JP2007289041A - 分化細胞の調製方法および分化誘導用未分化細胞組成物 - Google Patents

分化細胞の調製方法および分化誘導用未分化細胞組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、凍結保存された未分化細胞から短期間で分化細胞を調製できる方法および本法で使用する分化誘導用未分化細胞組成物を提供することにある。
【解決手段】本発明は、未分化細胞とDMSOとを含む細胞保存用調製液を凍結する凍結工程と、凍結した細胞保存用調製液を解凍する解凍工程と、解凍した細胞保存用調製液に培地を加えることによりDMSO濃度を希釈する希釈工程と、希釈した細胞保存用調製液中の未分化細胞を培養して分化細胞にする培養工程と、を備える分化細胞の調製方法を提供する。また、本発明は、未分化細胞と8〜9体積%のジメチルスルホキシド(DMSO)とを含む分化誘導用未分化細胞組成物であって、上記の分化細胞の調製方法使用する分化誘導用未分化細胞組成物を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、分化細胞の調製方法および分化誘導用未分化細胞組成物に関する。
医薬品および機能性食品等の基礎研究、臨床試験および臨床検査等の現場では、医薬品等の薬効評価試験等をするために動物細胞が使われるが、その細胞のほとんどは、細胞の入手および維持が容易な株化細胞である。しかし、好中球のような分化細胞は、入手可能な株化細胞がほとんどないため、その前駆細胞(未分化細胞)の株化細胞を入手し、その株化細胞に分化誘導処理をして使用される。
この分化誘導は、凍結状態で入手された未分化細胞を解凍し、細胞の増殖が安定した後に、ジメチルスルホキシド(DMSO)を加えて誘導するのが一般的である(非特許文献1)。具体的には、まず、凍結細胞を37℃の湯浴槽に浸けて急速解凍し、凍結保護物質(主に、DMSO)を完全に取り除き、細胞増殖用培地を加えて培養を開始する(非特許文献2)。その翌日には、培地交換をして死滅細胞および残存した凍結保護物質を取り除き、約2週間継代培養を繰り返した後に、対数増殖期に入った細胞をDMSO(最終濃度が0.9〜1.5体積%)で刺激することによって分化を誘導する。これにより、数日後には未分化細胞が分化細胞の形質を獲得し、分化細胞を必要とする実験で使用可能となる。
ここで、DMSOは、凍結保護剤と分化誘導剤との双方に使用される物質であるが、細胞毒性を有し、細胞増殖を抑制するため、凍結融解直後の細胞を対数増殖期に導くには凍結保護剤として使われたDMSOを完全に取り除く必要があると考えられている。したがって、分化誘導処理は、凍結細胞を解凍した直後にDMSOを完全に取り除いて一定期間継代培養し、対数増殖期に入った後に行うことになる。
Steven J.ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、1978年、Vol.75、No.5、p.2458−2462 松谷 豊著、「動物細胞培養法入門」、1991年8月10日、学会出版センター、p.183―184
しかしながら、上記の基礎研究、臨床試験および臨床検査等に分化細胞を使用するには、その前駆細胞である未分化細胞が対数増殖期に入るまでの期間(約2週間)と分化誘導処理に要する期間(数日)とを考慮に入れて、前もって分化細胞の調製に取り掛かる必要がある。また、約2週間にわたる未分化細胞の培養期間中には、雑菌混入のおそれがあり、雑菌が混入すれば凍結細胞を再度解凍し直す必要がある。さらに、細胞培養は、培養技術に精通した技術者による定期的な観察と継代作業とが必要となるため、分化誘導処理までに多大な時間と労力・経費とが必要である。なお、分化細胞を入手するに当たり、生体から分化細胞を直接分離して使用することも技術的には可能であるが、細胞の分離作業には高価な設備・試薬と専門技術とが必要であり、ヒト細胞の場合にはさらに倫理的な制限があるため事実上困難である。
そこで、本発明の目的は、凍結保存された未分化細胞から短期間で分化細胞を調製できる方法および本法で使用する分化誘導用未分化細胞組成物を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、未分化細胞とDMSOとを含む細胞保存用調製液を凍結する凍結工程と、凍結した細胞保存用調製液を解凍する解凍工程と、解凍した細胞保存用調製液に培地を加えることによりDMSO濃度を希釈する希釈工程と、希釈した細胞保存用調製液中の未分化細胞を培養して分化細胞にする培養工程と、を備える分化細胞の調製方法を提供する。
