JP2007286038A - 応力検出センサおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化を図るとともに、2軸応力の検出精度を向上させることが可能な応力検出センサを提供すること。
【解決手段】少なくとも主面1aが絶縁体層1Bにより形成されている基板1と、主面1a上に形成された1対の帯状の抵抗体2A,2Bと、を備えており、1対の抵抗体2A,2Bが、互いに直交し、かつこれらの中央部2Aa,2Baどうしが重なり合う構成とされた、応力検出センサA1であって、1対の抵抗体2A,2Bのうち少なくともこれらの両端縁2Ad,2Bdは、いずれも主面1aに接している一方、それぞれの中央部2Aa,2Baの間には、絶縁体層3aが介在しており、1対の抵抗体2A,2Bのうち少なくとも一方は、中央部2Baと両端縁2Bdとの間に段差部2Bcを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、たとえば車両の車輪に作用する摩擦力、垂直抗力等を検出するための車輪作用力測定装置に用いられる応力検出センサ、およびその製造方法に関する。
従来の応力検出センサとしては、車両に装備されるアンチロックブレーキ装置(以下、ABS)を構成する車輪作用力測定装置に用いられるものがある(特許文献1参照)。図9は、そのような応力検出センサの一例を示している。本図に示された応力検出センサXは、基体91と、この基体91の両面に設けられた2対の帯状の抵抗体92a,92b,93a,93bとを具備している。2対の抵抗体92a,92b,93a,93bは、基体91の同じ面に形成されたものどうしが直交しており、互いの中央部が重なる配置とされている。たとえば、1対の抵抗体92a,92bは、SiO2などの絶縁体層(図示略)に覆われた基体91の表面に抵抗体92aを貼付し、この抵抗体92a全体を覆うように追加の絶縁体層(図示略)を形成した後に、抵抗体92bを貼付することにより形成されている。
応力を測定する際には、1対の抵抗体92a,92bの交差部が測定点に位置される。1対の抵抗体92a,92bは、上記測定点に発生する応力に応じて、長手方向寸法が伸縮され、これによりそれぞれの両端縁間の電気抵抗が変化する。この電気抵抗の変化を読み取ることにより、上記測定点における2軸応力を測定可能となっている。さらに、基体91の両面に1対ずつの抵抗体92a,92b,93a,93bを備えることにより、基体91の厚さ方向におけるモーメントなども測定可能である。このような応力検出センサXを適宜組み合わせて車輪作用力測定装置を構成すれば、車輪に作用する摩擦力、垂直抗力等を検出し、路面摩擦係数等を得ることができる。これらの諸量に基づいて、たとえばABSの駆動制御がなされる。
しかしながら、近年、ABSとしても制動距離の短縮化や、制動姿勢のさらなる安定化などの要求が高まっている。このため、上記車輪作用力測定装置には、摩擦力や垂直抗力をより高い精度で測定することが求められている。応力検出センサXは、上記測定点における応力を正確に測定するため、2対の抵抗体92a,92b,93a,93bが交差部を有しており、それぞれが上記絶縁体層を介して積層された構成となっている。このため、下位に配置された抵抗体92a,93aには、基材91の応力が直接伝達されるが、上位に配置された抵抗体92b,93bには、基材91の応力が上記追加の絶縁体層を介して伝達されることとなる。上記追加の絶縁体層を薄膜状に形成したとしても、その厚さ方向にせん断変形が生じることが避けられない。このため、下位に配置された抵抗体92a,93aに比べて上位に配置された抵抗体92b,93bによる検出精度が上記せん断変形の分だけ低下することとなる。このような検出精度の低下は、上記車輪作用力測定装置の測定精度の低下に直結するため、ABSの制動距離の短縮化や、制動姿勢の安定化といった要望に十分に応えられない場合があった。また、上記車輪作用力測定装置の測定精度向上には、応力検出センサXの小型化が有利であるが、その反面、応力検出センサXの小型化を図るほど、上記追加の絶縁体層のせん断変形の影響が大きくなるなどの問題があった。
