JP2007292509A - 屈折率測定方法及び屈折率測定装置 - Google Patents

屈折率測定方法及び屈折率測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】厚みが小さい測定対象物の屈折率を非破壊により精度良く測定できるようにする。
【解決手段】第1段階としてベース層20Cの第1実測回折効率ys1(r)を測定し、第1理論回折効率yt1(r)の波形が当該第1実測回折効率ys1(r)と最も良く一致するときの格子形状d(x)を実測格子形状ds(x)として同定した後、第2段階としてベース層20Cにカバー層20Dが接合された回折素子20CDの第2実測回折効率ys2(r)を測定し、実測格子形状ds(x)を用いて算出した第2理論回折効率yt2(r)の波形が第2実測回折効率ys2(r)と最も良く一致するときの屈折率n2(r)を実測屈折率n2s(r)として同定するようにした。
【選択図】図11

Description

本発明は屈折率測定方法及び屈折率測定装置に関し、例えば薄膜状に形成された試料の屈折率を測定する屈折率測定方法に適用して好適なものである。
従来、光を透過する物質の屈折率を測定する手法として、アッベの屈折率計を用いる手法(以下、これを第1の屈折率測定手法と呼ぶ)と、分光エリプソメトリーを利用する手法(以下、これを第2の屈折率測定手法と呼ぶ)との2種類の手法が主に利用されていた。
第1の屈折率測定手法では、屈折率が既知である半球プリズムとガラスプレートとの間に測定対象物を挟み込み、半球プリズム側から光ピームを入射させ、その反射光を観察することにより臨界角を検出し、これを基に屈折率を得るようになされている。
第2の屈折率測定手法では、ブリュースター角付近のs偏光とp偏光の反射係数比を測定し、解析モデルを介して屈折率を算出するようになされている(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−340869号公報(第2頁)
しかしながら、上述した第1の屈折率測定方法では、実際に測定物表面で反射した光を観測するため、ある程度の大きさと厚みを有する測定対象物しか測定することができなかった。
また第1の屈折率測定方法では、実際の測定において、反射効率を上げるために、ガラスプレートと測定物との間にガラスプレートと同等の屈折率を持つ屈折率液体を充填する必要がある。このため、測定物の表面がダメージを受ける、いわゆる破壊検査となってしまうという問題があった。
一方、第2の屈折率測定方法では、測定対象物が数十[μm]以上の厚みをもつ場合や表面の平滑性が悪い場合に、測定対象物の表面における反射光と、測定対象物及び基板間の界面における反射光との多重干渉を測定することができないため、測定精度を上げることができなかった。換言すれば、第2の屈折率測定方法では、測定対象物の表面における平滑度が高い場合(例えば数[nm]程度)以外、屈折率を精度良く測定することができないという問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、厚みが小さい測定対象物の屈折率を非破壊により精度良く測定し得る屈折率測定方法及び屈折率測定装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、屈折率が既知である測定用媒質中に屈折率が既知であり一面に回折格子が設けられた第1試料を設置し、当該第1試料の当該一面において所定波長の光ビームを回折させたときの0次回折効率である第1実測回折効率を測定し、第1試料における理論的な0次回折効率である第1理論回折効率と第1実測回折効率とを基に回折格子の格子形状を同定し、一面が第2試料により覆われた第1試料によって光ビームを回折させたときの0次回折効率である第2回折効率を測定し、第2試料により覆われた第1試料における理論的な回折効率であり同定した格子形状を用いて算出された第2理論回折効率と第2実測回折効率とを基に、第2試料の屈折率を同定するようにした。
これにより、実際の測定作業としては、第1試料の第1実測回折効率と第2試料により覆われた当該第1試料における第2実測回折効率とを測定するだけで、演算処理によって当該第1実測回折効率及び第1理論回折効率から回折格子の格子形状を高精度に同定でき、また当該第2実測回折効率、同定した格子形状及び第2理論回折効率から第2試料を破壊することなく屈折率を同定することができる。
本発明によれば、実際の測定作業としては、第1試料の第1実測回折効率と第2試料により覆われた当該第1試料における第2実測回折効率とを測定するだけで、演算処理によって当該第1実測回折効率及び第1理論回折効率から回折格子の格子形状を高精度に同定でき、また当該第2実測回折効率、同定した格子形状及び第2理論回折効率から第2試料を破壊することなく屈折率を同定することができ、かくして厚みが小さい測定対象物の屈折率を非破壊により精度良く測定し得る屈折率測定方法及び屈折率測定装置を実現できる。
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)光ディスク装置の構成
(1−1)光ディスク装置の全体構成
図1において、光ディスク装置1は、CD(Compact Disc)方式、DVD(Digital Versatile Disc)方式又はBD(Blu-ray Disc、登録商標)方式といった3方式のいずれかでなる光ディスク100を再生し得るようになされている。
この光ディスク装置1は、制御部2によって全体を統括制御するようになされており、光ディスク100が装填された状態で、図示しない外部機器からの再生指示等を受け付けると、当該制御部2から駆動部3及び信号処理部4を制御することにより当該光ディスク100に記録された情報を読み出すようになされている。
実際上、信号処理部4は、制御部2の制御に基づき、光ピックアップ7により対物レンズユニット9から所定の光ビームを光ディスク100の信号記録面に照射させる。
これと同時に駆動部3は、制御部2の制御に基づき、スピンドルモータ5により光ディスク100を所定の回転速度で回転させ、スレッドモータ6により光ピックアップ7を光ディスク100の径方向であるトラッキング方向へ大きく移動させ、さらに2軸アクチュエータ8により対物レンズユニット9を光ディスク100に対して近接又は離隔させる方向であるフォーカス方向及びトラッキング方向の2方向へそれぞれ細かく移動させることにより、所望のトラックに対して光ビームを合焦させる。
これに応じて信号処理部4は、光ディスク100の信号記録面において光ビームが反射されてなる反射光を検出し、その検出結果を基に再生信号を生成して、制御部2を介してこの再生信号を図示しない外部機器へ送出させる。
光ピックアップ7は、いわゆる3波長対応型となっており、対物レンズユニット9から、CD方式でなる光ディスク100(以下、これをCD方式ディスク100cと呼ぶ)に対して波長約780[nm]の光ビームを照射し、またDVD方式でなる光ディスク100(以下、これをDVD方式ディスク100dと呼ぶ)に対して波長約650[nm]の光ビームを照射し、さらにBD方式でなる光ディスク100(以下、これをBD方式ディスク100bと呼ぶ)に対して波長約405[nm]の光ビームを照射するようになされている。
このように光ディスク装置1は、CD方式、DVD方式、又はBD方式でなる光ディスク100に対してそれぞれの方式に適した光ビームを照射することにより、当該光ディスク100を再生し得るようになされている。
(1−2)光ピックアップの構成
