JP2007292120A - デファレンシャルとドライブシャフトとの連結構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】デファレンシャル1のサイドギア10(11)とドライブシャフト2(3)とをルーズフィット状態でスプライン嵌合して連結した構造において、比較的簡単かつ安価となる構成で、前記スプライン嵌合部分における回転方向のガタを無くす。
【解決手段】サイドギア10(11)とドライブシャフト2(3)とのスプライン嵌合部分が、デフケース6内に配置されていて、スプライン嵌合部分にその外径側からボルト20が螺合装着されることでサイドギア10(11)とドライブシャフト2(3)とが一体的に連結されている。デファレンシャル1のデフキャリア12およびデフケース6に、ボルト20の着脱作業用の開口12c,6cが設けられている。
【選択図】図1
【解決手段】サイドギア10(11)とドライブシャフト2(3)とのスプライン嵌合部分が、デフケース6内に配置されていて、スプライン嵌合部分にその外径側からボルト20が螺合装着されることでサイドギア10(11)とドライブシャフト2(3)とが一体的に連結されている。デファレンシャル1のデフキャリア12およびデフケース6に、ボルト20の着脱作業用の開口12c,6cが設けられている。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば自動車等の車両に搭載されるデファレンシャルと車輪に連結されるドライブシャフトとの連結構造に関する。
一般的に、デファレンシャルのサイドギアとドライブシャフトとはスプライン嵌合により連結されるようになっている(例えば特許文献1参照。)。
サイドギアに設けられるメススプラインとドライブシャフトに設けられるオススプラインとをルーズフィット状態で嵌合させるようにしていれば、そのスプライン嵌合作業を簡単かつ素早く行えるものの、前記スプライン嵌合部分に回転方向の隙間が生ずることになる。
その場合、例えばエンジンからデファレンシャルに入力された回転動力をドライブシャフトに伝達する際に、サイドギアとドライブシャフトとの間で回転方向にガタが発生することになり、車両走行時に振動、騒音ならびに加速ショック等が発生する等、走行性能が低下することが懸念される。
これに対し、従来例として、例えば回転軸のオススプラインの歯を軸方向で二分割とし、この二分割にした一方のオススプライン歯と他方のオススプライン歯とを円周方向にオフセットすることにより、これら両オススプライン歯を筒軸のメススプラインの溝に対して円周方向に突っ張る状態、つまり円周方向にタイトフィットさせる状態で噛合させることで、スプライン嵌合部分における回転方向の隙間を無くすようにする技術が知られている(例えば特許文献2参照。)。
この従来例の回転軸を上記ドライブシャフトに、また、従来例の筒軸をデファレンシャルのサイドギアにそれぞれ置き換えれば、上記デファレンシャルのサイドギアとドライブシャフトとにおける回転方向のガタを無くすことが可能になると考えられる。
特開平7−54959号公報
特開2001−3947号公報
上記従来例では、前記二分割した一方のオススプライン歯と他方のオススプライン歯とにおける円周方向のオフセット量について、サイドギアとドライブシャフトとのスプライン嵌合部分における比較的微小な回転方向隙間を無くすのに必要な寸法とする必要があって、きわめて高精度な加工が要求され、製造コストが嵩むことが指摘される。
しかも、上記従来例では、筒軸(サイドギアに相当)のメススプラインに回転軸(ドライブシャフトに相当)のオススプラインを嵌合する際に、圧入とする必要があるために、作業効率が悪いことも指摘される。
本発明は、デファレンシャルのサイドギアにドライブシャフトをルーズフィット状態でスプライン嵌合して連結する構造において、比較的簡単かつ安価となる構成で、サイドギアとドライブシャフトとのスプライン嵌合部分における回転方向のガタを無くすことを目的としている。
本発明は、デファレンシャルに備える一対のサイドギアそれぞれにドライブシャフトをルーズフィット状態でスプライン嵌合して連結した構造であって、前記サイドギアとドライブシャフトとのスプライン嵌合部分が、デフケース内に配置されていて、当該スプライン嵌合部分にその外径側からおねじが螺合装着されることで前記サイドギアと前記ドライブシャフトとが一体的に連結されており、前記デファレンシャルのデフキャリアおよびデフケースに、前記おねじの着脱作業用の開口が設けられていることを特徴としている。