本発明の分化細胞の調製方法では、凍結保存された未分化細胞を解凍した後に、DMSO等の凍結保護剤を取り除いて一定期間培養することが不要となり、凍結保存された細胞を解凍すると同時に分化誘導処理をすることが可能となる。すなわち、凍結保存された未分化細胞から分化細胞を調製するまでの時間の短縮と労力・経費の抑制が実現でき、培養細胞に雑菌が混入する確率についても減らすことが可能となる。
ここで、上記細胞保存用調製液は、8〜9体積%のDMSOを含むことが好ましい。
通常、細胞保存用調製液には、10体積%以上のDMSOが凍結保護剤として含まれるが、8〜9体積%のDMSOを含む細胞保存用調製液を用いれば、上記調製方法で調製される分化細胞の薬剤感受性(カルシウムキレート剤および小胞体カルシウムチャンネル阻害剤に対する反応性)が、通常の分化誘導処理で得られる分化細胞に比べて高くなり、分化細胞を用いた試験をより高感度に行うことが可能となる。
また、上記希釈工程において、DMSOの最終濃度を0.8〜0.9体積%になるように希釈することが好ましい。
従来の方法で分化細胞を得るには、凍結保存した未分化細胞を解凍し、DMSOを完全に取り除いて未分化細胞を一定期間培養し、その後に分化誘導処理をするが、上記調製方法においては、DMSOを完全に取り除く必要がなく、DMSO濃度を希釈し、これと同時に分化誘導処理をすることに特徴がある。DMSOの最終濃度を0.8〜0.9体積%に希釈して培養すれば、凍結状態から解凍した未分化細胞が対数増殖期に入るまでの期間の培養が不要となり、凍結保存された細胞を解凍すると同時に分化誘導処理をすることが可能となる。さらに、DMSO濃度を0.8〜0.9体積%にすれば、調製される分化細胞の薬剤感受性(カルシウムキレート剤および小胞体カルシウムチャンネル阻害剤に対する反応性)が、通常の分化誘導処理で得られる分化細胞に比べて高くなり、分化細胞を用いた試験をより高感度に行うことが可能となる。
さらに、上記分化細胞は好中球様細胞であることが好ましい。
好中球様細胞は、医薬品および機能性食品等の基礎研究、臨床試験および臨床検査の現場で必須の分化細胞であるため、本発明の分化細胞の調製方法において好中球様細胞を得ることができれば、分化細胞を得るために要する時間の短縮と労力・経費の抑制が実現され、好中球様細胞を使って得た研究結果等を迅速にフィードバックすることが可能となる。
また、上記未分化細胞はHL−60細胞であることが好ましい。
HL−60細胞は、好中球様細胞に分化可能なヒト骨髄芽球系細胞であって、細胞の入手と維持が容易な株化細胞であるため、本発明の分化細胞の調製方法においてHL−60細胞を使用することができれば、分化細胞を得るために要する時間の短縮と労力・経費の抑制が実現され、好中球様細胞を使って得た研究結果等を迅速にフィードバックすることが可能となる。
また、本発明は、未分化細胞と8〜9体積%のジメチルスルホキシド(DMSO)とを含む分化誘導用未分化細胞組成物であって、上記の分化細胞の調製方法で使用する分化誘導用未分化細胞組成物を提供する。
この分化誘導用未分化細胞組成物は、上記の分化細胞の調製方法の解凍工程、希釈工程、培養工程に供することにより、分化細胞を短期間で調製することを可能にする。また、通常、細胞保存用調製液には、10体積%以上のDMSOを凍結保護剤として加えるが、8〜9体積%のDMSOを含む細胞保存用調製液を用いれば、上記調製方法で調製される分化細胞の薬剤感受性(カルシウムキレート剤および小胞体カルシウムチャンネル阻害剤に対する反応性)が、通常の分化誘導処理で得られる分化細胞に比べて高くなり、分化細胞を用いた試験をより高感度に行うことが可能となる。
本発明の分化細胞の調製方法によれば、未分化細胞から分化細胞を調製するために必要な時間を大幅に短縮でき、細胞培養に要する労力および経費並びに培養細胞への雑菌混入の確率を大幅に減らすことが可能となる。また、本発明の分化誘導用未分化細胞組成物は、上記の分化細胞の調製方法の解凍工程、希釈工程、培養工程に供することにより、分化細胞を短期間で調製することを可能にし、細胞培養に要する労力および経費の削減を可能にする。
(分化細胞の調製方法)
以下に、本発明の実施形態に係る分化細胞の調製方法について詳細に説明する。
