実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機(弾球遊技機)1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された可変表示装置9が設けられている。可変表示装置9の表示画面には、可変表示の実行条件である第1始動条件の成立(例えば、打球が第1始動入賞口13に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄を可変表示し表示結果を導出表示する表示領域がある。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の停止を除く。)。
遊技盤6における左側方下部には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1特別図柄表示装置)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の2つの表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。よって、第1特別図柄表示器8aは、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されている。なお、小型の表示器は、方形状に形成され、並べて設置される。それぞれの表示器は、遊技機を正面から見た場合の高さ方向にずれて配置されている。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1始動入賞口(第1始動口:始動口A)13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技盤6における右側方下部には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2特別図柄表示装置)8bが設けられている。この実施の形態では、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の2つの表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。よって、第2特別図柄表示器8bは、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されている。
第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2始動入賞口(第2始動口:始動口B)14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、可変表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、合算保留記憶表示部18cという。)がある。なお、合算保留記憶表示部18cが設けられているので、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、設けられていなくてもよい。
第1特別図柄表示器8aにおいて可変表示される識別情報が第1特別図柄であり、第2特別図柄表示器8bにおいて可変表示される識別情報が第2特別図柄である。また、第1特別図柄と第2特別図柄とを、特別図柄と総称することがある。なお、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに00〜99の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。
可変表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。ここで、同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、可変表示装置9において大当りを想起させるような図柄が停止表示される。
可変表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口(第2始動口:始動口B)14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
可変表示装置9の下部には、第2大入賞口を形成する役物75が設けられている。役物75には、モータ等の駆動装置によって駆動される羽根状の可動部材76が設けられている。可動部材76が左に倒れるような位置に制御されると、遊技球が第2大入賞口に進入可能な状態(例えば、開放状態)になる。可動部材76が第2大入賞口を塞ぐような位置に制御されると、遊技球が第2大入賞口に進入困難な状態(例えば、閉鎖状態)になる。以下、役物75を、「第2大入賞口」または「第2大入賞口(役物)」と表現することがある。なお、第2大入賞口に進入可能な状態は、完全に開放している状態の他、周期的に開閉するなど遊技球が進入しやすい状態等を含む。また、第2大入賞口に進入困難な状態は、完全に閉鎖されている状態の他、第2大入賞口内におけるある程度の部分にまで進入したが中途で排出されるような状態や、少数の遊技球は進入可能である状態等も含む。
第2大入賞口(役物)の内部には、進入した遊技球を検出する第2大入賞口入賞スイッチ71aが設けられている。さらに、非特定領域73と、非特定領域73を通過した遊技球を検出する非特定領域通過スイッチ73aとが設けられている。また、特定領域74と、特定領域74を通過した遊技球を検出する特定領域通過スイッチ74aとが設けられている。
図2は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への遊技球の入賞の仕方を説明するための説明図である。図2(A)に示すように、常に、第1始動入賞口13には遊技球が入賞可能である。図2(B)に示すように、可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときに、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になる。可変入賞球装置15が閉鎖状態に制御されているときには、遊技球は第2始動入賞口14に入賞不能である。すなわち、第1始動入賞口13の入賞率は、第2始動入賞口14の入賞率よりも高い。
しかし、可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は可変表示装置9の直下に設けられているが、可変表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりも高くしてもよい。また、後述するように、高ベース状態では第2始動入賞口14の入賞率は高くなる(図51参照)。その場合には、第2始動入賞口14の入賞率は、第1始動入賞口13の入賞率よりも高いといえる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示された場合、および第2大入賞口内に設けられている特定領域74を遊技球が通過した場合に生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開状態とされる特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、第1大入賞口を形成する。第1大入賞口に入った遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。また、左枠ランプ28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、前回の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および飾り図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、前回の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始される。すなわち、第2特別図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図3〜図5は、第2大入賞口を形成する役物75内の構造例、および役物75内の遊技球の流れの様子を示す説明図である。役物75において、駆動装置としてのモータ24によって可動部材76が倒れた状態になると、第2大入賞口が開放し、遊技球が第2大入賞口内に進入可能になる。第2大入賞口内に進入した遊技球は、例えば近接スイッチによる第2大入賞口入賞スイッチ71aで検出され、流路切替部材78に至る。流路切替部材78は、モータ22で駆動され、図3に示すように、下方に倒れ、遊技球を役物75内の下部に導く。役物75内の下部に導かれた遊技球は、遊技盤6の背面側に導かれて排出される。なお、遊技盤6の背面側に導かれた遊技球は、1つの排出経路に導かれ、排出経路に設けられている第2大入賞口排出スイッチ72aで検出される。
流路切替部材78は、例えばモータ22の逆回転によって、図4および図5に示すように、遊技球を流路切替部材78の先に導くような位置に戻る。なお、遊技球が第2大入賞口内に進入可能になるように可動部材76が制御されているときに、流路切替部材78は、例えば、下方に倒れる状態と、遊技球を流路切替部材78の先に導くような位置になる状態とを交互に繰り返す。流路切替部材78の先には、非特定領域73と特定領域74とが設けられている。図4に示すように、非特定領域73を通過した遊技球は、例えば近接スイッチによる非特定領域スイッチ73aで検出された後、遊技盤6の背面側に導かれて排出される。なお、遊技盤6の背面側に導かれた遊技球は、1つの排出経路に導かれ、排出経路に設けられている第2大入賞口排出スイッチ72aで検出される。
また、図5に示すように、特定領域74を通過した遊技球は、例えば近接スイッチによる特定領域スイッチ74aで検出された後、遊技盤6の背面側に導かれて排出される。なお、遊技盤6の背面側に導かれた遊技球は、1つの排出経路に導かれ、排出経路に設けられている第2大入賞口排出スイッチ72aで検出される。
この実施の形態では、流路切替部材78はモータ22の駆動に応じて位置を変えるが、流路切替部材78をソレノイドで駆動するようにしてもよい。また、可動部材76はモータ24の駆動に応じて位置を変えるが、可動部材76をソレノイドで駆動するようにしてもよい。
図3〜図5に例示された構造では、有利経路を通過した遊技球が非特定領域73を通過する割合と、特定領域74を通過する割合とは、ほぼ等しい。しかし、遊技球が非特定領域73または特定領域74を通過しやすいように、役物75の内部の構造(例えば、非特定領域73と特定領域74との位置関係、大きさの差、非特定領域と特定領域の数の違い)を設定してもよい。
図6は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図6には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、第2大入賞口入賞スイッチ71a、第2大入賞口排出スイッチ72a、非特定領域通過スイッチ73a、特定領域通過スイッチ74aおよび有利経路進入スイッチ79aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、第1大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、第2大入賞口(役物)内への遊技球の進入を許容するための可動部材76を駆動するモータ24、および第2大入賞口(役物)内の流路切替部材78を駆動するモータ22を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する可変表示装置9の表示制御を行う。
図7は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図7に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、可変表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路77Aが搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図7には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図6に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、入出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、入出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入出力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入出力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用CPU101とランプドライバ基板35および音声出力基板70との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、可変表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄、背景図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して可変表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを可変表示装置9に出力する。
なお、この実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、可変表示装置9を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、他の基板(例えば、図7に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など)を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70やランプドライバ基板35にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、可変表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。また、第1の演出制御基板と第2の演出制御基板との2つの基板を設けた場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出に関するコマンドは第2の演出制御基板に対して送信され、第2の演出制御基板から第1の演出制御基板に対してコマンドがそのまま送信されたり、加工(例えば、コマンドの形態や内容を変えたり、簡略化したり、必要なコマンドのみを選択)した後に送信されるように構成してもよい。
次に、遊技機の動作について説明する。図8は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込みモード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜ステップS15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS8)。ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(第1特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS93)、その内容に従って演出制御基板80に、電力供給が復旧した旨を示す制御コマンド(電力供給復旧時の初期化コマンドとしての復旧コマンド)が送信されるように制御する(ステップS94)。そして、ステップS15に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている可変表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り決定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(大当り決定用乱数発生カウンタ等の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図9に示すステップS20〜S36のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、第2大入賞口入賞スイッチ71a、第2大入賞口排出スイッチ72a、非特定領域通過スイッチ73a、特定領域通過スイッチ74aおよび有利経路進入スイッチ79aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS34,S35で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
図10は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:第1始動入賞口への遊技球の入賞(第1始動入賞)にもとづく第1特別図柄の可変表示に応じて(または、第2始動入賞口への遊技球の入賞(第2始動入賞)にもとづく第2特別図柄の可変表示に応じて)、大当りを発生させるか否か(または、大当りとするか小当りとするか)決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2:大当りを発生させるときの第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(3)ランダム3: 第1特別図柄および第2特別図柄のはずれ図柄(停止図柄)を決定する(はずれ図柄決定用)
(4)ランダム4:第1特別図柄および第2特別図柄の変動時間を決定する(変動時間決定用)
(5)ランダム5:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム6:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(7)ランダム7:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
(8)ランダム8:遊技球が第2大入賞口(役物)内の特定領域74を通過したときに、遊技状態を高ベース状態に移行させるか否か決定する(高ベース状態判定用)
図9に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り判定用乱数、(2)の大当り図柄決定用乱数、(3)のはずれ図柄決定用乱数、(5)の普通図柄当り判定用乱数、および(8)の高ベース状態判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(8)の乱数以外の乱数も用いられている。また、この実施の形態では、特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)のはずれ図柄を1種類にしているので、はずれ図柄決定用乱数を用いなくてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムにもとづいて生成されるソフトウェア乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアまたは遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェアが生成する乱数を用いてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄の変動に関しても第2特別図柄の変動に関しても図10に示された乱数(特に、ランダム2,3,4)を用いるが、第1特別図柄の変動に関する乱数と第2特別図柄の変動に関する乱数とを別にしてもよい。
さらに、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26A)。第1特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示器8aを所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。また、第2特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26B)。第2特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第2特別図柄表示器8bを所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。
