JP2007291007A - イオン性液体 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明はハロゲン原子が含まれないイオン性液体に関する。
化学反応において、用いられる溶媒は試薬の反応の選択性や反応速度をコントロールなどの機能を持っているが、反応後において、この溶媒を分離、除去する必要があり、大量の溶媒をいかに環境汚染がない状態で除去し排出するかが問題であった。また、溶媒抽出などで不純物を取り除くために溶媒を多量に用いるがこの場合も同様の問題があった。
この問題を解決する方法として、グリーンケミストリーを指向して、液体状態を保持する温度範囲が広く、揮発性がないイオン性液体を有機反応溶媒または、抽出溶媒として用いることが提案された。(例えば特許文献1)
しかしながら、室温で液体状態をしめすイオン性液体の多くはアニオンにハロゲン原子を含んでおり、熱履歴などで分解しハロゲン化合物が発生する可能性がある。また使用後のイオン性液体を加熱廃棄処理時にもハロゲン化合物が発生する可能性がある。これらのハロゲン化合物が大気中に放出されると環境汚染を引き起こし問題となることから必ずしもグリーンケミストリーに指向しているとは言い難かった。
この問題を解決する方法として、グリーンケミストリーを指向して、液体状態を保持する温度範囲が広く、揮発性がないイオン性液体を有機反応溶媒または、抽出溶媒として用いることが提案された。(例えば特許文献1)
しかしながら、室温で液体状態をしめすイオン性液体の多くはアニオンにハロゲン原子を含んでおり、熱履歴などで分解しハロゲン化合物が発生する可能性がある。また使用後のイオン性液体を加熱廃棄処理時にもハロゲン化合物が発生する可能性がある。これらのハロゲン化合物が大気中に放出されると環境汚染を引き起こし問題となることから必ずしもグリーンケミストリーに指向しているとは言い難かった。
電気化学デバイスのイオン伝導体としてイオン性液体をしばしば用いることが提案されている。例えば、リチウム電池、リチウムイオン電池、燃料電池、電解コンデンサ、キャパシタ、色素増感太陽電池等の電気化学デバイスに用いられている。(例えば特許文献2)
これらの、電気化学デバイスに用いているイオン性液体もアニオンにハロゲン原子を含んでおり、電気分解によりハロゲン化合物が発生する可能性があり、ハロゲン化合物が大気中に放出されると環境汚染を引き起こし問題となることから、ハロゲン原子が含まれないイオン性液体を電解液に用いた電気化学デバイスに用いることが望ましい。
これらの、電気化学デバイスに用いているイオン性液体もアニオンにハロゲン原子を含んでおり、電気分解によりハロゲン化合物が発生する可能性があり、ハロゲン化合物が大気中に放出されると環境汚染を引き起こし問題となることから、ハロゲン原子が含まれないイオン性液体を電解液に用いた電気化学デバイスに用いることが望ましい。
また、フォトレジスト用剥離剤として従来、ハロゲン化アルキルが用いられてきたが、これにかわる代替として、環境問題を考慮し、揮発性のないイオン性液体を用いることが提案されている。(例えば特許文献3)この用途においても同様にハロゲン化合物が大気中に放出されると環境汚染を引き起こし問題となることからハロゲン原子が含まれないイオン性液体が望ましい。
従来知られているイオン性液体は、アニオンがPF6 −、BF4 −、AlCl4 −などハロゲン原子を含むものが多かった。これは、ハロゲンの強い電子吸引効果により負電荷を非局在化することで系の融点を下げ、常温で液体状態にするためであり、それゆえイオン性液体の多くは、アニオンにハロゲン原子を含む。
従来技術において、ハロゲン原子を含まないイオン性液体は硝酸塩、硫酸塩が知られている。(例えば非特許文献1)しかし、これらのイオン性液体は35℃を超える融点を有することが欠点である。
特開平2005−314500
特開再表02/076924
特開2003−228181
J.S.Wilkes,M.J.Zaworotko,J.Chem.Soc.Chem.Commun.1992,965
従来技術において、ハロゲン原子を含まないイオン性液体は硝酸塩、硫酸塩が知られている。(例えば非特許文献1)しかし、これらのイオン性液体は35℃を超える融点を有することが欠点である。
本発明の課題は、ハロゲン原子を含まないイオン性液体を提供することである。
本発明者等は鋭意検討した結果、本発明に至った。すなわち本発明はアニオン(B)とカチオン(C)からなるイオン性液体(A)であって、アニオン(B)が一般式(1)〜(3)で表される各アニオン(B1)〜(B3)からなる群より選ばれる少なくとも1種であるイオン性液体(A)からなることを特徴とするイオン性液体、該イオン性液体を含有する電解液、該イオン性液体を含有する抽出溶媒、該イオン性液体を含有する反応溶媒、該イオン性液体を含有するフォトレジスト用剥離剤である。
(式中、R1〜R12はそれぞれ、水素原子、又は水酸基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、エーテル基、アルデヒド基を有していてもよい炭素数が1〜5の炭化水素基であって、同じであっても異なっていてもよい。)
本発明のイオン性液体は、ハロゲン原子を含まないために、廃棄処理時に環境汚染を引き起こし問題となることがない。また、加熱時または電圧印下時にハロゲン化合物を生成しない。
本発明において、イオン性液体とは大気圧下で融点が35℃以下のイオン性液体を言うものとする。本発明において、非ハロゲン性イオン性液体(N)とは構成元素にハロゲンを含まないものを言うものとする。
融点は示差走査熱量法(以下、DSCと記載する。)で測定するものとする。