本発明の分化細胞の調製方法は、未分化細胞とDMSOとを含む細胞保存用調製液を凍結する凍結工程と、凍結した前記細胞保存用調製液を解凍する解凍工程と、解凍した前記細胞保存用調製液に培地を加えることによりDMSO濃度を希釈する希釈工程と、希釈した前記細胞保存用調製液中の未分化細胞を培養して分化細胞にする培養工程と、を備えることを特徴とする。
ここで、「分化細胞」とは、未分化細胞が外部からの刺激に反応して形態的・機能的に特殊化した細胞であって、未分化細胞に対して特異性が確立された成熟した細胞のことをいう。「分化細胞」には、動物および植物個体のあらゆる組織・器官を形成している細胞が含まれるが、本発明の分化細胞は、未分化細胞をDMSO刺激により分化が誘導される細胞であることが必要である。例えば、DMSO刺激により分化が誘導される分化細胞としては、好中球細胞、好中球様細胞、単球、単球様細胞、マクロファージ、マクロファージ様細胞及び赤芽球様細胞が挙げられる。
一方、「未分化細胞」とは、特定の形態的又は機能的分化をしていない細胞であって、分化過程を経て形態的・機能的に特殊化される前の未熟な細胞のことをいう。「未分化細胞」には、受精卵、ES細胞およびその他の幹細胞、前駆細胞等が含まれるが、本発明の未分化細胞は、DMSO刺激により分化が誘導される細胞であることが必要である。例えば、DMSO刺激により好中球細胞および好中球様細胞に分化する前駆細胞としては、HL−60細胞(ヒト骨髄芽球系細胞)、PLB-985細胞(骨髄性白血病由来非リンパ球系細胞)等が挙げられ、赤芽球に分化する前駆細胞としては、MEL細胞(マウス赤白血病細胞)、Friend白血病細胞(マウス赤白血病細胞)、K562細胞(ヒト慢性骨髄性白血病由来リンパ芽球系細胞)等が挙げられ、骨芽細胞に分化する前駆細胞としては、MC3T3-E1細胞(マウス前骨芽細胞)が挙げられ、単球・マクロファージ様細胞に分化する前駆細胞としては、U937細胞(単芽球系白血病細胞)が挙げられるが、これらの中で、特に、HL−60細胞(ヒト骨髄芽球系細胞)が、より効率よくDMSO刺激で分化誘導される。
本発明の凍結工程では、未分化細胞とDMSOとを含む細胞保存用調製液を凍結するが、凍結による細胞傷害(例えば、細胞の内外にできる氷結晶による物理的傷害、脱水現象、細胞内電解質濃度の増加、細胞内構造の生理的変化等の要因によるアポトーシス誘導)が軽減され、凍結前と再培養後における細胞の性質に大きな変化が生じないことが必要である。このためには、凍結保護剤として使用されるDMSO濃度は、5〜20体積%であることが好ましく、8〜12体積%であることがより好ましく、10体積%であってもよい。また、本発明の凍結工程において、DMSO濃度を8〜9体積%にすれば、調製される分化細胞の薬剤感受性(カルシウムキレート剤および小胞体カルシウムチャンネル阻害剤に対する反応性)が、通常の分化誘導処理で得られる分化細胞に比べて高くなり、分化細胞を用いた試験をより高感度に行うことが可能となり、さらに好ましい。
細胞保存用調製液としては、凍結保存する細胞に適した細胞増殖用培地を使うのが好ましく、これにDMSOを加え、凍結保存する未分化細胞を懸濁して使用することになる。しかしながら、凍結保存する細胞に害がなく、上記の細胞傷害を軽減できるものであれば、市販の細胞凍結保存用溶液(例えば、セルバンカー(十慈フィールド社))、血清、緩衝液等を細胞保存用調製液として使用することができ、DMSO以外のその他の凍結保護剤(例えば、グリセロール)や血清等をさらに加えてもよい。
凍結保存する未分化細胞は、対数増殖期にある細胞であって、生存率が80%以上の細胞を使うことが好ましいが、細胞の凍結保存後に再培養した際、細胞が死滅しておらず、細胞の成育に凍結保存前と比較して大きな差がなければ、対数増殖期の前後の細胞であってもよく、生存率が50%以上80%未満の細胞であってもよい。凍結保存時の細胞密度は、細胞増殖用培地にDMSOを加えた溶液に対し、1.2〜12.0×10個/mLが好ましく、1.2〜6.5×10個/mLがより好ましく、3.6〜6.5×10個/mLがさらに好ましい。
未分化細胞とDMSOとを含む細胞保存用調製液の凍結は、上記の細胞傷害を軽減し、凍結前と再培養後における細胞の性質に大きな変化が生じないようにするために、以下のようにして行うことができる。
