JP2007287559A - プラズマディスプレイパネル及びプラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネル及びプラズマディスプレイパネルの製造方法 Download PDF

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祐一 石田
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澄人 椎名
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正洋 河野
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啓 森
Tomohisa Asano
智久 浅野
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Abstract

【課題】シリカ微粒子が集結した構造から成る膜をプラズマディスプレイパネル(PDP)の誘電体膜として利用して、消費電力が小さく、鉛等の有害物質を削減でき、放電安定性に優れ、輝度が高く、パネル寿命が長いPDP及びPDPの製造方法を得る。
【解決手段】内側に放電維持電極12と第1の誘電体膜14とが形成された前面基板11と、この前面基板11の内側に放電空間4が形成されるように張り合わせる背面基板21とを有し、前面基板11上の放電維持電極12を覆う第1の誘電体膜14として酸化物、弗化物、或いはそれらの化合物である微粒子をコロイド状に分散させたペーストを前面基板11上に形成し、微粒子を300〜600℃で焼成することを特徴とするPDP及びPDPの製造方法を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネル及びプラズマディスプレイパネルの製造方法に係わり、特に、放電維持電極上の誘電体膜をコロイド微粒子を原料として形成したプラズマディスプレイパネル及びプラズマディスプレイパネルの製造方法に関する。
平面型の表示装置としてのプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと記す)は、大画面化や高視野角化が比較的容易で温度、磁気、振動などの環境要因に対する耐性に優れ、長寿命である等の長所を有し、家庭用の薄型テレビジョンや公共用の大型情報端表示装置に広く適用されている。この様なPDPは、希ガスから成る放電ガスを放電空間内に封入した放電セルに電圧を印加して、放電ガス中でのグロー放電に基づき発生した紫外線で放電セル内の蛍光体を励起することによって可視光の発光を得る表示装置である。つまり、個々の放電セルは放電管と同一原理で駆動され、通常、数十〜数百万個のオーダーで集合した放電セルにより、1つの表示画面を構成している。
PDPは、放電セルへの電圧の印加方式によって直流駆動型(DC型)と交流駆動型(AC型)とに大別される。AC型PDPは、表示面内で個々の放電セルを仕切る役割を果たす隔壁を、例えばストライプ状に形成すればよいので、高精細化に適している。しかも、放電のための電極の表面が誘電体で覆われているので、電極が磨耗し難く、長寿命であるといった長所を有する。AC型PDPでは、前面基板(ユーザーがテレビ画面を見るときのユーザー側にあるガラス基板)の内面に形成された放電維持電極上に誘電体が形成されており、この誘電体層表面に電荷を蓄積させ、放電維持電極に逆向きの電圧を印加することで、蓄積された電荷を放出し、プラズマを発生させている。
従来のAC型PDPでは、前面基板の内面に形成された放電維持電極上に誘電体が形成されており、この誘電体層表面に電荷を蓄積させ、放電維持電極に逆向きの電圧を印加することで、蓄積された電荷を放出し、プラズマを発生させている。この様なAC型PDPで用いられる誘電体は、酸化鉛(PbO)を主成分とするガラスペーストを用いており、これをスクリーン印刷法などでガラスの前面基板上に塗布して焼成するが、この様なガラスペーストを使用することにより、以下の課題があった。
(1)消費電力が高い。
(2)有鉛であるため、環境に与える影響が大きい。
(3)放電が不安定である。
(4)寿命が短い。
先ず、上述の(1)項の「消費電力が高い」ことについて説明すると、AC型PDPは、放電維持電極対(スキャン電極とコモン電極)に電圧を印加すると誘電体膜及びその周囲の空間に電荷がチャージされ、変位電流が流れる。変位電流は画像表示には直接寄与しないため無効電流となり、放電維持電極の抵抗成分や制御回路に損失を発生させ、無効電力が生ずる。この様な電力損失が増えると、パネル部での消費電力が大きくなるだけでなく、パネルを駆動するIC回路の消費電力も大きくなる。その結果、IC回路で発熱が生じて回路動作が不安定になる。高解像度のPDPを実現するためには放電維持電極の本数を多くする必要があるが、放電維持電極対の本数が増加するとパネルあたりの静電容量は大きくなり、無効電力も増大する。このように無効電力の削減はPDPの低消費電力化のために重要な課題である。又、無効電力を削減することは、変位電流による充電時間を短縮することになるので、パネルの高速動作を可能とする。
無効電力を削減するために、放電維持電極間(スキャン電極とコモン電極間)の誘電体膜の厚さを薄くする構成や、放電維持電極間に誘電体膜を貫通するトレンチ構造を設ける構成が提案されている。このような構成とすることで、電界強度の強い部分を放電空間にむき出しにすることができるので、放電開始電圧を低下するとともに消費電力を低減させることができる。又、前面基板と放電維持電極の間に前面基板よりも低い誘電率を有する誘電体膜を設ける構成や、絶縁気体膜を設ける構成も提案されている。このような構成とすることで、放電維持電極間の静電容量を減少させることができ、無効電力を削減することができる。
更に、無効電力削減のためには、前面基板側の第1の誘電体膜に誘電率の低い物質を使用することが有効である。一般的に前面ガラス基板側の誘電体膜として使用される低融点の有鉛ガラスペーストは比誘電率が12程度と高い。一方、他の酸化物、例えば、SiOの比誘電率は4程度と低い。SiO等の比誘電率が低い物質を用いることにより、膜厚が同じ場合には、静電容量を大きく低減できる。特許文献1では低誘電率(比誘電率4以下)の誘電体膜として多孔質シリコン酸化物膜を用いることが開示されているが、スパッタ法によって成膜した場合はPDPに用いる誘電体は、ミクロンオーダーの厚みを必要とし、この膜厚を有するシリコン酸化膜は、スパッタ法やCVD法等の気相成長法でしか得られない。これらの気相法を用いると、パネル製造時のコストが高くなってしまうため、塗布法での成膜が望まれる。気相成長法では表面が滑らかな所定厚みの誘電体膜が得にくい課題を有する。
シリコン酸化膜を塗布法で形成する方法は、有機シリコン化合物を原料にしたゾルゲル法や塗布熱分解法がある。この塗布型シリコン酸化膜は、例えば、半導体集積回路の層間絶縁膜として使用されているが、その膜厚は1μm未満であり、それ以上になるとクラック等の不具合が発生して、良質な膜を得ることができない。従って、これまでは塗布法により膜厚1μm以上のシリコン酸化膜を得ることは大変難しい課題を有していた。
