JP2007290997A - 脂溶性物質が内包された顆粒の製造方法および製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】脂溶性物質が分散状態で保存された顆粒の工業的に優位な製造方法及び製造装置を提供すること。
【解決手段】物理ゲル形成能力を有する水溶性高分子溶液と脂溶性物質を含有する第1煙霧体状溶液と、ゲル化剤を含む第2煙霧体状溶液とを接触させることにより製造される顆粒の製造方法、並びに、物理ゲル形成能力を有する水溶性高分子溶液と脂溶性物質を含有する第1煙霧体状溶液と、ゲル化剤を含む第2煙霧体状溶液とを接触させるための噴霧手段を持つことを特徴とする顆粒の製造装置。
【選択図】 図1
【解決手段】物理ゲル形成能力を有する水溶性高分子溶液と脂溶性物質を含有する第1煙霧体状溶液と、ゲル化剤を含む第2煙霧体状溶液とを接触させることにより製造される顆粒の製造方法、並びに、物理ゲル形成能力を有する水溶性高分子溶液と脂溶性物質を含有する第1煙霧体状溶液と、ゲル化剤を含む第2煙霧体状溶液とを接触させるための噴霧手段を持つことを特徴とする顆粒の製造装置。
【選択図】 図1
Description
本発明は脂溶性物質を含有する顆粒の製造方法およびその製造装置に関する。
アルギン酸や低メトキシルペクチンなどの水溶性高分子やそのアルカリ金属塩は、多価金属塩と接触すると、多価金属塩を取り囲むようにして、いわゆるEgg Box Junctionを形成し、粘性流体(ゾル)から弾性体(ゲル)になる。そして、この性質を利用してカプセルが製造され、被膜物質と充填物質を溶液状態で同時に多重ノズルから吐出させ、界面張力により充填物質を皮膜物質で完全に包み込み、直下の凝固液に落下させてゲル化する液中硬化法などが知られている。
また、特許文献1には凝固液をミスト化したカプセルの製造法が開示されており、同心多重ノズルの外側ノズルにアルギン酸ナトリウム、内側ノズルに食用油に脂溶性物質を溶解したものを振動させながら滴下し、塩化カルシウムのミストと反応させてミニカプセルを作製する方法が開示されている。このような従来法によるカプセルのサイズはミリメートルオーダーのものであり、サイズが大きく服用感が悪くなることや、また製造における量産性に問題があった。
微少なカプセルについては特許文献2に電気流体力学的噴霧法による粒径1〜10μmのアルギン酸微粒子の製造方法が開示されているが、これは模擬血液を目的としたアルギン酸単独ゲルの製造方法であり、生理活性を有する脂溶性物質をゲル内に内包させる技術については一切言及されておらず、技術的にも大量生産には適していない。
特許第1577519号
特開2004−300426号
本発明は、上記状況に鑑み、生理活性を有する脂溶性物質が内包された微細な粒子の工業的に優位な生産方法を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意検討を重ねた結果、物理ゲル形成能力を有する水溶性高分子溶液と脂溶性物質を含有する溶液と、ゲル化剤を含む溶液とを、お互い煙霧体状態で接触させることにより、上記課題が達成されることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は下記(1)から(9)に関する。
(1) 物理ゲル形成能力を有する水溶性高分子溶液と脂溶性物質を含有する第1煙霧体状溶液と、ゲル化剤を含む第2煙霧体状溶液とを接触させることを特徴とする顆粒の製造方法。
(2) 第1煙霧体状溶液において、脂溶性物質が、物理ゲル形成能力を有する水溶性高分子溶液中に分散していることを特徴とする(1)の顆粒の製造方法。
(3) 脂溶性物質の分散粒子の平均粒径が、5μm以下であることを特徴とする(2)の顆粒の製造方法。
(4) 物理ゲル形成能力を有する水溶性高分子が、水溶性アルギン酸誘導体、低メトキシルペクチン、ゼラチン、キサンタンガム、カルメロースナトリウム、及び水溶性セルロース誘導体からなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする(1)の顆粒の製造方法。
(5) 水溶性高分子が、水溶性アルギン酸誘導体および/またはゼラチンであることを特徴とする(4)の顆粒の製造方法。