特開平4−331336号公報
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、小型化を図るとともに、
2軸応力の検出精度を向上させることが可能な応力検出センサ、およびその製造方法を提供することをその課題とする。
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明の第1の側面によって提供される応力検出センサは、少なくとも主面が絶縁性物質により形成されている基板と、上記主面上に形成された1対の帯状の抵抗体と、を備えており、上記1対の抵抗体が、互いに直交し、かつこれらの中央部どうしが重なり合う構成とされた、応力検出センサであって、上記1対の抵抗体のうち少なくともこれらの両端縁は、いずれも上記主面に接している一方、それぞれの上記中央部の間には、絶縁体層が介在しており、上記1対の抵抗体のうち少なくとも一方は、上記中央部と両端縁との間に段差部を有することを特徴としている。
このような構成によれば、上記1対の抵抗体のうち上位に配置された抵抗体の中央部以外の多くの部分を上記基板の上記主面に直接形成することが可能である。これらの部分には、上記基板の上記主面から直接応力が伝達されるため、たとえば、絶縁体層が介在することによる応力伝達ロスを抑制することができる。したがって、応力検出の精度を向上するのに適しており、たとえばこの応力検出センサが用いられる車輪作用力測定装置の測定精度向上が可能であり、ABSの制動距離の短縮化や、制動姿勢の安定化を図ることができる。
好ましい実施の形態においては、上記1対の抵抗体のうち上記中央部または上記段差部から上記両端縁へと延びる側延部は、いずれもそれらの全長にわたって上記主面に接している。このような構成によれば、実質的に上記抵抗体の大部分を占める上記側延部には、上記主面から直接応力が伝達される。したがって、応力検出の精度を高めるのに好適である。
好ましい実施の形態においては、上記1対の抵抗体は、上記両端縁間の電気抵抗が互いに同一である。このような構成によれば、上記1対の抵抗体に同一の大きさの応力が作用した場合に、それぞれの両端縁間の電気抵抗の変化量を同一とすることが可能である。したがって、上記1対の抵抗体が延びる2軸方向における応力検出の精度をさらに高めることができる。
好ましい実施の形態においては、上記絶縁体層は、上記1対の抵抗体のうち下位に位置する抵抗体の中央部を覆う絶縁体部材の一部である。このような構成によれば、上記1対の抵抗体の中央部間に介在する上記絶縁体層を適切に設けることができる。
好ましい実施の形態においては、上記絶縁体部材は、上記基板の上記主面から遠ざかるほど、その断面が小となるテーパ形状とされている。このような構成によれば、上記抵抗体の上記段差部をこの絶縁体部材のテーパ形状に沿って設けることにより、この段差部を傾斜させることが可能である。したがって、上記段差部により上記抵抗体全体の長さが延長されることを抑制し、上記1対の抵抗体どうしの電気抵抗を等しくするのに有利である。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記基板の主面には、凹部が形成されており、上記1対の抵抗体のうち下位に位置する抵抗体は、少なくともその中央部が上記凹部内に形成されている。このような構成によれば、上記1対の抵抗体のそれぞれの中央部を上記主面が向く方向において位置ずれさせて設けることが可能である。このため、上記1対の抵抗体のうち、一方の抵抗体のみに不当に大きな段差部を生じることが無く、1対の抵
抗体の長さを揃えることができる。これにより、応力検出精度をより高めることが可能である。
