JP2007286457A - 表示装置および表示装置の制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】デバイスに流れる電流量を抑制するようにした場合、発光輝度が低下し、良好な表示を提供できなく、また温度センサの検出出力だけを用いて発光輝度の制御を行うと、デバイス個々の発光輝度-印加電圧特性の温度に起因する変化の違いに対応できない。
【解決手段】高輝度表示画素および低輝度表示画素の各々について相対輝度変化分を相対輝度劣化検出部308で検出するとともに、発光素子13の輝度情報から温度推定部309によって発光素子13の各々の温度上昇分ΔTを推定し、この推定した温度上昇分ΔTを高輝度表示画素および低輝度表示画素の各々についての相対輝度変化分ΔLa,ΔLbにデータ規格化処理部312で規格化(換算)することによって温度補正を行い、この温度補正によって得られた相対輝度変化分ΔLa,ΔLbの除算結果ΔLa/ΔLbを用いて温度差に起因して発生する輝度ムラが一定になるように輝度補正を行う。
【選択図】図4

Description

本発明は、表示装置および表示装置の制御方法に関し、特に有機電界発光素子(有機EL(Electro Luminescence) 素子)等の自発光素子を表示素子として用いた表示装置およびその制御方法に関する。
近年、発光ダイオード(LED)、レーザダイオード(LD)、有機EL素子などの自発光素子を表示素子として用いたパネル型の表示装置(ディスプレイ)の開発が為されている。この種の表示装置は、一般に、自発光素子をマトリクス状に多数配置することによって画面部(表示パネル)が構成され、各素子を映像信号に応じて選択的に発光させることにより、映像の表示が行われる。
表示媒体として、テレビジョン受像機、コンピュータモニター、携帯情報端末などに代表されるように、我々の日常生活の中でディスプレイは大きな役割を担っている。インターネットの進展に伴い、ヒューマンインターフェイスとしてのディスプレイの重要性は益々大きくなっている。このような状況下で、目に優しく、高精細な画面で見やすく、かつ動画に遅れなしにくっきりと綺麗に見える高解像度、高速応答のディスプレイが要求されている。
自発光素子を用いた表示装置は、非自発光素子を用いた表示装置、例えば液晶を用いた液晶表示装置(LCD;(Liquid Crystal Display)に比べて、バックライトが不要なために、薄型化、軽量化を実現でき、消費電力の点でも有利であるなどの利点がある。特に、有機EL素子を用いた有機EL表示装置は、視野角が広く、視認性が高いこと、素子の応答速度が速いことなどから、近年注目されている。
これに対して、自発光素子、例えば有機EL素子には、発光に伴う発熱などによって各有機層が劣化し、発光輝度が低下するとともに、発光自体が不安定になるなどの経時的劣化の問題がある。また、有機EL素子は発光ダイオード特性を示し、温度上昇に伴ってデバイスに流れる電流が比例して大きくなり、結果的に発光輝度と比例関係にあるために、デバイスの劣化を促進する傾向にある。このような問題は、有機EL表示装置に限らず、他の自発光素子を用いた表示装置、例えばプラズマディスプレイなどでも起こる。
その対策のために、従来は、電流量と発光輝度との比例関係を利用して、デバイスに流れる電流量を抑制することによって温度上昇による輝度劣化を抑えるようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
また、走査線とデータ線との交差点の画素近傍に温度センサを配置し、当該温度センサが検出する周囲温度の変化に応じて走査線を駆動する駆動電圧の電圧レベルを制御することにより、周囲温度が変化しても均一で明るい表示を行うようにしていた(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−323152号公報 特開2003−157050号公報
しかしながら、特許文献1記載の従来技術では、デバイスに流れる電流量を抑制するようにしているために、電流量の制御によって発光輝度が低下し、良好な画像表示を提供できないなどの問題があった。
一方、有機EL素子は発光輝度-印加電圧特性の温度依存性がデバイスごとに異なる。したがって、温度センサの検出出力だけを用いて発光輝度の制御を行う特許文献2記載の従来技術では、デバイス(有機EL素子)個々の発光輝度-印加電圧特性の温度に起因する変化の違いに対応できないなどの問題がある。
そこで、本発明は、デバイス個々の発光輝度-印加電圧特性の温度に起因する変化の違いの影響を受けることなく、デバイス個々に対して最適な輝度制御を行うことが可能な表示装置および表示装置の制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、一対の基板間に形成された発光素子を含む画素が複数配置されてなる表示装置において、前記一対の基板のうちの一方の基板に、発光素子の各々に対応して受光素子を配置し、当該受光素子によって発光素子の漏れ光を検出することによって発光素子個々の輝度を検出するとともに、前記受光素子群の各受光素子の検出信号から、あるいは、前記発光素子の各々に流れる電流値から画素個々の温度上昇分を推定する。そして、前記発光素子への入力信号と前記受光素子群の各受光素子の検出信号と推定した温度上昇分とを用いて前記発光素子の発光輝度を制御する構成を採っている。
上記構成の表示装置において、各受光素子の検出信号から、あるいは、発光素子の各々に流れる電流値から推定した発光素子個々の温度情報のみならず、発光素子個々の輝度情報をも用いて発光素子個々の発光輝度の制御を行うことにより、温度の変化に伴う発光輝度の変化の仕方がデバイスごとに異なっていても、発光素子個々の温度変化に応じた発光輝度の制御に発光素子個々の輝度の変化状況を反映させ、温度差に起因する輝度ムラを一定にすることができる。
本発明によれば、温度差に起因する輝度ムラを一定にすることができることで、表示エリア全域において表示温度が異なる箇所でも所定の均一な発光輝度(発光強度)で表示を行うことができるために、滑らかな画像表示を実現できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係る表示装置、例えば上面発光型有機EL表示装置のパネルモジュールの構成の概略を示す要部断面図である。
(上面発光型有機EL表示装置)
図1に示すように、有機EL表示装置10は、支持基板11と対向基板12とを有し、これら基板11,12間に挟持される形で発光素子13が設けられた構成となっている。支持基板11は、石英、ガラス等の透明基板やシリコン基板などの中から適宜選択されて用いられる。
ここでは、有機EL表示装置10の駆動方式としてアクティブマトリクス方式を採用するものとする。ただし、有機EL表示装置10の駆動方式としては、アクティブマトリクス方式に限られるものではなく、パッシブマトリクス方式を採用した場合であっても、本発明は適用可能である。
支持基板11には、発光素子13を含む画素ごとに、発光素子13を駆動するトランジスタ、例えばTFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ)が形成されている。支持基板11にはさらに、ここでの図示を省略した駆動回路、具体的には発光素子13を含む画素が行列状に2次元配置されてなる表示部を駆動するに当たって、当該表示部の各画素を画素行ごとに配線された走査線を介して行単位で選択する行選択回路や、当該行選択回路によって選択された行の各画素に、画素列ごとに配線されたデータ線を介して表示データを供給するデータ線駆動回路などが設けられている。
