図11は、例えば米国特許5,231,494号に示された従来のディジタル放送受信装置を示す内部ブロック図である。図において、1は従来のディジタル放送受信装置、2はディジタル放送受信装置1に外部から入力する外部入力信号(即ち、ディジタル放送信号)、3は外部入力信号2を受信する第1のチューナー部、4は少なくとも1つ以上の番組から構成される第1の番組群と、第1の番組群に関する第1の共通番組情報と、第1の番組群に関する第1の固有番組情報とを含む第1のビットストリーム、5は第1のビットストリーム4から第1の番組と第1の共通番組情報と第1の固有番組情報とを分離し、抽出する第1のデマルチプレクサ部、6は第1のデマルチプレクサ部5により抽出された第1の番組を映像信号や音声信号に再生するデコーダ部、7はそれらの機能を制御する従来の演算・制御装置、8は演算・制御装置7の制御バス、9はモニターやスピーカーなどの表示装置である。10は、使用者が任意の(即ち、所望の)番組を選択する命令などを演算・制御装置7に伝達するために使用する入力装置である。第1のチューナー部3と第1のデマルチプレクサ部5とはそれぞれ制御バス8を介して演算・制御装置7に情報を伝達したり、逆に演算・制御装置7からの命令を受け取ることができる。
図12は、第1のビットストリーム4の例として、ISO/IEC13818−1により規定されたMPEG(Moving Picture Experts Group)−2システムのトランスポートストリーム構造を示す。図において、11aはトランスポートストリームを構成する188バイト固定長のトランスポートパケット、11bはトランスポートパケット11aを識別するためのPID(Packet Identification)、11cは、圧縮されたディジタル映像などのデータを格納する領域であるペイロードである。
図13と図14にペイロード11cにマッピングされて伝送される第1の共通番組情報と第1の固有番組情報の例を示す。図13は、ISO/IEC13818−1により規定されたMPEG−2システムのPAT(Program Association Table)の構造である。図において、12aはテーブル識別子、12bは放送番組番号識別子、12cは後述するPMTのPIDを示すプログラムマップPIDである。また、図14は、ISO/IEC13818−1より規定されたMPEG−2システムのPMT(Program Map Table)の構造である。図において、13aはテーブル識別子、13bはストリーム形式識別子、13cは映像や音声のデータがどのトランスポートパケット11aで伝送されているかを示すエレメンタリーPIDである。
次に、具体的な動作(即ち、受信信号の処理)ついて説明する。図15は、従来のディジタル放送受信装置が任意の第1の番組を抽出する動作および信号処理の手順を示したフローチャートである。 このような従来のディジタル放送受信装置においては、まず同軸ケーブルや衛星放送受信用アンテナなどからディジタル放送受信装置1に外部入力信号2が入力されている。外部入力信号2は、例えばディジタル衛星放送の場合、27MHz帯域幅当たり約40メガビット毎秒の伝送レートを持つ信号である。
通常、外部入力信号2は複数のビットストリームから構成され、第1のチューナー部3を制御することによって任意のビットストリームを抽出することができる。ここでは外部入力信号2は、第1のビットストリームと第2のビットストリームから構成されているものとする。
この状態から、使用者が所望の第1の番組を受信する命令を入力装置10を使用して演算・制御装置7に伝達する(図15のステップ100)。次いで演算・制御装置7は、外部入力信号2を受信している第1のチューナー部3を制御して、第1のビットストリーム4を抽出させる(図15のステップ101)。ここでは第1のビットストリーム4は、少なくとも1つ以上の第1の番組と少なくとも1つ以上の第1の共通番組情報と少なくとも1つ以上の第1の固有番組情報を含んだディジタルビットストリームであるものとする。 第1のビットストリーム4を抽出するまでを第1の手順とする。
図12は、第1のビットストリーム4の例であり、ここではISO/IEC13818−1より規定されたMPEG−2システムのトランスポートストリーム構造をとっている。トランスポートストリームはまず、188バイト固定長のトランスポートパケット11aから構成され、PID11bによって識別される。第1のデマルチプレクサ部5は、第1のビットストリーム4が入力されると、伝送されてきた各トランスポートパケット11aのPID11bを調べて、値が0であるようなトランスポートパケット11aを探す(図15のステップ102)。
PID11bの値が0であるようなトランスポートパケット11aのペイロード11cには、図13で示されるような、第1のビットストリーム4の中で共用される第1の共通番組情報が格納されている。第1のデマルチプレクサ部5は、上記の手順により検出された第1の共通番組情報を抽出する。これら第1の共通番組情報は制御バス8を介して演算・制御装置7に取り込まれ、解析される(図15のステップ103)。この段階で使用者が選択した番組が、この第1のビットストリーム4に含まれていない場合、第1の手順まで戻りビットストリームの抽出から再度行う(図15のステップ104)。ここまでの手順を第2の手順とする。
図13は第1の共通番組情報の例であり、ここではISO/IEC13818−1より規定されているMPEG−2システムのPAT(Program Association Table)構造をとるものとする。PATはひとつのビットストリームに対して、通常ひとつだけ伝送される共通番組情報テーブルである。図13の中でテーブル識別子12aは、この構造がPATであることを示し、放送番組番号識別子12bは各番組に割り振られた識別番号を示し、プログラムマップPID12cは、個々の番組に固有である第1の固有番組情報PMT(Program Map Table)を伝送するトランスポートパケット11aのPID11bを示している。
通常ディジタル方式の放送では、ひとつのビットストリームの中に複数の番組が存在するため、ひとつの共通番組情報テーブルだけで全ての番組情報を伝送することは困難になっている。従って、このように共通と固有の番組情報として分割して伝送する場合が多い。演算・制御装置7は、解析した第1の共通番組情報をもとに、使用者の指定した任意の第1の番組に対応する第1の固有番組情報を伝送するトランスポートパケット11aを抽出する命令を、制御バス8を介して第1のデマルチプレクサ部5に伝える(図15のステップ105)。ここまでの手順を第3の手順とする。
