを介して送られてきた要求に応じて、業務処理を構成するトランザクションを実行して業務データを生成する第1の処理装置と、前記業務データを保存するとともに新たな業務データが生成される毎に保存している業務データを新たな業務データで更新する第1のデータベース装置とを有する主センタシステムと、当該主センタシステムのバックアップとして前記第1の処理装置及び第1のデータベース装置とそれぞれ同じ機能を有する第2の処理装置及び第2のデータベース装置とを有する副センタシステムとからなるデータベースシステムを管理するための方法であって、
    前記第1の処理装置が、前記第1のデータベース装置内で業務データの更新がなされるごとに、その更新のログ情報を第1のログ情報として生成する第1のログ情報生成手順,
    前記第1の処理装置が、前記第1のログ情報生成手順において生成された連続する任意の二つの第1のログ情報の間に、所定の第1の区切情報を組み込む第1の組込手順,
    前記第1の処理装置が、前記第1の組込手順において前記区切情報が間に組み込まれた前記各第1のログ情報を、前記第2の処理装置へ送信する送信手順,
    前記第2の処理装置が、前記送信手順において送信されてきた一連の前記各第1のログ情報を前記第1の区切情報により複数のグループに区分し、グループ毎に、そのグループを構成する前記各第1のログ情報に基づいて、前記第2のデータベース装置内に保存されている業務データを更新する更新手順,
    第2の処理装置が、前記更新手順において前記第2のデータベース装置内で前記業務データの更新がなされるごとに、その更新のログ情報を第2のログ情報として生成する第2のログ情報生成手順,及び、
    前記第2の処理装置が、前記第2のログ情報生成手順において生成された一連の前記各第2のログ情報における前記グループの区切りに対応する箇所に、前記第1の区切情報に対応付けた第2の区切情報を組み込んで、保存する保存手順
    からなることを特徴とするデータベースシステム管理方法。
  2. 前記所定の第1の区切情報は、一連の前記第1のログ情報における、何れかの業務端末装置が指定した箇所に組み込まれる
    ことを特徴とする請求項1記載のデータベースシステム管理方法。
  3. 通常状態において何れかの業務端末装置からネットワークを介して送られてきた要求に応じて、業務処理を構成するトランザクションを実行して業務データを生成する第1の処理装置と、前記業務データを保存するとともに新たな業務データが生成される毎に保存している業務データを新たな業務データで更新する第1のデータベース装置とを有する主センタシステムと、当該主センタシステムのバックアップとして前記第1の処理装置及び第1のデータベース装置とそれぞれ同じ機能を有する第2の処理装置及び第2のデータベース装置とを有する副センタシステムとからなるデータベースシステムを管理するための方法であって、
    前記第1の処理装置が、前記第1のデータベース装置内で業務データの更新がなされるごとに、その更新のログ情報を第1のログ情報として生成する第1のログ情報生成手順,
    前記第1の処理装置が、前記第1のログ情報生成手順において生成された記各第1のログ情報を、前記第1の処理装置から前記第2の処理装置へ送信する送信手順,
    前記第2の処理装置が、前記送信手順において送信された前記各第1のログ情報に基づいて前記第2のデータベース装置内の業務データを更新する更新手順,
    前記第2の処理装置が、前記更新手順において前記第2のデータベース装置内で業務データの更新がなされるごとにその更新のログ情報を第2のログ情報として生成する第2のログ情報生成手順,及び、
    前記第2の処理装置が、前記第2のログ情報生成手順において生成された前記第2のログ情報のそれぞれに対し、その第2のログ情報に対応する第1のログ情報が有する時刻情報を付加することで対応付ける対応付け手順
    からなることを特徴とするデータベースシステム管理方法。
  4. 前記第1のログ情報生成手順において、前記第1の処理装置は、実行結果が前記第1のデータベース装置内の複数のデータベーステーブルに反映されるべきトランザクションを実行する場合、その更新されるデータベーステーブルごとに、ログ情報を生成する
    ことを特徴とする請求項1又は3記載のデータベースシステム管理方法。
  5. 通常状態において何れかの業務端末装置からネットワークを介して送られてきた要求に応じて、業務処理を構成するトランザクションを実行して業務データを生成する第1の処理装置と、前記業務データを保存するとともに新たな業務データが生成される毎に保存している業務データを新たな業務データで更新する第1のデータベース装置とを有する主センタシステムと、当該主センタシステムのバックアップとして前記第1の処理装置及び第1のデータベース装置とそれぞれ同じ機能を有する第2の処理装置及び第2のデータベース装置とを有する副センタシステムとからなるデータベースシステムであって、
    前記第1の処理装置は、
    前記第1のデータベース装置内で業務データの更新がなされるごとに、その更新のログ情報を第1のログ情報として生成する第1のログ情報生成部,
    前記第1のログ情報生成部が生成した連続する任意の二つの第1のログ情報の間に、所定の第1の区切情報を組み込む第1の組込部,及び、
    前記第1の組込部が前記区切情報を間に組み込んだ前記各第1のログ情報を前記第2の処理装置へ送信する送信部
    を備え、
    前記第2の処理装置は、
    前記送信部が送信した前記各第1のログ情報を前記第1の区切情報により複数のグループに区分し、グループ毎に、そのグループを構成する前記各第1のログ情報に基づいて、前記第2のデータベース装置内に保存されている業務データを更新する更新部,
    前記更新部が前記第2のデータベース装置内の業務データを更新するごとに、その更新のログ情報を第2のログ情報として生成する第2のログ情報生成部,及び、
    前記第2のログ情報生成部が生成した一連の前記各第2のログ情報における前記グループの区切りに対応する箇所に、前記第1の区切情報に対応付けた第2の区切情報を組み込んで保存する保存部
    を備える
    ことを特徴とするデータベースシステム。
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