(6) ゲル化剤が、塩化カルシウム水溶液である(5)記載の顆粒の製造方法。
(7) 第1煙霧体状溶液中に、さらに乳化剤および/または油脂類が含まれる(1)〜(6)いずれかの顆粒の製造方法。
(8) (1)〜(7)いずれかの製造方法によって得られる、脂溶性物質を内包した顆粒。
(9) 物理ゲル形成能力を有する水溶性高分子溶液と脂溶性物質を含有する第1煙霧体状溶液と、ゲル化剤を含む第2煙霧体状溶液とを接触させるための噴霧手段を持つことを特徴とする顆粒の製造装置。
(10) 壁面に水を供給するための流下水供給手段が設けられていることを特徴とする(9)の顆粒の製造装置。
(1) 物理ゲル形成能力を有する水溶性高分子溶液と脂溶性物質を含有する第1煙霧体状溶液と、ゲル化剤を含む第2煙霧体状溶液とを接触させることを特徴とする顆粒の製造方法。
(2) 第1煙霧体状溶液において、脂溶性物質が、物理ゲル形成能力を有する水溶性高分子溶液中に分散していることを特徴とする(1)の顆粒の製造方法。
(3) 脂溶性物質の分散粒子の平均粒径が、5μm以下であることを特徴とする(2)の顆粒の製造方法。
(4) 物理ゲル形成能力を有する水溶性高分子が、水溶性アルギン酸誘導体、低メトキシルペクチン、ゼラチン、キサンタンガム、カルメロースナトリウム、及び水溶性セルロース誘導体からなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする(1)の顆粒の製造方法。
(5) 水溶性高分子が、水溶性アルギン酸誘導体および/またはゼラチンであることを特徴とする(4)の顆粒の製造方法。
(6) ゲル化剤が、塩化カルシウム水溶液である(5)記載の顆粒の製造方法。
(7) 第1煙霧体状溶液中に、さらに乳化剤および/または油脂類が含まれる(1)〜(6)いずれかの顆粒の製造方法。
(8) (1)〜(7)いずれかの製造方法によって得られる、脂溶性物質を内包した顆粒。
(9) 物理ゲル形成能力を有する水溶性高分子溶液と脂溶性物質を含有する第1煙霧体状溶液と、ゲル化剤を含む第2煙霧体状溶液とを接触させるための噴霧手段を持つことを特徴とする顆粒の製造装置。
(10) 壁面に水を供給するための流下水供給手段が設けられていることを特徴とする(9)の顆粒の製造装置。
本発明の製造方法及び装置によれば、医薬品もしくは健康食品として使用される脂溶性物質が内包された顆粒を、工業的に優位な方法で生産することが出来る。本製造方法によって得られる顆粒は、脂溶性物質が微粒子として、顆粒中に分散していることから、体内における吸収性の向上が期待できる。
本発明の製造方法は、物理ゲル形成能力を有する水溶性高分子溶液と脂溶性物質を含有する第1煙霧体状溶液と、ゲル化剤を含む第2煙霧体状溶液とを接触させることを特徴とする顆粒の製造方法である。
本発明における、「物理ゲルを形成する性質を有する」とは、水溶性高分子の水溶液に、無機塩や酸の添加、あるいは加熱・冷却等のゲル化操作を加えることにより、粘性流体(ゾル)から弾性体(ゲル)への変化が視覚的にとらえられることを意味する。本発明で用いられる、物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子としては、上記性質を発現できるものであれば特に制限はないが、例えば、水溶性アルギン酸誘導体、低メトキシルペクチン、ゼラチン、キサンタンガム、カルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロース誘導体等が例示され、これらを単独で或いは2種以上組み合わせて使用できる。本発明においては、そのなかでも、水溶性アルギン酸誘導体、ゼラチンが好適に使用され得る。
本発明において好ましく使用される水溶性アルギン酸誘導体としては、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウムなど、多価金属塩あるいは酸と反応して物理ゲルを形成する性質を有するものであればよく、これらに限定されるものではない。アルギン酸とはD−マンヌロン酸(M)とL−グルクロン酸(G)の長鎖状共重合体であり、両者の成分比いわゆるM/G比が物性に大きく影響を与えることが知られている。本発明で使用されるアルギン酸やその誘導体としては、特に限定されず、アゾトバクター属やシュードモナス属から産出された微生物由来のものや海草などからの植物由来抽出物のものが使用できる。本発明で使用するアルギン酸誘導体の分子量は特に制限されないが、製造時の移液性の観点から考慮して、M/G比が0.1〜1.5であり、25℃測定値で水溶性高分子が1重量%濃度の溶液の粘度が10〜2000cpsであることが好ましい。