発光素子13は、自発光素子である有機EL素子からなり、支持基板11の一主面側中央部の表示領域にマトリクス状(行列状)に2次元配置されている。これらの発光素子13は、それぞれが例えばR(赤)、G(緑)、B(青)の各色に発光するものであり、所定の配列形式に従って表示領域に配列されている。また、発光素子13の相互間には、各発光素子13を分離する素子分離絶縁層14が形成されている。この素子分離絶縁層14の部分に、上記走査線が画素行ごとに配線されることになる。
発光素子13は、支持基板11上に各発光素子13ごとに配列形成される下部電極(陽極)15と、下部電極15上に形成され、各色に発光する発光層を含む有機層16と、各有機層16および素子分離絶縁層14を覆う状態でベタ膜状に形成され、各発光素子13の共通電極となる上部電極(陰極)17とが順次積層されている。
なお、ここでは、下部電極15を陽極、上部電極17を陰極としているが、下部電極15が陰極で、上部電極17が陽極であってもよい。また、上部電極17と対向基板12との間には、例えば窒化シリコンからなる透明材料膜18が設けられている。
対向基板12の表面側には、各発光素子13の間となる位置、即ち走査線が配線される素子分離絶縁層14の部位と対向する位置に、受光素子19が発光素子13に対応した数だけ配置されている。具体的には、受光素子19は、対向基板12の表面側に形成された凹部12aを埋め込む状態で設けられている。この凹部12aは、支持基板11と対向基板12とを対向配置させる前に、エッチング等によって形成されることとする。
なお、ここでは、受光素子19を対向基板12の表面側に形成された凹部12aに埋め込んだ配置構造を採っているが、対向基板12における発光素子13側に凹部を形成し、当該凹部に受光素子19を埋め込む配置構造や、透明材料膜18の対向基板12側に凹部を形成し、当該凹部に受光素子19を埋め込む配置構造を採ることも可能である。
受光素子19は、例えばアモルファスシリコン半導体によって形成された高感度受光センサ(可視光センサ)であり、対応関係にある発光素子13の漏れ光を検出して光電変換し、受光量に応じた電気信号を発生する。発光素子13と受光素子19との対応関係については後述する。
受光素子19としては、アモルファスシリコン半導体によって形成された高感度受光センサに限られるものではなく、受光量に応じて電気信号を発生させることができる周知の受光センサを用いることができる。ただし、受光素子19として高感度受光センサを用いることで、後述するように、発光素子13の発光強度に対して20%程度の光量の漏れ光を検出できる利点がある。
また、有機EL素子には、その構造上受光素子としての機能を持たせることも可能であることから、有機EL素子を受光素子19として用いることも可能である。有機EL素子を受光素子19として用いることで、有機EL表示装置にあっては、発光素子13と受光素子19とを同じプロセスで形成することができるために、製造プロセス上有利であるという利点がある。
受光素子19は、画素の配列ピッチや上部電極17および透明材料膜18の膜厚などで決まる発光素子13に対する配置関係から、発光素子13の発光強度に対して20%程度の光量の漏れ光を検出することができる。このように、受光素子19が発光素子13の発光強度の20%程度を受光できれば、当該受光素子19の受光出力に基づく後述する制御を十分に実現できる。
また、図2の平面図に示すように、受光素子19はスキャン方向において平面視的に隣接する各発光素子13の間に配置されている。そして、先述した行選択回路による画素行の走査の際に、ある画素行の発光素子13が選択されたときに、この選択行の発光素子13に隣接する一方の受光素子19が当該発光素子13の漏れ光をモニタリングする対応関係となっている。この対応関係が先述した発光素子13と受光素子19との対応関係である。
すなわち、ある画素行の発光素子13とこれにスキャン方向に隣接する一方の受光素子19とが対となり、発光素子13のスキャン周期と同周期で当該発光素子13と対応関係にある受光素子19が発光素子13の漏れ光をモニタリングすることになる。このタイミング関係により、1つの受光素子19に対してスキャン方向における両側に隣接して発光素子13が2個存在していても、受光素子19が一方の発光素子13からの光漏れ量のみを受光し、他方の発光素子13からの光漏れ量を受光することを防止できる。ここで、図2のA−A′線に沿った矢視断面図が図1の断面構成図となる。
以上により、発光素子13の有機層16からの発光光を対向基板12側から取り出すいわゆる上面発光型有機EL表示装置10のパネルモジュールが構成されている。
ここでは、上面発光型有機EL表示装置10を例に挙げたが、本発明は上面発光型有機EL表示装置10への適用に限られるものではなく、発光素子13の有機層16からの発光光を支持基板11側から取り出すいわゆる下面(ボトム)発光型有機EL表示装置に対しても適用可能である。以下に、下面発光型有機EL表示装置のパネルモジュールの構造について説明する。
(下面発光型有機EL表示装置)
図3は、本発明に係る下面発光型有機EL表示装置のパネルモジュールの構成の概略を示す要部断面図であり、図中、図1と同等部分には同一符号を付して示している。
図3に示すように、下面発光型の有機EL表示装置10′の場合は、有機層16からの発光光が支持基板11側から取り出されるため、上部電極17は反射性材料で形成され、下部電極15は透明性材料で形成される。ここで、下部電極15は、支持基板11に配置されたTFTを覆う状態で設けられた平坦化絶縁膜(図示省略)上に、各発光素子13に対応する状態で配置されている。
そして、受光素子19は、下部電極15間の平坦化絶縁膜上に、隣接する下部電極15とは離間する状態で配置されている。また、この受光素子19で発光素子13の漏れ光を検出するため、上記受光素子19を覆う状態で配置される素子分離絶縁層14は、透明材料によって生成される。
以上の点が、下面発光型有機EL表示装置10′のパネルモジュールが上面発光型有機EL表示装置10のパネルモジュールと構造上相違する点であり、それ以外の構造については上面発光型有機EL表示装置10のパネルモジュールと基本的に同じである。
以上説明した、上面発光型有機EL表示装置10あるいは下面発光型有機EL表示装置10′は、パネルモジュールに加えて、以下に説明する各実施形態に係る制御部を備えており、当該制御部によってパネルモジュールの表示制御(駆動制御)を行う構成となっている。
[第1実施形態]
図4は、先述した構成を持つパネルモジュール10Aの制御を行う本発明の第1実施形態に係る制御部30Aの構成の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、本実施形態に係る制御部30Aは、レベル制御部301、相対レベル調整部302、メモリー部303、除算部304、A/D(アナログ/デジタル)変換部305、メモリー部306、乗算部307、相対輝度劣化検出部308、温度推定部309、データ規格化処理部310、電圧除算演算部311、電圧除算結果比較演算部312、電圧除算比率制御部313および演算選択制御部314を有する構成となっている。