まず、凍結保存する未分化細胞の細胞増殖用培地を細胞保存用調製液として用い、これに所定の濃度になるようにDMSOを加えて氷冷する。次に、凍結保存する未分化細胞を遠心分離することによりペレットとして回収し、上清を取り除いた後、所定の細胞密度となるように、DMSOを含む上記細胞保存用調製液を加えて縣濁する。その後、未分化細胞とDMSOとを含む上記細胞保存用調製液を細胞凍結保存用のセラムチューブに一定量(通常は、1mL)ずつ分注し、−80℃まで1℃/分の速度で冷却して凍結し、一晩、−80℃で保存する。この段階的な凍結は、−30℃まで1℃/分、それ以降は急速に−80℃まで冷却してそのまま保存してもよい。この段階的な凍結を可能とするには、プログラムフリーザー、専用の細胞凍結用容器(例えば、BICELL(日本フリーザー社))又は発泡スチロール箱を利用することができる。一晩後には、細胞の長期保存を可能にするため、−80℃で保存した凍結細胞を含むセラムチューブを液体窒素式保存容器に移動し、液体窒素中で細胞を保存する。但し、凍結保存する細胞の種類によっては、−80℃で長期的に保存することも可能である。
解凍工程では、凍結した上記細胞保存用調製液を解凍するが、解凍による細胞傷害(例えば、細胞の内外にできる氷結晶による物理的傷害)およびDMSOの細胞毒性を軽減し、凍結前と再培養後における細胞の性質に大きな変化が生じないことが必要である。このためには、凍結細胞の入ったセラムチューブを液体窒素中から取り出した後すぐに、37℃の湯浴槽に浸け、このセラムチューブを手で振とうしながらに急速に解凍することが必要である。但し、凍結前と再培養後における細胞の性質に大きな変化が生じなければ、この操作に制限されるものではない。
希釈工程では、解凍した上記細胞保存用調製液に細胞増殖用培地を加えることによりDMSO濃度を希釈するが、DMSOの最終濃度は、0.5〜2.0体積%であることが好ましく、0.8〜1.2体積%であることがより好ましい。さらに、本発明の分化細胞の調製方法においては、DMSO濃度を0.8〜0.9体積%にすれば、調製される分化細胞の薬剤感受性(カルシウムキレート剤および小胞体カルシウムチャンネル阻害剤に対する反応性)が、通常の分化誘導処理で得られる分化細胞に比べて高くなり、分化細胞を用いた試験をより高感度に行うことが可能となり、さらに好ましい。
培養工程では、希釈した上記細胞保存用調製液中の未分化細胞を培養して分化細胞にするが、その培養方法は、細胞を死滅させることなく未分化細胞を分化細胞に導くことができればいずれの方法を用いてもよい。例えば、5%COを混合した空気を流すCOインキュベータ内で、湿度を約100%に保ち、37℃の培養条件であれば、希釈工程で得られた細胞を死滅させることなく未分化細胞から分化細胞に導くことが可能である。培養期間は、1〜7日間が好ましく、2〜5日間がより好ましく、3〜4日間がさらに好ましい。
(分化誘導用未分化細胞組成物)
本発明の分化誘導用未分化細胞組成物は、未分化細胞とDMSOとを含む細胞保存用調製液をセラムチューブ中で凍結したものであって、上記凍結工程で得られるものである。分化誘導用未分化細胞組成物に使われる細胞保存用調製液としては、凍結保存する細胞に適した細胞増殖用培地を用い、これにDMSOを加え、凍結保存する未分化細胞を懸濁して使用するが、上記の細胞傷害を軽減できるものであれば、市販の細胞凍結保存用溶液(例えば、セルバンカー(十慈フィールド社))、血清、緩衝液等を細胞増殖用培地の代わりに用いてもよく、DMSO以外のその他の凍結保護剤(例えば、グリセロール)や血清等をさらに加えてもよい。
また、凍結保存する未分化細胞は、対数増殖期にある細胞であって、生存率が80%以上の細胞を使うことが好ましいが、細胞の凍結保存後に再培養した際、細胞が死滅しておらず、細胞の成育に凍結保存前と比較して大きな変化が生じなければ、対数増殖期の前後であってもよく、生存率が50%以上80%未満であってもよい。凍結保存時の細胞密度は、細胞増殖用培地にDMSOを加えた溶液に対し、1.2〜12.0×10個/mLが好ましく、1.2〜6.5×10個/mLがより好ましく、3.6〜6.5×10個/mLがさらに好ましい。
分化誘導用未分化細胞組成物は液体窒素中で保存され、必要に応じて、ドライアイス詰めされた容器中で凍結状態を維持しながら取引できる。