図2に示すように、光ピックアップ7は、光ビームの光源として、CD方式用の波長約780[nm]でなる光ビーム(以下、これをCD用光ビームLcと呼ぶ)及びDVD方式用の波長約650[nm]でなる光ビーム(以下、これをDVD用光ビームLdと呼ぶ)を出射し得るレーザダイオード11と、BD方式用の波長約405[nm]でなる光ビーム(以下、これをBD用光ビームLbと呼ぶ)を出射し得るレーザダイオード12とを有している。
カップリングレンズ13は、レーザダイオード11から出射された光ビームの光学倍率を変換するようになされている。
ビームスプリッタ14は、反射透過面14Aにおいて、光ビームをその波長に応じて反射又は透過させるようになされており、当該反射透過面14Aにおいて、波長約780[nm]でなるCD用光ビームLc及び波長約650[nm]でなるDVD用光ビームLdを反射させ、また波長約405[nm]でなるBD用光ビームLbを透過させるようになされている。
偏光ビームスプリッタ15は、偏光面15Aにおいて、光ビームをその偏光方向により反射又は透過させるようになされており、ビームスプリッタ14側から入射された光ビームを透過させ、また偏光方向が調整された上でコリメータレンズ16側から入射された光ビームを反射させるようになされている。
コリメータレンズ16は、偏光ビームスプリッタ15から入射され発散光でなる光ビームを平行光に変換し、また立ち上げミラー17から入射され平行光でなる光ビームを収束光に変換するようになされている。
立ち上げミラー17は、コリメータレンズ16から入射される水平方向の光ビームを反射して垂直方向、すなわち光ディスク100に対してほぼ垂直に入射させる方向に立ち上げ、また1/4波長板18からほぼ垂直に入射された光ビームを水平方向に反射させるようになされている。
1/4波長板18は、光ビームにおける一部成分の位相を1/4波長分遅延させることにより、立ち上げミラー17から入射される光ビームを直線偏光から円偏光へ変換し、或いは対物レンズユニット9から入射される光ビームを円偏光から直線偏光に変換するようになされている。
対物レンズユニット9は、図3に斜視図を示すように、略筒状でなる鏡筒部19(図3では一部切断面を示す)の下部に扁平な円盤状でなる回折素子20が取り付けられていると共に、当該鏡筒部19の上部から中央部にかけて、当該回折素子20とほぼ同様の大きさでなる扁平な円盤状部の下面に当該円盤よりも若干小径の紡錘形部が一体に形成されたような形状でなる対物レンズ21が取り付けられている。
対物レンズユニット9は、1/4波長板18から入射され平行光でなる光ビームを回折素子20及び対物レンズ21により収束光に変換し、これを光ディスク100の信号記録面に合焦させるようになされている。
また光ピックアップ7は、光ディスク100の信号記録面において反射され発散光となった光ビームを、対物レンズユニット9の対物レンズ21及び回折素子20により平行光に変換し、1/4波長板18により円偏光から直線偏光に変換し、立ち上げミラー17により水平方向、すなわち偏光ビームスプリッタ15が設けられている方向へ反射させ、コリメータレンズ16により平行光から収束光に変換した後、偏光ビームスプリッタ15へ入射させる。
この場合、偏光ビームスプリッタ15は、光ビームの偏光方向に応じて偏光面15Aにおいて当該光ビームを反射し、これをコンバージョンレンズ22へ入射させる。
コンバージョンレンズ22は、CD用光ビームLc及びDVD用光ビームLdとBD用光ビームLbとの光学倍率の変換を行うようになされている。また光軸合成素子23は、レーザダイオード11から出射されたCD用光ビームLc及びDVD用光ビームLdの光軸とレーザダイオード12から出射されたBD用光ビームLbの光軸とを一致させるようになされている。
フォトディテクタ24は、その上面(すなわちコンバージョンレンズ22及び光軸合成素子23を通過した光ビームが照射される面)においてそれぞれ所定形状でなる複数の検出領域がそれぞれ所定の位置に形成されており、照射された光ビームの光量をそれぞれ検出して光電変換することにより複数の検出信号を生成し、これを信号処理部4(図1)へ供給するようになされている。
これに応じて信号処理部4は、フォトディテクタ24(図2)からの検出信号を用いた所定の演算処理等を行うことにより再生RF信号を生成し、当該再生RF信号を基に所定の復号化処理や復調処理等を経て再生信号を生成するようになされている。
また信号処理部4(図1)は、フォトディテクタ24(図2)からの検出信号を用いた所定の演算処理等を行うことにより、トラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号等といった駆動制御用の信号を生成し、これらを制御部2へ供給するようになされている。これに応じて制御部2は、駆動部3を介してトラッキング制御やフォーカス制御等を行い、光ディスク100に対する光ビームの照射状態を調整して所望のトラックに追従させ、再生信号を正常に生成し得るようになされている。
(1−2−1)CD方式ディスクの場合
実際上、制御部2(図1)は、所定のディスク種別判定手法により光ディスク100がCD方式ディスク100cであることを認識した場合、光ピックアップ7(図2)におけるレーザダイオード11の発光点11Aから発散光でなるCD用光ビームLcを発射させ、カップリングレンズ13を介してビームスプリッタ14へ入射させる。
光ピックアップ7は、ビームスプリッタ14によりCD用光ビームLcを反射透過面14Aにおいて反射させ、偏光ビームスプリッタ15を透過させて、コリメータレンズ16により発散光から平行光に変換し、立ち上げミラー17により水平方向から垂直方向に立ち上げ、1/4波長板18により直線偏光から円偏光に変換した後、当該CD用光ビームLcを対物レンズユニット9へ入射させる。
対物レンズユニット9は、1/4波長板18から入射されたCD用光ビームLcを回折素子20及び対物レンズ21により収束光に変換し、これをCD方式ディスク100cの信号記録面に合焦させる。
また対物レンズユニット9は、CD方式ディスク100cの信号記録面において反射され発散光となったCD用光ビームLcを、対物レンズ21及び回折素子20により平行光に変換し、1/4波長板18へ入射させる。
その後光ピックアップ7は、1/4波長板18に入射されたCD用光ビームLcを円偏光から直線偏光に変換させ、立ち上げミラー18により水平方向へ反射させ、コリメータレンズ16により平行光から収束光に変換させた後、偏光ビームスプリッタ15により偏光面15Aにおいて反射させ、コンバージョンレンズ22及び光軸合成素子23を順次通過させてフォトディテクタ24へ照射させる。
フォトディテクタ24は、照射されたCD用光ビームLcの光量を複数の検出領域によりそれぞれ検出して複数の検出信号を生成し、これを信号処理部4(図1)へ供給する。
これに応じて信号処理部4は、複数の検出信号を基に再生RF信号を生成した上で再生信号を生成し、またトラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号等といった駆動制御用の信号を生成するようになされている。
(1−2−2)DVD方式ディスクの場合
制御部2(図1)は、所定のディスク種別判定手法により光ディスク100がDVD方式ディスク100dであることを認識した場合、光ピックアップ7(図2)におけるレーザダイオード11の発光点11Bから発散光でなるDVD用光ビームLdを発射させ、カップリングレンズ13を介してビームスプリッタ14へ入射させる。
その後、光ピックアップ7は、CD方式ディスク100cの場合と同様、DVD用光ビームLdをカップリングレンズ13、ビームスプリッタ14、偏光ビームスプリッタ15、コリメータレンズ16、立ち上げミラー17及び1/4波長板18の順に通過又は反射させ、対物レンズユニット9において当該DVD用光ビームLdを回折素子20及び対物レンズ21により収束光に変換し、これをDVD方式ディスク100dの信号記録面に合焦させる。