命令を受けた第1のデマルチプレクサ部5は、第1のビットストリーム4の中から伝送されてきた各トランスポートパケット11aのPID11bを調べて、今度は使用者の指定した任意の第1の番組に対応する第1の固有番組情報を伝送するトランスポートパケット11aのPID11bと、値が一致するトランスポートパケット11aを探す(図15のステップ106)。PID11bの値が一致するトランスポートパケット11aのペイロード11cには、図14で示されるような第1の固有番組情報が格納されている。ここまでの手順を第4の手順とする。
図14は第1の固有番組情報の例であり、ここではISO/IEC13818−1より規定されたMPEG−2システムのPMT構造をとるものとする。PMTはひとつの番組に対して、通常ひとつだけ伝送される番組情報テーブルである。図14の中でテーブル識別子13aは、この構造がPMTであることを示し、ストリーム形式識別子13bは番組のデータストリームの形式を示し、エレメンタリーPID13cは、各々の番組構成要素を伝送するトランスポートパケット11aを識別するPID11bを示している。これら第1の固有番組情報は、第1のデマルチプレクサ部5によって抽出され、制御バス8を介して演算・制御装置7に取り込まれる。演算・制御装置7は、その第1の固有番組情報をもとに、使用者の指定した任意の第1の番組を伝送するトランスポートパケット11aを抽出する命令を、制御バス8を介して第1のデマルチプレクサ部5に伝える(図15のステップ107)。ここまでの手順を第5の手順とする。
命令を受けた第1のデマルチプレクサ部5は、第1のビットストリーム4の中から伝送されてきた各トランスポートパケット11aのPID11bを調べて、今度は使用者の指定した任意の第1の番組の構成要素を伝送するトランスポートパケット11aのPID11bと値が一致するトランスポートパケット11aを探す(図15のステップ108)。第1の番組を伝送するトランスポートパケット11aのPID11bは、通常映像データと音声データなど、複数存在する場合が一般的である。PID11bが一致するトランスポートパケット11aのペイロード11cには、例えばISO/IEC13818−2より規定されたMPEG−2映像形式に従って符号化された映像信号や、ISO/IEC11072−3より規定されたMPEG−1音声形式などに従って符号化された音声信号などからなる第1の番組の構成要素が格納されており、第1のデマルチプレクサ部5はそれらをデコーダ部6に伝送し、映像信号や音声信号に再生する(図15のステップ109)。ここまでの手順を第6の手順とする。
上記の第1の手順から第6の手順に従い、映像信号や音声信号として再生された後、映像モニターやスピーカーなどの表示装置9に出力され、使用者に提供される。また、使用者が入力装置10を使用して新しい番組を選択する命令を演算・制御装置7に伝達したかどうかを監視しており(図15のステップ110)、新しい番組が選択された場合は、既に抽出・解析した第1の共通番組情報PATをもとに、その番組が現在抽出している第1のビットストリーム4に含まれるか否かを判断する(図15のステップ111)。新しい番組が、現在抽出している第1のビットストリーム4に含まれている場合は、第3の手順以降を繰り返すだけでよいが、含まれていない場合は、第1の手順に戻り新しいビットストリームの抽出から再度繰り返す。
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、図において従来と同一符号は従来のものと同一あるいは相当のものを表す。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1によるディジタル放送受信装置の構成を示すブロック図である。図において、100はディジタル放送受信装置、2はディジタル放送受信装置100に外部から入力する外部入力信号(即ち、ディジタル放送信号)、3は外部入力信号2を受信する第1のチューナー部、4は少なくとも1つ以上の番組から構成される第1の番組群と、第1の番組群に関する第1の共通番組情報と、第1の番組群に関する第1の固有番組情報とを含む第1のビットストリーム、5は第1のビットストリーム4から第1の番組と第1の共通番組情報と第1の固有番組情報とを分離し、抽出する第1のデマルチプレクサ部である。
また、14は外部入力信号2を受信する第2のチューナー部、15は少なくとも1つ以上の第2の番組群とその番組に関する第2の番組情報とを含む第2のビットストリーム、16は第2のビットストリーム15から第2の番組と第2の番組情報を抽出する第2のデマルチプレクサ部である。6は第1のデマルチプレクサ部5および第2のデマルチプレクサ部16により抽出された第1および第2の番組を映像信号や音声信号に再生するデコーダ部、9はモニターやスピーカーなどの表示装置である。10は、使用者が任意の番組を選択する命令などを演算・制御装置70に伝達するために使用する入力装置である。
ここで、70はCPU(Central Processing Unit)やその周辺装置などにより構成される演算・制御装置であって、70aは使用者が入力装置10を用いて入力した命令を監視し、命令を受け取り、その内容を解析する入力命令処理部、70bは第1のデマルチプレクサ部5などを制御バス8を介して制御したり、制御バス8を介してそれらから情報を受け取るペリフェラルインターフェイス部、70cは情報の解析、記憶や演算等を司る演算・制御部、70dは、共通番組情報や固有番組情報の内容を記憶したり解析したりすることの可能な番組情報記憶部で、ここでは演算・制御部70cの一部として構成されている。
尚、外部入力信号2(即ち、受信するディジタル放送信号)は、第1のビットストリーム4と第2のビットストリーム15から構成され、第2のビットストリーム15は、第1のビットストリーム4とは異なる番組群とその番組に関する番組情報とを含んでいるものとする。第2のチューナー部14と第2のデマルチプレクサ部とはそれぞれ制御バス8を介して演算・制御装置70に情報を伝達したり、逆に演算・制御装置70からの命令を受け取ることができる。
このように構成された実施の形態1によるディジタル放送受信装置においては、外部入力信号2により伝送されている、異なる2つのビットストリーム、すなわち、第1のビットストリーム4と第2のビットストリーム15を、第1のチューナー部3と第2のチューナー部14とでそれぞれ同時に抽出することが可能になる。また、第1のビットストリーム4と第2のビットストリーム15にはそれぞれ異なる第1と第2の共通番組情報と固有番組情報が含まれているが、第1のデマルチプレクサ部5と第2のデマルチプレクサ部16とでそれぞれ同時に抽出することが可能になる。従って、演算・制御装置70は制御バス8を介してそれら第1と第2の共通番組情報と固有番組情報を取り込み、同時に解析することができる。