本制御部30Aは、入力されるデジタル映像信号に応じてパネルモジュール10A内の表示部の各画素の表示制御を行う一方、パネルモジュール10Aに設けられた受光素子群の各受光素子19の検出信号に基づいて各画素の発光輝度の変化をモニタリングするとともに、受光素子群の各受光素子19の検出信号から発光素子13の各々の温度を推定し、この推定した温度情報に基づいて各画素の温度変化をモニタリングし、発光素子13の温度差に起因する輝度ムラが一定になるように発光素子13の輝度制御を行う。
制御部30Aにおいて、デジタル映像信号は、レベル制御部301および相対レベル調整部302を介してメモリー部303に供給され、当該メモリー部303に各表示画素の階調値が保存された後パネルモジュール10Aに供給される。レベル制御部301および相対レベル調整部302の各機能については後述する。
パネルモジュール10Aにおいては、先述したように、画素が行列状に2次元配置されてなる表示部の各画素を行単位で選択するとともに、この選択行の各画素にデジタル映像信号に応じた表示データを書き込むことにより、デジタル映像信号に応じた階調にて各画素の発光素子13の発光駆動が行われる。
この行走査による表示駆動により、各画素の発光素子13が行単位で順に発光すると、各受光素子19が対応関係にある各発光素子13の漏れ光を受光し、光電変換して受光量に応じた電圧値として出力する。受光素子19から出力される電圧値は除算部304に供給される。
除算部304は、乗算部307を介してメモリー部303から与えられる階調値で、受光素子19から出力される電圧値を除算する演算処理を行う。ここで、表示画素の発光強度(発光輝度)が強ければ(明るければ)階調が高く、逆に発光強度が弱ければ(暗ければ)階調が低いということであるため、除算部304による除算結果から表示画素の輝度の状態(高輝度であるか低輝度であるか)を認識することができる。この除算結果は、A/D変換部305でデジタルデータに変換され、メモリー部306に保存される。
乗算部307は、メモリー部303に保存されている各表示画素の階調値に対して20%の乗算処理を行う。ここで、表示画素の階調値に対して20%の乗算処理を行うのは、先述したように、受光素子19が受光する漏れ光の受光量が発光素子13の発光量の20%程度であることから、除算演算の対象となる受光素子19からの電圧値とメモリー部303からの階調値とを対応させる(揃える)ためである。
なお、ここでは、メモリー部303からの階調値に対して乗算部307で20%の乗算処理を行うとしたが、受光素子19からの電圧値に対して5倍の乗算処理を行うことによっても、除算部304での除算演算の対象となる受光素子19からの電圧値とメモリー部303からの階調値とを対応させることができる。
相対輝度劣化検出部308は、メモリー部306の保存データから、1表示画面における最高輝度もしくはその近傍の輝度で発光する画素を高輝度表示画素、最低輝度もしくはその近傍の輝度で発光する画素を低輝度表示画素として認識し、高輝度表示画素および低輝度表示画素の各々について、乗算部307を介してメモリー部303から与えられる階調値を基に、所定の駆動期間における相対輝度劣化分を検出する。
温度推定部309は、有機EL素子が発光ダイオード特性を示し、発光輝度と電流量との間に比例関係があるという特性を利用し、受光素子群の各受光素子19の検出信号、即ちメモリー部306の保存データから発光素子13の各々に流れる電流値を推定し、この推定した電流値から消費電力を算出し、この算出した消費電力から画素個々の温度上昇分を推定する構成となっている。
具体的には、温度推定部309は、消費電力演算部3091および利潤演算温度上昇推定部3092によって構成されている。この温度推定部309において、消費電力演算部3091は、メモリー部306の保存データから発光素子13の各々に流れる電流値を推定し、この推定した電流値から消費電力を演算する。ここで、発光素子13では、流れる電流が多くなり、消費電力Pが増えると、図5に示すように、それに比例して温度上昇分ΔTが大きくなる。利潤演算温度上昇推定部3092は、図5に示す消費電力P−温度上昇分ΔTの線形の関係を基に、消費電力演算部3091が求めた消費電力Pから発光素子13の温度上昇分ΔTを画素個々について推定する。
データ規格化処理部310は、図6に示す温度上昇推定値と輝度補正乗算係数との相関表に対応した相関データテーブルを有し、利潤演算温度上昇推定部3092で推定された温度上昇分ΔT、即ち温度上昇推定値を基に当該温度上昇推定値に対応する輝度補正乗算係数Kを画素個々について求める。
そして、データ規格化処理部310は、求めた画素個々の輝度補正乗算係数Kに、相対輝度劣化検出部308で検出された高輝度表示画素および低輝度表示画素の各々についての相対輝度劣化分を反映させ、高輝度表示画素の相対輝度劣化分が反映された温度変化分に応じた第1の電圧値(以下、「高輝度表示画素の相対輝度劣化分」と記述する)ΔLaと、低輝度表示画素の相対輝度劣化分が反映された温度変化分に応じた第2の電圧値(以下、「低輝度表示画素の相対輝度劣化分」と記述する)ΔLbとに規格化(換算)する。
電圧除算演算部311は、画素個々について、データ規格化処理部310で規格化された高輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLaを低輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLbで除算する。この除算比率(除算係数)ΔLa/ΔLbは、高輝度表示画素の相対輝度劣化分が反映された温度上昇分と低輝度表示画素の相対輝度劣化分が反映された温度上昇分との比であることから、温度差に起因して発生する輝度ムラの程度を表すことになる。
電圧除算結果比較演算部312は、画素個々について、電圧除算演算部312での除算結果である除算係数ΔLa/ΔLbを所定の基準値と比較することにより、温度差に起因して発生する輝度ムラの程度を判定する。
電圧除算比率制御部313は、電圧除算結果比較演算部312による輝度ムラの程度の判定結果を基に、輝度補正を行うための制御値を画素個々について算出する。この制御値は、温度差に起因して発生する輝度ムラが一定に(均一に)なるように、入力デジタル信号の信号レベルを補正する輝度補正値となる。
ここで、電圧除算演算部311、電圧除算結果比較演算部312および電圧除算比率制御部314には、演算される電圧値と輝度との対応関係を示す対応表が組み込まれていることとする。これにより、輝度補正を行う上で、演算される電圧値がどれくらいの輝度値に相当するかを各回路部ごとに照会できるためにスムーズな補正が可能となる。
演算選択制御部314は、電圧除算比率制御部313で算出された画素個々の輝度補正値(制御値)を基にして、補正処理の対象画素が高輝度表示画素であるときに、当該高輝度表示画素に対して信号レベル(輝度レベル)の補正を行うか否かの選択制御を行う。そして、演算選択制御部314による選択結果を基に、レベル制御部301は、高輝度表示画素の信号レベルに対して、電圧除算比率制御部313で算出された輝度補正値に応じた補正制御を行う。
相対レベル調整部302は、静止画判定部3021、切り替えスイッチ3022およびレベル調整部3023によって構成されている。