また対物レンズユニット9は、CD方式ディスク100cの場合と同様、DVD方式ディスク100dの信号記録面において反射され発散光となったDVD用光ビームLdを、対物レンズ21、回折素子20により平行光に変換した後、1/4波長板18、立ち上げミラー17、コリメータレンズ16、偏光ビームスプリッタ15、コンバージョンレンズ22及び光軸合成素子23の順に通過又は反射させ、フォトディテクタ24へ照射させる。
フォトディテクタ24は、CD方式ディスク100cの場合と同様、照射されたDVD用光ビームLdの光量を複数の検出領域によって検出することにより複数の検出信号を生成し、これらを信号処理部4(図1)へ供給する。
これに応じて信号処理部4は、再生RF信号を生成した上で再生信号を生成し、またトラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号等といった駆動制御用の信号を生成するようになされている。
(1−2−3)BD方式ディスクの場合
制御部2(図1)は、所定のディスク種別判定手法により光ディスク100がBD方式ディスク100bであることを認識した場合、光ピックアップ7(図2)におけるレーザダイオード12の発光点12Aから発散光でなるBD用光ビームLbを発射させ、ビームスプリッタ14へ入射させる。
この場合、ビームスプリッタ14は、BD用光ビームLbを反射透過面13Aにおいて透過させ、これを偏光ビームスプリッタ15へ入射させる。
その後光ピックアップ7は、CD方式ディスク100cの場合と同様、BD用光ビームLbを偏光ビームスプリッタ15、コリメータレンズ16、立ち上げミラー17及び1/4波長板18の順に通過又は反射させ、対物レンズユニット9において当該BD用光ビームLbを対物レンズ21により収束光に変換し、これをBD方式ディスク100bの信号記録面に合焦させる。
因みに対物レンズユニット9の回折素子20は、BD用光ビームLbを回折せずそのまま透過させるようになされている(詳しくは後述する)。
また対物レンズユニット9は、CD方式ディスク100cの場合と同様、BD方式ディスク100bの信号記録面において反射され発散光となったBD用光ビームLbを、対物レンズ21により平行光に変換した後、1/4波長板18、立ち上げミラー17、コリメータレンズ16、偏光ビームスプリッタ15、コンバージョンレンズ22及び光軸合成素子23の順に通過又は反射させ、フォトディテクタ24へ照射させる。
フォトディテクタ24は、CD方式ディスク100cの場合と同様、照射されたBD用光ビームLbの光量を複数の検出領域によって検出することにより複数の検出信号を生成し、これらを信号処理部4(図1)へ供給する。
これに応じて信号処理部4は、再生RF信号を生成した上で再生信号を生成し、またトラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号等といった駆動制御用の信号を生成するようになされている。
このように光ピックアップ7は、光ディスク100がCD方式ディスク100c、DVD方式ディスク100d或いはBD方式ディスク100bのいずれであっても、対物レンズユニット9により、CD用光ビームLc、DVD用光ビームLd又はBD用光ビームLbを当該光ディスク100の信号記録面に合焦させ得ると共に、その反射光をフォトディテクタ24により検出し得るようになされている。
(1−3)対物レンズユニットの構成
次に、CD方式ディスク100c、DVD方式ディスク100d及びBD方式ディスク100bと、対物レンズユニット9との拡大断面図を図4に示す。
因みに、対物レンズユニット9には2軸アクチュエータ8(図1)が取り付けられているものの、図4では省略している。
一般に、CD方式、DVD方式及びBD方式では、互換性等の観点から、情報を読み出すための光ビームの波長、当該光ビームを集光する際の開口数、及び各光ディスク100における下面から信号記録面までの部分(いわゆるカバー層)の厚みがそれぞれ規格により規定されている。
具体的にCD方式では、波長が約780[nm]、開口数が約0.45、カバー層の厚みが1.2[mm]と規定されており、またDVD方式では、波長が約650[nm]、開口数が約0.6、カバー層の厚みが0.6[mm]と規定されており、さらにBD方式では、波長が約405[nm]、開口数が約0.85、カバー層の厚みが0.1[mm]と規定されている。
また対物レンズユニット9では、対物レンズ21の特性上、当該対物レンズ21からCD用光ビームLc、DVD用光ビームLd及びBD用光ビームLbがそれぞれ照射される場合の焦点距離がそれぞれ異なっている。
このため光ディスク装置1では、実際には光ディスク100の高さを固定したまま2軸アクチュエータ8(図1)を介して対物レンズユニット9の高さ(すなわち光ディスク100との間隔)を調整することにより、各光ビームを各光ディスクの信号記録面に合焦させるようになされている。
因みに図4では、説明の都合上、対物レンズユニット9を固定し光ディスク100の高さを変化させている。このため図4では、各光ディスクの下面の高さが異なっている。また図4では、CD方式ディスク100c、DVD方式ディスク100d及びBD方式ディスク100bについて、いずれもカバー層のみを表している。
ところで対物レンズ21は、BD用光ビームLbの相対的な強度やBD方式で規定されている開口数等の観点から、CD用光ビームLcやDVD用光ビームLdよりも優先して当該BD用光ビームLbに最適化された設計となっている。
このため対物レンズユニット9の対物レンズ21は、当該対物レンズ21の下側からBD用光ビームLbが平行光として入射されると、当該BD用光ビームLbを収束光に変換し、BD方式ディスク100bの信号記録面に合焦させることができる。
しかしながら対物レンズ21は、BD用光ビームLbに最適化されているため、仮にCD用光ビームLc又はDVD用光ビームLdが対物レンズ21の下側から平行光として入射された場合、収束光に変換することはできるものの、収差が発生してしまうため光ディスク100の信号記録層に正しく合焦させることができない。
そこで対物レンズユニット9は、回折素子20によりCD用光ビームLc又はDVD用光ビームLdのみを選択的に回折させ非平行光として対物レンズ21に入射させると共に、BD用光ビームLbを平行光のまま当該対物レンズ21に入射させるようになされている。
具体的に回折素子20は、CD用光ビームLcを回折すると共にDVD用光ビームLd及びBD用光ビームLbを回折しないようなホログラムでなるCD用回折格子DGcが上層部20Aに形成されており、図4に示したように、当該CD用回折格子DGcによってCD用光ビームLcをやや外方へ回折させるようになされている。
すなわち回折素子20の上層部20Aは、DVD用光ビームLd及びBD用光ビームLbをそのまま透過させてCD用光ビームLcのみを選択的に回折させることができ、換言すれば、CD用光ビームLcの収差のみを補正するレンズとして機能することになる。
これに応じて対物レンズ21は、図4に示したように、回折素子20から入射されるCD用光ビームLcをその下面及び上面においてそれぞれ屈折させ、収束光に変換する。この結果、対物レンズユニット9は、CD用光ビームLcの収差を補正することができ、対物レンズ21から照射するCD用光ビームLcをCD方式ディスク100cの信号記録面に合焦させることができる。
また回折素子20は、DVD用光ビームLdを回折すると共にCD用光ビームLc及びBD用光ビームLbを回折しないようなホログラムでなるDVD用回折格子DGdが下層部20Bに形成されており、図4に示したように、当該DVD用回折格子DGdによってDVD用光ビームLdをわずかに外方へ回折させるようになされている。