ここで、第1の番組の再生中に、使用者が任意の第2の番組を選択し、第2の番組が第1の番組と異なるビットストリームに含まれる場合を考える。図2は、本発明の実施の形態1であるディジタル放送受信装置の動作と信号処理の手順の例を示したフローチャートである。図において、ステップ101aから111aおよびステップ101bから111bまでは、従来例の図15における101から111までのステップと同等の動作を行う。第1のチューナー部3が、外部入力信号2から第1のビットストリーム4を抽出しており、第1のビットストリーム4には第1の共通番組情報と第1の固有番組情報と第1の番組が含まれている。ここでは従来例と同様に、第1の共通番組情報はMPEG−2のPAT構造で伝送され、第1の固有番組情報はMPEG−2のPMT構造で伝送されているものとする。
演算・制御装置70は、第1のデマルチプレクサ部5が抽出した第1の共通番組情報PATを解析し、その解析結果をもとに第1の固有番組情報PMTを、再び第1のデマルチプレクサ部5を用いて抽出する。演算・制御装置70は、第1のデマルチプレクサ部5が抽出した第1の固有番組情報PMTを解析し、その解析結果をもとに第1のビットストリーム4から第1の番組を、再び第1のデマルチプレクサ部5を用いて抽出し、デコーダ部6に伝送し再生していたものとする。第1の共通番組情報PATと第1の固有番組情報PMTの中の必要な情報は演算・制御部70c内の番組情報記憶部70dに記憶されている。ここまでの動作は従来の第1の手順から第6の手順までと同様である。
本発明の実施の形態1においては、第6の手順の後、あらかじめ第2の共通番組情報を解析しておく(図2のステップ112a)。第1の番組の再生中に、あらかじめ第2のチューナー部14は第2のビットストリーム15を抽出している(図2のステップ101b)。第2のビットストリーム15には第2の共通番組情報と第2の固有番組情報と第2の番組が含まれている。第2のデマルチプレクサ部16は、第2のビットストリーム15が入力されると、伝送されてきた各トランスポートパケット11aのPID11bを調べて、値が0であるようなトランスポートパケット11aを探し(図2のステップ102b)、ペイロード11cに格納された、例えばMPEG−2のPAT構造で伝送されるような第2の共通番組情報を抽出する。
第2のデマルチプレクサ部16は制御バス8を介して演算・制御装置70のペリフェラルインターフェイス部70bに抽出した第2の共通番組情報PATを渡す。
ペリフェラルインターフェイス部70bは受け取った第2の共通番組情報PATを、演算・制御装置70の演算・制御部70cに伝達し、演算・制御部70c内の番組情報記憶部70dは第2の共通番組情報PATの中から必要な情報を記憶しておく。上記に述べたように演算・制御装置70は、第2の共通番組情報PATを取り込み解析する(図2のステップ103b)。
また、演算・制御装置70の入力命令処理部70aは、使用者が入力装置10を使用して新しい番組を選択する命令を伝達したかどうかを常時監視している(図2のステップ110a)。使用者からの新しい番組を選択する命令を検出した場合は、その命令情報を演算・制御部70cに伝達する。演算・制御部70cは、まず既に番組情報記憶部70dに記憶している第1の共通番組情報PATをもとに、その番組が現在抽出している第1のビットストリーム4に含まれるか否かを判断する(図2のステップ111a)。含まれている場合は、第3の手順以降を繰り返す。
次に第1の番組の再生中に、使用者が第2の番組を再生させる命令をディジタル放送受信装置に伝送した場合を考える。第2の番組が演算・制御装置70内の番組情報記憶部70dに記憶されている第1の共通番組情報PATに記載されていない場合、演算・制御部70cは、第2の番組は現在第1のチューナー部3が抽出中の第1のビットストリーム4に含まれていないと判断する(図2のステップ111a)。次に、演算・制御装置70内の演算・制御部70cは、第3の手順と同様に第2の番組が番組情報記憶部70dに記憶されている第2の共通番組情報PATに記載されているかどうかを確認する(図2のステップ104b)。第2の番組が第2の共通番組情報に記載されている場合、演算・制御装置70は、その内容に従って第2の番組を抽出する命令を第2のデマルチプレクサ部16に対し、ペリフェラルインターフェイス部70bから制御バス8を介して伝送する(図2のステップ105b)。
命令を受けた第2のデマルチプレクサ部16は、第4の手順と同様に、第2のビットストリーム15の中から、例えばMPEG−2のPMT構造で伝送されるような第2の固有番組情報を抽出する(図2のステップ106b)。次に、演算・制御装置70は、第5の手順と同様に第2の固有番組情報PMTを解析する。第2のデマルチプレクサ部16は制御バス8を介して演算・制御装置70のペリフェラルインターフェイス部70bに抽出した第2の固有番組情報PMTを渡す。ペリフェラルインターフェイス部70bは受け取った第2の固有番組情報PMTを、演算・制御装置70の演算・制御部70cに伝達し、演算・制御部70c内の番組情報記憶部70dは第2の固有番組情報PMTの中から必要な情報を記憶しておく(図2のステップ107b)。
さらに第2のデマルチプレクサ部16は、第6の手順と同様に、第2のビットストリーム15の中から第2の番組を抽出する(図2のステップ108b)。第2のデマルチプレクサ部16によって分離された第2の番組は、デコーダ部6に送られ、映像信号や音声信号として再生された後、映像モニターやスピーカーなどの表示装置9に出力される(図2のステップ109b)。また同様に、使用者が次に新しい番組を選択することに備え、第2の番組の再生中にあらかじめ第1の共通番組情報PMTを抽出し、番組情報記憶部70dに記憶しておく(図2のステップ112b)。
上記の通り使用者による第2の番組を再生させる命令がディジタル放送受信装置に伝達した時点で、第2のビットストリーム15の抽出と第2の共通番組情報が抽出され、内容が解析されて記憶されているため、第3の手順すなわち第2の固有番組情報の抽出以降から動作させればよい。従って、実施の形態1の発明によれば、使用者が番組を選択してから、実際にその番組が再生されるまでに要する時間を縮小することが可能となり、ディジタル放送受信装置の操作性を向上させることができる。
実施の形態2.