なお、ドライブシャフトは、アクスルシャフトと呼ばれるものであってもかまわない。というのは、ドライブシャフトもアクスルシャフトも、要するに、デファレンシャルに入力される回転動力を車輪に伝達するものであるからである。参考までに、当業者間では、ドライブシャフトは、その途中に継手が設けられるものであり、また、アクスルシャフトは、その途中に継手が設けられていないものである、と認識されている。さらに、おねじとは、頭部がいろいろな形状のボルトや、小ねじ等を含む総称である。
この構成によれば、デフキャリアおよびデフケースにおねじ着脱作業用の開口を設けているから、サイドギアやピニオンギア等を組み込んだデフケースをデフキャリア内に組み込むことによりデファレンシャルを仮組みしておいて、前記デフキャリアおよびデフケース内のサイドギアにドライブシャフトをルーズフィット状態でスプライン嵌合した後で、ドライブシャフトとサイドギアとをおねじで締結して連結する作業を行うことが可能になる。
このように、サイドギアにドライブシャフトをルーズフィット状態でスプライン嵌合させるようにしているから、サイドギアにドライブシャフトをスプライン嵌合する際に、従来例のように圧入とする場合に比べて、作業が簡単かつ迅速に行えるようになる等、組立コストを低減するうえで有利となる。もちろん、ドライブシャフトを取り外す際も、前記同様に簡単かつ迅速に行える。
しかも、このようなルーズフィット状態でのスプライン嵌合としている関係上、サイドギアとドライブシャフトとのスプライン嵌合部分に回転方向の隙間が生じるものの、おねじによってサイドギアとドライブシャフトとを一体的に結合しているから、それらの回転方向のガタを無くすことが可能になる。これにより、デファレンシャルを搭載する車両等の走行時に振動、騒音ならびに加速ショック等を低減することが可能になる等、走行性能の向上に貢献できる。
また、サイドギア側におねじ挿通孔を、またドライブシャフト側にねじ孔を形成する必要があるが、これらを形成するにあたって、従来例に比べて遥かに低精度な加工で事足りるので、各構成要素の製造コストを低く抑えるうえで有利となる。
この他、従来では、サイドギアからのドライブシャフトの軸方向ずれを防止するために、例えばスナップリング等を用いるようにしているが、上記おねじ締結構造であれば、前記スナップリングを使用せずに済む等、コスト低減を図るうえで有利となる。
これらの結果、デファレンシャルのサイドギアとドライブシャフトとの連結構造を高品質でかつ安価に提供することが可能になる。
好ましくは、前記サイドギアにおねじ挿通孔が、また、前記ドライブシャフトに前記おねじが螺合されるねじ孔がそれぞれ設けられ、前記サイドギアのおねじ挿通孔と前記ドライブシャフトのねじ孔とを位置合わせするための係合部および係止部が、前記サイドギアとドライブシャフトとに振り分けて設けられる。
この構成によれば、デファレンシャルを仮組みした後で、デフキャリアおよびデフケース内に位置するサイドギアにドライブシャフトをスプライン嵌合する際に、サイドギアのおねじ挿通孔とドライブシャフトのねじ孔とを簡単かつ確実に位置決めすることが可能になる。これにより、前記位置決めを素早くかつスムーズに行えるようになる等、係合部および係止部を設けない場合に比べて、作業効率が向上する。
好ましくは、前記デフケースに設けられる前記おねじ着脱作業用の開口は、ピニオンギアを避ける位置に設けられ、前記デフキャリアに設けられる前記おねじ着脱作業用の開口は、デフオイル排出用のドレンホールを兼用するものとされる。
この構成によれば、デフキャリアにおねじ着脱作業用の開口とドレンホールとを別々に設けなくて済むので、それらの設置に必要な加工の手間を省ける点で有利となる。
本発明によれば、比較的簡単かつ安価となる構成で、サイドギアとドライブシャフトとのスプライン嵌合部分における回転方向のガタを無くすことが可能となる。したがって、デファレンシャルを搭載する車両等の走行時に振動、騒音ならびに加速ショック等を低減することが可能になる等、走行性能の向上に貢献できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1から図8に本発明の一実施形態を示している。図中、1はデファレンシャル、2,3はドライブシャフトである。
この実施形態でのデファレンシャル1は、図示していないが後輪駆動タイプの自動車等の後輪側に配置されるもので、トランスミッションから出力される回転動力を、左右一対のドライブシャフト2,3を介して左右の後輪に伝達するものである。