PDPで消費される電力は、無効電力以外に、有効電力が存在する。この有効電力は発光時に消費される電力のことであり、発光効率を上げることで有効電力を削減することができる。発光効率を上げるための手法として、放電ガスに含まれるキセノン(Xe)分圧を上げる方法があり、この方法では輝度も向上させることができる。然しながら、キセノン分圧の上昇は、放電電圧の上昇を招き、放電の不安定さを増すという課題がある。そのため、実際の商品設計に於いては、輝度・効率の更なる向上に対してキセノン分圧を高めることが有効であると解っていながら、キセノンガス分圧は20%程度に留まっている。
高キセノン分圧下に於いて放電電圧を下げるには、誘電体膜厚を薄くすることが有効であるが、これはパネルの静電容量の増加を引き起こすことになる。従って、薄膜化しても静電容量を低くできるような、低誘電率の膜が望まれている。
次に(2)項の「有鉛である」ことについて説明する。一般に誘電体材料はPbO−B−SiO系やPbO−B−ZnO系等の有鉛ガラスが用いられている。これら有鉛ガラスが使用されている理由は、ガラス基板の耐熱性を考慮して決まるプロセス温度に適合するとともに、電極層とのマッチングや耐マイグレーション特性、透過率、耐電圧等の特性が良いためである。然し、Pbを多く含有していることから環境への有害性が問題とされており、無鉛化が望まれている。
次に(3)項の「放電が不安定である」ことについて説明する。PDPの駆動のシーケンスは、初期化期間、アドレス期間、放電維持期間(サステイン期間)で形成する1サブフィールドを基本としている。初期化期間では壁電荷のリセットを行う。アドレス期間では、表示すべきセルでアドレス電極とスキャン電極(放電維持電極対の一方)の間に対向放電を起こし、更に、これに起因して放電維持電極間の面放電が起こり、スキャン電極にプラスの電荷が形成される。一方、非表示セルではアドレス放電を起こさない。最後に放電維持期間では、アドレス期間で選択されたセルでのみ放電(サステイン放電)が継続されることになる。
PDP駆動時の輝度は放電維持期間の長さに比例する。従って、輝度を高くするには、アドレス期間を短くし、放電維持期間を長くすれば良い。然し、アドレス電圧を印加してから実際に放電が開始されるまでには時間のずれ、即ち、「放電遅れ」という現象があるために、アドレス期間短縮には限界がある。アドレス期間短縮のためには放電遅れを小さくすることが重要である。
最近は、PDPのフルHD(画素数1920×1080)化等、高解像度化に向けた開発が盛んに行われている。然し、高解像度化に伴うアドレス回数の増加により、放電維持期間が減少し、輝度が低下するという課題がある。輝度低下を招くことなく高精細化を進めていくためには、アドレス放電1回を短時間で済ませ、一定時間内に多数回のアドレス操作を行えるようにする必要がある。即ち、放電遅れを小さくする必要がある。
以上、輝度向上あるいは高解像度化のために、放電遅れはできるだけ小さいことが望ましい。尚、この放電遅れは印加電圧、封入ガス、誘電体、保護膜等の多くの要素に影響を受けていることが解ってきている。
次に(4)項の「寿命が短い」ことについて説明する。PDPの寿命は、輝度が半減する時間で定義され、市販品ではおよそ数万時間程度となっている。輝度の低下は主に保護膜であるMgOの劣化によって生じる。例えば、誘電体膜の電気容量を大きくすれば、放電電流が多く流れることになり、それだけ保護膜のダメージが大きく、寿命が短くなるなどの課題を有する。
又、誘電体膜の膜厚の均一性、表面平滑性及び透明性に優れ、且つ耐電圧の高い誘電体膜を形成可能なPDP用誘電体膜形成材料として、片面が離型処理されたプラスチックキャリアーシ−ト上に誘電体膜用塗工層を形成し、その上にセパレーターを有してなるPDP用の転写シート用の誘電体膜形成材の誘電体膜用塗工層が、少なくとも、無機ガラス粉末と、熱可塑性樹脂と、平均粒子径が5〜90nmのシリカ微粒子とを含有したものが特許文献2に開示されている。
上記したシリカ微粒子は、球形もしくは球形に近い形をした球状のシリカ微粒子であり 例えば、コロイダルシリカで、このシリカ微粒子を配合することにより、焼成後の誘電体膜の透過率が向上するのは、シリカ微粒子が焼成の際にガラス粒子同士の焼結を補助することで誘電体膜中に残る気泡が少なくなるからであるとの記載がある。又、シリカ微粒子の平均粒子径は5〜90nmであることが必要であり、特に50nm以下であることと、平均粒子径は90nmを越えると光の波長に近くなり、焼成後に得られる誘電体膜の透過率が低下すること又、シリカ微粒子の含有量を0.5〜3.0重量%とすると、焼成後の誘電体層の透過率が向上するため好ましく、シリカ微粒子の配合量が多いと光の散乱が増加し、直線透過率が低下する傾向にあり、配合量が少ないと焼成後の誘電体層中の気泡が多くなる傾向になるとの開示がある。
然し、特許文献2に記載の誘電体膜は、無機ガラスが主成分で、シリカ微粒子は光透過率を上げるためのいわば添加剤と考えられ、出来上がりの誘電体層は、無機ガラスの中にシリカ微粒子が分散した構造である。このため比誘電率を充分に低くすることができない課題を有していた。
特開2003−59412号公報 特開2004−63292号公報
本発明は上述の課題を解決するために成されたもので、本発明が解決しようとする課題は、シリカ微粒子が集積した構造から成る膜をPDPの前面基板と放電維持電極の間の誘電体膜として利用すること、及びシリカ微粒子が分散したコロイド状のペーストを成膜原料として用い、前面基板上に形成した微粒子を300〜600℃で焼成することで鉛等の有害物質を使用せず且つ、輝度を損ねることなく、消費電力の小さいPDP及びPDPの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、放電ギャップとなる放電維持電極と、この放電維持電極を覆う第1の誘電体膜上に保護膜を形成した前面基板と、放電空間を介して前面基板と対抗させてなるアドレス電極を覆う第2の誘電体膜及びリブが形成され、蛍光体膜を有する背面基板からなるPDPに於いて、前面基板上の放電維持電極を覆う前記第1の誘電体膜として酸化物、弗化物、或いはそれらの化合物である微粒子をコロイド状に分散させたペーストを前面基板上に形成し、微粒子を300〜600℃で焼成することを特徴とするPDPとしたものである。
本発明は、放電ギャップとなる放電維持電極と、この放電維持電極を覆う第1の誘電体膜上に保護膜を形成した前面基板と、放電空間を介して前面基板と対抗させてなるアドレス電極を覆う第2の誘電体膜及びリブが形成され、蛍光体膜を有する背面基板間にからなるプラズマパネルの製造方法に於いて、前面基板上の放電維持電極を覆う第1の誘電体膜として酸化物、弗化物、或いはそれらの化合物である微粒子をコロイド状に分散させたペーストを前面基板上に形成し、微粒子を300〜600℃で焼成することを特徴とするPDPの製造方法としたものである。
本発明はガラスからなる前面基板と放電維持電極の間に形成する第1の誘電体膜にシリカ微粒子集積体を用いることにより、鉛等の有害物質を使用せず且つ、輝度を損ねることなく、消費電力の小さいPDP及びPDPの製造方法を提供することができる。特に高キセノン分圧を有するPDPに好適なものが得られる。