図3は実施の形態2によるディジタル放送受信装置101の構成を示すブロック図であり、基本的な構成は実施の形態1と同じであるが、演算・制御装置の動作が異なる。図において、71はCPUやその周辺装置などにより構成される実施の形態2の演算・制御装置、71aは使用者が入力装置10を用いて入力した命令を監視し、命令を受け取り、その内容を解析する入力命令処理部、71bは第1のデマルチプレクサ部5などを制御バス8を介して制御したり、制御バス8を介してそれらから情報を受け取るペリフェラルインターフェイス部、71cは情報の解析、記憶や演算等を司る演算・制御部、71dは、共通番組情報や固有番組情報の内容を記憶したり解析したりすることの可能な番組情報記憶部で、ここでは演算・制御部71cの一部として構成されている。また、ビットストリームやそれに含まれる番組、共通/固有番組情報などの構成は実施の形態1と同様とする。
図4は、実施の形態2によるディジタル放送受信装置の動作と信号処理の手順の例を表すフローチャートである。ステップ101aから111a、101bから111bおよび101cから111cまでは、従来例の図15における101から111までのステップと同等の動作を行う。使用者が第1の番組を選択した場合、演算・制御装置71は、まず第1のチューナー部3と第1のデマルチプレクサ部5により、第1のビットストリーム4を抽出し(図4のステップ101a)、第1の共通番組情報PATを抽出・解析した後(図4のステップ102a、103a)、第1の番組が第1のビットストリーム4に含まれているかどうか判断する(図4のステップ104a)。
第1の番組が第1のビットストリーム4に含まれていれば、第1の共通番組情報PATをもとに(図4のステップ105a)、第1の固有番組情報PMTを抽出・解析する(図4のステップ106a、107a)。さらに、第1の固有番組情報PMTをもとに、第1のデマルチプレクサ部5およびデコーダ部6により第1の番組を抽出・再生する(図4のステップ108a、109a)。また、演算・制御装置71内の入力命令処理部71aは使用者が新しい番組を選択したかどうかを監視している(図4のステップ110a)。
第1の番組の再生中に、使用者が第2の番組を再生させる命令をディジタル放送受信装置に伝達した場合、演算・制御装置71内の演算・制御部71cは、番組が現在再生中の番組と同じストリームに含まれるか判断する(図4のステップ111a)。含まれない場合、直前まで再生していた番組かどうか判断する(図4のステップ113a)。ここでは初めて使用者が番組変更をしたので、それに該当しない。
従って、演算・制御部71cは、ペリフェラルインターフェイス部71bから、制御バス8を介して第2のチューナー部14と第2のデマルチプレクサ部16を制御し、第2のビットストリーム15を抽出し(図4のステップ101b)、第2の共通番組情報PMTを抽出・解析した後(図4のステップ102b、103b)、第2の番組が第2のビットストリーム15に含まれているかどうか判断する(図4のステップ104b)。
第2の番組が第2のビットストリーム15に含まれていれば、第2の共通番組情報PATをもとに(図4のステップ105b)、第2の固有番組情報PMTを抽出・解析する(図4のステップ106b、107b)。さらに、第2の固有番組情報PMTをもとに、第2のデマルチプレクサ部16により第2の番組を抽出し(図4のステップ108b)、デコーダ部6に伝送し再生する(図4のステップ109b)。
第2の番組の再生を続けている間、演算・制御装置71内の入力命令処理部71aは、使用者が新たな番組を選択する命令を伝達したかどうか監視している(図4のステップ110b)。また、演算・制御装置71内の番組情報記憶部71dには、直前まで使用されていた第1の共通番組情報PATと第1の固有番組情報PMTが記憶されており、第1のチューナー部3は第1のビットストリーム4の抽出を続け、第1のデマルチプレクサ部5は、直前に使用者が選択していた第1の番組の抽出を続けているものとする(図4のステップ108a)。ただし、本発明の実施の形態2では、デコーダ部6が1つしか用意されていないため、抽出された第1の番組は再生されることなく破棄されている。
ここで、使用者が現在再生中の番組と異なる新しい番組を選択する命令を入力装置10を使用して伝達してきた場合(図4のステップ110b)、演算・制御装置71は、その番組が現在再生中の番組と同じ第2のビットストリーム14に含まれるかどうかを判断する(図4のステップ111b)。その番組が、現在再生中の番組と同じ第2のビットストリーム14に含まれている場合、ステップ105bに戻り、第2のチューナー部14と第2のデマルチプレクサ部16によって抽出し、番組情報記憶部71dに記憶されている第2の共通番組情報PATをもとに再度番組の抽出を行う。その番組が現在再生中の番組と同じ第2のビットストリーム14に含まれない場合、次に演算・制御装置71はそれが直前に選択していた番組であるかどうか判断する(図4のステップ113b)。
使用者が選択した番組が、直前に再生していた第1の番組でない場合は、ステップ105aに戻り、第1のチューナー部3と第1のデマルチプレクサ部5によって抽出し、番組情報記憶部71dに記憶されている第1の共通番組情報PATをもとに、第1のビットストリーム4から番組の抽出を行う。本発明の実施の形態2では、外部入力信号2が第1のビットストリームと第2のビットストリームから構成されているが、外部入力信号2が3つ以上のビットストリームから構成されている場合は、ステップ101aまたはステップ101bに戻りビットストリームの抽出から再度行ってもよい。
一方、使用者が選択した番組が直前に再生していた第1の番組、すなわち第1のチューナー部3と第1のデマルチプレクサ部5によって抽出を続けている番組であった場合、演算・制御部71cはステップ108aに移行し、第1のチューナー部3と第1のデマルチプレクサ部5が抽出していた第1の番組をデコーダ部6に伝送し再生するように、制御バス8を介して制御を行う。第1の番組の再生を続けている間、再び演算・制御装置71内の入力命令処理部71aは、使用者が新たな番組を選択する命令を伝達したかどうか監視している(図4のステップ110a)。
また、演算・制御装置71内の番組情報記憶部71dには、直前まで使用されていた第2の共通番組情報PATと第2の固有番組情報PMTが記憶されており、第2のチューナー部14は第2のビットストリーム15の抽出を続け、第2のデマルチプレクサ部16は、直前に使用者が選択していた第2の番組の抽出を続けている。もう一度使用者が、直前に再生していた第2の番組を選択した場合も、上記と同様の動作を繰り返す。
上記のように、実施の形態2の発明によれば、使用者が直前に再生していた番組を再度選択した場合に、使用者の希望する番組を再生するまでの時間を短縮することができる。実使用においては、使用者が、直前に再生していた番組を再度選択するような番組選択を行う頻度は比較的高いため、ディジタル放送受信装置の操作性が向上する。
実施の形態3.