本発明を以下の実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明の分化細胞の調製方法で得られた分化細胞(凍結分化誘導処理細胞)と従来法に基づく分化細胞の調製方法で得られた分化細胞(通常分化誘導処理細胞)との分化の程度を比較するために、未分化細胞として、好中球様細胞に分化可能なヒト骨髄芽球系細胞であるHL−60細胞を使用して、以下の実験を行った。
(通常分化誘導処理細胞の調製)
通常分化誘導処理細胞を得るための従来法に基づく分化細胞の調製方法は、以下の1)〜5)の5つの工程からなる。
1)凍結工程
まず、10%ウシ胎児血清(FCS)を含むRPMI1640培地(大日本製薬株式会社)に凍結保護剤として一定量のDMSOを加えて細胞保存用調製液を調製し、対数増殖期にあるHL−60細胞を一定の細胞密度になるようにこの細胞保存用調製液に縣濁した。その後、細胞凍結保存用のセラムチューブに細胞を縣濁した上記細胞保存用調製液を1mLずつ分注し、このセラムチューブをBICELL(日本フリーザー社)に入れて−80℃で一晩保存した。これにより、細胞は、1℃/分ずつ段階的に冷却され、細胞の内外にできる氷結晶による物理的傷害を防ぐことができる。その後、凍結細胞の入ったセラムチューブを液体窒素式保存容器に移動し、液体窒素中で一定期間保存した。
2)解凍工程
その後、凍結工程で液体窒素中に保存した上記セラムチューブを液体窒素式保存容器から取り出し、すぐに37℃の湯浴槽に浸けて、セラムチューブを手で振とうしながらに急速に細胞保存用調製液を解凍した。
3)凍結保護剤の除去工程
上記細胞保存用調製液を解凍した後は、そこに5mLの10%ウシ胎児血清(FCS)を含むRPMI1640培地を加えることによりDMSO濃度を希釈し、引き続いて遠心分離することによりDMSOを完全に取り除いた。
4)培養工程
その翌日には、培地交換をして死滅細胞および残存したDMSOを取り除き、2週間継代培養を繰り返し、細胞の増殖速度をモニタリングすることにより対数増殖期に入ったことを確認した。
5)分化誘導工程
その後、対数増殖期に入った細胞を回収し、所定の細胞密度になるように新しい培地に播種し、最終濃度が1.25〜1.30体積%になるようにDMSOを添加した。引き続き、COインキュベータ内で4日間培養し、こうして得られた細胞を通常分化誘導処理細胞として実験に用いた。
(凍結分化誘導処理細胞の調製)
凍結分化誘導処理細胞を得るための本発明の分化誘導細胞の調製方法は、以下の1)〜4)の4つの工程からなる。
1)凍結工程および2)解凍工程
凍結工程および解凍工程は、上記の通常分化誘導処理細胞の調製における凍結工程および解凍工程と同じである。
3)希釈工程
上記細胞保存用調製液を解凍した後は、その1mLに対して9mLの10%ウシ胎児血清(FCS)を含むRPMI1640培地を加えることによりDMSO濃度を希釈した。
4)培養工程
その後、DMSOを取り除くことなく、そのままCOインキュベータ内で4日間培養し、こうして得られた細胞を凍結分化誘導処理細胞として実験に用いた。
(分化細胞の活性評価方法)
上記した通常分化誘導処理細胞と凍結分化誘導処理細胞との分化の程度を比較するために、両細胞を走化性刺激因子であるformyl−methionyl−leucyl−phenylalanine(以下、fMLP)とプロテインキナーゼC(PKC)を直接活性化するphorbol myristate acetate(以下、PMA)で刺激し、細胞内カルシウムイオン濃度の上昇とスーパーオキシドの産生について調べた。未分化のヒト骨髄芽球系細胞であるHL−60細胞は、fMLPに反応せず、スーパーオキシド産生能も有していないが、好中球様細胞に分化すると、fMLPとPMAの刺激に対する反応性を獲得し、細胞内のカルシウムイオン濃度が上昇し、スーパーオキシドの産生が認められるため、これらを調べることにより、両群の細胞の分化の程度(活性)を比較することができる。
細胞内カルシウムイオン濃度とスーパーオキシドの産生量の測定には、浜松ホトニクス社が開発した蛍光・化学発光同時測定装置(特開2004−61438号公報)を用い、以下の手順に従って行った。