そして、デファレンシャル1は、一般的に公知のツーピニオンタイプとされており、主として、入力軸5、デフケース6、リングギア7、二つ一対のピニオンギア8,9、二つ一対のサイドギア10,11、デフキャリア12等を含む構成である。
なお、ドライブシャフト2,3の内端側には、オススプライン2a,3aが設けられており、この内端側がサイドギア10,11の中空軸部10a,11a内にスプライン嵌合により連結されている。
入力軸5は、その外端にトランスミッションの出力軸となるプロペラシャフト(図示省略)等が連結され、また、その内端にドライブピニオン5aが一体的に設けられている。この入力軸5は、デフキャリア12内に転がり軸受13・・・を介して回転自在に支持されている。
デフケース6は、デフキャリア12の左右二つの貫通孔12a,12bにそれぞれ転がり軸受14・・・を介して相対回転可能に支持されている。
このデフケース6は、有底円筒形のケース本体6Aと、このケース本体6Aの開口に取り付けられる蓋状プレート6Bとを組み合わせて構成される。ケース本体6Aの底部には、ボス部6aが、また、蓋状プレート6Bの中央には、ボス部6bがそれぞれ設けられており、これら各ボス部6a,6bの外周面と、デフキャリア12の貫通孔12a,12bの内周面との間に転がり軸受14・・・が介装されている。
リングギア7は、デフケース6の蓋状プレート6Bの外周部分におねじ等により一体に固定されており、入力軸5のドライブピニオン5aに噛合されている。
一対のピニオンギア8,9は、デフケース6の内側にピニオンシャフト15を介して回転自在に支持されている。ピニオンシャフト15は、デフケース6のケース本体6Aにおける周壁部分に径方向に沿うように取り付けられている。
一対のサイドギア10,11は、中空軸部10a,11aの外周の軸方向中間にかさ歯車を設けた構成である。この一対のサイドギア10,11は、そのかさ歯車がデフケース6の内側に配置されて一対のピニオンギア8,9に噛合するように中空軸部10a,11aがデフケース6のボス部6a,6bの内径側に微小隙間を介して回転可能に挿入されている。一対のサイドギア10,11の中空軸部10a,11aの内周面には、メススプライン10b,11bが設けられており、この中空軸部10a,11a内に、一対のドライブシャフト2,3の内端部分がスプライン嵌合される。
このような構成のデファレンシャル1の動作については基本的に公知のとおりであるので、ここでは簡単に説明する。
まず、車両が直進している場合には、入力軸5に回転動力が入力されると、ドライブピニオン5aとリングギア7との噛合部分を通じてデフケース6が回転し、このデフケース6と一体的に一対のピニオンギア8,9が公転することにより、一対のサイドギア10,11および一対のドライブシャフト2,3が回転駆動されるので、左右の後輪が同一回転数で駆動される。
一方、車両のカーブ走行等によって、左右の後輪間に回転抵抗差が生じたときに、一対のピニオンギア8,9が自転することになって、両サイドギア10,11が差動回転することになるので、入力軸5から入力される回転動力が左右のドライブシャフト2,3を介して左右の後輪に差動分配されるようになる。
ここで、本発明の特徴を適用している部分について詳細に説明する。
要するに、一対のドライブシャフト2,3と一対のサイドギア10,11とを、おねじとしてのボルト20,20で締結することにより回転方向にガタなく連結するようにしている。
ボルト20,20は、例えばフランジ付六角ボルトとされており、一対のドライブシャフト2,3と一対のサイドギア10,11とのスプライン嵌合部分に取り付けられている。このスプライン嵌合部分は、デフケース6内に配置されている。
具体的に、図4に示すように、一対のドライブシャフト2,3のオススプライン2a,3aの存在領域における円周方向所定位置に、ボルト20,20が螺合されるねじ孔2b,3bが設けられており、また、一対のサイドギア10,11の中空軸部10a,11aの内端側における円周方向所定位置に、ボルト20,20のねじ軸部分が挿通されるボルト挿通孔10c,11cが設けられている。
なお、ボルト挿通孔10c,11cの内径寸法は、ボルト20,20のねじ軸部分の外径より大きく、かつ、ボルト20,20の六角頭部の外接円の外径より小さく設定されている。