静止画判定部3021は、例えば図7に示すように、フレームメモリ30211、演算回路30212および判定回路30213からなり、Nフレーム目の映像信号レベルV1Nと、フレームメモリ30211に格納された1フレーム前のN−1フレーム目の映像信号レベルV1(N−1)とを用いて、演算回路30212で
[{V1N−V1(N−1)}/V1(N−1)]×100
なる演算処理を行い、その演算結果がN−1フレーム目の映像信号レベルV1(N−1)の例えば70%以下であるか否かを判定回路30213で判定し、70%以下であるときに静止画であると判定する。当然のことながら、70%を越えるときは動画となる。
切り替えスイッチ3022は、通常は、入力されるデジタル映像信号を直接メモリー部303へ供給し、静止画判定部3021の判定結果が静止画であるときは入力されるデジタル映像信号を、レベル調整部3023を介してメモリー部303へ供給する。レベル調整部3023は、静止画と判定されたときの映像信号の信号レベルを例えば100倍に乗算処理を行う。
ここで、静止画と判定されたときに映像信号の信号レベルを100倍するのは次の理由による。すなわち、先述したように、相対輝度劣化検出部308において所定期間(例えば、1フレーム期間)における発光輝度(輝度レベル)の変化分の検出が行われるが、静止画であっても、デバイスの温度変化などに起因してフレーム間において輝度レベルに変動が生じる。そして、1フレーム期間における静止画の輝度レベルの変化分は、1フレーム期間における動画の輝度レベルの変化分に比べて1/100程度と極めて微小である。
したがって、静止画と判定したときに、映像信号の信号レベルに対して100倍程度の乗算処理を施すことにより、相対輝度劣化検出部308において、前後のフレーム間での微弱な信号レベルの推移(輝度変化)の検出処理を容易に行うことができる。ただし、100倍という数値は一例に過ぎず、これに限られるものではなく、少なくとも、前後のフレーム間での微弱な信号レベルの推移を検出できる程度の倍率であれば良い。
また、静止画と判定したときに、映像信号の信号レベルに対して100倍程度の乗算処理を施すことにより、1フレーム期間における輝度レベルの変化分を静止画時と動画時で同程度の電圧値にすることができる。このように、輝度レベルの変化分を静止画時と動画時で同程度の電圧値にすることで、データ規格化処理部310→電圧除算部311→電圧除算結果比較演算部312→電圧除算比率制御部313→演算選択制御部314→レベル制御部301の補正制御系を静止画時と動画時とで共通にできる(分けなくて済む)。この場合は、100倍という数値が有効に作用する。
なお、静止画時の信号レベルの調整については、静止画時の信号レベルとそれに対応した輝度値との対応表をレベル調整部3023にあらかじめ組み込んでおき、この対応表を用いて静止画時の信号レベルをそれに対応した輝度値に設定する構成を採ることも可能である。
上記構成の本実施形態に係る制御部30Aを備えた有機EL表示装置10(10′)において、発光素子13として用いられる有機EL素子は、発光に伴う発熱などによって有機層16(図1参照)が劣化し、発光輝度が低下するとともに、発光自体が不安定になるなどの経時的劣化の問題を抱えている。また、有機EL素子は、発光ダイオード特性を示し、温度上昇に伴ってデバイスに流れる電流が比例して大きくなり、結果的に発光輝度と比例関係にある。
図8に、有機EL素子の発光輝度−印加電圧特性の温度依存性の一例を示す。具体的には、ある電圧値の印加電圧をデバイス(有機EL素子)に印加し、当該デバイスの温度が30℃のときに発光輝度がL1で発光している状態において、温度が45℃へ、さらに60℃へ上昇すると、この温度の上昇に伴って発光輝度がL2(L1<L2)へ、さらにL3(L2<L3)へと変化する。
このように、有機EL素子を発光素子13として用いた表示装置では、有機EL素子が自発光素子であるが故に、特に同じ表示状態が長く続けばそれだけ温度が上昇する。そして、デバイスの温度の上昇に伴って発光輝度が変化し、しかもその変化の仕方がデバイスごとに異なるという現状において、本実施形態に係る有機EL表示装置10(10′)では次のような構成を採ることを特徴としている。
すなわち、本実施形態に係る有機EL表示装置10(10′)では、一対の基板11,12のうちの一方の基板、具体的には光取り出し側の対向基板12側に、発光素子13の各々に対応して受光素子19を配置し、当該受光素子19によって検出する発光素子13の漏れ光から発光素子13個々の輝度を検出する一方、制御部30による制御の下に、受光素子19によって検出する発光素子13の光漏れ量に基づく輝度情報から発光素子13の各々の温度上昇分ΔTを推定するとともに、この推定した温度上昇分ΔTと入力デジタル信号と受光素子19の検出信号とを用いて、温度差に起因する輝度ムラが一定になるように発光素子13の発光輝度を制御する構成を採っている。
このように、発光素子13個々の温度情報のみならず、発光素子13個々の輝度情報をも用いて相対輝度の劣化分を検出し、当該相対輝度の劣化分を加味して発光素子13個々の発光輝度の制御を行う、具体的には温度差に起因する輝度ムラが一定になるように発光素子13個々の発光輝度の制御を行うことにより、表示エリア全域において表示温度が異なる箇所でも所定の均一な発光輝度(発光強度)で表示を行うことができるために、滑らかな画像表示を実現できる。
特に、本実施形態に係る制御部30Aを備えた有機EL表示装置10(10′)では、受光素子19にて検出する発光素子13の輝度情報から温度推定部309によって発光素子13の各々の温度上昇分を推定する、より具体的には、消費電力演算部3091によってメモリー部306の保存データから発光素子13の各々の電流値を推定し、この推定した電流値から消費電力Pを算出し、この算出した消費電力Pから利潤演算温度上昇推定部3092によって発光素子13の温度上昇分ΔTを画素個々について推定する構成を採っている。
これにより、発光素子13個々の温度を検出する専用の温度センサをパネルモジュール10Aに設けなくて済むために、パネルモジュール10Aの構成の簡略化、それに伴う低コスト化を図ることができる。しかも、相対輝度劣化分を検出するための輝度情報を用いて温度上昇分の推定を行うことにより、発光素子13個々の温度を検出するための手段を全く必要としない構成を採っているために、パネルモジュール10Aの構造に全く変更を加える必要がないという利点がある。
なお、上記構成の制御部30Aについては、画素が行列状に配置されてなる表示部やその周辺の駆動回路と共に、パネルモジュール10A上に搭載する構成を採っても良いし、あるいは、パネルモジュール10A外に設ける構成を採っても良い。
ここで、本実施形態に係る制御部30Aの各構成要素、即ちレベル制御部301、相対レベル調整部302、メモリー部303、除算部304、A/D変換部305、メモリー部306、乗算部307、相対輝度劣化検出部308、温度推定部309、データ規格化処理部310、電圧除算部311、電圧除算結果比較演算部312、電圧除算比率制御部313および演算選択制御部314については、パーソナルコンピュータのように、所定プログラムを実行することによって情報記憶処理、信号処理、演算処理等の各機能を実行するコンピュータ機器を利用してソフトウェア構成によって実現することが考えられる。ただし、ソフトウェア構成による実現に限られるものではなく、ハードウェア構成、あるいはハードウェアとソフトウェアの複合構成によって実現することも可能である。