好ましい実施の形態においては、上記凹部の内向き側面のうち互いに対向する少なくとも1対の側面は、上記主面が向く方向に末広がり状となった傾斜面とされている。このような構成によれば、上記1対の抵抗体のうちその中央部が上記凹部内に設けられる抵抗体には、傾斜した段差部が形成される。このため、上記段差部を有してもその全長が過大に延長させられることを回避できる。
好ましい実施の形態においては、上記1対の抵抗体は、それぞれの上記中央部と上記側延部との間に、上記主面が向く方向において互いに反対方向にずれを生じる段差部を有している。このような構成によれば、上記1対の抵抗体の長さを等しくするのに有利である。
好ましい実施の形態においては、上記1対の抵抗体の上記段差部は、上記主面が向く方向における寸法が互いに同一である。このような構成によれば、上記1対の抵抗体の長さを同一とすることが可能であり、応力検出精度を高めるのに好適である。
本発明のさらに好ましい実施の形態においては、上記1対の帯状の抵抗体は、第1の抵抗体と、第2の抵抗体とからなっており、上記第1の抵抗体は、上記中央部と上記両側延部とが一連となって上記主面に接している一方、上記第2の抵抗体は、上記第1の抵抗体の上記中央部を挟んで位置する上記両側延部が上記主面に接しているとともに、上記両側延部をつなぐ上記中央部が上記絶縁体層を介して上記第1の抵抗体の上記中央部を跨ぐように形成されている。
本発明の第2の側面によって提供される応力検出センサの製造方法は、少なくとも主面が絶縁性物質により形成されている基板と、上記主面上に形成され、それぞれ、中央部とこの中央部から両端縁にかけて延びる両側延部とをもつ第1および第2の帯状の抵抗体と、を備えており、これら第1および第2の抵抗体がそれらの中央部において互いに直交し、かつこれらの中央部どうしが絶縁体層を介して重なり合う構成とされた応力検出センサの製造方法であって、上記基板の主面上に、上記第1の抵抗体の全体と、上記第2の抵抗体の両側延部とを同時に形成する工程、上記第1の抵抗体の中央部を覆うようにして、上記絶縁体層を形成する工程、および、上記絶縁体層に重ね、かつ、上記第2の抵抗体の両側延部間をつなぐようにして、上記第2の抵抗体の中央部を形成する工程、を含むことを特徴とする。
このような構成によれば、第1の抵抗体の全体と、第2の抵抗体の大部分を、同一プロセスで形成することができるので、第1の抵抗体と第2の抵抗体の大部分の膜特性を同一にすることができる。このことは、第1の抵抗体と第2の抵抗体の抵抗値を同一とするのに適しているし、工程が簡略化されることから、製造コストを低減することができる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
図1ないし図3は、本発明に係る応力検出センサの第1実施形態を示している。この応力検出センサA1は、基板1、1対の抵抗体2A,2B、絶縁体部材3、配線パターン4、および端子5を具備して構成されている。なお図1においては、図2および図3に示す保護膜6を省略して示している。
図1に示すように、基板1は、全体として略矩形状であり、図2および図3に示すように、SUS板1A上に絶縁体層1Bが積層された構成である。本実施形態においては、基板1のサイズは、たとえば、1mm角〜8mm角程度の比較的小サイズとされる。これは、応力検出センサA1がABSを構成する車輪作用力測定装置に用いられる場合に、車両のサスペンションに埋設されるには、できるだけ小型であることが測定精度の向上に好ましいことによる。なお、絶縁体層1Bの厚さは、たとえば2000〜3000Å程度とされる。