本発明のイオン性液体の示差走査熱量法で測定した融点は、25℃以下が好ましく、10℃以下がさらに好ましい。
融点は示差走査熱量法(以下、DSCと記載する。)で測定するものとする。
本発明のイオン性液体の示差走査熱量法で測定した融点は、25℃以下が好ましく、10℃以下がさらに好ましい。
本発明のイオン性液体(A)は、アニオン部分が一般式(1)〜(3)で表される各アニオン(B1)〜(B3)からなる群から選ばれる。
R1〜R12はそれぞれ、水素原子、又は水酸基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、エーテル基、アルデヒド基を有していてもよい炭素数が1〜5の炭化水素基であって、同じであっても異なっていてもよい。(B1)の具体例は、フタルイミドアニオン、3−メチルフタルイミドアニオン、3,4−ジメチルフタルイミドアニオン、3,5−ジメチルフタルイミドアニオン、3−アミノフタルイミドアニオン、3−ニトロフタルイミドアニオンなどがある。(B2)の具体例は、ο−スルホベンズイミドアニオン、ο−スルホ−2−ベンズイミドアニオン、3,5−ジメチルフタルイミドアニオン、3−アミノフタルイミドアニオン、3−ニトロフタルイミドアニオンなどがある。(B3)の具体例は、ベンゾジスルホアゾールアニオン、3−メチルベンゾジスルホアゾールアニオン、3,4−ジメチルベンゾジスルホアゾールアニオン、3,5−ジメチルベンゾジスルホアゾールアニオン、3−アミノベンゾジスルホアゾールアニオン、3−ニトロベンゾジスルホアゾールアニオンなどがある。これらのうちで、好ましいものは、フタルイミドアニオン、ο−スルホベンズイミドアニオン、ベンゾジスルホアゾールアニオンである。
R1〜R12はそれぞれ、水素原子、又は水酸基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、エーテル基、アルデヒド基を有していてもよい炭素数が1〜5の炭化水素基であって、同じであっても異なっていてもよい。(B1)の具体例は、フタルイミドアニオン、3−メチルフタルイミドアニオン、3,4−ジメチルフタルイミドアニオン、3,5−ジメチルフタルイミドアニオン、3−アミノフタルイミドアニオン、3−ニトロフタルイミドアニオンなどがある。(B2)の具体例は、ο−スルホベンズイミドアニオン、ο−スルホ−2−ベンズイミドアニオン、3,5−ジメチルフタルイミドアニオン、3−アミノフタルイミドアニオン、3−ニトロフタルイミドアニオンなどがある。(B3)の具体例は、ベンゾジスルホアゾールアニオン、3−メチルベンゾジスルホアゾールアニオン、3,4−ジメチルベンゾジスルホアゾールアニオン、3,5−ジメチルベンゾジスルホアゾールアニオン、3−アミノベンゾジスルホアゾールアニオン、3−ニトロベンゾジスルホアゾールアニオンなどがある。これらのうちで、好ましいものは、フタルイミドアニオン、ο−スルホベンズイミドアニオン、ベンゾジスルホアゾールアニオンである。
代表例として、式(1)〜(3)で表されるアニオン(B)のR1〜R12が水素原子のものについて合成方法を例示する。
まず、(1)の合成方法は、無水フタル酸をアンモニア、炭酸アンモニウムまたは尿素とと混合し、加熱することによってまずフタルイミドを合成し、これをカチオン成分と酸交換することによって得られる。
(2)の合成方法は、トルエンにクロルスルホン酸を反応させてトルエンスルホニルクロリドとし、これにアンモニアを加え、トルエンスルホンアミドを合成する。これを過酸化マンガン酸塩で酸化しサッカリンを得た後、カチオン成分と酸交換することによって得られる。
(3)の合成方法は、1,2−ベンゼンジスルフォニルジクロライドをアンモニア、炭酸アンモニウムまたは尿素と混合し加熱し、これをカチオン成分と酸交換することによって得られる。
まず、(1)の合成方法は、無水フタル酸をアンモニア、炭酸アンモニウムまたは尿素とと混合し、加熱することによってまずフタルイミドを合成し、これをカチオン成分と酸交換することによって得られる。
(2)の合成方法は、トルエンにクロルスルホン酸を反応させてトルエンスルホニルクロリドとし、これにアンモニアを加え、トルエンスルホンアミドを合成する。これを過酸化マンガン酸塩で酸化しサッカリンを得た後、カチオン成分と酸交換することによって得られる。
(3)の合成方法は、1,2−ベンゼンジスルフォニルジクロライドをアンモニア、炭酸アンモニウムまたは尿素と混合し加熱し、これをカチオン成分と酸交換することによって得られる。
イオン性液体(A)について説明する。イオン性液体(A)は、カチオン(C)とアニオン(B)からなる。カチオン(C)として好ましいものは、以下のような含窒素環状化合物の4級塩があげられる。
(1)イミダゾリウムカチオン(C1)(下記一般式(4)で表される化合物)
(C1)の具体例としては、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−プロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリウム、1−メチル−2,3,4−トリエチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリウム、1,1−ジメチルイミダゾリウム、1,1,2−トリメチルイミダゾリウム、1,1,2,4−テトラメチルイミダゾリウム及び1,1,2,5−テトラメチルイミダゾリウム等がある。
(2)イミダゾリニウムカチオン(C2)(下記一般式(5)で表される化合物)
(C2)の具体例としては、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、1−メチル−2,3,4−トリエチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム及び1,2,3−トリエチルイミダゾリニウム等がある。