次いで、CPU56は、大当り制御処理を行う(ステップS27)。大当り制御処理では、特別可変入賞球装置を所定の順序で制御するための大当り制御プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、大当り制御プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。さらに、役物開放制御処理を行う(ステップS28)。役物開放制御処理では、遊技状態に応じて第2大入賞口(役物)を所定の順序で制御するための役物開放制御プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、役物開放制御プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS29)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、CPU56は、可変表示装置9の表示制御に関する演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS30)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS31)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS32)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS33:出力処理)。
また、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグおよび第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて第1特別図柄および第2特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄や第2特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS35)。CPU56は、例えば普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS36)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S35(ステップS31を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図11は、大当り判定用乱数と第1特別図柄に関する大当り判定値(特別大当りA/特別大当りB/小当り/通常大当りとするか否かを決定するための判定値)との関係の一例を示す説明図である。CPU56は、所定の時期に、大当り判定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図11に示す大当り判定値に一致すると、第1特別図柄に関して大当りとすることに決定する。なお、CPU56は、通常状態では、大当り判定用乱数値と図11(A)に記載されている数値とを比較し、高ベース状態では、大当り判定用乱数値と図11(B)に記載されている数値とを比較する。図11(A)に記載されている数値は、通常時大当り判定値としてROM54に設定され、図11(B)に記載されている数値は高ベース時大当り判定値としてROM54に設定されている。
この実施の形態では、第2始動入賞口14に遊技球が入賞すると第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示が開始され、第2特別図柄の可変表示の表示結果(停止図柄)が小当り図柄である場合に第2大入賞口(役物)内に遊技球が入賞可能な状態に制御される。
また、第1始動入賞口13に遊技球が入賞すると第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示が開始され、第1特別図柄の可変表示の表示結果(停止図柄)が小当り図柄である場合に第2大入賞口(役物)内に遊技球が入賞可能な状態に制御される。
つまり、「小当り」(または小当り遊技)とは、第2大入賞口(役物)内に遊技球が入賞可能な状態に制御される状態であり、通常状態よりも遊技者にとって有利な状態である。この実施の形態では、第2大入賞口(役物)が、所定期間(大当り遊技の場合の大入賞口の開放時間よりも短い。)、所定回数(大当り遊技の場合のラウンド数よりも少ない。)開放される状態である。大当り遊技では、小当り遊技の場合よりも多い回数、小当り遊技の場合よりも長い一定期間(または、入賞した遊技球数が所定個になるまで)、大入賞口が開放する。なお、「小当り」とすることに事前決定された場合には、特別図柄の停止図柄は小当り図柄になるように制御される。
また、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄である場合に、第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能になる。高ベース状態とは、普通図柄表示器10における普通図柄の可変表示の可変表示時間が短縮された状態、普通図柄表示器10における普通図柄の可変表示の表示結果が当り図柄になる確率が高められている状態、第2始動入賞口14の開放時間が長くなっている状態もしくは第2始動入賞口14の開放回数が多くなっている状態、またはそれらの状態のうちの2つ以上の状態が組み合わさっている状態である。すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすくなって、第2特別図柄の可変表示が実行されやすくなり、結果として、第2大入賞口内に遊技球が入賞しやすくなる状態である。
すなわち、有利条件成立容易化手段は、普通可変表示部の普通識別情報の可変表示時間が短縮された状態、普通表示結果決定手段が表示結果を所定表示結果とする確率が高くされた状態、および可変始動入賞装置が遊技球が入賞しやすい状態に制御される状態(例えば、開放時間が延長されたり開放回数が多くなる状態)のうちの少なくとも1つの状態に制御する。なお、第2始動入賞口14および第2大入賞口について、遊技者にとって不利な状態すなわち遊技球が進入しにくい(入賞しにくい)状態にするための構造は、全く進入不可能な状態にする構造であってもよいし、進入することが困難な状態(複数の遊技球のうち少数は進入する状態)にする構造であってもよい。また、遊技者にとって有利な状態すなわち遊技球が進入しやすい(入賞しやすい)状態にするための構造は、入口部分に到達した遊技球が全て進入する状態にする構造であってもよいし、不進入が困難(複数の遊技球のうち多数は進入する状態)にする構造であってもよい。
また、「特別大当りA」とは、第1大入賞口が所定回数開閉された後、つまり、大当り遊技終了後、高ベース状態に移行することを意味する。また、「特別大当りB」とは、少ない回数だけ第1大入賞口が開放された後、遊技状態が通常状態であれば高ベース状態に移行することを意味する。特別大当りBが発生すると、第1大入賞口の開放回数が少なく設定されるだけでなく、第1大入賞口の開放時間も短く(例えば、0.8秒で2回)設定される。つまり、第1大入賞口が開放する大当り遊技の期間が短くなる。
図11に示されている「チャレンジ突入」とは、高ベース状態に移行することである。特別大当りBが生じたときには第1大入賞口が開放する大当り遊技の期間が短くなるので、特別大当りBが生じたときの「チャレンジ突入」を「突然チャレンジ突入」という。なお、「通常大当り」が発生すると、大当り遊技は実行されるが、大当り遊技終了後に高ベース状態に移行しない。
図11に示された例では、大当り(特別大当りA、特別大当りB、通常大当り)が発生する確率は6/600(1/100)である。小当りが発生する確率は1/600である。また、高ベース状態では、通常状態(非高ベース状態)である場合に比べて、特別大当りAが発生する確率は低い。具体的には1/2に低められている。従って、高ベース状態が、むやみに長引く可能性が低減する。なお、確率を1/2にするのは一例であって、高ベース状態がむやみに長引く可能性を低減できるのであれば、他の値を用いてもよい。また、射幸性が高くなるが、事前決定手段は、特別状態では、通常状態であるときに比べて高い確率で遊技状態を特別状態に移行させることに決定するようにしてもよい。その場合には、高ベース状態において用いられる大当り判定値の数の方を多くする。
また、所定の確変状態移行条件が成立すると、遊技状態を、大当りが発生する確率を高めた確変状態(大当りが発生する確率が高められる状態)に制御するようにしてもよい。その場合、確変状態では、大当り判定値の数が多くなる。所定の確変状態移行条件の成立とは、例えば、乱数を用いた抽選によって確変状態とすることに決定された場合や、大当り図柄決定用乱数を用いた抽選によって特別図柄の停止図柄をあらかじめ決められている確変図柄とすることに決定されたような場合である。
図12は、大当り判定用乱数と第2特別図柄に関する大当り判定値(大当りまたは小当りとするか否か決定するための判定値)との関係の一例を示す説明図である。CPU56は、大当り判定用乱数値が図12に示す大当り判定値(大当りまたは小当りに対応する判定値)に一致すると、第2特別図柄に関して大当りまたは小当りとすることに決定する。図12に示された例では、大当り発生する確率は1/100である。はずれに決定される確率は1/100である。また、小当り発生する確率は98/100である。
なお、この実施の形態では、第2特別図柄に関して、通常状態でも高ベース状態でも同じ判定値が用いられている。すなわち、第1事前決定手段は、特別状態でも通常状態でも、同確率で、遊技状態を特別状態に移行させる。しかし、第1事前決定手段は、特別状態では、通常状態であるときに比べて低い確率で遊技状態を特別状態に移行させることに決定するように構成されていてもよい。例えば、高ベース状態では、通常状態に比べて、小当りに対応する判定値を少なくしてもよい。
図13(A)は、この実施の形態での第1始動入賞(第1始動入賞口に遊技球が入賞したこと)が生じた場合の遊技状態の変化の仕方を説明するための説明図である。第1始動入賞が生ずると、第1特別図柄の可変表示を開始するときに、CPU56は、大当りを発生させるか、小当りを発生させるか、はずれとするかを抽選によって決定する。抽選結果が「通常大当り」を発生させることである場合には、大当り遊技において、第1大入賞口が4回(4R=4ラウンド)開閉する。また、抽選結果が「特別大当りA」を発生させることである場合には、特別図柄の可変表示が終了した後、第1大入賞口が4回(4R)開閉される大当り遊技が実行されたら、高ベース状態に移行する。その後、高ベース状態は、大当り図柄が停止表示されることなく特別図柄の可変表示が100回実行されるまで継続する。抽選結果が「特別大当りB」を発生させることである場合には、特別図柄の可変表示が終了した後、第1大入賞口が2回(2R=2ラウンド)開閉される大当り遊技が実行されたら、遊技状態が通常状態であれば高ベース状態に移行する。その後、高ベース状態は、大当り図柄が停止表示されることなく特別図柄の可変表示が50回実行されるまで継続する。なお、この場合、第1大入賞口の開放時間は短い(例えば、1回あたり0.8秒で2回)。また、「通常大当り」または「特別大当りA」では、第1大入賞口の開放時間は長い(例えば、1回あたり10秒)。
また、抽選結果が「小当り」を発生させることである場合には、大当り遊技を実行することなく、可動部材76を開放状態にして第2大入賞口(役物)に遊技球が進入可能な状態にする。この場合には、第2大入賞口(役物)を3回開放させる。
図13(B)は、第2大入賞口(役物)が開放したときの、すなわち第2大入賞口(役物)内に遊技球が入賞可能な状態になったときの遊技状態の変化の仕方を説明するための説明図である。この実施の形態では、第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄になったときに第2大入賞口(役物)内に遊技球が入賞可能な状態に制御されるのであるが、その状態において、第2大入賞口に設けられている特定領域74を遊技球が通過すると、第1大入賞口が7回(7R=7ラウンド)開閉される大当り遊技が実行され、大当り遊技が終了した後、高ベース状態に移行する。その後、高ベース状態は、大当り図柄が停止表示されることなく特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の可変表示が100回実行されるまで継続する。
なお、この実施の形態では、遊技球が特定領域74を通過したときに抽選を行い、抽選結果が高ベース状態にするということである場合に、遊技状態を高ベース状態に移行させるが、遊技球が特定領域74を通過した場合には、無条件に遊技状態を高ベース状態に移行させるようにしてもよい。また、この実施の形態において用いられる高ベース状態の継続回数は一例であって、高ベース状態がむやみに長引く可能性を低減できるのであれば、他の継続回数を用いてもよい。また、ラウンド数の設定の仕方も一例であって、他のラウンド数を用いてもよい。
また、遊技球が特定領域74を通過しなかった場合(非特定領域73を通過した場合を含む)には、大当り遊技が実行されず、遊技状態を高ベース状態に移行させない。
図14は、第2始動入賞(第2始動入賞口14に遊技球が入賞したこと)が生じた場合に変動開始された第2特別図柄の停止図柄と遊技状態との関係を説明するための説明図である。第2始動入賞が生ずると第2特別図柄の変動が開始されるが、変動開始時に、大当りを発生させるか、小当りを発生させるか、はずれとするかを抽選によって決定する。そして、第2特別図柄の停止図柄は、大当り/小当り/はずれに応じて決定される。大当りとする場合には、第1大入賞口が4回(4R=4ラウンド)開閉される大当り遊技が実行され、大当り遊技が終了した後、高ベース状態に移行する。その後、高ベース状態は、大当り図柄が停止表示されることなく特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の可変表示が100回実行されるまで継続する。なお、この実施の形態において用いられる高ベース状態の継続回数は一例であって、高ベース状態がむやみに長引く可能性を低減できるのであれば、他の継続回数を用いてもよい。また、ラウンド数の設定の仕方も一例であって、他のラウンド数を用いてもよい。
また、抽選結果が「小当り」を発生させることである場合には、大当り遊技を実行することなく、可動部材76を開放状態にして第2大入賞口(役物)に遊技球が進入可能な状態にする。この場合には、第2大入賞口(役物)を2回開放させる。
図15は、合算保留記憶表示部18cの表示の仕方を説明するための説明図である。図15(A)に示すように、合算保留記憶表示部18cには、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計として8つの合計数まで表示可能である。そして、第1始動条件が成立したときに、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、合算保留記憶表示部18cに表示される保留記憶数(合計数)が1増やされる。また、第2始動条件が成立したときに、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、合算保留記憶表示部18cに表示される保留記憶数(合計数)が1増やされる(図15(B)参照)。
図16は、この実施の形態で用いられる特別図柄および飾り図柄の変動パターン(変動時間)を示す説明図である。図9に示すEXTとは、それぞれの変動パターンに対応した演出制御コマンド(2バイト構成)の2バイト目のデータである。
図16に示す例では、第1特別図柄および飾り図柄についての第1変動パターン#1〜#9の9種類と、第2特別図柄および飾り図柄についての第2変動パターン#1〜#9の9種類とが用いられる。なお、第1変動パターン#1〜#9のそれぞれは、第2変動パターン#1〜#9のそれぞれと同じであるが、演出制御コマンドとして別になっているので、図16において別個に示されている。以下、例えば変動パターン#n(n=1〜9)というときには、第1変動パターン#nと第2変動パターン#nの双方を意味する。
図16に示すように、通常状態において変動パターン#1〜#4が用いられ、高ベース状態(高ベース状態および確変状態の両方に制御されている状態を含む)において変動パターン#5〜#8が用いられる。また、高ベース状態では、通常時と比較して変動時間が短い。また、この実施の形態では、合算保留記憶数の値が所定値(例えば4)以上となっているときに短縮変動の変動パターン#9が用いられる。
図17は、第1特別図柄の停止図柄と、その後に制御される遊技状態との関係の一例を示す説明図である。図17に示す例では、第1特別図柄の停止図柄が「−−」である場合にははずれとなり、00〜99のいずれかの左右の数字が揃った図柄である場合には大当り(通常大当り、特別大当りAまたは特別大当りB)または小当りとなる。この実施の形態では、第1特別図柄の変動は、第1特別図柄表示器8aにおけるそれぞれの表示器に表示される図柄が「−」→「0」→・・・→「9」と変化することによって実現される。なお、「9」が表示された後、「−」に変化する。そして、図17において、通常大当り、特別大当りAおよび特別大当りBに対応する停止図柄の組み合わせが、大当り図柄であり、小当りに対応する停止図柄の組み合わせが、小当り図柄である。
第2特別図柄の変動も、第2特別図柄表示器8bにおけるそれぞれの表示器に表示される図柄が「−」→「0」→・・・→「9」と変化することによって実現される。なお、「9」が表示された後、「−」に変化する。また、大当りが発生する場合には大当り図柄を停止図柄とし、小当りが発生する場合には小当り図柄を停止図柄とし、はずれとする場合には、はずれ図柄(例えば「−−」)を停止図柄とする。
図18は、可変表示装置9における飾り図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。飾り図柄の変動は、第1特別図柄の変動に同期して実行される。図18に示す例では、高ベース状態では、第1特別図柄の変動に関連して特別大当りAが発生する場合には、停止図柄として「777」(特別大当りAの発生を想起させるような停止図柄)が導出表示される。小当りが発生する場合には、停止図柄として「333」(小当りの発生を想起させるような停止図柄)が導出表示される。通常大当りが発生する場合には、「777」および「333」以外の左中右の図柄が揃った停止図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)が導出表示される。特別大当りBが発生する場合には、停止図柄として「123」(特別大当りBの発生を想起させるような停止図柄)が導出表示される。そして、はずれの場合には、上記以外の停止図柄の組み合わせが導出表示される。
また、通常状態では、特別大当りAが発生する場合には、停止図柄として「111」、「555」、「777」または「999」(特別大当りAの発生を想起させるような停止図柄)が導出表示される。通常大当りが発生する場合には、停止図柄として「000」、「222」、「444」、「666」または「888」(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)が導出表示される。小当りが発生する場合には、停止図柄として「333」(小当りの発生を想起させるような停止図柄)が導出表示される。特別大当りBが発生する場合には、停止図柄として「123」(特別大当りBの発生を想起させるような停止図柄)が導出表示される。そして、はずれの場合には、上記以外の停止図柄の組み合わせが導出表示される。なお、可変表示装置9において可変表示および停止表示される飾り図柄は、数字、アルファベット、キャラクタ状の図柄、キャラクタ状の表示物の中に数字等が表示されている図柄、その他どのような図柄であってもよい。また、以下、大当りの発生を想起させるような飾り図柄の停止図柄も、大当り図柄という。
図19は、第2特別図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図19に示す例では、大当り(特別大当りA)が発生する場合には、「77」が第2特別図柄表示器8bに導出表示される。小当りが発生する場合には、「77」以外の左右の数字が揃ったが第2特別図柄表示器8bに導出表示される。また、はずれの場合には、「−−」が導出表示される。なお、この実施の形態では、第1特別図柄の小当り図柄と第2特別図柄の小当り図柄とを異ならせているが、それらを同じ図柄にしてもよい。例えば、図17に示された第1特別図柄の場合と同様に、第2特別図柄の小当り図柄を、「22」、「44」、「66」、「88」にしてもよい。