基板1の主面1a上には、1対の抵抗体2A,2Bが形成されている。1対の抵抗体2A,2Bは、たとえばCrOxまたはNiからなり、それぞれ5000Å程度の帯状膜とされている。また、1対の抵抗体2A,2Bは、応力が負荷されていない自然状態において、それぞれの両端縁2Ad,2Bd間における電気抵抗が同一となる長さおよび厚さとされている。1対の抵抗体2A,2Bは、互いの中央部2Aa,2Baが重なり合うように、互いに直交する配置とされている。この応力検出センサA1においては、抵抗体2A,2Bの交差部分である中央部2Aa,2Baが測定点と一致する配置とされる。1対の抵抗体2A,2Bは、この測定点における応力に応じて、これらの長手方向寸法がそれぞれ独立して伸縮する。この伸縮により、1対の抵抗体2A,2Bの両端縁2Ad,2Bd間における電気抵抗が変化する。この変化を読み取ることにより、1対の抵抗体2A,2Bがそれぞれ延びる方向、すなわち互いに直交する2軸の応力を検出可能となっている。このような1対の抵抗体2A,2Bは、スパッタリングまたはCVDなどの薄膜形成手法により、CrOxまたはNiの薄膜を生成し、この薄膜に対して、フォトリソグラフィに
より形成したレジストマスクをエッチングマスクとしたドライエッチングを施すことにより形成することができる。
図1に示すように、1対の抵抗体2A,2Bの交差部には、絶縁体部材3が設けられている。絶縁体部材3は、1対の抵抗体2A,2Bを互いに電気的に絶縁させるためのものであり、たとえばSiO2またはポリイミドからなる。絶縁体部材3は、傾斜面3bを有
することにより、図中上方に向かうほど断面が小となる、いわゆる順テーパ形状とされる。図2または図3に示すように、絶縁体部材3のうち膜状となった上部が1対の抵抗体2A,2Bの中央部2Aa,2Ba間に介在する絶縁体層3aとなっている。絶縁体層3aの厚さは、たとえば1000Å程度とされる。
本実施形態においては、1対の抵抗体2A,2Bと絶縁体部材3との配置に特徴があり、たとえば、以下のような製造工程を経て形成される。まず、基板1の主面1a上に抵抗体2Aが上述した薄膜形成手法とドライエッチングとを用いることにより形成される。抵抗体2Aは、図2および図3に示すように、中央部2Aaと、中央部2Aaから両端縁2Adへと延びる1対の側延部2Abとが主面1aに接する平坦な形状とされている。この抵抗体2Aの中央部2Aaを覆うように絶縁体部材3を形成する。絶縁体部材3の形成は、たとえば、抵抗体2A全体を覆うようにスパッタリングまたはCVDを用いてSiO2
またはポリイミドの絶縁体薄膜を形成し、この絶縁体薄膜に対して上述した順テーパ形状を生じるようにドライエッチングを施すことによりなされる。絶縁体部材3を形成した後に、上述した抵抗体2Aと同様の手法により抵抗体2Bを形成する。抵抗体2Bは、順テーパ形状とされた絶縁体部材3に被さるように形成されるために、1対の側延部2Bbがともに基板1の主面1aに接する一方、中央部2Baが絶縁体部材3の形状に合わせて図中上方にずれた形状となる。中央部2Baと側延部2Bbとの間には、図2に示すように、絶縁体部材3の傾斜面3bに沿って傾斜した段差部2Bcが形成される。
図1に示すように、基板1の一端縁には、4つの端子5が設けられている。4つの端子5は、配線パターン4により、1対の抵抗体2A,2Bと両端縁2Ad,2Bdにおいて導通している。4つの端子5および配線パターン4は、たとえば金からなる。上述した車輪作用力測定装置においては、所定個数の応力検出センサA1を用いて、これらの端子5を所定の制御演算部に接続することにより、1対の抵抗体2A,2Bが組み込まれたいわゆるホイストンブリッジ回路が形成される。上述したように上記測定点における応力に応じて1対の抵抗体2A,2Bの電気抵抗が変化すると、この電気抵抗変化が上記ホイストンブリッジ回路から読み取られ、この結果各軸の応力が検出される。
また、図2および図3に示すように、1対の抵抗体2A,2Bおよび絶縁体部材3を含む主面1aには、これらを覆う保護膜6が形成されている。保護膜6は、たとえばSiO2からなる。
次に、応力検出センサA1の作用について、以下に説明する。