(3)ピリミジニウムカチオン(C3)(下記一般式(6)で表される化合物)
(C3)の具体例としては、1,3−ジメチルピリミジニウム、1−エチル−3−メチルピリミジニウム、1,3−ジエチルピリミジニウム、1,2,3−トリメチルピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチルピリミジニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルピリミジニウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルピリミジニウム及び1−メチル−2,3,4−トリエチルピリミジニウム等がある。
(4)ピリジニウムカチオン(C4)(下記一般式(7)で表される化合物)
(C4)の具体例としては、N−メチルピリジニウムカチオン、N−エチルピリジニウムカチオン、1,2−ジメチルピリジニウムカチオン及び1,3−ジメチルピリジニウムカチオン等がある。
(5)ピリダジニウム(C5)(下記一般式(8)で表される化合物)
(C5)の具体例としては、1、2−ジメチルピリダジニウム、1、2、3−トリメチルピリダジニウム、1、2、4−トリメチルピリダジニウム、1−エチル−2−メチルピリダジニウム及び1−エチル−2、3−ジメチルピリダジニウム等がある。
(6)ピラジニウム(C6)(下記一般式(9)で表される化合物)
(C6)の具体例としては、1,4−ジメチルピラジニウム、1,2,4−トリメチルピリジニウム及び1,2,3,4−トリメチルピリジニウム等がある。
(7)ピラゾリウム(C7)(下記一般式(10)で表される化合物)
(C7)の具体例としては、1、2−ジメチルピラゾリウム、1、2、3−ジメチルピラゾリウム、1、2、4−ジメチルピラゾリウム、1、2、3,4−ジメチルピラゾリウム及び1−エチル−2−メチルピラゾリウム等がある。
これらのうち、さらに好ましくは、イミダゾリウムカチオン(C1)、イミダゾリニウムカチオン(C2)、ピリミジニウムカチオン(C3)であり、特に好ましくは、イミダゾリウムカチオン(C1)である。
以下に最も好ましいカチオン(C)の具体例を示す。
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン等。
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン等。
イオン性液体(A)として好ましいものを例示すると、以下のイオン性液体が挙げられる。
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムο−スルホベンズイミド、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムο−スルホベンズイミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムο−スルホベンズイミド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムο−スルホベンズイミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムフタルイミド、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムフタルイミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムフタルイミド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムフタルイミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムベンゾジスルホアゾール、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムベンゾジスルホアゾール、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムベンゾジスルホアゾール等が挙げられる。これらのうち、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムスルホベンズイミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムスルホベンズイミドが特に好ましい。
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムο−スルホベンズイミド、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムο−スルホベンズイミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムο−スルホベンズイミド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムο−スルホベンズイミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムフタルイミド、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムフタルイミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムフタルイミド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムフタルイミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムベンゾジスルホアゾール、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムベンゾジスルホアゾール、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムベンゾジスルホアゾール等が挙げられる。これらのうち、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムスルホベンズイミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムスルホベンズイミドが特に好ましい。