以下、を図1乃至図8によって、本発明の1形態例のPDP及びPDPの製造方法を説明する。図1は、本発明の1形態のPDPを示す要部の概略斜視図、図2は本発明の1形態例のPDPのダイコート法による製造方法を示す概念図、図3は本発明の1形態例のPDPのスクリーン印刷法による製造方法を示す概念図、図4は本発明の1形態例のPDPのグリーンシートラミネート法による製造方法を示す概念図、図5(a)〜図5(d)は、本発明の1形態例のPDP及びPDPの製造方法に用いるシリカ微粒子集積体膜の平面及び側断面の微構造の模式図、図6は本発明の1形態例のPDPに用いるシリカ微粒子集積体膜と有鉛ガラス膜との透過率の比較表、図7は本発明の1形態例のPDPに用いるシリカ微粒子集積体膜と有鉛ガラス膜との放電遅れを説明するグラフ、図8は本発明の1形態例のPDPに用いるシリカ微粒子集積体膜と有鉛ガラス膜との輝度の経時変化を示すグラフである。
図1により、AC型のPDPの全体構成について説明する。図1に示すAC型PDP2は、所謂、3電極型に属し、1対の放電維持電極12の間で放電が生じる。このAC型PDP2はフロントパネルに相当する前面パネル10と、リアパネルに相当する背面パネル20とが放電空間を介して張り合わされている。背面パネル20上の蛍光体25R、25G、25Bの発光は例えば、前面パネル10を通して観察される。即ち、前面パネル10が、表示面側となる。
前面パネル10は、透明なガラス等の前面基板11と、この前面基板11上にストライプ状に設けられ、透明導電材料、或いは網状や格子状に、ある程度の透過率をもたせてパターニングされたメタル材料から成る複数の一対の放電維持電極12が形成され、放電維持電極12の下端縁には放電維持電極12のインピーダンスを低下させるために放電維持電極12よりも電気抵抗の低い材料から成るバス電極13が形成され、このバス電極13及び放電維持電極12上を含む前面基板11上に形成された第1の誘電体膜14と、第1の誘電体膜上に形成された保護膜15とから構成されている。尚、保護膜15は、必ずしも形成されている必要はないが、形成することが好ましい。
一方、背面パネル20は、背面基板21と、この背面基板21上にストライプ状に設けられた複数のアドレス電極(データ電極とも呼ばれる)22と、アドレス電極22上を含む背面基板21上に形成された第2の誘電体膜23と、この第2の誘電体膜23上であって隣り合うアドレス電極22の間の領域に形成された絶縁性の隔壁24と、第2の誘電体膜23上から隔壁24の側壁面上に亘って設けられた蛍光体層とから構成されている。蛍光体膜は、赤色蛍光体膜25R、緑色蛍光膜25G、青色蛍光体膜25Bから構成されている。
図1はPDPの一部の分解斜視図であり、実際には、背面パネル20側の隔壁24の頂部が前面パネル10側の保護層15に当接している。一対の放電維持電極12と、2つの隔壁24の間に位置するアドレス電極22とが重複する領域が、単一の放電セルに相当する。そして、隣り合う隔壁24と蛍光体層25R、25G、25Bと保護膜15とによって囲まれた放電空間4内には、放電ガスが封入されている。前面パネル10と背面パネル20とは、それらの周辺部において、フリットガラスを用いて接合されている。放電空間4内に封入されるガスとしては、特に限定されないが、キセノン(Xe)ガス、ネオン(Ne)ガス、ヘリウム(He)ガス、アルゴン(Ar)ガス、窒素(N2)ガス等の不活性ガス、あるいはこれらの混合ガス等が用いられる。封入されている放電ガスの全圧は、特に限定されないが、6kPa〜80kPa程度である。
放電維持電極12のストライプ方向とアドレス電極22のストライプ方向とは略直交(必ずしも直交する必要はないが)しており、一対の放電維持電極12と、三原色を発光する蛍光体層25R、25G、25Bの1組とが重複する領域が1画素(1ピクセル)に相当する。グロー放電が1対の放電維持電極12間で生じることから、このタイプのプラズマ表示装置は「面放電型」と称される。
本実施形態のPDPは、所謂、反射型PDPであり、蛍光体層25R、25G、25Bの発光は、前面パネル10を通して観察されるので、アドレス電極22を構成する導電性材料は透明/不透明の別は問わないが、放電維持電極12を構成する導電性材料は透明である必要がある。尚、ここで述べる透明/不透明とは、蛍光体層材料に固有の発光波長(可視光域)における導電性材料の光透過性に基づく。即ち、蛍光体層から射出される光に対して透明であれば、放電維持電極12やアドレス電極22を構成する導電性材料は透明であると言える。
不透明な導電性材料として、Ni、Al、Au、Ag、Al/Mn、Pd/Ag、Cr、Ta、Cu、Ba、LaB、Ca0,2La0,8CrO等の材料を、単独または適宜組み合わせて用いることができる。透明な導電性材料としては、ITO(インジウム・錫酸化物)やSnO、ZnO:Al、ZnOを挙げることができる。放電維持電極12またはアドレス電極22は、スパッタ法、蒸着法、スクリーン印刷法、メッキ法等によって形成することができ、フォトリソグラフィ法、サンドブラスト法、リフトオフ法等によってパターン加工される。放電維持電極12の電極幅は、特に限定されないが、200〜400μm程度である。又、これらの対となる放電維持電極12の相互間の距離は、特に限定されないが、好ましくは5〜150μm程度である。又、アドレス電極22の幅は、例えば、50〜100μm程度である。
バス電極13は、典型的には、金属材料、例えば、Ag、Au、Al、Ni、Cu、Mo、Cr等の単層の金属膜、あるいはCr/Cu/Cr等の積層金属膜等から構成することができる。かかる金属材料から成るバス電極13は、反射型のPDPにおいては、蛍光体層から放射されて前面基板11を通過する可視光の透過光量を低減させ、表示画面の輝度を低下させる要因となるので、放電維持電極12全体に要求される電気抵抗値が得られる範囲内で出来る限り細く形成することが好ましい。具体的には、バス電極13の電極幅は、放電維持電極12の電極幅よりも小さく、例えば30〜200μm程度である。バス電極13は、放電維持電極12等と同様な方法により形成することができる。
放電維持電極12の表面に形成される第1の誘電体14は、本実施形態では、シリカ微粒子の集積体から構成されている。シリカ微粒子の粒径は100nm以下であり、好ましくは1〜100nmである。第1の誘電体膜の比誘電率は、1.0〜4.0であり、好ましくは1.3〜3.0である。この第1の誘電体膜は、後述するが、印刷法、ダイコート法、グリーンシートラミネート法で形成される。この誘電体層は、単層であっても、多層構造であっても良いが、焼成後の厚さは1〜100μmであり、好ましくは3〜30μmである。
第1の誘電体膜14は、アドレス期間に発生する壁電荷を蓄積して放電状態を維持するメモリ機能、過剰な放電電流を制限する機能、放電維持電極12を保護する機能等を有している。第1の誘電体膜14の放電空間側表面に形成してある保護膜15は、イオンや電子と第1の誘電体膜14及び放電維持電極12との接触を防止し、第1の誘電体膜14および放電維持電極12の磨耗を防ぐ効果を有する。
又、保護層15は放電に必要な2次電子を放出する機能も有し、放電開始電圧を下げる重要な作用を有する。保護層15を構成する材料として、酸化マグネシウム(MgO)、フッ化マグネシウム(MgF)、フッ化カルシウム(CaF)を例示することができる。中でもMgOは、化学的に安定であり、スパッタリング率が低く、蛍光体の発光波長における光透過率が高く、放電開始電圧が低い等の特色を有する好適な材料である。尚、保護層15を、これらの材料から成る群から選択された少なくとも2種類の材料から構成された積層膜構造としても良い。