まず、分化誘導された細胞を遠心分離して回収し、RHバッファー(10mM HEPES,pH7.4、154mM MaCl、5.6mM KCl)で細胞を2回洗浄し、10%FCS入りRPMI1640培地(日本製薬株式会社)に懸濁した。この細胞懸濁液に3μM fluo3−AM(カルシウム検出用指示薬;1−[2−amino−5−(2,7−dichloro−6−hydroxy−3−oxy−9−xanthennyl)phenoxy]−2−(2―amino―5−methylphenoxy)ethane−N,N,N’,N’−tetraacetic acid)を加え、37℃のCOインキュベータ内で45分間培養した。これにより、fluo3−AMが細胞内に取り込まれることになる。
その後、各細胞をRHバッファーで2回洗浄し、細胞密度が8.0×10細胞/mLになるように同バッファーで縣濁し、1mLを本装置の測定用セルに入れ、そこに1mM CaClと1μM CLA(スーパーオキシド検出用指示薬;2−methyl−6−phenyl−1−3,7−dihydroimidazo[1,2−a]pyrazin−3−one)を加えて測定装置のセルホルダーに固定した。本装置においては、測定用セルは撹拌されながら37℃で3分間インキュベートされ、その後、セルホルダー内の細胞に500μ秒間隔でチョッパーが作動され、アルゴンレーザー光(488nm)が励起光として細胞懸濁液に照射される。このアルゴンレーザー光の照射開始時点をモニタリングの開始時点とし、その1分後には、fMLP(最終濃度1μM)が測定用セル中の細胞に添加され、その7分後には、PMA(最終濃度0.1μM)が添加され、その後のFluo−3の蛍光強度とCLAの化学発光の変化が同時にモニタリングされる。Fluo−3の蛍光強度は、単位時間当たりの発光量で細胞内カルシウムイオン濃度を示し、CLAの化学発光は、単位時間当たりの発光量でスーパーオキシドの産生量を示すため、得られたチャートのピーク面積を比較することにより、所定時間内の細胞内カルシウムイオン濃度とスーパーオキシドの産生量を比較することが可能となる。
(実施例1)
図1は、通常分化誘導処理細胞と凍結分化誘導処理細胞をfMLPとPMAとで刺激した場合の細胞内カルシウムイオン濃度およびスーパーオキシド産生量の経時的変化の典型例を示したグラフである。ここに示される通常分化誘導処理細胞と凍結分化誘導処理細胞は、いずれも凍結保護剤として10体積%DMSOを加えた細胞保存用調製液に細胞密度が4.0×10細胞/mLになるようにして凍結保存したHL−60細胞を用いて、上記方法に基づいて分化誘導された細胞である。
その結果、通常分化誘導処理細胞(図1a)および凍結分化誘導処理細胞(図1b)では、fMLP刺激による細胞内カルシウムイオン濃度の上昇およびこれに引き続いて起こるスーパーオキシドの産生、並びにPMA刺激によるスーパーオキシドの産生がいずれも認められた。一方、分化誘導処理をしていないHL−60細胞(図1c)では、fMLPおよびPMAで同様に刺激したにもかかわらず、細胞内カルシウムイオン濃度の上昇およびスーパーオキシドの産生のいずれもが認められなかった。
これにより、本発明の分化誘導細胞の調製方法により得られた凍結分化誘導処理細胞は、好中球様細胞の形質を獲得し、fMLPおよびPMAに対する反応性は、従来法に基づく分化細胞の調製方法により得られた通常分化誘導処理細胞と同等であることが明らかとなった。凍結分化誘導処理細胞の調製方法は、通常分化誘導処理細胞の調製方法と比較して約2週間短縮でき、雑菌混入の危険性も低いことより、本発明の分化細胞の調製方法は従来法と比較して労力・経費の面で大いに優れていることが示唆された。
(実施例2)本発明の分化誘導細胞の調製方法の凍結工程における細胞密度の影響:
次に、本発明の分化誘導細胞の調製方法の凍結工程における細胞密度の影響を調べるために、凍結保護剤として10体積%DMSOを加えた上記細胞保存用調製液に懸濁する細胞密度を1.1〜11.9×10細胞/mLの間の13種類の細胞密度に調製してHL−60細胞を凍結保存し、この凍結細胞から調製された凍結分化誘導処理細胞をfMLPとPMAで刺激した場合の細胞内カルシウムイオン濃度およびスーパーオキシド産生量を経時的に調べた。その際、fMLPとPMAで凍結分化誘導処理細胞に誘導される細胞内カルシウムイオン濃度の上昇およびスーパーオキシド産生に及ぼすEthylene glycol bis(beta−aminoethyl ether)−N,N,N’,N’−tetraacetic acid(以下、EGTA;カルシウムキレート剤)又は8−N,N−diethylamino−octyl−3,4,5−trimethoxybenzoate hydrochloride(以下、TMB−8;小胞体カルシウムチャネル阻害剤)の阻害作用を同時に調べ、分化細胞の薬剤感受性として評価した。