特に以下の化合物は、25℃以下の融点を有するために好ましい。
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムο−スルホベンズイミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムο−スルホベンズイミド。
これらの化合物は、25℃以下の融点を有するために室温で、有機反応溶媒または、抽出溶媒またはフォトレジスト用剥離剤として用いることができる。電気化学デバイスのイオン伝導体として使用する場合でも低融点であるために低温特性の優れた電解液として使用できる。
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムο−スルホベンズイミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムο−スルホベンズイミド。
これらの化合物は、25℃以下の融点を有するために室温で、有機反応溶媒または、抽出溶媒またはフォトレジスト用剥離剤として用いることができる。電気化学デバイスのイオン伝導体として使用する場合でも低融点であるために低温特性の優れた電解液として使用できる。
本発明のイオン性液体は、さらに非ハロゲン性イオン性液体(N)を含有していてもよい。
非ハロゲン性イオン性液体(N)としては、上記カチオン(C)の硝酸塩、硫酸塩等が挙げられる。
非ハロゲン性イオン性液体(N)の含有量は、イオン性液体(A)とイオン性液体(N)の合計重量に対して好ましくは10〜70重量%、さらに好ましくは20〜50重量%である。
非ハロゲン性イオン性液体(N)としては、上記カチオン(C)の硝酸塩、硫酸塩等が挙げられる。
非ハロゲン性イオン性液体(N)の含有量は、イオン性液体(A)とイオン性液体(N)の合計重量に対して好ましくは10〜70重量%、さらに好ましくは20〜50重量%である。
本発明のイオン性液体は電解液、抽出溶媒、反応溶媒、フォトレジスト用剥離剤等として有用である。
電解液は、リチウム電池、リチウムイオン電池、燃料電池、電解コンデンサ、キャパシタ、色素増感太陽電池用として使用することができる。電解液として使用する場合、単独で用いる、または、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランなどの従来知られている非水溶媒との混合物でも良い。本発明のイオン性液体は、低融点であるために低温特性の優れた電解液として使用できる。
電解液は、リチウム電池、リチウムイオン電池、燃料電池、電解コンデンサ、キャパシタ、色素増感太陽電池用として使用することができる。電解液として使用する場合、単独で用いる、または、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランなどの従来知られている非水溶媒との混合物でも良い。本発明のイオン性液体は、低融点であるために低温特性の優れた電解液として使用できる。
抽出溶媒として本発明のイオン性液体を使用する場合は、極性不純物の抽出に優れており、また融点が低いため広い温度範囲で液状であり広い温度範囲で使用可能となる。
反応溶媒として、好ましくは有機反応溶媒として本発明のイオン性液体を使用する場合は、従来のイオン性液体のように、反応の選択性や反応速度をコントロールなどの機能をもつ。さらに、融点が低いため広い温度範囲で液状であり使用できる温度範囲が広い。
フォトレジスト用剥離剤として本発明のイオン性液体を使用する場合は、広い温度範囲で液体であるため使用しやすくまた、従来のイオン性液体はハロゲンを含んでおり強酸のアニオンが多く基板を腐食させる可能性があったが、その点も改良できる。
反応溶媒として、好ましくは有機反応溶媒として本発明のイオン性液体を使用する場合は、従来のイオン性液体のように、反応の選択性や反応速度をコントロールなどの機能をもつ。さらに、融点が低いため広い温度範囲で液状であり使用できる温度範囲が広い。
フォトレジスト用剥離剤として本発明のイオン性液体を使用する場合は、広い温度範囲で液体であるため使用しやすくまた、従来のイオン性液体はハロゲンを含んでおり強酸のアニオンが多く基板を腐食させる可能性があったが、その点も改良できる。
実施例
次に本発明の具体的な実施例について説明する。例の中で、部は重量部を示す。
次に本発明の具体的な実施例について説明する。例の中で、部は重量部を示す。
実施例1
ο−スルホベンズイミド(東京化成工業(株)製)と1−エチル−3−メチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩(特開2001−316372記載方法で合成)を等モルで混合することによって1−エチル−3−メチルイミダゾリウムο−スルホベンズイミド(A−1)を得た。(25℃でο−スルホベンズイミドのメタノール溶液中に1−エチル−3−メチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩を10ml/minで滴下した。)1−エチル−3−メチルイミダゾリウムスルホベンズイミド(A−1)は25℃で液状であることを確認した。また、DSCの結果、融点を表すピークは−10℃まで見られなかった。