前面基板11及び背面基板21の構成材料としては、高歪点ガラス、ソーダガラス(NaO・CaO・SiO)、硼珪酸ガラス(NaO・B・SiO)、フォルステライト(2MgO・SiO)、鉛ガラス(NaO・PbO・SiO)を例示することができる。前面基板11と背面基板21の構成材料は、同じであっても異なっていてもよいが、熱膨張係数が同じであることが望ましい。
蛍光体層25R、25G、25Bは、例えば、赤色を発光する蛍光体膜材料、緑色を発光する蛍光体膜材料および青色を発光する蛍光体膜材料から成る群から選択された蛍光体膜材料から構成され、アドレス電極22の上方に設けられている。PDPがカラー表示の場合、具体的には、例えば、赤色を発光する蛍光体膜材料から構成されたストライプ状の蛍光体膜(赤色蛍光体膜25R)がアドレス電極22の上方に設けられ、緑色を発光する蛍光体材料膜から構成されたストラプ状の蛍光体膜(緑色蛍光体膜25G)が別のアドレス電極22の上方に設けられ、青色を発光する蛍光体膜材料から構成されたストライプ状の蛍光体膜(青色蛍光体膜25B)が更に別のアドレス電極22の上方に設けられており、これらの3原色を発光する蛍光体が1組となり、所定の順序に従って設けられている。そして、1対の放電維持電極12と、これらの3原色を発光する1組の蛍光体膜25R、25G、25Bとが重複する領域が、1画素に相当する。
蛍光体層25R、25G、25Bを構成する蛍光体材料としては、従来公知の蛍光体層材料の中から、量子効率が高く、真空紫外線に対する飽和が少ない蛍光体材料を適宜選択して用いることができる。カラー表示を想定した場合、色純度がNTSCで規定される3原色に近く、3原色を混合した際の白バランスがとれ、残光時間が短く、3原色の残光時間が略等しくなる蛍光体材料を組み合わせることが好ましい。
蛍光体層材料の具体的な例を次に示すと、例えば、赤色に発光する蛍光体膜材料として、Y:Eu、YBO:Eu、YVO:Eu、Y0,960,60v0,40:Eu0,04、(Y,Gd)BO:Eu、GdBO:Eu、ScBO:Eu、3、5MgO・0、5MgF0・GeO:Mnを、緑色に発光する蛍光体膜材料として、ZnSiO:Mn、BaAl1219:Mn、BaMgAl16Mn、MgGa:Mn、YBO:Tb、LuBO:Tb、SrSi14:Euを、青色に発光する蛍光体膜材料として、YSiO:Ce、CaWO:Pb、CaWO、YP0,850,15、BaMgAl1423:Eu、Sr:Eu、Sr:Sn等が例示される。
蛍光体膜25R、25G、25Bの形成方法として、厚膜印刷法、蛍光体膜粒子をスプレーする方法、蛍光体膜の形成予定部位に予め粘着性物質を付けておき、蛍光体膜粒子を付着させる方法、感光性の蛍光体膜ペーストを使用し、露光および現像によって蛍光体膜をパターニングする方法、前面に蛍光体膜を形成した後に不要部をサンドブラスト法により除去する方法を挙げることができる。
尚、蛍光体膜25R、25G、25Bはアドレス電極22の上に直接形成されていてもよいし、アドレス電極22上から隔壁24の側壁面上に亘って形成されていてもよい。或いは、蛍光体膜25R、25G、25Bはアドレス電極22上に設けられた背面の第2の誘電膜23上に形成されていてもよいし、アドレス電極22上に設けられた背面の第2の誘電体膜上から隔壁24の側壁面上に亘って形成されていてもよい。更には、蛍光体膜25R、25G、25Bは、隔壁24の側壁面上にのみ形成されていてもよい。背面の第2の誘電体膜23の構成材料としては、例えば、低融点ガラスを挙げることができる。
背面基板21には、前述した様に、アドレス電極22と平行に延びる隔壁24(リブ)が形成されている。なお、隔壁(リブ)24は、ストライプ状に構成されてもよいし、格子状に形成されてもよい。背面の第2の誘電体膜23が背面基板21及びアドレス電極22上に形成されている場合には、隔壁24は誘電体膜上に形成されている場合もある。隔壁24の構成材料として、従来公知の絶縁材料を使用することができ、例えば広く用いられている低融点ガラスにアルミナ等の酸化物をフィラーとして混合した材料を用いることができる。隔壁24は、例えば幅が50μm以下程度で、高さが90〜150μm程度である。隔壁24のピッチの間隔は、例えば100〜400μm程度である。
隔壁24の形成方法として、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、ドライフィルム法、感光性ペースト法を例示することができる。ドライフィルム法とは、例えば、背面基板21上に感光性フィルムをラミネートし、露光および現像によって隔壁形成予定部位の感光性フィルムを除去し、除去によって生じた開口部に隔壁形成用の材料を埋め込み、焼成する方法である。感光性フィルムは焼成によって燃焼、除去され、開口部に埋め込まれた隔壁形成用の材料が残り、隔壁24となる。感光性ペースト法とは、背面基板21上に感光性を有する隔壁形成用の材料層を形成し、露光および現像によって、この材料層をパターニングした後、焼成を行う方法である。なお、隔壁24を黒くすることにより、表示画面の高コントラスト化を図ることができる。
背面基板21上に形成された1対の隔壁24と、1対の隔壁24によって囲まれた領域内を占める放電維持電極12とアドレス電極22と蛍光体層25R、25G、25Bによって1つの放電セルが構成される。そして、かかる放電セルの内部、より具体的には、隔壁24によって囲まれた放電空間4の内部に、放電ガスが封入されており、蛍光体膜25R、25G、25Bは、放電空間4内の放電ガス中で生じた交流グロー放電に基づき発生した紫外線に照射されて発光する。
次に、本発明の実施形態に係るPDPの製造方法について説明する。前面パネル10は、以下の方法で作製することができる。
先ず、高歪点ガラスやソーダガラスから成る前面基板11の全面に、例えば、スパッタリング法によりITO膜を形成し、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術により、ITO膜をストライプ状にパターニングすることによって、一対の放電維持電極12を、複数形成する。放電維持電極12は、第1のX軸方向に伸びている。次に、前面基板11の内面全面に例えば、蒸着法によりアルミニウム膜を形成し、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術によりアルミニウム膜をパターニングすることによって、各放電維持電極12の縁部に沿ってバス電極13を形成する。その後、バス電極13が形成された前面基板11の内面全体にシリカ(SiO)微粒子の集積体から成る第1の誘電体層14を形成する。
第1の誘電体膜14の形成に際しては、ダイコート法、印刷法、グリーンシートラミネート法のいずれの方法で形成してもよい。次に、第1の誘電体層14の上に、電子ビーム蒸着法またはスパッタリング法により、厚さ0.6μmの酸化マグネシウム(MgO)から成る保護層15を形成する。以上の工程により前面パネル10を完成することができる。
又、背面パネル2は以下の方法で作製する。先ず、高歪点ガラスやソーダガラスから成る背面基板21上に、例えば、蒸着法によりアルミニウム膜を形成し、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術によりパターニングすることで、アドレス電極22を形成する。アドレス電極22は、第1のX軸方向と直交する第2のY軸方向に延びている。次に、スクリーン印刷法により、全面に低融点ガラスペーストを形成し、この低融点ガラスペースト膜を焼成することによって第2の誘電体膜23を形成する。