図20〜図23は、通常状態において、第1始動入賞が生じた場合の飾り図柄の変動(可変表示)および遊技状態の変化の仕方を説明するための説明図である。なお、飾り図柄が変動しているときには、第1特別図柄も変動している。図20に示すように、遊技球が第1始動入賞口13に入賞すると((A)参照)、飾り図柄の変動が行われる((B)参照)。変動が開始されるまでに実行される大当りとするか否かの抽選の結果がはずれにすることである場合には、可変表示装置9にはずれ図柄が導出表示される((C)参照)。
また、図21に示すように、遊技球が第1始動入賞口13に入賞すると((A)参照)、飾り図柄の変動が行われる((B)参照)。大当りとするか否かの抽選の結果が通常大当りにすることである場合には、可変表示装置9に大当り図柄(通常大当り図柄)が導出表示される((C)参照)。そして、4ラウンドの大当り遊技が実行される((D)〜(F)参照)。その後、第1保留記憶数が0でなければ、再度飾り図柄の変動が実行される((G)参照)。
なお、CPU56は、通常大当りにもとづく大当り遊技が実行された後、遊技状態が高ベース状態である場合には、高ベース状態を終了させて通常状態に戻すように制御してもよい。
また、図22に示すように、遊技球が第1始動入賞口13に入賞すると((A)参照)、飾り図柄の変動が行われる((B)参照)。大当りとするか否かの抽選の結果が特別大当りAにすることである場合には、可変表示装置9に大当り図柄(特別大当りA図柄)が導出表示される((C)参照)。そして、4ラウンドの大当り遊技が実行される((C)〜(F)参照)。大当り遊技が終了すると、遊技状態が通常状態であれば、高ベース状態に移行させる。そのとき、可変表示装置9に、高ベース状態であることを報知するための表示が行われる((G)参照)。その後、第2始動入賞口14に遊技球が入賞すると((H)参照)、第2特別図柄に関する抽選が行われ((I)参照)、第2特別図柄の変動が開始される。
また、図23に示すように、通常状態において、遊技球が第1始動入賞口13に入賞すると((A)参照)、飾り図柄の変動が行われる((B)参照)。大当りとするか否かの抽選の結果が特別大当りBにすることである場合には、可変表示装置9に大当り図柄(特別大当りB図柄)が導出表示される((C)参照)。そして、2ラウンドの大当り遊技が実行される((C)〜(F)参照)。大当り遊技が終了すると、遊技状態が通常状態であれば、高ベース状態に移行させる。そのとき、可変表示装置9に、高ベース状態であることを報知するための表示が行われる((G)参照)。その後、第2始動入賞口14に遊技球が入賞すると((H)参照)、第2特別図柄に関する抽選が行われ((I)参照)、第2特別図柄の変動が開始される。
図24〜図27は、第2特別図柄の変動(可変表示)と遊技状態との関係を示す説明図である。図24に示すように、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示が実行され((A)参照)、変動開始時に行われた抽選結果がはずれである場合には、変動時間(可変表示時間)が経過したときに、第2特別図柄表示器8bにはずれ図柄が導出表示される((B)参照)。
図25に示すように、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示が実行され((A)参照)、変動開始時に行われた抽選結果が大当りである場合には、変動時間(可変表示時間)が経過したときに、第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が導出表示される((B)参照)。そして、4ラウンドの大当り遊技が実行される((C)〜(E)参照)。大当り遊技が終了すると、遊技状態が通常状態であれば、高ベース状態に移行させる。そのとき、可変表示装置9に、高ベース状態であることを報知するための表示が行われる((F)参照)。その後、第2始動入賞口14に遊技球が入賞すると((G)参照)、第2特別図柄に関する抽選が行われ((H)参照)、第2特別図柄の変動が開始される。
図26に示すように、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示が実行され((A)参照)、変動開始時に行われた抽選結果が小当りである場合には、変動時間(可変表示時間)が経過したときに、第2特別図柄表示器8bに小当り図柄が導出表示される((B)参照)。そして、可動部材76が開放状態になる((C)参照)。なお、可動部材76が開放状態になることを羽根開放ともいう。可動部材76が開放状態になると、遊技球が第2大入賞口(役物)に進入可能になるが((D)参照)、遊技球が非特定領域73を通過したら(F)参照)、遊技状態が高ベース状態であった場合には、CPU56は、遊技状態を通常状態に戻す((G)参照)。その後、第1保留記憶数が0でなければ、再度飾り図柄の変動が実行される((H)参照)。また、第2大入賞口に進入した遊技球が流路切替部材78によって落下させられ特定領域74を通過しなかった場合にも((E)参照)、遊技状態が高ベース状態であった場合には、CPU56は、遊技状態を通常状態に戻す。
図27に示すように、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示が実行され((A)参照)、変動開始時に行われた抽選結果が小当りである場合には、変動時間(可変表示時間)が経過したときに、第2特別図柄表示器8bに小当り図柄が導出表示される((B)参照)。そして、可動部材76が開放状態になる((C)参照)。可動部材76が開放状態になると遊技球が第2大入賞口(役物)に進入可能になるが((D)参照)、遊技球が特定領域74を通過したら(E)参照)、7ラウンドの大当り遊技が実行される((G)〜(H)参照)。なお、図27には、可変表示装置9において、遊技球が特定領域74を通過して大当り遊技の後に高ベース状態に移行することを報知するための表示がなされる例が示されている((F)参照)。大当り遊技が終了すると、遊技状態が通常状態であれば、高ベース状態に移行させる。そのとき、可変表示装置9に、高ベース状態であることを報知するための表示が行われる((I)参照)。その後、第2始動入賞口14に遊技球が入賞すると((J)参照)、第2特別図柄に関する抽選が行われ((K)参照)、第2特別図柄の変動が開始される。
なお、図27には、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示が実行されるときの抽選結果が小当りである場合の例が示されているが、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示が実行されるときの抽選結果が小当りである場合にも、図27(C)〜(I)に示されたように制御される。
図28および図29は、第2大入賞口開放後の遊技状態の変化の仕方を説明するための説明図である。可動部材76が開放状態になると((A)参照)、遊技球が第2大入賞口(役物)に進入可能になるが、進入した遊技球が流路切替部材78によって落下させられ特定領域を通過しなかった場合((B)参照)、遊技状態が高ベース状態であったときには、CPU56は、特定領域74に入賞しないことを報知し、遊技状態を通常状態に戻す((E)参照)。その後、第1保留記憶数が0でなければ、再度飾り図柄の変動が実行される((F)参照)。
また、遊技球が非特定領域73を通過したときにも((C)参照)、遊技状態が高ベース状態であったときには、CPU56は、特定領域74に入賞しないことを報知し、遊技状態を通常状態に戻す((E)参照)。その後、第1保留記憶数が0でなければ、再度飾り図柄の変動が実行される((F)参照)。
第2大入賞口(役物)に進入した遊技球が特定領域74を通過すると((D)参照)、CPU56は、高ベース状態とするか否かの抽選を行う。図29には、可変表示装置9において、抽選が行われることを報知する例が示されている((G)参照)。
抽選の結果、高ベース状態とすることに決定された場合には、7ラウンドの大当り遊技が実行される((I)〜(J)参照)。大当り遊技が終了すると、遊技状態が通常状態であれば、高ベース状態に移行させる。そのとき、可変表示装置9に、高ベース状態であることを報知するための表示が行われる((K)参照)。なお、図29には、可変表示装置9において、遊技球が特定領域74を通過して大当り遊技の後に高ベース状態に移行することを報知するための表示がなされる例が示されている((H)参照)。
抽選の結果、高ベース状態としないことに決定された場合には、7ラウンドの大当り遊技が実行される((L)〜(O)参照)。大当り遊技が終了すると、CPU56は、遊技状態を通常状態に戻す。その後、第1保留記憶数が0でなければ、再度飾り図柄の変動が実行される((P)参照)。
図30は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第1特別図柄プロセス処理(ステップS26A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第1特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aを制御するための処理が実行される。
CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口13に入賞する始動入賞(第1始動入賞)が発生していたら(ステップS311)、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS312)。そして、ステップS300〜S305のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S305の処理は、以下のような処理である。
第1特別図柄通常処理(ステップS300):第1特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。CPU56は、第1特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、第1保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(第1保留記憶数)を確認する。第1保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は第1保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。第1保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。
第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):第1特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。第1特別図柄の可変表示が行われた後に大当りとするか否か(特定表示結果とするか否か)を決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。また、可変表示後の第1特別図柄の停止図柄を決定する。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値(この例では2)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
第1特別図柄変動時間設定処理(ステップS302):第1特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。第1特別図柄の可変表示の変動時間を、第1始動入賞発生時に抽出した変動時間決定用乱数(表示用乱数の一つ)の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の変動時間の中から選択する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、飾り図柄の変動パターンを指令する情報(変動パターンコマンドすなわち可変表示パターンコマンド)を送信する。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値(この例では3)に更新する。
第1特別図柄変動中処理(ステップS303):第1特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。第1特別図柄変動時間設定処理で選択された変動時間が経過(ステップS302でセットされた第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトすなわち第1特別図柄プロセスタイマの値が0になる)すると、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS304(この例では4)またはステップS305に応じた値(この例では5)に更新する。なお、第1特別図柄の表示結果を大当り図柄とすることに決定している場合にステップS305に応じた値に更新し、第1特別図柄の表示結果を大当り図柄としないことに決定している場合にステップS304に応じた値(この例では4)に更新する。
第1はずれ図柄停止処理(ステップS304):第1特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aにおける可変表示を停止して停止図柄(はずれ図柄)を表示させる。また、演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に、飾り図柄の変動の停止を示す演出制御コマンド(飾り図柄停止指定コマンド)を送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値(この例では0)に更新する。
第1大当り図柄停止処理(ステップS305):第1特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aにおける可変表示を停止して停止図柄(大当り図柄)を表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、飾り図柄の変動の停止を示す演出制御コマンド(飾り図柄停止コマンド)を送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する飾り図柄の変動の停止を示す演出制御コマンド(飾り図柄停止指定コマンド)を受信すると可変表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御するが、変動時間が経過すると独自に飾り図柄の可変表示を停止させるように制御してもよい。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図31は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図31に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
図32に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図32に示された極性と逆極性であってもよい。
図33は、演出制御用マイクロコンピュータ100に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図26に示す例において、コマンド8001(H)〜8009(H)は、第1特別図柄の可変表示に対応して可変表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)であり、コマンド8011(H)〜8019(H)は、第2特別図柄の可変表示に対応して可変表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8001(H)〜8019(H)のいずれかを受信すると、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド9000(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を特別大当りA図柄(図22参照)とすることを指定する演出制御コマンド(特別大当りA指定コマンド)である。コマンド9001(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を特別大当りB図柄とすることを指定する演出制御コマンド(特別大当りB指定コマンド)である。コマンド9002(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を通常大当り図柄とすることを指定する演出制御コマンド(通常大当り指定コマンド)である。コマンド9003(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果をはずれ図柄とすることを指定する演出制御コマンド(はずれ指定コマンド)である。コマンド9004(H)は、第1始動入賞にもとづく変動の変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を小当り図柄とすることを指定する演出制御コマンド(小当りA指定コマンド)である。コマンド9005(H)は、第2始動入賞にもとづく変動の変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を小当り図柄とすることを指定する演出制御コマンド(小当りB指定コマンド)である。小当りA指定コマンドと小当りB指定コマンドとを合わせて小当り指定コマンドということがある。また、以下、特別大当りA指定コマンド、特別大当りB指定コマンド、通常大当り指定コマンド、はずれ指定コマンドおよび小当り指定コマンドを、表示結果コマンドということがある。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が表示結果コマンドを送信するのではなく、特別大当りA/特別大当りB/通常大当り/はずれ/小当りのそれぞれに対応させて変動パターンコマンドを定め、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
コマンドA000(H)は、飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(飾り図柄停止指定コマンド)である。
B000(H)は、大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。B001(H)は、大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。
B1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放を示す演出制御コマンド(大入賞口開放時表示コマンド)である。B2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後表示コマンド)である。
B300(H)は、遊技球が第2大入賞口に進入したことを示す演出制御コマンド(第2大入賞口進入指定コマンド)である。なお、1回の第2大入賞口の開放において、第2大入賞口に複数の遊技球が進入した場合には、最初に進入した遊技球について第2大入賞口進入指定コマンドが送信される。B301(H)は、有利経路に遊技球が進入したこと(具体的には、有利経路進入スイッチ79aが遊技球を検出したこと)を示す演出制御コマンド(有利経路進入指定コマンド)である。なお、1回の第2大入賞口の開放において、有利経路に複数の遊技球が進入した場合には、最初に進入した遊技球について有利経路進入指定コマンドが送信されるように制御してもよいが、有利経路に進入した全ての遊技球について有利経路進入指定コマンドが送信されるように制御してもよい。また、B302(H)は、全ての遊技球が第2大入賞口から排出されたことを示す演出制御コマンド(第2大入賞口排出指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、合算保留記憶数が8に達していない状態で第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを示す演出制御コマンド(始動入賞指定コマンド)である。
コマンドD000(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンドである。
コマンドE000(H)は、遊技状態が高ベース状態に移行したときに送信される演出制御コマンド(高ベース状態指定コマンド)である。コマンドE001(H)は、遊技状態が通常状態(高ベース状態でない状態)に移行したときに送信される演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図26に示された内容に応じて可変表示装置9の表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。なお、図33に示された演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも主基板31から演出制御基板80に送信される。例えば、大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドや遊技状態を示す演出制御コマンド(例えば、初期化コマンドを示す演出制御コマンド)も主基板31から演出制御基板80に送信される。
