JP2007291694A - 二重管掘削装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 この発明は、ロータリーテーブルで回転させてケーシングを連行させるダウンザホールドリルを有する二重管掘削装置に関する。
【解決手段】 二重管掘削装置は、アウタービットの下方の内周面と上方に外周面にそれぞれスプラインが形成されており、ロータリーテーブルで前記ケーシングが回転されると、該回転力はアウタービットに伝達され、該アウタービットはセンタービットとの接触面間に形成された一対のスプラインによってセンタービットを介してダウンザホールハンマーに回転力を伝達してなり、インナードリルストリングスを引き上げると前記ハンガー部材が、前記ケーシングに着脱可能に嵌挿したハンガーロッドに掛け止められてケーシングを吊り上げることができるようになっていることを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

この発明は、ロータリーテーブルで回転させてケーシングを連行させるダウンザホールドリルを有する二重管掘削装置に関する。
従来、掘削するに際し、掘削に伴う孔壁の崩壊を防止するために二重管掘削工法が適用されている。この二重管掘削工法は、内管先端に設けたリトラクトビットにより外管(ケーシング)を連行しながら、リトラクトビットにより保護ケーシングよりも大径の孔を掘削し、保護ケーシングにより孔壁崩壊を防止している。
一方で、ロータリーテーブルマシンは軽量小型であり、狭所での施工も容易であるので、例えば特開2002−256788号では、ダウンザホールハンマーを内蔵した内管(ケリーバー)の先端にリトラクトビットが連結されており、該リトラクトビットが保護ケーシング(外管)の先端内周壁に係合しており、内管の掘進によりケーシングが連行される構成であって、ロータリーテーブルマシンを使用してリトラクトビットによるケーシング連行掘削を可能とする二重管掘削装置が提案され相応の効果を挙げている。
特開2002−256788号
この発明は、ロータリーテーブルマシンを使用して、インナードリルストリングスの先端に設けられたセンタービットと、アウタードリルストリングスの先端に設けられたアウタービットによるケーシング連行掘削を可能とする二重管掘削装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1の発明では、
先端にセンタービットを設けたインナードリルストリングスと、該インナードリルストリングスに外嵌すると共に先端にアウタービットを設けたアウタードリルストリングスとからなり、インナードリルストリングスが、センタービットの上部に設けたダウンザホールドリルと、該ダウンザホールドリルの上部に連結したウエイトロッドと、ハンガー部材とを有しており、アウタードリルストリングスがアウタービットの上部に設けたケリーバー付きケーシングとを有しており、センタービットがアウタービットに係合してセンタービットの掘進によって前記ケーシングが連行される二重管掘削装置であって、
前記アウタービットの下方の内周面と上方に外周面にそれぞれスプラインが形成されており、
ロータリーテーブルで前記ケーシングが回転されると、該回転力はアウタービットに伝達され、該アウタービットはセンタービットとの接触面間に形成された一対のスプラインによってセンタービットを介してダウンザホールハンマーに回転力を伝達してなり、
前記ハンガー部材には一対のハンガーロッドを着脱可能に貫通させ
インナードリルストリングスに外方へ延びるハンガー部材を有するハンガーサブを設け、
インナードリルストリングスを引き上げると前記ハンガー部材が前記ハンガーロッドに掛け止められてケーシングを吊り上げることができるようになっていることを特徴とする。
この発明は先端にセンタービットを設けたインナードリルストリングスに先端にアウタービットを設けたアウタードリルストリングスを外嵌した二重管のケーシングを、ロータリーテーブルを使用して回転させながらケーシングを連行する二重管掘削施工を可能とした。これにより、小型化や省スペースを図ることができるので現場施工コストの低減を図ることができる。
また、ハンガーロッドを引き抜くことで、ケーシングを残して孔からインナードリルストリングスを簡単に引き上げることができるので、崩壊性のある地層でも確実にH鋼の建て込みが可能である。
以下に、この発明の二重管掘削装置の好適実施例について図面を参照しながら説明する。
ここで、説明の便宜上、掘進方向、即ち、二重管掘削装置のビット側を下とし、スイベル側を上とする。
この装置は、アウタードリルストリングス10にインナードリルストリングス20をスライド可能に嵌合した構成からなっている。
[アウタードリルストリングス]
アウタードリルストリングス10は、図1に示すように、アウタービット1と、アウタービットガイド5と、両者を連結するアウタービットリテーナリング4と、ケリーバー付ケーシング6と、ハンガーロッド7とからなっている。
[アウタービット]
まず、アウタービットガイド5の下にアウタービット1を外嵌する。
ここでアウタービット1は、略筒体からなっており、先端面に沿って環状に多数の超硬チップ1aが植設されている。