(制御方法)
次に、上記構成の本実施形態に係る有機EL表示装置10(10′)の制御方法(本発明による表示装置の制御方法)の処理手順について、図9のフローチャートを用いて具体的に説明する。この制御方法による処理は、図4の制御部30Aの処理に相当する。なお、この一連の処理は、スキャン周期に同期して画素単位で実行されることとする。
なお、静止画の場合も動画の場合も制御方法は同じであるために、ここでは、静止画/動画の共通の制御として説明する。
先ず、画像表示のためのデジタル映像信号を取り込み(ステップS11)、当該映像信号の信号レベルで示される階調値を保存し(ステップS12)、しかる後デジタル映像信号をパネルモジュール10Aに対して入力する(ステップS13)。これにより、パネルモジュール10Aでは、デジタル入力信号に基づいて画素の表示駆動が行われ、各画素の発光素子13が発光する。
発光素子13が発光することにより、対応関係にある受光素子19が当該発光素子13の漏れ光を受光し、その受光量に応じた電気信号、即ち発光輝度に応じた電圧値を出力する。
このように、パネルモジュール10Aが表示駆動状態にあるときに、受光素子19から出力される発光輝度に応じた電圧値(輝度電圧値)を取り込み(ステップS14)、この輝度電圧値をステップS12で保存した階調値で除算し(ステップS15)、デジタルデータ化した後保存する(ステップS16)。
次いで、高輝度表示画素および低輝度表示画素の各々について、ステップS12で保存した階調値を基に、所定の駆動期間における発光輝度の劣化分を検出する(ステップS17)。
なお、ステップS15での除算処理や、ステップS17での輝度劣化分の検出に用いられる階調値は、実際には、受光素子19が受光する漏れ光の受光量が発光素子13の発光量の20%程度であり、受光素子19からの電圧値に対応させるために、20%の除算処理が行われたものとなる。
次に、ステップS14で取り込んだ発光輝度に応じた電圧値(輝度電圧値)を基に発光素子13の各々に流れる電流値を推定し(ステップS18)、この推定した電流値から消費電力Pを求め(ステップS19)、この求めた消費電力Pから発光素子13の温度上昇分ΔTを画素個々について推定する(ステップS20)。
なお、高輝度表示画素および低輝度表示画素の各々について輝度変化分を検出するためのステップS14〜S17の各処理と、画素個々について温度上昇分ΔTを推定するためのステップS18〜S20の各処理については、その処理の順番が逆であっても良く、また双方の処理を並行して行うようにしても良い。
次に、温度上昇推定値と輝度補正乗算係数との相関データテーブルを基にして、画素個々の温度上昇分ΔTを、ステップS17で検出した高輝度表示画素および低輝度表示画素の各々についての輝度劣化分に対応した電圧値(高輝度表示画素の相対輝度劣化分)ΔLaと、低輝度表示画素の温度変化分に応じた電圧値(低輝度表示画素の相対輝度劣化分)ΔLbとに規格化(換算)する(ステップS21)。
次に、高輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLaを低輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLaで除算し(ステップS22)、次いで、高輝度表示画素と低輝度表示画素との間に所定の温度差があるときの除算結果ΔLa/ΔLbを基に、除算係数ΔLa/ΔLbと輝度ムラの発生程度との対応関係から、温度差に起因する輝度ムラの発生程度を判定する(ステップS23)。
次に、温度差に起因する輝度ムラの発生程度から、当該輝度ムラを一定にするための輝度補正値(制御値)を画素個々について算出し(ステップS24)、次いで、この輝度補正値を基に、補正処理の対象画素が高輝度表示画素であるときに、当該高輝度表示画素に対して信号レベル(輝度レベル)の補正を行うか否かを選択し(ステップS25)、次いで、この選択結果に基づいてデジタル映像信号の画素単位の信号レベル(輝度レベル)を制御することによって輝度補正を行う(ステップS26)。
上述した一連の処理により、高輝度表示画素および低輝度表示画素の各々について相対輝度の劣化分を検出し、画素個々の温度上昇分ΔTを高輝度表示画素および低輝度表示画素の各々についての相対輝度の劣化分に対応した高輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLaと低輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLbとに換算することによって温度補正を行い、この温度補正によって得られた相対輝度劣化分ΔLa,ΔLbの除算結果ΔLa/ΔLbを基に、温度差に起因して発生する輝度ムラが一定になるように輝度補正が行われる。これにより、表示エリア全域において表示温度が異なる箇所でも所定の均一な発光輝度(発光強度)で表示を行うことができるために、滑らかな画像表示を実現できる。
[第2実施形態]
図10は、本発明の第2実施形態に係る制御部30Bの構成の一例を示すブロック図である。
本実施形態に係る制御部30Bは、発光素子13に流れる電流値を画素ごとに検出する電流検出部20がパネルモジュール10Aに搭載されていることが前提となる。電流検出部20としては、例えば、画素ごとに発光素子13に対して抵抗を直列に接続し、当該抵抗の両端電圧に基づいて発光素子13に流れる電流値を検出する構成のものなどを用いることが考えられる。
制御部30Bは、レベル制御部321、相対レベル調整部322、メモリー部323、除算部324、A/D変換部325、メモリー部326、乗算部327、相対輝度劣化検出部328、A/D変換部329、メモリー部330、温度推定部331、データ規格化処理部332、電圧差分演算部333、電圧差分結果比較演算部334、電圧差分比率制御部335および演算選択制御部336を有する構成となっている。
制御部30Bにおいては、入力されるデジタル映像信号に応じてパネルモジュール10A内の表示部の各画素の表示制御を行う一方、パネルモジュール10Aに設けられた受光素子群の各受光素子19の受光出力に基づいて各画素の発光輝度変化をモニタリングするとともに、電流検出部20によって検出して得られる発光素子13個々の電流値から発光素子13個々の消費電力を算出し、この算出した消費電力からの推定によって各画素の温度変化分ΔTをモニタリングし、発光素子13の温度差に起因する輝度ムラが一定になるように発光素子13の輝度制御が行われる。
この制御部30Bは、電流検出部20によって各画素ごとに検出した発光素子13の電流値、即ちメモリー部330の保存データから発光素子13個々の消費電力を算出し、この算出した消費電力から画素個々の温度上昇分ΔTを推定する点で、受光素子群の各受光素子19の検出信号、即ちメモリー部306の保存データから発光素子13の各々の電流値を推定し、この推定した電流値から発光素子13個々の消費電力を算出し、この算出した消費電力から画素個々の温度上昇分ΔTを推定する第1実施形態に係る制御部30Aと相違しており、それ以外の構成については制御部30Aの構成と基本的に同じである。
したがって、以下では、制御部30Aと相違する点、即ち電流検出部20によって各画素ごとに検出した発光素子13個々の電流値から発光素子13個々の消費電力を算出し、この算出した消費電力から画素個々の温度上昇分ΔTを推定するための具体的な構成を中心に説明する。