上記実施の形態1あるいは2では外部入力信号2が、2つの異なるディジタルビットストリーム、第1のビットストリームと第2のビットストリームから構成されているものとした。つまりチューナー部とデマルチプレクサ部の組を、あらかじめ外部入力信号2を構成するビットストリーム数と同等数用意していたため比較的容易にディジタル放送受信装置の操作性を向上させることができた。
しかし、実際のディジタル衛星放送などにおいては、外部入力信号2はより多くのビットストリームから構成されている場合が多い。ここでは、例えば外部入力信号2が、3つの異なるディジタルビットストリーム、第1と第2および第3のビットストリームから構成されており、チューナー部とデマルチプレクサ部の組は2組しか用意されていない場合を考える。
図5は、実施の形態2によるディジタル放送受信装置102の構成を示すブロック図であり、基本的な構成は実施の形態1あるいは2と同じであるが、演算・制御装置の動作が異なる。図において、72はCPUやその周辺装置などにより構成される実施の形態3の演算・制御装置、72aは使用者が入力装置10を用いて入力した命令を監視し、命令を受け取り、その内容を解析する入力命令処理部、72bは第1のデマルチプレクサ部5などを制御バス8を介して制御したり、制御バス8を介してそれらから情報を受け取るペリフェラルインターフェイス部、72cは情報の解析、記憶や演算等を司る演算・制御部、72dは、共通番組情報や固有番組情報の内容を記憶したり解析したりすることの可能な番組情報記憶部で、ここでは演算・制御部72cの一部として構成されている。
図6は、実施の形態3によるディジタル放送受信装置102の動作と信号処理の手順を表すフローチャートである。図において、ステップ101aから111a、101bから111bおよび101cから111cまでは、従来例の図15における101から111までのステップと同等の動作を行う。使用者が第1の番組を選択した場合、演算・制御装置72は、まず第1のチューナー部3と第1のデマルチプレクサ部5により、第1のビットストリーム4を抽出し(図6のステップ101a)、第1の共通番組情報PATを抽出・解析した後(図6のステップ102a、103a)、第1の番組が第1のビットストリーム4に含まれているかどうか判断する(図6のステップ104a)。
第1の番組が第1のビットストリーム4に含まれていれば、第1の共通番組情報PATをもとに(図6のステップ105a)、第1の固有番組情報PMTを抽出・解析する(図6のステップ106a、107a)。さらに、第1の固有番組情報PMTをもとに、第1のデマルチプレクサ部5およびデコーダ部6により第1の番組を抽出・再生する(図6のステップ108a、109a)。また、演算・制御装置72内の入力命令処理部72aは使用者が新しい番組を選択したかどうかを監視している(図6のステップ110a)。
第1の番組を再生している間に、あらかじめ第2のチューナー部14と第2のデマルチプレクサ部16により、第1のビットストリーム15から第2の共通番組情報PATを抽出・解析して、演算・制御装置72内の番組情報記憶部72dに記憶しておく(図6のステップ112a)。
また、使用者が新たな番組を選択する命令を伝達したかどうか監視している演算・制御装置72内の入力命令処理部72aが命令を検出した際、新しい番組が現在抽出している第1のビットストリーム4に含まれていれば、ステップ105aに戻り第1の固有番組情報の抽出・解析から再度行う(図6のステップ111a)。
新しい番組が現在抽出している第1のビットストリーム4に含まれてない場合、あらかじめ抽出しておいた第2の共通番組情報PATをもとに、その新しい番組が第2のビットストリーム15に含まれるかどうか判断する(図6のステップ104b)。その番組が第2のビットストリーム15に含まれている場合は、上記第1の番組を再生した手順と同様の手順に従って番組を再生する(図6のステップ105bから109b)。
新しい番組が第2のビットストリーム15にも含まれていない場合、演算・制御装置72内の演算・制御部72cは速やかに第3のビットストリームの抽出を開始し(図6のステップ101c)、第3の共通番組情報PATの抽出と解析に取りかかるようにペリフェラルインターフェイス部72bから制御バス8を介してチューナーとデマルチプレクサを制御する(図6のステップ102c、103c)。
第3のビットストリームの抽出と第3の共通番組情報PATの抽出には、第1のチューナー部3と第1のデマルチプレクサ部5または第2のチューナー部14と第2のデマルチプレクサ部16の何れの組を用いても構わない。演算・制御装置72は、第3の共通番組情報を抽出した後、その新しい番組が第3のビットストリームに含まれるかどうか判断する。以降は上記と同様の動作を、その番組を含むストリームが発見されるまで繰り返す。
上述したように、本発明の実施の形態3では、使用者が次に選択する番組が含まれるストリームがあらかじめ予測可能な場合には番組を選択してから再生されるまでの時間を短縮することが可能になる。一方で使用者が次に選択する番組が含まれるストリームが予測不可能な場合には、効果を得ることができない。しかしディジタル放送受信装置の実使用においては、番組を順送りにする場合など、あらかじめ次に選択する番組が含まれるストリームが予測可能な場合が多く、総合的にはディジタル放送受信装置の操作性を向上させることができる。
また、実施の形態3では、使用者が新しい番組を選択する前に、予測されるストリームと共通番組情報の抽出までしか行わなかったが、使用者が次に選択する番組が予測可能な場合は、新しい番組を選択する前に、既に予測される番組の抽出を開始しておくことにより、更にディジタル放送受信装置の操作性を向上させることができる。また、実施の形態3では、使用者が新しい番組を選択するまでに、ある1つのビットストリームに含まれる1つの番組共通情報PATしか抽出していない。
そこで使用者が新しい番組を選択するまでに、あるビットストリームとそれに含まれる番組共通情報PATを抽出し、抽出した番組共通情報PATを演算・制御装置72内の番組情報記憶部72bに記憶し、続いて異なるビットストリームとそれに含まれる番組共通情報PATを抽出し、番組共通情報PATを番組情報記憶部72bに記憶するといった手順を複数回繰り返すことによって、複数のビットストリームの番組共通情報PATを記憶しておき、その情報を元に、使用者が選択した新しい番組がどのビットストリームに含まれるかを判断しても、使用者が番組を選択してから再生されるまでの時間を短縮することが可能となり、操作性のよいディジタル放送受信装置あるいは受信信号処理方法を得ることができる。
実施の形態4.