図34は、ステップS312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1保留記憶数が上限値である4になっているか否か確認する(ステップS321)。第1保留記憶数が4になっている場合には、処理を終了する。
第1保留記憶数が4になっていない場合には、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS322)。また、第1保留記憶数を示す保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS323)。さらに、ソフトウェア乱数(大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として第1保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS324)。保留記憶バッファにおいて、保存領域は、第1保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。なお、ステップS324では、ランダム1〜4(図10参照)の値が抽出され、保存領域に保存される。さらに、始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS325)。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、具体的には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS30)において演出制御コマンドを送信する。
図35は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理が実行される状態は、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合である。なお、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示がなされていない状態である。
第1特別図柄通常処理において、CPU56は、大当りフラグまたは役物開放中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS50)。大当りフラグまたは役物開放中フラグがセットされている場合には処理を終了する。大当りフラグは、大当りとすることに決定されたときから大当り遊技が終了するまでセットされている。また、役物開放中フラグは、第2大入賞口(役物)が開放される制御が実行されているときにセットされている。よって、大当り遊技中または第2大入賞口(役物)開放中には第1特別図柄の変動は開始されない。
大当りフラグも役物開放中フラグもセットされていない場合には、CPU56は、第2変動中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS51)。第2変動中フラグがセットされている場合には処理を終了する。第2変動中フラグは、第2特別図柄の変動中にセットされている。よって、第2特別図柄の変動中には第1特別図柄の変動は開始されない。
第2変動中フラグがセットされていなければ、CPU56は、第1保留記憶数の値を確認する(ステップS52)。具体的には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。なお、例えば、第1保留記憶バッファにおける保存領域に乱数等のデータが格納されているか否かを確認する等、第1保留記憶数の有無が確認できれば、他の方法を用いてもよい。第1保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数の値を確認する(ステップS53)。具体的には、第2保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。第2保留記憶数が0であれば、ステップS55に移行する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、高ベースフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS54)。高ベースフラグがセットされていれば、CPU56は処理を終了する。高ベースフラグがセットされていなければ、ステップS55に移行する。
ステップS53の段階で第2保留記憶数が0でない(すなわち、第1保留記憶数と第2保留記憶数とがともに0でない)ということは、第1始動条件と第2始動条件とがともに同時に成立していることを意味する。この場合、CPU56は、遊技状態が高ベース状態である場合には、ステップS55以降の処理を実行しないようにし、第1特別図柄の変動表示を開始しないようにする。そのようにすることによって、遊技状態が高ベース状態である場合には、第1特別図柄の変動表示に優先して、第2特別図柄の変動表示が実行されるように制御される。
ステップS55では、RAM55の保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。そして、第1保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。すなわち、RAM55の保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。そして、合算保留記憶数カウンタの値を−1し(ステップS57)、第1特別図柄の変動中であることを示す第1変動中フラグをセットし(ステップS58)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS59)。なお、第2保留記憶数に応じた保存領域も、上記の第1保留記憶数に応じた保存領域と同様に構成されている。
図36および図37は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。第1特別図柄停止図柄設定処理において、CPU56は、乱数バッファ領域からランダム1(大当り判定用乱数)を読み出し(ステップS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS62)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図11参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。大当り(特別大当りA、特別大当りBまたは通常大当り)または小当りとすることに決定した場合には(ステップS63)、ステップS81に移行する。なお、ステップS63では、CPU56は、具体的には、大当り判定用乱数値が図11に示す大当り判定値に一致すると、大当りとすることに決定し、ステップS81に移行する。また、ステップS62では、高ベース状態では、大当り判定用乱数値と図11(A)に記載されている数値とを比較し、高ベース状態では、大当り判定用乱数値と図11(B)に記載されている数値とを比較する。また、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aおよび可変表示装置9において停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
大当りとしないことに決定した場合には、CPU56は、乱数バッファ領域からはずれ図柄決定用乱数を読み出し(ステップS64)、はずれ図柄決定用乱数にもとづいてはずれ図柄(この例では「−−」)を決定する(ステップS65)。そして、ステップS87に移行する。ただし、この実施の形態では、特別図柄のはずれ図柄を1種類にしているので、はずれ図柄決定用乱数を用いなくてもよい。
ステップS81では、CPU56は、大当りまたは小当りとすることに決定されている場合には大当りフラグをセットする。そして、乱数バッファ領域から大当り図柄決定用乱数を読み出し(ステップS82)、大当り図柄決定用乱数にもとづいて停止図柄として大当り図柄または小当り図柄を決定する(ステップS83)。第1特別図柄の大当り図柄は、例えば、左右の数字が揃った図柄である。また、遊技状態が高ベース状態であって、通常大当りに決定されている場合には(ステップS85,S86)、ステップS90に移行する。そうでない場合には、ステップS92に移行する。
ステップS87では、CPU56は、遊技状態が高ベース状態であるか否か確認する。高ベース状態でない場合には、ステップS92に移行する。高ベース状態であれば、継続回数カウンタ(高ベース状態になってからの特別図柄の変動回数を計数するためのカウンタ)の値を−1する(ステップS88)。そして、継続回数カウンタの値を確認する(ステップS89)。継続回数カウンタの値が0であれば、高ベース状態フラグをリセットして高ベース状態を終了させる(ステップS90)。すなわち、遊技状態を通常状態に戻す。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100に、通常状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS91)。その後、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄変動時間設定処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS92)。
図38は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動時間設定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動時間設定処理において、CPU56は、乱数バッファ領域から変動時間決定用乱数(ランダム4)を読み出す(ステップS101)。
次いで、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値が所定値(例えば4)以上であるか否かを確認する(ステップS102)。合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上であれば、CPU56は、短縮変動の変動パターン(図16に示す変動パターン#9)を選択する(ステップS103)。なお、ステップS102で、合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上である場合、CPU56は、例えば、リーチ判定用乱数を用いて、リーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU56は、リーチとすると決定すると、リーチを伴う変動パターンを選択するようにしてもよい。そして、CPU56は、リーチとしないことに決定した場合に、短縮変動の変動パターンを選択するようにしてもよい。
合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上でなければ、CPU56は、高ベースフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS104)。遊技状態が高ベース状態であることを示す高ベースフラグがセットされている場合には(ステップS104のY)、高ベース変動パターンテーブルから変動パターンを選択する(ステップS105)。高ベースフラグがセットされていない場合には、通常変動パターンテーブルから変動パターンを選択する(ステップS106)。
高ベース変動パターンテーブルとは、図16に示す第1変動パターン#5〜#8を示すデータが、変動パターン決定用乱数と比較される1つ以上の数値とともに設定されたテーブルである。CPU56は、ステップS105では、変動パターン決定用乱数と一致する数値に対応するデータを高ベース変動パターンテーブルから抽出し、そのデータが示す変動パターンを選択する。なお、高ベース変動パターンテーブルを、大当り時高ベース変動パターンテーブルとはずれ時高ベース変動パターンテーブルとに分け、これから開始される第1特別図柄の停止図柄を大当り図柄とすることを示す第1大当りフラグがセットされているときには大当り時高ベース変動パターンテーブルから変動パターンを選択し、第1大当りフラグがセットされていないときにははずれ時高ベース変動パターンテーブルから変動パターンを選択するようにしてもよい。その場合、大当り時高ベース変動パターンテーブルには、第1変動パターン#5を示すデータは設定されない。
通常変動パターンテーブルとは、図16に示す第1変動パターン#1〜#4を示すデータが、変動パターン決定用乱数と比較される1つ以上の数値とともに設定されたテーブルである。CPU56は、ステップS106では、変動パターン決定用乱数と一致する数値に対応するデータを通常変動パターンテーブルから抽出し、そのデータが示す変動パターンを選択する。なお、通常変動パターンテーブルを、大当り時通常変動パターンテーブルとはずれ時通常変動パターンテーブルとに分け、これから開始される第1特別図柄の停止図柄を大当り図柄とすることを示す第1大当りフラグがセットされているときには大当り時通常変動パターンテーブルから変動パターンを選択し、第1大当りフラグがセットされていないときにははずれ時通常変動パターンテーブルから変動パターンを選択するようにしてもよい。その場合、大当り時通常変動パターンテーブルには、第1変動パターン#1を示すデータは設定されない。
次いで、CPU56は、特別大当りAとすることに決定されている場合には特別大当りA指定の演出制御コマンド(特別大当りA指定コマンド)を送信し、特別大当りBとすることに決定されている場合には特別大当りB指定の演出制御コマンド(特別大当りB指定コマンド)を送信し、通常大当りとすることに決定されている場合には通常大当り指定の演出制御コマンド(通常大当り指定コマンド)を送信し、小当りとすることに決定されている場合には小当りA指定の演出制御コマンド(小当りA指定コマンド)を送信し、大当りまたは小当りとすることに決定されていない場合にははずれ指定の演出制御コマンド(はずれ指定コマンド)を送信するように制御する(ステップS111)。なお、特別大当りAや特別大当りBとすることは、ステップS62において決定されているが、ステップS62では大当りとするか否かのみを決定し、特別大当りAや特別大当りBとするか否かを、大当り図柄の決定結果にもとづいて決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、ステップS102で選択した変動時間に応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS112)。また、第1特別図柄の変動を開始する(ステップS113)。例えば、ステップS34の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている第1変動時間タイマ(特別図柄プロセスタイマの一種)に、変動時間に応じた値を設定する(ステップS114)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS115)。
図39は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動中処理において、CPU56は、第1変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、第1変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、大当りまたは小当りとすることに決定されていることを示す大当りフラグがセットされている場合には(ステップS123)、第1特別図柄プロセスフラグの値を大当り図柄停止処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS124)。第1大当り変動フラグがセットされていない場合には第1特別図柄プロセスフラグの値をはずれ図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS125)。第1変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図40は、第1特別図柄プロセス処理における第1はずれ図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。第1はずれ図柄停止処理において、CPU56は、例えばステップS34の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして第1特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aにはずれ図柄を導出表示する制御を行う(ステップS161)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、飾り図柄停止指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。さらに、第1変動中フラグをリセットする(ステップS163)。そして、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS164)。
図41は、第1特別図柄プロセス処理における第1大当り図柄停止処理(ステップS305)を示すフローチャートである。第1大当り図柄停止処理において、CPU56は、ステップS34の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aに大当り図柄または小当り図柄を導出表示する制御を行う(ステップS181)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、飾り図柄停止指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS182)。さらに、第1変動中フラグをリセットする(ステップS183)。
そして、小当りとすることに決定されている場合には(ステップS184)、役物開放要求フラグをセットして(ステップS185)、ステップS189に移行する。
小当りとすることに決定されていない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS186)。そして、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを例えば可変表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定し(ステップS187)、大当り開始要求フラグをセットし(ステップS188)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS189)。
なお、この実施の形態では、CPU56は、飾り図柄停止指定コマンドを送信してから直ぐに大当り開始指定コマンドを送信しているが、飾り図柄停止指定コマンドを送信してから、大当り図柄を停止表示する時間を設け、その時間が経過したら、大当り開始指定コマンドを送信するようにしてもよい。
図42は、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第2特別図柄プロセス処理(ステップS26B)のプログラムの一例を示すフローチャートである。第2特別図柄プロセス処理では第2特別図柄表示器8bを制御するための処理が実行される。
CPU56は、第2特別図柄プロセス処理を行う際に、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が第2始動入賞口14に入賞する始動入賞(第2始動入賞)が発生していたら(ステップS511)、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS512)。そして、内部状態(具体的には、第2特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS500〜S505のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS500〜S505の処理は、以下のような処理である。