本実施形態によれば、上述した測定点における応力検出精度を向上させることができる。その理由として、第1に、1対の抵抗体2A,2Bが互いに直交し、それぞれの中央部2Aa,2Baが重なる配置とされており、これらの中央部2Aa,2Baを上記測定点に一致させることが可能な点がある。すなわち、1対の抵抗体2A,2Bは、いずれも上記測定点を横切ってこの測定点から互いに直交する方向に延びており、上記測定点において生ずる微小な応力によってもその長手方向寸法が直ちに伸縮される。本実施形態と異なり、1対の抵抗体がそれぞれ中央部を欠いた形状とされ、本実施形態でいう中央部を有さない構成とすることも可能であるが、上記測定点には、これらの抵抗体が位置しないこととなる。特に各軸方向における応力勾配が大きい応力場を測定する場合などには、上記測
定点における応力を正確に測定できるとは限らない。一方、本実施形態においては、応力勾配が大きい場合であっても、1対の抵抗体2A,2Bを上記測定点における応力に忠実に伸縮させることができる。
第2に、抵抗体2Aの全体、および抵抗体2Bの側延部がそれぞれ同一面である主面1aに接する構成とされていることにより、基板1からの応力伝達の均一化が図られていることがある。上述したように1対の抵抗体2A,2Bを互いに交差した構成とするには、従来例において説明したように、抵抗体2Aを含む主面1a全体を覆うように追加の絶縁体層を形成した後に、この追加の絶縁体層を介して抵抗体2Bを主面1a上に形成することも可能である。しかしながら、抵抗体2Bは、その全長にわたって上記追加の絶縁体層を介して応力が伝達される。この応力伝達においては、上記追加の絶縁体層のせん断変形が避けられない。そうすると、主面1aから直接応力が伝達される抵抗体2Aと、上記追加の絶縁体層を介して応力が伝達される抵抗体2Bとでは、同じ大きさの応力が発生した場合であっても、それぞれの電気抵抗の変化量が異なることとなる。このようなことでは、応力検出精度の向上が阻害されてしまう。本実施形態によれば、抵抗体2Bの中央部2Baおよび段差部2Bcのみが絶縁体層3aまたは絶縁体部材3の側部を介して応力が伝達される構成とされており、抵抗体2Aの全長、および比較的長さが大である抵抗体2Bの側延部2Bbは、いずれも主面1aから直接応力が伝達される。また、絶縁体層3aの厚さが1000Åと比較的薄いことにより、抵抗体2Bの中央部2Baへの応力伝達の効率も比較的良好となる。したがって、本実施形態は、上記測定点における応力の検出精度を高めるのに好適である。これにより、たとえば上記車輪作用力測定装置の測定精度を向上させることが可能であり、ABSの制動距離の短縮化や制動姿勢の安定化といった要望に応えることができる。
また、本実施形態においては、絶縁体部材3がいわゆる順テーパ形状とされていることにより、抵抗体2Bの段差部2Bcは、主面1aに対して傾斜しており、起立した形状とはなっていない。このため、段差部2Bcの有無による抵抗体2A,2Bの長手方向寸法の差を僅少化することができる。また、これらの段差部2Bcにおいて抵抗体2Bが断線するなどの不具合を抑制するのに適している。なお、本実施形態においては、いわゆる半導体製造プロセスに適用される薄膜形成手法およびドライエッチングを用いて形成されるため、抵抗体2A,2Bおよび絶縁体部材3の形状を正確に仕上げることが可能である。すなわち、絶縁体部材3の形状から段差部2Bcを含む抵抗体2Bの実質的な全長を算出し、抵抗体2Aの全長との差を考慮して抵抗体2Bの厚さを制御することにより、抵抗体2A,2Bの電気抵抗を等しいものとするのに適している。また、上述した薄膜形成手法およびドライエッチングなどを用いれば、1対の抵抗体2A,2Bを正確に直交させるのに有利であることはもちろんである。
図4および図5は、本発明に係る応力検出センサの第2実施形態を示している。本実施形態の応力検出センサA2は、基板1の主面1aに凹部1Baが形成されている点が、上述した第1実施形態にかかる応力検出センサA1と異なっている。なお、図4以降の図面においては、上記第1実施形態と同一または類似の要素には、上記第1実施形態と同一の符号を付している。