本発明で使用されるゼラチンとしては、その種類等については特に制限はなく、顆粒の用途等によって適宜選択することが出来、例えば、牛や豚、魚の皮由来するものが使用される。
本発明で使用される脂溶性物質は、経口投与可能で何らかの生理活性を有するものであれば特に制限されないが、例えばユビキノンなどの補酵素Q類、レチノール、レチノイン酸、レチノイド、カロチンなどのビタミンA類、コレカルシフェロール、エルゴカルシフェロールなどのビタミンD類、トコフェロール、酢酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、トコトリエノールなどのビタミンE類、フィトナジオン、メナテトレノン等のビタミンK類、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、フコキサンチン、βカロチンなどが挙げられ、これらを単独で或いは2種以上組み合わせて使用できる。
本発明において、脂溶性物質を物理ゲル形成能力を有する水溶性高分子溶液に添加混合したものを、第1煙霧体状溶液とするが、ここで、脂溶性物質は、物理ゲル形成能力を有する水溶性高分子溶液に均一に分散していることが好ましく、例えば、脂溶性物質と、物理ゲル形成能力を有する水溶性高分子溶液とが乳化状態となっている形態が挙げられる。
水溶性高分子溶液に脂溶性物質を投入する際には、脂溶性物質が油状であれば、水溶性高分子溶液と混合し、必要に応じてエマルションを形成させる。また、脂溶性物質が粉末粒子状態であれば、粉末粒子状態のまま水溶性高分子溶液に投入しても良いし、脂溶性物質が熱に対して安定であれば、脂溶性物質を融点より高い温度に加温して熱融解し、同様に加温した高分子水溶液に投入し、乳化すれば更に安定なエマルションとすることができる。
また、必要に応じて上記脂溶性物質と物理ゲル形成能力を有する水溶性高分子溶液の混合溶液に乳化剤を添加することによって、さらに安定なエマルションを形成することもできる。使用される乳化剤としては、医薬品、食品用途で使用されるものであれば特に制限を受けないが、例えば、モノグリセリン脂肪酸有機酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチンなどが挙げられ、特にポリグリセリン脂肪酸エステルが好適に使用される。
また、必要に応じて上記脂溶性物質と物理ゲル形成能力を有する水溶性高分子溶液の混合溶液に、吸収促進剤として油脂類を添加しても良い。例えば、ごま油、大豆油、ツバキ油、オリーブ油、ヤシ油、パーム油、菜種油、落下生油、綿実油、サフラワー油などの植物油脂や、魚油、牛脂、豚脂などの動物油脂、脂肪酸トリグリセライドなどが挙げられ、脂肪酸トリグリセライド、特に中鎖脂肪酸トリグリセライドが好適に使用される。
本発明では、水溶性アルギン酸誘導体などの水溶性高分子溶液100重量部に対して、所望する顆粒の性質によって異なるが、脂溶性物質を0.1〜70重量部加え、または必要に応じて、上記乳化剤や油脂類を添加し、O/Wエマルションを形成させ、第1煙霧体状溶液の主剤とする。エマルションを形成する手段としてはホモミキサー、ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ポリトロン等を使用することができる。
上記エマルション状態の溶液において、エマルションの安定性や目的とする顆粒が服用時にすみやかに吸収されるために、分散している脂溶性物質の分散粒子(乳化粒子)の平均粒径が5μm以下であることが望ましく、さらに好ましくは1μm以下である。なお、エマルション(乳化粒子)の平均粒径はメジアン粒径(50%粒径)であり、例えば動的光散乱式粒径分布測定装置(堀場製作所製LB−550)で測定することが出来る。