第2特別図柄通常処理(ステップS500):第2特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。第2特別図柄通常処理において、CPU56は、第2保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(第2保留記憶数)を確認する。第2保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は第2保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。第2保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS501に応じた値(この例では1)に更新する。
第2特別図柄停止図柄設定処理(ステップS501):第2特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。第2特別図柄の可変表示が行われた後に大当りまたは小当りとするか否かを決定する。大当りまたは小当りとする場合には大当りフラグをセットする。また、可変表示後の第2特別図柄の停止図柄を決定する。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS502に応じた値(この例では2)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
第2変動時間設定処理(ステップS502):第2特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。第2特別図柄の可変表示の時間(変動時間)を、第2始動入賞発生時に抽出した変動時間決定用乱数の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の変動時間の中から選択する。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS503に応じた値(この例では3)に更新する。
第2特別図柄変動中処理(ステップS503):第2特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。第2変動時間設定処理で選択された変動時間が経過(ステップS502でセットされた第2特別図柄プロセスタイマがタイムアウトすなわち第2特別図柄プロセスタイマの値が0になる)すると、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS504(この例では4)またはステップS505に応じた値(この例では5)に更新する。なお、第2特別図柄の表示結果を大当り図柄または小当り図柄とすることに決定している場合にステップS505に応じた値に更新し、第2特別図柄の表示結果を大当り図柄および小当り図柄としないことに決定している場合にステップS504に応じた値(この例では4)に更新する。
第2はずれ図柄停止処理(ステップS504):第2特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第2特別図柄表示器8bにおける可変表示を停止して停止図柄(はずれ図柄)を表示させる。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS500に応じた値(この例では0)に更新する。
第2大当り図柄停止処理(ステップS505):第2特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第2特別図柄表示器8bにおける可変表示を停止して停止図柄(大当り図柄または小当り図柄)を表示させる。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS500に応じた値に更新する。
図43は、第2特別図柄プロセス処理における第2特別図柄通常処理(ステップS500)を示すフローチャートである。第2特別図柄通常処理が実行される状態は、第2特別図柄プロセスフラグの値がステップS500を示す値となっている場合である。なお、第2特別図柄プロセスフラグの値がステップS500を示す値となっている場合とは、第2特別図柄表示器8bにおいて第1特別図柄の変動表示がなされていない状態である。
第2特別図柄通常処理において、CPU56は、大当りフラグまたは役物開放中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS250)。大当りフラグまたは役物開放中フラグがセットされている場合には処理を終了する。よって、大当り遊技中または第2大入賞口(役物)開放中には第2特別図柄の変動は開始されない。
大当りフラグも役物開放中フラグもセットされていない場合には、CPU56は、第1変動中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS251)。第1変動中フラグがセットされている場合には処理を終了する。第1変動中フラグは、第1特別図柄の変動中にセットされている。よって、第1特別図柄の変動中には第2特別図柄の変動は開始されない。
第1変動中フラグがセットされていなければ、CPU56は、第2保留記憶数の値を確認する(ステップS252)。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第1保留記憶数の値を確認する(ステップS253)。具体的には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。第1保留記憶数が0であれば、ステップS255に移行する。第1保留記憶数が0でなければ、CPU56は、高ベースフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS254)。高ベースフラグがセットされていなければ、CPU56は処理を終了する。高ベースフラグがセットされていれば、ステップS255に移行する。
ステップS253の段階で第1保留記憶数が0でない(すなわち、第1保留記憶数と第2保留記憶数とがともに0でない)ということは、第1始動条件と第2始動条件とがともに同時に成立していることを意味する。この場合、CPU56は、遊技状態が高ベース状態でない場合(すなわち、非高ベース状態である低ベース状態(通常状態)である場合)には、ステップS255以降の処理を実行しないようにし、第2特別図柄の変動表示を開始しないようにする。そのようにすることによって、遊技状態が非高ベース状態である場合には、第2特別図柄の変動表示に優先して、第1特別図柄の変動表示が実行されるように制御される。なお、第2保留記憶数を増加させるための第2始動口スイッチ通過処理(ステップS512)は、ステップS312の第1始動口スイッチ通過処理(図34参照)と同様の処理である。すなわち、図34に示された処理において、「第1」を「第2」と読み替えれば、第2始動口スイッチ通過処理になる。
ステップS255では、RAM55の保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。そして、第2保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS256)。すなわち、RAM55の保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第2保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、合算保留記憶数カウンタの値を−1し(ステップS257)、第2特別図柄の変動中であることを示す第2変動中フラグをセットし(ステップS258)、第2特別図柄プロセスフラグの値を第2特別図柄停止図柄設定処理(ステップS501)に対応した値に更新する(ステップS259)。
図44および図45は、第2特別図柄プロセス処理における第2特別図柄停止図柄設定処理(ステップS501)を示すフローチャートである。第2特別図柄停止図柄設定処理において、CPU56は、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数(ランダム1)を読み出し(ステップS522)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS523)。ここで用いられる大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図12における大当りに対応する値および小当りに対応する値)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りまたは小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。大当りまたは小当りとすることに決定した場合には(ステップS524)、ステップS531に移行する。なお、大当りまたは小当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか、または第2大入賞口(役物)を開放するか否か決定するということであるが、第2特別図柄表示器8bにおいて停止図柄を大当り図柄または小当り図柄とするか否か決定するということでもある。
大当りおよび小当りとしないことに決定した場合には、CPU56は、乱数バッファ領域からはずれ図柄決定用乱数を読み出し(ステップS525)、はずれ図柄決定用乱数にもとづいてはずれ図柄(この例では「−−」)を決定する(ステップS526)。そして、ステップS537に移行する。
ステップS531では、CPU56は、大当りまたは小当りとすることに決定されている場合には大当りフラグをセットする。そして、乱数バッファ領域から大当り図柄決定用乱数を読み出し(ステップS532)、大当り図柄決定用乱数にもとづいて停止図柄として大当り図柄または小当り図柄を決定する(ステップS533)。第2特別図柄の大当り図柄または小当り図柄は、例えば、左右の数字が揃った図柄である(図19参照)。また、遊技状態が高ベース状態であって、通常大当りに決定されている場合には(ステップS535,S536)、ステップS540に移行する。そうでない場合には、ステップS542に移行する。
ステップS537では、CPU56は、遊技状態が高ベース状態であるか否か確認する。高ベース状態でない場合には、ステップS542に移行する。高ベース状態であれば、継続回数カウンタ(高ベース状態になってからの特別図柄の変動回数を計数するためのカウンタ)の値を−1する(ステップS538)。継続回数カウンタの値が0である場合には、高ベース状態フラグをリセットする(ステップS539,S540)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、通常状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS541)。その後、第2特別図柄プロセスフラグの値を第2変動時間設定処理(ステップS502)に対応した値に更新する(ステップS542)。
第2特別図柄プロセス処理における第2特別図柄変動時間設定処理、第2特別図柄変動中処理、および第2はずれ停止処理は、第1特別図柄変動時間設定処理、第1特別図柄変動中処理、および第1はずれ柄停止処理と同様である(図38から図40参照)。ただし、「第1」を「第2」とよみかえる。また、ステップS111に相当する処理では、小当りA指定コマンドに代えて、小当りB指定コマンドを送信する。
図46は、第2特別図柄プロセス処理における第2大当り図柄停止処理(ステップS505)を示すフローチャートである。第2大当り図柄停止処理において、CPU56は、ステップS34の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第2特別図柄表示器8bに大当り図柄または小当りを導出表示する制御を行う(ステップS491)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、飾り図柄停止指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS492)。さらに、第2変動中フラグをリセットする(ステップS493)。
そして、停止図柄が小当り図柄である場合には(ステップS494)、役物開放要求フラグをセットして(ステップS495)、ステップS499に移行する。
停止図柄が小当り図柄でなかった(大当り図柄であった)場合には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS496)。そして、大当り表示時間タイマに大当り表示時間に相当する値を設定し(ステップS497)、大当り開始要求フラグをセットし(ステップS498)、第2特別図柄プロセスフラグの値を第2特別図柄通常処理(ステップS500)に対応した値に更新する(ステップS499)。
図47は、大当り制御処理(ステップS27)を示すフローチャートである。大当り制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的にはCPU56)は、内部状態(具体的には、大当り制御プロセスフラグの値)に応じて、ステップS306〜S309のうちのいずれかの処理を行う。
大当り制御通常処理(ステップS306):大当り遊技中でないときに実行される。具体的には、大当り制御プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り制御通常処理において、CPU56は、大当り開始要求フラグがセットされている場合には、所定期間を計測し、所定期間が経過すると、内部状態(大当り制御プロセスフラグの値)をステップS307に応じた値(この例では7)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定期間において、可変表示装置9に、大当りの発生を報知するための表示を行う。
第1大入賞口開放前処理(ステップS307):大当り制御プロセスフラグの値が7であるときに実行される。第1大入賞口開放前処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば第1大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置20を開放状態にして第1大入賞口を開放する。また、第1大入賞口の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマに所定時間に相当する値を設定する。第1ラウンドを開始するときには、第1大入賞口の開放回数を計数するための大入賞口開放回数カウンタに、ラウンド数に相当する値を設定する。
大入賞口開放時間タイマに設定される所定時間に相当する値は、特別大当りBの場合には、例えば0.8秒に相当する値である。その他の場合には、例えば、29秒に相当する値である。また、大入賞口開放回数カウンタに設定されるラウンド数に相当する値は、特別大当りBの場合には2である。特別大当りAまたは通常大当りの場合には4である。第2大入賞口内の特定領域74を遊技球が通過したことにもとづく大当りの場合には7である。また、第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄であった場合には4である。
そして、内部状態(大当り制御プロセスフラグの値)をステップS308に応じた値(この例では8)に更新する。第1大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第1大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1大入賞口開放前処理を実行することによって特定遊技状態移行制御手段を実現している。
第1大入賞口開放中処理(ステップS308):大当り制御プロセスフラグの値が8であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(大当り制御プロセスフラグの値)をステップS307に移行するように更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(大当り制御プロセスフラグ)をステップS309に応じた値(この例では9)に更新する。
大入賞口の閉成条件は、カウントスイッチ23によって所定個(例えば10個)の遊技球が検出されたとき、または大入賞口開放時間タイマがタイムアウトとしたときに成立する。そして、大入賞口の閉成条件が成立したときに、CPU56は、大入賞口開放回数カウンタの値を−1する。CPU56は、大入賞口開放回数カウンタの値が0でない場合に、残りラウンドがあると判定する。また、大入賞口開放回数カウンタの値が0であるときに、全てのラウンドを終えたと判定する。
大当り終了処理(ステップS309):大当り制御プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(大当り制御プロセスフラグ)をステップS306に応じた値(この例では6)に更新する。
図48は、大当り制御プロセス処理における大当り制御通常処理(ステップS306)を示すフローチャートである。大当り制御通常処理において、CPU56は、ステップS188、ステップS498または後述するステップS459でセットされる大当り開始要求フラグがセットされているか否か確認する(ステップS191)。セットされていない場合には処理を終了する。大当り開始要求フラグがセットされている場合には、大当り開始要求フラグをリセットする(ステップS192)。そして、ステップS187、ステップS497または後述するステップS458で設定される大当り表示時間タイマを−1し(ステップS193)、大当り表示時間タイマの値が0になったら(ステップS194)、第1大入賞口の開放制御が行われていることを示す第1大入賞口開放制御フラグをセットし(ステップS195)、大当り制御プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値に更新する(ステップS196)。
図49は、大当り終了処理(ステップS309)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当りフラグをリセットし(ステップS200)、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS201)。そして、高ベース状態禁止フラグがセットされているか否か確認する(ステップS202)。高ベース状態禁止フラグは、第2大入賞口(役物)内の特定領域74を遊技球が通過したことにもとづく抽選によって大当り遊技後に高ベース状態に移行させないことに決定された場合にセットされるフラグである。高ベース状態禁止フラグがセットされていない場合には、ステップS206に移行する。
高ベース状態禁止フラグがセットされている場合には、高ベース状態禁止フラグをリセットし(ステップS203)、現遊技状態すなわち当該大当り遊技が行われる直前の状態が高ベース状態であれば、遊技状態が高ベース状態であることを示す高ベース状態フラグをリセットする(ステップS204)。また、現遊技状態すなわち当該大当り遊技が行われる直前の状態が高ベース状態であれば、演出制御用マイクロコンピュータ100に、通常状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS205)。そして、ステップS209に移行する。
ステップS206では、高ベース状態の継続回数を示す継続回数カウンタに100または50を設定する。特別大当りAにもとづく大当り遊技が行われた場合には100を設定し、特別大当りBにもとづく大当り遊技または小当りにもとづく大当り遊技が行われた場合には50を設定する(図13および図15参照)。
また、現遊技状態すなわち当該大当り遊技が行われる直前の状態が通常状態(高ベース状態でない状態すなわち高ベース状態フラグがセットされていない場合)であれば、遊技状態が高ベース状態であることを示す高ベース状態フラグをセットする(ステップS207)。また、現遊技状態すなわち当該大当り遊技が行われる直前の状態が通常状態であれば、演出制御用マイクロコンピュータ100に、高ベース状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS208)。そして、大当り制御プロセスフラグの値を大当り制御通常処理(ステップS306)に対応した値に更新する(ステップS209)。
図50は、普通図柄プロセス処理(ステップS29)を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理において、CPU56は、ステップS221〜S225の処理を実行した後、内部状態(具体的には、普通図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS230〜S233のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS221では、CPU56は、第2大入賞口が開放中(具体的には、開放開始から全ての遊技球が第2大入賞口から排出されるまで)であることを示す役物開放中フラグがセットされているか否か確認し、セットされている場合には、ステップS222の処理を実行せず、ステップS230〜S233のうちのいずれかの処理を行う。