その後、隣り合うアドレス電極22の間の領域の上方の誘電体膜上に、例えばスクリーン印刷法により低融点ガラスペーストを印刷する。その後、この背面基板21を、焼成炉内で焼成し、隔壁24を形成する。この時の焼成(隔壁焼成工程)は、空気中で行い、焼成温度は560℃程度である。焼成時間は2時間程度である。
次に、背面基板21に形成された隔壁24の間に3原色の蛍光体層スラリーを順次印刷する。その後、背面基板21を、焼成炉内で焼成し、隔壁24の間の第2の誘電体膜23上から隔壁24の間の側壁面上に亘って、蛍光体膜25R、25G、25Bを形成する。その時の焼成(蛍光体焼成工程)温度は、510℃程度である。焼成時間は、10分程度である。
次に、PDPの組み立てを行う。先ず、例えばスクリーン印刷法により、背面パネル20の周辺部にシール層を形成する。次に、第1パネル10と第2パネル20とを貼り合わせ、焼成してシール層を硬化させる。その後、前面パネル10と背面パネル20との間に形成された空間を排気した後、放電ガスを封入し、空間を封止し、PDP2を完成させる。
上記した構成のPDPのACグロー放電動作の1例を以下に説明する。先ず、例えば、全ての一方の放電維持電極12に、放電開始電圧Vbdよりも高いパネル電圧を短時間印加する。これによってグロー放電が生じ、双方の放電維持電極12の近傍の第1の誘電体層14の表面に相互に反対極の電荷が付着して、壁電荷が蓄積し、見掛けの放電開始電圧が低下する。その後、アドレス電極22に電圧を印加しながら、表示をさせない放電セルに含まれる一方の放電維持電極12に電圧を印加することによって、アドレス電圧22と一方の放電維持電極12の間にグロー放電を生じさせ、蓄積された壁電荷を消去する。
この消去放電を各アドレス電極22において順次実行する。一方、表示をさせる放電セルに含まれる一方の放電維持電極12には電圧を印加しない。これによって、壁電荷の蓄積を維持する。その後、全ての一対の放電維持電極12間に所定のパルス電圧を印加することによって、壁電荷が蓄積されていたセルにおいては一対の放電維持電極12の間でグロー放電が開始し、放電セルにおいては、放電空間内における放電ガス中でのグロー放電に基づき発生した真空紫外線の照射によって励起された蛍光体膜25が、蛍光体膜材料の種類に応じた特有の発光色を呈する。尚、一方の放電維持電極12と他方の放電維持電極12に印加される放電維持電圧の位相は半周期ずれており、電極の極性は交流の周波数に応じて反転する。
本発明では、PDP2の具体的な構造は、図1に示す実施形態に限定されず、その他の構造であってもよい。例えば、図1に示す実施形態では、所謂、3電極型のPDP2を例示したが、2電極型のPDP2であってもよい。この場合には、一対の放電維持電極12の一方を前面基板11に形成し、他方を背面基板21に形成する構成となる。又、一方の放電維持電極12はX軸方向に延び、他方の放電維持電極12はX軸方向とは異なる第2のY軸方向に延び、一対の放電維持電極12が対面するごとく対向して配置されている。2電極型PDP2にあっては、必要に応じて、上述した実施形態の説明における「アドレス電極」を「他方の放電維持電極」と読み替えればよい。
又、上述した実施形態のPDP2は、前面パネル10が表示パネル側となり、所謂、反射型のPDP2であるが、透過型のPDP2であっても良い。但し、透過型のPDP2では、蛍光体膜の発光は背面パネル20を通して観察されるので、放電維持電極12を構成する導電性材料に関して透明/不透明の別は問わないが、アドレス電極22を第2基板21上に設けるので、アドレス電極は透明である必要がある。
〔実施例1〕(ダイコート法によるシリカ微粒子集積体膜の成膜)
以下、本発明のPDP及びPDPの製造方法を実施例に基づき説明する。前面パネル10は以下の方法で作製する。先ず、高歪点ガラスやソーダガラスから成る前面基板11の全面に例えば、スパッタリング法によりITO層を形成し、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術によりITO膜をストライプ状にパターニングすることによって、一対の放電維持電極12を複数形成する。
次に、前面基板11の内面全面に、例えば、蒸着法によりアルミニウム膜を形成し、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術によりアルミニウム膜をパターニングすることで、各放電維持電極12の縁部に沿ってバス電極13を形成する。その後、バス電極13が形成された前面基板11の内面全面にシリカ微粒子16の集積体から成る第1の誘電体膜14を形成する。
第1の誘電体膜14の形成に際しては、原料としてシリカ微粒子17を均一に分散したコロイダルシリカペーストを用い、成膜法としてダイコート法を用いた。コロイダルシリカペーストは、平均直径が100nm以下のシリカ微粒子16を数%以上含み、これに適切なバインダーや水を主成分とした溶媒が含まれている。ダイコート法の概念図を図2に示す。このダイコート方法は、ペースト容器5から、ポンプ6を用いてスリット状の開口部8を有するスリットダイ7からペースト9を送り出す。このスリットダイ7の開口部8から適量のペースト9を吐出させながら、基盤3もしくはスリットダイ7を矢印A方向に動かすことで所望の厚みのペースト9を前面基板11上に塗布する。
本実施例で用いたダイコート装置1では、スリットダイ7を動かす仕組みになっている。塗布直後の膜厚は100μm程度であるが、室温にて十分に乾燥させ、300〜600℃で焼成した後は約10μm程度であった。焼成後の第1の誘電体膜14のシリカ微粒子16は図5(a)(b)に示す様に、シリカ微粒子16が球状であるために、不可避に存在する空間部17を有している。次に、この誘電体層14の上に電子ビーム蒸着法により、厚さ0.6μmの酸化マグネシウム(MgO)から成る保護層15を形成した。以上の工程により前面パネル10を完成する。
図5(c)に示す側断面図の場合は、異なる大きい径と小さい球径のシリカ微粒子16a及び16bを混合して単層の第1の誘電体膜14を形成した場合であり、図5(d)の場合は、異なる大きな径と小さい球径のシリカ微粒子16a及び16bを多層に形成して第1の誘電体膜14を形成した場合である。勿論、異なる球径の2層以上の多層構造であっても良く、各層の配列順序はランダムであっても良い。更に、図5(b)及び図5(c)に示した誘電体膜を多層構造にしても良いことは明らかである。
次に、背面基板21に形成された隔壁24の間に3原色の蛍光体膜スラリーを順次印刷した。その後、背面基板21を、焼成炉内で焼成し、隔壁24の間の第2の誘電体膜23上から隔壁24の側壁面上に亘って、蛍光体層25R、25G、25Bを形成し、510℃程度で10分の焼成を行い、背面パネル20を完成する。
次に、PDP2の組み立てを行った。即ち、先ず、スクリーン印刷法により、背面パネル20の周縁部にシール層を形成した。次に、前面パネル10と背面パネル20を貼り合わせ、焼成してシール層を硬化させた。その後、前面パネル10と背面パネル20との間に形成された空間を排気した後、放電ガスを封入して空間を封止し、PDP2を完成させた。放電ガスとしては、Xe4%を用い、66.6Paの圧力で封入した。またはXe100%を用い、30.0KPaの圧力で封入した。