パネルモジュール10A内に設けられたの電流検出部20は、発光素子13に流れる電流値を画素ごとに検出し、その検出結果を電圧値として出力する。電流検出部20から出力される電圧値はA/D変換部309でデジタルデータに変換され、メモリー部310に保存される。
温度推定部331は、消費電力演算部3311および利潤演算温度上昇推定部3312によって構成されている。この温度推定部331において、消費電力演算部3311は、メモリー部330の保存データ、即ち発光素子13に流れる電流値から当該発光素子13の消費電力を算出する。先述したように、発光素子13では、流れる電流が多くなり、消費電力Pが増えると、それに比例して温度上昇分ΔTが大きくなる(図5参照)。利潤演算温度上昇推定部3312は、図5に示す消費電力P−温度上昇分ΔTの線形の関係を基に、消費電力演算部3311が求めた消費電力Pから発光素子13の温度上昇分ΔTを画素個々について推定する。
データ規格化処理部332以降、即ちデータ規格化処理部332、電圧差分演算部333、電圧差分結果比較演算部334、電圧差分比率制御部335および演算選択制御部336の各機能については、第1実施形態のデータ規格化処理部310、電圧差分演算部311、電圧差分結果比較演算部312、電圧差分比率制御部313および演算選択制御部314の各機能と同じである。
すなわち、データ規格化処理部332は、図6に示す温度上昇推定値と輝度補正乗算係数との相関表に対応した相関データテーブルを有し、利潤演算温度上昇推定部3312で推定された温度上昇分ΔT、即ち温度上昇推定値を基に当該温度上昇推定値に対応する輝度補正乗算係数Kを画素個々について求める。
そして、データ規格化処理部332は、求めた画素個々の輝度補正乗算係数Kに、相対輝度劣化検出部328で検出された高輝度表示画素および低輝度表示画素の各々についての相対輝度劣化分を反映させ、高輝度表示画素の相対輝度劣化分が反映された温度変化分に応じた高輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLaと、低輝度表示画素の相対輝度劣化分が反映された温度変化分に応じた低輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLbとに規格化する。
電圧除算演算部333は、画素個々について、データ規格化処理部332で規格化された高輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLaを低輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLbで除算する。この除算比率(除算係数)ΔLa/ΔLbは、高輝度表示画素の相対輝度劣化分が反映された温度上昇分と低輝度表示画素の相対輝度劣化分が反映された温度上昇分との比であることから、温度差に起因して発生する輝度ムラの程度を表すことになる。
電圧除算結果比較演算部334は、画素個々について、電圧除算演算部333での除算結果である除算係数ΔLa/ΔLbを所定の基準値と比較することにより、温度差に起因して発生する輝度ムラの程度を判定する。
電圧除算比率制御部335は、電圧除算結果比較演算部334による輝度ムラの程度の判定結果を基に、輝度補正を行うための制御値を画素個々について算出する。この制御値は、温度差に起因して発生する輝度ムラが一定に(均一に)なるように、入力デジタル信号の信号レベルを補正する輝度補正値となる。
ここで、電圧除算演算部333、電圧除算結果比較演算部334および電圧除算比率制御部335には、演算される電圧値と輝度との対応関係を示す対応表が組み込まれていることとする。これにより、輝度補正を行う上で、演算される電圧値がどれくらいの輝度値に相当するかを各回路部ごとに照会できるためにスムーズな補正が可能となる。
演算選択制御部336は、電圧除算比率制御部335で算出された画素個々の輝度補正値(制御値)を基にして、補正処理の対象画素が高輝度表示画素であるときに、当該高輝度表示画素に対して信号レベル(輝度レベル)の補正を行うか否かの選択制御を行う。そして、演算選択制御部336による選択結果を基に、レベル制御部321は、高輝度表示画素の信号レベルに対して、電圧除算比率制御部335で算出された輝度補正値に応じた補正制御を行う。
上記構成の本実施形態に係る制御部30Bを備えた有機EL表示装置10(10′)では、その具体的な制御として、高輝度表示画素および低輝度表示画素の各々について相対輝度劣化分を相対輝度劣化化検出部328で検出するとともに、電流検出部20によって検出された発光素子13個々の電流値から発光素子13個々の温度上昇分ΔTを推定し、この推定した温度上昇分ΔTと入力デジタル信号と受光素子19の検出信号とを用いて、温度差に起因する輝度ムラが一定になるように発光素子13の発光輝度を制御する構成を採っている。
このように、発光素子13個々の温度情報のみならず、発光素子13個々の輝度情報をも用いて相対輝度の劣化分を検出し、当該相対輝度の劣化分を加味して発光素子13個々の発光輝度の制御を行う、具体的には温度差に起因する輝度ムラが一定になるように発光素子13個々の発光輝度の制御を行うことにより、表示エリア全域において表示温度が異なる箇所でも所定の均一な発光輝度(発光強度)で表示を行うことができるために、滑らかな画像表示を実現できる。
特に、本実施形態に係る制御部30Aを備えた有機EL表示装置10(10′)では、電流検出部20で検出された発光素子13個々の電流値から温度推定部331によって発光素子13個々の温度上昇分ΔTを推定する、より具体的には、消費電力演算部3311によってメモリー部306の保存データから発光素子13個々の消費電力Pを算出し、この算出した消費電力Pから利潤演算温度上昇推定部3312によって発光素子13の温度上昇分ΔTを画素個々について推定する構成を採っていることにより、第1実施形態の場合と同様に、発光素子13個々の温度を検出する専用の温度センサをパネルモジュール10Aに設けなくて済むために、パネルモジュール10Aの構成の簡略化、それに伴う低コスト化を図ることができる。
なお、上記構成の制御部30Bについては、画素が行列状に配置されてなる表示部やその周辺の駆動回路と共に、パネルモジュール10A上に搭載する構成を採っても良いし、あるいは、パネルモジュール10A外に設ける構成を採っても良い。
ここで、本実施形態に係る制御部30Bの各構成要素、即ちレベル制御部321、相対レベル調整部322、メモリー部323、除算部324、A/D変換部325、メモリー部326、乗算部327、相対輝度劣化検出部328、A/D変換部329、メモリー部330、温度推定部331、データ規格化処理部332、電圧差分演算部333、電圧差分結果比較演算部334、電圧差分比率制御部335および演算選択制御部336については、パーソナルコンピュータのように、所定プログラムを実行することによって情報記憶処理、信号処理、演算処理等の各機能を実行するコンピュータ機器を利用してソフトウェア構成によって実現することが考えられる。ただし、ソフトウェア構成による実現に限られるものではなく、ハードウェア構成、あるいはハードウェアとソフトウェアの複合構成によって実現することも可能である。
(制御方法)