図2は、各細胞密度で凍結保存したHL−60細胞から調製された凍結分化誘導処理細胞をfMLPとPMAで刺激したときの細胞内カルシウムイオン濃度の上昇およびスーパーオキシド産生量を、凍結保護剤として10体積%DMSOを加えた細胞保存用調製液に細胞密度が4.0×10細胞/mLになるようにして凍結保存したHL−60細胞を用いて分化誘導した通常分化誘導処理細胞をfMLPとPMAで刺激したときの細胞内カルシウムイオン濃度の上昇およびスーパーオキシド産生量を1とした場合の割合で示したグラフである。
その結果、1.25〜11.9×10細胞/mLの細胞密度で凍結保存されたHL−60細胞を使用した場合には、いずれの細胞密度においても細胞内カルシウムイオン濃度の上昇およびスーパーオキシドの産生が認められた。特に、1.25〜3.7×10細胞/mLの細胞密度で凍結保存されたHL−60細胞を使用した場合には、上記の通常分化誘導処理細胞と比較して、より顕著な細胞内カルシウムイオン濃度の上昇が認められ、1.25〜2.51×10細胞/mLの細胞密度で凍結保存されたHL−60細胞を使用した場合には、より顕著なスーパーオキシド産生が認められた。尚、1.1×10細胞/mLの細胞密度で凍結保存されたHL−60細胞から調製された凍結分化誘導処理細胞は、凍結時の細胞密度が低いために細胞へのダメージが大きく、十分な量の細胞を回収できず、上記の測定をすることができなかった。
図3は、上記凍結分化誘導処理細胞にfMLPとPMA刺激で誘導される細胞内カルシウムイオン濃度の上昇およびスーパーオキシド産生量のEGTA又はTMB−8による阻害率を、上記通常分化誘導処理細胞にfMLPとPMA刺激で誘導される細胞内カルシウムイオン濃度の上昇およびスーパーオキシド産生量のEGTA又はTMB−8による阻害率を1とした場合の割合で示したグラフである。
その結果、1.25〜11.9×10細胞/mLの細胞密度で凍結保存されたHL−60細胞を使用した場合には、いずれの細胞密度においても細胞内カルシウムイオン濃度の上昇およびスーパーオキシドの産生がEGTA又はTMB−8で阻害され、上記の通常分化誘導処理細胞と比較して同等以上の薬剤感受性が認められた。特に、1.25〜2.51×10細胞/mLの細胞密度で凍結保存されたHL−60細胞を使用した場合には、上記の通常分化誘導処理細胞と比較してより顕著な薬剤感受性が認められた。
(実施例3)凍結工程におけるDMSO濃度の影響:
次に、本発明の分化誘導細胞の調製方法の凍結工程におけるDMSO濃度の影響を調べるために上記細胞保存用調製液に凍結保護剤として添加するDMSO濃度を5〜13.5体積%の間の7種類の濃度に調製し、HL−60細胞の細胞密度が3.6×10細胞/mLになるように懸濁して凍結保存し、この凍結細胞から調製された凍結分化誘導処理細胞をfMLPとPMAで刺激した場合の細胞内カルシウムイオン濃度およびスーパーオキシド産生量を経時的に調べた。その際、fMLPとPMAで凍結分化誘導処理細胞に誘導される細胞内カルシウムイオン濃度の上昇およびスーパーオキシド産生に及ぼすEGTA又はTMB−8の阻害作用を同時に調べ、分化細胞の薬剤感受性として評価した。
図4は、各DMSO濃度で凍結保存したHL−60細胞から調製された凍結分化誘導処理細胞をfMLPとPMAで刺激したときの細胞内カルシウムイオン濃度の上昇およびスーパーオキシド産生量を、凍結保護剤として10体積%DMSOを加えた細胞保存用調製液に細胞密度が3.6×10細胞/mLになるようにして凍結保存したHL−60細胞を用いて分化誘導した通常分化誘導処理細胞をfMLPとPMAで刺激したときの細胞内カルシウムイオン濃度の上昇およびスーパーオキシド産生量を1とした場合の割合で示したグラフである。
その結果、8〜12体積%のDMSO濃度で凍結保存されたHL−60細胞から調製された凍結分化誘導処理細胞では、上記の通常分化誘導処理細胞と比較して、5割以上のスーパーオキシド産生が認められ、10〜13.5体積%のDMSO濃度で凍結保存されたHL−60細胞から調製された凍結分化誘導処理細胞では、上記の通常分化誘導処理細胞より顕著な細胞内カルシウムイオン濃度の上昇が認められた。