また、アウタービット1の内壁面は下部の孔に対して上部の孔が拡開した段部が形成されている。
そして、前記段部に接する下部の孔の内壁のには下方中途位置まで延びる第2’スプラインS2’が形成されている。
また上方の外周壁には上端まで続く第1’スプラインS1’が刻設されている。
[アウタービットガイド]
アウタービットガイド5は、下部外周壁に突条からなる第1スプラインS1を設けた筒状体からなっている。
このアウタービットガイド5の上部を、ケーシング6に下方から嵌合し、一体に溶着する。
[ケーシング]
ケーシング6は、外周壁面に、軸線を中心に等間隔に複数の突条6aを長手方向に設けて断面略多角形状となるケリーバーからなっており、ロータリーテーブルRにより回転しうるようになっている。
また、上端側には鍵穴状の孔6bが軸芯を通らないように貫通しており、2本のハンガーロッド7を離間した状態で略平行に差し込むことができるようになっている。
そして、ケーシング6の先端に固着されたアウタービットガイド5にアウタービット1が嵌合し、アウタービットガイド5の第1スプラインS1とアウタービット1の前記第1’スプラインS1’とが噛み合わされる。
[アウタービットリテーナリング]
この状態で、次に、内壁面に環状の段差部4aを有する二つ割りのアウタービットリテーナリング4を、前記アウタービット5を挟み込むように取り付け、アウタービット1とアウタービットリテーナリング4相互とを溶接し一体化する。
これによりアウタードリルストリングス10が組み立てられる。
[インナードリルストリングス]
次に、インナードリルストリングス20は図2に示すように、略中央にダウンザホールドリル本体13を稼働させるために圧気を送り、ダウンザホールドリル本体13から排出されたエアーをセンタービット11から吐出させてスライム(切り屑)の上昇力とさせるためのエアー流通路を有している。
[ダウンザホールドリル本体]
本実施例でダウンザホールドリル本体13は公知の構成からなっており、該ダウンザホールドリル本体13の下端にセンタービット11が取付けられている。
[センタービット]
このセンタービット11は、大径の頭部11Aと係止段部11bを介して連設される小径の頸部11Bとからなっており、頭部11Aの先端面に多数の超硬チップ11aが植設されている。
そして、前記頸部11Bはダウンザホールドリル本体13の下部13aに係止段部11bの位置まで挿入されている。
頭部11Aの側壁面の中途位置には、前記第2’スプラインS2’と噛合する第2スプラインS2が刻設されている。
また、第2スプラインS2は、前記第2’スプラインS2’に掛止められており、センタービット11の掘進によりアウタービット1を介してケーシング6を下向きに連行することができる。
[ロッドサブ]
前記ダウンザホールドリル本体13の上部には、センタライザ付のロッドサブ14が接続されている。
ロッドサブ14は、上下に延びる貫通路L2を有し、該貫通孔L2の下部にダウンザホールドリル13の上部に設けた断面梯形状の連結部13bを嵌着する受部14aを有している。
また、ロッドサブ14の上部には、貫通孔L2に沿って延びる連結軸部14bが形成されている。
[ウエイトロッド]
本実施例では、ダウンザホールドリル本体13の必要荷重はドリルストリングスの質量に依存している。
そのため、ダウンザホールドリル本体13のハンマーのサイズやエアー圧力に応じて質量を調整する必要があるため、前記ロッドサブ14の上部には錘としてのウエイトロッド17が接続されている。
ウエイトロッド17には中央に貫通路L3が形成されており、下部に形成された下端受部17aで開口している。
そして、この下端受部17aには前記連結軸部14bが嵌合し、ジョイントピン16によってウエイトロッド17に固着されている。
また連結軸部14bの上端はクッションラバー12を介して前記ウエイトロッド17の貫通孔L3とロッドサブ14の貫通路L2とを一体に連通させている。
[ハンガーサブ]
上記ウエイトロッド17の上部には、貫通孔L3の上部に沿って小径の連結軸部17bが設けられており、該連結軸部17bにハンガーサブ18が連結されている。
ハンガーサブ18は、貫通孔L4を有する筒体からなっており、上下に連結用に拡開する下方受部18aおよび上方受部18bが形成されている。
そして、下方受部18aには前記連結軸部17bがクッションラバー12を介して嵌合されジョイントピン16によって固着しており、ウエイトロッド17の貫通孔L3をハンガーサブ18の貫通孔L4と一体に連結している。
また、ハンガーサブ18は、筒体の下方寄りに、ハンガー部材の一例として示すフック付きのアーム18Aを直径方向に突設している。
図示例の場合、前記フックは上向きに開口しているので、インナードリルストリングス20をラフタークレーンなどで懸吊し上昇させることで上記一対のアーム18Aも上昇し、前記ハンガーロッド7にフックが掛止められてケーシング6が上向きに連動しうるようになっている。
[ホイスティングエアスイべル]
また、上方受部18bにはクッションラバー12を介してホイスティングエアスイべル19の基部を嵌合し、ジョイントピン16によって固着している。