基板1の上層である絶縁体層1Bには、凹部1Baが形成されている。抵抗体2Aは、その中央部2Aaが凹部1Ba内に位置するように形成されている。図5に示すように、凹部1Baは1対の傾斜面1Bbを有している。抵抗体2Aは、中央部2Aaから両側方へと繋がる部分がこれらの傾斜面1Bb上に形成されている。これにより、中央部2Aaと側延部2Abとの間には、傾斜面1Bbに沿って傾斜した段差部2Acが形成されている。このような凹部1Baは、上述した絶縁体部材3と同様に、たとえばドライエッチングを用いて形成することができる。
絶縁体部材3は、抵抗体2Aの中央部2Aaを覆いつつ、凹部1Baを満たすように形成されている。上述した第1実施形態と同様に、絶縁体部材3は、順テーパ形状とされており、その上部が抵抗体2Aの中央部2Aaを覆う絶縁体層3aとなっている。この絶縁体部材3に被さるように抵抗体2Bが設けられており、抵抗体2Bには、中央部2Ba、側延部2Bb、および段差部2Bcが形成されている。
図4および図5に示すように、抵抗体2A,2Bは、それぞれの中央部2Aa,2Baが図中上下方向において反対方向にずれた形状となっている。本実施形態においては、これらのずれ量SA,SBが同じ大きさとされている。これらのずれ量SA,SBは、本図から明らかなように、凹部1Baの深さ、および絶縁体部材3の主面1aからの高さと等しくなる。たとえば、抵抗体2A,2Bの厚さが、5000Å、絶縁体層3aの厚さが1000Åである場合には、ずれ量SA,SBは、ともに3000Åとされる。なお、絶縁体層1Bの厚さは、5000〜6000Å程度が必要である。
このような実施形態によれば、上述した本発明の第1実施形態による効果が得られることに加えて、さらに応力検出精度を高めることができる。すなわち、抵抗体2A,2Bそれぞれに、段差部2Ac,2Bcが形成されており、これによって生じる図中上下方向のずれ量SA,SBが同じ大きさであることにより、抵抗体2A,2Bは、幾何的に同一の長さを有するものとすることが可能である。この結果、測定点に応力が生じない自然状態において、抵抗体2A,2Bの両端縁2Ad,2Bd間の電気抵抗をより等しくすることができる。したがって、この応力検出センサA2によれば、測定点における2軸応力の検出精度を高めるのに好適である。
第1実施形態の説明において述べたように、半導体製造プロセスに用いられる手法により、凹部1Ba、絶縁体部材3、および抵抗体2A,2Bを形成すれば、それぞれを所望のサイズおよび形状に正確に仕上げることが可能である。これにより、抵抗体2A,2Bの両端縁2Ad,2Bd間寸法や、段差部2Ac,2Bcの角度、およびずれ量SA,SBも正確な寸法とすることができる。したがって、抵抗体2A,2Bの両端縁2Ad,2Bd間の電気抵抗を等しいものとして、応力検出精度を向上させるのに有利である。
図6ないし図8は、本発明に係る応力検出センサの第3実施形態を示している。本実施形態の応力検出センサA3は、基板1の主面1aに対し、1対の抵抗体2A,2Bのうち、中央部2Aaが下に位置する第1の抵抗体2Aの全体と、中央部2Baが上に位置する第2の抵抗体2Bの両側延部2Bbとを同一プロセスによって形成する一方、第2の抵抗体2Bの中央部2Baは、別途のプロセスにおいて、第1の抵抗体2Aの中央部2Aaを覆う絶縁体部材3を介して、両側延部2Bb間をつなぐようにして形成するという製造手法を採用したものである。
第1の抵抗体2Aは、中央部2Aaと、両側延部2Abとが一連につながる帯状をしており、その全体が基板1の主面1aに接するように形成されている。一方、第2の抵抗体2Bは、平面的には、上記第1の抵抗体2Aと直交する帯状をしているが、その両側延部2Bbが基板1の主面1aに接するように形成され、中央部2Baは、絶縁体部材3を介して第1の抵抗体2Aの中央部2Aaを跨ぎ、両側延部2Bb間をつなぐようにして形成されている。