すなわち回折素子20の下層部20Bは、CD用光ビームLc及びBD用光ビームLbをそのまま透過させ、DVD用光ビームLdのみを選択的に回折させることができ、換言すれば、DVD用光ビームLdの収差のみを補正するレンズとして機能することになる。
これに応じて対物レンズ21は、図4に示したように、回折素子20から入射されるDVD用光ビームLdをその下面及び上面においてそれぞれ屈折させ、収束光に変換する。この結果、対物レンズユニット9は、DVD用光ビームLdの収差を補正することができ、対物レンズ21から照射するDVD用光ビームLdをDVD方式ディスク100dの信号記録面に合焦させることができる。
このように対物レンズユニット9は、回折素子20の上層部20AによりCD用光ビームLcのみを回折させて収差を補正し、また回折素子20の下層部20BによりDVD用光ビームLdのみを回折させて収差を補正することにより、BD用光ビームLbに最適化された対物レンズ21から照射するCD用光ビームLc、DVD用光ビームLd及びBD用光ビームLbを、CD方式ディスク100c、DVD方式ディスク100d、及びBD方式ディスク100bの信号記録面にそれぞれ合焦させ得るようになされている。
(1−4)回折素子の構成
回折素子20は、図5(A)に示すように、全体的に扁平な円盤状に形成されたベース層20Cを中心に構成されており、上述したように上層部20AにCD用回折格子DGcが形成され、また下層部20BにDVD用回折格子DGdが形成されている。
ベース層20Cは、所定の屈折率を有する透明な樹脂材料でなり、屈折率の異なる他の物質や空気との境界面において、光ビームを屈折させるようになされている。
上層部20Aは、図5(B)に部分拡大断面図を示すように、ベース層20Cの上面に階段状でなるCD用回折パターンPTcが周期的に形成されており、その上側に透明な樹脂材料でなるカバー層20Dが接合されている。
CD用回折パターンPTcは、3段の階段状に形成されており、全体の高さ、すなわち1段目と3段目との距離は12[μm]とされ、またCD用回折パターンPTcごとの周期は最短18[μm]とされている。またCD用回折パターンPTcは、図3に示したように、回折素子20の上面における、中心から外径の半分程度までの範囲に同心円状に形成されている。
カバー層20Dは、ベース層20Cと異なる屈折率を有する透明な材料によって構成されており、その下面がCD用回折パターンPTcと隙間無く接合するように形成されると共に、その上面が平面状に形成されている。因みに、カバー層20Dの厚さ、すなわちカバー層20Dの上面からCD用回折パターンPTcの最上段までの間隔が、約20[μm]となるようになされている。
このように回折素子20の上層部20Aは、ベース層20Cの上面に階段状でなるCD用回折パターンPTcが周期的に形成され、その上側に当該ベース層20Cと異なる屈折率を有するカバー層20Dが接合されており、これにより光ビームをその波長に応じて回折又は透過させ、結果的にCD用光ビームLcのみを回折させるCD用回折格子DGcとして機能するようになされている。
一方、下層部20Bは、図5(C)に部分拡大断面図を示すように、平面状に形成されたベース層20Cの下面に、DVD用回折格子DGdが形成された回折パターン層20Eが接合されている。
回折パターン層20Eは、透明な樹脂材料でなると共にベース層20Cとほぼ同等の屈折率を有しており、階段状でなるDVD用回折パターンPTdが下面側に周期的に形成されている。なお回折パターン層20Eの下面は、他の物質に覆われていないため、直接空気に触れるようになされている。
DVD用回折パターンPTdは、5段の階段状に形成されており、全体の高さ、すなわち1段目と5段目との距離は6[μm]となされ、またDVD用回折パターンPTdごとの周期は170[μm]となされている。またDVD用回折パターンPTdは、図3に示したように、回折素子20の下面における、中心から外径の2/3程度までの範囲に同心円状に形成されている。
このように回折素子20の下層部20Bは、ベース層20Cの下面に接合された回折パターン層20Eに階段状でなるDVD用回折パターンPTdが周期的に形成されており、これにより光ビームをその波長に応じて回折又は透過させ、結果的にDVD用光ビームLdのみを回折させるDVD用回折格子DGdとして機能するようになされている。
(2)回折素子の屈折率の測定
ところで、上述した回折素子20のカバー層20Dにおける屈折率を測定する場合、上述したように厚さが約20[μm]と薄く、且つ一般に塗布面が平滑ではないため、上述した第2の屈折率測定手法(分光エリプソメトリーを利用する手法)を用いることができず、また温度変化時における屈折率の変化を測定する場合のように非破壊による複数回の測定を行うことを考慮すると、上述した第1の屈折率測定手法(アッベの屈折率計を用いる手法)を用いることもできない。
そこで本発明では、図6に示すような屈折率測定装置30を用いることにより、カバー層20Dのように薄い測定対象物の屈折率を非破壊により測定するようになされている。
(2−1)屈折率測定装置の構成
屈折率測定装置30は、大きく分けて、演算処理や制御処理を行う測定制御装置31と、当該測定制御装置31の制御に基づき測定対象物の光量を検出する光量測定部32とによって構成されている。
測定制御装置31は、図示しないCPU(Central Processing Unit)構成でなる制御部41によって統括制御されている。制御部41は、バス42を介して接続された記憶部43から基本プログラムや屈折率測定プログラム等の各種プログラムを読み出して実行することにより、屈折率の測定処理を行うようになされている。
また測定制御装置31は、通信インタフェース44を介して光量測定部32の各機器を制御すると共に、当該回折効率測定部32の各機器から送出される測定データを通信インタフェース44経由で取得し記憶部43に記憶させるようになされている。
光量測定部32は、測定制御装置31の制御に基づき、当該測定制御装置31により指示された波長rの光ビームLMを分光器51から出射し、レンズ52へ入射させる。
レンズ52は、入射された光ビームLMを集光し、当該光ビームLMの焦点位置近傍に所定形状の孔部が設けられたアイリス53により当該光ビームLMの中心部分のみを通過させ、当該光ビームLMを発散光としてコリメータレンズ54へ入射させる。
コリメータレンズ54は、発散光でなる光ビームLMを平行光に変換して測定対象物55を通過させた後、レンズ56へ入射させる。
レンズ56は、平行光でなり測定対象物55を通過した光ビームLMを集光し、当該光ビームLMの焦点位置近傍に所定形状の孔部が設けられたアイリス57により当該光ビームLMの中心部分のみを通過させて受光器58へ入射させる。
このとき、測定対象物55が回折格子を有する回折素子であれば、光ビームLMのうち当該測定対象物55により回折されなかった0次光でなる0次光ビームLM0のみがアイリス57の孔部を通過され、当該測定対象物55により回折された±1次光、±2次光等でなる光ビームは当該アイリス57により遮断されることになる。
受光器58は、CCD(Charge Coupled Device)でなる撮像素子を有しており、入射された光ビームLM(測定対象物55が回折素子であれば0次光ビームLM0)の光量を検出し、この光量に応じた受光信号SRを生成して測定制御装置31へ送出する。
このように光量測定部32は、測定制御装置31から指示された波長rの光ビームLMを分光器51から出射し、測定対象物55が回折素子であれば0次光ビームLM0の光量を受光器58により検出し、このときの光量を基に光量信号SRを生成して測定制御装置31へ送出するようになされている。