次に、上記構成の本実施形態に係る有機EL表示装置10(10′)の制御方法(本発明による表示装置の制御方法)の処理手順について、図11のフローチャートを用いて具体的に説明する。この制御方法による処理は、図10の制御部30Bの処理に相当する。なお、この一連の処理は、スキャン周期に同期して画素単位で実行されることとする。
なお、静止画の場合も動画の場合も制御方法は同じであるために、ここでは、静止画/動画の共通の制御として説明する。
先ず、画像表示のためのデジタル映像信号を取り込み(ステップS31)、当該映像信号の信号レベルで示される階調値を保存し(ステップS32)、しかる後デジタル映像信号をパネルモジュール10Aに対して入力する(ステップS33)。これにより、パネルモジュール10Aでは、デジタル入力信号に基づいて画素の表示駆動が行われ、各画素の発光素子13が発光する。
発光素子13が発光することにより、対応関係にある受光素子19が当該発光素子13の漏れ光を受光し、その受光量に応じた電気信号、即ち発光輝度に応じた電圧値を出力する。
このように、パネルモジュール10Aが表示駆動状態にあるときに、受光素子19から出力される発光輝度に応じた電圧値(輝度電圧値)を取り込み(ステップS34)、この輝度電圧値をステップS12で保存した階調値で除算し(ステップS35)、デジタルデータ化した後保存する(ステップS36)。
次いで、高輝度表示画素および低輝度表示画素の各々について、ステップS32で保存した階調値を基に、所定の駆動期間における発光輝度の劣化分を検出する(ステップS37)。
なお、ステップS35での除算処理や、ステップS37での輝度劣化分の検出に用いられる階調値は、実際には、受光素子19が受光する漏れ光の受光量が発光素子13の発光量の20%程度であり、受光素子19からの電圧値に対応させるために、20%の除算処理が行われたものとなる。
パネルモジュール10Aが表示駆動状態にあるときに、電流検出部20は、これら発光素子13に流れる電流値を検出し、その電流値に応じた電圧値として出力する。そこで、電流検出部20によって検出された発光素子13個々の電流値に応じた電圧値から消費電力Pを求め(ステップS38)、この求めた消費電力Pから発光素子13の温度上昇分ΔTを画素個々について推定する(ステップS39)。
なお、高輝度表示画素および低輝度表示画素の各々について輝度変化分を検出するためのステップS34〜S37の各処理と、画素個々について温度上昇分ΔTを推定するためのステップS38,S39の各処理については、その処理の順番が逆であっても良く、また双方の処理を並行して行うようにしても良い。
次に、温度上昇推定値と輝度補正乗算係数との相関データテーブルを基にして、画素個々の温度上昇分ΔTを、ステップS17で検出した高輝度表示画素および低輝度表示画素の各々についての輝度劣化分に対応した電圧値(高輝度表示画素の相対輝度劣化分)ΔLaと、低輝度表示画素の温度変化分に応じた電圧値(低輝度表示画素の相対輝度劣化分)ΔLbとに規格化(換算)する(ステップS40)。
次に、高輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLaを低輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLaで除算し(ステップS41)、次いで、高輝度表示画素と低輝度表示画素との間に所定の温度差があるときの除算結果ΔLa/ΔLbを基に、除算係数ΔLa/ΔLbと輝度ムラの発生程度との対応関係から、温度差に起因する輝度ムラの発生程度を判定する(ステップS42)。
次に、温度差に起因する輝度ムラの発生程度から、当該輝度ムラを一定にするための輝度補正値(制御値)を画素個々について算出し(ステップS43)、次いで、この輝度補正値を基に、補正処理の対象画素が高輝度表示画素であるときに、当該高輝度表示画素に対して信号レベル(輝度レベル)の補正を行うか否かを選択し(ステップS44)、次いで、この選択結果に基づいてデジタル映像信号の画素単位の信号レベル(輝度レベル)を制御することによって輝度補正を行う(ステップS45)。
上述した一連の処理により、高輝度表示画素および低輝度表示画素の各々について相対輝度の劣化分を検出し、画素個々の温度上昇分ΔTを高輝度表示画素および低輝度表示画素の各々についての相対輝度の劣化分に対応した高輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLaと低輝度表示画素の相対輝度劣化分ΔLbとに換算することによって温度補正を行い、この温度補正によって得られた相対輝度劣化分ΔLa,ΔLbの除算結果ΔLa/ΔLbを基に、温度差に起因して発生する輝度ムラが一定になるように輝度補正が行われる。これにより、表示エリア全域において表示温度が異なる箇所でも所定の均一な発光輝度(発光強度)で表示を行うことができるために、滑らかな画像表示を実現できる。
なお、上記各実施形態では、温度補正によって得られた相対輝度劣化分ΔLa,ΔLbの除算結果ΔLa/ΔLbを基に温度差に起因して発生する輝度ムラが一定になるように輝度補正を行うとしたが、相対輝度劣化分ΔLaと相対輝度劣化分ΔLbとの差分ΔLa−ΔLbも、高輝度表示画素の相対輝度劣化分が反映された温度上昇分と低輝度表示画素の相対輝度劣化分が反映された温度上昇分との差であることから、温度差に起因して発生する輝度ムラの程度を表すことになるために、相対輝度劣化分ΔLa,ΔLbの差分結果ΔLa−ΔLbを基に、温度差に起因して発生する輝度ムラが一定になるように輝度補正を行う構成を採ることも可能である。かかる構成を採った場合にも、上記各実施形態の場合と同様の作用効果を得ることができる。
また、上記各実施形態では、RGB各色を発光する発光素子13を備えた有機EL表示装置10,10′を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、白色光を発光する発光素子を備えた有機EL表示装置にも適用可能である。
また、上記各実施形態では、発光素子13の各々の光漏れ量を、それぞれ対応する受光素子19によって一様にモニタリングすることを前提として説明を行ったが、赤色光、緑色光、青色光あるいは白色光を発光する発光素子ごとに発光強度(発光輝度)が異なることから、各発光色ごとにレベル制御を行って相対的なレベルを揃えるようにしたり、あるいは、光漏れ量をモニタリングする対象となる発光色の種類を初期設定で限定したりすることも可能である。
また、上記各実施形態では、有機EL表示装置に適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明は有機EL表示装置への適用に限られるものではなく、有機EL素子と同様に、デバイスの温度変化に応じて発光輝度が変化する特性を持つPDP(Plasma Display Panel)等の自発光素子を備えた表示装置全般に適用可能である。
本発明に係る上面発光型有機EL表示装置のパネルモジュールの構成の概略を示す要部断面図である。 上面発光型有機EL表示装置のパネルモジュールの構成の概略を示す平面図である。 本発明に係る下面発光型有機EL表示装置のパネルモジュールの構成の概略を示す要部断面図である。 本発明の第1実施形態に係る制御部の構成の一例を示すブロック図である。 消費電力Pと温度上昇分ΔTとの対応関係を示す図である。 温度上昇推定値と輝度補正乗算係数Kとの対応関係を示す図である。 静止画判定部の構成の一例を示すブロック図である。 有機EL素子の発光輝度−印加電圧特性の温度依存性の一例を示す特性図である。 第1実施形態に係る制御方法の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る制御部の構成の一例を示すブロック図である。 第2実施形態に係る制御方法の処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