図7は、実施の形態4によるであるディジタル放送受信装置103の構成を示すブロック図である。図において、73はCPUやその周辺装置などにより構成される実施の形態4の演算・制御装置であり、実施の形態1乃至3の演算・制御装置と基本的な構成は同じであるが、異なった動作を行う。
73aは使用者が入力装置10を用いて入力した命令を監視し、命令を受け取り、その内容を解析する入力命令処理部、73bは第1のデマルチプレクサ部5などを制御バス8を介して制御したり、制御バス8を介してそれらから情報を受け取るペリフェラルインターフェイス部、73cは情報の解析、記憶や演算等を司る演算・制御部73cは、共通番組情報や固有番組情報の内容を記憶したり解析したりすることの可能な番組情報記憶部で、ここでは演算・制御部73cの一部として構成されている。また、17は、デコーダ部6への入力を第1のデマルチプレクサ部5と第2のデマルチプレクサ部16の出力のいずれか選択するデコーダ入力切換装置であり、制御バス8を介して演算・制御装置73によって制御される。
次に動作について説明する。図8は、実施の形態4によるディジタル放送受信装置の動作と信号処理の手順をの例を示したフローチャートである。ステップ101aから111a、101bから111bおよび101cから111cまでは、従来例の図15における101から111までのステップと同等の動作を行う。使用者が第1の番組を選択した場合、演算・制御装置73は、まず第1のチューナー部3と第1のデマルチプレクサ部5により、第1のビットストリーム4を抽出し(図8のステップ101a)、第1の共通番組情報PATを抽出・解析した後(図8のステップ102a、103a)、第1の番組が第1のビットストリーム4に含まれているかどうか判断する(図8のステップ104a)。
第1の番組が第1のビットストリーム4に含まれていれば、第1の共通番組情報PATをもとに(図8のステップ105a)、第1の固有番組情報PMTを抽出・解析する(図8のステップ106a、107a)。さらに、第1の固有番組情報PMTをもとに、第1のデマルチプレクサ部5およびデコーダ部6により第1の番組を抽出する(図8のステップ108a)。演算・制御装置73は、第1の番組の抽出が開始された後、デコーダ部6に第1の番組が入力されるように、制御バス8を介してデコーダ入力切換装置17を制御する(図8のステップ114a)。
デコーダ部6は、入力された第1の番組を映像信号や音声信号に再生し、表示装置9に伝送して表示する(図8のステップ109a)。また、演算・制御装置73内の入力命令処理部73aは使用者が新しい番組を選択したかどうかを監視している(図8のステップ110a)。
第1の番組の再生中に、使用者が入力装置10を用いて第2の番組を再生させる命令を伝達した場合、第1の番組の再生を続けた状態で、演算・制御装置73内の演算・制御部73cは、まず第1の番組共通情報PATを参照して、第2の番組が現在再生中の番組と同じ第1のビットストリーム4に含まれるか否かを判断する(図8のステップ111a)。
同じストリームに含まれない場合、演算・制御部73cは、ペリフェラルインターフェイス部73bから制御バス8を介して、第2のチューナー部14と第2のデマルチプレクサ部16を制御し、第2のビットストリーム15を抽出させ(図8のステップ101b)、さらに第2の共通番組情報PATを抽出した後(図8のステップ102b、103b)、第2の番組が第2のビットストリーム15に含まれているかどうか判断する(図8のステップ104b)。
第2の番組が第2のビットストリーム15に含まれていれば、演算・制御部73cは、第2の共通番組情報PATをもとに(図8のステップ105b)、第2の固有番組情報PMTを抽出するように制御を行う(図8のステップ106b、107b)。さらに演算・制御部73cは、第2の固有番組情報PMTをもとに、第2の番組を抽出するように第2のデマルチプレクサ部16を制御する(図8のステップ108b)。演算・制御部73cは、第2の番組の抽出が開始された後、デコーダ部6に第2の番組が入力されるようにペリフェラルインターフェイス73bから制御バス8を介してデコーダ入力切換装置17を制御する(図8のステップ114b)。
以上述べたように、第2の番組の抽出が開始されるまでは第1の番組をデコーダ部6に入力し、第2の番組の抽出が開始された後にデコーダ部6に第2の番組が入力されるため、第2の番組が再生可能になるまで、第1の番組を使用者に提供することが可能となる。従って使用者に番組を提供できない番組抽出準備期間中の空白時間を無くすことができるので、操作性のよいディジタル放送受信装置を得ることができる。
実施の形態5.