〔実施例2〕(印刷法によるシリカ微粒子集積体膜の成膜)
本実施例では第1の誘電体層14の形成に際して、印刷法を用いた。原料としてシリカ微粒子16が均一に分散したコロイダルシリカペーストを用いた。コロイダルシリカペーストは、平均直径が100nm以下のシリカ微粒子を数%以上含み、これに適切なバインダーや水を主成分とした溶媒が含まれている。印刷法の概念図を図3に示す。ペースト9の塗布範囲をメッシュまたは開口としたスクリーンマスク18を用いて、これに密着させて金属もしくは樹脂製のスキージ19を動かすことで前面基板11の成膜範囲にペースト9を印刷する。この際、スクリーンマスク18の板厚やペースト粘度により、完成膜の厚さを制御する。粘度500〜1500cpsのペースト9に対して#200のメッシュを有するステンレス製スクリーンマスク18を用いて印刷を行い、550℃〜580℃で焼成を行った。この印刷から焼成のプロセスを1〜3回繰り返し、完成膜厚は10μm程度が得られた。第1の誘電体膜14形成以外のプロセスは実施例1と同様である。
〔実施例3〕(グリーンシートラミネート法によるシリカ微粒子集積体膜の成膜)
本実施例では第1の誘電体層14の形成に際して、グリーンシートラミネート法を用いた。グリーンシートラミネート法の概念を図3に示す。グリーンシート27は、スラリー化した原材料のベーストをベースフィルム上に塗布、乾燥させたものであり、これにカバーフィルムを張り付けたものがラミネート装置に設置される。図4に示すように、ラミネート時には、ベースフィルム(カバーフィルム)を外したシート面を前面基板11面に向け、加熱されたヒータ内蔵ロール26a、26bでグリーンシート27を前面基板11を圧着する。その後、ベースフィルムを剥離して焼成する。
本実施例では、原料として平均直径が100nm以下のシリカ微粒子が均一に分散したグリーンシートを用いた。グリーンシート圧着後、550℃〜580℃で焼成を行い、厚み約10μm程度の膜が得られた。第1の誘電体膜14の形成以外のプロセスは実施例1と同様である。
〔比較例1〕(印刷法による有鉛ガラスペースト)
本比較例では第1の誘電体膜14の形成に際して、有鉛ガラスペーストを用い、印刷法にて成膜した。有鉛ガラスペーストに含まれる無機ガラス成分の組成はPBO・B・SiOであり、平均粒子径は数μm程度である。ペースト9にはガラス成分の他に有機バインダーが含まれ、500〜1500cps程度の粘性に調整されている。脱泡機にて脱泡後、#200のメッシュを有するステンレス製のスクリーンで印刷を行い、レベリングを伴う乾燥を行い、550〜580℃で焼成を行った。印刷から焼成までのプロセスを1〜数回繰り返し、完成膜厚は30μm程度とした。第1の誘電体膜14形成以外のプロセスは実施例1と同様である。
〔評価例1〕(比誘電率、透過率、耐電圧)
評価例1では、実施例1に記載した方法で作製したシリカ微粒子集積体による第1の誘電体膜14と、比較例1に示した有鉛ガラスペーストによる第1の誘電体膜14の特性評価結果を示す。具体的な測定項目は、比誘電率、透過率、耐電圧であり、いずれも誘電体膜としての基礎的な特性を示す。なお、実施例1、実施例2、実施例3のいずれの作製方法であっても、シリカ微粒子集積体による第1の誘電体膜の特性は同様であるので、いずれの作製方法を用いても構わない。
(比誘電率)
比誘電率は物質及びその構造に依存する大切なファクターである。先ず、比誘電率の測定方法を説明する。測定サンプルは、ガラス基板の上に下部電極を形成し、その上にシリカ微粒子16の集積体或いは有鉛ガラスペーストから成る誘電体膜を形成し、その上に上部電極を形成する。上下電極に挟まれた誘電体膜の静電容量を測定し、以下の式1から比誘電率を算出した。
C=εεS/d・・・・(1)
ここで、ε=Cd/ε
ε:比誘電率
ε:真空の誘電率
C:静電容量
d:膜厚
S:電極の面積
比誘電率の測定結果は、周波数32kHz〜100kHzに於いて、シリカ微粒子集積体の比誘電率:ε=2.6、有鉛ガラスの比誘電率:ε=12であった。このようにシリカ微粒子集積体膜の比誘電率は、従来の有鉛ガラスの20%程度になり、極めて低い。
(透過率)
シリカ微粒子集積体膜及び有鉛ガラス膜の透過率を図6の表1に示す表1に記載した値は、R(赤611nm)、G(緑515nm)、B(青454nm)の各波長における直線透過率を示している。又、これらの直線透過率は、測定光学系に含まれる大気及びガラスの前面基板の透過率を考慮して算出した膜単体の値である。このときの膜厚はシリカ微粒子集積体膜、有鉛ガラス共に約10μmである。有鉛ガラスの透過率84〜92%に比べ、シリカ微粒子集積体膜の透過率は99〜100%であり、ほとんど損失がないことが解る。
(耐電圧)
シリカ微粒子集積体膜は図5(a)(b)に示す空間部17の空隙を有するため、空隙を有しない一様塗布したベタ面に比べ、絶縁破壊を生じやすいことが危惧される。然し、一般的なPDPの駆動電圧を考えると、400V以上の耐電圧があれば、パネル使用に耐えうる。そこで、シリカ微結晶集積体膜及び有鉛ガラスの耐圧を測定した2測定サンプルはITO付きガラス基板上に、ダイコート法によりシリカ微粒子集積体膜を、印刷法により有鉛ガラス膜を形成し、それらの上に1cmの面積を有する金属電極を形成した。このときの膜厚はシリカ微粒子集積体膜、有鉛ガラス共に約10μmである。このようにして、誘電体の両面を電極で挟んだキャパシター構造とし、これに32kHzの矩形波を印加した。その結果、両誘電体膜において電源電圧の最大値である500Vを印加しても絶縁破壊が生じなかった。
〔評価例2〕(Xe4%パネルの評価)
評価例2では、実施例1に記載したシリカ微粒子集積体膜による第1の誘電体膜を用いたパネルと、比較例1に示した有鉛ガラスペーストによる第1の誘電体膜を用いたパネルの特性評価結果を示す。パネルの大きさは有効画素領域が対角5インチで、シリカ微粒子集積体膜の膜厚は9μm、有鉛ガラスの膜厚は30μmである。両パネルに含まれる放電ガスはXe4%、Ne96%である。尚、実施例1、実施例2、実施例3のいずれの作製方法であっても、シリカ微粒子集積体膜による第1の誘電体膜の特性は同様であるので、いずれの作製方法を用いても構わない。
(パネルの静電容量)
パネルの放電維持電極対(スキャン電極、コモン電極)の全てをLCRメーターに接続して、その静電容量を測定した。放電維持電極対の全静電容量は、周波数32kHz〜100kHzに於いて、Xe4%シリカ微粒子集積体パネル:1.7nFでXe4%有鉛ガラスパネル:2.6nFであった。誘電率が同じであれば、膜厚が薄いほど、静電容量は大きくなる。然し、シリカ微粒子集積体膜を用いると、比誘電率が従来の有鉛ガラスよりも著しく小さくできるので、膜厚が薄くても静電容量を低くすることができる。このことは、無効電流を減らすことになり、無効電力、ひいては消費電力の低減をもたらす。更に、パネルにかける負荷が減ることになるので、パネル寿命が向上する。
(パネルの放電開始電圧)
放電開始電圧はXe4%シリカ微粒子集積体パネル:170VでXe4%有鉛ガラスパネル:200Vであった。このように、シリカ微粒子集積体膜を用いた場合には放電開始電圧を低減できる。低電圧で駆動できることは、無効電力、有効電力を含めた消費電力の低減をもたらす。さらに、パネルにかける負荷が減るために、パネル寿命が向上する。
(パネルの無効電力)