ここで、ホイスティングエアスイべル19は公知の構成からなっており、ハンガーサブ18の貫通孔L4とホイスティングエアスイべル19のエアー流路L5とを一体に連結している。
このようにしてインナードリルストリングス20が形成される。
そして、このインナードリルストリングス20を前記アウタードリルストリングス10の中空内へインセットする。
次いで、前記ケーシング6の上端の鍵穴状の孔6bには、一対のハンガーロッド7を挿人する。
この一対のハンガーロッド7間の間隔は、ハンガーサブ18の上部が上下に摺動自在な隙間を有しているが、アーム18Aのフックがそれぞれハンガーロッド7に掛止められるようになっている。
[作動手順]
図3(a)で示すロータリーテーブルRのロータリーブッシュ(図示省略)からケリーバー6aを介して回転トルクがケーシング6に伝達される。
この回転トルクは、図3(b)で示すように、アウタービットガイド5に設けた第1スプラインS1からアウタービット1に設けた第1’スプラインS1’に伝達される。
そしてアウタービット1の下部に設けられた第2’スプラインS2’からセンタービット11に設けた第2スプラインS2を介してインナードリルストリングス20へ伝達される。
このようにしてロータリーテーブルからダウンザホールドリル13に回転力が伝達される。
この場合、アウタードリルストリングス10の回転方向は、例えばダウンザホールドリル本体13が右回転用であれば左回転用で使用しなければならず、ダウンザホールドリル本体13が左回転用であれば右回転用で使用しなければならない。
インナードリルストリングス20はラフタークレーンなどで懸吊されているので、図3(b)に示すように、ホイスティングエアスイべル19を、所定長、本実施例では約10cm程度引き上げると、圧気が抜けてダウンザホールドリル本体13は打撃を停止し、フラッシングを開始する。
次いで、図4(a)に示すように、更にホイスティングエアスイべル19を引き上げると、前記ハンガーサブ18がハンガーロッド7を引っ掛けて、アウタードリルストリングス10およびインナードリルストリングス20の全体を引き上げる。
また、一般的には、所定深度までの掘削が完了した時点で、図4(b)に示すように、ハンガーロッド7を外し、インナードリルストリングス20を引き抜く。
そして、アウタードリルストリングス10内に、所定の杭を挿入した後、図示しない吊り治具によりアウタードリルストリングス10を回収する。
この発明は上記実施例に限定されるものではなく、その他、要するにこの発明の要旨を変更しない範囲で種々設計変更しうるものである。
実施例1のアウタードリルストリングスの取付状態を示す側面図である。 実施例1のインナードリルストリングスの取付状態を示す側面図である。 (a)は実施例1の掘削時の二重管掘削装置の側面図、(b)はフラッシング時の二重管掘削装置の側面図である。 (a)はケーシング吊り上げ時の二重管掘削装置の側面図、(b)はケーシングを残留してインナードリルストリングスのみを吊り上げる場合の側面図である。
符号の説明
1 アウタービット
4 アウタービットリテーナリング
4a 段差部
5 アウタービットガイド
5a 係止鍔部
6 ケリーバー付ケーシング
6a ケリーバー
6b 孔
7 ハンガーロッド
10 アウタードリルストリングス
11 センタービット
11A 頭部
11B 頸部
11a ビット
11b 係止段部
12 クッションラバー
13 ダウンザホールドリル本体
14 センタライザ付のロッドサブ
14a 連結軸部
16 ジョイントピン
17 ウエイトロッド
17a 連結軸部
18 ハンガーサブ
18a 下方受部
18b 上方受部
19 ホイスティングエアスイべル
20 インナードリルストリングス

Claims (1)

  1. 先端にセンタービットを設けたインナードリルストリングスと、該インナードリルストリングスに外嵌すると共に先端にアウタービットを設けたアウタードリルストリングスとからなり、インナードリルストリングスが、センタービットの上部に設けたダウンザホールドリルと、該ダウンザホールドリルの上部に連結したウエイトロッドと、ハンガー部材とを有しており、アウタードリルストリングスがアウタービットの上部に設けたケリーバー付きケーシングとを有しており、センタービットがアウタービットに係合してセンタービットの掘進によって前記ケーシングが連行される二重管掘削装置であって、
    前記アウタービットの下方の内周面と上方に外周面にそれぞれスプラインが形成されており、
    ロータリーテーブルで前記ケーシングが回転されると、該回転力はアウタービットに伝達され、該アウタービットはセンタービットとの接触面間に形成された一対のスプラインによってセンタービットを介してダウンザホールハンマーに回転力を伝達してなり、
    前記ハンガー部材には一対のハンガーロッドを着脱可能に貫通させ
    インナードリルストリングスに外方へ延びるハンガー部材を有するハンガーサブを設け、
    インナードリルストリングスを引き上げると前記ハンガー部材が前記ハンガーロッドに掛け止められてケーシングを吊り上げることができるようになっていることを特徴とする二重管掘削装置。
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