本発明で使用されるゲル化剤(凝固剤)としては、前記水溶性高分子をゲル化させる性質を有する物質であれば良いが、水溶性高分子として水溶性アルギン酸誘導体や低メトキシルペクチンを選択した場合は、多価金属塩水溶液により物理ゲルを形成するため、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、または塩化バリウムの水溶液が好適に使用される。また、水溶性高分子は単独または2種以上組み合わせてもよく、対応するゲル化剤を単独または2種以上混合して使用する。
ゲル化剤(凝固剤)の使用量は必ずしも制限されるものではないが、水溶性高分子100重量部に対して、好ましくは0.2〜30重量部、より好ましくは0.5〜15重量部の使用量となるように調整するとよい。この理由としては、ゲル化剤(凝固剤)の使用量が0.2重量部未満の場合は水溶性高分子の凝固が不充分となる場合があり、またゲル化剤(凝固剤)量が20重量部より多い場合は、凝固特性には影響はないものの、排水中のゲル化剤(凝固剤)が増え、排水処理の負荷が増す傾向があるためである。
本発明においては、脂溶性物質と水溶性高分子溶液を含有する溶液と、凝固剤(ゲル化剤)溶液とを、それぞれ煙霧体状溶液として接触させることを特徴とする。具体的には、例えば、凝固剤(ゲル化剤)の水溶液を所定量連続的に煙霧体状に噴霧した凝固性気相雰囲気中に、脂溶性物質と水溶性高分子溶液を含有する溶液を、連続的に噴霧または滴下することで、接触させることができるが、これに限定されるものではない。なお、煙霧体状とは、いわゆるミスト状態であれば特に制限は無いが、ゲル化剤を含む第2煙霧体状溶液の液滴は、体積平均液滴径が0.01〜10μmであることが好ましい。噴霧または滴下手段としては、高圧ノズル、2流体ノズル、超音波ノズル、高周波ノズル、回転円盤などが用いられる。
本発明では、脂溶性物質と水溶性高分子溶液を含有する溶液を煙霧体状溶液として上記第2煙霧体状溶液の気相中に噴霧または滴下することで、ここでの液滴形状を維持しながら、気相中で凝固を進行させることができる。上記第1煙霧体状溶液を噴霧または滴下する際の液滴径は、製品である乾燥後の顆粒の供給形態に合わせ、任意に調整することができるが、通常、体積平均液滴径は10μm〜1000μmの範囲内、好ましくは50μm〜200μmの範囲内である。なお、上記第1煙霧体状溶液を噴霧または滴下する際の液滴径は、生成するゲルの体積平均粒子径を粒度分布測定することで、間接的に求めることができる。
以下、本発明における製造装置の1例の概略縦断面図を図1に示し、説明する。図面において1は凝固室であり、凝固室の形状としては特に制限を受けないが、通常円筒形のものが用いられる。
なお、本発明においては、脂溶性物質と水溶性高分子溶液を含有する第1煙霧体状溶液が気相から液相に浸入する際の衝撃で不定形化するのを抑制する観点から、気相中で完全にゲル化を完了しておくことが望ましく、水相の液面から、噴霧あるいは滴下位置の間にある程度の高さが必要である。前記における水相の液面からの、噴霧あるいは滴下位置の最低高さは、1.0m以上が好ましく、更には1.5m以上がより好ましい。水相の液面からの噴霧あるいは滴下位置の最高高さには特に制限はないが、設備コストの面から20m以下であることが好ましく、更には5.5m以下であることがより好ましい。凝固室の頂部には前記の脂溶性物質含有水溶性高分子溶液を液滴として分散させるための噴霧手段2とゲル化剤噴霧手段3が設けられている。また、凝固室の壁面に生成したゲルが付着するのを回避するために、壁面に水を供給するための流下水供給手段4が設けられる。具体的には、多数の孔を側壁に向けて開けた円筒形パイプが使用され、連続的に水が供給される。凝固室内で生成されたゲルは、重力に従って落下し、粒子状態になった後、水懸濁液として回収される。
その後、定法に従って、脱水および乾燥操作を行うことにより、脂溶性物質を内包した顆粒を得ることが出来る。得られた顆粒は、そのままで或いは適宜製剤化することにより、医薬品、機能性食品などに使用できる。
以下に実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
脂溶性物質含有乳化液の作製
(調製例1)
脂溶性物質のモデル薬物として、コエンザイムQ10を使用した。