図9は、実施の形態5によるディジタル放送受信装置104の構成を示すブロック図である。図において、74はCPUやその周辺装置などにより構成される実施の形態5の演算・制御装置であり、実施の形態1乃至4の演算・制御装置と基本的な構成は同じであるが、異なった動作を行う。
74aは使用者が入力装置10を用いて入力した命令を監視し、命令を受け取り、その内容を解析する入力命令処理部、74bは第1のデマルチプレクサ部5などを制御バス8を介して制御したり、制御バス8を介してそれらから情報を受け取るペリフェラルインターフェイス部、74cは情報の解析、記憶や演算等を司る演算・制御部74cは、共通番組情報や固有番組情報の内容を記憶したり解析したりすることの可能な番組情報記憶部で、ここでは演算・制御部74cの一部として構成されている。18は番組情報専用のチューナー部、19は放送局側においてあらかじめ用意された番組情報専用のビットストリーム、20は番組情報専用のデマルチプレクサ部であり、番組情報専用のデマルチプレクサ部20の出力はデコーダ部6へは入力しない。
次に動作について説明する。図10は、実施の形態5によるディジタル放送受信装置の動作と信号処理の手順の例を示したフローチャートである。使用者が第1の番組を選択した場合、演算・制御装置74は、入力命令処理部74aを介して番組選択命令を受け取る(図10のステップ100)。演算・制御装置74は、ペリフェラルインターフェイス部74bから制御バス8を介して番組情報専用のチューナー部18を制御し、ディジタル放送の放送局側においてあらかじめ用意された番組情報専用のビットストリームを抽出する(図10のステップ115)。
さらに演算・制御装置74は、ペリフェラルインターフェイス部74bから制御バス8を介して番組情報専用のデマルチプレクサ部20を制御し、全てのビットストリームに対応した番組共通情報PATを抽出する(図10のステップ102)。番組情報専用のビットストリーム19は、番組要素の伝送に使用していないため、十分な情報量を持つ番組共通情報PATを伝送することが可能である。演算・制御装置74は、抽出した番組共通情報PATの中の必要な情報を解析し、演算・制御部74c内の番組情報記憶部74dに記憶する(図10のステップ116)。
演算・制御装置74は、次に第1のチューナー部3と第1のデマルチプレクサ部5を制御して、第1のビットストリーム4を抽出し(図10のステップ101)、番組情報記憶部74dに記憶された共通番組情報PATをもとに、使用者が選択した番組に対応する第1の固有番組情報PMTを抽出する(図10のステップ105、106)。さらに、第1の固有番組情報PMTをもとに、第1のデマルチプレクサ部5およびデコーダ部6により第1の番組要素を抽出する(図10のステップ107、108)。抽出された番組要素は、デコーダ部6に入力され、映像信号や音声信号に再生され、表示装置9に伝送して表示される(図10のステップ109)。また、演算・制御装置74内の入力命令処理部74aは使用者が新しい番組を選択したかどうかを監視している(図10のステップ110)。
使用者が新しい番組を選択した命令が、入力命令処理部74aから演算・制御装置74に伝送されると、演算・制御装置74は、番組情報記憶部74dに記憶された共通番組情報PATをもとに、新しい番組の抽出を開始する。新しい番組が同じ第1のビットストリーム4に含まれる場合は、新しい番組の固有番組情報PMTを抽出から再度行う。
新しい番組が同じ第1のビットストリーム4に含まれない場合は、新しいビットストリームの抽出から再度行わなければならないが、共通番組情報PATの抽出が既に終了しているため、番組抽出に要する時間が短縮できる。結果的に、実施の形態5の発明によれば、使用者が番組を選択してから実際にその番組が再生されるまでに要する時間を縮小することが可能となり、ディジタル放送受信装置の操作性を向上させることができる。
さらに具体的には、使用者が任意の番組を選択してから実際にその番組が再生されるまでの時間を決定する要因としては、ビットストリームのチューニングに要する時間、ヘッダー検出等のデマルチプレクスに要する時間、さらに共通番組情報と固有番組情報といった2つのテーブルを獲得する時間、およびデコードに要する時間などがあるが、この中で最も大きな比重を占めるのが2つのテーブルを獲得するために要する時間である。
各番組情報テーブルの伝送頻度が1秒当たり5回であったとしても、最悪約400ミリ秒の獲得時間を要する。しかし、共通番組情報の獲得時間を省略することによりテーブルの獲得時間を約200ミリ秒まで短縮することが可能で、他の要因を加味しても番組を選択してから再生されるまでに要する時間を約500ミリ秒以内に抑えることが可能であり、実使用上において操作性のよいディジタル放送受信装置が得られる効果がある。
なお、上記実施の形態5では、番組情報専用のビットストリーム19内に共通番組情報PATを持たせ、第1のビットストリーム4内に固有番組情報PMTを持たせたが、番組情報専用のビットストリーム19内にどちらも持たせるように構成してもよい。
また、上記実施の形態5では、使用者が最初に何らかの番組を選択した後で番組情報専用のビットストリーム19の抽出を開始したが、使用者が最初に何らかの番組を選択する前に、例えば、ディジタル放送受信装置の電源が投入された直後に番組情報専用のビットストリーム19の抽出を開始するように構成してもよい。
以上に説明したディジタル放送受信装置によれば、チューナー部およびデマルチプレクサ部の組を複数組備え、それぞれのチューナー部に入力されるビットストリームに含まれる番組情報を同時に解析可能とし、使用者が現在再生中の番組と異なる番組を選択した際に、あらかじめ解析されている番組情報に基づいて所望の番組を抽出して再生するので、番組再生中に使用者が他の所望の番組を選択してから実際にその番組が再生されるまでに要する時間(タイムラグ)を短縮することが可能となり、操作性の改善されたディジタル放送受信装置を提供できるという効果がある。
また、少なくとも1つ以上の番組から構成される第1の番組群とそれらに関する情報を伝送する第1の番組情報とを含んだ第1のビットストリームを抽出する第1のチューナー部と、第1のビットストリームから第1の番組群と第1の番組情報とを抽出する第1のデマルチプレクサ部と、少なくとも1つ以上の番組から構成される第2の番組群と第2の番組群に関する情報を伝送する第2の番組情報とを含んだ第2のビットストリームを抽出する第2のチューナー部と、第2のビットストリームから第2の番組群と第2の番組情報とを抽出する第2のデマルチプレクサ部と、抽出された第1と第2の番組群を復号して映像または音声信号を再生するデコーダ部と、使用者が所望の番組を選択する命令を伝達することの可能な入力装置と、抽出された第1と第2の番組情報を同時に解析すると共に、第1の番組群中の第1の番組を再生中に使用者が入力装置から第2の番組群中の第2の番組を選択した際に、あらかじめ解析されている第2の番組情報に基づいて第2の番組を抽出し、これを再生する演算・制御装置とを備えているので、第1の番組再生中に使用者が第2の番組を選択してから実際に第2の番組が再生されるまでに要する時間を短縮することが可能となり、操作性の改善されたディジタル放送受信装置を提供できるという効果がある。