実際上、測定制御装置31は、ある波長rを選定した上で、光量測定部32において測定対象物55を設けなかったときの光ビームLMの光量を表す基準光量信号SRS(r)を予め測定しておき、次に光量測定部32において測定対象物55を設けたときの0次光ビームLM0の光量SR0(r)を測定し、当該光量SR0(r)を基準光量信号SRS(r)によって除算することにより、波長rにおける測定対象物55の0次回折効率y(r)を算出することができる。
(2−2)屈折率の測定
次に、屈折率測定装置30によって回折素子20(図5)のカバー層20Dにおける屈折率を測定する場合について説明する。便宜上、以下ではベース層20Cの上面に複数の回折パターンPTでなる回折格子DGが形成されると共に、当該ベース層20Cの下面に回折パターン層20Eが設けられない場合を例に説明する。
(2−2−1)事前準備及びベース層の作成
まず屈折率測定装置30(図6)は、事前準備として、光量測定部32において測定対象物55が設けられていない状態における、波長r毎の光ビームLMの光量を検出することにより、波長r毎の基準となる光量を測定しておく。このときの光量は、光ビームLMを透過効率100[%]の光学素子に透過させたときの光量に相当するものである。
因みに光量測定部32では、分光器51の特性上、波長rによって光ビームLMの出射光量が変化してしまう。このため屈折率測定装置30は、上述したように波長r毎に光量を測定するようになされている。
このとき屈折率測定装置30は、分光器51から出射させる光ビームLMにおける波長rの変動範囲RAを350[nm]〜800[nm]としており、当該変動範囲RA内で波長rを5[nm]単位で変化させるようになされている。ここで波長rの変動範囲RAは、光ディスク装置1の光ピックアップ7(図2)においてBD用光ビームLb、DVD用光ビームLd及びCD用光ビームLcの波長である約405[nm]、約650[nm]及び約780[nm]を含むようになされている。
実際上、屈折率測定装置30は、測定対象物55を設けずに、分光器51から出射する波長rを順次変化させ、このときの光ビームLMの光量を受光器58によってそれぞれ検出することにより、波長r毎の基準光量信号SRS(r)それぞれ測定させ、当該基準光量信号SRS(r)を記憶部43に記憶させておく。
一方、回折素子20を製造する回折素子製造装置60は、図7(A)に示すように、予め複数の回折パターンPTでなる回折格子DGを形成し得るように構成された金型61に対して、第1試料としての所定の透明な樹脂材料(例えばポリオレフィン系樹脂)を充填し射出成型することにより、図7(B)に示すようなベース層20Cを製造する。因みにベース層20Cの材料は、波長r毎の屈折率n(r)が予め知られている。
(2−2−2)第1段階
次に屈折率測定装置30は、第1段階として、回折素子製造装置50により製造されたベース層20Cが測定対象物55として設置された状態で、波長rを順次変化させたときの光ビームLMの光量、すなわち0次光ビームの光量信号SR0(r)をそれぞれ測定する。
このとき屈折率測定装置30は、測定制御装置31の制御部41において、次式に従い各光量信号SR0(r)を同一波長rの基準光量信号SRS(r)によって除算することにより、ベース層20Cの実測による0次回折効率である実測回折効率ys(r)を算出する。因みに、以下では第1段階における実測回折効率ys(r)を第1実測回折効率ys1(r)と呼ぶ。
Figure 2007292509
ここで第1実測回折効率ys1(r)は、図8に実線で示すように、波長に対する0次回折効率のグラフとして表すことができる。
ところで、ベース層20Cを構成する材料の波長rにおける屈折率n1(r)、当該ベース層20Cにおける回折格子DGの境界面に接する溶媒の屈折率n2(r)、回折パターンPTにおける格子形状d(x)及び周期pが定まると、次式を用いることにより、ベース層20Cの理論的な0次回折効率である理論回折効率yt(r)を算出することができる。因みに、以下では第1段階における理論回折効率yt(r)を第1理論回折効率yt1(r)と呼ぶ。
Figure 2007292509
ここで変数xは、図7(B)に示したように、ベース層20Cの回折パターンPTを横切る方向に設定されたx軸と対応するものであり、(3)式における分子の積分は、この変数xに関して行われるものとなっている。
またベース層20Cの上面は、回折格子DGを形成しているため、このx軸に沿って高さが周期的に変動することになる。これに応じて(2)式では、図示しない基準高さに対する相対的な高さを変数xの関数である格子形状d(x)として表している。
因みにベース層20Cでは、製造上の理由等により、各回折パターンPTにおける階段全体の高さ、各段の高さの比率、及び上面とほぼ垂直な部分が当該上面となす角度等が、本来の設計値から変動している可能性があり、このような変動の様子が格子形状d(x)として数値化されて表されることになる。
またこの第1段階では、ベース層20Cが空気中に設置されているため、屈折率n2(r)は波長rによらず常に値「1」となる。
実際上、屈折率測定装置30の制御部41は、(3)式に暫定的な格子形状d(x)として回折格子DGの設計上の値を代入し、各回折パターンPTの周期pを代入し、さらに波長rを変動範囲RA内で順次変化させ当該波長rに応じた屈折率n(r)を代入することにより、第1理論回折効率yt1(r)を算出する。
この場合、第1理論回折効率yt1(r)は、第1実測回折効率ys1(r)と同様、図8に破線で示すように、波長rに対する0次回折効率のグラフとして表すことができる。
ところで、(3)式において屈折率n1(r)、n2(r)及び周期pが既に確定しているものとすると、制御部41は、格子形状d(x)を変化させることにより、第1理論回折効率yt1(r)の波形を変化させることができる。
ここで、第1理論回折効率yt1(r)の算出に用いる格子形状d(x)、周期p及び屈折率n1(r)の精度が高ければ、図8において第1実測回折効率ys1(r)の波形(実線)と第1理論回折効率yt1(r)の波形(破線)との一致する度合いが高まることになる。
これを換言すれば、図8において第1実測回折効率ys1(r)の波形(実線)と第1理論回折効率yt1(r)の波形(破線)との一致する度合いが高い場合、当該第1理論回折効率yt1(r)の算出に用いた格子形状d(x)が回折素子20の回折格子DGにおける実際の格子形状に極めて近い値となっている、すなわち格子形状d(x)の精度が高いことになる。
そこで制御部41は、(3)式において格子形状d(x)を様々に変化させた場合の第1理論回折効率yt1(r)を算出し、当該第1理論回折効率yt1(r)の波形が第1実測回折効率ys1(r)の波形と最も良く一致するような格子形状d(x)を探索して、このときの格子形状d(x)を実測格子形状ds(x)とする。
因みに屈折率測定装置30の制御部41は、第1実測回折効率ys1(r)においてピークとなる波長rをいくつか選定し、当該選定した波長r毎に第1理論回折効率yt1(r)と第1実測回折効率ys1(r)との差分値を算出し、これらを加算した累積差分値の小ささによって、当該第1理論回折効率yt1(r)の波形と第1実測回折効率ys1(r)の波形との一致度合いの高さを判断するようになされている。
また、第1理論回折効率yt1(r)の波形が第1実測回折効率ys1(r)の波形と最も良く一致するような格子形状d(x)を探索する作業は、制御部41に代えて作業者が行うようにしても良い。
この場合、制御部41は、図8に示したグラフを図示しない表示部に表示し、作業者に格子形状d(x)が指示されると当該格子形状d(x)を用いて第1理論回折効率yt1(r)を算出し、表示中のグラフを更新するようになされている。