役物開放中フラグがセットされていない場合には(ステップS221)、ゲートスイッチ32aがオンしたか否か確認し(ステップS222)、オンしているときには、普通図柄保留記憶数が上限値(この例では4)に達していないことを条件に(ステップS223)、普通図柄保留記憶数の値を増やす(ステップS224)。具体的には、普通図柄保留記憶数カウンタの値を+1する。また、普通図柄当り判定用乱数を抽出し、抽出した乱数値を、普通図柄保留記憶数カウンタの値に対応する普通図柄保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS225)。普通図柄保留記憶バッファにおいて、保存領域は、普通図柄保留記憶数の上限値と同数確保されている。なお、役物開放中フラグは第2大入賞口(役物)が開放状態にあるときにセットされているので、第2大入賞口が開放状態にあるときに第2始動入賞口14に遊技球が入賞すると、その入賞は無効始動入賞(普通図柄の変動を開始させるための第2始動条件を成立させない)になる。
ステップS230〜S233では、CPU56は、以下のような処理を行う。
普通図柄通常処理(ステップS230): 遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば普通図柄プロセスフラグの値がステップS230を示す値となっている場合)となったか否か確認する。普通図柄プロセスフラグの値がステップS230を示す値となっている場合とは、普通図柄表示器10において普通図柄の変動がなされている状態でなく、かつ、可変入賞球装置15の開放制御中でもない場合である。そして、普通図柄の変動を開始することができる状態になった場合には、普通図柄保留記憶数カウンタの値が0でないことを条件に、内部状態(普通図柄プロセスフラグの値)を普通図柄判定処理(ステップS231)を示す値に更新する。
普通図柄判定処理(ステップS231):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄保留記憶バッファから普通図柄当り判定用乱数を読み出し、当りとするかはずれとするかを決定する。具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄当り判定用乱数の値が当り判定値と一致するか否か判定し、一致する当り判定値があれば当りと決定する。そして、普通図柄変動時間タイマに変動時間に応じた値を設定するとともに普通図柄の変動を開始させ、内部状態(普通図柄プロセスフラグの値)を普通変動中処理(ステップS232)を示す値に更新する。
普通図柄変動中処理(ステップS232):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄変動時間タイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄の変動を停止させ、普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、内部状態(普通図柄プロセスフラグの値)をステップS233(第2始動入賞口開閉処理)を示す値に更新する。普通図柄の停止図柄がはずれ図柄であれば、内部状態(普通図柄プロセスフラグの値)をステップS230(普通図柄通常処理)を示す値に更新する。
第2始動入賞口開閉処理(ステップS233):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技状態に応じて、通常時テーブルと高ベース時テーブルとのうちのいずれかに設定されている値を用いて可変入賞球装置15を所定期間開放する開放制御を行う。
図51は、普通図柄の変動時間、可変入賞球装置15の開放時間および開放回数の一例を示す説明図である。図51に示す例では、通常時テーブルには、普通図柄の変動時間としての30.0秒、開放時間としての0.5秒および開放回数としての1回を示すデータが設定されている。また、高ベース時テーブルには、普通図柄の変動時間としての1.0秒、開放時間としての2.5および開放回数としての2回を示すデータが設定されている高ベースAデータと、普通図柄の変動時間としての3.0秒、開放時間としての1.5秒および開放回数としての1回を示すデータが設定されている高ベースBデータとが設定されている。高ベースAデータは、特別大当りAにもとづいて高ベース状態になった状態で使用され、高ベースBデータは、特別大当りBにもとづいて高ベース状態になった状態で使用される。
よって、第2始動入賞口開閉処理において、CPU56は、通常状態であれば、可変入賞球装置15が1回だけ0.5秒間開放するように制御する。高ベース状態であれば、可変入賞球装置15が、2回、それぞれの回において2.5秒間開放するように制御するか、可変入賞球装置15が1回だけ1.5秒間開放するように制御する。その後、内部状態(普通図柄プロセスフラグの値)をステップS230(普通図柄通常処理)を示す値に更新する。
図52は、普通図柄判定処理(ステップS231)を示すフローチャートである。普通図柄判定処理において、CPU56は、普通図柄保留記憶数カウンタが示す普通図柄保留記憶バッファの保存領域から普通図柄当り判定用乱数を読み出し(ステップS241)、当りとするかはずれとするかを決定する(ステップS242)。具体的には、CPU56は、普通図柄当り判定用乱数の値が当り判定値と一致するか否か判定し、一致する当り判定値があれば当りと決定する。当り判定値は、例えば、高ベース状態のときには3〜12であり、高ベース状態でないとき(通常状態のとき)には、例えば、3,5,7,11または13である。
CPU56は、当り/はずれを決定したら、遊技状態に応じて、通常時テーブルと高ベース時テーブルとのうちのいずれかから変動時間を示すデータを読み出し、読み出したデータが示す変動時間に応じた値を、RAMに形成されている普通図柄変動時間タイマに設定する(ステップS243)。通常時テーブルには、例えば30秒を示すデータがセットされ、高ベース時テーブルには、例えば1.0秒または3.0秒を示すデータがセットされている(図51参照)。従って、CPU56は、通常時には、30秒に応じた値を普通図柄変動時間タイマに設定し、高ベース時には、高ベースAデータとしての1.0秒または高ベースBデータとしての3.0秒に応じた値を設定する。なお、CPU56は、例えば、遊技状態を高ベース状態に制御したときに、特別大当りAにもとづく大当り遊技終了後に高ベース状態に制御されたのか、特別大当りBにもとづく大当り遊技終了後に高ベース状態に制御されたのかを示すフラグをセットする。ステップS243では、CPU56は、そのフラグを参照して、高ベースAデータを用いるか高ベースBデータを用いるか判定する。
そして、CPU56は、普通図柄の変動を開始させる(ステップS244)。例えば、ステップS35の普通図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。その後、内部状態(普通図柄プロセスフラグの値)をステップS232(普通図柄変動中処理)に応じた値に更新する(ステップS245)。
なお、ここでは、特別大当りAにもとづいて高ベース状態になった状態(高ベースA状態)と特別大当りBにもとづいて高ベース状態になった状態(高ベースB状態)とで、普通図柄の変動時間や、可変入賞球装置15の開放時間および開放回数を変えるようにしたが、さらに、高ベースA状態と高ベースB状態とで、大当り遊技状態での第1大入賞口の開放回数(ラウンド数)を変えるようにしてもよい。
図53は、普通図柄変動中処理(ステップS232)を示すフローチャートである。普通図柄変動中処理において、CPU56は、普通図柄変動時間タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS251)、普通図柄変動時間タイマの値を−1し(ステップS260)、処理を終了する。
普通図柄変動時間タイマがタイムアウトしていれば、普通図柄の変動を停止させる(ステップS252)。例えば、ステップS35の普通図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットする。
普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合には(ステップS253)、高ベース状態フラグがセットされている場合には(ステップS254)、高ベース時テーブルから可変入賞球装置15の開閉パターン(開放時間と開放回数)を選択する(ステップS255)。高ベース状態フラグがセットされている場合には、通常時テーブルから可変入賞球装置15の開閉パターンを選択する(ステップS256)。
そして、選択した開閉パターンをRAM55に形成されている開放パターンバッファにセットする。その後、内部状態(普通図柄プロセスフラグの値)を第2始動入賞口開閉処理(ステップS233)に対応した値に更新する(ステップS258)。なお、第2始動入賞口開閉処理において、CPU56は、開放パターンバッファにセットされている開閉パターンに従って、可変入賞球装置15の開放制御を行う。すなわち、開放パターンバッファにセットされている開放回数だけ可変入賞球装置15を開放する。具体的には、ソレノイド16を駆動する。また、開放パターンバッファにセットされている開放時間分だけソレノイド16の駆動状態を維持する。
普通図柄の停止図柄がはずれ図柄である場合には(ステップS253)、内部状態(普通図柄プロセスフラグの値)を普通図柄通常処理(ステップS230)に対応した値に更新する(ステップS259)。
次に、第2大入賞口(役物)の制御を説明する。図54は、役物開放制御処理を示すフローチャートである。役物開放制御処理(ステップS28)において、CPU56は、内部状態(具体的には、役物開放制御プロセスフラグの値)に応じて、ステップS400〜S402のうちのいずれかの処理を行う。
役物開放制御通常処理(ステップS400):役物開放制御プロセスフラグの値が0であるときに実行される。第2始動入賞口を形成する可変入賞球装置15に遊技球が入賞したことを示す第2始動口スイッチ14aがオンしたら、第2大入賞口を開放状態(遊技球が進入可能な状態)に設定し、内部状態(具体的には、役物開放制御プロセスフラグの値)を、役物開放中処理(ステップS401)に応じた値(この例では1)に更新する。
役物開放中処理(ステップS401):役物開放制御プロセスフラグの値が1であるときに実行される。第2大入賞口の開放状態を所定時間維持し、所定時間が経過したら、第2大入賞口を閉鎖状態(遊技球が進入不可能な状態)に設定し、内部状態(具体的には、役物開放制御プロセスフラグの値)を、役物閉鎖後処理(ステップS402)に応じた値(この例では2)に更新する。
役物閉鎖後処理(ステップS402):役物開放制御プロセスフラグの値が2であるときに実行される。特定領域74を遊技球が通過したか否か確認し、遊技球が通過していた場合には、大当り開始要求フラグをセットする。そして、内部状態(具体的には、役物開放制御プロセスフラグの値)を、役物開放制御通常処理(ステップS400)に応じた値(この例では0)に更新する。
図55は、役物開放制御通常処理(ステップS400)を示すフローチャートである。役物開放制御通常処理において、CPU56は、役物開放要求フラグがセットされているか否か確認する(ステップS410)。セットされていなければ処理を終了する。セットされていた場合には、役物開放要求フラグをリセットし(ステップS411)、あらかじめ決められている第2大入賞口の開放時間(例えば、5秒)に相当する値を役物開放時間タイマに設定する(ステップS412)。そして、第2大入賞口(役物)を開放状態にする。具体的には、第2大入賞口(役物)内への遊技球の進入を許容するための可動部材76の回転軸に接続されている駆動するモータ24を駆動して、可動部材76を、遊技球が第2大入賞口(役物)の内部に進入可能な状態に設定する。また、第2大入賞口(役物)の内部に進入した遊技球を計数する役物内遊技球個数カウンタをクリア(0に初期化)し(ステップS414)、第2大入賞口(役物)が開放状態にあることを示す役物開放中フラグをセットする(ステップS415)。
次いで、CPU56は、役物開放回数カウンタに開放回数を設定する(ステップS416)。例えば、第1始動記憶にもとづく小当りが発生した場合には、開放回数を3とし、第2始動記憶にもとづく小当りが発生した場合には、開放回数を2とする。その後、役物開放制御プロセスフラグの値を、役物開放中処理(ステップS401)に応じた値に更新する(ステップS417)。
図56は、役物開放中処理(ステップS401)を示すフローチャートである。役物開放中処理において、CPU56は、流路切替部材78の切替制御と、第2大入賞口進入指定コマンドおよび有利経路進入指定コマンドの送信制御を実行する(ステップS419,S420)。なお、この実施の形態では、小当りが生ずると第2大入賞口(役物)が開放するが、小当りの種類は1つである。しかし、小当りの種類を複数にして、例えば第1小当りと第2小当りとの2種類として、第1小当りと第2小当りとで流路切替部材78の挙動を異ならせてもよい。また、可動部材76の挙動を異ならせてもよい。
流路切替部材78の切替制御では、CPU56は、例えば流路切替部材78の回転軸に接続されているモータ22を正回転させる制御と逆回転させる制御とを所定時間(例えば、1秒)毎に繰り返す。例えば、モータ22が正回転すると、流路切替部材78は、遊技球を落下させる状態になるように動く。また、モータ22が逆回転すると、流路切替部材78は、遊技球を有利経路に通過させる状態になるように戻る。そして、例えば、流路切替部材78が、遊技球を有利経路に通過させる状態になっている期間を、遊技球を落下させる状態になっている期間の1/20程度にする。そのように制御すれば、第2大入賞口に進入した遊技球のうち特定領域を通過する遊技球の数は、1/20程度になる。
第2大入賞口進入指定コマンドおよび有利経路進入指定コマンドの送信制御では、CPU56は、第2大入賞口進入スイッチ71aの検出信号が遊技球を検出したことを示したら、演出制御用マイクロコンピュータ100に第2大入賞口進入指定コマンドを送信する制御を行う。また、有利経路進入スイッチ79aの検出信号が遊技球を検出したことを示したら、演出制御用マイクロコンピュータ100に有利経路進入指定コマンドを送信する制御を行う。
そして、CPU56は、役物開放時間タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS421)。タイムアウトしていれば、第2大入賞口(役物)を閉鎖状態にする。具体的には、第2大入賞口(役物)内への遊技球の進入を禁止するためにモータ24を逆回転させ、可動部材76を、遊技球が第2大入賞口(役物)の内部に進入不可能な状態に戻す(ステップS431)。そして、役物開放制御プロセスフラグの値を、役物閉鎖後処理(ステップS402)に応じた値に更新する(ステップS432)。
役物開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、役物開放時間タイマの値を−1する(ステップS422)。そして、第2大入賞口入賞スイッチ71aがオンしたら、すなわち第2大入賞口に進入した遊技球を検出したら(ステップS423)、役物内遊技球個数カウンタの値を+1する(ステップS424)。また、第2大入賞口排出スイッチ72aがオンしたら、すなわち第2大入賞口から排出された遊技球を検出したら(ステップS425)、役物内遊技球個数カウンタの値を−1する(ステップS426)。なお、非特定領域73および特定領域74を通過しない遊技球を通過させる通過口と、通過口を通過した遊技球を検出する通過口スイッチを設け、非特定領域通過スイッチ73a、特定領域通過スイッチ74aおよび通過口スイッチで検出された遊技球の合計で排出球数を計数してもよい。
遊技球が特定領域74を通過したことを示す特定領域通過スイッチ74aがオンしたら(ステップS427)、特定領域通過フラグをセットする(ステップS428)。また、遊技球が非特定領域73を通過したことを示す非特定領域通過スイッチ73aがオンしたら(ステップS429)、非特定領域通過フラグをセットする(ステップS430)。
図57および図58は、役物閉鎖後処理(ステップS402)を示すフローチャートである。役物閉鎖後処理において、CPU56は、役物開放回数カウンタの値を−1する(ステップS439)。役物開放回数カウンタの値が0になっていない場合には、ステップS475に移行する。役物開放回数カウンタの値が0になっている場合には、すなわち最終回の開放が終了した場合には、役物内遊技球個数カウンタの値が0になっているか否か確認する(ステップS441)。役物内遊技球個数カウンタの値が0になっているということは、遊技球が第2大入賞口に全く入賞しなかったか、または、第2大入賞口に入賞した全ての遊技球が第2大入賞口から排出されたことを意味する。
役物内遊技球個数カウンタの値が0になっている場合には、CPU56は、役物開放中フラグをリセットする(ステップS448)。このように、この実施の形態では、1個以上の遊技球が第2大入賞口に入賞した場合には、役物開放時間経過後、第2大入賞口に入賞した全ての遊技球が第2大入賞口から排出されたときに役物開放中フラグをリセットする。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100に、第2大入賞口排出指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS449)。また、非特定領域通過フラグがセットされている場合には(ステップS450)、非特定領域通過フラグをリセットし(ステップS471)、遊技状態が高ベース状態であれば、遊技状態が高ベース状態であることを示す高ベース状態フラグをリセットして、演出制御用マイクロコンピュータ100に、通常状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS472)。そして、ステップS460に移行する。非特定領域通過フラグがセットされていない場合でも、特定領域通過フラグがセットされていないときには(ステップS451)、ステップS460に移行する。
特定領域通過フラグがセットされている場合には、特定領域通過フラグをリセットし(ステップS452)、高ベース判定用乱数(ランダム8)を抽出する(ステップS453)。そして、大当り遊技の後に遊技状態を高ベース状態にするか否かの判定(抽選処理)を行う(ステップS454)。抽選処理の結果、高ベース状態にしないことにしたときには高ベース状態禁止フラグをセットする(ステップS456)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信し(ステップS457)、大当り表示時間タイマに大当り表示時間に相当する値を設定し(ステップS458)、大当り遊技を開始させることを要求する大当り開始要求フラグをセットする(ステップS459)。その後、役物開放制御プロセスフラグの値を、役物開放制御通常処理(ステップS400)に応じた値に更新する(ステップS460)。
役物内遊技球個数カウンタの値が0になっていない場合には、すなわち遊技球がまだ第2大入賞口内に滞留している場合には、ステップS442〜S447の処理を行う。すなわち、第2大入賞口排出スイッチ72aがオンしたら(ステップS442)、役物内遊技球個数カウンタの値を−1する(ステップS443)。また、特定領域通過スイッチ74aがオンしたら(ステップS444)、特定領域通過フラグをセットする(ステップS445)。非特定領域通過スイッチ73aがオンしたら(ステップS446)、非特定領域通過フラグをセットする(ステップS447)。そして、処理を終了する。
ステップS475では、次回の第2大入賞口(役物)開放のための制御を行う。すなわち、CPU56は、あらかじめ決められている第2大入賞口の開放時間(例えば、5秒)に相当する値を役物開放時間タイマに設定する。そして、第2大入賞口(役物)を開放状態にする。具体的には、第2大入賞口(役物)内への遊技球の進入を許容するための可動部材76の回転軸に接続されている駆動するモータ24を駆動して、可動部材76を、遊技球が第2大入賞口(役物)の内部に進入可能な状態に設定する。そして、役物開放制御プロセスフラグの値を、役物開放中処理(ステップS401)に応じた値に更新する(ステップS478)。
なお、図58には示されていないが、ステップS475〜S478の処理を実行する前に、第2大入賞口(役物)開放の間にインターバル期間をおくために、ディレイ期間を設けることが好ましい。