このドライブシャフト2,3側のねじ孔2b,3bとサイドギア10,11側のボルト挿通孔10c,11cとを位置合わせするために、下記するような係合部および係止部が設けられている。
つまり、一対のドライブシャフト2,3のオススプライン2a,3aにおける単一の歯2a1,3a1の歯丈が、他の歯より大きくされ、また、一対のサイドギア10,11に設けてあるメススプライン10b,11bにおける単一の溝10b1,11b1の溝深さが、他の溝より深くされている。
この歯丈の大きい歯2a1,3a1と溝深さの深い溝10b1,11b1とが、互いに軸方向に嵌合するように設定されており、これらが、前記の係合部および係止部の一例とされる。
ちなみに、歯高さの大きいスプライン歯2a1,3a1が、請求項に記載の係止部に相当し、溝深さの深い溝10b1,11b1が、請求項に記載の係合部に相当する。
なお、歯丈の大きい歯2a1,3a1は、ドライブシャフト2,3のねじ孔2b,3bと180度対向する位置に配置されていて、それに対応して、溝深さの深い溝10b1,11b1もサイドギア10,11のボルト挿通孔10c,11cと180度対向する位置に配置されている。
そして、一対のドライブシャフト2,3と一対のサイドギア10,11の中空軸部10a,11aとのスプライン嵌合部分における径方向ならびに円周方向での嵌め合いは、ルーズフィット状態、つまり歯と溝とにおける径方向対向隙間ならびに円周方向対向隙間が正の隙間となる状態とされている。
また、ドライブシャフト2,3の所定位置には、ドライブシャフト2,3の係止部としての歯丈の大きい歯2a1,3a1と、サイドギア10,11の係合部としての溝深さの深い溝10b1,11b1とを位置合わせするときの目印となるアライメントマーク2d,3dが設けられている。このアライメントマーク2d,3dは、刻印や塗料等、なんでもよく、その形成精度も格別要求されるものではない。
このアライメントマーク2d,3dは、ねじ孔2b,3bとボルト挿通孔10c,11cの存在位置を示すように、同一位相位置に配置されている。つまり、アライメントマーク2d,3dは歯丈の大きい歯2a1,3a1と溝深さの深い溝10b1,11b1とに対し180度対向する位置に配置されているのである。
そして、デフキャリア12には、図2および図3に示すように、上述したボルト20の着脱作業を可能とするための開口12cが設けられている。この開口12cの設置場所ならびに大きさは、二本のボルト20,20を着脱する作業を行いやすくするように設定される。
この実施形態では、おねじ着脱作業用の開口12cについて、デフオイルを排出するためのドレンホールを兼用するように設定されている。そして、この開口12cの内面には、雌ねじが設けられており、この開口12cには、ドレンプラグのような閉じ蓋21が装着されるようになっている。
具体的に、開口12cの設置場所は、デフキャリア12の下側部分において二つのサイドギア10,11のボルト挿通孔10c,11cの位置に対応して設けられている。
また、開口12cの大きさは、図3に示すように、二つのサイドギア10,11のボルト挿通孔10c,11cにそれぞれボルト20,20を差し入れることを可能とし、かつ、このボルト20,20を例えばソケットレンチ等の工具30を用いてそれぞれドライブシャフト2,3のねじ孔2b,3bにねじ込む作業を可能とするように設定される。
なお、デフケース6にも、ボルト20,20の着脱作業を可能とするための開口が設けられるのであるが、この実施形態では、図3および図5に示すように、デフケース6のケース本体6Aにおける周壁部の円周所定領域に、軽量化等のために設けてある開口6cを、前記おねじ着脱作業用の開口として流用するようになっている。但し、デフケース6に前記のような開口6cがない場合、あるいはその設置場所がボルト20,20の着脱に対応しない位置に存在する場合には、新たにおねじ挿通用の開口を設ける必要がある。
参考までに、デフキャリア12の開口12cおよびデフケース6の開口6cの特に大きさについては、二つのボルト20,20を取り付けた状態において、両ボルト20,20の頭部それぞれの最も遠く離れた位置での離隔距離を直径とする円弧より、余裕をもって大きくするのが好ましい。
次に、上述したデファレンシャル1のサイドギア10,11に対してドライブシャフト2,3を組み付ける手順や、様子について、図6から図8を参照して説明する。
まず、図6に示すように、デフケース6に、リングギア7、ピニオンギア8,9、サイドギア10,11を組み付けつつ、これらをデフキャリア12内に組み込む。