このように屈折率測定装置30の制御部41は、第1段階において、ベース層20Cの第1実測回折効率ys1(r)を測定し、当該第1実測回折効率ys1(r)と波形が最も良く一致するような第1理論回折効率yt1(r)を形成する格子形状d(x)を実測格子形状ds(x)とすることにより、当該実測格子形状ds(x)を高精度に同定するようになされている。
これを換言すれば、屈折率測定装置30の制御部41は、第1段階において、ベース層20Cにおける0次回折効率の測定結果から回折格子DGの格子形状d(x)を算出することになる。
(2−2−3)カバー層の接合
第1段階における実測格子形状ds(x)の同定が終了した後、回折素子製造装置60は、ベース層20Cの上面にカバー層20Dを接合させるようになされている。
実際上、回折素子製造装置60は、まず図9(A)に示すように、台62の上にベース層20Cを置載し、その周囲に所定高さを有する支柱63A及び63Bを設け、ベース層20Cの上面側に、第2試料としての硬化前の紫外線硬化樹脂でなるカバー材料RDを滴下する。
次に回折素子製造装置60は、平板状でなり離形剤が塗布されたガラス板64を上側から支柱63A及び63Bの上面に当接させた状態で、紫外線を上側から所定時間照射することにより(いわゆるUV(Ultra Violet ray)レプリカ法)、カバー材料RDを硬化させてカバー層20Dとする。
ここで支柱63A及び63Bは、ベース層20Cの下面から回折パターンの最上面までの高さ(すなわちベース層20Cの全高)よりも約10〜20[μm]高くなるようになされており、成型されるカバー層20Dの厚みを約10〜20[μm]とするようになされている。
その後回折素子製造装置60は、ガラス板64、支柱63A及び63Bを取り除くことにより、ベース層20Cにカバー層20Dが接合された回折素子20CDの作成を完了する。
このように回折素子製造装置60は、ベース層20Cの上面にカバー材料RDを滴下し、ガラス板63を当接させた状態で当該カバー材料RDを硬化させることにより、厚みが約10〜20[μm]でなるカバー層20Dが当該ベース層20Cの回折格子DGと接合された回折素子20CDを作成するようになされている。
(2−2−4)第2段階
次に屈折率測定装置30は、第2段階として、回折素子製造装置60により製造された回折素子20CDが測定対象物55として設置された状態で、波長rを順次変化させたときの光ビームLMの光量、すなわち0次光ビームの光量信号SR0(r)をそれぞれ測定する。
このとき屈折率測定装置30は、第1段階と同様、測定制御装置31の制御部41において、(2)式に従い、各光量信号SR0(r)を同一波長rの基準光量信号SRS(r)によって除算することにより、第2段階における回折素子20CDの実測による0次回折効率である第2実測回折効率ys2(r)を算出する。
ここで第2実測回折効率ys2(r)は、図8と対応する図10に実線で示すように、第1実測回折効率ys1(r)と同様、波長に対する0次回折効率のグラフとして表すことができる。
ところで、この第2段階において(3)式を用いた理論的な0次回折効率を算出する場合、ベース層20Cにカバー層20Dが接合された回折素子20CDを測定対象物55としているため、屈折率n2(r)が定数「1」ではなくカバー材料RDの屈折率となる。
一方、この(3)式においては、第1段階と同様にベース層20Cの屈折率n1(r)及び周期pが既に確定されており、さらに上述した第1段階において当該ベース層20Cに形成された回折格子DGの格子形状d(x)が実測格子形状ds(x)として高精度に同定されている。
すなわち屈折率測定装置30の制御部41は、この(3)式を用いる場合、屈折率n1(r)、周期p及び格子形状d(x)としての実測格子形状ds(x)を代入することに加え、カバー材料RDの屈折率n2(r)を代入することにより、第2段階における回折素子20CDの理論的な0次回折効率である第2理論回折効率yt2(r)を算出できることになる。
この場合、第2理論回折効率yt2(r)は、第1理論回折効率yt1(r)と同様、図10に破線で示すように、波長rに対する0次回折効率のグラフとして表すことができる。
ここで、図10において第2実測回折効率ys2(r)の波形(実線)と第2理論回折効率yt2(r)の波形(破線)との一致する度合いが高い場合、当該第2理論回折効率yt2(r)の算出に用いたカバー材料RDの屈折率n2(r)の精度が高いことになる。
そこで制御部41は、(3)式においてカバー材料RDの屈折率n2(r)を様々に変化させた場合の第2理論回折効率yt2(r)を算出し、当該第2理論回折効率yt2(r)の波形が第2実測回折効率ys2(r)の波形と最も良く一致するような屈折率n2(r)を波長r毎に探索して、このような屈折率n2(r)をカバー材料RDの実測屈折率n2s(r)とする。
このように屈折率測定装置30の制御部41は、第2段階において、回折素子20CDの第2実測回折効率ys2(r)を測定し、当該第2実測回折効率ys2(r)と波形が最も良く一致するような第2理論回折効率yt2(r)を形成する屈折率n2(r)をカバー材料RDの実測屈折率n2s(r)とすることにより、当該カバー材料RDの実測屈折率n2s(r)を高精度に同定するようになされている。
これを換言すれば、屈折率測定装置30の制御部41は、第2段階において、回折素子20CDにおける0次回折効率の測定結果と、第1段階において算出した回折パターンPTの格子形状d(x)とから、カバー材料RDの実測屈折率n2s(r)を算出することになる。
因みに屈折率測定装置30は、受光器58において光ビームLMの光量を検出する際、当該光ビームLMにより撮像素子上に形成される円形の結像面全体の光量を検出する以外に、当該結像をその中心から同心円状に形成される複数の領域に分割し、当該領域毎に光量を検出し得るようにもなされている。特に受光器58における撮像素子の分解能が高い場合、例えば回折パターンPT毎の光量を検出することもできる。
このため屈折率測定装置30は、上述した第1段階における回折格子DGの実測格子形状ds(x)の同定及び第2段階におけるカバー材料RDの実測屈折率n2s(r)の同定を、受光器58における光ビームLMの検出領域毎に行うようにしても良い。
これにより屈折率測定装置30は、例えば同心円状に形成されている回折パターンPT毎に、格子形状d(x)を高精度に同定し、当該回折パターンPT毎にカバー層20Dにおける実測屈折率n2s(r)を同定することができる。
このように屈折率測定装置30は、回折素子の回折効率を測定するための光量測定部32を用いて、回折格子が形成されたベース層20Cにカバー層20Dを設ける前後における0次回折効率を測定し、その測定結果を用いた演算処理を行うことにより、当該カバー層20Dの屈折率n2(r)を測定するようになされている。
(2−3)屈折率測定処理手順
次に、屈折率測定装置30における屈折率の測定手順をまとめて、フローチャートとして図11に示す。すなわち屈折率測定装置30は、屈折率測定処理RT1を開始すると、ステップSP1へ移り、事前準備として、測定対象物55を設けずに波長r毎の光量を測定して基準光量信号SRS(r)とし、次のステップSP2へ移る。
ステップSP2において屈折率測定装置30は、第1段階として、ベース層20Cを測定対象物55として波長r毎に0次光ビームLM0の回折効率を測定することにより光量信号SR0(r)を取得し、次のステップSP3へ移る。
ステップSP3において屈折率測定装置30は、(2)式に従い光量信号SR0(r)を基準光量信号SRS(r)で除算することにより第1実測回折効率ys1(r)を算出し、次のステップSP4へ移る。