また、その演算・制御装置は、第1のチューナー部および第1のデマルチプレクサ部または第2のチューナー部および第2のデマルチプレクサ部を制御して第1の番組情報と第1の番組または第2の番組情報と第2の番組を抽出すると共に、映像または音声を再生している状態で第1のチューナー部および第1のデマルチプレクサ部または第2のチューナー部および第2のデマルチプレクサ部の何れか使用していない組を制御して、使用者が直前に再生していた番組に関する番組情報と番組の両方または片方をあらかじめ抽出しておき、入力装置から使用者が直前に再生していた番組を再度選択する命令を伝達した際に、あらかじめ抽出しておいた直前に再生していた番組に関する番組情報と番組の両方または片方を使用して、直前に再生していた番組を抽出し、これを再生するようにしたので、使用者が直前に再生していた番組を再度選択した場合に、再生するまでの時間を短縮することが可能となり、操作性の改善されたディジタル放送受信装置を提供できるという効果がある。
また、その演算・制御装置は、あらかじめ抽出しておいた第2の番組情報を使用して第2の番組を抽出し、再生している状態で前記第1のチューナー部および前記第1のデマルチプレクサ部を使用して第3のビットストリームを抽出し、さらに第3の番組情報と第3の番組を抽出するようにしたので、ある番組を再生している状態で、次に再生すべきビットストリームと番組が予測できる場合に、あらかじめ次の予測されたビットストリームの番組情報を抽出することにより、次の番組を速やかに抽出することが可能となり、操作性の改善されたディジタル放送受信装置を提供できるという効果がある。
また、第1のデマルチプレクサ部および第2のデマルチプレクサ部からの出力信号が入力され、いずれか一方の信号を選択してデコーダ部に出力するデコーダ入力切換装置を備えると共に、演算・制御装置は、第1の番組情報と第1の番組中の第1の番組を再生している状態で使用者が入力装置から第2の番組群中の第2の番組を選択する命令を伝達した際に、第2のチューナー部および第2のデマルチプレクサ部を使用して、第2の番組情報と第2の番組を抽出し再生可能な状態に移行するまでの間、第1のチューナー部および第1のデマルチプレクサ部を使用して第1の番組を継続して再生するようにしたので、番組再生の切換時に使用者に番組を提供できない空白時間の発生を防止することが可能となり、操作性の改善されたディジタル放送受信装置を提供できるという効果がある。
また、少なくとも1つ以上の番組から構成される番組群を含んだ第1のビットストリームを抽出する第1のチューナー部と、第1のビットストリームから番組群を抽出する第1のデマルチプレクサ部と、番組情報を含む第2のビットストリームを常時抽出する第2のチューナー部と、第2のビットストリームから番組情報を抽出する第2のデマルチプレクサ部と、第1のデマルチプレクサ部により抽出された番組群を復号して、映像または音声信号を再生するデコーダ部と、使用者が所望の番組を選択する命令を伝達することの可能な入力装置と、抽出された番組情報を解析すると共に、番組の再生中に使用者が入力装置から異なる番組を選択した際に、あらかじめ解析されている番組情報に基づいて選択された番組を抽出し、これを再生する演算・制御装置とを備えたので、番組情報伝送専用の第2のビットストリームから番組情報を常時抽出することにより次に選択される番組を速やかに抽出することが可能となり、操作性の改善されたディジタル放送受信装置を提供できるという効果がある。
また、複数のビットストリームからなるディジタル放送信号の番組受信時において、チューナー部とデマルチプレクサ部の組を複数組用い、入力された、異なるビットストリームに含まれる番組情報を同時に解析して、使用者が番組を選択した場合に、あらかじめ解析しておいた番組情報に基づいて所望の番組を抽出するので、番組再生中に使用者が他の所望の番組を選択してから実際にその番組が再生されるまでに要する時間を短縮することができるという効果がある。
また、複数のビットストリームからなるディジタル放送信号の番組受信時において、チューナー部とデマルチプレクサ部の組を複数組用い、少なくとも1組のチューナー部とデマルチプレクサ部の対を現在再生中の番組とその番組情報の抽出に使用すると同時に、他の少なくとも1組のチューナー部およびデマルチプレクサ部の対を直前に再生していた番組の抽出に使用し、使用者が直前に再生していた番組を再度選択した場合に、抽出を続けていた直前に再生していた番組を再生するので、使用者が直前に再生していた番組を再度選択した場合に、再生するまでの時間を短縮することができるという効果がある。
また、複数のビットストリームからなるディジタル放送信号の番組受信時において、チューナー部とデマルチプレクサ部の組を複数組用い、少なくとも1組のチューナー部およびデマルチプレクサ部の組を使用して第1の番組を再生すると同時に、他の少なくとも1組のチューナー部およびデマルチプレクサ部の組を使用して、使用者が次に選択すると予想される任意の番組を含むビットストリームとその番組情報を解析しておき、所望の番組を選択した場合に、あらかじめ解析して記憶しておいた番組情報をもとに番組を抽出するので、ある番組を再生している状態で、次に再生すべきビットストリームと番組が予測できる場合に、あらかじめ次の予測されたビットストリームの番組情報を抽出することにより、次の番組を速やかに抽出することができるという効果がある。
また、複数のビットストリームからなるディジタル放送信号の番組受信時において、チューナー部とデマルチプレクサ部の組を複数組用い、少なくとも1組のチューナー部およびデマルチプレクサ部の組を使用して第1の番組を再生している状態から第2の番組を選択して再生する場合に、第2の番組の抽出が終了し第2の番組が再生可能となるまでの間は第1の番組を継続して再生するので、番組再生の切換時に使用者に番組を提供できない空白時間の発生を防止することができるという効果がある。
また、複数のビットストリームからなるディジタル放送信号の番組受信時において、チューナー部とデマルチプレクサ部の組を複数組用い、少なくとも1組のチューナー部およびデマルチプレクサ部を使用して、番組情報専用のビットストリームから番組情報を常に抽出し、その番組情報をもとに、他の少なくとも1組のチューナー部およびデマルチプレクサ部を使用して、所望の番組を抽出するので、番組情報伝送専用の第2のビットストリームから番組情報を常時抽出することにより次に選択される番組を速やかに抽出することができるという効果がある。