このとき、デフケース6の開口6cをデフキャリア12の底壁部側に配置させるように位置合わせする。この位置合わせは、単にデフケース6をデフキャリア12に対して回転させるだけで行える。
この後、図7に示すように、デフキャリア12の左右の貫通孔12a,12bの内径側に存在するデフケース6の左右ボス部6a,6bから、一対のドライブシャフト2,3の内端部分を差し入れ、このドライブシャフト2,3の内端部分に設けてあるオススプライン2a,3aを、デフケース6内に組み付けてある一対のサイドギア10,11の中空軸部10a,11a内のメススプライン10b,11bにスプライン嵌合させる。
このとき、ドライブシャフト2,3を、そのアライメントマーク2d,3dがデフキャリア12の底壁部側、つまり真下に向くような姿勢にして、サイドギア10,11の中空軸部10a,11a内へ向けて挿入する。これにより、ドライブシャフト2,3のオススプライン2a,3aのうちの係止部とした歯丈の大きい歯2a1,3a1と、サイドギア10,11のメススプライン10b,11bのうちの係合部とした溝深さの深い溝10b1,11b1とを簡単かつ確実に位置合わせできるようになる。
しかも、スプライン嵌合を従来例のように圧入とせずに、ルーズフィット状態、つまりすきま嵌めとしているので、スプライン嵌合部分には、正の噛合隙間が生ずるように設定されている。そのため、一対のドライブシャフト2,3の組み込み作業が、従来例に比べて簡単かつ素早く行うことが可能になる。
この後、図8に示すように、例えばソケットレンチ等の工具30を用いて、ボルト20,20を、デフキャリア12の開口12cおよびデフケース6の開口6cを通してから、一対のサイドギア10,11のボルト挿通孔10c,11cの外径側から差し入れつつ、一対のドライブシャフト2,3のねじ孔2b,3bに螺合する。これにより、一対のドライブシャフト2,3が一対のサイドギア10,11に一体的つまり円周方向かつ軸方向に不動な状態で結合されることになる。
このとき、デフキャリア12の開口12cと、デフケース6の開口6cと、サイドギア10,11のボルト挿通孔10c,11cとを、一直線上に配置させることによって、ソケットレンチなどの工具30でボルト20,20の取り付け作業を簡単かつ素早く行うことが可能になる。
こうしてから、デフキャリア12の開口12cに閉じ蓋21を装着し、図示していないデフオイル注入用の孔からデフオイルを必要量充填する。
以上説明したように、本発明を適用した実施形態であれば、以下のような効果が得られる。
まず、サイドギア10,11にドライブシャフト2,3をルーズフィット状態でスプライン嵌合させるようにしているから、ドライブシャフト2,3の着脱時の押し込み荷重や抜き出し荷重が、従来例のように圧入とする場合に比べて、遥かに軽減できる。ちなみに、従来では、ドライブシャフトの着脱時にスライディングハンマー等を使用する必要があったが、本発明を適用した上記実施形態では、手作業で行えるようになる等、ドライブシャフト2,3の着脱作業が簡単かつ迅速に行えるようになる。
組み立て作業を簡単かつ素早く行えるようにしたうえで、組み立ての最終段階でサイドギア10,11とドライブシャフト2,3とのスプライン嵌合部分に対してボルト20,20を装着させるようにすることにより、それらの回転方向のガタを無くすようにできる。
しかも、このようにサイドギア10,11とドライブシャフト2,3とのスプライン嵌合部分をルーズフィット状態としている関係上、このスプライン嵌合部分に回転方向の隙間が生じるものの、ボルト20,20によってサイドギア10,11とドライブシャフト2,3とを一体的に連結しているから、それらの回転方向のガタを無くすことが可能になるのである。したがって、デファレンシャル1を搭載する車両等の走行時に振動、騒音ならびに加速ショック等を低減することが可能になる等、走行性能の向上に貢献できるようになる。
また、サイドギア10,11側に設けるボルト挿通孔10c,11cやドライブシャフト2,3側に設けるねじ孔2b,3bを形成するにあたっても、従来例のような高精度な加工が必要でないから、各構成要素の製造コストを低く抑えるうえで有利となる。
これらの結果、デファレンシャル1のサイドギア10,11とドライブシャフト2,3との連結構造を高品質でかつ安価に提供することが可能になるのである。
以下、本発明の他の実施形態を説明する。