以上に説明したような制御によって、高ベース状態において第2大入賞口に遊技球が進入した場合でも、第2大入賞口内に設けられている非特定領域73を遊技球が通過すると、遊技状態は、高ベース状態から通常状態に戻る。従って、高ベース状態において、遊技者が第2大入賞口を狙って遊技球を発射しても高ベース状態が継続するとは限らないことになる。よって、上述した参考遊技機のような高ベース状態が永続してしまうような射幸性が極めて高い遊技機とは異なり、遊技者に適度の期待感を与えることができる遊技機が実現される。
なお、この実施の形態では、特定領域74を通過した遊技球と非特定領域73を通過した遊技球があった場合に、遊技球が非特定領域73を通過したことを優先して(図58のステップS450,S451参照)、遊技状態が高ベース状態から通常状態に戻された。しかし、その場合に、特定領域74を通過したことを優先して、大当り開始要求フラグをセットする(なお、その後、大当り制御処理において高ベース状態フラグがセットされる)ようにしてもよい。また、非特定領域73を設けず、ステップS450の処理を実行しないようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図59は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS705)。飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグの値)に対応した処理を選択して可変表示装置9の表示制御を実行する。また、大当り表示制御処理を行う(ステップS706)。大当り表示制御処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から大当り開始指定コマンドを受信すると、可変表示装置9に大当りを報知するための表示を行う。また、大当り遊技中に遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドに応じて、ラウンド数の表示などの大当り遊技中の表示演出を行う。
さらに、第1始動入賞にもとづく小当りの場合と第2始動入賞にもとづく小当りの場合とで可変表示装置9における表示演出を変更したり、特別大当りBに決定されたときに可変表示装置9における表示演出を変更したりする有利状態表示演出処理を行う(ステップS707)。また、演出制御用CPU101は、特殊演出処理を実行する(ステップS708)。特殊演出とは、第2大入賞口が開放状態にある間に実行される演出である。また、合算保留記憶数を可変表示装置9に表示する保留記憶表示制御処理を行う(ステップS709)。また、予告決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS710)。その後、ステップS702に移行する。
図60は、図59に示されたメイン処理における飾り図柄プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。飾り図柄プロセス処理では、演出制御用CPU101は、飾り図柄プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S804のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、演出制御用CPU101が実行するコマンド解析処理で変動パターン#1〜#9のいずれか(8001(H)〜8019(H)のいずれか)が受信されたことが確認された場合にセットされる。変動パターンコマンドを受信した場合には、飾り図柄の変動態様(変動期間中の飾り図柄の変動速度や、背景,キャラクタの種類、キャラクタの表示開始時期など)を、それぞれの変動パターンに応じてあらかじめ決められている複数種類のうちから選択する。なお、それぞれの変動パターンについて、あらかじめ1種類の変動態様が決められている場合には、受信した変動パターンに応じた変動態様を使用することに決定する。そして、飾り図柄プロセスフラグの値を予告選択処理(ステップS801)に対応した値に更新する。
なお、演出制御用CPU101は、例えば飾り図柄の変動態様を決定した後に、左中右の飾り図柄の停止図柄(変動時間が経過したときに導出表示される図柄)を決定する(図18参照)。特別大当りA指定コマンドを受信した場合には、特別大当りAを想起させるような飾り図柄の組み合わせ(例えば「7」,「7」,「7」)に決定する。また、特別大当りB指定コマンドを受信した場合には、特別大当りBを想起させるような飾り図柄の組み合わせ(例えば「1」,「2」,「3」)に決定する。小当りA指定コマンドまたは小当りB指定コマンドを受信した場合には、小当りを想起させるような飾り図柄の組み合わせ(例えば「3」,「3」,「3」)に決定する。通常大当り指定コマンドを受信した場合には、例えば乱数を用いた抽選によって左中右が揃った飾り図柄の組み合わせ(「7」,「7」,「7」および「3」,「3」,「3」を除く。)に決定する。また、はずれ指定コマンドを受信している場合には、例えば乱数を用いた抽選によって、左右が一致しない飾り図柄の組み合わせ(リーチを伴わない変動パターコマンドを受信している場合。例えば、変動パターン#1を指定する変動パターンコマンドを受信している場合。)、または左右が一致しているが中の飾り図柄が一致しない飾り図柄の組み合わせ(リーチを伴う変動パターコマンドを受信している場合。例えば、変動パターン#2〜#8を指定する変動パターンコマンドを受信している場合。)に決定する。
予告選択処理(ステップS801):予告演出(大当りが生ずることを遊技者にあらかじめ報知するためのキャラクタ画像等を用いた演出)を実行するか否かと、実行する場合の演出態様を決定する。そして、飾り図柄プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS802):左中右の飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、飾り図柄プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンに応じて決められている変動時間の終了を監視する。また、左右図柄の停止制御を行う。変動時間が終了したら、飾り図柄プロセスフラグの値を飾り図柄停止処理(ステップS804)に対応した値に更新する。なお、飾り図柄変動中処理では、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングの制御も行う。
飾り図柄停止処理(ステップS804):飾り図柄の変動を最終停止し停止図柄を表示する制御を行う。そして、飾り図柄プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図61は、飾り図柄プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、使用する飾り図柄の変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS841)。そして、選択したプロセステーブルにおけるプロセスデータ1のプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS842)。
プロセステーブルとは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様が記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で飾り図柄を変動表示させる制御を行う。また、演出制御用CPU101は、表示制御実行データにもとづく制御と同様に、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけランプ制御実行データにもとづいて各種ランプの点灯状態を制御し、音番号データを音声出力基板70に出力する。なお、プロセステーブルは、各変動パターンに応じた変動態様のそれぞれに応じて用意されている。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS843)。例えば、可変表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に制御信号(表示制御実行データ)を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。そして、変動時間に応じた値を変動時間タイマに設定して変動時間タイマをスタートさせ(ステップS844)、飾り図柄プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS845)。
図62は、飾り図柄プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する。また、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS828)。そして、プロセスタイマがタイムアップしたら、プロセスデータの切替を行う(ステップS829,S830)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定するとともに、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する。
変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS831)、飾り図柄プロセスフラグの値を飾り図柄停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS832)。
この実施の形態では、CPU56は、遊技状態が高ベース状態である場合には、第1保留記憶にもとづく第1特別図柄の変動表示に優先して、第2保留記憶にもとづく第2特別図柄の変動表示が実行されるように制御し、遊技状態が非高ベース状態である場合には、第2特別図柄の変動表示に優先して、第1特別図柄の変動表示が実行されるように制御した。しかし、遊技状態が高ベース状態である場合には、第2保留記憶にもとづく第2特別図柄の変動表示に優先して、第1保留記憶にもとづく第1特別図柄の変動表示が実行されるように制御し、遊技状態が非高ベース状態である場合には、第1特別図柄の変動表示に優先して、第2特別図柄の変動表示が実行されるように制御するように構成することもできる。そのように構成する場合には、図35に示すステップS54の「Y」と「N」を逆にし、図43に示すステップS254の「Y」と「N」を逆にすればよい。
図63は、ステップS707の有利状態報知演出処理を示すフローチャートである。有利状態報知演出処理において、演出制御用CPU101は、小当りA指定コマンドを受信しているか否か確認する(ステップS861)。受信している場合には、飾り図柄の色を、小当りA(第1始動入賞にもとづく第1特別図柄の変動終了後に第2大入賞口(役物)が開放される遊技状態)に応じた色としてあらかじめ決められている色に変更する(ステップS862)。具体的には、例えば、飾り図柄の色の変更をVDP109に指示する。また、小当りB指定コマンドを受信している場合には、飾り図柄の色を、小当りB(第2始動入賞にもとづく第2特別図柄の変動終了後に第2大入賞口(役物)が開放される遊技状態)に応じた色としてあらかじめ決められている色に変更する(ステップS863,S864)。具体的には、例えば、飾り図柄の色の変更をVDP109に指示する。
小当りAに応じた飾り図柄の色は、小当りBに応じた画像の色、および小当りAや小当りB以外の場合の飾り図柄の色(通常色)とは異なる。また、小当りBに応じた飾り図柄の色は、通常色とは異なる。なお、演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を小当り図柄とする飾り図柄の変動が終了したときに、飾り図柄の色を通常色に戻すように制御する。
このような制御によって、遊技者に、小当りが生じたことを報知することができる。また、第1始動入賞にもとづく小当りAと第2始動入賞にもとづく小当りBとでは遊技の態様が異なる(この実施の形態では、第2大入賞口(役物)の開放回数が異なる。図13および図14参照。)が、遊技者は、いずれの態様の小当りが生ずるのかを把握できるようになる。
また、演出制御用CPU101は、特別大当りB指定コマンドを受信している場合に、遊技状態が高ベース状態であれば、可変表示装置9の表示画面における背景(図柄やキャラクタ画像以外の画面装飾的な画像であり動画であってもよい)を高ベース状態における特別大当りBに対応する背景としてあらかじめ決められている背景に変更する(ステップS866,S867)。具体的には、例えば、使用する背景の変更をVDP109に指示する。高ベース状態でなければ、可変表示装置9の表示画面における背景を非高ベース状態(通常状態)における特別大当りBに対応する背景としてあらかじめ決められている背景に変更する(ステップS866,S868)。具体的には、例えば、使用する背景の変更をVDP109に指示する。
このような制御によって、遊技者に、第1大入賞口の開放回数が少なく、かつ、開放時間が短い特別大当りBが生じたことを報知することができる。また、遊技状態が通常状態であるときに特別大当りBの大当り遊技が終了すると、遊技状態が高ベース状態に制御されるが、遊技者は、遊技状態が高ベース状態に制御されることを把握できるようになる。
図64(A)は、非高ベース状態における特別大当りBに対応する背景の一例を示し、図64(B)は、高ベース状態における特別大当りBに対応する背景の一例を示す。また、図64において、矢印は、飾り図柄が変動していることを示す。なお、演出制御用CPU101は、遊技状態が高ベース状態であるか否かを、高ベース状態指定コマンド(図33参照)を受信した後であるか否かによって判断できる。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を特別大当りBの大当り図柄とする飾り図柄の変動が終了したときに、背景を、図64(A)および図64(B)に例示した背景から、特別大当りB以外の場合に用いられる背景に戻すように制御する。
なお、ここでは、小当りAが生ずるのか小当りBが生ずるのかを報知するために飾り図柄の色を変えるような表示演出を行ったが、他の表示演出を行うようにしてもよい。例えば、飾り図柄の態様(大きさや明るさなど)や変動のさせ方を変えたり、可変表示装置9の表示画面における背景を変えるようにしてもよい。
また、ここでは、高ベース状態において特別大当りBが生ずるときと、および高ベース状態において特別大当りBが生ずるときに、それ以外のときに対して、図64(A)や図64(B)に例示したように背景を変えるようにしたが、変更される背景は、図64に例示したものに限られない。例えば、可変表示装置9の表示画面に文字を表示するようにしてもよい。一例として、高ベース状態において特別大当りBが生ずるときには遊技状態は変化しない(高ベース状態のまま)ので、「残念」のような文字を表示する。また、背景を変えるのではなく、飾り図柄の態様(大きさ、色、明るさなど)を変えるようにしてもよい。なお、背景を変える場合でも飾り図柄の態様を変える場合でも、高ベース状態において特別大当りBが生ずるときには、非高ベース状態において特別大当りBが生ずるときに比べて、期待感が低いこと(例えば、飾り図柄の大きさを小さくしたり、飾り図柄の色調を暗くする。)が遊技者が認識可能であるような変化のさせ方をする。
さらに、演出制御用CPU101は、特別大当りAにもとづく大当り遊技が終了して高ベース状態に制御されたとき(例えば、特別大当りA指定コマンドを受信した後高ベース状態指定コマンドを受信したとき)と、特別大当りBにもとづく大当り遊技が終了して高ベース状態に制御されたとき(例えば、特別大当りB指定コマンドを受信した後高ベース状態指定コマンドを受信したとき)とで、可変表示装置9の表示画面における表示演出を変えるようにしてもよい。例えば、飾り図柄の態様(大きさ、色、明るさなど)や背景を変える。演出制御用CPU101は、変えられた飾り図柄の態様や背景を、例えば、遊技状態が高ベース状態から通常状態に戻ったときに、(例えば、通常状態指定コマンドを受信したとき)飾り図柄の態様や背景を、通常状態において用いられるものとしてあらかじめ決められているものに戻す制御を行う。なお、以下、特別大当りAにもとづく大当り遊技が終了して制御される高ベース状態を高ベース状態Aといい、特別大当りBにもとづく大当り遊技が終了して制御される高ベース状態を高ベース状態Bという。
さらに、この実施の形態では、特別図柄および飾り図柄の特別大当りAに対応した大当り図柄(特別大当りA図柄)と特別大当りBに対応した大当り図柄(特別大当りB図柄)とを別にしたが(図17および図18参照)、それらを共通にしてもよい。その場合、高ベース状態Aになるときと高ベース状態Bになるときとでは、共通でない図柄の組み合わせも用いられることが望ましい。例えば、特別図柄について、図柄の変動および大当り遊技の終了後に高ベース状態Aになるときには、大当り図柄を「1」「1」、「3」「3」、「5」「5」、「7」「7」とし、図柄の変動および大当り遊技の終了後に高ベース状態Bになるときには、大当り図柄を「7」「7」とする。また、飾り図柄について、高ベース状態Aになるときには、「1」「1」「1」、「3」「3」「3」、「5」「5」「5」、「7」「7」「7」とし、高ベース状態Bになるときには、大当り図柄を「7」「7」「7」とする。
この実施の形態では、高ベース状態Aと高ベース状態Bとでは継続回数が異なり(高ベース状態Aでは100回、高ベース状態Bでは50回、図13参照)、かつ、普通図柄の変動時間が異なるとともに第2始動入賞口14を形成する可変入賞球装置15の開放回数が異なる(図51参照)のであるが、上記のように、高ベース状態Aと高ベース状態Bとで大当り図柄が一部重複するように制御する場合には、重複しない大当り図柄(上記の例では、「7」「7」および「7」「7」「7」以外)が停止表示されたときには、継続回数が多い等の遊技者にとってより有利な状態である高ベース状態Aに制御されることを遊技者に報知できる。
図65は、ステップS709の保留記憶表示制御処理を示すフローチャートである。保留記憶表示制御処理において、演出制御用CPU101は、始動入賞指定コマンドを受信したか否か確認する(ステップS871)。始動入賞指定コマンドを受信した場合には、合算保留記憶表示カウンタの値を1増やす(ステップS872)。そして、合算保留記憶表示部18cの表示を変更する(ステップS873)。この場合には、合算保留記憶表示部18cに表示される保留記憶数(合計数)が1増えたように変更する。
また、演出制御用CPU101は、飾り図柄の変動が開始されたときに、合算保留記憶表示カウンタの値を1減らす(ステップS874,S875)。そして、合算保留記憶表示部18cの表示を変更する(ステップS876)。この場合には、合算保留記憶表示部18cに表示される保留記憶数が1減ったように変更する。
図66は、特殊演出処理(ステップS708)を示すフローチャートである。また、図67は、役物75内の遊技球の進行の状況と可変表示装置9における表示演出との関係の一例を示す説明図である。図67に示す例では、図67(A)に示すように遊技球が役物75内に進入した後、遊技球が第2大入賞口入賞スイッチ71aで検出されると、可変表示装置9に、星印9Aのような画像が表示される。そして、非特定領域73の手前に設けられている有利経路進入スイッチ79aが遊技球を検出すると、可変表示装置9において、星印9Aが移動したような画像が表示される。
特殊演出処理において、演出制御用CPU101は、第2大入賞口進入指定コマンドを受信したか否か確認する(ステップS851)。受信していた場合には、可変表示装置9に、図67(B)に示すように、第2大入賞口に遊技球が進入したことを報知するための星印9Aのような画像を可変表示装置9に表示する(ステップS852)。また、有利経路進入指定コマンドを受信したか否か確認する(ステップS853)。受信していた場合には、星印9Aが移動したような画像を可変表示装置9に表示する(ステップS854)。
そして、第2大入賞口排出指定コマンドを受信した場合には(ステップS855)、可変表示装置9から星印9Aを消去する(ステップS856)。このような制御が実行されることによって、遊技球が特定領域74に進入する可能性があることを、比較的表示内容が目立つ可変表示装置9の表示によって遊技者に報知することができる。
この実施の形態では、遊技球が有利経路を通過すると可変表示装置9において特殊な表示演出(この例では、星印9Aが移動したような画像表示)を行うが、遊技球が有利経路を通過したことを遊技者が認識できれば、他の表示演出を行ってもよい。例えば、可変表示装置9における表示画像が増えたり、表示画像が変化したり、可変表示装置9における背景の色が変わったり、飾り図柄の表示態様が変化するような表示演出を行ってもよい。
実施の形態2.