次に、無効電力の測定条件は電圧160V、周波数32kHzとし、測定結果はXe4%有鉛ガラスの無効電力を1.0とする任意単位でXe4%シリカ微粒子集積体パネルは0.75であった。この様にシリカ微粒子集積体パネルの無効電力は、従来の有鉛ガラスパネルより25%程度低くなる。
(発光効率)
次に発光効率を以下に示す。測定条件は電圧160V、周波数32kHzとし、測定結果はXe4%有鉛ガラスの発光効率を1.0とする任意単位でXe4%シリカ微粒子集積体パネルは1.2であった。この様にシリカ微粒子集積体パネルの発光効率は、従来の有鉛ガラスパネルより20%程度高くなる。発光効率の増加は、有効電力削減につながり、消費電力の低減をもたらす。
(放電遅れ)
放電遅れの測定結果、即ち、放電確率分布を図7に示す。放電遅れは形成遅れ(Tf:電圧を印加してから最初の放電が起こるまでの時間)と統計遅れ(Ts:放電開始時間の揺らぎ)からなる。図4において、シリカ微粒子集積体と有鉛ガラスとを比較すると、形成遅れTfの差はほとんどないが、統計遅れTsの差が大きい。以下に、統計遅れTsの測定結果を有鉛ガラスの発光効率を1とする任意単位で示す。
Xe4%シリカ微粒子集積体パネル:0.44(任意単位)
Xe4%有鉛ガラスパネル:1.0(任意単位)
このようにシリカ微粒子集積体パネルの統計遅れTは有鉛ガラスパネルに比べて56%程度小さくなる。
(輝度の経時変化:パネルライフ)
パネルライフは輝度の半減期で定義される。図8に輝度の経時変化を示す。シリカ微粒子集積体パネルの輝度変化が小さく、パネル寿命が向上する。
〔評価例3〕Xe100%パネルの評価
評価例3では、実施例1に記載したシリカ微粒子集積体による第1の誘電体膜を用いたパネルと、比較例1に示した有鉛ガラスペーストによる第1の誘電体膜を用いたパネルの放電ガスをXe100%、30kPaとした場合の、測定結果を示す。放電ガス以外は実施例1及び比較例1に示したパネルと同様な構造になっている。尚、実施例1、実施例2、実施例3のいずれの作製方法であっても、シリカ微粒子集積体による第1の誘電体膜の特性は同様であるので、いずれの作製方法を用いても構わない。
評価例3に於いては、有鉛ガラスを用いたパネルでは、維持電極対に500Vの電圧を印加しても発光させることができなかった。一方、シリカ微粒子集積体を用いたパネルでは、放電開始電圧は240Vであり、Xe4%シリカ微粒子集積体パネルと比較して高いが、放電開始後は安定した放電を維持できた。輝度および発光効率をXe4%有鉛ガラスパネルと比較すると、輝度は2.1倍、発光効率は2.3倍と、大幅に向上する。
このように高キセノンパネルにおいても放電発光が容易になるのは、シリカ集積体膜の特徴である。一般に、誘電体膜厚を薄くできれば、放電開始電圧が下がるが、静電容量が大きくなる。その結果、無効電流や放電電流の増大、延いては消費電力の増大をもたらし、膜の耐久性を減じ、パネル寿命を短くする。然し、シリカ微粒子集積体膜を用いると、比誘電率が従来の有鉛ガラスペーストよりも著しく小さくできるので、膜厚が薄くても静電容量を低くすることができる。
(放電遅れ)
放電遅れの重要な因子である統計遅れの測定結果を、Xe4%有鉛ガラスパネルの統計遅れを1とする任意単位で示す。
Xe100%シリカ微粒子集積体パネル:0.93(任意単位)
Xe4%有鉛ガラスパネル:1.0(任意単位)
Xe100%シリカ微粒子集積体膜パネルの統計遅れTsは、キセノン量が多くなったにもかかわらず、Xe4%有鉛ガラスパネルよりも7%程度小さかった。これは、シリカ微粒子集積体を用いたパネルでは、高キセノン分圧においても放電が安定する傾向にあることを示している。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。例えば、上述した実施形態では、シリカ微粒子が集結した構造から成る膜を形成できれば、その原料または成膜方法は限定されない。又、本発明では、誘電体膜14は、必ずしもシリカ微粒子が集積した単層膜で構成する必要はなく、コーティングおよび焼成を多層回繰り返した多層膜で構成してもよいことは明らかである。
本発明に関わるPDPでは、内側に放電維持電12と第1の誘電体膜14とが形成された前面パネル10と、この前面パネル10の内側に放電空間4が形成されるように張り合わせる背面パネル20を有し、誘電体膜14がシリカ微粒子16の集積体からなり、シリカ微粒子16の粒径は100nm以下であり、好ましくは1nm〜100nmである。シリカ微粒子16の粒径が1nmよりも小さいと粒子の表面エネルギーの寄与が大きくなり、不安定になる結果、均一なコロイド状態を保てなくなり、粒径が100nmよりも大きいと可視光の散乱を生じ、透過率を減じることになる。
シリカ微粒子集積体膜の比誘電率は、微粒子間に存在する空間部17等の空隙のために、シリカの比誘電率よりも低く、空隙の比誘電率よりも高い。即ち1.0〜4.0の範囲である。次に、同じ粒径を有する微粒子集積体膜において、最密充填を仮定した場合の比誘電率を概算した。空隙率fの多孔質体の比誘電率ε(f)はMaxwell−Garnett Modelより、次の2式で表される。
Figure 2007287559
ここで、εは母体物質の比誘電率、εは空隙の比誘電率である。同じ粒径を有する粒子群が最密充填となっている場合、その空隙率はf=0.26(充填率は0.74)である。さらに、母体物質がシリカ(ε≒4.0)、空隙が放電ガス(ε≒10)と仮定し、これらの値を上式に代入すると、ε=3.0が得られる。
即ち、同じ粒径を有するシリカ微粒子群が最密充填した集積体の比誘電率εは3.0である。然しながら実際のシリカ微粒子集積体膜では粒径の不均一性や配列の乱雑さのために空隙率fが大きく、比誘電率は3.0よりも小さくなることが予想される。又、空隙率fが大きくなりすぎると、機械的強度や絶縁性の低下をもたらす。以上より誘電体膜14の比誘電率の好ましい値は1.3〜3.0である。
然し、大小2種類以上の粒径を有する粒子群から成る微粒子集積体では、大粒径粒子が最密充填構造となった状態でも、小粒径粒子が空隙に入る場合が考えられ、空孔率fを減じることができる。この場合、集積体の比誘電率が3.0以上になることがある。本発明の誘電体膜は、単層であっても、多層構造であっても良い。又、誘電体膜の厚さは1〜100μm程度が実現できるが、好ましくは3〜30μmである。厚みが小さすぎると、絶縁破壊を生じやすくなることと、電気容量の増加により消費電力が増える。一方、厚みが大きすぎると、放電電圧の上昇を招くとともに、電気容量の減少により十分な輝度が得られなくなる。
輝度および発光効率を向上させるために、Xe分圧を高める手法があるが、放電開始電圧の上昇及び放電が不安定になる。それらの問題を解決するためには、誘電率の低い膜を用いて、膜厚を薄くすればよい。そこで、シリカ微粒子集積体膜を用いれば良い。即ち、高いキセノン分圧においても、このシリカ微粒子集積体膜を用いれば、放電発光が可能となり、安定した放電が得られる。後述するように高キセノン分圧の極限であるキセノン100%ガスを用いても画像表示が可能である。
本発明のPDPでは、誘電体膜が所定の膜厚を有するシリカ粒子の集積体から成る構造を有するため、従来パネルよりも誘電率を著しく減じることができ、無効電力が削減される結果、消費電力が低くなり、更に、パネル寿命が長くなる効果を生ずる、従来のガラスペースト誘電体に含まれる鉛等の有害物質を含まないため、環境に与える負荷を少なくすることができる。更に、従来のガラス誘電体よりも高い透過率を有し、輝度低下がほとんどない。又、放電安定性に優れ、放電遅れを小さくできるので輝度向上やパネルの高精細化に有利な効果をもたらす。更に、高キセノンガス分圧においても安定した駆動が可能であり、輝度および発光効率の大幅な向上する。