「カネカ・コエンザイムQ10」(カネカ製)20gを60℃まで加熱して融解させ、その溶解液を、あらかじめ60℃に調製したアルギン酸ナトリウム(キミカ製IL6−G)20g含む水溶液1リットルに分散し、ホモジナイザーを用いて15000rpm、10分間の条件で乳化した。この均一になったエマルション中のコエンザイムQ10含有乳化粒径を動的光散乱式粒径分布測定装置(堀場製作所製LB−550)にて粒度分布を測定したところ、メジアン粒径は3.30μmであった。
(調製例1)
脂溶性物質のモデル薬物として、コエンザイムQ10を使用した。
「カネカ・コエンザイムQ10」(カネカ製)20gを60℃まで加熱して融解させ、その溶解液を、あらかじめ60℃に調製したアルギン酸ナトリウム(キミカ製IL6−G)20g含む水溶液1リットルに分散し、ホモジナイザーを用いて15000rpm、10分間の条件で乳化した。この均一になったエマルション中のコエンザイムQ10含有乳化粒径を動的光散乱式粒径分布測定装置(堀場製作所製LB−550)にて粒度分布を測定したところ、メジアン粒径は3.30μmであった。
(調製例2)
「カネカ・コエンザイムQ10」(カネカ製)20gを60℃まで加熱して融解させ、その溶解液を、あらかじめ60℃に調製したアルギン酸ナトリウム(キミカ製IL6−G)20g、ゼラチン(ニッタゼラチンAPH)を50g含む水溶液1リットルに分散し、ホモジナイザーを用いて15000rpm、10分間の条件で乳化した。この均一になったエマルション中のコエンザイムQ10含有乳化粒径を動的光散乱式粒径分布測定装置(堀場製作所製LB−550)にて粒度分布を測定したところ、メジアン粒径は0.79μmであった。
「カネカ・コエンザイムQ10」(カネカ製)20gを60℃まで加熱して融解させ、その溶解液を、あらかじめ60℃に調製したアルギン酸ナトリウム(キミカ製IL6−G)20g、ゼラチン(ニッタゼラチンAPH)を50g含む水溶液1リットルに分散し、ホモジナイザーを用いて15000rpm、10分間の条件で乳化した。この均一になったエマルション中のコエンザイムQ10含有乳化粒径を動的光散乱式粒径分布測定装置(堀場製作所製LB−550)にて粒度分布を測定したところ、メジアン粒径は0.79μmであった。
(調製例3)
調製例1の組成にデカグリセリンモノオレイン酸エステル(理研ビタミン製J−0381V)を20g、中鎖脂肪酸トリグリセライド(理研ビタミン製アクターM-2)を10g加えた以外は同じ製法で乳化液を作製した。
乳化粒径を動的光散乱式粒径分布測定装置(堀場製作所製LB−550)にて粒度分布を測定したところ、メジアン粒径は0.20μmであった。
調製例1の組成にデカグリセリンモノオレイン酸エステル(理研ビタミン製J−0381V)を20g、中鎖脂肪酸トリグリセライド(理研ビタミン製アクターM-2)を10g加えた以外は同じ製法で乳化液を作製した。
乳化粒径を動的光散乱式粒径分布測定装置(堀場製作所製LB−550)にて粒度分布を測定したところ、メジアン粒径は0.20μmであった。
(実施例1)コエンザイムQ10含有顆粒の作製
調製例1から3で得られたコエンザイムQ10含有乳化液を、内径45cm、全高約5mの円筒状凝固室の塔頂部より、噴霧手段として二流体ノズル(霧のいけうち製BIMJ2004)を用いて体積平均液滴径が150μm、供給量150g/minの条件で噴霧した。それと同時に30重量%濃度の塩化カルシウム水溶液を塩化カルシウム固形分が乳化液100重量部に対して5〜15重量部になるように二流体ノズル(スプレイングシステムズ社製1/4JシリーズSU13A)にて空気と混合しながら体積平均液滴径0.1〜10μmで噴霧した。また、塔頂部より噴霧したコエンザイムQ10乳化液が凝固室の壁面へ付着するのを防止するために、内径約20mmのパイプに2mmφの孔を多数側壁に向けて開けたものを用い、25℃の蒸留水を6L/minの条件で連続的に供給した。凝固室を落下し、ゲル化したコエンザイムQ10含有乳化物は、ゲル化して粒子状態となった後、塔底部より水懸濁液として回収された。回収された懸濁液を定法により脱水、乾燥して顆粒を作製した。電子顕微鏡により、調製例1から3のいずれの乳化液を用いた場合においても、体積平均粒径約50μmの顆粒が作製されていることを確認した。図2に調製例2の組成でゲルを作製し、乾燥して得られた顆粒の電子顕微鏡写真を示す。