第1の実施の形態では、CPU56は、遊技状態が高ベース状態である場合には、第1保留記憶にもとづく第1特別図柄の変動表示に優先して、第2保留記憶にもとづく第2特別図柄の変動表示が実行されるように制御し、遊技状態が非高ベース状態である場合には、第2特別図柄の変動表示に優先して、第1特別図柄の変動表示が実行されるように制御した。すなわち、所定の条件の成立としての遊技状態の変化(高ベース状態から通常状態への変化、および通常状態から高ベース状態への変化)が生ずると、第1保留記憶数および第2保留記憶数がともに0でない場合に、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のうち遊技媒体が入賞する確率が高い始動入賞口(上記の実施の形態では、第2始動入賞口14に相当)への入賞にもとづく可変表示を優先して実行する状態と、遊技媒体が入賞する確率が低い始動入賞口(上記の実施の形態では、第1始動入賞口13に相当)への入賞にもとづく可変表示を優先して実行する状態とを切り替えるように制御した。
しかし、例えば、遊技状態が変化したときに、いずれかの始動入賞口への入賞にもとづく可変表示を優先する状態と、始動入賞口への入賞が発生した順番に始動入賞記憶(保留記憶)にもとづく可変表示を開始する状態とを切り替えるようにしてもよい。
第2の実施の形態では、遊技状態が通常状態から高ベース状態になると、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のうち遊技媒体が入賞する確率が高い始動入賞口(第2始動入賞口14)への入賞(具体的には保留記憶)にもとづく可変表示を優先して実行する状態になり、遊技状態が高ベース状態から通常状態になると、始動入賞口への入賞が発生した順番に始動入賞記憶(保留記憶)にもとづく可変表示を開始する状態になるように制御する。
図68は、この実施の形態での合算保留記憶を示す説明図である。合算保留記憶はRAMに形成されているのであるが、8つの記憶エリア(保留記憶1〜保留記憶8)を有し、それぞれの記憶エリアには、第1始動入賞(第1始動入賞口13への遊技球の入賞)であるのか、第2始動入賞(第2始動入賞口14への遊技球の入賞)であるのかを示すデータが設定される。
この実施の形態では、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理(図34参照)において、合算保留記憶数カウンタの値を+1したら(ステップS322参照)、合算保留記憶数カウンタの値に対応する記憶エリアに、第1始動入賞であることを示すデータを設定する。また、第2始動口スイッチ通過処理合算保留記憶数カウンタの値を+1したら、合算保留記憶数カウンタの値に対応する記憶エリアに、第2始動入賞であることを示すデータを設定する。
図69は、この実施の形態における第1特別図柄通常処理を示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数とがともに0でない場合に(ステップS52およびS53の判定結果がともに「N」である場合に)、高ベース状態であるときには処理を終了する(ステップS54)。すなわち、高ベース状態では第2保留記憶(第2始動入賞記憶)を優先する。
高ベース状態でない場合には、合算保留記憶における保留記憶1の記憶エリア(第1番目の合算保留記憶に対応)からデータを読み出し(ステップS54B)、そのデータが第1始動入賞であることを示すデータであれば(ステップS54C)、ステップS55以降の処理を実行する。すなわち、第1始動入賞記憶にもとづく特別図柄および飾り図柄の変動を開始する。合算保留記憶数カウンタの値を−1するときに合算保留記憶の内容をシフト(保留記憶(n+1)の内容を保留記憶nにシフト)する処理(ステップS57B)が追加されていることを除いて、ステップS55以降の処理は第1の実施の形態における処理と同じである(図35参照)。
図70は、この実施の形態における第2特別図柄通常処理を示すフローチャートである。第2特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数とがともに0でない場合に(ステップS252およびS253の判定結果がともに「N」である場合に)、高ベース状態であるときには(ステップS254)、ステップS255以降の処理を実行する。すなわち、第2始動入賞記憶にもとづく特別図柄および飾り図柄の変動を開始する。従って、高ベース状態では第2保留記憶(第2始動入賞記憶)が優先される。
高ベース状態でない場合には、合算保留記憶における保留記憶1の記憶エリア(第1番目の合算保留記憶に対応)からデータを読み出し(ステップS254B)、そのデータが第2始動入賞であることを示すデータであれば(ステップS254C)、ステップS255以降の処理を実行する。合算保留記憶数カウンタの値を−1するときに合算保留記憶の内容をシフト(保留記憶(n+1)の内容を保留記憶nにシフト)する処理(ステップS257B)が追加されていることを除いて、ステップS255以降の処理は第1の実施の形態における処理と同じである(図43参照)。
この実施の形態では、遊技状態が通常状態から高ベース状態になると、第2始動入賞口14への入賞にもとづく可変表示を優先して実行する状態になり、遊技状態が高ベース状態から通常状態になると、始動入賞口への入賞が発生した順番に始動入賞記憶(保留記憶)にもとづく可変表示を開始する状態になるように制御するので、遊技のバリエーションを豊富にすることができる。
なお、第2の実施の形態では、遊技状態が変化すると、第2始動入賞口14への入賞(具体的には第2保留記憶)にもとづく可変表示を優先して実行する状態と、始動入賞口への入賞が発生した順番に始動入賞記憶(保留記憶)にもとづく可変表示を開始する状態とを切り替えるようにしたが、遊技状態が変化すると、第1始動入賞口13への入賞(具体的には第1保留記憶)にもとづく可変表示を優先して実行する状態と、始動入賞口への入賞が発生した順番に始動入賞記憶(保留記憶)にもとづく可変表示を開始する状態とを切り替えるようにしてもよい。
また、第1および第2の実施の形態では、遊技媒体が入賞する確率が高い始動入賞口の関連して優先して変動を開始するか否か制御したが、遊技者にとってより有利な状態を発生させるための特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)を優先して変動を開始するようにしてもよい。有利な状態には、第2大入賞口(役物)が開放するなど遊技球が入賞しやすい状態の他、例えば、第2大入賞口が入賞しやすい状態が長い状態、遊技者が獲得できる景品遊技球数が多くなる状態、大当りが発生しやすくなる確変状態、確変状態の継続時間が長い(または、終了までの実行可能な可変表示回数が多い)状態、高ベース状態、高ベース状態になりやすい状態、高ベース状態の継続時間(または、終了までの実行可能な可変表示回数が多い)状態などがある。
例えば、第1および第2の実施の形態では、第2特別図柄の方が、小当りを生じさせやすく、その結果、可変入賞球装置15を開放させやすくなる。
また、例えば、第1および第2の実施の形態を参照すると、第2特別図柄の方が大当り(特別大当りAおよび特別大当りB)を発生させやすい。換言すれば、抽選の結果、大当りに決定される確率が高くなっている。つまり、遊技者がより多くの景品遊技球を獲得しやすい。よって、第2特別図柄の方が、遊技者にとってより有利な状態を発生させるための特別図柄に相当する。また、第1特別図柄の方が大当り(特別大当りAおよび特別大当りB)を発生させやすい特別図柄であるようにした場合には、第1特別図柄の方が、遊技者にとってより有利な状態を発生させるための特別図柄に相当する。
また、第1および第2の実施の形態では、小当りが発生すると、所定の割合で(例えば1/2)、第1大入賞口が7ラウンド開放する(図13(B)参照)。そして、第2特別図柄の方が小当りが発生しやすい特別図柄である。そのことからも、第1および第2の実施の形態では、第2特別図柄は、遊技者にとってより有利な状態を発生させるための特別図柄に相当するといえる。
また、大当りに決定される確率が高められる確変状態に制御可能であるように構成され、第1特別図柄の変動を開始するとき、および第2特別図柄の変動を開始するときに、確変状態に制御するか否か決定するように構成された場合、第1特別図柄と第2特別図柄のうち、いずれか一方の特別図柄の変動を開始するときに確変状態に決定される確率が、他方の特別図柄の変動を開始するときに確変状態に決定される確率よりも高いときには、確変状態に決定される確率が高い方の特別図柄が、遊技者にとってより有利な遊技を発生させるための特別図柄に相当する。
なお、小当りに決定される確率が高められる小当り確変状態に制御可能であるように構成され、第1特別図柄の変動を開始するとき、および第2特別図柄の変動を開始するときに、小当り確変状態に制御するか否か決定するように構成してもよい。そのように構成された場合には、小当り確変状態に決定される確率が高い方の特別図柄が、遊技者にとってより有利な状態を発生させるための特別図柄に相当する。
第1および第2の実施の形態では、可変表示に関して優先するもの(例えば、第1保留記憶と第2保留記憶のいずれか)を切り替えるための所定の条件は、遊技状態が高ベース状態と非高ベース状態(通常状態)との間で切り替わる(高ベース状態から非高ベース状態に切り替わったり、非高ベース状態から高ベース状態に切り替わったりする)ことであった。しかし、所定の条件は、それに限らず、例えば、以下のようなものを挙げることができる。
遊技状態が高ベース状態と非高ベース状態との間で切り替わること以外の遊技状態の変更(切り替わり)が生じたこと。例えば、確変状態と非確変状態との間で切り替わること。
大当り遊技終了後、大当りとすることに決定されずに所定回数(例えば、1000回や、高ベース状態の継続回数が100回である場合の50回)の特別図柄および飾り図柄の変動(可変表示)が実行されたこと。または、大当りとすることに決定されずに所定回目の変動が開始されたとき。
大当り遊技終了後、所定時間が経過したこと。
優先する保留記憶を切り替えた後、大当りとすることに決定されずに所定回数(例えば、100回)の特別図柄および飾り図柄の変動(可変表示)が実行されたこと。または、大当りとすることに決定されずに所定回目の変動が開始されたとき。
優先する保留記憶を切り替えた後、所定時間が経過したこと。
特別大当りBにもとづく大当り遊技が終了したこと。または、それ以外の種類(例えば、確変大当りや特別大当りA)の大当りにもとづく大当り遊技が終了したこと。なお、それ以外の種類の大当りにもとづく大当り遊技が終了したこととして、所定の条件が成立すると可変表示時間が短縮される時短状態に制御するように構成された遊技機において時短状態にすること(時短大当りにすること)に決定されたときに実行される大当り遊技が終了したこと、さらに大当り遊技の時間が短い突然時短大当りの大当り遊技が終了したことがある。また、確変状態や時短状態に制御することに関わりなく大当り遊技の時間が短い突然大当りの大当り遊技が終了したことなどがある。
小当り遊技が終了したこと。
一方の特別図柄の停止図柄を所定回連続して大当り図柄(または確変大当り)とすることに決定されたこと。すなわち、大当り(または確変大当り)が所定回連続して発生したこと。
確変状態において大当りが発生すると時短状態に移行するように構成された遊技機において、時短状態に移行したこと。
第1特別図柄と第2特別図柄のうち、一方の特別図柄の停止図柄が大当り図柄(確変図柄など特定の種類の大当り図柄でもよい。)になったことに応じて開始された大当り遊技が終了したこと。
保留記憶数が所定値以上になったとき(一例として、合算保留記憶数が7で、第1保留記憶数が3になったとき)。
特定種類の演出(特定の変動パターンや、遊技制御用マイクロコンピュータが予告演出する/しないを決定するように構成された場合で特定種類の予告演出)が出現したとき。
演出上のモード変化(例えば、所定条件が成立すると背景を変更するように構成されている場合の所定条件の成立)が生じたとき。
遊技者が操作可能な操作スイッチが設けられた場合の操作スイッチへの操作があったとき。
遊技盤に特定のゲートが設けられた場合の特定のゲートを遊技球が通過したとき。
また、上記の各実施の形態では、第1事前判定手段が決定する第1特別図柄の表示結果のうち小当り図柄に決定する割合と、第2事前判定手段が決定する第2特別図柄の表示結果のうち小当り図柄に決定する割合とを異ならせる制御として、第1特別図柄の変動を開始させるときに行われる抽選で小当りとする確率と、第2特別図柄の変動を開始させるときに行われる抽選で小当りとする確率とを異ならせるようにしたが、CPU56は、さらに、所定条件の成立により、それぞれの確率を変化させるようにしてもよい。例えば、上述したように、小当りに決定される確率が高められる小当り確変状態に制御可能であるようにしてもよい。その場合、小当り確変状態ににおいて、第1特別図柄の表示結果を小当り図柄にする確率が高められる度合いと、第2特別図柄の表示結果を小当り図柄にする確率が高められる度合いとを異ならせることによって、第1特別図柄の表示結果を小当り図柄にする割合と第2特別図柄の表示結果を小当り図柄にする割合との異ならせ方を、さらに変化に富んだものにすることができる。
なお、第1特別図柄の表示結果を小当り図柄にする割合と第2特別図柄の表示結果を小当り図柄にする割合とを異ならせる場合に、始動口が常時開放している第1始動口13への入賞にもとづいて開始される第1特別図柄の変動に対して、始動口が常時開放しているわけではない第2始動口14への入賞にもとづいて開始される第2特別図柄の変動の実行回数が極端に少なくならないように、すなわち、第2始動口14への入賞にもとづく小当りの発生が極端に少なくならないように(第1始動口13への入賞にもとづく小当りの発生の方が極端に多くならないように)、第2特別図柄の変動についての事前決定において小当りに決定される確率を、第1特別図柄の変動についての事前決定において小当りに決定される確率よりも高くしておくことが好ましい。
また、上記の各実施の形態では、第1特別図柄の変動を開始するときの事前決定で小当りに決定することがあり、かつ、第2特別図柄の変動を開始するときの事前決定で小当りに決定することがあったが、第1特別図柄の表示結果を小当り図柄にする割合と第2特別図柄の表示結果を小当り図柄にする割合とを異ならせる制御を行わない変形例では、第1特別図柄の変動を開始するときの事前決定で小当りに決定しないようにしたり、第2特別図柄の変動を開始するときの事前決定で小当りに決定しないようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、事前決定で第1特別図柄の表示結果を小当り図柄にすることに決定した場合、すなわち、小当りとすることに決定した場合には、第2大入賞口(役物)75を3回開放させる小当り遊技が実行されたが(図13(A)等参照)、事前決定で第1特別図柄の表示結果を小当り図柄にすることに決定した場合に、第1大入賞口を複数回(大当り遊技の場合の開放回数よりも少ない回数)開放するようにしてもよい。また、事前決定で第1特別図柄の表示結果を小当り図柄にすることに決定した場合に、大当り遊技が実行されるように制御してもよい。さらに、事前決定で第1特別図柄の表示結果を小当り図柄にすることに決定した場合に、小当り遊技の実行と大当り遊技の実行とを振り分けるようにしてもよい。例えば、乱数を用いた抽選によって小当り遊技を実行するか大当り遊技を実行するかを選択する。
さらに、事前決定で第2特別図柄の表示結果を大当り図柄にすることに決定した場合に、第2大入賞口(役物)75を所定回開放させる従来の第2種パチンコ遊技機における大当り遊技に類する遊技(ここでは、大当たり遊技という)を実行するようにしてもよい。そのような大当り遊技を実行する場合には、小当り遊技すなわち小当り図柄にもとづいて小当り遊技を実行する場合の第2大入賞口(役物)75の開放回数(例えば、2回または3回)よりも多い回数(例えば、4回)、小当り遊技を実行する場合よりも長い開放時間で第2大入賞口(役物)75を開放させる。
実施の形態3.
上記の各実施の形態では、第1始動入賞にもとづく抽選で、はずれにする場合以外で、通常大当り、特別大当りAおよび特別大当りBに決定される場合もあり小当りに決定される場合もあったが(図11および図13参照)、この実施の形態(第3の実施の形態)では、第1始動入賞にもとづく抽選で小当りとすることに決定しない。
図71は、この実施の形態における大当り判定用乱数と第1特別図柄に関する大当り判定値(特別大当りA/特別大当りB/小当り/通常大当りとするか否かを決定するための判定値)との関係の一例を示す説明図である。また、図72は、この実施の形態での第1始動入賞(第1始動入賞口に遊技球が入賞したこと)が生じた場合の遊技状態の変化の仕方を説明するための説明図である。
この実施の形態では、第1特別図柄停止図柄設定処理において、ステップS62の判定では、小当りに決定することはない。よって、CPU56は、図73に示すように、ステップS63Aでは、大当り(特別大当りA、特別大当りBまたは通常大当り)とすることに決定されたか否か判定する。なお、第1の実施の形態では、大当りまたは小当りとすることに決定されたか否か判定した(図36におけるステップS63参照)。第1特別図柄停止図柄設定処理のその他の処理は、第1の実施の形態の場合と同様である。
また、この実施の形態では、図74に示すように、第1大当り図柄停止処理において、小当り図柄を導出表示することはなく(ステップS181A)、小当りであったか否かの判定を行わない。なお、第1の実施の形態では、小当り図柄を導出表示する場合があり(図41におけるステップS181参照)、小当りであったか否かの判定を行うとともに、小当りであった場合には第2大入賞口(役物)75の開放すなわち小当り遊技の開始を要求するための役物開放要求フラグをセットした(図41におけるステップS184,S185参照)。
なお、上記の各実施の形態において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特定領域74に遊技球が進入した場合、特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)の後に遊技状態を特別状態(例えば、高ベース状態)に移行させるが、特定遊技状態に制御することなく、直ちに遊技状態を特別状態に移行させるようにしてもよい。例えば、大当り開始要求フラグをセットすることに代えて(図57におけるステップS459参照)、高ベース状態移行要求フラグをセットし、大当り制御通常処理(図48参照)において、高ベース状態移行要求フラグがセットされていたら、図49に示すステップS206に移行するように制御してもよい。
また、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2特別図柄の可変表示の停止図柄が大当り図柄であるときに、大当り遊技を実行した後に遊技状態を高ベース状態に移行させたが(図14参照)、すなわち、事前決定手段の決定結果にもとづいて、第2可変表示実行手段により第2の可変表示部(例えば、第2特別図柄表示器8b)に第1の特定表示結果が導出表示されたときに移行された特定遊技状態の後に、遊技状態を高ベース状態に移行させる特別状態移行手段を備えていたが、特別状態移行手段は、第2の可変表示部に第1の特定表示結果が導出表示されたときに、遊技状態を特別状態に移行させるように構成されていてもよい。その場合には、例えば、第2大当り図柄停止処理(図46参照)において、大当り開始要求フラグをセットせず、高ベース状態フラグをセットすればよい。