又、シリカ微粒子は、弗素を含有することによって、更に、低誘電率化をもたらす。弗素を含有するシリカとしては、弗素が酸素サイトに一部固溶したシリカや、フロロシリケートガラスが例示できる。この物質固有の比誘電率は3.5〜3.9である。これらの微粒子を集積体とした膜の比誘電率は、空隙の効果により、更に低くなる。
本発明に係るPDP及びPDPの製造方法は、内側に放電維持電極12と第1の誘電体膜14とが形成された前面パネル10と、この前面パネル10の内側に放電空間4が形成されるように張り合わされる背面パネル20とを有するPDP及びPDPの製造方法であって、第1の誘電体膜14をシリカ微粒子16で形成する際に、シリカ微粒子16をコロイド状に分散させたペースト9を前面基板11上に塗付し、300〜600℃で焼成を行うことを特徴とする。又、前面基板上に印刷法やダイコート法にて、完成膜厚として1〜100ミクロンの厚さにコロイド状に分散させたペースト9を前面基板上に塗付し、300〜600℃で焼成を行うことにより、第1の誘電体膜11を成膜することを特徴とする。
本発明は、シリカ微粒子16が集積した構造から成る膜をPDPの第1の誘電体膜11として利用すること、及びシリカ微粒子16が分散したコロイド状のペースト9を成膜原料として用いることで、消費電力を小さくできるとともに、鉛等の有害物質を削減でき、放電安定性に優れ、輝度が高く、パネル寿命が向上したPDP及びPDPの製造方法が得られる。
本発明の1形態のPDPを示す要部の概略斜視図である。 本発明の1形態例のPDP及びPDPのダイコート法による製造方法を示す概念図である。 図3は本発明の1形態例のPDP及びPDPのスクリーン法による製造方法を示す概念図である。 本発明図4は本発明の1形態例のPDP及びPDPのグリーンシートラミネート法による製造方法を示す概念図である。 図5(a)(b)(c)(d)は、本発明の1形態例のPDP及びPDPの製造方法に用いるシリカ微粒子集積体膜の平面及び側断面の微構造の模式図である。 本発明の1形態例のPDPに用いるシリカ微粒子集積体膜と有鉛ガラス膜との透過率の比較表である。 本発明の1形態例のPDPに用いるシリカ微粒子集積体膜と有鉛ガラス膜との放電遅れを説明するグラフである。 本発明の1形態例のPDPに用いるシリカ微粒子集積体膜と有鉛ガラス膜との輝度の経時変化を示すグラフである。
符号の説明
1・・・ダイコート装置、2・・・プラズマディスプレイパネル(PDP)、3・・・基盤、4・・・放電空間、5・・・ペースト容器、6・・・ポンプ、7・・・スリットダイ、8・・・開口部、9・・・ペースト、10・・・前面パネル、11・・・前面基板、12・・・放電維持電極、13・・・バス電極、14・・・第1の誘電体膜、15・・・保護膜、16・・・シリカ微粒子、17・・・空間部、18・・・スクリーンマスク、19・・・スキージ、20・・・背面パネル、21・・・背面基板、22・・・アドレス電極、23・・・第2の誘電体電極、24・・隔壁、25・・・蛍光体膜、26a、26b・・・ヒータ内蔵ロール、27・・・グリーンシート

Claims (12)

  1. 放電ギャップとなる放電維持電極と該放電維持電極を覆う第1の誘電体膜上に保護膜を形成した前面基板と、放電空間を介して該前面基板と対抗させてなるアドレス電極を覆う第2の誘電体膜及びリブが形成され、蛍光体膜を有する背面基板からなるプラズマディスプレイパネルに於いて、
    前記前面基板上の前記放電維持電極を覆う前記第1の誘電体膜として酸化物、弗化物、或いはそれらの化合物である微粒子をコロイド状に分散させたペーストを前記前面基板上に形成し、該微粒子を300〜600℃で焼成することを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  2. 前記第1の誘電体膜を前記前面基板上にダイコート法にて、焼成後の膜厚として1〜50ミクロンの厚さに前記微粒子をコロイド状に分散させたペーストを前記前面基板上に塗付し、焼成を行うことにより、該第1の誘電体膜を成膜してなる請求項1記載のプラズマディスプレイパネル。
  3. 前記第1の誘電体膜を前記前面基板上に印刷法にて、焼成後の膜厚として1〜50ミクロンの厚さに前記微粒子をコロイド状に分散させたペーストを前記前面基板上に塗付し、焼成を行うことにより、該第1の誘電体膜を成膜してなる請求項1記載のプラズマディスプレイパネル。
  4. 前記微粒子を均一に分散させたフィルムを、前記前面基板上にラミネートし、300〜600℃で焼成を行うことにより、前記第1の誘電体膜を成膜してなる請求項1記載のプラズマディスプレイパネル。
  5. 前記微粒子の粒子径が1nm〜100nmであり、異なる粒子径の粒子を2種類以上組み合わせたことを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイパネル。
  6. 前記微粒子の粒子径が1nm〜100nmであり、粒子径の異なる膜を組み合わせた多膜構造としたことを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイパネル。
  7. 前記微粒子の粒子径が1nm〜100であり、各膜が異なる粒子径の粒子を組み合わせた膜、或いは単一粒子径を有する膜であり、かつそれらをお多層構造としたことを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイパネル。
  8. 前記第1の誘電体膜の比誘電率が1.3〜4.0であることを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイパネル。
  9. 前記第1の誘電体膜の透過率が80%以上であることを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイパネル。
  10. 前記第1の誘電体膜の前記シリカ微粒子に弗素を含み前記比誘電率が1.2〜3.9
    であることを特徴とした請求項8記載のプラズマディスプレイパネル。
  11. 前記第1の誘電体膜が形成された前記プラズマパネル内に封入する放電ガスのXe分圧が4〜100%であることを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイパネル。
  12. 放電ギャップとなる放電維持電極と該放電維持電極を覆う第1の誘電体膜上に保護膜を形成した前面基板と、放電空間を介して該前面基板と対抗させてなるアドレス電極を覆う第2の誘電体膜及びリブが形成され、蛍光体膜を有する背面基板からなるプラズマディスプレイパネルの製造方法に於いて、
    前記前面基板上の前記放電維持電極を覆う前記第1の誘電体膜として酸化物、弗化物、或いはそれらの化合物である微粒子をコロイド状に分散させたペーストを前記前面基板上に形成し、該微粒子を300〜600℃で焼成することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
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