調製例1から3で得られたコエンザイムQ10含有乳化液を、内径45cm、全高約5mの円筒状凝固室の塔頂部より、噴霧手段として二流体ノズル(霧のいけうち製BIMJ2004)を用いて体積平均液滴径が150μm、供給量150g/minの条件で噴霧した。それと同時に30重量%濃度の塩化カルシウム水溶液を塩化カルシウム固形分が乳化液100重量部に対して5〜15重量部になるように二流体ノズル(スプレイングシステムズ社製1/4JシリーズSU13A)にて空気と混合しながら体積平均液滴径0.1〜10μmで噴霧した。また、塔頂部より噴霧したコエンザイムQ10乳化液が凝固室の壁面へ付着するのを防止するために、内径約20mmのパイプに2mmφの孔を多数側壁に向けて開けたものを用い、25℃の蒸留水を6L/minの条件で連続的に供給した。凝固室を落下し、ゲル化したコエンザイムQ10含有乳化物は、ゲル化して粒子状態となった後、塔底部より水懸濁液として回収された。回収された懸濁液を定法により脱水、乾燥して顆粒を作製した。電子顕微鏡により、調製例1から3のいずれの乳化液を用いた場合においても、体積平均粒径約50μmの顆粒が作製されていることを確認した。図2に調製例2の組成でゲルを作製し、乾燥して得られた顆粒の電子顕微鏡写真を示す。
(実施例2)コエンザイムQ10含有顆粒の分散状態の確認
実施例1で得られた顆粒に対して、定法により断面を作製し、断面をヘキサンに2分間浸漬することによって、断面のコエンザイムQ10を溶解させ、電子顕微鏡により確認した。調製例2の乳化液より得られた顆粒の断面図を図3に示す。これによると、1〜2μmの格子状構造になっており、格子内部にコエンザイムQ10が存在していたと推察される。この格子の大きさと調製例2のコエンザイムQ10含有乳化液のエマルションのメジアン径がほぼ同じであることから、コエンザイムQ10は乳化粒径を維持したまま分散していることが確認された。
実施例1で得られた顆粒に対して、定法により断面を作製し、断面をヘキサンに2分間浸漬することによって、断面のコエンザイムQ10を溶解させ、電子顕微鏡により確認した。調製例2の乳化液より得られた顆粒の断面図を図3に示す。これによると、1〜2μmの格子状構造になっており、格子内部にコエンザイムQ10が存在していたと推察される。この格子の大きさと調製例2のコエンザイムQ10含有乳化液のエマルションのメジアン径がほぼ同じであることから、コエンザイムQ10は乳化粒径を維持したまま分散していることが確認された。
1 凝固室
2 脂溶性物質含有水溶性高分子噴霧手段
3 ゲル化剤噴霧手段
4 流下水供給手段
2 脂溶性物質含有水溶性高分子噴霧手段
3 ゲル化剤噴霧手段
4 流下水供給手段
Claims (10)
- 物理ゲル形成能力を有する水溶性高分子溶液と脂溶性物質を含有する第1煙霧体状溶液と、ゲル化剤を含む第2煙霧体状溶液とを接触させることを特徴とする顆粒の製造方法。
- 第1煙霧体状溶液において、脂溶性物質が、物理ゲル形成能力を有する水溶性高分子溶液中に分散していることを特徴とする、請求項1記載の顆粒の製造方法。
- 脂溶性物質の分散粒子の平均粒径が、5μm以下であることを特徴とする請求項2記載の顆粒の製造方法。
- 物理ゲル形成能力を有する水溶性高分子が、水溶性アルギン酸誘導体、低メトキシルペクチン、ゼラチン、キサンタンガム、カルメロースナトリウム、及び水溶性セルロース誘導体からなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1記載の顆粒の製造方法。
- 水溶性高分子が、水溶性アルギン酸誘導体および/またはゼラチンであることを特徴とする請求項4記載の顆粒の製造方法。
- ゲル化剤が、塩化カルシウム水溶液である請求項5記載の顆粒の製造方法。
- 第1煙霧体状溶液中に、さらに乳化剤および/または油脂類が含まれる請求項1〜6いずれか1項記載の顆粒の製造方法。
- 請求項1〜7いずれか1項記載の製造方法によって得られる、脂溶性物質を内包した顆粒。
- 物理ゲル形成能力を有する水溶性高分子溶液と脂溶性物質を含有する第1煙霧体状溶液と、ゲル化剤を含む第2煙霧体状溶液とを接触させるための噴霧手段を持つことを特徴とする顆粒の製造装置。
- 壁面に水を供給するための流下水供給手段が設けられていることを特徴とする請求項9記載の顆粒の製造装置。
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