この実施形態においては、第1の抵抗体2Aの全体と、第2の抵抗体2Bの両側延部2Bbとを、同一プロセスによって形成する。このプロセスにおいては、たとえば、CrOxを用いたスパッタリングまたはCVDなどの薄膜形成手法とドライエッチングとを用いることにより、形成される。次いで、第1の抵抗体2Aの中央部2Aaを覆う絶縁体部材3が、SiO2またはポリイミドを用いたスパッタリングまたはCVDなどの薄膜形成手法とドライエッチングとにより形成される。次いで、第2の抵抗体2Bの中央部2Baが、たとえばNiを用いた薄膜形成手法とドライエッチングとにより形成される。最後に、基板1の主面1aは、端子5を除き、SiO2などからなる保護層6で覆われる。なお、第1および第2の抵抗体2A,B、絶縁体部材3、第2の抵抗体2Bの中央部2Baの厚みは、それぞれ、上記した第1および第2実施形態のものに準じたものとされる。
この第3実施形態の応力検出センサA3もまた、上記した第1および第2実施形態の応力検出センサA1,A2と同様にして、第1および第2の抵抗体2A,2Bの中央部2Aa,2Baを測定点とした、正確な応力検出を行うことができる。とりわけ、第1の抵抗体2Aの全体と、第2の抵抗体2Bの大部分の、基板1の主面1aに接する部分が完全に同一材質と同一厚みに形成されうるので、両抵抗体2A,2Bの膜特性を一致させるのに都合がよい。
本発明に係る応力検出センサは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る応力検出センサの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
本発明でいう基板は、SUS板と絶縁体層とを積層させた構成に限定されず、たとえば、絶縁体の単層構造としてもよい。絶縁体の材質としては、SiO2のほかにセラミック
などの絶縁体物質を用いてもよい。抵抗体、絶縁体部材などは、薄膜形成技術やドライエッチングなどの半導体製造プロセスに用いられる手法により形成することが望ましいが、これらに限定されるものではなく、厚さや平面形状を正確に仕上げることが可能な手法であればよい。
上述した実施形態のように、側延部の全長にわたって基板の主面と接する構成とすることが、応力検出の精度向上に好ましいことはもちろんであるが、たとえば、上位に位置する抵抗体の側延部の一部と主面との間に絶縁体層が介在する構成としてもよい。このような構成によっても、上述した従来技術の例のように上位に位置する抵抗体の側延部が全長にわたって絶縁体層を介して主面に設けられている構成と比べて、応力検出の精度を高めることは可能である一方、たとえば、製造工程における効率向上や、1対の抵抗体どうしの絶縁性確保などの点において、有利となる場合がある。
本発明に係る応力検出センサの用途としては、基体の両面に2つの応力検出センサが設
けられた構成、あるいは、立方体の基体の6面に計6つの応力検出センサが設けられた構成とされた車輪作用力測定装置などが適しているが、これに限定されず、微小な応力測定点について直交する2軸応力を検出するあらゆる装置に適用することが可能であることはもちろんである。
本発明に係る応力検出センサの第1実施形態を示す全体斜視図である。 図1のII-II線に沿う要部断面図である。 図1のIII-III線に沿う要部断面図である。 本発明に係る応力検出センサの第2実施形態を示す要部断面図である。 本発明に係る応力検出センサの第2実施形態を示す要部断面図である。 本発明に係る応力検出センサの第3実施形態を示す全体平面図である。 図6のVII-VII線に沿う要部断面図である。 図6のVIII-VIII線に沿う要部断面図である。 従来の応力検出センサの一例を示す全体斜視図である。
符号の説明