10,10′…有機EL表示装置、10A…パネルモジュール、11…支持基板、12…対向基板、13…発光素子(有機EL素子)、14…素子分離絶縁層、15…下部電極、16…有機層、17…上部電極、18…透明材料膜、19…受光素子、30A,30B…制御部、301,321…レベル制御部、302,322…相対レベル調整部、303,306,323,326,330…メモリー部、304,324…除算部、305,325,329…A/D変換部、307,327…乗算部、308,328…相対輝度劣化検出部、309,331…温度推定部、310,332…データ規格化処理部、311,333…電圧除算演算部、312,334…電圧除算結果比較演算部、313,335…電圧除算比率制御部、314,336…演算選択制御部

Claims (10)

  1. 一対の基板間に形成された発光素子を含む画素が複数配置されてなる表示部と、
    前記一対の基板のうちの一方の基板に前記発光素子の各々に対応して配置され、当該発光素子の漏れ光を検出して光電変換する受光素子群と、
    前記受光素子群の各受光素子の検出信号から画素個々の温度上昇分を推定する温度推定部と、
    前記発光素子への入力信号と前記受光素子群の各受光素子の検出信号と前記温度推定部が推定した温度上昇分とを用いて前記発光素子の発光輝度を制御する制御部と
    を備えたことを特徴とする表示装置。
  2. 前記制御部は、
    前記受光素子群の各受光素子の検出信号に基づいて高輝度表示画素と低輝度表示画素とを識別し、前記高輝度表示画素および前記低輝度表示画素の各々について所定の駆動期間における相対輝度の劣化分を検出する相対輝度劣化検出部と、
    前記温度推定部が推定した画素個々についての温度上昇分に対して前記相対輝度劣化検出部が検出した前記高輝度表示画素および前記低輝度表示画素の各々についての相対輝度の劣化分を反映させる規格化処理部とを有し、
    前記規格化処理部の処理結果に基づいて温度差に起因する輝度ムラが一定になるように前記発光素子の発光輝度を制御する
    ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  3. 前記温度推定部は、
    前記受光素子群の各受光素子の検出信号を基に前記発光素子の各々の電流値を推定し、この推定した電流値から前記発光素子の各々の消費電力を算出する消費電力演算部と、
    前記消費電力演算部が演算した消費電力から前記発光素子の各々の温度上昇分を推定する温度上昇推定部とを有する
    ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  4. 前記入力信号に基づいて静止画か動画かを判定する判定部を有し、
    前記判定部が静止画と判定したとき、前記入力信号の信号レベルに対して所定の倍率を乗算する
    ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  5. 一対の基板間に形成された発光素子を含む画素が複数配置されてなる表示部と、
    前記一対の基板のうちの一方の基板に前記発光素子の各々に対応して配置され、当該発光素子の漏れ光を検出して光電変換する受光素子群と、
    前記発光素子の各々に流れる電流値を検出する電流検出部と、
    前記電流検出部が検出した電流値から画素個々の温度上昇分を推定する温度推定部と、
    前記発光素子への入力信号と前記受光素子群の各受光素子の検出信号と前記温度推定部が推定した温度上昇分とを用いて前記発光素子の発光輝度を制御する制御部と
    を備えたことを特徴とする表示装置。
  6. 前記制御部は、
    前記受光素子群の各受光素子の検出信号に基づいて高輝度表示画素と低輝度表示画素とを識別し、前記高輝度表示画素および前記低輝度表示画素の各々について所定の駆動期間における相対輝度の劣化分を検出する相対輝度劣化検出部と、
    前記温度推定部が推定した画素個々についての温度上昇分に対して前記相対輝度劣化検出部が検出した前記高輝度表示画素および前記低輝度表示画素の各々についての相対輝度の劣化分を反映させる規格化処理部とを有し、
    前記規格化処理部の処理結果に基づいて温度差に起因する輝度ムラが一定になるように前記発光素子の発光輝度を制御する
    ことを特徴とする請求項5記載の表示装置。
  7. 前記温度推定部は、
    前記電流検出部が検出した前記発光素子の各々の電流値から前記発光素子の各々の消費電力を算出する消費電力演算部と、
    前記消費電力演算部が演算した消費電力から前記発光素子の各々の温度上昇分を推定する温度上昇推定部とを有する
    ことを特徴とする請求項6記載の表示装置。
  8. 前記入力信号に基づいて静止画か動画かを判定する判定部を有し、
    前記判定部が静止画と判定したとき、前記入力信号の信号レベルに対して所定の倍率を乗算する
    ことを特徴とする請求項5記載の表示装置。
  9. 一対の基板間に形成された発光素子を含む画素が複数配置されてなる表示装置の制御方法であって、
    前記一対の基板のうちの一方の基板に前記発光素子の各々に対応して配置された発光素子群の各発光素子によって前記発光素子の漏れ光を検出する漏れ光検出ステップと、
    前記受光素子群の各受光素子の検出信号から画素個々の温度上昇分を推定する温度推定ステップと、
    前記発光素子への入力信号と前記受光素子群の各受光素子の検出信号と前記温度推定ステップで推定した温度上昇分とを用いて前記発光素子の発光輝度を制御する制御ステップと
    を有することを特徴とする表示装置の制御方法。
  10. 一対の基板間に形成された発光素子を含む画素が複数配置されてなる表示装置の制御方法であって、
    前記一対の基板のうちの一方の基板に前記発光素子の各々に対応して配置された発光素子群の各発光素子によって前記発光素子の漏れ光を検出する漏れ光検出ステップと、
    前記発光素子の各々に流れる電流値を検出する電流検出ステップと、
    前記電流検出ステップで検出した電流値から画素個々の温度上昇分を推定する温度推定ステップと、
    前記発光素子への入力信号と前記受光素子群の各受光素子の検出信号と前記温度推定ステップで推定した温度上昇分とを用いて前記発光素子の発光輝度を制御する制御ステップと
    を有することを特徴とする表示装置の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022113154A1 (ja) * 2020-11-24 2022-06-02 三菱電機株式会社 映像表示装置および輝度補正方法
CN114999387A (zh) * 2022-06-28 2022-09-02 安徽熙泰智能科技有限公司 基于温度反馈的显示器亮度的补偿方法

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