図5は、上記凍結分化誘導処理細胞にfMLPとPMA刺激で誘導される細胞内カルシウムイオン濃度の上昇およびスーパーオキシド産生量のEGTA又はTMB−8による阻害率を、上記通常分化誘導処理細胞にfMLPとPMA刺激で誘導される細胞内カルシウムイオン濃度の上昇およびスーパーオキシド産生量のEGTA又はTMB−8による阻害率を1とした場合の割合で示したグラフである。
その結果、5〜13.5体積%のDMSO濃度で凍結保存されたHL−60細胞を使用した場合には、いずれの細胞密度においても細胞内カルシウムイオン濃度の上昇およびスーパーオキシドの産生がEGTA又はTMB−8で阻害され、5〜11体積%のDMSO濃度で凍結保存されたHL−60細胞を使用した場合には、上記の通常分化誘導処理細胞と比較して同等以上の薬剤感受性が認められた。特に、5〜9体積%のDMSO濃度で凍結保存されたHL−60細胞を使用した場合には、上記の通常分化誘導処理細胞と比較してより顕著な薬剤感受性が認められた。
通常分化誘導処理細胞、凍結分化誘導処理細胞又はHL−60細胞をfMLPとPMAとで刺激した場合の細胞内カルシウムイオン濃度およびスーパーオキシド産生量の経時的変化を示した図である。 各細胞密度で凍結保存したHL−60細胞から調製された凍結分化誘導処理細胞をfMLPとPMAで刺激したときの細胞内カルシウムイオン濃度の上昇およびスーパーオキシド産生量を、通常分化誘導処理細胞をfMLPとPMAで刺激したときの細胞内カルシウムイオン濃度の上昇およびスーパーオキシド産生量を1とした場合の割合で示したグラフである。 各細胞密度で凍結保存したHL−60細胞から調製された凍結分化誘導処理細胞にfMLPとPMA刺激で誘導される細胞内カルシウムイオン濃度の上昇およびスーパーオキシド産生量のEGTA又はTMB−8による阻害率を、通常分化誘導処理細胞にfMLPとPMA刺激で誘導される細胞内カルシウムイオン濃度の上昇およびスーパーオキシド産生量のEGTA又はTMB−8による阻害率を1とした場合の割合で示したグラフである。 各DMSO濃度で凍結保存したHL−60細胞から調製された凍結分化誘導処理細胞をfMLPとPMAで刺激したときの細胞内カルシウムイオン濃度の上昇およびスーパーオキシド産生量を、通常分化誘導処理細胞をfMLPとPMAで刺激したときの細胞内カルシウムイオン濃度の上昇およびスーパーオキシド産生量を1とした場合の割合で示したグラフである。 各DMSO濃度で凍結保存したHL−60細胞から調製された凍結分化誘導処理細胞をfMLPとPMAで刺激したときの細胞内カルシウムイオン濃度の上昇およびスーパーオキシド産生量のEGTA又はTMB−8による阻害率を、通常分化誘導処理細胞をfMLPとPMAで刺激したときの細胞内カルシウムイオン濃度の上昇およびスーパーオキシド産生量のEGTA又はTMB−8による阻害率を1とした場合の割合で示したグラフである。

Claims (6)

  1. 分化細胞の調製方法であって、
    未分化細胞と、ジメチルスルホキシド(DMSO)と、を含む細胞保存用調製液を凍結する凍結工程と、
    凍結した前記細胞保存用調製液を解凍する解凍工程と、
    解凍した前記細胞保存用調製液に培地を加えることによりジメチルスルホキシド(DMSO)濃度を希釈する希釈工程と、
    希釈した前記細胞保存用調製液中の未分化細胞を培養して分化細胞にする培養工程と、
    を備える、調製方法。
  2. 前記細胞保存用調製液は、8〜9体積%のジメチルスルホキシド(DMSO)を含む、請求項1に記載の調製方法。
  3. 前記希釈工程において、ジメチルスルホキシド(DMSO)の最終濃度を0.8〜0.9体積%になるように希釈する、請求項1又は2のいずれか一項に記載の調製方法。
  4. 前記分化細胞は、好中球様細胞である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の調製方法。
  5. 前記未分化細胞は、HL−60細胞である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の調製方法。
  6. 未分化細胞と、8〜9体積%のジメチルスルホキシド(DMSO)と、を含む分化誘導用未分化細胞組成物であって、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の調製方法で使用する、分化誘導用未分化細胞組成物。
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