ο−スルホベンズイミド(東京化成工業(株)製)と1−エチル−3−メチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩(特開2001−316372記載方法で合成)を等モルで混合することによって1−エチル−3−メチルイミダゾリウムο−スルホベンズイミド(A−1)を得た。(25℃でο−スルホベンズイミドのメタノール溶液中に1−エチル−3−メチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩を10ml/minで滴下した。)1−エチル−3−メチルイミダゾリウムスルホベンズイミド(A−1)は25℃で液状であることを確認した。また、DSCの結果、融点を表すピークは−10℃まで見られなかった。
実施例2
ο−スルホベンズイミドと1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩(特開2001−316372記載方法で合成)を等モルで混合することによって1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムο−スルホベンズイミド(A−1)を得た。室温で液状であることを確認した。また、DSCの結果、融点を表すピークは−10℃まで見られなかった。
ο−スルホベンズイミドと1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩(特開2001−316372記載方法で合成)を等モルで混合することによって1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムο−スルホベンズイミド(A−1)を得た。室温で液状であることを確認した。また、DSCの結果、融点を表すピークは−10℃まで見られなかった。
実施例3(電解液)
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムο−スルホベンズイミド(EMISBI)(A−1)のプロピレンカーボネート溶液(2.5mol/L)を調製し、サイクリックボルタメトリー測定を行ない、測定結果を図1に示した。図1に示したように、EMISBIの電位窓は、下記比較例2のEMIBF4に比べて、広い電位窓を示した。
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムο−スルホベンズイミド(EMISBI)(A−1)のプロピレンカーボネート溶液(2.5mol/L)を調製し、サイクリックボルタメトリー測定を行ない、測定結果を図1に示した。図1に示したように、EMISBIの電位窓は、下記比較例2のEMIBF4に比べて、広い電位窓を示した。
実施例4(抽出溶媒)
ガラス製容器に、n−ウンデカン100部(初期の硫黄含量は1000ppmであった。)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムο−スルホベンズイミド(EMISBI)(A−1)を20部加え、65℃で、20分攪拌し、30分間静置後、n−ウンデカン中の硫黄含量を測定すると50ppmであった。下記比較例3に比べて、n−ウンデカン中の硫黄含量が少量であった。
ガラス製容器に、n−ウンデカン100部(初期の硫黄含量は1000ppmであった。)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムο−スルホベンズイミド(EMISBI)(A−1)を20部加え、65℃で、20分攪拌し、30分間静置後、n−ウンデカン中の硫黄含量を測定すると50ppmであった。下記比較例3に比べて、n−ウンデカン中の硫黄含量が少量であった。
実施例5(反応溶媒)
反応容器に、ジメチル硫酸62部(和光純薬社(株)製)、フッ化カリウム37部(和光純薬社(株)製)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムο−スルホベンズイミド(EMISBI)(A−1)5部入れ、トリフルオロ酢酸フルリド45部加えた。これを、65℃で、25時間反応を行った。目的物であるメチルペンタフルオロエチルエーテルの収率は94%であり、従来の含ハロゲンのイオン性液体を用いた場合と同等の効果があった。
反応容器に、ジメチル硫酸62部(和光純薬社(株)製)、フッ化カリウム37部(和光純薬社(株)製)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムο−スルホベンズイミド(EMISBI)(A−1)5部入れ、トリフルオロ酢酸フルリド45部加えた。これを、65℃で、25時間反応を行った。目的物であるメチルペンタフルオロエチルエーテルの収率は94%であり、従来の含ハロゲンのイオン性液体を用いた場合と同等の効果があった。
比較例1
硝酸(佐々木化学薬品(株)製)と1−エチル−3−メチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩(特開2001−316372記載方法で合成)を等モルで混合することによって1−エチル−3−メチルイミダゾリウム硝酸塩(A−1’)を得た。(25℃で硝酸水溶液中に1−エチル−3−メチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩を10ml/minで滴下した。)(A−1’)の融点をDSCで測定した結果、40℃であった。