A 応力検出センサ
1 基板
1A SUS板
1B 絶縁体層
1Ba 凹部
1Bb 傾斜面
2A、2B 1対の抵抗体
2Aa,2Ba 中央部
2Ab,2Bb 側延部
2Ac,2Bc 段差部
2Ad,2Bd 両端縁
3 絶縁体部材
3a 絶縁体層
3b 傾斜面
4 配線パターン
5 端子
6 保護層

Claims (11)

  1. 少なくとも主面が絶縁性物質により形成されている基板と、
    上記主面上に形成された1対の帯状の抵抗体と、を備えており、
    上記1対の抵抗体が、互いに直交し、かつこれらの中央部どうしが重なり合う構成とされた、応力検出センサであって、
    上記1対の抵抗体のうち少なくともこれらの両端縁は、いずれも上記主面に接している一方、それぞれの上記中央部の間には、絶縁体層が介在しており、
    上記1対の抵抗体のうち少なくとも一方は、上記中央部と上記両端縁との間に段差部を有することを特徴とする、応力検出センサ。
  2. 上記1対の抵抗体のうち上記中央部または上記段差部から上記両端縁へと延びる側延部は、いずれもそれらの全長にわたって上記主面に接している、請求項1に記載の応力検出センサ。
  3. 上記1対の抵抗体は、上記両端縁間の電気抵抗が互いに同一である、請求項1または2に記載の応力検出センサ。
  4. 上記絶縁体層は、上記1対の抵抗体のうち下位に位置する抵抗体の中央部を覆う絶縁体部材の一部である、請求項1ないし3のいずれかに記載の応力検出センサ。
  5. 上記絶縁体部材は、上記基板の上記主面から遠ざかるほど、その断面が小となるテーパ形状とされている、請求項4に記載の応力検出センサ。
  6. 上記基板の主面には、凹部が形成されており、
    上記1対の抵抗体のうち下位に位置する抵抗体は、少なくともその中央部が上記凹部内に形成されている、請求項1ないし5のいずれかに記載の応力検出センサ。
  7. 上記凹部の内向き側面のうち互いに対向する少なくとも1対の側面は、上記主面が向く方向に末広がり状となった傾斜面とされている、請求項6に記載の応力検出センサ。
  8. 上記1対の抵抗体は、それぞれの上記中央部と上記側延部との間に、上記主面が向く方向において互いに反対方向にずれを生じる段差部を有している、請求項6または7に記載の応力検出センサ。
  9. 上記1対の抵抗体の上記段差部は、上記主面が向く方向における寸法が互いに同一である、請求項8に記載の応力検出センサ。
  10. 上記1対の帯状の抵抗体は、第1の抵抗体と、第2の抵抗体とからなっており、
    上記第1の抵抗体は、上記中央部と上記両側延部とが一連となって上記主面に接している一方、
    上記第2の抵抗体は、上記第1の抵抗体の上記中央部を挟んで位置する両側延部が上記主面に接しているとともに、上記両側延部をつなぐ上記中央部が上記絶縁体層を介して上記第1の抵抗体の上記中央部を跨ぐように形成されている、請求項2に記載の応力検出センサ。
  11. 少なくとも主面が絶縁性物質により形成されている基板と、上記主面上に形成され、それぞれ、中央部とこの中央部から両端縁にかけて延びる両側延部とをもつ第1および第2の帯状の抵抗体と、を備えており、これら第1および第2の抵抗体がそれらの中央部において互いに直交し、かつこれらの中央部どうしが絶縁体層を介して重なり合う構成とされた応力検出センサの製造方法であって、
    上記基板の主面上に、上記第1の抵抗体の全体と、上記第2の抵抗体の両側延部とを同時に形成する工程、
    上記第1の抵抗体の中央部を覆うようにして、上記絶縁体層を形成する工程、および、
    上記絶縁体層に重ね、かつ、上記第2の抵抗体の両側延部間をつなぐようにして、上記第2の抵抗体の中央部を形成する工程、
    を含むことを特徴とする、応力検出センサの製造方法。
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