ステップSP4において屈折率測定装置30は、格子形状d(x)を変化させながら(3)式に従ってそれぞれの第1理論回折効率yt1(r)を算出し、次のステップSP5へ移る。
ステップSP5において屈折率測定装置30は、第1理論回折効率yt1(r)と第1実測回折効率ys1(r)との一致度合いが最も高くなる格子形状d(x)を実測格子形状ds(x)として同定し、次のステップSP6へ移る。
ステップSP6において屈折率測定装置30は、第2段階として、ベース層20Cにカバー層20Dが接合された回折素子20CDを測定対象物55とし、波長r毎に0次光ビームLM0の回折効率を測定することにより光量信号SR0(r)を取得し、次のステップSP7へ移る。
ステップSP7において屈折率測定装置30は、(2)式に従い光量信号SR0(r)を基準光量信号SRS(r)で除算することにより第2実測回折効率ys2(r)を算出し、次のステップSP8へ移る。
ステップSP8において屈折率測定装置30は、実測格子形状ds(x)を用いて、屈折率n2(r)を変化させながら(3)式に従ってそれぞれの第2理論回折効率yt2(r)を算出し、次のステップSP9へ移る。
ステップSP9において屈折率測定装置30は、第2理論回折効率yt2(r)と第2実測回折効率ys2(r)との一致度合いが最も高くなる屈折率n2(r)をカバー層20Dの実測屈折率n2s(r)として同定し、次のステップSP10へ移って屈折率測定処理RT1を終了する。
(3)動作及び効果
以上の構成において、屈折率測定装置30は、第1段階として、ベース層20Cのみを測定対象物55とし、当該ベース層20Cの第1実測回折効率ys1(r)を測定する。続いて屈折率測定装置30は、(3)式において格子形状d(x)を変化させながら第1理論回折効率yt1(r)を算出し、当該第1理論回折効率yt1(r)の波形が第1実測回折効率ys1(r)と最も良く一致する格子形状d(x)を実測格子形状ds(x)として同定する(図8)。
次に屈折率測定装置30は、第2段階として、ベース層20Cにカバー層20Dが接合された回折素子20CDを測定対象物55とし、当該回折素子20CDの第2実測回折効率ys2(r)を測定する。続いて屈折率測定装置30は、実測格子形状ds(x)を用い、(3)式において屈折率n2(r)を変化させながら第2理論回折効率yt2(r)を算出し、当該第2理論回折効率yt2(r)の波形が第2実測回折効率ys2(r)と最も良く一致する屈折率n2(r)を実測屈折率n2s(r)として同定する(図10)。
従って屈折率測定装置30は、実測格子形状ds(x)を高精度に同定してから実測屈折率n2s(r)を同定するため、極めて薄く形成されるカバー層20Dの屈折率を高精度に測定することができる。
これにより屈折率測定装置30は、例えばカバー層20Dの材料であるカバー材料RDの一般的な屈折率n2(r)が既に知られていたとしても、当該カバー層20Dのように極めて薄く形成された場合における実際の屈折率n2(r)や、当該カバー層20Dの製造過程における紫外線の照射時間を変化させたときの実際の屈折率n2(r)等を、高精度な実測屈折率n2s(r)として得ることができ、このとき所望の波長rを特定することもできる。
このとき屈折率測定装置30は、製造上の理由等により、仮にベース層20Cに形成される回折格子DGの精度が低く格子形状d(x)が設計値と異なる可能性があったとしても、当該格子形状d(x)を実測格子形状ds(x)として高精度に同定してから実測格子形状ds(x)を同定するため、実測屈折率n2s(r)の精度を低下させずに済む。
また屈折率測定装置30は、実際の測定作業として、ベース層20Cを測定対象物55としたときの0次回折効率y(r)と回折素子20CDを測定対象物55としたときの0次回折効率y(r)とを波長r毎に測定すれば良いため、屈折率液体を充填することによりカバー層20Dを破壊することがなく、非破壊によって実測屈折率n2s(r)を得ることができる。
このため屈折率測定装置30は、同一の試料(カバー層20D)を用いて実測屈折率n2s(r)を複数回測定することができる。例えば屈折率測定装置30は、カバー層20Dにおける温度を変化させた場合における実測屈折率n2s(r)の変化の様子を、同様に作成された異なる試料を破壊しながら測定していく場合と比較して、試料毎の個体差によるばらつきを生じることなく、高精度に測定することができる。
また屈折率測定装置30は、非破壊によって実測屈折率n2s(r)を測定するため、回折素子20の製造過程において、当該回折素子20の製品検査として当該実測屈折率n2s(r)を測定することもできる。
以上の構成によれば、屈折率測定装置30は、第1段階としてベース層20Cの第1実測回折効率ys1(r)を測定し、第1理論回折効率yt1(r)の波形が当該第1実測回折効率ys1(r)と最も良く一致するときの格子形状d(x)を実測格子形状ds(x)として同定した後、第2段階としてベース層20Cにカバー層20Dが接合された回折素子20CDの第2実測回折効率ys2(r)を測定し、実測格子形状ds(x)を用いて算出した第2理論回折効率yt2(r)の波形が第2実測回折効率ys2(r)と最も良く一致するときの屈折率n2(r)を実測屈折率n2s(r)として同定することにより、極めて薄く形成されるカバー層20Dの屈折率を非破壊によって高精度に測定することができる。
(4)他の実施の形態
なお上述した実施の形態においては、第1段階においてベース層20Cを空気中に設置して第1実測回折効率ys1(r)を測定すると共に第1理論回折効率yt1(r)を算出するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば波長r毎の屈折率が既知でありベース層20Cを破壊しないような溶媒を用いて、当該ベース層20Cを当該溶媒中に浸したときの0次回折効率を第1実測回折効率ys1(r)として測定するようにしても良い。
この場合、第1理論回折効率yt1(r)を算出する際には、(3)式における屈折率n2(r)を定数「1」とする代わりに溶媒の屈折率を用いればよい。
また上述した実施の形態においては、図5(B)に示したようにベース層20Cに形成される回折パターンPTが全3段の階段状でなる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、当該回折パターンPTが全2段や全5段等の様々な段数、或いは鋸波状等の他の形状であっても良く、要は関数である格子形状d(x)によってその形状が数値的に表されれば良い。
さらに上述した実施の形態においては、第1段階において、第1理論回折効率yt1(r)の波形と第1実測回折効率ys1(r)の波形との一致度合いの高さを判断する際、当該第1実測回折効率ys1(r)においてピークとなる波長rをいくつか選定し、当該選定した波長r毎の第1理論回折効率yt1(r)と当該第1実測回折効率ys1(r)との差分値を加算した累積差分値を用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば変動範囲RA内の全ての波長rについて、第1理論回折効率yt1(r)と当該第1実測回折効率ys1(r)との差分値を加算した累積差分値を用いるようにしたり、或いは累積差分値ではなく差分値を二乗した値の加算値を用いる等しても良い。第2段階についても同様である。