硝酸(佐々木化学薬品(株)製)と1−エチル−3−メチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩(特開2001−316372記載方法で合成)を等モルで混合することによって1−エチル−3−メチルイミダゾリウム硝酸塩(A−1’)を得た。(25℃で硝酸水溶液中に1−エチル−3−メチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩を10ml/minで滴下した。)(A−1’)の融点をDSCで測定した結果、40℃であった。
比較例2(電解液)
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EMIBF4)(A−2’)のプロピレンカーボネート溶液(2.5mol/L)を調製し、サイクリックボルタメトリー測定を行い測定結果を図1に示した。
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EMIBF4)(A−2’)のプロピレンカーボネート溶液(2.5mol/L)を調製し、サイクリックボルタメトリー測定を行い測定結果を図1に示した。
比較例3(抽出溶媒)
ガラス製容器に、n−ウンデカン100部(初期の硫黄含量は1000ppmであった。)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(A−2’)を20部加え、65℃で、20分攪拌し、30分間静置後、n−ウンデカン中の硫黄含量を測定すると280ppmであった。
ガラス製容器に、n−ウンデカン100部(初期の硫黄含量は1000ppmであった。)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(A−2’)を20部加え、65℃で、20分攪拌し、30分間静置後、n−ウンデカン中の硫黄含量を測定すると280ppmであった。
<示差走査熱量測定(DSC)の測定法>
示差走査熱量測定(DSC)の測定はセイコー社製RDC220を用い、液体窒素を用いて−10℃まで冷却し、同温で1時間保った後、昇温温度5℃/minで70℃まで昇温し、昇温データを取り込んだ。
示差走査熱量測定(DSC)の測定はセイコー社製RDC220を用い、液体窒素を用いて−10℃まで冷却し、同温で1時間保った後、昇温温度5℃/minで70℃まで昇温し、昇温データを取り込んだ。
<サイクリックボルタメトリー測定の測定法>
サイクリックボルタメトリー測定はBAS社製ALS700を用い、掃引速度10mVs−1、電位範囲−2.6V〜2.6Vで行い、電解液を攪拌しながら25℃測定。作用電極にグラシーカーボン、対電極に白金、参照電極に銀/銀イオン電極を用いた。
サイクリックボルタメトリー測定はBAS社製ALS700を用い、掃引速度10mVs−1、電位範囲−2.6V〜2.6Vで行い、電解液を攪拌しながら25℃測定。作用電極にグラシーカーボン、対電極に白金、参照電極に銀/銀イオン電極を用いた。
本発明のイオン性液体は、電解液、抽出溶媒、有機反応溶媒、フォトレジスト用剥離剤等として有用である。
Claims (8)
- カチオン(C)が一般式(4)で表されるイミダゾリウムである請求項1又は2に記載のイオン性液体。
- 示差走査熱量法で測定した融点が35℃以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のイオン性液体。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のイオン性液体を含有する電解液。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のイオン性液体を含有する抽出溶媒。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のイオン性液体を含有する反応溶媒。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のイオン性液体を含有するフォトレジスト用剥離剤。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006120122A JP2007291007A (ja) | 2006-04-25 | 2006-04-25 | イオン性液体 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008123732A (ja) * | 2006-11-09 | 2008-05-29 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 非水電解質二次電池 |
JP2014080388A (ja) * | 2012-10-16 | 2014-05-08 | Nisshinbo Holdings Inc | イオン液体 |
KR101520290B1 (ko) * | 2014-10-22 | 2015-05-18 | 주식회사 디엠에스 | 이온성 액체를 이용한 유기재료 증착물 세정장치 및 세정방법 |
CN117031895A (zh) * | 2023-08-17 | 2023-11-10 | 浙江奥首材料科技有限公司 | 一种芯片光刻胶剥离液、其制备方法及用途 |
-
2006
- 2006-04-25 JP JP2006120122A patent/JP2007291007A/ja active Pending
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