(1)上記実施形態では、後輪駆動タイプの車両に搭載されるリア側のデファレンシャルを例に挙げているが、前輪駆動タイプの車両に搭載されるフロント側のデファレンシャルや、四輪駆動タイプの車両におけるフロント側のデファレンシャルおよびリア側のデファレンシャルにも、本発明を適用することが可能である。
(2)上記実施形態では、デファレンシャル1をツーピニオンタイプとした例を挙げているが、フォーピニオンタイプのデファレンシャルや、その他の形式のデファレンシャルであっても、本発明を適用することが可能である。
(3)上記実施形態において、ドライブシャフト2,3の係止部をそのオススプライン2a,3aのうちの歯丈の大きい歯2a1,3a1とし、サイドギア10,11の係合部をそのメススプライン10b,11bのうちの溝深さの深い溝10b1,11b1とした例を挙げているが、そのような形態の他に、適宜の凹凸等を利用することが可能である。
1 デファレンシャル
2,3 ドライブシャフト
2a,3a ドライブシャフトのオススプライン
2a1,3a1 オススプラインにおける位置決め用の歯(係止部)
2b,3b ドライブシャフトのねじ孔
5 入力軸
5a ドライブピニオン
6 デフケース
6a,6b デフケースのボス部
6c デフケースの開口
7 リングギア
8,9 ピニオンギア
10,11 サイドギア
10a,11a サイドギアの中空軸部
10b,11b サイドギアのメススプライン
10b1,11b1 メススプラインにおける位置決め用の溝(係合部)
10c,11c サイドギアのボルト挿通孔(おねじ挿通孔)
12 デフキャリア
12c デフキャリアの開口
20 ボルト(おねじ)
2,3 ドライブシャフト
2a,3a ドライブシャフトのオススプライン
2a1,3a1 オススプラインにおける位置決め用の歯(係止部)
2b,3b ドライブシャフトのねじ孔
5 入力軸
5a ドライブピニオン
6 デフケース
6a,6b デフケースのボス部
6c デフケースの開口
7 リングギア
8,9 ピニオンギア
10,11 サイドギア
10a,11a サイドギアの中空軸部
10b,11b サイドギアのメススプライン
10b1,11b1 メススプラインにおける位置決め用の溝(係合部)
10c,11c サイドギアのボルト挿通孔(おねじ挿通孔)
12 デフキャリア
12c デフキャリアの開口
20 ボルト(おねじ)
Claims (3)
- デファレンシャルに備える一対のサイドギアそれぞれにドライブシャフトをルーズフィット状態でスプライン嵌合して連結した構造であって、
前記サイドギアとドライブシャフトとのスプライン嵌合部分が、デフケース内に配置されていて、当該スプライン嵌合部分にその外径側からおねじが螺合装着されることで前記サイドギアと前記ドライブシャフトとが一体的に連結されており、
前記デファレンシャルのデフキャリアおよびデフケースに、前記おねじの着脱作業用の開口が設けられていることを特徴とするデファレンシャルとドライブシャフトとの連結構造。 - 請求項1において、前記サイドギアにおねじ挿通孔が、また、前記ドライブシャフトに前記おねじが螺合されるねじ孔がそれぞれ設けられ、
前記サイドギアのおねじ挿通孔と前記ドライブシャフトのねじ孔とを位置合わせするための係合部および係止部が、前記サイドギアとドライブシャフトとに振り分けて設けられることを特徴とするデファレンシャルとドライブシャフトとの連結構造。 - 請求項1または2において、前記デフケースに設けられる前記おねじ着脱作業用の開口は、ピニオンギアを避ける位置に設けられ、
前記デフキャリアに設けられる前記おねじ着脱作業用の開口は、デフオイル排出用のドレンホールを兼用するものとされることを特徴とするデファレンシャルとドライブシャフトとの連結構造。
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2006
- 2006-04-21 JP JP2006117891A patent/JP2007292120A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109253224A (zh) * | 2018-10-30 | 2019-01-22 | 汽解放汽车有限公司 | 一种驱动桥轻量化传动组件 |
CN109253224B (zh) * | 2018-10-30 | 2023-06-06 | 一汽解放汽车有限公司 | 一种驱动桥轻量化传动组件 |
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