さらに上述した実施の形態においては、カバー層20Dのカバー材料RDが紫外線硬化樹脂でなるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、当該カバー材料RDが熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂、或いはガラスなど、光を透過する種々の材料でなるようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、ベース層20Cがポリオレフィン系樹脂でなり回折素子製造装置60において射出成型されることにより製造されるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、当該ベース層20Cが他の種々の透明な材料でなり、また他の種々の製造手法によって製造されるようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、厚さが約10〜20[μm]程度でなるカバー層20Dの屈折率を測定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば500[nm]〜10[mm]程度等、様々な厚さでなるカバー層20Dの屈折率を測定するようにしても良い。この場合、カバー層20Dがベース層20Cの回折パターンPTと隙間無く接合し、その反対面が光散乱の影響が無視できる程度に平坦に形成されていれば良い。
さらに上述した実施の形態においては、光ピックアップ7(図2)の回折素子20におけるカバー層20Dの屈折率を測定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、屈折率が既知である透明な材料によって構成された回折素子の回折格子を覆う種々の材料における屈折率を測定するようにしても良い。
本発明は、様々な光学機器において用いられる回折素子の回折格子を他の材料で覆う場合に、回折素子の屈折率が既知であり当該他の材料の屈折率を測定するときに利用できる。
光ディスク装置の全体構成を示すブロック図である。 光ピックアップの構成を示す略線図である。 対物レンズユニットの構成を示す略線的斜視図である。 対物レンズユニット内の光路を示す略線図である。 回折素子の構成を示す略線図である。 屈折率測定装置の構成を示す略線図である。 ベース層の作成の様子を示す略線図である。 波長と0次回折効率との関係(1)を示す略線図である。 カバー層の作成の様子を示す略線図である。 波長と0次回折効率との関係(2)を示す略線図である。 屈折率測定処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1……光ディスク装置、7……光ピックアップ、9……対物レンズユニット、19……鏡筒部、20……回折素子、20A……上層部、20B……下層部、20C……ベース層、20D……カバー層、20E……回折パターン層、21……対物レンズ、30……屈折率測定装置、31……測定制御装置、32……光量測定部、41……制御部、43……記憶部、51……分光器、55……測定対象物、58……受光器、60……回折素子製造装置、64……ガラス板、r……波長、d(x)……格子形状、ys1(r)……第1実測回折効率、yt1(r)……第1理論回折効率、ys2(r)……第2実測回折効率、yt2(r)……第2理論回折効率。

Claims (7)

  1. 屈折率が既知である測定用媒質中に屈折率が既知であり一面に回折格子が設けられた第1試料を設置し、当該第1試料の当該一面において所定波長の光ビームを回折させたときの0次回折効率である第1実測回折効率を測定する第1回折効率測定ステップと、
    上記第1試料における理論的な0次回折効率である第1理論回折効率と上記第1実測回折効率とを基に上記回折格子の格子形状を同定する格子形状同定ステップと、
    上記一面が第2試料により覆われた上記第1試料によって上記光ビームを回折させたときの0次回折効率である第2実測回折効率を測定する第2実測回折効率測定ステップと、
    上記第2試料により覆われた上記第1試料における理論的な回折効率であり上記同定した格子形状を用いて算出された第2理論回折効率と上記第2実測回折効率とを基に、上記第2試料の屈折率を同定する屈折率同定ステップと
    を具えることを特徴とする屈折率測定方法。
  2. 上記格子形状同定ステップは、
    上記第1試料の屈折率、上記測定用媒質の屈折率及び上記回折格子における回折パターンの周期と、当該回折格子の暫定的な格子形状とを基に上記第1理論回折効率を算出し、当該第1理論回折効率と上記第1実測回折効率とが一致する度合いを高めるような当該格子形状を探索することにより当該格子形状を同定し、
    上記屈折率同定ステップは、
    上記第1試料の屈折率、上記測定用媒質の屈折率、上記回折格子における回折パターンの周期及び上記同定された格子形状と、上記第2試料の暫定的な屈折率とを基に上記第2理論回折効率を算出し、当該第2理論回折効率と上記第2実測回折効率とが一致する度合いを高めるような上記第2試料の屈折率を探索することにより当該第2試料の屈折率を同定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の屈折率測定方法。
  3. 上記格子形状同定ステップは、
    波長rにおける上記第1試料の屈折率n1(r)、上記測定用媒質の屈折率n2(r)及び上記回折パターンの周期pと、位置xの関数でなる格子形状d(x)とを用いた次式
    Figure 2007292509
    に従い上記第1理論回折効率yt1(r)を算出し、
    上記屈折率同定ステップは、
    上記(1)式における上記屈折率n2(r)を上記第2試料の屈折率として上記第2理論解析効率yt2(r)を算出する
    ことを特徴とする請求項2に記載の屈折率測定方法。
  4. 上記第1回折効率測定ステップは、
    予め選定された複数の波長について上記第1実測回折効率を測定し、
    上記格子形状同定ステップは、
    上記複数の波長における上記第1理論回折効率と上記第1実測回折効率とを基に上記格子形状を同定し、
    第2実測回折効率測定ステップは、
    上記複数の波長について上記第2実測回折効率を測定し、
    上記屈折率同定ステップは、
    上記複数の波長における上記第2理論回折効率と上記第2実測回折効率とを基に上記第2試料の屈折率を同定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の屈折率測定方法。
  5. 上記測定用媒質は、空気でなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の屈折率測定方法。
  6. 上記第2試料は、
    上記第1試料の上記一面を約10〜20[μm]の厚さとなるよう覆う
    ことを特徴とする請求項1に記載の屈折率測定方法。
  7. 屈折率が既知である測定用媒質中に屈折率が既知であり一面に回折格子が設けられた第1試料を設置し、当該第1試料の当該一面において所定波長の光ビームを回折させたときの0次回折効率である第1実測回折効率を測定する第1回折効率測定手段と、
    上記第1試料における理論的な0次回折効率である第1理論回折効率と上記第1実測回折効率とを基に上記回折格子の格子形状を同定する格子形状同定手段と、
    上記一面が第2試料により覆われた上記第1試料によって上記光ビームを回折させたときの0次回折効率である第2実測回折効率を測定する第2実測回折効率測定手段と、
    上記第2試料により覆われた上記第1試料における理論的な回折効率であり上記同定した格子形状を用いて算出された第2理論回折効率と上記第2実測回折効率とを基に、上記第2試料の屈折率を同定する屈折率同定手段と
    を具えることを特徴とする屈折率測定装置。
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